特表2021-529221(P2021-529221A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-529221アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-529221(P2021-529221A)
(43)【公表日】2021年10月28日
(54)【発明の名称】アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用
(51)【国際特許分類】
   C09D 183/04 20060101AFI20211001BHJP
   C09D 5/02 20060101ALI20211001BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20211001BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20211001BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20211001BHJP
   C09D 7/65 20180101ALI20211001BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20211001BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20211001BHJP
   B05D 3/02 20060101ALI20211001BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20211001BHJP
【FI】
   C09D183/04
   C09D5/02
   C09D7/40
   C09D7/61
   C09D7/63
   C09D7/65
   B05D7/24 302Z
   B05D7/24 303E
   B05D7/24 303A
   B05D3/12 Z
   B05D3/02 A
   B05D3/02 C
   B05D3/00 D
   B05D7/24 302Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-547187(P2020-547187)
(86)(22)【出願日】2019年6月4日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月9日
(86)【国際出願番号】CN2019089935
(87)【国際公開番号】WO2020057174
(87)【国際公開日】20200326
(31)【優先権主張番号】201811106866.5
(32)【優先日】2018年9月21日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 紹純
(72)【発明者】
【氏名】侯 東帥
(72)【発明者】
【氏名】耿 永娟
(72)【発明者】
【氏名】張 文娟
(72)【発明者】
【氏名】金 祖権
(72)【発明者】
【氏名】朱 亜光
(72)【発明者】
【氏名】張 友来
【テーマコード(参考)】
4D075
4J038
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AE03
4D075AE05
4D075BB56Z
4D075BB60Z
4D075BB91Y
4D075BB93X
4D075CA33
4D075CA36
4D075CA38
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA06
4D075DB12
4D075DC01
4D075EA10
4D075EB13
4D075EB19
4D075EB33
4D075EB43
4D075EB47
4D075EB56
4D075EC07
4D075EC08
4D075EC30
4D075EC31
4D075EC45
4D075EC51
4D075EC53
4D075EC54
4J038CE012
4J038DF012
4J038DL021
4J038DL031
4J038DL081
4J038HA216
4J038JA18
4J038JA21
4J038KA06
4J038KA07
4J038KA16
4J038KA20
4J038LA02
4J038MA10
4J038NA03
4J038PB05
4J038PC04
(57)【要約】
【課題】アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法及び応用を開示する。
【解決手段】重量部で計算し、アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部との成分を含む原料から製造して得られるアルミナゾル−シラン複合材料である。複合材料の製造方法は、アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得て、シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得て、第一混合液と第二混合液を混合して、アルミナゾル−シラン複合材料を得ることを含む。複合材料を建物の表面に塗布すると、疎水性防食コーティングを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミナゾル5〜45重量部、シラン30〜90重量部、シランカップリング剤3〜10重量部及び分散剤1〜5重量部を含む原料で製造されたアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項2】
前記アルミナゾルの粒径は100〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項3】
前記アルミナゾルは、アルミニウムイソプロポキシドから、順次加水分解および重合により得られるものであることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項4】
前記加水分解のステップは、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を蒸留水に滴下し、加水分解を行うことを含むことを特徴とする請求項3に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項5】
前記蒸留水とイソプロパノールの質量比は1:2〜1:5であることを特徴とする請求項4に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項6】
前記加水分解の温度は35〜60℃であることを特徴とする請求項4に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項7】
前記重合のステップは、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解物を硝酸溶液に添加して重合させることを含むことを特徴とする請求項3に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項8】
前記重合の温度は40〜70℃であることを特徴とする請求項7に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項9】
前記硝酸溶液の濃度は0.5mol/L〜3mol/Lであることを特徴とする請求項7に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項10】
