特表2021-529829(P2021-529829A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-529829腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるアクタリットの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-529829(P2021-529829A)
(43)【公表日】2021年11月4日
(54)【発明の名称】腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるアクタリットの使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/136 20060101AFI20211008BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20211008BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20211008BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20211008BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20211008BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20211008BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20211008BHJP
【FI】
   A61K31/136
   A61K31/167
   A61K31/55
   A61K31/4184
   A61K45/00
   A61K38/22
   A61P13/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】41
(21)【出願番号】特願2021-522114(P2021-522114)
(86)(22)【出願日】2019年6月25日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月25日
(86)【国際出願番号】CA2019050881
(87)【国際公開番号】WO2020000092
(87)【国際公開日】20200102
(31)【優先権主張番号】62/690,738
(32)【優先日】2018年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/809,330
(32)【優先日】2019年2月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521002165
【氏名又は名称】アルジャーノン・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ウィリアムズ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C084BA44
4C084DB56
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA51
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC32
4C086BC39
4C086GA07
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZA81
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA31
4C206GA01
4C206GA31
4C206KA01
4C206KA09
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA81
(57)【要約】
イグラチモド、レピリナスト、ロベンザリット、アクタリット、イフェンプロジル、ベミチル、ブロマンタン、エモキシピン、ウデナフィル、及び/又はイストラデフィリンは、対象における腎線維症、腎疾患、又は慢性腎疾患の治療又は予防のために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるアクタリットの使用。
【請求項2】
アクタリットの量が、対象1kg当たり1〜20mgの間である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
アクタリットの量が、対象1kg当たり2〜10mgの間である、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
アクタリットの量が、対象1kg当たり3〜8mgの間である、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
アクタリットの量が、対象1kg当たり約5mgである、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイグラチモドの使用。
【請求項7】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり0.4〜2mgの間である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり0.4〜0.8mgの間である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり約1.25mgである、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるレピリナストの使用。
【請求項11】
レピリナストの量が、対象1kg当たり0.1〜50mgの間である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
レピリナストの量が、対象1kg当たり0.2〜35mgの間である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
レピリナストの量が、対象1kg当たり約7.5mgである、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
レピリナストの量が、対象1kg当たり0.5〜10mgの間である、請求項10に記載の使用。
【請求項15】
レピリナストの量が、対象1kg当たり1〜5mgの間である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
レピリナストの量が、対象1kg当たり2〜3mgの間である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
レピリナストの量が、対象1kg当たり約2.5mgである、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
テルミサルタンの使用と組み合わせた、請求項10〜17のいずれか一項に記載の使用。
【請求項19】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
対象1kg当たり0.2〜1mgの間のテルミサルタンの量である、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり約0.25mgである、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイストラデフィリンの使用。
【請求項23】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり0.2〜5mgの間である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり0.7〜1.3mgの間である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり約0.7mgである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるロベンザリットの使用。
【請求項27】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり1〜25mgの間である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり2〜15mgの間である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり3〜10mgの間である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり約4mgである、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイフェンプロジルの使用。
【請求項32】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり0.1〜10mgの間である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり0.5〜5mgの間である、請求項32に記載の使用。
【請求項34】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり約1mgである、請求項33に記載の使用。
【請求項35】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のためのベミチルの使用。
【請求項36】
ベミチルの量が、対象1kg当たり1〜80mgの間である、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
ベミチルの量が、対象1kg当たり5〜50mgの間である、請求項36に記載の使用。
【請求項38】
ベミチルの量が、対象1kg当たり10〜30mgの間である、請求項37に記載の使用。
【請求項39】
対象1kg当たり8〜17mgの間のベミチルの量である、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
