(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、スポーツ試合において試合シナリオ(18)を決定するための方法およびシステム(10)に関係し、システム(10)は、選手(11')に取り付け可能な選手モジュール(11)と、スポーツ試合において使用されるべきスポーツ器具(12')に取り付け可能な器具モジュール(12)と、計算ユニット(13)とを備える。計算ユニット(13)は、選手モジュール(12)からの選手ベースのデータ(14)および器具モジュール(12)からの器具ベースのデータ(16)を受信するように構成されてよく、選手ベースのデータ(14)は選手(11')の活動プロファイル(14c)を表し、器具ベースのデータ(16)は器具(12')の運動プロファイル(16c)を表す。計算ユニット(13)は、選手(11')の活動プロファイル(14c)に基づいて、および器具(16)の運動プロファイル(16c)に基づいて、選手(11')および器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの1つを決定するようにさらに構成されてよい。
前記選手モジュール(11)が、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')に関連付けられる生の測定データ(14a)を提供するように構成される選手センサデバイス(17)を備え、
前記選手モジュール(11)が、前記選手センサデバイス(17)の前記生の測定データ(14a)を前記選手ベースのデータ(14)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成され、前記計算ユニット(13)が、受信された前記生の測定データ(14a)に基づいて前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)を決定するように構成され、および/または、
前記選手モジュール(11)が、前記生の測定データ(14a)に基づいて前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)を決定するように構成され、前記選手モジュール(11)が、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)を前記選手ベースのデータ(14)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
前記選手モジュール(11)が、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')に関連付けられる生の測定データ(14a)を提供するように構成される選手センサデバイス(17)を備え、前記選手モジュール(11)が、1つまたは複数の特徴量(14b)に基づいて、前記選手(11')によって実行可能な1つまたは複数の物理的イベントを決定するために、前記生の測定データ(14a)の特徴量抽出を実行するように構成され、
前記選手モジュール(11)が、抽出された前記1つまたは複数の特徴量(14b)に基づいて、および/もしくは決定された前記1つまたは複数の物理的イベントに基づいて、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)を決定し、前記活動プロファイル(14c)を前記選手ベースのデータ(14)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成され、ならびに/または、
前記選手モジュール(11)が、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)を決定するために、抽出された前記1つまたは複数の特徴量(14b)および/もしくは決定された前記1つまたは複数の物理的イベントを前記計算ユニット(13)に送信するように構成される、請求項1または2に記載のシステム(10)。
前記選手センサデバイス(17)が、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備え、前記多軸加速度計が、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分の加速度を表す生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記角速度センサが、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分の回転を表す生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記磁力計が、地球の磁場の値を表す生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記圧力センサが、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分によって、または前記部分において加えられる圧力を表す生の測定データ(14a)を提供するように構成される、請求項2または3に記載のシステム(10)。
前記器具モジュール(12)が、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')に関連付けられる生の測定データ(16a)を提供するように構成される器具センサデバイス(19)を備え、
前記器具モジュール(12)が、前記器具センサデバイス(19)の前記生の測定データ(16a)を前記器具ベースのデータ(16)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成され、前記計算ユニット(13)が、受信された前記生の測定データ(16a)に基づいて前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)を決定するように構成され、および/または、
前記器具モジュール(12)が、前記生の測定データ(16a)に基づいて前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)を決定するように構成され、前記器具モジュール(12)が、前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)を前記器具ベースのデータ(16)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記器具モジュール(12)が、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')に関連付けられる生の測定データ(16a)を提供するように構成される器具センサデバイス(19)を備え、前記器具モジュール(12)が、1つまたは複数の特徴量(16b)に基づいて、前記器具(12')によって実行可能な、または前記器具(12')に対して発動可能な1つまたは複数の物理的イベントを決定するために、前記生の測定データ(16a)の特徴量抽出を実行するように構成され、
前記器具モジュール(12)が、抽出された前記1つまたは複数の特徴量(16b)に基づいて、および/もしくは決定された前記1つまたは複数の物理的イベントに基づいて、前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)を決定し、前記運動プロファイル(16c)を前記器具ベースのデータ(16)として前記計算ユニット(13)に送信するように構成され、ならびに/または、
前記器具モジュール(12)が、前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)を決定するために、抽出された前記1つまたは複数の特徴量(16b)および/もしくは決定された前記1つまたは複数の物理的イベントを前記計算ユニット(13)に送信するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記器具センサデバイス(19)が、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備え、前記多軸加速度計が、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')の加速度を表す生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記角速度センサが、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')の回転を表す生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記磁力計が、地球の磁場の値を表す生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記圧力センサが、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')において加えられる圧力を表す生の測定データ(16a)を提供するように構成される、請求項5または6に記載のシステム(10)。
前記選手(11')、前記器具(12')、および前記スポーツ試合の時間的な履歴のうちの少なくとも1つについての追加の情報を記憶するように構成されるデータベース(22)をさらに備え、
前記計算ユニット(13)が、前記データベース(22)から前記追加の情報を取り出し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および前記データベース(22)から取り出された前記追加の情報に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記選手モジュール(11)が、所定の時間枠の間に前記選手ベースのデータ(14)を決定するように構成され、前記器具モジュール(12)が、所定の時間枠の間に前記器具ベースのデータ(16)を決定するように構成され、前記計算ユニット(13)が、前記選手ベースのデータ(14)の前記時間枠と前記器具ベースのデータ(16)の前記時間枠とが時間領域において少なくとも部分的に重複するように、受信された前記選手ベースのデータ(14)と受信された前記器具ベースのデータ(16)とを適時に同期させるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記スポーツ試合が行われるプレイングフィールド(121)に関連付けられる、および/または前記プレイングフィールド(121)に属する設備に関連付けられる、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール(113)をさらに備え、
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記プレイングフィールド(121)の内側に、外側に、前記プレイングフィールド(121)において、前記プレイングフィールド(121)に接して、前記プレイングフィールド(121)の上に、前記プレイングフィールド(121)の下に、もしくは前記プレイングフィールド(121)の周りに、および/または、前記プレイングフィールド(121)の前記設備の内側に、外側に、前記設備において、前記設備に接して、前記設備の上に、前記設備の下に、もしくは前記設備の周りに配置され、
前記計算ユニット(13)が、前記インフラストラクチャモジュール(113)からインフラストラクチャベースのデータ(115)を受信し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および前記インフラストラクチャベースのデータ(115)に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記プレイングフィールド(121)の方を向いている、および/または、前記プレイングフィールド(121)の境界線(123,124,125,126)のうちの空間的に最も近いものに対して平行もしくは直角の方向を向いている、および/または、前記プレイングフィールド(121)の境界線(123,124,125,126)に沿った方向を向いている、指向性アンテナ(122)を備える、請求項11に記載のシステム(10)。
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記選手モジュール(11)から、および/もしくは前記器具モジュール(12)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、ならびに/または、前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つが、前記インフラストラクチャモジュール(113)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、前記インフラストラクチャモジュール(113)、前記選手モジュール(11)、前記器具モジュール(12)、および前記計算ユニット(13)のうちの少なくとも1つが、測定された前記RSSI値に基づいて、
前記インフラストラクチャモジュール(113)と前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つとの間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド(121)上の前記選手モジュール(11)のうちの少なくとも1つと前記器具モジュール(12)との間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド(121)上の前記選手モジュール(11)および/もしくは前記器具モジュール(12)の絶対的な位置
を計算するように構成される、請求項11または12に記載のシステム(10)。
前記選手モジュール(11)が、前記器具モジュール(12)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、および/または、前記器具モジュール(12)が、前記選手モジュール(11)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、前記選手モジュール(11)、前記器具モジュール(12)、および前記計算ユニット(13)のうちの少なくとも1つが、測定された前記RSSI値に基づいて、
前記選手モジュール(11)と前記器具モジュール(12)との間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド上の前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)の絶対的な位置
を計算するように構成される、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記計算ユニット(13)が、前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つから受信信号強度指示(RSSI)値を受信し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および受信された前記RSSI値に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム(10)。
コンピュータ上で実行されると、前記コンピュータに請求項17に記載の方法を実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ可読デジタル記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0018】
等しいまたは等価な機能を伴う、1つまたは複数の等しいもしくは等価な要素は、以下の説明では等しいまたは等価な参照番号によって表記される。
