(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-529703(P2021-529703A)
(43)【公表日】2021年11月4日
(54)【発明の名称】手袋をカフ側から先に取り出せる持ち運びが容易な手袋ディスペンサソフトパック
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20211008BHJP
A41D 19/00 20060101ALI20211008BHJP
【FI】
B65D83/08 G
A41D19/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2020-572474(P2020-572474)
(86)(22)【出願日】2019年6月20日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月24日
(86)【国際出願番号】IB2019055223
(87)【国際公開番号】WO2020003074
(87)【国際公開日】20200102
(31)【優先権主張番号】62/692,159
(32)【優先日】2018年6月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/799,075
(32)【優先日】2019年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518263531
【氏名又は名称】オーアンドエム ハリヤード インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、パトリック・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】サエリム、タンティマ
(72)【発明者】
【氏名】タン、シウ ホウ
【テーマコード(参考)】
3B033
3E014
【Fターム(参考)】
3B033AA15
3B033AB00
3E014MC07
(57)【要約】
本発明に係る手袋ディスペンスアセンブリは、互いに折り込まれた複数の手袋を積み重ねてなる手袋積重体を含む。具体的には、手袋は、1枚につき少なくとも2つの折り目を有するS字型構成で折り畳まれている。該手袋ディスペンスアセンブリは、更に、手袋積重体を収容するための、柔らかく圧潰可能なエラストマー材料製ディスペンサを含んでもよい。また、手袋積重体を収容するディスペンサを含んだ該手袋ディスペンスアセンブリを組み立てる方法についても提供される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手袋ディスペンスアセンブリであって、
互いに折り込まれた複数の手袋を積み重ねてなる手袋積重体を取り囲み、前記手袋を取り出すための開口部を画定する圧潰可能なディスペンサを有しており、
前記手袋積重体は、それぞれ指側端部及びカフ側端部を有する、1枚の先頭の手袋及び複数枚の後続の手袋を含み、
前記手袋積重体の前記手袋の各々は、少なくともカフ側部、中間部、及び指側部を画定する複数の折り目を含み、
前記カフ側部及び前記指側部が、それぞれ前記中間部に向けて折り返されていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記複数の折り目が、少なくとも第1の折り目及び第2の折り目を有し、
前記手袋の前記指側端部及び前記カフ側端部が、前記カフ側部が前記中間部の第1の側に向けて折り返され、前記指側部が前記中間部の反対側の第2の側に向けて折り返されることにより、それぞれ前記ディスペンサにおける互いに対向する側に配置されるようにしたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリであって、
前記複数の折り目が、少なくとも第1の折り目、第2の折り目、及び第3の折り目を有することを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋の前記指側端部及び前記カフ側端部が、前記カフ側部及び前記指側部がそれぞれ前記中間部の第1の側に向けて折り返されていることにより、それぞれ前記ディスペンサにおける同一の側に配置されるようにしたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項5】
請求項3に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記複数の折り目が、第4の折り目を更に有し、
前記手袋の前記指側端部及び前記カフ側端部が、前記カフ側部が前記中間部の第1の側に向けて折り返され、前記指側部が前記中間部の反対側の第2の側に向けて折り返されることにより、それぞれ前記ディスペンサにおける互いに対向する側に配置されるようにしたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記先頭の手袋の前記カフ側部が、前記先頭の手袋の前記中間部上に折り返され、
前記先頭の手袋の前記指側部が、該手袋の次の手袋に折り込まれていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記後続の手袋の前記指側部が、前記手袋積重体において該手袋に隣接する手袋の中間部に隣接して配置されていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記後続の手袋の前記指側部が、前記手袋積重体において該手袋に隣接する手袋のカフ側部に隣接して配置されていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋の各々が取り出されるとき、前記後続の手袋における該手袋の次の手袋が、前記手袋積重体に残存する前記手袋の量に関わらず、前記開口部まで引き出されるようにしたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項10】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋同士が、1枚の手袋が前記開口部から引き出されるとき、該手袋と隣接する前記後続の手袋の一部分も共に前記開口部から引き出されるように互いに折り込まれていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記開口部から共に引き出される前記隣接する手袋の前記一部分が、前記手袋の前