【実施例】
【0228】
以下は本発明の様々な化合物の合成を例示している。本発明の範囲内の追加の化合物は、これらの実施例に例示された方法を使用して、単独でまたは当技術分野で一般的に公知の技術と組み合わせて調製することができる。
【0229】
実験は、一般的には、特に酸素試薬または感湿試薬または中間体が利用される場合、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。市販の溶媒および試薬は一般的にさらに精製せずに使用した。無水溶媒は、適切な場合には、一般的に、Acros Organics製AcroSeal(登録商標)製品、SIGMA−Aldrich製Aldrich(登録商標)Sure/Seal(商標)、またはEMD Chemicals製DriSolv(登録商標)製品を利用した。他の場合には、水に対する以下のQC基準が達成されるまで、市販の溶媒は、4Åモレキュラーシーブを充填したカラムに通した:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびTHFに対して<100ppm、b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンに対して<180ppm。非常に敏感な反応に対しては、溶媒は、金属のナトリウム、水素化カルシウム、またはモレキュラーシーブでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物は、全般的に真空下で乾燥してから、さらなる反応に使用するか、または生物学的試験を施した。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)装置から報告される。記号◆は、塩素同位体パターンが質量スペクトルにおいて観察されたことを表す。
【0230】
本発明の化合物の調製中、キラル分離を使用して、いくつかの中間体のエナンチオマーを分離した。このような分離がなされた場合、分離したエナンチオマーは、これらの溶出の順序に従いENT−1またはENT−2と命名された。2つのキラル中心を有する化合物に対して、各立体中心における立体異性体は、異なる時間において分離された。中間体または実施例のENT−1またはENT−2の命名は、そのステップで行われた分離に対するキラル中心を指す。キラル中心での立体異性体が2つ以上の中心を有する化合物へと分離された場合、分離されたエナンチオマーは互いにジアステレオマーであることを認識されたい。ENT−1またはENT−2の命名は一貫性があるように本明細書で使用され、分離されたキラル中心を指す。例として、ただしこれに限定されないが、実施例35および36は2つのキラル中心を有する。中間体C77が、中間体C78を与えるENT−1、および中間体C79を与えるENT−2に分離された場合、シクロプロピル部分のキラル中心は分離された。次いで、C78を使用して、実施例35を調製した。この実施例35は、C78からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレートという名称で特定される。これらの調製において、混合物を分離手順の対象下においた後、キラル中心は、分離したエナンチオマーはエナンチオマーとして純粋ではなくてもよいという了解の下、その中心付近の「abs」で特定する。通常、各キラル中心における富化されたエナンチオマーは単離した材料の90%超である。好ましくは、各中心における富化されたエナンチオマーは混合物の98%超である。
【0231】
いくつかの実施例では、旋光計を使用して、エナンチオマーの旋光度を測定した。その観察された旋光性データ(またはその比旋光度データ)によると、時計回りの旋光性を有するエナンチオマーは(+)−エナンチオマーと命名され、反時計回りの旋光性を有するエナンチオマーは(−)−エナンチオマーと命名された。ラセミ化合物は、描かれているまたは記載されている配置の不在、または構造に隣接する(+/−)の存在のいずれかにより示される。後者の場合、示された配置は、化合物の置換基の(絶対的というより)相対的な配置を表す。
【0232】
検出可能な中間体を介して進行する反応の後には、一般的にLCMSが行われ、その後の試薬の添加前に完全な変換まで進行することを可能にした。他の実施例または方法の手順を参照した合成に関しては、反応条件(反応時間および温度)は変動し得る。一般的に、反応に続いて薄層クロマトグラフィーまたは質量分析法を行い、適当な場合にはワークアップを行う。精製は実験により異なり得る。一般的に、溶出液/勾配に対して使用される溶媒および溶媒比は、適当なR
fsまたは保持時間が得られるように選択した。これらの調製および実施例におけるすべての出発材料は、市販のものであるか、または当技術分野で公知の方法または本明細書に記載されている通りに調製することもできる。
【0233】
調製P1
(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)酢酸(P1)
【0234】
【化44】
【0235】
ステップ1.tert−ブチル2−フルオロ−3’,6’−ジヒドロ−3,4’−ビピリジン−1’(2’H)−カルボキシレート(C1)の合成。
3−ブロモ−2−フルオロピリジン(14.5g、82.4mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(28.0g、90.6mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.80g、5.19mmol)、および炭酸カリウム(25.0g、181mmol)の1,4−ジオキサン(200mL)および水(50mL)中混合物を100℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)とEtOAc(300mL)の間で分割した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜9%EtOAc)により、C1を黄色の油状物質として生成した。収率:20.0g、71.9mmol、87%。
【0236】
ステップ2.tert−ブチル4−(2−フルオロピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(C2)の合成。
C1(20.0g、71.9mmol)および酸化白金(IV)(1.97g)のMeOH(500mL)中混合物を、15℃で16時間水素添加し、この時点で反応混合物を濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中9%〜17%EtOAc)に供し、C2を淡黄色の油状物質として得た。収率:20.0g、71.3mmol、99%。
【0237】
ステップ3.tert−ブチル4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(C3)の合成。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;9.0g、220mmol)を、C2(20.0g、71.3mmol)と(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(12.0g、74.7mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中0℃混合物に少しずつ加えた。次いで、反応混合物を15℃に温め、15℃で1時間撹拌し、この時点でこれを0℃に冷却し、塩化アンモニウム飽和水溶液(100mL)でゆっくりと処理した。生成した混合物をEtOAc(300mL)で抽出し、有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:20:1石油エーテル/EtOAc)により、C3を白色の固体として得た。収率:21.0g、49.9mmol、70%。
【0238】
ステップ4.2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−(ピペリジン−4−イル)ピリジン(C4)の合成。
C3(14.0g、33.3mmol)のジクロロメタン(25mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(25mL)を加えた。反応混合物を20℃で1.5時間撹拌した後、これを真空中で濃縮して、C4を黄色の油状物質として得た。この材料を以下のステップでそのまま使用した。
【0239】
ステップ5.エチル(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)アセテート(C5)の合成。
炭酸カリウム(30.0g、217mmol)を、C4(前のステップからのもの;≦33.3mmol)およびブロモ酢酸エチル(6.00g、35.9mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)中溶液に加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。濾液をEtOAc(250mL)で希釈し、水(250mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(250mL)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中9%〜25%EtOAc)により、C5を黄色の油状物質として得た。収率:9.80g、24.1mmol、2ステップにわたり72%。
【0240】
ステップ6.(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)酢酸(P1)の合成。
C5(8.80g、21.6mmol)のTHF(45mL)およびMeOH(45mL)中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(3M;90mL、270mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した後、1M塩酸の添加によりそのpHを4に調節した。生成した混合物を濾過し、収集した固体を水で3回洗浄し、この時点でこれをMeOH(20mL)および水(60mL)中に溶解させた。この混合物を真空中で濃縮して、有機溶媒を除去し、次いで凍結乾燥して、P1を白色の固体として得た。収率:5.90g、15.6mmol、72%。LCMS m/z 378.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ8.03 (br d, 1H), 7.60 (br d, 1H), 7.55 (dd, 1H), 7.49 (br d, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.01 (dd, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.26 - 3.17 (m, 4H), 2.90 - 2.79 (m, 1H), 2.66 - 2.55 (m, 2H), 1.85 - 1.73 (m, 4H).
調製P2
アンモニウム(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)アセテート(P2)
【0241】
【化45】
【0242】
ステップ1.tert−ブチル4−(3−クロロピラジン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C6)の合成。
tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(20.0g、64.7mmol)、2,3−ジクロロピラジン(14.5g、97.3mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.60g、3.55mmol)、および炭酸ナトリウム(15.1g、142mmol)の1,4−ジオキサン(120mL)および水(50mL)中混合物を95℃で4時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(100mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(300mL)で逐次的に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中5%〜17%EtOAc)に供し、C6を淡黄色の油状物質として得た。収率:15.7g、53.1mmol、82%。
【0243】
ステップ2.tert−ブチル4−(3−クロロピラジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(C7)の合成。
C6(12.6g、42.6mmol)のMeOH(400mL)中溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(2.50g、2.70mmol)を加え、反応混合物を水素のバルーン下、30℃で2時間撹拌した。濾過後、濾液を真空中で濃縮し、残渣を、C6(1.08g、3.65mmol)を使用して行った類似の水素化の生成物と合わせた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中9%〜17%EtOAc)により、C7を薄黄色の固体として得た。合わせた収率:12.3g、41.3mmol、89%。
【0244】
ステップ3.tert−ブチル4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(C8)の合成。
酢酸パラジウム(II)(271mg、1.21mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(BINAP;1.51g、2.42mmol)、および炭酸セシウム(13.1mg、40.3mmol)を、C7(6.00g、20.1mmol)および(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(3.56g、22.2mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)中溶液に加えた。窒素を、懸濁液を介してバブリングし、この後、反応混合物を90℃で18時間撹拌し、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中3%〜20%EtOAc)を使用して精製して、C8を黄色のガム状物質として生成した。収率:7.96g、18.9mmol、94%。
【0245】
ステップ4.2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−(ピペリジン−4−イル)ピラジン(C9)の合成。
C8(7.00g、16.6mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。反応混合物を15℃で1時間撹拌し、この時点でこれを濃縮し、残渣を慎重に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(100mL)で処理した。生成した混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(300mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中10%〜25%MeOH)によりC9を黄色の固体として得た。収率:5.2g、16mmol、96%。
【0246】
ステップ5.エチル(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)アセテート(C10)の合成。
ブロモ酢酸エチル(2.55g、15.3mmol)および炭酸カリウム(6.03g、43.6mmol)を、C9(4.68mg、14.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)中溶液に加えた。反応混合物を15℃で18時間撹拌した後、これを水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C10を黄色のガム状物質として得た。収率:4.75g、11.6mmol、80%。
【0247】
ステップ6.アンモニウム(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)アセテート(P2)の合成。
C10(4.70g、11.5mmol)のMeOH(40mL)中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(3M;20mL、60mmol)を加えた。反応混合物を15℃で2時間撹拌し、この時点でこれを水(80mL)で希釈し、EtOAc(3×80mL)で洗浄した。次いで、1M塩酸の添加を介して水層をpH6に調節し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンとMeOH(10:1、50mL)の混合物で処理し、15℃で30分間撹拌し、珪藻土を介して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中10mM炭酸水素アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜33%B)を介して精製して、P2を白色の固体として生成した。収率:2.30g、5.80mmol、50%。LCMS m/z 380.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.13 (d, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.55 (dd, 1H), 7.31 - 7.21 (m, 2H), 5.49 (s, 2H), 3.69 (br d, 2H), 3.61 (s, 2H), 3.43 - 3.33 (m, 1H), 3.25 - 3.11 (m, 2H), 2.25 - 2.06 (m, 4H).
調製P3
(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)酢酸(P3)
【0248】
【化46】
【0249】
ステップ1.3−ブロモ−2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン(C11)の合成。
(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(2.21g、13.8mmol)を、シリンジを介して、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;0.80g、20.0mmol)のTHF(50mL)の0℃懸濁液に滴下添加した。次いで、氷浴を除去し、反応混合物を室温で(14℃)40分間撹拌し、この時点で3−ブロモ−2−フルオロピリジン(2.00g、11.4mmol)を、シリンジを介して滴下添加した。撹拌を室温で(14℃)1時間継続し、この時点で反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%ジクロロメタン)により、C11を白色の固体として生成した。収率:1.77g、49%。
【0250】
ステップ2.tert−ブチル4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−カルボキシレート(C12)の合成。
C11(1.00g、3.16mmol)、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(650mg、3.49mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(236mg、0.379mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(202mg、0.221mmol)、および炭酸セシウム(2.06g、6.32mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)中懸濁液を窒素で1分間脱気し、次いで85℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:20:1石油エーテル/EtOAc)を使用した残渣の精製により、C12を薄黄色の固体として得た。収率:920mg、69%。LCMS m/z 422.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.81 (dd, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.18 - 7.07 (m, 3H), 6.88 (dd, 1H), 5.47 (s, 2H), 3.61 - 3.52 (m, 4H), 3.07 - 2.97 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
ステップ3.1−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン(C13)の合成。
【0251】
トリフルオロ酢酸(1mL)を、C12(160mg、0.379mmol)のジクロロメタン(2mL)中溶液に加えた。反応混合物を20℃で30分間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮して、C13を黄色の油状物質として生成した。これを以下のステップでそのまま使用した。
【0252】
ステップ4.エチル(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)アセテート(C14)の合成。
C13(前のステップからのもの;≦0.379mmol)および炭酸カリウム(262mg、1.90mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中懸濁液に、ブロモ酢酸エチル(82.3mg、0.493mmol)を加えた。反応混合物を15℃で1.5時間撹拌した後、これをEtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。次いで、有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中17%〜50%EtOAc)を介して精製して、C14を黄色の油状物質として得た。収率:102mg、2ステップにわたり66%。LCMS m/z 408.0◆[M+H]
+。
【0253】
ステップ5.(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)酢酸(P3)の合成。
MeOH(1mL)とTHF(1mL)の混合物中のC14(102mg、0.250mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(3M;0.3mL、0.9mmol)の溶液を20℃で16時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、反応混合物をpH7に調節し、ジクロロメタンとMeOH(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P3を黄色の油状物質として生成した。収率:95.0mg、100%。
【0254】
調製P4
2−クロロ−3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン(P4)
【0255】
【化47】
【0256】
(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(7.17g、44.65mmol)および2,3−ジクロロピラジン(7.09g、47.59mmol)の1,4−ジオキサン(50mL)中19℃溶液に、tert−ブトキシドナトリウム(5.42g、56.40mmol)を加えた。反応混合物を19℃で4時間撹拌し、この時点でこれを石油エーテル(150mL)の中に注ぎ入れ、次いで珪藻土のパッドを介して濾過した。真空下での濾液の濃縮により残渣を得た。これを、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜17%ジクロロメタン)を使用して精製した。P4を白色の固体として単離した。収率:8.93g、73%。LCMS m/z 272.7(ジクロロ同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.03 (d, 1H), 7.98 (d, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.21 - 7.11 (m, 2H), 5.49 (s, 2H).
調製P5
メチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(P5)
【0257】
【化48】
【0258】
ステップ1.tert−ブチル4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート(C15)の合成。
カリウムtert−ブトキシド(65.9g、587mmol)のTHF(500mL)中溶液を、エチル(ジエトキシホスホリル)アセテート(132g、589mmol)のTHF(500mL)中0℃溶液に加え、生成した懸濁液を0℃で1時間撹拌し、この時点でこれを−50℃に冷却した。tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(90.0g、452mmol)のTHF(1.5L)中溶液を−50℃で滴下添加し、続いて、反応混合物を20℃にゆっくりと温め、次いで20℃で16時間撹拌した。水(1L)の添加後、混合物を真空中で濃縮して、THFを除去した。水性残渣をEtOAc(2×800mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成した材料を石油エーテル(200mL)で数回洗浄して、C15を白色の固体として得た。収率:95.0g、353mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.71 (s, 1H), 4.16 (q, 2H), 3.55 - 3.43 (m, 4H), 2.94 (br t, 2H), 2.28 (br t, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.28 (t, 3H).
ステップ2.6−tert−ブチル1−エチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1,6−ジカルボキシレート(C16)の合成。
【0259】
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(140g、636mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)中溶液に、20℃でカリウムtert−ブトキシド(71.2g、634mmol)を一度に加えた。反応混合物を20℃で1.5時間撹拌した後、C15(95.0g、353mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)中溶液を滴下添加し、撹拌を20℃で16時間継続した。次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液(2.0L)を加えた。塩化アンモニウムの添加により、生成した混合物を中和し、EtOAc(3.0L)で抽出した。合わせた有機層を水(2×1.0L)および塩化ナトリウム飽和水溶液(2.0L)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:10:1石油エーテル/EtOAc)を介した精製により、C16を黄色の油状物質として生成した。
1H NMR分析は余分な脂肪族材料が存在することを示した。収率:80g、280mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d): δ 4.19 - 4.09 (m, 2H), 3.55 - 3.39 (m, 3H), 3.27 (ddd, 1H), 1.76 - 1.64 (m, 2H), 1.56 (dd, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.47 (s, 9H), 1.47 - 1.37 (m, 2H), 1.27 (t, 3H), 1.17 (dd, 1H), 0.93 (dd, 1H).
ステップ3.6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(C17)の合成。
【0260】
C16(80g、280mmol)のTHF(500mL)および水(500mL)中混合物に、水酸化リチウム一水和物(37.4g、891mmol)を一度に加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(600mL)で希釈し、EtOAc(3×300mL)で洗浄した。有機層を廃棄し、6M塩酸の添加により水層をpH3〜4に酸性化した。生成した混合物をEtOAc(3×600mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。石油エーテル(300mL)を用いた残渣の摩砕により、C17を白色の固体として得た。収率:42.0g、164mmol、59%。LCMS m/z 278.2[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.15 - 12.03 (br s, 1H), 3.43 - 3.25 (m, 3H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.23 - 3.12 (m, 1H), 1.64 - 1.50 (m, 2H), 1.52 (dd, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.39 - 1.28 (m, 2H), 0.96 - 0.88 (m, 2H).
