(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-530065(P2021-530065A)
(43)【公表日】2021年11月4日
(54)【発明の名称】パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/04 20120101AFI20211008BHJP
【FI】
G06Q40/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2021-516604(P2021-516604)
(86)(22)【出願日】2019年11月19日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月23日
(86)【国際出願番号】CN2019119533
(87)【国際公開番号】WO2020114242
(87)【国際公開日】20200611
(31)【優先権主張番号】201811496915.0
(32)【優先日】2018年12月7日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521012474
【氏名又は名称】江蘇傲為控股有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】バイ、ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドンユン
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB51
(57)【要約】
【課題】パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステムであって、実際の応用において、複数の供給チェーンは、供給トークンを等価のパブリックチェーントークンと交換するように、パブリックチェーンに供給取引を発起し、パブリックチェーンは、受信された供給トークンを記憶して供給量を記録し、交換チェーンは、パブリックチェーンに交換取引を発起することにより、パブリックチェーンがイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって交換レートを算出し、記憶された供給トークンから、イニシャルトークンと等価の交換トークンを抽出して、交換チェーンに振り替えるようにする。
【解決手段】前記方法は、パブリックチェーンが2種類のトークン間の交換レートを算出することにより、比較的客観的な交換環境を提供することができる。また、供給取引が発生された後、パブリックチェーンが供給トークンを記憶することにより、交換チェーンは、交換取引を行う時に、交換先と接触することなく、単にパブリックチェーンと取引を行うことになり、中央集権的なプログラム又はプラットフォームの関与が回避され、交換効率が向上される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パブリックチェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法であって、
供給チェーンから発起された、前記パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引を受信するステップと、
パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するステップと、
供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを供給チェーンに振り替えるステップと、
交換チェーンから発起された、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引を受信するステップと、
パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するステップと、
交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替えるステップと、を含む、
ことを特徴とするパブリックチェーンに基づくトークン交換方法。
【請求項2】
パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するステップは、
供給チェーンから振り替えられた、パブリックチェーンに振り替えられる予め設定の数量の供給トークンと、同時にパブリックチェーンに振り替えられるパブリックチェーントークンと、を含む質権トークンを受信するサブステップと、
受信された質権トークンにおける、供給トークンとパブリックチェーントークンとの数量関係によって初期交換レートを算出するサブステップと、
前記初期交換レートを記憶し、前記初期交換レートを基にして、後続の供給トークンの振り替え数量によって交換レートをリアルタイムに調整するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交換方法。
【請求項3】
供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、前記方法は、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量によって、パブリックチェーンネットワークにアクセスした供給チェーンの供給トークンの供給資格を検証するステップと、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値以上であると、供給チェーンに供給資格があると決定し、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップと、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値未満であると、供給チェーンに供給資格がないと決定し、供給チェーンに検証プロンプトを送信し、供給チェーンの提供可能な供給トークンのタイプを記憶するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交換方法。
【請求項4】
パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するステップは、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであるかを判断するサブステップと、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであると、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンの供給量を問い合わせるサブステップと、
交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンでないと、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンの供給量を問い合わせるサブステップと、
イニシャルトークンの供給量によって、イニシャルトークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交換方法。
【請求項5】
供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、供給チェーンにパブリックチェーンの交換ルールに符合されるスマートコントラクトが配置されているかを検証し、供給チェーンにスマートコントラクトが配置されていないと、供給チェーンにスマートコントラクトを配置するステップは、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートするかを判断するサブステップと、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートすると、供給チェーンにスマートコントラクトを配置するサブステップと、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートしないと、供給チェーンに、パブリックチェーンネットワークにおける一部のノードであるパラチェーンを配置するサブステップと、
パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、パラチェーンに対してスマートコントラクトを配置するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の交換方法。
【請求項6】
供給チェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法であって、
パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引を、パブリックチェーンに発起するステップと、
パブリックチェーンが供給トークンの供給量によって算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップと、
取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを受信するステップと、を含む、
ことを特徴とするパブリックチェーンに基づくトークン交換方法。
【請求項7】
パブリックチェーンが供給トークンの供給量によって算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップは、
供給チェーンに対応するパラチェーンに供給取引を発起するサブステップと、
パラチェーンが供給取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起することで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行うサブステップと、
