特表2021-528582(P2021-528582A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528582(P2021-528582A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】家具用減速ヒンジ
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/16 20060101AFI20210924BHJP
   E05F 3/20 20060101ALI20210924BHJP
【FI】
   E05D3/16
   E05F3/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-570553(P2020-570553)
(86)(22)【出願日】2019年5月14日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月4日
(86)【国際出願番号】EP2019062359
(87)【国際公開番号】WO2019242942
(87)【国際公開日】20191226
(31)【優先権主張番号】102018000006575
(32)【優先日】2018年6月22日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517220911
【氏名又は名称】アルトゥーロ・サリチェ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ARTURO SALICE S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ・サリチェ
(57)【要約】
家具の部品のドアまたは類似のものを振動させるように支持する減速ヒンジ(10)であって、家具の部品の固定部分に固定できる第1ヒンジ部分(11)と、家具の部品のドアに固定でき、複数の接続レバー(14、16、19、21)及び少なくとも5つの関節連結軸を有する関節連結システム(13)によって第1ヒンジ部分(11)に接続できる第2ヒンジ部分(12)と、ヒンジの閉鎖方向に作用する弾性手段(25)と、軸(L)によって線形に移動できる作動部材(30)を有する減速装置(29)と、を備え、減速装置(29)の作動部材(30)は、関節連結システム(13)の第1接続レバー(14、16、19、21)内に可動的に配置され、減速装置(29)の作動部材(30)の少なくとも1つの作動表面(31)は、関節連結システム(13)の第1接続レバー(14、16、19、21)に隣接した第2接続レバー(14、16、19、21)内に設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具の部品のドアまたは類似のものを振動させるように支持する減速ヒンジ(10)であって、
家具の前記部品の固定部分に固定できる第1ヒンジ部分(11)と、
家具の前記部品のドアに固定でき、複数の接続レバー(14、16、19、21)及び少なくとも5つの関節連結軸を有する関節連結システム(13)によって前記第1ヒンジ部分(11)に接続できる第2ヒンジ部分(12)と、
前記ヒンジの閉鎖方向に作用する弾性手段(25)と、
軸(L)によって線形に移動できる作動部材(30)を有する減速装置(29)と、を備え、
前記減速装置(29)の前記作動部材(30)は、前記関節連結システム(13)の前記複数の接続レバー(14、16、19、21)の内から選択された第1接続レバー(14、16、19、21)内に可動的に配置され、
前記減速装置(29)の前記作動部材(30)の少なくとも1つの作動表面(31)は、前記関節連結システム(13)の前記第1接続レバー(14、16、19、21)に隣接した第2接続レバー(14、16、19、21)内に設けられている、減速ヒンジ(10)。
【請求項2】
前記減速装置(29)の前記作動部材(30)は、前記ヒンジの閉鎖位置の周囲における前記作動表面(31)の少なくとも1つの接触点上に位置(rest)することができ、
前記少なくとも1つの接触点における前記作動表面(31)に対する垂線は、前記ヒンジの閉鎖位置の前記周囲における前記減速装置(29)の前記作動部材(30)の前記軸(L)に対して実質的に平行に延びる、請求項1に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項3】
前記第1接続レバー(14、16、19、21)は、長手軸によって延び、
前記減速装置(29)の前記作動部材(30)の軸(L)は、前記第1接続レバー(14、16、19、21)の前記長手軸に実質的に直交するように配置される、請求項1または2に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項4】
