特表2021-530605(P2021-530605A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-530605アントラキノン系誘導体及び着色剤としてのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-530605(P2021-530605A)
(43)【公表日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】アントラキノン系誘導体及び着色剤としてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C09B 1/28 20060101AFI20211015BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20211015BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20211015BHJP
   C09B 1/503 20060101ALI20211015BHJP
   C09B 1/514 20060101ALI20211015BHJP
   C09B 1/32 20060101ALI20211015BHJP
【FI】
   C09B1/28
   A61K8/41
   A61Q1/02
   C09B1/503CSP
   C09B1/514
   C09B1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2021-503037(P2021-503037)
(86)(22)【出願日】2019年7月16日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月14日
(86)【国際出願番号】EP2019069152
(87)【国際公開番号】WO2020016245
(87)【国際公開日】20200123
(31)【優先権主張番号】18305972.4
(32)【優先日】2018年7月17日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521021100
【氏名又は名称】ピリ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・コテ
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ボワッソナ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC551
4C083CC01
4C083CC11
4C083FF01
(57)【要約】
本発明は、式(I-0)の化合物又はその塩に関する。本発明は、着色剤としてのこうした化合物の使用に更に関する。本発明は、こうした化合物を含む着色組成物にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I-0)を有する化合物又はその塩:
【化1】
[式中:
R1、R4、R5、R6及びR8'は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【化2】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【化3】
(式中:
- Xは、O、S及びSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C12)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -NO2
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5、R6及びR8'の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【請求項2】
前記化合物が以下の式(I)を有する、請求項1に記載の化合物:
【化4】
[式中:
R1、R4、R5及びR6は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【化5】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【化6】
(式中:
- Xは、O、S及びSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C12)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5及びR6の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【請求項3】
R1が、式(II)の基
[式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル又はフェニル(ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す]
を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R1が、式(II')の基
[式中:
- Xは、Oであり、
- Ra'は、水素原子及び-SO2-R8からなる群から選択される基を表し、ここで、R8は、(C1〜C6)アルキルによって置換されているフェニルである]
を表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
R4が、式(II)の基
[式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル基又はフェニル基(ハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H及びトリ(C1-C6アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す]
を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R5及びR6が、独立して、水素原子又は-NH2、好ましくは水素原子を表す、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R2が、(C1〜C6)アルキル、好ましくは(C1〜C2)アルキル、より好ましくはメチルである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R3が、水素原子又は-C(O)OR13(R13は水素原子又は(C1〜C6)アルキルである)であり、好ましくは水素原子である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、-OH、-O-SO2-Tol、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R4が、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R5及びR6が、独立して、水素原子又は-NH2、好ましくは水素原子を表し、
R3が、水素原子又は-COOH、好ましくは水素原子を表し、
R2が、メチルである、
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
- 3-アミノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 3-アニリノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- (6-アニリノ-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)-4-メチルベンゼンスルホネート、
- 3,8-ジアニリノ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- N-(3-((6-(3-アセトアミドアニリノ)-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)アミノ)フェニル)アセトアミド、
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸;
- 3,8-ビス(ブチルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸;
- 1-アミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン;
- 1,8-ジアミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン;
- 4,5-ジアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸;及び
- 4,5,7-トリアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項11】
着色剤としての、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を0.01重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%含む着色組成物。
【請求項13】
織物又は皮革を着色するための染料である、請求項12に記載の着色組成物。
【請求項14】
溶媒、好ましくは水、並びに任意選択により(i)織物若しくは皮膚の着色を容易にする1種若しくは複数の添加剤、好ましくは、消泡剤、抗しわ剤、湿潤剤、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、無機塩、還元剤、酸化剤、染色中にポリエステル繊維が膨張することを引き起こすとともにしたがって着色料が浸透することを可能にする担体、及び抗酸化剤からなる群から選択される添加剤;並びに/又は(ii)1種又は複数の追加の着色剤を更に含む、請求項12又は13に記載の着色組成物。
【請求項15】
インクである、又はプラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物若しくは医薬組成物を着色するための着色組成物である、請求項12から14のいずれか一項に記載の着色組成物。
【請求項16】
請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物を含む有機電界発光素子又は太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色剤の分野に関する。とりわけ、本発明は、アントラキノン誘導体及び着色剤としてのそれらの使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
着色剤は、食品、織物製品又は化粧品等、日常生活の多くの製品に見出すことができる。これまでに、いくつかのファミリー、特にアゾ化合物、ポリメチン及びアントラキノンが開発されてきた。
【0003】
アントラキノンは、以下の式(A)の骨格を有する芳香族多環式炭化水素である:
【0004】
【化1】
【0005】
アントラキノンは、アゾ化合物ファミリーに次いで最も普及している着色剤ファミリーを代表する。式(A)の骨格上の様々な置換に基づき、広範囲の化合物が調製されており、それによって、広く多様な色を提供する。例えば、式(B)のアントラキノン誘導体は、水中のバイオレット分散液を提供し、式(C)の誘導体は、緑色を提供する。アントラキノンの置換基は、ほとんど窒素及び酸素ベースの基であり、1位及び4位に挿入されている。
【0006】
【化2】
【0007】
このように、着色剤としての多くのアントラキノン誘導体が、近年にかけて広く多様な分野において開発され適用されている。しかしながら、こうしたアントラキノン誘導体は、高い毒性等の一部の欠点を呈し、不十分な着色力を有することがある。
【0008】
そのため、効果的な着色剤としてのさらなるアントラキノン誘導体を開発することがいまだ必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この文脈において、本発明者らは、着色組成物における適用に適した新規アントラキノン誘導体を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、したがって、以下の式(I-0)を有する化合物又はその塩を提供する:
【0011】
【化3】
【0012】
[式中、
R1、R4、R5、R6及びR8'は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【0013】
【化4】
【0014】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【0015】
【化5】
【0016】
(式中:
