特表2021-530752(P2021-530752A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-530752(P2021-530752A)
(43)【公表日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】3D識別フィルタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20211015BHJP
   C23C 14/34 20060101ALI20211015BHJP
【FI】
   G02B5/28
   C23C14/34 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-525342(P2021-525342)
(86)(22)【出願日】2018年9月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月12日
(86)【国際出願番号】CN2018105142
(87)【国際公開番号】WO2020015103
(87)【国際公開日】20200123
(31)【優先権主張番号】201810790443.3
(32)【優先日】2018年7月18日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521023492
【氏名又は名称】福州高意光学有限公司
【氏名又は名称原語表記】FUZHOU PHOTOP OPTICS CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヂゥー
(72)【発明者】
【氏名】ユ,グアンロン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユ
(72)【発明者】
【氏名】ス,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,リ
(72)【発明者】
【氏名】リン,チーチャン
【テーマコード(参考)】
2H148
4K029
【Fターム(参考)】
2H148GA14
2H148GA33
2H148GA61
4K029AA06
4K029AA07
4K029AA08
4K029AA09
4K029AA11
4K029BA35
4K029BA43
4K029BA46
4K029BA48
4K029BA50
4K029BA58
4K029BB02
4K029BC07
4K029CA06
4K029CA08
4K029DC16
4K029DC33
4K029DC37
4K029DC39
4K029EA01
4K029EA04
4K029JA02
(57)【要約】
800nm〜1800nmの波長範囲と部分的に重なる通過帯域と、380nm〜750nmの範囲を含むブロッキング帯域とを有し、基板(102)及び基板の両面にコーティングされたフィルタ膜層(103、104)を含む3D識別フィルタ(101)が提供される。一方の面のフィルタ膜層(103)は、積層された高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層から成り、他方の面のフィルタ膜層(104)は、積層された少なくとも2層の材料で構成されている。3D識別フィルタ(101)は、大きな光入射角で小さな波長シフトを実現しながら、高いブロッキングレベルと狭い遷移帯域を維持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
800nm〜1800nmの波長範囲と部分的に重なる通過帯域と、380nm〜750nmの波長範囲を含むブロッキング帯域とを有し、基板及び前記基板の両面にコーティングされたフィルタ膜層を含む3D識別フィルタにおいて、
一方の面の前記フィルタ膜層は、積層された高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層から構成され、前記高屈折率層はSi:Hであり、800〜1800nmでの各高屈折率層の屈折率は3よりも大きく、800〜1800nmでの各中屈折率層の屈折率は1.6よりも大きく且つ3未満であり、800nm〜1800nmでの各低屈折率層の屈折率は1.6未満であり、すべての高屈折率層とすべての低屈折率層のトータル物理的厚さの比が1.5:1よりも大きく、