ステップ4.メチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(P5)の合成。
【0261】
塩化チオニル(5mL)をC17(5.00g、19.6mmol)のMeOH(50mL)中15℃溶液に加え、反応混合物を15℃で16時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、残渣を水(20mL)の中に注ぎ入れた。炭酸水素ナトリウム水溶液の添加により、生成した混合物をpH9に調節した。この時点でこれを最初にEtOAc(3×100mL)で抽出し、次いでジクロロメタンとMeOH(10:1比率;5×100mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、P5を薄茶色の固体として生成した。収率:3.0g、18mmol、92%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 3.68 (s, 3H), 2.92 - 2.88 (m, 2H), 2.88 - 2.82 (m, 1H), 2.74 (ddd, 1H), 1.76 - 1.62 (m, 2H), 1.51 (dd, 1H), 1.49 - 1.36 (m, 2H), 1.13 (dd, 1H), 0.90 (dd, 1H).
調製P6
6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P6)
【0262】
【化49】
【0263】
ステップ1.4−{[(6−クロロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−3−フルオロベンゾニトリル(C18)の合成。
この反応は2つの並行したバッチで行った。カリウムtert−ブトキシド(313g、2.79モル)のTHF(4.0L)中撹拌懸濁液に、10℃〜15℃で3−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(281g、1.86モル)で少しずつ添加した。反応混合物を15℃で45分間撹拌し、この時点で、反応温度を15℃で維持しながら、2,6−ジクロロピリジン(230g、1.55モル)を数回に分けて加えた。15℃でさらに18時間後、反応混合物を塩化アンモニウム飽和水溶液(10L)に注ぎ入れた。EtOAc(10L)を加え、混合物を15分間撹拌し、次いで珪藻土のパッドを介して濾過した。濾液の水層をEtOAc(2×6L)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(5L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中10%〜15%EtOAc)により、C18を淡黄色の固体として生成した。合わせた収率:550g、2.09mmol、67%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.67 (dd, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.40 (dd, 1H), 6.97 (d, 1H), 6.75 (d, 1H), 5.49 (s, 2H).
ステップ2.メチル6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C19)の合成。
【0264】
C18(3.00g、11.4mmol)のトルエン(80mL)中溶液に、P5(1.93g、11.4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(523mg、0.571mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(711mg、1.14mmol)、および炭酸セシウム(11.2g、34.3mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌し、この時点で、珪藻土を介してこれを濾過した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜15%EtOAc)を使用して精製して、C19を淡黄色の油状物質として得た。収率:2.30g、5.82mmol、51%。LCMS m/z 395.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.61 (dd, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.36 (dd, 1H), 6.21 (d, 1H), 6.13 (d, 1H), 5.45 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.63 - 3.49 (m, 3H), 3.38 (ddd, 1H), 1.83 - 1.70 (m, 2H), 1.60 (dd, 1H), 1.51 - 1.45 (m, 2H), 1.21 (dd, 1H), 0.99 (dd, 1H).
ステップ3.6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P6)の合成。
【0265】
THF(8.0mL)とMeOH(8.0mL)の混合物中のC19(770mg、1.95mmol)の溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M;5.8mL、12mmol)を加え、反応混合物を15℃で60時間撹拌した。次いで、これを濃縮して、有機溶媒を除去し、1M塩酸の添加により、水性残渣をpH6に調節した。生成した混合物をジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜1%MeOH)、これに続いて分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:20:1ジクロロメタン/MeOH)を介して精製を行い、P6を赤色のガム状物質として生成した。収率:530mg、1.39mmol、71%。LCMS m/z 382.1[M+H]
+。
【0266】
調製P7
アンモニウム6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート、ENT−2(P7)
【0267】
【化50】
【0268】
ステップ1.メチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート、塩酸塩(P5、HCl塩)の合成。
塩化チオニル(8mL)を、C17(12.4g、48.6mmol)のMeOH(200mL)中溶液に加え、反応混合物を30℃で16時間撹拌した。真空下での濃縮により、P5、HCl塩をベージュ色の固体として生成した。収率:10.0g、48.6mmol、定量。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.29 (br s, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.09 - 2.97 (m, 3H), 2.92 - 2.81 (m, 1H), 1.91 - 1.76 (m, 2H), 1.74 (dd, 1H), 1.73 - 1.57 (m, 2H), 1.06 (dd, 1H), 1.02 (dd, 1H).
ステップ2.メチル6−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C20)の合成。
【0269】
P5、HCl塩(8.0g、39mmol)および2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(7.80g、46.7mmol)のMeOH(150mL)中溶液に、トリエチルアミン(16.5mL、118mmol)を加えた。反応混合物を室温で(30℃)16時間撹拌した後、これを真空中で濃縮した。生成したガム状物質をEtOAc(80mL)と水(80mL)との間で分割した。次いで、水層をEtOAc(3×80mL)でさらに抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜21%EtOAc)により、C20を黄色の油状物質として得た。収率:11.5g、38.4mmol、98%。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.91 (d, 1H), 3.88 - 3.78 (m, 3H), 3.74 - 3.65 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 1.92 - 1.79 (m, 2H), 1.65 (dd, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.59 - 1.54 (m, 2H), 1.25 (dd, 1H), 1.02 (dd, 1H).
ステップ3.メチル6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C21)の合成。
【0270】
酢酸パラジウム(II)(888mg、3.96mmol)、ジ−tert−ブチル[2’,4’,6’−トリ(プロパン−2−イル)ビフェニル−2−イル]ホスファン(t−Bu XPhos;3.27g、7.70mmol)、および炭酸セシウム(31.6g、96.9mmol)を、C20(11.5g、38.4mmol)および(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(7.47g、46.5mmol)のトルエン(200mL)中溶液に加え、この時点で反応容器を真空排気し、窒素を投入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで、反応混合物を110℃で16時間撹拌した。濾過後、濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜22%EtOAc)を介して精製して、C21を淡黄色の油状物質として生成した。収率:13.4g、31.6mmol、82%。LCMS m/z 424.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.87 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.15 - 7.07 (m, 2H), 5.33 (s, 2H), 3.84 - 3.73 (m, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.70 - 3.63 (m, 1H), 1.88 - 1.75 (m, 2H), 1.63 (dd, 1H), 1.56 - 1.50 (m, 2H), 1.23 (dd, 1H), 1.00 (dd, 1H).
ステップ4.6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(C22)の合成。
【0271】
MeOH(80mL)とTHF(80mL)の混合物中のC21(21g、50mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(5M;30mL、150mmol)を加えた。反応混合物を30℃で15時間撹拌し、この時点で、これを真空中で濃縮し、1M塩酸の添加によりpH6〜7に調節し、ジクロロメタンとMeOH(10:1、4×100mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C21(13.4g、31.6mmol)を使用して行った類似の反応の生成物と合わせた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%MeOH)により、C22を黄色のガム状物質として得た。合わせた収率:27.0g、65.9mmol、81%。LCMS m/z 410.1◆[M+H]
+。
【0272】
ステップ5.アンモニウム6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート、ENT−1(C23)およびアンモニウム6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート、ENT−2(P7)の単離。
【0273】
超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:7:3二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するMeOH)]を介して、C22(27.0g、65.9mmol)の、その構成成分エナンチオマーへの分離を行った。白色の固体として単離した第1溶出エナンチオマーをENT−1(C23)と命名した。収率:10.27g、25.06mmol、38%。LCMS m/z 410.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.88 (d, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.09 (dd, 1H), 5.33 (s, 2H), 3.89 - 3.69 (m, 4H), 1.86 (t, 2H), 1.63 (dd, 1H), 1.60 - 1.48 (m, 2H), 1.25 (dd, 1H), 1.05 (dd, 1H).
逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:15%〜38%B)を使用して、ENT−2(P7)と命名した第2溶出エナンチオマーをさらに精製した。この材料もまた白色の固体として得られた。収率:9.86g、24.1mmol、37%。LCMS m/z 410.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.88 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.09 (dd, 1H), 5.33 (s, 2H), 3.88 - 3.69 (m, 4H), 1.86 (t, 2H), 1.64 (dd, 1H), 1.61 - 1.49 (m, 2H), 1.26 (dd, 1H), 1.07 (dd, 1H).
調製P8
4−クロロ−2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン(P8)
【0274】
【化51】
【0275】
この反応は2つの同一バッチで行った。(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(5.42g、33.8mmol)のTHF(60mL)中溶液を、25分間の期間にわたり、4−クロロ−2−(メチルスルホニル)ピリミジン(13.0g、67.5mmol)および水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;2.43g、60.8mmol)のTHF(180mL)中−25℃懸濁液に滴下添加した。反応混合物を室温で(25℃)18時間撹拌し、この時点で2つのバッチを合わせ、真空中で濃縮した。残渣を塩化アンモニウム飽和水溶液(120mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜6%EtOAc)を介して精製して、P8を白色の固体として生成した。合わせた収率:9.93g、36.4mmol、54%。LCMS m/z 272.7(ジクロロ同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.41 (d, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.17 - 7.10 (m, 2H), 7.02 (d, 1H), 5.46 (s, 2H).
調製P9
6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P9)
【0276】
【化52】
【0277】
ステップ1.2−クロロ−4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン(C24)の合成。
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液;264mg、6.59mmol)を、(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(1.06g、6.59mmol)のTHF(15mL)中0℃溶液に少しずつ加え、生成した混合物を10℃で30分間撹拌した。次いで、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(1.00mg、5.99mmol)のTHF(5mL)中溶液を少しずつ加え、反応混合物を10℃で3時間撹拌し、この時点でこれを塩化アンモニウム水溶液(100mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%EtOAc)により、C24を白色の固体として得た。収率:1.21g、69%。
【0278】
ステップ2.メチル6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C25)の合成。
【0279】
C24(1.10g、3.78mmol)、P5、HCl塩(855mg、4.16mmol)、およびトリエチルアミン(1.15g、11.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中溶液を100℃で6時間撹拌し、この時点でこれを、C24(100mg、0.344mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、水(300mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(2×60mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%EtOAc)を介した精製により、C25をオレンジ色の油状物質として生成した。合わせた収率:813mg、1.92mmol、47%。
【0280】
ステップ3.6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P9)の合成。
【0281】
C25(1.79g、4.22mmol)のMeOH(50mL)中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2M;21.1mL、42.2mmol)を加えた。反応混合物を20℃で3時間撹拌し、次いで40℃で4時間撹拌し、この時点で、12M塩酸の添加によりこれをpH5に酸性化し、水(300mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜5%MeOH)を使用して精製を行い、これに続いて逆相HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18、30×150mm、4μm;移動相A:水中0.225%ギ酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:50%〜80%B)で精製を行った。HPLC分離からの画分を減圧下で元の容量の半分まで濃縮し、次いでジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P9を白色の泡状物質として得た。収率:1.04g、60%。LCMS m/z 409.8◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.97 (d, 1H), 7.42 (dd, 1H), 7.15 (br dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 5.43 (s, 2H), 3.86 - 3.74 (m, 3H), 3.73 - 3.64 (m, 1H), 1.79 (t, 2H), 1.63 (dd, 1H), 1.49 (t, 2H), 1.26 (dd, 1H), 1.07 (dd, 1H).
調製P10
6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P10)
【0282】
【化53】
【0283】
ステップ1.4−{[(3,6−ジフルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}−3−フルオロベンゾニトリル(C26)の合成。
2,3,6−トリフルオロピリジン(4.40g、33.1mmol)および3−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(5.00g、33.1mmol)の1−メチルピロリジン−2−オン(60mL)中溶液に、炭酸カリウム(13.7g、99.2mmol)を加えた。反応混合物を100℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(100mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(4×200mL)で洗浄した後、これらを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、2,3,6−トリフルオロピリジン(200mg、1.50mmol)を使用して行った類似の反応の生成物と合わせた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%EtOAc)により、C26を白色の固体として得た。合わせた収率:6.93g、26.2mmol、76%。MS(ESI)m/z265.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.69 (dd, 1H), 7.53 - 7.45 (m, 2H), 7.41 (dd, 1H), 6.50 (ddd, 1H), 5.52 (s, 2H).
ステップ2.メチル6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C27)の合成。
【0284】
この反応は2つの同一バッチで行った。トリエチルアミン(766mg、7.57mmol)をC26(1.00g、3.78mmol)およびP5(640mg、3.78mmol)のジメチルスルホキシド(9mL)中溶液に加え、反応混合物をマイクロ波反応器内で、140℃で14時間撹拌した。次いで、2つの反応混合物を合わせ、水(50mL)の中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル中20%EtOAc)に供し、C27を黄色の油状物質として生成した。合わせた収率:696mg、1.68mmol、22%。LCMS m/z 413.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.65 (dd, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.37 (dd, 1H), 7.24 (dd, 1H), 6.12 (dd, 1H), 5.52 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.56 - 3.42 (m, 3H), 3.30 (ddd, 1H), 1.85 - 1.72 (m, 2H), 1.60 (dd, 1H), 1.53 - 1.46 (m, 2H), 1.21 (dd, 1H), 0.99 (dd, 1H).
ステップ3.6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P10)の合成。
【0285】
THF(10mL)とMeOH(1mL)の混合物中のC27(646mg、1.56mmol)の溶液に水酸化リチウム水溶液(2M;4.7mL、9.4mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、これを、C27(50mg、0.12mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、真空下で濃縮乾燥させた。残渣を水(5mL)に溶解し、1M塩酸の添加を介してpH6に調節した。濾過を介して沈殿物を収集し、水(5mL)で洗浄して、P10を黄色の固体として生成した。合わせた収率:645mg、1.61mmol、96%。LCMS m/z 400.1[M+H]
+。
【0286】
調製P11
6−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P11)
【0287】
【化54】
【0288】
ステップ1.メチル6−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C28)の合成。
炭酸カリウム(2.44g、17.7mmol)を、2,6−ジブロモ−3−フルオロピリジン(1.50g、5.88mmol)およびP5(1.10g、6.50mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(25mL)中溶液に加え、生成した懸濁液を100℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を2,6−ジブロモ−3−フルオロピリジン(1.50g、5.88mmolおよび1.0g、3.9mmol)を使用して行った2つの類似の反応と合わせ、水(300mL)の中に注ぎ入れた。tert−ブチルメチルエーテル(2×200mL)で抽出した後、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%EtOAc)、これに続く逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:60%〜88%B)により、C28を白色の固体として生成した。合わせた収率:2.25g、6.56mmol、42%。LCMS m/z 344.7(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.06 (dd, 1H), 6.80 (dd, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.63 - 3.50 (m, 3H), 3.40 (ddd, 1H), 1.91 - 1.78 (m, 2H), 1.64 - 1.50 (m, 3H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.22 (dd, 1H), 0.99 (dd, 1H).
ステップ2.6−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P11)の合成。
【0289】
水酸化ナトリウム水溶液(2M;6.56mL、13.1mmol)を、C28(2.25g、6.56mmol)のTHF(35mL)およびMeOH(25mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で73時間撹拌し、この時点でこれを減圧下で元の容量の3分の2まで濃縮して、濃塩酸の慎重な添加によりpH6〜7に酸性化した。生成した混合物を塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×80mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P11をオフホワイト色の固体として得た。収率:2.15g、6.53mmol、定量。LCMS m/z 330.7(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.06 (dd, 1H), 6.80 (dd, 1H), 3.62 - 3.44 (m, 4H), 1.90 (dd, 2H), 1.65 - 1.56 (m, 3H), 1.26 (dd, 1H), 1.07 (dd, 1H).
調製P12
6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P12)
【0290】
【化55】
【0291】
ステップ1.3−フルオロ−4−{[(3,5,6−トリフルオロピリジン−2−イル)オキシ]メチル}ベンゾニトリル(C29)の合成。
3−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリルの2,3,5,6−テトラフルオロピリジン(tetrafluoropyridiiine)との反応は、調製P10においてC26の合成に対して記載されている方法を使用して行った。化合物C29を白色の固体として得た。収率:1.15g、40%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.66 (dd, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.46 - 7.38 (m, 2H), 5.49 (s, 2H).
ステップ2.メチル6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボキシレート(C30)の合成。
【0292】
C29(522mg、1.85mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中溶液に、P5(348mg、2.06mmol)および炭酸カリウム(281mg、2.04mmol)を加えた。反応混合物を110℃で10時間撹拌し、この時点でこれを水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜4%EtOAc)により、C30を淡黄色のガム状物質として生成した。収率:400mg、50%。LCMS m/z 431.9[M+H]
+。
【0293】
ステップ3.6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(P12)の合成。
【0294】
C30(540mg、1.25mmol)のTHF(16mL)中溶液に水酸化リチウム水溶液(2M;1.9mL、3.8mmol)およびMeOH(1.8mL)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水酸化リチウム水溶液(2M;1.9mL、3.8mmol)を再度加え、撹拌を25℃で20時間継続し、この時点で、1M塩酸の添加によりpHを5〜6に調節し、混合物をジクロロメタン(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P12(540mg、想定された定量)を白色の固体として得た。この材料を、追加の精製なしにさらなる化学反応に使用した。LCMS m/z 417.9[M+H]
+。
【0295】
調製P13
2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−4−(ピペリジン−4−イル)ピリミジン、ビス(p−トルエンスルホン酸)塩(P13)
【0296】
【化56】
【0297】
ステップ1.1−tert−ブチル4−エチル4−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(C31)の合成。
リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(1M;2.3L、2.3モル)中溶液を、1−tert−ブチル4−エチルピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(500g、1.93モル)のTHF(5L)中−60℃溶液に加えた。反応混合物を−60℃で30分間撹拌した後、4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン(300g、1.87モル)のTHF(1.5L)中溶液を滴下添加方式で加えた。反応混合物を室温に1.5時間にわたり温め、次いで室温で1時間撹拌してから、0℃に冷却した。次いで、クエン酸(386g、2.01モル)の水(5L)中溶液を加え、これに続いて塩化ナトリウム飽和水溶液(5L)を加え、生成した混合物をEtOAc(2×10L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中75%〜100%EtOAc)を介して精製して、C31を黄色の油状物質として生成した。収率:690g、1.81モル、97%。LCMS m/z 382.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.61 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 4.13 (q, 2H), 3.69 (ddd, 2H), 3.16-2.96 (m, 2H), 2.48 (s, 3H), 2.27-2.18 (m, 2H), 1.96 (ddd, 2H), 1.39 (s, 9H), 1.13 (t, 3H).
