特表2021-529086(P2021-529086A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-529086多層マット被覆面作成プロセス及び多層被覆面を有する産品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-529086(P2021-529086A)
(43)【公表日】2021年10月28日
(54)【発明の名称】多層マット被覆面作成プロセス及び多層被覆面を有する産品
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/38 20060101AFI20211001BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20211001BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20211001BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20211001BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20211001BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20211001BHJP
【FI】
   B05D1/38
   B05D3/06 101Z
   B05D3/06 102Z
   B32B27/16 101
   B32B27/32 Z
   B32B27/18 Z
   B32B27/00 E
   B05D3/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2020-573253(P2020-573253)
(86)(22)【出願日】2019年7月1日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月17日
(86)【国際出願番号】PL2019000050
(87)【国際公開番号】WO2020009592
(87)【国際公開日】20200109
(31)【優先権主張番号】P.426181
(32)【優先日】2018年7月2日
(33)【優先権主張国】PL
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517130920
【氏名又は名称】シャトデツォル スプウカ ス オルガニザツィーノン オトゥポビエジャルノシチョン
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノワキ マテウシュ
(72)【発明者】
【氏名】スムス ミハエル
(72)【発明者】
【氏名】シェイヴィアン イェルジィ
(72)【発明者】
【氏名】コニエクズニィ クシシュトフ
【テーマコード(参考)】
4D075
4F100
【Fターム(参考)】
4D075AE03
4D075AE13
4D075BB42Z
4D075BB43Z
4D075BB44Y
4D075BB44Z
4D075BB46Z
4D075BB47Z
4D075BB94Y
4D075BB94Z
4D075CA15
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4D075DA04
4D075DB18
4D075DB21
4D075DB31
4D075DC38
4D075EB13
4D075EB23
4D075EB56
4F100AK01A
4F100AK04B
4F100AK25B
4F100AK25C
4F100AP00A
4F100AT00A
4F100BA03
4F100BA07
4F100CA19B
4F100DD07B
4F100DG10A
4F100EH46B
4F100EH46C
4F100EJ08B
4F100EJ08C
4F100EJ52B
4F100EJ53B
4F100EJ53C
4F100EJ54
4F100GB81
4F100HB31A
4F100JB14B
4F100JB14C
4F100JN21
4F100JN26
(57)【要約】
多層マット被覆面作成方法に関する発明であり、層間被覆接合強度改善性添加物入り被覆の層(4)でキャリア(1)を被覆する。その被覆層を、172nmなる波長のエキシマ輻射に対し露出させた後、その被覆のゼラチン化を達成するのに必要な照射量の電子ビームで以て或いはUV輻射で以て処置することで、適切なゼラチン化効果を獲得する。接合強度改善性添加物を伴う他の少なくとも1個の被覆層をこの第1層に付加し、それをエキシマ輻射に対し且つ第1層のそれと同じ照射量で以て電子ビーム又はUV輻射に対し再露出させ、またその第2層が外層即ち最終層(6)であるなら、その表面全体を、全被覆層の重合プロセスを終了させるのに必要な照射量の電子ビームで以て処置するか適切なUV輻射で以て処置することで、適切な硬化効果を達成する。本発明は、本発明に係る方法で以て得られる多層マット被覆面を有する家具製品にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア上にありEB又はUV被覆付加機で以て仕上げられた多層マット被覆面を作成する方法であって、そのキャリア(1)を、被覆付加システムにより層間被覆接合強度改善性添加物入りの被覆層(4)で以て被覆した上で、その付加された被覆層を、172nmなる波長を有するエキシマ輻射に対し露出させた後、その被覆を、2〜7kGyなる照射量、即ち被覆のゼラチン化状態を達成するのに必要な照射量に相当する照射量を有する電子ビームで以て、或いはUV輻射で以て処置することで適切なゼラチン化効果を果たし、この第1層に、接合強度改善性添加物を伴う他の少なくとも1個の被覆層を付加し、それをエキシマ輻射と第1層向けのそれと同じ照射量を有する電子ビーム又はUV輻射とに対し再露出させ、その第2層が外層即ち最終層(6)であるなら、その表面全体を、最低35kGyの照射量を有する電子ビームで以て処置することで全被覆層の重合プロセスを終了させ又は適切なUV輻射で以て処置することで、適切な硬化効果を達成することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に係る方法であって、上記被覆接合強度改善性添加物を、超高感度ポリエチレンを基礎としプロポキシル化グリセロールトリアクリレートの添加を伴う微粉化ワックスをもとに開発された、添加物の集合から選択することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に係る方法であって、上記被覆を、2〜6kGyなる照射量を有する電子ビームで以て処置することを特徴とする方法。