【0019】
発明概念を例示的に示すために、スポーツ試合の非限定的な例としてサッカーが説明されることがある。したがって、サッカー選手が選手の非限定的な例として説明されることがあり、ボールが器具の非限定的な例として説明されることがある。したがって、ボールモジュールが、器具モジュールのための非限定的な例として説明されることがある。さらに、いわゆるタグが、モジュール、すなわち選手モジュールおよび/または器具モジュールのための非限定的な例として説明されることがある。
【0020】
サッカーの代わりに、本発明の概念が展開され得る様々な他のスポーツ試合、たとえば、テニス、フットボール、野球、バスケットボール、クリケット、およびさらに多くのものが想起可能であり得る。発明概念は、好ましくは複数の選手を含むチームスポーツにおいて使用され得る。各選手は、好ましくは少なくとも1つの選手モジュールを装備し得る。
【0021】
しかしながら、発明概念は、たとえば練習中に、単一の選手のために使用されてもよい。発明概念によれば、器具モジュールは、特定のスポーツ試合の間に使用され得る1つの器具または複数の器具の各々に取り付けられ得る。たとえば、ラケットスポーツでは、器具モジュールはラケット(テニスラケット、野球バット、ゴルフクラブなど)に取り付けられてもよく、かつ/または、器具モジュールは、ボール、パックなどに取り付けられてもよい。
【0022】
発明システムは、競技および/または練習中に、それぞれの試合の試合シナリオを決定するために使用され得る。
【0023】
発明システムは、本明細書で説明されるデータ、たとえば、選手ベースのデータおよび/または器具ベースのデータおよび/またはRSSI測定データの各々を、リアルタイムで、すなわちわずか3秒の遅延で、および好ましくはわずか数ミリ秒の遅延で提供し得る。これは、発明システムによって処理され得るデータのリアルタイムの視覚化を可能にし得る。たとえば、トレーナーは、競技中であっても練習中であっても、選手が試合でプレーしながらリアルタイムで発明システムによって決定され得るデータおよび/または試合シナリオを見ることができる。
【0024】
図1は、ある例示的な実施形態による、スポーツ試合における試合シナリオを決定するためのシステム10を示す。
【0025】
システム10は、選手11'に取り付け可能である選手モジュール11と、前記スポーツ試合において使用されるべきスポーツ器具12'に取り付け可能である器具モジュール12とを備え得る。
【0026】
システム10はさらに、選手モジュール11からの選手ベースのデータ14および器具モジュール12からの器具ベースのデータ16を受信するための計算ユニット13を備え得る。選手ベースのデータ14は選手11'の活動プロファイルを表してもよく、器具ベースのデータ16は器具12'の運動プロファイルを表してもよい。
【0027】
選手モジュール11は、選手ベースのデータ14を計算ユニット13に送信してもよく、器具モジュール12は、器具ベースのデータ16を計算ユニット13に送信してもよい。
【0028】
選手ベースのデータ14は、選手の活動プロファイルを表し得る1つまたは複数のデータフォーマットを備え得る。たとえば、選手ベースのデータ14は、センサデバイス17によって提供され得る生の測定データ14a、および/または生の測定データ14aから抽出され得る1つまたは複数の特徴量14b、および/または抽出された特徴量14bから分類/推定され得る1つまたは複数の物理的選手イベント、および/または1つまたは複数の物理的選手イベントを備え得る選手の活動プロファイル14c自体を備え得る。一般に、選手11'の活動プロファイルは、異なるデータフォーマットを備え得る選手ベースのデータ14によって表され得る。
【0029】
器具ベースのデータ16は、器具の運動プロファイルを表し得る1つまたは複数のデータフォーマットを備え得る。たとえば、器具ベースのデータ16は、センサデバイス19によって提供され得る生の測定データ16a、および/または生の測定データ16aから抽出され得る1つまたは複数の特徴量16b、および/または抽出された特徴量16bから分類/推定され得る1つまたは複数の物理的器具イベント、および/または1つまたは複数の物理的器具イベントを備え得る運動プロファイル16c自体を備え得る。一般に、器具12'の運動プロファイルは、異なるデータフォーマットを備え得る器具ベースのデータ16によって表され得る。
【0030】
選手11'の活動プロファイル14cを表す選手ベースのデータ14および器具12'の運動プロファイル16cを表す器具ベースのデータ16についてのさらなる詳細は、
図6を参照して後で説明される。
【0031】
計算ユニット13は、選手11'の活動プロファイル14cに基づいて、および器具12'の運動プロファイル16cに基づいて、選手11'および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定するように構成され得る。
【0032】
上で言及されたように、選手モジュール11はセンサデバイス17を備え得る。センサデバイス17は、好ましくは選手モジュール11と連携して選手11'に取り付けられ得るので、センサデバイス17は選手センサデバイス(PSD)とも呼ばれ得る。
【0033】
したがって、ある例示的な実施形態によれば、選手モジュール11は選手センサデバイス17を備え得る。選手センサデバイス17は、選手モジュール11が取り付けられた選手11'に関連し得る生の測定データ14aを提供するように構成され得る。
【0034】
ある例示的な実施形態によれば、選手センサデバイス17は、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備えてもよく、多軸加速度計は、選手モジュール11が取り付けられた選手11'の体の部分の加速度を表す生の測定データを提供するように構成され、角速度センサは、選手モジュール11が取り付けられた選手11'の体の部分の回転を表す生の測定データを提供するように構成され、磁力計は、地球の磁場の現在値を表す生の測定データを提供するように構成され、圧力センサは、選手モジュール11が取り付けられた選手11'の体の部分によって加えられる、またはその部分における圧力を表す生の測定データを提供するように構成される。
【0035】
選手モジュール11は、選手センサデバイス17の生の測定データ14aを選手ベースのデータ14として計算ユニット13に送信するように構成されてもよく、計算ユニット13は、受信された生の測定データ14aから選手11'の活動プロファイル14cを決定するように構成されてもよい。
【0036】
追加または代替として、選手モジュール11自体が、生の測定データ14aから選手11'の活動プロファイル14cを決定するように構成されてもよく、選手モジュール11は、選手11'の活動プロファイル14cを選手ベースのデータ14として計算ユニット13に送信するように構成されてもよい。
【0037】
さらなる例示的な実施形態によれば、上で言及されたセンサデバイス17を備える選手モジュール11は、1つまたは複数の抽出された特徴量14bに基づいて、選手11'によって実行され得る1つまたは複数の物理的選手イベントを推定/分類するための、生の測定データ14aの特徴量抽出を実行するように構成され得る。たとえば、1つまたは複数の特徴量14bは生の測定データ14aから抽出されてもよく、この特徴量14bは、たとえば特徴量分類器またはパターン分類器によって分類されてもよい。この実施形態によれば、抽出された特徴量14bは、選手モジュール11が取り付けられたそれぞれの選手11'によって実行され得る1つまたは複数の物理的選手イベントへと分類され得る。物理的選手イベントは、たとえば、蹴ること、走ること、全力で走ること、ドリブルすることなどであり得る。
【0038】
選手モジュール11は、抽出された1つまたは複数の特徴量14bから、および/または決定された1つまたは複数の物理的選手イベントから、選手11'の活動プロファイル14cを決定するように構成されてもよく、選手モジュール11はさらに、活動プロファイル14cを選手ベースのデータ14として計算ユニット13に送信するように構成されてもよい。すなわち、活動プロファイル14cは、選手モジュール11において決定され得る。
【0039】
追加または代替として、活動プロファイル14cは、計算ユニット13において決定されてもよい。したがって、選手モジュール11は、たとえば、抽出された1つまたは複数の特徴量14bおよび/または決定された1つまたは複数の物理的選手イベントを計算ユニット13に送信するように構成されてもよく、計算ユニット13が次いで、受信された1つまたは複数の特徴量14bおよび/または受信された1つまたは複数の物理的選手イベントから選手11'の活動プロファイル14cを決定してもよい。
【0040】
上で言及されたように、器具モジュール12はセンサデバイス19も備え得る。センサデバイス19は、好ましくは器具モジュール12と連携して器具12'に取り付けられ得るので、センサデバイス19は、器具センサデバイス(ESD)とも呼ばれ得る。
【0041】
したがって、ある例示的な実施形態によれば、器具モジュール12は、器具モジュール12が取り付けられた器具12'と連携する生の測定データ16aを提供するように構成される器具センサデバイス19を備え得る。
【0042】
ある例示的な実施形態によれば、器具センサデバイス19は、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備えてもよく、多軸加速度計は、器具モジュール12が取り付けられた器具12'の加速度を表す生の測定データ16aを提供するように構成され、角速度センサは、器具モジュール12が取り付けられた器具12'の回転を表す生の測定データ16aを提供するように構成され、磁力計は、地球の磁場の現在値を表す生の測定データ16aを提供するように構成され、圧力センサは、器具モジュール12が取り付けられた器具12'において加えられる圧力を表す生の測定データ16aを提供するように構成される。
【0043】
器具モジュール12は、器具センサデバイス19の生の測定データ16aを器具ベースのデータ16として計算ユニット13に送信するように構成されてもよく、計算ユニット13は、受信された生の測定データ16aから器具12'の運動プロファイル16cを決定するように構成されてもよい。
【0044】
追加または代替として、器具モジュール12自体が、生の測定データ16aから器具12'の運動プロファイル16cを決定するように構成されてもよく、器具モジュール12は、器具12'の運動プロファイル16cを器具ベースのデータ16として計算ユニット13に送信するように構成されてもよい。
【0045】
さらなる例示的な実施形態によれば、上で言及された器具センサデバイス19を備える器具モジュール12は、1つまたは複数の抽出された特徴量16bに基づいて、器具12'によって実行され得る、またはそれに対して加えられ得る1つまたは複数の物理的イベントを分類するための、生の測定データ16aの特徴量抽出を実行するように構成され得る。たとえば、1つまたは複数の特徴量16bは生の測定データ16aから抽出されてもよく、この特徴量16bは、たとえば特徴量分類器またはパターン分類器によって分類され得る。この実施形態によれば、抽出された特徴量16bは、器具モジュール12が取り付けられたそれぞれの器具12'によって実行され得る、またはそれに対して加えられ得る、1つまたは複数の物理的器具イベントへと分類され得る。物理的器具イベントは、たとえば、蹴られること、地面を転がること、空中を飛ぶこと、地面に跳ねることなどであり得る。
【0046】
器具モジュール12は、抽出された1つまたは複数の特徴量16bおよび/または決定された1つまたは複数の物理的器具イベントから、器具12'の運動プロファイル16cを決定するように構成されてもよく、器具モジュール12はさらに、決定された運動プロファイル16cを器具ベースのデータ16として計算ユニット13に送信するように構成されてもよい。すなわち、運動プロファイル16cは、器具モジュール12において決定され得る。
【0047】
追加または代替として、運動プロファイル16cは、計算ユニット13において決定され得る。したがって、器具モジュール12は、抽出された1つまたは複数の特徴量16bおよび/または決定された1つまたは複数の物理的器具イベントを計算ユニット13に送信するように構成されてもよく、計算ユニット13が次いで、受信された1つまたは複数の特徴量16bおよび/または受信された1つまたは複数の物理的器具イベントから器具12'の運動プロファイル16cを決定してもよい。
【0048】
計算ユニット13が上で言及されたデータフォーマットのうちの少なくとも1つで選手ベースのデータ14および器具ベースのデータ16を受信した可能性があるとき、計算ユニット13は、受信された選手ベースのデータ14に基づいて、および受信された器具ベースのデータ16に基づいて、選手11'および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定することができる。
【0049】
たとえば、サッカー選手11'が、プレイングフィールド上を走ることがあり、ボール12'を蹴ることがある。ボール12'は、選手のキックに反応して空中を飛び、地面に跳ねることがある。発明システム10は、選手11'が走ってボールを蹴ったことを示す1つまたは複数の物理的選手イベントを備える、選手11'の活動プロファイルを作成するように構成され得る。さらに、発明システム10は、ボールが蹴られ、選手のキックに反応して空中を飛び地面に跳ねたことを示す、1つまたは複数の物理的器具イベントを備える、ボール12'の運動プロファイルを作成するように構成され得る。
【0050】
選手11'の活動プロファイルをボール12'の運動プロファイルと融合することによって、発明システム10は、ある試合シナリオを決定し得る。この例では、システム10は、ある選手11'が高いパスを出したと決定し得る。たとえば、1人よりも多くの選手がシステム10に含まれ得る場合、第1の選手がある第2の選手に高いパスを出した可能性があることを示す第1の試合シナリオが決定されることがあり、第2の選手が高いパスを受け取ることに成功または失敗した可能性があることを示す第2の試合シナリオが決定されることがある。
【0051】
一般的に、試合シナリオ18は、少なくとも1人の選手11'および少なくとも1つの器具12'が関わり得る試合固有のイベントであり得る。試合シナリオ18は、少なくとも1人の選手11'の活動プロファイル14cおよび少なくとも1つの器具12'の運動プロファイル16cによって決定され得る。
【0052】
選手11'の活動プロファイル14cは、選手モジュール11および/または計算ユニット13において決定され得る。器具12'の運動プロファイル16cは、器具モジュール12および/または計算ユニット13において決定され得る。
【0053】
選手11'の活動プロファイル14cは、前記選手11'によって実行され得る少なくとも1つの活動を備え得る。前記活動は、たとえば前記選手11'によって実行される「キック」などの、前記選手11'に関連する物理的選手イベントとも呼ばれ得る。
【0054】
器具12'の運動プロファイル16cは、前記器具12'の少なくとも1つの運動を備え得る。前記運動は、前記器具12'に関連する物理的器具イベントとも呼ばれ得る。たとえば、蹴られた後のボール12'の回転の急激な減少は、ボール12'が選手によって「止められた」ものとして解釈され得る。
【0055】
器具12'の運動プロファイル16cを選手11'の活動プロファイル14cと融合することによって、計算ユニット13は、それぞれの試合シナリオ18を決定することができる。上の例では、計算ユニット13は、第1の選手と第2の選手との間でプレーされる試合シナリオ18「高いパス」を決定することができる。
【0056】
