特表2021-528794(P2021-528794A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-528794撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528794(P2021-528794A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20210924BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20210924BHJP
【FI】
   G06T19/00
   G06T17/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2021-520260(P2021-520260)
(86)(22)【出願日】2018年10月30日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月18日
(86)【国際出願番号】CN2018112554
(87)【国際公開番号】WO2020006941
(87)【国際公開日】20200109
(31)【優先権主張番号】201810717163.X
(32)【優先日】2018年7月3日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520502444
【氏名又は名称】上海亦我信息技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】黄 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】趙 明
(72)【発明者】
【氏名】蔡 ▲ペイ▼
【テーマコード(参考)】
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA01
5B050DA10
5B050EA05
5B050EA07
5B050EA13
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA27
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5B050FA14
5B050GA08
5B080AA13
5B080AA19
5B080BA02
5B080BA04
5B080DA06
5B080GA22
(57)【要約】
本発明は、撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法を開示する。前記方法は、全ての空間における写真をインポートし、三次元空間のカメラ位置から見る時の各画素の観察方向が撮影する時の方向に一致するように、写真を、撮影する時の方向及び視角に従って三次元空間に対応させるステップS1と、部屋を複数の平面の集合と見なし、まず1つの平面を確定し、次に平面間の相互関係と平面間の交線によって全ての平面を1つずつ確定するステップS2と、マーキングシステムによって部屋の空間構造をマーキングし、サイズ情報を取得するステップS3と、テップS3で収集されたポイント座標情報によって部屋の三次元モデルを確立するステップS4とを含む。本発明は、サイズ情報とテクスチャ情報を同時に含み且つ詳細を失わない三次元空間モデルを、復元することができるだけでなく、三次元空間シーンを速く且つ容易に編集及び変更することができ、また、サイズ情報を含み且つ歪みがない二次元平面図を同時に生成することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記方法は、
S1:すべての空間の写真を導入し、空間ごとに、同じ撮影点で撮影した空間の主な特徴を含む写真のセットを導入し、撮影時の方向と画角に応じて、3次元空間のカメラ位置から見たときに各画素が撮影時と同じ方向に見えるように、写真を3次元空間に一致させるステップと、
S2:部屋を複数の平面の集合体とし、まずは最初の平面を決定し、平面間の相互関係や交差線を介してすべての平面を1つずつ決定するステップと、
S3:マーキングシステムを用いて部屋の空間構造をマーキングし、寸法情報を取得するステップと、
S4:S3で収集した点座標情報から部屋の3次元空間モデルを作成するステップとを含む、ことを特徴とする撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項2】
前記ステップS1では、各空間の写真を360度パノラマに合成し、3次元空間内のカメラ位置から見たときに各画素が撮影時と同じ方向に見えるように、パノラマを3次元空間に対応させることをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項3】
前記ステップS2では、最初の平面を決定する方法は、平面上で垂直に交差する3つの壁線を見つけることによって平面を決定するか、または平面の4つのコーナーを見つけることによって平面を決定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項4】
前記ステップS2では、最初の平面を決定する方法は、平面でのカメラレンズの投影点を記録したり、関連点を記録して平面でのカメラレンズの投影点を推算したりして、平面の位置を決定することをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項5】
前記ステップS2に先立って、撮影時の撮影装置の歪みによる画像の傾きを補正するために、写真に垂直補正線をマーキングするステップと、写真の地面に垂直な線を垂直補正線とするか、または写真の水平線を見つけて写真の水平線に垂直な線を垂直補正線とするステップと、垂直補正線を基準にして、垂直補正線が実際の水平面に垂直になるまで写真を回転させるステップと、異なる向きの複数の垂直補正線を得て垂直補正を完了させるステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項6】
前記ステップS3は、
S31:高精度な球体の内部に写真を配置し、球体の中心にカメラのレンズ位置を設定し、球体の中心で写真を撮影した画角を復元するステップと、
S32:球体の内部に4つのフレームポイントをプリセットし、各フレームポイントには上部ポイントと下部ポイントが含まれ、各ポイントが部屋の実際の部屋空間のコーナー位置に対応するようにフレームポイントをドラッグし、部屋の主なフレーム構造を形成したり、または各下部コーナーの位置を順番にマーキングして地面の輪郭を形成し、垂直壁線と組み合わせて対応する上部コーナーを見つけ、上部コーナーの位置をマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を取得するステップと、
S33:既知のカメラ撮影高さに基づいて部屋の高さを求め、部屋の輪郭寸法を推算したり、既知の長さの定規を配置して平面の輪郭寸法を求め、さらに部屋の輪郭寸法を推算したりするステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項7】
ステップS32では、マーキングすべきコーナーが遮られるとき、壁線が見える場合には、水平に交差する2本の壁線の交点に垂直になるようにすることでコーナーの位置を決定し、壁の下部コーナーと壁線の両方が遮られるが上部コーナーまたは壁線が見える場合には、まず上部平面と上部コーナーの位置を決定し、次に上部コーナーと下部コーナーの位置を等比例にして拡大縮小し、下部コーナーの点を下部平面に保持してコーナーの位置を決定する、ことを特徴とする請求項6に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項8】
ステップS32では、部屋のオブジェクトにマーキング点を追加し、2つのマーキング点を1つのマーキング線に形成し、部屋の壁体を拡張し、ドア、開放空間、通常の窓、出窓や階段を含む部屋の基本オブジェクトの構造を追加することと、非長方形の部屋の場合は、部屋の構造を拡張するために凹凸壁構造のマーキング点を追加し、凹凸壁の位置と深さを調整することにより、拡張された空間構造を決定することと、自由に形成された任意の壁体の場合は、自由なマーキング点を追加して壁体の構造を自由に拡張することと、二重構造の場合は、階段と階段口構造のマーキング点を追加し、二階の階段口を接続して上下の段階を互いに接続し、階段構造を拡張することとを含み、ステップS33では、既知のカメラレンズ高さまたは配置された既知の長さの定規に従って、部屋のオブジェクトをマーキングし、モデル内の寸法に対する実世界の寸法の計算比率を得て、次にモデル全体を等比例にして拡大縮小し、部屋のオブジェクトの真の寸法を算出することをさらに含む、ことを特徴とする請求項6に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項9】