他方の面の前記フィルタ膜層は、少なくとも2層の材料が積層されて構成されており、層の数は15以上であり、前記フィルタの通過帯域の中心波長は、入射光の角度が0度から30度に変化するときに20nm未満しかシフトせず、380nm〜750nmの範囲での前記フィルタのブロッキング帯域のブロッキングレベルがOD4より大きく、前記フィルタの通過帯域のエッジには遷移帯域があり、透過率90%から透過率10%までの前記遷移帯域の幅は5nm未満であることを特徴とする3D識別フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の3D識別フィルタにおいて、前記基板の材質が、シリコン材料、またはシリカ、もしくはプラスチック、もしくはサファイアに基づくガラス材料であることを特徴とする3D識別フィルタ。
【請求項3】
請求項1に記載の3D識別フィルタにおいて、前記通過帯域は中心波長を有し、入射光の角度が0度から30度に変化するとき、前記中心波長のシフトは12nm未満であることを特徴とする3D識別フィルタ。
【請求項4】
請求項1に記載の3D識別フィルタにおいて、
前記中屈折率層は、Si:H、TiO、Nb、Ta、SiO、およびSiのうちの1つ、またはそれらのうちの少なくとも2つの混合物であり、前記中屈折率層が混合物である場合、前記中屈折率層の屈折率は、プロセスのプロポーショニングを通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有し、
又は、前記中屈折率層がSiO:Hであり、前記中屈折率層の屈折率は、元素成分の化学量論比のプロセス調整を通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有し、
又は、前記中屈折率層はSiN:Hであり、前記中屈折率層の屈折率は、元素成分の化学量論比のプロセス調整を通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有することを特徴とする3D識別フィルタ。
【請求項5】
請求項1に記載の3D識別フィルタにおいて、前記低屈折率層がSiOであることを特徴とする3D識別フィルタ。
【請求項6】
請求項4に記載のフィルタを製造するための方法において、
前記方法は、スパッタリングシステムに水素を導入することによってSi:H膜層を形成するための中周波マグネトロンスパッタリング又はイオンビームスパッタリングのモードであることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、水素の流量を調整して、前記Si:H膜層の光学特性を調整し得ることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法において、水素および酸素の流量を同時に調節して、SiO:H膜層の元素成分の化学量論比を調整し、次いで、SiO:Hの屈折率を調整し得ることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法において、窒素および水素の流量を同時に調節して、SiN:H膜層の元素成分の化学量論比を調整し、次いで、SiN:Hの屈折率を調整し得ることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6に記載の方法において、材料の少なくとも2つの層を共蒸着させることができ、混合膜層の屈折率を、材料の比率を調整することによって調整することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタの分野、特に3D識別フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元(3D)識別技術は、マシンビジョン、バーチャルリアリティ、ID認識、自動運転などの分野で広く使用されている。3D識別は、2次元イメージングと比較して、検出対象物の立体情報を取得できる。3D識別の基本原理は、特定の波長帯の赤外光を放射し、センサを使用して検出対象物から返される波長帯の光を受信し、信号処理により距離情報を取得することで、検出対象物の3次元モデルを確立する。典型的な3D識別モジュールは、送信側に赤外線光源、変調装置、およびレンズを含み、受信側に赤外線検出器、レンズ、赤外線フィルタなどを含む。
【0003】
3D識別の場合、受信側の赤外線フィルタは、従来の可視光カメラのフィルタとはかなり異なる。従来の可視光カメラのフィルタは、多くの場合赤外線カットオフタイプであるのに対し、3D識別フィルタは次のことを行う。(a)特定の波長帯の光(送信側の赤外線光源に対応)のみを通過させるものであり、ノイズをフィルタリングし、システムの信号対ノイズ比を改善するという目的を達成するために、他の波長帯の光、特に可視光を高度にブロックする必要がある。(b)3D識別では、特定の角度内の立体情報を検出する必要があるため、フィルタは(20〜40度といった)十分な光の入射角に対応する必要がある。通過帯域の帯域幅とブロッキング帯域幅がノイズをフィルタリングするフィルタの能力を決定するため、3D識別フィルタは、光の入射角に対して可能な限り鈍感である通過帯域位置を有し、同時に、他の波長帯の光、特に可視光に対して高いブロッキングレベルを有することが望ましい。