パラチェーンが供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、取得可能なパブリックチェーントークンの数量を算出し、パブリックチェーントークンの数量を供給チェーンに送信するように、制御を行うサブステップと、
パブリックチェーントークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、制御を行うサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の交換方法。
【請求項8】
交換チェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法であって、
パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引をパブリックチェーンに発起するステップと、
パブリックチェーンがイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップと、
取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、パブリックチェーントークンの数量と等価の交換トークンを受信するステップと、を含む、
ことを特徴とするパブリックチェーンに基づくトークン交換方法。
【請求項9】
パブリックチェーンが交換トークンの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップは、
交換チェーンに対応するパラチェーンにより、交換取引を発起するサブステップと、
パラチェーンが交換取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起することで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行うサブステップと、
パラチェーンが交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、取得可能な交換トークンの数量を算出し、交換トークンの数量を交換チェーンに送信するように、制御を行うサブステップと、
交換トークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パラチェーンがパブリックチェーンに交換取引を発起するように、制御を行うサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の交換方法。
【請求項10】
パブリックチェーンと、パブリックチェーンネットワークにアクセスする供給チェーン及び交換チェーンと、を含み、パブリックチェーン、供給チェーン及び交換チェーンは、何れもピアツーピアネットワークであり、
前記供給チェーンは、
パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられたパブリックチェーントークンを受信するように、
配置され、
前記交換チェーンは、
パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられた交換トークンを受信するように、
配置され、
前記パブリックチェーンは、
供給チェーンから発起された供給取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出し、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンとを供給チェーンに振り替え、
交換チェーンから発起された交換取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンとイニシャルトークンとの供給量を問い合わせ、交換トークンとイニシャルトークンとの供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出し、交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替えるように、
配置される、
ことを特徴とするパブリックチェーンに基づくブロックチェーンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年12月07日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201811496915.0であり、発明の名称が「パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステム」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ネットワーク取引技術分野に関し、特に、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーン技術は、脱中央集権的なシステムアプリケーションアーキテクチャ及びパブリックコンセンサスによって作成された比較的客観的な否認防止デジタル環境である。ブロックチェーン技術に基づき、ネットワーク情報の信頼性を確保することができ、例えば、ブロックチェーンネットワークで1件の取引が発生されると、ブロックチェーンネットワークにおけるノードが、取引情報によって取引内容が記載されているブロックデータを生成し、ブロックデータをネットワーク全般でブロードキャストし、ネットワークにおける他のノードがブロックデータを同時に記憶し、変更不可のブロックチェーンを形成する。その中で、前記取引は、広範な意味を持ち、伝統的な意味での「商品の売買」、「物品のやりとり」ではなく、ブロックチェーンネットワークにおけるあるデータ操作内容又は操作結果を指すものであり、例えば、ネットワークにおいてあるブロックチェーンノードAがある型番の通信機器の性能についての問い合わせリクエストaを発起した場合、前記問い合わせリクエストaは、問い合わせサービスを担当するブロックチェーンノードBに対しては1件の取引となる。同様に、ノードBが問い合わせて得られた当該型番の通信機器の性能表bをノードAに送信することも、1件の取引となる。情報A、a及び情報B、bとは、取引情報としてブロックチェーンのデータブロックに書き込まれる。
【0004】
通常、ブロックチェーンネットワーク中の取引では、取引操作そのものを評価又は取引データの注目度や価値を標準化するために、例えば、ビットコインネットワークのbitcoin、イーサリアムネットワークのEtherのようなデジタルトークン(token)を、ネットワーク取引のマーカーとして使用する。通常、異なるブロックチェーンネットワークは、異なるタイプのトークンを使用している。ネットワーク取引のマーカーとして、異なるタイプのトークン同士を交換する必要があるので、Aトークンを使用するブロックチェーンネットワークAとBトークンを使用するブロックチェーンネットワークBとは、AトークンとBトークンとを介して2つのブロックチェーンネットワーク間での情報又は価値の伝達を実現する。
【0005】
従来のトークン交換操作は、トークン取引所で完成され、すなわち、取引所の形式でネットワーク上に取引センターを提供し、取引センターは、交換に関与する双方が一定の交換レートに従って、数量1のAトークンで数量2のBトークンを交換することができるように、異なるトークン間で交換プラットフォームを提供する。
【0006】
既存の交換方法では、2つのタイプのトークン間の交換操作は、従来の交換プラットフォーム又は第三者プラットフォームに依存し、交換レートも交換プラットフォーム又は第三者プラットフォーム(例えば、銀聯)によって左右される。交換プラットフォーム又は第三者プラットフォームは、実質的に中央集権的なプラットフォームであるため、サイバー攻撃を容易に受け、セキュリティの確保が困難である。また、従来の交換プラットフォームは、交換先を決定する必要があり、交換側の交換対象が人気のないトークンである場合、交換先の探し及びトークン同士間の交換レートの決定に長時間が必要であるので、交換過程において長時間がかかり、交換を適時に完成することができないのみならず、より多くのネットワーク資源が消費され、交換効率が低下される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願は、従来のトークン交換方法が中央集権的なプログラムに制御されて交換効率が低いという問題を解決するために、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の形態において、本願に係る、パブリックチェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法は、
供給チェーンから発起された、前記パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引を受信するステップと、
パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するステップと、
供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを供給チェーンに振り替えるステップと、
交換チェーンから発起された、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引を受信するステップと、
パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するステップと、
交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替えるステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するステップは、
供給チェーンから振り替えられた、パブリックチェーンに振り替えられる予め設定の数量の供給トークンと、同時にパブリックチェーンに振り替えられるパブリックチェーントークンと、を含む質権トークンを受信するサブステップと、
受信された質権トークンにおける、供給トークンとパブリックチェーントークンとの数量関係によって初期交換レートを算出するサブステップと、
