【実施例】
【0076】
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態を実証するために含められる。この後の実施例に開示される技法は、本開示の実施において十分機能する技法であること、およびゆえにそれらは、その実施のための特定の様式を構成するとみなされ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかしながら、当業者は、開示されるそれらの特定の実施形態において多くの変更が行われ得ること、ならびにその変更が本開示の趣旨および範囲から逸脱することなくなおも同様または類似の結果をもたらすことを、本開示に鑑みて理解するはずある。
省略形および頭字語のリスト
省略形 意味
℃ 摂氏温度
Ac アセチル
aq. 水性
ATP アデノシン三リン酸
B
2Pin
2 ビス(ピナコラト)ジボロン
BOC tert−ブトキシカルボニル
Br ブロード
BSA ウシ血清アルブミン
d 二重線
DCM ジクロロメタン
dd 二重線の二重線
ddd 二重線の二重線の二重線
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)
DMA ジメチルアセトアミド
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dt 二重線−三重線
DTT ジチオトレイトール(クリーランド試薬)
EC
50 半数効果濃度
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EGFR 上皮成長因子レセプター
Eq 当量
ES/MS エレクトロスプレー質量分析
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール(エチルアルコール)
FBS ウシ胎仔血清
g グラム
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシド ヘキサフルオロホスフェート
HEPES 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エタンスルホン酸
HCl 塩酸
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
Hrs 時間
HTRF(登録商標) 均一時間分解蛍光、Cisbio Bioassays(parc marcel boiteux 30200 codolet,France)の登録商標
Hz ヘルツ
IBD 炎症性腸疾患
IC
50 半数阻害濃度
i−pr イソプロピル
J 結合定数(MHz)
K
3PO
4 リン酸三カリウム
KOtBu カリウムtert−ブトキシド
KOAc 酢酸カリウム
LCMS 液体クロマトグラフィー−質量分析
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
LiOH 水酸化リチウム
LiI ヨウ化リチウム
LPS リポ多糖
M モル濃度
m 多重線
M+ 質量ピーク
M+H+ 質量ピーク+水素
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール(メチルアルコール)
MeLi メチルリチウム
MeMgX ハロゲン化メチルマグネシウム(グリニャール試薬)(Xは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである)
Me
6Sn
2 ヘキサメチルジスタンナン(ヘキサメチル二スズ)
mg ミリグラム
MgSO
4 硫酸マグネシウム
MHz メガヘルツ
Min 分
ml/mL ミリリットル
mM ミリモル濃度
mmol ミリモル
MS 質量分析
MsCl 塩化メシル
NBS N−ブロモスクシンイミド
n− ノルマル
nBu/Bu n−ブチル(ノルマルブチル)
n−BuLi n−ブチルリチウム
NaH 水素化ナトリウム
NaHCO
3 炭酸水素ナトリウム
NaN
3 アジ化ナトリウム
Na
3PO
4 リン酸三ナトリウム
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
nL ナノリットル
nm ナノメートル
NMP 1−メチルピロリジン−2−オン
NMR 核磁気共鳴
NP−40 ノニルフェノキシポリエトキシルエタノール
Pd−PEPPSI
TM−IPent [1,3−ビス(2,6−ジ−3−ペンチルフェニル)イミダゾール−2−イリデン](3−クロロピリジル)パラジウム(II)ジクロリド
Pen−Strep ペニシリン−ストレプトマイシン(5,000単位のペニシリンGナトリウム塩および5,000μgの硫酸ストレプトマイシンを含む0.85%食塩水)
Ph フェニル
q 四重線
q.s. 述べている機能を達成するために十分な量
RP 逆相
RPMI ロズウェルパーク記念研究所培地
Rt 室温
s 一重線
sat. 飽和
Selectfluor(登録商標) 1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(Air Products and Chemicalsの登録商標)
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
SiliaMetS(登録商標)Thiol シリカベースのパラジウムスカベンジャー、Silicycleの登録商標
T 三重線
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
XPhos Pd G3 (2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2’−アミノ−1,1’−ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート
【0077】
1. 比較例A
比較例Aは、WO2016/210036(A1)として公開された、国際特許出願PCT/US2016/038861における実施例193として示されている。比較例Aの構造は、次のとおりである:
【化5】
2.中間体の合成
中間体I−1の調製:
【化6】
3,3−ジエトキシ−2−ホルミルプロピオニトリルカリウム塩(I−1C):
【0078】
10℃の無水THF(1.1L)中の、3,3−ジエトキシプロパン−ニトリル(I−1A,283.80g,1.98モル)およびギ酸メチル(I−1B,148.80g,2.48モル)の撹拌溶液に、THF中1.0Mカリウムtert−ブトキシド(2.2L,2.2モル)を加えた。45分間の添加中にわたって、その温度を10℃〜15℃の範囲内で維持した。添加後、得られたスラリーを周辺温度で2時間撹拌した。次いで、ヘキサン(400mL)を加え、さらに20分間、撹拌を続けた。そのスラリーを濾過し、ケークを1/1ヘキサン/THFで洗浄し、真空オーブンにおいて60℃で一晩乾燥させることにより、I−1Cを得た。