記カフ側部を含むことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項12】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋積重体が、前記手袋が前記カフ側端部から先に前記開口部を通って取り出されるような向きに配置されていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項13】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋積重体における前記後続の手袋の各々の前記カフ側端部が、該手袋の前記指側端部に比して、前記先頭の手袋側を向く位置に配置されていることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項14】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋が前記開口部から取り出されたとき、前記手袋積重体全体の折り畳み構成が、前記手袋ディスペンスアセンブリ内で維持されることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項15】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記手袋が、前記開口部から一度に1枚取り出されることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
前記先頭の手袋及び隣接する前記後続の手袋の各々の前記カフ側端部が、ペアで取り出されるように、前記手袋積重体の前記先頭の手袋が、該手袋と隣接する前記手袋積重体の前記後続の手袋に組み合わされたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
各手袋がペアとして2枚同時に取り出されるように、前記後続の手袋の各手袋がペアをなすように配置されたことを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項18】
請求項1に記載の手袋ディスペンスアセンブリであって、
2枚の前記手袋の前記カフ側端部が、同時に取り出されることを特徴とする手袋ディスペンスアセンブリ。
【請求項19】
圧潰可能なディスペンサであって、
頂部と、底部と、所定容積を有する閉空間を画定する少なくとも1つの側部とを有しており、
前記頂部、前記底部、又は前記少なくとも1つの側部に配置されて前記閉空間を開口する再封可能な開口部とを更に有しており、
前記ディスペンサ内に収容される内容物が取り出されるにつれて、圧潰するように構成されていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項20】
請求項19に記載のディスペンサであって、
手袋積重体を含むことを特徴とするディスペンサ。
【請求項21】
請求項19に記載のディスペンサであって、
硬質な角部又は縁部を有さない軟質の材料を含むことを特徴とするディスペンサ。
【請求項22】
請求項19に記載のディスペンサであって、
前記頂部、前記底部、及び前記少なくとも1つの側部が、エラストマー材料を含むことを特徴とするディスペンサ。
【請求項23】
請求項22に記載のディスペンサであって、
前記エラストマー材料が、前記ディスペンサの内容物が取り出されるにつれてサイズが収縮するように構成され、前記閉空間内の前記所定容積が、前記ディスペンサの内容物が取り出されるにつれて減少するように構成されていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項24】
請求項19に記載のディスペンサであって、
前記再封可能な開口部が、硬質な蓋部によって封止されていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項25】
請求項19に記載のディスペンサであって、
前記再封可能な開口部が、再封可能で軟質なフラップによって封止されており、
前記頂部が、前記再封可能で軟質なフラップによる封止を維持するための再剥離可能な接着剤を有していることを特徴とするディスペンサ。
【請求項26】
手袋ディスペンスアセンブリであって、
互いに折り込まれた複数の手袋を積み重ねてなる手袋積重体を取り囲み、前記手袋を取り出すための開口部を画定する圧潰可能なディスペンサを有しており、
前記手袋積重体は、それぞれ指側端部及びカフ側端部を有する、1枚の先頭の手袋及び複数枚の後続の手袋を含み、
前記手袋積重体の前記先頭の手袋を、該手袋と隣接する前記手袋積重体の前記後続の手袋とペアにすることにより、前記先頭の手袋及び隣接する前記後続の手袋の各々の前記カフ側端部が、ペアで取り出されるようにされており、
前記後続の手袋の各手袋をペアで配置することで、各手袋がペアとして2枚同時に取り出されるようにしたことを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年6月29日出願の米国仮出願第62/692,159号明細書及び2019年1月31日出願の米国仮出願第62/799,075号明細書に対する優先権を主張するものである。上記出願の開示内容は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明の主題は、概して、手袋をパッケージング及びディスペンシングするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
天然ラテックスポリマー製又は合成ポリマー製の弾性手袋は、多種多様な用途に使用されている。このような手袋は、例えば、医療従事者が診察や外科手術などを行う際に使用される。また、食品の調理中及びクリーンルーム環境においても使用される。弾性手袋は、着用者の手を保護するため、及び/又は汚染を防ぐために使用される。弾性手袋は、例えば、洗浄のために化学薬品を使用するときやおむつを交換するときなど、特定の物質との接触が好ましくない状況において、個人が着用することが望ましいことがある。
【0004】
弾性手袋は、多種多様な素材から製造することができる。例えば、上述したように、一実施形態では、手袋は天然ラテックスポリマーから作られる。弾性手袋の製造に使用される合成ポリマーには、ポリ塩化ビニル、ニトリルポリマー、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のブロック共重合体などが含まれる。