【請求項4】
多層被覆面及びキャリアを有する家具製品であって、少なくとも、請求項1〜3のうち何れか一項に係る方法により得られる多層マット被覆面で以て被覆されたキャリア(1)を有し、それが、上記接合強度改善性添加物を5〜30重量%なる分量含有する少なくとも一種類の被覆(4)で以て被覆されており、その家具製品の三次元効果が相異なる諸層の個別構造に由来することを特徴とする製品。
【請求項5】
請求項4に係る製品であって、上記キャリア(1)が紙又は石油ベース箔、或いは化学物質箔、或いは木材ベース板材であることを特徴とする製品。
【請求項6】
請求項4に係る製品であって、上記キャリア(1)が印象層(2)を有することを特徴とする製品。
【請求項7】
請求項4に係る製品であって、後続諸層(4,6)が、完成重合度まで硬化された後に、相異なる光沢度を呈することを特徴とする製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、多層マット(艶消し)被覆面作成方法、並びに多層マット被覆面が紙箔又はプラスチックキャリア上、とりわけBOPP、CPP及びPVC上にある産品である。
【0002】
本発明は家具表面作成に適用することができる。これを用いることで、メラミン面作成に際し構造を提供することもできる。
【背景技術】
【0003】
家具表面上で用いられる装飾被覆素材には、紙箔やプラスチック箔を、未印刷のまま或いは凹版、フレキソ、ディジタル印刷等々により印刷して、無色又は有色被覆で覆ったものがある。
【0004】
既知のものには、例えば抗接着特性を有する特殊塗料により構造の印刷がなされた凹状三次元被覆面と、塗料とエクステンダ又はワニスとで構造の多重印刷がなされた凸状面とがある。別の分類法により表面を分類すると、その三次元構造が印刷模様を反映している同期面と、その三次元構造が印刷模様を反映していない非同期面とになる。
【0005】
実際的な理由から、また消費者の美的嗜好に鑑み、家具製造者らは家具生産にマット仕上げ板材を用いている。現在既知のテクノロジによれば、水性EB被覆(その被覆の重合が電子ビームにより果たされるもの)やUV被覆(その被覆の重合が紫外光により果たされるもの)を艶消し剤と併用することで、被覆面にマット仕上げを施すことができる。
【0006】
そうした仕上げの例にはSchattdecor社の製品、例えば平坦面Smartfoil(登録商標)、三次元凹面Smartfoil(登録商標)Real、並びに三次元凸面Smartfoil(登録商標)Evo及びSmartfoil(登録商標)3Dがある。艶消し剤は被覆のレオロジー特性(流動性)に対し悪影響を及ぼし被覆プロセス、特に塗料ローラ等のアプリケータ装置上に堆積させることによるそれを複雑化させる。三次元構造印刷に用いられる被覆剤への艶消し剤添加も、その艶消し粒子のサイズが大きいことから、高精細スクリーンルーリング(線数)で構造を作成する上で制約となる。実際のところ、5°未満の(60°幾何時計測)光沢度を有する家具箔に係る化学及び機械標準を達成することは、非常に難しい。
【0007】
既知手段により6°未満の光沢度を表面上で達成するには、172nmなる波長を有するエキシマランプ放射光に対し、特別な種類のUV又はEB被覆を露出させればよい。
【0008】
そうしたマット面作成方法の一つは、紙上にEB被覆層を付加し、それをエキシマランプで以て処置した上で、電子ビーム(EB)で以てそれを最大限に硬化させる、というものである。しかしながら、この方法では、平坦な単層面を1個得ることしかできない。家具産業にてそれらの層に対し要請される接合強度を確保しつつ、硬化後の被覆面に他層を付加することができないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、少なくとも1個の被覆層がエキシマに対し露出されひいては艶消し剤使用無しでそれが艶消しされる多層三次元被覆家具表面作成方法を、開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
知見によれば、付加された被覆層を172nmなる波長を有する光に対し露出させた上で、部分EB又はUV硬化によりそれをゼラチン化(糊化)させる要領にて、それら付加、エキシマ処置及びゼラチン化のプロセスを反復することで、全被覆層を完全硬化(完全重合)させることができる。得られる表面は、層剥離への耐性、液体の影響への耐性並びに機械抵抗に関する家具産業の要請を、充足する面となる。
【0011】
本発明の神髄は、層間被覆接合強度を増強する添加物入りの被覆層で以てキャリアが被覆されることにある。その被覆はコーティングシステムで以て付加される。その上で、付加された被覆層をまず172nmなる波長を有するエキシマ輻射に対し露出させた後、2〜7kGyなる照射量で以て電子ビームに対し露出させる。これはその被覆をゼラチン化するのに必要な照射量である。ゼラチン化度をFTIR試験により判別したところ、1191cm−1なる波長では3〜5kGyなる照射量範囲での透過率値が45%〜50%に達し、約2922及び2878cm−1なる波長を有する二波間の透過率差が約5%に達し、また約1100cm−1なる波長での透過率値が約1160cm−1なる波の透過率に比べ低くなった。上記被覆をUV輻射に対し露出させることでも、同等のゼラチン化効果を得ることができる。この処置の後、接合強度改善性添加物を伴う別の被覆層を最初の被覆層上に付加し、それをも、エキシマ輻射と電子ビーム又はUV輻射とに、最初の層即ち第1層のそれと同じ照射量で以て露出させる。その層即ち第2層が外層即ち最終層であるなら、表面全体を、最低35kGyなる照射量で以て電子ビームに対し、或いはそれと等価なUV輻射に対し露出させることで、全被覆層の重合プロセスを完遂させる。第2層が最終層でなければ、第2層を、専ら、エキシマ輻射に対し且つ電子ビーム又はUV輻射に対し、第1層のそれと同じ照射量で以て露出させる。被覆がゼラチン化即ち部分硬化しているので、表面全体又はその一部分にn個の被覆層を付加することができる。完全重合後における照射量40kGyでの透過率値は、1191cm−1なる波長では60%超となり、約2922及び2878cm−1なる波長の二波間の透過率差は約10%に達し、また約1100cm−1なる波長での透過率値は約1160cm−1なる波での透過率以上となる。被覆接合強度改善性添加物を選択する際に、超高感度ポリエチレンを基礎としプロポキシル化グリセロールトリアクリレートの添加を伴う微粉化ワックスを基礎とする添加物の集合から、選ぶことが有用である。