前記シランはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびオクチルトリエトキシシランのうちの1つ又は複数であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項11】
前記シランカップリング剤はγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランのうちの1つまたは複数であることを特徴とする請求項1または10に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項12】
前記分散剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1つ又は複数であることを特徴とする請求項1に記載のアルミナゾル−シラン複合材料。
【請求項13】
アルミナゾル−シラン複合材料の製造方法であって、
アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得るステップ(1)と、
シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得るステップ(2)と、
前記第一混合液と前記第二混合液を混合してアルミナゾル−シラン複合材料を得るステップ(3)とを含み、
前記ステップ(3)の混合は一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃であり、
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)には時系列がない請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルミナゾル−シラン複合材料の製造方法。
【請求項14】
前記ステップ(3)の混合方法は、前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加することであることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加する滴加速度は、独立して2〜10mL/minであることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
製造方法であって、前記ステップ(1)おけるシランカップリング剤の質量は、ステップ(1)とステップ(2)におけるシランカップリング剤の総質量の50%〜70%であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項17】
製造方法であって、前記ステップ(1)の混合の温度は35〜75℃であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項18】
製造方法であって、前記ステップ(2)の混合の温度は40〜70℃であることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項19】
建築用コーティングへの、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルミナゾル−シラン複合材料又は請求項13〜18のいずれか一項に記載の製造方法で得られたアルミナゾル−シラン複合材料の応用。
【請求項20】
応用であって、前記応用の方法は、
前記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mであることと、
塗布が終了した後、建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得することと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の表面コーティングの技術分野に関し、特にアルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外面コーティングは、建物の耐久性を向上させるための重要な手段の1つである。現在、一般的に使用されている建物の外面コーティングは、一般的に表面塗布型と表面浸透型の2種類に分けられる。
表面塗布型コーティングは、建物の外面にカバーコーティングを形成して、建物の表面の穴や亀裂等を封止し、それにより水分や腐食性物質が建物の材料の内部に入るのを防止するが、同時に建築材料内部の水の蒸発を抑制し、コーティング表面に水ぶくれや亀裂等の現象を引き起こすことが多く、建物の外観と耐久性に影響を与える。表面浸透型コーティングは、建築材料の内部に3〜5mm浸透でき、この領域に疎水性コーティングを形成し、これは、建物の外観に影響を与えず、エンジニアリングスタッフから普遍的な注目を受けた。
しかしながら、表面浸透型コーティングは、水分が建築材料の表面の亀裂を通じて建築材料の内部に入るのを防止しにくく、且つ浸透型コーティングの耐食性能が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用を提供することを目的とし、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料は、優れた防水性能と耐食性能を有する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術解決手段を提供する。
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。
好ましくは、前記アルミナゾルの粒径は100〜500nmである。
好ましくは、前記アルミナゾルの製造方法は、アルミニウムイソプロポキシドから順次加水分解及び重合によりそれを得ることを含む。
好ましくは、前記加水分解のステップは、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液、即ちアルミニウムイソプロポキシドをエタノールに溶解してなる溶液を蒸留水に滴下し、加水分解を行うことを含む。
好ましくは、前記蒸留水とイソプロパノールの質量比は1:2〜1:5である。
好ましくは、前記加水分解の温度は35〜60℃である。
好ましくは、前記重合のステップは、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解物を硝酸溶液に添加して重合させることを含む。
好ましくは、前記重合の温度は40〜70℃である。
好ましくは、前記硝酸溶液の濃度は0.5mol/L〜3mol/Lである。
好ましくは、前記シランはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびオクチルトリエトキシシランのうちの1つ又は複数である。
好ましくは、前記シランカップリング剤はγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランのうちの1つまたは複数である。
好ましくは、前記分散剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1つ又は複数である。
【0005】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料の製造方法を提供し、それは、
アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得るステップ(1)と、 シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得るステップ(2)と、
前記第一混合液と前記第二混合液を混合してアルミナゾル−シラン複合材料を得るステップ(3)とを含む。
前記ステップ(3)の混合は一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃であり、
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)には時系列がない。
