(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-529582(P2021-529582A)
(43)【公表日】2021年11月4日
(54)【発明の名称】靭帯修正システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/88 20060101AFI20211008BHJP
【FI】
A61B17/88
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-571815(P2020-571815)
(86)(22)【出願日】2019年6月13日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月3日
(86)【国際出願番号】US2019036951
(87)【国際公開番号】WO2020005556
(87)【国際公開日】20200102
(31)【優先権主張番号】62/689,391
(32)【優先日】2018年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コーラー アダム
(72)【発明者】
【氏名】カム アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ ブライアン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラヘイ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ウィットロック ダニエル エル.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL30
(57)【要約】
骨ダボ同種移植片または骨片を骨孔に挿入およびインパクションを行うための装置およびシステム。外科手術用インパクションシステムは、それらの間に延在する細長いシャフトを備えた近位端および遠位端を有する外科手術用タンプを含む。外科手術用タンプは、近位端から遠位端までその間を貫通する内側チャネルを有する。外科手術用タンプの遠位端は、遠位先端を有し得る。外科手術用タンプは、近位端にハンドル、または近位端に近位先端を有し得る。外科手術用タンプはまた、細長いシャフトの外表面を通って内側チャネル内に延在する一つまたは複数のスロットを有し得る。外科手術用タンプは、送達チューブ内への挿入のために構成され得る。送達チューブは、関節内への滑らかな挿入のために、その中に骨ダボまたは骨片を含有する目的を果たす。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用インパクションシステムであって、
その間に延在する細長いシャフトを備えた近位端と遠位端を有する外科手術用タンプ、
前記近位端に位置付けられたハンドル、および前記遠位端に位置付けられた遠位先端、及び、
前記近位端から前記遠位端まで前記細長いシャフトを貫通する内側チャネル、
を含む、外科手術用インパクションシステム。
【請求項2】
前記遠位端と前記ハンドルとの間に延在する前記細長いシャフトの外表面を通して形成されたスロットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記スロットが、前記外表面を通って、前記内側チャネル内に延在する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠位先端が透明である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記遠位先端が、前記内側チャネルに接続された遠位開口を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠位先端が丸みを帯びている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
その間に延在する内側チャネルを備えた開放された近位端および開放された遠位端を有する送達チューブをさらに含み、前記外科手術用タンプが前記送達チューブの前記内側チャネル内で移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記遠位先端が円筒形状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記遠位先端が、前記細長いシャフトの直径よりも大きな直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
外科手術用インパクションシステムであって、
その間に延在する細長いシャフトを備えた近位端と遠位端を有する外科手術用タンプ、
前記近位端に位置付けられた近位先端、および前記遠位端に位置付けられた遠位先端、及び、
前記近位端から前記遠位端まで貫通する内側チャネル、
を含む、外科手術用インパクションシステム。
【請求項11】
前記細長いシャフトの外表面を通って、前記細長いシャフトの中央部分と前記近位先端との間に延在する近位スロットをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記細長いシャフトの外表面を通って、前記細長いシャフトの中央部分と前記遠位先端との間に延在する遠位スロットをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記近位先端および前記遠位先端が透明である、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記近位先端が、前記内側チャネルに接続された近位開口を含み、前記遠位先端が、前記内側チャネルに接続された遠位開口を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
その間に延在する内側チャネルを備えた開放された近位端および開放された遠位端を有する送達チューブをさらに含み、前記外科手術用タンプが前記送達チューブの前記内側チャネル内で移動可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記送達チューブが、その外表面を通って延在する開口を含み、前記開口が前記送達チューブの前記内側チャネルまで延在する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記送達チューブの外表面上に一つまたは複数の深度インジケータをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記遠位先端および前記近位先端の少なくとも一つが円筒形状である、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記遠位先端および前記近位先端の少なくとも一つが、前記細長いシャフトの直径よりも大きな直径を有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