前記初期交換レートを記憶し、かつ、前記初期交換レートに基づき、後続きの供給トークンの振り込み数量によって交換レートをリアルタイムに調整するサブステップと、
を含む。
【0010】
好ましくは、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、前記方法は、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量によって、パブリックチェーンネットワークにアクセスした供給チェーンの供給トークンの供給資格を検証するステップと、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値以上であると、供給チェーンに供給資格があると決定し、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップと、
供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値未満であると、供給チェーンに供給資格がないと決定し、供給チェーンに検証プロンプトを送信し、供給チェーンの提供可能な供給トークンのタイプを記憶するステップと、
をさらに含む。
【0011】
好ましくは、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するステップは、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであるかを判断するサブステップと、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであると、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンの供給量を問い合わせるサブステップと、
交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンでないと、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンの供給量を問い合わせるサブステップと、
イニシャルトークンの供給量によって、イニシャルトークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するサブステップと、
交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するサブステップと、
を含む。
【0012】
好ましくは、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、供給チェーンにパブリックチェーンの交換ルールに符合されるスマートコントラクトが配置されているかを検証し、供給チェーンにスマートコントラクトが配置されていないと、供給チェーンにスマートコントラクトを配置するステップは、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートするかを判断するサブステップと、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートすると、供給チェーンにスマートコントラクトを配置するサブステップと、
供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートしないと、供給チェーンに、パブリックチェーンネットワークにおける一部のノードであるパラチェーンを配置するサブステップと、
パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、パラチェーンに対してスマートコントラクトを配置するサブステップと、
を含む。
【0013】
第2の形態において、本願に係る、供給チェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法は、
パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引を、パブリックチェーンに発起するステップと、
パブリックチェーンが供給トークンの供給量によって算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップと、
取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを受信するステップと、を含む。
【0014】
好ましくは、パブリックチェーンが供給トークンの供給量によって算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップは、
供給チェーンに対応するパラチェーンに供給取引を発起するサブステップと、
パラチェーンが供給取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起することで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行うサブステップと、
パラチェーンが供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、取得可能なパブリックチェーントークンの数量を算出し、パブリックチェーントークンの数量を供給チェーンに送信するように、制御を行うサブステップと、
パブリックチェーントークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、制御を行うサブステップと、
を含む。
【0015】
第3の形態において、本願に係る、交換チェーンネットワークに応用される、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法は、
パブリックチェーンに、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引を発起するステップと、
パブリックチェーンがイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップと、
取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、パブリックチェーントークンの数量と等価の交換トークンを受信するステップと、を含む。
【0016】
好ましくは、パブリックチェーンが交換トークンの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するか否かを確認するステップは、
交換チェーンに対応するパラチェーンにより、交換取引を発起するサブステップと、
パラチェーンが交換取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起するすることで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行うサブステップと、
パラチェーンが交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、取得可能な交換トークンの数量を算出し、交換トークンの数量を交換チェーンに送信するように、制御を行うサブステップと、
交換トークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パブリックチェーンに交換取引を発起するように、制御を行うサブステップと、
を含む。
【0017】
第4の形態において、本願に係る、パブリックチェーンに基づくブロックチェーンシステムは、パブリックチェーンと、パブリックチェーンネットワークにアクセスする供給チェーン及び交換チェーンと、を含み、パブリックチェーン、供給チェーン及び交換チェーンは、何れもピアツーピアネットワークであり、
前記供給チェーンは、
パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられたパブリックチェーントークンを受信するように、
配置され、
前記交換チェーンは、
パブリックチェーンへ振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられた交換トークンを受信するように、
配置され、
前記パブリックチェーンは、
供給チェーンから発起された供給取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出し、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを供給チェーンに振り替え、
交換チェーンから発起された交換取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンとイニシャルトークンとの供給量を問い合わせ、交換トークンとイニシャルトークンとの供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出し、交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替えるように、
配置される。
【発明の効果】
【0018】
上記の技術案から分かるように、本願は、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステムを提供し、前記方法は、実際の応用において、複数の供給チェーンは、各自が提供する供給トークンを等価のパブリックチェーントークンと交換するように、パブリックチェーンに供給取引を発起し、パブリックチェーンは、供給チェーンから振り替えられた各種の供給トークンを記憶して供給量を記録し、交換チェーンは、パブリックチェーンに交換取引を発起することにより、パブリックチェーンが交換取引で指定されたイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって交換レートを算出し、記憶された供給トークンから、イニシャルトークンと等価の交換トークンを抽出して、交換チェーンに振り替えるようにする。前記方法は、パブリックチェーンにより、互いに異なるトークン間の交換レートを判断することで、客観的かつ合理的な交換環境を提供することができる。また、供給取引が発生された後、パブリックチェーンにより供給トークンを記憶することで、交換チェーンは、交換取引を行う時に、交換先と接触することなく、単にパブリックチェーンと取引を行うことになり、中央集権的なプログラムの関与が回避され、交換効率が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願に係るパブリックチェーンネットワークに応用されるトークン交換方法のフローチャートである。