【0004】
3D識別モジュールで使用されるフィルタは、主に干渉の原理に基づいている。真空コーティング技術により、(ガラスといった)透明な基板上に数十から数百の膜が蒸着される。一般に、少なくとも2つの膜材料があり、フィルタの最終性能に影響を与える主な要因は、材料の各層の屈折率と蒸着厚さとなっている。光干渉多層膜理論によれば、入射角0でのバンドパス膜系の中心波長がλである場合、入射角θでの膜系の中心波長λθはλと次の関係にある。
ここで、nは膜系の等価屈折率であり、膜系のキャビティ層の次数と材料の屈折率によって決まる。二次キャビティが使用されると仮定すると、膜系の等価屈折率は次のようになる(H.Angus Macloed、薄膜光学フィルタ、第4版、第8章を参照)。
【0005】
膜系は、高屈折率と低屈折率の2層の材料で構成されており、ここで、nは高屈折率層の屈折率であり、nは低屈折率層の屈折率である。これらの2つの式に基づいて、低角度ドリフトを実現するために必要な材料の屈折率を簡単に見積もることができる。例えば、入射角0度で中心波長850nmのフィルタが、入射角30度で中心波長830nm以上であることが望まれる場合、膜系の等価屈折率nは、2.3以上である必要がある。低屈折率層が屈折率1.48のSiOであると仮定すると、高屈折率層の屈折率が3.1以上である限り、低角度ドリフトを実現できる。屈折率が3を超える材料を調製するための従来の方法の1つは、Si:H材料を使用することである。2004年に、Hidenhiko Yodaらは、「a−Si:H/SiO multilayer films fabricated by radio−frequency magnetron sputtering for optical filters」(米国光学学会、Applied Optics、2004年、第43巻、第17号)と題する方法を開示し、この方法では、800〜1800nmの波長帯範囲で3.5を超える屈折率のSi:Hを調製でき、800〜1800nmの波長帯範囲でSi:H材料は透明である。
【0006】
しかしながら、上記のような高屈折率と低屈折率のマルチキャビティバンドパス膜系の方法に基づく既存の3Dフィルタにはまだいくつかの問題がある。すなわち、(a)Si:H材料は600nm未満の波長の光を強く吸収するが、600〜800nmの波長範囲の光を完全には吸収しないため、この範囲でフィルタのブロッキングレベルを高くすることは困難である。また、(b)角度ドリフトをさらに低減するには、キャビティ層の次数を増やす必要があり、通過帯域の帯域幅を維持するために、キャビティ層の次数を増やすと、必然的に様々な光共振器間の不一致が増加し、その結果、フィルタのジッタが劣化し、遷移帯域が広がる。(c)上記(b)の影響により、フィルタのジッタを維持するために、キャビティの数を大幅に増やす必要があり、その結果、フィルタの膜層の数が大幅に増加し、準備の難しさが増す。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、既存の3D識別フィルタに対する技術的改良である3D識別フィルタを提供することである。それは、大きな光入射角で小さな波長シフトを実現しながら、高いブロッキングレベルと狭い遷移帯域を維持する。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を採用する。
【0009】
3D識別フィルタが、800nm〜1800nmの波長範囲と部分的に重なる通過帯域と、380nm〜750nmの範囲を含むブロッキング帯域とを有し、基板及び前記基板の両面にコーティングされたフィルタ膜層を含む。
【0010】
一方の面の前記フィルタ膜層は、積層された高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層から構成され、前記高屈折率層はSi:Hであり、800〜1800nmでの各高屈折率層の屈折率は3よりも大きく、800〜1800nmでの各中屈折率層の屈折率は1.6よりも大きく且つ3未満であり、800nm〜1800nmでの各低屈折率層の屈折率は1.6未満であり、すべての高屈折率層とすべての低屈折率層のトータル物理的厚さの比が1.5:1よりも大きい。
【0011】
他方の面の前記フィルタ膜層は、少なくとも2層の材料が積層されて構成されており、層の数は15以上である。
【0012】
フィルタの通過帯域の中心波長は、入射光の角度が0度から30度に変化するときに20nm未満しかシフトせず、380nm〜750nmの範囲での前記フィルタのブロッキング帯域のブロッキングレベルがOD4より大きく、前記フィルタの通過帯域のエッジには遷移帯域があり、透過率90%から透過率10%までの前記遷移帯域の幅は5nm未満である。