ステップS5をさらに含み、前記ステップS5では、異なる部屋の写真に含まれるドアまたは開放空間の画像情報を比較し、各部屋を接続して各部屋の空間位置情報および向き情報を取得することと、マーキングされたドアまたは開放空間から、写真に含まれるドアまたは開放空間の画像を比較し、互いの写真に含まれるマッチング画像を取得して、同じドアまたは開放空間を見つけ、同じドアまたは開放空間を有する部屋を接続することと、すべての部屋を接続した後、部屋を接続する位置と向きを算出し、一つの部屋を選択して接続された部屋として、その部屋のドアをトラバースし、未接続の部屋を探し、接続された部屋の位置と向きに基づいて、二つの部屋のドアまたは開放空間を接続する位置と向きと組み合わせて、未接続の部屋の位置と向きを算出し、そして未接続の部屋を接続された部屋としてマーキングすることと、未接続の部屋がなくなるまで未接続の部屋を探し続け、すべての部屋の接続を完了させることとを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項10】
S3で収集した点座標情報により写真を分割し、部屋テクスチャマップを取得して部屋テクスチャを取得するステップ、すなわち、ステップS6をさらに含み、前記ステップS6では、まず、各平面を多角形として、頂点情報を3次元座標の集合として設定し、頂点座標の外側の矩形でテクスチャマップのサイズを算出することと、写真の画素点をトラバースし、多角形上の各画素に対応する点の空間座標の位置を取得することと、全画素点をトラバースし、単一平面のテクスチャマップを完成させることと、順番に部屋のすべての平面のテクスチャマップを完成させることとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項11】
さらにステップS7を含み、前記ステップS7では、ステップS3でマーキングシステムが取得した部屋のモデルにより、高さ情報を無視して、単一部屋の2次元輪郭を取得することと、ステップS5で取得した各部屋の位置座標と向き情報に応じて各部屋の輪郭の位置座標と向きを設定し、2次元平面図を生成することとを含む、ことを特徴とする請求項9に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【請求項12】
前記写真の撮影装置は、魚眼レンズ付き携帯電話、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、通常の携帯電話および通常のデジタルカメラを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元モデリング方法に関し、特に、撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元空間モデリングは、近年、急速に発展して応用されている技術であり、仮想現実、家屋装飾、室内設計等の分野で広く応用され、従来の三次元空間シーンモデリングは、一般的に次のスキームを採用している。
【0003】
1、両眼立体視(Binocular Stereo Vision)システムを使用し、視差原理に基づいてイメージング装置を使用して異なる位置から被測定物の2枚の画像を取得し、画像の対応する点の間の位置偏差を計算することにより、物体の三次元幾何学的情報を取得する方法が採用される。2つの目で取得された画像を融合してそれらの間の違いを観察することにより、明らかな奥行き感を得て、特徴間の対応関係を確立し、異なる画像への同一の空間における物理点の映像点を対応させることができる。この方法では、撮影装置が簡単であるが、三次元空間を再構成するために、多くの写真を撮影する必要があり、非常に時間がかかり、且つ後でモデルの計算に多くの時間が必要になり、モデルに問題が発生すると、修復方法が非常に面倒であり、非専門家が操作できず、そのため、両眼立体視システムは、長年使用されているが、広く普及することができない。
【0004】
2、レーザーポイントクラウドテクノロジーは、TOF又は構造光測距原理を使用し、物体の表面の各サンプリングポイントの空間座標を取得し、ターゲット空間分布とターゲット表面特性を表現するための一連の大量ポイントの集合を得るものであり、このポイント集合が「ポイントクラウド」と呼ばれる。ポイントクラウドの属性は、空間解像度、ポイント精度、表面法線ベクトルなどを含む。しかし、レーザーポイントクラウドテクノロジーでは、ユーザは体積が膨大であり、高価であり、操作が複雑なポイントクラウド装置を追加的に購入する必要があり、一方で大量のデータが生成され、記憶及び処理に不利であり、複数のグループのデータをステッチする必要がある場合、データ量が膨大であるため、長い時間がかかり、効果が高くない。したがって、レーザーポイントクラウドテクノロジーは長年使用されているが、普及が非常に困難である。
【0005】
以上のことから分かるように、上記問題を解決するための簡単で使用しやすく、コストが低いが効果が高い方法は現在まで提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術課題は、サイズ情報とテクスチャ情報を同時に含み且つ詳細を失わない三次元空間モデルを、復元することができるだけでなく、三次元空間シーンを速く且つ容易に編集及び変更することができ、また、サイズ情報を含み且つ歪みがない二次元平面図を同時に生成することができる、撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために本発明によって採用される技術案は、撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法を提供することである。前記方法は、全ての空間における写真をインポートし、同一の撮影ポイントで撮影された、空間の主な特徴を含む1グループの写真を空間ごとにインポートし、三次元空間のカメラ位置から見る時の各画素の観察方向が撮影する時の方向に一致するように、写真を、撮影する時の方向及び視角に従って三次元空間に対応させるステップS1と、部屋を複数の平面の集合と見なし、まず1番目の平面を確定し、次に平面間の相互関係と平面間の交線によって全ての平面を1つずつ確定するステップS2と、マーキングシステムによって部屋の空間構造をマーキングし、サイズ情報を取得するステップS3と、テップS3で収集されたポイント座標情報によって部屋の三次元モデルを確立するステップS4とを含む。
【0008】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記ステップS1はさらに、各空間の写真を360度パノラマビューに合成し、その後三次元空間のカメラ位置から見る時の各画素の観察方向が撮影する時の方向に一致するように、パノラマビューを三次元空間に対応させることを含む。
【0009】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記ステップS2において、1番目の平面を確定することは、平面の垂直に交差する3本の壁線を見つけて1つの平面を確定し、又は平面の4つの隅を見つけて1つの平面確定することを含む。
【0010】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記ステップS2において、1番目の平面を確定することはさらに、平面へのカメラレンズの投影ポイントを記録して平面の位置を確定し、又は関連点を記録して平面へのカメラレンズの投影ポイントを推算し、平面の位置を確定することを含む。
【0011】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記ステップS2の前に、さらに、写真に垂直補正線をマーキングし、写真が撮影される時の撮影装置の傾きによる画像の傾きを補正することと、写真において写真の地面に垂直な線を垂直補正線として見つけ、又は写真の水平線を見つけ、写真の水平線に垂直な線を垂直補正線として1本描画することと、垂直補正線を基準として写真を垂直補正線が実際の水平面に垂直になるまで回転させることと、異なる方位の複数本の垂直補正線を取得し、垂直補正を完了することとを含む。
【0012】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記ステップS3は、写真を1つの高精度の球内に放置し、カメラレンズの位置を球の中央に設定し、次に球の中央に写真の撮影視角を復元するステップS31と、球に4つのフレームポイントを予め設定し、各フレームポイントに上部ポイントと下部ポイントが含まれ、フレームポイントをドラッグして各ポイントを実際の部屋の空間における隅の位置に対応させ、部屋の本体フレーム構造を形成し、又は各下隅の位置を順次マーキングし、地面の輪郭を形成し、さらに垂直壁線を組み合わせて対応する上隅を見つけ、上隅の位置をマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を取得するステップS32と、既知のカメラの撮影高さによって部屋の高さを取得し、部屋の輪郭サイズを推算し、又は既知の長さのスケールを置くことにより、平面の輪郭サイズを特定し、部屋の輪郭サイズを推算するステップS33とを含む。
【0013】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、ステップS32において、マーキングされる隅が遮られる場合、壁線が見えると、垂直方向と水平方向に交差する2本の壁線の交点によって隅の位置を確定し、壁の下隅と壁線の両方が遮られるが、上隅又は壁線が見えると、まず上面と上隅を確定し、次に上隅と下隅の位置を同一の比率でスケーリングし、下隅のポイントを下面に維持させ、それによって隅の位置を確定する。