あらゆる決定された試合シナリオ18は、発明システム10によってさらに分析され得る。たとえば、試合に関連する統計、たとえば、競技中または練習中にある選手によってどれだけの高いパスおよび/または低いパスが出されたかということと、任意選択でその成功率、ある選手がどれだけのデュエルに勝ったか、または負けたか、ならびにより多くのことが、決定された試合シナリオ18から導かれ得る。さらなる例がこの説明の後に続く。
【0057】
図2は、本発明概念において展開され得る例示的な情報共有アーキテクチャのさらなる概略を示す。システム10は、選手11'に取り付けられる選手モジュール11の例としての選手タグと、ボール12'に取り付けられる器具モジュール12の例としてのボールタグとを備え得る。
【0058】
選手タグ11は、上で説明されたようないくつかの方法およびデータフォーマットのうちの1つで、選手ベースのデータ14を計算ユニット13に送信し得る。この例示的な実施形態では、選手ベースのデータ14は、選手更新メッセージとも呼ばれ得る。
【0059】
ボールタグ12は、上で説明されたようないくつかの方法およびデータフォーマットのうちの1つで、器具ベースのデータ16を計算ユニット13に送信し得る。この例示的な実施形態では、器具ベースのデータ16は、器具更新メッセージとも呼ばれ得る。
【0060】
計算ユニット13は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えてもよく、またはそれに接続されてもよい。たとえば、GUIは、デバイス21において実装されてもよく、デバイス21は、固定式デバイス、または好ましくは、スマートフォン、タブレット、ノートブックなどのハンドヘルドデバイスであり得る。計算ユニット13は、GUIデバイス21との単方向または双方向の通信を確立し得る。たとえば、GUIデバイス21は、計算デバイス13によって決定された試合シナリオ18を表示し得る。追加または代替として、GUIデバイス21は、更新メッセージ、たとえば選手ベースのデータ14または器具ベースのデータ16のうちの1つまたは複数を表示し得る。選手ベースのデータ14は、生のデータ14aとして、および/または1つまたは複数の抽出された特徴量14bとして、および/または1つまたは複数の分類された物理的選手イベントとして、および/または選手11'の活動プロファイル14cとして表示され得る。器具ベースのデータ16は、生のデータ16aとして、および/または1つまたは複数の抽出された特徴量16bとして、および/または1つまたは複数の分類された物理的器具イベントとして、および/または器具12'の運動プロファイル16cとして表示され得る。
【0061】
計算ユニット13はさらに、データベース22に接続され得る。データベース22は、計算ユニット13において実装される内部データベースであり得る。追加または代替として、データベース22は、計算ユニット13が対応するインターフェースを介して接続され得る外部データベースであり得る。たとえば、外部データベース22は、ローカルネットワークまたはリモートネットワークを介して、特にインターネットを介して接続可能であり得る。
【0062】
データベース22は、たとえば、ある選手11'の活動プロファイル14cおよびスポーツ器具12'の運動プロファイル16cを決定するための追加の情報を備え得る。データベース22は、たとえば、測定された生のセンサデータ14a、16a、および判断領域のような他の情報からの、抽出された特徴量14b、16bによる物理的器具/選手イベントの分類のための、追加の情報を備え得る。
【0063】
前記追加の情報は以下を備え得るが、それらには限定されなくてもよい。
・選手モジュールが取り付けられた選手についての情報
・器具モジュールが取り付けられたスポーツ器具についての情報
・チームのフォーメーションにおける選手のポジションについての情報
・スポーツ試合の競技中に、および/または練習中に、それまでに収集された以前の選手ベースのデータ
・スポーツ試合の以前の競技中に、および/または以前の練習中に、それまでに収集された以前の選手ベースのデータ
・スポーツ試合の競技中に、および/または練習中に、それまでに収集された以前の器具ベースのデータ
・スポーツ試合の以前の競技中に、および/または以前の練習中に、それまでに収集された以前の器具ベースのデータ
・スポーツ試合の競技中に、および/または練習中に、それまでに決定された以前の試合シナリオ
【0064】
データベース22からの前記追加の情報は、より高水準の情報を生成するために使用され得る。たとえば、データベース22は、選手11'のプレイングポジション(たとえば、ゴールキーパー、ディフェンス、オフェンスなど)、物理的な統計、習慣、試合もしくはすべての分類されたこれまでのイベントのイベント履歴、またはチームの進歩のイベント履歴についての情報を備え得る。
【0065】
より高水準の情報は、たとえば、第1の選手Aから第2の選手Bへ出されたパス、失敗/成功したパス、ボールポゼッションの時間、ファーストタッチの精度、失敗/成功したインターセプト、勝った/負けたデュエル、ならびに、これらの高水準の情報に基づく統計および分析であり得る。
【0066】
より一般的には、データベース22は、選手11'、器具12'、および試合の時間的な履歴のうちの少なくとも1つについての追加の情報を記憶するように構成されてもよく、計算ユニット13は、前記データベース22から前記追加の情報を取り出し、選手11'の活動プロファイル14cに基づいて、および器具12'の運動プロファイル16cに基づいて、およびデータベース22から取り出された追加の情報に基づいて、選手11'および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定するように構成され得る。
【0067】
図2においてさらに見られるように、選手タグ11およびボールタグ12は、矢印23により示されるように、互いに通信し得る。したがって、選手タグ11およびボールタグ12は、データ、たとえば選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16を互いに交換し得る。追加または代替として、選手タグ11およびボールタグ12は、互いの間の受信信号強度指示(RSSI)値を測定して通信してもよく、これはこの説明において後でいくらかより詳しく説明される。
【0068】
図3は、1つよりも多くの選手モジュール、たとえば、1、2、3、…、n個の選手モジュールを備える、システム10の例示的な実施形態の概略図を示す。この例では、システム10は、第1の選手11'
1に取り付けられた第1の選手タグ11
1、第2の選手11'
2に取り付けられた第2の選手タグ11
2、第nの選手11'
nに取り付けられた第nの選手タグ11
n、およびボール12'に取り付けられたボールタグ12を備え得る。システム10はまた、1つよりも多くの器具モジュール12、たとえば1、2、3、…、n個の器具モジュールを備え得る。
【0069】
第1の選手タグ11
1は、第1の選手ベースのデータ14
1を計算ユニット13に送信することができ、第2の選手タグ11
2は、第2の選手ベースのデータ14
2を計算ユニット13に送信することができ、第nの選手タグ11
nは、第nの選手ベースのデータ14
nを計算ユニット13に送信することができる。
【0070】
したがって、ある例示的な実施形態によれば、システム10は、さらなる選手11'
2に装着可能であるさらなる(たとえば、第2の)選手モジュール11
2を備えてもよく、計算ユニット13は、さらなる選手モジュール11
2からさらなる選手ベースのデータ14
2を受信するように構成されてもよく、さらなる選手ベースのデータ14
2は、さらなる選手11'
2のさらなる活動プロファイルを表す。
【0071】
計算ユニット13は、第1の選手11'
1の活動プロファイル14cに基づいて、およびさらなる選手11'
2のさらなる活動プロファイルに基づいて、および器具12'の運動プロファイル16cに基づいて、選手11'
1およびさらなる選手11'
2および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定するように構成され得る。
【0072】
たとえば、ボール12'は、第1の選手11'
1から第2の選手11'
2にパスされることがある。第1の選手11'
1は、たとえば低いパスを出すことがある。第1の選手11'
1の活動プロファイル14cは、(たとえば、抽出された特徴量14bまたは分類された物理的選手イベントによって)第1の選手11'
1がボール12'を蹴ったことを示すことがあり、ボール12'の運動プロファイル16cは、(たとえば、抽出された特徴量16bまたは分類された物理的器具イベントによって)ボール12'が蹴られて地面を転がっていることを示すことがあり、第2の選手11'
2のさらなる活動プロファイルは、(たとえば、抽出された特徴量14
2bまたは分類された物理的選手イベントによって)第2の選手11'
2がボール12'を止めたことを示すことがある。
【0073】
次いで、計算ユニット13は、第1の選手11'
1、第2の選手11'
2、および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定するために、第1の選手11'
1の活動プロファイル14cをさらなる選手11'
2のさらなる活動プロファイルおよび器具12'の運動プロファイル16cと融合するように構成され得る。この例では、決定される試合シナリオ18は、第1の選手11'
1から第2の選手11'
2へ出される成功した低いパスであり得る。
【0074】
さらなる例示的な実施形態によれば、システム10は、選手ベースのデータ14を器具ベースのデータ16と時間的に同期するように構成され得る。たとえば、器具12'の運動プロファイル12は、選手11'の活動プロファイル14cと時間的に同期され得る。たとえば、物理的選手イベント(たとえば、キック)が、物理的器具イベント(たとえば、蹴られたこと)と時間的に関連付けられ得る。
【0075】
たとえば、選手モジュール11は、所定の時間枠の間に選手ベースのデータ14を生成するように構成されてもよく、また器具モジュール12は、所定の時間枠の間に器具ベースのデータ16を生成するように構成されてもよい。計算ユニット13は、選手ベースのデータ14および器具ベースの出た16を受信することができ、計算ユニット13はさらに、受信された選手ベースのデータ14および受信された器具ベースのデータ16を、選手ベースのデータ14の時間枠と器具ベースのデータ16の時間枠が時間領域において少なくとも部分的に重複するように、適時に同期するように構成され得る。
【0076】
たとえば、選手モジュール11は、t
1とt
2との間の第1の時間枠の間に1つまたは複数の選手ベースのデータ14を収集し得る。前記第1の時間枠は、数ミリ秒から数秒の間の時間的な長さを備え得る。より短い時間枠は、システム10のリアルタイム能力のより高い正確さをもたらし得る。たとえば、ミリ秒の範囲の時間枠は、ユーザにとってとても良いリアルタイム体験をもたらし得る。上で言及された第1の時間枠の時間的な長さは、0.05秒と2.00秒の間、または0.25秒と1.00秒の間、または0.40秒と0.75秒の間にわたり得る。いくつかの例では、第1の時間枠の時間的な長さは、約0.50秒であり得る。この第1の時間枠の間に、選手11'がボール12'を蹴った可能性があり、これは活動プロファイル14cにおいて表現可能であり得る。
【0077】
器具モジュール12は、t
3とt
4の間の第2の時間枠の間に1つまたは複数の器具ベースのデータ16を収集することができ、t
3は、第1の時間枠と第2の時間枠が時間領域において少なくとも部分的に重複するように、t
1とt2の間に配置され得る。上で言及された第2の時間枠の時間的な長さは、0.05秒と2.00秒の間、または0.25秒と1.00秒の間、または0.40秒と0.75秒の間にわたり得る。いくつかの例では、第2の時間枠の時間的な長さは約0.50秒であり得る。選手ベースのデータ14および器具ベースのデータ16は、少なくとも部分的に重複するエリアにおいて時間的に同期され得る。
【0078】
好ましくは、器具ベースのデータ16の時間枠および選手ベースのデータ14の時間枠は、同じ枠サイズを備えてもよく、時間領域において一致する重複エリアを備えてもよい。たとえば、t
1=t
3およびt
2=t
4である。
【0079】
選手ベースのデータ14は、選手モジュール11に含まれるセンサデバイス17の生のセンサ測定データ14aから抽出され得る1つまたは複数の選手特徴量14bを備え得る。したがって、前記1つまたは複数の選手特徴量14bは、たとえば、選手ベースのデータ14を参照して全般に上で説明されたような時間枠方式を使用することによって抽出され得る。たとえば、選手モジュール11は、たとえばt
1とt
2の間の、第1の時間枠の間に生の測定データ14aから1つまたは複数の選手特徴量14bを抽出し得る。
【0080】
器具ベースのデータ16は、器具モジュール12に含まれるセンサデバイス19の生のセンサ測定データ16aから抽出され得る1つまたは複数の器具特徴量16bを備え得る。したがって、前記1つまたは複数の器具特徴量16bは、たとえば、器具ベースのデータ16を参照して全般に上で説明されたような時間枠方式を使用することによって抽出され得る。たとえば、器具モジュール12は、たとえばt
3とt
4の間の、第2の時間枠の間に生の測定データ16aから1つまたは複数の選手特徴量16bを抽出し得る。
【0081】
器具ベースのデータ16との選手ベースのデータ14の上で説明された時間的な同期によって、器具12'の運動プロファイル16cと選手11'の活動プロファイル14cとの間の時間的な関連付けが提供され得る。たとえば、物理的選手イベントが物理的器具イベントに関連付けられてもよく、これらのイベントは、競技中にほぼ同時に発生した可能性がある。したがって、選手11'と器具12'が関わる試合シナリオ18を正しく決定する確率が、大幅に向上し得る。
【0082】
図1を参照してすでに説明されたように、ボールタグ、すなわち器具モジュール12、および選手タグ、すなわち選手モジュール11の各々が、少なくとも1つのセンサデバイス17、19を備え得る。それぞれのセンサデバイス17、19は、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ/角速度センサ、圧力センサなどの様々なセンサを備えてもよく、これらのセンサは処理ユニットに接続されてもよい。ある特定の実施形態では、選手モジュール11および/または器具モジュール12は、少なくとも多軸加速度計を備えるセンサデバイス17、19を備え得る。それぞれのセンサデバイス17、19から取り出されたデータは、任意選択でバッファに保存されてもよく、好ましくは無線インターフェースを介して計算ユニット13に通信されてもよい。
【0083】
選手モジュール11のより高水準の機能の説明が
図4に示されており、この高水準の機能の説明は、器具モジュール12に対してもそれぞれ有効であり得る。
【0084】
それぞれのモジュール11、12の内部の任意選択の処理ユニット41は、それぞれのセンサデバイス17、19から取り出された生の測定信号14a、16aから関連する特徴量14b、16b(
図1参照)を抽出するための信号分析を実行し得る。それぞれのモジュール11、12によって抽出される特徴量14b、16bは、限定はされないが、スピン量、衝撃の強さおよび時間、統計モーメント、それぞれのモジュール11、12の運動状態を含み得る。したがって、選手11'の活動プロファイル14cは、信号14aが選手モジュール11に由来する場合、これらの抽出された特徴量14bから決定されてもよく、または、器具12'の運動プロファイル16cは、信号が器具モジュール12に由来する場合、これらの抽出された特徴量16bから決定されてもよい。
【0085】
選手ベースのデータ14および器具ベースのデータ16は、それぞれ、無線通信ユニット42を介して計算ユニット13に送信され得る。選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16は、