- Xは、O、S及びSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C12)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -NO2
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5、R6及びR8'の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【0017】
好ましい実施形態において、上記で定義されている通りの式(I-0)の化合物は、以下の式(I)を有する:
【0018】
【化6】
【0019】
[式中:
R1、R4、R5及びR6は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【0020】
【化7】
【0021】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【0022】
【化8】
【0023】
(式中:
- Xは、O、S及びSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5及びR6の少なくとも2つは水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【0024】
特別な実施形態において、R1は、式(II)の基を表し、
式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル又はフェニル(ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7が(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す。
【0025】
更に特別な実施形態において、R1は、式(II')の基を表し、
式中:
- Xは、Oであり、
- Ra'は、水素原子及び-SO2-R8からなる群から選択される基を表し、ここで、R8は、(C1〜C6)アルキルによって置換されているフェニルである。
【0026】
特別な実施形態において、R4は、式(II)の基を表し、
式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル基又はフェニル基(ハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H及びトリ(C1-C6アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す。
【0027】
特別な実施形態において、R5及びR6は、独立して、水素原子又は-NH2、好ましくは水素原子を表す。
【0028】
特別な実施形態において、R2は、(C1〜C6)アルキル、好ましくは(C1〜C2)アルキル、より好ましくはメチルである。
【0029】
特別な実施形態において、R3は、水素原子又は-C(O)OR13(R13は水素原子若しくは(C1〜C6)アルキルである)であり、好ましくは水素原子である。
【0030】
好ましい実施形態において、本発明による化合物は、式(I)によって表され、
式中:
R1は、-OH、-O-SO2-Tol、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R4は、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R5及びR6は、独立して、水素原子又は-NH2、好ましくは水素原子を表し、
R3は、水素原子又は-COOH、好ましくは水素原子を表し、
R2は、メチルである。
【0031】
より好ましい実施形態において、化合物は、以下からなる群から選択される:
- 3-アミノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 3-アニリノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- (6-アニリノ-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)-4-メチルベンゼンスルホネート、
- 3,8-ジアニリノ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- N-(3-((6-(3-アセトアミドアニリノ)-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)アミノ)フェニル)アセトアミド、
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸;
- 3,8-ビス(ブチルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸;
- 1-アミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン;
- 1,8-ジアミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン;
- 4,5-ジアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸;及び
- 4,5,7-トリアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸。
【0032】
本発明のさらなる目的は、着色剤としての、本明細書において定義されている通りの化合物の使用である。
【0033】
本発明の別の目的は、本明細書において定義されている通りの化合物を、組成物の総重量に対して0.01重量%から20重量%、好ましくは0.1重量%から10重量%含む着色組成物に関する。
【0034】
特別な実施形態において、前記着色組成物は、織物又は皮革を着色するための染料である。
【0035】
更に特別な実施形態において、前記着色組成物は、溶媒、好ましくは水、及び任意選択により(i)織物又は皮膚の着色を容易にする1種又は複数の添加剤、好ましくは、消泡剤、抗しわ剤、湿潤剤、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、無機塩、還元剤、酸化剤、染色中にポリエステル繊維が膨張することを引き起こすとともにしたがって着色料が浸透することを可能にする担体、及び抗酸化剤からなる群から選択される添加剤;並びに/又は(ii)1種又は複数の追加の着色剤を含む。
【0036】
更に特別な実施形態において、前記着色組成物は、インクである、又はプラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物若しくは医薬組成物着色するための着色組成物である。
【0037】
本発明の別の目的は、本出願に定義されている通りの化合物を含む有機電界発光素子又は太陽電池である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】0.0025mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.025mg/mL、0.033mg/mL、0.05mg/mL及び0.1mg/mLで記録された、化合物5(アロエサポナリン)のUV-可視スペクトル。
図2】0.0025mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.025mg/mL及び0.05mg/mLで記録された、化合物6(8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン)のUV-可視スペクトル。
図3】0.001mg/mL、0.025mg/mL、0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.125mg/mL、0.25mg/mL、0.3mg/mL、0.5mg/mLで記録された、化合物8のUV-可視スペクトル。
図4】0.025mg/mL、0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mL及び1mg/mLで記録された、化合物9のUV-可視スペクトル。
図5】0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mL及び1mg/mLで記録された、化合物10のUV-可視スペクトル。
図6】0.025mg/mL、0.05mg/mL、0.1mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mLで記録された、化合物11のUV-可視スペクトル。
図7】0.0625mg/mL、0.125mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mL、1mg/mL及び2mg/mLで記録された、化合物12のUV-可視スペクトル。
図8】0.0025mg/mL、0.005mg/mL、0.01mg/mL、0.025mg/mL、0.033mg/mL及び0.04mg/mLで記録された、化合物14のUV-可視スペクトル。
図9】0.0125mg/mL、0.025mg/mL、0.05mg/mL及び0.1mg/mLで記録された、化合物18bのUV-可視スペクトル。
図10】0.025mg/mL、0.1mg/mL、0.25mg/mL及び0.5mg/mLで記録された、化合物19bのUV-可視スペクトル。
【発明を実施するための形態】
【0039】
定義
本発明によると、下記の用語は、以下の意味を有する:
【0040】
例えばC1〜C6、C1〜C12又はC2〜C12等の接頭辞が付いた、本明細書に記載の用語は、C1〜C2、C1〜C9又はC2〜C5等、より少ない炭素原子数で使用することもできる。例えば、C1〜C6という用語が使用されているならば、それは、対応する炭化水素鎖が、1個から6個の炭素原子、殊に1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を含むことができることを意味する。例えば、C2〜C5という用語が使用されているならば、それは、対応する炭化水素鎖が、2個から5個の炭素原子、殊に2個、3個、4個又は5個の炭素原子を含むことができることを意味する。
【0041】
「アルキル」という用語は、飽和、線状又は分岐の脂肪族基を指す。「(C1〜C6)アルキル」という用語は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシルを意味する。「(C1〜C12)アルキル」という用語は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシルを意味する。特別な実施形態において、「アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はtert-ブチル、より好ましくはメチルである。「(C1〜C20)アルキル」という用語は、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、又は8個から20個の炭素原子を有する任意のアルキル脂肪鎖、例えばラウリル鎖、ミリスチル鎖、セチル鎖、ヘプタデシル鎖、ステアリル鎖若しくはアラキジル鎖を意味する。
【0042】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む不飽和、線状又は分岐の脂肪族基を指す。「(C2〜C12)アルケニル」という用語は、より具体的には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル又はドデセニルを意味する。「(C2〜C20)アルケニル」という用語は、より具体的には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、又は8個から20個の炭素原子を有する任意のアルケニル脂肪若しくはテルペン鎖、例えばオレイル、ゲラニル若しくはパルミトレイルを意味する。
【0043】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む不飽和、線状又は分岐の脂肪族基を指す。「(C2〜C12)アルキニル」という用語は、より具体的には、エチニル、プロパルギル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル又はドデシニルを意味する。「(C2〜C20)アルキニル」という用語は、より具体的には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、又は8個から20個の炭素原子を有する任意のアルキニル脂肪鎖、例えばオクタデシニル鎖を意味する。
【0044】