【0014】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、ステップS32はさらに、部屋内の物体にマークポイントを付加し、2つのマークポイントを1本のマークラインに構成し、部屋の壁を拡張して部屋の基本的な物体構造を追加し、前記基本的な物体がドア、開放空間、通常の窓、出窓、階段を含み、非矩形の部屋の場合、凹凸壁構造のマークポイントを付加して部屋の構造を拡張し、凹凸壁の位置及び深さを調整することにより、拡張された空間構造を確定し、任意の自由構造の壁の場合、自由マークポイントを付加して壁の構造を任意に拡張し、二重構造の場合、階段及び階段上り口構造のマークポイントを付加し、2つの階の階段上り口を接続して上下の階を直列に接続し、階段構造を拡張することを含み、ステップS33はさらに、カメラレンズの高さが既知であり、又は既知の長さのスケールを置き、部屋の物体をマーキングすることにより、現実世界におけるサイズとモデルにおけるサイズの計算比率を得て、次にモデル全体を同一の比率でスケーリングし、部屋内の物体の実際のサイズを計算することを含む。
【0015】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、異なる部屋の写真におけるドア又は開放空間画像情報を比較することにより、各部屋を接続し、各部屋の空間位置及び向き情報を取得し、マーキングされたドア又は開放空間によって写真におけるドア又は開放空間を透過する画面を比較し、それぞれの写真において一致する画面を取得し、同じドア又は開放空間を見つけ、同じドア又は開放空間を有する部屋を接続し、全ての部屋を直列に接続した後、接続された部屋の位置と向きを計算し、1つの部屋を接続された部屋として選択し、該部屋のドアをトラバースし、接続されていない部屋を見つけ、現在の接続されている部屋の位置と向きによって、2つの部屋を接続しているドア又は開放空間の位置と向きを組み合わせ、接続されていない部屋の位置と向きを計算し、その後、接続されていない部屋を接続された部屋としてマーキングし、接続されていない部屋を引き続き見つけ、接続されていない部屋がなくなるまで、全ての部屋の接続を完了するステップ5をさらに含む。
【0016】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、S3で収集されたポイント座標情報によって写真を分割し、部屋のテクスチャマップを得て、部屋のテクスチャを取得し、まず各面を1つのポリゴンに設定し、頂点情報を1グループの三次元座標とし、頂点座標の外付け矩形によってテクスチャマップの大きさを計算し、ピクチャーの画素点をトラバースし、ポリゴンにおける各画素点に対応する空間座標点位置を取得し、全ての画素点をトラバースし、一面のテクスチャマッピングを完了し、部屋の全ての面のテクスチャマッピングを順次完了するステップS6をさらに含む。
【0017】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、ステップS3でマーキングシステムによって取得された部屋のモデルにより、高さ情報を無視し、単一の部屋の二次元輪郭を取得し、ステップS5で取得された各部屋の位置座標と向き情報に基づき、各部屋輪郭の位置と向きを設定し、二次元平面図の生成を完了するステップS7をさらに含む。
【0018】
上述した撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、前記写真の撮影装置は、魚眼レンズ付き携帯電話、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、通常の携帯電話、通常のデジタルカメラを含む。
【0019】
従来技術に比べ、本発明は次の有益な効果を有している:本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、サイズ情報とテクスチャ情報を同時に含み且つ詳細を失わない三次元空間モデルを復元し、走査不全に起因してモデルの破損を引き起こすことがなく、家具、内装等の原因でモデルに大きな干渉を与えることがなく、三次元空間シーンを速く且つ容易に編集及び変更することができ、また、サイズ情報を含み且つ歪みがない二次元平面図を同時に生成することができる、携帯電話の魚眼レンズ、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、及び通常の携帯電話と通常のデジタルカメラを含むがこれらに限定されない広範な撮影方式をサポートし、コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例における撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例における平面を確定することを示す略図である。
図3】本発明の実施例における平面の垂直に交差する3本の壁線を見つけて1番目の平面を確定することを示す概略図である。
図4】本発明の実施例における極座標から直交座標への変換を示す概略図である。
図5】本発明の実施例における平面の4つの隅を見つけて1番目の平面を確定することを示す概略図である。
図6】本発明の実施例における関連点を記録して平面へのカメラレンズの投影ポイントを推算することにより、1番目の平面を確定することを示す概略図である。
図7】本発明の実施例における垂直補正を示す概略図である。
図8】本発明の実施例におけるマーキングされた部屋空間構造に凹凸壁構造を追加することを示す概略図である。
図9】本発明の実施例におけるマーキングされた部屋空間構造に自由マークポイントを付加して壁の構造を任意に拡張することを示す概略図である。
図10】aは本発明の実施例におけるカメラから壁の隅を見た側面図である。bは本発明の実施例におけるカメラから壁の隅を見た上面図である。
図11】本発明の実施例における地面に既知の長さのスケールを置いて輪郭サイズを推算することを示す概略図である。
図12】本発明の実施例における既知の長さのスケールを地面に対して一定の角度をなして置いて輪郭サイズを推算することを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の上記目的、特徴と有益な効果をより明確且つ容易に理解できるために、以下に図面を組み合わせて本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法のフローチャートである。
【0023】
図1を参照すると、本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、全ての空間における写真をインポートし、同一の撮影ポイントで撮影された、空間の主な特徴を含む1グループの写真を空間ごとにインポートし、三次元空間のカメラ位置から見る時の各画素の観察方向が撮影する時の方向に一致するように、写真を、撮影する時の方向及び視角に従って三次元空間に対応させるステップS1と、部屋を複数の平面の集合と見なし、まず1番目の平面を確定し、次に平面間の相互関係と平面間の交線によって全ての平面を1つずつ確定するステップS2と、マーキングシステムによって部屋の空間構造をマーキングし、サイズ情報を取得するステップS3と、テップS3で収集されたポイント座標情報によって部屋の三次元モデルを確立するステップS4とを含む。
【0024】
好ましくは、ステップS1はさらに、各空間の写真を360度パノラマビューに合成し、その後、三次元空間のカメラ位置から見る時の各画素の観察方向が撮影する時の方向に一致するように、パノラマビューを三次元空間に対応させることを含む。
【0025】
本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、ステップS2において、1番目の平面を確定することは、平面の垂直に交差する3本の壁線を見つけて1つの平面を確定し、又は平面の4つの隅を見つけて1つの平面を確定することを含む。1番目の平面を確定することはさらに、平面へのカメラレンズの投影ポイントを記録することにより、平面の位置を確定し、又は関連点を記録して平面へのカメラレンズの投影ポイントを推算することにより、平面の位置を確定することを含む。
【0026】
写真を三次元空間に対応させるという原則は、各画素が撮影する時の方向に一致するように維持され、1つのピクセルから撮影ポイント(撮影する時のレンズの位置)までの距離情報が記録又は提供されないことである。モデリングの基本原理は、屋内モデルを複数の平面(地面、壁面、天井を含む)の集合とし、下隅を3つの平面(地面と2つの壁面)の交点とし、上隅を3つの平面(天井と2つの壁面)の交点とし、壁線を2つの平面(壁)の交線として見なすことである。先に1つの平面の位置を位置決めすることができれば、全ての平面を復元してモデリングを完了するまで、この平面の隅と線によって他の平面を順次確定することができる。
【0027】
図2を参照すると、先に地面S1を確定することができれば、既知の壁面S2と地面S1の垂直関係、及びS1とS2の交線(壁線)L1により、壁面S2を確定することができる。同様に、壁線L2によって壁面S3及び空間内の全ての互いに直交する壁面の位置を引き続き確定することができる。
【0028】