前記第1レバー(14、16、19、21)は、間接連結軸(15、18、20、23)によってヒンジ部分(11、12)に接続され、
前記第1及び第2接続レバー(14、16、19、21)は、さらなる間接連結軸(15、18、20、23)によって振動するように互いに接続され、
前記減速装置(29)の前記作動部材(30)の前記軸(L)は、前記第1接続レバー(14、16、19、21)内に、前記レバー(14、16、19、21)の相互の前記間接連結軸(15、18、20、23)から、前記間接連結軸(15、18、20、23)の間の全体の距離の1/5と3/5との間を有する距離に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項5】
前記作動表面(31)は前記第2接続レバー(14、16、19、21)内に直接設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項6】
前記前記作動表面(31)は個別の作動要素(32)上に設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項7】
前記作動要素(32)は前記第2接続レバー(14、16、19、21)上に可動及び調節可能に支持される、請求項6に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項8】
前記作動要素(32)のための調節/ロッキング部材(33)を有し、
前記調節/ロッキング部材(33)は、使用者によって手動で、または工具を用いて、作動される、請求項7に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項9】
前記減速装置(29)は、前記第1接続レバー(14、16、19、21)内に全体として可動に支持される、請求項1から8のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項10】
前記作動表面及び/または前記作動部材は、カム形状を有する接触面を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項11】
前記複数の接続レバーは、第1接続レバー(14)を有し、
前記第1接続レバー(14)は、第1間接連結軸(15)によって前記第2ヒンジ部品と振動するように接続される一端を有し、
他端において、前記第1接続レバー(14)は、第2間接連結軸(17)によって第2接続レバー(16)に接続され、
前記第2接続レバー(16)は、他端において、第3軸(18)によって前記第1ヒンジ部分(11)と振動するように接続され、
第4間接連結軸(20)によって前記第2ヒンジ部分(12)と、一端において連結される第3接続レバー(19)が設けられ、
他端において、前記第3接続レバー(19)は、第5間接連結軸(22)によって第4接続レバー(21)に接続され、
前記第4接続レバー(21)は、第6間接連結軸(23)によって前記第1ヒンジ部分(11)に連結され、
前記第2接続レバー(14)及び前記第3接続レバー(19)は、第7間接連結軸(24)によって、その中間点において、互いに連結される、請求項1から10のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項12】
前記作動部材(30)は、前記システムの前記第1レバー(14)内に配置され、
前記作動表面(31)は、前記第1レバー(14)に隣接した、前記システムの前記第2レバー(16)内に設けられている、またはその逆である、請求項11に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項13】
前記作動部材(30)は、前記システムの前記第3レバー(19)内に配置され、
前記作動表面(31)は、前記第3レバー(19)に隣接した、前記システムの前記第4レバー(21)内に設けられている、またはその逆である、請求項11に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項14】
前記接続レバー(14、16、19、21)は、断面においてU字形状を有し、
前記減速装置(29)は、前記接続レバー(14、16、19、21)の1つの前記U字形状断面内に挿入される、請求項1から13のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【請求項15】
前記減速装置(29)は、ハウジング本体(34)を有し、