【0013】
基板の材質が、シリコン材料、またはシリカ、もしくはプラスチック、もしくはサファイアに基づくガラス材料である。通過帯域は中心波長を有し、入射光の角度が0度から30度に変化するとき、前記中心波長のシフトは12nm未満である。
【0014】
中屈折率層は、Si:H、TiO、Nb、Ta、SiO、およびSiのうちの1つ、またはそれらのうちの少なくとも2つの混合物であり、前記中屈折率層が混合物である場合、前記中屈折率層の屈折率は、プロセスのプロポーショニングを通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有し、
又は、前記中屈折率層がSiO:Hであり、前記中屈折率層の屈折率は、元素成分の化学量論比のプロセス調整を通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有し、
又は、前記中屈折率層はSiN:Hであり、前記中屈折率層の屈折率は、元素成分の化学量論比のプロセス調整を通して、1.6〜3の範囲で連続的に調整できる特性を有する。
【0015】
低屈折率層がSiOである
【0016】
本発明は、上記の技術的解決策を採用して、大きな光入射角で小さな波長シフトを達成しつつ、高いブロッキングレベルおよび狭い遷移帯域を維持する。
【0017】
本発明はさらに、3D識別フィルタを実施するための製造方法を開示する。この方法は、中周波マグネトロンスパッタリング又はイオンビームスパッタリングのモードを採用して、スパッタリング機器のチャンバに水素を導入することによって、Si:H膜層を形成する。本発明は、技術的解決策を実現するために必要な蒸着膜層の光学特性を調整するための様々な方法を開示する。すなわち、水素の流量を調整して、Si:H膜層の光学特性を調整することができる。水素と酸素の流量を同時に調整して、SiO:H膜層の元素成分の化学量論比を調整し、次いで、SiO:Hの屈折率を調整し得る。窒素と水素の流量を同時に調整して、SiN:H膜層の元素成分の化学量論比を調整し、次いで、SiN:Hの屈折率を調整し得る。少なくとも2つの材料を共蒸着することができ、混合膜層の屈折率は、材料の比率を調整することによって調整される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、図面および特定の実施例と併せて、以下でさらに詳細に説明される。
図1図1は、本発明の概略図である。
図2図2は、0度および30度の入射角での例示的な従来の3D識別フィルタの透過スペクトルの図であり、横軸は波長(nm)であり、縦軸は透過率(%)である。
図3図3は、0度での例示的な従来の3D識別フィルタの光学密度の図であり、横軸は波長(nm)であり、縦軸は光学密度(無次元)である。
図4図4は、0度および30度の入射角での本発明の実施形態による3D識別フィルタの透過スペクトルの図であり、横軸は波長(nm)であり、縦軸は透過率(%)である。
図5図5は、本発明の実施形態による0度での3D識別フィルタの光学密度の図であり、横軸は波長(nm)であり、縦軸は光学密度(無次元)である。
図6a図6aは、イオンビームスパッタリングシステムの概略図である。
図6b図6bは、図6aの中周波マグネトロンスパッタリングシステムのターゲットにおける電圧の概略的なタイミング図であり、横軸は時間であり、縦軸は電圧である。
図7図7は、水素の流量と屈折率nと、蒸着したSi:H膜層の吸光係数kとの関係の概略図である。
図8図8は、水素と酸素の流量比と蒸着したSiO:H膜層の屈折率との関係の概略図である。
図9図9は、水素と窒素の流量比と蒸着したSiN:H膜層の屈折率との関係の概略図である。
図10図10は、2つの材料の同時スパッタリングをサポートして、蒸着された膜層の屈折率を連続的に制御可能にする装置である。
図11図11は、2つの材料の同時スパッタリングをサポートして、蒸着された膜層の屈折率を連続的に制御可能にする別の装置である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示すように、本発明の3D識別フィルタ101は、基板102と、基板102の一方の表面に蒸着されたフィルタ膜層103と、基板102の他方の表面に蒸着されたフィルタ膜層104とを含む。基板102は、フィルタの作動波長帯の光を透過し、フィルタを支持する役割を果たす。一般に、フィルタの通過帯域が800〜1000nmの範囲にある場合、基板材料は、好ましくは、BK7、D263T、およびB270などの、良好な光透過率を有する光学ガラスである。フィルタの通過帯域が1550nmの波長帯域に近い場合、基板102をシリコン基板として選択することができる。特に、特定の波長帯に吸収効果を有する着色ガラスを使用して、ブロッキングレベルをさらに高めることもでき、ガラスを焼き戻しすることにより、基板の機械的強度をさらに向上させることができる。