具体的には、屋内の壁がほとんど矩形で構成される場合、平面の垂直に交差する3本の壁線によって平面を確定するという方法a(隣接直角法)が採用される。
【0029】
図3を参照すると、Pがカメラレンズの位置であり、P1P2P3及びP2P3P4からなる角がいずれも直角であれば、P1P2P3P4の位置する平面を確定することができる。図3において写真で壁を観察すると、P1、P2、P3及びP4はいずれもこの壁に位置する。ここで、P2P3が該壁の地面に垂直な辺であり、P1P2が該壁と天井の交線であり、P3P4が該壁と地面の交線である。P1が壁と天井の交線上のP2と異なるポイントであり、P4が壁と床の交線上のP3と異なるポイントである。観察ポイントに対する4つのポイントの座標は極座標で
【数1】
として表され、明らかに、半径
【数2】
が未知数であり、他の2つの値が観察されてもよい。
【0030】
図4を参照すると、極座標から直交座標への変換は、次のように定義される:
【数3】
【数4】
と定義されると、
【数5】
【数6】
である。
【0031】
図3を参照すると、P1P2がP2P3に垂直であるので、2つの線分ベクトルの内積が0であり、即ち、
【数7】
、同様に、P3P4がP2P3に垂直であるので、
【数8】
、また、P1P2がP3P4に平行であるので、2つのベクトルの内積は2つのベクトルのモデルの積に等しく、即ち、
【数9】
であり、(5)、(6)、(7)を展開すると、
【数10】

【数11】

【数12】
である。方程式が3つあるが、未知数が4つあるため、上記の方程式を直接解くことができず、しかし、
【数13】
が1であると仮定し、他の3つの点のrと
【数14】
の比を求めることができる。このように平面とカメラの位置を求められる。
【数15】
を(8)に代入すると、
【数16】
を得て、
【数17】
と定義されると、
【数18】
を得ることができ、同様に
【数19】
を得ることがきる。(12)、(13)を(10)に代入すると、
【数20】
を得る。(14)の両側が同時に2乗され、0x1で除算されると、
【数21】
を得る。これは
【数22】
に関する4次方程式であり、この方程式を解いて、
【数23】
の4つの値を求めることができる。1つの変数の4次方程式の根を求める式については、Baidu Encyclopediaを参照できるため、ここでは詳しく展開しない。
https://baike.baidu.com/item/%E4%B8%80%E5%85%83%E5%9B%9B%E6%AC%A1%E6%96%B9%E7%A8%8B%E6%B1%82%E6%A0%B9%E5%85%AC%E5%BC%8F/10721996?fr=aladdin
【0032】
4次方程式についてはWikipediaを参照できるため、ここでは詳しく展開しない。
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9B%E6%AC%A1%E6%96%B9%E7%A8%8B
【0033】
【数24】
の4つの値のうち、正の実数のみが意味を有しているが、複数の正の実数値が存在する可能性がある。
【0034】
他の平面は、以上と同様の方法を使用して確定されてもよい。各平面の複数の可能性から正しい解を見つけるために、次の方法を使用する:隣接直角法を使用して1番目の平面S1を確定し、以上の平面の1つの正の実数の解を使用し、平面S1の位置を確定でき、1つの隣接する平面S2を選択し、隣接直角法を使用してこの平面を確定し、1つの正の実数の解を使用して平面S2の位置を確定し、前のステップを繰り返し、全てが完了するまで他の平面の位置を確定し、ある平面の正の実数の解が見つけられず、又は隣接する平面との交線が間違っている場合、前の平面に戻って次の正の実数の解を使用し、前のステップを繰り返して全ての平面を確定する。全ての平面が空間において実際に存在するため、上記の方法で全ての平面の位置を確定することができる。以上は、各平面において2つの隣接する直角を見つけることができると仮定している。ある平面が2つの隣接する直角の条件を満たしない場合、位置が確定された、隣接する平面、及び該隣接する平面との交線によって確定されてもよい。図2に示すように、S2がS1垂直であると仮定すると、S2はS1の位置及びS1とS2の交線L1によって一意に確定されてもよい。
【0035】
具体的には、一つの壁が矩形であると仮定し、平面の四隅を見つけて1つの平面を確定するという方法b(矩形法)が採用される。部屋では、ほとんどの壁が矩形であるため、矩形の4つの頂点を使用して壁の位置を確定することは明らかである。矩形法は、隣接直角法の特殊な例である。
【0036】
図5を参照すると、矩形法では、線分P1P4が線分P2P3に平行でなければならないが、隣接直角法では、P1はP1P2が存在する直線上の任意の点であってもよい。同様に、P4はP3P4が存在する直線上の任意の点であってもよく、矩形法における解く方式は隣接直角法と類似するため、ここでは説明を省略する。
【0037】
具体的には、平面へのカメラの投影によって平面を確定するという方法c(投影法)が採用される。撮影する時に、ある平面へのカメラレンズの投影が記録されると、該投影によって該平面の位置を一意に確定することができる(カメラと平面の間の距離が既知であり、又は仮定される)。
【0038】
図2に示すように、カメラの位置と投影を結ぶ線は地面S1に垂直である。カメラの高さが既知であれば、地面位置が確定される。実際の操作では、投影ポイントを取得/記録する方法は、カメラを三脚又はスタンドに置いて撮影し、三脚/ブラケットが地面に対して垂直にすることである。三脚/ブラケットが置かれる中心点は投影ポイントである。又は三脚/ブラケットが壁面に当接されて該壁面に垂直であり、三脚/ブラケットが壁面に置かれる中心点は投影ポイントであり、又は投影ポイントにマークを付ける。他の平面を確定する場合、投影法を使用して1番目の平面S1を確定し、1つの隣接する平面S2を選択し、S2がS1に垂直であると仮定すると、S2はS1の位置及びS1とS2の交線L1によって一意に確定されてもよく、同様の方法を使用して全ての平面を順次確定する。実際の操作中、ほとんどの壁面が地面又は天井に垂直であるため、1番目の平面が壁面であれば、上記のステップで地面又は天井を1番目の隣接する平面として選択し、次に全ての壁面を順次確定する。
【0039】
具体的には、関連点を記録して平面へのカメラレンズの投影ポイントを推算することにより、平面の位置を確定するという方法d(勾配投影法)が採用される。この方法は投影方法と類似するが、投影されたポイントを記録しなく、記録されたポイントによって投影ポイントの位置を推算できる。三脚/ブラケットが地面に置かれる(ベースが地面に貼着される)が、地面に垂直ではなく、三脚/ブラケットが壁面に当接される(ベースが壁面に貼着される)が、壁に垂直ではないという方法がある。三脚/ブラケットが平面に垂直ではない場合、平面への投影は1本の線分である。
【0040】
図6を参照すると、Pがカメラレンズの位置であり、P1がカメラブラケットのベースの中心点であり、P2が平面上の投影ポイントであり、平面へのブラケットP1P3の投影線がP1P2である。ベースに対する投影線の方向(レンズ方向とベースの間の相対関係、又はベース上のブラケットの位置に固定され且つ関係を予知するマークによって確定される)P1P2が既知であれば、既知のブラケットの傾斜角P3P1P2、及び既知のブラケットの高さ又は1つの仮定された高さに基づき、投影ポイントP2の位置を計算することができ、即ち、投影ポイントP2によって全ての平面を投影法で確定することができる。
【0041】
好ましくは、ステップS2を行う前に、さらに、写真に垂直補正線をマーキングし、写真が撮影される時の撮影装置の傾きによる画像の傾きを補正することと、写真において写真の地面に垂直な線を垂直補正線として見つけ、又は写真の水平線を見つけ、写真の水平線に垂直な線を垂直補正線として1本描画することと、垂直補正線を基準として写真を垂直補正線が実際の水平面に垂直になるまで回転させることと、異なる方位の複数本の垂直補正線を取得し、垂直補正を完了することとを含む。
【0042】
図7を参照すると、垂直補正を行う場合、見つけられた線分の2つの端点(水平線から変換された垂直線分を含む)を球面に投影し、P1、P2を取得し、カメラの傾きにより、球の中心OとP1、P2からなる平面と水平面Hの夾角が直角ではなく、P1P2の中間点をPとし、PをHに投影してP’を得て、球の中心OとP’の連結線を軸とし、写真を平面OP1P2が平面Hに垂直となるまで回転させる。
【0043】
本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、ステップS3は、写真を1つの高精度の球内に放置し、カメラレンズの位置を球の中央に設定し、次に球の中央に写真の撮影視角を復元するステップS31と、球に4つのフレームポイントを予め設定し、各フレームポイントに上部ポイントと下部ポイントが含まれ、フレームポイントをドラッグして各ポイントを実際の部屋の空間における隅の位置に対応させ、部屋の本体フレーム構造を形成し、又は各下隅の位置を順次マーキングし、地面輪郭を形成し、さらに垂直壁線を組み合わせて対応する上隅を見つけ、上隅の位置をマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を取得するステップS32と、既知のカメラの撮影高さによって部屋の高さを計算し、部屋の輪郭サイズを推算し、又は既知の長さのスケールを置くことにより、平面の輪郭サイズを特定し、部屋の輪郭サイズを推算するステップS33とを含む。