前記ハウジング本体(34)は、前記第1接続レバー(14、16、19、21)内に固定されるような輪郭を有し、
流体タイプの線形ダンパを滑らす及び/またはガイドするための円柱状のシートを規定する、請求項1から14のいずれか一項に記載の減速ヒンジ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具のドアまたは類似のもののための減速ヒンジ、特に、7つの関節連結(articulation)軸を有する関節連結システムを備え、ヒンジの閉鎖動作を減速させるように改造された減速装置が設けられている、広い開口角度を有するタイプのヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
家具の分野において、家具の部品は、通常製造され、振動するようにヒンジによって支持されるドアを有する。ヒンジは、家具の部品の本体に接続できる固定部分と、ドアに接続できる箱で構成された可動部分とを有する。固定部分と可動部分とは、例えば、複数の接続レバーを有する関節連結システムによって、振動するように互いに対して連結される。
【0003】
ヒンジは同様に、改造された弾性手段を有し、例えば、平坦なバネまたはワイヤバネを有し、閉鎖方向にドアを押す。
【0004】
しかしながら、このような弾性手段の存在によって、閉鎖位置におけるドアリーフは、家具の部品の本体に強くぶつかり、望ましくない音を立てる。
【0005】
このような課題を解決するため、減速装置を導入することが広く提案されてきた。減速装置は、例えば、ヒンジの閉鎖動作を減衰させるためにヒンジの1つの部分に関連する。このような装置は、線形タイプまたは回転タイプであってもよく、ブレーキ手段として流体またはグリースを使用してもよい。
【0006】
例えば、EP1809843より、グリース作動の回転タイプの減速装置が知られている。これは、底の外側とヒンジの可動部分の側壁とに取り付けることができるアセンブリの形態を有する。このような装置は、スライダーによって作動できる減速ディスクと、ヒンジの1つの接続レバーと統合されるカムとを使用する。
【0007】
しかしながら、減速装置をヒンジの箱に外部から適用することは、箱の全体的な高さを増加させることをもたらし、減少された厚みを有するドアにおける使用を阻害する。
【0008】
このような制限を克服するため、4つの接続レバーと7つの関節連結軸を有する関節連結システムを有するヒンジにおいて、例えば、WO2011/095323では、ヒンジの固定部分内の流体作動の線形タイプの減速装置の使用が提案される。このような装置は、関節連結システムのものに加えて、追加の振動レバーによって作動される。特に、このような追加のレバーは、ヒンジの固定端において振動するように支持され、改造された手段によって線形ダンパに接続された第1端と、ヒンジの閉鎖動作の一部に沿って、関節連結システムの1つのレバーと接触する第2端を有し、ダンパを作動させる。
【0009】
しかしながら、このような解決は、追加のレバーの存在、及びダンパとの接続のための対応する手段によって、施工及びアセンブリの観点から、複雑である。
【0010】
このようなタイプのヒンジにおいて知られているのは、例えば、WO2006/053364より、関節連結システムの中間レバーの背面上の線形減速装置の使用である。このようなレバーは、そのシステムの他の2つのレバーによって家具の部品に接続された部分に対して振動するように支持される。このような構造によって、線形ダンパの作動は、前述の中間レバーに隣接したシステムの1つの接続レバー、または家具の部品のドアに統合的である部品によって、ダンパの可動要素上に負荷される推進力によって生じてもよい。
【0011】
しかしながら、このような解決は、関節連結システムの中間レバーの1つの上における減速装置の配置によって、家具の部品内のヒンジの空間占有の増加をもたらす。さらに、7つの関節連結軸を有する全てのタイプのヒンジに適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、簡単な方法で、同時に、小さい空間占有を有し、ブレーキ期間において最適な操作を維持して、ヒンジに減速装置を適用することが求められている。
【0013】
したがって、本発明の主な課題は、施工が簡単で、効果的な減速作用を提供するように適切に構成された線形減速装置が設けられた、家具のドアまたは類似のもののためのヒンジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題内で、本発明の目的は、線形タイプの減速装置を有し、家具の部品内に抑制され、減速されていないヒンジのものと匹敵する家具の部品内における減少された空間占有(space occupation)を有し、減少された厚みを有するドアにおいても使用できるように減少された高さを有する可動部分を有する、家具の部品のドアまたは類似のもののためのヒンジを提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、信頼性が高く、容易に及び実用的に実施され、低価格な、家具のドアまたは類似のもののためのヒンジを提供することにある。