図1を参照して上で説明されたようなデータフォーマットのうちの少なくとも1つで計算ユニット13に送信され得る。たとえば、選手タグ11および/またはボールタグ12は、生の測定データ14a、16aを選手/器具ベースのデータ14、16として、および/または抽出された特徴量14b、16bを選手/器具ベースのデータ14、16として、および/または分類された物理的イベントを選手/器具ベースのデータ14、16として、および/または活動/運動プロファイル14c、16c自体を選手/器具ベースのデータ14、16として送信するように構成され得る。生の測定信号14a、16aが任意選択で送信され得るとしても、これにより、より多くのデータ量、たとえば300Hzのサンプリングレートでの3軸の加速度データが通信されるようになり得る。したがって、それぞれの選手/器具モジュール11、12上にすでにある生の測定データ14a、16aを処理することが好ましいことがある。
【0086】
図5は、計算ユニット13のより高水準の機能の描写を示す。計算ユニット13は、無線通信ユニット51を介して、それぞれのモジュール11、12から選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16を受信し得る。
【0087】
受信された選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16は、タイムスタンプおよびペイロードを備え得る。ペイロードは、生の信号、抽出された特徴量、分類された物理的イベント、および運動/活動プロファイルのうちの少なくとも1つを備え得る。受信された選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16は、同期段階52において異なるモジュール11、12の間で時間的に同期され得る。
図5に示される例では、物理的イベントは、選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16の1つの非限定的な例として、同期段階52において同期され得る。
【0088】
同期された選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16は次いで、たとえばセマンティクスまたはルールを使用することによって、データ関連付け段階53において互いに関連付けられ得る。
【0089】
図5に示される例では、以前に言及された物理的イベントは、イベント関連付け段階53において互いに関連付けられ得る。
【0090】
図6は、ある実施形態による、発明システム10のあり得るデータの取り扱いの例の概略図を示す。
【0091】
選手モジュール11は、特徴量抽出段階61を備えてもよく、これは、パラメータ抽出段階とも呼ばれ得る。選手モジュール11に含まれるセンサデバイス17によって生成され得る、(選手ベースのデータ14の1つの選択肢としての)生のおよび/または前処理されたセンサ測定データ14aは、特徴量抽出段階61へと供給され得る。特徴量抽出段階61は、生のおよび/または前処理されたセンサ測定データ14aから1つまたは複数の特徴量またはパラメータを抽出し得る。
【0092】
特徴量抽出の非限定的な例として、
図7を簡単に参照するものとし、
図7は、両方とも1人の選手11'に取り付けられている第1の選手モジュール11
1および第2の選手モジュール11
2によって取得された、生の測定データを備える図を示す。具体的には、第1の選手モジュール11
1は選手11'の左すねのガードに取り付けられ、第2の選手モジュール11
2は選手11'の右すねのガードに取り付けられた。
【0093】
選手モジュール11
1、11
2の各々は、生の測定データを伝えた加速度計を備えていた。上で論じられた
図7に示される加速度計データは、それぞれの加速度計ベクトルのそれぞれのノルムを表す。具体的には、第1のグラフ71は、左すねのガードに取り付けられた第1の選手モジュール11
1のデータを示す。第2のグラフ72は、右すねのガードに取り付けられた第2の選手モジュール11
2のデータを示す。
【0094】
より具体的には、この図は、選手11'の左脚71および右脚72の加速度計から得られた加速度ベクトルのノルムの時間的な挙動を示す。関連する情報は、ノルムが〜9.81m/s
2である重力から明らかに逸脱する時間インスタンスに含まれる。第2の選手モジュール11
2の加速度ベクトルのノルムの適時に限られた増加により例示的に表現されている、パラメータまたは特徴量が、長方形のボックス73、74において強調されているように検出され得る。
【0095】
これらの2つの特徴量(またはパラメータ)は、前述の特徴量抽出段階61(
図6参照)において検出され得る。したがって、図の中の2つのピークは、特徴量、特に選手特徴量14b
1、14b
2と呼ばれ得る。
【0096】
ある例によれば、抽出された特徴量14b
1、14b
2のうちの少なくとも1つは、選手ベースのデータ14として計算ユニット13に送信されてもよく、計算ユニット13は、受信された抽出された特徴量14b
1、14b
2から選手11'の活動プロファイルを決定してもよい。
【0097】
追加または代替として、
図6の例に示されるように、選手11'の活動プロファイルは選手モジュール11によって決定され得る。たとえば、抽出された特徴量14b
1、14b
2は、物理的イベント分類/推定段階62に供給され得る。前記物理的イベント分類/推定段階62において、抽出された特徴量14b
1、14b
2のうちの少なくとも1つは、物理的イベントとして分類され得る。選手モジュール11の物理的イベントは、物理的選手イベントとも呼ばれ得る。
【0098】
図7を再び参照すると、測定結果の図示された部分は、2人の選手間でパスが出されたシナリオの時間的なセクションを示す。長方形のボックス73、74において強調される上で言及された2つの選手特徴量14b
1、14b
2の各々は、第1の選手モジュール11
1および第2の選手モジュール11
2が取り付けられた選手11'のうちの1人によって実行されたキックを表し得る。したがって、イベント分類/推定段階62(
図6参照)は、物理的イベント「キック」として、これらの2つの特徴量14b
1、14b
2の各々1つを推定または分類し得る。ボールが右脚で蹴られたことは、目に見えることがあり、分類可能であることもある。
【0099】
図6に戻って参照すると、物理的イベント分類/推定段階62は、少なくとも1つの分類された物理的選手イベントから選手11'の活動プロファイル14cを決定し得る。言い換えると、選手11'の活動プロファイル14cは、少なくとも1つの物理的選手イベントを備え得る。選手11'の活動プロファイル14cは、ある連続する時間的な順序で、複数の物理的選手イベント、たとえば走ること、次いで全力で走ること、次いで蹴ることなどを備え得る。この例示的な実施形態では、選手11'の活動プロファイル14cは、選手モジュール11自体によって決定され得る。
【0100】
追加または代替として、物理的イベント分類/推定段階62は、1つまたは複数の以前のイベント64を処理することができ、これらは、特徴量を物理的選手イベントとして分類するステップにおいて、以前にすでに分類されていることがある。
【0101】
追加または代替として、分類された物理的選手イベントは、選手ベースのデータ14の非限定的な例として計算ユニット13に送信されてもよく、計算ユニット13は、受信された物理的選手イベントに基づいて選手11'の活動プロファイルを生成してもよい。
【0102】
図6においてさらに見られるように、器具モジュール12はまた、特徴量/パラメータ抽出段階65および物理的イベント分類/推定段階66を備えてもよく、それらの両方が、選手モジュール11に含まれる上で説明された特徴量/パラメータ抽出段階61および物理的イベント分類/推定段階62と同じまたは同様の機能を有する。
【0103】
たとえば、器具モジュール12に含まれるセンサデバイス19によって生成され得る、生のおよび/または前処理されたセンサデータ16aは、特徴量/パラメータ抽出段階65によって受信され得る。選手モジュール11を参照して上で例示的に説明されたように、1つまたは複数の器具特徴量が信号から抽出され得る。
【0104】
追加または代替として、1つまたは複数の抽出された器具特徴量16bは、器具ベースのデータ16の非限定的な例として、計算ユニット13に送信されてもよく、計算ユニット13は、受信された1つまたは複数の器具特徴量16bから器具12'の運動プロファイルを決定してもよい。
【0105】
追加または代替として、
図6に示されるように、選手特徴量14bおよび選手モジュール11を参照して上で例示的に説明されたように、1つまたは複数の抽出された器具特徴量16bは、受信された1つまたは複数の抽出された器具特徴量16bの分類が行われ得る物理的イベント分類/推定段階66に供給され得る。
【0106】
たとえば、ボール12'への衝撃を表す器具特徴量は、特徴量/パラメータ抽出段階65によってセンサデバイス19の信号から抽出され得る。前記衝撃は、物理的イベント分類/推定段階66によって、物理的器具イベント「ボールが蹴られた」として分類され得る。これらの物理的イベントは、物理的器具イベント、またはこの例では物理的ボールイベントとも呼ばれ得る。
【0107】
物理的イベント分類/推定段階66は、少なくとも1つの分類された物理的器具イベントに基づいて、器具12'の運動プロファイル16cを生成し得る。言い換えると、器具12'の運動プロファイル16cは、少なくとも1つの物理的器具イベントを備え得る。器具12'の運動プロファイル16cは、時間的に連続した順序で、複数の物理的器具イベント、たとえば、蹴られること、次いで空中を飛ぶこと、次いで地面を転がることを備え得る。この例示的な実施形態では、器具12'の運動プロファイル16cは、器具モジュール12自体によって決定され得る。
【0108】
追加または代替として、物理的イベント分類/推定段階66は1つまたは複数の以前のイベント67を処理してもよく、これは、特徴量を分類するステップにおいて、物理的ボールイベントとして以前にすでに分類されていてもよい。
【0109】
追加または代替として、器具ベースのデータ16の非限定的な例として、1つまたは複数の分類された物理的器具イベントは計算ユニット13に送信されてもよく、計算ユニット13は、受信された物理的器具イベントから器具12'の運動プロファイルを決定してもよい。
【0110】
結果として、計算ユニット13は少なくとも、選手モジュール14からの選手ベースのデータ14と、器具モジュール12からの器具ベースのデータ16とを受信し得る。
【0111】
選手ベースのデータ14は、選手モジュール11に含まれるセンサデバイス17によって生成され得る、生のおよび/もしくは前処理されたセンサデータ14a、ならびに/または1つまたは複数の抽出された選手特徴量14b、ならびに/または1つまたは複数の分類された物理的選手イベントのうちの少なくとも1つであってもよく、1つまたは複数の物理的選手イベントが、選手11'の活動プロファイル14cを生み出してもよい。器具ベースのデータ16は、器具モジュール12に含まれるセンサデバイス19によって生成され得る、生のおよび/もしくは前処理されたセンサデータ16a、ならびに/または1つまたは複数の抽出された器具特徴量16b、ならびに/または1つまたは複数の分類された物理的器具イベントのうちの少なくとも1つであってもよく、1つまたは複数の物理的器具イベントが、器具12'の運動プロファイル16cを生み出してもよい。
【0112】
器具12'の運動プロファイル16cおよび選手11'の活動プロファイル14cがそれぞれの器具/選手モジュール11、12によって決定されたか、または計算ユニット13によって決定されたかにかかわらず、計算ユニット13は、運動プロファイル16cおよび活動プロファイル14cに基づいて試合シナリオを決定し得る。
【0113】
図6に示されるように、計算ユニット13は、器具12'の運動プロファイル16cおよび選手11'の活動プロファイル14cが複数の試合シナリオ18のうちの1つへと分類され得る、試合シナリオ分類/推定段階68を備え得る。
【0114】
たとえば、複数の試合シナリオが計算ユニット13に記憶され得る。計算ユニット13は、活動プロファイル14cと運動プロファイル16cの両方を、典型的な試合シナリオを表すクラスに関連付けられ得るそれぞれの基準プロファイルと比較し得る。したがって、受信された活動プロファイル14cおよび運動プロファイル16cは、1つのクラスへと、たとえば複数の試合シナリオ18のうちの1つへと分類され得る。
【0115】
追加または代替として、試合シナリオ分類/推定段階68は、活動プロファイル14cおよび運動プロファイル16cを試合シナリオへと分類するステップにおいて、1つまたは複数の以前のデータ(たとえば、選手ベースのデータ14および/または器具ベースのデータ16)を処理し得る。
【0116】
以下で、
図6の簡単な概要により、特徴量、物理的イベント、および運動プロファイルまたは活動プロファイルがどのように区別され得るかの、いくつかの例を与えよう。
【0117】
特徴量は、たとえば、それぞれのセンサデバイスの生の測定データから取得されるパラメータ(たとえば、ベクトル)であり得る。したがって、特徴量は、たとえば、3軸の加速度計信号のエネルギーであり得る。センサデータのセットまたは一連のセットが、特徴量(たとえば、加速度計信号のエネルギー、スペクトル特徴量など)を取得するために使用され得る。特徴量は、前記センサデータの分類の前処理段階として、センサデータから抽出され得る。
【0118】
イベントは、たとえば、生の測定データから、または、抽出された特徴量などの他の利用可能な情報から取得される、分類結果であり得る。モジュール上では、これらのイベントは、それぞれ、器具または選手の物理的イベント(たとえば、ボールが転がっている、選手が走っている)であり得る。
【0119】
試合シナリオ(たとえば、2人の選手間で出されるパス)とも呼ばれ得る、スポーツ関連のイベントは、抽象レベルが1つ高い。試合シナリオは、選手の活動プロファイルおよび器具の運動プロファイルに基づいて決定され得る。選手の活動プロファイルは、少なくとも1つの物理的選手イベント、または複数の(連続する)物理的選手イベントを備え得る。器具の運動プロファイルは、少なくとも1つの物理的器具イベント、または複数の(連続する)物理的器具イベントを備え得る。
【0120】
以前の状況についての特徴量または一連の特徴量および/もしくは知識(特徴量、物理的イベント、スポーツ関連のイベント(すべての選手/器具についての知識を含む))が、物理的イベントを分類/推定するために使用され得る。
【0121】
物理的イベントまたは以前の状況についての一連の物理的イベントおよび/もしくは知識(物理的イベント、スポーツ関連のイベント(すべての選手/器具についての知識を含む))が、スポーツ関連のイベント、すなわち試合シナリオを推定するために使用され得る。
【0122】
たとえば
図3を参照して、前に言及されたように、発明システム10は、1つまたは複数の選手モジュール11
1、11
2を備え得る。非限定的な例として、2つの選手モジュール11
1、11
2と1つの器具モジュール12との間の協調の概念が、選手「A」がボール12'を別の選手「B」にパスするフットボール競技における典型的なシナリオの検出により説明され得る。少なくとも1つの選手モジュール11
1が選手「A」に取り付けられてもよく、少なくともさらなる選手モジュール11
2が選手「B」に取り付けられてもよく、少なくとも1つの器具モジュール12がボール12'に取り付けられてもよい。
【0123】
この例では、選手「A」がボール12'を蹴ることがあり、ボール12'が空中を飛んでから地面に落ちて選手「B」に止められることがある。本明細書で説明される発明システム10では、選手「A」からの物理的選手イベント「キック」は、選手「A」に取り付けられた選手モジュール11