【0044】
具体的に実施する過程では、ステップS32は様々な方式を採用して部屋の空間構造及び物体をマーキングすることができ、その中の1つのマーキング方式(フレーム法)のステップは次のとおりである。
【0045】
図8図9を参照すると、シーンでは、平面S1に4つのフレームポイント(P1、P2、P3、P4)が予め設定されて1つの矩形を構成し、矩形の長さ及び幅が変更されてもよいが、矩形関係を維持する必要がある。各フレームポイントが1つのフレームポイント(P1a、P2a、P3aとP4a)にそれぞれ対応し、各ペアの上下フレームポイントの連結線(例えばP1P1a)が平面S1に垂直である。各フレームポイントを空間の隅の位置に移動する。部屋の形状が規則的な直方体である場合、上部と下部の合計8つのフレームポイントは、直方体の全ての平面を完全に記述し、空間モデリングを完了する。
【0046】
非直方体の部屋の場合、凹凸壁構造の4つのマークポイント、例えば図8におけるP5、P6、P7とP8を付加して部屋の構造を速く拡張し、凹凸壁の位置及び深さを調整することにより、拡張された空間構造を確定することができる。多くの壁の凹凸構造が依然として矩形又は直角関係にある(図8におけるP5P6がP2P5に垂直であり、P6P7がそれぞれP5P6及びP7P8に垂直であり、P7P8がP8P3に垂直である)ため、この方法は効果的にモデリングすることができる。
【0047】
任意の自由構造の壁の場合、自由マークポイントを付加して壁の構造を任意に拡張することができる。図9に示すように、P7は平面S1の任意の点であってもよく、P5P7がP2P5に垂直でなくてもよく、P5P7がP7P8に垂直でなくてもよく、P7P8がP8P3に垂直でなくてもよい。
【0048】
隅が物体に遮られる場合、壁線が通常、基準物体として現れ、壁線の位置は、フレームポイントとフレームポイントの間の連結線によって確定されてもよく、1つの隅の場合、該隅の垂直壁線と水平壁線が確定されると、該隅の位置を確認することができる。図8では、P4が遮られるが、P1P4とP3P4の一部が見える場合、依然として2本の線の交点によってP4の位置を得ることができる。
【0049】
2つのマークポイントの間に1本のマークラインが形成され、マークラインをクリックして部屋の壁を拡張し、ドア、開放空間、通常の窓、出窓、階段などの様々な部屋の基本的な物体構造を追加する。壁面に基本的な物体構造を追加することもできる。
【0050】
二重構造の場合、階段と階段上り口を追加し、2つの階の階段上り口を接続して上下の階を直列に接続することができ、複数の階についてこのように類推する。
【0051】
上記のマーキングステップにより、マークポイントに基づくデータ構造を得ることができ、該マークポイント構造には部屋の壁構造と部屋の主な物体(例えばドア、ドアの開口部、開放空間、通常の窓、出窓、階段)の空間情報が記録され、テキストの形態でローカルに保存される。
【0052】
具体的な実施過程では、ステップS32において、さらにある平面に各隅の位置をマーキングして該平面の輪郭を形成することができ、他の平面は、全ての平面をマーキングして部屋輪郭を形成する(隅を一つずつマーキングする方法)まで、壁線と隅によって徐々に確認される。先に地面をマーキングすることを例とし、具体的なステップは以下のとおりである:
【0053】
1つの完全な地面輪郭を形成するために、図で各隅の位置を順次マーキングする。地面から各壁面の下隅の情報が与えられ、且つ天井の平面輪郭は一般的に地面輪郭と同じであり、垂直の壁線と組合わせ、部屋の高ささえ確認されれば、部屋の輪郭を復元できる。その中の1つの下隅を選択し、それに対応する上隅を見つけ、上隅の位置をマーキングし、部屋の高さを得て、部屋全体の基本的な輪郭を得る。図8に示すように、平面S1にP1、P2、P3、P4、P5、P6、P7とP8がマーキングされると、S1の輪郭が記述される。次に各ポイントからS1への垂線を描き、さらにS2、S3及び他の平面を取得する。
【0054】
具体的な実施過程では、ステップS33でサイズを確定する方法の一つは、既知のカメラの撮影高さによって部屋の高さを計算し、部屋の輪郭サイズを推算することである。
【0055】
図10aと図10bを参照すると、隅の位置と部屋の高さの基本的な計算方法は次のとおりである:
隅の位置に関し、カメラの高さh1、及びカメラから隅P1を見るピッチ角φ1が既知である場合、d=tanφ1*h1であり、カメラから下隅を見る方向角θが既知である場合、平面図から隅P1の座標(x、y、z)=(d*sinθ、−h1、d*cosθ)を計算できる。
【0056】
部屋の高さに関し、カメラから上隅P1を見るピッチ角φ2、カメラの高さh1が既知であり、上隅P2と下隅P1が同一の垂直線に位置する場合、h2=d/tan(180−φ2)、部屋の高さh=h1+h2である。
【0057】
具体的な実施過程では、ステップS33でサイズを確定する方法2は、既知の長さのスケールを置くことで、ある平面(地面/壁面)の輪郭サイズを特定し、これによって他の平面の輪郭サイズを推算することである。
【0058】
図11を参照すると、地面にスケールを置き、既知のスケールの長さによってカメラの高さ(地面までの距離)を計算することができ、その後は方法1と同じである。カメラの高さが分からず、カメラの高さがhであると仮定し、地面スケールRが既知であり、実際の長さがLrであり、座標系で測定された長さがLrであり、且つh,Lrが同一の座標系内にあり、単位が同じであると、カメラの実際の高さh=Lr/Lr*hである。スケールをある壁面に密着して置くこともでき、カメラから壁面までの距離を計算し、さらに下隅によって地面位置を確定することができ、その後は方法1と同じである。図11に示すように、スケールRが壁面S2に置かれ、その同じ点として、位置決めされた1番目の相対的な大きさ(大きさが予め設定された任意のデフォルト値である)を知った後、スケールが該平面にあるため、スケールによって座標系で測定されてもよい長さLr’と現実世界でのスケールの長さLrの計算比率、即ち比率r=Lr/Lr’は、座標系における単位長さが現実世界での長さに対応することを示し、座標系でのこの平面の任意の辺の長さがL,であれば、実際の長さL=L’*rであり、そのため、座標系における全ての辺の実際の長さを知ることができる。
【0059】
図12を参照すると、スケールは必ずしも地面又は壁面に密着する必要がない。ある平面と固定された角度さえ形成すれば、平面の投影長さを三角関数で計算し、これによって該平面の位置を確定することもできる。地面を例とし、スケールがPr1Pr2であり、Pr1Pr2の実際の長さが既知であり、スケールと平面の間の固定角度がθ、即ち∠Pr1であることが知られている場合、まず角度θ及び地面へのスケールの投影に基づき、Pr1Pr2の実際の長さをLrとして確定し、座標系で投影Pr1Pr2の長さをLrとして測定し、その後の計算が前の方法と同じであり、他の全ての辺の実際の長さは、比率r=Lr/Lr’によって確定される。
【0060】
具体的には、ステップS32において、マーキングされる隅が遮られる場合、壁線が見えると、垂直方向と水平方向に交差する2本の壁線の交点によって隅の位置を確定し、壁の下隅と壁線の両方が遮られるが、上隅又は壁線が見えると、まず上面と上隅を確定し、次に上隅と下隅の位置を同一の比率でスケーリングし、下隅のポイントを下面に維持させ、それによって隅の位置を確定する。
【0061】
本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、異なる部屋の写真におけるドア又は開放空間画像情報を比較することにより、各部屋を接続し、各部屋の空間位置及び向き情報を取得し、マーキングされたドア又は開放空間によって写真におけるドア又は開放空間を透過する画面を比較し、それぞれの写真において一致する画面を取得し、同じドア又は開放空間を見つけ、同じドア又は開放空間を有する部屋を接続し、全ての部屋を直列に接続した後、接続された部屋の位置と向きを計算し、1つの部屋を接続された部屋として選択し、該部屋のドアをトラバースし、接続されていない部屋を見つけ、現在の接続されている部屋の位置と向きによって、2つの部屋を接続しているドア又は開放空間の位置と向きを組み合わせ、接続されていない部屋の位置と向きを計算し、その後、接続されていない部屋を接続された部屋としてマーキングし、接続されていない部屋を引き続き見つけ、接続されていない部屋がなくなるまで、全ての部屋の接続を完了するステップ5をさらに含む。
【0062】
本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、S3で収集されたポイント座標情報によって写真を分割し、部屋のテクスチャマップを得て、部屋のテクスチャを取得し、まず各面を1つのポリゴンに設定し、頂点情報を1グループの三次元座標とし、頂点座標の外付け矩形によってテクスチャマップの大きさを計算し、ピクチャーの画素点をトラバースし、ポリゴンにおける各画素点に対応する空間座標点の位置を取得し、全ての画素点をトラバースし、一面のテクスチャマッピングを完了し、部屋の全ての面のテクスチャマッピングを順次完了するステップS6をさらに含む。