【0005】
弾性手袋は、一般に、手袋を1枚ずつ取り出すことを目的として、ディスペンサ内に複数枚まとめて包装されている。このようなディスペンサは、特に新しい手袋が絶えず必要とされる環境で、非常に有用である。例えば、診療及び検査を行う医師や看護師は、新たな患者を診察する際、毎回古い手袋を廃棄して新たな手袋を着用する。
【0006】
しかしながら、従来から、手袋を1枚ずつ効率よく取り出すことができるディスペンサの設計には問題があった。現在、手袋は、1枚の手袋の指側部が別の手袋の指側部の上に乗り、手袋同士が互いに重なり合うように半分に折られた状態で、ディスペンサ内に包装及び積層されている。このような構成では、積層体の先頭の手袋のカフ側部を折り目に対して垂直方向に引っ張ることにより、カフ側部から先に手袋を取り出すことが可能となる。例えば、手袋の取り出しは、通常、下向き又は上向きの動作によって達成される。しかしながら、上述の構成には様々な制約がある。例えば、手袋同士が重なり合う量が原因で、手袋を1枚引っ張ると、隣接する手袋もディスペンサから引っ張られてしまう傾向がある。2枚目の手袋が不要な場合、通常、使用者はディスペンサ内に余分な手袋を「詰め込んで」戻すが、これにより、後にディスペンサから手袋を取り出す際に更なる問題が発生すると共に、汚染の危険性が高まってしまう。
【0007】
上述の構成の他の問題点は、ディスペンサから手袋を折り目に対して垂直な方向にしか取り出すことができない、つまり、ディスペンサの頂部又は底部からしか手袋を取り出すことができないという点である。
【0008】
更に、一度に1枚の手袋が取り出されるように意図されたディスペンサが存在しているにも関わらず、2枚のペアとなった手袋を同時に取り出すことができるディスペンサへの需要を満たす、隣接する手袋を意図せず引き出すことで残りの手袋が汚染されてしまうなどの上述の構成と同様の問題点を有さない手袋用ディスペンサは、未だ存在していない。
【0009】
更に、弾性手袋用のディスペンサパッケージは一般的に便利でなく、持ち運びでの使用は特に不便である。一般的なディスペンサパッケージの1種に、金属、プラスチック、又はダンボールのいずれかを用いて作られる硬質容器が挙げられるが、これは、占有スペースが広く可撓性に欠けるため、持ち運びが困難である。このような硬質容器は、多くの場合鋭利な端部を有しているため、財布、マザーズバッグ、医療キット、工具箱、自動車のグローブボックス、又は他の携帯用容器を用いて容易に持ち運ぶことができない。手袋が硬質容器から取り出されたとき、残りの手袋は容器の底部に残存したままであるため、残りの手袋に触れるためには、使用者は容器内の深くまで手を伸ばす必要がある。その度に複数の手袋に触れる可能性があるため、相互汚染のリスクが大幅に高まってしまう。更に、容器内が空疎になるにつれ、使用者が手袋のどの領域に触れるのか、又はどの領域を引っ張るのかを予測し難くなってしまい、掌部や指部が引っ張られて手袋が取り出される可能性がある。これにより、清潔に保つ必要のある手袋の掌部や指部が、汚染されてしまう可能性がある。更に、使用者が手袋を取り出すために容器の奥底まで手を伸ばすと、無意識に、一度に複数枚の手袋を容器から取り出してしまうことがある。これにより、多くの場合、不要な手袋を容器に戻すことで汚染が生じたり、不要な手袋を廃棄することで廃棄物が発生したりしてしまう。
【0010】
既存の別の種類の弾性手袋用ディスペンサとしては、プラスチックラップ製で、内部に手袋が詰め込まれる形態の軟性ディスペンサが挙げられる。しかしながら、多くの場合、手袋は、丁寧な整理や梱包がなされずに容器内に詰め込まれている。各手袋の粘着性のある外表面とプラスチックラップとの間では、大きな摩擦が発生することがある。その結果、多くの場合、手袋同士がくっついたり、手袋がプラスチックラップにくっついたりしてしまい、手袋の相互汚染及び複数枚の取り出しを避けることが困難となる。更に、既存のプラスチック製の軟性ディスペンサは、開封が容易でなく、再封することができない。その結果、一度ディスペンサが開封されると、意図せず手袋がディスペンサから簡単に飛び出たり、ディスペンサ外のゴミが封止されていない開口部内に入り込んだりするなどして、ディスペンサ内の残りの手袋が汚染されてしまう可能性がある。
【0011】
従って、上述した問題点を解決する、改善された手袋ディスペンスアセンブリが必要とされている。特に、1枚の手袋又は手袋のペアがカフ側部から先に取り出され、持ち運びが容易である圧潰可能な手袋用ディスペンサも有用となるであろう。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、互いに折り込まれた複数の手袋を積み重ねてなる手袋積重体(stack of interfolded gloves)を取り囲む圧潰可能なディスペンサを含んだ、手袋ディスペンスアセンブリを対象とする。ディスペンサは、手袋を取り出すための開口部を画定している。手袋積重体の各手袋は、指側端部及びカフ側端部を含む。手袋積重体は、1枚の先頭の手袋及び複数枚の後続の手袋を含み、各手袋は、少なくともカフ側部、中間部、及び指側部を画定する複数の折り目を含み、カフ側部及び指側部は、中間部に向けて折り返されている。
【0013】
特定の一実施形態では、複数の折り目は、少なくとも第1の折り目及び第2の折り目を有し、手袋の指側端部及びカフ側端部は、カフ側部が中間部の第1の側に向けて折り返され、指側部が中間部の反対側の第2の側に向けて折り返されることにより、ディスペンサにおける互いに対向する側に配置されてもよい。
【0014】
別の実施形態では、複数の折り目が、少なくとも、第1の折り目、第2の折り目、及び第3の折り目を有してもよい。更に、手袋の指側端部及びカフ側端部は、カフ側部及び指側部が中間部の第1の側に向けて折り返されることにより、それぞれディスペンサにおける同一の側に配置されてもよい。更に、複数の折り目が第4の折り目を有しており、手袋の指側端部及びカフ側端部が、カフ側部が中間部の第1の側に向けて折り返され、指側部が中間部の反対側の第2の側に向けて折り返されることにより、それぞれディスペンサにおける互いに対向する側に配置されてもよい。
【0015】
別の実施形態では、先頭の手袋のカフ側部が先頭の手袋の中間部上に折り畳まれ、先頭の手袋の前記指側部が該手袋の次の手袋に折り込まれていてもよい。
【0016】
更に別の実施形態では、後続の手袋の指側部が、手袋積重体において該手袋に隣接する手袋の中間部に隣接して配置されていてもよい。
【0017】