1H−NMR(CD
3OD)は、所望の構造と一致した。
ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(I−1E):
【0079】
3,3−ジエトキシ−2−ホルミルプロピオニトリルカリウム塩(I−1C,5.10g,24.36mmol)の撹拌懸濁液を、0℃に冷却し、濃HCl(7.11mL,85.26mmol)を、反応物の内部温度が20℃より高くならないような速度で滴下添加した。滴下添加が完了した後、反応物を室温で20分間撹拌した。この反応混合物に、メタノール(4.0mL)中の1−アミノピロール(I−1D,1.00g,12.18mmol)の溶液を加えた。添加後、その反応混合物を90℃で2時間還流した。加熱が完了したら、反応物を室温に冷却し、元の体積の約半分まで濃縮した。得られた残渣に炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を、発泡が止むまで慎重に加えた。その溶液を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、I−1Eを得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.16 - 8.03 (m, 2H), 7.93 (ddd, J= 2.6, 1.4, 0.6 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 4.5, 2.7 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 4.6, 1.4Hz, 1H).
7−ブロモピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(I−1F):
【0080】
室温のMeCN(30mL)中のピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(I−1E,840.0mg,5.9mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミドを一度に加えた。その反応物を室温で30分間撹拌し、次いで、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液に注ぎ込んだ。その溶液を真空中で濃縮して、アセトニトリルを除去した。得られた水層をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、I−1Fを得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.28 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.10 (d,J = 2.1 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 4.8 Hz, 1H).
7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(I−1):
【0081】
マイクロ波用バイアルに、7−ブロモピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(I−1F,416.5mg,1.9mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(762.1mg,3.0mmol)、酢酸カリウム(552.3mg,5.6mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(65.8mg,0.094mmol)を投入した。ジオキサン(8.0mL)およびDMF(4.0mL)を加え、アルゴンを2分間バブリングして、反応混合物を脱気した。バイアルを密封し、その反応物をマイクロ波反応器において60分間、120℃で加熱した。冷却後、その反応混合物を濾過し、真空中で濃縮した。得られた残渣をEtOAcと水とに分配した。水層を第2の部分のEtOAcで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、セライトのプラグで濾過し、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、I−1を得た。
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 8.31 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.14 (d,J = 2.2 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 1.41 (s,12H).
中間体I−2の調製:
【化7】
【0082】
6−ブロモ−4−クロロニコチン酸。メタノール(240mL)中のメチル6−ブロモ−4−クロロニコチネート(15g,59.89mmol)の溶液に、水酸化リチウム(2.93g,119.77mmol)を含む水(68mL)を加えた。その溶液を一晩43℃に加熱し、続いて、室温に冷却した。塩酸水溶液(1M,120mL)を加え、揮発性物質を真空中で除去した。得られたスラリーを濾過し、H
2Oで洗浄することにより、6−ブロモ−4−クロロニコチン酸を得た。
ES/MS: 238.0 (M+H
+).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.75 (s, 1H), 8.03 (s, 1H).
【0083】
(R)−6−ブロモ−4−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド。DMF(42mL)中の6−ブロモ−4−クロロニコチン酸(3g,12.69mmol)の溶液に、HATU(6.27g,16.49mmol)、(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール塩酸塩(2.4g,15.23mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(5.62ml,32.26mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、続いて、酢酸エチルで希釈した。有機溶液を塩化リチウム飽和水溶液で洗浄し(3回)、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、次いで、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、(R)−6−ブロモ−4−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミドを得た。
ES/MS: 341.1 (M+H
+).