【0063】
本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法は、ステップS3でマーキングシステムによって取得された部屋のモデルにより、高さ情報を無視し、単一の部屋の二次元輪郭を取得し、ステップS5で取得された各部屋の位置座標と向き情報に基づき、各部屋輪郭の位置と向きを設定し、二次元平面図の生成を完了するステップS7をさらに含む。
【0064】
具体的には、前記写真の撮影装置は、魚眼レンズ付き携帯電話、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、通常の携帯電話及び通常のデジタルカメラを含む。
【0065】
上述したように、本発明によって提供される撮影に基づいて三次元空間シーンを再構成するための方法では、サイズ情報とテクスチャ情報を同時に含み且つ詳細を失わない三次元空間モデルを復元し、走査不全に起因してモデルの破損を引き起こすことがなく、家具、内装等の原因でモデルに大きな干渉を与えることがなく、三次元空間シーンを速く且つ容易に編集及び変更することができ、また、サイズ情報を含み且つ歪みがない二次元平面図を同時に生成することができる、携帯電話の魚眼レンズ、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、及び通常の携帯電話と通常のデジタルカメラを含むがこれらに限定されない広範な撮影方式をサポートし、コストが低い。
【0066】
本発明は、好ましい実施例で開示されたが、本発明はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲を逸脱せずにいくつかの修正および改良を行うことができるので、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって限定されたものに準ずるべきである。
【0067】
(付記)
(付記1)
前記方法は、
S1:すべての空間の写真を導入し、空間ごとに、同じ撮影点で撮影した空間の主な特徴を含む写真のセットを導入し、撮影時の方向と画角に応じて、3次元空間のカメラ位置から見たときに各画素が撮影時と同じ方向に見えるように、写真を3次元空間に一致させるステップと、
S2:部屋を複数の平面の集合体とし、まずは最初の平面を決定し、平面間の相互関係や交差線を介してすべての平面を1つずつ決定するステップと、
S3:マーキングシステムを用いて部屋の空間構造をマーキングし、寸法情報を取得するステップと、
S4:S3で収集した点座標情報から部屋の3次元空間モデルを作成するステップとを含む、ことを特徴とする撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0068】
(付記2)
前記ステップS1では、各空間の写真を360度パノラマに合成し、3次元空間内のカメラ位置から見たときに各画素が撮影時と同じ方向に見えるように、パノラマを3次元空間に対応させることをさらに含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0069】
(付記3)
前記ステップS2では、最初の平面を決定する方法は、平面上で垂直に交差する3つの壁線を見つけることによって平面を決定するか、または平面の4つのコーナーを見つけることによって平面を決定することを含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0070】
(付記4)
前記ステップS2では、最初の平面を決定する方法は、平面でのカメラレンズの投影点を記録したり、関連点を記録して平面でのカメラレンズの投影点を推算したりして、平面の位置を決定することをさらに含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0071】
(付記5)
前記ステップS2に先立って、撮影時の撮影装置の歪みによる画像の傾きを補正するために、写真に垂直補正線をマーキングするステップと、写真の地面に垂直な線を垂直補正線とするか、または写真の水平線を見つけて写真の水平線に垂直な線を垂直補正線とするステップと、垂直補正線を基準にして、垂直補正線が実際の水平面に垂直になるまで写真を回転させるステップと、異なる向きの複数の垂直補正線を得て垂直補正を完了させるステップとをさらに含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0072】
(付記6)
前記ステップS3は、
S31:高精度な球体の内部に写真を配置し、球体の中心にカメラのレンズ位置を設定し、球体の中心で写真を撮影した画角を復元するステップと、
S32:球体の内部に4つのフレームポイントをプリセットし、各フレームポイントには上部ポイントと下部ポイントが含まれ、各ポイントが部屋の実際の部屋空間のコーナー位置に対応するようにフレームポイントをドラッグし、部屋の主なフレーム構造を形成したり、または各下部コーナーの位置を順番にマーキングして地面の輪郭を形成し、垂直壁線と組み合わせて対応する上部コーナーを見つけ、上部コーナーの位置をマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を取得するステップと、
S33:既知のカメラ撮影高さに基づいて部屋の高さを求め、部屋の輪郭寸法を推算したり、既知の長さの定規を配置して平面の輪郭寸法を求め、さらに部屋の輪郭寸法を推算したりするステップとを含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0073】
(付記7)
ステップS32では、マーキングすべきコーナーが遮られるとき、壁線が見える場合には、水平に交差する2本の壁線の交点に垂直になるようにすることでコーナーの位置を決定し、壁の下部コーナーと壁線の両方が遮られるが上部コーナーまたは壁線が見える場合には、まず上部平面と上部コーナーの位置を決定し、次に上部コーナーと下部コーナーの位置を等比例にして拡大縮小し、下部コーナーの点を下部平面に保持してコーナーの位置を決定する、ことを特徴とする付記6に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0074】
(付記8)
ステップS32では、部屋のオブジェクトにマーキング点を追加し、2つのマーキング点を1つのマーキング線に形成し、部屋の壁体を拡張し、ドア、開放空間、通常の窓、出窓や階段を含む部屋の基本オブジェクトの構造を追加することと、非長方形の部屋の場合は、部屋の構造を拡張するために凹凸壁構造のマーキング点を追加し、凹凸壁の位置と深さを調整することにより、拡張された空間構造を決定することと、自由に形成された任意の壁体の場合は、自由なマーキング点を追加して壁体の構造を自由に拡張することと、二重構造の場合は、階段と階段口構造のマーキング点を追加し、二階の階段口を接続して上下の段階を互いに接続し、階段構造を拡張することとを含み、ステップS33では、既知のカメラレンズ高さまたは配置された既知の長さの定規に従って、部屋のオブジェクトをマーキングし、モデル内の寸法に対する実世界の寸法の計算比率を得て、次にモデル全体を等比例にして拡大縮小し、部屋のオブジェクトの真の寸法を算出することをさらに含む、ことを特徴とする付記6に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0075】
(付記9)
ステップS5をさらに含み、前記ステップS5では、異なる部屋の写真に含まれるドアまたは開放空間の画像情報を比較し、各部屋を接続して各部屋の空間位置情報および向き情報を取得することと、マーキングされたドアまたは開放空間から、写真に含まれるドアまたは開放空間の画像を比較し、互いの写真に含まれるマッチング画像を取得して、同じドアまたは開放空間を見つけ、同じドアまたは開放空間を有する部屋を接続することと、すべての部屋を接続した後、部屋を接続する位置と向きを算出し、一つの部屋を選択して接続された部屋として、その部屋のドアをトラバースし、未接続の部屋を探し、接続された部屋の位置と向きに基づいて、二つの部屋のドアまたは開放空間を接続する位置と向きと組み合わせて、未接続の部屋の位置と向きを算出し、そして未接続の部屋を接続された部屋としてマーキングすることと、未接続の部屋がなくなるまで未接続の部屋を探し続け、すべての部屋の接続を完了させることとを含む、ことを特徴とする付記8に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0076】
(付記10)
S3で収集した点座標情報により写真を分割し、部屋テクスチャマップを取得して部屋テクスチャを取得するステップ、すなわち、ステップS6をさらに含み、前記ステップS6では、まず、各平面を多角形として、頂点情報を3次元座標の集合として設定し、頂点座標の外側の矩形でテクスチャマップのサイズを算出することと、写真の画素点をトラバースし、多角形上の各画素に対応する点の空間座標の位置を取得することと、全画素点をトラバースし、単一平面のテクスチャマップを完成させることと、順番に部屋のすべての平面のテクスチャマップを完成させることとを含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0077】