【0012】
2〜6kGyなる照射量での電子ビーム処置にその被覆を供することで、層間接合強度を確保することも、有益である。
【0013】
所望の構造を、被覆機内又は印刷兼被覆機内に1回通すことでオンライン作成することも、数個の機械で以て又は単一機械に数回通すことでオフライン作成することもできるが、本プロセスではオンライン法の方が望ましい。
【0014】
多層被覆面を有する本産品の神髄は、上述の諸手段のうち一つにより得られる多層マット被覆面で以て被覆された少なくとも1個のキャリアを有していること、5〜30重量%なる分量の接合強度改善性添加物を含有する少なくとも一種類の被覆で以てその表面が被覆されていること、それにより層間接合強度が確保されることにある。本家具製品の三次元効果は様々な層の個別構造の帰結である。
【0015】
キャリア素材を紙又は石油ベース箔、或いは化学物質箔、或いは木材ベース板材とすることが有益である。
【0016】
キャリアに印刷層が備わるようにすることも有益である。
【0017】
完成重合度まで硬化された後、後続諸層が相異なる光沢度を呈するようにすることも有益である。
【0018】
本発明の主題について諸実施形態に沿い説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】例1a記載の如く同期ポジ型で以て得られる効果付の家具箔の断面を示す図である。
図2】例1b記載の如く非同期ポジ型で以て得られる効果を示す図である。
図3】ネガ型で以て得られる同期効果付の箔の断面を描いた図である。
図4】非同期効果付のそれを示す図である。
図5】キャリア上への重ね刷りを伴う多層箔の断面を表した図である。
図6】ポジ型で以て得られる家具箔であり、無印刷紙によりもたらされる色効果を伴う2個の被覆層を有するものの、断面を表した図である。
図7】3個の被覆層を有する類種箔の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[例1a…ポジ型,同期効果]
この箔生産プロセスは輪転凹版印刷に基礎をおいている。紙箔で作成されているキャリア1上に木目調意匠模様2を付加する。適切な硬度のラバーで被覆されている特殊ローラで以てそれを印刷シリンダに押し付けることで、その意匠をそのバンド上に転写させる。そのシリンダをフィードローラで以て回動トナー容器内に浸漬させる。印刷シリンダ上の可調スクレーパブレードにより余分な塗料を除去する。その上で、その塗料付のバンドを、高温空気チャンバ内で乾燥させた後、次の印刷ユニットへと移送する。そのキャリアを3個の印刷ステーションに通す。このプロセスを、水溶性塗料を用い実行する。
【0021】
次工程では保護層3で以てキャリア1を被覆する。プライマ3717.212付加用の特殊な凹版シリンダによりこれを達成する。シリンダにより約6g/mのプライマを付加し、塗料同様、140℃なる温度にてガス乾燥機内で硬化させる。
【0022】
次工程では3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、その被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0023】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0024】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0025】
その上で、主意匠の様々な要素に係る同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造6の刷り込みに用いる被覆剤Bの組成は
・FLE27800 …1パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0026】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0027】
得られる箔は図1に表す断面を有するものであり、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、触覚的な印象をももたらしている。その「多孔質」構造は主意匠の様々な要素と相関していて、1〜2°の60°幾何時計測光沢度を有するものとなる。
【0028】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【0029】
[例1b…ポジ型,非同期効果]
紙箔で構成されているキャリア1上に、例1aにて提示したそれと同じ要領で意匠及び保護層を付加する。
【0030】
次工程では3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの部分では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0031】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0032】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0033】
その上で、主意匠の様々な要素に係る非同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造6の刷り込みに用いる被覆剤Bの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0034】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0035】