【0016】
本目的及びこれら及び本明細書にてより明確になる他の目的は、家具の部品のドアまたは類似のもののためのヒンジが振動するように支持する減速ヒンジによって実現され、ヒンジは、家具の部品の固定部分に固定できる第1ヒンジ部分と、家具の部品のドアに固定でき、複数の接続レバー及び少なくとも5つの関節連結軸を有する関節連結システムによって第1ヒンジ部分に接続できる第2ヒンジ部分と、ヒンジの閉鎖方向に作用する弾性手段と、軸によって線形に移動できる作動部材を有する減速装置と、を有し、減速装置の作動部材は、関節連結システムの複数の接続レバーの内から選択された第1接続レバー内に可動的に配置され、減速装置の作動部材の少なくとも1つの作動表面は、関節連結システムの第1接続レバーに隣接した第2接続レバー内に設けられることを特徴とする。
【0017】
本発明のさらなる特徴は、従属の請求項においてさらに規定される。
【0018】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面を参照する、家具のための減速装置を有するヒンジのある望ましいが限定的ではない実施の形態の後続の説明によってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1に係るヒンジの透視図である。
図2図1に示すヒンジの長手断面図であり、ヒンジの開放角度において減速装置は作動され、ヒンジの閉鎖動作において減速装置はその機能を発揮し始める。
図3】ヒンジの完全な閉鎖角度における図2の断面図である。
図4図1に示すヒンジの長手断面図であり、ヒンジの完全な閉鎖角度において、減速装置は少なくとも部分的に無効化されている。
図5】本発明に係るヒンジの実施の形態2の長手断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から4は、家具の部品のドアが振動するようにドアを支持する、本発明の実施の形態1に係るヒンジを示し、通常参照符号10で示されている。このようなヒンジは、第1ヒンジ部分またはアーム11を有する。アーム11は、家具の部品の側壁に、または、家具の部品の側壁に取り付けることができる個別の従来の固定ベースを通じて家具の部品の他の固定部分に固定されてもよい。
【0021】
ヒンジ10は、第2ヒンジ部分または箱12をさらに有する。箱12は、家具の部品の可動要素、例えば、ドアに取り付けられ、関節連結システム13によってヒンジアーム11に接続されてもよい。関節連結システム13は、ドアの開放位置と閉鎖位置との間におけるヒンジの広い動作を可能にするように、複数の可動な接続レバー及び少なくとも5つの関節連結軸を有する。
【0022】
関節連結システム13は、望ましくは、4つの接続レバー及び7つの関節連結軸を有するタイプであって、ドアにおいて、ドア自体の特定の動作に加えて、例えば、110°以上の広い角度を取ることが可能になる。ドア自体の特定の動作は、例えば、特別な形状を有する領域を有する、またはガラス等で形成されたドアの開放を実現するために必要である。
【0023】
特に、このような関節連結システム13は、第1接続レバー14を有する。第1接続レバー14は、振動するように、第1関節連結軸15によって箱12に接続された一端を有する。反対側の端において、第1接続レバー14は、振動するように、第2関節連結軸17によって第2接続レバー16に接続される。
【0024】
第2接続レバー16は、反対側の端において、振動するように、第3軸18によってヒンジアーム11に接続される。第3軸は、家具の部品のドアに向けられているアームの前方部分において配置される。
【0025】
システム13は、第3接続レバー19をさらに有する。第3接続レバー19は、一端において、第4関節連結軸20によって箱12に連結され、反対側の端において、第5関節連結軸22によって第4接続レバー21に連結される。第4接続レバー21は、第6関節連結軸23によって、アーム11と連結される。
【0026】
最後に、第2接続レバー14と第3接続レバー19とは、第7関節連結軸24によって、その中間点において互いに連結される。
【0027】
本説明の目的のために、第1接続レバー14及び第2接続レバー16は、互いに隣接しているとみなされ、関節連結軸17によって一端において互いに連結される。