【0020】
基板の片面にコーティングされたフィルタ膜層103(以下、単に「バンドパス膜面」という)は、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層を積層して構成されている。高屈折率層はSi:Hであり、その800〜1800nmでの屈折率は3より大きくなり、800〜1800nmでの各中屈折率層の屈折率は1.6より大きく、3未満であり、800nmから1800nmでの各低屈折率層の屈折率は、1.6未満である。すべての高屈折率層とすべての低屈折率層の物理的な厚さの比率は1.5:1よりも大きい。一例として図1を見ると、層103−1は、高屈折率層Si:Hであり、層103−2は、M1として示される中低屈折率層であり、層103−3は、SiOなどの低屈折率層であり、層103−4は、M2として示される別の中屈折率層である。材料の各層は交互に積層され、膜層の総数はn1である。基板のもう一方の表面(以下、単に「ブロッキング膜面」という)にコーティングされたフィルタ膜層104は、積層される材料の少なくとも2つの層から構成される。材料の各層は交互に積層され、膜層の総数はn2であり、n2>15である。図1の膜層の数と材料の積層の順序は、説明のみを目的としている。膜の実際の層数と実際の使用における積層順序は、フィルタの適用要件に従って設計し得る。
【0021】
図2および図3は、0から30度の入射角にわたって848nmから861nmまでの光を透過するように設計された従来技術の3D識別フィルタのスペクトル性能を示している。バンドパス膜面は、高屈折率層と低屈折率層が交互に積層されて構成されている。高屈折率層はSi:Hを使用しており、860nm付近の屈折率は3.62であり、低屈折率層はSiOを使用しており、860nm付近の屈折率は1.48である。フィルタ膜面の膜層の総数は41であり、物理的な総厚は4.4μmである。基板のもう一方の表面には、反射防止(AR)膜がコーティングされており、860nm付近の通過帯域の透過率が向上する。AR膜は、TaとSiOの材料を交互に積層したもので構成され、層数は5である。AR膜は裏面の反射を低減するだけであるため、遷移帯域のジッタとフィルタのブロッキング帯域の深さは、バンドパス膜面によって決まる。
【0022】
図2は、0度および30度の入射角での例示的な3D識別フィルタの透過スペクトルの図であり、縦軸は透過率である。上記のように、光学膜理論に基づき、キャビティ層が3より大きい屈折率を有する材料でできており、等価屈折率が明らかな関係を満たすことができる場合、低い角度シフトを達成することができる。この設計では、キャビティ層の初期次数は2であり、キャビティ層の数は7であり、30度の入射角での通過帯域中心波長(90%の透過率での2つの波長点の中心位置として定義)のシフトは10nm未満である。
【0023】
このフィルタのシフトは既存の3D識別フィルタ技術の最高レベルに近づいていることに言及する価値がある。しかしながら、角度シフトを低減するために、高次キャビティを使用して光キャビティ間の不一致を増やし、適用に必要な帯域幅を取得し、これにより、通過帯域とブロッキング帯域の間の遷移帯域のジッタが犠牲になり、41層の7キャビティ膜系よって達成される90%透過率から10%透過率までの波長点での遷移帯域の幅は、短波長帯方向で6.8nm、長波長帯方向で6.9nmである。ジッタを増加させ続けるには、キャビティの数、すなわち膜系の層の数を増やす必要があり、対応する準備の難易度も大幅に増加する。
【0024】
図5は、0度での例示的な従来の3D識別フィルタの光学密度の図である。光学密度ODと透過率T(単位:%)の変換関係は、OD=−log10(T/100)であり、光学密度はフィルタのブロッキングレベルを視覚的に示す。Si:Hによる短波長帯光の吸収の恩恵を受けて、フィルタは600nm未満の高いブロッキングレベルに達することができる。しかしながら、700nmから730nmの範囲の近くでは、Si:Hによる吸収が不完全であるため、フィルタのOD4ブロッキング範囲は可視光波長帯全体をカバーできない。
【0025】