「シクロアルキル」という用語は、3個から14個の間の炭素原子を含む飽和又は不飽和の単環式、二環式又は三環式のアルキル基に対応する。それは、縮合、架橋又はスピロ接続シクロアルキル基も含む。「シクロアルキル」という用語は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。「シクロアルキル」という用語は、5〜10員架橋カルボシクリル、例えばビシクロ[2,2,1]ヘプタニル、ビシクロ[2,2,2]オクタニル又はアダマンチル、好ましくはビシクロ[2,2,1]ヘプタニルを指すこともできる。好ましい実施形態において、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0045】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子等の少なくとも1個のヘテロ原子を更に含む、上記で定義されている通りの飽和又は不飽和のシクロアルキル基に対応する。それは、縮合、架橋又はスピロ接続ヘテロシクロアルキル基も含む。代表的なヘテロシクロアルキル基としては、以下に限定されないが、3-ジオキソラン、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリニル、ピラニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、1,4-ジオキサニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、ピロリジニル、オキソゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロチオフェ二ルが挙げられる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、7-オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタニル等の5〜10員架橋ヘテロシクリルを指すこともできる。特別な実施形態において、それは、例えばアゼチジニル又はピペリジニルとスピロ接続されているオキセタニル等のスピロ接続ヘテロシクロアルキル基又はスピロヘテロシクロアルキル基を指すこともできる。
【0046】
「アリール」という用語は、6個から14個の炭素原子を有する単環式又は二環式の芳香族炭化水素に対応する。例えば、「アリール」という用語は、フェニル、ビフェニル又はナフチルを含む。好ましい実施形態において、アリールはフェニルである。
【0047】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、5個から14個の間の原子を含むとともに窒素、酸素又は硫黄原子等の少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族の単又は多環式基に対応する。こうした単及び多環式ヘテロアリール基の例は、以下であり得る:ピリジニル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、トリアジニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イサチニル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、s-トリアジニル、オキサゾリル又はチオフラニル。
【0048】
「アラルキル」という用語は、上記で定義されている通りの1個のアリール基によって置換されている、上記で定義されている通りのアルキル基に対応する。好ましい実施形態において、アラルキルはベンジル基である。
【0049】
「ハロゲン」という用語は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素又は臭素に対応する。
【0050】
「アルカリ金属カチオン」という用語は、リチウム、ナトリウム、カリウム又はセシウムカチオン、好ましくはナトリウムカチオンに対応する。
【0051】
「トリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウム」という用語は、アンモニウム-NR3+基に対応し、ここで、Rは(C1〜C6)アルキル基である。トリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムの例としては、例えば、トリメチルアンモニウム又はトリブチルアンモニウムが挙げられる。前記トリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムの対イオンは、クロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、アセテート、トリフルオロアセテート又はトシレートのアニオン等のアニオンである。
【0052】
「少なくとも1個によって置換されている」という表現は、基が、リストの1個又はいくつかの基によって置換されていることを意味する。
【0053】
式(I-0)又は(I)の化合物の塩としては、限定されないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機及び無機酸性塩が挙げられる。アルカリ金属塩の例として、ナトリウム及びカリウムが挙げられ得る。アルカリ土類金属塩の例として、カルシウム塩及びマグネシウム塩が挙げられ得る。アンモニウム塩の例として、第4級アンモニウム塩、例えばテトラメチルアンモニウム又はテトラエチルアンモニウム、及びアンモニア又は有機アミンとの付加塩、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン又はトリス(2-ヒドロキシエチル)アミンが挙げられ得る。無機酸性塩の例として、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩及びリン酸塩が挙げられ得る。有機酸塩の例として、カルボン酸塩、例えばギ酸塩、酢酸塩、トリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩及び酒石酸塩、並びにスルホン酸塩、例えばメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩が挙げられ得る。
【0054】
化合物
本発明による化合物又はその塩は、以下の式(I-0)を有する:
【0055】
【化9】
【0056】
[式中:
R1、R4、R5、R6及びR8'は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【0057】
【化10】
【0058】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【0059】
【化11】
【0060】
(式中:
- Xは、O、S及びSeからなる群から選択されるヘテロ原子であり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -NO2
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5、R6及びR8'の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【0061】
特別な実施形態において、R8'は、水素原子又は式(II)の基であり、ここで、XはNであり、Ra及びRbは水素原子である(即ち、-NH2基)。好ましくは、R8'は水素原子である。
【0062】
特別な実施形態において、式(I-0)の前記化合物は、以下の式(I)を有する:
【0063】
【化12】
【0064】
[式中:
R1、R4、R5及びR6は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【0065】
【化13】
【0066】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、好ましくは、XはNであり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【0067】
【化14】
【0068】
(式中:
- Xは、O、S及びSe、好ましくはO及びSからなる群から選択されるヘテロ原子であり、より好ましくは、XはOであり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C12)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5及びR6の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(「アロエサポナリン」とも呼ばれる);
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である]。
【0069】
特別な実施形態において、R1は、以下の式(II)の基を表す:
【0070】
【化15】
【0071】
[式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C6)アルキル、並びに
○ シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、及びアリール、好ましくはフェニルからなる群において選択される3〜14員環(前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7はメチルである)によって任意選択により置換されている)]。
【0072】
別の特別な実施形態において、R1は、式(II)の基を表し、式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル又はフェニル(ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す。
【0073】
好ましい実施形態において、R1は、式(II)の基を表し、式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、ブチル、シクロヘキシル又はフェニル(ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7はメチルである)によって任意選択により置換されている)を表す。
【0074】
更に特別な実施形態において、R1は、式(II')の基を表す
【0075】
【化16】
【0076】
[式中:
- Xは、Oであり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、及び
○ -SO2-R8(R8はアリール、好ましくはフェニルであり、前記アリールは、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル、好ましくはメチルによって任意選択により置換されている)]。
【0077】
好ましい実施形態において、R1は、式(II')の基を表し、式中:
- Xは、Oであり、
- Ra'は、水素原子及び-SO2-R8からなる群から選択される基を表し、ここで、R8は、(C1〜C6)アルキル、好ましくはメチルによって置換されているフェニルである。
【0078】
より好ましい実施形態において、R1は、O-Ts基(O-トシル)又はヒドロキシ基を表す。
【0079】
特別な実施形態において、R4は、以下の式(II)の基を表す:
【0080】
【化17】
【0081】
[式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C6)アルキル、並びに
○ シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、及びアリール、好ましくはフェニルからなる群において選択される3〜14員環(前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7はメチルである)によって任意選択により置換されている]。
【0082】
別の特別な実施形態において、R4は、式(II)の基を表し、式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、(C1〜C6)アルキル、シクロヘキシル基又はフェニル基(ハロゲン原子、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H及びトリ(C1-C6アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)を表す。
【0083】
好ましい実施形態において、R4は、式(II)の基を表し、式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、独立して、水素原子、ブチル、シクロヘキシル又はフェニル(ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、少なくとも1つのハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7はメチルである)によって任意選択により置換されている)を表す。