骨孔内に物体を挿入するための方法であって、前記方法が、
その間に延在する細長いシャフトを有する近位端および遠位端、前記遠位端に位置付けられた遠位先端、および前記近位端から前記遠位端まで前記細長いシャフトを貫通する内側チャネルを含む外科手術用タンプを提供する工程、
前記外科手術用タンプの前記近位端で前記内側チャネル内に物体を挿入する工程、及び、
前記内側チャネル内の前記物体を前記外科手術用タンプの前記遠位端まで前進させる工程、
を含む、方法。
【請求項21】
前記送達チューブの内側チャネル内に前記外科手術用タンプを挿入する工程をさらに含み、
前記送達チューブが、その間に延在する前記内側チャネル備えた開放された近位端および開放された遠位端を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記物体を、前記外科手術用タンプの前記遠位先端を通過して所望の位置まで前進させる工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記物体に、前記外科手術用タンプの前記遠位先端を用いてインパクションを加える工程をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記物体が、骨ダボまたは骨片である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記遠位先端が円筒形状である、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記遠位先端が、前記細長いシャフトの直径よりも大きな直径を有する、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月25日に出願された、「Ligament Revision System」と題する米国仮特許出願第62/689,391号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、外科手術システム、より具体的には、骨孔内に骨ダボ同種移植片または骨片を挿入およびインパクションを行うための装置およびシステムを対象とする。
【背景技術】
【0003】
失敗した靭帯再建を修正する必要がある場合、失敗した移植片または固定具を除去した後に生じる骨欠損は、単一段階で修正を実施するには重大すぎる。したがって、第二段階で靭帯を再建する前に、まず骨欠損に対処する必要がある。骨欠損に対処するために、骨ダボまたは骨片が(骨欠損を有する)骨孔に挿入される。時間経過して骨が治癒した後、失敗した靭帯再建を修正することができる。
【0004】
従来的な骨ダボは、関節を通して骨孔内へとダボを導くのを補助するガイドピンと接合するようにカニューレ状にされる。ガイドピンの上に配置されるとき、骨孔内にダボを挿入できるカニューレ状タンプまたはインパクション装置は存在しない。外科医は、
図1に示すように、利用可能な装置1を使用して、骨ダボ2の縁にインパクションを加えるか、または
図2に示すように、ガイドピンを除去し、ガイドなしで骨ダボ2を挿入する。その結果として、挿入中の骨ダボ同種移植片の縁の骨折および粉砕、またはガイド無しでの、挿入中の骨ダボ同種移植片の骨折および粉砕を含む、従来的な骨ダボに関する課題/問題が存在する。さらに、ガイドなしでは、骨ダボ同種移植片は、骨孔に挿入されるように適切に配向されない。もう一つの問題は、外科医の中には、皮膚切開部を通して骨ダボを挿入し、膝構造を通過して大腿骨骨孔へと導くのに苦労する者もいることである。
【0005】
したがって、骨ダボおよび骨片を挿入および衝撃するための装置およびシステムが、上述の関連する問題/問題なしに骨孔内に必要とされる。
【0006】
背景技術の項の免責条項:特定の特許/刊行物/製品がこの背景技術の項またはこの開示の他の場所で考察されている限り、これらの考察は考察された特許/刊行物/製品が特許法の目的のための先行技術であるという承認として捉えるべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、十分早期でない場合があり、十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、かつ/または特許法の目的のために先行技術に相当するほど、十分に授権するものではない場合がある。特定の特許/刊行物/製品が、この先行技術の項および/または出願全体を通して上記で考察されている限り、その記述/開示はそのそれぞれの全体が参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は、骨ダボおよび骨片を骨孔内に挿入し、インパクションを加えるための装置およびシステムを対象とする。一態様によれば、本発明は外科手術用インパクションシステムである。システムは、それらの間に延在する細長いシャフトを備えた近位端および遠位端を有する外科手術用タンプを含む。システムは、近位端にハンドル、および遠位端に円筒形遠位先端を含む。システムはさらに、近位端から遠位端まで、細長いシャフトを少なくとも部分的に貫通する内側チャネルを有する。
【0008】
別の態様によれば、システムは、それらの間に延在する細長いシャフトを備えた近位端および遠位端を有する外科手術用タンプを含む。システムはまた、近位端に円筒形近位先端、および遠位端に円筒形遠位先端を含む。システムはさらに、近位端から遠位端まで、少なくとも部分的に貫通する内側チャネルを有する。
【0009】
さらに別の態様によれば、本発明は、物体を骨孔に挿入する方法である。本方法は、(i)それらの間に延在する細長いシャフトを備えた近位端と遠位端を有する外科手術用タンプ、遠位端の円筒形の遠位先端、および近位端から遠位端まで細長いシャフトを少なくとも部分的に貫通する内側チャネルを提供する工程、(ii)外科手術用タンプの近位端で内側チャネル内に物体を挿入する工程、および(iii)内側チャネル内で物体を外科手術用タンプの遠位先端に前進させる工程、を含む。
【0010】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の一つ以上の態様は、本明細書の最後に特許請求の範囲の例として具体的に指摘され、明確に特許請求される。本発明の前述の、およびその他の目的、特徴、および利点は、添付図面と併せて取り上げられる以下の記述から明らかである。