【
図2】本願に係る供給チェーンが供給取引を行うフローチャートである。
【
図3】本願に係る質権期間付きの供給取引のフローチャートである。
【
図4】本願に係る供給取引がコントラクトにサポートされるかを判断するフローチャートである。
【
図5】本願に係るパラチェーンによる供給取引を完成する完成のフローチャートである。
【
図6】本願に係る供給チェーンのトークンの供給資格を検証するフローチャートである。
【
図7】本願に係る交換チェーンが交換取引を行うフローチャートである。
【
図8】本願に係る交換取引における交換レートを算出するフローチャートである。
【
図9】本願に係るパラチェーンによる交換取引を完成するフローチャートである。
【
図10】本願に係るパブリックチェーンに基づくトークン交換ブロックチェーンシステムの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願に係る技術案において、ブロックチェーンネットワークとは、脱中央集権的なアプリケーションアーキテクチャを有するピアツーピア(P2P)ネットワークであり、前記ブロックチェーンネットワークは、分散記憶、パブリックコンセンサス、デジタル暗号化、取引台帳記入、及び検証を行うことができる。すなわち、分散技術、暗号学、P2Pネットワークアーキテクチャ、及び各種の応用可能なコンセンサスアルゴリズムをカバーしている取引プラットフォームである。ブロックチェーン又はブロックチェーン情報とは、ブロックチェーンネットワークで取引が発生された時に、取引情報によって生成された台帳記入情報であり、すなわち、複数の具体的な取引により1つのブロックが構成され、複数のブロックにより1つのブロックチェーンが形成される。ブロックチェーンネットワークには、互いにピアツーピアネットワーク接続を確立するノードが含まれ、各ノードには、対応するスマートコントラクトのようなコンセンサスメカニズムが配置されており、ノードは、取引検証と台帳記入プログラムとを行うように十分な演算能力を有する。ノードは、インターフェース仕様を介してより多くのノード又は他のタイプのブロックチェーンネットワークにアクセスすることが実現されるように、ある統一基準に符合されるインターフェース仕様をさらに有する。
【0021】
本願において、言及されるパブリックチェーン、交換チェーン、供給チェーン及びパラチェーンは、何れもブロックチェーン技術に符合される互いに異なるブロックチェーンネットワークである。本願では、特段の説明がない限り、パブリックチェーン、交換チェーン、供給チェーン、及びパラチェーンは、何れも対応するネットワーク、すなわち、パブリックチェーンネットワーク、交換チェーンネットワーク、供給チェーンネットワーク、及びパラチェーンネットワークを指す。その中で、パブリックチェーンネットワークは、対応的に配置されたネットワーク全般での基本プラットフォームとして、そのノードインターフェースが、パブリックチェーンインターフェース仕様に基づいて作成された業界チェーン、コンソーシアムチェーン、プライベートチェーン及び第三者ブロックチェーンネットワークのような複数のブロックチェーンネットワークにアクセスされる。各ブロックチェーンネットワークは、何れも1つの独立した開発プラットフォームとして、そのネットワーク内に、対応するサービスを提供することができる。その中で、パブリックチェーンは、交換チェーンや供給チェーンのような他のブロックチェーンに接続されるように、標準的なインターフェース方式を定義して規範化されている。本願において、パブリックチェーンは、クロスチェーン中継をサポートする能力を持ち、さらにトークンの記憶、脱中央集権の応用及びスマートコントラクト化の能力を持つ。
【0022】
交換チェーン及び供給チェーンは、パブリックチェーンネットワークにアクセスされるブロックチェーンを指し、すなわち、本願において、パブリックチェーンは、基本プラットフォームを提供し、交換チェーンと供給チェーンとは、アクセスするブロックチェーンネットワークとして、各自の機能とサービスとを有する。交換チェーンと供給チェーンとは、パブリックチェーンネットワーク基準とインターフェース仕様とに基づいて作成されたブロックチェーンネットワークであってもよく、すなわち、交換チェーンと供給チェーンとは、直接パブリックチェーンネットワークと通信してサービスをドッキングすることが可能である。交換チェーンと供給チェーンとは、それぞれ独立したネットワークとして、それぞれ専用のインターフェース仕様を有してもよく、例えば、既存のブロックチェーンネットワークのビットコイン、イーサリアムなど、又は、ある業界で開発された業界チェーンとコンソーシアムチェーン、さらに、あるサービス需要を満たすために作成されたプライベートチェーンである。これらの既存のブロックチェーン、業界チェーン、コンソーシアムチェーン及びプライベートチェーンは、その専用のネットワークインターフェース仕様のため、一般に、直接互いに取引することができず、ひいては、パブリックチェーンネットワークと互いに取引することもできないので、本願では、パラチェーンによりパブリックチェーンと他のネットワークとを接続することができる。
【0023】
パラチェーンは、パブリックチェーンネットワークにおける一部のノードから構成されることができ、パラチェーンにより、パブリックチェーンと他の直接取引ができないネットワークとをブリッジ接続することができる。本願において、直接取引ができないネットワークには、各ブロックチェーンネットワークが1つのパラチェーンに対応し、パラチェーンは、対応するブロックチェーンネットワークのあらゆる機能を有し、ブロックチェーンネットワークにおける取引を同期変換させて、パブリックチェーンネットワークに伝達することができるように設置される。従って、本願に係る技術案において、パラチェーンは、対応するブロックチェーンネットワークのミラーリングとして決定されることができ、説明の便宜上、対応するブロックチェーンネットワークが親チェーンとされる。本願において、パラチェーンは、パブリックチェーンネットワークにおける一部のノードから構成され、これらのノードは、親チェーンにおけるノードでもあり、取引情報の伝達を行うためのものである。
【0024】
上記の構成により、パブリックチェーンは、実際の応用において、クロスチェーン中継を提供し、取引の検証、データの証明、資産の移転、及びスマートコントラクトの実行などの作業を完成することができる。パブリックチェーンは、外部へのインターフェース仕様を統一することにより、他のブロックチェーンネットワークをパブリックチェーンネットワークに迅速にアクセスすることができる。パブリックチェーンは、方案の配置と検証とを迅速に完成し、パブリックチェーンネットワークにおける分散記憶と台帳記入プログラムとを完成するような、基本的なブロックチェーンプラットフォーム能力をさらに提供する。また、パブリックチェーンは、基本プラットフォームとして共通開発機能を提供して、複数のパラチェーンスマートコントラクトの協働開発と配置とが一括して完成されることもできる。
【0025】
パブリックチェーンは、自分のブロックチェーン情報を記録するほかに、対応するクロスチェーン取引の情報要約(例えば、取引要約)を記憶することもできる。フォーマットされた取引データによりクロスチェーン取引に関連する内容を記録する。また、パブリックチェーンにおける分散記憶空間の占用を低減するために、パブリックチェーンは、ある情報を記録する時に、特定の圧縮アルゴリズムにより第三者ブロックチェーン情報を記録することもできる。例示的には、パブリックチェーンにおいて形成されて記憶されるブロックデータは、ブロック識別子(例えば、通し番号、タイムスタンプ、ブロックのhash値、及び前のブロックのhash値)、ブロック所属(すなわち、ブロック生成者)、ブロックの他の情報(例えば、ランダム値、難易度値、及び添付情報など)、ブロック重み、情報要約(例えば、取引ツリー、状態ツリー、レシートツリー及びデータツリーなど)、取引料金、リベート、サイズなどを含むことができる。
【0026】
図1を参照すれば、パブリックチェーンネットワークに応用されるトークン交換方法のフローチャートである。
図1から分かるように、本願に係るトークン交換方法は、パブリックチェーンネットワークに応用されるときに、下記のようなステップS11〜S13を含む。
ステップS11では、供給チェーンから発起された供給取引を受信し、前記供給取引には、前記パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とが含まれる。
ステップS12では、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出する。
ステップS13では、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを供給チェーンに振り替える。
【0027】
上記のステップは、供給チェーンとパブリックチェーンとの間で供給トークンの取引操作である供給取引を完成することを目的とする。
図2に示すように、供給取引を完成するために、供給チェーンは、下記のようなステップS21〜S23を実行するように配置される。
ステップS21では、パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引を、パブリックチェーンに発起する。
ステップS22では、供給トークンの供給量によってパブリックチェーンが算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認する。