【0084】
別の特別な実施形態において、R4は、式(II')の基であり、ここで、XはOであり、Ra'は水素原子である(即ち、ヒドロキシ基)。
【0085】
特別な実施形態において、R5は、水素原子、-NO2又は式(II)の基を表し、ここで、XはNであり、Ra及びRbは水素原子である。好ましい実施形態において、R5は、水素原子又は式(II)の基を表し、ここで、XはNであり、Ra及びRbは水素原子である(即ち、-NH2)。より好ましい実施形態において、R5は水素原子を表す。
【0086】
別の特別な実施形態において、R6は、水素原子、-NO2又は式(II)の基を表し、ここで、XはNであり、Ra及びRbは水素原子である(即ち、-NH2)。好ましい実施形態において、R6は、水素原子又は式(II)の基を表し、ここで、XはNであり、Ra及びRbは、水素原子である。より好ましい実施形態において、R6は、水素原子である。
【0087】
好ましい実施形態において、R5及びR6は、水素原子を表す。
【0088】
特別な実施形態において、R2は、(C1〜C20)アルキル又は(C1〜C20)アルケニルを表す。とりわけ、R2は、ラウリル鎖、ミリスチル鎖、セチル鎖、ヘプタデシル鎖、ステアリル鎖又はアラキジル鎖等、最大20個までの炭素原子を有するアルキル脂肪鎖を表すことができる。R2は、オレイル鎖、ゲラニル鎖又はパルミトレイル鎖等、最大20個までの炭素原子を有するアルケニル脂肪又はテルペニル鎖を表すこともできる。好ましい実施形態において、R2は(C1〜C6)アルキルである。より好ましい実施形態において、R2は(C1〜C2)アルキル(即ち、メチル又はエチル)である。いっそう好ましい実施形態において、R2はメチルである。
【0089】
R2位におけるアルキル基、特にメチルの存在は、水との比較において繊維等の親油性材料に対する本発明の化合物の親和性を増強する。こうした親和性は、したがって、材料への本発明の化合物の接着を増強し、起こり得る水の汚染を制限する。
【0090】
特別な実施形態において、R3は、水素原子又は-C(O)OR13(R13は水素原子若しくは(C1〜C6)アルキル、好ましくはR13は水素原子である)を表す。
【0091】
好ましい実施形態において、R3は水素原子である。
【0092】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、式(I)を有し、
式中:
R1は、以下を表し
・以下の式(II)の基:
【0093】
【化18】
【0094】
(式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、上記で定義されている通りであり、好ましくは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、及びアリール、好ましくはフェニルからなる群において選択される3〜14員環(前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7はメチルである)によって任意選択により置換されている)或いは
・式(II')の基
【0095】
【化19】
【0096】
(式中:
- Xは、Oであり、
- Ra'は、上記で定義されている通りであり、好ましくは、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、及び
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アリール、好ましくはフェニルであり、前記アリールは、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキル、好ましくはメチルによって任意選択により置換されている))
R4は、以下の式(II)の基を表し:
【0097】
【化20】
【0098】
(式中:
- Xは、Nであり、
- Ra及びRbは、上記で定義されている通りであり、好ましくは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、並びに
○ シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、及びアリール、好ましくはフェニルからなる群において選択される3〜14員環(前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7が(C1〜C6)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基、好ましくはNH(CO)R7(R7は(C1〜C6)アルキルである)、より好ましくはNH(CO)R7(R7がメチルである)によって任意選択により置換されている)
R5及びR6は、水素原子を表し;
R2及びR3は、上記で定義されている通りであり、好ましくは、R2はメチルであり、R3は水素である。
【0099】
別の特別な実施形態において、本発明による化合物は、式(I)によって表され、
式中:
R1、R4、R5及びR6は、独立して、以下を表し:
・水素原子、
・以下の式(II)の基:
【0100】
【化21】
【0101】
(式中:
- Xは、N及びPからなる群から選択されるヘテロ原子であり、好ましくは、XはNであり、
- Ra及びRbは、独立して、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1個のNH(CO)R7基によって任意選択により置換されており、ここで、R7は(C1〜C6)アルキル、好ましくはメチルである)、
○ -SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))
・式(II')の基
【0102】
【化22】
【0103】
(式中:
- Xは、O、S及びSe、好ましくはO及びSからなる群から選択されるヘテロ原子であり、より好ましくは、XはOであり、
- Ra'は、以下からなる群から選択される基を表す:
○ 水素原子、
○ (C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、
○ アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環(前記アラルキル及び前記3〜14員環は、ハロゲン原子、-NH(CO)R7(R7は(C1〜C12)アルキルである)、-NO2、-SO3H、-CO2H、-CN、1個のハロゲン原子によって任意選択により置換されている(C1〜C6)アルキル、及びトリ((C1〜C6)アルキル)アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1個の基によって任意選択により置換されている)、並びに
○ XがOである場合に-SO2-R8(R8は、アラルキル、又はシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている)、並びに
○ -(CO)-R9(R9は、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、アラルキル、並びにシクロアルキル、アリール、ヘテロシクロアルキル及びヘテロアリールからなる群において選択される3〜14員環からなる群において選択される基であり、前記アラルキル及び前記3〜14員環は、少なくとも1つの(C1〜C6)アルキルによって任意選択により置換されている))或いは
・以下からなる群から選択される基
- -NO2
- -SO3-M+(M+は、アルカリ金属カチオン、好ましくはNa+である)、
- -SO3R10及び-SO2NR11R12(R10、R11、R12は、独立して、水素原子又は(C1〜C6)アルキルである);
R2は、以下を表し:
・(C1〜C20)アルキル、
・(C2〜C20)アルケニル、又は
・(C2〜C20)アルキニル、好ましくは、R2は(C1〜C2)アルキル、より好ましくはメチルである;
R3は、以下を表し、
・水素原子、又は
・-C(O)OR13、-C(O)NR14R15、-C(O)SR16及び-C(S)OR17からなる群から選択される基(R13、R14、R15、R16及びR17は、独立して、水素原子、(C1〜C12)アルキル、(C2〜C12)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C3〜C12)シクロアルキル、アリール若しくはアラルキルである);
ただし、R1、R4、R5及びR6の少なくとも2つは、水素原子でないという条件であり、
前記化合物は、
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、
- 8-ヒドロキシ-3-メトキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン、及び
- 3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
でないという条件である。
【0104】
特別な実施形態において、本発明による化合物は、式(I-0)によって表され、
式中:
R1は、-OH、-O-SO2-Tol、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NH-Bu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R4は、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NH-Bu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R5及びR6は、独立して、水素原子、-NO2又は-NH2を表し、
R3は、水素原子又は-COOHを表し、
R2は、メチルであり、
R8'は、水素原子、-NO2又は-NH2である。
【0105】
別の特別な実施形態において、本発明による化合物は、式(I-0)によって表され、
式中:
R1は、-OH、-O-SO2-Tol、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R4は、-NH-C6H5、-NH-Cy、-NHBu又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R5及びR6は、独立して、水素原子又は-NH2、好ましくは水素原子を表し、
R3は、水素原子又は-COOH、好ましくは水素原子を表し、
R2は、メチルである。
【0106】
より特別な実施形態において、本発明による化合物は、式(I)によって表され、
式中:
R1は、-OH、-O-SO2-Tol、-NH-C6H5、-NH-Cy又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R4は、-NH-C6H5、-NH-Cy又は-NH-C6H4-NHCO-CH3を表し、
R5、R6、及びR3は、水素原子を表し、
R2は、メチルである。
【0107】
本明細書で使用される場合、「Tol」は、トリル基、即ち、オルト位、メタ位又はパラ位において、好ましくはパラ位において1つのメチルによって置換されているフェニルを指す。「-O-SO2-Tol」は、トルエンスルホネート基、好ましくはパラ-トルエンスルホネートを意味する。「Cy」は、シクロヘキシル基を意味する。「Bu」は、ブチル基を意味する。
【0108】
好ましい実施形態において、本発明の化合物は、以下からなる群から選択される:
- 3-アミノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(8);
- 3-アニリノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(9);
- 3,8-ジアニリノ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(10);
- N-(3-((6-(3-アセトアミドアニリノ)-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)アミノ)フェニル)アセトアミド(11);
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(12);及び
- (6-アニリノ-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)-4-メチルベンゼンスルホネート(14);
- 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸(15);
- 3,8-ビス(ブチルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸(16);
- 1-アミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(17b);