好ましくは、前記ステップ(3)の混合方法は、前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加することである。
好ましくは、前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加する滴加速度は、独立して2〜10mL/minである。
好ましくは、前記ステップ(1)おけるシランカップリング剤の質量は、ステップ(1)とステップ(2)におけるシランカップリング剤の総質量の50%〜70%である。
好ましくは、前記ステップ(1)の混合の温度は35〜75℃である。
好ましくは、前記ステップ(2)の混合の温度は40〜70℃である。
【0006】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料または上記技術的解決手段に記載の製造方法で製造されたアルミナゾル−シラン複合材料の建築用コーティングへの応用を提供する。
好ましくは、前記応用の方法は、以下を含む。前記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mである。塗布が終了した後、建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。シランカップリング剤の作用下で、本発明の前記アルミナゾルとシランは化学反応によって結合され、分散剤の配合で、均一に分散し、防水性、耐食性に優れたアルミナゾル−シラン複合材料が得られる。実施例の結果により、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料をセメント基材の表面に塗布した後、セメント系材料の毛管吸水率はわずか28g・m−2・h−1〜55g・m−2・h−1であるが、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持っている。本発明では水に対する静的接触角は120°以上に達する可能性があるが、コーティングされていないセメント系材料では水に対する静的接触角はわずか50°である。本発明のセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は0.8×10−12・s−1〜5.4×10−12・s−1であるが、コーティングされていないセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1であり、本発明によって提供されるアルミナゾル−シラン複合材料は、セメント系材料の表面にコーティングを形成した後、疎水性および耐腐食性を有することが分かる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。
重量部で計算すると、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、5〜45部のアルミナゾルを含み、好ましくは5〜25部、より好ましくは、15〜25部である。本発明において、前記アルミナゾルの粒径は、好ましくは100〜500nm、より好ましくは200〜400nmである。本分野における従来の知識では、前記アルミナゾルの粒径とは、アルミナゾル中のアルミナの粒径を指し、これは本発明にも当てはまる。本発明は、前記アルミナゾルの粒径を上記範囲に制御することは、最終的なアルミナゾル−シラン複合材料の防水性および耐食性を改善するために有利である。
本発明の前記アルミナゾルは、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシドから、順次加水分解および重合により得られるものである。
本発明において、前記アルミニウムイソプロポキシドは、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液の形態で提供され、前記アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液の調製方法は、好ましくはアルミニウムイソプロポキシドとエタノールを超音波分散して均一に混合して、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を得ることである。前記アルミニウムイソプロポキシドとエタノールの質量比は、好ましくは1:3〜1:10、より好ましくは1:3〜1:7である。
本発明は、好ましくは前記アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を加水分解のために撹拌しながら蒸留水に滴下し、加水分解物を得る。本発明において、前記加水分解は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記加水分解の温度は、好ましくは35〜60℃、より好ましくは45℃である。本発明において、前記撹拌の速度は、好ましくは1500〜3500r/min、より好ましくは2000r/minであり、前記滴加の速度は、好ましくは2〜10mL/minである。滴加が完了した後、本発明は、好ましくは混合液を1〜2h撹拌し続け、次に45〜75℃の一定温度下で24h静置し、加水分解物を得る。本発明において、前記蒸留水とアルミニウムイソプロポキシドの質量比は、好ましくは1:2〜1:5である。
加水分解物を得た後、本発明は、前記加水分解物を重合し、アルミナゾルを得る。本発明はまた、好ましくは前記加水分解物を硝酸溶液に添加して重合し、アルミナゾルを得る。本発明において、前記重合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記重合の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。前記硝酸溶液の濃度は、好ましくは0.5mol/L〜3mol/L、より好ましくは1mol/L〜1.5mol/Lである。前記硝酸溶液の使用量は、好ましくは加水分解物質量の5%〜30%、より好ましくは10%〜15%である。添加が完了した後、本発明は、好ましくは1〜10時間撹拌し続ける。
本発明は、加水分解及び重合反応の条件を制御することにより、得られたアルミナゾルの粒径は100〜500nmである。本発明は、前記アルミニウムイソプロポキシド、エタノール、蒸留水及び硝酸溶液の供給源について特別な要件はなく、当業者に周知の供給源からのアルミニウムイソプロポキシド、エタノール、蒸留水、及び硝酸溶液を使用すればよい。
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、30〜90部のシランを含み、好ましくは30〜70部、より好ましくは、50〜70部である。本発明において、前記シランは、好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびオクチルトリエトキシシランのうちの1つ又は複数である。本発明は前記シランの供給源について特別な要件はなく、市販の製品など、当業者に周知の供給源からのシランを使用すればよい。
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、3〜10部のシランカップリング剤を含み、好ましくは3〜8部である。本発明において、前記シランカップリング剤は、好ましくはγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランのうちの1つまたは複数である。本発明に記載のN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシランは、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランとN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランとを意味する。本発明は前記シランカップリング剤の供給源について特別な要件はなく、当業者に周知の市販シランカップリング剤を使用すればよい。
