(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528345(P2021-528345A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】コンクリート撥水剤
(51)【国際特許分類】
C04B 22/08 20060101AFI20210924BHJP
C04B 24/04 20060101ALI20210924BHJP
C04B 22/14 20060101ALI20210924BHJP
C04B 24/02 20060101ALI20210924BHJP
C09K 3/18 20060101ALI20210924BHJP
C04B 103/65 20060101ALN20210924BHJP
【FI】
C04B22/08 B
C04B24/04
C04B22/14 A
C04B24/02
C09K3/18 101
C04B103:65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-522309(P2020-522309)
(86)(22)【出願日】2018年12月19日
(85)【翻訳文提出日】2020年4月15日
(86)【国際出願番号】CN2018121945
(87)【国際公開番号】WO2019086052
(87)【国際公開日】20190509
(31)【優先権主張番号】201810567436.7
(32)【優先日】2018年6月4日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520132517
【氏名又は名称】張郁文
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】張郁文
【テーマコード(参考)】
4G112
4H020
【Fターム(参考)】
4G112MB06
4G112MB12
4H020AA02
4H020AA04
4H020AA06
4H020BA03
4H020BA05
4H020BA07
(57)【要約】
硫酸鉄アンモニウム1〜60部、氷酢酸1〜30部、8-ヒドロキシキノリン1〜40部
、ピロ硫酸ナトリウム1〜50部という原料(重量部)から製造されるコンクリートの撥
水浸食防止剤。前記撥水浸食防止剤は、セメントの水和の適当なタイミングに水酸化鉄コ
ロイドを発生させることができ、前記コロイドは微細スリットに生成してスリットを塞ぐ
ことができ、良好な撥水性及び塩素イオン、硫酸イオン、二酸素化炭素等の浸食性の媒体
に対する抵抗力を持ち、コンクリートの使用寿命を大幅に向上させることができる。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸鉄アンモニウム1〜60部、氷酢酸1〜30、8-ヒドロキシキノリン1〜40部
、ピロ硫酸ナトリウム1〜50部という原料(重量部)から製造されることを特徴とする
コンクリートの撥水浸食防止剤。
【請求項2】
硫酸鉄アンモニウムは、鉄イオン(三価)を取り入れるためのものであり、前記鉄イオ
ン(三価)は単独で又は混合して取り入れられた塩化鉄、硫酸鉄アンモニウム、硫酸鉄、
ポリ硫酸鉄であってよいが、それらに限定されないことを特徴とする請求項1に記載のコ
ンクリートの撥水浸食防止剤。
【請求項3】
氷酢酸は、酢酸イオンを取り入れるためのものであり、前記酢酸イオンは、単独で又は
混合して取り入れられた氷酢酸であってよいが、それに限定されないことを特徴とする請
求項1に記載のコンクリートの撥水浸食防止剤。
【請求項4】
ピロ硫酸ナトリウムは、ピロ硫酸イオンを取り入れるためのものであり、前記ピロ硫酸
イオンは単独で又は混合して取り入れられたピロ硫酸ナトリウムであってよいが、それに
限定されないことを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの撥水浸食防止剤。
【請求項5】
8-ヒドロキシキノリンは、酸素及び窒素の元素の配位子を取り入れるためのものであ
り、前記酸素及び窒素の元素配位子は単独で又は混合して加えられた8-ヒドロキシキノ
リン又はメチル8-ヒドロキシキノリン等であってよいが、それらに限定されないことを
特徴とする請求項1に記載のコンクリートの撥水浸食防止剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥水浸食防止剤に関し、具体的には、コンクリート用の撥水浸食防止剤に関す
る。
【背景技術】
【0002】
本発明は、コンクリートの分野に関し、コンクリートの内部に多くの微細スリットがあ
り、これはコンクリートの本質的属性であり、本発明に先行する各種類の撥水浸食防止剤
は何れも微細スリットを塞ぐための効果的な措置を取ってコンクリートの浸出を根本的に
解決しまた各種の有害要素による侵害問題を抵抗していない。GB50119-2013
の進める塩化鉄である撥水浸食防止剤は、水を加えられる瞬間に、直ちに大量のFe(O
H)3コロイドを完全に生成するが、この場合、コンクリート構造が形成されていないの
で、有益なFe(OH)3コロイドは後でコンクリートに形成される微細スリットを塞ぐ