- 1,8-ジアミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン(18b);
- 4,5-ジアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸(19b);及び
- 4,5,7-トリアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸(20b)。
【0109】
用途
本発明の別の目的は、着色剤としての式(I-0)の化合物、好ましくは式(I)の化合物の使用である。
【0110】
「着色剤」は、単独で又は他の着色剤及び/若しくは添加剤との組合せで使用される場合に固体又は液体の基材又は表面を着色することができる物質、即ち、式(I-0)又は(I)の1種又は複数の化合物を指す。固体又は液状の基材又は表面の例としては、以下に限定されないが、織物、皮革、食品、皮膚、毛髪、石、ガラス、紙、シリコーン、木材、金属、プラスチック、及びその組合せが挙げられる。
【0111】
「織物」という用語は、任意の形態における織物繊維、例えば糸、生地又は人造布を指す。織物は、天然繊維、例えば動物若しくは植物繊維、合成繊維、又はその組合せを含むことができる。天然植物繊維の例としては、以下に限定されないが、綿、麻又は亜麻が挙げられる。天然動物繊維の例としては、以下に限定されないが、絹又は羊毛が挙げられる。合成繊維の例としては、以下に限定されないが、モーダル、ビスコース、ポリアミド、ポリエステル又はエラステインが挙げられる。
【0112】
着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、「染料」又は「顔料」を意味することができる。本明細書で使用される場合、「染料」という用語は、水に可溶性であるとともに固体又は液体の基材又は表面を着色することができる物質、即ち、式(I-0)の1種又は複数の化合物を指す。「顔料」という用語は、水に可溶性でないとともにバインダーとの組合せの場合に固体又は液体の基材又は表面を着色することができる物質、即ち、式(I-0)又は(I)の1種又は複数の化合物を指す。
【0113】
より具体的には、着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、建染染料、直接染料、分散染料、直接染料、反応性染料、媒染染料、金属性染料、酸染料又は塩基性染料であってよい。
【0114】
着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、水等の溶媒に可溶性、部分的可溶性又は不溶性であり得る。該着色剤は、純粋な液体、純粋な固体、例えば粉末、溶液、懸濁液、分散体又はエマルジョンの形態であってよい。
【0115】
着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色又は紫色等、いかなる色を有してもよい。
【0116】
着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、1種又は複数の追加の着色剤との組合せ、及び任意選択により、1種又は複数の添加剤、特に、基材又は表面の着色を容易にする添加剤との組合せで使用することができる。これらの追加の着色剤及び添加剤は、用途に依存して当業者によって簡便に選択することができる。
【0117】
特別な実施形態において、着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、1種又は複数の消泡剤、抗しわ剤、湿潤剤、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、無機塩、還元剤、酸化剤、染色中にポリエステル繊維が膨張することを引き起こすとともにしたがって着色料が浸透することを可能にする担体、及び抗酸化剤との組合せで使用することができる。
【0118】
着色剤としての式(I-0)又は(I)の化合物は、広く多様な基材又は表面、例えばプラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物又は医薬組成物を着色するために使用することができる。
【0119】
本発明の目的は、着色組成物を調製するための、式(I-0)又は(I)の化合物の使用である。
【0120】
本発明のさらなる目的は、本明細書において定義されている通りの式(I-0)又は(I)の化合物を含む着色組成物である。
【0121】
「着色組成物」という用語は、表面又は基材を着色するための組成物であって、式(I-0)又は(I)の1種又は複数の化合物並びに任意選択により1種若しくは複数の追加の着色剤及び/又は1種若しくは複数の添加剤を含む組成物を指す。
【0122】
着色組成物は、液体又は固体の形態、例えば粉末、溶液、懸濁液、分散体又はエマルジョンであってよい。
【0123】
当業者は、着色組成物における式(I-0)又は(I)の化合物の量を、用途の分野及び色強度に従って適応させることができる。特別な実施形態において、着色組成物は、式(I-0)又は(I)の化合物を、組成物の総重量に対して0.01重量%から20重量%含む。より好ましい実施形態において、着色組成物は、式(I-0)又は(I)の化合物を、組成物の総重量に対して0.1重量%から10重量%含む。
【0124】
本発明の着色組成物は、更に、1種又は複数の追加の着色剤を、任意選択により1種又は複数の添加剤、特に、基材又は表面の着色を容易にする添加剤とともに含むことができる。これらの追加の着色剤及び添加剤は、用途に依存して当業者によって簡便に選択することができる。
【0125】
本発明による着色組成物は、溶媒、並びに任意選択により(i)基材、好ましくは織物若しくは皮膚の着色を容易にする1種若しくは複数の添加剤;及び/又は(ii)1種若しくは複数の追加の着色剤を更に含むことができる。好ましくは、前記溶媒は水である。基材の着色を容易にする前記添加剤は、好ましくは、消泡剤、抗しわ剤、湿潤剤、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、無機塩、還元剤、酸化剤、染色中にポリエステル繊維が膨張することを引き起こすとともにしたがって着色料が浸透することを可能にする担体、及び抗酸化剤からなる群から選択される。
【0126】
本発明の着色組成物は、広く多様な基材又は表面を着色するために使用することができる。
【0127】
本発明の目的は、インクとしての、本明細書において定義されている通りの着色組成物の使用である。
【0128】
本発明の別の目的は、プラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物又は医薬組成物等の基材又は表面を着色するための、本明細書において定義されている通りの着色組成物の使用である。
【0129】
特別な実施形態において、本発明の着色組成物は、プラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物又は医薬組成物を着色するための着色組成物である。
【0130】
本発明の着色組成物は、織物又は皮革を着色するための染料であってよい。前記「染料」は、溶媒、好ましくは水、式(I-0)又は(I)の1種又は複数の化合物、並びに任意選択により1種若しくは複数の追加の着色剤及び/又は1種若しくは複数の添加剤を含む。
【0131】
「食品」又は「食品組成物」の例としては、以下に限定されないが、液体組成物、例えば静水、発泡水、アルコール飲料又は果汁、乳製品、例えば牛乳、チーズ又はヨーグルト、菓子製品、例えばチューインガム又はスイーツ、及び食品添加物が挙げられる。「化粧品」又は「化粧品組成物」の例としては、以下に限定されないが、ヘルスケア製品、例えばシャンプー、石鹸、練り歯磨き又はシャワージェル、ヘアケア、例えば毛髪染料、ジェル又はヘアスプレー、美容製品、例えば抗しわクリーム又は加湿用クリーム、香水、及びメイクアップ製品、例えばアイライナー、リップスティック、ネイルポリッシュ又はマスカラが挙げられる。「プラスチック」の例としては、以下に限定されないが、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンが挙げられる。「セルロース系材料」の例としては、以下に限定されないが、紙が挙げられる。
【0132】
特別な実施形態において、本発明の着色組成物はインクである。前記インクは、ボールペン又は万年筆等のペンのためのインク、印刷インク又はスクリーン印刷インクであってよい。前記着色組成物の配合物は、適切な粘度及び安定性を得るために、当業者によって簡便に選択することができる。特別な実施形態において、本発明の着色組成物は、式(I-0)の1種又は複数の化合物、並びに任意選択によりバインダー、例えばエポキシ若しくはポリアクリル酸の樹脂、消泡剤及び/又は溶媒、例えばキシレン、トルエン、鉱物油、アルコール、ケトン、水、若しくはその組合せを含むインクである。
【0133】
本発明の別の目的は、基材又は表面(例えばプラスチック、ワックス、セルロース系材料、シリコーン、織物、皮革、食品組成物、化粧品組成物又は医薬組成物)を着色するための方法であって、前記基材又は前記表面を本発明の化合物と又は本発明の着色組成物と接触させることを含む方法である。
【0134】
本発明の別の目的は、式(I-0)又は(I)の化合物を含む有機電界発光素子又は太陽電池である。
【0135】
有機電界発光素子は、陽極、陰極、及び前記陽極と前記陰極との間に「サンドイッチ」構造に従って典型的に配置されている1つ又は複数の有機薄膜層を含むことができ、ここで、前記1つ又は複数の有機薄膜層は、発光層を含み、前記1つ又は複数の有機薄膜層の少なくとも1つは、式(I-0)又は(I)の化合物を含む。有機薄膜層の例としては、以下に限定されないが、陽極と発光層との間に配置されている陽極側の有機薄膜層(正孔輸送層、正孔注入層等)、発光層、陰極と発光層との間に配置されている陰極側の有機薄膜層(電子輸送層、電子注入層等)、スペーサ層、及びブロック層が挙げられる。式(I-0)又は(I)の化合物は、本発明の有機電界発光素子の有機薄膜層のいずれかに含まれていてよい。
【0136】
太陽電池は、陽極、陰極、及び前記陽極と前記陰極との間に「サンドイッチ」構造に従って典型的に配置されている1つ又は複数の有機薄膜層を含むことができ、ここで、前記1つ又は複数の有機薄膜層の少なくとも1つは、式(I-0)又は(I)の化合物を含む。
【0137】
前記陽極は、金属、合金、又は任意の他の導電性材料で作製されていてよい。前記陽極は、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:インジウムスズ酸化物)、ケイ素若しくは酸化ケイ素でドープされた酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛でドープされた酸化インジウム、グラフェン、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、金属窒化物(例えば、窒化チタン)、又はその組合せで作製されていてよい。
【0138】
前記陰極は、金属、合金、又は任意の他の導電性材料で作製されていてよい。前記陰極は、周期表の1族又は2族の金属、例えば、アルカリ金属、例えばリチウム(Li)及びセシウム(Cs)、アルカリ土類金属、例えばマグネシウム(Mg)、これらの金属を含有する合金(例えば、MgAg及びAlLi)、希土類金属、例えばユーロピウム(Eu)及びイッテルビウム(Yb)、又は希土類金属を含有する合金で作製されていてよい。代替として、前記陰極は、アルミニウム、銀、ITO、グラフェン、又はケイ素若しくは酸化ケイ素でドープされた酸化インジウム-酸化スズで作製されていてよい。
【0139】
本発明のさらなる態様及び利点は、例示とみなされるべきであり、限定するとみなされるべきでない以下の実施例に記載されている。
【実施例】
【0140】
(実施例1)
式(I-0)の化合物の調製
化合物7a〜c
【0141】
【化23】
【0142】
アルゴン雰囲気下で、アミンR-NH2(1当量)及び触媒量のDMAPを、まず乾燥ジクロロメタン中に溶解させ、新たに蒸留したトリエチルアミン(1.1当量)で処理した。10分後、反応混合物を0℃に冷却し、新たに蒸留した塩化クロロアセチル(1.1当量)を滴下により添加した。反応混合物を次いで終夜室温で撹拌した。粗製物を1M HCl(aq)で数回洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、エバポレーションすることで、純粋な生成物が定量的収量で得られた。
【0143】
【化24】
【0144】
1H (CDCl3) δ (ppm): 8.32 (s, 1H, (NH)), 7.48 (d, 2H, J = 8Hz), 7.27 (t, 2H, J = 8Hz), 7.09 (t, 1H, J = 6 Hz), 4.12 (s, 2H).