更に別の実施形態では、後続の手袋の指側部が、手袋積重体において該手袋に隣接する手袋のカフ側部に隣接して配置されていてもよい。
【0018】
更なる実施形態では、各手袋が取り出されるとき、後続の手袋における該手袋の次の手袋が、積重体に残存する手袋の量に関わらず、開口部まで引き出されてもよい。
【0019】
別の実施形態では、1枚の手袋が開口部から引き出されるとき、手袋と隣接する後続の手袋の一部分も共に開口部から引き出されるように互いに折り込まれていてもよい。更に、開口部から引き出される後続の手袋の一部分が、手袋のカフ側部を含んでもよい。
【0020】
更に別の実施形態では、手袋積重体の手袋が、カフ側端部から先に開口部を通って取り出されるような向きに配置されていてもよい。
【0021】
更に別の実施形態では、手袋積重体における後続の手袋のカフ側端部が、該手袋の指側端部に比して、先頭の手袋を向く位置に配置されていてもよい。
【0022】
別の実施形態では、手袋が開口部から取り出されたとき、手袋積重体全体の折り畳み構成が、手袋ディスペンスアセンブリ内で維持されてもよい。
【0023】
更なる実施形態では、手袋が開口部から一度に1枚取り出されてもよい。
【0024】
更に別の実施形態では、先頭の手袋及び隣接する後続の手袋の各々のカフ側端部が、ペアで取り出されるように、積重体の前記先頭の手袋が、該手袋と隣接する積重体の後続の手袋に組み合わされていてもよい。更に、手袋がペアとして2枚同時に取り出されるように、後続の手袋の各手袋がペアをなすように配置されていてもよい。
【0025】
更に別の実施形態では、2枚の手袋のカフ側端部が、同時に取り出されてもよい。
【0026】
本発明は、更に、頂部と、底部と、所定容積を有する閉空間を画定する少なくとも1つの側部を有する圧潰可能なディスペンサを対象とする。ディスペンサは、頂部、底部、又は少なくとも1つの側部に配置されて閉空間を開口する再封可能な開口部を含む。ディスペンサは、ディスペンサ内に収容される内容物が取り出されるにつれて圧潰するように構成されている。
【0027】
特定の一実施形態では、ディスペンサは手袋積重体を含んでもよい。
【0028】
別の実施形態では、ディスペンサは、硬質な角部又は縁部を有さない軟質の材料を含んでもよい。
【0029】
更に別の実施形態では、頂部、底部、及び少なくとも1つの側部の各側部が、エラストマー材料を含んでもよい。更に、エラストマー材料が、ディスペンサの内容物が取り出されるにつれてサイズが収縮するように構成され、閉空間内の所定容積が、ディスペンサの内容物が取り出されるにつれて減少するように構成されていてもよい。
【0030】
別の実施形態では、再封可能な開口部が硬質な蓋部によって封止されていてもよい。
【0031】
更に別の実施形態では、再封可能な開口部が再封可能な軟質フラップによって封止されていてもよい。更に、頂部が、再封可能な軟質フラップによる封止を維持するための再封可能な接着剤を有してもよい。
【0032】
本発明は、手袋積重体を取り囲む圧潰可能なディスペンサを含んだ、手袋ディスペンスアセンブリを対象とする。ディスペンサは、手袋を取り出すための開口部を画定している。手袋積重体は、1枚の先頭の手袋と複数枚の後続の手袋とを含み、手袋積重体の各手袋は、指側端部とカフ側端部とを含む。該手袋ディスペンスアセンブリは、先頭の手袋及び隣接する後続の手袋の各々のカフ側端部が、ペアで取り出されるように、積重体の前記先頭の手袋が、該手袋と隣接する積重体の後続の手袋に組み合わされており、手袋がペアとして2枚同時に取り出されるように、後続の手袋の各手袋がペアをなすように配置されている。
【0033】
本発明の以上の及び他の特徴、態様、並びに利点は、以下の詳細な説明及び添付の請求項を参照することで、より良く理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を示しており、本明細書と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0034】
当業者へ向けられた本発明の充分かつ本発明を実施可能にする開示が、本発明の最良の態様を含めて、添付の図面を参照して本明細書において説明される。
【0035】
【
図1】
図1は、本発明に係る、エラストマーディスペンサを有する手袋ディスペンスアセンブリを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る例示的な手袋を示す斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明に従って手袋を2回折りS字型構成に折り畳むためのプロセスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明に従って手袋を2回折りS字型構成に折り畳むためのプロセスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明に従って手袋を2回折りS字型構成に折り畳むためのプロセスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明に従って手袋を2回折りS字型構成に折り畳むためのプロセスの一実施形態を示す斜視図である。
【
図5A】
図5Aは、
図1の手袋ディスペンスアセンブリにおける3回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図1の手袋ディスペンスアセンブリにおける3回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図6A】
図6Aは、
図1の手袋ディスペンスアセンブリにおける4回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図6B】
図6Bは、
図1の手袋ディスペンスアセンブリにおける4回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図7】
図7は、ディスペンサから手袋のペアが同時に取り出されるために2枚をペアに折り畳んだ手袋を有する、
図3A〜
図3D及び
図4の2回折りS字型折り畳み構成を示す側面図である。
【
図8A】
図8Aは、
図4の2回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図8B】
図8Bは、
図4の2回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図8C】