ベミチルの量が、対象1kg当たり約17mgである、請求項39に記載の使用。
【請求項41】
テルミサルタンの使用と組み合わせた、請求項35〜40のいずれか一項に記載の使用。
【請求項42】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である、請求項41に記載の使用。
【請求項43】
対象1kg当たり0.1〜1mgの間のテルミサルタンの量である、請求項42に記載の使用。
【請求項44】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり約0.25mgである、請求項43に記載の使用。
【請求項45】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるブロマンタンの使用。
【請求項46】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.2〜50mgの間である、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.1〜100mgの間である、請求項46に記載の使用。
【請求項48】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり約5mgである、請求項47に記載の使用。
【請求項49】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.5〜10mgの間である、請求項48に記載の使用。
【請求項50】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である、請求項49に記載の使用。
【請求項51】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり約1.7mgである、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のためのエモキシピンの使用。
【請求項53】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり1〜100mgの間である、請求項52に記載の使用。
【請求項54】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり2〜50mgの間である、請求項53に記載の使用。
【請求項55】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり5〜30mgの間である、請求項54に記載の使用。
【請求項56】
対象1kg当たり10〜20mgの間のエモキシピンの量である、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり約13mgである、請求項56に記載の使用。
【請求項58】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるウデナフィルの使用。
【請求項59】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり1〜10mgの間である、請求項58に記載の使用。
【請求項60】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である、請求項59に記載の使用。
【請求項61】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり約3mgである、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
イグラチモドの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項63】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり0.4〜0.8mgの間である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
イグラチモドの量が、対象1kg当たり約1.25mgである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
レピリナストの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項67】
レピリナストの量が、対象1kg当たり0.5〜20mgの間である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
レピリナストの量が、対象1kg当たり1〜10mgの間である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
レピリナストの量が、対象1kg当たり約2.5mgである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
テルミサルタンの治療有効量を対象に投与する工程を更に含む、請求項66〜69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
対象1kg当たり0.1〜1mgの間のテルミサルタンの量である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり約0.25mgである、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
ロベンザリットの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項75】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり1〜20mgの間である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり3〜10mgの間である、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
ロベンザリットの量が、対象1kg当たり約4mgである、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
アクタリットの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項79】
アクタリットの量が、対象1kg当たり1〜20mgの間である、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
アクタリットの量が、対象1kg当たり2〜10mgの間である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
アクタリットの量が、対象1kg当たり3〜8mgの間である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
アクタリットの量が、対象1kg当たり約5mgである、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
イフェンプロジルの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項84】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり0.1〜10mgの間である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり0.5〜5mgの間である、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
イフェンプロジルの量が、対象1kg当たり約1mgである、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
ベミチルの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項88】
ベミチルの量が、対象1kg当たり1〜80mgの間である、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
ベミチルの量が、対象1kg当たり5〜50mgの間である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
ベミチルの量が、対象1kg当たり5〜30mgの間である、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
対象1kg当たり8〜17mgの間のベミチルの量である、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ベミチルの量が、対象1kg当たり約17mgである、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
テルミサルタンの治療有効量を対象に投与する工程を更に含む、請求項87〜91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
対象1kg当たり0.1〜1mgの間のテルミサルタンの量である、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
テルミサルタンの量が、対象1kg当たり約0.25mgである、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
ブロマンタンの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項98】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.5〜10mgの間である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり1〜3mgの間である、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり約1.7mgである、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である、請求項100に記載の使用。