得られる箔は図2に表す断面を有するものであり、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、触覚的な印象をももたらしている。その「多孔質」構造は主意匠の様々な要素と相関しておらず、1〜2°の60°幾何時計測光沢度を有するものとなる。
【0036】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【0037】
[例2a…ネガ型,同期効果]
紙箔で構成されているキャリア1に、例1aにて提示したそれと同じ要領で意匠2及び保護層3を付加する。
【0038】
次工程では3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの部分では、被覆剤Aの組成を
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0039】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0040】
この段階を経て得られる表面には、60°幾何時計測光沢度が1〜2°、85°幾何時計測光沢度が8°超、という特徴がある。
【0041】
この生産プロセスの次工程では、主意匠の様々な要素に対し同期的な構造を付加する。
【0042】
その構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FL27692 …1パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0043】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0044】
ネガ型凹版シリンダで以て付加され硬化された被覆層の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。この種の箔の断面を図3に示す。
【0045】
[例2b…ネガ型,非同期効果]
この手順は例2aのそれと同じであり、予備重合(ゼラチン化)向けの生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0046】
この段階を経て得られる表面には、60°幾何時計測光沢度が1〜2°、85°幾何時計測光沢度が8°超、という特徴がある。
【0047】
この生産プロセスの次工程では、主意匠の様々な要素に対し非同期な構造6を付加する。
【0048】
この構造を付加する際に用いる被覆剤B,6は例2aでのそれと同じ組成とする。後の諸工程も例2aでのそれと同じである。得られる製品の光沢パラメタは例2aでのそれに類似している。この種の箔の断面を図4に示す。
【0049】
[例3…n個の被覆層]
この手順は例1aのそれと同じであり、予備重合(ゼラチン化)向けの生成器パラメタ設定は
・照射量 3kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0050】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0051】
その上で、主意匠の様々な要素に係る同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造5の付加に用いる被覆剤Cの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FL27692 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0052】
得られる構造の秤量は3g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0053】
その上で、凹版シリンダを有するステーションにそのキャリアバンドを移送する。構造6の刷り込みに用いる被覆剤Bの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0054】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0055】
得られるのは艶消し効果付の三次元構造である。それに相応する断面を図5に示す。
【0056】
[例4a…オフライン印刷,非同期,ポジ型]
紙箔で構成されているキャリア1上に、例1aにて提示したそれと同じ要領で意匠2及び保護層3を付加する。以下の技術サイクルでは、3WSコーティングシステムにより被覆機内で、第1層たるEB被覆4を付加する。
【0057】
本プロセスのこの部分では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0058】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0059】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0060】
その上で、主意匠の様々な要素に対し非同期な模様6を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。その構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.05パート
とする。
【0061】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0062】
得られる箔は図2に表す断面を有するものであり、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、触覚的な印象をももたらしている。その「多孔質」構造は主意匠の様々な要素と相関しておらず、1〜2°の60°幾何時計測光沢度及び8°超の85°幾何時計測光沢度を有するものとなる。
【0063】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【0064】
[例4b…オフライン印刷,非同期ネガ型]