ステップ2.tert−ブチル4−[2−(メチルチオ)ピリミジン−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C32)の合成。
【0298】
C31(690g、1.81モル)のMeOH(4.6L)およびTHF(2.3L)中溶液を40℃に加熱し、この時点で水酸化ナトリウム水溶液(2.0M、2当量)を加えた。反応混合物を40℃で8時間撹拌した後、これを室温まで冷却させておき、次いで、1Mクエン酸水溶液の添加によりpH4に調節した。生成した混合物を塩化ナトリウム飽和水溶液(5L)で希釈し、EtOAc(3×5L)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C32を得た。これを以下のステップでそのまま使用した。収率:550g、1.78モル、98%。LCMS m/z 310.2[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.52 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 4.10-3.98 (m, 2H), 2.90-2.74 (m, 2H), 2.80 (tt, 1H), 2.49 (s, 3H), 1.82 (br d, 2H), 1.60-1.47 (m, 2H), 1.41 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C33)の合成。
【0299】
3−クロロ過安息香酸(80%;765g、3.55モル)を、C32(550g、1.78モル)のジクロロメタン(14L)の0℃溶液中に加えた。反応混合物を室温に1.5時間にわたり温めて、次いで追加の15時間撹拌してから、珪藻土のパッドを介して濾過した。フィルターパッドをジクロロメタン(3×5L)ですすぎ、合わせた濾液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×1.1L)および塩化ナトリウム飽和水溶液(1.5L)で逐次的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:50:1ジクロロメタン/MeOH)により、C33を黄色の固体として生成した。収率:420g、1.23モル、69%。LCMS m/z 364.2[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.83 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 4.28 (br d, 2H), 3.37 (s, 3H), 2.99 (tt, 1H), 2.85 (ddd, 2H), 1.98 (br d, 2H), 1.81-1.67 (m, 2H), 1.48 (s, 9H).
ステップ4.tert−ブチル4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(C34)の合成。
【0300】
(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(201g、1.25モル)のTHF(12L)中溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(2M;1.2当量)中溶液を加えた。反応混合物を15分間撹拌した後、C33(410g、1.20モル)のTHF(1L)中溶液を加え、撹拌を室温で1時間継続した。次いで、水(5L)を加え、混合物をEtOAc(2×5L)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(5L)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:5:1石油エーテル/EtOAc)を介した精製により、C34を得た。収率:252g、597mmol、50%。LCMS m/z 422.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.43 (d, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.15-7.08 (m, 2H), 6.82 (d, 1H), 5.44 (s, 2H), 4.32-4.15 (m, 2H), 2.88-2.74 (m, 2H), 2.75 (tt, 1H), 1.88 (br d, 2H), 1.77-1.63 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
ステップ5.2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−4−(ピペリジン−4−イル)ピリミジン、ビス(p−トルエンスルホン酸)塩(P13)の合成。
【0301】
p−トルエンスルホン酸一水和物(17.1g、89.9mmol)をC34(16.2g、38.4mmol)のEtOAc(220mL)中溶液に一度に加えた。反応混合物を内部温度60℃に35分間加熱し、この時点で、油浴内で撹拌しながら、これを室温まで終夜冷却させておいた。LCMS分析は、この時点でP13への変換を示した。LCMS m/z 322.2◆[M+H]
+。濾過を介して固体を収集し、EtOAc(100mL)で洗浄し、P13をピンク色−白色の固体として生成した。収率:23.7g、35.6mmol、93%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.64-8.53 (br m, 1H), 8.56 (d, 1H), 8.37-8.23 (br m, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.53-7.48 (m, 1H), 7.49 (d, 4H), 7.34 (br d, 1H), 7.12 (d, 4H), 7.09 (d, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.37 (br d, 2H), 3.08-2.93 (m, 3H), 2.29 (s, 6H), 2.01 (br d, 2H), 1.92-1.77 (m, 2H).
調製P14
tert−ブチル(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(P14)
【0302】
【化57】
【0303】
ステップ1.tert−ブチル(2S)−4−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C35)の合成。
2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(12.0g、71.9mmol)のジクロロメタン(130mL)中0℃溶液に、トリエチルアミン(20mL、140mmol)を加え、これに続いて、tert−ブチル(2S)−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(15.0g、74.9mmol)のジクロロメタン(70mL)中溶液を加えた。反応混合物を30℃で15時間撹拌し、この時点でこれを水(150mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で逐次的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中20%〜50%EtOAc)を介した精製により、C35を白色の固体として生成した。収率:21.4g、64.7mmol、90%。LCMS m/z 330.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.94 (d, 1H), 4.54-4.45 (m, 1H), 4.39-4.29 (m, 1H), 4.28 (br d, 1H), 3.94 (br d, 1H), 3.35 (dd, 1H), 3.25-3.06 (m, 2H), 1.48 (s, 9H), 1.17 (d, 3H).
ステップ2.tert−ブチル(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(P14)の合成。
【0304】
C35のP14への変換は、調製P7においてC20からのC21の合成に対して記載されている方法を介して行った。この場合、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜20%EtOAc)を使用して、粗生成物を精製して、P14を淡黄色の油状物質として生成した。収率:10.7g、23.5mmol、98%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.88 (d, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.15 - 7.06 (m, 2H), 5.33 (s, 2H), 4.50 - 4.42 (m, 1H), 4.35 - 4.20 (m, 2H), 3.90 (br d, 1H), 3.28 (dd, 1H), 3.16 (ddd, 1H), 3.05 (ddd, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.14 (d, 3H).
調製P15
2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−4−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]ピリミジン、ビス(p−トルエンスルホネート)塩(P15)
【0305】
【化58】
【0306】
ステップ1.tert−ブチル(2S)−4−(2−クロロピリミジン−4−イル)−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C36)の合成。
tert−ブチル(2S)−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(22.2g、111mmol)、2,4−ジクロロピリミジン(15.0g、101mmol)、およびトリエチルアミン(30mL)のジクロロメタン(200mL)中溶液を30℃で15時間撹拌し、この時点でこれを水(150mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で逐次的に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中20%〜50%EtOAc)により、C36を白色の固体として生成した。収率:25.0g、79.9mmol、79%。
【0307】
ステップ2.tert−ブチル(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C37)の合成。
【0308】
ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(1.0M;90.0mL、90.0mmol)中溶液を、滴下添加方式で(4−クロロ−2−フルオロフェニル)メタノール(13.3g、82.8mmol)のTHF(50mL)中溶液に加え、生成した混合物を60℃で15分間撹拌し、この時点でこれを、C36(20.0g、63.9mmol)のTHF(120mL)中溶液に加えた。撹拌を60℃で1時間継続し、次いで反応混合物をEtOAcと水との間で分割し、C36(5.00g、16.0mmol)を使用して行った類似の反応から得た材料と合わせた。水層をEtOAc(2×120mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%EtOAc)により、C37を黄色のガム状物質として得た。合わせた収率:33.6g、76.9mmol、96%。
【0309】
ステップ3.2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−4−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]ピリミジン、ビス(p−トルエンスルホネート)塩(P15)の合成。
【0310】
p−トルエンスルホン酸一水和物(17.8g、93.6mmol)を、C37(15.7g、35.9mmol)とEtOAc(220mL)の混合物に一度に加えた。反応混合物を、内部温度60℃に35分間加熱し、この時点で、終夜撹拌しながら、これを油浴内で室温まで冷却させておいた。濾過を介して、生成した固体を収集し、EtOAc(100mL)で洗浄し、P15をオフホワイト色の固体として生成した。収率:24.5g、定量。LCMS m/z 337.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 9.21 - 9.06 (m, 1H), 8.89 - 8.73 (m, 1H), 8.22 (d, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.55 (dd, 1H), 7.48 (d, 4H), 7.37 (dd, 1H), 7.11 (d, 4H), 6.87 (d, 1H), 5.53 (s, 2H), 3.22 (dd, 1H), 3.18 - 3.05 (m, 1H), 2.29 (s, 6H), 1.27 (d, 3H).
調製P16
メチル4−アミノ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(P16)
【0311】
【化59】
【0312】
この全体の順序を大きな規模で行った。一般的に、反応前ならびに試薬の添加後、反応器を−0.08〜−0.05MPaに真空排気し、次いで窒素を標準圧まで充填した。このプロセスを総じて3回繰り返し、次いで、これが確実に≦1.0%となるように酸素含有量を評価した。抽出および有機層の洗浄のプロセスのため、混合物を総じて15〜60分間撹拌し、次いで、層の分離前に15〜60分間沈降させておいた。
【0313】
ステップ1.(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキセタン(C38)の合成。
この反応をおよそ同じスケールの3つのバッチで行った。2000Lのグラスライニング反応器に2−メチルプロパン−2−オール(774.7kg)を投入した。カリウムtert−ブトキシド(157.3kg、1402モル)を、固体滴下ロートを介して加え、混合物を30分間撹拌した。次いで、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(308.2kg、1400モル)を同じ方式で加え、反応混合物を55℃〜65℃で2〜3時間加熱し、この時点で(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(92.1kg、561モル)を5〜20kg/時の速度で加えた。反応混合物を55℃〜65℃で25時間維持した後、これを25℃〜35℃に冷却し、珪藻土(18.4kg)を介して濾過した。フィルターケーキをtert−ブチルメチルエーテル(3×340kg)ですすぎ、合わせた濾液を5000L反応器に移し、精製水(921kg)で処理し、15℃〜30℃で15〜30分間撹拌した。次いで、塩化ナトリウム(230.4kg)の精製水(920.5kg)中溶液を使用して、有機層を2回洗浄し、≦45℃で、減圧下で濃縮した(≦−0.08MPa)。n−ヘプタン(187kg)を加え、生成した混合物を減圧下(≦−0.08MPa)、≦45℃で濃縮した。カラム上の塩化ナトリウム(18.5kg)を用いた、シリカゲルクロマトグラフィー(280kg)を使用して、有機相を精製した。粗材料を、n−ヘプタン(513kg)を使用するカラムにロードし、次いでn−ヘプタン(688.7kg)とEtOAc(64.4kg)の混合物で溶出した。3つのバッチを合わせて、C38を85%純粋な淡黄色の油状物質(189.7kg、906mmol、54%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C38ピークのみ: δ 7.40 - 7.32 (m, 4H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 4.98 (dddd, 1H), 4.72 - 4.55 (m, 4H), 3.67 (dd, 1H), 3.62 (dd, 1H), 2.72 - 2.53 (m, 2H).
ステップ2.(2S)−オキセタン−2−イルメタノール(C39)の合成。
【0314】
3000Lステンレススチールオートクレーブ反応器内で、滴下ロートを介して、10%パラジウム担持炭素(30.7kg)を純度85%のC38(前のステップからのもの;185.3kg,884.8モル)のTHF(1270kg)中10℃〜30℃溶液に加えた。滴下ロートを精製水およびTHF(143kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを同様に水素でパージし、圧力を0.3〜0.5MPaに上げ、次いで0.05MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.3〜0.4MPaに上げた。次いで、反応混合物を35℃〜45℃に加熱した。13時間後、水素圧力を0.3〜0.5MPaで維持しながら、混合物をベントして0.05MPaにし、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、窒素で5回パージした。混合物を10℃〜25℃に冷却した後、これを濾過し、反応器をTHF(2×321kg)ですすいだ。フィルターケーキをこのすすぎ液に2回浸漬し、次いで濾過した。減圧(≦−0.06MPa)での濃縮を≦40℃で行い、THF(251kg)中のC39(62.2kg、706モル、80%)を生成した。
【0315】
ステップ3.(2S)−オキセタン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート(C40)の合成。
4−(ジメチルアミノ)ピリジン(17.5kg、143モル)を、THF(251kg)中のC39(前のステップからのもの;62.2kg、706モル)の10℃〜25℃溶液およびジクロロメタン(1240kg)中のトリエチルアミン(92.7kg、916モル)に加えた。30分後、p−トルエンスルホニルクロリド(174.8kg、916.9モル)を20〜40分間の間隔で少しずつ加え、反応混合物を15℃〜25℃で16時間20分間撹拌した。精製水(190kg)を加えた。撹拌後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(53.8kgの炭酸水素ナトリウムおよび622kgの精製水を使用して調製)で洗浄し、次いで塩化アンモニウム水溶液(230kgの塩化アンモニウムおよび624kgの精製水を使用して調製)で洗浄した。精製水(311kg)での最終洗浄後、シリカゲル(60.2kg)を予め充填しておいたステンレススチールのNutscheフィルターを介して有機層を濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン(311kg)に20分間浸漬し、次いで濾過した。合わせた濾液を減圧(≦−0.05MPa)および≦40℃で濃縮し、330〜400Lが残留するまでこれを続けた。次いで、THF(311kg)を15℃〜30℃で加え、混合物を同じ方式で最終容量330〜400Lに濃縮した。THFの添加および濃縮を再度容量330〜400Lまで繰り返し、C40(167.6kg、692mmol、98%)のTHF(251.8kg)中淡黄色の溶液を生成した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C40ピークのみ: δ7.81 (d, 2H), 7.34 (d, 2H), 4.91 (ddt, 1H), 4.62 - 4.55 (m, 1H), 4.53 - 4.45 (m, 1H), 4.14 (d, 2H), 2.75 - 2.63 (m, 1H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.44 (s, 3H).
ステップ4.(2S)−2−(アジドメチル)オキセタン(C41)の合成。
【0316】
3000Lグラスライニング反応器内で、N,N−ジメチルホルムアミド(473kg)、アジ化ナトリウム(34.7kg、534モル)、およびヨウ化カリウム(5.2kg、31モル)を10℃〜25℃で合わせた。THF(125.4kg)中C40(83.5kg、344.6モル)の添加後、反応混合物を55℃〜65℃に17時間40分間加熱し、この時点でこれを25℃〜35℃に冷却し、底部の弁から窒素を15分間バブリングした。次いで、tert−ブチルメチルエーテル(623kg)および精製水(840kg)を加え、生成した水層をtert−ブチルメチルエーテル(312kgおよび294kg)で2回抽出した。温度を10℃〜25℃で維持しながら、合わせた有機層を精製水(2×419kg)で洗浄して、上記有機層の溶液(1236.8kg)中のC41(31.2kg、276モル、80%)を生成した。
【0317】
ステップ5.1−[(2S)−オキセタン−2−イル]メタンアミン(C42)の合成。
3000Lステンレススチールオートクレーブ反応器内で、滴下ロートを介して、10%パラジウム担持炭素(3.7kg)を、C41(前のステップからのもの;1264kg、31.1kg、275モル)のTHF(328kg)中10℃〜30℃溶液に加えた。滴下ロートをTHF(32kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを同様に水素でパージし、圧力を0.05〜0.15MPaに上げ、次いで0.03〜0.04MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.05〜0.07MPaに上げた。反応温度を25℃〜33℃に上げ、水素圧力を0.05〜0.15MPaで22時間維持し、その間水素を3〜5時間ごとに交換した。次いで、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、混合物を窒素で5回パージした。濾過後、THF(92kgおよび93kg)を使用して、反応器を洗浄し、次いでフィルターケーキを浸漬した。合わせた濾液を減圧(≦−0.07MPa)および≦45℃で濃縮し、THF(57.8kg)中C42(18.0kg、207モル、75%)を生成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), C42ピークのみ: δ 4.62 (ddt, 1H), 4.49 (ddd, 1H), 4.37 (dt, 1H), 2.69 (d, 2H), 2.55 - 2.49 (m, 1H), 2.39 (m, 1H).
ステップ6.メチル4−ニトロ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C43)の合成。
【0318】
100Lグラスライニング反応器内で、炭酸カリウム(58.1kg、420モル)を、メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(54.8kg、275モル)のTHF(148kg)中溶液に加え、混合物を10分間撹拌した。C42(29.3kg、336モル)のTHF(212.9kg)中溶液を加え、反応混合物を20℃〜30℃で12時間撹拌し、この時点でEtOAc(151kg)を加え、混合物を、シリカゲル(29kg)を介して濾過した。フィルターケーキをEtOAc(150kgおよび151kg)ですすぎ、合わせた濾液を減圧(≦−0.08MPa)および≦45℃で、容量222〜281Lまで濃縮した。混合物を10℃〜30℃に冷却した後、n−ヘプタン(189kg)を加え、撹拌を20分間行い、混合物を減圧(≦−0.08MPa)および≦45℃で容量222Lまで濃縮した。n−ヘプタン(181kg)を混合物に100〜300kg/時の基準速度で再度加え、撹拌を20分間継続した。残留するTHFが≦5%になり、残留するEtOAcが10%〜13%になるまで混合物をサンプリングした。混合物を40℃〜45℃に加熱し、1時間撹拌し、この時点でこれを毎時5℃〜10℃の速度で15℃〜25℃に冷却し、次いで15℃〜25℃で1時間撹拌した。ステンレススチール遠心分離を使用した濾過はフィルターケーキをもたらし、これをEtOAc(5.0kg)とn−ヘプタン(34kg)の混合物ですすぎ、次いで、THF(724kg)と共に10℃〜30℃で15分間撹拌した。濾過によりC43(57.3kg、210モル、76%)の黄色の固体を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.34 (t, 1H), 8.14 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.13 (dd, 1H), 4.99 (dddd, 1H), 4.55 (ddd, 1H), 4.43 (dt, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.67 - 3.61 (m, 2H), 2.67 (dddd, 1H), 2.57 - 2.47 (m, 1H).