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.88 (t, J = 5.5 Hz,1H), 8.41 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 4.82 (s, 1H), 4.28 (ddd, J = 49.3, 9.4,2.0 Hz, 1H), 3.84 - 3.63 (m, 1H), 3.40 - 3.22 (m, 1H), 1.13 (d, J = 7.0Hz, 6H).
【0084】
(R)−4−クロロ−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(I−5)。DME(3.9mL)中の(R)−6−ブロモ−4−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(0.2g,0.59mmol)の溶液に、7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(0.24g,0.9mmol)、XPhos Pd G3(0.05g,0.06mmol)およびリン酸三カリウム水溶液(2M、0.59mL,1.18mmol)を加えた。得られた溶液をアルゴンで脱気し、マイクロ波反応器において12分間、120℃に加熱した。粗反応混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離剤:EtOAc/ヘキサン)によって精製することにより、(R)−4−クロロ−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミドを得た。
ES/MS: 402.2 (M+H
+).
3.実施例手順および化合物例
手順1:実施例1:
(R)−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(メチルアミノ)ニコチンアミド
【化8】
【0085】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸メチル:アセトニトリル(10mL)および水(0.3mL)中の4,6−ジクロロニコチン酸メチル(0.5g、2.43mmol)およびメチルアミン塩酸塩(0.82g、12.16mmol)の溶液に、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ−7−エン(1.8ml、12.04mmol)を加えた。得られた溶液を、室温で3時間撹拌した。この溶液を真空中で濃縮乾固し、酢酸エチルで希釈した。得られた溶液を水および塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質を順相SiO
2クロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物を得た。
ES/MS:201.180(M+H
+)。
【0086】
6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸:MeOH(10mL)、THF(5mL)および水(5mL)中の6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸メチル(0.38g、1.92mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.12g、5.01mmol)を加えた。この溶液を室温で18時間撹拌し、HCl(1N、5mL)で中和し、真空中で濃縮し、乾燥させた。得られた粗製物質をその後の工程に使用した。
ES/MS:187.070(M+H
+)。
【0087】
(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(メチルアミノ)ニコチンアミド:DMF(10mL)中の6−クロロ−4−(メチルアミノ)ニコチン酸(0.36g、1.92mmol)および(R)−4−アミノ−3−フルオロ−2−メチルブタン−2−オール(0.31g、2.56mmol)の溶液に、HATU(0.97g、2.55mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.5ml、8.61mmol)を加えた。得られた溶液を、室温で1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈した。この溶液を5%塩化リチウム水溶液(3×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質を順相SiO
2クロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物を得た。
ES/MS:290.472(M+H
+)。
【0088】
(R)−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(メチルアミノ)ニコチンアミド:DME(1mL)中の(R)−6−クロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−4−(メチルアミノ)ニコチンアミド(30mg、0.10mmol)、7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(39mg、0.15mmol)およびXphos Pd G3(9mg、0.011mmol)の溶液に、リン酸カリウム水溶液(2M、0.10mL、0.20mmol)を加えた。得られた溶液を2分間、アルゴンで脱気し、マイクロ波条件下、120℃で20分間加熱した。この反応混合物を濾過し、得られた固体をDMFで洗浄した。次いで、濾液を真空中で濃縮し、粗製物質をRP−HPLC(溶離剤:水/MeCN
*0.1%TFA)によって精製することにより、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
ES/MS:397.283(M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.75 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.66 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.51(s, 1H), 8.02 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.21 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.42(ddd, J = 49.0, 9.3, 2.1 Hz, 1H), 3.93 (ddd, J = 36.4, 14.5, 2.2 Hz, 1H), 3.48(ddd, J = 16.2, 14.5, 9.4 Hz, 1H), 3.19 (s, 3H), 1.28 (d, J = 1.7 Hz, 6H).
