特表2021-530341(P2021-530341A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビービーアイ、メディカル、イノベーションズ、リミテッド、ライアビリティー、カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-530341(P2021-530341A)
(43)【公表日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】かん流および酸素化の測定
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20211015BHJP
【FI】
   A61B5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】90
(21)【出願番号】特願2021-526199(P2021-526199)
(86)(22)【出願日】2019年7月15日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月15日
(86)【国際出願番号】US2019041861
(87)【国際公開番号】WO2020018451
(87)【国際公開日】20200123
(31)【優先権主張番号】62/698,684
(32)【優先日】2018年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/849,700
(32)【優先日】2019年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521023791
【氏名又は名称】ビービーアイ、メディカル、イノベーションズ、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BBI MEDICAL INNOVATIONS, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、エフ.バーンズ
(72)【発明者】
【氏名】グラハム、オー.ロス
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA01
4C117XB01
4C117XB04
4C117XB13
4C117XC11
4C117XC19
4C117XD05
4C117XD22
4C117XD34
4C117XD38
4C117XE03
4C117XE06
4C117XE12
4C117XE33
4C117XE37
4C117XE43
4C117XE54
4C117XF03
4C117XG02
4C117XG13
4C117XH02
4C117XH12
4C117XJ13
4C117XJ21
4C117XJ48
4C117XL12
4C117XL23
4C117XM01
4C117XM02
4C117XQ11
4C117XR02
(57)【要約】
本開示は、損傷を受けた組織または回復中の組織における血液の流れを評価するための方法および装置を提供する。本開示はさらに、褥瘡のリスクが生じた患者、または褥瘡が生じるリスクがある患者を特定し、かん流値、または血液酸素化値、またはそれらの組み合わせに基づき選択される組織特異的な臨床的介入をもって患者を治療する方法も提供する。本開示はさらに、外傷発生のリスクに基づき患者群を階層化する方法、および介護施設における組織損傷の発生率を低下させる方法も提供する。本開示はさらに、かん流値または酸素化測定値の傾向を解析して、目に見える前に組織損傷を検出する方法、および左右相称性のかん流値を比較して損傷を受けた組織を特定する方法も提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する装置であって、
活性化されたときに第一の波長および第二の波長の光を放出するよう構成されたエミッター、
第一の波長で受信された光の第一の強度、および第二の波長で受信された光の第二の強度を測定し、前記受信された光の第一および第二の強度に関する情報を含む第一の信号を提供するよう構成された第一のレシーバー、
前記エミッターおよび前記第一のレシーバーに連結され、前記エミッターおよび第一のレシーバーが、患者皮膚と同時に接触して配置され得るよう構成された基盤、ならびに
前記第一のレシーバーに連結され、
第一の信号を受信し、
前記受信した光の前記第一および第二の強度の第一の加算値を決定し、および
前記第一の加算値から前記組織のかん流レベルを決定するよう構成されたプロセッサーを備える装置。
【請求項2】
前記エミッターにより放出され、前記第一のレシーバーにより受信された光が、患者皮膚下の第一の深度から反射されるよう選択された第一の距離により、前記第一のレシーバーが前記エミッターから離れて配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第二のレシーバーをさらに備え、
前記エミッターにより放出され、前記第二のレシーバーにより受信された光が、患者皮膚下の第二の深度から反射されるよう選択された第二の距離により、前記第二のレシーバーが前記エミッターから離れて配置され、
前記第二のレシーバーが、
前記第一の波長で受信された光の第三の強度を測定し、
前記第二の波長で受信された光の第四の強度を測定し、および
前記受信された光の前記第三および第四の強度に関する情報を含む第二の信号を提供するよう構成され、ならびに
前記プロセッサーが、前記第二のレシーバーに連結され、
前記第二の信号を受信し、
前記第三の強度を前記第一の強度から差し引くことにより前記受信した光の第五の強度を決定し、
前記第四の強度を前記第二の強度から差し引くことにより前記受信した光の第六の強度を決定し、
前記第五および第六の強度の第二の加算値を決定し、および
前記第二の加算値に基づき、前記第一の深度と前記第二の深度の間の組織のかん流レベルを決定するよう構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第一の波長が、酸素化ヘモグロビンのピーク吸収波長と関連付けられ、前記第二の波長が、脱酸素化ヘモグロビンのピーク吸収波長と関連付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記エミッターが、前記第一の波長で光を放出する第一の源、および前記第二の波長で光を放出する第二の源を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第一の源および第二の源が、個々に活性化されることができる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記レシーバーが、第一の波長の光を感知する第一の検出器、および第二の波長の光を感知する第二の検出器を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサーが、前記第一の検出器および前記第二の検出器の各々と個々に連結され、および
前記第一の信号が、前記第一および第二の検出器からの個々の信号を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサーが前記エミッターに連結され、
前記エミッターが、ストローブパルスの受信時に光を放出するよう構成され、
前記プロセッサーが、前記ストローブパルスを前記エミッターと前記第一のレシーバーに提供するように構成され、
前記第一のレシーバーがさらに、前記ストローブパルスの受信と、前記エミッターからの光の受信との間の第一の期間を測定するよう構成され、および
前記第一の信号が、前記第一の期間に関する情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサーに連結された記憶媒体をさらに備え、前記プロセッサーは前記エミッターの連続的活性化と関連した一連の加算値を前記記憶媒体に保存するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサーはさらに、前記一連の加算値の最小加算値と最大加算値の間の範囲を決定するよう構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサーはさらに、前記一連の加算値の最大加算値と比較した、各加算値のパーセンテージ値を決定するよう構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
三次元での前記装置の加速度に関する情報を含む第三の信号を提供するよう構成された加速度計をさらに備え、
前記プロセッサーは前記加速度計に連結され、および前記第三の信号を受信するよう構成され、ならびに
前記プロセッサーはさらに、前記エミッターが活性化されたときに前記エミッターの空間位置を決定するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
患者皮膚下の血液かん流を評価する方法であって、
前記患者皮膚上の第一の位置で前記患者皮膚内に光を放出する工程であって、前記光は第一の波長と第二の波長を含む工程、
前記組織から反射された前記放出光の一部を受信する工程、
前記第一の波長で受信された光の第一の強度と、前記第二の波長で受信された光の第二の強度を測定する工程、
前記受信された光の前記第一および第二の強度の第一の加算値を決定する工程、を含む方法。
【請求項15】
光を放出する工程、前記放出された光の一部を受信する工程、および前記患者皮膚上の第二の位置で前記受信された光の前記第一および第二の強度を測定する工程を反復する工程、
前記第二の位置と関連した前記受信された光の前記第一および第二の強度の第二の加算値を決定する工程、および
前記第一の加算値と前記第二の加算値の間のデルタ値を決定する工程、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
光を放出する工程、前記放出された光の一部を受信する工程、および前記患者皮膚上の複数の位置で前記受信された光の前記第一および第二の強度を測定する工程を反復する工程、
前記複数の各位置と関連した前記受信された光の前記第一および第二の強度の複数の加算値を決定する工程、
前記複数の加算値から最大加算値を特定する工程、および
前記最大加算値と、前記複数の加算値のうちの少なくとも1つの間のデルタ値を決定する工程、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する装置であって、
選択的に、第一の波長の光を放出し、または第二の波長の光を放出するように構成されたエミッター、
前記第一の波長の反射光の第一の画像、および前記第二の波長の反射光の第二の画像を形成するよう構成されたカメラ、
前記エミッターと前記カメラに連結された基盤であって、前記エミッターにより放出された光が、カメラの視野内にある前記患者皮膚の一部を照らすように前記基盤が配置され得るよう構成される、基盤、
ディスプレイ、ならびに
前記カメラと前記ディスプレイに連結され、
前記第一および第二の画像を受信し、
前記第一および第二の画像の加算である第三の画像を形成し、および
前記ディスプレイ上に前記第三の画像を提示するよう構成されたプロセッサーを備えた装置。
【請求項18】
前記プロセッサーが前記エミッターに連結され、
前記プロセッサーはさらに、前記エミッターに、第一のときに前記第一の波長の光のみを放出させ、および第二のときに前記第二の波長の光のみを放出させるよう構成され、ならびに
前記カメラは、前記第一のときに第一の画像を形成し、前記第二のときに第二の画像を形成する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
患者を評価する方法であって、
モニタリングに選択された身体位置の初回かん流測定を実施する工程、および
複数のリスクカテゴリーを含む群から選択されるリスクカテゴリーに患者を割り当てる工程であって、前記割り当ては、前記身体位置の前記初回かん流値に部分的に依存する工程、を含む方法。
【請求項20】
前記初回かん流測定値から前記身体位置に対する初回デルタ値を算出する工程、および
前記初回デルタ値が第一の閾値よりも大きい場合に、前記身体位置に損傷が存在する可能性を決定する工程、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
リスクカテゴリーに患者を割り当てる前記工程は、前記初回デルタ値に部分的に依存する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記デルタ値が第二の閾値よりも小さい場合、介入を実行しない工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記デルタ値が第二の閾値以上である場合、介入を実行する工程をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記介入が、前記身体位置に部分的に、および前記デルタ値に部分的に依存して選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記介入が、標準的なマットレス、ハイスペックなマットレス、低摩擦シートカバー、低摩擦パッドのマットレス表面、シリコンパッド、ドレッシング、ヒールブーツ、バリアクリーム、かん流を強化するための局所クリーム、第一の間隔で患者を回転させること、および第一の間隔よりも短い第二の間隔で患者を回転させること、を含む群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
初回のかん流測定において損傷の可能性があると特定された身体位置のかん流測定を第一の時間間隔で行う工程、
モニタリングに選択された全ての身体位置のかん流測定を第二の時間間隔で実施する工程であって、前記第二の時間間隔は、前記第一の時間間隔よりも長い工程、および
かん流測定値セットのそれぞれに対し、デルタ値を算出する工程、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記第一の時間間隔と前記第二の時間間隔は、割り当てられたリスクカテゴリーに依存する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
第二の閾値よりも小さいデルタ値を有する身体位置に対し、介入を実行しない工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
第二の閾値以上であるデルタ値を有する身体位置に対し、介入を実行する工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
過去のかん流測定値に対するデルタ値を算出し、第一の閾値を確立させる工程、
過去のかん流測定値において第一の閾値以上のデルタ値を有した身体位置のかん流測定を第一の時間間隔で実施する工程、
過去のかん流測定値において第一の閾値よりも高い第二の閾値以上のデルタ値を有した身体位置のかん流測定を、前記第一の時間間隔よりも短い第二の時間間隔で実施する工程、をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記リスクカテゴリーの群が、低リスクカテゴリーおよびリスク有のカテゴリーを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記リスクカテゴリーの群がさらに、高リスクカテゴリーを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
初回かん流測定を実行する工程は、前記患者の初回リスク評価を実行することを含み、および
前記リスクカテゴリーの選択は、前記初回リスク評価の結果に部分的に基づく、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
患者の介護を管理する方法であって、
前記患者の初回評価、および入院時にモニタリングに選択された全ての身体位置の初回かん流測定を実施する工程、
モニタリングに選択された各身体位置の初回デルタ値を算出する工程、
患者の測定値が異常であることを判定する工程、および任意の初回デルタ値が第一の閾値以上である場合に、介入レベルをN=1に設定する工程、
第一の閾値以上であるデルタ値を有する各身体位置に対し、レベル−Nの介入を実行する工程、ならびに
レベル−Nの頻度で全ての身体位置のかん流測定を実施する工程および新たなデルタ値を算出する工程、を含む方法。
【請求項35】
任意の新たなデルタ値が、同じ身体位置の前のデルタ値以上である場合に、介入レベルNをN+1に上昇させる工程、N+1の介入を実行する工程、およびN+1の頻度でかん流測定を実施する工程、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第一の閾値を超える全ての新たなデルタ値が、同じ身体位置のそれぞれの前のデルタ値よりも小さい場合に、Nの介入を継続する工程、およびNの頻度でかん流測定を実施する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
全ての新たなデルタ値が、前記第一の閾値よりも低い第二の閾値よりも小さい場合に、N−1の頻度でかん流測定を実施する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
患者が、転院または退院する場合、その後に
モニタリングに選択された全ての身体位置の最終のかん流測定セットを実施する工程、
スキャンされた各身体位置の最終のデルタ値セットを算出する工程、および
前記最終のデルタ値セットを記録する工程、を実施する、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
損傷を受けた組織を特定する装置であって、
活性化されたときに第一の波長および第二の波長の光を放出するよう構成されたエミッター、
第一のレシーバーおよび第二のレシーバーであって、前記第一のレシーバーは、患者皮膚上の前記第一の位置に配置されるよう構成され、および前記第二のレシーバーは、患者皮膚上の前記第二の位置に対して同時に配置されるよう構成され、前記第二の位置は、前記第一の一に対して左右相称性である、前記第一のレシーバーおよび前記第二のレシーバー、
前記第一のレシーバーおよび前記第二のレシーバーに電子的に連結され、および前記第一のレシーバーの第一の反射光の性能を測定し、および前記第二のレシーバーの第二の反射光の性能を測定して、前記第一および第二の反射光の性能に関する情報を提供するよう構成された回路、
前記回路に電子的に連結され、および前記情報を受信するよう構成されたプロセッサー、ならびに
前記プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、および前記プロセッサーで実行されたときに、
前記第一の反射光の性能を第一のかん流値に転換し、および前記第二の反射光の性能を第二のかん流値に転換する工程、ならびに
前記第一のかん流値と前記第二のかん流値の間の差異を決定する工程、を実行する、前記記憶媒体上に保存された命令を含む、装置。
【請求項40】
前記差異が規定閾値よりも大きい場合に、前記命令が、信号を提供する工程をさらに含む、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記第一および第二のレシーバーが、前記患者皮膚と適切に接触したときを検出するよう構成されたスイッチング要素をさらに備え、
前記回路が、前記スイッチング要素に電子的に連結され、および前記第一および第二のレシーバーが前記患者皮膚と適切に接触したときに前記第一および第二の反射光の性能を測定するよう構成される、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記患者皮膚上の判明している位置に配置されるよう構成された基盤をさらに備え、および
前記基盤が、前記患者皮膚上の前記判明している位置に配置されたときに、前記患者皮膚上の左右相称性の位置に前記第一および第二のレシーバーが配置されるよう、前記第一および第二のレシーバーが前記基盤上に配置される、請求項40に記載の装置。
【請求項43】
損傷を受けた組織を特定する装置であって、
患者皮膚表面に対して配置されるよう構成された基盤、
複数の各位置で前記基盤上に配置される複数のエミッターであって、前記複数のエミッターの各々は、活性化されたときに第一の波長および第二の波長の光を放出するよう構成される複数のエミッター、
複数の各位置で前記基盤上に配置される複数のレシーバー、
前記複数のレシーバーに電子的に連結され、および前記複数のレシーバーの一部の反射光を測定し、前記反射光に関する複数の情報を提供するよう構成された回路、
前記回路に電子的に連結され、および前記回路から前記反射光に関する前記複数の情報を受信し、前記反射光に関する前記複数の情報を、それぞれの複数のかん流値へと転換するよう構成されたプロセッサー、ならびに
前記プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、および前記プロセッサーで実行されたときに、
前記複数のかん流値から、前記患者皮膚に関して左右相称性である第一の位置および第二の位置に配置された第一のレシーバーおよび第二のレシーバーを特定する工程、ならびに
前記第一のレシーバーと関連した第一のかん流値と、前記第二のレシーバーと関連した第二のかん流値を比較する工程、を実施する、前記記憶媒体上に保存された命令、を含む装置。
【請求項44】
前記命令がさらに、
前記第一および第二のかん流値の間の差異を決定する工程、ならびに
前記差異が規定閾値よりも大きい場合に前記第一および第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供する工程、を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記命令がさらに、
前記第一および第二のかん流値の間の差異を決定する工程、
前記第一のかん流値と前記第二のかん流値のいずれが他方よりも大きいかを判定する工程、ならびに
前記差異が規定閾値よりも大きい場合に前記大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供する工程、を含む、請求項43に記載の装置。
【請求項46】
損傷を受けた組織を特定する装置であって、
装置本体、
活性化されたときに第一の波長および第二の波長の光を放出するよう構成されたエミッター、
第一のレシーバーおよび第二のレシーバーであって、前記2つのレシーバーは前記装置本体上に配置され、患者皮膚上の第一の位置上に前記第一のレシーバーと、前記第一の位置に対して左右相称性の第二の位置上に前記第二のレシーバーが同時に配置されることが可能である、第一のレシーバーおよび第二のレシーバー、
前記2つのレシーバーの各々に電子的に連結され、前記2つのレシーバーの各々により検出された反射光を測定するよう構成された回路、
前記回路に電子的に連結され、第一の位置からの第一の反射光測定値を受信し、および第二の位置からの第二の反射光測定値を受信して、前記第一の反射光測定値を第一のかん流値に転換し、および前記第二の反射光測定値を第二のかん流値に転換するよう構成されたプロセッサー、
前記プロセッサーに電子的に連結され、前記プロセッサーで実行されたときに前記第一のかん流値と前記第二のかん流値の間の差異を決定する工程を実行する命令を含む、非一時的コンピューター可読記憶媒体、を備える装置。
【請求項47】
前記2つのレシーバーの各々は、共通平面上に並置されながら、前記装置本体の2つの末端上に配置される、請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記装置本体は剛性であり、前記2つのレシーバーを互いに固定された分離距離および固定された方向に維持する、請求項46に記載の装置。
【請求項49】
前記装置本体は柔軟であり、前記2つのレシーバーを互いに斜めに方向付けることが可能である、請求項46に記載の装置。
【請求項50】
前記装置本体が、ヒンジを備える、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記第一の反射光測定値と、前記第二の反射光測定値が、同時に測定される、請求項46に記載の装置。
【請求項52】
前記装置がさらに、前記2つのレシーバーのうちの1つに近接して配置される接触センサーを備え、および前記同時の測定は、前記接触センサーの作動により誘発される、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記接触センサーは、圧力センサーまたは光学センサーである、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記命令がさらに、前記差異が規定閾値よりも大きい場合に前記第一の位置と前記第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供する工程を含む、請求項46に記載の装置。
【請求項55】
前記命令がさらに、
前記第一および第二のかん流値の大きい方を判定する工程、および
前記差異が規定閾値を超える場合に前記大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供する工程、を含む、請求項46に記載の装置。
【請求項56】
損傷を受けた組織を特定する方法であって、
患者皮膚上の第一の位置から第一のかん流値を取得する工程、
前記第一の位置に対して左右相称性である第二の位置から第二のかん流値を取得する工程、
前記第一のかん流値と前記第二のかん流値の間の差異を決定する工程、を含む、方法。
【請求項57】
前記差異が規定閾値よりも大きい場合に前記第一および第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供する工程をさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第一および第二のかん流値の大きい方を判定する工程、および
前記差異が規定閾値を超える場合に前記大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供する工程、を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、
積み上げ時間での1つの位置で複数のかん流値を測定する工程、
最後のかん流値とその直前のかん流値の間の傾きを算出する工程、
この傾きと閾値を比較する工程、および
前記傾きが前記閾値を超えた場合に組織損傷が存在すると判定する工程、を含む方法。
【請求項60】
患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、
積み上げ時間での複数の位置で複数のかん流値を測定する工程、
各時間に対する前記複数のかん流値に対するデルタ値を算出する工程、
最後のデルタ値とその直前のデルタ値の間の傾きを算出する工程、
この傾きと閾値を比較する工程、および
前記傾きが前記閾値を超えた場合に組織損傷が存在すると判定する工程、を含む方法。
【請求項61】
患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、
複数の積み上げ時間の各々で1つの位置で複数のかん流値を測定する工程、
各積み上げ時間に対するかん流デルタ値を算出する工程、
曲線を規定数の最新かん流値に適合させる工程、
前記適合曲線の曲率を算出する工程、
この曲率と閾値を比較する工程、および
前記曲率が前記閾値を超えた場合に組織損傷が存在すると判定する工程、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月16日に出願された米国仮特許出願第62/698,684号明細書、および2019年5月17日に出願された米国仮特許出願第62/849,700号明細書の優先権の利益を主張するものであり、各出願は参照によりその全体で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、損傷を受けた組織または回復中の組織における血液の流れを評価するための方法および装置を提供する。本開示はさらに、褥瘡のリスクが生じた患者、または褥瘡が生じるリスクがある患者を特定し、血液かん流の測定値、または酸素化値、またはそれらの組み合わせに基づき選択される組織特異的な臨床的介入をもって患者を治療する方法も提供する。本開示はさらに、外傷発生のリスクに基づき患者群を階層化する方法、および介護施設に入院した患者の組織損傷の発生率または重症度を低下させる方法も提供する。本開示はさらに、患者において血液かん流を測定し、損傷を受けた組織を特定して組織特異的な臨床的介入を行うための装置およびコンピューター可読記憶媒体、ならびに損傷を受けた組織を特定するための方法も提供する。本開示はさらに、患者皮膚上で組織損傷が目に見える前に、組織損傷を検出する方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
皮膚はヒト身体で最も大きな器官である。そのため、様々な種類の損傷や外傷を容易に受けてしまう。皮膚の損傷や外傷は、皮膚やその周辺組織が外部圧力と機械的な力を再分配することができないときに発生し、潰瘍が形成される場合がある。例えば仰臥位になった患者の体重による背側部皮膚表面への圧力などの軽度な圧力であっても、長期間、連続的に暴露されることによって、褥瘡が生じる場合がある。糖尿病により誘発され得る例えばニューロパチーや末梢組織の衰えなどの他の損傷の存在下では、軽度の圧力やストレスに定期的に暴露されるだけでも、足部の潰瘍といった潰瘍が生じる場合がある。
【0004】
米国において1年間におよそ250万人の人々が褥瘡を発症しており、EUでも同数が発症している。長期間の集中治療状況下では、最大で25%の老齢で寝たきりの患者が褥瘡を発症する。1年でおよそ60,000人の米国の患者が、褥瘡に由来する感染症と他の合併症により死亡している。
【0005】
褥瘡の大部分が骨ばった隆起部分上で発生している。骨ばった隆起部分では圧縮される組織が少なく、血管網内の圧力勾配が変化している。褥瘡は、6つのステージのうちの1つにカテゴライズされる。そのステージの範囲は、最近になって認識された、皮膚は損なわれていないが骨ばった隆起部分上に赤みが見える場合がある最も早期のステージ(ステージ1)から、組織が破壊され、骨、腱または筋肉が露出されるステージ(ステージ4)、白くなれない深い赤色、エビ茶色または紫色の変色を示す深部組織の褥瘡、そして不明瞭で全層的な皮膚および組織の消失のあるステージ(段階分け不可能)まである。皮膚の破壊が起こる前に褥瘡を検出し、治療を行って、褥瘡が後期ステージまで進行するのを回避することが、主要経済大国の政策策定者および介護担当者の目標である。殆どの褥瘡が予防可能であり、第一ステージの潰瘍の前に特定されれば、根底にある組織の悪化を止めることができる。
【0006】