ステップ7.メチル4−アミノ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(P16)の合成。
【0319】
C43(5.00g、18.8mmol)のMeOH(150mL)中溶液に、湿性パラジウム担持炭素(500mg)を加え、混合物を水素のバルーン下、15℃で3時間撹拌した。反応混合物を濾過した。真空下での濾液の濃縮により、P16を無色の油状物質として生成した。収率:4.40g、18.6mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.16 (dd, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.55 (d, 1H), 5.48 (s, 2H), 4.92 - 4.87 (m, 1H), 4.70 (t, 1H), 4.54 (ddd, 1H), 4.47 (ddd, 1H), 3.72 (s, 3H), 3.39 - 3.23 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 2.72 - 2.61 (m, 1H), 2.5 - 2.40 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確).
調製P17
メチル2−(クロロメチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P17)
【0320】
【化60】
【0321】
3000Lオートクレーブ反応器内で、C43(調製P16のステップ6から;51.8kg、190モル)のTHF(678kg)中溶液を、10℃〜30℃で、10%パラジウム担持炭素(5.2kg)で処理した。添加パイプをTHF(46kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを水素で同様にパージし、圧力を0.1〜0.2MPaに上げて、次いで0.02〜0.05MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.1〜0.25MPaに上げた。反応混合物を20℃〜30℃で撹拌し、2〜3時間ごとに、混合物を窒素で3回パージし、次いで水素で5回パージした。それぞれの最終水素交換後、水素圧力を0.1〜0.25MPaに上げた。全反応時間11.25時間後、反応混合物を標準圧までベントし、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、窒素で5回パージした。次いでこれを濾過し、フィルターケーキをTHF(64kgおよび63kg)で2回すすぎ、合わせたすすぎ液および濾液を減圧下で(≦−0.08MPa)および≦40℃で、容量128〜160Lまで濃縮した。THF(169kg)を加え、混合物を、容量128〜160Lまで再度濃縮し、このプロセスを合計4回繰り返し、中間体P16の溶液を生成した。
【0322】
THF(150kg)をこの溶液に加え、これに続いて2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(35.1kg、227モル)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(1.8kg、9.5モル)を加えた。反応混合物を25分間撹拌した後、これを40℃〜45℃で5時間加熱し、この時点でこれを減圧下で容量135〜181Lまで濃縮した。2−プロパノール(142kg)を加え、混合物を再度容量135〜181Lまで濃縮し、この時点で2−プロパノール(36.5kg)および精製水(90kg)を加え、溶液が得られるまで撹拌を継続した。直列の液体フィルターを用いてこれを濾過し、次いで、150〜400kg/時の基準速度で、20℃〜40℃で、精製水(447kg)で処理した。混合物を20℃〜30℃に冷却した後、これを2時間撹拌し、遠心分離しながら濾過を介して固体を収集した。フィルターケーキを2−プロパノールの溶液(20.5kg)および精製水(154kg)ですすいだ。乾燥後、P17を白色の固体として得た(32.1kg、109モル、57%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 - 8.11 (m, 1H), 8.01 (dd, 1H), 7.79 (br d, 1H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.66 - 4.58 (m, 2H), 4.53 (dd, 1H), 4.34 (dt, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.48 - 2.37 (m, 1H).
調製P18
メチル3−メチル−2−{[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(P18)
【0323】
【化61】
【0324】
ステップ1.tert−ブチル(3S)−4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C44)の合成。
tert−ブチル(3S)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.20g、5.99mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中溶液に、ブロモ酢酸エチル(1.20g、7.19mmol)および炭酸カリウム(2.48g、18.0mmol)を加えた。反応混合物を50℃で2時間撹拌した後、これを室温に冷却し、EtOAc(25mL)で希釈し、水(25mL)で洗浄した。水層をEtOAc(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%MeOH)を介した精製により、C44を黄色の油状物質として生成した。収率:1.6g、5.6mmol、93%。
【0325】
ステップ2.[(2S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペラジン−1−イル]酢酸(C45)の合成。
水酸化ナトリウム水溶液(2M;5.34mL、10.7mmol)および水(1mL)を、C44(612mg、2.14mmol)のMeOH(5mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で(10℃)2時間撹拌した。有機溶媒を真空下で除去した後、1M塩酸の添加により残渣をpH7に酸性化し、生成した混合物を減圧下で濃縮した。次いで、固体残渣を、ジクロロメタンとMeOH(10:1、45mL)の混合物と共に、室温で(10℃)20時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。濾液を真空中で濃縮して、C45を淡黄色のガム状物質として得た。収率:300mg、1.16mmol、54%。
【0326】
ステップ3.tert−ブチル(3S)−4−(2−{[6−クロロ−2−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]アミノ}−2−オキソエチル)−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C46)の合成。
【0327】
C45(270mg、1.04mmol)および2,4,6−トリプロピル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリホスフィナン2,4,6−トリオキシド(EtOAc中50%溶液;1.27g、2.00mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)溶液中に、6−クロロ−N
2−メチルピリジン−2,3−ジアミン(182mg、1.15mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(465mg、3.60mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを、C45(25.5mg、98.8μmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜44%EtOAc)を介して精製して、C46を黒色ガム状物質として生成した。合わせた収率:320mg、0.804mmol、70%。
【0328】
ステップ4.tert−ブチル(3S)−4−[(5−クロロ−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−3−メチルピペラジン−1−カルボキシレート(C47)の合成。
【0329】
C46(320mg、0.804mmol)の酢酸(4mL)中混合物を、100℃で16時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(10mL)と混合した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(287mg、1.32mmol)およびトリエチルアミン(200mg、1.97mmol)を加え、反応混合物を室温で(15℃)2時間撹拌し、この時点でこれを水(20mL)で洗浄し、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜45%EtOAc)に供し、C47を黄色のガム状物質として得た。収率:180mg、0.474mmol、59%。
【0330】
ステップ5.メチル2−{[(2S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(C48)の合成。
【0331】
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(43.0mg、0.104mmol)、酢酸パラジウム(II)(12.7mg、56.6μmol)、およびトリエチルアミン(528mg、5.22mmol)を、MeOH(7mL)とN,N−ジメチルホルムアミドの混合物中のC47(180mg、0.474mmol)の溶液に加え、一酸化炭素(50psi)下、80℃で20時間反応混合物を撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜78%EtOAc)で精製して、C48を黄色のガム状物質として生成した。収率:150mg、0.372mmol、78%。
【0332】
ステップ6.メチル3−メチル−2−{[(2S)−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(P18)の合成。
【0333】
C48(100mg、0.248mmol)のジクロロメタン(4mL)中溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、反応混合物を室温で(15℃)2時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、固相抽出(Agela Cleanert SCXカラム)を介した強いカチオン交換に供し、P18を褐色ガム状物質として生成した。収率:70mg、0.23mmol、93%。LCMS m/z 304.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.08 (AB四重線, 2H), 4.34 (d, 1H), 4.06 (s, 3H), 4.03 (s, 3H), 3.59 (d, 1H), 2.99 - 2.91 (m, 1H), 2.89 - 2.82 (m, 1H), 2.80 - 2.71 (m, 1H), 2.65 - 2.55 (m, 2H), 2.53 - 2.43 (m, 1H), 2.32 - 2.22 (m, 1H), 1.19 (d, 3H).
調製P19
メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P19)
【0334】
【化62】
【0335】
ステップ1.メチル3−[(2−メトキシエチル)アミノ]−4−ニトロベンゾエート(C49)の合成。
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(50g、250mmol)のTHF(400mL)中無色溶液に、トリエチルアミン(40.7g、402mmol、55.8mL)を加え、これに続いてTHF(100mL)中の2−メトキシエタンアミン(30.2g、402mmol)を室温で滴下添加した。生成した黄色溶液を55℃で18時間撹拌した。溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮して、THFを除去した。生成した黄色の固体をEtOAc(800mL)に溶解し、塩化アンモニウム飽和水溶液(250mL)で洗浄した。水相を分離し、EtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3×250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C49(60.2g、94%)を黄色の固体として生成した。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.23 (d, 1H), 8.17 (br s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.25 (dd, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.69-3.73 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 3.45 (s, 3H);LCMS m/z 255.4[M+H]
+。
【0336】
ステップ2.メチル4−アミノ−3−[(2−メトキシエチル)アミノ]ベンゾエート(C50)の合成。
C49(30g、118mmol)のMeOH(500mL)中溶液に、パラジウム担持炭素(10g、94mmol)を加えた。この反応物を15psi水素下、室温で18時間撹拌した。黒色の懸濁液を、珪藻土を介して濾過し、フィルターケーキをMeOH(500mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮して、C50(26.5g、定量的)を褐色油状物質として得た。これを静置して固化した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.48 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.69 (d, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.77 (br s, 2H), 3.68 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.32 (t, 2H);LCMS m/z 224.7[M+H]
+。
【0337】
ステップ3.tert−ブチル1−({4−(メトキシカルボニル)−2−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェニル}カルバモイル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(C51)の合成。
【0338】
C17(1.50g、5.88mmol)およびC50(1.49g、6.64mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中室温(15℃)溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU;3.35g、8.81mmol)を加えた。反応混合物を15℃で20分間撹拌し、この時点でトリエチルアミン(1.19g、11.8mmol)を加え、反応混合物を50℃で4時間撹拌した。次いで、これを水(160mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜5%MeOH)を使用して精製により、C51を黄色の油状物質として生成した。収率:2.70g、5.85mmol、99%。
【0339】
ステップ4.メチル2−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C52)の合成。
【0340】
C51(2.70g、5.85mmol)の酢酸(25mL)中溶液を50℃で16時間撹拌し、炭酸カリウム飽和水溶液の添加により、この時点でこれを慎重に塩基性化した。生成した混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中50%〜100%EtOAc)により、C52を黄色の固体として得た。収率:1.45g、3.27mmol、56%。
【0341】
ステップ5.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P19)の合成。
【0342】
C52(550mg、1.24mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に、塩化水素のEtOAc(4M;10mL)中溶液を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、この時点でこれを減圧下で濃縮した。残渣を炭酸カリウム飽和水溶液(10mL)で処理し、ジクロロメタン(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P19を黄色の固体として得た。収率:400mg、1.16mmol、94%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.06 - 8.02 (m, 1H), 7.93 (dd, 1H), 7.66 (d, 1H), 4.51 (ddd, ABXYパターンの成分; 1H), 4.38 (ddd, ABXYパターンの成分; 1H), 3.93 (s, 3H), 3.81 - 3.69 (m, 2H), 3.30 (s, 3H), 3.08 - 3.00 (m, 1H), 2.93 (ddd, 1H), 2.80 - 2.66 (m, 2H), 2.09 (dd, 1H), 1.88 - 1.77 (m, 1H), 1.67 (dd, 1H), 1.51 - 1.41 (m, 2H), 1.40 - 1.30 (m, 1H), 1.12 (dd, 1H).
調製P20
メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P20)
【0343】
【化63】
【0344】
ステップ1.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P20)の合成。
C50(5.00g、22.3mmol)のTHF(100mL)中溶液に、2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(3.31mL、24.6mmol)を加え、これに続いてp−トルエンスルホン酸一水和物(84.8mg、0.446mmol)を加えた。反応混合物を45℃で5時間加熱し、この時点でこれを真空中で濃縮した。残留する油状物質をEtOAc10mL)に溶解し、溶液が形成されるまで加熱した。これを、終夜室温まで冷却しながらゆっくりと撹拌した。濾過を介して、沈殿物を収集し、ヘプタンで洗浄して、P20を灰色の固体として生成した。収率:5.73g、20.3mmol、91%。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (br s, 1H), 8.01 (br d, 1H), 7.79 (d, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.52 (t, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.74 (t, 2H), 3.28 (s, 3H).
ステップ2.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、塩酸塩(P20、HCl塩)の合成。
【0345】
C50(5.0g、24mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)中溶液を100℃に加熱し、クロロ酢酸無水物(4.1g、24.5mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)中溶液を、滴下ロートを介して10時間にわたり加え、反応混合物を100℃でもう12時間撹拌した。翌日、反応物を室温に冷却し、1,4−ジオキサンを減圧下で除去した。粗製の反応混合物をEtOAcに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。EtOAc層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。4M塩化水素の1,4−ジオキサン(1.1当量)中溶液を、絶え間なく撹拌しながら、生成物のEtOAc溶液に加えた。所望の生成物のHCl塩が薄黄色の固体として沈殿した。懸濁液を1時間撹拌し、次いで生成物を濾過によって収集して、P20、HCl塩を黄色の固体として(6.1g、86%)得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD) δ 8.64 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 5.32 (s, 2H), 4.84 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.83 (t, 2H), 3.31 (s, 3H).LCMS m/z 283.2[M+H]
+。
【0346】
調製P21
メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P21)
【0347】
【化64】
【0348】
ステップ1.メチル2−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C53)の合成。
【0349】
化合物P20(1.59g、5.62mmol)を、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、5.37mmol)と炭酸カリウム(2.97g、21.5mmol)のアセトニトリル(15mL)中15℃混合物に加え、反応混合物を55℃で12時間撹拌した。次いでこれを、P20およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、1.07mmol)を使用して行った類似の反応物と合わせ、混合物を濾過した。濾液を真空中で濃縮した後、残渣を、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%EtOAc)を介して精製して、C53を薄黄色の固体として得た。合わせた収率:2.30g、5.32mmol、83%。LCMS m/z 433.0[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (d, 1H), 7.96 (dd, 1H), 7.73 (d, 1H), 4.58 (t, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 3.73 (t, 2H), 3.46 - 3.37 (br m, 4H), 3.28 (s, 3H), 2.54 - 2.44 (br m, 4H), 1.45 (s, 9H).
ステップ2.メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P21)の合成。
【0350】
C53(2.30g、5.32mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液に、塩化水素のEtOAc(20mL)中溶液を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液の添加によりpH9〜10に調節し、EtOAcとMeOHの混合物(10:1、15×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P21を薄黄色の固体として生成した。収率:1.68g、5.05mmol、95%。LCMS m/z 332.8[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (br s, 1H), 7.96 (br d, 1H), 7.72 (d, 1H), 4.59 (t, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.86 (s, 2H), 3.75 (t, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.87 (t, 4H), 2.50 (br m, 4H).
調製P22
メチル2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P22)
【0351】
【化65】
【0352】
メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(206mg、1.14mmol)を1,4−ジオキサン(11.5mL)に溶解し、塩化クロロアセチル(109μL、1.37mmol)で処理した。混合物を100℃で3時間撹拌し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.8mL、7mmol)およびヘプタン(10mL)を加え、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン中40%EtOAc)で精製して、120mgのP22(44%)を生成した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.94 (s, 3H);LCMS m/z 239.1[M+H]
+。
【0353】
調製P23
メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P23)
【0354】
【化66】
【0355】
ステップ1.メチル3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C54)の合成。
トリエチルアミン(3.65mL、26.2mmol)を、THF(12mL)とMeOH(8mL)の混合物中のメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.00g、5.02mmol)および1−(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン、二塩化水素化物塩(1.00g、5.05mmol)の溶液に加えた。反応混合物を60℃で40時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜2%MeOH)を使用して精製した。化合物C54をオレンジ色の固体として得た。収率:1.27g、4.17mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.24 (d, 1H), 7.98 - 7.91 (m, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.57 (br s, 1H), 7.33 (dd, 1H), 7.11 (br s, 1H), 4.53 (d, 2H), 3.99 (q, 2H), 3.95 (s, 3H), 1.47 (t, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P23)の合成。
【0356】
湿性パラジウム担持炭素(144mg)およびC54(412mg、1.35mmol)のMeOH(13mL)中混合物を水素バルーン下、25℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を、珪藻土のパッドを介して濾過し、濾液を真空中で濃縮して、P23を灰色の固体として得た。収率:340mg、1.24mmol、92%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.66 (br s, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 6.97 (br s, 1H), 6.67 (d, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.11 (q, 2H), 3.81 (s, 3H), 1.44 (t, 3H).
調製P24
メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、塩酸塩(P24)
【0357】
【化67】
【0358】
ステップ1.メチル3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C55)の合成。
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.0g、5.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中無色の溶液に、1−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン(670mg、6.0mmol)およびトリエチルアミン(762mg、7.53mmol)をゆっくりと加えた。溶液を60℃で16時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)の中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%MeOH/ジクロロメタン)で精製した。得られた黄色の固体を30:1石油エーテル/EtOAcで粉砕すると、C55(1.2g、82%)が黄色の固体としてもたらされた。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.26 (d, 1H), 7.96 (br s, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.35 (dd, 1H), 7.13 (s, 1H), 4.55 (d, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.68 (s, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(C56)の合成。
【0359】
C55(5.46g、18.8mmol)のMeOH(160mL)中黄色の懸濁液に、湿性の10%パラジウム担持炭素(1g)を加えた。混合物を水素1雰囲気下、20℃で36時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをMeOH(200mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮すると、C56(4.8g、98%)が褐色固体としてもたらされた。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 7.56 (s, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.55 (d, 1H), 5.50 (s, 2H), 4.84 (t, 1H), 4.23 (d, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.63 (s, 3H).