(付記11)
さらにステップS7を含み、前記ステップS7では、ステップS3でマーキングシステムが取得した部屋のモデルにより、高さ情報を無視して、単一部屋の2次元輪郭を取得することと、ステップS5で取得した各部屋の位置座標と向き情報に応じて各部屋の輪郭の位置座標と向きを設定し、2次元平面図を生成することとを含む、ことを特徴とする付記9に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
【0078】
(付記12)
前記写真の撮影装置は、魚眼レンズ付き携帯電話、パノラマカメラ、魚眼レンズ付きカメラ、通常の携帯電話および通常のデジタルカメラを含む、ことを特徴とする付記1に記載の撮影に基づいて3次元空間シーンを再構成する方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2020年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法であって、
前記オブジェクトの内部空間を反映する画像をインポートするインポートステップと、
マーキングシステムによっていくつかのフレームポイント又はフレームラインを確立し、前記フレームポイント又はフレームラインを、前記画像における前記内部空間を構成する複数の面の交点又は交線にそれぞれ位置合わせすることにより、前記内部空間のアーキテクチャをマーキングするマーキングステップと、
前記マーキングステップでマーキングされた前記内部空間のアーキテクチャに従って、前記オブジェクトの内部空間モデルを確立するモデル確立ステップとを含むオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項2】
前記マーキングステップにおいて、前記フレームポイント又はフレームラインを前記画像における前記内部空間を構成する1つの面の角又はサイドラインにそれぞれ位置合わせすることにより、第一の面を確定し、さらに、前記内部空間を構成する他の面と前記第一の面との相互関係に基づき、前記他の面を確定し、さらに前記オブジェクトの内部空間のアーキテクチャを確定することを特徴とする請求項1に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項3】
前記インポートステップにおいて、前記オブジェクトの内部空間を反映する360度パノラマビューをインポートし、又は前記オブジェクトの内部空間の同じ撮影ポイントで撮影された、前記内部空間の主な特徴を含む1グループの写真をインポートし、前記1グループの写真を360度パノラマビューに合成させ、前記オブジェクトの内部空間を反映する画像とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項4】
前記画像に垂直補正線をマーキングする方式、又は
前記画像において一つの面に垂直な線を垂直補正線として見つける方式、又は
前記画像における水平線に垂直な線を垂直補正線として1本マーキングする方式、の少なくとも一つの方式で、
該垂直補正線を基準として前記画像を、前記垂直補正線が1つの面に対して垂直になるまで回転させ、
異なる方位の複数本の垂直補正線を取得して垂直補正を行うことを特徴とする請求項3に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項5】
前記マーキングステップにおいて、
前記前記フレームポイントを前記画像における前記内部空間を構成する1つの面の角部にそれぞれ位置合わせすること、
前記前記フレームラインを前記画像における前記内部空間を構成する1つの面のサイドラインにそれぞれ位置合わせすること、
前記平面への撮影ポイントの投影ポイントを記録すること、
関連ポイントを記録することで前記平面への前記撮影ポイントの投影ポイントを推算することのうち、少なくとも1つの方式で前記第一の面を確定することを特徴とする請求項2に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項6】
既知の前記画像の撮影高さによって前記オブジェクトの内部空間の高さを計算し、その輪郭サイズを推算すること、又は
前記画像における既知の長さのスケールによって1つの面の輪郭サイズを特定し、前記オブジェクトの内部空間の輪郭サイズを推算することをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項7】
前記マーキングシステムによって現実世界におけるサイズと前記内部空間モデルにおけるサイズの計算比率を取得し、次に前記内部空間モデルを同一の比率でスケーリングし、前記オブジェクトの内部空間の実際のサイズを計算することをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項8】
前記オブジェクトの内部空間は部屋であり、
前記マーキングステップにおいて、
前記フレームポイントをドラッグして前記部屋の隅の位置に対応させ、前記部屋の本体フレーム構造を形成し、又は
各下隅の位置を順次マーキングし、地面の輪郭を形成し、さらに垂直な壁線を組合わせ、対応する上隅を見つけてマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を得ることを特徴とする請求項2に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項9】
マーキングされる隅が遮られる場合、
壁線が見えると、垂直に交差する2本の壁線の交点によって前記隅の位置を確定し、
前記部屋の下隅と壁線の両方が遮られ、上隅又は壁線が見える場合、まず上面と上隅を確定し、次に上隅と下隅の位置を同一の比率でスケーリングし、下隅のポイントを地面に維持させ、それによって隅の位置を確定することを特徴とする請求項8に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項10】
前記オブジェクトの内部空間は部屋であり、
前記マーキングステップにおいて、前記マーキングシステムによって部屋内の物体にマークポイントを付加し、2つのマークポイントを1本のマークラインに構成し、部屋の壁を拡張して部屋の基本的な物体構造を追加し、
非矩形の部屋の場合、凹凸壁構造のマークポイントを付加して部屋の構造を拡張し、凹凸壁の位置及び深さを調整することにより、拡張された前記部屋の構造を確定し、
任意の自由構造の壁の場合、自由マークポイントを付加して壁の構造を任意に拡張し、
二重構造の場合、階段及び階段上り口構造のマークポイントを付加し、2つの階の階段上り口を接続して上下の階を直列に接続し、階段構造を拡張することを特徴とする請求項1に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項11】
前記オブジェクトの内部空間は複数のサブ空間を含み、
前記サブ空間ごとに前記内部空間モデルをそれぞれ確立した後、異なる前記サブ空間にそれぞれ含まれる同じ構造に基づき、前記複数のサブ空間の前記内部空間モデルをステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間モデルを形成することを特徴とする請求項1に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項12】
前記サブ空間の三次元内部空間モデルをそれぞれ確立し、その高さ情報を無視し、各前記サブ空間の内部空間の二次元構造図を取得し、全ての二次元構造図をステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間の二次元構造図を取得すること、
前記サブ空間の三次元内部空間モデルをそれぞれ確立し、前記複数のサブ空間の内部空間モデルをステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間モデルを形成し、その高さ情報を無視し、前記オブジェクト全体の内部空間の二次元構造図を取得することであることのうち、1つの方式で前記内部空間の二次元構造図を生成することを特徴とする請求項11に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項13】
インポートされた前記画像を、前記オブジェクトの内部空間を構成する前記複数の面に従って分割することと、
前記画像における画素点を前記複数の面の座標にそれぞれ対応させ、前記オブジェクトの内部空間のテクスチャを取得することとをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための方法。
【請求項14】
オブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置であって、
前記オブジェクトの内部空間を反映する画像をインポートするように構成される画像インポートモジュールと、
マーキングシステムによっていくつかのフレームポイント又はフレームラインを確立し、前記フレームポイント又はフレームラインを前記画像における前記内部空間を構成する複数の面の交点又は交線にそれぞれ位置合わせすることにより、前記内部空間のアーキテクチャをマーキングするように構成される空間マーキングモジュールと、