手順2:実施例2:
(R)−4−((シアノメチル)アミノ)−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド
【化9】
【0089】
(R)−6−クロロ−4−((シアノメチル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド:DMA(1mL)中の(R)−4,6−ジクロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(100mg、0.34mmol)およびアミノアセトニトリル塩酸塩(47.03mg、0.51mmol)のスラリーに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.12mmol)を加えた。次いで、得られた溶液をマイクロ波条件下、150℃で30分間加熱した。追加のアミノアセトニトリル塩酸塩(47.03mg、0.51mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.2mL、1.12mmol)を加え、この反応物を熱条件下、130℃で16時間加熱した。この溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られたスラリーを濾過し、固体をEtOAcで洗浄した。得られた濾液を合わせ、塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた物質を順相SiO
2クロマトグラフィー(溶離剤:酢酸エチル/ヘキサン)によって精製することにより、所望の生成物を得た。
ES/MS:315.159(M+H
+)。
【0090】
(R)−4−((シアノメチル)アミノ)−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド:DME(2mL)中の(R)−6−クロロ−4−((シアノメチル)アミノ)−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(53mg、0.17mmol)、7−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピロロ[1,2−b]ピリダジン−3−カルボニトリル(68mg、0.25mmol)およびXphos Pd G3(16mg、0.019mmol)の溶液に、リン酸カリウム水溶液(2M、0.17mL、0.34mmol)を加えた。得られた溶液を2分間、アルゴンで脱気し、マイクロ波条件下、120℃で20分間加熱した。この反応混合物を濾過し、得られた固体をDMFおよびMeOHで洗浄した。次いで、濾液を真空中で濃縮し、粗製物質をRP−HPLC(溶離剤:水/MeCN
*0.1%TFA)によって精製することにより、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。この物質を順相SiO
2クロマトグラフィー(溶離剤:メタノール/ジクロロメタン)によってさらに精製し、アセトニトリルおよび水(0.1%トリフルオロ酢酸)から凍結乾燥することにより、所望の生成物を得た。
ES/MS:422.250(M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, Methanol-d4) δ 8.79 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.70 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 8.10(d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.25 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 4.73 (s, 2H), 4.46(ddd, J = 49.1, 9.4, 2.2 Hz, 1H), 3.98 (ddd, J = 36.6, 14.5, 2.2 Hz, 1H), 3.60- 3.41 (m, 1H), 1.31 (d, J = 1.7 Hz, 6H).
手順3:実施例3:
4−(((R)−1−シアノエチル)アミノ)−6−(3−シアノピロロ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド
【化10】
【0091】
4−(((R)−1−アミノ−1−オキソプロパン−2−イル)アミノ)−6−クロロ−N−((R)−2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド:DMA(3mL)中の(R)−4,6−ジクロロ−N−(2−フルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)ニコチンアミド(200mg、0.68mmol)および(R)−2−アミノプロパンアミド塩酸塩(172mg、1.38mmol)のスラリーに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.6mL、3.37mmol)を加えた。次いで、得られた溶液をマイクロ波条件下、150℃で60分間加熱した。得られた物質をRP−HPLC(溶離剤:水/MeCN