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、1〜5部の分散剤を含み、好ましくは2〜4部である。本発明において、前記分散剤は、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1つ又は複数である。本発明は、前記分散剤の供給源に特別な要件はなく、当業者に周知の供給源からの散剤を使用すればよい。
【0009】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料の製造方法を提供し、それは、
アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得るステップ(1)と、
シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得るステップ(2)と、
前記第一混合液と第二混合液を混合してアルミナゾル−シラン複合材料を得るステップ(3)とを含む。
前記ステップ(3)の混合は一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃であり、
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)には時系列がない。
本発明は、アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得る。本発明において、前記混合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は、好ましくは35〜75℃、より好ましくは40℃である。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌混合であり、本発明は、前記撹拌混合の速度及び時間について特別な要件ななく、均一な混合効果を達成できればよい。
本発明は、シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得る。本発明において、前記混合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌混合であり、本発明は、前記撹拌混合の速度及び時間について特別な要件ななく、均一な混合効果を達成できればよい。本発明は、前記第一混合液の調製プロセス中に、前記シランカップリング剤の質量は、好ましくは第一混合液及び第二混合液の調製プロセスにおけるシランカップリング剤の総質量の20〜70%、より好ましくは50〜70%である。
本発明の前記第一混合液及び第二混合液の調製には時系列がない。本発明において、第一混合液と第二混合液のどちらを先に調製しても、アルミナゾル−シラン複合材料の製造には影響しない。
第一混合液及び第二混合液を得た後、本発明は、前記第一混合液と第二混合液を混合し、アルミナゾル−シラン複合材料を得る。本発明において、前記混合は、一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃、好ましくは70℃である。本発明において、 前記第一混合液と第二混合液を混合する前、本発明は、好ましくは前記第二混合液を24時間静置する。前記静置は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記静置の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。本発明の前記静置は、第二混合液をより均一にすることができる。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌条件下で行われ、前記撹拌の速度は、好ましくは2000〜5000r/min、より好ましくは3000〜4000r/minである。本発明において、前記混合の方法は、好ましくは滴加の方法を用い、第一混合液を第二混合液に滴加し、又は第二混合液を第一混合液に滴加する。本発明の前記滴加の速度は、好ましくは2〜10mL/minであり、前記滴加は、シランとアルミナゾルが完全かつ均一に反応することに有利で、局所的な急速な反応によって引き起こされる不均一な生成物を回避する。
本発明は、前記第一混合液と第二混合液を混合し、前記アルミナゾルとシランは、シランカップリング剤の作用下で、化学反応が発生して結合され、分散剤の配合で均一に分散し、防水性、耐食性に優れたアルミナゾル−シラン複合材料が得られる。
【0010】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料または上記技術的解決手段に記載の製造方法で製造されたアルミナゾル−シラン複合材料の建築用コーティングへの応用を提供する。本発明は、前記応用の実施形態について特別な要件はなく、当業者に周知の実施形態を使用すればよい。本発明において、前記応用は具体的には以下である。前記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mである。塗布が終了した後、建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得する。本発明は、前記塗布のついて方法に特別な要件はなく、スプレーコーティング、ローラーコーティングまたはブラシコーティングなどの当業者に周知の塗布方法を使用すればよい。
【0011】
以下に実施例を参照しながら本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用を詳しく説明するが、それらを本発明の保護範囲への制限として理解することができない。
アルミナゾルの製造
(1)重量部で計算すると、1部のアルミニウムイソプロポキシドと5部のエタノールを超音波で分散して均一に混合し、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を得る。
(2)三口フラスコに3部の蒸留水を添加して恒温水槽に入れ、2000r/minの一定回転速度で撹拌し、次にアルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を滴加し、45℃の一定温度で、2500r/minで一定回転速度で1時間撹拌し、次にボトル栓を取り外し、60℃の一定温度条件下で1時間開口して撹拌し、加水分解物を得る。
(3)加水分解物に1部の硝酸溶液を添加し、50℃の一定温度で、2時間撹拌し、アルミナゾルを得る。
【0012】
以下の実施例は、すべて上記方法で製造して得られたアルミナゾルを原料とする。
【実施例1】
【0013】
重量部で計算し、15部のアルミナゾルと1部のγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランを50℃の温度で撹拌混合し、第一混合液を形成し、
75部のイソブチルトリエトキシシラン、4部のγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランと5部のポリエチレングリコール2000を60℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を60℃の温度で24h静置し、次に、60℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に2回スプレーし、合計600g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は128°に達し、毛管吸水率は50.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は5.0×10−12・s−1である。
【実施例2】
【0014】