13C: 164.05, 136.77, 129.13 (2xC), 125.24, 120.21 (2xC), 42.97
収量:定量的
【0145】
【化25】
【0146】
1H (DMSO) δ (ppm): 13.35 (s, 1H) , 10.00 (s, 1H), 7.92 (t, 1H, J= 2H), 7.30 (t, 2H, J = 8 Hz), 7.22 (t, 1H, J = 8 Hz), 4.25 (s, 2H), 2.04 (s, 3H).
収量:定量的
【0147】
【化26】
【0148】
1H (CDCl3) δ (ppm): 6.43 (s, 1H (NH)), 3.98 (s, 2H), 3.72 ( m, 1H), 1.85 (d, 2H, 11 Hz), 1.66 (dd, 2H, J = 13 Hz, J = 2 Hz), 1.56 (m , 1H), 1.31 (m, 2H), 1.14 (m, 3H).
13C: 169.01, 165.19, 48.77, 42.69, 32.74, 25.39, 24.69 (2C)
収量:定量的
【0149】
化合物8: 3-アミノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0150】
【化27】
【0151】
200mgのアロエサポナリン(4.0.10-5mol)、75mgのクロロアセトアミド(9.5×10-5mol、2.4当量)、260mgの炭酸セシウム(1.9.10-4mol、5当量)、及び触媒量のKIを、30mLの無水DMF中にて90℃で1時間の間加熱した。アルキル化誘導体への低い変換率が観察された。反応混合物を140℃に終夜加熱した。出発材料及びアルキル化誘導体(痕跡量)とともに、化合物8を単離した(57mg)。収率=27%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.66 (d, 1H), 7.5 (t, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 6.66 (d, 1H), 4.32 (s, 1H), 2.71 (s, 1H).
13C NMR δ (ppm): 188.42, 166.75, 160.92, 159.48, 150.18, 142.0, 140.5, 129.4, 125.8, 123.2, 115.6, 101.0, 29.25.
GC-MS:rt = 12.60分 - m/z (IE) = 253.
【0152】
化合物9: 3-アニリノ-8-ヒドロキシ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0153】
【化28】
【0154】
50mgのアロエサポナリン、66mgの化合物7a(2当量)、319mgのCs2CO3(5当量)、触媒量のKIを、90℃に10mLのDMF中にて1時間の間加熱した。次いで、反応混合物を16時間の間加熱還流した。抽出(AcOEt/H2O)、及びフラッシュクロマトグラフィーを用いる精製で、化合物9が得られた。収率=32%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 13.21 (1H, s), 7.67 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 0.75 Hz, 1H), 7.49 (t, J= 7.7 Hz, 1 H), 7.34 (t, J = 7Hz, 2H), 7.18 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.11 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 0.5 Hz, 1H), 2.71 (s, 3H).
13C NMR δ (ppm): 184.0, 183.12, 162.92, 147.7, 139.20, 135.0, 134.4, 130.3, 129.9, 125.1, 122.9, 121.6,118.9, 117.3, 24.5.
【0155】
化合物10: 3,8-ジアニリノ-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0156】
【化29】
【0157】
100mgのアロエサポナリン、120mgの化合物7a(4当量)、640mgのCs2CO3(5当量)及び触媒量のKIを、90℃に10mLのDMF中にて1時間の間加熱した。次いで、反応混合物を16時間の間加熱還流した。抽出(AcOEt/H2O)、及びフラッシュクロマトグラフィーを用いる精製で、化合物10が得られた。収率=16%。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 7.66 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.57 (dd J = 6.7Hz, 1Hz, 1H), 7.46 (dd, J = 6.7Hz, 1Hz, 1H), 7.36-7.30 (m, 5H), 7.25 (dd, J = 9.4 Hz, 2Hz), 7.17 (dd J = 6.7Hz, 1Hz, 1H), 7.12-7.04 (m, 2.38), 7.0 (dd, J= 2.6, 0.5 Hz, 1H), 2.74 (s, 3H).
13C δ (ppm): 187.38, 184.45 148.42, 147.45, 144.34, 140.12, 140.05, 136.44, 134.35, 134.28, 133.52, 129.69, 129.50, 129.32 124.45, 123.88, 123.77, 122.91, 121.16, 120.35, 119.83, 117.06, 111.0, 72.58, 61.72, 60.42, 29.71, 24.37.
【0158】
化合物11: N-(3-((6-(3-アセトアミドアニリノ)-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)アミノ)フェニル)アセトアミド
【0159】
【化30】
【0160】
200mgのアロエサポナリン、890mgの化合物7b(5当量)、1.20gのCs2CO3(5当量)及び触媒量のKIを、90℃に10mLのDMF中にて1時間の間加熱した。次いで、反応混合物を16時間の間加熱還流した。抽出(AcOEt/H2O)、及びフラッシュクロマトグラフィーを用いる精製で、化合物11が得られた。収率=64%。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ (ppm): 11.34 (NH, d, J = 1.5 Hz), 10.02 (2xNH, dd, J1 = 6Hz, J2 = 1.5 Hz), 9.21 (NH, d, J = 1.5 Hz), 7.69 ( 1H, s), 7.66 (2H d, J = 2Hz), 7.59 (2H, s), 7.55 (1H, m), 7.32 ( 2 H, t, J = 8.5 Hz), 7.23 (2H, t; J = 6 Hz), 7.01 ( 1H, d, J = 3.5 Hz), 6.91 (1H, d, J=3.5 Hz), 2.70 (3H, s),2.05 ( 3H, s), 2.04 (3H, s).
MS : m/z = 517.