【請求項102】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
エモキシピンの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項103】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり1〜100mgの間である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり1〜50mgの間である、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり5〜30mgの間である、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
対象1kg当たり10〜20mgの間のエモキシピンの量である、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
エモキシピンの量が、対象1kg当たり約13mgである、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
ウデナフィルの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項109】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり1〜10mgの間である、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
ウデナフィルの量が、対象1kg当たり約3mgである、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防のための方法であって、
イストラデフィリンの治療有効量を対象に投与する工程
を含む方法。
【請求項113】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり0.2〜5mgの間である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり0.7〜1.3mgの間である、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
イストラデフィリンの量が、対象1kg当たり約0.7mgである、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
セニクリビロク、テルミサルタン、コレステロール降下薬、降圧薬、又はエリスロポエチンのうち1種又は複数の治療有効量を投与する工程と組み合わせた、請求項68〜133のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月27日出願の米国特許仮出願第62/690,738号、及び2019年2月22日出願の米国特許仮出願第62/809,330号の優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、腎障害を治療するための化合物の使用、特に、腎線維症及び/又は慢性腎疾患を治療するための特定の化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
慢性腎疾患(CKD)は、しばしば、腎線維症の結果として、経時的に悪化した腎臓に対する損傷を特徴とする腎疾患の形態である。これは、血液からの過剰な液体及び廃棄物が体内に残存し、他の健康上の問題を引き起こし得るため、腎機能が徐々に低下する。
【0004】
初期に、CKDを伴う患者は、一般に、無症候である。しかしながら、疾患が進行するため、症状は、筋痙攣、悪心及び嘔吐症状、食欲不振、足及び足首の腫脹、並びに疲労を含むことができる。急性腎不全の症状には、腹部痛及び背部痛、下痢、嘔吐症状、及び発熱が含まれる。
【0005】
CKDのリスクを高める因子には、糖尿病、高血圧、心疾患、高齢及びこの状態の家族歴が含まれる。糸球体ろ過速度を調べる血液検査及びアルブミンを調べる尿検査(アルブミンは、腎臓が損傷される場合、尿中に通り得るタンパク質である)は、CKDを診断するために用いることができる。
【0006】
現在、腎線維症又はCKDの治療法がない。CKDの治療は、一般に、危険因子を制御することに焦点を当て、療法の目標は、単に、CKDの進行を鈍化させる又は停止させることである。
【0007】
UUO外科的処置のマウスモデルは、閉塞の持続期間に応じて、最終的に尿細管間質性線維症になる腎損傷の特徴がはっきりした実験モデルである。本モデルにおいて、腎線維症の進行は、大いに予測可能及び再現可能であり、7〜14日の比較的短期間で著しい線維症及びネフロン欠損をもたらす(Eddyら、Investigating mechanisms of chronic kidney disease in mouse models、Pediatr Nephrol.2012年8月;27巻(8号):1233〜47頁;Grande M T and Lopez-Novoa J M、Fibroblast activation and myofibroblast generation in obstructive nephropathy、Nat Rev Nephrol.、2009年6月;5巻(6号):319〜28頁)。
【0008】
テルミサルタンは、高血圧症を治療するために用いられるアンジオテンシン受容体遮断薬である。テルミサルタンは、慢性腎疾患の治療について研究された主要な候補である(Agrawalら、J.Drug.Assess.2016年;5巻(1号):24〜28頁)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Eddyら、Investigating mechanisms of chronic kidney disease in mouse models、Pediatr Nephrol.2012年8月;27巻(8号):1233〜47頁
【非特許文献2】Grande M T and Lopez-Novoa J M、Fibroblast activation and myofibroblast generation in obstructive nephropathy、Nat Rev Nephrol.、2009年6月;5巻(6号):319〜28頁
【非特許文献3】Agrawalら、J.Drug.Assess.2016年;5巻(1号):24〜28頁
【非特許文献4】Xiao F、Zhang F、Zhang LL、Wei W(2018年)A randomized phase I study to evaluate the safety、tolerability、pharmacokinetics and food-effect of Iguratimod in healthy adult volunteers.Eur J Clin Pharmacol;74巻(1号):69〜77頁
【非特許文献5】Le Meur Yら、Macrophage accumulation at a site of renal inflammation is dependent on the M-CSF/c-fms pathway、J Leukocyte Biol.、72巻:530〜537頁;2002年
【非特許文献6】Nair and Jacob、J Basic Clin Pharm 2016年3月〜2016年5月、7巻(2号):27〜31頁
【発明の概要】
【0010】
本発明は、腎線維症及び慢性腎疾患の治療及び/又は軽減のための、他の疾患についての潜在的な療法として一般に研究された、既存の薬物の新規な使用を提供する。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイグラチモドの方法及び使用を提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるレピリナストの方法及び使用を提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるロベンザリットの方法及び使用を提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるアクタリットの方法及び使用を提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイフェンプロジルの方法及び使用を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるベミチルの方法及び使用を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるブロマンタンの方法及び使用を提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるエモキシピンの方法及び使用を提供する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるウデナフィルの方法及び使用を提供する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療におけるイストラデフィリンの方法及び使用を提供する。
【0021】
更なる態様では、腎疾患は、慢性腎疾患である。
【0022】
模範的な実施形態は、図面の参照される図において例示される。本明細書中で開示される実施形態及び図は、限定的ではなく例示的なものと考えられるということが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群テルミサルタンを含めた、12種の治療群からなる、第1の例のC57BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合の平均体重(グラム)の変化の比較を示す図である。
図2】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群を含めた、12種の治療群からなる、C57BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合の血漿中尿素窒素(BUN)(mg/dL)からなる腎機能の評価を示す図である。
