特表2021-530948(P2021-530948A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-530948(P2021-530948A)
(43)【公表日】2021年11月11日
(54)【発明の名称】電気機械バッテリ
(51)【国際特許分類】
   H02J 15/00 20060101AFI20211015BHJP
   H02K 7/02 20060101ALI20211015BHJP
   H01F 7/02 20060101ALI20211015BHJP
【FI】
   H02J15/00 A
   H02K7/02
   H01F7/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-573509(P2020-573509)
(86)(22)【出願日】2019年7月1日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】US2019040186
(87)【国際公開番号】WO2020010017
(87)【国際公開日】20200109
(31)【優先権主張番号】62/694,853
(32)【優先日】2018年7月6日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520512661
【氏名又は名称】スピンレクトリックス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SPINLECTRIX, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ガーバー, ジョナサン フォレスト
(72)【発明者】
【氏名】レヴィンソン, フランク
(72)【発明者】
【氏名】アダムス, アンドレ
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB07
5H607BB13
5H607EE42
5H607GG19
5H607HH01
5H607HH09
(57)【要約】
【課題】新規な電気機械バッテリを提供する。
【解決手段】本発明は、一緒にロータアセンブリを構成する、環状フライホイールに組み込まれた永久磁石の単一磁極ペアハルバッハ配列と、能動制御下で「二重リフト」引力磁気浮上器を使用してロータアセンブリを浮上させるための手段と、ハルバッハ配列のフリンジ磁場との相互作用によって回転しているロータアセンブリを能動的に安定化させるための手段とを備える電気機械バッテリに関する。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータアセンブリであって、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列であって、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と、
e.前記フリンジング磁場と相互作用する、前記ハルバッハ配列の前記上端部のコイル及び前記下端部のコイルと、
を備えるロータアセンブリと、
前記ロータアセンブリが浮上したときの前記ロータアセンブリの径方向位置の変化を検出するセンサと、
前記センサと通信するコントローラであって、前記センサからの径方向位置データを受け取ったとき、前記コントローラが、電流を前記コイルに導いて、前記ロータアセンブリの前記径方向位置に影響を与える、コントローラと、
を備える電気機械バッテリ。
【請求項2】
前記センサが、
光のビームの一部が前記ロータアセンブリによって阻止されるように前記光のビームを前記ロータアセンブリの長手方向エッジに向ける光源と、
前記光源から前記ロータアセンブリの反対側に位置づけられた検出器であって、前記検出器が、前記ロータアセンブリの前記径方向位置の変化に起因する、前記ロータアセンブリの前記長手方向エッジのそばを通過する光の量の変化を感知し、その情報を前記コントローラに送信する、検出器と、
を備える、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項3】
前記光源が発光ダイオード(LED)である、請求項2に記載の電気機械バッテリ。
【請求項4】
少なくとも2つの永久磁石のアセンブリであって、各アセンブリが、前記ロータアセンブリを囲むフレームワークに固定して結合され、各アセンブリの前記磁石(複数可)が、前記ロータアセンブリに浮上力を与えるように配置される、少なくとも2つの永久磁石のアセンブリを備える、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項5】
各磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記長手軸に直交しており、
一方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの重心の上方に配置され、他方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の下方に配置され、
前記複数の永久磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリを重力に抗して浮上させるのに十分な磁気力を生成するとともに、加えて、前記ロータアセンブリの中心化に受動的に影響を与える、請求項4に記載の電気機械バッテリ。
【請求項6】
前記複数の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の上方及び下方に等距離で配置される、請求項5に記載の電気機械バッテリ。
【請求項7】
2つの磁石のアセンブリが使用される、請求項6に記載の電気機械バッテリ。
【請求項8】
前記2つの磁石のアセンブリの各磁石が、前記ロータアセンブリと同心のリング磁石である、請求項7に記載の電気機械バッテリ。
【請求項9】
制御コイルが、前記フレームワークに固定して結合されている前記複数のアセンブリの少なくとも一方に磁気的に結合される、請求項8に記載の電気機械バッテリ。
【請求項10】
前記ロータアセンブリが浮上したときの前記ロータアセンブリの垂直位置の変化を検出するセンサと、
前記センサと通信するコントローラであって、前記センサからの位置データを受け取ったとき、前記コントローラが、電流を前記複数の制御コイルに導いて、前記ロータアセンブリの前記垂直位置に影響を与える、コントローラと、
を備える、請求項4に記載の電気機械バッテリ。
【請求項11】
前記センサは、
光のビームが前記ロータアセンブリによって部分的に阻止されるように、前記浮上したロータアセンブリの前記上面を横切って実質的に平行に又は前記底面を横切って実質的に平行に前記光のビームを導く光源と、
前記浮上したロータアセンブリのそばを通過する前記光の量の変化を感知し、その情報を前記コントローラに送信する検出器と、
を備える、請求項10に記載の電気機械バッテリ。
【請求項12】
前記光源が発光ダイオード(LED)である、請求項11に記載の電気機械バッテリ。
【請求項13】
前記環状フライホイールが、前記ロータアセンブリに直接結合される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項14】
前記環状フライホイールが、1つ又は複数のスペース要素によって前記ロータアセンブリに結合される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項15】
前記バッテリが、気密ハウジング内に配置される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項16】
真空が、前記気密ハウジング内に作り出される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項17】
ステータ巻線内で生じた熱が、前記気密ハウジングの少なくとも1つの内面に輸送される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項18】