ステップ3.メチル2−(ヒドロキシメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C57)の合成。
【0360】
C56(780mg、3.00mmol)およびヒドロキシ酢酸(342mg、4.49mmol)の1,3,5−トリメチルベンゼン(8mL)中赤色の混合物を、N
2下、140℃で14時間撹拌し、25℃で48時間撹拌した。透明な黄色の溶液をデカントして、褐色の残渣を得た。これをMeOH(50mL)に溶解し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(20%MeOH/ジクロロメタン)で精製して、C57(318mg、35%)を黄色の泡状物質として得た。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 8.13 (d, 1H), 7.83 (dd, 1H), 7.71 (d, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.76 (s, 2H), 3.91 (s, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.53 (s, 3H).
ステップ4.メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、塩酸塩(P24)の合成。
【0361】
C57(500mg、1.66mmol)のジクロロメタン(10mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中黄色の懸濁液に、SOCl
2(990mg、0.60mL、8.32mmol)を室温で滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、生成した褐色残渣をジクロロメタン(10mL)で粉砕した。固体を濾過によって収集し、ジクロロメタン(5mL)ですすぎ、真空下で乾燥させて、P24(431mg、73%)をオフホワイト色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.17 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.91 - 7.99 (m, 1H), 7.77 - 7.87 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 5.92 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.86 (s, 3H);MS(ES+):319.0(M+H)。
【0362】
調製P25
tert−ブチル4−ニトロ−3−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]ベンゾエート(P25)
【0363】
【化68】
【0364】
1−(1,3−オキサゾール−2−イル)メタンアミン、塩酸塩(491mg、3.65mmol)およびtert−ブチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(800mg、3.32mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中懸濁液に、炭酸カリウム(1.04g、6.63mmol)を加えた。反応物を60℃で2時間撹拌した。追加の1−(1,3−オキサゾール−2−イル)メタンアミン、塩酸塩(100mg、1.0mmol)を加え、反応物を60℃で追加の30分間撹拌した。反応物を室温に冷却し、次いで水(30mL)で希釈し、EtOAc(60mL)で抽出した。有機層を水で洗浄し、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。オレンジ色の残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0〜50%EtOAc/ヘプタン勾配)で精製すると、P25(764mg、75%)がオレンジ色の固体としてもたらされた。
1H NMR (CDCl
3) δ 8.48 (br s, 1H), 8.23 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.15 (s, 1H), 4.72 (d, 2H), 1.60 (s, 9H).
調製P26
メチル5−アミノ−6−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ピリジン−2−カルボキシレート(P26)
【0365】
【化69】
【0366】
ステップ1.メチル5−ニトロ−6−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ピリジン−2−カルボキシレート(C58)の合成。
メチル6−クロロ−5−ニトロピリジン−2−カルボキシレート(270g、1.25モル)およびトリエチルアミン(500g、5.1モル)を、C42(152g、1.7モル)のN,N−ジメチルホルムアミド(3L)およびTHF(3L)中溶液に25℃で加えた。混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、THFを除去し、水(5L)を加えた。混合物をEtOAc(2×5L)で抽出し、合わせた有機溶液を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗材料を類似の実験からの粗生成物の第2のバッチ(70g)と合わせ、固体を石油エーテル:EtOAc(4:1、500mL)で2時間粉砕した。固体を濾過によって収集し、乾燥させて、C58(304g、52%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.58 (br s, 1H), 8.56 (d, 1H), 7.39 (d, 1H), 5.08-5.18 (m, 1H), 4.73 (ddd, 1H), 4.61 (td, 1H), 4.06-4.16 (m, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.88-3.97 (m, 1H), 2.68-2.80 (m, 1H), 2.55 (tdd, 1H).
ステップ2.メチル5−アミノ−6−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ピリジン−2−カルボキシレート(P26)の合成。
【0367】
化合物C58(10g、37mmol)をMeOH(150mL)中に懸濁させ、10%パラジウム担持炭素(1.0g)で処理し、混合物を、50psiH
2下、室温で4時間撹拌した。混合物を、セライト(登録商標)を介して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、P26(8.4g、95%)を黄色の油状物質として生成し、これを静置させて固化した。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.49 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 5.06-5.15 (m, 1H), 4.68-4.77 (m, 1H), 4.53-4.63 (m, 2H), 3.91 (s, 3H), 3.80-3.86 (m, 2H), 3.72 (br s, 2H), 2.68-2.78 (m, 1H), 2.52-2.61 (m, 1H).
調製P27
メチル2−(クロロメチル)−3−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(P27)
【0368】
【化70】
【0369】
メカニカルオーバーヘッド撹拌棒を備えた2L、3口フラスコ内で、P26(43.0g、181mmol)をTHF(780mL)中に溶解させた。生成した薄いピンク色の懸濁液を、クロロ酢酸無水物(33.5g、100mLのTHF中190mmol)の溶液で滴下ロートを介して30分間にわたり処理した。生成した薄い琥珀色の溶液を室温で2時間撹拌し、次いで60℃で7時間加熱した。反応混合物を室温に冷却した。反応物からおよそ400mLの溶媒を、回転式エバポレーター上、減圧下で除去した。生成した溶液をEtOAc(500mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)で処理した。二相性混合物を室温で30分間撹拌した。有機層を分離し、水層をEtOAc(500mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、P27(52.5g、98%)を黄色がかった褐色固体として生成した。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 8.14 (d, 2H), 5.19-5.28 (m, 1H), 4.99-5.16 (m, 2H), 4.70-4.88 (m, 2H), 4.55-4.67 (m, 1H), 4.24-4.44 (m, 1H), 4.01 (s, 3H), 2.70-2.88 (m, 1H), 2.37-2.53 (m, 1H);LC−MS(ES+):296.4(M+H)。
【0370】
調製P28
5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P28)
【0371】
【化71】
【0372】
ステップ1.6−クロロ−N−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(C59)の合成。
2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(200g、1.04モル)および炭酸ナトリウム(132g、1.24モル)のエタノール(1L)中懸濁液に、シリンジを介して、THF(622mL,1.24モル)中の2.0Mメチルアミンを0℃で滴下添加した。添加後、反応混合物を18℃で6時間撹拌した。黄色の混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc0〜5%)で精製して、C59(158g、81%収率)を黄色の固体として生成した。
1H NMR (DMSO-d
6) δ 8.72 (br s, 1H), 8.41 (d, 1H), 6.76 (d, 1H), 3.00 (d, 3H).
ステップ2.6−クロロ−N
2−メチルピリジン−2,3−ジアミン(C60)の合成。
【0373】
C59(15.8g、84.2mmol)の酢酸(100mL)中混合物に、鉄粉末(15.4g、276mmol)を加えた。黄色の混合物を80℃で3時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、濾過した。フィルターケーキをEtOAc(2×100)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(120gシリカゲル、50%EtOAc/石油エーテル)で精製して、C60(8.40g、63%収率)を褐色固体として生成した。
1H NMR (CDCl
3) δ 6.80 (d, 1H), 6.50 (d, 1H), 3.39 (br s, 2H), 3.01 (s, 3H).
ステップ3.5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P28)の合成。
【0374】
C60(50.0g、317mmol)の1,4−ジオキサン(1.2L)中溶液に、塩化クロロアセチル(55.5mL、698mmol)を加え、混合物を15℃で50分間撹拌した。褐色混合物を減圧下で濃縮して、褐色固体を得た。これをトリフルオロ酢酸(1.2L)中に溶解させ、80℃で60時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、褐色油状物質を得た。油状物質をEtOAc(1L)で希釈して、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した。CO
2の発生が弱まったら、層を分離し、水層をEtOAc(200mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(10〜25%EtOAc/石油エーテル勾配)で精製して、P28(61.0g、79%)を黄色の固体として生成した。H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 (d, 1H), 7.37 (d, 1H), 5.11 (s, 2H), 3.84 (s, 3H).
調製P29
5−ブロモ−N
3,6−ジメチルピリジン−2,3−ジアミン(P29)
【0375】
【化72】
【0376】
化合物P29を文献の手順に従い合成した(Choi、J.Y.ら、J.Med.Chem.2012年、55巻、852〜870頁)。
調製P30
メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート、塩酸塩(P30)
【0377】
【化73】
【0378】
ステップ1.tert−ブチル1−(6−ブロモ−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(C61)の合成。
【0379】
C17(1.00g、3.92mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2.98g、7.83mmol)、5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン(1.10g、5.85mmol)、およびトリエチルアミン(1.64mL、11.8mmol)の混合物をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、反応混合物を室温で一晩撹拌し、この時点でこれを水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製した。生成したアミドを1,4−ジオキサン(8mL)に溶解し、水酸化カリウム水溶液(4M;2mL、8mmol)で処理し、100℃で15時間撹拌した。標準的ワークアップ後、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:炭化水素溶媒中EtOAc)により、C61(255mg)および非環化アミド(255mg)の両方を得た。アミドを再度水酸化カリウム反応条件下におき、追加のC61(250mg)を固体として生成した。合わせた収率:505mg、1.24mmol、32%。
【0380】
ステップ2.tert−ブチル1−[6−ブロモ−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(C62)の合成。
【0381】
C61(225mg、0.552mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(136mg、1.21mmol)のTHF中溶液を室温で20分間撹拌し、この時点で2−ブロモエチルメチルエーテル(0.125mL、1.33mmol)を加え、反応混合物を60℃で15時間加熱した。LCMS分析は生成物の2つの異性体の形成を示した。シリカゲルクロマトグラフィーにより、精製されたC62(120mg)をガム状物質として、およびC63(69mg)を得た。核オーバーハウザー効果実験を使用して、C62およびC63に対して示された位置化学を決定した。C62の収率:120mg、0.258mmol、47%。LCMS m/z 465.3(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), 特徴的ピーク: δ 8.40 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 4.40 - 4.20 (m, 2H), 3.75 - 3.58 (m, 3H), 3.36 - 3.25 (m, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.14 - 3.08 (m, 1H), 1.98 (dd, 1H), 1.74 (dd, 1H), 1.70 - 1.63 (m, 1H), 1.48 - 1.42 (m, 2H), 1.36 (s, 9H), 1.11 (dd, 1H).
ステップ3.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート、塩酸塩(P30)の合成。
【0382】
C62(120mg、0.258mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(31.9mg、77.4μmol)、および酢酸パラジウム(II)(11.6mg、51.7μmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中混合物をMeOH(4mL)およびトリエチルアミン(0.36mL、2.6mmol)で処理し、次いで一酸化炭素(50psi)下、80℃で20時間加熱した。標準的ワークアップ後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:10:1ジクロロメタン/MeOH)を介した精製により、材料を得た。次いで塩化水素の1,4−ジオキサン中溶液を使用して、これを脱保護して、P30を固体として得た。収率:40mg、0.105mmol、41%。LCMS m/z 345.3[M+H]
+。
【0383】
調製P31
5−ブロモ−N
3−(2−メトキシエチル)ピリジン−2,3−ジアミン(P31)
【0384】
【化74】
【0385】
ステップ1.N−(2−アミノ−5−ブロモピリジン−3−イル)−2−メトキシアセトアミド(C64)の合成。
メトキシ酢酸(1.00g、11.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30mL)中溶液を含有するフラスコに、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(6.33g、16.7mmol)およびトリエチルアミン(3.37g、33.3mmol)を加えた。20分間撹拌した後、5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン(2.3g、12mmol)を少しずつ加え、生成した反応混合物を終夜撹拌した。15時間後、水を加え、溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。粗製の化合物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜80%EtOAc)で精製して、C64を生成した(2.3g、80%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.09 (s, 1H), 8.06 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.83 (d, 1H), 4.08 (s, 2H), 3.53 (s, 3H);LC−MS(ES+):260.2(M+H)。
【0386】
ステップ2.5−ブロモ−N
3−(2−メトキシエチル)ピリジン−2,3−ジアミン(P31)の合成。
C64(3.3g、13mmol)のTHF中溶液に、BH
3のTHF(1M;14mL、14mmol)中溶液を10分間の期間にわたり加え、室温で一晩撹拌した。水を反応物にゆっくりと加えて、過剰のボランをクエンチし、次いで混合物をEtOAcで抽出した。EtOAc層を乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物をMeOHに溶解し、1,4−ジオキサン(1.0当量)中HClを加え、2時間撹拌した。過剰のMeOHを減圧下で除去して、粗生成物を得た。ヘプタン中0%〜70%EtOAcの範囲の勾配を用いて、フラッシュクロマトグラフィーにより化合物を精製して、P31を褐色油状物質(1.1g、35%)として得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 7.83 (d, 1H), 6.95 (d, 1H), 5.56 (s, 2H), 3.77 (t, 1H), 3.66 (t, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.22 (q, 2H);LC−MS(ES+):246.1。
【0387】
調製P32
6−ブロモ−2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P32)
【0388】
【化75】
【0389】
化合物P31(400mg、1.63mmol)を1,4−ジオキサン(8mL)中に溶解させ、塩化クロロアセチル(0.284mL、3.58mmol)で処理した。混合物を室温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生成した残渣をトリフルオロ酢酸(8mL)中に溶解させ、80℃で18時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。生成した褐色油状物質をEtOAc(50mL)中に溶解させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で中和した。二酸化炭素の発生が弱まった後で、層を分離し、水層を追加のEtOAc(20mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成した粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜80%EtOAc)で精製して、P32(176mg、36%)を黄褐色固体として生成した。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3) δ 8.59 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 4.93 (s, 2H), 4.45 (m, 2H), 3.72 (m, 2H), 3.29 (s, 3H);LC−MS(ES+):306.1(M+H)。
【0390】
調製P33
6−ブロモ−N
4−(2−メトキシエチル)ピリジン−3,4−ジアミン(P33)
【0391】
【化76】
【0392】
ステップ1.2−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)−5−ニトロピリジン−4−アミン(C65)の合成。
2,4−ジブロモ−5−ニトロピリジン(8.65g、30.7mmol)のTHF(100mL)中溶液をトリエチルアミン(5.11mL、36.8mmol)および2−メトキシエタンアミン(2.77g、36.8mmol)で処理し、反応混合物を20℃で1時間撹拌した。次いで、これを水(200mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、2,4−ジブロモ−5−ニトロピリジン(600mg、2.13mmol)を使用して行った類似の反応と合わせた。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜35%EtOAc)を使用した精製により、C65を黄色の固体として生成した。合わせた収率:9.02g、32.7mmol、99%。
【0393】
ステップ2.6−ブロモ−N
4−(2−メトキシエチル)ピリジン−3,4−ジアミン(P33)の合成。
還元された鉄粉末(607mg、10.9mmol)および塩化アンモニウム(3.49g、65.2mmol)を、MeOH(10mL)と水(4mL)の混合物中のC65(1.00g、3.62mmol)の溶液に加えた。反応混合物を80℃で4時間撹拌して、この時点でこれを水(30mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P33を薄茶色の固体として得た。収率:900mg、想定された定量。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 4.58 (br s, 1H), 3.63 (t, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.34 - 3.26 (m, 2H).
調製P34
(4−{6−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}シクロヘキシル)酢酸(P34)
【0394】
【化77】
【0395】
化合物P34は、2,6−ジクロロピリジンおよびメチル[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)シクロヘキサ−3−エン−1−イル]アセテートから開始して、Suzukiカップリング、化学選択的還元、パラジウム触媒したエーテル化およびエステル加水分解を介した、P2の調製において利用されたものと類似の経路により、cis異性体とtrans異性体の混合物として調製された。LCMS m/z 378.1[M+H]
+。
【0396】
実施例1
アンモニウム2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(1)
【0397】
【化78】
【0398】
ステップ1.メチル4−{[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)アセチル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C66)の合成。
【0399】
P1(100mg、0.264mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(151mg、0.396mmol)を加えた。この混合物を室温で(10℃)10分間撹拌した後、P16(62.4mg、0.264mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(102mg、0.792mmol)を加え、反応混合物を室温で(10℃)16時間撹拌した。次いで、これを塩化アンモニウム飽和水溶液(10mL)で処理し、ジクロロメタンとMeOH(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:20:1ジクロロメタン/MeOH)を介した精製により、C66を無色の油状物質として生成した。収率:90mg、0.15mmol、57%。
【0400】
ステップ2.メチル2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C67)の合成。
【0401】
C66(90mg、0.15mmol)の酢酸(5mL)中溶液を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した後、残渣をジクロロメタンとMeOH(10:1、30mL)の混合物に溶解し、炭酸ナトリウム飽和水溶液(20mL)で洗浄した。水層をジクロロメタンとMeOH(10:1、3×30mL)の混合物で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C67(90mg)を無色の油状物質として得た。この一部分を以下のステップでそのまま使用した。
【0402】
ステップ3.アンモニウム2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(1)の合成。
【0403】
C67(前のステップからのもの;80mg、≦0.13mmol)のMeOH(2mL)中溶液に、水酸化リチウム(4.96mg、0.209mmol)および水(0.5mL)を加え、反応混合物を50℃で16時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:13%〜33%B)を介して精製して、1を白色の固体として得た。収率:28mg、48μmol、2ステップにわたり37%。LCMS m/z 565.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.30 (d, 1H), 8.00 - 7.94 (m, 2H), 7.65 (d, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.29 - 7.21 (m, 2H), 6.94 (dd, 1H), 5.42 (s, 2H), 5.29 - 5.21 (m, 1H), 4.9 - 4.83 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.71 (dd, 1H), 4.67 - 4.60 (m, 1H), 4.45 (dt, 1H), 3.99 (AB四重線, 2H), 3.11 - 3.04 (m, 1H), 3.02 - 2.94 (m, 1H), 2.92 - 2.74 (m, 2H), 2.57 - 2.47 (m, 1H), 2.40 - 2.25 (m, 2H), 1.90 - 1.69 (m, 4H).