1によって特定され得る。そのような物理的イベントは、パターン照合、周波数分析などの、様々な技法によって特定され得る。同様に、ボール12'に取り付けられた器具モジュール12も(たとえば、同時に)、衝撃、回転率、および衝撃の頻度などの1つまたは複数の器具特徴量を特定することができ、器具モジュール12はまた、高さ、移動距離、スピンなどのボール12'の飛行のパラメータを推定することもできる。さらに、器具モジュール12は、前記器具特徴量から物理的器具イベントを生成することができる。たとえば、一連の抽出された特徴量を活動(たとえば、物理的選手イベントおよび活動プロファイル、ならびに/または物理的器具イベントおよび運動プロファイル)に関連付け得るセマンティクスを使用することによって、選手「A」に取り付けられた選手モジュール11
1からの情報とボール12'に取り付けられた器具モジュール12を組み合わせることで、選手「A」がボール12'を蹴って選手「A」から離れたことが推測され得る。他方で、ボール12'が第2の選手「B」により止められると、選手「B」に取り付けられた選手モジュール11
2およびボール12'に取り付けられた器具モジュール12が、それぞれのイベントを特定し、それを計算ユニット13に通信し得る。計算ユニット13は次いで、受信された物理的イベント(および/または活動プロファイルおよび/または運動プロファイル)を同期して、それらを関連付けて、選手「A」から選手「B」へのボール12'のパスが成功したと推測し得る。
【0124】
図8A、
図8B、および
図8Cは、選手がボールを蹴って高いパスを出した間に収集された、器具ベースのデータの例を示す。器具モジュールはボールに取り付けられており、器具モジュールは、回転センサおよび加速度センサを備えるセンサデバイスを備えていた。
【0125】
図8Aは、回転センサの生の測定データを示す。
図8Bは、加速度センサの生の測定データを示す。上で説明されたように、特徴量が抽出され、物理的ボールイベントへと分類された。これらの物理的ボールイベントは、収集されて運動プロファイルにおいて組み合わされ、これは
図8Cに示される。
【0126】
図8Aの回転図および
図8Bの加速度図の時間軸の最初において見られるように、物理的ボールイベント81(
図8C)「ボールが蹴られた」として抽出され分類され得る、第1のピークが検出可能である。
【0127】
時間が進むにつれて、ボールの回転は減少し(
図8A)、ボールの加速度(
図8B)は時間的に連続するピークを備える。これは、ボールが、蹴られた後に、空中を飛び、次いで地面に連続的に弾む(跳ね返る)ときに起こり得る。これらのピークは、物理的ボールイベント82(
図8C)「高いパス/跳ね返る」として抽出され分類され得る。
【0128】
図8に示される最後の2つの物理的イベント83は、「グラウンダーパス/タッチ」として分類された。これは、ボールの跳ね返りが高いパスの終わりにおいて低い高さしか含まないときに起こり得る。前記低い高さで弾むことは、低いパスが出されるときにも起こり得る。したがって、これは低いパスとして解釈され得る。
【0129】
しかしながら、複数の物理的ボールイベントが、
図8Cに例示的に示されるようなボールの運動プロファイルを生み出すことがある。この運動プロファイルは、高いパスが出されたことをボールについて示し得る。
【0130】
ボールを蹴った可能性のある選手の対応する活動プロファイル(図示せず)は、ボールの運動プロファイル(
図8C)と融合され得る。それにより、計算ユニット13は、選手およびボールに関わる対応する試合シナリオ、すなわち、前記選手が高いパスを出した可能性があることを決定することができる。
【0131】
さらなる選手に取り付けられたさらなる選手モジュールのさらなる活動プロファイルが、計算ユニット13によって処理され得る。このさらなる活動プロファイルは、さらなる選手がパスを受け取った可能性があることを示し得る。したがって、計算ユニット13は、選手とボールの両方に関わる対応する試合シナリオ、すなわち、ある第1の選手がある第2の選手へと高いパスを出した可能性があることを決定し得る。
【0132】
決定された試合シナリオから、試合関連の統計が作成され得る。たとえば、高いパスを受け取った第2の選手が同じチームのメンバーであった場合、これは成功した高いパスであったであろう。そうではなく第2の選手が相手チームのメンバーであった場合、これは失敗した高いパスであったであろう。
【0133】
図9A、
図9B、および
図9Cは、2人の選手が互いに低いパスを出した間に収集された、器具ベースのデータの例を示す。低いパスは、以下ではグラウンダーパスとも呼ばれ得る。器具モジュールはボールに取り付けられており、器具モジュールは、回転センサおよび加速度センサを備えるセンサデバイスを備えていた。
【0134】
図9Aは、回転センサの生の測定データを示す。
図9Bは、加速度センサの生の測定データを示す。上で説明されたように、特徴量が抽出されて物理的ボールイベントへと分類された。これらの物理的ボールイベントは、収集されて運動プロファイルにおいて組み合わされ、これは
図9Cに示される。
【0135】
図9Aの回転図の時間軸において見られるように、ボールの回転が安定して増大していた。これは、ボールが地面を転がり、蹴られた後でモーメントを安定して得る場合に、すなわちボールがより速く回転する場合に起こり得る。
【0136】
図9Bの加速度図の時間軸の最初に見られるように、物理的ボールイベント91(
図9C)「ボールが蹴られた」として抽出され分類され得る、第1のピークが検出可能である。さらなる後続のより小さいピークが検出可能であり、これは、ボールが高速に、かつ繰り返し地面に触れるときに発生することがあり、これは低いパスにおいて典型的であり得る。これらの連続するピークは、物理的ボールイベント92(
図9C)「グラウンダーパス/タッチ」として抽出され分類され得る。
【0137】
約172.6秒において、さらなるピークが加速度図(
図9B)において検出可能であることがあり、一方、回転の急激な停止が回転図(
図9C)において同時に検出されることがある。これは、選手がグラウンダーパスを受け取ってボールを止めるときに発生し得る。これらの特徴量は、物理的ボールイベント93(
図9C)「止められた」として抽出され分類され得る。
【0138】
その後、第2のグラウンダーパスが2人の選手により出された。
図9Cに示される運動プロファイルにおいて見られるように、さらなる物理的ボールイベント94「ボールが蹴られた」の後に連続する物理的ボールイベント95「グラウンダーパス/タッチ」が続き、その後にさらなる物理的ボールイベント96「止められた」が続くことが、分類されて運動プロファイルへと挿入された。
【0139】
この運動プロファイルは、低いパス(すなわち、グラウンダーパス)が出されたことをボールについて示し得る。ボールを蹴った可能性のある選手の対応する活動プロファイル(図示せず)は、ボールの運動プロファイル(
図9C)と融合され得る。したがって、計算ユニット13は、選手とボールに関わる対応する試合シナリオ、すなわち前記選手が低いパスを出した可能性があることを決定し得る。
【0140】
さらなる選手に取り付けられたさらなる選手モジュールのさらなる活動プロファイルが、計算ユニット13によって処理され得る。このさらなる活動プロファイルは、さらなる選手が低いパスを受け取った可能性があることを示し得る。したがって、計算ユニット13は、選手とボールの両方に関わる対応する試合シナリオ、すなわち、ある第1の選手がある第2の選手に低いパスを出した可能性があることを決定し得る。
【0141】
発明システム10のさらなる実施形態が、
図10において概略的に示されており、これは、
図2を参照して前に説明されたものと同様の構成を示し得る。したがって、
図2に含まれる要素に関して、上の対応する記述が参照される。
【0142】
しかしながら、
図2に加えて、システム10は、さらなるモジュール、すなわちインフラストラクチャタグとも呼ばれるインフラストラクチャモジュール113を備え得る。前記インフラストラクチャモジュール113は、スポーツ試合が行われるプレイングフィールドに関連付けられる、移動式の、または好ましくは固定式のモジュールであり得る。
【0143】
インフラストラクチャモジュール113は、選手モジュール11、器具モジュール12、および計算ユニット13のうちの少なくとも1つと、単方向または双方向に通信するための通信インターフェースを備え得る。追加または代替として、インフラストラクチャモジュール113は、チャネル111を介して器具モジュール12と協調してRSSI測定を実行するように、および/またはチャネル112を介して選手モジュール11と協調してRSSI測定を実行するように構成され得る。
【0144】
インフラストラクチャモジュール113は、計算ユニット13に送信され得るインフラストラクチャベースのデータ115を生成し得る。計算ユニット13は、試合シナリオを決定するために、受信された選手ベースのデータ14および受信された器具ベースのデータ16に加えて、受信されたインフラストラクチャベースのデータ115を使用し得る。
【0145】
この非限定的な例では、インフラストラクチャベースのデータ115は、インフラストラクチャ更新メッセージに含まれてもよいが、選手ベースのデータ14は、選手更新メッセージにおいて選手モジュール11から計算ユニット13に送信されてもよく、および/または、器具ベースのデータ16は、器具更新メッセージにおいて器具モジュール12から計算ユニット13に送信されてもよい。
【0146】
選手更新メッセージ、器具更新メッセージ、およびインフラストラクチャ更新メッセージは各々、同じデータ構造を備え得る。
【0147】
図11は、選手更新メッセージ、器具更新メッセージ、およびインフラストラクチャ更新メッセージの各々に対して有効であり得る、それぞれの更新メッセージのデータ構造の例を示す。更新メッセージは、
図6を参照して上で説明されたように抽出された可能性のある、1つまたは複数の特徴量14b、16bを備える特徴量リストを備え得る。追加または代替として、更新メッセージは、1つまたは複数の物理的イベントを備えるイベントリストを備えてもよく、これは、
図6を参照して上で説明されたように分類/推定された可能性がある。追加または代替として、更新メッセージは、生のセンサ測定データ14a、16aの1つまたは複数を備える生データリストを備えてもよく、これは、それぞれのモジュール11、12、113のセンサデバイス17、19のうちの少なくとも1つによって取得された可能性がある。
【0148】
任意選択で、それぞれの更新メッセージは、1つまたは複数の選手モジュール11、および/または1つまたは複数の器具モジュール12、および/または1つまたは複数のインフラストラクチャモジュール113を含み得る、2つ以上のモジュールまたはタグの間のRSSI値に関係する情報を備えるRSSIリストを備え得る。さらに任意選択で、それは、メッセージの送信者を特定するための送信者圧縮IDと、同期目的のタイムスタンプとを備え得る。
【0149】
タグ11、12は無線通信ユニットを装備し得るので、それらは追加で、互いからのRSSIの時間的な測定を行うことができる。RSSI値は、それらの間のRSSIが測定される2つのタグ11、12の距離と位置の両方に依存するので、タグ11、12は、システム10の中の別のタグへの粗い距離推定を計算することができる。タグ11、12は、最も強いRSSIを伴う信号の送信元である他のタグのリストを報告することができる。RSSI測定結果のリストは、タグ11、12自体におけるイベント検出と一緒に融合されて、たとえば、ボールのポゼッションの決定をさらに改善することができる。
【0150】
計算ユニット13は加えて、データベース22(
図2参照)を管理してもよく、それにより、データベース22は、選手のプレー位置、物理的統計、習慣、試合もしくはすべての分類されたこれまでのイベントのイベント履歴、またはチームの進歩のイベント履歴についての情報を含み得る。
【0151】
ボールの時間的なポゼッションについての情報を融合することによって、チーム内での成功したパスまたは失敗したパスなどの、高水準の練習についての統計が生成され得る。他の統計は、限定はされないが、チームの2人のメンバー間でのパスの頻度、タッチ時間、ファーストタッチの精度などを含み得る。
【0152】
上で言及されたように、システム10は、1つまたは複数のインフラストラクチャモジュール113を備え得る。
図12は、サッカーのプレイングフィールド121に関連付けられる12個のインフラストラクチャモジュール113を備える、システム10の非限定的な例を示す。さらに、少なくとも1つの器具タグ12を備えるボール12'、少なくとも1つの選手モジュール11
1を備える第1の選手11'
1、および少なくとも1つのさらなる選手モジュール11
2を備える第2の選手11'
2が、非限定的な例として示されている。
【0153】
ある実施形態によれば、インフラストラクチャモジュール113の少なくとも1つは、プレイングフィールド121の内側に、その外側に、そこにおいて、それに接して、その上に、その下に、またはその周りに配置され得る。
【0154】
追加または代替として、インフラストラクチャモジュール113の少なくとも1つは、前記プレイングフィールド121に属する設備に関連付けられ得る。そのような設備は、たとえば、サッカーゴールまたはフットボールゴールのゴールポスト、バスケットボール試合のバスケットのリムなどであり得る。インフラストラクチャモジュール113の少なくとも1つは、プレイングフィールド121の前記設備の内側に、その外側に、そこにおいて、それに接して、その上に、その下に、またはその周りに配置され得る。
【0155】
再び、計算ユニット13は、インフラストラクチャモジュール113からインフラストラクチャベースのデータ115を受信するように構成されてもよく、計算ユニット13は、試合シナリオを決定するために、インフラストラクチャベースのデータ115を選手ベースのデータ14および器具ベースのデータ16と組み合わせるように構成されてもよい。この例では、決定された試合シナリオは、選手、器具、および任意選択でインフラストラクチャが関わり得る試合シナリオであり得る。したがって、計算ユニット13は、選手11'の活動プロファイル14cを表す選手ベースのデータ14に基づいて、および器具12'の運動プロファイル16cを表す器具ベースのデータ16に基づいて、およびインフラストラクチャベースのデータ115に基づいて、試合シナリオ18を決定し得る。
【0156】
インフラストラクチャモジュール113の少なくとも1つは、セクタ化アンテナとも呼ばれ得る、指向性アンテナパターンを備える指向性アンテナを備え得る。
図12を参照すると、インフラストラクチャモジュール113の各々は指向性アンテナを備えてもよく、指向性アンテナパターンは、水滴型のシンボル122によってシンボル化される。
【0157】
ある実施形態によれば、インフラストラクチャモジュール113の少なくとも1つは、プレイングフィールド121へと向けられている指向性アンテナ122を備え得る。たとえば、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122がプレイングフィールド121の空間的に最も近い境界線に直交した向きになるように、配置され得る。たとえば、
図12の上側4つおよび下側4つのインフラストラクチャモジュール113は、プレイングフィールド121のサイドタッチライン123、124に沿って配置され得る。したがって、これらのインフラストラクチャモジュール113に関して、それぞれのサイドタッチライン123、124が、プレイングフィールド121の空間的に最も近い境界線であると見なされる。
【0158】
図12に見られるように、これらのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122がプレイングフィールド121のそれぞれのサイドタッチライン123、124に直交した向きになるように、配置される。