【0012】
【
図1】
図1は、骨ダボにインパクションを加える装置の画像である。
【
図2】
図2は、ガイドピンなしで骨孔に挿入された骨ダボの画像である。
【
図3】
図3は、一実施形態による、外科手術用タンプの側面略図である。
【
図4】
図4は、代替的実施形態による、外科手術用タンプの側面略図である。
【
図5】
図5は、別の実施形態による、外科手術用タンプの斜視略図である。
【
図8】
図8は、一実施形態による、送達チューブの斜視概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の態様およびその特定の特徴、利点、および詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかし、当然のことながら、詳細な説明および特定の非限定的な例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の趣旨および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配設は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、
図3は、一実施形態による、外科手術用タンプ10の側面略図を示す。
図3の外科手術用タンプ10は、近位端12および遠位端14を含む。外科手術用タンプ10の近位端12は、近位ハンドル16を有する。ハンドル16は、骨ダボ同種移植片を骨孔内へと導くなどの外科的処置を行うための、人間工学的特徴を有する、または有しない、任意の適切な形状であり得る。
【0015】
さらに
図3を参照すると、外科手術用タンプ10は、ハンドル16から遠位に延在する細長いシャフト18をさらに含む。細長いシャフト18は、遠位先端20まで遠位に延在する。細長いシャフト18は、可撓性材料(例えば、インパクションが加えられたときに歪まないような剛直なステンレス鋼または強化プラスチック)から構成される。細長いシャフト18は、近位端12から遠位先端20まで(ハンドル16を通って)延在する内側チャネル22が、その中にあるようにカニューレ状にされる。細長いシャフト18は、(上述のように、その組成によって)可撓性であり、内側チャネル22内の様々なタイプのガイドピンを収容するようにカニューレ状である。可撓性ガイドピン(図示せず)または剛直なガイドピン(図示せず)は、外科手術用タンプ10の近位端12を通して内側チャネル22内に挿入され、ハンドル16および細長いシャフト18を通って、遠位先端20から出ることができる。可撓性ガイドピンは大腿骨骨孔に使用され得る一方、剛直なガイドピンは脛骨骨孔に使用され得る(この文章で使用される可撓性および剛直は、本開示の検討と併せて当業者によって理解されるべきである)。遠位先端20は、骨ダボ同種移植片または骨片を骨孔内にインパクションを行うために丸みを帯びてもよい。図示した実施形態では、遠位先端20は円筒形状かつ不透明である。
【0016】
ここで
図4を参照すると、代替的実施形態による外科手術用タンプ10の側面略図が示される。図示した実施形態では、細長いシャフト18は、硬質材料からなる(例えば、本開示の検討と併せて当業者によって理解されるべきである、ステンレス鋼または類似の材料)。剛直な細長いシャフト18は、
図4に示す通り、遠位先端20からハンドル16まで延在するスロット24を含む。細長いシャフト18のスロット24は、細長いシャフト18の内側チャネル22内に延在する。スロット24は、可撓性ガイドピン(図示せず)が細長いシャフト18の側面26(または外表面)を出ることを可能にする。可撓性ガイドピンがシャフト18の側面26から出ることができるため、ガイドピンによる干渉なく、外科手術用タンプ10の軸方向のインパクションが可能となる。スロット24により、外科手術用タンプ10の移動は、骨ダボまたは骨片を骨孔、例えば大腿骨骨孔内にインパクションを行いながら軸を変更することができる。
【0017】
また
図4に示すように、外科手術用タンプ10の遠位先端20は透明である。透明な遠位先端20は、視認性を著しく向上させ、これにより外科医は、ダボが外科手術用タンプ10の遠位端14に着座しているのを見ることができる。具体的には、外科医は、ダボ(図示せず)が遠位先端20の遠位開口28にある時(遠位開口28が内側チャネル22に接続される)を知ることができる。
【0018】
ここで
図5〜7を参照すると、別の実施形態による、外科手術用タンプ10の様々な概略図が示される。
図5に示すように、外科手術用タンプ10の代替的な実施形態は、(
図3〜4に示す通り)ハンドル16を含まない。代わりに、外科手術用タンプ10は、(遠位先端20に加えて)近位先端30を有する。
図6および
図7は、外科手術用タンプ10が、遠位先端20と近位先端30との間に延在するカニューレ状の細長いシャフト18を含むことを示す。遠位先端20および近位先端30は、外科手術用タンプ10の一端または両端12、14でのインパクションを可能にする。
【0019】
図7に示すように、細長いシャフト18は、近位先端30から遠位先端20まで延在する内側チャネル22を含む。好ましい実施形態では、外科医が外科手術用タンプ10の近位端12および遠位端14の両方でダボを見ることができるように、近位先端30および遠位先端20は透明である。遠位先端20は、それを通って延在し、内側チャネル22に接続された遠位開口28を含む。近位先端30は、それを通って延在し、内側チャネル22に接続された近位開口32を含む。
【0020】
図6に示すように、細長いシャフト18は、一対のスロット、細長いシャフト18の中央部分36から遠位先端20に向かって延在する遠位スロット24、および細長いシャフト18の中央部分36から近位先端30に向かって延在する近位スロット38をさらに含む。本明細書で使用される場合、「中央部分」は、遠位スロット24と近位スロット38との間の細長いシャフト18の任意の部分であり得る。遠位スロット24および近位スロット38の両方は、可撓性ガイドピン(図示せず)を収容し、可能にする。上述したように、細長いシャフト18のスロット24、38は、骨ダボおよび骨片にインパクションを加えながら軸を変更するための外科手術用タンプ10の移動を可能にする。再び、可撓性ガイドピンがシャフト18の側面26から出ることができるため、ガイドピンによる干渉なく、外科手術用タンプ10の軸方向のインパクションが可能となる。
【0021】
ここで
図8〜10を参照すると、一実施形態による送達チューブ100の様々な概略図が示される。