図4および図5は、本発明の実施形態による3D識別フィルタのスペクトル性能を示している。同様に、3D識別フィルタもまた、0から30度の入射角で848nmから861nmの光を透過するように設計されており、これは、図2及び図3の3Dフィルタと同等である。この実施形態のバンドパス膜面上のフィルタ膜層は、高屈折率層、中屈折率層、および低屈折率層が積層されて構成され、高屈折率層はSi:Hであり、860nm付近の屈折率は3.62であり、低屈折率層はSiOを使用し、860nm付近の屈折率は1.48であり、2つの中屈折率層が使用され、第1の中屈折率層M1は、860nm付近で1.91の屈折率を有し、第2の中屈折率層M2は、860nm付近で2.71の屈折率を有する。バンドパス膜面の膜層数は19層で、総厚は4.1μmである。この実施形態のブロッキング膜面上の膜層は、Si:HおよびSiOの2層の材料で構成され、層の数は31である。本実施形態のフィルタの遷移帯域のジッタは、バンドパス膜面の膜系によって決定され、ブロッキング帯域の深さは、バンドパス膜面とブロッキング膜面の双方の膜系によって決定される。
【0026】
図4は、0度および30度の入射角での本実施形態の3D識別フィルタの透過スペクトルの図であり、縦軸は透過率(%)である。この実施形態における通過帯域中心波長(90%透過率での2つの波長点の中心位置として定義される)のシフトは、30度の入射角で10nm未満であり、これは、図2および図3の3Dフィルタと同等である。違いは、この実施形態のバンドパス膜面の層の数は半分以上減少するが、フィルタの遷移帯域ジッタは減少せず、改善されることである。すなわち、透過率90%から透過率10%までの波長点での遷移帯域の幅は、短波長帯域方向で4.3nm、長波長帯域方向で4.9nmである。
【0027】
図5は、0度での本実施形態の3D識別フィルタの光学密度の図である。600〜800nmの波長帯域のバンドパス膜面のブロッキングが不十分であるという問題を解決するために、フィルタのブロッキング膜面に多層ブロッキング膜をコーティングして、この波長帯域のバンドパス膜面のブロッキングを増加させる。ブロッキング膜が追加された後、フィルタのOD4ブロッキング範囲は可視光波長帯域全体をカバーできる。
【0028】
表1は、図2の例示的な3D識別フィルタを本発明に係る図3の3D識別フィルタと比較するリストである。本発明の実施形態による例示的な3D識別フィルタおよび3D識別フィルタは、同じ通過帯域範囲および角度ドリフトを有するが、本発明の実施形態のものは、顕著な利点を有することが分かる。すなわち、(a)この実施形態では、バンドパス膜面上の膜層の数が半分以上大幅に減少している。(b)遷移帯域のジッタが高い。(c)本発明のOD4ブロッキング帯域は、可視光波長帯全体をカバーすることができる。
【0029】
製造の過程で、バンドパス膜面の準備は、ブロッキング膜面の準備よりもはるかに困難となっている。簡略化されたバンドパス膜面の膜層の数は、膜系の準備の難しさを軽減し、生産効率と歩留まりを向上させる。より高いジッタは、高透過率から高ブロッキングへのフィルタの遷移帯域が狭く、遷移帯域付近のノイズ光の抑制が優れていることを意味する。より深い可視光遮断は、可視光を抑制するのに役立つ。表2および表3はそれぞれ、この実施形態の2つの面上のフィルタ膜層の詳細な設計を示しており、層番号(基板から空気まで)、層の材料、層の屈折率、および物理的厚さを含んでいる。



【0030】
本発明のフィルタのフィルタ膜層の高屈折率層Si:Hおよび中屈折率層は、真空スパッタリング蒸着によって実現される。図6aは、中周波マグネトロンスパッタリングシステムである、本発明の3D識別フィルタを調製するために使用することができる真空スパッタリングシステムを概略的に示している。601は、スパッタリングシステムのチャンバである。602は、真空ポンプシステムであり、具体的には、機械式ポンプ、拡散ポンプ、凝縮ポンプ、および分子ポンプ、好ましくは機械式ポンプと分子ポンプの組み合わせのうちの1つまたは複数であり得る。603は、kWレベルの出力電力および5から100kHzの周波数、好ましくは8から10kWの出力電力および40kHzの動作周波数を有する、スパッタリングターゲットへの2つの出力を含む中周波電源である。スパッタリングユニットは、一対の磁石604−1、604−2と一対のターゲット605−1、605−2で構成され、604の磁石は、電子の軌道を制限するために605のターゲットの裏側に配置されている。Si:H材料をスパッタリングすると、ターゲット605−1、605−2は同じサイズのシリコンターゲットになる。スパッタリング中、基板606はターゲットの反対側に配置される。図6aは、基板がターゲットの下に配置されている構造であるが、実際の選択では、ターゲットが基板の下に配置されている場合もある。デバイスで使用できるプロセスガスは、アルゴン607、水素608、酸素609、および窒素610である。これらのプロセスガスは、パイプラインを介してスパッタリングユニットの近くのチャンバに導入される。パイプラインには、ガスの流れを調整および監視するための流量計が装備されている。アルゴン607は作動ガスであり、水素608、酸素609、および窒素610は反応ガスである。真空ポンプシステム602は、望ましくないガスをポンプで排出し、スパッタリング全体が高真空で実行される。好ましい場合として、スパッタリングシステムは、補助イオン源611を備えてもよく、アルゴン、水素、酸素、および窒素は、イオン活性化を増加させ、膜形成品質を改善するために、補助イオン源611を通してチャンバに部分的または完全に導入され得る。好ましい場合として、均一性補正プレート612が、ターゲット605と基板606との間に配置でき、基板606の異なる位置での蒸着材料の均一性分布は、補正プレート上のシールドの形状を設計することによって補正され得る。