図3】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群を含めた、12種の治療群からなる、C57BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合のクレアチニン(mg/dL)からなる腎機能の評価を示す図である。
図4】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群テルミサルタンを含めた、12種の治療群からなる、C7BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合の左(結紮されたUUO)及び右(結紮されなかった)の腎臓(グラム)との間の平均重量差の比較を示す図である。
図5】シャム外科手術対照群、外科手術ビヒクル対照群、及び陽性対照治療群を含めた、12種の治療群からなるC57BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合の、×20の倍率でのシリウスレッドで染色された腎臓断面の無作為に選択した3つの領域における、組織学スコア0(正常)、1(軽度)、2(中等度)又は3(重度)により示される線維症のレベルを用いた腎線維症及び間質損傷の評価を示す図である。
図6】シャム外科手術対照群、外科手術ビヒクル対照群、及び陽性対照治療群を含めた、12種の治療群からなる、C57BL/6マウスの14種の試験群のそれぞれの場合の腎線維症の減少を示す図である。
図7】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群テルミサルタンを含めた、8種の治療群からなる、第2の例から得られたC57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の平均体重(グラム)の変化の比較を示す図である。
図8】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群を含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の血漿中尿素窒素(BUN)(mg/dL)からなる腎機能の評価を示す図である。
図9】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群を含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合のクレアチニン(mg/dL)からなる腎機能の評価を示す図である。
図10】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群テルミサルタンを含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の右腎臓(グラム)の重量を示す図である。
図11】シャム外科手術対照群「シャム+ビヒクル(対照)」、外科手術ビヒクル対照群「ビヒクル(対照)」、及び陽性対照治療群テルミサルタンを含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の左腎臓(グラム)の重量を示す図である。
図12】シャム外科手術対照群、外科手術ビヒクル対照群、及び陽性対照治療群を含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の×20の倍率でのシリウスレッドで染色された腎臓断面の無作為に選択した3つの領域における、組織学スコア0(正常)、1(軽度)、2(中等度)又は3(重度)により示される線維症のレベルを用いた腎線維症及び間質損傷の評価を示す図である。
図13】シャム外科手術対照群、外科手術ビヒクル対照群、及び陽性対照治療群を含めた、8種の治療群からなる、C57BL/6マウスの10種の試験群のそれぞれの場合の腎線維症の軽減を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明者は、他の疾患における使用のために承認された多くの薬理化合物が、腎線維症を抑制する上で有用であり、腎疾患の予防及び/又は治療において有用であり得ることを見出した。いくつかの実施形態では、UUO外科的処置のマウスモデルにおいて、線維症のレベルが、抑制される又は緩和されることが判明している。本明細書中に記載される実験結果に基づいて、本明細書中に記載される化合物が、いくつかの実施形態では、腎疾患及び慢性腎疾患の予防及び/又は治療に有用であることが示される。
【0025】
下記のこれらの例及びデータから、2つの試験における試験化合物を用いて、腎線維症を抑制する又は緩和する効果を示す。第1の試験では、11種の薬理化合物の治療有効量を投与した。第2の試験では、4種の薬理化合物の治療有効量を、テルミサルタンと組み合わせていくつか投与した。「試験薬剤」として知られる以下の薬理化合物は、他の疾患における使用のために承認され、送達及び吸収の目的のために薬学的に許容されるビヒクルと共に配合される。
【0026】
腎疾患を治療する現在の標準は、薬理化合物テルミサルタンを投与しており、テルミサルタンは、本明細書中に記載される実験例において陽性対照として使用される。
【0027】
テルミサルタン、2-(4-{[4-メチル-6-(1-メチル-1H-1,3-ベンゾジアゾル-2-イル)-2-プロピル-1H-1,3-ベンゾジアゾル-1-イル]メチル}フェニル)安息香酸は、高血圧を治療するための分野で公知のアンジオテンシン受容体遮断薬である。テルミサルタンの化学構造は、次の通りである。
【0028】
【化1】
【0029】
イグラチモドの使用
イグラチモド、N-(7-(メチルスルホンアミド)-4-オキソ-6-フェノキシ-4H-クロメン-3-イル)ホルムアミドは、関節リウマチの治療においてしばしば用いられる抗炎症性小分子薬物として、当技術分野で公知である。イグラチモドの化学構造は、次の通りである。
【0030】
【化2】
【0031】
一態様では、本発明は、イグラチモド又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0032】
一実施形態では、用いられるイグラチモドの量は、1日当たり、対象1kg当たり0.4〜2mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるイグラチモドの量は、1日当たり、対象1kg当たり0.4〜0.8mgである(Xiao F、Zhang F、Zhang LL、Wei W(2018年)A randomized phase I study to evaluate the safety、tolerability、pharmacokinetics and food-effect of Iguratimod in healthy adult volunteers.Eur J Clin Pharmacol;74巻(1号):69〜77頁)。更に好ましい実施形態では、用いられるイグラチモドの量は、1日当たり対象1kg当たり約1.25mgである。
【0033】
イグラチモド、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。イグラチモド、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することができる。
【0034】
レピリナストの使用
レピリナスト、3-メチルブチル7,8-ジメチル-4,5-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-ピラノ[3,2-c]キノリン-2-カルボキシレートは、抗ヒスタミン薬として当技術分野で公知である。レピリナストの化学構造は、次の通りである。
【0035】
【化3】
【0036】
一態様では、本発明は、レピリナスト又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0037】
一実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり0.5〜25 mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり1〜5mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり約2.5mgである。更に好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり約7.5mgである。
【0038】
上記のレピリナストの実施形態と組み合わせて、本発明はまた、テルミサルタンによる対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。一実施形態では、レピリナストと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり0.1〜5mgの間である。好ましい実施形態では、レピリナストと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり0.1〜1mgの間である。更に好ましい実施形態では、レピリナストと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり約25mgである。
【0039】
別の実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり75〜105mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり80〜100mgの間である。他の好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり85〜95mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるレピリナストの量は、対象1kg当たり約90mgである。
【0040】
テルミサルタンと共に、レピリナスト、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。テルミサルタンと共に、レピリナスト、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0041】