ステップS23では、取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを受信する。
【0028】
上記のステップから分かるように、本願に係る技術案において、交換チェーンが交換取引を発起する前に、まず、後続の交換取引に関与するために、供給チェーンとパブリックチェーンとの間での振り替え取引を完成し、供給チェーンで流通しているトークンをパブリックチェーンに振り替える。すなわち、実際の応用において、供給チェーンは、まず、供給のトークンのタイプと供給可能なトークンの数量とを含む供給取引をパブリックチェーンに発起する。例えば、パブリックチェーンネットワークPに、ネットワークA〜ネットワークFという6つのブロックチェーンネットワークがアクセスしており、ネットワークA〜ネットワークFにおいて、それぞれの流通しているトークンのタイプ(又は、外部への交換取引をサポートするトークンのタイプ)は、それぞれTa、Tb、Tc、Td、Te、Tfとする。そのうちの1つのブロックチェーンネットワーク(例えば、ネットワークC)が、トークンの供給取引を行う場合、ネットワークCにおいてクロスチェーン取引を担当するノード(本願では、供給ノードと呼べる)は、まずパブリックチェーンネットワークに供給取引を発起し、すなわち、供給チェーンが上記のステップS21を実行する。供給取引には、パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプであるトークンTcと、振り替えられる供給トークンの数量(例えば、パブリックチェーンに振り替えられる1000個のトークンTc)と、が含まれる。
【0029】
パブリックチェーンは、供給チェーンが供給取引を発起した後にステップS11を実行し、供給取引の内容によってパブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせる。実際の応用において、同一種類の供給トークンは、1つのブロックチェーンネットワークからのものでもよいし、複数のブロックチェーンネットワークからのものでもよいので、供給チェーンにより発起された供給取引に対しては、まず、現在パブリックチェーンネットワークに、対応する供給トークンが既に記憶されているかを問い合わせることができる。例えば、パブリックチェーンPは、供給取引を受信した後に供給取引におけるタイプがTcでありかつ数量が1000個である供給トークンを抽出し、パブリックチェーンPは、パブリックチェーンネットワークに記憶されている各種の供給トークンからトークンTcを問い合わせ、現在供給トークンTcの数量が1053個であることを問い合わせた場合は、供給トークンの現在供給量が1053であると決定し、パブリックチェーンは、この供給量の値とパブリックチェーンにより発起されたパブリックチェーントークンTpとによって、現時での供給トークンTcとパブリックチェーントークンTpとの交換レートを算出する。
【0030】
本願に係る技術案において、供給量によって供給トークンTcとパブリックチェーントークンTpとの交換レートを算出する具体的な方式は、パブリックチェーンにおいて約束された算出方式、又は、既にパブリックコンセンサスを得た価値交換プロトコル(例えば、bancorプロトコルなど)であってもよい。実際の応用において、供給トークンの供給量による交換レートの算出方式は、さらに他の要素(例えば、流通度重み、ブロックチェーンネットワークトークンの価値安定度重みなど)と合わせて考慮して行う加重計算でもよい。
【0031】
説明すべきことであるが、パブリックチェーンネットワークにおいて供給トークンの供給量が0であり、又は、低すぎる場合に、交換レートが異常になり、又は、極めて不均衡な価値変動を生じることを防ぐために、本願に係る技術案では、各々のブロックチェーンネットワークがパブリックチェーンネットワークにアクセスする時に、オンライン条件で制限することにより、アクセスしたブロックチェーンネットワークが一部の供給トークンを当該供給トークンのタイプの予備数としてパブリックチェーンに振り替えるようにすることができ、具体的な予備数の値は、アクセスしたブロックチェーンの規模によって決まることができる。
【0032】
さらに、
図3に示すように、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出するステップは、下記のようなサブステップS131〜S133を含む。
サブステップS131では、供給チェーンから振り替えられた質権トークンを受信し、前記質権トークンには、パブリックチェーンに振り替えられる設定の数量の供給トークンと、同時にパブリックチェーンに振り替えられるパブリックチェーントークンと、が含まれる。
サブステップS132では、受信された質権トークンにおける、供給トークンとパブリックチェーントークンとの数量関係によって、初期交換レートを算出する。
サブステップS133では、前記初期交換レートを記憶し、前記初期交換レートを基にして、後続の供給トークンの振り替え数量によって交換レートをリアルタイムに調整する。
【0033】
つまり、本実施例において、供給トークンに対応する供給チェーンは、この供給トークンの交換側として、供給トークンをパブリックチェーンに振り替えるとともに、パブリックチェーンに一部のパブリックチェーントークンを質権設定し、すなわちパブリックチェーンに質権トークンを振り替える必要があり、前記質権トークンには、パブリックチェーンに振り替えられる予め設定の供給トークンと、同時にパブリックチェーンに振り替えられるパブリックチェーントークンと、が含まれる。パブリックチェーンは、質権トークンを受信した後、供給トークンとパブリックチェーントークンとの数量割合関係によって、初期交換レートを算出することができる。つまり、本願に係る技術案において、初期の交換レートは、プロジェクト側がパブリックチェーンで供給トークンとパブリックチェーントークンの質権設定とを行うことが必要である。そして、後続の供給ノードは、この初期質権設定に基づき、供給トークンを売り出してパブリックチェーントークンを得るか、それとも、供給トークンを購入して、パブリックチェーントークンを売り出すかを決定する。説明の便宜上、供給チェーンが質権トークンを振り替えた後、パブリックチェーンにおいてトークン交換用のプールを形成することができ、このプールには、トークンの交換取引をサポートするための、供給トークンとパブリックチェーントークンとがある。このプールは、金融準備金という概念として理解することができる。
【0034】
交換取引が行われるにつれて、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートは、リアルタイムに更新される。すなわち、初期の場合、供給チェーンにおけるアクセスノードは、パブリックチェーンが提供するスマートコントラクトによって、予め設定の数量の供給トークン及び対応するパブリックチェーントークンを提供して、対応する交換レートを決定する。例えば、供給チェーンが1000個の供給トークンを提供するとともに10個のパブリックチェーントークンを提供すると、対応する交換レートが100:1であると決定し、このような初期に供給されたトークンは、予備的なトークンとされる。後続の応用では、スマートコントラクトは、何度も呼び出されることができ、呼び出されるたびに1回のトークン交換が完成され、さらに、頻りに交換されるにより、対応する交換レートが更新されることができる。
【0035】
交換相手がないため、直接予備トークンと交換することになり、交換レートは現在のリアルタイムレートである。予備トークンが使い果たされると、以下のような2つの状況がある。その1つの状況は、供給トークンが使い果たされて、買い過ぎになると、供給トークンの供給が不足になり、供給トークンの価格が上がるので、供給トークンを提供するようにアクセスチェーンネットワークを励まし、そうでないと、価格が絶え間なく上がることになる。もう1つの状況は、予備トークンに対応するパブリックチェーントークンが使い果たされて、売り過ぎになると、供給トークンがダンピングされて、価格が暴落されて、供給トークンの価値がゼロに復帰されてしまう。従って、このようなメカニズムでは、トークン交換に関与する各側は、それぞれの利益を確保するために、全力を尽くして1つの公平妥当な交換レートを守ろうとする。本実施例では、上述したように交換レートを更新することにより、できるだけそれぞれの交換関与側の利益を保護し、自分のトークンの価値を守ることを確保しながら、パブリックチェーン自身のセキュリティと公平妥当性を守ることができる。
【0036】
上記の技術案から分かるように、本願に係る技術案は、トークン交換を行う前に、パブリックチェーンネットワークにアクセスしたブロックチェーンネットワークが供給取引を発起し、各タイプのトークンを供給する。上記から分かるように、売り手である供給チェーンは、事前販売されたトークンを、パブリックチェーンを通じてパブリックチェーントークンと交換し、パブリックチェーンを通じて売り出されたトークンを記憶することにより、買い手がなくても交換取引を完成することができ、供給トークンの売り出し効率を大きく向上させることができる。
【0037】
本願において、供給チェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起する時に、供給チェーンの内部の供給ノードは、供給取引情報によって1つの供給チェーンネットワークの取引仕様に符合されるブロックデータを生成し、形成されたブロックデータを、それぞれ供給チェーンネットワーク及びパブリックチェーンネットワークでブロードキャストすることにより、供給チェーンネットワークにおいて1つの完全なブロックチェーンを形成する。パブリックチェーンにおけるノードは、ブロックデータを再び検証し、パブリックチェーンの取引仕様に符合されるブロックデータを形成又はさらに変換することで、パブリックチェーンネットワークでのブロードキャストにより、完全な、パブリックチェーンネットワークに基づくブロックチェーンを形成し、台帳記入操作を完成する。