【0031】
図6bは、例示的な中周波マグネトロンスパッタリングシステムのターゲットでの電圧の概略タイミング図であり、横軸は時間であり、縦軸は電圧である。スパッタリングの過程で、2つのターゲット605−1、605−2が周期的に交互にスパッタリングされるが、これは、従来のDCスパッタリングと比較して、アーク現象を抑制し、蒸着速度を上げるのに有利である。
【0032】
図7は、イオンビームスパッタリングシステムである、本発明の3D識別フィルタを調製するために使用することができる真空スパッタリングシステムを概略的に示している。701は、スパッタリングシステムのチャンバである。702は、真空ポンプシステムであり、具体的には、機械式ポンプ、拡散ポンプ、凝縮ポンプ、および分子ポンプ、好ましくは機械式ポンプと凝縮ポンプの組み合わせのうちの1つまたは複数であり得る。703は、イオンビーム源であり、具体的には、カウフマン型イオン源、マイクロ波型イオン源、または無線周波数型イオン源、好ましくは無線周波数型イオン源であり得る。イオンビーム源703は、ガス放電を使用してプラズマを生成し、プラズマは、電場によって加速されて、イオンビームを形成する。イオンビームは、中和剤704を通過した直後にターゲット705に衝突する。Si:H材料が蒸着されるとき、ターゲット705はシリコンターゲットである。スパッタリング材料は、基板706上に蒸着される。デバイスで使用され得るプロセスガスは、アルゴン707、水素708、酸素709、および窒素710である。これらのプロセスガスは、パイプラインを介してチャンバに導入され、完全にまたは部分的に導入される。パイプラインは、ガス流を調整および監視するための流量計を備えている。アルゴン707は作動ガスであり、水素708、酸素709、および窒素710は反応ガスである。真空ポンプシステム702は、望ましくないガスをポンプで排出し、スパッタリングプロセスは、高真空で実行される。同様に、好ましい場合として、スパッタリングシステムは、補助イオン源および均一性補正プレートを備えていてもよいが、これらは概略図には示されていない。
【0033】
高屈折率層および低屈折率層に加えて、本発明の3D識別フィルタは、少なくとも1つの中屈折率層を革新的に使用する。800〜1800nmの範囲の中屈折率層の屈折率は、1.6より大きく3未満であり、調製中に連続的に調整可能な屈折率の特性を有し得る。屈折率が連続的に調整可能な少なくとも1つの中屈折率層を使用して、バンドパス膜系のキャビティ層間の良好な位相整合を達成することができ、これにより、フィルタの高いジッタを維持しながら、バンドパス膜系の層数を大幅に減らすことができる。屈折率が1.6から3の範囲で連続的に調整可能な材料を調製する方法を以下に詳細に説明する。
【0034】
方法1:水素の流量を調整してSi:Hの光学特性を調整する。
図8は、水素の流量と屈折率nと、蒸着したSi:H膜層の吸光係数kとの関係の概略図である。H流量を増やすと、Si:H材料の屈折率nと吸光係数kを減らすことができるが、H流量を減らすと、Si:H材料の屈折率nと吸光係数kを増やすことができる。Hを調整する方法は簡単であるが、注意すべき2つの問題がある。すなわち、(a)H流量を調整するだけでは、材料の屈折率が1.6〜3の範囲で調整可能であり、屈折率調整範囲の経験的限界が2.7〜3であることを理解するのは困難である。(b)材料の屈折率と吸光係数の間には敏感な関係があり、吸光係数は材料による光の吸収を特徴づけ、過剰な吸光係数はフィルタの通過帯域透過率の大幅な低下につながる可能性がある。
【0035】
流量の選択は、スパッタリングシステムの真空ポンプ速度、ターゲットのスパッタリング出力、および作動ガスの流量に影響される。ターゲットのスパッタリング出力(スパッタリング収率)や作動ガス(Arフロー)などのパラメータを調整して材料の屈折率を調整する基本原理は、H流量を調整する場合、すなわち、Si:H材料中のHの組成比を調整する場合と同じである。したがって、これらの方法は同じタイプと見なすべきである。
【0036】