【0161】
化合物12: 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0162】
【化31】
【0163】
200mgのアロエサポナリン、688mgの化合物7c(5当量)、640mgのCs2CO3(5当量)及び触媒量のKIを、90℃に10mLのDMF中にて1時間の間加熱した。次いで、反応混合物を16時間の間加熱還流した。抽出(AcOEt/H2O)、及びフラッシュクロマトグラフィーを用いる精製で、化合物12が4%の収率で得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ (ppm): 9.70 (1H, d, J = 4Hz), 7.38 (1H, td, J1 = 7 Hz, J2= 1.5 Hz), 7.34 (1H, t, J = 8Hz), 6.96 (1H, d, J = 8 Hz), 6.51 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 2.69 (3 H, s), 2.06-1.90 (6 H), 1.80-166 (m, 6H), 1.42-1.29 (m, 12H), 1.27-1.12 (m, 6H).
【0164】
化合物14:(6-アニリノ-8-メチル-9,10-ジオキソ-1-アントリル)-4-メチルベンゼンスルホネート
【0165】
【化32】
【0166】
化合物14の調製を下記に例示する。
【0167】
【化33】
【0168】
0.1gのアロエサポナリン、(3.9.10-4mol)、187mgの塩化トシル(9.8.10-4mol、2.5当量)、280μLのトリエチルアミン(2.0.10-3、5当量)を、終夜3mLのアセトニトリル中にて還流させた。溶媒を減圧下で除去し、粗製物をAcOEt中に可溶化し、1M HCl/NaCl溶液で数回洗浄した。フラッシュクロマトグラフィーにより、化合物13を55%の収率で単離することができた。
【0169】
225mgの化合物13(4.0.10-4mol、1当量)を120℃で終夜5mLの1/1のDMSO/アニリン混合物中にて加熱した。結果として生じたスラリーを酢酸エチルで抽出し、HCl及びNaCl溶液で数回洗浄し、フラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、化合物14が88%の収率で得られた。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ (ppm): 10.99 (s, 1 H), 7.79 (d, J = 9 Hz, 2H) 7.57 (d, J= 0.5 Hz), 7.52 (d, J = 25 Hz, 1 H), 7.46 (d, J = 9Hz, 2H), 7.42 (d, J= 0.5 Hz, 1H), 7.38 (d, 7Hz, 2H), 7.16 (t, J= 7.8 Hz, 1H), 6.93 (t, J= 11.5 Hz, 2H), 6.48 (d, 8.72 Hz, 2 H), 6.41 (t J= 9 H, 1H).
13C NMR δ (ppm): 188.2 183.51, 152.81, 148.87, 147.00, 145.14, 139.70, 137.40, 135.91, 134.01, 132.11, 131.67, 130.95, 129.29, 128.80, 124.81, 123.80, 121.14, 117.95, 117.76, 116.06, 115.72, 114.27, 25.61, 24.06.
【0170】
化合物15: 3,8-ビス(シクロヘキシルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸
【0171】
【化34】
【0172】
マイクロ波バイアルに、化合物13(30mg、0.049mmol)、シクロヘキシルアミン(3.2mL、27.7mmol、800当量)及び湿ったDMSO(2mL)を投入した。混合物を100℃で1時間の間マイクロ波放射下にて撹拌した後に、それを周囲温度に到達させた。混合物を1M HCl溶液でクエンチし、Et2Oで抽出した。合わせた有機層をNaClの飽和溶液で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、真空中で濃縮した。結果として得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/AcOEt、80:20から50/50)によって精製することで、化合物15が赤色の固体として得られた(13mg、81%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.86 (s, 1H), 9.65 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.6, 7.3 Hz, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.34 (dd, J = 7.3, 1.0 Hz, 1H), 7.30 - 7.23 (m, 1H), 3.84 - 3.68 (m, 1H), 3.67 - 2.54 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.03 - 1.94 (m, 2H), 1.84 (m, 2H), 1.72 (m, 4H), 1.59 (m, 2H), 1.50 - 1.02 (m, 10H).
13C NMR (101 MHz, DMSO-d6) δ 186.6, 183.3, 165.1, 157.4, 149.9, 140.1, 134.8, 134.5, 134.3, 133.5, 124.5, 119.2, 113.9, 113.2, 110.9, 49.8, 47.8, 32.4, 32.2, 25.2, 24.6, 24.1, 19.4
MS (ESI-) 459.38 (ESI+) 462.19
【0173】
化合物16: 3,8-ビス(ブチルアミノ)-1-メチル-9,10-ジオキソ-9,10-ジヒドロアントラセン-2-カルボン酸
【0174】
【化35】
【0175】
マイクロ波バイアルに、化合物13(30mg、0.049mmol)、ブチルアミン(3.9mL、39.6mmol、800当量)及びウェットなDMSO(2mL)を投入した。混合物を100℃で1時間の間マイクロ波放射下にて撹拌した後に、それを周囲温度に到達させた。混合物を1M HCl溶液でクエンチし、Et2Oで抽出した。合わせた有機層をNaClの飽和溶液で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、真空中で濃縮した。結果として得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH、95:05から50:50)によって精製することで、化合物16が赤色の固体として得られた(5mg、25%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 10.93 (s, 1H), 9.53 (t, J = 5.3 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.6, 7.3 Hz, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.35 (dd, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.8, 1.1 Hz, 1H), 3.32 (td, J = 6.8, 5.7 Hz, 2H), 3.23 (td, J = 6.8, 5.7 Hz, 2H), 2.61 (s, 3H), 1.65 (tt, J = 7.7, 6.2 Hz, 2H), 1.54 - 1.31 (m, 6H), 0.93 (dt, J = 19.3, 7.3 Hz, 6H).