【0159】
図12にさらに見られるように、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール113は、ゴールエリアに配置され得る。この例によれば、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122がプレイングフィールド121の空間的に最も近い境界線に平行な向きになるように、配置され得る。この例では、空間的に最も近い境界線は、ゴールライン125、126である。
【0160】
図12において見られるように、これらのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122がプレイングフィールド121のそれぞれのゴールライン125、126に平行な向きになるように、配置される。
【0161】
追加または代替として、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122がプレイングフィールド121の空間的に最も近い境界線に沿った向きになるように配置され得ることが可能であってもよい。たとえば、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール113は、指向性アンテナパターン122が、サイドタッチライン123、124に沿った、またはゴールライン124、125に沿った向きになるように、配置され得る。各々のスポーツ試合には個々の境界線があることがあるが、上で説明された実施形態は、例示的に説明されたサッカーの試合と異なるあらゆる他のスポーツに適用され得る。
【0162】
したがって、プレイングフィールド121自体が、上で説明されたインフラストラクチャタグ113のうちの1つまたは複数を装備していてもよい。インフラストラクチャタグ113は、試合の間動かないことがあるという点で、選手タグ11および/またはボールタグ12と異なり得る。特に、インフラストラクチャタグ113は、上で説明されたような、指向性アンテナ122を装備していてもよい。指向性アンテナ122は、第1に、インフラストラクチャタグ113に関するプレイングフィールド121の中の選手タグ11/ボールタグ12の相対的な位置特定を行う役割を果たし得ること、および第2に、たとえば観客によって近くに配置され得る、観客の個人所有のガジェットのための外部の無線(たとえば、Bluetooth(登録商標))デバイスからの干渉を競技中に部分的に減らし、通信を確実にする役割を果たし得ることという、2つの目的のうちの少なくとも1つの役に立ち得る。
【0163】
それぞれのアンテナ122の指向性の、すなわちセクタ化された性質により、それらは、ボール12'がフィールドの外に出ている可能性があるかどうかを示し得る。この情報はさらに、スローまたはフリーキックなどの後続のイベントと組み合わされて、競技の統計を生成することができる。
【0164】
ここで特に関心の対象となるのは、たとえばボール12'がゴールライン125、126を割った可能性があるかどうかを示し得る、インフラストラクチャタグ113であり得る。この技術の目的は主に、競技レベルで「ゴール」の判定を行うことではなく、むしろ、練習の進行を自動的に追跡することである。この目的で、2つのインフラストラクチャタグ113がそれぞれのゴールポストの両側に配置され得るとすると、ボール12'がゴールポストに入った可能性があるかどうかの判定は、インフラストラクチャタグ113の両方においてボール12'からRSSIを推定することによって、または、チャネルの相互関係により、ボール12'自体において両方のタグ113からのRSSIを推定することによって行われ得る。インフラストラクチャタグ113は、本明細書ではアンカーとも呼ばれ得る。
【0165】
図13および
図14は、2つのインフラストラクチャタグ113
1、113
2からボール12'への経路損失の大まかな描写を示す。2つのインフラストラクチャタグ113
1、113
2は、アンカー1およびアンカー2とも呼ばれ得る。2つのインフラストラクチャタグ113
1、113
2は、それぞれ、左と右のゴールポストに配置された。
【0166】
図13は、等方性の場合の、すなわち、等方性アンテナパターンを備えるアンテナを使用したときの測定値を示す。
図14は、セクタ化された場合の、すなわちセクタ化された、すなわち指向性アンテナパターンを備えるアンテナを使用した場合の測定値を示す。後者の場合、
図12に示されるように、インフラストラクチャタグ113
1、113
2は、それぞれの指向性アンテナパターン122がゴールライン124、125に平行な向きになるように設置された。
【0167】
両方の場合において、インフラストラクチャタグ113
1、113
2は、ゴールポストサイズの半分である1.66mの高さに設置された。等方性の場合について
図13に、およびセクタ化された場合について
図14に示されるような結果は、自由空間の経路損失に対して有効であり、対数正規シャドーイングを考慮しない。
【0168】
結果は、等方性の場合(
図13)とセクタ化された場合(
図14)の両方において、ボール12'がポストを通過したかどうかを推測するために測定されたRSSIを使用できることを示している。確率モデルを使用して、RSSI情報と試合の動態を融合し、ゴールがあったかどうかの判定を行うことができる。しかしながら、指向性アンテナパターンを備えるセクタ化されたアンテナを使用することで、より正確で信頼性のある結果が明らかになり得る。したがって、インフラストラクチャモジュール113において、セクタ化されたアンテナが使用されることが好まれ得る。
【0169】
図15に示されるように、RSSI測定は、1つまたは複数の選手タグ11
1、11
2と、1つまたは複数の器具タグ12と、任意選択で1つまたは複数のインフラストラクチャタグ113との間で、協調して実行され得る。すなわち、インフラストラクチャタグ113は、インフラストラクチャタグ113を指す矢印151、152、153によって示されるように、選手タグ11
1、11
2、および器具タグ12のうちの少なくとも1つから受信された信号のRSSI値を測定するように構成され得る。そして、選手タグ11
1、11
2、および/または器具タグ12は、選手タグ11
1、11
2、および器具タグ12を指す矢印151、152、153によって示されるように、インフラストラクチャタグ113から受信された信号のRSSI値を測定するように構成され得る。
【0170】
図15の簡潔な説明図は、双方向の二本矢印151、152、153、154、155、156によって示され得るすべてのネットワークメンバー11
1と、11
2と、12と、113との間の可能なRSS測定結果を示し、双方向であることは、各タグが送信機と受信機の両方として機能できるという事実を強調している。
【0171】
上で言及されたRSSI値のうちの少なくとも1つに基づいて、選手タグ11
1、11
2、器具タグ12、およびインフラストラクチャタグ113のうちの少なくとも1つが、それぞれの選手タグ11
1、11
2の、および/またはプレイングフィールド121上の器具タグ12の絶対的な位置を計算するように構成され得る。たとえば、デシメートルまたはセンチメートルの範囲でのプレイングフィールドにおける絶対的な位置が、それぞれの選手モジュール11
1、11
2、および器具モジュール12のうちの少なくとも1つに対して計算され得る。
【0172】
選手11'、ボール12'、およびインフラストラクチャタグ113はすべて、限定はされないがBluetoothのような無線技術を介して通信し得るので、ネットワークの各メンバー間の、すなわち各タグ11、12、113間の受信信号強度(RSS)は、任意の時間に計算され得る。固定式のインフラストラクチャタグ113が利用可能ではない可能性がある場合、すべての他のタグ11、12が移動式である手法のように、手法はスウォームであってもよく、これは以下でさらに論じられる。RSS伝播は距離に依存し、ネットワークのすべてのメンバー11、12、113の相対的な位置についての情報がこのように取得され得る。
【0173】
n人のメンバーがいるネットワークに対して、ネットワークのすべてのメンバー11、12、113間で、各瞬間において最高でn(n-1)個のRSSが観測され得る(ネットワークメンバーAからネットワークメンバーBへのRSSは、異なるアンテナパターンにより、メンバーBからメンバーAへのRSSとは同じではないことがあることに留意されたい)。
図15はこのタイプの簡略化されたネットワークを示し、第1の選手タグ11
1が選手の左すねに取り付けられてもよく、第2の選手タグ11
2が同じ選手の右すねに取り付けられてもよく、器具タグ12がボール12'に取り付けられてもよく、インフラストラクチャタグ113がプレイングフィールド121に配置されてもよい。第1の選手タグ11
1、第2の選手タグ11
2、器具タグ12、およびインフラストラクチャタグ113の各々が、ネットワークメンバーであり得る。
【0174】
たとえば、チームごとに11人の選手がいる典型的なサッカーの試合では、各チームの各選手に対して2つのタグ、1つのボールタグ、および4つの固定式のインフラストラクチャタグがあり、2346個の測定結果が一度に利用可能であり得る。46という状態の数、たとえば、すべての選手およびボールの2次元の位置は、比較すると相対的に小さく、過剰決定系の式を生み出す。p
aに位置する(ソース/送信機の役割の)ネットワークメンバーaからp
bに位置する(受信機の役割の)別のメンバーbに送信される信号の測定されたRSS RSS
abの例示的な簡略化されたモデルは、対数形式のそれらのユークリッド距離d
abに依存し、たとえばdBm単位で次のように記述され得る。
【0176】
ここで、γは経路損失パラメータを表し(自由空間ではγ=2)、RSS
0は基準距離、たとえば1mにおけるRSSを表し、σ
fad,a(p
b)はp
aにおける対数正規シャドーフェージング成分を記述し、したがってこれは、ランダムであるものとしてモデル化されるが、空間的に相関するので、両方のタグの位置に対する依存性も示す(タグaが固定式である場合、この依存性はbだけに減らされる)。
【0177】
ここで、これらの測定結果、またはそれらの任意のサブセットが、関心の対象の状態、すなわち、インフラストラクチャタグ113によって定義され得る、プレイングフィールド121内のボール12'および/または選手11'の位置(またはそれらの任意のサブセット)、もしくは、プレイングフィールド121内の既知の位置を有するインフラストラクチャタグ113が利用可能ではない可能性がある場合には、タグ11、12のうちの少なくとも1つに関する相対的な位置を、推定するために使用され得る。
【0178】
たとえば、これは、カルマンフィルタまたは粒子フィルタのようなベイジアンフィルタ、最小二乗法を使用することによって、および、上で言及されたモデルまたはRSS伝播(たとえば、レイトレーシング)のための別の決定論的なまたは確率論的なモデルを使用することによって行われ得る。さらに、システム10によって得られる追加の情報(たとえば、ボール接触情報、選手11'についての取得された運動状態情報(走っている、ドリブルしている、止まっている)、生のIMUデータ、または運動学的な情報に基づく、ボール12'と選手11'の位置の整列)および追加の利用可能なメタ情報(たとえば、選手のチームのポジション、たとえばゴールキーパー、ディフェンスの選手など、または選手のテクニカルフォーメーションに関する入力、たとえば4-4-2、試合イベント(コーナーキック、フリーキック、ペナルティキック、キックオフ、スローインなど)、サッカー選手の予想される速度および移動についての情報)が、たとえば、遷移のモデリングまたは先験的な確率分布のために、フィルタにおいて使用され得る。加えて、既知の位置(「フィンガープリント」と呼ばれる)におけるRSSの観測結果が、たとえば測定モデルの一部として、特にフェージング成分をモデル化するために、解決法において使用され得る。
【0179】
またさらなる例示的な実施形態によれば、プレイングフィールド121は、たとえば複数の長方形によって、複数の区分へと区分されてもよく、区分に関する絶対的な位置が、それぞれの選手モジュール11
1、11
2および器具モジュール12のうちの少なくとも1つのために計算され得る。
【0180】
1つの非限定的な例として、
図12に戻って参照されたい。見られるように、参照番号113
1および113
2により示される2つのインフラストラクチャモジュールは、互いに反対に配置されてもよく、たとえば、第1のインフラストラクチャタグ113
1が第1のサイドタッチライン123において配置されてもよく、第2のインフラストラクチャタグ113
2が反対の第2のサイドタッチライン124において配置されてもよい。インフラストラクチャタグ113
1、113
2の各々は、指向性アンテナパターンを備えるセクタ化されたアンテナを備えてもよく、両方のアンテナパターンが互いの方を向いていてもよい。
【0181】
それにより、プレイングフィールド121は、複数の区分へと区分され得る。この例では、第1のインフラストラクチャモジュール113
1および第2のインフラストラクチャモジュール113
2が区分「C」を作り出してもよく、これは、複数の区分「A」、「B」、「C」、および「D」のうちの1つであってもよい。たとえば、ボール12'は区分「C」に位置することがあり、第1の選手11'
1は区分「B」に位置することがあり、第2の選手11'
2は区分「D」に位置することがある。
【0182】
上で説明された例示的な実施形態のいずれでも、インフラストラクチャモジュール113、選手モジュール11、器具モジュール12、および計算ユニット13のうちの少なくとも1つが、測定されたRSSI値に基づいて、インフラストラクチャモジュール113と、選手モジュール11および器具モジュール12のうちの少なくとも1つとの間の、相対的な空間距離を計算するように構成され得る。
【0183】
追加または代替として、上で説明された例示的な実施形態のいずれにおいても、インフラストラクチャモジュール113、選手モジュール11、器具モジュール12、および計算ユニット13のうちの少なくとも1つが、測定されたRSSI値に基づいて、プレイングフィールド121における少なくとも1つの選手モジュール11および/または少なくとも1つの器具モジュール12の絶対的な位置を計算するように構成され得る。
【0184】
したがって、プレイングフィールド121における少なくとも1人の選手11'および/または少なくとも1つの器具12'の上で説明された位置特定は、1つまたは複数のインフラストラクチャタグ113によって支援され得る。
【0185】
しかしながら、またさらなる例示的な実施形態では、少なくとも1人の選手11'および/または少なくとも1つの器具12'の位置特定は、RSSI測定値が1つまたは複数のインフラストラクチャモジュール113と関連付けられることなく実行され得ることが可能であり得る。言い換えると、少なくとも1人の選手11'および/または少なくとも1つの器具12'の位置特定が、少なくとも1つの選手タグ11および/または少なくとも1つの器具タグ12に関連付けられるRSSI測定値を用いて実行され得ることが可能であり得る。そのような実施形態によれば、少なくとも1人の選手11'および/または少なくとも1つの器具12'の位置特定は、任意のインフラストラクチャタグ113なしでも可能であり得る。
【0186】
そのような実施形態は、場合によってはインフラストラクチャタグ113のない、
図15に示されるような実施形態に対応し得る。移動可能な1つまたは複数の選手モジュール11
1、11
2、および/または移動可能な器具モジュール12の間のRSSI位置特定のそのような手法は、RSSIスウォーム位置特定またはRSSI協調位置特定と呼ばれることがあり、RSSが、上で説明されたように、しかしネットワークメンバーとしてインフラストラクチャタグ113なしで計算され得る。