皮膚の破壊が起こる前に組織損傷を検出し、適切な治療で介入して、根底にある組織のさらなる悪化を回避することが、患者だけでなく社会にとっても望ましい。最も初期の兆候が目に見えるとき(ステージ1の潰瘍)に圧力によって生じた損傷を治療するための平均コストはたった2,000ドルであるが、潰瘍が深くなり、筋肉または骨が露出されると(ステージ4の潰瘍)、129,000ドルにまで跳ね上がる。例えば、Brem, H. et al. (2010). High Cost of Stave IV Pressure Ulcers. Am. J. Surg. Oct; 200(4):473−477を参照のこと。現在のところ、患者は通常、褥瘡に関する汎用的な予防措置を受けているが、これはつまり、予防は任意の特定の解剖学的部位を標的とはしていないことを意味する。視覚的評価により特定することが可能な箇所に褥瘡が発生した後で、患者は標的化された、局所的治療を受けるのみである。褥瘡を検出するための現在の標準的手法は目視検査によるものであり、主観的で信頼性に乏しく、時期を逃しがちで、特異性を欠いている。例えば、Pancorbo−Hidalgo P. et al. (2006). Risk assessment scales for pressure ulcer prevention: a systematic review. Journal of Advanced Nursing, 54, 94−110; Garcia−Fernandez, F. P. (2014). Predictive Capacity of Risk Assessment Scales and Clinical Judgment for Pressure Ulcers: A Meta analysis. Journal of wound, Ostomy and Continence Nursing 41, 24−34を参照のこと。そのため、患者が潰瘍発生の前兆である皮膚炎症を起こしていたとしても、潰瘍発生に対する標的化された局所治療を受けることはない。むしろ炎症は継続して、本格的な潰瘍へと発展する。
【0007】
皮膚の損傷と外傷は特定のタイプの外科手術、例えば皮膚フラップを含む再建手術から生じる場合もあり、外科手術を受けた領域中、またはその周辺で血管が断ち切られている。損傷を受けた組織または分離された組織の治癒は、その損傷を受けた領域全体での適切な血流の再構築に依存する。目視検査を介して組織領域が治癒したかを決定する、すなわち組織を通る血液が正常レベルまで増加したかを決定するのは難しい。既存の機器は特定の性質、例えば血流のせいぜい間接的な測定尺度にすぎない血液の酸素化レベルなどを測定することはできる。
【0008】
フルオレセインは臨床的にフラップ血管を評価するために40年以上の間、使用されている。フルオレセインは紫外線(UV)光で励起されると黄色−緑色(510−600nm)の蛍光を放出する。血流が良好な組織は明るい黄色で見えるが、血流が無い領域は暗い青色となる。フルオレセインは通常、500〜1000mgのボーラス注射で与えられる。20〜30分待った後、UVランプを用いて組織を評価することができる。この方法では実行まで30分かかり、8時間ごとにしか使用できない。
【0009】
近赤外線分光法(NIRS)を使用して、特定の波長の光(760nmと830nm)を与え、反射光または透過光の量を測定することにより、酸素化ヘモグロビンと非酸素化ヘモグロビンの比率が決定される。現在、皮膚表面の局所的酸素化を示す画像を提供するデバイスが利用可能である。局所的酸素化は重要な臨床情報ではあるが、組織の実際のかん流レベルは明らかにならず、表面組織の状態と組織深部層の状態も分離されない。
【0010】
2つのタイプのドップラー装置が現在臨床で使用されている。1つ目は超音波ドップラー装置であり、反射音の位相シフトを感知して、血管中の赤血球であろうと推測される移動因子の速度を測定する。2つ目はレーザードップラー装置であり、反射光の位相シフトを感知して、赤血球の速度を検出する。これらの方法は大きな血管の血流の評価に限定されており、小さな細動脈や毛細血管のかん流を評価することはできない。
【発明の概要】
【0011】
皮膚損傷が目に見える前に褥瘡リスクの発生を特定し、次いで特定の身体部位で個別化された介入を与えることによる、非侵襲的で客観性のある測定尺度を使用した系統的方法が提供される。さらに、皮膚損傷が目に見える前に褥瘡の発生を特定し、次いで特定の身体部位で個別化された介入を与えることによる、非侵襲的で客観性のある測定尺度を使用した系統的方法も提供される。外傷治癒の進行および介入コンプライアンスの一貫性に関するモニタリング方法もさらに提供される。
【0012】
ある態様において、本開示は、患者の皮膚の下にある組織中の血液かん流を評価するための装置を提供し、およびそれを含む。装置には、活性化されたときに第一の波長と第二の波長で光を放出するように構成されたエミッター、第一の波長で受信された光の第一の強度、および第二の波長で受信された光の第二の強度を測定して、受信した光の第一および第二の強度に関する情報を含む第一の信号を提供するよう構成された第一のレシーバー、当該エミッターと第一のレシーバーが連結され、当該エミッターと第一のレシーバーが患者の皮膚と同時に接触して配置され得るように構成された基盤、および当該第一のレシーバーに連結されたプロセッサーが含まれる。プロセッサーは、第一の信号を受信し、受信した光の第一および第二の強度の第一の加算値を決定し、および当該第一の加算値から組織のかん流レベルを決定するように構成される。
【0013】
ある態様において、本開示は、患者の皮膚の下にある組織中の血液かん流を評価する方法を提供し、およびそれを含む。方法には、患者の皮膚上の第一の位置で、患者の皮膚内に光を放出する工程が含まれる。光は、第一の波長と第二の波長を有する。方法にはさらに、組織から反射された放出光の一部を受信する工程、第一の波長で受信された光の第一の強度、および第二の波長で受信された光の第二の強度を測定する工程、受信した光の第一および第二の強度の第一の加算値を決定する工程も含まれる。
【0014】
ある態様において、本開示は、患者の皮膚の下にある組織中の血液かん流を評価するための装置を提供し、およびそれを含む。装置には、選択的に、第一の波長で光を放出する、または第二の波長で光を放出するように構成されたエミッター、第一の波長で受信された光の第一の画像、および第二の波長で受信された光の第二の画像を形成するように構成されたカメラ、および当該エミッターと当該カメラに連結された基盤が含まれる。基盤は、エミッターにより放出された光が、カメラの視野内にある患者の皮膚の一部を照らすように配置され得る。装置にはさらに、ディスプレイ、およびカメラと当該ディスプレイに連結され、第一および第二の画像を受信して、第一と第二の画像の加算である第三の画像を形成し、および当該ディスプレイ上に当該第三の画像を提示するプロセッサーも含まれる。
【0015】
ある態様において、本開示は、介護施設に入院した患者の外傷発生率を低下させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、外傷発生リスクのある1か所以上の身体位置で患者に第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えなかった場合にレベル−0の第一の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。1つの態様において、外傷発生のリスクのある1か所以上の身体の位置は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上での他の多肉質の組織からなる群から選択される。ある態様では、外傷発生のリスクのある1か所以上の身体の位置は、医療デバイスと長期間接触する1か所以上の解剖学的部位を含み、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。
【0016】
ある態様では、本開示は、介護施設に入院した患者の外傷発生率を低下させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、外傷発生リスクのある身体の位置の1か所以上で患者に第一の複数回のSpO測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回るかを判定する工程、当該第一の複数のSpO測定値が第一の閾値以上であった場合にはレベル−0の第一の介入を与える工程、および当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回った場合にレベル−Nの介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。1つの態様において、外傷発生のリスクのある1か所以上の身体の位置は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上での他の多肉質の組織からなる群から選択される。ある態様では、外傷発生のリスクのある1か所以上の身体の位置は、医療デバイスと長期間接触する1か所以上の解剖学的部位を含み、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。
【0017】
ある態様では、本開示は、介護施設の患者群を、外傷発生リスクに基づき階層化する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、各患者においてモニタリングに選択された1か所以上の身体の位置で複数回のかん流測定を行う工程、各患者に対して当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、各デルタ値がN介護レベルに相当する閾値セットの任意の値を超えるかを判定する工程、各患者に介護レベルを割り当てる工程、および各患者に割り当てられた介護レベルに基づき患者群を再構成する工程、を含む。1つの態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上での他の多肉質の組織からなる群から選択される。ある態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、医療デバイスと長期間接触する1か所以上の解剖学的部位を含み、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。
【0018】
ある態様では、本開示は、介護施設の患者群を、外傷発生リスクに基づき階層化する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、各患者においてモニタリングに選択された1か所以上の身体の位置で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数の各SpO測定値がN介護レベルに相当する閾値セットの任意の値を下回るかを判定する工程、各患者に介護レベルを割り当てる工程、および各患者に割り当てられた介護レベルに基づき患者群を再構成する工程、を含む。1つの態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上での他の多肉質の組織からなる群から選択される。ある態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、医療デバイスと長期間接触する1か所以上の解剖学的部位を含み、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。
【0019】
ある態様では、本開示は、患者皮膚下の組織の複数の血液かん流測定値に基づき、患者に対して適切な介護レベルを特定し、および提供する方法を提供し、およびそれを含む。ある態様では、患者は、患者皮膚下の組織の複数の血液かん流測定値に基づき、身体部位特異的な介入が与えられる。ある態様では、患者は、かん流測定値の変化に基づき、次第に集中的な治療介入を与えられる。ある態様では、患者は、かん流測定値の変化に基づき、集中度の低い治療介入を与えられる。
【0020】
ある態様では、本開示は、患者皮膚下の組織の複数の血液酸素化(SpO)測定値に基づき、患者に対して適切な介護レベルを特定し、および提供する方法を提供し、およびそれを含む。ある態様では、患者は、患者皮膚下の組織の複数のSpO測定値に基づき、身体部位特異的な介入が与えられる。ある態様では、患者は、SpO測定値の変化に基づき、次第に集中的な治療介入を与えられる。ある態様では、患者は、SpO測定値の変化に基づき、集中度の低い治療介入を与えられる。
【0021】
ある態様では、本開示は、患者を評価する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、モニタリングに選択された身体位置の初回の血液かん流測定を実施する工程、および複数のリスクカテゴリーを含む群から選択されるリスクカテゴリーに患者を割り当てる工程であって、割り当ては、身体位置の初回のかん流測定値に部分的に基づく工程、を含む。
【0022】
ある態様では、本開示は、患者を評価する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、モニタリングに選択された身体位置の初回のSpO測定を実施する工程、および複数のリスクカテゴリーを含む群から選択されるリスクカテゴリーに患者を割り当てる工程であって、割り当ては、身体位置の初回のSpO測定値に部分的に基づく工程、を含む。
【0023】
ある態様では、本開示は、患者の介護を管理する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設への入院時に患者の初回評価を実施し、モニタリングに選択されたすべての身体位置で初回のかん流測定値セットを取得する工程、モニタリングに選択された各身体位置の初回デルタ値を算出する工程、患者の測定値が異常であることを判定し、任意の初回デルタ値が第一の閾値以上であった場合に介入レベルをN=1に設定する工程、第一の閾値以上であるデルタ値を有する各身体位置にレベル−Nの介入を実施する工程、およびレベル−Nの頻度ですべての身体位置の血液かん流測定を実施し、新たなデルタ値を算出する工程、を含む。1つの態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上での他の多肉質の組織からなる群から選択される。ある態様では、モニタリング用の1か所以上の身体の位置は、医療デバイスと長期間接触する1か所以上の解剖学的部位を含み、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。
【0024】
ある態様では、本開示は、患者の介護を管理する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設への入院時に患者の初回評価を実施し、モニタリングに選択されたすべての身体位置で初回のSpO測定値セットを取得する工程、患者の測定値が異常であることを判定し、任意の初回SpO測定値が第一の閾値未満であった場合に介入レベルをN=1に設定する工程、第一の閾値未満であるSpO測定値を有する各身体位置にレベル−Nの介入を実施する工程、およびレベル−Nの頻度ですべての身体位置のSpO測定を実施する工程、を含む。
【0025】
ある態様において、本開示は、組織損傷のリスクがある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。さらなる態様では、本開示は、患者において、与えられた介入レベルに相当する第一の前もって決定された頻度で、第二の複数回のかん流測定を行い、当該第二の複数のかん流測定値の一部から第二のデルタ値を算出し、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えたかを判定し、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の介入を与え、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行い、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mの第二の介入を与え、ここでMは整数であり、Nよりも大きく、および当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mに相当する第二の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行うことを提供し、およびそれを含むものである。さらなる態様では、本開示は、第二のデルタ値が第三の閾値未満であるかを判定し、当該第二のデルタ値が第三の閾値未満であり、および当該第一の介入がレベル−0ではない場合にはレベル(N−1)の介入を与え、当該第二のデルタ値が第三の閾値未満であった場合にはレベル(N−1)に相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0026】
ある態様では、本開示は、組織損傷のリスクがある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者に第一の複数回のSpO測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回るかを判定する工程、当該第一の複数のSpO測定値が第一の閾値以上であった場合にレベル−0の第一の介入を与える工程、および当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回った場合にはレベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。さらなる態様では、本開示は、患者において、与えられた介入レベルに相当する第一の前もって決定された頻度で、患者において第二の複数回のSpO測定を行い、当該第一と第二の複数のSpO測定値の間の差異に基づき時間デルタ値を算出し、当該時間デルタ値が第二の閾値を超える減少であるかを判定し、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の介入を与え、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行い、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えた減少であった場合にはレベル−Mの第二の介入を与え、ここでMは整数であり、Nよりも大きく、および当該時間デルタ値が第二の閾値を超えた減少であった場合にはレベル−Mに相当する第二の前もって決定された頻度で複数回のSpO測定を行うことを提供し、およびそれを含むものである。さらなる態様では、本開示は、時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であるかを判定し、当該時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であり、および当該第一の介入がレベル−0の介入ではない場合にはレベル(N−1)の介入を与え、当該時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であった場合にはレベル(N−1)に相当する前もって決定された頻度で複数回のSpO測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0027】
ある態様では、本開示は、その必要のある患者において皮膚および組織の損傷の進行を減速させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、当該患者に与えられたレベル−Kの現行の介入を特定する工程、当該患者において複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続して現行の介入を与える工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続してレベル−Kに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nの新たな介入を与え、ここでNはKよりも大きい値を有する工程、および当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程を含む。さらなる態様では、本開示は、デルタ値が第二の閾値未満であるかを判定し、当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lの介入を与え、ここでLはKよりも小さい負ではない値を有すること、および当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0028】
ある態様では、本開示は、その必要のある患者において皮膚および組織の損傷の進行を減速させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、当該患者に与えられたレベル−Kの現行の介入を特定する工程、当該患者において複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該複数のSpO測定値がレベル−Kに相当する閾値範囲内にあった場合には現行の介入を継続して与える工程、当該デルタ値がレベル−Kに相当する閾値範囲内にあった場合にはレベル−Kに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を継続して行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該第一の閾値範囲を下回った場合にはレベル−Nの新たな介入を与え、ここでNはKよりも大きい値を有する工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値範囲を下回った場合にはレベル−Nに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程、を含む。さらなる態様では、本開示は、複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えるかを判定すること、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えた場合にレベル−Lの介入を与えることであって、LはKよりも小さい負ではない値を有すること、および当該複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えた場合にレベル−Lに相当する前もって決定された頻度で複数回のSpO測定を行うこと、を提供し、およびそれを含む。
【0029】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとにバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0030】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとにバリアクリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に2時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0031】
1つの態様では、本開示は、患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に1時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0032】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとに神経−筋肉刺激を与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に1時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0033】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに局所クリームを適用する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に30分ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0034】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとに局所クリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に30分ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0035】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにヒールブーツを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとにヒールブーツを適用する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に30分ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0036】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにヒールブーツを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとにヒールブーツを適用する工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に30分ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0037】
1つの態様では、本開示は、患者の仙骨にバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨にバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に6時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0038】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨にバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨にバリアクリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に6時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0039】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に4時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0040】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨に神経−筋肉刺激を与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に4時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0041】
1つの態様では、本開示は、患者の仙骨に局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に局所クリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0042】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨に局所クリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に2時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0043】
1つの態様では、本開示は、治療的超音波を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に治療的超音波を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0044】
ある態様では、本開示は、治療的超音波を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に治療的超音波を与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0045】
1つの態様では、本開示は、衝撃波治療を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に衝撃波治療を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。1つの態様では、衝撃波治療は、電磁パルスまたは加圧空気を介して提供される。
【0046】
ある態様では、本開示は、衝撃波治療を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に衝撃波治療を与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。1つの態様では、衝撃波治療は、電磁パルスまたは加圧空気を介して提供される。
【0047】
1つの態様では、本開示は、30度ウェッジ(30−degree wedge)を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に30度ウェッジを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0048】
ある態様では、本開示は、30度ウェッジを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に30度ウェッジを与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0049】
1つの態様では、本開示は、コンポジットドレッシング(composite dressing)を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位にコンポジットドレッシングを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0050】
ある態様では、本開示は、コンポジットドレッシングを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位にコンポジットドレッシングを与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0051】
1つの態様では、本開示は、ハイブリッドマットレス(hybrid mattress)を必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合にハイブリッドマットレスを提供して患者を支持する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0052】
ある態様では、本開示は、ハイブリッドマットレスを必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合にハイブリッドマットレスを提供して患者を支持する工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0053】
1つの態様では、本開示は、ダイナミックマットレス(dynamic mattress)を必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合にダイナミックマットレスを提供して患者を支持する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0054】