【0028】
同様に、第3接続レバー19及び第4接続レバー21は、互いに隣接しているとみなされ、関節連結軸22によって一端において互いに連結される。
【0029】
ヒンジ10は、同様に、ヒンジの閉鎖方向に作用する弾性手段を有する。弾性手段は、第3接続レバー19上に取り付けられた螺旋バネ25を有することが望ましい。このようなバネ25は、プッシャー26を押す。プッシャー26は、第4接続レバー21と統合されたカム28上に作用するような輪郭を有するローラ27を有する。
【0030】
ヒンジは、減速装置29をさらに有する。減速装置29は、軸Lに基づいて線形に移動できる作動部材30を有する。
【0031】
本発明によって、減速装置29の作動部材30は、関節連結システムの第1接続レバー内で移動できるように配置される。関節連結システムの第1接続レバーは、次の14、16、19、21から選択される。さらに、本発明に係るヒンジにおいて、第2接続レバー内に配置される減速装置29の作動部材30のための作動表面31がある。第2接続レバーは第1接続レバーに隣接しており、第1接続レバーは、前述の接続レバー14、16、19、21から選択される。
【0032】
特に、作動部材30はシステムの第1レバー14内に配置されてもよく、作動表面31は、第1レバー14に隣接する、システムの第2レバー16内に設けられてもよく、または、その逆でもよい。
【0033】
あるいは、作動部材30は、システムの第3レバー19内に配置されてもよく、作動表面31は、第3レバー19に隣接する、システムの第4レバー21内に設けられてもよく、または、その逆でもよい。
【0034】
減速装置29の作動部材30は、通常、作動表面31と必ずしも接触していないが、ヒンジの閉鎖位置の周囲における表面31の少なくとも1つの接触点上に配置(rest)されてもよい。ヒンジの閉鎖位置の周囲は、例えば、30°のヒンジの開放角度から始まり、ヒンジの完全閉鎖位置までであり、よって、ヒンジの閉鎖動作に必要な減速作用を発生させるために、作動部材30は押される。
【0035】
望ましくは、少なくとも1つの接触点における作動表面31に対する垂線は、作動部材30の軸Lに対して実質的に平行に延びる、または、前述のヒンジの閉鎖位置の周囲において、最大25°傾斜している。このように、閉鎖位置の周囲において、作動部材30のストロークの実現し得る延びは最大化され、よって、減速装置29によるヒンジの閉鎖動作の効果的なブレーキ作用を得ることができる。
【0036】
この目的のために、望ましくは、減速装置29の作動部材30の軸Lは、第1接続レバーが沿って延びる長手軸に対して、実質的に直交して配置される。
【0037】
図面に示される望ましい実施の形態において、作動部材30は、システムの第1レバー14内に配置され、一方で、作動表面31は、第1レバー14に隣接する、システムの第2レバー16内に設けられ、または、その逆である。
【0038】
作動表面31は、第2接続レバー16内に直接設けられてもよく、または、図面に示すように、例えば、可動プレートの形態として個別の作動要素32上に設けられてもよい。
【0039】
減速作用の調節を可能にするため、望ましくは、作動要素32は、可動に及び調節可能に、第2接続レバー16内にまたはその上で、例えば、第2接続レバー16内の長手方向または横方向に滑り可能に、または第2接続レバー16内で回転可能に、支持される。
【0040】
作動要素32の移動を駆動するために、使用者によって手動で、または工具を用いて作動できる調節及び/またはロッキング部材33がある。例えば、調節及び/またはロッキング部材33は、図1から4における実施の形態1に示される、第2レバー16の外側側面上に延びる作動要素32の部材33、または図5における実施の形態2に示される、偏心要素33等の個別の要素、または移動を駆動するように改造された他の回転可能または滑り可能な可動要素、及び/または減速作用を部分的にまたは完全に有効または無効化する等異なる有効な位置において作動要素32のロッキングによって構成されてもよい。
【0041】
特に、減速作用を有効化または最大化するために、作動要素32は、軸17に向かった推進された(advanced)位置に配置される。ダンパの作動部材30は、作動要素32の表面31に接触するまたは接触を予想する(anticipates contact)。このような最大減速の構成は、図1から3に示される。
【0042】
対照的に、減速作用を無効化または最小化するために、作動要素32は、軸24に向かって格納された位置において配置される。ダンパの作動部材30は、作動要素32の表面31に接触しないまたは接触を見送る。このような無効化されたまたは最小減速の構成は、図4に示される。
【0043】