のに用いられていない。膨張型の材料は、コンクリートに有益な膨張を発生させることが
できるが、微細スリットの数を決定的に減らしてスリットを塞ぐことはできない。有機化
合物とコンクリート無機物との性質が大いに異なり、セメント粒子の角はそれに対して結
晶核誘発の作用を果たしなく、このような物質がスリットに適当に集まってスリットを塞
ぐこともない。表面張力の低減から着手して、コンクリートの収縮を減少させ、コンクリ
ートの微小な割れ目を減らし、撥水浸食防止の目的を達成させるように、途を新しく開く
人もいる。しかしながら、これは膨張剤と同じ、コンクリート自体にある大量の微細スリ
ットの天然の特性を変えていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記問題に対して、本発明の目的は、コンクリートの内部の微細スリットを完璧に塞ぎ、
コンクリートの浸出、易侵食性を根本的に解決する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明においては、以下の技術的手段を採用する。鉄イオ
ン(三価)によって、氷酢酸、8-ヒドロキシキノリン、ピロ硫酸ナトリウムの3つの配
位子に合わせて錯体を形成し、コンクリートにおけるセメントの水和のPH値の変化や水
溶液濃度の変化という2つのパラメータをバルブとして、反応の進行を適時に開始して、
Fe(OH)3コロイドの形成時間に対する制御を可能にする。つまり、コンクリートに
水が加えられた後で、Fe(OH)3コロイドを途端に発生させなく、コンクリート内の
水溶液濃度が約2〜3倍まで増大してから、大量のコロイドが発生する。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、上記の技術的手段を採用するので、下記のメリットを有する。
【0006】
1、レシピを入念に設計して、コンクリートの内部の水溶液濃度の変化によって、Fe
(OH)3コロイドの発生時間を適当に制御することができる。塩化鉄の撥水剤に水が加
えられると全て無駄なFe(OH)3コロイドを発生させるという欠点が解決される。
【0007】
2、好適な位置にコロイドを発生させ、スリットにおけるセメントの水和の粒子角の発
生した結晶核誘発の作用により、コロイドがちょうどスリットに生成し、水分子及び他の
浸食物質の浸透移行の通路を塞ぐ。
【0008】
3、撥水浸食防止のメカニズムは、先進的で合理であるので、鋼性的な撥水浸食防止効
果が顕著であり、コンクリート本体の各特性の促進に寄与する。
【0009】
4、環境に優しく汚染がなく、環境や人体に無害である。
【0010】
5、配合量が少なく、施工プロセスが簡単である。
[図面の簡単な説明]
【0011】
なし
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記技術問題を解決するために、本発明は下記の技術的手段を採用する。
【0013】
下記の原料(重量部)から製造されるコンクリートの撥水浸食防止剤を提供する。
【0019】
硫酸鉄アンモニウム29部、氷酢酸3.6部、8-ヒドロキシキノリン4.4部、ピロ硫
酸ナトリウム24部という原料(重量部)から製造されるコンクリートの撥水浸食防止剤
であった。
【0022】
硫酸鉄アンモニウム9.7部、氷酢酸1.2部、8-ヒドロキシキノリン1.4部、ピロ硫
酸ナトリウム8部という原料(重量部)から製造されるコンクリートの撥水浸食防止剤で
あった。
【0025】
塩化鉄9.8部、氷酢酸3.6部、8-ヒドロキシキノリン4.4部という原料(重量部)
から製造されるコンクリートの撥水浸食防止剤であった。
【0027】
硫酸鉄12部、氷酢酸3.6部、8-ヒドロキシキノリン4.4部、ピロ硫酸ナトリウム
24部という原料(重量部)から製造されるコンクリートの撥水浸食防止剤であった。
[工業的実用性]
【0028】
本発明の撥水浸食防止剤は、原材料として何れも無毒、低毒性の一般的な工業製品を採
用する。本発明の製品は、生産設備が簡単で、生産プロセスが簡潔である。コンクリート
に加えられる方法は、他のコンクリート添加剤と異ならない。
[配列表フリーテキスト]
【0029】
硫酸鉄アンモニウムは、鉄イオン(三価)を取り入れるためのものであり、前記鉄イオ
ン(三価)は単独で又は混合して取り入れられた塩化鉄、硫酸鉄アンモニウム、硫酸鉄、
ポリ硫酸鉄であってよいが、それらに限定されない。
【0030】
氷酢酸は、酢酸イオンを取り入れるためのものであり、前記酢酸イオンは、単独で又は
混合して取り入れられた氷酢酸であってよいが、それに限定されない。
【0031】
ピロ硫酸ナトリウムは、ピロ硫酸イオンを取り入れるためのものであり、前記ピロ硫酸
イオンは単独で又は混合して取り入れられたピロ硫酸ナトリウムであってよいが、それに
限定されない。
【0032】
8-ヒドロキシキノリンは、酸素窒素配位原子を取り入れるためのものであり、前記酸
素窒素配位原子は単独で又は混合して取り入れられた8-ヒドロキシキノリン又はメチル
8-ヒドロキシキノリンであってよいが、それらに限定されない。
【国際調査報告】