*0.1%TFA)によって精製することにより、生成物をトリフルオロ酢酸塩として得た。
ES/MS:347.521(M+H
+)。
【表1】
【表2-1】
【表2-2】
【0092】
生物学的アッセイ
生物学的アッセイは、TNFαおよびIRAK4に対する活性を測定するために行った。表3に要約されるように、試験化合物は、IRAK4の阻害剤である。
IRAK4単球TNFα細胞ベースアッセイの手順:
【0093】
凍結保存ヒト単球(Stem Cell Technologies)を解凍し、10%FBSを含みGlutaMAX
TM(Gibco(登録商標)200mM L−アラニル−L−グルタミン)を補充したRPMI培地(10mM HEPES、1X Pen−Strep、55μM β−メルカプトエタノール、1mMピルビン酸ナトリウム)中で0.125×10
6細胞/mlに希釈し、37℃で2時間回復させた。次いで、その細胞懸濁液を、5,000細胞/ウェルの密度で黒色384ウェルGreiner透明ボトムプレートにプレーティングした。プレートには、予め試験化合物をスポットしておき、DMSOで段階希釈した。DMSOの最終濃度が0.1%となるように、Echo 550音響液体ディスペンサー(acoustic liquid dispenser)(Labcyte(登録商標))を用いて40nL/ウェルを送達した。プレーティングした細胞を37℃において1時間、化合物で処置した。次いで、無刺激細胞コントロールのウェルに使用されたプレートの外側の列を除いて、細胞を50pg/mlのLPS(Sigma)で刺激した。細胞を、37℃でさらに4時間インキュベートした。次いで、細胞を培地から遠心し、5μlのサンプルを採取し、TR−FRETヒトTNFα検出システム(CisBio)を用いてTNFα総含有量について解析した。このシステムでは、TNFα分子の2つの異なるエピトープに結合し、サンプル中のTNFα濃度に比例するFRETシグナルを生成する、2種の標識抗体(クリプテートおよびXL665)を使用する。検出抗体を50:50混合し、5μLを各ウェルに分注した。プレートを透明のシールで覆い、室温で一晩インキュベートした。翌朝、340nm/615nm/665nmにおけるそれぞれ励起/発光/FRET発光を用いるEnvision2103 Multilabeledリーダー(PerkinElmer)を使用して、プレートを読み出した。615nmおよび665nm発光波長における蛍光強度を、比(665nm/615nm)として表現した。コントロールに対するパーセントを以下のとおり計算した:
%コントロール=100×(比
サンプル−比
0%刺激)/(比
100%刺激−比
0%刺激)
ここで、刺激されなかった細胞(0%刺激)が、ネガティブコントロールであり、刺激された細胞(100%刺激)をポジティブコントロールとして使用した。
IRAK4生化学的アッセイの手順:
【0094】
IRAK4酵素(Carna Biosciences,Chuo−ku,Kobe,Japan)の活性を、リン酸化されたペプチド基質に対する抗体を用いて、そのリン酸化されたペプチド基質の形成を検出することによって測定した。これは、STK1 KinEASE Assay(Cisbio,Bedford,Massachusetts)に基づく時間分解蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)イムノアッセイである。このアッセイは、ProxiPlate−384 Plusプレート(Perkin Elmer,Waltham,Massachusetts)において行われる、単純な2工程のエンドポイントアッセイ(5μlの酵素反応溶液に続き、5μlの停止・検出溶液)としてデザインされた。非選択的キナーゼ阻害剤であるスタウロスポリンをポジティブコントロールとして使用した。DMSOに希釈された化合物を、Labcyte(登録商標)Echo 550 Liquid Handling Systemを用いて384ウェルプレートにスポットした後、IRAK4酵素およびペプチド基質を加えた。Multi−Flo(Bio−Tek Instruments)を用いて、反応溶液を送達した。その酵素およびペプチド溶液を、化合物とともに室温で15分間インキュベートした後、ATPを加えることによって、反応を惹起した。標準的な5μlの反応混合物は、反応緩衝液(50mM HEPES,pH7.0、0.02%NaN
3、0.01%BSA、0.1mMオルトバナジン酸塩、5mM MgCl
2、0.025%NP−40、1mM DTT)中に500□M ATP、2□Mペプチド(STK1ペプチド)、0.75nMのIRAK4を含んだ。室温で120分間インキュベーションした後、5□lの停止・検出溶液(十分なEDTAを含む50mM HEPES pH7.0検出緩衝液中の、1:100クリプテート標識抗リン酸化ペプチド抗体溶液および125nMトレーサー)を加えた。次いで、そのプレートをさらに室温で60分間インキュベートし、340nm/615nm/665nmにおけるそれぞれ励起/発光/FRET発光を用いるEnvision 2103 Multilabeledリーダー(PerkinElmer)において読み出した。615nmおよび665nm発光波長における蛍光強度を比(665nm/615nm)として表現した。阻害のパーセンテージを下記のとおり計算した:
%阻害=100×(比
サンプル−比
0%阻害)/(比
100%阻害−比
0%阻害)
【0095】
0%阻害値は、阻害剤を欠くコントロールのウェルに由来する。100%阻害値は、飽和量の公知の阻害剤スタウロスポリンを含むコントロールのウェルに由来する。
肝安定性:
【0096】
凍結保存肝細胞における代謝安定性:完全HT培地は、InVitroGRO
TM HT培地45mLに1mLのTorpedo Antibiotic Mixを添加することによって調製した。補給したKHB培地は、アミカシン(84μg/mL)、塩化カルシウム(1mM)、ゲンタマイシン(84μg/mL)、HEPES(20mM)、ヘプタン酸(4.2μM)および炭酸水素ナトリウム(28.5mM)を含む、KrebsHenseleit緩衝液からなり、pHは、1M NaOHまたは1M HClを使用して、37℃で7.4に調整した。ヒト凍結保存肝細胞は、10名の成人ドナー(Celsis、ロット:HBZ)からプールした。
【0097】
冷凍保存肝細胞を含有するバイアルを、液体窒素から取り出し、37℃の水浴に直ちに浸けた。その内容物が解凍されるまで、バイアルをやさしく振とうし、次いで、50mLのコニカル管中、予め加温した完全HT培地48mLに直ちに移した。このバイアル中に残留している細胞を1.0mLの事前に加温した完全HT培地で再度懸濁させて、コニカル管に加えた。管に栓をして、次いで、やさしく数回反転させて、肝細胞を再度懸濁させた。この細胞懸濁液を50×gで室温で5分間、遠心分離にかけて、上清を廃棄した。遠心管をやさしく渦を巻くように回転させることによって、細胞ペレットをばらばらにして、補給したKHB培地を加えて、目標密度2x10
6細胞/mLを得た。血球計算盤を使用し、トリパンブルー色素排除により、全細胞数および生存細胞の割合を求めた。
【0098】
インキュベートについては、24ウェルプレートで、二連のウェルで、補給済みKHB中で、一定分量の肝細胞懸濁液(250μLは、500,000の細胞を含有する)を250μLの2μM試験化合物または代謝安定性の対照に加えた。インキュベートの最終濃度は、1×10
6細胞/mLおよび1μMの試験化合物であった。肝細胞により効率的に代謝されることが知られている化合物である7−ヒドロキシクマリンおよびテストステロンを、並行して行うインキュベートにおいて陽性対照として使用した(各化合物は2μMの最終濃度)。インキュベートは、95%空気/5%CO
2(v/v)の加湿雰囲気下、37℃で穏やかに振とうすることにより行った。一定分量(50μL)を、0、1、3および6時間後に取り出し、100μLのIS/Qクエンチ用溶液に加えた。終了後、150μLの水を加え、プレートを3000×gで10分間、遠心分離にかけて、上清の一定分量を、以下に記載されているLeap Technologies HTC PALオートサンプラーを備えるAgilent 1200 Series HPLCシステムに接続したMicromass Quattro Premier質量分析計で分析した。
【0099】
液体クロマトグラフィー−質量分析法:試験化合物の定量および代謝安定性の対照は、Leap Technologies HTC PALオートサンプラーを備えたAgilent 1200 Series HPLCシステムに接続したMicromass Quattro Premier XLタンデム型トリプル四重極質量分析計で測定した分析対象/内部標準のピーク面積比(PAR)により行った。使用したカラムは、Phenomenex(登録商標)MercuryMS
TM、Synergi Max−RP(100Å細孔サイズ、2.5μmの粒子サイズ、20×2.0mm)であった。移動相Aは、99%水/1%アセトニトリル(v/v)中の0.2%(v/v)ギ酸からなった。移動相Bは、5%水/95%アセトニトリル(v/v)中の0.2%(v/v)ギ酸からなった。溶出は、以下の一組の直線グラジエントにより行った:初期条件はB0%、30秒間の保持、次いで、90秒間かけてB100%まで増加、次いで、1秒間かけて初期条件に戻す。このシステムにより、注入と注入との間に最小で60秒間の再平衡が可能であった。試料注入量は、10μLとした。
LTP血漿中タンパク質の結合:
【0100】
10mMの最終濃度を有するジメチルスルホキシド(DMSO)中の試験化合物の保存溶液を調製し、すべての実験に使用した。
【0101】
市販の化学物質は、Sigma−Aldrich(St.Louis、MO)およびVWR(West Chester、PA)から得た。細胞培養培地(CCM)は、10%(v/v)のウシ胎児血清を含むGibcoダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)とした。
【0102】
平衡透析アッセイ:プールした血漿(少なくとも3つの雄および3つの雌)は、ヒト、ビーグル犬、Sprague−Dawleyラット、カニクイザルおよびアカゲザルに由来した。ナトリウムEDTAは、抗血液凝固剤として使用した。
【0103】