重量部で計算し、20部のアルミナゾルと3部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを40℃の温度で撹拌混合して第一混合液を形成し、
70部のオクチルトリエトキシシラン、3部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランと4部のポリビニルアルコール1750を50℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を50℃の温度で24h静置し、次に、70℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に3回スプレーし、合計400g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、4日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は137°に達し、毛管吸水率は31.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は2.0×10−12・s−1である。
【実施例3】
【0015】
重量部で計算し、40部のアルミナゾルと5部のN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを40℃の温度で撹拌混合して第一混合液を形成し、
50部のビニルトリエトキシシラン、3部のN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランと2部のグリセリンを40℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を40℃の温度で24h静置し、次に、60℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に4回ブラシコーティングし、合計800g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、5日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は127°に達し、毛管吸水率は49.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は1.0×10−12・s−1である。
【比較例】
【0016】
コーティングされていないセメント系材料で性能試験を実行し、試験後、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持って、水に対する静的接触角は50°で、塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1である。
【0017】
以上の実施例及び比較例からわかるように、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料をセメント基板の表面に塗布した後、セメント系材料の毛管吸水率はわずか28g・m−2・h−1〜55g・m−2・h−1であるが、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持っている。本発明では水に対する静的接触角は120°以上に達する可能性があるが、コーティングされていないセメント系材料では水に対する静的接触角はわずか50°である。本発明のセメント系材料では塩化物イオン拡散係数はわずか0.8×10−12・s−1〜5.4×10−12・s−1であるが、コーティングされていない同じセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1であり、本発明によって提供されるアルミナゾル−シラン複合材料は、セメント系材料の表面にコーティングを形成した後、疎水性および耐腐食性を有することが分かる。
【0018】
以上の実施例の説明は本発明の方法及びそのコアアイデアを理解するように寄与するものに過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明はまた、いくつかの改良や変更を受けることができ、これらの改良や変更も本発明の特許請求の範囲の保護範囲に含まれることに留意すべきである。当業者であれば、これらの実施例に対する複数種の修正は自明であり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。したがって、本発明は、本明細書に示される実施例に限定されず、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲として釈明されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020年9月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年9月21日に中国特許庁に提出された、出願番号201811106866.5、発明の名称「アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用」の中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体が参照により本出願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、建物の表面コーティングの技術分野に関し、特にアルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用に関する。
【背景技術】
【0003】
建物の外面コーティングは、建物の耐久性を向上させるための重要な手段の1つである。現在、一般的に使用されている建物の外面コーティングは、一般的に表面塗布型と表面浸透型の2種類に分けられる。
表面塗布型コーティングは、建物の外面にカバーコーティングを形成して、建物の表面の穴や亀裂等を封止し、それにより水分や腐食性物質が建物の材料の内部に入るのを防止するが、同時に建築材料内部の水の蒸発を抑制し、コーティング表面に水ぶくれや亀裂等の現象を引き起こすことが多く、建物の外観と耐久性に影響を与える。表面浸透型コーティングは、建築材料の内部に3〜5mm浸透でき、この領域に疎水性コーティングを形成し、これは、建物の外観に影響を与えず、エンジニアリングスタッフから普遍的な注目を受けた。
しかしながら、表面浸透型コーティングは、水分が建築材料の表面の亀裂を通じて建築材料の内部に入るのを防止しにくく、且つ浸透型コーティングの耐食性能が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用を提供することを目的とし、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料は、優れた防水性能と耐食性能を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術解決手段を提供する。
【0006】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。
好ましくは、前記アルミナゾルの粒径は100〜500nmである。
好ましくは、前記アルミナゾルの製造方法は、アルミニウムイソプロポキシドから順次加水分解及び重合によりそれを得ることを含む。
好ましくは、前記加水分解のステップは、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液、即ちアルミニウムイソプロポキシドをエタノールに溶解してなる溶液を蒸留水に滴下し、加水分解を行うことを含む。
好ましくは、前記蒸留水とイソプロパノールの質量比は1:2〜1:5である。
好ましくは、前記加水分解の温度は35〜60℃である。
【0007】