以下の表1に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0404】
【表1-1】
【0405】
【表1-2】
【0406】
【表1-3】
【0407】
【表1-4】
【0408】
【表1-5】
【0409】
表1/1A:1.メチル5-{[(4-{2-[(4-シアノ-2-フルオロベンジル)オキシ]ピリジン-3-イル}ピペリジン-1-イル)アセチル]アミノ}-6-{[(2S)-オキセタン-2-イルメチル]アミノ}ピリジン-2-カルボキシレートを、1,4-ジオキサン中水酸化ナトリウム水溶液で、高温で処理することは、閉環とエステル加水分解の両方を実行する役目を果たし、精製後、実施例18をもたらした。
【0410】
実施例19
アンモニウム2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(19)
【0411】
【化79】
【0412】
ステップ1.メチル4−{[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)アセチル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C68)の合成。
【0413】
P2(800mg、2.02mmol)およびP16(476mg、2.02mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)中溶液に、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(1.15g、3.02mmol)およびトリエチルアミン(408mg、4.03mmol)を加えた。反応混合物を30℃で18時間撹拌し、この時点でこれを、塩化アンモニウム飽和水溶液(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C68を黄色のガム状物質として生成した。収率:1.07g、1.79mmol、89%。
【0414】
ステップ2.メチル2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C69)の合成。
【0415】
C68(1.08g、1.81mmol)の酢酸(8mL)中溶液を50℃で18時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20mL)に慎重に注ぎ入れ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)により、C69を黄色のガム状物質として得た。収率:550mg、0.948mmol、52%。
【0416】
ステップ3.アンモニウム2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(19)の合成。
【0417】
MeOH(5mL)とTHF(5mL)の混合物中のC69(550mg、0.948mmol)の懸濁液に、水酸化ナトリウム水溶液(3M;6.32mL、19.0mmol)を加え、反応混合物を15℃で3時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、水(8mL)で希釈し、EtOAc(8mL)で洗浄した。1M塩酸の添加により、水層をpH6〜7に調節し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:26%〜56%B)を介した精製により、19を白色の固体として生成した。収率:294mg、0.504mmol、53%。LCMS m/z 566.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.25 (br s, 1H), 8.06 (d, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.52 (dd, 1H), 7.28 - 7.21 (m, 2H), 5.46 (s, 2H), 5.30 - 5.22 (m, 1H), 4.93 - 4.83 (m, 1H, 推定; 水ピークにより著しく不明確), 4.70 (dd, 1H), 4.67 - 4.59 (m, 1H), 4.47 (dt, 1H), 3.96 (AB四重線, 2H), 3.13 - 3.02 (m, 2H), 2.95 (br d, 1H), 2.85 - 2.75 (m, 1H), 2.57 - 2.47 (m, 1H), 2.38 - 2.23 (m, 2H), 2.00 - 1.78 (m, 4H).
以下の表2に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0418】
【表2-1】
【0419】
【表2-2】
【0420】
【表2-3】
【0421】
実施例29
2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(29)
【0422】
【化80】
【0423】
ステップ1.N−[6−ブロモ−4−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−2−(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)アセトアミド(C70)の合成。
【0424】
P2、HCl塩(180mg、0.47mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中溶液に、6−ブロモ−N
4−メチルピリジン−3,4−ジアミン(96mg、0.47mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(270mg、0.71mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL、1.4mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(60mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、C70を赤色のガム状物質として生成した。収率:200mg、0.36mmol、75%。
【0425】
ステップ2.6−ブロモ−2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン(C71)の合成。
【0426】
C70(200mg、0.36mmol)の1,4−ジオキサン(9mL)中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2M;1.8mL、4mmol)を加えた。溶液を100℃で2時間撹拌した。次いで、混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。材料をさらなる粗材料と合わせ、分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、C71を黄色の固体として(140mg、0.26mmol、合わせた出発材料に基づき48%)生成した。
【0427】
ステップ3.メチル2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボキシレート(C72)の合成。
【0428】
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(25mg、62μmol)、酢酸パラジウム(II)(26mg、0.12mmol)、およびトリエチルアミン(0.35mL、2.5mmol)を、MeOH(3mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)の混合物中のC71(140mg、0.26mmol)の溶液に加え、反応混合物を一酸化炭素(50psi)下、80℃で16時間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、C72を黄色の固体として(110mg、0.21mmol、82%)生成した。
【0429】
ステップ4.2−[(4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−6−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(29)の合成。
【0430】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.4mL、0.8mmol)を、THF(2mL)とMeOH(2mL)の混合物中のC72(80mg、0.15mmol)の溶液に加え、反応混合物を30℃で2時間撹拌した。真空下で濃縮後、トリフルオロ酢酸を用いて残渣をpH4に調節し、次いで逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18 OBD、5μm;移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:5%〜95%B)を使用して精製した。29を白色の固体として単離した。収率:52.4mg、83.8μmol、56%。LCMS m/z 511.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 9.11 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.16 (d, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.56 (dd, 1H), 7.30 - 7.22 (m, 2H), 5.50 (s, 2H), 4.91 (s, 2H), 4.02 - 3.93 (m, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.54 - 3.41 (m, 3H), 2.38 - 2.18 (m, 4H).
以下の表3に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0431】
【表3-1】
【0432】
【表3-2】
【0433】
実施例33
アンモニウム2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(33)
【0434】
【化81】
【0435】
ステップ1.メチル4−{[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C73)の合成。
【0436】
P3(95.0mg、0.250mmol)、P16(70.5mg、0.298mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(143mg、0.376mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中溶液を20℃で30分間撹拌し、この時点でトリエチルアミン(50.6mg、0.500mmol)を加えた。反応混合物を15℃で2時間撹拌した後、これをEtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)により、C73を黄色の油状物質(150mg)として得た。以下のステップに進み、これをそのまま使用した。
【0437】
ステップ2.メチル2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C74)の合成。
【0438】
C73(前のステップからのもの;150mg、≦0.250mmol)の酢酸(2mL)中溶液を50℃で16時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮乾燥させ、EtOAc(60mL)と混合し、炭酸ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)を使用して精製して、C74を黄色の油状物質として生成した。収率:80.5mg、0.139mmol、2ステップにわたり56%。
【0439】
ステップ3.アンモニウム2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(33)の合成。
【0440】
C74(80.0mg、0.138mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(3M;0.3mL、0.9mmol)のMeOH(1mL)およびTHF(1mL)中溶液を50℃で1時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、反応混合物をpH7に調節し、ジクロロメタンとMeOH(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20%〜50%B)を使用した精製により、33を白色の固体として得た。収率:39.7mg、68.0μmol、49%。LCMS m/z 566.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.32 (d, 1H), 7.97 (dd, 1H), 7.75 (dd, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.55 (dd, 1H), 7.28 - 7.20 (m, 3H), 6.92 (dd, 1H), 5.42 (s, 2H), 5.29 - 5.21 (m, 1H), 4.9 - 4.81 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.70 (dd, 1H), 4.66 - 4.59 (m, 1H), 4.46 (dt, 1H), 3.98 (AB四重線, 2H), 3.16 - 3.04 (br m, 4H), 2.84 - 2.74 (m, 1H), 2.74 - 2.61 (m, 4H), 2.56 - 2.45 (m, 1H).
実施例34
2−{[(2S)−4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(34)
【0441】
【化82】
【0442】
ステップ1.メチル2−{[(2S)−4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(C75)の合成。
【0443】
P18(60.0mg、0.198mmol)、P4(64.8mg、0.237mmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(24.6mg、39.6μmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(18.1mg、19.8μmol)のトルエン(2mL)中懸濁液に、炭酸セシウム(129mg、0.396mmol)を加えた。反応混合物を窒素で30秒間パージし、100℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(10mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:20:1ジクロロメタン/MeOH)により、C75を黄色の固体として生成した。収率:60mg、0.11μmol、56%。
【0444】
ステップ2.2−{[(2S)−4−{3−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピラジン−2−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(34)の合成。
【0445】
C75(60mg、0.11mmol)のMeOH(5mL)中溶液に、THF(1mL)および水酸化ナトリウム(22.2mg、0.556mmol)の水(1mL)中溶液を加えた。反応混合物を40℃で2時間撹拌した後、これを真空中で濃縮し、1M塩酸の添加によりpH7に酸性化した。生成した混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Waters XBridge C18 OBD、5μm;移動相A:0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水;移動相B:アセトニトリル;勾配:5%〜95%B)を介した精製により、34を固体として生成した。収率:43.4mg、67.8μmol、62%。LCMS m/z 526.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.20 (AB四重線, 2H), 7.80 (d, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.54 (dd, 1H), 7.27 (dd, 1H), 7.24 (br dd, 1H), 5.49 (AB四重線, 2H), 5.01 (d, 1H), 4.68 (d, 1H), 4.14 - 4.01 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.87 - 3.69 (m, 2H), 3.67 - 3.40 (m, 3H), 1.49 (d, 3H).
実施例35および36
C78からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(35)、および
C79からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(36)
【0446】
【化83】
【0447】
ステップ1.メチル4−{[(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルボニル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C76)の合成。
【0448】
P6(530mg、1.39mmol)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(794mg、2.09mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL、4.1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)中溶液に、P16(324mg、1.37mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(4.0mL)中溶液を加えた。反応混合物を25℃で15時間撹拌した後、これを真空中で濃縮して、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。生成したガム状物質を塩化ナトリウム飽和水溶液(20mL)で洗浄し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜1.3%MeOH)、これに続いて分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:4:1EtOAc/石油エーテル)を介して精製した。化合物C76を赤色のガム状物質として単離した。収率:530mg、0.884mmol、64%。
【0449】
ステップ2.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C77)の合成。
【0450】
C76(530mg、0.884mmol)の酢酸(5.0mL)中溶液を60℃で16時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(10mL)で洗浄し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。精製を2回、分取薄層クロマトグラフィー(#1に対する溶出液:1:1石油エーテル/EtOAc;#2に対する溶出液:10:1ジクロロメタン/MeOH)を使用して、次いで、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:60%〜90%B)を介して行って、C77を固体として生成した。この固体は、シクロプロパンにおける2つの立体異性体の混合物からなった。収率:140mg、0.241mmol、27%。
【0451】
ステップ3.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(C78)およびメチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(C79)の単離。
【0452】
超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するMeOH)]を使用して、シクロプロパンにおけるC77(185mg、0.318mmol)の、その構成成分立体異性体への分離を行った。黄色のガム状物質として得た第1溶出立体異性体をENT−1(C78)と命名した。収率:80mg、0.14mmol、44%。緑色のガム状物質として単離した第2溶出立体異性体をENT−2(C79)と命名した。収率:100mg、0.17mmol、50%と想定。
【0453】
ステップ4.C78からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(35)の合成。
【0454】
THF(5.0mL)とMeOH(2.0mL)の混合物中のC78(75mg、0.13mmol)の溶液を水酸化リチウム水溶液(2M;0.32mL、0.64mmol)で処理し、反応混合物を30℃で60時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、これをpH6〜7に調節し、ジクロロメタン(4×15mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20%〜40%B)を使用した精製により、35を白色の固体として生成した。収率:11.3mg、18.8μmol、14%。LCMS m/z 568.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.22 (d, 1H), 7.94 (dd, 1H), 7.64 - 7.57 (m, 2H), 7.53 - 7.47 (m, 2H), 7.41 (dd, 1H), 6.27 (d, 1H), 6.09 (d, 1H), 5.40 (AB四重線, 2H), 5.23 - 5.15 (m, 1H), 4.69 (dd, 1H), 4.63 - 4.53 (m, 2H), 4.41 (dt, 1H), 3.98 - 3.90 (m, 1H), 3.61 - 3.52 (m, 1H), 3.42 (ddd, 1H), 3.23 (ddd, 1H), 2.84 - 2.73 (m, 1H), 2.58 - 2.48 (m, 1H), 2.38 (dd, 1H), 1.86 (ddd, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.54 - 1.44 (m, 2H), 1.36 - 1.27 (m, 1H), 1.24 (dd, 1H).
ステップ5.C79からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(36)の合成。
【0455】
THF(5.0mL)とMeOH(2.0mL)の混合物中のC79(95mg、0.16mmol)の溶液を、水酸化リチウム水溶液(2M;0.40mL、0.80mmol)で処理し、反応混合物を30℃で50時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、これをpH5〜6に調節し、ジクロロメタン(4×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:21%〜41%B)を使用した精製により、36を白色の固体として生成した。収率:21.9mg、38.5μmol、24%。LCMS m/z 568.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.21 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.53 - 7.47 (m, 2H), 7.40 (dd, 1H), 6.25 (d, 1H), 6.08 (d, 1H), 5.40 (AB四重線, 2H), 5.28 - 5.20 (m, 1H), 4.69 (dd, 1H), 4.58 - 4.48 (m, 2H), 4.31 (dt, 1H), 3.95 - 3.86 (m, 1H), 3.59 - 3.50 (m, 1H), 3.41 (ddd, 1H), 3.22 (ddd, 1H), 2.81 - 2.71 (m, 1H), 2.52 - 2.41 (m, 2H), 1.86 - 1.77 (m, 1H), 1.66 (dd, 1H), 1.56 - 1.42 (m, 2H), 1.36 - 1.27 (m, 1H), 1.23 (dd, 1H).
以下の表4の実施例37は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。実施例37は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0456】
【表4】
【0457】
実施例38
P7からのアンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(38)
【0458】
【化84】
【0459】
ステップ1.P7からのメチル4−{[(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルボニル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C80)の合成。
【0460】
P16(540mg、2.29mmol)およびP7(1.03g、2.51mmol)のピリジン(10mL)中溶液に、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.31g、6.86mmol)を加えた。反応混合物を30℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(20mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル中85%EtOAc)により、C80を白色の泡状物質として生成した。収率:1.4g、2.23mmol、97%。
【0461】
ステップ2.P7からのメチル2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C81)の合成。
【0462】
C80(1.4g、2.2mmol)の酢酸(20mL)中溶液を、60℃で21時間撹拌し、この時点で反応混合物を真空下で濃縮乾燥させ、炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)の添加により中和した。生成した混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)により、C81を泡状白色の固体として得た。収率:1.1g、1.8mmol、82%。
【0463】
ステップ3.P7からのアンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(38)の合成。
【0464】
水酸化ナトリウム水溶液(2M;4.5mL、9.0mmol)を、THF(11mL)とMeOH(4.5mL)の混合物中のC81(1.1g、1.8mmol)の溶液に加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次いで、これを、C81(366mg、0.600mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、真空下で濃縮乾燥させ、水(10mL)中に溶解させ、1M塩酸の添加によりpH5に調節した。生成した混合物をジクロロメタン(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン中20%MeOH)により白色の固体を得た。これを、アセトニトリル(5mL)に溶解し、次いで水(20mL)および濃縮水酸化アンモニウム(1mL)で処理した。この混合物を凍結乾燥して、38を白色の固体として生成した。収率:1.09g、1.78mmol、74%。LCMS m/z 596.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.20 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.86 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.44 (dd, 1H), 7.18 - 7.11 (m, 2H), 5.30 (s, 2H), 5.28 - 5.20 (m, 1H), 4.73 (dd, 1H), 4.59 - 4.49 (m, 2H), 4.34 (dt, 1H), 4.28 - 4.20 (m, 1H), 3.99 - 3.90 (m, 1H), 3.70 - 3.60 (m, 1H), 3.53 - 3.44 (m, 1H), 2.84 - 2.73 (m, 1H), 2.56 - 2.44 (m, 2H), 2.00 - 1.89 (m, 1H), 1.69 (dd, 1H), 1.65 - 1.50 (m, 2H), 1.43 - 1.34 (m, 1H), 1.28 (dd, 1H).