前記空間マーキングモジュールによってマーキングされた前記内部空間のアーキテクチャに従って、前記オブジェクトの内部空間モデルを確立するように構成されるモデル確立モジュールとを備えるオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項15】
前記空間マーキングモジュールは、前記フレームポイント又はフレームラインを、前記画像における前記内部空間を構成する1つの面の角又はサイドラインにそれぞれ位置合わせすることにより、第一の面を確定し、さらに、前記内部空間を構成する他の面と前記第一の面との相互関係に基づき、前記他の面を確定し、さらに前記オブジェクトの内部空間のアーキテクチャを確定することを特徴とする請求項14に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項16】
前記画像インポートモジュールは、前記オブジェクトの内部空間を反映する360度パノラマビューをインポートし、又は前記オブジェクトの内部空間の同じ撮影ポイントで撮影された、前記内部空間の主な特徴を含む1グループの写真をインポートし、前記1グループの写真を360度パノラマビューに合成させ、前記オブジェクトの内部空間を反映する画像とすることを特徴とする請求項14又は15に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項17】
前記画像に垂直補正線をマーキングする方法、又は
前記画像において一つの面に垂直な線を垂直補正線として見つける方法、又は
前記画像における水平線に垂直な線を垂直補正線として1本マーキングする方法、の少なくとも一つの方法で、
該垂直補正線を基準として前記画像を、前記垂直補正線が1つの面に対して垂直になるまで回転させ、
異なる方位の複数本の垂直補正線を取得して垂直補正を行うことを特徴とする請求項16に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項18】
前記空間マーキングモジュールは、
前記前記フレームポイントを前記画像における前記内部空間を構成する1つの面の角部にそれぞれ位置合わせすること、
前記前記フレームラインを前記画像における前記内部空間を構成する1つの面のサイドラインにそれぞれ位置合わせすること、
前記平面への撮影ポイントの投影ポイントを記録すること、
関連ポイントを記録することで前記平面への撮影ポイントの投影ポイントを推算することのうち、少なくとも1つの方式で前記第一の面を確定することを特徴とする請求項15に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項19】
既知の前記画像の撮影高さによって前記オブジェクトの内部空間の高さを計算し、その輪郭サイズを推算し、
前記画像における既知の長さのスケールによって1つの面の輪郭サイズを特定し、前記オブジェクトの内部空間の輪郭サイズを推算し、又は
前記マーキングシステムによって現実世界におけるサイズと前記内部空間モデルにおけるサイズの計算比率を取得し、次に前記内部空間モデルを同一の比率でスケーリングし、前記オブジェクトの内部空間の実際のサイズを計算するように構成されるサイズ計算モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項16に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項20】
前記オブジェクトの内部空間は部屋であり、
前記空間マーキングモジュールは、前記フレームポイントをドラッグして前記部屋の隅の位置に対応させ、前記部屋の本体フレーム構造を形成し、又は
各下隅の位置を順次マーキングし、地面の輪郭を形成し、さらに垂直な壁線を組合わせ、対応する上隅を見つけてマーキングし、部屋全体の基本的な輪郭を得るように構成されることを特徴とする請求項15に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項21】
マーキングされる隅が遮られる場合、
壁線が見えると、垂直に交差する2本の壁線の交点によって前記隅の位置を確定し、
前記部屋の下隅と壁線の両方が遮られ、上隅又は壁線が見える場合、まず上面と上隅を確定し、次に上隅と下隅の位置を同一の比率でスケーリングし、下隅のポイントを地面に維持させ、それによって隅の位置を確定することを特徴とする請求項20に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項22】
前記オブジェクトの内部空間は部屋であり、
前記空間マーキングモジュールはさらに前記マーキングシステムによって部屋内の物体にマークポイントを付加し、2つのマークポイントを1本のマークラインに構成し、部屋の壁を拡張して部屋の基本的な物体構造を追加し、
非矩形の部屋の場合、凹凸壁構造のマークポイントを付加して部屋の構造を拡張し、凹凸壁の位置及び深さを調整することにより、拡張された前記部屋の構造を確定し、
任意の自由構造の壁の場合、自由マークポイントを付加して壁の構造を任意に拡張し、
二重構造の場合、階段及び階段上り口構造のマークポイントを付加し、2つの階の階段上り口を接続して上下の階を直列に接続し、階段構造を拡張するように構成されることを特徴とする請求項14に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項23】
前記オブジェクトの内部空間は複数のサブ空間を含み、
前記装置は、前記サブ空間ごとに前記内部空間モデルをそれぞれ確立した後、異なる前記サブ空間にそれぞれ含まれる同じ構造に基づき、前記複数のサブ空間の前記内部空間モデルをステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間モデルを形成するように構成されるステッチモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項24】
前記ステッチモジュールは、
前記サブ空間の三次元内部空間モデルをそれぞれ確立し、その高さ情報を無視し、各前記サブ空間の内部空間の二次元構造図を取得し、全ての二次元構造図をステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間の二次元構造図を取得すること、
前記サブ空間の三次元内部空間モデルをそれぞれ確立し、前記複数のサブ空間の内部空間モデルをステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間モデルを形成し、その高さ情報を無視し、前記オブジェクト全体の内部空間の二次元構造図を取得することのうち、1つの方式で前記内部空間の二次元構造図を生成することを特徴とする請求項23に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項25】
インポートされた前記画像を、前記オブジェクトの内部空間を構成する前記複数の面に従って分割し、前記画像における画素点を前記複数の面の座標にそれぞれ対応させ、前記オブジェクトの内部空間のテクスチャを取得するように構成されるテクスチャ取得モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項14又は15に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するための装置。
【請求項26】
オブジェクトの内部空間モデルを確立するためのシステムであって、
前記オブジェクトの内部空間を反映する画像を撮影するように構成される画像撮影ユニットと、
前記オブジェクトの内部空間を反映する画像をインポートするように構成される画像インポートユニットと、
マーキングシステムによっていくつかのフレームポイント又はフレームラインを確立し、前記フレームポイント又はフレームラインを前記画像における前記内部空間を構成する複数の面の交点又は交線にそれぞれ位置合わせすることにより、前記内部空間のアーキテクチャをマーキングするように構成される空間マーキングユニットと、
前記空間マーキングユニットによってマーキングされた前記内部空間のアーキテクチャに従って、前記オブジェクトの内部空間モデルを確立するように構成されるモデル確立ユニットとを備えるオブジェクトの内部空間モデルを確立するためのシステム。
【請求項27】
前記内部空間に含まれる複数のサブ空間ごとに内部空間モデルをそれぞれ確立した後、異なる前記サブ空間にそれぞれ含まれる同じ構造に基づき、前記複数のサブ空間の前記内部空間モデルをステッチし、前記オブジェクト全体の内部空間モデルを形成するように構成されるステッチユニットをさらに備えることを特徴とする請求項26に記載のオブジェクトの内部空間モデルを確立するためのシステム。
【請求項28】
メモリとプロセッサを備え、前記メモリにコンピュータプログラムが記憶され、前記プロセッサがコンピュータプログラムを実行する時に請求項1−13のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータ装置。
【請求項29】
コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時に請求項1−13のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】