ある態様では、本開示は、ダイナミックマットレスを必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合にダイナミックマットレスを提供して患者を支持する工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0055】
ある態様では、本開示は、損傷を受けた組織を特定する装置を提供し、およびそれを含むものであり、当該装置は、患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価するための本開示のかん流測定デバイス、当該かん流測定デバイスに電子的に連結され、当該かん流測定デバイスからの情報を受信して当該測定された反射光に関する情報をかん流値へと転換するよう構成されたプロセッサー、および当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、ならびに当該プロセッサーで実行されたときに以下の工程を実施する、当該記憶媒体に保存された命令を含む:患者皮膚上の第一の位置で得られた測定値に相当する第一のかん流値と、患者皮膚上の第二の位置で得られた測定値に相当する第二のかん流値の間の差異を決定する工程であって、当該第二の位置は、当該第一の位置に対して左右相称性である工程。
【0056】
ある態様では、損傷を受けた組織を特定する装置が本開示により提供され、当該装置は、患者皮膚の表面に対して配置されるよう構成された基盤、当該基盤上のそれぞれ複数の位置に配置された複数のエミッターと複数のレシーバーを含む、患者皮膚下の組織の血液かん流を評価するための本開示のかん流測定デバイス、当該かん流測定デバイスに電子的に連結され、当該複数のレシーバーからの反射光測定値に関する情報を受信し、当該情報をそれぞれ複数のかん流値へと転換するよう構成されたプロセッサー、および当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、ならびに当該プロセッサーで実行されたときに以下の工程を実施する、当該記憶媒体に保存された命令を含む:患者皮膚に対して互いに左右相称性である第一の位置と第二の位置に配置された第一のレシーバーと第二のレシーバーを、当該複数のかん流値から特定する工程、および第一のレシーバーと関連した第一のかん流値と、第二のレシーバーと関連した第二のかん流値を比較する工程。
【0057】
ある態様では、損傷を受けた組織を特定する装置が本開示により提供され、当該装置は、装置本体、少なくとも1つのエミッター、第一のレシーバーと第二のレシーバーであって、当該2つのレシーバーは、患者皮膚上の第一の位置上の第一のレシーバーと、当該第一の位置に対して左右相称な第二の位置上の第二のレシーバーの同時配置が可能となるように当該装置本体上に置かれる第一のレシーバーと第二のレシーバー、当該2つのレシーバーに電子的に連結され、第一の位置からの第一の反射光測定値と、第二の位置からの第二の反射光測定値を受信して、当該第一の反射光測定値を第一のかん流値に転換し、当該第二の反射光測定値を第二のかん流値に転換するよう構成されたプロセッサー、当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、当該プロセッサーで実行されたときに、第一のかん流値と第二のかん流値の間の差異を決定する工程を実行する命令を含む。
【0058】
ある態様では、損傷を受けた組織を特定する方法が本開示により提供され、当該方法は、患者皮膚上の第一の位置から第一のかん流値を取得すること、当該第一の位置に対して左右相称である第二の位置から第二のかん流値を取得すること、第一のかん流値と第二のかん流値の間の差異を決定すること、を含む。
【0059】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、積み上げ時間での1つの位置で複数のかん流値を測定すること、最後のかん流値と、その直前のかん流値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0060】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、積み上げ時間での複数の位置で複数のかん流値を測定すること、各時間に対し、当該複数のかん流値のデルタ値を算出すること、最後のデルタ値とその直前のデルタ値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0061】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、積み上げ時間での複数の位置で複数のかん流値を測定すること、各時間に対し、当該複数のかん流値のデルタ値を算出すること、最後のデルタ値とその直前のデルタ値の間の微分係数を算出すること、閾値と当該微分係数を比較すること、および当該微分係数が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0062】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、複数の積み上げ時間の各々での1つの位置で複数のかん流値を測定すること、各積み上げ時間に対し、かん流デルタ値を算出すること、所定の数の最も新しいかん流デルタ値に対し、曲線を適合させること、当該適合曲線の曲率を算出すること、閾値と当該曲率を比較すること、および当該曲率が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0063】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、積み上げ時間での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、最後のSpO値と、その直前のSpO値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0064】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、積み上げ時間での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、最後のSpO値と、その直前のSpO値の間の微分係数を算出すること、閾値と当該微分係数を比較すること、および当該微分係数が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0065】
ある態様では、本開示は、患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、複数の積み上げ時間の各々での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、各積み上げ時間に対し平均値を算出すること、所定の数の最も新しいSpO平均値に対し曲線を適合させること、当該適合曲線の曲率を算出すること、閾値と当該曲率を比較すること、および当該曲率が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本開示の態様は、本明細書において、例示のみを目的として添付の図面を参照しながら記載される。ここで当該図面に関し詳細に具体的な言及が為されているが、示されている事項は例示であり、本開示の態様に関する事例検討が目的であることが強調される。この点に関し、本記載内容および図面は、単独および組み合わせであるとみなされ、当業者に対し、本開示の態様がどのように実施され得るかを明白にするものである。
【0067】
図1図1は、火傷周辺の組織を示す。
図2A図2Aおよび2Bは、乳房再建術の一部として創生された皮膚フラップを示す。
図2B】同上。
図3図3は、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの吸収スペクトルの代表的なグラフである。
図4図4は、本開示に従う、例示的なかん流測定デバイスのブロック図を示す。
図5図5は、本開示に従う、かん流測定デバイスの例示的な構成を示す。
図6図6は、本開示に従う、放出された光がどのように組織に反射されるかを示す組織の断面図を示す。
図7図7は、本開示に従う、例示システムの放出信号、および検出信号を示す。
図8図8は、本開示に従う、広角源での反射光の経路を示す。
図9図9は、本開示に従う、図8と類似したシステムの放出信号および検出信号を示す。
図10A図10Aおよび10Bは、本開示に従う、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンから反射された光の検出信号を示す。
図10B】同上。
図11A図11Aおよび11Bは、本開示に従う、外傷を横切る線に沿った、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンから反射された光の検出信号を示す。
図11B】同上。
図11C図11Cは、本開示に従う、図11Aおよび11Bの曲線の比較点のグラフである。
図11D図11Dは、本開示システムに従う、例示的外傷、および図11Cのグラフの測定線の例示的マップを示す。
図11E図11Eは、本開示に従う、異なる外傷を横切り得られたかん流加算値の例示的なグラフを示す。
図12A図12A、12B、12Cおよび12Dは、本開示に従う、本開示装置の例を示す。
図12B】同上。
図12C】同上。
図12D】同上。
図13図13は、本開示に従う、例示的なかん流測定法のフローチャートである。
図14図14は、本開示に従う、かん流測定に基づく外傷治療選択に関する全体的なプロセスの例を示したものであり、ここで当該プロセスは、患者の介護施設への入院時から、当該介護施設からの患者の退院時までの期間をカバーしている。
図15図15は、本開示に従う、かん流測定から導かれたデルタ値が閾値を超えた量に基づく介入とモニタリングのレベルの選択に関するプロセスの図である。
図16図16は、本開示に従う、現行の介入レベルと新たなデルタ値を使用して、新たな介入レベルを選択するワークフローガイダンスマトリクスの例である。
図17図17は、本開示に従う、一人の患者に対する、1つの外傷位置での経時的なデルタ値の変化の例示的なグラフである。
図18A図18Aおよび18Bは、本開示に従う、組織損傷領域をマッピングする方法の例である。
図18B】同上。
図19A図19Aは、リスク評価と視覚的評価の組み合わせを使用した、現在推奨されている入院患者の褥瘡を予防するための治療決定経路の例である。
図19B図19Bは、いくつかの介護施設で現在実施されている、褥瘡を予防するための現行の拡張治療決定経路の例である。
図20図20は、本開示に従う、どのように患者皮膚下の組織の血液かん流を評価する装置を独立プロセスで使用して褥瘡を予防し得るかに関する例示的フローチャートである。
図21図21は、本開示に従う、どのように患者皮膚下の組織の血液かん流を評価する装置を付属物として使用して図19Bの拡張治療決定経路をさらに改善し得るかに関する例示的フローチャートである。
図22A図22Aは、本開示に従う、仙骨部位での左右相称性の位置のペアの例を提供する。
図22B図22Bは、本開示に従う、両足の底側での左右相称性の位置のペアの例を提供する。
図22C図22Cは、本開示に従う、両足の側面および足の裏での左右相称性の位置のペアの例を提供する。
図23A図23Aは、本開示に従う、左足および右足でのかん流測定の位置を示す。
図23B図23Bは、本開示に従う、左右相称性の位置の特定に関し、公知の相対的な位置と関連したかん流値のグラフである。
図24図24は、本開示に従う、かん流値の測定、評価、保存および転送に関する統合システムを示す。
図25図25は、本開示に従う、褥瘡が発生するリスクがある患者の経時的なかん流値を示す。
図26図26は、本開示に従う、褥瘡が発生した患者の経時的なかん流デルタ値を示す。
図27図27は、本開示に従う、褥瘡が発生した患者の経時的なかん流値およびデルタ値を示す。
図28図28は、本開示に従う、かかとで褥瘡が発生した患者に対する経時的なかん流デルタ値の例を示す。
図29A図29A、29B、29Cおよび29Dは、患者身体上の異なる姿勢での様々な圧点を示す。
図29B】同上。
図29C】同上。
図29D】同上。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本記載は、本開示が実装され得る様々な方法のすべてを網羅したカタログであることは意図されず、または本開示に加えられ得る特性のすべてを網羅したカタログであることも意図されない。例えば、1つの実施形態に関連して解説された特性は、他の実施形態へも組み込まれ得、特定の実施形態に関して解説された特性は、当該実施形態から切り離され得る。したがって本開示は、本開示の一部実施形態において、本明細書に記載される任意の特性または特性の組み合わせが、除外され、または省略され得ることを包含する。さらに本明細書に提唱される様々な実施形態に対する多くの変動および付加が、本開示を踏まえた上で当業者には明白であり、それらは本開示から逸脱しない。他の例では、公知の構造、インターフェースおよびプロセスは、本発明を不必要に不明瞭にしないために詳細には示されていない。本明細書の記載部分が、本発明の全範囲のいずれか部分を否定すると解釈されないことが意図されている。ゆえに以下の記載は、本開示のいくつかの特定の実施形態を解説することが意図されており、すべての順列、組み合わせ、およびそれらの変動を漏れなく規定することはしていない。
【0069】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって普遍的に理解される意味と同じ意味を有する。本開示の記載において使用される専門用語は、特定の態様または実施形態を記載することのみを目的としており、本開示の限定であることは意図されない。
【0070】
本明細書に引用されるすべての公表文献、特許出願、特許および他の参照文献は、当該参照文献が提示される文章および/または段落に関連する教示に対し、その全体で参照により援用される。本明細書において採用される技術に対する参照文献は、当業者に明白な技術または均等技術の置換に対する変動を含む、当分野において普遍的に理解される技術への参照が意図されている。
【0071】
文脈が別段を示唆しない限り、本明細書に記載される本開示内容の様々な特性は、任意の組み合わせで使用され得ることが具体的に意図される。さらに本開示は、本開示の一部実施形態において、本明細書に記載される任意の特性または特性の組み合わせが、除外され、または省略され得ることも包含する。
【0072】
本明細書に開示される方法は、記載される方法を実現するための1つ以上の工程または動作を含みおよび備える。当該方法の工程および/または動作は、本開示範囲から逸脱することなく互いに交換され得る。言い換えると、特定の工程または動作の順序が、実施形態の適切な操作に必要とされない限り、特定の工程および/もしくは動作の順序ならびに/または使用は、本開示範囲から逸脱することなく改変され得る。
【0073】
本開示の記載および添付の請求の範囲において使用される場合、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈から別段であることが明白に示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。
【0074】
本明細書において使用される場合、「および/または」とは、関連する列記された項目のうちの1つまたは複数の任意の、およびすべての可能性のある組み合わせ、ならびに選択的に解釈されるとき(「または」)の組み合わせの欠落を指し、包含する。
【0075】
本明細書において使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、例えば、長さ、頻度またはかん流値などの測定可能な値に言及するとき、特定される量の±20%、±10%、±5%、±1%、±0.5%、またはさらには±0.1%の変動を包含することが意図される。
【0076】
本明細書において使用される場合、例えば「XとYの間」および「約XとYの間」などの文言は、XとYを含むと解釈されるものとする。本明細書において使用される場合、例えば「約XとYの間」などの文言は、「約Xと約Yの間」を意味し、例えば「約X〜Y」などの文言は、「約X〜約Y」を意味する。
【0077】
本明細書において使用される場合、「例示的」という用語は、例示、実例または解説として出されていることを意味するために使用される。「例示的」として記載されるすべての実施形態または態様は、必ずしも他の実施形態または態様を超える好ましい、または有益なものであると解釈されるものではなく、そして当業者に公知の均等の構造および技術を除外することを意味するものでもない。むしろ例示的という用語の使用は、実在的な様式で主旨を提示することを意図したものであり、記載される主題は当該例示に限定されない。
【0078】
本明細書において使用される場合、「患者」という用語は、ヒト対象および動物対象の両方を含む。
【0079】
本明細書において使用される場合、「皮膚」という用語は、患者身体の表面を示す。
【0080】
本明細書において使用される場合、「組織」という用語は、角質層から始まる患者身体の複数の層を含み、例えば表皮、真皮、および血管を含む深部組織部分などの追加的な深部構造を含む。ある態様では、組織は、患者身体の最外表面を含まない。
【0081】
本明細書において使用される場合、「外傷」という用語は、損傷を受けた、または傷ついた組織を指し、皮膚表面上で目に見える場合も、見えない場合もある。外傷は、開放性または閉鎖性であり得る。外傷は、外科的手段から生じる場合もある。外傷は、火傷である場合もある。ある態様では、外傷は、褥瘡である。さらなる態様では、褥瘡は、皮下である。1つの態様では、褥瘡は、例えばマスク、管類、またはストラップなどの医療デバイスの長期的な使用から生じた褥瘡である。ある態様では、外傷は、糖尿病性足潰瘍である。ある態様では、外傷は、血管の潰瘍である。
【0082】
本明細書において使用される場合、「デルタ」という用語は、対象からおよそ同時に取得された測定値から導かれた2つの値の間で算出された差異を指す。ある態様では、当該値の各々は、およそ同時に取得された測定値から算出された加算値である。ある態様では、測定値は、約1時間以内、例えば約30分未満、約20分未満、約10分未満、約5分未満、約4分未満、約3分未満、約2分未満、約1分未満、または約30秒未満以内で得られたとき、およそ同時に取得される。
【0083】
本明細書において使用される場合、「時間デルタ」という用語は、対象から異なるときに取得された測定値から導かれた2つの値の間で算出された差異を指す。ある態様では、当該値の各々は、およそ同時に取得された測定値から算出された平均値である。ある態様では、当該値の各々は、およそ同時に取得された測定値から算出された加算値である。ある態様では、測定値は、約1時間超、例えば約2時間超、例えば約3時間超、例えば約4時間超、例えば約5時間超、例えば約6時間超、例えば約8時間超、または例えば約10時間超離れて得られたとき、およそ同時に取得される。
【0084】
本明細書において使用される場合、「K」、「L」、「M」および「N」などの変数は、負ではない整数である。
【0085】
本明細書において使用される場合、「身体部位に特異的な」という用語は、あるかん流またはSpOの測定値が得られた位置と同じ位置に対する臨床的介入の適用を指す。
【0086】
本明細書において使用される場合、「システム」は、互いに有線または無線で通信しているデバイスの集まりであってもよい。
【0087】
本明細書において使用される場合、「左右相称」とは、対称軸からおよそ等距離にある位置のペアを指す。
【0088】
本明細書において使用される場合、「カメラ」という用語は、二次元領域に分布した複数の点に関して、当該点に触れることなく独立した情報を捕捉する任意のデバイスを含む。
【0089】
本明細書において使用される場合、「光」という用語は、1ピコメーターから1メーターの範囲内の波長を有する電磁エネルギーを意味する。ある態様では、この範囲は、1ナノメーターから1ミリメーターであり、「紫外線」、「可視」、および「赤外線」の光を包含する。ある態様では、この範囲は、10〜390ナノメーターであり、この範囲は「紫外線」の光であると一般的に理解されている。ある態様では、この範囲は、390〜700ナノメーターであり、この範囲は「可視」の光であると一般的に理解されている。ある態様では、この範囲は、700ナノメーター〜1ミリメーターであり、この範囲は、「赤外線」放射であると一般的に理解されている。ある態様では、この範囲は、700〜900ナノメーターであり、この範囲は、「近赤外線」放射であると一般的に理解されている。ある態様では、この光は、特定の波長に関する狭帯域の波長であってもよい。ある態様では、特定の波長は、760および/または830ナノメーターである。
【0090】
本明細書内において、特定の波長を有するとして光を特定することは、特定の周波数を有するとして光を特定することと同じ意味であり、光の波長と周波数は固有に関連している。光の周波数に対する言及は、同じ光の波長に対する言及と同等および相互交換可能とみなされる。
【0091】
本明細書において使用される場合、「方法」という用語は、例えば工程などの動作のシーケンスを含む。ある実施形態では、工程は、特定の順序で実施されなければならず、一方で他の実施形態では、動作のシーケンスは相互交換可能であり得る。「方法」は、「プロセス」と同等であり、相互交換可能とみなされる。ある実施形態では、1つ以上の開示される工程が、省略される。
【0092】
かん流および酸素化の測定
図1は、患者の組織100における火傷102の周辺の組織を示す。組織100は、表面である表皮層110、真皮層120、および皮下層130を有する。層130の血管180は、細動脈182につながり、細動脈は層120および110の中に侵入する。
【0093】
火傷102は、「壊死域」である中心部位150を有している。この部位は主に死んだ組織であり、含水率は低い。部位150の周囲は、「鬱滞域」である部位160であり、組織かん流の低下を特徴とする組織である。部位160中の組織は回復可能である可能性があり、火傷の治療において重点の置かれる領域であるため、臨床医にとって特に興味のある対象である。隣の部位170は充血域であり、部位170中では炎症性メディエーターが局所産生され、血管が拡張されているため、組織かん流が増加している。
【0094】
図2Aおよび2Bは、乳房再建術の一部として創生された皮膚フラップ240を示す。この例では、図2Aに示されるように広背筋220の背部から皮膚210の切片が採取されている。皮膚210は位置240に配置され、追加の表面を提供して、図2Bに示されるように移植片230を覆っている。図2Bの位置222は、フラップ210が取り除かれた位置を示している。
【0095】
図3は、酸素化ヘモグロビン310および脱酸素化ヘモグロビン312の吸収スペクトルの代表的なグラフ300である。酸素化曲線310は760ナノメーターに局所的なピーク320があり、これによってこの波長での曲線310と曲線312の局所的最大の間に差異が生じている。曲線310は830ナノメーターに局所的最小322があり、これによっても曲線310と312の間の差異において、局所的最大が生じている。760〜830ナノメーターの範囲の波長を有する光を放出するレーザーが普遍的に利用可能である。
【0096】
図4は、本開示に従う、例示的なかん流測定デバイス400のブロック図を示す。デバイス400は、ディスプレイ410とユーザーインターフェース480に繋がれたプロセッサー440を備える。プロセッサー440は、記憶媒体450、通信モジュール460、エミッター420、およびレシーバー430にも連結されている。
【0097】
ある態様では、記憶媒体450は不揮発性であり、プロセッサー440内にロードされ、実行されたときに、プロセッサー440にプロセスの1つ以上の工程を実行させる命令を含有する。
【0098】
ある態様では、エミッター420は、光を放出するように構成され、レシーバー430は、光を検出するように構成される。ある態様では、レシーバー430は、受信した光に関する情報を含んだ信号をプロセッサー440に提供する。1つの態様では、この情報は、検出された光の強度に関する値、検出された光の波長、光検出のタイミング、および光検出の継続期間からなる群から選択される1つ以上のデータを含む。
【0099】
ある態様では、エミッター420および/またはレシーバー430は、1つ以上の規定範囲内にある波長を有する光のみを通過させるフィルター(図4では示されていない)を備える。ある態様では、複数のエミッター420および/または複数のレシーバー430があり、それらは共通の波長、または異なる周波数で光を放出し、および検出する。例えば第一のエミッター420は、760ナノメーターの光を放出し、一方で第二のエミッター420は、830ナノメーターの光を放出する。ある態様では、1つのエミッター420が、760ナノメーターと830ナノメーターの両方の光を放出する。例えば第一のレシーバー430が、760ナノメーターの光を検出し、一方で第二のレシーバー430が、830ナノメーターの光を検出する。ある態様では、1つのレシーバーが、760ナノメーターと830ナノメーターの両方の光を検出する。
【0100】
図5は、本開示に従う、かん流測定デバイス500の例示的な構成を示す。デバイス500は、エミッター501と、複数のレシーバー510、512、514、516、518、および520が付加されている基盤502を備えている。レシーバー510は、第一の距離D1でエミッター501と離されて配置されており、一方でレシーバー510と512は、第二の距離D2で離されて配置されている。ある態様では、基盤502は、図5に示されるように柔軟性がある。別の態様では、基盤502は柔軟性に欠け、および/または剛性のエレメントを備える。
【0101】
図6は、本開示に従う、エミッター610により放出された光がどのように組織601に反射されるかを示す組織601の概略的断面図を示す。光612Aは、第一の強度で放出される。光612Aの一部は、光614Aとして第一の深度で反射され、一方で残りは光612Bとして継続する。同様に、光612Bの一部は、光614Bとして第二の深度で反射され、一方で残りは光612Cとして継続する。この例において、光612Cの一部は、光614Cとして反射され、一方で残りは深部組織601で消失する。
【0102】
さらに図6に関し、レシーバー620、622および624は、それぞれが光614A、614Bおよび614Cを受信するようにエミッター610から少し離れて配置される。光614A、614Bおよび614Cの各々の強度は、エミッター610から特定のレシーバーまでの各経路全体に沿った組織に関する情報を含む。ある態様では、光612Aの下、および光612Cの上の光612Bの経路の一部に関する情報は、レシーバー622により検出された光に関する情報と、レシーバー620と624により受信された光614Aと614Cのうちの1つまたは両方に関する情報を比較することにより、除外される。ある態様では、この比較は、レシーバー620により受信された光の強度を、レシーバー622により受信された光の強度から差し引くことにより行われる。ある態様では、比較される情報は、光614A、614B、および614Cのうちの1つまたは複数の強度を含む。
【0103】
図7は、本開示に従う、例示システム700の放出信号710、および検出信号720、730および740を示す。この例において、信号720は第一のレシーバーにより検出され、ピーク値724を有しており、信号730は第二のレシーバーにより検出され、ピーク値734を有しており、そして信号740は第三のレシーバーにより検出され、ピーク値744を有している。図7に示されるように、ピーク値724、734および744は、エミッターから各レシーバーへの光の経路長との関連で放出されたパルスから時間差がある。この例において、信号720、730および740の波形は、エミッターから各レシーバーへ、複数の異なる経路上を移動した光の検出を反映した形状をしている。
【0104】
ある態様では、信号720、730および740に時間ウィンドウ722、732および742が与えられ、エミッターからレシーバーまで規定の経路に沿って移動した光のみが検出される。1つの態様では、1つの信号に複数の時間ウィンドウ(図7には示されていない)が与えられ、異なる経路上を移動した光に関する情報が捕捉される。
【0105】
図8は、本開示に従う、エミッター810で広角源を用いた、反射光の経路例の812A、812Bおよび812Cを示す。広角源は、例えば30度円錐体などの立体角にわたり光を放出する。ある態様では、この円錐体は、垂直面方向であってもよい。すなわち皮膚に対して直角であってもよく、一方で別の態様では、円錐体は皮膚に対して斜めであってもよい。1つの態様では、放出された光は、軸に関して非対称であってもよい。
【0106】
光812A、812Bおよび812Cのビームは各々、異なる角度で放出される。例示的な深度830では、例えば真皮層120の底で、ビーム812A、912Bおよび812Cの各々から光ビーム814A、814Bおよび814Cは共通レシーバー820へと拡散して反射される。同様に深度840では、皮下層130の底で、ビーム816A、816Bおよび816Cは、同じレシーバー820に向かって反射される。レシーバー820により検出される光は、エミッター810から複数の経路を進んだ光に関する時間と強度の情報を含む。
【0107】
図9は、本開示に従う、図8と類似したシステムの放出信号910、ならびに検出信号914Aおよび916Cを示す。この例において、エミッターは、2つの周波数の光を含む光940のパルスを放出する。第一の波長914Aの光は、パルス944Aとして検出され、第二の波長の光は、パルス946Cとして検出される。ある態様では、パルス944Aと946Aのタイミングは、それらを合計する前に調整される。別の態様では、パルス944Aと946Aのタイミングは、それらを合計する前に調整されない。
【0108】
ある態様では、信号914Aと916Cは一緒に加えられて、酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの両方から反射された光のタイミングと強度を表す信号920を形成する。
【0109】
図10Aおよび10Bは、本開示に従う、酸素化ヘモグロビン1020および脱酸素化ヘモグロビン1010から、外傷を横切り配置された様々な点で反射された光の検出信号を示す。図10Aは、真の連続信号の表示であり、一方で図10Bは、同じ線に沿った別個の点で得られた測定値で生成された計算値の表示である。
【0110】
図10Bにおいて、位置1030で、白色のドット1050は、酸素化波長と脱酸素化波長の強度の比率であり、左のスケールの「酸素化」に対してグラフ化されている。ある態様では、酸素化波長と脱酸素化波長の強度の比率は、SpO値へと転換することができ、この値は局所部位での酸素化血液の割合を示す。同じ位置1030で黒色のドット1060は、2つの波長の強度の加算であり、右のスケールの「かん流」に関してグラフ化されている。加算1060により提供される情報は局所1030で普通〜悪いかん流を示唆しており、高レベルの酸素化を示唆する比率1050とは異なる視点をもたらすものである。実際に既存の比率法を使用した場合、高レベルの酸素化は良好なかん流の兆候とみなされることが多く、逆もまた然りである。しかし本実施例において本開示方法を使用して取得されたデータからは、高レベルの酸素化領域が実際にはかん流が乏しく、低レベルの酸素化領域が実際にはかん流が非常に良好であることが示されている。