【0187】
そのような実施形態によれば、少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2は、器具モジュール12から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され得る。追加または代替として、器具モジュール12は、少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2から受信される信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され得る。
【0188】
前記測定されたRSSI値に基づいて、少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2および/または器具モジュール12および/または計算ユニット13は、少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2と器具モジュール12との間の相対的な空間距離を計算するように構成され得る。
【0189】
追加または代替として、前記測定されたRSSI値に基づいて、少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2および/または器具モジュール12および/または計算ユニット13は、プレイングフィールド121上の少なくとも1つの選手モジュール11
1、11
2および器具モジュール12の絶対的な位置を計算するように構成され得る。
【0190】
たとえば、ボールモジュール12'および選手モジュール11
1、11
2は、無線、たとえばBluetooth、データ接続を有し得る。無線(たとえば、Bluetooth)能力により、RSSI(信号強度)測定が、それぞれの選手/器具モジュール11
1、11
2、12によって行われてもよく、モジュール11
1、11
2、12間の距離を推定するために使用されてもよく、この距離は、互いに対するモジュール11
1、11
2、12の相対的な位置がそれから決定/推定され得るモジュール11
1、11
2、12間の相対的な距離であり得る。すべての距離を組み合わせることで、選手とボールの位置の推定を含む、状況ピクチャが作成され得る。これにより、プレイングフィールド121上のモジュール11
1、11
2、12の絶対的な場所を決定することも可能になり得る。
【0191】
RSSI測定データが、最良の場合にはすべてのモジュール11
1、11
2、12上で利用可能であり得る場合、すべてのモジュール11
1、11
2、12間の相対的な距離を推定することができ、インフラストラクチャタグ113が利用可能ではない可能性がある場合であっても、この情報を融合して、距離推定の正確さを高め、スウォームのような手法で互いに対してモジュール11
1、11
2、12をさらに位置特定することができる。
【0192】
しかしながら、これは、上で説明されたように、固定された既知の位置においてモジュール(たとえば、インフラストラクチャモジュール113)を使用することによって改善され得る。
【0193】
計算ユニット13は、選手モジュール11および/または器具モジュール12から前記測定された1つまたは複数のRSSI値を受信することができ、計算ユニット13は、これらの1つまたは複数のRSSI値を、選手11'の活動プロファイルを表す選手ベースのデータ14および器具12'の運動プロファイルを表す器具ベースのデータ16と、ならびに、任意選択で、利用可能であれば試合シナリオ18を決定するための、インフラストラクチャベースのデータ155と一緒に、使用することができる。
【0194】
言い換えると、ある実施形態によれば、計算ユニット13は、選手モジュール11および器具モジュール12のうちの少なくとも1つからRSSI値を受信し、選手11'の活動プロファイル14cに基づいて、および器具12'の運動プロファイル16cに基づいて、および受信されたRSSI値に基づいて、選手11'および器具12'に関わる複数の試合シナリオ18のうちの1つを決定するように構成され得る。
【0195】
たとえば、フィールド上のどの選手がボールを蹴った可能性があるか、たとえば、2人以上の選手が互いに近くに位置するかどうかを決定するために、RSSI値が使用され得る。たとえば、第1の選手モジュール11
1を備える第1の選手11'
1と第2の選手モジュール11
2を備える第2の選手11'
2との間のデュエルにおいて、第1の選手11'
1がボールを蹴ることがあり、一方で第2の選手11'
2が意図せず芝を蹴ることがある。両方の選手モジュール11
1、11
2が、非常に似ている可能性のある加速度信号を生成し得る。しかしながら、RSSI値は、ボールが第2の選手11'
2よりも第1の選手11'
1に近かったことを示し得る。
【0196】
このために、第1の選手モジュール11
1に関連付けられるRSSI値および第2の選手モジュール11
2に関連付けられるRSSI値が、互いに比較され得る。たとえば、第1の選手モジュール11
1が第2の選手モジュール11
2よりも短いボール12'への空間距離を有することが、RSSI値を比較した結果から明らかになり得る場合、これは、第1の選手11'
1が第2の選手11'
2よりもボール12'に近かったことを示すものであり得る。したがって、第1の選手11'
1がボール12'を蹴った可能性がより高い。
【0197】
それに基づいて、計算ユニット13は、たとえば、第1の選手11'
1の選手ベースのデータ14(活動プロファイル)に基づいて、および器具ベースのデータ16(運動プロファイル)に基づいて、およびRSSI値に基づいて、第1の選手11'
1の試合シナリオ「デュエル勝利」を決定し得る。
【0198】
より一般的な用語では、計算ユニット13は、第1の選手モジュール11
1に関連する第1のRSSI値と、第2の選手モジュール11
2に関連する第2のRSSI値を受信するように構成されてもよく、計算ユニット13はさらに、第1のRSSI値と第2のRSSI値を比較し、第1の選手モジュール11
1が第2の選手モジュール11
2よりも短い器具12'への空間距離を有することをRSSI値の比較の結果が示す場合、試合シナリオを決定するために第1の選手モジュール11
1の選手ベースのデータ14を採用するように構成され得る。
【0199】
上記の発明概念の情報を融合することができ、たとえば、モジュール11
1、11
2、12の動態、たとえば0に近い速度、高速の移動、大きい力学的な移動、ボールポゼッションについての情報などが、ここでは役に立ち得る。
【0200】
推定プロセスにおいて、距離および位置、たとえばRSSI測定オフセットおよび非線形性に加えて、伝播チャネルのチャネルパラメータが推定され得る(たとえば、経路損失係数、シャドーイング、対数正規フェージング、クリギング法)。
【0201】
そのようなRSSI協調位置特定には、以下の利点があり得る。
・実現可能な最安の位置特定システムの1つ
・安価:高速カメラまたは高精度無線測位を用いた追跡システムと比較して低コストの通信(BluetoothまたはWi-Fi)の使用
・通信インフラストラクチャの再利用
・インフラストラクチャの構築作業なし
・上記の発明システムではHWコンポーネントがすでに利用可能である
・発明システムからの試合イベント、たとえばフィールド上のどこで、およびどのような状況で、パスが成功したか、または失敗したかということとの合成により統計の意義が増す
【0202】
以下では、発明概念が簡単に説明され、いくつかの他の用語で再び要約される。
【0203】
フットボールまたはサッカーなどのチームスポーツのシナリオにおいて選手のパフォーマンスを測るための客観的なデータは、個人レベルおよび/またはチームレベルでパフォーマンスを高めるために、コーチおよび選手自身にとって価値のある情報であり得る。この目的で、ある選手から別の選手への成功したパスおよび失敗したパス、パスの速度、パスのタイプ(高い/低い)、ボールのポゼッション、ボールの運動力学、選手のパフォーマンスなどの統計が、生成される必要がある。
【0204】
統計を生成するために、好ましくはセンサ17、19を装備するモジュール11、12(本明細書では、タグとも、または取り付けの位置に応じて、選手モジュール11もしくは器具モジュール12とも呼ばれる)およびワイヤレス通信能力を試合における様々なエンティティ(選手11'、ボール12'、境界など)に取り付けることによって、測定が行われ得る。未解決の問題は、そのような測定結果を取得して最適に組み合わせて、必要とされる統計を生成することである。同時に、解決法はまた、持ち運び可能であり、手ごろな価格であり、電力効率が高く、スケーラブルであり、外部の擾乱に対して回復力がなければならない。
【0205】
したがって、発明概念は、ボール12'の中にモジュール12を置き、選手モジュール11を有することも提案し得る。従来技術とは対照的に、選手11'がボール12'を蹴った可能性があること、ボール12'が蹴られた可能性がありその後で選手11'がボール12'を受け取った可能性があること、およびボール12'が別の選手11'によって受け取られた可能性があることを、検出することが可能になる。これらの情報を組み合わせることで、選手Aから選手Bへのパスの推定は、たとえば選手モジュールだけを使用する場合よりもはるかに正確になり、高精度の測位を使用する場合よりもはるかに安価になる。練習シナリオにおけるように、より多くの選手およびボールが関わる場合であっても、成功したパスと失敗したパスを区別することはより簡単である。
【0206】
提案されるシステムは、
図2に示されるような以下の構成要素を備え得る。
1)ボール12'に取り付けられた1つのアクティブなタグ(ボールタグ12)
2)選手11'に取り付けられた少なくとも1つのアクティブなタグ(選手タグ11)
3)1つまたは複数の計算ユニット13(計算ユニット)および
4)少なくとも1つの視覚化ユニット21(APP+GUI)
5)判断領域のような、測定されたセンサデータおよび他の情報からのイベントの分類のための関連情報を含むデータベース22
【0207】
発明概念は、以下の箇条書きにおいて次のように簡単に要約され得る。
1.慣性センサ、磁力計、および/または圧力センサのような運動センサ17、19、ならびに互いの間の、または中央ユニット13とのデータ接続を有するモジュール11、12を、特徴量抽出ならびに決定木および/または機械学習を含む、データを分析するための、たとえば選手Aから選手Bへのパスを推定するための方法と一緒に使用し、少なくとも1つのモジュール12はボール12'に組み込まれてもよく、少なくとも1つのモジュール11は少なくとも1人の選手11'に取り付けられてもよい。
この方法を使用すると、言及された上記のイベントは各タグ11、12に対して別々に分類されてもよく、取得された情報は、タグ11と12の間で、および、より高水準の情報を生成するために、たとえばデータベース22からの追加の情報を使用して、の両方で融合され得る。
データベース22は、選手のプレイングポジション(ゴールキーパー、ディフェンス、オフェンスなど)、物理的統計、習慣、試合もしくはすべての分類されたこれまでのイベントのイベント履歴、またはチームの進歩のイベント履歴についての情報を含み得る。
より高水準の情報は、たとえば選手Aから選手Bへのパス、失敗/成功したパス、ボールポゼッションの時間、ファーストタッチの精度、失敗/成功したインターセプト、勝った/負けたデュエル、ならびにこれらに基づく統計および分析である。
2.RSSIまたは距離測定データが、中央ユニット13を含むモジュール11、12の少なくともいくつかで利用可能である場合、言及されるより高水準の情報は、たとえばタグ11と12の間の、特に選手タグ11とボールタグ12との間の距離を推定するために、RSSI測定データを含めることによって改善され得る。
3.RSSI協調位置特定
考え方:ボールモジュール12および選手モジュール11は、Bluetoothデータ接続を有し得る。Bluetoothモジュールを用いて、RSSI(信号強度)測定が行われ、モジュール11と12の間の距離を推定するために使用され得る。すべての距離推定を組み合わせることで、選手およびボールの位置の推定を含む、状況ピクチャが作成され得る。
よって、RSSI測定データが最良の場合においてすべてのモジュール11、12上で利用可能である場合、すべてのモジュール11、12の間の距離を推定することができ、この情報を融合して、距離推定の正確さを高め、スウォームのような手法で互いに対してモジュール11、12をさらに位置特定することができる。
これは、固定された既知の位置においてモジュール(たとえば、インフラストラクチャモジュール113)を使用することによって改善され得る。
上記の発明概念の情報は融合され得る:
・モジュール11、12の動態、たとえば0に近い速度、高速の移動、大きい力学的な移動などが、ここでは役に立ち得る。
・ボールポゼッションについての情報がここでは役に立ち得る。
推定プロセスにおいて、距離および位置、たとえばRSSI測定オフセットおよび非線形性に加えて、伝播チャネルのチャネルパラメータ(たとえば、経路損失係数、シャドーイング、対数正規フェージング、クリギング法)が推定され得る。
【0208】
選手11'に固定された選手タグ11の代わりに、ボトル、バー、ゴール、バウンサーなどの物体に、タグ12が固定され得る。そして、たとえば目標に達したかどうかが、センサデータの分析によってタグ12上で監視され得る。
【0209】
さらに、発明システム10が提供されてもよく、システム10はスポーツ試合において試合シナリオ18を決定するためのものであり、システム10は、
試合の選手11'に取り付けられるように構成される少なくとも1つの選手モジュール11と、
前記試合において使用されるべきスポーツ器具12'(たとえば、ボール、パック)に取り付けられるように構成される少なくとも1つの器具モジュール12と、
計算ユニット13とを備え、
選手モジュール11は、少なくとも多軸加速度計を備える第1のセンサデバイス17と、第1のセンサデバイス17から受信された生のセンサ測定データ14aからパラメータ14bを決定する(たとえば、特徴量を抽出する)ための、および前記特徴量14bを物理的選手イベントへと分類するための(選手11'の活動プロファイル14cを決定するための)信号処理ユニットと、物理的選手イベントおよび/または活動プロファイル14cを計算ユニット13に送信するための無線通信デバイスとを備え、
器具モジュール12は、少なくとも多軸加速度計を備える第2のセンサデバイス19と、第2のセンサデバイス19から受信されたセンサ測定データ16aからパラメータ16bを決定する(たとえば、特徴量を抽出する)ための、および前記特徴量16bを物理的器具イベントへと分類するための(器具12'の運動プロファイルを決定するための)信号処理ユニットと、物理的器具イベントおよび/または運動プロファイル16cを計算ユニット13に送信するための無線通信デバイスとを備え、
計算ユニット13は、選手モジュール11から物理的選手イベントおよび/または活動プロファイル14cを、ならびに器具モジュール12から物理的器具イベントおよび/または運動プロファイル16cを受信するための無線通信デバイスを備え、物理的選手イベントおよび/または活動プロファイル14cを物理的器具イベントおよび/または運動プロファイル16cと一緒に試合シナリオ18へと分類するための分類器68をさらに備える。
【0210】
以下では、試合シナリオのいくつかの非限定的な例が与えられることがあり、試合シナリオは、選手により出された低いパス、選手により出された高いパス、同じチームの別の選手に届いた成功したパス、相手チームの別の選手に届いた失敗したパス、2人以上の選手間でのデュエルの勝ちまたは負け、選手により実行されたペナルティキック、選手により実行されたコーナーキック、選手により実行されたスローイン、選手により実行されたボレーシュート、選手により実行されたハーフボレーシュート、選手により実行されたヘディングシュート、選手により実行されたドリブル、選手によるボールポゼッションの長さを備えるグループのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0211】