以下の表5に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0465】
【表5-1】
【0466】
【表5-2】
【0467】
【表5-3】
【0468】
表5/5A:
1. P7のC60とのカップリングからのアミド生成物を、トリメチルシリルポリリン酸塩中、120℃で30分間加熱することにより環化して、5-クロロ-2-(6-{2-[(4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]-5-フルオロピリミジン-4-イル}-6-アザスピロ[2.5]オクタ-1-イル)-3-メチル-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジンの単一エナンチオマーを生成した。
2. P7のメチル4-アミノ-3-{[2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アミノ}ベンゾエートとのカップリングからのアミド生成物を、1,4-ジオキサン中水酸化ナトリウム水溶液と共に高温で加熱することにより環化した。エステル加水分解も実行して、精製後に実施例41を得た。
3. C23のメチル4-アミノ-3-{[2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アミノ}ベンゾエートとのカップリングからのアミド生成物を、1,4-ジオキサン中水酸化ナトリウム水溶液と共に高温に加熱することにより環化した。エステル加水分解も実行して、精製後に実施例42を得た。
【0469】
実施例46および47
アンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(46)およびアンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(47)
【0470】
【化85】
【0471】
ステップ1.メチル2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C82)の合成。
【0472】
P8(61mg、0.22mmol)、P19(55mg、0.16mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(14.7mg、16.0μmol)、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(20mg、32μmol)、および炭酸セシウム(104mg、0.319mmol)の混合物を含有するバイアルを真空排気し、次いで10分間窒素でパージした。1,4−ジオキサン(0.8mL)の添加後、反応混合物を100℃に23時間加熱し、この時点でこれをジクロロメタン(0.5mL)で希釈し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中15%〜100%EtOAc)を介してそのまま精製した。化合物C82を黄色の固体として(37.5mg)として単離し、これを以下の反応にそのまま使用した。
【0473】
ステップ2.アンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(46)およびアンモニウム2−(6−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(47)の合成。
【0474】
水酸化ナトリウム水溶液(2M;150μL、0.3mmol)を、C82(前のステップからのもの;37.5mg、≦64.6μmol)のMeOH(0.4mL)およびTHF(0.4mL)中混合物に加えた。反応混合物を35℃で2.25時間撹拌し、この時点で塩酸(1M;0.35mL、0.35mmol)を加え、反応混合物を室温まで冷却させておいた。真空下での溶媒の除去後、超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、5μm;移動相:65:35二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有するMeOH)]を使用して、残渣をその構成成分エナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーをENT−1(46)と命名した。収率:4.3mg、7.3μmol、2ステップにわたり5%。LCMS m/z 566.4◆[M+H]
+。保持時間:2.12分間[分析用条件、カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、4.6×100mm、5μm;移動相:1:1二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有するMeOH);流速:1.5mL/分;逆圧:120バール]。
【0475】
第2溶出エナンチオマーをENT−2(47)と命名した。収率:4.1mg、7.0μmol、2ステップにわたり4%。LCMS m/z 566.4◆[M+H]
+。保持時間:2.74分間(46に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0476】
以下の表6に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0477】
【表6-1】
【0478】
1. この場合、P30と2-クロロ-6-[(4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]ピリジンとの間のカップリングは、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(RuPhos Pd G2)および2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシビフェニルで触媒された。
2. 超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Phenomenex Lux セルロース-2、5μm;移動相:7:3二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムおよび5%水を含有するMeOH)]を使用して、実施例48と実施例49のラセミ混合物を、その構成成分エナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーはENT-1(48)と命名し、第2溶出エナンチオマーはENT-2(49)と命名した。
【0479】
【表6-2】
【0480】
実施例50および51
C85からのアンモニウム2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(50)、およびC86からのアンモニウム2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(51)
【0481】
【化86】
【0482】
ステップ1.メチル4−{[(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルボニル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C83)の合成。
【0483】
実施例38においてP16およびP7からのC80の合成に対して記載されている方法を使用してP16のP9との反応を行った。この場合、精製は、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜2.1%MeOH)を使用して行い、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C83を黄色の泡状固体として生成した。収率:504mg、0.802mmol、94%。
【0484】
ステップ2.メチル2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C84)の合成。
【0485】
C83(270mg、0.430mmol)の酢酸(4.5mL)中溶液を60℃で7時間撹拌し、この時点でこれを水の中に注ぎ入れ、炭酸ナトリウムの添加によりpH8に塩基性化し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜80%EtOAc)を介して精製して、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C84を黄色の油状物質として得た。収率:250mg、0.410mmol、95%。
【0486】
ステップ3.メチル2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(C85)およびメチル2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(C86)の単離。
【0487】
超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を介して、C84(250mg、0.410mmol)の、シクロプロパン中心におけるその構成成分立体異性体への分離を行った。この第1溶出立体異性体、無色の油状物質をENT−1(C85)と命名した。収率:104mg、0.170mmol、41%。
【0488】
第2溶出立体異性体、白色の固体をENT−2(C86)と命名した。収率:109mg、0.179mmol、44%。
ステップ4.C85からのアンモニウム2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(50)の合成。
【0489】
水酸化ナトリウム水溶液(0.767mL、2M、1.53mmol)を、C85(104mg、0.170mmol)のMeOH(3mL)中溶液に加えた。反応混合物を30℃で6時間撹拌した後、これを、12M塩酸の慎重な添加により酸性化し、水(30mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:25%〜55%B)を介して精製して、50を白色の固体として生成した。収率:47.1mg、76.8μmol、45%。LCMS m/z 596.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.20 (d, 1H), 7.97 - 7.92 (m, 2H), 7.61 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.20 - 7.13 (m, 2H), 5.42 (s, 2H), 5.28 - 5.20 (m, 1H), 4.70 (dd, 1H), 4.58 - 4.49 (m, 2H), 4.33 (dt, 1H), 4.24 - 4.16 (m, 1H), 3.92 - 3.83 (m, 1H), 3.56 (ddd, 1H), 3.39 (ddd, 1H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.54 - 2.42 (m, 2H), 1.90 - 1.80 (m, 1H), 1.68 (dd, 1H), 1.54 - 1.43 (m, 2H), 1.35 - 1.28 (m, 1H), 1.25 (dd, 1H).
ステップ5.C86からのアンモニウム2−(6−{4−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(51)の合成。
【0490】
上記ステップ4においてC85からの50の合成に対して記載されている方法を使用して、C86の51への変換を行った。化合物51を白色の固体として単離した。収率:46.0mg、75.0μmol、42%。LCMS m/z 596.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.23 (d, 1H), 7.97 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.45 (dd, 1H), 7.20 - 7.13 (m, 2H), 5.43 (s, 2H), 5.23 - 5.15 (m, 1H), 4.70 (dd, 1H), 4.63 - 4.54 (m, 2H), 4.40 (dt, 1H), 4.29 - 4.21 (m, 1H), 3.96 - 3.87 (m, 1H), 3.57 (ddd, 1H), 3.41 (ddd, 1H), 2.85 - 2.74 (m, 1H), 2.59 - 2.48 (m, 1H), 2.42 (dd, 1H), 1.95 - 1.86 (m, 1H), 1.67 (dd, 1H), 1.54 - 1.42 (m, 2H), 1.36 - 1.24 (m, 2H).
実施例52および53
アンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(52)およびアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(53)
【0491】
【化87】
【0492】
ステップ1.メチル4−{[(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)カルボニル]アミノ}−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C87)の合成。
【0493】
P10(695mg、1.74mmol)、P16(411mg、1.74mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(860mg、2.26mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)中溶液にトリエチルアミン(880mg、8.70mmol)を加えた。反応混合物を35℃で16時間撹拌し、この時点でこれを、P10(50mg、0.12mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、水(20mL)の中に注ぎ入れ、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化アンモニウム水溶液(2×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル中80%EtOAc)、これに続いて分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:EtOAc)を介して精製を行い、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C87を、黄色の泡状物質として得た。合わせた収率:525mg、0.850mmol、46%。
【0494】
ステップ2.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C88)の合成。
【0495】
C87(351mg、0.568mmol)の酢酸(4mL)中溶液を60℃で16時間撹拌し、この時点でこれを、C87(174mg、0.282mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、真空下で濃縮乾燥させた。残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C88を、黄色の、泡状固体として生成した。合わせた収率:510mg、0.850mmol、定量。
【0496】
ステップ3.アンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(52)およびアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(53)の合成。
【0497】
THF(8mL)とMeOH(1mL)の混合物中のC88(490mg、0.817mmol)中溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M;1.63mL、3.26mmol)を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌した。次いで、これを、C88(20mg、33μmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、真空中で濃縮し、水(5mL)で希釈した。1M塩酸の添加により、生成した混合物をpH6に調節し、ジクロロメタンとMeOH(9:1、3×10mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、これらを濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:17%〜47%B)を使用して精製して、シクロプロパン中心における立体異性体52と53の混合物(161mg、0.275mmol、32%)を白色の固体として得た。
【0498】
超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralcel OJ−H、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、シクロプロパン中心における立体異性体を分離した。白色の固体として得た第1溶出立体異性体をENT−1(52)と命名した。収率:49.2mg、81.6μmol、30%(分離に対する)。LCMS m/z 586.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.23 (s, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.67 - 7.59 (m, 2H), 7.55 - 7.49 (m, 2H), 7.28 (dd, 1H), 6.22 (dd, 1H), 5.48 (AB四重線, 2H), 5.23 - 5.14 (m, 1H), 4.70 (dd, 1H), 4.63 - 4.54 (m, 2H), 4.41 (dt, 1H), 3.90 - 3.82 (m, 1H), 3.54 - 3.45 (m, 1H), 3.38 (ddd, 1H), 3.19 (ddd, 1H), 2.84 - 2.73 (m, 1H), 2.59 - 2.48 (m, 1H), 2.39 (dd, 1H), 1.88 (ddd, 1H), 1.69 - 1.62 (m, 1H), 1.56 - 1.46 (m, 2H), 1.38 - 1.30 (m, 1H), 1.24 (dd, 1H).
また白色の固体として単離した第2溶出立体異性体をENT−2(53)と命名した。収率:37.9mg、62.9μmol、23%(分離に対する)。LCMS m/z 586.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.21 (d, 1H), 7.94 (dd, 1H), 7.66 - 7.59 (m, 2H), 7.55 - 7.50 (m, 2H), 7.26 (dd, 1H), 6.20 (dd, 1H), 5.47 (AB四重線, 2H), 5.29 - 5.20 (m, 1H), 4.70 (dd, 1H), 4.58 - 4.48 (m, 2H), 4.32 (dt, 1H), 3.87 - 3.78 (m, 1H), 3.51 - 3.43 (m, 1H), 3.37 (ddd, 1H), 3.17 (ddd, 1H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.53 - 2.41 (m, 2H), 1.84 (ddd, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.59 - 1.44 (m, 2H), 1.38 - 1.27 (m, 1H), 1.23 (dd, 1H).
実施例54および55
C92からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(54)、およびC93からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(55)
【0499】
【化88】
【0500】
ステップ1.メチル4−({[6−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]カルボニル}アミノ)−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C89)の合成。
【0501】
実施例33においてC73の合成に対して記載されている方法を使用して、P11をP16と反応させた。シリカゲルによるクロマトグラフィーにより、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C89を、オフホワイト色の固体として生成した。収率:1.31g、2.39mmol、79%。
【0502】
ステップ2.メチル2−[6−(6−ブロモ−3−フルオロピリジン−2−イル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C90)の合成。
【0503】
C89(900mg、1.64mmol)の酢酸(18mL)中溶液を60℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(200mL)で希釈し、炭酸ナトリウムの添加により慎重に中和し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、C89(400mg、0.731mmol)を使用して行った類似の反応の生成物と合わせ、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%EtOAc)を使用して精製して、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C90を白色の固体として生成した。合わせた収率:823mg、1.55mmol、65%。
【0504】
ステップ3.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C91)の合成。
【0505】
C90(400mg、0.756mmol)、3−フルオロ−4−(ヒドロキシメチル)ベンゾニトリル(228mg、1.51mmol)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(キサントホス;43.7mg、75.6μmol)、酢酸パラジウム(II)(8.48mg、37.8μmol)、および炭酸セシウム(739mg、2.27mmol)のトルエン(8mL)中混合物を100℃で2時間撹拌した。反応混合物を、C90(100mg、0.189mmol)を使用して行った類似の反応と合わせ、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、濾過した。次いで、濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜45%EtOAc)を使用して精製して、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C91を淡黄色の泡状固体として生成した。合わせた収率:385mg、0.642mmol、68%。
【0506】
ステップ4.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(C92)およびメチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(C93)の単離。
【0507】
超臨界流体クロマトグラフィー[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、C91(385mg、0.642mmol)を含むシクロプロパンにおける立体異性体を分離した。白色の泡状物質として単離した第1溶出立体異性体をENT−1(C92)と命名した。収率:192mg、0.320mmol、50%。
【0508】
また、白色の泡状物質として単離した第2溶出立体異性体をENT−2(C93)と命名した。収率:193mg、0.322mmol、50%。
ステップ5.C92からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(54)の合成。
【0509】
THF(1mL)とMeOH(1mL)の混合物中のC92(100mg、0.167mmol)の溶液に、水酸化リチウム水溶液(2M;0.834mL、1.67mmol)を加えた。反応混合物を30℃で3時間撹拌した後、12M塩酸の添加によりこれを慎重に中和し、水(30mL)で希釈し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残渣を、C92(90mg、0.15mmol)を使用して行った類似の反応の生成物と合わせ、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:27%〜47%B)を介して精製して、54を白色の固体として得た。合わせた収率:39mg、65μmol、20%。LCMS m/z 586.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.24 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.47 (dd, 1H), 7.28 (dd, 1H), 6.22 (dd, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.26 - 5.17 (m, 1H), 4.72 (dd, ABXパターンの成分, 1H), 4.66 - 4.55 (m, 2H), 4.43 (dt, 1H), 3.84 - 3.74 (m, 1H), 3.50 - 3.34 (m, 2H), 3.19 (ddd, 1H), 2.87 - 2.75 (m, 1H), 2.61 - 2.49 (m, 1H), 2.39 (dd, 1H), 1.95 (ddd, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.61 - 1.49 (m, 2H), 1.42 - 1.32 (m, 1H), 1.23 (dd, 1H).
ステップ6.C93からのアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3−フルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(55)の合成。
【0510】
上記ステップ5においてC92からの54の合成に対して記載されている方法を使用して、C93の55への変換を行った。化合物55を白色の固体として得た。収率:59.4mg、98.5μmol、31%。LCMS m/z 586.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.23 (d, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.59 (dd, 1H), 7.51 (dd, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.26 (dd, 1H), 6.20 (dd, 1H), 5.38 (s, 2H), 5.30 - 5.22 (m, 1H), 4.71 (dd, 1H), 4.61 - 4.50 (m, 2H), 4.35 (dt, 1H), 3.80 - 3.72 (m, 1H), 3.47 - 3.33 (m, 2H), 3.17 (ddd, 1H), 2.83 - 2.72 (m, 1H), 2.54 - 2.46 (m, 1H), 2.44 (dd, 1H), 1.95 - 1.84 (m, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.62 - 1.47 (m, 2H), 1.39 - 1.31 (m, 1H), 1.22 (dd, 1H).
実施例56、57、および58
アンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(56)、アンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(57)、およびアンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(58)
【0511】
【化89】
【0512】
ステップ1.メチル2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C94)の合成。
【0513】
P12(488mg、1.17mmol)およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(522mg、1.37mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(8mL)中溶液に、P16(276mg、1.17mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(515mg、3.99mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(35mL)で希釈し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%EtOAc)により、中間体アミド(500mg、0.787mmol、67%)を無色のガム状物質として得た。この材料を酢酸に溶解し、60℃で16時間加熱し、この時点でこれを類似の反応混合物(P12から誘導されたもの、52.2mg、0.125mmol)と合わせ、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(25mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(30mL)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:1:1EtOAc/石油エーテル)により、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物C94を黄色のガム状物質として生成した。合わせた収率:280mg、0.453mmol、35%。
【0514】
ステップ2.アンモニウム2−(6−{6−[(4−シアノ−2−フルオロベンジル)オキシ]−3,5−ジフルオロピリジン−2−イル}−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(56)の合成。
【0515】
C94の加水分解を、調製P12においてC30からのP12の合成に対して記載されている方法を使用して行い、シクロプロパンにおける立体異性体の混合物56を固体として得た。逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:23%〜53%B)を介して粗生成物を精製した。白色の固体として単離した第1溶出立体異性体をENT−1(57)と命名した。収率:11.0mg、17.7μmol、21%。LCMS m/z 604.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.22 (br s, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.66 - 7.60 (m, 2H), 7.54 (dd, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.38 (dd, 1H), 5.48 (s, 2H), 5.31 - 5.22 (m, 1H), 4.72 (dd, 1H), 4.62 - 4.52 (m, 2H), 4.36 (dt, 1H), 3.69 - 3.60 (m, 1H), 3.36 - 3.25 (m, 2H, 推定; 溶媒ピークにより著しく不明確), 3.16 - 3.07 (m, 1H), 2.84 - 2.73 (m, 1H), 2.55 - 2.47 (m, 1H), 2.45 (dd, 1H), 1.99 - 1.86 (m, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.62 - 1.49 (m, 2H), 1.42 - 1.33 (m, 1H), 1.22 (dd, 1H).
また、白色の固体として単離した第2溶出立体異性体をENT−2(58)と命名した。収率:23.5mg、39.0μmol、32%。LCMS m/z 604.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.25 (br s, 1H), 7.95 (dd, 1H), 7.67 - 7.60 (m, 2H), 7.54 (br d, 1H), 7.49 (br d, 1H), 7.40 (dd, 1H), 5.49 (s, 2H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 4.74 (dd, ABX系の成分; 1H), 4.66 - 4.57 (m, 2H), 4.44 (dt, 1H), 3.71 - 3.63 (m, 1H), 3.37 - 3.26 (m, 2H, 推定; 溶媒ピークにより著しく不明確), 3.17 - 3.08 (m, 1H), 2.88 - 2.76 (m, 1H), 2.61 - 2.50 (m, 1H), 2.40 (dd, 1H), 2.03 - 1.93 (m, 1H), 1.65 (dd, 1H), 1.63 - 1.52 (m, 2H), 1.43 - 1.34 (m, 1H), 1.24 (dd, 1H).