図8Cは、
図4の2回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図8D】
図8Dは、
図4の2回折りS字型折り畳み構成の変形例を示す側面図である。
【
図9】
図9は、本発明に係る手袋ディスペンスアセンブリのディスペンサの代替実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
ここで、本発明における様々な実施形態を詳細に参照する(そのうちの1つ又は複数の実施例は図面に示されている)。各実施例は、本発明を説明するために提供するものであって、本発明を限定するものではない。実際、当業者にとっては、本発明の範囲又は精神から逸脱しない範囲で、本発明に様々な改変及び変形がなされ得ることは明らかであろう。例えば、実施形態の一部として図示又は説明される特性は、別の実施形態で使用することにより、更に別の実施形態を生じさせることが可能である。従って、本発明は、添付した特許請求の範囲及びその等価物の範囲内に含まれる限り、そのような改変及び変形を包含することを意図している。
【0037】
本発明は、概して、手袋ディスペンスアセンブリを対象とする。手袋ディスペンスアセンブリは、互いに折り込まれた複数の手袋を積み重ねてなる手袋積重体を取り囲む圧潰可能なディスペンサを含む。ディスペンサは、手袋を取り出すための開口部を有する。手袋積重体は、それぞれ指側端部及びカフ側端部を有する、1枚の先頭の手袋及び複数枚の後続の手袋を含む。各手袋は、少なくともカフ側部、中間部、及び指側部を画定する複数の折り目を含み、カフ側部及び指側部は、中間部に向けて折り返されている。本発明は、更に、圧潰可能なディスペンサであって、頂部と、底部と、所定容積を有する閉空間を画定する少なくとも1つの側部とを含み、頂部、底部、又は少なくとも1つの側部に、閉空間を開口する開口部が設けられたディスペンサを対象にする。ディスペンサは、ディスペンサ内に収容される内容物が取り出されるにつれて圧潰するように構成されている。本発明に係る手袋ディスペンスアセンブリの特定の特徴は、
図1〜
図9を参照することでより良く理解されるであろう。
【0038】
後で詳細に述べるように、ディスペンスアセンブリに収容される複数枚の互いに折り込まれた手袋は、S字型構成においてそれぞれ少なくとも2つの折り目を含む。既存の手袋ディスペンスアセンブリと比較して少なくとも1つの折り目が追加されることで、手袋の折り目に対して水平方向又は垂直方向に手袋を取り出せるようになる。また、この少なくとも2回折りの構成は、手袋積重体から手袋を意図せず取り出してしまうことをも防止する。具体的には、少なくとも2回折りの構成は、使用者によってカフ側部が引っ張られていない手袋が、意図せず手袋積重体から取り出されてしまうことを防止する。
【0039】
本明細書に記載の手袋ディスペンスアセンブリ内に収容される手袋は、特定の用途に応じて変更されてもよい。手袋は、任意のシート状材料から製造されてもよい。手袋は、例えば、織物、編物、又は不織布から製造されてもよい。また、手袋は、貼り合わせ布から製造されてもよい。特定の一実施形態では、手袋は、例えば弾性ポリマー等の弾性材料から製造される。例えば、手袋は、合成又は天然のゴムラテックスポリマーから製造されてもよい。手袋の製造に用いられる合成ポリマーには、ポリ塩化ビニル及び他のビニルプラスチゾル、ネオプレン、並びにニトリルゴム等が含まれる。また、弾性手袋は、スチレンポリマー及び/又はブロック共重合体から製造されてもよい。例えば、手袋は、スチレン−ブチレン−スチレンポリマー、又はスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンポリマーから製造されてもよい。更に別の実施形態では、手袋は、スチレン−イソプレン−スチレンポリマーから製造されてもよい。
【0040】
図1を参照すると、本発明に係る手袋ディスペンスアセンブリ10の一実施形態が示されている。手袋ディスペンスアセンブリ10は、手袋積重体120(例えば
図4参照)を収容するディスペンサ100を含む。手袋積重体120は、先頭の手袋12及び複数枚の後続の手袋14を含む。本発明に係る任意の手袋ディスペンスアセンブリに収容される手袋の枚数は、様々な要因で変更されてもよい。一般的に、手袋ディスペンスアセンブリ10における手袋積重体120は、約5〜500枚の手袋、例えば、約50〜100枚の手袋を収容することができる。
【0041】
図2及び
図4に示すように、手袋ディスペンスアセンブリ10の各手袋(例えば手袋12、14)は、カフ側端部30から指側端部40まで延びている。手袋積重体120における各手袋のカフ側部32、中間部34、及び指側部36は、手袋積重体120の折り畳み構成によって画定されてもよい。
【0042】
図2、
図3A〜
図3D、及び
図4に示すように、手袋積重体120の後続の手袋14の各手袋は、少なくとも、第1の折り目20及び第2の折り目22を含み得る。別の実施形態では、
図5A〜
図5Bに示すように、手袋14の各々は、追加で第3の折り目24を含んでもよい。更に別の実施形態では、
図6A〜
図6Bに示すように、手袋14の各々は、更に追加で第4の折り目26を含んでもよい。手袋14は、折り目20、22、24、26の各々によって、略均等にWの長さの幅を有するセクションへと分けられている。
【0043】
手袋14の各々のカフ側部32は、カフ側端部30と第1の折り目20との間のセクションとして画定されている。手袋14の各々の指側部36は、指側端部40と指側端部40に最も近い折り目との間のセクションとして画定されている。例えば、2つの折り目を有する手袋14では、指側部36は、第2の折り目22と指側端部40との間のセクションとして画定されている。
図2〜
図8に示すように、カフ側部32及び指側部36の幅は、略同一の長さである。また、カフ側部32及び指側部36の幅は、手袋積重体120の幅Wと略同一の長さである。中間部34は、カフ側部32と指側部36との間にあるすべてのセクションとして画定されている。
図3A〜
図3D及び
図8A〜
図8Dに示す、2つの折り目を有する実施形態では、中間部34の幅は、カフ側部32及び指側部36の幅と略同一の長さである。
【0044】
図示の通り、S字型構成では、カフ側部32が中間部34の一方の側に向けて折り畳まれ、指側部36が中間部34の他方の側であって反対側に向けて折り畳まれている。このようにして、後続の手袋14の手袋は、S字型構成で折り畳まれている。また、手袋積重体120の後続の手袋14は、互いに折り込まれ合っている。具体的には、手袋積重体の先頭の手袋の指側部36は、後続の手袋14のカフ側部32と中間部34との間に配置されてもよい。