【0111】
図10Bについてさらに言及すると、位置1040で、酸素化比率1052は、酸素化レベルは最適には至っていないことを示唆しているが、2つの波長の強度の加算であるかん流加算1062は、かん流が良好であることを示唆している。繰り返すと、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンの両方の総量に関する情報を提供することで、一方と他方のシンプルな比率とは異なる視点がもたらされる。
【0112】
図11Aおよび11Bは、本開示に従う、外傷を横切る線に沿った、酸素化ヘモグロビン1101および脱酸素化ヘモグロビン1102から反射された光の検出信号を示す。点1120、1122、1124、1126、および1128は、その線に沿って識別される5つの位置である。ある態様では、外傷を横切る線は、任意の方向で引かれてもよい。ある態様では、任意の数の位置が、例えば最大100か所の位置、例えば最大95か所の位置、最大90か所の位置、最大85か所の位置、最大80か所の位置、最大75か所の位置、最大70か所の位置、最大65か所の位置、最大60か所の位置、最大55か所の位置、最大50か所の位置、最大45か所の位置、最大40か所の位置、最大35か所の位置、最大30か所の位置、最大25か所の位置、最大20か所の位置、最大15か所の位置、最大10か所の位置、最大9か所の位置、最大8か所の位置、最大7か所の位置、最大6か所の位置、最大5か所の位置、最大4か所の位置、最大3か所の位置、最大2か所の位置、または1か所の位置が、線に沿って識別され測定されてもよい。ある態様では、線に沿って識別される位置は、およそ等距離離れて配置されてもよい。ある態様では、線に沿って識別される位置は、不規則に離れて配置されてもよい。ある態様では、線に沿って識別される位置の亜群は、およそ等距離離れて配置されてもよい。ある態様では、線に沿って識別される位置の亜群は、不規則に離れて配置されてもよい。ある態様では、外傷を横切る複数の線が引かれて測定されてもよい。ある態様では、最大100本の線、例えば最大95本の線、最大90本の線、最大85本の線、最大80本の線、最大75本の線、最大70本の線、最大65本の線、最大60本の線、最大55本の線、最大50本の線、最大45本の線、最大40本の線、最大35本の線、最大30本の線、最大25本の線、最大20本の線、最大15本の線、最大10本の線、最大9本の線、最大8本の線、最大7本の線、最大6本の線、最大5本の線、最大4本の線、最大3本の線、最大2本の線、または1本の線が引かれて測定されてもよい。ある態様では、外傷を横切って引かれる線は、それらの間におよそ同じ角度を有してもよい。ある態様では、外傷を横切って引かれる線は、それらの間に異なる角度を有してもよい。ある態様では、外傷を横切って引かれる線の亜群は、それらの間におよそ同じ角度を有してもよい。ある態様では、外傷を横切って引かれる線の亜群は、それらの間に異なる角度を有してもよい。
【0113】
図11Cは、本開示に従う、図11Aおよび11Bの曲線1101および1102の比較点1120、1122、1124、1126、および1128のグラフ1100である。基準線1131に繋がれた白色のドット1130、1132、1134、1136、および1138は、酸素化比率(特定の位置の点での曲線1101と曲線1102における値の比率)であり、左の垂直軸の「酸素化」に対してグラフ化されている。基準線1141に繋がれた黒色のドット1140、1142、1144、1146、および1148は、曲線1101と1102の加算値であり、右の垂直軸の「かん流」に対してグラフ化されている。
【0114】
ある態様では、線1131と1141の検査による外傷状態の評価において、臨床医は、線1131と1141の形状に基づき外傷のサイズと状態について様々な評価を行い得る。本実施例において、線1141のかん流情報からは線1131と比較して小さく、狭い外傷が示唆される。図1に関して、臨床医が帯域150の壊死組織の除去を試みる場合、臨床医は、線1141により誘導されるよりも、線1131に誘導される場合には多くの組織を除去し得る。これによって、外傷の治癒状態および最終状態を向上させ得る鬱滞域160において、意図されない組織の一部の除去が生じる場合がある。
【0115】
本実施例において、図11Dの1140と示される最外層の測定点は、外傷罹患域の外側にあり、他の測定値はいずれも測定点1140の値より小さかった。このことから、充血域では測定が行われなかったことが示唆される。図11Cに関し、線1150は、本実施例の2つの周波数での測定値の最大加算値を表しており、本実施例においてこれは加算値1140である。測定点の線が目に見える外傷損傷域を超えて伸長された場合、最外層の測定点は、健康な非罹患組織上にある可能性がある。健常組織上の点での測定値は、罹患域の測定値が比較される基準値を形成する。同様に、健常組織上の点で2つの周波数により生成された測定値の加算値は、基準加算値を形成する。損傷を受けた組織は本質的にかん流が正常から、充血域でのかん流増加、または鬱滞域もしくは壊死域でのかん流低下のいずれかに変化しており、外傷周辺の罹患域中の点での加算値と、健常組織の加算値の比較によって、評価の正確性が改善される。同じ機器を使用し、同じ人物でおよそ同時に得られた2つの加算値を比較することで、例えば患者が活動性もしくは非活動性か、脱水状態か、または全身性の失血状態にあるかなどの全ての測定に影響を与える「共通モード(common mode)」因子が除去される。罹患域と健常域を比較することで、損傷程度に関して、より良く実態が得られる。
【0116】
デルタ値1152は、この最大加算値と加算値1142の間に存在する。他のデルタ値1154、1156および1158は、最大加算値1150と、個々の加算値1144、1146および1148の間に存在する。
【0117】
図11Eは、本開示に従う、異なる外傷(示されず)を横切り得られたかん流加算値の例示的なグラフ1107を示す。加算値1172は、判明している健常組織上で得られた。加算値1174は、外傷により近い位置で得られた。1174の値と比較して値が増加していることは、当該位置が充血域にあることの指標である。加算値1176がほぼゼロの値であれば、壊死域である可能性を示している。1178および1180の値は1172よりも低く、1176よりも高いことから、これらが鬱滞域にある可能性を示している。曲線1182の形状は、臨床医に対し、測定点での、および測定点の間の根底にある組織の性質に関するガイダンスを提供する。
【0118】
測定位置が充血域内にある場合、加算値は、健常組織の加算値よりも高くなる場合がある。この場合、図11Cの線1150の「基準」値は、例えば図11Dの位置1140などの最外層点として選択されてもよく、または健常な非罹患組織上の位置として特異的に選択された点から選択されてもよい。ある態様では、他の加算値が比較される基準値は、判明している健常組織と関連した値であり、最も大きな加算値ではない場合がある。
【0119】
ある態様では、ユーザーは測定を反復し、判明している健常組織上で得られた基準値よりも高い、例えばかん流などの加算値により示される充血域をマッピングしてもよい。位置は、例えば外傷の描画または絵の上にマーキングするなど手動の方法により捕捉されてもよく、または例えば3D加速度計ベースの位置決定システムを使用した位置感知システムにより捕捉されてもよい。あるいはかん流測定デバイスにマーキング能力を組み込み、ユーザーがマークを誘導して皮膚に付けてもよい。ユーザーは、手動でこれを行ってもよい。ある態様では、かん流測定デバイスは、加算値が閾値を超えたときに自動でマークをつけてもよい。閾値は、判明している健常組織上でかん流測定を行いながら設定されてもよい。ある態様では、閾値は、ユーザーにより直接入力されてもよい。
【0120】
図11Eの実施例において、基準値は、値1172であるように選択され、デルタ値は、加算値1174、1176、1178および1180に対して算出される。ある態様では、デルタ値は、点1174に対しては正の値として報告され、点1176、1178および1180に対しては負の値として報告される。ある態様では、デルタ値の極性は反転する。1つの態様では、デルタの絶対値のみが報告される。
【0121】
ある態様では、選択された各波長で、選択された位置で複数回の測定が行われる。ある態様では、選択された各波長で、選択された位置で複数回行われた測定は、まとめて平均化され、その後に本開示に従い加算される。ある態様では、選択されたすべての波長で、選択された位置で行われた測定からなる測定の各セットが最初にまとめて合計され、その後、各測定セットから得られた合計を平均することにより平均加算値が決定される。
【0122】
ある態様では、デルタ値は、基準値から加算値を差し引くことにより決定される。ある態様では、基準値は、[0152]段落の方法に従い選択される。ある態様では、基準値は、外傷の外側の位置で得られた加算値の平均により算出される。ある態様では、基準値は、外傷の内側と外側の両方で得られた加算値の平均により算出される。ある態様では、デルタ値は、基準値から、部位での平均加算値を差し引くことにより決定される。ある態様では、デルタ値は、基準値から、部位での最小加算値を差し引くことにより決定される。ある態様では、デルタ値は、最大加算値から、部位での最小加算値を差し引くことにより決定される。ある態様では、一連の加算値における最大加算値と比較した各加算値の百分率値がさらに決定される。
【0123】
図11Dは、本開示システムに従う、例示的外傷1105、および図11Cのグラフの測定線の例示的マップを示す。ドット1140、1142、1144、1146、および148は、図11Aおよび11Bの位置1120、1122、1124、1126、および1128に相当する。壊死域1164および充血域1160は、線1141によりもたらされた情報を反映している。帯域1162は、酸素化線1131と関連した比較用の壊死域を概略的に図示しており、かん流から導かれた帯域1164よりも大きく広い。
【0124】
図12A、12B、12Cおよび12Dは、本開示に従う、本開示装置の例を示す。
【0125】
図12Aは、1つのエミッター1202と、この例ではエミッター1202の反対側に配置された2つのレシーバー1204とを有する例示的な手持ちデバイス1200である。エミッター1202とレシーバー1204は剛性の基盤上に搭載されている。
【0126】
図12Bは、例示的なバンデージ1210を示しており、エミッター1202とレシーバー1204は、患者の皮膚上に固定位置でバンデージを保持することが意図された粘着性の裏当て1208を伴う柔軟な吸収性パッド1206に配置されている。レシーバー1204による反射光の経時的な反復測定により、外傷状態のトラッキングが可能となる。
【0127】
図12Cは、グリッド中に並べられたエミッター1202とレシーバー1204のアレイを有する基版1210を示す。ある態様では、1つのエミッター1202が活性化されながら、周辺レシーバーの1204のうちの1つ以上が反射光を感知する。ある態様では、異なるエミッター1202は、異なる波長の光を放出する。
【0128】
図12Dは、光のビーム1238を放出する1つ以上のエミッター1236と、各々視野1234を有する1つ以上のレシーバー1232とを備えるシステム1230を示す。ある態様では、レシーバー1232は、外傷1250周辺の皮膚表面に到達する光の強度を光学的に検出する結像カメラである。ある態様では、エミッター1236は、異なる波長の光を放出する。ある態様では、エミッター1236は、異なる時間、および重複しない時間で活性化され、レシーバー1232は、いずれか波長の反射光を検出することができる。
【0129】
図13は、本開示に従う、例示的なかん流測定法のフローチャート1300である。プロセスは開始工程1302から、皮下の1つ以上の深度で酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの量を測定する工程1304へと進む。ある態様では、これらの測定値は、1つのエミッター周辺に並べられた複数のレシーバーからの信号を比較することから導かれる。工程1306は、工程1304に先行しても、または並行して実施されてもよく、この工程において位置が決定される。工程1308は、酸素化ヘモグロビンおよび脱酸素化ヘモグロビンと関連した測定値を合計する。工程1310は任意で、組織を通過する代替経路を介してレシーバーに到達した光に関する情報と比較することにより加算値を調整する。生データ値および調整値は、工程1312において記録される。外傷部位周辺でより多くの読み取りが為される場合、プロセスは工程1314で「いいえ」経路1316へと枝分かれし、工程1304へと戻る。すべての計測が完了した場合、プロセスは工程1314で「はい」経路1318から工程1320へと枝分かれし、ここでデルタ値は、健常組織と関連するであろう最高かん流値と、普遍的部位の周辺の様々な他の測定値との間の差異として算出される。これらデルタ値は工程1322においてグラフ化され、当該ユーザーにより操作されたときの当該機器での当該位置での当該時点での当該患者に対する健常組織の基準と比較したかん流の劣化を表す。プロセスは、工程1324の「終了」で終結する。
【0130】
かん流または酸素化測定を使用した組織損傷介入に対する戦略の選択
図14は、本開示に従う、患者皮下の組織中の血液のかん流または酸素化の測定値に基づく、介護施設入院時から介護施設退院までの外傷治療戦略の選択に関する全体的なプロセス1400を示す。ある態様では、外傷は、褥瘡である。1つの態様では、褥瘡は、例えばマスク、管類、またはストラップなどの医療デバイスの長期的な使用から生じた褥瘡である。ある態様では、外傷は、糖尿病性足潰瘍である。ある態様では、外傷は、血管の潰瘍である。ある態様では、外傷は、火傷である。ある態様では、介護施設は、病院、回復施設、介護付き居住施設、居住型介護施設、老人ホーム、長期滞在型介護施設、継続型介護コミュニティ、および独立型居住コミュニティからなる群から選択される。ある態様では、介護施設は、自宅、または患者の他の住居であってもよく、そこでの「入院」工程1402が、看護師または他の介護者による自宅での患者の第一の評価となる。1つの態様では、自宅環境で使用される介入および評価間隔のスケジュールは、病院で使用される、対応する介入および間隔とは異なっていてもよい。
【0131】
ある態様では、プロセス1400において、新たに入院した患者は、患者皮膚の一部の目視検査、栄養状態、移動性、肉体活動、肉体強度、およびコミュニケーション能力、ならびに患者皮膚上の1か所以上の位置で行われる血液かん流測定のうちの1つ以上を評価するリスク評価プロトコールの少なくとも一部の完了、のうちの1つ以上を含む工程1404において入院評価を受ける。ある態様では、かん流測定は、患者皮膚の1か所の「位置」で複数回のかん流測定を行うことを含む。ある態様では、SpO値は、かん流測定プロセスにおいて測定された酸素化ヘモグロビンと脱酸素化ヘモグロビンの強度比率を転換することから決定される。ある態様では、SpO値。1つの態様では、「位置」は、当該位置内の空間的に別個の点でかん流測定が行われ得るように、1つの点ではなく領域とみなされる。例えば、「かかと」の位置は、かかと周囲の中央、側面および後部表面、ならびに足底の後方部分を含む。
【0132】
1つの態様では、評価工程が完了した時点で、患者の測定値が異常であるかについて、工程106において決定が為される。すなわち、評価の様々な要素の結果の組み合わせから、患者がさらなる外傷組織損傷を有すること、または発生させるリスクがあることが示唆されるかについて決定される。評価の各要素は、リスクレベルに対して個々の基準を有してもよく、例えば受容できないリスクを示す閾値を含むスコアリングシステムを有してもよい。ある態様では、基準を組み合わせて、介入レベルの選択に使用できる複合パラメーターを生成するプロトコールが存在する。
【0133】
ある態様では、患者が受容可能なリスクレベルにあると決定された場合、プロセスは、本明細書において「レベル−ゼロ」または「レベル−0」と指定される最低レベルの介入を実行する工程1408へと枝分かれする。工程1410および1412を経て、患者は、レベル−0と関連した頻度または逆に時間間隔で、工程1414において少なくともかん流測定または酸素化測定のプロトコールを使用して再評価される。その後、プロセス1400は工程1406に戻り、工程1414で得られたかん流または酸素化の測定結果が評価される。
【0134】
1つの態様では、工程1406において患者が異常な測定値を有すると判定された場合、その後、プロセスは高レベルの介入を実行する工程1422へと枝分かれる。ある態様では、介入レベルに関して既定のヒエラルキーが存在し、各レベルは、次に低いレベルよりも集中的な介入を実行する。ある態様では、各レベルは、かん流または酸素化の測定セットをどの程度の頻度で実施するべきかを示す既定のモニタリング間隔または頻度も有しており、概してレベルが高くなると間隔も短くなる。この実施例において、病院または他の管理機関により規定されており、ここでレベル−1の介入へと1つレベルを上げられる。別の態様では、工程1422は、レベル−2またはより高レベルの介入を実行してもよい。ここでプロセスは、患者がレベル−Nの頻度でモニタリングされる工程1430で始まる新たなループへと入り、この場合においてNは1〜nの範囲であり、nは介入およびモニタリングに関して最も高く規定されたレベルである。
【0135】
ある態様では、工程1434で患者の病歴が評価され、患者の状態が改善しているかが判定される。患者の状態が改善している場合、例えばかん流測定値に対するデルタ値の減少が明らかである場合、プロセスは工程1442へと枝分かれする。この実施例では、工程1442は現行の介入レベルの実行を継続し、プロセスは工程1440を経て、デルタ値が閾値を下回るまで工程1430−1432−1434−1442−1440をループする。ある態様では、デルタ値が低下傾向であったときのデルタ値の大きさに基づき、介入レベルが工程1442で低下されてもよい。ある態様では、患者の状態は、酸素化測定値が一貫して95%以上の酸素化であった場合に改善している。
【0136】
1つの態様では、患者が工程1434で改善を示さなかった場合に、プロセスは工程1438で介入レベルを上昇させる方向に枝分かれするが、ただし皮膚は破壊されていない、すなわち工程1436において開放性の外傷が発現していないものとする。開放性の外傷が発現していた場合、工程1444において当該開放性外傷の外縁周囲でかん流測定が行われ、炎症または他の外傷拡大の前触れ的な指標をマッピングする。開放性外傷自体は工程1448で治療され、この二次的なループ1444−1446−1448−1450は、外傷が閉じるまで継続し、その時点でプロセスは工程1430へと戻る。
【0137】
ある態様では、プロセス100の任意の時点で、患者の退院は、工程1418へと枝分かれし、ここで退院時または転院時の患者の状態が記録される。ある態様では、工程1418は、患者身体上の1か所以上の位置でのかん流測定の最終セットを含む。1つの態様では、患者身体上の1か所以上の位置で、酸素化測定の最終セットが行われる。ある態様では、これらの位置は、介入を受けず、過去にリスクがあると識別されなかった領域を含む。ある態様では、この情報は、受任する介護者へと提供される。その後患者は工程120において退院し、または転院する。
【0138】
ある態様では、本開示は、外傷介入の必要がある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。
【0139】
ある態様では、本開示は、外傷介入の必要がある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者に第一の複数回のSpO測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回るかを判定する工程、当該第一の複数のSpO測定値が第一の閾値以上であった場合にレベル−0の第一の介入を与える工程、および当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回った場合にはレベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。ある態様では、SpO測定値の第一の閾値は、約95%である。1つの態様では、SpO測定値の第一の閾値は、約95.5%、約96%。約96.5%、約97%、約97.5%、または約98%である。
【0140】
1つの態様では、第一の複数回のかん流測定は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の他の多肉質の組織からなる群から選択される1か所以上の解剖学的部位で、およびその周辺で行われる。ある態様では、第一の複数回のかん流測定は、組織損傷のリスクがある1か所以上の解剖学的部位で、およびその周辺で行われる。ある態様では、第一の複数回のかん流測定は、組織損傷のリスクがあるすべての解剖学的部位で、およびその周辺で行われる。図29A、29B、29Cおよび29Dは、様々な姿勢の患者に対し、組織損傷のリスクのある位置を円で示している。ある態様では、第一の複数回のかん流測定は、医療デバイスと長期的に接触する1か所以上の解剖学的部位で、およびその周辺で行われ、解剖学的部位は、頬、鼻、胸部、腹部および下腹領域からなる群から選択される。ある態様では、第一の複数回のかん流測定は、測定が行われた位置の概略に基づいて、解析用に亜群へと分けられる。1つの態様では、第一の複数回のかん流測定は、解剖学的部位周辺に中心を置く1つ以上の同心円上に配置された位置で行われる。ある態様では、第一の複数回のかん流測定は、解剖学的部位からおよそ等距離で直線状に配置された位置で行われる。
【0141】
1つの態様では、第一のデルタ値は、収集された第一の複数回のかん流測定から得た最大かん流値と最小かん流値の間の差異により決定される。ある態様では、第一のデルタ値は、1つの位置で得られた測定値の最大かん流平均と、第二の位置で得られた測定値の最小かん流平均の間の差異により決定される。1つの態様では、第一のデルタ値は、収集された位置により規定される亜群から構成される第一の複数のかん流測定値の一部に対して決定される。ある態様では、ある位置での平均かん流値は、当該位置で測定された2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上のかん流値から取得される。1つの態様では、第一のデルタ値は、中心線に関して左右相称性の2つの位置で得られた測定値から導かれたかん流値の間の差異により決定される。
【0142】
ある態様では、デルタ値は、複数の方法で、中心の位置で行われた複数回のかん流測定値から算出されてもよく、または特定の位置周辺で近接して行われた複数のかん流測定値から算出されてもよい。ある態様では、複数回のかん流測定は、皮膚上の前もって決定されたパターンで行われ、デルタ値は、当該パターン内の前もって決定された位置と関連するかん流値を、当該パターンで他の位置で得られた最大かん流値から差し引くことにより算出される。ある態様では、複数回のかん流測定は、皮膚上の前もって決定されたパターンで行われ、デルタ値は、当該パターン内の前もって決定された位置と関連するかん流値を特定し、および当該パターンで他の位置で得られた最大かん流値を差し引くことにより算出される。ある態様では、平均かん流値は、1つの位置での複数回のかん流測定により生成されたかん流値セットの一部から算出されてもよく、デルタ値は、同セットの平均および1つのかん流値の間の最大差異として算出されてもよい。ある態様では、デルタ値は、かん流値セット内の最大かん流値と最小かん流値の比率として算出されてもよい。
【0143】
ある態様では、第一の閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。1つの態様では、第一の閾値は、0.1〜8.0の範囲であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5の範囲であってもよい。ある態様では、第一の閾値は、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。閾値は設計により限定されず、むしろ当業者であれば、所与のかん流単位に基づき、規定値の選択を行い得ることを理解されたい。1つの態様では、本開示の閾値は、測定が行われる患者身体の特定の部分に従い変化し、または例えば年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体上の特徴または医学的状態などの患者の1つ以上の特性に従い変化する。
【0144】
ある態様では、Nは、1〜50の範囲であり、例えば1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、1〜15、1〜20、1〜25、1〜30、1〜35、1〜40、または1〜45の範囲である。
【0145】
1つの態様では、Nは、第一のデルタ値が第一の閾値を超えた量により決定される。ある態様では、(N+1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Nに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも大きい。1つの態様では、(N−1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Nに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも小さい。
【0146】
ある態様では、レベル−1(N=1)の介入は、閾値の100%以下まで、例えば閾値の95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−1の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0147】
ある態様では、レベル−2(N=2)の介入は、閾値の150%以下まで、例えば閾値の145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−2の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0148】
1つの態様では、レベル−3(N=3)の介入は、閾値の200%以下まで、例えば閾値の195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−3の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0149】
1つの態様では、レベル−4(N=4)の介入は、閾値の250%以下まで、例えば閾値の245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−4の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0150】
1つの態様では、レベル−5(N=5)の介入は、閾値の300%以下まで、例えば閾値の295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−5の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0151】
1つの態様では、レベル−6(N=6)の介入は、閾値の350%以下まで、例えば閾値の345%以下まで、340%以下まで、335%以下まで、330%以下まで、325%以下まで、320%以下まで、315%以下まで、310%以下まで、305%以下まで、300%以下まで、295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−6の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0152】
1つの態様では、レベル−7(N=7)の介入は、閾値の400%以下まで、例えば閾値の395%以下まで、390%以下まで、385%以下まで、380%以下まで、375%以下まで、370%以下まで、365%以下まで、360%以下まで、355%以下まで、350%以下まで、345%以下まで、340%以下まで、335%以下まで、330%以下まで、325%以下まで、320%以下まで、315%以下まで、310%以下まで、305%以下まで、300%以下まで、295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−7の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0153】
1つの態様では、レベル−8(N=8)の介入は、閾値の450%以下まで、例えば閾値の445%以下まで、440%以下まで、435%以下まで、430%以下まで、425%以下まで、420%以下まで、415%以下まで、410%以下まで、405%以下まで、400%以下まで、395%以下まで、390%以下まで、385%以下まで、380%以下まで、375%以下まで、370%以下まで、365%以下まで、360%以下まで、355%以下まで、350%以下まで、345%以下まで、340%以下まで、335%以下まで、330%以下まで、325%以下まで、320%以下まで、315%以下まで、310%以下まで、305%以下まで、300%以下まで、295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−8の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0154】
1つの態様では、レベル−9(N=9)の介入は、閾値の500%以下まで、例えば閾値の495%以下まで、490%以下まで、485%以下まで、480%以下まで、475%以下まで、470%以下まで、465%以下まで、460%以下まで、455%以下まで、450%以下まで、445%以下まで、440%以下まで、435%以下まで、430%以下まで、425%以下まで、420%以下まで、415%以下まで、410%以下まで、405%以下まで、400%以下まで、395%以下まで、390%以下まで、385%以下まで、380%以下まで、375%以下まで、370%以下まで、365%以下まで、360%以下まで、355%以下まで、350%以下まで、345%以下まで、340%以下まで、335%以下まで、330%以下まで、325%以下まで、320%以下まで、315%以下まで、310%以下まで、305%以下まで、300%以下まで、295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−9の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0155】