紙箔で構成されているキャリア1に、例1aにて提示したそれと同じ要領で意匠2及び保護層3を付加する。以下の技術サイクルでは、3WSコーティングシステムにより被覆機内で、第1層たるEB被覆4を付加する。
【0065】
本プロセスのこの部分では、被覆剤Aの組成を
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.1パート
とする。
【0066】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0067】
この段階を経て得られる表面は、1〜2°の60°幾何時計測光沢度及び8°超の85°幾何時計測光沢度を有するものとなる。
【0068】
次のオフライン技術サイクルでは、別の被覆機にて、その木目調意匠の様々な要素に対し非同期な構造6を付加する。
【0069】
本プロセスのこの段階では、被覆剤B,6の組成を
・FL27692 …1パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.2パート
とする。
【0070】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0071】
凹版シリンダで付加され硬化された被覆層の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。この種の箔の断面を図4に示す。
【0072】
[例5a…オフライン印刷,多数層,非同期,ポジ型]
この手順は例4aのそれと同じであり、被覆剤A,4の組成は
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0073】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 3kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0074】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0075】
その上で、主意匠の様々な要素に係る非同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造5の付加に用いる被覆剤Cの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FL27692 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0076】
得られる被覆の秤量は3g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0077】
その上で、凹版シリンダを有するステーションにそのキャリアバンドを移送する。構造6の刷り込みに用いる被覆剤Bの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.30パート
とする。
【0078】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0079】
最終被覆層の60°幾何時計測光沢度は1〜2°となる。
【0080】
得られるのは三次元マット構造であり、その断面を図5にて看取することができる。
【0081】
[例6…2個の層,キャリア上に塗料無し]
紙箔で構成されているキャリア1に、例1a記載のそれと同じ要領で、プライマ3717.212からなる保護基礎被覆3を付加する。
【0082】
次工程では、3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0083】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0084】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0085】
その上で、凹版シリンダを有するステーションにそのキャリアバンドを移送する。構造の刷り込みに用いる剤被覆B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0086】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0087】
付加された「多孔質」構造の60°幾何時計測光沢度は1〜2°となる。その断面を図6に示す。
【0088】
[例7…オフライン被覆,3個の層,キャリア上に塗料無し]
紙箔で構成されているキャリア1に、例1a記載のそれと同じ要領で、プライマ3717.212からなる保護基礎被覆3を付加する。
【0089】
次工程では、3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0090】
得られる被覆の秤量は10g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 3kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0091】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0092】
その上で、凹版シリンダを有するステーションにそのキャリアバンドを移送する。構造5の付加に用いる被覆剤Cの組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FL27692 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0093】
得られる被覆の秤量は3g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0094】
次のオフライン技術サイクルでは、凹版シリンダを有するステーションにて構造6をキャリアバンドに付加する。
【0095】
その構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0096】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0097】