図2〜
図8に示す実施形態では、手袋は、カフ側部から先に取り出されるように意図されている。従って、手袋は、手袋のカフ側端部30が、指側端部40よりも上流側であって、ディスペンサ100の開口部110に近い位置に配置されるように積み重ねられている。しかしながら、上述した配置は、手袋が指側端部40から先に取り出されるように構成を逆にしてもよいことは理解されよう。
【0045】
手袋積重体120の先頭の手袋12は、下流側の後続の手袋14に折り込まれる少なくとも1つの部分を含み得る。手袋積重体120の先頭の手袋12は、1つの折り目しか有さなくてもよいし、2つの折り目を有してもよいし、3つ以上の折り目を有してもよい。一実施形態では、手袋積重体120の先頭の手袋12は、上述したように、手袋積重体120の後続の手袋14の各手袋と同様の特徴を有する折り畳み構成及び幅を有する。例えば、先頭の手袋12の指側部36は、後続の手袋14の中間部34とカフ側部32との間に配置されてもよい。先頭の手袋12の中間部34及びカフ側部32は、手袋積重体120に任意の好適な折り畳み構成で存在することができる。例えば、
図4に示される実施形態では、カフ側部32は、先頭の手袋12の中間部34の上に直接折り返されている。しかしながら、別の実施形態では、先頭の手袋12は、1つの折り目しか有さなくてもよいし、23以上の折り目を有してもよい。例えば、先頭の手袋12のカフ側部32を2回折り返すことで、手袋12のカフ側端部30を、ディスペンサ100の開口部110の下方に位置するように構成された手袋積重体120の中央へと配置してもよい。
【0046】
手袋ディスペンスアセンブリ10は、一部が手袋積重体120における直前の手袋14に折り込まれた、手袋積重体120の最後の手袋14(例えば、
図4のディスペンサ100の底部に位置する手袋14)を含んでもよい。手袋積重体の最後の手袋は、1つしか折り目を含まなくてもよいし、2つの折り目を含んでもよいし、又は3つ以上の折り目を含んでもよい。例えば、
図4において、ディスペンサ100の底部に配置されている最後の手袋14は、手袋積重体120の他の手袋と同一の折り畳み構成を有する2つの折り目20、22を含む。
【0047】
上述の通り、手袋14は、
図4、
図5A〜
図5B、
図6A〜
図6B、
図7、及び
図8A〜
図8Bに示すように、折り目20、22、24、26によって、手袋積重体120が概してWの長さの幅を有するように、略均等にWの長さの幅を有するセクションへと分けられている。折り畳まれた手袋は、手袋(例えば手袋14)又は手袋積重体120の幅Wを大きく変化させない副折り目28を更に含んでもよい。このように、折り畳まれた手袋のセクションを画定する折り目20、22、24、26を、「主折り目」と呼称することがある。
図8A〜
図8Dに示すように、副折り目28は、カフ側部32及び/又は指側部36(
図8A)、カフ側端部30及び/又は指側端部40(
図8B)、中間部(
図8C)、又は主折り目(
図8D、例えば折り目20、22)に設けられてもよい。
図8A〜
図8Dは例示的な図であることを意図しており、副折り目28は、更に、
図8A〜
図8Dで示していない位置や、
図8A〜
図8Dを組み合わせた位置に設けられてもよいことに注意されたい。
【0048】
ここで、
図5A〜
図5Bに示す実施形態に目を移すと、手袋ディスペンスアセンブリ10は、3つの折り目20、22、24を有する手袋積重体120を含んでもよい。手袋積重体120に折り重ねられると、手袋14は、折り目20、22、24の各々によって、略均等にWの長さの幅を有する4つのセクションへと分けられる。
【0049】
手袋14の各々のカフ側部32は、カフ側端部30と第1の折り目20との間の部分として画定されている。手袋14の各々の指側部36は、指側端部40と指側端部40に最も近い折り目との間の部分として画定されている。3つの折り目20、22、24を有する手袋14では、指側部36は、第3の折り目24と指側端部40との間のセクションとして画定されている。
図5A〜
図5Bに示すように、カフ側部32及び指側部36の幅は、略同一の長さである。
【0050】
中間部34は、カフ側部32と指側部36との間にあるすべてのセクションとして画定されている。3つの折り目を有する
図5A〜
図5Bの実施形態では、中間部34は、手袋同士が互いに折り重なる複数のセクションを含んでもよい。
【0051】
図5A〜
図5Bに示すように、3つの折り目を有する実施形態における折り畳み構成は、
図4で上述したS字型折り畳み構成と同様である。
図5Aに示すように、該手袋では、カフ側部32が中間部34の一方の側に向けて折り畳まれ、続いて中間部34が中間部34の他方の側であってカフ側部32の反対側に向けて折り返され、更に指側部36が中間部34の一方の側であってカフ側部32と同じ側に向けて折り畳まれている。このような構成では、カフ側端部30及び指側端部40は、手袋積重体120の同じ側において、互いが概して揃うように配置され得る。このようにして、後続の手袋14の各手袋は、3回折りS字型構成で折り畳まれている。また、手袋積重体120の後続の手袋14は、互いに折り込まれ合ってもよい。具体的には、手袋積重体の先頭の手袋の指側部36は、後続の手袋のカフ側部32と中間部34との間に配置されてもよい。
図5Bに示すように、3回折り構成の変形例では、先頭の手袋の指側部36及び中間部34が、共に後続の手袋14のカフ側部32と中間部34との間に配置されてもよい。
【0052】
ここで、
図6A〜
図6Bに示す実施形態に目を移すと、手袋ディスペンスアセンブリは、4つの折り目20、22、24、26を有する手袋積重体120を含んでもよい。手袋積重体120に折り重ねられると、手袋14は、折り目20、22、24、26の各々によって、略均等にWの長さの幅を有する5つのセクションへと分けられる。
【0053】
手袋14の各々のカフ側部32は、カフ側端部30と第1の折り目20との間の部分として画定されている。手袋14の各々の指側部36は、指側端部40と指側端部40に最も近い折り目との間の部分として画定されている。4つの折り目20、22、24、26を有する手袋14では、指側部36は、第4の折り目26と指側端部40との間のセクションとして画定されている。
図6A〜
図6Bに示すように、カフ側部32及び指側部36の幅は、略同一の長さである。
【0054】