好ましくは、前記重合のステップは、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解物を硝酸溶液に添加して重合させることを含む。
好ましくは、前記重合の温度は40〜70℃である。
好ましくは、前記硝酸溶液の濃度は0.5mol/L〜3mol/Lである。
好ましくは、前記シランはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびオクチルトリエトキシシランのうちの1つ又は複数である。
【0008】
好ましくは、前記シランカップリング剤はγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランのうちの1つまたは複数である。
好ましくは、前記分散剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1つ又は複数である。
【0009】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料の製造方法を提供し、それは、
アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得るステップ(1)と、 シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得るステップ(2)と、
前記第一混合液と前記第二混合液を混合してアルミナゾル−シラン複合材料を得るステップ(3)とを含む。
前記ステップ(3)の混合は一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃であり、
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)には時系列がない。
【0010】
好ましくは、前記ステップ(3)の混合方法は、前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加することである。
好ましくは、前記第一混合液を第二混合液に滴加するか又は前記第二混合液を第一混合液に滴加する滴加速度は、独立して2〜10mL/minである。
好ましくは、前記ステップ(1)おけるシランカップリング剤の質量は、ステップ(1)とステップ(2)におけるシランカップリング剤の総質量の50%〜70%である。
好ましくは、前記ステップ(1)の混合の温度は35〜75℃である。
好ましくは、前記ステップ(2)の混合の温度は40〜70℃である。
【0011】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料または上記技術的解決手段に記載の製造方法で製造されたアルミナゾル−シラン複合材料の建築用コーティングへの応用を提供する。
好ましくは、前記応用の方法は、以下を含む。前記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mである。塗布が終了した後、建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。シランカップリング剤の作用下で、本発明の前記アルミナゾルとシランは化学反応によって結合され、分散剤の配合で、均一に分散し、防水性、耐食性に優れたアルミナゾル−シラン複合材料が得られる。実施例の結果により、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料をセメント基材の表面に塗布した後、セメント系材料の毛管吸水率はわずか28g・m−2・h−1〜55g・m−2・h−1であるが、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持っている。本発明では水に対する静的接触角は120°以上に達する可能性があるが、コーティングされていないセメント系材料では水に対する静的接触角はわずか50°である。本発明のセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は0.8×10−12・s−1〜5.4×10−12・s−1であるが、コーティングされていないセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1であり、本発明によって提供されるアルミナゾル−シラン複合材料は、セメント系材料の表面にコーティングを形成した後、疎水性および耐腐食性を有することが分かる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、アルミナゾル−シラン複合材料を提供し、重量部で計算すると、以下の成分を含む原料から製造して得られる:アルミナゾル5〜45部、シラン30〜90部、シランカップリング剤3〜10部及び分散剤1〜5部。
重量部で計算すると、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、5〜45部のアルミナゾルを含み、好ましくは5〜25部、より好ましくは、15〜25部である。本発明において、前記アルミナゾルの粒径は、好ましくは100〜500nm、より好ましくは200〜400nmである。本分野における従来の知識では、前記アルミナゾルの粒径とは、アルミナゾル中のアルミナの粒径を指し、これは本発明にも当てはまる。本発明は、前記アルミナゾルの粒径を上記範囲に制御することは、最終的なアルミナゾル−シラン複合材料の防水性および耐食性を改善するために有利である。
【0014】
本発明の前記アルミナゾルは、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシドから、順次加水分解および重合により得られるものである。
本発明において、前記アルミニウムイソプロポキシドは、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液の形態で提供され、前記アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液の調製方法は、好ましくはアルミニウムイソプロポキシドとエタノールを超音波分散して均一に混合して、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を得ることである。前記アルミニウムイソプロポキシドとエタノールの質量比は、好ましくは1:3〜1:10、より好ましくは1:3〜1:7である。
【0015】
本発明は、好ましくは前記アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を加水分解のために撹拌しながら蒸留水に滴下し、加水分解物を得る。本発明において、前記加水分解は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記加水分解の温度は、好ましくは35〜60℃、より好ましくは45℃である。本発明において、前記撹拌の速度は、好ましくは1500〜3500r/min、より好ましくは2000r/minであり、前記滴加の速度は、好ましくは2〜10mL/minである。滴加が完了した後、本発明は、好ましくは混合液を1〜2h撹拌し続け、次に45〜75℃の一定温度下で24h静置し、加水分解物を得る。本発明において、前記蒸留水とアルミニウムイソプロポキシドの質量比は、好ましくは1:2〜1:5である。
【0016】
加水分解物を得た後、本発明は、前記加水分解物を重合し、アルミナゾルを得る。本発明はまた、好ましくは前記加水分解物を硝酸溶液に添加して重合し、アルミナゾルを得る。本発明において、前記重合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記重合の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。前記硝酸溶液の濃度は、好ましくは0.5mol/L〜3mol/L、より好ましくは1mol/L〜1.5mol/Lである。前記硝酸溶液の使用量は、好ましくは加水分解物質量の5%〜30%、より好ましくは10%〜15%である。添加が完了した後、本発明は、好ましくは1〜10時間撹拌し続ける。