最終被覆層の60°幾何時計測光沢度は1〜2°となる。
【0098】
得られるのは艶消し効果付の三次元構造であり、その断面が図7に示されている。
【0099】
[例8…BOPP箔,ポジ型,同期効果]
この箔生産プロセスは輪転凹版印刷に基礎をおいている。BOPP箔で構成されているキャリア1に木目調意匠模様2を付加する。適切な硬度のラバーで被覆されている特殊ローラで以てそれを印刷シリンダへと押し付けることで、その意匠をそのバンド上に転写させる。そのシリンダをフィードローラで以て回動トナー容器内に浸漬させる。印刷シリンダ上の可調スクレーパブレードにより余分な塗料を除去する。その上で、その塗料付のバンドを、IR輻射により乾燥させた後、次の印刷ユニットへと移送する。そのキャリアを3個の印刷ステーションに通す。このプロセスを、水溶性塗料を用い実行する。
【0100】
次工程では3WSコーティングシステムにより第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、その被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0101】
得られる被覆の秤量は10g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 4kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0102】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0103】
その上で、主意匠の様々な要素に係る同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0104】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0105】
得られる箔は、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、三次元印象をももたらしている。その「多孔質」構造は、主意匠の様々な要素と相関していて、1〜2°の60°幾何時計測光沢度を有するものとなる。
【0106】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【0107】
[例9…オフライン印刷,PML被覆…Rotodecor(商標)被覆機,ポジ型,非同期効果]
予め意匠2が刷り込まれ且つ例1aの如く3たるプライマ3717.212で以て処置されているキャリア1に、DKR(商標)コーティングシステムにより、第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0108】
得られる被覆の秤量は7g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0109】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0110】
その上で、エキシマ装置及びEBを有する単一のユニットが備わる被覆機のアンワインダ上に、キャリアバンドを再配置する。次のサイクルでは、主意匠の様々な要素に対し非同期な模様を有する凹版シリンダが備わるステーションへと、そのバンドを移送する。構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0111】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0112】
得られる箔は、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、三次元印象をももたらしている。その「多孔質」構造は、主意匠の様々な要素と相関しておらず、60°幾何時計測光沢度が1〜2°のものである。
【0113】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【0114】
[例10…オフラインディジタル刷り込み,ポジ型,非同期効果]
予めPalis(商標)ディジタルプリンタにより意匠2が刷り込まれ且つ3たるプライマ3717.212で以て処置されているキャリア1に、3WSコーティングシステムにより、第1層たるEB被覆4を付加する。本プロセスのこの段階では、被覆剤Aの組成を
・FL27692 …1.0パート
・FLE27800 …0.1パート
・FZ2711 …0.07パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0115】
得られる被覆の秤量は8g/mであり、それをエキシマランプに対し露出させた上で、PCT社のEB生成器内で予備重合プロセス(ゼラチン化)に供する。生成器パラメタ設定は
・照射量 5kGy
・高電圧 100kV
とする。
【0116】
得られる表面の60°幾何時計測光沢度は6°未満となる。
【0117】
その上で、主意匠の様々な要素に係る非同期模様を伴う凹版シリンダを有するステーションへと、そのキャリアバンドを移送する。構造の刷り込みに用いる被覆剤B,6の組成は
・FLE27800 …1.0パート
・FZ2720 …0.15パート
とする。
【0118】
その表面を、エキシマランプに対し露出させた上で、全被覆層の合計厚に亘りEB生成器内で電子により硬化させる。その硬化パラメタ値は
・照射量 40kGy
・高電圧 110kV
とする。
【0119】
得られる箔は、刷り込まれた意匠の視覚的効果の他に、三次元印象をももたらしている。その「多孔質」構造は、主意匠の様々な要素と相関しておらず、60°幾何時計測光沢度は1〜2°となる。
【0120】
両付加ユニットにおける混成被覆剤の内容には、個別層間接合強度を改善する特殊添加物という特徴がある。良好な接合強度を達成するための付加的な条件としては、第1マット面被覆作成段階にてそれら被覆を被覆層の予備重合(ゼラチン化)に供することがある。
【符号の説明】
【0121】
1 キャリア、2 印象層、3 保護層、4 第1エキシマ被覆層A、5 次のエキシマ被覆層C、6 最終エキシマ被覆層B。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】