【0038】
同様に、パブリックチェーンが交換レートを算出した後に、交換レートと供給トークンの数量とによって供給チェーンに等価のパブリックチェーントークンを振り替えている中、パブリックチェーンにおける振り替えを担当するノードは、パブリックチェーンの取引仕様に符合されるブロックデータを形成し、当該ブロックデータをパブリックチェーンネットワークでブロードキャストし、完全なブロックチェーンを形成する。同時に、ブロックデータを、振り替え操作とともに供給チェーンネットワークに送信することで、ブロックデータを再び供給チェーンネットワークからブロードキャストし、完全なブロックチェーンを形成して、台帳記入操作を完成する。
【0039】
本実施例では、パブリックチェーンが供給チェーンに供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンを振り替える時点から計時することにより、ブロックデータにはタイムスタンプ情報が含まれているため、1番目のブロックデータのタイムスタンプを計時開始時点としてもよいし、完全なブロックチェーンが形成される、すなわち最後のブロックチェーンのタイムスタンプを計時開始時点としてもよい。計時時間が質権期間に対応する時間に達すると、パブリックチェーンネットワークにおけるノードは、供給チェーンに返還取引を発起し、この場合、同様に、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給量によってリアルタイムの交換レートを算出し、交換レートに従って供給チェーンに供給トークンを返還する必要がある。
【0040】
実際の応用において、パブリックチェーンネットワークにアクセスしたブロックチェーンネットワークは、何れも供給チェーンとして、パブリックチェーンに供給取引を発起することができ、一般に、互いに異なるブロックチェーンネットワークには、各自の専用のインターフェース仕様があるので、パブリックチェーンとの間で取引を完成することができるように、例えば、スマートコントラクトや共通コントラクトのような専門のコンセンサス方式が必要になる。従って、本願に係る一部実施例では、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、供給チェーンにパブリックチェーンの交換ルールに符合されるスマートコントラクトが配置されているかを検証する必要があり、対応するスマートコントラクトが配置されていると、直接スマートコントラクトを通じて供給取引を発起して完成し、供給チェーンにスマートコントラクトが配置されていないと、
図4に示すように、前記方法は、下記のようなステップS101〜S104をさらに含む。
ステップS101では、供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートするかを判断する。
ステップS102では、供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートすると、供給チェーンにスマートコントラクトを配置する。
ステップS103では、供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートしないと、供給チェーンに、パブリックチェーンネットワークにおける一部のノードであるパラチェーンを配置する。
ステップS104では、パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、パラチェーンに対してスマートコントラクトを配置する。
【0041】
本実施例において、まず、供給チェーンがスマートコントラクトの配置をサポートするかを判断することができ、スマートコントラクトの配置をサポートする供給チェーンは、例えば、初めてパブリックチェーンネットワークにアクセスするとともにパブリックチェーンネットワークと同じインターフェース仕様を有するブロックチェーンネットワークに対しては、それがスマートコントラクトの配置をサポートする可能性があるので、パブリックチェーンを通じて当該供給チェーンに対してスマートコントラクトを配置することができる。スマートコントラクトの配置をサポートしない供給チェーンは、パブリックチェーンにおいて所定のルール又は近接の原理に従って、パブリックチェーンにアクセスした供給チェーンのために一部のパブリックチェーンノードを供給チェーンのパラチェーンとして選択することができる。パラチェーンのノードとしては、パブリックチェーンと供給チェーンとのあらゆる機能と情報を兼ね備えるとともに、供給チェーンとパブリックチェーンとの間での供給取引と振り替え操作が完成されるように、ブリッジ接続作用を有するように配置されることができる。
【0042】
供給チェーンにパラチェーンを配置した後、パブリックチェーンは、パラチェーンにスマートコントラクトを配置することができ、パラチェーンがパブリックチェーンにおける一部のノードであるので、パラチェーンにスマートコントラクトを配置するには、供給チェーンがパラチェーンを通じてパブリックチェーンに供給取引を発起することができるように、スマートコントラクトにおいて対応する供給チェーン情報を設定し、パラチェーンにブリッジ接続機能を付与すればよい。説明すべきことであるが、パラチェーンノードは、パブリックチェーンネットワークからのものであってもよいし、供給チェーンネットワークからのものであってもよいし、一部がパブリックチェーンネットワークからのものであり、一部が供給チェーンネットワークからのものであってもよい。供給チェーンネットワークからのノードについては、供給チェーンでどのノードがパラチェーンネットワークノードであるかを決定した後、パブリックチェーンによりノードを検証して、パラチェーンとしてのノードがパブリックチェーンネットワーク仕様をサポートすることができることを決定する必要がある。
【0043】
本願の一部実施例において、ブロックチェーンネットワークは、パラチェーンを通じてパブリックチェーンにアクセスした場合、供給チェーンネットワークが直接パブリックチェーンと取引を完成することができないので、
図5に示すように、パブリックチェーンが供給トークンの供給量によって算出した、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップは、下記のようなサブステップS221〜S224を含む。
サブステップS221では、供給チェーンに対応するパラチェーンに供給取引を発起する。
サブステップS222では、パラチェーンが供給取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起することで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行う。
サブステップS223は、パラチェーンが供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、取得可能なパブリックチェーントークンの数量を算出し、パブリックチェーントークンの数量を供給チェーンに送信するように、制御を行う。
サブステップS224では、パブリックチェーントークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パラチェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起するように、制御を行う。
【0044】
本実施例において、供給チェーンがパラチェーンを通じて供給取引を発起した後、パラチェーンは、供給取引によってパブリックチェーンへの問い合わせ取引を生成することができ、問い合わせ取引は、取引トークンの数量が0であるような約束形式の取引、又は、スマートコントラクトによる指定形式の取引であってもよく、問い合わせ取引には、供給トークンのタイプを持つ情報が必要である。パブリックチェーンは、問い合わせ取引を受信した後、問い合わせ取引によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートをパラチェーンに返信する。パラチェーンは、返信された交換レートを供給チェーンに伝達し、又は、供給取引と交換レートとによって、交換可能なパブリックチェーントークンの数量を算出し、取得可能なパブリックチェーントークンの数量を供給チェーン(又は、供給ノード)に送信する。
【0045】
供給チェーンは、パラチェーンからのパブリックチェーントークンの数量を受信した後、それに対して判断を行って、このような交換結果を受け入れることができるかを決定することができる。供給チェーンが当該交換結果を受け入れることができると、パラチェーンが供給取引をパブリックチェーンに送信するように、制御を行うことができ、当該交換結果を受け入れないと、パラチェーンが供給取引を取り消すように、制御を行うことができる。
【0046】
さらに、供給トークンの価値安定度を確保するために、供給チェーンから発起された供給取引を受信するステップに先立って、パブリックチェーンは、供給チェーンのトークン供給資格を検証する必要があり、
図6に示すように、具体的な供給資格の検証方法は、下記のようなステップS105〜S107を含む。
ステップS105では、供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量によって、パブリックチェーンネットワークにアクセスした供給チェーンの供給トークンの供給資格を検証する。
ステップS106では、供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値以上であると、供給チェーンに供給資格があると決定し、供給チェーンから発起された供給取引を受信する。
ステップS107では、供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量が検証閾値未満であると、供給チェーンに供給資格がないと決定し、供給チェーンに検証プロンプトを送信し、供給チェーンの提供可能な供給トークンのタイプを記憶する。
【0047】