図8に示すような送達チューブ100は、骨ダボ同種移植片(図示せず)を関節に挿入するために、または骨片(図示せず)を骨孔に直接送達するために、(
図3〜7に示す任意の実施形態において)外科手術用タンプ10と共に使用される。骨ダボ同種移植片は、一般に、当然のことながら、海綿骨からなる。骨ダボの粗いテクスチャにより、手術部位で周囲の軟組織を通過して関節内に入るのは極めて困難である。送達チューブ100は、関節への滑らかな経路を提供することにより骨ダボの挿入ならびに軟組織周囲の保護の助けとなる。骨片に関しては、送達チューブ100は、単一の骨片が望ましくない位置に落下しないように、関節を通して骨片を直接骨孔内に運ぶための容器を提供する。
【0022】
図8に示すように、送達チューブ100は、外科医がその中の骨ダボ(図示せず)または骨片(図示せず)を見ることができるように、透明であることが好ましい。一実施形態では、送達チューブ100は、一片の材料から機械加工される。送達チューブ100は、滑らかで硬いプラスチック材料(例えば、PETGなどの熱可塑性ポリマー)からなることが好ましい。
図9〜10は、送達チューブ100が、開放された近位端104および開放された遠位端106を有する細長いシャフト102を含むことを示す。細長いシャフト102は、近位端104から遠位端106まで延在する内側チャネル108を有する。使用時、骨ダボまたは骨片は、送達チューブ100の内側チャネル108内にあり、
図5〜7に示すように、外科手術用タンプ10は、送達チューブ100の開放された近位端104に挿入され、内側チャネル108内の遠位方向に骨ダボまたは骨片対してインパクションを加える。
【0023】
さらに
図9〜10を参照すると、送達チューブ100は、送達チューブ100を通って内側チャネル108内に延在する開口110(または窓)を含む。図示の実施形態では、開口110は、細長いシャフト102の近位端104の近くにある。開口110は、送達チューブ100を関節から除去することなく、送達チューブ100の内側チャネル108内に追加の骨片(図示せず)を導入することを可能にする。
【0024】
図8および
図9に示す送達チューブ100の実施形態では、送達チューブ100は、その外表面114に沿って一つまたは複数のインジケータ112を備える。インジケータ112は、深度に対する参照を提供する。図示の実施形態では、インジケータ112は、10mm単位の測定であるが、深度を測定するための任意の適切なシステムを使用し得る。骨片が(例えば、開口110を通して)送達チューブ100の内側チャネル108に挿入されるとき、外科医は、骨孔がどの程度骨片によって充填されるかを計測できる。
【0025】
本明細書で定義され、かつ使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を管理するものと理解されるべきである。
【0026】
本明細書で様々な実施形態が説明され、かつ図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施し、かつ/または結果および/または一つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想起するであろうし、またそのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つ以上の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することになり、または確認することができる。従って、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に記述および特許請求された以外の別の方法で、実行されてもよいことが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記述される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0027】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のためのみのものであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有する(having)」などのhaveの任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(including)」などのincludeの任意の形態)、および「包含する(contain)」(ならびに「包含する(contains)」および「包含する(containing)」などのcontainの任意の形態)は、オープンエンドの連結動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、方法または装置は、一つ以上の工程または要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、または「包含する(contain)」。同様に、一つ以上の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法の工程、または装置の要素は、それらの一つ以上の特徴を有するが、それらの一つ以上の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定のやり方で構成される装置または構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成されてもよい。
【0028】
以下の特許請求の範囲における全ての手段または工程に機能要素を加えたものの対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に特許請求される他の特許請求の範囲の要素と組み合わせて、機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図している。本発明の記述は、例示および記述の目的で提示されてきたが、網羅的であること、または本発明に開示された形態で限定されることを意図しない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つ以上の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、他の当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の一つ以上の態様を理解できるように選ばれ、かつ記述された。
【国際調査報告】