【0017】
本発明は、加水分解及び重合反応の条件を制御することにより、得られたアルミナゾルの粒径は100〜500nmである。本発明は、前記アルミニウムイソプロポキシド、エタノール、蒸留水及び硝酸溶液の供給源について特別な要件はなく、当業者に周知の供給源からのアルミニウムイソプロポキシド、エタノール、蒸留水、及び硝酸溶液を使用すればよい。
【0018】
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、30〜90部のシランを含み、好ましくは30〜70部、より好ましくは、50〜70部である。本発明において、前記シランは、好ましくはメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランおよびオクチルトリエトキシシランのうちの1つ又は複数である。本発明は前記シランの供給源について特別な要件はなく、市販の製品など、当業者に周知の供給源からのシランを使用すればよい。
【0019】
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、3〜10部のシランカップリング剤を含み、好ましくは3〜8部である。本発明において、前記シランカップリング剤は、好ましくはγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びビニルトリメトキシシランのうちの1つまたは複数である。本発明に記載のN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ(エ)トキシシランは、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランとN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランとを意味する。本発明は前記シランカップリング剤の供給源について特別な要件はなく、当業者に周知の市販シランカップリング剤を使用すればよい。
【0020】
アルミナゾルの重量部に基づいて、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料の製造原料は、1〜5部の分散剤を含み、好ましくは2〜4部である。本発明において、前記分散剤は、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、及びグリセリンのうちの1つ又は複数である。本発明は、前記分散剤の供給源に特別な要件はなく、当業者に周知の供給源からの散剤を使用すればよい。
【0021】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料の製造方法を提供し、それは、
アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得るステップ(1)と、
シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得るステップ(2)と、
前記第一混合液と第二混合液を混合してアルミナゾル−シラン複合材料を得るステップ(3)とを含む。
【0022】
前記ステップ(3)の混合は一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃であり、
前記ステップ(1)と前記ステップ(2)には時系列がない。
【0023】
本発明は、アルミナゾルとシランカップリング剤を混合して第一混合液を得る。本発明において、前記混合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は、好ましくは35〜75℃、より好ましくは40℃である。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌混合であり、本発明は、前記撹拌混合の速度及び時間について特別な要件ななく、均一な混合効果を達成できればよい。
【0024】
本発明は、シラン、シランカップリング剤と分散剤を混合して第二混合液を得る。本発明において、前記混合は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌混合であり、本発明は、前記撹拌混合の速度及び時間について特別な要件ななく、均一な混合効果を達成できればよい。本発明は、前記第一混合液の調製プロセス中に、前記シランカップリング剤の質量は、好ましくは第一混合液及び第二混合液の調製プロセスにおけるシランカップリング剤の総質量の20〜70%、より好ましくは50〜70%である。
【0025】
本発明の前記第一混合液及び第二混合液の調製には時系列がない。本発明において、第一混合液と第二混合液のどちらを先に調製しても、アルミナゾル−シラン複合材料の製造には影響しない。
【0026】
第一混合液及び第二混合液を得た後、本発明は、前記第一混合液と第二混合液を混合し、アルミナゾル−シラン複合材料を得る。本発明において、前記混合は、一定の温度条件下で行われ、前記混合の温度は60〜80℃、好ましくは70℃である。本発明において、 前記第一混合液と第二混合液を混合する前、本発明は、好ましくは前記第二混合液を24時間静置する。前記静置は、好ましくは一定の温度条件下で行われ、前記静置の温度は、好ましくは40〜70℃、より好ましくは50℃である。本発明の前記静置は、第二混合液をより均一にすることができる。本発明の前記混合は、好ましくは撹拌条件下で行われ、前記撹拌の速度は、好ましくは2000〜5000r/min、より好ましくは3000〜4000r/minである。本発明において、前記混合の方法は、好ましくは滴加の方法を用い、第一混合液を第二混合液に滴加し、又は第二混合液を第一混合液に滴加する。本発明の前記滴加の速度は、好ましくは2〜10mL/minであり、前記滴加は、シランとアルミナゾルが完全かつ均一に反応することに有利で、局所的な急速な反応によって引き起こされる不均一な生成物を回避する。
【0027】
本発明は、前記第一混合液と第二混合液を混合し、前記アルミナゾルとシランは、シランカップリング剤の作用下で、化学反応が発生して結合され、分散剤の配合で均一に分散し、防水性、耐食性に優れたアルミナゾル−シラン複合材料が得られる。
【0028】
本発明はまた、上記技術的解決手段に記載のアルミナゾル−シラン複合材料または上記技術的解決手段に記載の製造方法で製造されたアルミナゾル−シラン複合材料の建築用コーティングへの応用を提供する。本発明は、前記応用の実施形態について特別な要件はなく、当業者に周知の実施形態を使用すればよい。本発明において、前記応用は具体的には以下である。前記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mである。塗布が終了した後、建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得する。本発明は、前記塗布のついて方法に特別な要件はなく、スプレーコーティング、ローラーコーティングまたはブラシコーティングなどの当業者に周知の塗布方法を使用すればよい。
【0029】
以下に実施例を参照しながら本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料及びその製造方法と応用を詳しく説明するが、それらを本発明の保護範囲への制限として理解することができない。
【0030】
アルミナゾルの製造
(1)重量部で計算すると、1部のアルミニウムイソプロポキシドと5部のエタノールを超音波で分散して均一に混合し、アルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を得る。