作動要素32の移動の代わりにまたは作動用32の移動と組み合わせて、減速作用を調節するように、減速装置29を、全体として、第1接続レバー14内に可動に支持する、例えば、作動部材30の軸Lに沿って軸方向に可動に、望ましくは、ネジによって、支持する、または回転可能に可動に支持する、またはブレーキを予想するまたは見送るために作動表面31に/から作動部材30を近づけるまたは離すように、レバー14内で振動するように支持することができる。
【0044】
ヒンジの閉鎖動作の間のブレーキングの変調を可能にするため、作動表面31及び/またはダンパの作動部材30は、カム形状の接触表面を同様に有してもよい。
【0045】
第2接続レバー16によって減速装置29を作動させる効果的なレバーアームを実現するためには、減速装置29の作動部材30の軸Lは、望ましくは、第1接続レバー14内に、第2接続間接連結軸17から、第1間接連結軸15と第2間接連結軸17との間の全体の距離の1/5と3/5との間の距離に配置される。
【0046】
望ましくは、第1及び第2接続レバー14、16は、対応する側面上で解放されたU字形状の部分を有し、これらの部分は、ヒンジの閉鎖位置において、互いに対向しており、よって、減速装置29はレバー14、16に囲われて及びその中に挿入される。
【0047】
同様に、第3接続レバー19及び第4接続レバー21は、望ましくは、対応する側面上で解放されたU字形状の部分を有し、これらの部分は、ヒンジの閉鎖位置において、互いに対向している。
【0048】
図面に示された望ましい実施の形態において、減速装置29には、ハウジング本体34が設けられる。ハウジング本体34は、第1接続レバー14に取り付けられるような輪郭を有し、線形ダンパを滑らす及び/またはガイドする円柱状のシートを規定する。ダンパは、例えば、油、空気またはグリースの流体によって作動され、流体のためのチャンバを規定するシリンダ30を有する。油の特定の場合において、シリンダ30内に、環状のシールガスケットを有するピストン35が滑り可能に移動できる。
【0049】
示された実施の形態において、減速装置の作動部材30及びダンパのシリンダは一致し、またはいずれかの場合において1つの部材として形成される。しかしながら、互いに接続された個別の部材として構成されてもよい可能性は排除されない。
【0050】
同様に、ダンパは、ピストン35に接続されたステム(stem)36を有する。このようなステムは、シリンダの背面上のカバーにおける穴によってシリンダから出て、よって、ハウジング本体34の背面においてハウジング本体34内に設けられた改造された保持シートと係合できる。さらに、ダンパのリセットスプリングがある。リセットスプリングは、例えば、シリンダの背面カバーとハウジング本体34との間におけるステム36に同軸上に配置される、またはピストン35とシリンダ30の前方の端部との間におけるシリンダ30内に配置される。
【0051】
示された実施の形態において、作動部材30は、前方において、ハウジング本体34から突出し、よって、第2接続レバー16内の作動要素32と接触する。
【0052】
あるいは、ダンパは反対側に向けられてもよく、シリンダはハウジング本体34の後方の端部に向けられ、ピストンのステム36は作動要素32に向けられる。
【0053】
上記の説明より、本発明に係る減速ヒンジは、構造において簡単であり、効果的な減速作用を提供するように適切に構成されていることが明確である。
【0054】
さらに、本発明によるヒンジは、家具の部品内において限定された全体的な空間占有を有し、減少した厚みを有するドアにおいても使用できるように減少された高さを有する可動部品を有する。
【0055】
最後に、減速装置の構成及び特定の配置によって、本発明によるヒンジにおいて、ダンパが最適に使用されるため、小さい寸法を維持し、よってダンパの費用を低くすることが可能である。
【0056】
本発明によるヒンジは、改造及び変形に影響されやすい。改造及び変形の全ては、発明の概念の範囲内である。さらに、構造の全ての詳細は、技術的に同等なものに置き換えられてもよい。
【0057】
本出願が優先権を主張するイタリア特許出願第10201800006575号の開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0058】
いずれかの請求項に記載される技術的特徴の後に参照符号がある場合、参照符号は、請求項の理解度を向上させるためのみに含まれており、よって、このような参照符号は、このような参照符号の例示によって特定される各要素の解釈において限定的な効果を有しない。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】