13C NMR (101 MHz, クロロホルム-d) δ 186.6, 183.3, 166.0, 157.5, 150.8, 140.1, 134.9, 134.6, 134.3, 133.3, 124.5, 118.6, 114.0, 113.4, 110.9, 31.0, 30.7, 19.8, 19.6, 13.7, 13.7
MS (ESIpos) 409.15
【0176】
化合物17b: 1-アミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0177】
【化36】
【0178】
140mgのアロエサポナリンを6mLのジジクロロエタン中に0℃で部分溶解させた。次いで、50μLの60% HNO3溶液及び1滴の濃硫酸を滴下により添加した。溶液を5時間かけて撹拌した。反応粗製物を蒸留水及びブラインで数回洗浄した。有機相を減圧下でエバポレーションすることで、粗製混合物が得られた。これをジクロロメタン中のメタノールの勾配(1%から15%)を使用してシリカ上で画分することで、31mgの化合物17aを21%の収率で得ることができる。
1H NMR (MeOD) 7.47 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.11 (dd J = 6.9 Hz, H= 2.3 Hz , 1H), 6.79 (s, 1H), 2.61 (s, 3H)
MS : (ESI-) m/z = 343.39
【0179】
次いで、12mgの化合物17aを、3mLの水及び大過剰のヒドラジン一水和物溶液(0.2mLの50%水溶液)中に溶解させた。反応物を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニタリングし、100mLの1M HCl溶液で1.5時間後にクエンチした。激しいかき混ぜ下での酢酸エチルを用いた3回の連続抽出によって、化合物17bを得た。紫色の化合物17b(90%の収率)は、いかなるクロマトグラフィー工程も用いることなく直接使用することができる。
1H NMR (MeOD) : 7.64 (dd, J= 4.5 Hz, 1H), 7.52 (t, J= 6.5 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 8 Hz), 6.69 (s, 1H); 2.56 (s, 3H)
13C NMR (MeOD) : 189.5, 184.49, 161.73, 151.18, 146.48, 142.34, 134.68, 134.57, 121.86, 119.90, 118.04, 117.16, 112.37, 23.38
MS : (ESI-) m/z = 268.35
【0180】
化合物18b: 1,8-ジアミノ-2,5-ジヒドロキシ-4-メチル-アントラセン-9,10-ジオン
【0181】
【化37】
【0182】
140mgのアロエサポナリンを6mLのジクロロエタン中に0℃で部分溶解させた。次いで、50uLの60% HNO3溶液及び1滴の濃硫酸を滴下により添加した。溶液を5時間かけて撹拌した。反応粗製物を蒸留水及びブラインで数回洗浄した。有機相を減圧下でエバポレーションすることで、粗製混合物が得られた。これをジクロロメタン中のメタノールの勾配(1%から15%)を使用してシリカ上で画分することで、18mgの化合物18aを得ることができる。
1H NMR (MeOD) 7.26 (t, 1H), 7.26 (d, 1H), 6.37 (s, 1H), 2.51 (s, 3H)
MS : (ESI-) m/z = 343.39
【0183】
次いで、12mgの化合物18aを、3mLの水及び大過剰のヒドラジン一水和物溶液(0.2mLの50%水溶液)中に溶解させた。反応物をTLCによってモニタリングし、100mLの1M HCl溶液で1.5時間後にクエンチした。激しいかき混ぜ下での酢酸エチルを用いた3回の連続抽出によって、化合物18bを得た。紫色の化合物18b(90%の収率)は、いかなるクロマトグラフィー工程も用いることなく直接使用することができる。
1H (MeOD) : 7.71 (d, J = 8.21 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 8.21 Hz, 1H) , 6.85 (s, 1H), 2.61 (s, 3H)
【0184】
化合物19b: 4,5-ジアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
【0185】
【化38】
【0186】
400mgの3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸を、8mLの硫酸及び200μLの55%硝酸溶液中に溶解させた。30分後、粗製物を酢酸エチル中に希釈し、水で数回洗浄することで酸痕跡を除去し、シリカゲルを介して精製することで化合物19aが得られた(35%の収率)。
1H NMR (MeOD): 8.04 (d, J = 8.61 Hz, 1H), 7.54 (J = 8.6 Hz), 2.92 (s, 3H)
質量分析: ESI (-) : 387 (M-H)
【0187】
次いで、18mgの化合物19aを4mLの水中に溶解させ、次いで、3滴のヒドラジン溶液を反応混合物に添加した。12時間後に、TLCモニタリングは出発材料を示した。4滴を添加し、反応物を2日間放置した。反応が終わったら、酢酸エチル及び1M HClを添加した。数回の洗浄後、生成物を乾燥し、シリカゲルクロマトグラフィーを介して精製することで、化合物19bが86%の収率で得られた。
1H NMR (MeOD): 7.33 (dd, J = 8Hz, 1Hz, 1H), 6.73 (dd, J = 8Hz, 1Hz, 1H), 2.56 (s, 3H)
質量分析: ESI (+) : 351 (M+Na), 329 (M+)
【0188】
化合物20b: 4,5,7-トリアミノ-3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸
【0189】
【化39】
【0190】
400mgの3,8-ジヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-アントラセン-2-カルボン酸を、8mLの硫酸及び200μLの55%硝酸溶液中に溶解させた。30分後、粗製物を酢酸エチル中に希釈し、水で数回洗浄することで酸痕跡を除去し、シリカゲルを介して精製することで、化合物20aが得られた(41%の収率)。
1H NMR (MeOD) : 8.41 (s, 1H), 2.86 (s, 3H)
質量分析: ESI (-) : 432.44
【0191】
次いで、35mgの化合物20aを、3mLの水及び大過剰のヒドラジン一水和物溶液(0.2mLの50%水溶液)中に溶解させた。反応物をTLCによってモニタリングし、100mLの1M HCl溶液で1.5時間後にクエンチした。激しいかき混ぜ下での酢酸エチルを用いた3回の連続抽出によって、化合物20bを得た。紫色の化合物20b(90%の収率)は、いかなるクロマトグラフィー工程も用いることなく直接使用することができる。
MS:(ESI-)m/z=432(M-H)
【0192】
(実施例2)
UV-可視分析
UV-可視分析をGenesys10 UV光度計で実施し、「VisionLite Scan」ソフトウェアを活用して記録した。各分子について、ある特定の量を精密天秤で秤量し、メタノール中に完全に溶解させる(必要ならば超音波処理下で)ことで、母液を1mg/mLで得た。系列希釈を行うことで、0.0025mg/mLから0.5mg/mLの範囲における試料を得た。試料を1cmの石英キュベット中190nmから800nmで分析した。各濃度について、可視スペクトル(400〜800nm)における最大吸収の波長を2nmの精度で記録し、幅をA/2で測定した。追加として、モル吸光係数εを各試料について算出し、平均値のlogを提示した。λmax visibleは色の特徴であり、L1/2は色の輝度の特徴であり、εは色の強度の特徴である。
【0193】
【表1】
【0194】
(実施例3)
本発明の化合物の物理化学的特性に対する、R2位におけるアルキル基の影響
水とオクタノールとの間の分配係数(logP=log(Coctanol/Cwater))、及び本発明の化合物のpH=4での水中可溶性を判定し、対応する非メチル化化合物のものと比較した。
【0195】
- 水とオクタノールとの間の分配係数は、疎水性相(織物繊維環境等)と水との間の染料の親和性の差異の効果的な測定である。log Pが増加すると、色相に達するのに必要とされる染料の量が減り、消費率がより良好である。これは、より効果的なプロセス、並びに染色した後の染浴中の残留染料の減少につながる。
- pH=4での水中における対応する分子の可溶性(典型的な染色プロセス)。可溶性が低いほど、残留染料による水の汚染が少ない。
【0196】
この2つのパラメータは、予測的ツールを使用して算出された。
【0197】
Chemicalize予測ツール: Chemicalizeは、ChemAxon Software社からの化学的特性予測的ツールである。本発明の化合物及び対応する非メチル化化合物についての分配係数及び可溶性予測の結果を、Table 1(表2)にまとめる。
【0198】
【表2】
【0199】
Table 1(表2)の結果は、本発明の化合物が、対応する非メチル化化合物よりも約0.5log(実験値及び算出値について)高い分配係数を有することを実証している。これらの結果は、本発明の化合物が、対応する非メチル化化合物よりも3倍低い水中可溶性を有することも実証している。
【0200】
したがって、本発明の化合物は、対応する非メチル化化合物よりも、水との比較において良好な繊維親和性を有し、それによって、染料による廃水の可能な汚染を制限する。
【0201】
Chemicalize検証
予測モデルを検証するために、5つのアントラキノンの実験及び理論logPを判定した。理論値は、ChemAxon社からのChemicalizeのオンラインソフトウェアを使用して決定し、実験値は、下記のプロトコールを使用してUV-Vis分光法アッセイによって決定した。結果をTable 2(表3)に記載する。
【0202】
オクタノール及び水の1:1混合物(pH=7)を、分液漏斗におけるアッセイの24時間前に調製した。次いで、正確な量の生成物を添加し、完全な溶解まで超音波処理した。次いで、相を激しく撹拌し、6時間の間放置した。次いで、2つの相を分離し、有機相を希釈し、予め実施された較正曲線を使用してUV分光光度法によって分析した。水性相を酸性化し、エバポレーションした。同じ方法を用いるUV-Vis分光光度法での分析のため、残渣をオクタノール中に溶解した。
【0203】
【表3】
【0204】
Table 2(表3)における測定及び算出logPは、5つの分子とも同様と思われ、これは、Chemicalizeを使用する予測の妥当性を裏付けている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】