中間部34は、カフ側部32と指側部36との間にあるすべてのセクションとして画定されている。4つの折り目を有する
図6A〜
図6Bの実施形態では、それぞれ、中間部34は、手袋同士が互いに折り重なる複数のセクションを含んでもよい。
【0055】
図6Aに示すように、4つの折り目を有する実施形態は、
図4及び
図5Aで上述した、3回折りS字型折り畳み構成と同様である。
図6Aに示すように、該手袋では、カフ側部32が中間部34の一方の側に向けて折り畳まれ、続いて中間部34が中間部34の他方の側であってカフ側部32の反対側に向けて折り返されると共に再び中間部34の一方の側に向けて折り返され、更に指側部36が中間部34の他方の側に向けて折り畳まれている。このような構成では、カフ側端部30及び指側端部40は、手袋積重体120の概して対向する側にそれぞれ配置されている。このようにして、後続の手袋14の各手袋は、4回折りS字型構成で折り畳まれている。また、手袋積重体120の後続の手袋14は、互いに折り込まれ合ってもよい。具体的には、手袋積重体120に含まれる先頭の手袋の指側部36は、後続の手袋のカフ側部32と中間部34の第1のセクションとの間に配置されてもよい。
図6Bに示すように、4回折り構成の変形例では、先頭の手袋の指側部36及び中間部34の少なくとも一部は、共に後続の手袋14のカフ側部32と中間部34の少なくとも一部との間に配置されてもよい。
【0056】
図7に示すように、本発明に係る別の実施形態では、手袋ディスペンスアセンブリ400は、2枚の手袋が同時に取り出されるように構成されてもよい。手袋ディスペンスアセンブリ400では、ペア手袋からなる手袋積重体420を形成するために、2枚の手袋410、411が、
図7に示すS字型折り畳み構成で後続のペアの手袋414に折り込まれる、先頭のペアの手袋412を形成している。ペアの手袋412、414は、それぞれ2枚の手袋410、411を含む。手袋410、411は、それぞれのカフ側端部30同士と、それぞれの指側端部40同士とが揃うように、手袋同士を重ねて共に積層してもよい。ペアの手袋は、カフ側端部30から先に開口部110から取り出されるように構成されてもよい。手袋ディスペンスアセンブリ400のS字型折り畳み構成は、
図7に示すように、
図3A〜
図3D、
図4、及び
図8A〜
図8Dに示す2回折りS字型折り畳み構成に対応した折り畳み構成であってもよい。代替的に、手袋ディスペンスアセンブリ400のS字型折り畳み構成は、
図5A〜
図5B及び
図6A〜
図6Bに示す構成と同様の3回折り構成又は4回折り構成であってもよい。
【0057】
再度
図1を参照すると、本発明に係る手袋ディスペンスアセンブリ10は、ディスペンサ100を含み得る。ディスペンサ100は、軟質の材料で形成されて再封可能であってもよい。例えば、ディスペンサ100は、プラスチック、生分解性材料、エラストマー材料、又は他の任意の好適な軟質の材料から製造され得る。代替的な実施形態では、ディスペンサ100は再封可能でなくてもよい。ディスペンサ100は、少なくとも、頂面130と、底面132と、第1の側面134と、第2の側面136とを含む。
図1に示す実施形態では、ディスペンサ100は、ディスペンサ100が略直方体形状を有するように、第3の側面138及び第4の側面140を更に含む。頂面130、底面132、及び側面134、136、138、140は、所定容積を有する閉空間148を画定している。
【0058】
図9に示すように、代替的な実施形態において、ディスペンサ300は、頂面130と、底面132と、第1の側面134と、第2の側面136と、第1の側縁310と、第2の側縁312とを含んでおり、第1の側縁310及び第2の側縁312は、頂面130、底面132、第1の側面134、及び第2の側面136を、封筒状又はポーチ状に封止している。頂面130、底面132、第1の側面134、第2の側面136、第1の側縁310、及び第2の側縁312は、閉空間148を画定している。ディスペンサ100は、開口部(例えば、頂面130、底面132、第1の側面134、及び第2の側面136のいずれかに配置される再封可能な開口部110)を含む。
【0059】
本発明のディスペンサ100は、圧潰可能であってもよい。例えば、圧潰可能なディスペンサは、ディスペンサ100から内容物(例えば手袋)が除去及び取り出されるにつれてサイズが減少するように、エラストマー材料から形成されてもよい。この実施形態では、ディスペンサ100のエラストマー材料は、ディスペンサの複数の内容物(例えば手袋)に対して柔軟にフィットするように延び得る。ディスペンサ100から手袋が取り出されると、エラストマー材料が収縮してディスペンサの閉空間148が応力を受けなくなるまで縮小することで、ディスペンサ100が占有するスペースを常に最小とすることが可能となる。エラストマー材料は柔らかさと可撓性を有するため、エラストマー材料が応力を受けなくなった際にもディスペンサは柔らかさと可撓性を保ったままであり、ゆえに、財布、マザーズバッグ、医療キット、工具箱、又は他の携帯物に入れて、ディスペンサを便利かつ容易に持ち運ぶことができる。また、圧潰可能なディスペンサ100は、柔らかさと可撓性を有するプラスチック又はエラストマー材料でない他の材料から製造されてもよい。例えば、可撓性を有するプラスチック製ディスペンサは、ディスペンサの内容物が取り出され閉空間内の空気量が減少するにつれて、圧縮されることが可能であってもよい。一実施形態では、圧潰可能なディスペンサは、シュリンクラップ材料(shrink-wrapped material)から形成されてもよい。
【0060】
圧潰可能なディスペンサ100は、
図1に示すS字型折り畳み構成を有する手袋積重体120を収容するように構成されてもよい。追加として又は代替として、圧潰可能なディスペンサ100は、1つの折り目(例えばC字状の折り目)を有する手袋からなる手袋積重体を収容するように構成されてもよいし、折り目を有さない手袋からなる手袋積重体を収容するように構成されてもよいし、特定の秩序で積層又は配置されていない複数の手袋を収容するように構成されてもよいし、或いは、圧潰可能なディスペンサ100が複数の内容物を収容できるような任意の他の構成を有してもよい。例えば、圧潰可能なディスペンサ100は、
図7に示す実施形態と同様に、2枚の手袋が同時に取り出されるように、2枚の手袋をペアに折り畳む(C字状の)1つの折り目を有する手袋からなる手袋積重体を収容するように構成されてもよい。
【0061】
再封可能な開口部110は、