本実施例において、各々のブロックチェーンネットワークがパブリックチェーンにアクセスするときに、いずれもパブリックチェーンから、ブロックチェーンネットワークの取引資本として一定の数量のパブリックチェーントークンを取得可能に設定することができるので、能力がある又は大規模のブロックチェーンネットワークが所有すべきパブリックチェーントークンの数量が大きく、さらに供給チェーンが所有しているパブリックチェーントークンの数量によって供給トークンの供給資格を判断する。供給チェーンの供給資格に対する検証により、供給数量の大幅変動を回避し、交換レートの異常情况の発生を低減することができる。また、供給チェーンの供給資格に対する検証は、プライベートチェーンのような個別の小型ブロックチェーンネットワークが偽のトークンを発起することを回避し、パブリックチェーンシステムの交換安定度を破壊することを回避することができる。
【0048】
本願に係る技術案において、供給チェーンは、互いに異なるタイプのトークンをパブリックチェーンに供給して、パブリックチェーンネットワークにアクセスした他のブロックチェーンネットワークが交換するように、パブリックチェーンに記憶する。無論、本願において、前記供給チェーンと交換チェーンとは、互いに異なるタイプの操作を行う時の役割を指す。パブリックチェーンネットワークにアクセスしたブロックチェーンネットワークは、対応するトークンの供給資格を満たすことができれば、何れも供給チェーンとなることができ、また、パブリックチェーンネットワークにアクセスしたすべてのブロックチェーンネットワークは、交換チェーンとしてパブリックチェーンに交換取引を発起して、所要のトークンを取得することができる。
図1に示すように、交換取引において、パブリックチェーンは、下記のようなステップS14〜S16実行するように配置されている。
ステップS14では、交換チェーンから発起された交換取引を受信し、前記交換取引には、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとが含まれる。
ステップS15では、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出する。
ステップS16では、交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替える。
【0049】
それに応じて、交換取引操作を行う時に、
図7に示すように、交換チェーンは、下記のようなステップS31〜S33を実行するように配置されている。
ステップS31では、パブリックチェーンに交換取引を発起し、前記交換取引には、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとが含まれる。
ステップS32では、パブリックチェーンがイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するを確認する。
ステップS33では、取引の完成を確認した後、パブリックチェーンから振り替えられた、パブリックチェーントークンの数量と等価の交換トークンを受信する。
【0050】
本願に係る技術案において、交換チェーンとしてのブロックチェーンネットワークは、まず、イニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引を、パブリックチェーンに発起する。例えば、交換チェーンとしてのブロックチェーンネットワークがネットワークAであり、ネットワークAにおけるある1つ又は複数のノード(すなわち、交換ノード)が100個のトークンTaでトークンTcを交換するとすれば、そのノードは、パブリックチェーンに交換取引を発起し、交換取引には、パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量が100個のトークンTaが含まれ、交換トークンのタイプは、Tcである。交換チェーンは、上記情報を含む交換取引をパブリックチェーンに送信し、パブリックチェーンが交換取引を受信した後、イニシャルトークンと交換トークンとのタイプを抽出し、パブリックチェーンネットワークでイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせて、この2種類のトークンの供給量によってこの2種類のトークンの交換時の交換レートを算出する。交換レートの算出方式は、供給チェーンの供給取引の発起時の算出方式と同様である。
【0051】
実際の応用において、交換チェーンの、交換を行う時のイニシャルトークンのタイプが様々な形式であってもよく、例えば、交換チェーンネットワークAの交換用のイニシャルトークンのタイプは、ネットワークAで流通しているトークンTaであってもよいし、パブリックチェーントークンTpであってもよく、ひいては、他のブロックチェーンで流通しているトークンTb、Te又はTfであってもよい。従って、交換レートを算出する時に、互いに異なる方式を利用することができる。さらに、
図8に示すように、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせ、供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出するステップは、下記のようなサブステップS151〜S157を含む。
サブステップS151では、前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであるかを判断する。
サブステップS152では、前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであると、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンの供給量を問い合わせる。
サブステップS153では、交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出する。
サブステップS154では、前記イニシャルトークンがパブリックチェーントークンでないと、パブリックチェーンネットワークにおけるイニシャルトークンと交換トークンとの供給量を問い合わせる。
サブステップS155では、イニシャルトークンの供給量によって、イニシャルトークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出する。
サブステップS156では、交換トークンの供給量によって、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出する。
サブステップS157では、交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出する。
【0052】
本実施例において、交換チェーンから発起された交換取引によって、イニシャルトークンに対してトークンのタイプを判断し、すなわち、イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであるかを判断することができる。イニシャルトークンがパブリックチェーントークンであり、すなわち、交換チェーンネットワークAが、100個のパブリックチェーントークンTpでトークンTcを交換する場合は、パブリックチェーンは、交換トークンの供給量(すなわちトークンTcの供給量)を取得すればよい。そして、交換トークンの供給量によって交換トークンTcとパブリックチェーントークンTpとの交換レートを算出する。イニシャルトークンがパブリックチェーントークンでなく、すなわち、交換チェーンネットワークAが100個のトークンTaでトークンTcを交換する場合は、パブリックチェーンは、イニシャルトークンTaと交換トークンTcの供給量を同時に問い合わせ、イニシャルトークンTaとパブリックチェーントークンTpとの交換レート、及び交換トークンTcとパブリックチェーントークンTpとの交換レートをそれぞれ算出し、2回に算出された交換レートによって最終的なイニシャルトークンTaと交換トークンTcとの交換レートを決定する必要がある。
【0053】
イニシャルトークンと交換トークンとの交換レートを算出した後、パブリックチェーンは、受信された振り替えイニシャルトークンの数量によって、交換チェーンにイニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを振り替える。例えば、イニシャルトークンTaと交換トークンTcとの交換レートが5:1であると、パブリックチェーンが100個のトークンTaを受信した場合、交換レートによって交換チェーンに20個のTcを振り替え、振り替えた後、100個のトークンTaをパブリックチェーンに記憶し、この場合、パブリックチェーンに記憶されているトークンTaの供給量に100個加算される。
【0054】
さらに、
図9に示すように、パブリックチェーンが交換トークンの供給量によって算出した、交換トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを受信し、取引を完成するかを確認するステップは、下記のようなサブステップS321〜S324を含む。
交換チェーンに対応するパラチェーンにより、交換取引を発起するサブステップS321と、
サブステップS322では、パラチェーンが交換取引によって問い合わせ取引を生成してパブリックチェーンに問い合わせ取引を発起することで、パブリックチェーンが問い合わせ取引によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートをパラチェーンに返信するように、制御を行う。
サブステップS323では、パラチェーンが交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、取得可能な交換トークンの数量を算出し、交換トークンの数量を交換チェーンに送信するように、制御を行う。
サブステップS324では、交換トークンの数量を受信し、取引を完成するかを決定し、取引の完成を決定した後、パラチェーンがパブリックチェーンに交換取引を発起するように、制御を行う。
【0055】