1つの態様では、レベル−10(N=10)の介入は、閾値の550%以下まで、例えば閾値の545%以下まで、540%以下まで、535%以下まで、530%以下まで、525%以下まで、520%以下まで、515%以下まで、510%以下まで、505%以下まで、500%以下まで、495%以下まで、490%以下まで、485%以下まで、480%以下まで、475%以下まで、470%以下まで、465%以下まで、460%以下まで、455%以下まで、450%以下まで、445%以下まで、440%以下まで、435%以下まで、430%以下まで、425%以下まで、420%以下まで、415%以下まで、410%以下まで、405%以下まで、400%以下まで、395%以下まで、390%以下まで、385%以下まで、380%以下まで、375%以下まで、370%以下まで、365%以下まで、360%以下まで、355%以下まで、350%以下まで、345%以下まで、340%以下まで、335%以下まで、330%以下まで、325%以下まで、320%以下まで、315%以下まで、310%以下まで、305%以下まで、300%以下まで、295%以下まで、290%以下まで、285%以下まで、280%以下まで、275%以下まで、270%以下まで、265%以下まで、260%以下まで、255%以下まで、250%以下まで、245%以下まで、240%以下まで、235%以下まで、230%以下まで、225%以下まで、220%以下まで、215%以下まで、210%以下まで、205%以下まで、200%以下まで、195%以下まで、190%以下まで、185%以下まで、180%以下まで、175%以下まで、170%以下まで、165%以下まで、160%以下まで、155%以下まで、150%以下まで、145%以下まで、140%以下まで、135%以下まで、130%以下まで、125%以下まで、120%以下まで、115%以下まで、110%以下まで、100%以下まで、95%以下まで、90%以下まで、85%以下まで、80%以下まで、75%以下まで、70%以下まで、65%以下まで、60%以下まで、55%以下まで、50%以下まで、45%以下まで、40%以下まで、35%以下まで、30%以下まで、25%以下まで、20%以下まで、15%以下まで、10%以下まで、または5%以下まで閾値を超えたデルタ値を有する患者に適用される。ある態様では、レベル−10の介入は、測定が行われた位置に適用される。
【0156】
1つの態様では、レベル−Nの介入は、レベル−0の介入よりも集中的である。ある態様では、レベル−(N+1)の介入は、レベル−Nの介入よりも集中的である。1つの態様では、レベル−(N−1)の介入は、レベル−Nの介入よりも集中的ではない。
【0157】
ある態様では、本開示の評価工程はさらに、視覚評価の実施を含む。1つの態様では、視覚評価は、米国褥瘡諮問委員会(NPUAP:National Pressure Ulcer Advisory Panel)のガイダンスに従い実施される。
【0158】
1つの態様では、本開示の評価工程はさらに、リスク評価の実施を含む。ある態様では、リスク評価は、ブレーデンスケール(Braden Scale)、ゴスネルスケール(Gosnell Scale)、ノートンスケール(Norton Scale)およびウォーターロウスケール(Waterlow Scale)からなる群から選択される検査に従い実施される。ある態様では、本開示の評価工程はさらに、表皮下水分量、生体インピーダンス、超音波、圧力測定、毛細管圧、赤外線画像解析、スペクトル画像解析、経皮的水分消失、および対象の1つ以上の解剖学的部位で存在するインターロイキン−1αの検出からなる群から選択される1つ以上の客観的測定値を使用した評価の実施を含む。
【0159】
ある態様では本開示はさらに、患者において、与えられた介入レベルに相当する第一の前もって決定された頻度で、第二の複数回のかん流測定を行い、当該第二の複数のかん流測定値の一部から第二のデルタ値を算出し、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えたかを判定し、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の介入を与え、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行い、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mの第二の介入を与え、ここでMは整数であり、Nよりも大きく、そして当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mに相当する第二の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行うことを提供し、およびそれを含むものである。
【0160】
ある態様では本開示はさらに、患者において、与えられた介入レベルに相当する第一の前もって決定された頻度で、患者において第二の複数回のSpO測定を行い、当該第一と第二の複数のSpO測定値の間の差異に基づき時間デルタ値を算出し、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えた減少であるかを判定し、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の介入を与え、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行い、当該時間デルタ値が第二の閾値を超えた減少であった場合にはレベル−Mの第二の介入を与え、ここでMは整数であり、Nよりも大きく、そして当該時間デルタ値が第二の閾値を超えた減少であった場合にはレベル−Mに相当する第二の前もって決定された頻度で複数回のSpO測定を行うことを提供し、およびそれを含むものである。
【0161】
1つの態様では、前もって決定された頻度は、72時間ごとに少なくとも1回、48時間ごとに少なくとも1回、24時間ごとに少なくとも1回、12時間ごとに少なくとも1回、8時間ごとに少なくとも1回、6時間ごとに少なくとも1回、4時間ごとに少なくとも1回、3時間ごとに少なくとも1回、2時間ごとに少なくとも1回、1時間ごとに少なくとも1回、および30分ごとに少なくとも1回、からなる群から選択される。
【0162】
1つの態様では、第二の複数回のかん流測定は、[0174]に従い行われる。ある態様では、第二の複数回のかん流測定は、第一の複数回のかん流測定が行われた位置と同じ位置で行われる。1つの態様では、第二の複数回のかん流測定は、第一の複数回のかん流測定が行われた位置と同じ位置の一部で行われる。ある態様では、第二の複数回のかん流測定は、第一の複数回のかん流測定が行われた位置に近い位置で行われる。1つの態様では、第二の複数回のかん流測定は、第一の複数回のかん流測定が行われた位置とは異なる位置で行われる。
【0163】
ある態様では、第二のデルタ値は、収集された第二の複数回のかん流測定から得た最大かん流値と最小かん流値の間の差異により決定される。1つの態様では、第二のデルタ値は、1つの位置で得られたかん流測定値の最大平均と、第二の位置で得られたかん流測定値の最小平均の間の差異により決定される。1つの態様では、第二のデルタ値は、収集された位置により規定される亜群から構成される第二の複数回のかん流測定値の一部に対して決定される。
【0164】
ある態様では、第二の閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。1つの態様では、第二の閾値は、0.1〜8.0の範囲であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5の範囲であってもよい。1つの態様では、SpO測定値に対する第二の閾値は、約3%、3.5%、4%、5%、5.5%、6%、6.6%、または7%であってもよい。ある態様では、第二の閾値は、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。1つの態様では、第二の閾値は、第一の閾値と同じである可能性がある。ある態様では、第二の閾値は、第一の閾値よりも大きい可能性がある。ある態様では、第二の閾値は、第一の閾値よりも小さい可能性がある。
【0165】
ある態様では、Mは、2〜50の範囲であり、例えば2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、2〜15、2〜20、2〜25、2〜30、2〜35、2〜40、または2〜45の範囲である。
【0166】
1つの態様では、Mは、第二のデルタ値が第二の閾値を超えた量により決定される。ある態様では、(M+1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Mに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも大きい。1つの態様では、(M−1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Mに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも小さい。
【0167】
ある態様では、レベルMの介入は、[0143]〜[0153]に従い、NをMに置き換えて選択される。
【0168】
1つの態様では本開示はさらに、第二のデルタ値が第三の閾値未満であるかを判定し、当該第二のデルタ値が第三の閾値未満であり、および当該第一の介入がレベル−0ではない場合にはレベル(N−1)の介入を与え、当該第二のデルタ値が第三の閾値未満であった場合にはレベル(N−1)に相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0169】
ある態様では本開示はさらに、時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であるかを判定し、当該時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であり、および当該第一の介入がレベル−0の介入ではない場合にはレベル(N−1)の介入を与え、当該時間デルタ値が第三の閾値を超える増加であった場合にはレベル(N−1)に相当する前もって決定された頻度で複数のSpO測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0170】
ある態様では、第三の閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。1つの態様では、第三の閾値は、0.1〜8.0の範囲であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5の範囲であってもよい。1つの態様では、SpO測定値に対する第二の閾値は、約3%、3.5%、4%、5%、5.5%、6%、6.6%、または7%であってもよい。ある態様では、第三の閾値は、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。1つの態様では、第三の閾値は、第二の閾値と同じである可能性がある。ある態様では、第三の閾値は、第二の閾値よりも大きい可能性がある。ある態様では、第三の閾値は、第二の閾値よりも小さい可能性がある。1つの態様では、第三の閾値は、第一の閾値と同じである可能性がある。ある態様では、第三の閾値は、第一の閾値よりも大きい可能性がある。ある態様では、第三の閾値は、第一の閾値よりも小さい可能性がある。
【0171】
ある態様では、第二のデルタ値は、第三の閾値の0.1〜99.5%、例えば第三の閾値の0.1〜1%、0.1〜5%、1〜5%、5〜15%、10〜20%、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35〜45%、40〜50%、0.1〜25%、15〜35%、25〜50%、25〜75%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、40〜55%、50〜75%、50〜99.5%、70〜80%、75%〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜99.5%、65〜85%、または75〜99.5%であり得る。
【0172】
1つの態様では、本開示は、その必要のある患者において皮膚および組織の損傷の進行を減速させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、当該患者に与えられたレベル−Kの現行の介入を特定する工程、当該患者において複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続して現行の介入を与える工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続してレベル−Kに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nの新たな介入を与え、ここでNはKよりも大きい値を有し、および当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程を含む。ある態様では、その必要のある患者は、介護の変化、移動性の変化、栄養状態の変化、知覚の変化、またはそれらの組み合わせを経験している患者である。1つの態様では、その必要のある患者は、開放外傷が発生した患者である。ある態様では、その必要のある患者は、開放外傷から回復した患者である。1つの態様では、その必要のある患者は、外科手術を受ける患者である。ある態様では、その必要のある患者は、外科手術から回復している患者である。ある態様では、その必要のある患者は、外科手術の間に脊椎麻酔または仙骨麻酔を受ける患者である。1つの態様では、その必要のある患者は、4時間以上、例えば5時間以上、6時間以上、7時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上、または12時間以上の継続時間の外科手術を受ける患者である。ある態様では、外科手術は、1時間以上、例えば2時間以上または3時間以上の継続時間を有する。
【0173】
1つの態様では、複数回のかん流測定は、[0174]に従い行われる。ある態様では、デルタ値は、[0175]に従い決定される。1つの態様では、第一の閾値は、[0177]に従い決定される。
【0174】
ある態様では、Kは、2〜50の範囲であり、例えば2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、2〜15、2〜20、2〜25、2〜30、2〜35、2〜40、または2〜45の範囲である。
【0175】
ある態様では、Kは、デルタ値が閾値を超えた量により決定される。ある態様では、(K+1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Kに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも大きい。1つの態様では、(K−1)に対し確立される、デルタ値が閾値を超える量は、Kに対し確立される、デルタ値が閾値を超える量よりも小さい。
【0176】
ある態様では、レベルKの介入は、[0180]〜[0189]に従い、NをKに置き換えて選択される。
【0177】
ある態様では、本開示はさらに、デルタ値が第二の閾値未満であるかを判定し、当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lの介入を与え、ここでLはKよりも小さい負ではない値を有すること、および当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定が行われることを提供し、およびそれを含むものである。
【0178】
ある態様では、第二の閾値は、[0198]に従い決定される。
【0179】
1つの態様では、本開示は、複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えるかを判定すること、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えた場合にレベル−Lの介入を与えることであって、LはKよりも小さい負ではない値を有すること、および当該複数のSpO測定値のいずれかがレベル−Kに相当する閾値範囲を超えた場合にレベル−Lに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行うこと、を提供し、およびそれを含む。ある態様では、閾値範囲は、約85%未満、約85%〜約95%、および95%以上、からなる群から選択される。
【0180】
ある態様では、Lは、K−1、K−2、K−3、K−4、K−5、K−6、K−7、K−8、K−9、またはK−10であり得る。1つの態様では、デルタ値が第二の閾値の90〜99.5%、例えば第二の閾値の90〜95%、91〜96%、92〜97%、93〜98%、94〜99%、または95〜99.5%であった場合、LはK−1であるが、ただしK−1が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。ある態様では、デルタ値が第二の閾値の80〜89.9%、例えば第二の閾値の80〜85%、81〜86%、82〜87%、83〜88%、84〜89%、または85〜89.9%であった場合、LはK−2であるが、ただしK−2が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。1つの態様では、デルタ値が第二の閾値の70〜79.9%、例えば第二の閾値の70〜75%、71〜76%、72〜77%、73〜78%、74〜79%、または75〜79.9%であった場合、LはK−3であるが、ただしK−3が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。ある態様では、デルタ値が第二の閾値の60〜69.9%、例えば第二の閾値の60〜65%、61〜66%、62〜67%、63〜68%、64〜69%、または65〜69.9%であった場合、LはK−4であるが、ただしK−4が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。1つの態様では、デルタ値が第二の閾値の50〜59.9%、例えば第二の閾値の50〜55%、51〜56%、52〜57%、53〜58%、54〜59%、または55〜59.9%であった場合、LはK−5であるが、ただしK−5が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。ある態様では、デルタ値が第二の閾値の40〜49.9%、例えば第二の閾値の40〜45%、41〜46%、42〜47%、43〜48%、44〜49%、または45〜49.9%であった場合、LはK−6であるが、ただしK−6が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。1つの態様では、デルタ値が第二の閾値の30〜39.9%、例えば第二の閾値の30〜35%、31〜36%、32〜37%、33〜38%、34〜39%、または35〜39.9%であった場合、LはK−7であるが、ただしK−7が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。ある態様では、デルタ値が第二の閾値の20〜29.9%、例えば第二の閾値の20〜25%、21〜26%、22〜27%、23〜28%、24〜29%、または25〜29.9%であった場合、LはK−8であるが、ただしK−8が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。1つの態様では、デルタ値が第二の閾値の10〜19.9%、例えば第二の閾値の10〜15%、11〜16%、12〜17%、13〜18%、14〜19%、または15〜19.9%であった場合、LはK−9であるが、ただしK−9が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。ある態様では、デルタ値が第二の閾値の0.1〜9.9%、例えば第二の閾値の0.1〜5%、1〜6%、2〜7%、3〜8%、4〜9%、または5〜9.9%であった場合、LはK−10であるが、ただしK−10が0未満となる場合は除き、その場合Lは0となる。
【0181】
ある態様では、本開示は、介護施設の患者群を、組織損傷リスクに基づき階層化する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、各患者において複数回のかん流測定を行う工程、各患者に対して当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、各デルタ値がN介護レベルに相当する閾値セットの任意の値を超えるかを判定し、各患者に介護レベルを割り当てる工程、および各患者に割り当てられた介護レベルに基づき患者群を再構成する工程、を含む。
【0182】
ある態様では、本開示は、介護施設の患者群を、外傷発生リスクに基づき階層化する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、各患者において複数回のSpO測定を行う工程、当該複数の各SpO測定値がN介護レベルに相当する閾値セットの任意の値を下回るかを判定し、各患者に介護レベルを割り当てる工程、および各患者に割り当てられた介護レベルに基づき患者群を再構成する工程、を含む。
【0183】
1つの態様において、本開示は、介護施設に入院した患者における組織損傷の発生率を低下させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。ある態様では、本開示は、介護施設に入院した患者の外傷発生率を低下させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者に第一の複数回のSpO測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回るかを判定する工程、当該第一の複数のSpO測定値が第一の閾値以上であった場合にはレベル−0の第一の介入を与える工程、および当該第一の複数のSpO測定値のいずれかが第一の閾値を下回った場合にレベル−Nの介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。ある態様では、介護施設の患者における褥瘡の発生率は、100分の1未満、200分の1未満、300分の1未満、400分の1未満、500分の1未満、600分の1未満、700分の1未満、800分の1未満、900分の1未満、または1000分の1未満にまで低下する。
【0184】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとにバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、複数回のかん流測定は、デルタ値が閾値を超えた場合に、1時間ごとに少なくとも1回、または30分ごとに少なくとも1回行われる。
【0185】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとにバリアクリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に2時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0186】
1つの態様では、本開示は、患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に1時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、複数回のかん流測定は、デルタ値が閾値を超えた場合に、30分ごとに少なくとも1回行われる。
【0187】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとに神経−筋肉刺激を与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に1時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0188】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに局所クリームを適用する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に30分ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0189】
ある態様では、本開示は、患者のかかとに局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとに局所クリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に30分ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0190】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにヒールブーツを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数回のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとにヒールブーツを適用する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に30分ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0191】
ある態様では、本開示は、患者のかかとにヒールブーツを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者のかかとで複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者のかかとにヒールブーツを適用する工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に30分ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0192】
1つの態様では、本開示は、患者の仙骨にバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨にバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に6時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、複数回のかん流測定は、デルタ値が閾値を超えた場合に、4時間ごとに少なくとも1回、3時間ごとに少なくとも1回、2時間ごとに少なくとも1回、1時間ごとに少なくとも1回、または30分ごとに少なくとも1回行われる。
【0193】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨にバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨にバリアクリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に6時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0194】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に4時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、複数回のかん流測定は、デルタ値が閾値を超えた場合に、3時間ごとに少なくとも1回、2時間ごとに少なくとも1回、1時間ごとに少なくとも1回、または30分ごとに少なくとも1回行われる。
【0195】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨に神経−筋肉刺激を与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に4時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0196】
1つの態様では、本開示は、患者の仙骨に局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に局所クリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、複数回のかん流測定は、デルタ値が閾値を超えた場合に、1時間に少なくとも1回、または30分ごとに少なくとも1回行われる。
【0197】
ある態様では、本開示は、患者の仙骨に局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の仙骨で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回るかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に患者の仙骨に局所クリームを与える工程、および当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に2時間ごとに複数回のSpO測定を行う工程、を含む。
【0198】
1つの態様では、本開示は、治療的超音波を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に治療的超音波を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0199】
ある態様では、本開示は、治療的超音波を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に治療的超音波を与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0200】
1つの態様では、本開示は、衝撃波治療を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に衝撃波治療を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。1つの態様では、衝撃波治療は、電磁パルスまたは加圧空気を介して提供される。
【0201】
ある態様では、本開示は、衝撃波治療を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に衝撃波治療を与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。1つの態様では、衝撃波治療は、電磁パルスまたは加圧空気を介して提供される。
【0202】
1つの態様では、本開示は、30度ウェッジ(30−degree wedge)を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位に30度ウェッジを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0203】
ある態様では、本開示は、30度ウェッジを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位に30度ウェッジを与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0204】
1つの態様では、本開示は、コンポジットドレッシング(composite dressing)を適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に当該解剖学的部位にコンポジットドレッシングを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0205】