方法2:水素と酸素の流量比を調整して、蒸着したSiO:H膜層の屈折率を調整する。
図9は、水素と酸素の流量比と蒸着したSiO:H膜層の屈折率との関係の概略図である。水素と酸素の流量比が0の場合、つまり酸素のみが導入される場合、蒸着材料はSiOであり、屈折率は1.6未満である。そして、水素のみが導入される場合、蒸着材料は、3より大きい屈折率を有するSi:Hである。水素と酸素の比を調整することにより、SiO:H膜層の元素成分の化学量論比(すなわち、xの値)を調整して、所望の屈折率を有するSiO:H膜層を得ることができる。SiO:Hの吸光係数は、水素と酸素の流量比の影響を受けない。
【0037】
方法3:水素と窒素の流量比を調整して、蒸着したSiN:H膜層の屈折率を調整する。
図10は、水素と窒素の流量比と蒸着したSiN:H膜層の屈折率との関係の概略図である。同様に、水素と窒素の流量比が0の場合、つまり窒素のみが導入される場合、蒸着材料は窒化ケイ素であり、屈折率は約2.0である。そして、水素のみが導入される場合、蒸着材料は、3より大きい屈折率を有するSi:Hである。水素と窒素の比率を調整することにより、SiN:H膜層の元素成分の化学量論比(すなわち、xの値)を調整して、所望の屈折率を有するSiN:H膜層を得ることができる。SiN:Hの吸光係数は、水素と窒素の流量比の影響を受けない。
【0038】
方法4:少なくとも2つの材料のスパッタ混合物を使用し、混合する材料の比率を調整することにより、連続的に制御可能な屈折率を持つ混合材料を取得する。
一つの方法は、異なる屈折率の材料を順番にスパッタリングすることであり、異なる屈折率層の厚さは、“Quasi−rugate filter”と同様の効果を達成するために特定の理論的関係を満たす。別の典型的な方法は、さまざまな材料と同時スパッタリングすることである。図11は、2つの材料の同時スパッタリングをサポートして、蒸着された膜層の屈折率を連続的に制御可能にする装置であり、これは、上記のように中周波マグネトロンスパッタリングシステムに追加することができる。図11は、スパッタリングシステムの上面図であり、1101は、スパッタリングシステムのチャンバである。チャンバ1101の内部には、高速で回転することができるターンテーブル1102が存在する。複数の円形基板1103がターンテーブル1102上に均等に配置され、ターンテーブル1102と共に高速で回転する。2つのスパッタリングユニット1104および1105がチャンバの上に固定され、ターンテーブル1102と共に回転しない。スパッタリングユニットでスパッタリングされる材料とターンテーブルの回転速度は、必要に応じて選択できる。例えば、スパッタリングユニット1104はNbをスパッタリングし、スパッタリングユニット1105はSiOをスパッタリングし、ターンテーブルの回転速度は120rpmである。システムが共スパッタリング状態にあるとき、2つのスパッタリングユニット1104および1105は同時に動作し、対応する材料をスパッタリングする。基板1103がスパッタリングユニット1104に近づくと、少量のNb材料が基板上に蒸着し、基板1103がスパッタリングユニット1105に近づくと、少量のSiO材料が基板上に蒸着するなど、基板上に比較的均一なNb−SiO混合膜層が形成されるように、この比は、2つのスパッタリングユニットの対応する材料のそれぞれの蒸着速度の比である。2つのスパッタリングユニットの蒸着速度をプロセス調整することにより、混合膜の組成比を調整して、混合膜層の屈折率を制御することができる。
【0039】
図12は、2つの材料の同時スパッタリングをサポートして、蒸着された膜層の屈折率を連続的に制御可能にする別の装置であり、これは、上記のようにイオンビームスパッタリングシステムに追加することができる。1201はイオンビーム源であり、これは図6の703に相当する。ターゲットは、1202と1203の2つのパーツで構成されており、これらは互いに接合されている。この2つのパーツは2つの異なる材料である。領域1204は、イオンビームがターゲットに衝突する領域である。イオンビームはターゲットの2つの材料に同時に衝突するため、スパッタリングによって蒸着される材料は、ターゲットに対応する2つの材料の混合物である。例えば、ターゲットのパーツ1202は、Si材料であり、ターゲットのパーツ1203は、Si:HおよびSiO材料の混合物が同時スパッタリングによって得られるように、SiO材料である。ターゲットの固定装置は変位調整機能を有し、イオンビーム衝撃領域1204における異なる材料の組成比は、ターゲットを一方向に並進させることによって変更することができ、その結果、蒸着された材料の屈折率は連続的に制御可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】