ロベンザリットの使用
ロベンザリット、2-[(2-カルボキシフェニル)アミノ]-4-クロロ安息香酸は、関節炎の治療のために当技術分野で公知の免疫調節薬である。ロベンザリットの化学構造は、次の通りである。
【0042】
【化4】
【0043】
一態様では、本発明は、ロベンザリット又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0044】
一実施形態では、用いられるロベンザリットの量は、対象1kg当たり1〜20mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるロベンザリットの量は、対象1kg当たり2〜15mgの間である。他の好ましい実施形態では、用いられるロベンザリットの量は、対象1kg当たり3〜10mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるロベンザリットの量は、対象1kg当たり約4mgである。
【0045】
ロベンザリット、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。ロベンザリット、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0046】
アクタリットの使用
アクタリット、(4-アセタミドフェニル)酢酸は、関節リウマチの治療のために当技術分野で公知の疾患修飾性抗リウマチ薬である。アクタリットの化学構造は、次の通りである。
【0047】
【化5】
【0048】
一態様では、本発明は、アクタリット又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0049】
一実施形態では、用いられるアクタリットの量は、対象1kg当たり1〜20mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるアクタリットの量は、対象1kg当たり2〜10mgの間である。他の好ましい実施形態では、用いられるアクタリットの量は、対象1kg当たり3〜8mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるアクタリットの量は、対象1kg当たり約5mgである。
【0050】
アクタリット、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。アクタリット、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0051】
イフェンプロジルの使用
イフェンプロジル、4-[2-(4-ベンジルピペリジン-1-イウム-1-イル)-1-ヒドロキシプロピル]フェノール;2,3,4-トリヒドロキシ-4-オキソブタノエートは、選択的NMDA受容体(グルタメート)アンタゴニストとして当技術分野で公知である。イフェンプロジルは、元々(1970年代初頭に)血管拡張薬として開発された。イフェンプロジルは、現在、思春期PTSDの治療について研究されている。化学構造は、次の通りである。
【0052】
【化6】
【0053】
一態様では、本発明は、イフェンプロジル又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0054】
好ましい実施形態では、用いられるイフェンプロジルの量は、対象1kg当たり0.2〜20mg、好ましくは、対象1kg当たり0.5〜10mgである。更に好ましい実施形態では、用いられるイフェンプロジルの量は、対象1kg当たり1〜5mgの間である。更に一層好ましい実施形態では、用いられるイフェンプロジルの量は、対象1kg当たり約1mgである。
【0055】
イフェンプロジル、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。イフェンプロジル、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0056】
ベミチルの使用
ベミチル、2-エチルスルファニル-1H-ベンゾイミダゾールは、合成アクトプロテクター、抗酸化剤、及び抗変異原性薬として当技術分野で公知であり、しばしば、身体能力を増加させるために用いられる。ベミチルの化学構造は、次の通りである。
【0057】
【化7】
【0058】
一態様では、本発明は、ベミチル又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0059】
一実施形態では、用いられるベミチルの量は、対象1kg当たり1〜80mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるベミチルの量は、対象1kg当たり5〜50mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるベミチルの量は、対象1kg当たり10〜30mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるベミチルの量は、対象1kg当たり15〜20mgの間である。更に一層好ましい実施形態では、用いられるベミチルの量は、対象1kg当たり約17mgである。
【0060】
上記のベミチルの実施形態と組み合わせて、本発明はまた、テルミサルタンによる対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。一実施形態では、ベミチルと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり0.1〜2mgの間である。好ましい実施形態では、ベミチルと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり0.1〜0.5mgの間である。更に好ましい実施形態では、ベミチルと組み合わせて用いられるテルミサルタンの量は、対象1kg当たり約0.25mgである。
【0061】
テルミサルタンと共に、ベミチル、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。テルミサルタンと共に、ベミチル、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0062】
ブロマンタンの使用
ブロマンタン、N-(4-ブロモフェニル)アダマンタン-2-アミンは、神経衰弱の治療の分野で公知のアダマンチン(adamantine)ファミリーの非定型精神刺激薬(atypical psychostimulant)及び抗不安薬である。ブロマンタンの化学構造は、次の通りである。
【0063】
【化8】
【0064】
一態様では、本発明は、ブロマンタン又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0065】
一実施形態では、用いられるブロマンタンの量は、対象1kg当たり0.5〜10mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるブロマンタンの量は、対象1kg当たり1〜3mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるブロマンタンの量は、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるブロマンタンの量は、対象1kg当たり約2.5mgである。
【0066】
ブロマンタン、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。ブロマンタン、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0067】
エモキシピンの使用
エモキシピン、2-エチル-6-メチル-3-ヒドロキシピリジンは、抗酸化剤として当技術分野で公知である。エモキシピンの化学構造は、次の通りである。
【0068】
【化9】
【0069】
一態様では、本発明は、エモキシピン又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0070】
一実施形態では、用いられるエモキシピンの量は、対象1kg当たり1〜50mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるエモキシピンの量は、対象1kg当たり5〜30mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるエモキシピンの量は、対象1kg当たり10〜20mgの間である。更に一層好ましい実施形態では、用いられるエモキシピンの量は、対象1kg当たり約13mgである。
【0071】
エモキシピン、又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。エモキシピン、又は薬学的に許容されるその塩はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0072】
ウデナフィルの使用
ウデナフィル、C25H36N604Sは、勃起不全を治療するために用いられるホスホジエステラーゼ5型(PDE5)阻害薬である。ウデナフィルの化学構造は、次の通りである。
【0073】
【化10】
【0074】
一態様では、本発明は、ウデナフィル又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0075】
一実施形態では、用いられるウデナフィルの量は、対象1kg当たり1〜10mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるウデナフィルの量は、対象1kg当たり2〜5mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるウデナフィルの量は、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるウデナフィルの量は、対象1kg当たり約3mgである。
【0076】
ウデナフィル、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。ウデナフィル、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0077】