ある態様では、本開示は、コンポジットドレッシングを適用する必要のある患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合に当該解剖学的部位にコンポジットドレッシングを与える工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0206】
1つの態様では、本開示は、ハイブリッドマットレス(hybrid mattress)を必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合にハイブリッドマットレスを提供して患者を支持する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0207】
ある態様では、本開示は、ハイブリッドマットレスを必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合にハイブリッドマットレスを提供して患者を支持する工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0208】
1つの態様では、本開示は、ダイナミックマットレス(dynamic mattress)を必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合にダイナミックマットレスを提供して患者を支持する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0209】
ある態様では、本開示は、ダイナミックマットレスを必要とする患者を特定および治療する方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、患者の解剖学的部位で複数回のSpO測定を行う工程、当該複数のSpO測定値のいずれかがレベルNに相当する閾値を下回ったかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該複数のSpO測定値のいずれかが当該閾値を下回った場合にダイナミックマットレスを提供して患者を支持する工程、を含む。ある態様では、解剖学的部位は、胸骨、仙骨、かかと、肩甲骨、肘、耳、および患者の骨ばった隆起部分上の他の多肉質の組織からなる群から選択される。
【0210】
ある態様では、本開示は、その必要のある寝たきりの患者を特定および移動させる方法を提供し、およびそれを含むものであり、当該方法は、加速度計とジャイロセンサーを備えた移動性センサーを提供する工程、患者の移動の頻度および範囲をモニタリングする工程、特定の期間、移動性センサーが4分の1回転を超える動きを感知しないときに警告を提供する工程、および当該警告時に当該患者を移動させる工程、を含む。
【0211】
ある態様では、本開示はさらに、視覚的評価とかん流測定の組み合わせにより損傷を受けたと特定された患者の解剖学的位置に対し、標的化治療を提供することを提供し、およびそれを含むものである。1つの態様では、標的化治療は、足指、かかと、仙骨、脊椎、肘、肩甲骨、後頭部および座骨結節からなる群から選択される外傷発生の普遍的部位に提供される。ある態様では、標的化治療は、足指、かかと、仙骨、脊椎、肘、肩甲骨、後頭部および座骨結節からなる群から選択される外傷発生の第二の普遍的部位に同時に提供される。1つの態様では、標的化治療を受ける第一の部位は、第二の部位での外傷発生の原因となることが知られている。
【0212】
損傷を受けた組織を特定するための左右相称性のかん流測定の組み合わせ
図22Aは、患者1910の背部の仙骨部位を示す。対称線1912は、背部の中央に引くことができ、背部は左右の鏡像へと分けられる。位置1914は、対称線1912からおよそ等距離、およびおよそ同じ高さにあり、ゆえに患者1910の背部に対して左右相称性の位置にあるとみなされる。
【0213】
図22Bは、患者10がベッド上に仰向けになり、観察者がベッドの足元に立った場合に見られる(示さず)、患者10の左足20Lと右足20Rを示している。足20Lと足20Rの足底22Lと22Rに関し、位置24Lと24Rは、例えば、後部表面、すなわちかかとから等距離、およびそれぞれの足20Lと足20Rの内側から等距離などのおよそ等しい位置に配置され、左右相称性の位置にあるとみなされる。
【0214】
図22Cは、足20Lと足20Rの外側上に位置する左右相称性の位置26Lと26Rの例、および足20Lと足20Rのそれぞれの足底22Lと22R上に位置する左右相称性の位置28Lと28Rの追加例を示している。ある態様では、位置26Rと30Rは、足20Lに関係なく単独で検討されるとき、足20Rに関して左右相称性とみなされる。
【0215】
特定の学説に限定されないが、左右相称性の位置で得たかん流測定値の比較は、患者集団の特定の患者の読み取り結果のオフセットを補完し得る。例えば患者は、測定が為された特定の日に脱水状態である場合がある。脱水状態にある中で同じ患者の健康な組織のかん流値との比較は、患者に完全に水分補給が為されたときの同じ位置、同じ組織のかん流値からシフトする場合がある。1つの位置の組織が健康で、その左右相称性の位置の組織が損傷を受けていた場合、当該左右相称性の位置で得られた読み取り結果の比較は、両位置での脱水変動に関する「共通モード」効果を除外し、組織が1つの位置で損傷を受けていることについて、より安定的な示唆を提供する。
【0216】
図4に提示されるかん流測定装置400を使用して、例えば第一の位置の第一の測定と、当該第一の位置に対して左右相称性の第二の位置での第二の測定など、複数の位置での測定が行われてもよい。ある態様では、装置400は、複数の位置で得られた測定値、および当該測定値と関連した、または当該測定値から導かれたパラメーターの特徴、例えば複数の測定値からそれぞれ導かれたかん流値の平均、または共通平均からの各々の差異のうちの1つ以上などを判定する、非一時的コンピューター可読記憶媒体上に保存された命令により構成され得るプロセッサーを備える。1つの態様では、装置400は、例えば2つの左右相称性の位置で得られた測定値から導かれたかん流値の間のデルタなど、測定値と関連した1つ以上のパラメーターを示すように構成されたディスプレイを備える。
【0217】
ある態様では、装置400は、2つのレシーバー430Aと430Bを用いて本質的に同時に測定を行う。1つの態様では、装置400は、ゼロ〜1秒以上の範囲の測定間の時間間隔で順に測定を行う。ある態様では、装置400による測定は、ボタンまたはアクチュエーターの動作により誘発される。1つの態様では、装置400による測定は、装置400の一部、例えば接触センサー、圧力センサー、光学センサー、または他のタイプの近接検出デバイスなどのスイッチング要素からの入力に基づき自動的に誘発され、それら要素はある態様ではレシーバー430Aおよび430Bのうちの1つ以上に近接して配置される。1つの態様では、複数のスイッチング要素が同時に作動され、測定を行う入力を提供しなければならない。ある態様では、装置400は、回路に連結され、測定された反射光に関する情報を当該回路から受信するプロセッサーを備える。1つの態様では、情報は、例えば電圧などのアナログ信号の形態、またはデジタル信号の形態である。ある態様では、プロセッサーは、複数のレシーバーに直接連結され、反射光を直接測定するように構成される。1つの態様では、プロセッサーは、複数の受信された反射光測定値を複数のかん流値へと転換するように構成される。ある態様では、プロセッサーは、電子的に当該プロセッサーに連結された、非一時的なコンピューター可読記憶媒体上に保存された機械可読命令により構成される。1つの態様では、命令は、装置400の電源が入ったときに媒体からプロセッサーへとロードされる。
【0218】
ある態様では、測定された反射光のパラメーターは、レシーバー430Aと430Bの空間配置により決定される深度、エミッター420により放出された光の波長、および装置400の他の操作特性での、患者表皮中の血液かん流に関連している。1つの態様では、レシーバー430により検出された反射光の大きさは、所定のスケールでの値を有するかん流と同等である。ある態様では、所定のスケールは、0〜20の範囲、例えば0〜1、0〜2、0〜3、0〜4、0〜5、0〜6、0〜7、0〜8、0〜9、0〜10、0〜11、0〜12、0〜13、0〜14、0〜15、0〜16、0〜17、0〜18、0〜19の範囲であってもよい。1つの態様では、所定のスケールは、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。ある態様では、読み取りを行う間に操作特性のうちの1つ以上を変化させ、皮膚の様々な深度でかん流に関連した情報を提供しながら、複数回の測定が行われる。
【0219】
1つの態様では、かん流値の間の差異が決定され、ここで所定の閾値を超える差異は、対応するかん流測定が行われた位置のうちの1つでの組織損傷を示す。ある態様では、左右相称性の位置の各々で取得されたかん流値の平均が決定され、比較される。1つの態様では、左右相称性の位置の各々で取得されたかん流値の中央値またはモードが決定され、比較される。ある態様では、損傷は、より大きなかん流値と関連した位置にあることが示される。1つの態様では、損傷は、より小さなかん流値と関連した位置にあることが示される。ある態様では、組織損傷が存在するかの判定は、個々のかん流値と、1つ以上の所定の範囲または閾値との比較、および差異と、1つ以上の所定の範囲または閾値の比較のうちの1つ以上を含む。ある態様では、所定の範囲は、0.1〜8.0であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5であってもよい。ある態様では、所定の範囲は、0.1〜4.0であってもよく、例えば0.5〜4.0、0.1〜3.5、1.0〜3.5、1.5〜4.0、1.5〜3.5、2.0〜4.0、2.5〜3.5、2.0〜3.0、2.0〜2.5、または2.5〜3.0であってもよい。1つの態様では、所定の範囲は、4.1〜8.0であってもよく、例えば4.5〜8.0、4.1〜7.5、5.0〜7.5、5.5〜7.0、5.5〜7.5、6.0〜8.0、6.5〜7.5、6.0〜7.0、6.0〜6.5、または6.5〜7.0であってもよい。1つの態様では、所定の閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。1つの態様では、所定の閾値は、0.1〜8.0の範囲であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5の範囲であってもよい。ある態様では、所定の範囲または閾値は、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。所定の値は設計により限定されず、むしろ当業者であれば、所与のかん流単位に基づき、規定値の選択を行い得ることを理解されたい。1つの態様では、本開示の範囲および閾値は、特定の左右相称性の位置に従い変化し、測定が行われる患者身体の特定の部分に従い変化し、または例えば年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体上の特徴または医学的状態などの患者の1つ以上の特性に従い変化する。
【0220】
1つ以上の領域が、身体上に規定されてもよい。ある態様では、部位内で行われた測定は、互いに同等であるとみなされる。部位は、身体の皮膚上の領域と規定されてもよく、測定は当該部位内の任意の点で行われ得る。ある態様では、部位は、解剖学的部位(例えば、かかと、足関節、腰背部)に相当する。ある態様では、部位は、解剖学的特性に関して2つ以上の特異点の組み合わせとして規定されてもよく、測定は当該特異点でのみ行われる。ある態様では、部位は、身体上の複数の非隣接領域を含み得る。ある態様では、特定の位置の組み合わせは、複数の非隣接領域中の点を含み得る。
【0221】
ある態様では、部位は、表面領域により規定される。ある態様では、部位は、例えば5〜200cm、5〜100cm、5〜50cm、または10〜50cm、10〜25cm、または5〜25cmであり得る。
【0222】
ある態様では、測定は、特定のパターンまたはそれらの一部で行われ得る。ある態様では、読み取りのパターンは、対象の標的領域を含むパターンにおいて中心で行われる。ある態様では、測定は、大きさが増加もしくは減少する1つ以上の円状パターン、T型パターン、特定の位置の組み合わせ、または組織もしくは部位を無作為に横切って行われる。ある態様では、パターンは、解剖学的特性に関して、第一の測定位置のパターンを規定することにより、身体上に位置づけられ、残りの測定位置のパターンは、第一の測定位置からのオフセットとして規定される。
【0223】
ある態様では、複数回の測定は、組織または部位を横切り行われ、当該複数回の測定の最低測定値と最高測定値の間の差異は、当該複数回の測定のデルタ値として記録される。ある態様では、3回以上、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上、9回以上、または10回以上の測定が組織または部位を横切り行われる。
【0224】
ある態様では、閾値は、少なくとも1つの部位に対して確立され得る。ある態様では、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または他の値の閾値が、少なくとも1つの部位に対して確立され得る。ある態様では、デルタ値は、部位内の複数の測定値のデルタ値が、当該部位に関連した閾値に合致、または閾値を超えたときに重要と特定される。ある態様では、複数の部位の各々が、異なる閾値を有する。ある態様では、2以上の部位が、共通の閾値を有し得る。
【0225】
ある態様では、閾値は、デルタ値構成要素と、時間的な構成要素の両方を有し、ここでデルタ値は、当該デルタ値が、時間間隔の所定部分に対して所定の数値よりも大きいときに重要と特定される。ある態様では、時間間隔の規定部分は、最低でX日と規定され、ここで当該日に得られた複数の測定値は、合計でY日の連続的な測定日内で、規定の数値以上のデルタ値をもたらす。ある態様では、時間間隔の規定部分は、1、2、3、4または5日の連続する日と規定される場合もあり、ここで当該日に得られた複数の測定値は、規定の数値以上のデルタ値をもたらす。ある態様では、時間間隔の規定部分は、異なる特定の期間(週、月、時間など)のいくつかの部分として規定される場合もある。
【0226】
ある態様では、閾値は、傾向の態様を有しており、ここで連続する複数の測定値のデルタ値における変化が互いに比較される。ある態様では、傾向閾値は、規定の長さの期間にわたる、デルタ値における規定の変化として規定され、ここで閾値を満たす、または閾値を超過している判定は、重要である。ある態様では、重要との判定は、警告の発出をもたらす。ある態様では、傾向線は、連続する複数の測定値の個々の測定値の一部から算出されてもよい。ある態様では、傾向線は、連続する複数の測定値のデルタ値の一部から算出されてもよい。
【0227】
ある態様では、1つの部位内で得られた測定値の数は、パターンで規定される測定位置の数よりも少なくてもよい。ある態様では、デルタ値は、パターンで規定される測定位置の数よりも少ない規定の初期数の読み取りが部位で行われた後、および同部位で追加の各読み取りが行われた後に算出され、ここで追加の読み取りは、デルタ値が当該部位と関連した閾値を満たす、または超えた場合には行われない。
【0228】
ある態様では、1つの部位内で得られた測定値の数は、パターンで規定される測定位置の数を超える場合がある。ある態様では、デルタ値は、追加の各読み取りの後に算出される。
【0229】
ある態様では、品質測定基準は、各複数の測定に対して生成されてもよい。ある態様では、当該品質測定基準は、測定値の再現性を評価するように選択される。ある態様では、当該品質測定基準は、測定を行った臨床医の技術を評価するように選択される。ある態様では、当該品質測定基準は、1つ以上の統計的パラメーター、例えば平均(average、mean)または標準偏差などを含んでもよい。ある態様では、当該品質測定基準は、規定範囲に対する個々の測定値の比較のうち1つ以上を含んでもよい。ある態様では、当該品質測定基準は、値のパターンに対する個々の測定値の比較、例えば各規定位置に関連する範囲に対する規定位置での測定値の比較などを含んでもよい。ある態様では、当該品質測定基準は、測定が健常組織上で行われた判定、およびこの「健常」測定サブセット内での一貫性に関する1回以上の評価、例えば範囲、標準偏差、または他のパラメーターを含んでもよい。
【0230】
ある態様では、装置400は、複数の測定値およびコンピューター計算結果を保存する能力を有する。1つの態様では、本開示に従う装置はさらに、他の構成要素、例えばバーコードスキャナーなどを備えてもよく、および当該構成要素の出力を保存する能力を有してもよい。ある態様では、装置400は、図13に示されるように、保存されたデータを、例えばBluetoothまたはイーサネット接続を介して、例えばパーソナルコンピューター、サーバー、タブレット、またはスマートフォンなどの別のデバイスへと転送させる構成要素を備える。
【0231】
ある態様では、装置400は、2つのレシーバー430Aおよび430Bを備え、それらは当該装置本体上の別の位置に配置される。例示的な使用方法は、装置400を患者身体に対して置き、第一の身体位置に第一のレシーバー430A、および第二の身体位置に第二のレシーバー430Bを同時に配置するものであり、ここで身体位置の両方ともが、患者皮膚の表面上にある。ある態様では、装置本体は剛性であり、レシーバー430Aと430Bを互いに固定された分離距離および固定された方向に維持する。ある態様では、レシーバー430Aと430Bは、共通平面上に並置される。
【0232】
ある態様では、装置400の装置本体は柔軟であり、そのためレシーバー430Aと430Bは互いに斜めに方向付けられ得る。ある態様では、レシーバー430のうちの1つ以上が可動性であり、そのため可動性レシーバーと他のレシーバーの間の角度は、例えば皮膚の方向性に適合するように変化し得る。ある態様では、両方のレシーバーが可動性である。ある態様では、すべてのレシーバーが可動性である。ある態様では、装置400はヒンジを備えており、そのためレシーバー430Aと430Bの間の分離距離は変化し得る。ある態様では、装置400の装置本体は剛性であり、そのためレシーバー間の角度および分離距離は変化しない。
【0233】
ある態様では、装置400は複数のエミッター420と、複数レシーバー430を備え、平面アレイを形成する。ある態様では、平面アレイはマット状の形態をとってもよく、その上にエミッター420とレシーバー430が配置される。1つの態様では、エミッター420とレシーバー430はマット内に包埋される。ある態様では、エミッター420とレシーバー430は、マットの上面に位置づけられる。ある態様では、エミッター420とレシーバー430は、それらの上にカバー層を有する。ある態様では、エミッター420はシングルタイプおよびアレイ内配置のエミッターである。ある態様では、レシーバー430はシングルタイプおよびアレイ内配置のレシーバーである。ある態様では、エミッター420はアレイ内で大きさとタイプが変化する。ある態様では、レシーバー430はアレイ内で大きさとタイプが変化する。ある態様では、アレイのエミッター420とレシーバー430は、例えば格子状パターンなどの一定の幾何学パターンで配置される。ある態様では、アレイのエミッター420とレシーバー430は、不規則なパターンで配置される。ある態様では、マットは、直接またはケーブルを介して電子アセンブリに連結される。1つの態様では、電子アセンブリは、レシーバー430に連結された回路を備え、プロセッサーは当該回路に連結される。ある態様では、マットは、マット全体の1つ以上の各位置に配置された圧力センサー、温度センサー、光学センサー、および接触センサーのうちの1つ以上を備える。1つの態様では、レシーバー430を使用した1回以上の測定は、圧力センサー、温度センサー、光学センサー、および接触センサーのうちの1つ以上からの入力により誘発される。ある態様では、マットはフロアマットとして構成され、例えば圧力センサーによるヒトの体重の検出による、当該マット上に立つヒトの検出など、圧力センサー、温度センサー、光学センサーおよび接触センサーのうちの1つ以上の作動は、レシーバー430のうちの1つ以上による測定を開始させる。1つの態様では、レシーバー430は、ヒトがマットの上に足を置いたときを検出することができる「検出モード」で操作され、およびヒトがマット上に立っているという判定で「測定モード」へと移行する。ある態様では、マットは、患者皮膚の表面に対して配置され得る、例えば患者の背中に対して配置され得る、または患者がベッドに横になりながら片足または両足の足底に対して配置され得るポータブルの装置として構成される。1つの態様では、マットは、支持トレイ、補強要素、およびコンフォーマルパッドのうちの1つ以上を備え、患者皮膚表面に対するレシーバー430の配置を補助している。
【0234】
ある態様では、2つのエミッターは、0〜50%、例えば0〜10%、5〜15%、10〜20%、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35%〜45%、40〜50%、0〜25%、15〜35%、または25〜50%が重複してもよい。1つの態様では、2つのエミッターは、25〜75%、例えば25〜35%、30〜40%、35%〜45%、40〜50%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、25〜50%、40〜55%、または50〜75%が重複してもよい。1つの態様では、2つのエミッターは、50〜100%、例えば50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、70〜80%、75%〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜100%、50〜75%、65〜85%、または75〜100%が重複してもよい。
【0235】
ある態様では、2つのレシーバーは、0〜50%、例えば0〜10%、5〜15%、10〜20%、15〜25%、20〜30%、25〜35%、30〜40%、35%〜45%、40〜50%、0〜25%、15〜35%、または25〜50%が重複してもよい。1つの態様では、2つのレシーバーは、25〜75%、例えば25〜35%、30〜40%、35%〜45%、40〜50%、45〜55%、50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、25〜50%、40〜55%、または50〜75%が重複してもよい。1つの態様では、2つのレシーバーは、50〜100%、例えば50〜60%、55〜65%、60〜70%、65〜75%、70〜80%、75%〜85%、80〜90%、85〜95%、90〜100%、50〜75%、65〜85%、または75〜100%が重複してもよい。
【0236】
1つの態様では、平面アレイはさらに、各レシーバーと同平面の表面上に、および各レシーバーの周囲に複数の接触センサーを備え、確実にエミッターおよびレシーバーの各々を皮膚表面に接触させてもよい。複数の接触センサーは、複数の圧力センサー、複数の光センサー、複数の温度センサー、複数のpHセンサー、複数の発汗センサー、複数の超音波センサー、複数の骨成長刺激センサー、またはこれらセンサーの複数の組み合わせであってもよい。ある態様では、複数の接触センサーは、各エミッターまたはレシーバーの周囲に4、5、6、7、8、9、または10以上の接触センサーを備えてもよい。
【0237】
図23Aと23Bは、本開示に従う、相対的位置が判明しているレシーバーに関連したかん流値の比較が、どのように左右相称性の位置を特定し得るかの例を示している。この例において、レシーバー430は非重複の位置に存在し、右足20Rの接触領域2050R全体で、図23Aにおいて「A」〜「H」でマークされている。各位置で測定されたかん流値は、図23Bのグラフに示されている。この例において、位置「A」および「H」のかん流値は低いか、またはゼロであり、それら位置では接触領域2050Rとレシーバー430が重複していないことを反映している。位置「B」と「G」と関連したかん流値は高く、レシーバー430はそれら位置で接触領域2050Rの一部に重複している。位置C−D−E−Fに対するかん流値はより高く、この例においてはほぼ同じである。このことから、レシーバー430は完全に、それら位置で接触領域2050R内にあることが示唆される。1つの態様では、例えば装置400などのかん流測定装置は、例えば位置「C」および「F」などの特定の位置が、右足20Rの中心線2052Rに対して左右相称性であることを判定してもよい。ある態様では、左足20L上の位置A’−H’で類似した測定セットが行われた場合、20Lと20Rの各足の位置、例えば位置Eと位置E’は、およそ左右相称性であると判定されてもよい。
【0238】
図24は、本開示に従う、かん流値の測定、評価、保存および転送に関する統合システム2100の概略図である。この例において、システム2100は、図4に関連して検討されるようにかん流測定装置400を備えており、当該装置は、WiFiアクセスポイント2110との無線通信能力を備えている。装置400はサーバー2140上で動作するかん流アプリケーション、ラップトップコンピューター2120、スマートフォン2130、または他のデジタルデバイスで動作するアプリケーションのうちの1つ以上と通信する。1つの態様では、ラップトップコンピューター2120と、スマートフォン2130は、例えば看護師などの装置400のユーザーにより運ばれ、アプリケーションはユーザーにフィードバックと情報を提供する。ある態様では、患者に関し装置400から受信した情報は、データベース2150に保存される。1つの態様では、装置400から受信した情報は、ネットワーク2145上で別のサーバー2160へと転送され、当該サーバーは患者の電子カルテ(EMR)2170中に情報の一部を保存する。1つの態様では、装置400からの情報、またはデータベース2150もしくはEMR2170から読み出された情報は、外部サーバー2180へと転送され、その後、例えば患者に治療を施す医者のオフィスのコンピューターなどのコンピューター2185へと転送される。
【0239】
組織損傷を検出するためのかん流測定値傾向解析
図25は、本開示に従う、褥瘡が発生するリスクがある患者の経時的なかん流値を示す。ある態様では、かん流値は、1回のかん流測定値である。ある態様では、かん流値は、24時間以内、例えば18時間以内、12時間以内、8時間以内、6時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、45分以内、30分以内、15分以内、10分以内、5分以内、1分以内、または30秒以内に患者皮膚上のおよそ同じ位置で得られたかん流測定値から生成された平均かん流測定値である。
【0240】
曲線2210は、0日目に褥瘡を発生させるまでの数日間にわたる、褥瘡を発生させるリスクが高い患者セットの平均かん流値を表す。重ね合わされた直線は、線形近似である。曲線2220は、0日目までの数日間にわたる、褥瘡を発生させるリスクが低い患者セットの平均かん流値を表し、この場合、0日目に褥瘡は発生していない。両方の場合において、将来的な皮膚褥瘡に関する損傷の兆候または指標はなかった。かん流値は、目視検査および触覚検査では分からない表面下の損傷の指標である。重ね合わされた直線は、線形近似である。
【0241】
図26は、本開示に従う、褥瘡が発生した患者に対する経時的なかん流デルタ値を示す。曲線2302および2304は、目視検査によって臨床診断が為される時点に近づくにつれて、曲線の増加速度が加速、すなわち傾斜することを示す。曲線2310は他の曲線の平均であり、上向きの曲線、すなわち増加速度の加速を示している。
【0242】
図27は、本開示に従う、測定され、算出されたかん流値の例示的なグラフである。曲線2410は、褥瘡を発症する傾向がある皮膚領域のかん流値セットである。曲線2420は、第一の領域に近いが、褥瘡リスクがない第二の皮膚領域のかん流値の適合セットである。曲線2420は、基準として使用される。曲線2430は、曲線2420の基準値を、曲線2410の適合かん流値から差し引くことにより算出された「デルタ」かん流値である。
【0243】
組織損傷はいくつかの方法で検出され得る。1つの態様では、かん流曲線2410の傾き、例えば点2414と点2416の間の傾きは、線2412により示される閾値の傾きに対して比較される。曲線2410が線2412の傾きを超える場合、ある程度の損傷を示す。複数の組織損傷の程度を評価するために使用される複数の傾きがあってもよい。1つの態様では、傾きは、かん流曲線2410上の任意の2つの点に対して決定され、損傷の程度を示す線2412の傾きと比較される。ある態様では、傾きは、かん流曲線2410の微分係数をとることにより決定される。ある態様では、線2412の傾きは、対象の既往歴により決定される。1つの態様では、かん流曲線の曲率は、閾値曲率と比較され、ここで曲率が上回れば、ある程度の損傷が示唆される。
【0244】
ある態様では、組織損傷は、以下により患者皮膚上で目に見える前に検出され得る:積み上げ時間での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、最後のSpO値と、その直前のSpO値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること。
【0245】
ある態様では、組織損傷は、以下により患者皮膚上で目に見える前に検出され得る:積み上げ時間での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、最後のSpO値と、その直前のSpO値の間の微分係数を算出すること、閾値と当該微分係数を比較すること、および当該微分係数が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること。
【0246】
ある態様では、デルタ曲線2430の値は、閾値レベル2438と比較される。曲線2430が、例えば点2436で閾値2438を超える場合、ある程度の損傷を示す。複数の組織損傷のレベルを評価するために使用される複数の閾値があってもよい。
【0247】
ある態様では、組織損傷は、以下により患者皮膚上で目に見える前に検出され得る:複数の積み上げ時間の各々での1つの位置で複数のSpO値を測定すること、各積み上げ時間に対し平均値を算出すること、所定の数の最も新しいSpO平均値に対し曲線を適合させること、当該適合曲線の曲率を算出すること、閾値と当該曲率を比較すること、および当該曲率が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること。
【0248】
ある態様では、閾値は、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5であってもよい。1つの態様では、閾値は、0.1〜8.0の範囲であってもよく、例えば0.1〜1.0、1.1〜2.0、2.1〜3.0、3.1〜4.0、4.1〜5.0、5.1〜6.0、6.1〜7.0、7.1〜8.0、0.1〜7.5、0.5〜8.0、1.0〜7.0、1.5〜6.5、2.0〜6.0、3.0〜5.5、3.5〜5.0、または4.0〜4.5の範囲であってもよい。ある態様では、閾値は、本明細書において提供される値に基づき、係数または倍数により拡大縮小され得る。閾値は設計により限定されず、むしろ当業者であれば、所与のかん流単位に基づき、規定値の選択を行い得ることを理解されたい。1つの態様では、本開示の閾値は、測定が行われる患者身体の特定の部分に従い変化し、または例えば年齢、身長、体重、家族歴、民族、および他の身体上の特徴または医学的状態などの患者の1つ以上の特性に従い変化する。