本実施例では、供給取引時の形式と類似する。交換チェーンがパラチェーンを通じて交換取引を発起した後、パラチェーンは、交換取引によってパブリックチェーンへの問い合わせ取引を生成することができる。同様に、本実施例における問い合わせ取引は、取引トークンの数量が0であるような約束形式の取引、又は、スマートコントラクトによる指定形式の取引であってもよく、問い合わせ取引には、交換トークンのタイプを持つ情報が必要である。パブリックチェーンは、問い合わせ取引を受信した後、問い合わせ取引によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートをパラチェーンに返信する。パラチェーンは、返信された交換レートを交換チェーンに伝達し、又は、交換取引と交換レートとによって、交換可能なパブリックチェーントークンの数量を算出し、取得可能なパブリックチェーントークンの数量を交換チェーン(又は交換ノード)に送信する。
【0056】
交換チェーンは、パラチェーンからのパブリックチェーントークンの数量を受信した後、それに対して判断を行って、このような交換結果を受け入れることができるかを決定することができる。交換チェーンが当該交換結果を受け入れることができると、パラチェーンが交換取引をパブリックチェーンに送信するように、制御を行うことができ、当該交換結果を受け入れないと、パラチェーンが交換取引を取り消すように、制御を行うことができる。
【0057】
供給チェーンから発起される供給取引の過程と類似し、本願において、交換チェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起する時に、交換チェーンの内部の交換ノードは、交換取引情報によって1つの交換チェーンネットワークの取引仕様に符合されるブロックデータを生成し、形成されたブロックデータを、それぞれ交換チェーンネットワーク及びパブリックチェーンネットワークでブロードキャストすることにより、交換チェーンネットワークにおいて1つの完全なブロックチェーンを形成する。パブリックチェーンにおけるノードは、交換取引のブロックデータを再び検証し、パブリックチェーンの取引仕様に符合されるブロックデータを形成又はさらに変換することで、パブリックチェーンネットワークでのブロードキャストにより、完全な、パブリックチェーンネットワークに基づくブロックチェーンを形成し、台帳記入操作を完成する。
【0058】
説明すべきことであるが、上記の実施例に記載された交換チェーンTaと供給チェーンTcとは、単に説明を容易にするための例示に過ぎず、実際の応用においては、パブリックチェーンネットワークにアクセスする、第三者パブリックチェーン、第三者業界チェーンとコンソーシアムチェーン、プライベートチェーンなど、及びパブリックチェーンインターフェース仕様に基づいて開発されたサブチェーンなどのようなブロックチェーンネットワークは、いずれも同時に交換チェーンと供給チェーンとされてもよい。また、互いに異なるブロックチェーンネットワークは、各自の機能を有するので、同一のブロックチェーンネットワークに、複数のタイプのトークンを供給することができる。なお、本願に記載されたパブリックチェーンによる供給チェーン又は交換チェーンへの交換トークンとパブリックチェーントークンの振替において、交換チェーンと供給チェーンとは、振り替えられるトークンを直接受信することなく、パブリックチェーン又はブロックチェーンネットワークにおける対応する口座を通じて振り替えを完成することができ、すなわち、一部の互換不可の2つのブロックチェーンネットワーク間では、交換チェーンが交換トークンを認識できないという問題を回避するために、パブリックチェーンに開設された口座を通じて振り替えを完成することができる。
【0059】
本願に係る技術案において、供給チェーン(例えば、供給チェーンネットワークC)の取引を行う過程の本質は、トークンTcで他種のトークン(例えば、Ta)を交換することであるので、供給チェーンは、供給取引が完成された後、取得したパブリックチェーントークンTpで直接トークンTaを交換することができ、すなわち、ネットワークCは、交換チェーンとして交換取引を発起し、パブリックチェーンに3000個のパブリックチェーントークンTpを振り替えることで、等価のトークンTaを交換することができる。
【0060】
上記から分かるように、本願において、供給チェーンとしてのブロックチェーンネットワークは、パブリックチェーンを通じてパブリックチェーントークンを交換した後、パブリックチェーントークンで、必要なトークンを交換することができ、過程の全般において他のブロックチェーンネットワークとは全く接触せず、すなわち、相手の無い状況でトークン交換を完成する。同様に、交換チェーンにおいても、パブリックチェーンによりトークン交換を完成するので、交換先と接触する必要がない。従って、交換過程の全般において、パブリックチェーンネットワークにおける脱中央集権的なアプリケーションにより完成され、取引過程は、同時にパブリックチェーンと関与するブロックチェーンネットワークとで台帳記入プログラムを完成し、比較的客観的かつ公平的な交換環境を提供することができる。
【0061】
本願に係るトークン交換方法において、供給取引でも、交換取引でも、2種類のトークン間の交換レートを決定するステップでは、上記の方案に係るトークン供給量によって算出することができる。パブリックチェーンネットワークにおいて1つの定期的に更新される交換レート表を作ることができる。交換レート表には、複数の種類のトークン間の交換レートが提供され、この交換レートは、パブリックチェーンにおけるトークン価値を均衡化するために専用の一部のノードにより算出されて提供されてもよいし、パブリックチェーンネットワークにアクセスした金融業界チェーンにより提供されてもよい。しかし、パブリックチェーンネットワークにアクセスした金融業界チェーンは、パブリックチェーンネットワークにアクセスした時に、より合理的な交換レートが提供されるように、パブリックチェーンにおける保守ノード及び利益に関連する他のブロックチェーンネットワークが、当該金融業界チェーンに対してオンライン投票を行い、当該金融業界チェーンの権威性と有効性とを決定することができる。無論、実際の応用において、パブリックチェーンは、2種類のトークン間の交換レートを決定する時に、供給量によるとともに交換レート表を参照することで、交換効率を確保する前提下で最大限双方の交換権益を確保することもできる。
【0062】
上記のトークン交換方法に基づき、本願は、パブリックチェーンに基づくブロックチェーンシステムをさらに提供し、
図10に示すように、前記ブロックチェーンシステムは、パブリックチェーンと、パブリックチェーンネットワークにアクセスする供給チェーン及び交換チェーンと、を含み、パブリックチェーン、供給チェーン及び交換チェーンは、何れもピアツーピアネットワークであり、
前記供給チェーンは、
パブリックチェーンに振り替えられる供給トークンのタイプと供給トークンの数量とを含む供給取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられたパブリックチェーントークンを受信するように、
配置され、
前記交換チェーンは、
パブリックチェーンに振り替えられるイニシャルトークンの数量と交換トークンのタイプとを含む交換取引をパブリックチェーンに発起し、パブリックチェーンから振り替えられた交換トークンを受信するように、
配置され、
前記パブリックチェーンは、
供給チェーンから発起された供給取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける供給トークンの供給量を問い合わせ、供給トークンの供給量によって供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートを算出し、供給トークンとパブリックチェーントークンとの交換レートによって、供給トークンの数量と等価のパブリックチェーントークンとを供給チェーンに振り替え、
交換チェーンから発起された交換取引を受信し、パブリックチェーンネットワークにおける交換トークンとイニシャルトークンとの供給量を問い合わせ、交換トークンとイニシャルトークンとの供給量によって交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートを算出し、交換トークンとイニシャルトークンとの交換レートによって、イニシャルトークンの数量と等価の交換トークンを交換チェーンに振り替えるように、
配置される。
【0063】
上記の技術案から分かるように、本願は、パブリックチェーンに基づくトークン交換方法及びブロックチェーンシステムを提供し、前記方法は、実際の応用において、複数の供給チェーンがパブリックチェーンに供給取引を発起して、各自が提供する供給トークンで等価のパブリックチェーントークンを交換し、パブリックチェーンが、供給チェーンから振り替えられた各種の供給トークンに対してその供給量を記憶・記録し、交換チェーンがパブリックチェーンに交換取引を発起して、パブリックチェーンが、交換取引で指定されたイニシャルトークンと交換トークンとの供給量によって交換レートを算出し、記憶された供給トークンから、イニシャルトークンと等価の交換トークンを抽出して交換チェーンに振り替える。前記方法は、パブリックチェーンにより、異なるトークン間の交換レートを判断することで、客観的かつ合理的な交換環境を提供することができる。また、供給取引が発生された後、パブリックチェーンにより供給トークンを記憶することで、交換チェーンは、交換取引を行う時に、交換先と接触することなく、単にパブリックチェーンと取引を行い、中央集権的なプログラムの関与を回避し、交換効率を向上させる。
【0064】
本願に係る実施例間での類似の部分は、互いに参照すればよく、以上提供された具体的な実施形態は、単に本願の主旨下での幾つかの例示に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。当業者であれば、創造的な労働無しで本願の方案によって考え出された何れの実施形態も、本願の保護範囲に属するものである。
【国際調査報告】