(2)三口フラスコに3部の蒸留水を添加して恒温水槽に入れ、2000r/minの一定回転速度で撹拌し、次にアルミニウムイソプロポキシドエタノール溶液を滴加し、45℃の一定温度で、2500r/minで一定回転速度で1時間撹拌し、次にボトル栓を取り外し、60℃の一定温度条件下で1時間開口して撹拌し、加水分解物を得る。
(3)加水分解物に1部の硝酸溶液を添加し、50℃の一定温度で、2時間撹拌し、アルミナゾルを得る。
【0031】
以下の実施例は、すべて上記方法で製造して得られたアルミナゾルを原料とする。
【実施例1】
【0032】
重量部で計算し、15部のアルミナゾルと1部のγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランを50℃の温度で撹拌混合し、第一混合液を形成し、
75部のイソブチルトリエトキシシラン、4部のγ−(2,3−グリシドキシ)プロピルトリメトキシシランと5部のポリエチレングリコール2000を60℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を60℃の温度で24h静置し、次に、60℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
【0033】
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に2回スプレーし、合計600g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、7日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は128°に達し、毛管吸水率は50.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は5.0×10−12・s−1である。
【実施例2】
【0034】
重量部で計算し、20部のアルミナゾルと3部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランを40℃の温度で撹拌混合して第一混合液を形成し、
70部のオクチルトリエトキシシラン、3部のγ−アミノプロピルトリエトキシシランと4部のポリビニルアルコール1750を50℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を50℃の温度で24h静置し、次に、70℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
【0035】
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に3回スプレーし、合計400g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、4日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は137°に達し、毛管吸水率は31.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は2.0×10−12・s−1である。
【実施例3】
【0036】
重量部で計算し、40部のアルミナゾルと5部のN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを40℃の温度で撹拌混合して第一混合液を形成し、
50部のビニルトリエトキシシラン、3部のN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランと2部のグリセリンを40℃の温度で撹拌混合して第二混合液を形成し、第二混合液を40℃の温度で24h静置し、次に、60℃の一定温度、3000r/minの回転速度で、第二混合液を第一混合液に滴加し、アルミナゾル−シラン複合エマルジョンを得た。
【0037】
アルミナゾル−シラン複合エマルションをコンクリート基板の表面に4回ブラシコーティングし、合計800g/mを塗布した。塗布が終了した後、基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、5日間覆った後、プラスチックフィルムを除去した。試験後、コンクリート表面の接触角は127°に達し、毛管吸水率は49.3g・m−2・h−1、塩化物イオン拡散係数は1.0×10−12・s−1である。
【比較例】
【0038】
コーティングされていないセメント系材料で性能試験を実行し、試験後、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持って、水に対する静的接触角は50°で、塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1である。
【0039】
以上の実施例及び比較例からわかるように、本発明の提供するアルミナゾル−シラン複合材料をセメント基板の表面に塗布した後、セメント系材料の毛管吸水率はわずか28g・m−2・h−1〜55g・m−2・h−1であるが、コーティングされていないセメント系材料は、118.6g・m−2・h−1までの高い毛管吸水率を持っている。本発明では水に対する静的接触角は120°以上に達する可能性があるが、コーティングされていないセメント系材料では水に対する静的接触角はわずか50°である。本発明のセメント系材料では塩化物イオン拡散係数はわずか0.8×10−12・s−1〜5.4×10−12・s−1であるが、コーティングされていない同じセメント系材料では塩化物イオン拡散係数は7.5×10−11・s−1であり、本発明によって提供されるアルミナゾル−シラン複合材料は、セメント系材料の表面にコーティングを形成した後、疎水性および耐腐食性を有することが分かる。
【0040】
以上の実施例の説明は本発明の方法及びそのコアアイデアを理解するように寄与するものに過ぎない。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、本発明はまた、いくつかの改良や変更を受けることができ、これらの改良や変更も本発明の特許請求の範囲の保護範囲に含まれることに留意すべきである。当業者であれば、これらの実施例に対する複数種の修正は自明であり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現することができる。したがって、本発明は、本明細書に示される実施例に限定されず、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲として釈明されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2020年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項19】
求項1〜12のいずれか一項に記載のアルミナゾル−シラン複合材料又は請求項13〜18のいずれか一項に記載の製造方法で得られたアルミナゾル−シラン複合材料を使用する建築用コーティング方法
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項20
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項20】
記アルミナゾル−シラン複合材料を建築基板の表面に塗布し、塗布回数は2〜5回であり、毎回の使用量は200〜300g/mであることと、
塗布が終了した後、前記建築基板の表面をプラスチックフィルムで覆い、3〜7日間覆った後、前記プラスチックフィルムを除去し、防水と耐食性のコーティングを取得することと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の建築用コーティング方法
【国際調査報告】