【0249】
1つの態様では、デルタ曲線2430の傾き、例えば点2434と点2436の間の傾きは、線2432により示される閾値傾きに対して比較される。曲線2430が線2432の傾きを超える場合、ある程度の損傷を示す。複数の組織損傷の程度を評価するために使用される複数の傾きがあってもよい。1つの態様では、傾きは、デルタ曲線2430上の任意の2つの点に対して決定され、損傷の程度を示す線2432の傾きと比較される。ある態様では、線2432の傾きは、対象の既往歴により決定される。1つの態様では、デルタ曲線の曲率は、閾値曲率と比較され、ここで曲率が上回れば、ある程度の損傷が示唆される。
【0250】
ある態様では、規定の閾値を超えるかん流デルタ値は、褥瘡に繋がり得る表皮下損傷の指標である。かん流デルタ値が最初にこの閾値と等しくなる、または超えるときと、褥瘡の目に見える症状が発現するときの間の時間間隔は、かん流デルタ値が直線的に増加する第一の期間であり得る。第一の期間は、5日以上、例えば6日以上、7日以上、8日以上、9日以上、または10日以上であり得る。
【0251】
別の態様では、かん流デルタ値が上向き曲率、または直線的進行を超える他の偏差を示すとき、より短時間以内、例えば2〜3日以内、1〜4日以内、1〜3日以内、1〜2日以内、または2〜4日以内に目に見える症状が発現し得る。ある態様では、かん流測定装置400は、レシーバー430と電子装置を含み、反射光を測定して、当該反射光測定値をかん流値に転換させて、複数のこれらかん流値を保存して、その後、当該複数のかん流値からかん流デルタ値を算出して呈示し、当該測定値とデルタ値の一部をリモートコンピューターに送信する。このかん流測定装置400を使用して、例えばかかとなどの患者皮膚上の特定の位置のかん流デルタ値が生成される。これらかん流デルタ値は追跡され、かん流デルタ値の傾向、すなわちこれらかん流デルタ値を繋いだ曲線の傾きと曲率が解析される。ある態様では、積み上げかん流デルタ値が前かん流デルタ値に基づく線形予測を超える量は、規定の閾値と比較される。ある態様では、積み上げかん流デルタ値が最新の前かん流デルタ値を超える量は、規定の閾値と比較される。ある態様では、規定数の最新かん流デルタ値に適合された最適合曲線の曲率は、規定の閾値と比較される。ある態様では、規定の閾値を超える連続的なかん流デルタ値の数は、読み取り数(number−of−reading)閾値と比較される。これら態様の各々において、かん流スキャナーは、比較パラメーターが各閾値を超えたときに通知を提供する。
【0252】
ある態様では、傾向解析は、前かん流デルタ値とその後のかん流デルタ値の両方が閾値を超えた場合、閾値を下回る単独のかん流デルタ値を無視する場合がある。
【0253】
ある態様では、かん流デルタ値の傾向曲線は、二点間の線形接続である。ある態様では、傾向曲線は、かん流デルタ値に適合された最適合曲線である。ある態様では、適合曲線は、最新かん流デルタ値の交差に必要とされる。
【0254】
本発明について概略したが、本発明は以下の実施例を参照することでさらに容易に理解される。以下の実施例は解説を目的として提供され、明確に記載されない限り、本開示の限定であることは意図されない。
【実施例】
【0255】
実施例1:かかとの褥瘡治療に対する介入レベル
かかとに褥瘡のリスクがあると特定された対象は、以下のスキームに従い治療される:
【表1】
【0256】
実施例2:仙骨の褥瘡治療に対する介入レベル
仙骨に褥瘡のリスクがあると特定された対象は、以下のスキームに従い治療される:
【表2】
【0257】
実施例3:介入およびモニタリングのレベル選択プロセスの例
図15は、かん流測定から導かれたデルタ値が閾値を超えた量に基づく介入とモニタリングのレベル選択に関するプロセス1500の図である。ここで介護士は、工程1502で患者皮膚上の位置で複数回のかん流測定を行い、ここで各測定値によりかん流値が生成される。これらかん流値の一部を使用して、デルタ値”Δ”は工程1504において算出される。デルタ値は、複数回のかん流測定値から生成された最小かん流値を最大かん流値から差し引くことにより算出される。
【0258】
算出されたかん流値は、工程1506で閾値「T」と比較される。デルタ値が閾値以下である場合、工程1508が実行され、介護の現行レベルと関連したモニタリング間隔が発生し、その後に工程1502でかん流測定が反復されるまで介護士は待機する。デルタ値が閾値より大きい場合、当該デルタ値が閾値を超えた量を、閾値のカスケードシリーズと比較する。
【0259】
一部の例では、デルタ値は正であり、比較は閾値をデルタ値から差し引くことにより実行される。正の差異が生じ、次いで工程1510で当該差異が第一の差異D1を超えたかに関して判定が為される。当該差異がD1未満であった場合、プロセスは工程1512に枝分かれし、次いで工程1514へと枝分かれして、それぞれレベル−N+1と関連した介入と測定間隔が実行される。本実施例において、Nは、ゼロ以上の値を有する。
【0260】
一部の例では、デルタ値は負である。この例では、差異D1、D2〜Dnは負の値を有するように選択され、それらは正のデルタ値に対して使用された対応する差異のD1、D2〜Dnとは異なる絶対値を有し得る。あるいは工程1510、1520、および1530における比較は、図15に示される「≧」の代わりに「≦」へと変更される。
【0261】
実施例4:ワークフローガイダンスマトリクス
図16は、現行の介入レベル1602と新たなデルタ値1604を使用して、新たな介入レベル1606を選択するワークフローガイダンスマトリクス1600の例である。ここで介護士は、患者皮膚上の1か所以上の位置で定期的に複数回のかん流測定を行うことにより、患者の状態をモニタリングする。これら測定のときに、患者は介入およびモニタリングのレベルと関連した介護を受ける。本実施例において、レベル−0(ゼロ)は、組織損傷発生の重大なリスクがあるとみなされなかった患者と関連付けられる。より高次レベルの介入とモニタリングは、例えばコスト、実行の困難性、または介護施設により特定される他のパラメーターなどのランク付けされた介入段階を用いて特定される。介護士が新たなかん流測定セットを行う場合、現行の介入レベル1602の列、最新のかん流測定値セット1604から決定されたデルタ値を特定することにより本マトリクスを参照し、列1602と行1604の交差でのセル1606における介入レベルを特定する。介護士は、特定された介入レベル、ならびに現行の介入レベルおよびデルタ値を次の期間の介入レベルの選択において検討することができる。
【0262】
一部の例では、セル1606における新たな介入レベルの値は、二列の間で類似している。一部の例では、隣接するセル1606における新たな介入レベルの値は、1レベルまたは2以上のレベルで異なっている。一部の例では、隣接するセル1606における新たな介入レベルの値は、隣接するセルと同じである。
【0263】
実施例5:外傷発生へと繋がる組織状態の進行
図17は、一人の患者に対する、外傷が発生した1つの位置でのデルタ値のグラフ1700を示す。かん流値は、患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する装置により測定される。デルタ値は、積み上げ時間で得られたかん流測定値セットから生成される。点1772は、時間=ゼロでの測定値であり、すべてのかん流値が健康な組織と関連付けられた基準値を有し、デルタ値はゼロである。時間t1で、別のかん流測定セットが行われ、関連デルタ値は点1774に示されている。このデルタ値は閾値1762よりも低く、そのため、重大な表皮下損傷の指標はない。
【0264】
時間t2では損傷は進行し、デルタ値1776は閾値1762よりも大きく、重大な損傷の存在が示唆される。この損傷はまだ皮膚上には見えていない。それにもかかわらず、デルタ値は閾値1762よりも大きく、かん流測定装置の感知深度未満の深度での細胞損傷の存在が示唆される。
【0265】
時間t3で損傷は継続しているが、細胞間隙の液体量は機械的排出により減少している。これにより損傷を受けた領域で得られたかん流値は低下している。健康組織のかん流値は過去の測定時とほぼ同じままであるため、算出されたデルタ値1778は低下した。
【0266】
時間t4で損傷は皮膚表面上で目に見える点まで進行する。一部の例では、時間t4は、t2およびt3のうちの1つまたは両方の前に発生する場合もある。一部の例では、時間t4は、時間t3の後、t5の前に、曲線1770に沿ってデルタ値が再びゼロに達した後に発生する場合もある。矢印1765は、時間t4の後、損傷がまだ目に見えることを示している。
【0267】
時間t5で、局所組織から充分な量の液体が排泄された点まで損傷が進行し、損傷を受けた領域で行われた測定のかん流値は、健康組織のかん流値よりも小さい。これにより、負のデルタ値1780が生じる。一部の例では、負のデルタは、組織が重大な損傷を受けたことを示す。一部の例では、負のデルタは、最低かん流値の位置の組織の一部が壊死していることを示す。
【0268】
実施例6:ダメージIの可能性のある領域のマッピング方法
図18Aは、損傷の可能性のある領域のマッピング方法の例である。損傷領域1800は、健常組織1808に囲まれている。中心領域1830は、重大な損傷を受けている。第一の周辺領域1820は損傷が少なく、第二の周辺領域1810は損傷が少ないが、健常組織ではない。これら領域すべての皮膚は同じ外観および触感であり、表皮下損傷の兆候はない。一連の破線の円、1840、1842、1844、1846、1848、および1850は、かん流測定が行われた位置セットの例を示す。位置1840、1842、および1850で行われたかん流測定は概して、健常組織と関連付けられたかん流値を生じさせ、「H」として本実施例において識別される。位置1844および1848で行われたかん流測定は概して、かん流値「J」を生じさせ、JはHよりも若干高い。位置1846で行われたかん流測定は概してかん流値「P」を生じさせ、PはJよりも高い。これら測定のすべてが、たとえ個々の位置が空間的にこの位置全体で分散していたとしても、例えば仙骨など患者身体上の1つの「位置」で行われたとみなされる。このかん流値セットに関し、デルタは、最高かん流値と最低かん流値の間の差異であり、このセット内で最高かん流値はおそらく位置1846で発生し、最低かん流値はおそらく位置1840、1842および1850のうちの1つで発生した。デルタ値が閾値「T」よりも大きい場合、この位置で重大な損傷が存在することの指標である。最も大きな損傷がある正確な位置は最高かん流値が生じた測定位置1846に近い可能性が高い。
【0269】
実施例7:ダメージIIの可能性のある領域のマッピング方法
図18Bは、損傷の可能性のある領域のマッピングの第二の例を示す。本実施例において、最も大きな損傷のおおよその位置は判明しており、例えば図18Aに示される方法を従前に適用することから判明している。本方法の目的は、領域1810と領域1820の間の境界をマッピングし、損傷の範囲を判定することである。単純性を目的として、各領域での測定で得たかん流値は同じであり、領域1810から領域1820、そして領域1830へとかん流値は増加している。第一のかん流測定は位置1860で行われた。この位置は最も大きな損傷があるおおよその位置であることが判明している。その後の測定は、経路1880に示される順序で位置1862、1864、1866、および1868で行われる。位置1864で得られたかん流値は位置1862および位置1866で得られたかん流値よりも若干高く、このことから位置1864は部分的に領域1820内にあることが示唆される。一方で位置1862と位置1866は損傷の少ない領域1810内に完全にあることが示唆される。境界は、様々な測定位置の間を補間することにより見積もることができる。例えば位置1870で得られたかん流値は、当該位置が完全に領域1820内にあることを示すのに充分に高く、ゆえに領域1810と領域1820の間の境界の特定には役に立たない。次の位置1872は、開始位置1860からすっかり離れている。位置1860は本実施例において完全に領域1810内にあり、領域1810と領域1820の間の境界は、位置1870と位置1872の間にあると補間される。位置1874での測定から得られたかん流値は、位置1870のかん流値と似ており、位置1872に対応する位置で別の測定を行わなくとも、境界を位置1874の外側として特定するのに充分であり得る。
【0270】
この測定値セットにより、例えば領域1820などの特定レベルの損傷のマップ作成が可能となる。一定間隔でこのマッピングプロセスを繰り返すことで、領域1820が大きくなっているかどうかの指標が得られ、この場合、介入レベルの上昇が適切であることが示され得、または当該領域が縮小しているかどうかの指標が得られ、この場合、現行の介入レベルで損傷の治癒が可能であることが示され得る。
【0271】
実施例8:患者の階層化、および適切な治療の提供に関する治療法決定の経路
図19Aは、National Institute for Health and Care Excellence (NICE)により、2014年の4月23日に公開された臨床ガイドラインのPressure ulcers: prevention and managementにおいて呈示される、病院患者の褥瘡予防に対して現在推奨されている治療法決定の要点である。ガイドラインは、例えば著しく制限された移動性、知覚の著しい消失、過去または現在の褥瘡、栄養不足、自身で姿勢を変えることができない、または著しい認知機能障害などの1つ以上のリスク因子を呈する、介護施設に入院した全ての患者に対し、リスク分析を行うことを推奨している。リスク評価は一般的に、特定のリスク因子の重大性を評価する、例えばブレーデンスケールなどのスコア化されたチェックリストを使用して行われる。
【0272】
リスク評価の完了時に、患者は、(i)褥瘡発生リスクが低い、(ii)褥瘡発生リスクがある、または(iii)褥瘡発生リスクが高い、として特定される。リスクレベルに応じて患者は分類され、様々な治療シーケンスと視覚的評価を受ける。
【0273】
全ての患者は潜在的に褥瘡発生のリスクがある。重症の人々、または神経学的な状態を有する人々、移動性が損なわれている人々、栄養状態が悪い人々、姿勢が悪い人々、または肢体不自由者において褥瘡が発生する可能性が高い。
【0274】
褥瘡はステージ−1〜ステージ−4としてカテゴライズされ、ステージ−1が最も低い状態である。米国褥瘡諮問委員会 (NPUAP)は、「ステージ−1」の褥瘡を、白くなれない紅斑の局所領域を伴うインタクトな肌として規定しており、ここで「白くなれる」とは、押されたときに組織がすべて赤みを失うことを示し、「白くなれない」組織は、押されても、血管の外側に赤血球が存在する(溢出)ために赤いままである。一部の患者では、白くなれる紅斑、または知覚、温度もしくは硬さの変化が、視覚変化に先行する場合がある。
【0275】
視覚皮膚評価(VSA:Visual skin assessment)は、褥瘡を特定する現行の方法である。訓練を受けた医療従事者が視覚的および触感的に赤み、または組織の硬さ、組織の温度もしくは湿性における変動を探しながら、皮膚の外観を評価する。
【0276】
患者が褥瘡を発生させるリスクが低いと特定された場合、当該患者は、例えば外科手術を受ける、根幹にある状態の悪化、または移動性の変化といった臨床状態の変化に関しシンプルにモニタリングされる。車いすを使用する患者、または長時間座る患者は、ハイスペックな発泡体クッションを提供され、または同等の圧分散クッションを提供され得る。臨床状態に変化がない場合、低リスク患者は、このガイドライン設定の下では再評価されず、患者が介護施設を退院するまで同じ治療および評価経路内に留まる。
【0277】
患者が褥瘡を発生させるリスクがあると特定された場合、当該患者は6時間ごとに回転され、または「曲げられる」よう予定される。低リスク患者と同様に、患者が車いすを使用する、または長時間座る場合にハイスペックな発泡体クッションが提供され得る。他のモニタリングまたは介入は、NICEガイドラインでは推奨されていない。
【0278】
高リスク患者は、ハイスペックな発泡体マットレスを予防手段として受け取り、車いすにいるか、または長時間座る場合にはハイスペックなクッションが提供され、4時間ごとに回転される。患者は毎日、身体の全ての領域に対してVSAを受ける。白くなれない紅斑がある領域が発見された場合、適切な介入が実行され、当該領域は2時間ごとにVSAにより再チェックされる。白くなれない紅斑を呈さない領域は、毎日VSAにより再チェックされる。各高リスク患者に対して個別化された介護計画が策定される。
【0279】
このフローチャートから、介護士が費やす時間の多くが、高リスク患者に対する時間であることが分かる。これは適切であるが、リスク有の患者はモニタリングされずに放置され、介護士により状態が観察される前にステージ−1の褥瘡を発生させる可能性がある。さらに問題の検出をVSAに頼る結果として必然的に、患者がステージ−1の潰瘍を発生させた後に介入が選択または実行されることを意味する。損傷がステージ−1に進行するときまでに、皮膚が破壊され、介入を受けてもステージ−2の潰瘍となる可能性がある。組織損傷を早く特定し、介入によって表皮下損傷の進行をステージ−1以下に予防できるようにするための明白なニーズが存在する。
【0280】
図19Bは、いくつかの介護施設で現在実施されている、褥瘡を予防するための現行の拡張治療決定経路の例である。拡大経路は、リスク有の経路および低リスクの経路の両方にモニタリング工程を加えている。低リスク患者は毎週、例えばブレーデンスケール評価の完了などのリスク評価を受ける。初回評価でリスク有と特定された患者は、予防手段としてハイスペックな発泡体マットレスを与えられ、毎日VSAで評価される。リスク有の患者のモニタリングおよび治療に関して介護計画が策定される。高リスク患者の場合には介護に変化はない。
【0281】
拡大計画は、褥瘡に関し、すべての患者に基礎モニタリングを提供する利益がある。しかしながら追加工程は、スタッフを追加する、または既存スタッフにさらに負荷を与えることでの追加の時間が必要となる。図19Aの推奨介護経路よりも優れているが、図19Bの介護経路は多くのリソースを必要とし、VSAが損傷を特定する前に患者がステージ−1の潰瘍を発生させなければならないという制限にも悩まされる。
【0282】
様々な病院および介護施設は、様々な数のリスクカテゴリーを使用しており、低リスクとリスク有の2つのカテゴリーから、4つ以上のカテゴリー、例えば「非常に高リスク」などのカテゴリーを追加し、図19Bの例のカテゴリーまでの範囲がある。患者は初回リスク評価の結果に基づき様々なカテゴリーに割り当てられる。
【0283】
図20は、本開示に従う、どのように患者皮膚下の組織の血液かん流を評価する装置を独立プロセスで使用して褥瘡を予防し得るかに関する例示的フローチャートである。全ての入院患者は、モニタリングに選択されたすべての身体位置の完全かん流評価を受ける。これらの選択位置には、例えば仙骨およびかかとなど、かん流測定装置の使用説明書(IFU)において推奨される領域が含まれてもよい。追加の位置は病院により特定され、病院内の実務に組み込まれてもよい。複数のかん流測定が、互いに離れた位置で、各身体位置で、およびその周囲で行われるが、これは概して身体位置での複数回測定とみなされる。かん流測定装置は、当該位置で、およびその周囲で得られた測定値セットから、各位置に対する「デルタ」値を算出する。次いでデルタ値は1つ以上の閾値と比較され、患者がカテゴライズされる。本実施例において、患者は、低リスクとリスク有の2つのリスクカテゴリーのうちの1つに割り当てられる。
【0284】
ある態様では、臨床医は、初回のかん流測定セットにおいて損傷の可能性があると特定された身体位置のかん流測定を第一の時間間隔で行う。臨床医はさらに、モニタリングに選択された他のすべての身体位置のかん流測定を、第一の時間間隔よりも長い第二の時間間隔で行う。ある態様では、第一および第二の時間間隔の値は、患者が割り当てられたリスクカテゴリーに応じて異なる。例えば高リスク患者は、4時間の第一の時間間隔、および1日の第二の時間間隔を有し、一方でリスク有の患者は1日の第一の時間間隔、および1週間の第二の時間間隔を有する。ある態様では、時間間隔は事象ベースであってもよく、例えば厳密に時間に依存するのではなく、所属医員の変更時、またはシフト変更時であってもよい。概して過去のかん流測定においてデルタ値が上昇した身体位置は、モニタリングされたが正常なデルタ値であった他の身体位置よりも多くスキャンされる。
【0285】
ある態様では、かん流測定が実施される間隔は、過去のかん流測定からのデルタ値により決定される。例えば、過去のかん流スキャンにおいて第一の閾値以上のデルタ値であった身体位置のかん流測定は第一の時間間隔で実施され、一方で過去の身体位置のかん流測定が、第一の閾値よりも高い第二の閾値以上のデルタ値であったときは、第一の時間間隔よりも短い第二の時間間隔でかん流測定が実施される。
【0286】
本実施例において、低リスク患者は、モニタリングに選択されたすべての身体位置のかん流スキャンを毎週受ける。これは僅かな努力で最も健康な患者に対してさえも基礎的な保護を与えるものであり、毎週のかん流スキャンによって、VSAで目に見えるようになる前に組織損傷が検出される可能性が高い。
【0287】
リスク有の患者には、図19Aおよび19Bの現行の介護経路において高リスクと特定される患者も含まれ、閾値を超えるデルタ値を呈する身体位置に応じて専門化した介護を受ける。例えば仙骨位置が閾値を超えるデルタ値であった場合、患者は6時間ごとに体位を変えられ、毎日仙骨のかん流測定を受け、そして毎週、他の身体位置のかん流測定を受ける。
【0288】
図21は、本開示に従う、どのように患者皮膚下の組織の血液かん流を評価する装置を付属物として使用して図19Bの拡張治療決定経路をさらに改善し得るかに関する例示的フローチャートである。入院患者はモニタリングに関して病院から特定された全ての身体位置のリスク評価とかん流スキャンの両方を受け、リスクカテゴリーへの患者の割り当てはリスク評価に部分的に依存し、およびかん流スキャン結果に部分的に依存する。閾値よりも高い初回デルタ値は、当該身体位置での損傷がある可能性の指標である。ある態様では、割り当ては初回かん流スキャン中に見出された最大初回デルタ値だけに依存する。
【0289】
例えば第一の間隔で患者を回転させるなどの介入を実施するかどうかの決定は現在、皮膚の下に早期ステージの損傷が存在するかどうかが不確実であっても、VSAおよびリスク評価に基づいている。ある態様では、特定の身体部位に対する介入、または例えばハイスペックなマットレスなどの全身性の介入の実施の決定は、かん流スキャンで当該部位に対して見出されたデルタ値に基づいている。デルタ値が規定閾値よりも低い場合、介入は必要とされない。デルタ値が規定閾値よりも高い場合、身体位置に部分的に基づき、および当該身体位置のデルタ値に部分的に基づき、介入が選択および実施される。介入を選択および実施するかどうかの規定閾値は、身体位置に損傷が存在する可能性があるかの決定に対する閾値よりも高くてもよく、または低くてもよい。
【0290】
図19A、19B、20および21の介護経路を提供したコストの比較により、患者のモニタリングにかん流測定装置を利用した場合の利益の1つが明らかとなった。本明細書において挙げられるコストは、褥瘡が無い、または褥瘡を発生させていない患者に対するものであり、この場合、ステージ−1の褥瘡に対しては推定治療コストが2000ドルに跳ね上がることに注意されたい。
【0291】
この比較に対する基準は、図19Bの拡張された現行実務であり、これは褥瘡発生率を低下させるために奮闘する病院にとって現在の「ベストプラクティス」である。低リスク介護経路の介護を提供することにより、5.6日の平均入院期間の患者1人当たり平均26ドルのコストが予測され、リスク有の患者に対する介護は平均121ドルのコストと推定され、高リスク患者は165ドルのコストと予測される。すべての介護経路は褥瘡を検出するVSAに依存しており、さもなければ特定の患者の状態ではなく「典型的な」患者の進行に基づく介入が実施される。
【0292】
かん流測定装置を現行の「ベストプラクティス」のワークフローに組み込んでも、図21に示されるように作業エレメントは省略されていないため、介護経路のいずれのコストも低下しない。利益は早期ステージで最少の積み上げコストで組織損傷を検出できることにある。リスク無し介護経路にかん流スキャンを加えることの積み上げコストは2ドルであり、コストをおよそ26ドルから28ドルに上昇させる。かん流デルタ値の上昇がない、すなわち表皮下の組織損傷がないリスク有の患者に対する介護の予測コストも2ドルのみ増加する。しかしながらリスク有の患者のかん流デルタ値が上昇していることが判明した場合、その患者は高リスクカテゴリーへと昇格し、この場合の介護の予測コストは165ドルから169ドルに増加する。一見したところでは小さな追加コストのように見えるかもしれないが、リスク有の患者に提供される保護レベルの上昇を示している。
【0293】
図20は、患者のモニタリングを行うかん流測定装置のみに依存し、ルーティンのVSAを実施しないワークフローの例を示す。図21の統合型低リスク介護経路に対する28ドルのコストと比較して、低リスク患者に対する予防介護の予測コストは4ドルである。図20のかん流測定装置介護経路に対する他の唯一のカテゴリーであるリスク有の患者については、予測コストは97ドルであり、図21の統合型介護経路のリスク有の患者および高リスクの患者に対する123〜169ドルと比較される。
【0294】
実施例9:患者のかかとにおけるかん流デルタ傾向は、褥瘡発生の指標である。
本開示に従う装置を使用した、患者のかかとでの経時的なかん流測定が行われ、その後、かかとでの褥瘡に関する任意の視覚診断が行われる。各時点で、それぞれの患者はつま先を身体から離れる方向に向け、身体の側面に向かって外旋するように指示される。かん流検出装置のレシーバーは、かかとの内側に配置される。レシーバーはかかとと完全に接触するように調整され、複数回の測定が湾曲したかかとの背面周囲で行われる。反射光測定値の各々は、外部圧力または機械的力を受けていない同患者の別の身体部分から取得された基準かん流値を、当該測定値から差し引くことによりかん流デルタ値へと転換される。1日で得られたかん流デルタ値は平均され、各患者に対してグラフ化される。
【0295】
図28は、片足または両足のかかとに褥瘡の診断がされる前の7名の患者のかん流デルタ値の傾向を示す。異なる患者の中での傾向を、褥瘡診断イベントとして0日目に時間を合わせて並べる。基準かん流デルタ曲線(平均−H)は、最終的にかかとの褥瘡と視覚的に診断された全患者(n=20)のかん流デルタ値傾向を平均化することにより生成される。図28に示されるように、これら7名の患者のかん流デルタ値は、基準曲線と比較して視覚診断の2日前(−2)〜4日前(−4)に大きさでスパイクを呈している。これらの患者について、基準曲線と比較したかん流デルタ値傾向の急激な傾斜は、何らかの視覚的検出が行われる前の褥瘡の早期発生の指標である。
【0296】
実施例10:酸素化測定に基づく介入レベル
褥瘡のリスクがあると特定された対象は、以下のスキームに従い治療される:
【表3】
【0297】
前述より、限定されないが以下を含む本発明が様々な方法で具体化可能であることが認識されるであろう。
【0298】
実施形態1。患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する装置であって、活性化されたときに第一の波長と第二の波長で光を放出するように構成されたエミッター、第一の波長で受信された光の第一の強度、および第二の波長で受信された光の第二の強度を測定して、受信した光の第一および第二の強度に関する情報を含む第一の信号を提供するよう構成された第一のレシーバー、当該エミッターと第一のレシーバーが連結され、当該エミッターと第一のレシーバーが患者の皮膚と同時に接触して配置され得るように構成された基盤、および当該第一のレシーバーに連結され、第一の信号を受信し、受信した光の第一および第二の強度の第一の加算値を決定し、および当該第一の加算値から組織のかん流レベルを決定するよう構成されたプロセッサーを備える装置。
【0299】
実施形態2。当該第一のレシーバーが、当該エミッターにより放出され、当該第一のレシーバーにより受信された光が、患者皮膚下の第一の深度から反射されるよう選択された第一の距離により、当該エミッターから離れて配置される、実施形態1に記載の装置。
【0300】
実施形態3。第二のレシーバーをさらに備え、ここで当該第二のレシーバーは、当該エミッターにより放出され、当該第二のレシーバーにより受信された光が、患者皮膚下の第二の深度から反射されるよう選択された第二の距離により、当該エミッターから離れて配置され、当該第二のレシーバーは、当該第一の波長で受信された光の第三の強度を測定し、当該第二の波長で受信された光の第四の強度を測定し、および当該受信された光の当該第三および第四の強度に関する情報を含む第二の信号を提供するよう構成され、ならびに当該プロセッサーは、第二のレシーバーに連結され、および第二の信号を受信し、当該受信した光の第四の強度を、当該第一の強度から当該第三の強度を差し引くことにより決定し、当該受信した光の第六の強度を、当該第二の強度から当該第四の強度を差し引くことにより決定し、当該第五および第六の強度の第二の加算値を決定し、ならびに当該第二の加算値に基づき第一の深度および第二の深度の間の組織のかん流レベルを決定するよう構成される、実施形態1または2に記載の装置。
【0301】
実施形態4。当該第一の波長が、酸素化ヘモグロビンのピーク吸収波長と関連し、当該第二の波長が、脱酸素化ヘモグロビンのピーク吸収波長と関連する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の装置。
【0302】
実施形態5。当該エミッターが、第一の波長で光を放出する第一の源、および第二の波長で光を放出する第二の源を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【0303】
実施形態6。当該第一の源および第二の源が、個々に活性化されることができる、実施形態5に記載の装置。
【0304】
実施形態7。当該レシーバーが、第一の波長の光を感知する第一の検出器、および第二の波長の光を感知する第二の検出器を備える、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【0305】
実施形態8。当該プロセッサーが、当該第一の検出器および当該第二の検出器の各々に個々に連結され、当該第一の信号が、当該第一および第二の検出器からの個々の信号を含む、実施形態7に記載の装置。
【0306】
実施形態9。当該プロセッサーが、当該エミッターに連結され、当該エミッターが、ストローブパルスの受信時に光を放出するよう構成され、当該プロセッサーは、当該エミッターおよび当該第一のレシーバーにストローブパルスを提供するよう構成され、当該第一のレシーバーはさらに、当該ストローブパルスの受信と当該エミッターからの光の受信の間の第一の期間を測定するよう構成され、ならびに当該第一の信号は、当該第一の期間に関する情報を含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の装置。