競争的な平衡透析は、ヒト血漿を使用し、10%のFBSを含有するCCMに対して、37℃で行い、マトリックスの両側を、2μMの最終濃度の試料でスパイクした。検討前に、透析膜を0.133Mのリン酸緩衝液、pH7.4に約1時間、浸漬した。スパイクした血漿(1mL)およびCCM(1mL)を組み立てた透析用セルの反対側に置いた。回復の評価については、37℃の水浴中、24時間の平衡期間の後に、血漿試料を、1mLのCCM(化合物を含まない)を含有する予め秤量したポリプロピレン製管に流し入れ、CCM試料は、関連するブランク血漿1mLを含有する事前に秤量した管に流し入れた。透析後血漿およびCCMの重量を測定し、計算のために記録した。
液体クロマトグラフィー−質量分析法:
【0104】
試験化合物の定量は、Leap Technologies HTS PALオートサンプラーを備えたAgilent 1260 Series HPLCシステムに接続したQ−Exactive質量分析計で測定した分析対象/内部標準のピーク面積比(PAR)により行った。移動相Aは、99%水/1%アセトニトリル(v/v)中の0.2%(v/v)ギ酸からなった。移動相Bは、5%水/95%アセトニトリル(v/v)中の0.2%(v/v)ギ酸からなった。試料注入量は、10μLとした。
pK
aの決定:
【0105】
試料調製:10mMの最終濃度を有するジメチルスルホキシド(DMSO)中の試験化合物の保存溶液を調製し、すべての実験に使用した。DMSO保存溶液を解凍し、回転させて、40℃の水浴中で音波処理し、溶解を促進させた。
【0106】
pK
a分析:10mMのDMSO保存溶液を、100μmの最終化合物濃度および1%DMSOとなるよう10mM HClで100倍に希釈した。次いで、この化合物を水溶液法による分析のため、96ウェルPCRプレートの24連続ウェルに移送した。水溶液法で高品質データをもたらさなかった化合物については、10mMのDMSO保存溶液を2mM HClおよびメタノールで100倍に希釈し、メタノールの最終濃度が60%、化合物濃度が100μm、およびDMSO濃度が1%となるようにした。共溶媒法を使用する分析のため、この化合物を96ウェルプレートの24連続ウェルに移送した。
【0107】
分析:データはすべて、pKa PRO分析器(AATI、Ames、IA)を使用して得た。水溶液法の場合、電気泳動による分離を24種の様々なpHの値にわたり並行して行い、pHに対する全化合物の電荷の直接的尺度を得た。化合物は、228nmにおいてUVにより検出する。緩衝液の点間の平均pH間隔は0.4pHの単位であり、1.7〜11.2という典型的なpH範囲に及ぶ。
【0108】
共溶媒法は、水溶解度が低い(通常、予測される固有の溶解度が<10μg/mlである)化合物の分析に好適である。緩衝液の点間の平均pH間隔は0.4pHの単位であり、1.7〜11.2というpH範囲に及ぶ。各化合物に関して、連続する4つのCEの実施を60%の共溶媒緩衝液で開始し30%の共溶媒緩衝液まで低下させて行う。
【0109】
ノルフロキサシンを、毎日の性能指標用標準品として使用する。
【0110】
結果の算出:pKa値の全数を、pKa Estimator(登録商標)ソフトウェア(AATI、Ames、IA)を使用して、移動度と化合物の分子量とを関連付けることによって予測する。
Charles River−Clevelandにおける、自動化hERGアッセイ(以前のチャンテスト)
【0111】
FASTPatch(登録商標)アッセイ(Charles River)を使用して、KCNH2遺伝子によりコードされ、HEK293T細胞において安定的に発現されるクローニングしたhERGカリウムチャネルに及ぼす様々な化合物のin vitroでの効果を試験した。ビヒクル、試験品および対照品の製剤を、HB−PS(HEPES緩衝生理食塩水溶液)中にDMSO保存溶液を希釈することによって調製し、QPatchロボットピペットシステムにより細胞に送り込んで、0.3%DMSOの最終濃度にした。溶液交換によって区切った少なくとも3分間の間隔で、昇順で、0.3、1、3、10および30μMの最終濃度の試験化合物を細胞に適用した(n≧3、n=細胞数/濃度)。陽性対照である、50nMのシスパリド(Cisparide)を同じ方法で適用した。細胞膜電流は、QPatch HT(登録商標)またはQPatch HTX(登録商標)システムにおいて最大で48の並行なパッチクランプ増幅器を用いて室温で記録し、検証済みのホールセル記録値を有する細胞(シール抵抗≧200MΩ、およびリーク電流≦25%チャネル電流)のみを使用した。hERG電流の発生および遮断は、−40mVまでの500msのプレパルス、+40mVまでの2秒の活性化パルス、次いで、−40mVまでの2秒の試験パルスからなる、刺激電圧パターンを使用して測定した。パルスパターンは、−80mVの保持電位から10秒間の間隔で連続的に繰り返した。試験化合物の溶解度に関するTurboSol分析は、635nmのレーザー源からの光散乱を測定するNephelostarリーダーを使用して試験した各濃度に対して行った。検証実験に基づいて、バックグランドレベルの4倍を超える光散乱を、懸濁液中に粒子が存在する指標と見なした。
【0112】
以下の表3に、in vitroアッセイからの結果が表される。
【表3】