以下の表7に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0516】
【表7-1】
【0517】
【表7-2】
【0518】
実施例62
2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(62)
【0519】
【化90】
【0520】
ステップ1.メチル2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C95)の合成。
【0521】
P13(14.34g、21.5mmol)、P17(6.34g、21.5mmol)、および炭酸カリウム(19.3g、140mmol)の1,4−ジオキサン(144mL)中混合物を58℃で撹拌した。1.5時間後、追加の炭酸カリウム(5.0g、36mmol)を導入した。30分後、アセトニトリル(50mL)を加え、さらに50分後、さらなるアセトニトリル(25mL)を加えた。次いで、反応温度を終夜63℃に上げ、この時点でこの加熱を停止し、水(300mL)でゆっくりと希釈した。生成した混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%MeOH)により、C95をオフホワイト色の固体として得た。収率:10.7g、18.4mmol、86%。
【0522】
ステップ2.2−[(4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}ピペリジン−1−イル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(62)の合成。
【0523】
C95(9.33g、16.1mmol)、MeOH(100mL)、および水酸化ナトリウム水溶液(1.0M;40.2mL、40.2mmol)の混合物を十分なTHF(12mL)で処理して、溶液を形成した。次いで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。LCMS分析はこの時点で生成物への変換を示した:LCMS m/z 566.3[M+H]
+。反応混合物を真空中で最終容量およそ50mLまで濃縮し、次いで、10%クエン酸水溶液で処理してpH6にした。2−プロパノールとジクロロメタン(1:4;3×75mL)の混合物で抽出後、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成した白色の固体をシクロヘキサンおよびジクロロメタンで希釈し、次いで真空中で濃縮して、残留する2−プロパノールを除去し、62を生成した。収率:9.25g、16mmol、定量。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.50 (d, 1H), 8.26 (br s, 1H), 7.80 (dd, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.57 (dd, 1H), 7.48 (dd, 1H), 7.32 (dd, 1H), 7.09 (d, 1H), 5.39 (s, 2H), 5.13 - 5.04 (m, 1H), 4.80 (dd, 1H), 4.66 (dd, 1H), 4.52 - 4.44 (m, 1H), 4.37 (dt, 1H), 3.87 (AB四重線, 2H), 2.99 (br d, 1H), 2.86 (br d, 1H), 2.76 - 2.58 (m, 2H), 2.47 - 2.37 (m, 1H), 2.29 - 2.12 (m, 2H), 1.88 - 1.77 (m, 2H), 1.77 - 1.59 (m, 2H).
以下の表8に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0524】
【表8-1】
【0525】
【表8-2】
【0526】
表8/8A:1.メチル5-{[(4-{2-[(4-クロロ-2-フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}ピペリジン-1-イル)アセチル]アミノ}-6-{[(2S)-オキセタン-2-イルメチル]アミノ}ピリジン-2-カルボキシレートを、1,4-ジオキサン中水酸化ナトリウム水溶液で、高温で処理することは、閉環とエステル加水分解の両方を実行する役目を果たし、精製後、実施例67をもたらした。
【0527】
実施例69
アンモニウム2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(69)
【0528】
【化91】
【0529】
ステップ1.2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロ−4−[(3S)−3−メチルピペラジン−1−イル]ピリミジン、トリフルオロ酢酸塩(C96)の合成。
【0530】
トリフルオロ酢酸(36mL)をP14(7.62g、16.8mmol)のジクロロメタン(75mL)中溶液に加え、反応混合物を18℃で1時間撹拌し、この時点でこれを、P14(3.09g、6.79mmol)を使用して行った類似の反応と合わせた。真空下での濃縮により、C96を褐色油状物質として生成した。合わせた収率:11.0g、23.5mmol、定量。
【0531】
ステップ2.メチル2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C97)の合成。
【0532】
C96(11.0g、23.5mmol)、P17(6.94g、23.5mmol)、および炭酸カリウム(16.3g、118mmol)のアセトニトリル(150mL)中懸濁液を50℃で19時間撹拌し、この時点でこれを、水(300mL)とEtOAc(300mL)との間で分割した。水層をEtOAc(2×200mL)で抽出した後、合わせた有機層を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中35%〜60%EtOAc)を介して精製して、C97を白色のガム状物質として得た。収率:11.1g、18.1mmol、77%。
【0533】
ステップ3.アンモニウム2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]−5−フルオロピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(69)の合成。
【0534】
水酸化ナトリウム水溶液(2M;22mL、44mmol)を、MeOH(73mL)とTHF(73mL)の混合物中のC97(5.00g、8.16mmol)の溶液に加えた。反応混合物を18℃で16時間撹拌した後、これを3時間45℃に加熱し、この時点で、1M塩酸の添加によりこれをpH7に中和し、真空中で濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、ジクロロメタンとMeOH(10:1、4×100mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、次いで、逆相HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18、10μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:20%〜40%B)を使用して精製して、69を白色の固体として生成した。収率:2.75g、4.59mmol、56%。LCMS m/z 598.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.23 (dd, 1H), 7.96 (dd, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.62 (dd, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.24 - 7.17 (m, 2H), 5.33 (s, 2H), 5.33 - 5.26 (m, 1H), 4.9 - 4.84 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.75 (dd, 1H), 4.60 (ddd, 1H), 4.49 (d, 1H), 4.33 (dt, 1H), 4.14 - 4.07 (m, 1H), 4.02 (br d, 1H), 3.70 (d, 1H), 3.52 (ddd, 1H), 3.36 - 3.29 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 2.81 - 2.70 (m, 2H), 2.72 - 2.63 (m, 1H), 2.54 - 2.44 (m, 1H), 2.39 (ddd, 1H), 1.18 (d, 3H).
以下の表9に列挙された化合物は、市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0535】
【表9-1】
【0536】
【表9-2】
【0537】
実施例73
2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(73)
【0538】
【化92】
【0539】
ステップ1.メチル2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C98)の合成。
【0540】
この反応は、2つの同一バッチで行った。P15(26.3g38.6mmol)および炭酸カリウム(31.0g、225mmol)のアセトン(190mL)中混合物を、室温で5分間撹拌し、70℃油浴内に5分間置き、加熱を停止し、もう5分間撹拌した。この混合物に、P17(11.0g、37.3mmol)を加え、反応混合物を24時間加熱還流した。室温まで冷却後、反応混合物を水(350mL)で希釈し、室温で1時間撹拌し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。両方の反応物からのEtOAc抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜10%MeOH)を繰り返して、C98を白色の固体として得た。合わせた収率:29.2g、49.1mmol、66%。
【0541】
ステップ2.2−{[(2S)−4−{2−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリミジン−4−イル}−2−メチルピペラジン−1−イル]メチル}−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(73)の合成。
【0542】
水酸化ナトリウム水溶液(1M;110mL、110mmol)を、C98(18.8g、31.6mmol)のMeOH(220mL)中0℃溶液に加えた。次いで、混合物が透明になるまでTHF(40mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、LCMS分析は生成物への変換を示した。LCMS m/z 581.2◆[M+H]
+。反応混合物を真空中で容量およそ125mLまで濃縮し、水の添加により150mLに希釈し、10%クエン酸水溶液で、pH7にゆっくりと調節した。生成したスラリーを濾過し、フィルターケーキを多量の水で洗浄し、73を白色の固体として生成した。収率:18.2g、31.3mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.30 (br s, 1H), 7.98 (dd, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.26 - 7.18 (m, 2H), 6.40 (d, 1H), 5.38 (s, 2H), 5.34 - 5.26 (m, 1H), 4.95 - 4.85 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.78 (dd, 1H), 4.62 (td, 1H), 4.50 (d, 1H), 4.35 (dt, 1H), 4.10 - 3.97 (br m, 1H), 3.97 - 3.83 (br m, 1H), 3.72 (d, 1H), 3.45 - 3.3 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.23 (dd, 1H), 2.82 - 2.70 (m, 2H), 2.70 - 2.59 (m, 1H), 2.53 - 2.42 (m, 1H), 2.36 (ddd, 1H), 1.19 (d, 3H).
以下の表10に列挙された化合物は市販のもの、当業者に周知の調製を使用して調製されたもの、または他の中間体に対して本明細書に記載されている経路と類似の方式で調製されたものである適当な出発材料を使用することにより、実施例および調製の合成に対して本明細書に記載されているものと類似の手順を介して合成した。化合物は、当業者に周知の方法を使用して精製され、反応混合物からのシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、または沈殿を含み得る。
【0543】
【表10-1】
【0544】
【表10-2】
【0545】
表10/10A、1.アセトニトリル中フッ化セシウムおよびN,N-ジイソプロピルエチルアミンを≧100℃で使用して、P8のtert-ブチル(3R)-3-メチルピペラジン-1-カルボキシレートとの反応を行った。
【0546】
実施例79および80
アンモニウム2−[(4−{6−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}シクロヘキシル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、異性体1(79)および
アンモニウム2−[(4−{6−[(4−クロロ−2−フルオロベンジル)オキシ]ピリジン−2−イル}シクロヘキシル)メチル]−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、異性体2(80)
【0547】
【化93】
【0548】
シクロヘキシル基におけるcisとtrans異性体の混合物、化合物C99を、中間体P1からの実施例1の調製と類似の方式で、P34およびP16から調製した。異性体混合物を、以下に示す保持時間で、HPLCによる分離に供した。カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、21×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:メタノール中0.2%水酸化アンモニウム;溶出液:30%B;流速:75mL/分;カラム温度:40℃)。
【0549】
第1の溶出異性体を異性体1(79)と帰属した。保持時間1.60分、LCMS m/z 564.5[M+H]
+。
第2の溶出異性体を異性体2(80)と帰属した。保持時間1.86分、LCMS m/z 564.4[M+H]
+。
【0550】
CHO GLP−1RクローンH6−アッセイ1
細胞内のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence))cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit;CisBio cat#62AM6PEJ)を利用した細胞ベースの機能的アッセイを用いて、GLP−1R媒介性アゴニスト活性を決定した。この方法は、細胞により生成される天然cAMPと、色素d2で標識した外部からのcAMPとの間の競合性イムノアッセイである。トレイサー結合を、クリプテート標識したmAb抗−cAMPにより視覚化する。特定のシグナル(すなわちエネルギー移動)は、基準または実験的試料のいずれかにおいてcAMPの濃度と反比例する。
【0551】
ヒトGLP−1Rコード配列(天然由来の変異型Gly168Serを含むNCBI参照配列NP_002053.3)をpcDNA3(Invitrogen)にサブクローニングし、受容体を安定的に発現する細胞株を単離した(Clone H6と命名)。
125I−GLP−1
7−36(Perkin Elmer)を使用した飽和結合分析(濾過アッセイ手順)は、この細胞株由来の原形質膜が、高いGLP−1R密度(K
d:0.4nM、B
max:1900fmol/mgタンパク質)を発現することを示した。
【0552】
細胞を凍結保存状態から解凍し、40mLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS−Lonza Cat#17−512Q)に再懸濁させ、800×gで、22℃で5分間遠心分離した。次いで、細胞ペレットを10mLの増殖培地[DMEM/F12のHEPES、L−Glnとの1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonza Cat#12−719F)、10%熱失活ウシ胎児血清(Gibco Cat#16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibco Cat#15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibco Cat#25030−081)および500μg/mLのジェネテシン(G418)(Invitrogen #10131035)]に再懸濁させた。増殖培地内の1mLの細胞懸濁液の試料をBecton Dickinson ViCell上でカウントして、1mL当たりの細胞生存度および細胞カウント数を決定した。次いで、Matrix Combi Multidrop試薬ディスペンサーを使用して、1ウェル当たり2000個の生存細胞が送達されるように、残留する細胞懸濁液を増殖培地で調節し、白色384ウェルの組織培養物で処理したアッセイプレート(Corning3570)に細胞を分注した。次いで、アッセイプレートを、5%二酸化炭素中の加湿環境内で、37℃で48時間インキュベートした。
【0553】
試験する異なる濃度の各化合物(DMSO中)を、100μM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX;Sigma cat#I5879)を含有するアッセイ緩衝液(HBSSとカルシウム/マグネシウム(Lonza/BioWhittaker cat#10−527F)/0.1%BSA(Sigma Aldrich cat#A7409−1L)/20mM HEPES(Lonza/BioWhittaker cat#17−737E)で希釈した。最終DMSO濃度は1%である。
【0554】
48時間後、増殖培地をアッセイプレートウェルから除去し、5%二酸化炭素内の加湿環境内で、細胞をアッセイ緩衝液中の20μLの連続希釈化合物で、37℃で30分間処理した。30分間のインキュベーション後、10μLの標識したd2 cAMPおよび10μLの抗−cAMP抗体(両方とも細胞溶解緩衝液中で1:20希釈。製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、励起330nmならびに発光615および665nmを使用して、Envision 2104マルチ−標識プレートリーダーでHTRFシグナルの変化を読み取った。生データをcAMP検量線からの内挿によりnM cAMPに変換し(製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)、各プレートに含まれていた完全アゴニストGLP−1
7−36(1μM)の飽和濃度に対して、パーセント作用を決定した。4パラメーターロジスティック用量反応方程式を使用したカーブフィッティングプログラムを用いて分析したアゴニスト用量反応曲線からEC
50の決定を行った。
【0555】
CHO GLP−1RクローンC6−アッセイ2
細胞内のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光)cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit;Cis Bio cat#62AM6PEJ)を利用した細胞ベースの機能的アッセイを用いて、GLP−1R媒介性アゴニスト活性を決定した。この方法は、細胞により生成される天然cAMPと、色素d2で標識した外部からのcAMPとの間の競合性イムノアッセイである。トレイサー結合をクリプテート標識したmAb抗−cAMPにより視覚化する。特定のシグナル(すなわちエネルギー移動)は、基準または実験的試料のいずれかにおいてcAMPの濃度と反比例する。
【0556】
ヒトGLP−1Rコード配列(天然由来の変異型Leu260Pheを含むNCBI参照配列NP_002053.3)をpcDNA5−FRT−TOにサブクローニングし、製造業者(ThermoFisher)により記載されている通り、低い受容体密度を安定的に発現するクローンのCHO細胞株を、Flp−In(商標)T−Rex(商標)Systemを使用して単離した。
125I−GLP−1(Perkin Elmer)を使用した飽和結合分析(濾過アッセイ手順)は、この細胞株(クローンC6と命名)由来の原形質膜が、クローンH6細胞株に対して、低いGLP−1R密度(K
d:0.3nM、B
max:240fmol/mgタンパク質)を発現することを示した。
【0557】
細胞を凍結保存状態から解凍し、40mLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS−Lonza Cat#17−512Q)に再懸濁させ、800×gで、22℃で5分間遠心分離した。DPBSを吸引し、細胞ペレットを10mLの完全増殖培地(DMEM:F12のHEPES、L−Glnとの1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonza Cat#12−719F)、10%熱失活ウシ胎児血清(Gibco Cat#16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibco Cat#15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibco Cat#25030−081)、700μg/mLハイグロマイシン(Invitrogen Cat#10687010)および15μg/mLブラスチシジン(Gibco Cat#R21001)に再懸濁させた。増殖培地内の1mLの細胞懸濁液の試料をBecton Dickinson ViCell上でカウントして、1mL当たりの細胞生存度および細胞カウント数を決定した。次いで、Matrix Combi Multidrop試薬ディスペンサーを使用して、1ウェル当たり1600個の生存細胞が送達されるように、残留する細胞懸濁液を増殖培地で調節し、白色384ウェルの組織培養物で処理したアッセイプレート(Corning3570)に細胞を分注した。次いで、アッセイプレートを、加湿環境(95%O
2、5%CO
2)内で、37℃で48時間インキュベートした。
【0558】
試験する異なる濃度の各化合物(DMSO中)を、100μM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX;Sigma cat#I5879)を含有するアッセイ緩衝液[HBSSとカルシウム/マグネシウム(Lonza/BioWhittaker cat#10−527F)/0.1%BSA(Sigma Aldrich cat#A7409−1L)/20mM HEPES(Lonza/BioWhittaker cat#17−737E)]で希釈した。化合物/アッセイ緩衝液混合物中の最終DMSO濃度は1%である。
【0559】
48時間後、増殖培地をアッセイプレートウェルから除去し、加湿環境(95%O
2、5%CO
2)内で、細胞をアッセイ緩衝液中の20μLの連続希釈化合物で、37℃で30分処理した。30分間のインキュベーション後、10μLの標識したd2 cAMPおよび10μLの抗−cAMP抗体(両方とも細胞溶解緩衝液中で1:20希釈。製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、励起330nmならびに発光615および665nmを使用して、Envision 2104マルチ−標識プレートリーダーでHTRFシグナルの変化を読み取った。生データをcAMP検量線からの内挿によりnM cAMPに変換し(製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)、各プレートに含まれていた完全アゴニストGLP−1(1μM)の飽和濃度に対して、パーセント作用を決定した。4−パラメーターロジスティック用量反応方程式を使用したカーブフィッティングプログラムを用いて分析したアゴニスト用量反応曲線からEC
50の決定を行った。
【0560】
表11において、列挙された繰返し数(数)に基づき、アッセイデータを幾何平均(EC
50)および算術平均(Emax)として2つの有意な数字で表す。ブランク細胞とは、その実施例に対してデータは存在しない、またはEmaxが計算されなかったことを意味する。
【0561】
【表11-1】
【0562】
【表11-2】
【0563】
【表11-3】
【0564】
本明細書で参照されたすべての特許、特許出願および参考文献は、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。