図1に示すように硬質な蓋部112によって封止されてもよい。硬質な蓋部112は、硬質な外周部116と、少なくとも1つの可動ヒンジ118によって外周部116に固定される可動蓋114とを含んでもよい。特定の一実施形態では、硬質な蓋部112は、単一材料片から形成されており、可動蓋114は、可動蓋114を開閉可能にする可撓性を有するヒンジ118が取り付けられた、単一材料片の切り抜き部である。別の実施形態(図示せず)では、硬質な蓋部112は、別個の材料片から形成され、例えば、バレルヒンジ、スプリングヒンジ、ピボットヒンジ、又は他の種類のヒンジ等のヒンジ118によって周部に取り付けられてもよい。硬質な蓋部112は、可動蓋を所定位置にロックして開口部を封止するためのロック機構150を有してもよい。例えば、ロック機構150は、可動蓋114がロック面154を有する少なくとも1つのカンチレバースナップを含み、かつ硬質な外周部116がロック面154を所定位置にロック可能な少なくとも1つの対応スロット156を含んだスナップであってもよい。
【0062】
代替的な実施形態では、
図9に示すように、再封可能な開口部110は、接着剤162によってディスペンサ300の頂面130に接着されたシール又は剥離可能なシート160で封止されてもよい。シート160は、ディスペンサの内容物(例えば手袋)を取り出すために剥がされて開口部110を開口した後、開口部110を封止するために接着剤162で再度接着されて開口部110を覆ってもよい。更に別の代替的な実施形態(図示せず)では、ディスペンサ100又はディスペンサ300の開口部110は、再封可能でなくてもよい。
【0063】
図1〜
図9に示す実施形態では、手袋は、頂面を通ってディスペンサ100から引き出され得る。このようにして、手袋は、ディスペンサ100から、手袋の折り目に対して垂直な方向、換言すれば、カフ側部32、中間部34、及び指側部36に対して垂直な方向、例えば、
図4の手袋積重体120において方向200の矢印が示す方向に、取り出される。
図4に示すように、垂直方向である方向200への手袋の取り出しは、開口部110からディスペンサ100のカフ側部32に対して垂直な方向であって鉛直上方に向けて手袋を引き出して行うのが一般的である。頂面からの取り出しに加え、ディスペンサ100の底面132に開口部110を有する実施形態においては、底面132から手袋を取り出してもよいことを理解されたい。
【0064】
特に有利であることに、本発明の手袋ディスペンスアセンブリ10は、垂直方向への手袋の取り出しに加えて、水平方向への取り出しにも好適である。本明細書において、水平方向とは、手袋積重体120においてカフ側部32、中間部34、及び指側部36に対して平行な方向、例えば、
図4の手袋積重体120における方向210の矢印が示す方向である。
図4に示すように、手袋を水平方向である方向210に取り出すと、手袋がディスペンサ100内で手袋のカフ側部32と平行な方向に引っ張られる。本発明に係る代替的な一実施形態(図示せず)では、ディスペンサ100は、ディスペンサ100の頂面130に配置される開口部110と、ディスペンサ100の側面134に配置される開口部110とを含んでもよい。この構成では、使用者は、手袋を垂直方向に取り出すか、又は水平方向に取り出すかについて、後で決定することができる。
【0065】
更に、
図9に関して繰り返しの詳細な説明は省くが、
図1〜
図8及びディスペンサ100に関して上述した様々な任意の特徴はまた、ディスペンサ100に求められる特徴に矛盾しない範囲で、ディスペンサ300に援用されてよいことは理解されよう。更に、
図9及びディスペンサ300に関して上述した様々な任意の特徴もまた、ディスペンサ300に求められる特徴と矛盾しない範囲で、ディスペンサ100に援用されてよい。
【0066】
本発明は、更に、ディスペンサに内容物を充填してディスペンスアセンブリを形成する方法を含み得る。例えば、ディスペンサ300は、手袋が充填されて手袋ディスペンスアセンブリ10が形成されてもよい。この方法は、1つの開口端を有する成形前のディスペンサ300を提供するステップを含む。例えば、ディスペンサ300は、上述して説明されて
図9に示されている、頂面130と、底面132と、第1の側面134と、第2の側面136と、第1の側縁310と、第2の側縁312とを含むディスペンサであってもよく、成形前のディスペンサ300が形作られた際に、第1の側縁310は開放されたままであってもよい。成形前のディスペンサ300は、内容物を取り出すための再封可能な開口部110を有する。再封可能な開口部110は、ディスペンサ300が成形される前に封止されてもよいし、封止されなくてもよい。その後、ディスペンサ300の開口端を介してディスペンサ300に内容物が充填される。例えば、第1の側縁310の開口端を介して、ディスペンサ300に手袋積重体120が充填されてもよい。手袋積重体120において、手袋積重体は、各手袋のカフ側端部30が、各手袋の指側端部40に比して、ディスペンサ100の開口部110側を向くように配置されてもよい。別の実施形態では、手袋は、特定の折り畳み構成を有さずにディスペンサ内に充填されてもよいし、まったく折り畳みされずにディスペンサに充填されてもよいし、手袋同士が互いに折り込まれず別個に折り畳み及び積み重ねされてディスペンサに充填されてもよい。ディスペンサ300の開口端は、内容物(例えば手袋積重体)が充填された後、第1の側縁310に沿って閉口及び封止されてもよい。この段階でまだ封止されていない場合、再封可能な開口部110は、剥離可能なシート160、蓋部112、又は他の再封可能な手段によって封止される。これにより、手袋ディスペンスアセンブリ10が完成して使用準備が整う。
【0067】
本明細書は、最良の実施形態を含めて本発明を開示するために、また当業者が、任意の装置又はシステムを製造及び使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、本発明を実施できるようにするために様々な例を使用した。本発明の特許請求可能な範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者には想到される他の例を含むことができる。そのような他の例は、特許請求の範囲における文字通りの言葉と同様の構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲における文字通りの言葉と僅かに異なる同等な構造要素を有する場合、本明細書の特許請求の範囲内にあるものとして意図される。
【国際調査報告】