発明システム10は以下の利点をもたらし得る。
・安価:高速カメラまたは高精度無線測位を用いた追跡システムと比較して低コストのセンサ(<50ユーロ)の使用
・タグがフットボールおよび他の試合デバイスへと組み込まれ得るので、選手および試合デバイス(たとえば、ボール)のメトリクスとイベント
・タグでのデータの前処理(信号/データ分析およびイベント検出および処理)。したがって、以下の項目に対する要件が大幅に低くなる。
無線通信によるレイテンシ
無線通信を介して転送されるべきデータの量
タグの同期
・選手イベントがボールイベントと相関付けられボールイベントによって補足され得る、選手タグのメトリクスのみが評価されるシステムと比較して、より高い安定性およびより高い機能
【0212】
発明システム10は、
・スポーツにおける分析、測定調査、状態決定、状態分類、情報融合、イベント認識、イベント処理(局在化、位置特定、追跡、通信)
・スポーツ:すべての球技、ホッケー、特別な器具およびそれと相互作用する1人または複数の選手を伴う一般的なスポーツ
・練習目的および試合分析
・後の分析またはさらなる処理のための練習および試合のデジタル化
において使用され得る。
【0213】
いくつかの態様が装置の文脈で説明されたが、これらの態様は、対応する方法の説明も表し、ブロックまたはデバイスが、方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することが明らかである。同様に、方法の文脈で説明される態様はまた、対応するブロックもしくは項目の説明、または対応する装置の特徴の説明を表す。方法ステップの一部またはすべてが、たとえば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路のような、ハードウェア装置によって(またはそれを使用して)実行され得る。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの1つまたは複数は、そのような装置によって実行され得る。
【0214】
ある実装の要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアで、またはソフトウェアで、または少なくとも部分的にハードウェアで、または少なくとも部分的にソフトウェアで実装され得る。この実装は、電気的に読み取り可能な制御信号が記憶されているデジタル記憶媒体、たとえばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、Blu-Ray(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリを使用して実行されてもよく、これは、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能コンピュータシステムと協調する(または協調することが可能である)。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ可読であり得る。
【0215】
本発明によるいくつかの実施形態は、電気的に読み取り可能な制御信号を有するデータ担体を備え、これは、本明細書で説明される方法の1つが実行されるように、プログラム可能コンピュータシステムと協調することが可能である。
【0216】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを伴うコンピュータプログラム製品として実装されてもよく、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、たとえば機械可読担体に記憶され得る。
【0217】
他の実施形態は、機械可読担体に記憶されている、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを備える。
【0218】
言い換えると、本発明の方法の実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0219】
本発明の方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムが記録された、データ担体(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。データ担体、デジタル記憶媒体、または記録された媒体は通常、有形であり、および/または非一時的である。
【0220】
本発明の方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは一連の信号である。データストリームまたは一連の信号は、たとえば、データ通信接続を介して、たとえばインターネットを介して転送されるように構成され得る。
【0221】
さらなる実施形態は、処理手段、たとえば、本明細書で説明される方法の1つを実行するように構成もしくは適合される、コンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスを備える。
【0222】
さらなる実施形態は、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされているコンピュータを備える。
【0223】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書で説明される方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に(たとえば、電気的にまたは光学的に)転送するように構成される、装置またはシステムを備える。受信機は、たとえば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであり得る。装置またはシステムは、たとえば、コンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバを備え得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明される方法の機能の一部またはすべてを実行するために、プログラマブルロジックデバイス(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)が使用され得る。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書で説明される方法の1つを実行するために、マイクロプロセッサと協調し得る。一般に、方法は、好ましくは任意のハードウェア装置によって実行される。
【0225】
本明細書で説明される装置は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組合せを使用して実装され得る。
【0226】
本明細書で説明される方法は、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組合せを使用して実行され得る。
【0227】
上で説明された実施形態は、本発明の原理を例示するためのものにすぎない。本明細書で説明される構成および詳細の変更と変形が、当業者に明らかになるであろうことが理解される。したがって、すぐ後の特許請求の範囲だけによって限定され、本明細書の実施形態の記述および説明により提示された具体的な詳細によって限定されないことが、意図される。
前記選手センサデバイス(17)が、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備え、前記多軸加速度計が、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分の加速度を表す前記生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記角速度センサが、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分の回転を表す前記生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記磁力計が、地球の磁場の値を表す前記生の測定データ(14a)を提供するように構成され、前記圧力センサが、前記選手モジュール(11)が取り付けられた前記選手(11')の体の部分によって、または前記部分において加えられる圧力を表す前記生の測定データ(14a)を提供するように構成される、請求項1に記載のシステム(10)。
前記器具センサデバイス(19)が、多軸加速度計、角速度センサ、磁力計、および圧力センサのうちの少なくとも1つを備え、前記多軸加速度計が、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')の加速度を表す前記生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記角速度センサが、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')の回転を表す前記生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記磁力計が、地球の磁場の値を表す前記生の測定データ(16a)を提供するように構成され、前記圧力センサが、前記器具モジュール(12)が取り付けられた前記器具(12')において加えられる圧力を表す前記生の測定データ(16a)を提供するように構成される、請求項1または2に記載のシステム(10)。
前記選手(11')、前記器具(12')、および前記スポーツ試合の時間的な履歴のうちの少なくとも1つについての追加の情報を記憶するように構成されるデータベース(22)をさらに備え、
前記計算ユニット(13)が、前記データベース(22)から前記追加の情報を取り出し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および前記データベース(22)から取り出された前記追加の情報に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記選手モジュール(11)が、所定の時間枠の間に前記選手ベースのデータ(14)を決定するように構成され、前記器具モジュール(12)が、所定の時間枠の間に前記器具ベースのデータ(16)を決定するように構成され、前記計算ユニット(13)が、前記選手ベースのデータ(14)の前記時間枠と前記器具ベースのデータ(16)の前記時間枠とが時間領域において少なくとも部分的に重複するように、受信された前記選手ベースのデータ(14)と受信された前記器具ベースのデータ(16)とを適時に同期させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記スポーツ試合が行われるプレイングフィールド(121)に関連付けられる、および/または前記プレイングフィールド(121)に属する設備に関連付けられる、少なくとも1つのインフラストラクチャモジュール(113)をさらに備え、
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記プレイングフィールド(121)の内側に、外側に、前記プレイングフィールド(121)において、前記プレイングフィールド(121)に接して、前記プレイングフィールド(121)の上に、前記プレイングフィールド(121)の下に、もしくは前記プレイングフィールド(121)の周りに、および/または、前記プレイングフィールド(121)の前記設備の内側に、外側に、前記設備において、前記設備に接して、前記設備の上に、前記設備の下に、もしくは前記設備の周りに配置され、
前記計算ユニット(13)が、前記インフラストラクチャモジュール(113)からインフラストラクチャベースのデータ(115)を受信し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および前記インフラストラクチャベースのデータ(115)に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記プレイングフィールド(121)の方を向いている、および/または、前記プレイングフィールド(121)の境界線(123,124,125,126)のうちの空間的に最も近いものに対して平行もしくは直角の方向を向いている、および/または、前記プレイングフィールド(121)の境界線(123,124,125,126)に沿った方向を向いている、指向性アンテナ(122)を備える、請求項7に記載のシステム(10)。
前記インフラストラクチャモジュール(113)が、前記選手モジュール(11)から、および/もしくは前記器具モジュール(12)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、ならびに/または、前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つが、前記インフラストラクチャモジュール(113)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、前記インフラストラクチャモジュール(113)、前記選手モジュール(11)、前記器具モジュール(12)、および前記計算ユニット(13)のうちの少なくとも1つが、測定された前記RSSI値に基づいて、
前記インフラストラクチャモジュール(113)と前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つとの間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド(121)上の前記選手モジュール(11)のうちの少なくとも1つと前記器具モジュール(12)との間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド(121)上の前記選手モジュール(11)および/もしくは前記器具モジュール(12)の絶対的な位置
を計算するように構成される、請求項7または8に記載のシステム(10)。
前記選手モジュール(11)が、前記器具モジュール(12)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、および/または、前記器具モジュール(12)が、前記選手モジュール(11)から受信された信号の受信信号強度指示(RSSI)値を測定するように構成され、前記選手モジュール(11)、前記器具モジュール(12)、および前記計算ユニット(13)のうちの少なくとも1つが、測定された前記RSSI値に基づいて、
前記選手モジュール(11)と前記器具モジュール(12)との間の相対的な空間距離、および/または、
前記プレイングフィールド上の前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)の絶対的な位置
を計算するように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム(10)。
前記計算ユニット(13)が、前記選手モジュール(11)および前記器具モジュール(12)のうちの少なくとも1つから受信信号強度指示(RSSI)値を受信し、前記選手(11')の前記活動プロファイル(14c)に基づいて、および前記器具(12')の前記運動プロファイル(16c)に基づいて、および受信された前記RSSI値に基づいて、前記選手(11')および前記器具(12')に関わる複数の試合シナリオ(18)のうちの前記1つを決定するように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム(10)。