イストラデフィリンの使用
イストラデフィリン、8-[(E)-2-(3,4-ジメトキシフェニル)ビニル]-1,3-ジエチル-7-メチル-3,7-ジヒドロ-1H-プリン-2,6-ジオンは、パーキンソン病におけるジスキネジアの治療のために当技術分野で公知の選択的A2A受容体アンタゴニストである。イストラデフィリンの化学構造は、次の通りである。
【0078】
【化11】
【0079】
一態様では、本発明は、イストラデフィリン又は薬学的に許容されるその変形物による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0080】
一実施形態では、用いられるイストラデフィリンの量は、対象1kg当たり0.2〜5mgの間である。好ましい実施形態では、用いられるイストラデフィリンの量は、対象1kg当たり0.3〜1.3mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるイストラデフィリンの量は、対象1kg当たり約0.7mgである。
【0081】
イストラデフィリン、又は薬学的に許容されるその変形物は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。イストラデフィリン、又は薬学的に許容されるその変形物はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0082】
スプラタストトシレートの使用
スプラタストトシレート、(3-{[4-(3-エトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]アミノ}-3-オキソプロピル)(ジメチル)スルホニウム4-メチルベンゼンスルホネートは、抗アレルギー剤として当技術分野で公知のTh2サイトカイン阻害薬である。スプラタストトシレートの化学構造は、次の通りである。
【0083】
【化12】
【0084】
一態様では、本発明は、スプラタストトシレート又は薬学的に許容されるその塩による対象における腎線維症又は腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。腎疾患は、慢性腎疾患であり得る。
【0085】
好ましい実施形態では、用いられるスプラタストトシレートの量は、対象1kg当たり1〜20mgの間である。他の好ましい実施形態では、用いられるスプラタストトシレートの量は、対象1kg当たり2〜10mgの間である。更に好ましい実施形態では、用いられるスプラタストトシレートの量は、対象1kg当たり約5mgである。
【0086】
スプラタストトシレート、又は薬学的に許容されるその塩は、対象に、経口投与、静脈内投与又は当技術分野で公知の方式で投与することができる。スプラタストトシレート、又は薬学的に許容されるその塩はまた、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤と共に投与することもできる。
【0087】
組合せにおける使用
他の態様では、本発明は、組合せで、イグラチモド、レピリナスト、ロベンザリット、アクタリット、イフェンプロジル、ベミチル、ブロマンタン、エモキシピン、ウデナフィル、イストラデフィリン、及びスプラタストトシレートのうち1種又は複数との対象における慢性腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。他の態様では、本発明は、イグラチモド、レピリナスト、ロベンザリット、アクタリット、イフェンプロジル、ベミチル、ブロマンタン、エモキシピン、ウデナフィル、イストラデフィリン、スプラタストトシレートのうち1種又は複数による、及びセニクリビロク、テルミサルタン、コレステロール降下薬、降圧薬、又はエリスロポエチンのうち1種又は複数と組み合わせた、対象における慢性腎疾患の治療又は予防の使用及び方法を提供する。
【0088】
組合せにおける使用のためのコレステロール降下薬の例には、アトルバスタチン(リピトール)、フルバスタチン(レスコール(Lescol))、ロバスタチン、ピタバスタチン(リバロ)、プラバスタチン(プラバコール)、ロスバスタチンカルシウム(クレストール)、シンバスタチン(ゾコー(Zocor))及びナイアシン、アリロクマブ(プラルエント)、エボロクマブ(レパーサ)、アリロクマブ(プラルエント)、及びエボロクマブ(レパーサ)が含まれる。組合せにおける使用のための降圧薬の例には、降圧薬、カルシウムチャネル遮断薬、ACE阻害薬アンジオテンシンII受容体遮断薬、利尿薬、及びβ遮断薬が含まれる。公知のアンジオテンシンII受容体アンタゴニストの例には、アンジオテンシンI受容体サブタイプアンタゴニスト及びアンジオテンシンII受容体サブタイプアンタゴニストが含まれる。適当なアンティオテンシン(antiotensin)II受容体アンタゴニストには、ロサルタン及びバルサルタンが含まれる。適当なカルシウムチャネル遮断薬には、例えば、ベラパミル、ジルチアゼム、ニカルジピン、ニフェジピン、アムロジピン、フェロジピン、ニモジピン、及びベプリジルが含まれる。利尿薬には、例えば、フロセミド、ジウリル(diuril)、アミロライド、及びヒドロジウリル(hydrodiuril)が含まれる。ロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、オルメサルタン、イルベサルタン等は、降圧薬として用いることができる。
【0089】
本明細書中で用いられる用語「有効量」とは、治療される対象において所望の予防若しくは治療効果を与えるのに十分な有効成分の量を意味する。一態様では、脂肪肝、小葉の炎症、肝細胞の風船様腫大又はNASH-由来HCCを抑制する又は軽減するための有効量は、1種又は複数の症状、状態又はその進行を改善する又は軽減させる。いくつかの実施形態では、それらの症状、状態又は進行は、例えば、免疫組織化学染色によって肝臓切片を分析することにより、様々な疾患の進行に関連した指数を測定する、当技術分野において公知の方法を用いて、決定及び評価される。いくつかの実施形態では、有効量は、当業者が、例えば、投与経路及び回数、薬理化合物を投与される対象の体重及び種を評価することにより決定される。いくつかの実施形態では、薬理化合物の有効量は、薬学的に許容されるビヒクルと共に配合され、対象に投与される。
【0090】
本明細書中で用いられる、用語「薬学的に許容される」とは、ビヒクルが、薬理化合物との適合性があり、治療を受ける対象にとってやはり安全であるものと当技術分野で公知であることを意味する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容されるビヒクルは、当業者が、例えば、前記ビヒクル中の薬理化合物の溶解性を評価することにより決定される。
【0091】
本発明の模範的な実施形態は、次の例に関連して更に記載され、これは、例示的であることを意図しており、全く限定することを意図していない。第1の試験では、10種の薬理化合物の治療有効量を投与した。第2の試験では、4種の薬理化合物の治療有効量を、テルミサルタンの投与と組み合わせていくつかを投与した。
【実施例1】
【0092】
材料及び方法
体重23〜25グラムの雄9〜12週齢C57BL/6マウスを用いた。すべてのマウスを、試験開始の最短5日前に順応させ、全試験を通して、12:12時間の明-暗周期でマイクロアイソレーターで個別に食物及び水が自由に得られる標準維持マウス固形飼料の食餌(Harlan Teklad 2018年)で飼育した。外科手術前に、すべてのマウスを、ベースライン体重について秤量した。
【0093】
UUO外科的処置を、当技術分野で公知の前述の方法に従って行った(Le Meur Yら、Macrophage accumulation at a site of renal inflammation is dependent on the M-CSF/c-fms pathway、J Leukocyte Biol.、72巻:530〜537頁;2002年)。
【0094】
すべてのマウスを、生理食塩水(10μL/g体重)中の齧歯類カクテル(rodent cocktail)(ケタミン10mg/mL及びキシャリン(Xyaline)1mg/mL)を含む腹腔内注射により最初に麻酔にかけた。足の反射及び感覚毛の運動を用いて、意識消失の状態を決定した。意識消失の状態を、すべての動物において約5分後に確認した。次いで、すべてのマウスは、腹部の左側の毛が剃られた。毛を剃った領域に、最初にヨウ素を塗布し、次いで、アルコールで拭き取った。22番メスで皮膚の縦切開をし、次いで、皮膚を開創した。次いで、任意の大血管を避けて、更に腹膜を約2.5cm切開した。次いで、腹膜を開創し、左腎臓を曝露した。
【0095】
次いで、左腎臓を、無菌の鉗子を使って腎臓の下に尿管を直接引っかけ、腎臓を上向きに静かに操作することにより表面に運んだ。尿管を、5-0縫合糸で腎臓の下に2カ所直接結紮し、過剰な縫合は切り取り、結紮後処分した。次いで、腎臓を、その正確な解剖学的位置に静かに戻し、腹部を、無菌の生理食塩水1mLで灌流して、体液喪失を補充した。腹膜、次いで、皮膚を、5-0Mersileneで縫合し、切開部位を、ヨウ素で静かに拭き取った。次いで、すべてのマウスを、約30〜60分後に回復するまで、防寒用毛布の上に置いた清浄なケージの中に個別に入れた。いくつかの例では、シャム外科手術を、結紮を除き、UUO外科的処置手順のすべての工程に従うことにより、対照として行った。
【0096】
外科手術後、マウスを、マウス各8匹の14種の個別の試験群に分け、術後回復後、経口治療を1日1回14日間施行した。14種の試験群のうち12種の治療群におけるマウス(以下、「治療群」として知られる)は、UUO外科的結紮をすべて受けており、Table 1(表1)に記載の異なる薬理化合物で個別に治療した。14種の試験群のうち2つの群におけるマウスを、有効成分を含まない薬学的に許容されるビヒクルで個別に治療した。すべての群における薬学的に許容されるビヒクルは、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)であった。すべてのマウスを、術後15日目にC02で屠殺した。
【0097】
【表1】
【0098】