【0307】
実施形態10。当該プロセッサーに連結された記憶媒体をさらに備え、当該プロセッサーは当該エミッターの連続的活性化と関連した一連の加算値を当該記憶媒体に保存するよう構成される、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の装置。
【0308】
実施形態11。当該プロセッサーはさらに、当該一連の加算値の最小加算値と最大加算値の間の範囲を決定するよう構成される、実施形態10に記載の装置。
【0309】
実施形態12。当該プロセッサーはさらに、当該一連の加算値の最大加算値と比較した、各加算値のパーセンテージ値を決定するよう構成される、実施形態10に記載の装置。
【0310】
実施形態13。三次元での当該装置の加速に関する情報を含む第三の信号を提供するよう構成される加速度計をさらに備え、ここで当該プロセッサーは、当該加速度計に連結され、および当該第三の信号を受信するよう構成され、ならびに当該プロセッサーはさらに、当該エミッターが活性化されたときに当該エミッターの空間位置を決定するよう構成される、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の装置。
【0311】
実施形態14。患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する方法であって、当該方法は、患者皮膚上の第一の位置で、患者の皮膚内に光を放出する工程であって、当該光は第一の波長および第二の波長を含む工程、当該組織から反射された放出光の一部を受信する工程、第一の波長の受信光の第一の強度、および第二の波長の受信光の第二の強度を測定する工程、当該受信光の第一および第二の強度の第一の加算値を決定する工程、を含む。
【0312】
実施形態15。光を放出する工程、放出光の一部を受信する工程、および患者皮膚上の第二の位置で受信光の第一および第二の強度を測定する工程、を反復する工程、当該第二の位置と関連した受信光の第一および第二の強度の第二の加算値を決定する工程、ならびに当該第一の加算値と当該第二の加算値の間のデルタ値を決定する工程、をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
【0313】
実施形態16。光を放出する工程、放出光の一部を受信する工程、および患者皮膚上の複数の位置で受信光の第一および第二の強度を測定する工程、を反復する工程、複数の位置のそれぞれと関連した受信光の第一および第二の強度の複数の加算値を決定する工程、当該複数の加算値から最大加算値を特定する工程、ならびに当該最大加算値と当該複数の加算値の少なくとも1つの間のデルタ値を決定する工程、をさらに含む、実施形態14に記載の方法。
【0314】
実施形態17。患者皮膚下の組織中の血液かん流を評価する装置であって、第一の波長で選択的に光を放出する、または第二の波長で選択的に光を放出するよう構成されたエミッター、第一の波長の反射光の第一の画像および第二の波長の反射光の第二の画像を形成するよう構成されたカメラ、当該エミッターと当該カメラに連結された基盤であって、当該基盤は、当該エミッターにより放出された光が、当該カメラの視野内にある患者皮膚の一部を照らすよう配置され得るよう構成される基盤、ディスプレイ、ならびに当該カメラと当該ディスプレイに連結され、当該第一および当該第二の画像を受信し、当該第一および当該第二の画像の加算である第三の画像を形成し、当該ディスプレイ上に当該第三の画像を提示するよう構成されるプロセッサー、を備える装置。
【0315】
実施形態18。当該プロセッサーは、当該エミッターに連結され、当該プロセッサーはさらに、当該エミッターに第一のときに第一の波長の光のみを放出させ、第二のときに第二の波長の光のみを放出させるよう構成され、および当該カメラは当該第一のときに第一の画像を形成し、当該第二のときに当該第二の画像を形成する、実施形態17に記載の装置。
【0316】
実施形態19。外傷治療の必要がある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、介護施設入院時に患者の組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。
【0317】
実施形態20。第一の複数回のかん流測定を行う工程が、かん流測定装置を使用して、各かん流測定を行い、各かん流値を生成することを含み、および当該第一のデルタ値を算出する工程が、当該第一の複数回のかん流測定値の一部により生成されたかん流値を比較することを含む、実施形態19に記載の方法。
【0318】
実施形態21。第一の複数回のかん流測定を行う工程が、第一の位置で第一のかん流測定サブセットを行うこと、および第二の位置で少なくとも1回の追加のかん流測定サブセットを行うことを含み、第一のデルタ値を算出する工程が、第一の測定サブセットの一部から第一の位置の第一のデルタ値を算出すること、および第二の測定サブセットの一部から第二の位置の第一のデルタ値を算出することを含み、第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程は、第一の位置の第一のデルタ値が第一の位置の第一の閾値を超えたかを判定すること、および第二の位置の第一のデルタ値が第二の位置の第一の閾値を超えたかを判定することを含み、レベル−0の第一の介入を与える工程が、当該第一の位置の第一のデルタが当該第一の位置の第一の閾値を超えなかった場合に第一の位置に特異的なレベル−0の介入を与えること、および当該第二の位置の第一のデルタが当該第二の位置の第一の閾値を超えなかった場合に第二の位置に特異的なレベル−0の介入を与えることを含み、ならびにレベル−Nの第一の介入を与える工程が、当該第一の位置の第一のデルタが当該第一の位置の第一の閾値を超えた場合に第一の位置に特異的なレベル−Nの介入を与えること、および当該第二の位置の第一のデルタが当該第二の位置の第一の閾値を超えた場合に第二の位置に特異的なレベル−Nの介入を与えること、を含む、実施形態19に記載の方法。
【0319】
実施形態22。当該評価工程がさらに、視覚評価を実施することを含む、実施形態19に記載の方法。
【0320】
実施形態23。当該患者が、目に見える外傷の症状を有していない、実施形態22に記載の方法。
【0321】
実施形態24。当該評価工程がさらに、リスク評価を実施することを含む、実施形態19に記載の方法。
【0322】
実施形態25。Nが、1に等しい値を有する、実施形態19に記載の方法。
【0323】
実施形態26。Nの値が、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えた量に基づき、2以上である、実施形態19に記載の方法。
【0324】
実施形態27。Nが、10を超えない値を有する、実施形態19に記載の方法。
【0325】
実施形態28。当該レベル−Nの第一の介入が、レベル−0の第一の介入よりも集中的な介入である、実施形態19に記載の方法。
【0326】
実施形態29。患者において、与えられた介入レベルに相当する第一の前もって決定された頻度で、第二の複数回のかん流測定を行う工程、当該第二の複数のかん流測定値の一部から第二のデルタ値を算出する工程、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えたかを判定する工程、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の介入を与える工程、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えない場合には継続して第一の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程、当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mの第二の介入を与える工程であって、Mは整数であり、Nよりも大きい工程、および当該第二のデルタ値が第二の閾値を超えた場合にはレベル−Mに相当する第二の前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程をさらに含む、実施形態19に記載の方法。
【0327】
実施形態30。当該第二の閾値が、当該第一の閾値と同じである、実施形態29に記載の方法。
【0328】
実施形態31。当該第二の閾値が、当該第一の閾値よりも大きい、実施形態29に記載の方法。
【0329】
実施形態32。Mが、N+1と等しいが、10を超えない値を有する、実施形態29に記載の方法。
【0330】
実施形態33。Mの値が、当該第二のデルタ値が当該第二の閾値を超えた量に比例する、実施形態29に記載の方法。
【0331】
実施形態34。当該第二のデルタ値が第三の閾値未満であるかを判定する工程、当該第二のデルタ値が当該第三の閾値未満であり、および当該第一の介入がレベル−0ではない場合にはレベル−(N−1)の介入を与える工程、ならびに当該第二のデルタ値が当該第三の閾値未満であった場合にはレベル−(N−1)に相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程をさらに含む、実施形態29に記載の方法。
【0332】
実施形態35。レベル−0の介入が、良好な栄養状態を提供すること、標準的なマットレスを提供すること、24時間ごとに回転させること、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態19に記載の方法。
【0333】
実施形態36。当該第一の閾値を超える当該第一のデルタ値が、患者のかかとで得られた当該第一の複数のかん流測定値の一部から算出される、実施形態19に記載の方法。
【0334】
実施形態37。レベル−1の介入が、患者にヒールブーツを提供することである、実施形態36に記載の方法。
【0335】
実施形態38。レベル−2の介入が、患者の支持体表面を変更することである、実施形態36に記載の方法。
【0336】
実施形態39。レベル−3の介入が、患者のかかとの背面または側面にドレッシングを適用することである、実施形態36に記載の方法。
【0337】
実施形態40。レベル−4の介入が、患者のかかとカバーを、低摩擦シートカバーへと変更することである、実施形態36に記載の方法。
【0338】
実施形態41。レベル−5の介入が、患者の下腿に低摩擦パッドのマットレス表面を提供することである、実施形態36に記載の方法。
【0339】
実施形態42。レベル−6の介入が、現行で提供されるよりも短い間隔で患者を回転させることである、実施形態36に記載の方法。
【0340】
実施形態43。レベル−7の介入が、患者のかかとにバリアクリームを適用することである、実施形態36に記載の方法。
【0341】
実施形態44。レベル−8の介入が、患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用することである、実施形態36に記載の方法。
【0342】
実施形態45。レベル−9の介入が、患者のかかとに局所クリームを適用して、かん流を強化することである、実施形態36に記載の方法。
【0343】
実施形態46。レベル−10の介入が、患者の下腿にシリコンパッドを提供することである、実施形態36に記載の方法。
【0344】
実施形態47。当該第一の閾値を超える当該第一のデルタ値が、患者の仙骨で得られた当該第一の複数のかん流測定値の一部から算出される、実施形態19に記載の方法。
【0345】
実施形態48。レベル−1の介入が、ウェッジを用いて患者の体位を変えること、患者の仙骨の乾燥を保つこと、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態47に記載の方法。
【0346】
実施形態49。レベル−2の介入が、患者のマットレスを、圧力緩和マットレスへと変更することである、実施形態47に記載の方法。
【0347】
実施形態50。レベル−3の介入が、患者の仙骨上にドレッシングを適用することである、実施形態47に記載の方法。
【0348】
実施形態51。レベル−4の介入が、患者のマットレスを、ダイナミックマットレスへと変更することである、実施形態47に記載の方法。
【0349】
実施形態52。レベル−5の介入が、患者の仙骨にバリアクリームを適用することである、実施形態47に記載の方法。
【0350】
実施形態53。レベル−6の介入が、患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用することである、実施形態47に記載の方法。
【0351】
実施形態54。レベル−7の介入が、患者の仙骨に局所クリームを適用して、かん流を強化することである、実施形態47に記載の方法。
【0352】
実施形態55。レベル−8の介入が、患者身体の下にシリコンパッドを提供することである、実施形態47に記載の方法。
【0353】
実施形態56。レベル−0の前もって決定された頻度が、24時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0354】
実施形態57。レベル−1の前もって決定された頻度が、10時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0355】
実施形態58。レベル−2の前もって決定された頻度が、各看護シフトの開始時である、実施形態19に記載の方法。
【0356】
実施形態59。レベル−3の前もって決定された頻度が、12時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0357】
実施形態60。レベル−4の前もって決定された頻度が、8時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0358】
実施形態61。レベル−5の前もって決定された頻度が、6時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0359】
実施形態62。レベル−6の前もって決定された頻度が、4時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0360】
実施形態63。レベル−7の前もって決定された頻度が、2時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0361】
実施形態64。レベル−8の前もって決定された頻度が、1時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0362】
実施形態65。レベル−9の前もって決定された頻度が、0.5時間ごとである、実施形態19に記載の方法。
【0363】
実施形態66。その必要のある患者において皮膚および組織の損傷の進行を減速させる方法であって、当該方法は、患者に与えられたレベル−Kの現行の介入を特定する工程、当該患者において複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続して現行の介入を与える工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えない場合には継続してレベル−Kに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程、当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nの新たな介入を与える工程であって、NはKよりも大きい値を有する工程、および当該デルタ値が第一の閾値を超えた場合にはレベル−Nに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程を含む。
【0364】
実施形態67。Nが、K+1と等しいが、10を超えない値を有する、実施形態66に記載の方法。
【0365】
実施形態68。Nの値が、当該デルタ値が当該第一の閾値を超えた量に比例する、実施形態66に記載の方法。
【0366】
実施形態69。デルタ値が第二の閾値未満であるかを判定する工程、当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lの介入を与える工程であって、LはKよりも小さい負ではない値を有する工程、および当該デルタ値が第二の閾値未満であった場合にはレベル−Lに相当する前もって決定された頻度で複数回のかん流測定を行う工程をさらに含む、実施形態66に記載の方法。
【0367】
実施形態70。Lが、L−1に等しい値を有する、実施形態69に記載の方法。
【0368】
実施形態71。Lの値が、当該デルタ値が当該第二の閾値よりも小さい量に基づき選択される、実施形態69に記載の方法。
【0369】
実施形態72。その必要のある患者が、介護の変化を経験している患者である、実施形態66に記載の方法。
【0370】
実施形態73。その必要のある患者が、移動性の変化を経験している患者である、実施形態66に記載の方法。
【0371】
実施形態74。その必要のある患者が、栄養状態の変化を経験している患者である、実施形態66に記載の方法。
【0372】
実施形態75。その必要のある患者が、知覚の変化を経験している患者である、実施形態66に記載の方法。
【0373】
実施形態76。その必要のある患者が、開放潰瘍を発生させている患者である、実施形態66に記載の方法。
【0374】
実施形態77。その必要のある患者が、開放潰瘍から回復している患者である、実施形態66に記載の方法。
【0375】
実施形態78。その必要のある患者が、外科手術を受けている患者である、実施形態66に記載の方法。
【0376】
実施形態79。当該患者が、外科手術中に脊椎麻酔を受けている、実施形態66に記載の方法。
【0377】
実施形態80。当該患者が、外科手術中に仙骨麻酔を受けている、実施形態78に記載の方法。
【0378】
実施形態81。当該外科手術が、4時間を超える継続期間を有する、実施形態78に記載の方法。
【0379】
実施形態82。患者に対し、外傷治療を選択する方法であって、当該方法は、介護施設入院時に患者の組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。
【0380】
実施形態83。介護施設の患者群を、外傷発生リスクに基づき階層化する方法であって、当該方法は、各患者において複数回のかん流測定を行う工程、各患者に対して当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、各デルタ値がN介護レベルに相当する閾値セットの任意の値を超えるかを判定する工程、および各患者に介護レベルを割り当てる工程、各患者に割り当てられた介護レベルに基づき患者群を再構成する工程、を含む。
【0381】
実施形態84。介護施設に入院した患者において外傷発生率を低下させる方法であって、当該方法は、介護施設入院時に組織損傷のリスクに関して患者を評価する工程であって、患者において第一の複数回のかん流測定を行うことを含む評価工程、当該第一の複数のかん流測定値の一部から第一のデルタ値を算出する工程、当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えたかを判定する工程、当該第一のデルタ値が当該第一の閾値を超えなかった場合に、レベル−0の介入を与える工程、および当該第一のデルタ値が第一の閾値を超えた場合に、レベル−Nの第一の介入を与える工程であって、Nは整数であり、Nは1以上の値を有する工程、を含む。
【0382】
実施形態85。介護施設の患者における外傷発生率は、100分の1に低下される、実施形態84に記載の方法。
【0383】
実施形態86。患者のかかとにバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとにバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0384】
実施形態87。患者のかかとに神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に1時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0385】
実施形態88。患者のかかとに局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者のかかとで複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者のかかとに局所クリームを適用する工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に30分ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0386】
実施形態89。患者の仙骨にバリアクリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨にバリアクリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に6時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0387】
実施形態90。患者の仙骨に神経−筋肉刺激を適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に神経−筋肉刺激を与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に4時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0388】
実施形態91。患者の仙骨に局所クリームを適用する必要のある患者を特定および治療する方法であって、当該方法は、患者の仙骨で複数回のかん流測定を行う工程、当該複数のかん流測定値の一部からデルタ値を算出する工程、当該デルタ値がレベルNに相当する閾値を超えたかを判定する工程であって、Nは2以上である工程、当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に患者の仙骨に局所クリームを与える工程、および当該デルタ値が当該閾値を超えた場合に2時間ごとに複数回のかん流測定を行う工程、を含む。
【0389】
実施形態92。損傷を受けた組織を特定する装置であって、当該装置は、エミッターおよび2つのレシーバーであって、当該エミッターと2つのレシーバーの各々が患者皮膚に対し配置されるよう構成されたもの、当該レシーバーに電子的に連結され、レシーバーからの情報を受信して当該情報をかん流値へと転換するよう構成されたプロセッサー、および当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、ならびに当該プロセッサーで実行されたときに以下の工程を実施する、当該記憶媒体に保存された命令を含む:患者皮膚上の第一の位置の第一のレシーバーにより測定されたときの反射光に相当する第一のかん流値と、患者皮膚上の第二の位置の第二のレシーバーにより測定されたときの反射光に相当する第二のかん流値との間の差異を判定する工程であって、当該第二の位置は、当該第一の位置に対して左右相称である工程。
【0390】
実施形態93。規定閾値よりも大きい差異は、当該第一および第二の位置のうちの1つでの損傷組織を示す、実施形態92に記載の装置。
【0391】
実施形態94。患者皮膚上の判明している位置に置かれるよう構成された基盤をさらに含み、および当該基版が当該患者皮膚上の判明している位置に置かれたときに当該第一および第二のレシーバーが当該患者皮膚上の左右相称性の位置に配置されるよう、当該第一および第二のレシーバーが当該基盤上に配置される、実施形態93に記載の装置。
【0392】
実施形態95。当該第一および第二のレシーバーの間にギャップをさらに含む、実施形態92に記載の装置。
【0393】
実施形態96。損傷を受けた組織を特定する装置であって、当該装置は、患者皮膚の表面に対して配置されるよう構成された基盤、当該基盤上の各複数の位置に配置された複数のエミッターと、当該基盤上の各複数の位置に配置された複数のレシーバーであって、各レシーバーは反射光を測定し、血液かん流に関する情報を提供するように構成された複数のレシーバー、当該レシーバーに電子的に連結され、反射光に関する情報を受信し、当該複数の反射光測定値を各複数のかん流値へと転換するよう構成されたプロセッサー、および当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体とを備え、ならびに当該プロセッサー上で実行されたときに以下の工程を実施する、当該記憶媒体上に保存された命令を含む:患者皮膚に対して左右相称性である第一の位置と第二の位置に配置された第一のレシーバーと第二のレシーバーを、当該複数の値から特定する工程、および第一のレシーバーと関連した第一のかん流値と、第二のレシーバーと関連した第二のかん流値を比較する工程。
【0394】
実施形態97。当該命令がさらに、第一のかん流値と第二のかん流値の間の差異を決定する工程、および当該差異が規定閾値よりも大きい場合に当該第一の位置と当該第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供する工程を含む、実施形態96に記載の装置。
【0395】
実施形態98。当該命令がさらに、第一のかん流値と第二のかん流値の間の差異を決定する工程、当該第一のかん流値と第二のかん流値のいずれが他方よりも大きいかを判定する工程、および当該差異が規定閾値よりも大きい場合に当該大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供する工程を含む、実施形態96に記載の装置。
【0396】
実施形態99。損傷を受けた組織を特定する装置であって、当該装置は、装置本体、エミッター、第一のレシーバーと第二のレシーバーであって、ここで当該2つのレシーバーは、患者皮膚上の第一の位置上の第一のレシーバーと、当該第一の位置に対して左右相称な第二の位置上の第二のレシーバーの同時配置が可能となるように当該装置本体上に置かれる第一のレシーバーと第二のレシーバー、当該2つの各レシーバーに電子的に連結され、当該2つの各レシーバーにより検出された反射光を測定するように構成された回路、第一の位置から第一の反射光測定値と、第二の位置からの第二の反射光測定値を受信して、当該第一の反射光測定値を第一のかん流値に転換し、当該第二の反射光測定値を第二のかん流値に転換するよう構成された回路に電子的に連結されたプロセッサー、当該プロセッサーに電子的に連結された非一時的コンピューター可読記憶媒体を備え、当該プロセッサーで実行されたときに、第一のかん流値と第二のかん流値の間の差異を決定する工程を実行する命令を含む。
【0397】
実施形態100。当該2つのレシーバーの各々は、共通平面上に並置されながら、装置本体の2つの末端上に配置される、実施形態99に記載の装置。
【0398】
実施形態101。当該装置本体は剛性であり、当該2つのレシーバーを互いに固定された分離距離および固定された方向に維持する、実施形態99に記載の装置。
【0399】
実施形態102。当該装置本体は柔軟であり、当該2つのレシーバーを互いに斜めに方向付けることが可能である、実施形態99に記載の装置。
【0400】
実施形態103。当該装置本体が、ヒンジを備える、実施形態102に記載の装置。
【0401】
実施形態104。当該第一の反射光測定値と、当該第二の反射光測定値が、同時に測定される、実施形態99に記載の装置。
【0402】
実施形態105。当該装置がさらに、当該2つのレシーバーのうちの1つに近接して配置される接触センサーを備え、当該同時の測定は、当該接触センサーの作動により誘発される、実施形態104に記載の装置。
【0403】
実施形態106。当該接触センサーは、圧力センサーまたは光学センサーである、実施形態105に記載の装置。
【0404】
実施形態107。当該命令がさらに、当該差異が規定閾値よりも大きい場合に当該第一の位置と当該第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供する工程を含む、実施形態99に記載の装置。
【0405】
実施形態108。当該命令がさらに、第一のかん流値と第二のかん流値のうちの大きい方を判定する工程、および当該差異が規定閾値を超える場合に当該大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供する工程を含む、実施形態99に記載の装置。
【0406】
実施形態109。損傷を受けた組織を特定する方法であって、当該方法は、患者皮膚上の第一の位置から第一のかん流値を取得すること、当該第一の位置に対して左右相称性である第二の位置から第二のかん流値を取得すること、当該第一のかん流値と当該第二のかん流値の間の差異を決定すること、を含む。
【0407】
実施形態110。当該差異が規定閾値よりも大きい場合に当該第一の位置と当該第二の位置のうちの1つで組織が損傷されたことの指標を提供することをさらに含む、実施形態109に記載の方法。
【0408】
実施形態111。第一のかん流値と第二のかん流値のうちの大きい方を判定すること、および当該差異が規定閾値を超える場合に当該大きいかん流値と関連した位置で組織が損傷されたことの指標を提供することをさらに含む、実施形態109に記載の方法。
【0409】
実施形態112。患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、当該方法は、積み上げ時間での1つの位置で複数のかん流値を測定すること、最後のかん流値と、その直前のかん流値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0410】
実施形態113。患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、当該方法は、積み上げ時間での複数の位置で複数のかん流値を測定すること、各時間に対し、当該複数のかん流値のデルタ値を算出すること、最後のデルタ値とその直前のデルタ値の間の傾きを算出すること、閾値と当該傾きを比較すること、および当該傾きが閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0411】
実施形態114。患者皮膚上で目に見える前に組織損傷を検出する方法であって、当該方法は、複数の積み上げ時間の各々での1つの位置で複数のかん流値を測定すること、各積み上げ時間に対し、かん流デルタ値を算出すること、所定の数の最も新しいかん流デルタ値に対し、曲線を適合させること、当該適合曲線の曲率を算出すること、閾値と当該曲率を比較すること、および当該曲率が閾値を超えた場合に組織損傷があると判定すること、を含む。
【0412】
本発明は、特定の態様に関連して記載されているが、当業者には様々な変更が為され得ること、および本開示の範囲から逸脱することなく要素に関し均等が置き換えられ得ることが理解されるであろう。さらに本発明の範囲から逸脱することなく本発明の教示に対し、多くの改変が特定の状況または材料に対して為され得る。ゆえに本発明は開示される特定の態様に限定されることはなく、しかし本発明は添付の請求の範囲および主旨内にある全ての態様を含むことが意図される。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12A
図12B
図12C
図12D
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図29C
図29D
【国際調査報告】