動物試験のために選択された用量を、公知の最大ヒト日用量を投与し、成人(およそ60〜70kg)の平均体重に分けて、ヒトmg/kg用量を得ることにより決定した。次いで、その数に、12を乗じて、従来の投薬表に基づいてマウス用量に変換した。Nair and Jacob、J Basic Clin Pharm 2016年3月〜2016年5月、7巻(2号):27〜31頁を参照のこと。
【0099】
したがって、ヒト用量に到達するワーキングバックワード(working backwards)は、例えば:エモキシピン=160mg/kg÷12=13.3mg/kgである。
【0100】
各マウスについて次の測定及び評価をした。
【0101】
体重:体重を、実験用天秤を用いて1、2、5、8、10及び14日目に測定した。
【0102】
血清採取:次いで、血液サンプルを、すべてのマウスから採取し、血漿を、尿素窒素及びクレアチニンについて分析した。血漿を、あり得る将来の分析のために-80℃で貯蔵した。
【0103】
腎臓重量:次いで、UUOを、in situで検査して、外科的結紮の結びが開存したままであることを保証した。結紮された(UUO)及び結紮されていない腎臓を、分析用に取り除いた。両方の腎臓の重量を、実験用天秤を用いて測定した。
【0104】
病理組織学:ホルマリンにより固定された腎臓断面サンプルを、シリウスレッド染色を用いた病理組織学的スコアリングにかけ、標準的な技法を用いて×20の倍率で撮像した。3つすべての切片を、染色し評価した。分析は、委員会認定の獣医病理学者により行われた。間質損傷の存在及び重症度スコアを、次の基準に従って評価した。0=正常、1=軽度、2=中等度、3=重度。
【0105】
値は、算術平均である。試験群と陽性対照群との間の比較を、両側、不等分散性(2標本不均等分散)スチューデントT検定を用いて行った。p値<0.05は、統計学的に有意であると考えた。
【0106】
結果
体重評価:平均体重の変化の評価の結果を、図1及びTable 2(表2)中に示す。体重を、前述した通り、術後1、2、5、8、10及び14日目に測定した。各試験群の平均体重の変化を、各試験群におけるすべてのマウスの体重の平均を用いて算出した。
【0107】
【表2】
【0108】
すべての試験群で、平均体重の変化の初回の減少、その後、屠殺までの平均体重の変化の増加を示した。
【0109】
レピリナスト及びイストラデフィリンを除く、すべての治療群についての術後14日目の平均体重の変化は、陽性対照治療群よりポジティブな値を示した。陽性対照治療群(テルミサルタン)と比較して、これは、レピリナスト治療群及びイストラデフィリン治療群における術後14日目対術後1日目の体重の減少がより大きく、残りの治療群における体重の増加がより多いことを示した。
【0110】
スプラタストトシレートブロマンタン(Suplatast Tosylate Bromantane)治療群についての術後14日目の平均体重の変化は、外科手術ビヒクル対照群の場合の術後14日目の平均体重の変化に匹敵した。
【0111】
ベミチル治療群についての術後14日目の平均体重の変化は、シャム外科手術対照群の術後14日目の平均体重の変化よりも更に大きかった。
【0112】
腎機能評価:腎機能及び疾患の進行を、前述した通り、BUN(血液尿素窒素)により評価した。各試験群のBUNは、各試験群におけるすべてのマウスのBUN平均値からなる。結果を、図2及び図3.並びにTable 3(表3)に示す。
【0113】
【表3】
【0114】
すべての治療群についてのBUNは、イストラデフィリン治療群を除いた、外科手術ビヒクル対照群と比較して減少した。
【0115】
すべての治療群についてのBUNは、イストラデフィリン治療群を除いた、陽性対照治療群と比較して減少した。これにより、イグラチモド、レピリナスト、ロベンザリット、アクタリット、イフェノプロジル(Ifenoprodil)、ベミチル、ブロマンタン、エモキシピン及びウデナフィルの治療群が、腎線維症の治療についての現在の金標準であるテルミサルタンによる陽性対照治療よりも腎機能障害及び疾患の進行が少なかったことが示された。
【0116】
スプラタストトシレート、イグラチモド、レピリナスト、ロベンザリット、アクタリット、ベミチル、ブロマンタン及びウデナフィル治療群についてのBUNは、シャム外科手術対照群と比較して減少した。これにより、いかなる外科的結紮(UUO)も受けなかった試験群と比較して、これらの化合物による治療が、腎機能を改善させることが示された。これらの化合物のうち、ベミチルによる治療は、すべての腎機能を最も改善させた。
【0117】
特に、レピリナスト(30mg/kg)、ベミチル(200mg/kg)、及びブロマンタン(20mg/kg)では、ビヒクル(p<0.05、タムハーン事後検定)と比較したBUNのレベルの有意な低下を示した。ボンフェローニ事後検定が適用される場合、BUNの有意な減少は、スプラタストトシレート(60mg/kg)、イグラチモド(15mg/kg)、ロベンザリット(48mg/kg)、アクタリット(60mg/kg),及びウデナフィル(40mg/kg)の場合にやはり観察された。陽性対照、テルミサルタン(5mg/kg)は、ビヒクルと比較して有意な低下を示さなかった。試験化合物間の差は、有意でなかった。試験された薬剤すべては、ビヒクルと比較して血清クレアチニンのレベルを下げた。
【0118】
腎臓重量評価:腎臓重量を示しており、これは、腎臓の機能的及び病理学的変化を示し、前述した通り結紮された(UUO)及び結紮されていない腎臓の重量を測定することにより評価した。各試験群の結紮された及び結紮されていない腎臓重量は、各試験群におけるすべてのマウスの各腎臓重量平均値からなる。結果を、Table 4(表4)及び図4に示す。
【0119】
【表4】
【0120】
すべての治療群及び外科手術ビヒクル対照群についての結紮された腎臓重量は、シャム外科手術対照群と比較して増加した。イストラデフィリンを除くすべての治療群についての結紮された腎臓重量は、陽性対照治療群の結紮された腎臓重量と比較して増加し、外科手術ビヒクル対照群の結紮された腎臓重量と比較して減少した。イストラデフィリン治療群についての結紮された腎臓重量は、外科手術ビヒクル対照群を含めた、残りの13種の試験群と比較して増加した。
【0121】
結紮されていない腎臓と比較した、結紮された腎臓重量の増加は、陽性対照治療群と比較して、すべての治療群において大きかった。
【0122】
特に、陽性対照テルミサルタン(5mg/kg)によって、2つの腎臓の間で不一致の数的減少が最大であることを示した。多くの他の薬剤は、この不一致の減少がより小さいことを示した。
【0123】
腎線維症の評価:腎線維症及び間質損傷を、前述した通りシリウスレッドによる腎臓断面の組織化学的染色により評価した。各試験群の組織学スコアは、各試験群におけるすべてのマウスの組織学スコア平均値からなる。結果を、Table 5(表5)及び図5及び図6に示す。
【0124】
【表5】
【0125】
すべての治療群のp値は、ロベンザリット治療群及びイストラデフィリン治療群を除いて、統計学的に有意であった。
【0126】
スプラタストトシレート治療群及びエモキシピン治療群についての組織学スコアは、陽性対照治療群と同じであった。
【0127】
ベミチル治療群についての組織学スコアは、陽性対照治療群テルミサルタンと比較して減少した。
【0128】
特に、ベミチル(200mg/kg)、エモキシピン(160mg/kg)、スプラタストトシレート(60mg/kg)、及びウデナフィル(40mg/kg)では、腎臓線維症の有意な低下が示された。陽性対照テルミサルタン(5mg/kg)はまた、有意な低下を示した。
【0129】
結論
ベミチル(200mg/kg)の経口投与では、ビヒクルと比較して、腎臓線維症の有意な改善及びBUNの減少が示され、UUOの体重増加に対するネガティブな効果を覆すように思われる。30mg/kgにおけるレピリナスト及び20mg/kgにおけるブロマンタンでは、ビヒクルと比較してBUNの有意な減少を示し、ウデナフィル(40mg/kg)、エモキシピン(160mg/kg)及びスプラタストトシレート(60mg/kg)では、ビヒクルと比較して線維症の有意な減少が示された。
【0130】
5mg/kgにおけるテルミサルタンの経口投与ではやはり、BUNレベル及び線維症の減少が示されたが、前者は、統計学的に有意でなかった。テルミサルタンは、UUO-モデルにおける腎臓サイズの不一致を減少させるように思われるが、本効果の有意性は、決定されなかった。
【実施例2】
【0131】
材料及び方法
本例では、健常な若い雌C57BL/6マウスを、本試験のために用いた。試験の開始時に、マウスは、9〜12週齢、秤量23〜25gであった。すべてのマウスを、Charles River Laboratories社から入手した。
【0132】
マウスを、温度70〜72°F、湿度30〜70%の制御された環境において、明期12時間及び暗期12時間の光周期で維持した。マウスに、Harlan Teklad 2018標準維持マウス固形飼料の食事及び飲料水を自由に提供した。
【0133】
順化の5日後、マウスを、体重に従ってグループ化した。マウス各10匹の10種の群があった。マウス各10匹の9種の群は、前述した通りUUOを行い、マウス10匹の他の群は、外科手術を行わない対照であるためシャムの手順を行った。
【0134】
外科手術後、マウスを、マウス各10匹の10種の個別の試験群に分け、術後回復後、経口治療を1日1回14日間施行した。10種の試験群のうち8種の治療群におけるマウスは、UUO外科的結紮をすべて受けており、Table 6(表6)に記載の異なる薬理化合物で個別に治療した。10種の試験群のうち2つの群におけるマウスを、有効成分を含まない薬学的に許容されるビヒクルで個別に治療した。すべての群における薬学的に許容されるビヒクルは、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)であった。すべてのマウスを、術後15日目にC02で屠殺した。
【0135】
【表6】
【0136】
動物試験のために選択された用量を、公知の最大ヒト日用量を投与し、成人(およそ60〜70kg)の平均体重に分けて、ヒトmg/kg用量を得ることにより決定した。その数に、12を乗じて、従来の投薬表に基づいてマウス用量に変換した。Nair and Jacob、J Basic Clin Pharm 2016年3月〜2016年5月、7巻(2号):27〜31頁を参照のこと。
【0137】
各マウスについて次の測定及び評価をした。
【0138】
体重:体重を、実験用天秤を用いて、1、4、7、10及び14日目に測定した。
【0139】
血清採取:次いで、血液サンプルを、すべてのマウスから採取し、血漿を、尿素窒素及びクレアチニンについて分析した。血漿を、あり得る将来の分析のために-80℃で貯蔵した。
【0140】
腎臓重量:次いで、UUOを、in situで検査して、外科的結紮の結びが開存したままであることを保証した。結紮された(UUO)及び結紮されていない腎臓を、分析用に取り除いた。両方の腎臓の重量を、実験用天秤を用いて測定した。
【0141】
病理組織学:ホルマリンにより固定された腎臓断面サンプルを、シリウスレッド染色を用いた病理組織学的スコアリングにかけ、標準的な技法を用いて×20の倍率で撮像した。3つすべての切片を、染色し評価した。分析は、委員会認定の獣医病理学者により行われた。間質損傷の存在及び重症度スコアを、次の基準に従って評価した。0=正常;1=軽度;2=中等度;3=重度。
【0142】
データを、Microsoft Excel又はGraphPad Prism version 5.00 for Windows(GraphPad Software社、San Diego California USA)から得た平均値として示される。データを、ボンフェローニ事後検定及びタムハーン事後検定を用いた二元配置ANOVAを用いて分析した。群間の差は、p<0.05で有意であると考えられた。
【0143】
結果
体重評価:平均体重の変化の評価の結果を、図7及びTable 7(表7)中に示す。体重を、前述した通り、術後1、4、7、10及び14日目に測定した。各試験群の平均体重の変化を、各試験群におけるすべてのマウスの体重の平均を用いて算出した。
【0144】
【表7】
【0145】
体重増加の減少が、ビヒクル群において最初の4日間観察され、その後、これらの増加は、回復し始めた。レピリナスト(30及び90mg/kg)、ベミチル(200mg/kg)、ブロマンタン(40mg/kg)及びテルミサルタン+ベミチル(3mg/kg+200mg/kg)により治療した群では、体重の初回の減少、及び実験の持続期間に継続した体重増加はなかった。ベミチル治療群についての術後14日目の平均体重の変化は、シャム外科手術対照群の術後14日目の平均体重の変化よりも更に大きかった。
【0146】
腎機能評価:腎機能及び疾患の進行を、前述した通り、BUN(血液尿素窒素)により評価した。各試験群のBUNは、各試験群におけるすべてのマウスのBUN平均値からなる。結果を、図8及び図9並びにTable 8(表8)に示す。
【0147】
【表8】
【0148】
Table 8(表8)では:* - ボンフェローニ事後検定後のビヒクルと有意に異なる;*
- タムハーン事後検定後(p<0.05)
【0149】
尿素窒素(BUN)及びクレアチニンデータを、それぞれ図2及び図3並びにTable 3(表3)に示す。ベミチル(200mg/kg)、レピリナスト(90mg/kg及び30mg/kg)及びブロマンタン(40mg/kg)の投与は、ビヒクルと比較して、BUNのレベルにおいて有意な低下をもたらした。セニクリビロクはまた、BUNのレベルを低下させるが、この低下は、有意でなかった。ブロマンタンは、試験される最も有効な化合物であり、続いて、レピリナスト及びベミチルであった。陽性対照テルミサルタンは、BUNのレベルを低下せず、レピリナスト又はベミチルと組み合わせた場合、これらの薬剤が、BUNレベルを低下させる能力を軽減すると思われる。ブロマンタンは、テルミサルタンより優れていることが判明し;他の点で、薬剤間で観察される差は、有意でなかった。試験された群のうちのいずれかにおいて血清クレアチニンのレベルの差がなかった。
【0150】
腎臓重量評価:腎臓において機能的及び病理学的変化を示す腎臓重量を、前述した通り結紮された(UUO)及び結紮されていない腎臓の重量を測定することにより評価した。各試験群の結紮された及び結紮されていない腎臓重量は、各試験群におけるすべてのマウスの各腎臓重量平均値からなる。結果を、Table 9(表9)及び図10及び図11に示す。
【0151】
【表9】
【0152】
Table 9(表9)では:* - ボンフェローニ事後検定後のビヒクルと有意に異なる;* - タムハーン事後検定後(p<0.05)
【0153】
ビヒクル群における左(結紮された)腎臓の重量は、大いに増加した。試験された化合物すべてによって、左腎臓の重量の数的減少が生じた。最大の減少は、ベミチル(200mg/kg)又はレピリナスト(30mg/kg)と組み合わせたテルミサルタン(3mg/kg)の投与により達成され、これらの減少は、ボンフェローニ(両方の場合)又はタムハーン(レピリナストの場合)補正の適用後に有意であったにすぎなかった。テルミサルタン及びレピリナストの組合せはまた、ビヒクル群と比較して、排液した左腎臓の重量を有意に減少することができ;類似の効果は、ベミチル(200mg/kg)の場合に観察された。実験中、ビヒクル群はまた、右(結紮されていない)腎臓の重量の有意な増加が示された。試験された治療のすべては、この臓器の重量を有意に減少させることができた。
【0154】
腎線維症の評価:腎線維症及び間質損傷を、前述した通りシリウスレッドによる腎臓断面の組織化学的染色により評価した。各試験群の組織学スコアは、各試験群におけるすべてのマウスの組織学スコア平均値からなる。結果を、Table 10(表10)及び図12及び図13に示す。
【0155】
【表10】
【0156】
ベミチル(200mg/kg)又はレピリナスト(30mg/kg)と組み合わせた、薬剤ベミチル(200mg/kg)、レピリナスト(90mg/kg)及びブロマンタン(40mg/kg)並びにテルミサルタン(3mg/kg)は、ビヒクルと比較して腎臓線維症のレベルを有意に低下させることができ、低用量レピリナスト(30mg/kg)、セニクリビロク(40mg/kg)及び陽性対照テルミサルタン(3mg/kg)は、統計的に有意でない改善を示した。ブロマンタンは、組織学スコアにおいて数的減少が最大であり;この手段により、ブロマンタンは、テルミサルタン(ボンフェローニ補正後の後にp<0.05)及びセニクリビロク(ボンフェローニ又はタムハーン補正後の後にp<0.05)より優れていた。
【0157】
結論
試験化合物ベミチル(200mg/kg)、レピリナスト(90mg/kg)及びブロマンタン(40mg/kg)の経口投与では、ビヒクルと比較して、腎臓線維症の有意な改善及びBUNの減少が示され、UUOの体重増加に対するネガティブな効果を覆すように思われた。これらの3種の薬剤のうち、ブロマンタンは、線維症及びBUNレベルの最高の低下を呈した。
【0158】
3mg/kgにおけるテルミサルタンの経口投与によって、BUNレベル又は線維症の有意な減少が示されなかった。レピリナスト(30mg/kg)又はベミチル(200mg/kg)と組み合わせたテルミサルタンは、UUO-モデルにおける結紮された腎臓のサイズを有意に縮小した。
【0159】
説明全体で、特定の詳細は、当業者に十分な理解を提供するために記載している。しかしながら、周知の要素は、開示を不必要に不明瞭にすることを避けるため、詳細に示す又は記載することはできない。したがって、説明及び図面は、限定的な意味でなく、例示的な意味と考えるものとする。
【0160】
多くの模範的な態様及び実施形態が上記で論じられおり、当業者は、特定の修正形態、並べ換え、追加及びそれらのサブコンビネーションを認識している。したがって、次の添付した特許請求の範囲及び以下に紹介される特許請求の範囲が、全体として本明細書の最も広い解釈と一致するように、すべてのかかる修正形態、並べ換え、追加及びそれらのサブコンビネーションを含むものと解釈されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2021年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療のための医薬調製におけるブロマンタンの使用。
【請求項2】
腎線維症又は腎疾患の予防又は治療のための医薬組成物又は配合物であって、前記組成物又は配合物が、ブロマンタンを含む、組成物又は配合物。
【請求項3】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.250mgの間である、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物
【請求項4】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.1100mgの間である、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物
【請求項5】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり約5mgである、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物
【請求項6】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり0.5〜10mgの間である、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり1.7〜3.3mgの間である、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
ブロマンタンの量が、対象1kg当たり約1.7mgである、請求項1に記載の使用又は請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
対象における腎線維症又は腎疾患の予防又は治療のための医薬の調製におけるスプラタストトシレートの使用。
【請求項10】
腎線維症又は腎疾患の予防又は治療のための医薬組成物又は配合物であって、前記組成物又は配合物が、スプラタストトシレートを含む、組成物又は配合物
【請求項11】
治療有効量の、セニクリビロク、テルミサルタン、コレステロール降下薬、降圧薬、又はエリスロポエチンのうち1種又は複数と組み合わせた、請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用又は組成物
【国際調査報告】