高透磁性構成要素が、フリンジング磁場を他の磁場との相互作用から分離する、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項19】
前記ロータアセンブリが、炭素繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維、アラミド繊維、シリカ繊維から選択された少なくとも1つの構成材料を含み、
前記構成材料が、複合材料の形態で配置される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項20】
前記複合材料が、真空環境で使えるように選択されたマトリックス材料を含む、請求項19に記載の電気機械バッテリ。
【請求項21】
ロータアセンブリであり、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列で、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と
を備えるロータアセンブリと、
少なくとも2つの永久磁石のアセンブリであり、各アセンブリが、前記ロータアセンブリを囲むフレームワークに固定して結合され、各アセンブリの前記磁石(複数可)が、前記ロータアセンブリに浮上力を与えるように配置される、少なくとも2つの永久磁石のアセンブリと、
を備える電気機械バッテリであって、
各磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記長手軸に直交して配置され、
一方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの重心の上方に配置され、他方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の下方に配置され、
a.前記複数の永久磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリを浮上させるのに十分な磁気力を生成するとともに、加えて、前記ロータアセンブリの中心化に受動的に影響を与える、電気機械バッテリ。
【請求項22】
前記複数の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の上方及び下方に等距離で配置される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項23】
2つの磁石のアセンブリが使用される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項24】
前記2つの磁石のアセンブリの各磁石が、前記ロータアセンブリと同心のリング磁石である、請求項23に記載の電気機械バッテリ。
【請求項25】
制御コイルが、前記フレームワークに固定して結合されている前記複数のアセンブリの少なくとも一方に磁気的に結合される、請求項24に記載の電気機械バッテリ。
【請求項26】
前記ロータアセンブリが浮上したときの前記ロータアセンブリの垂直位置の変化を検出するセンサと、
前記センサと通信するコントローラであって、前記センサからの位置データを受け取ったとき、前記コントローラが、電流を前記制御コイルに導いて、前記ロータアセンブリの前記垂直位置に影響を与える、コントローラと、
を備える、請求項25に記載の電気機械バッテリ。
【請求項27】
前記センサが、
光のビームが前記ロータアセンブリによって部分的に阻止されるように、前記浮上したロータアセンブリの前記上面を横切って実質的に平行に又は前記底面を横切って実質的に平行に前記光のビームを導く光源と、
前記浮上したロータアセンブリのそばを通過する前記光の量の変化を感知し、その情報を前記コントローラに送信する検出器と、
を備える、請求項26に記載の電気機械バッテリ。
【請求項28】
前記光源が発光ダイオード(LED)である、請求項27に記載の電気機械バッテリ。
【請求項29】
前記環状フライホイールが、前記ロータアセンブリに直接結合される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項30】
前記環状フライホイールが、1つ又は複数のスペース要素によって前記ロータアセンブリに結合される、請求項29に記載の電磁機械バッテリ。
【請求項31】
前記バッテリが、気密ハウジング内に配置される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項32】
真空が、前記気密ハウジング内に作り出される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項33】
ステータ巻線内で生じた熱が、前記気密ハウジングの少なくとも1つの内面に輸送される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項34】
前記ロータアセンブリが、炭素繊維、ガラス繊維、玄武岩繊維、アラミド繊維、シリカ繊維から選択された少なくとも1つの構成材料を含み、
前記構成材料が、複合材料の形態で配置される、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項35】
前記複合材料が、真空環境で使えるように選択されたマトリックス材料を含む、請求項34に記載の電気機械バッテリ。
【請求項36】
高透磁性構成要素が、浮上器磁場を他の磁場との相互作用から分離する、請求項21に記載の電気機械バッテリ。
【請求項37】
ロータアセンブリであり、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列で、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と、
を備えるロータアセンブリと、
前記ロータアセンブリを幾何学的回転軸に弱く拘束する又は全く拘束しない手段と、
を備える電気機械バッテリ。
【請求項38】
幾何学的回転軸に弱く拘束される又は全く拘束されないロータアセンブリの回転を可能にする手段が、
少なくとも弱い径方向中心化を示す少なくとも2つの制御可能な磁石アセンブリによるロータアセンブリ浮上を含む、請求項37に記載の電気機械バッテリ。
【請求項39】
幾何学的回転軸に弱く拘束される又は全く拘束されないロータアセンブリの回転を可能にする手段が、
a.ハルバッハ配列のフリンジング磁場に作用する制御コイルを利用したロータ安定化を含む、請求項37に記載の電気機械バッテリ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年7月6日に出願された米国特許仮出願第62/694,853号の利益を主張し、本出願は、本明細書に完全に記載されているかのように、図面を含めて完全に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、運動エネルギー、すなわち、機械的運動エネルギーの形態で電気エネルギーを貯蔵するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気エネルギーを生成するために化石燃料を使用することから離れる一般的な傾向は、多くの経路をとっている。ソーラーパワー、風力、及び潮力のような重要な再生可能エネルギー源は、エネルギー需要から一時的に切り離されたエネルギーを断続的に供給する。これを緩和するための1つの手法は、断続的なエネルギー源の貯蔵を容易にするためにバッテリを開発することである。
【0004】
電気化学電気エネルギーの貯蔵には限界があり、最も考慮すべき課題には、そのようなバッテリのライフサイクル及びコストがある。それから、当然、製造に使用される有毒物質の問題がある。一般にエネルギー貯蔵フライホイール、FES、又は簡単にフライホイールと呼ばれる電気機械バッテリが頭に浮かぶ。
【0005】
電気機械バッテリは、実質的に不活性の標準の構成材料、すなわち、永久磁石、一般的な金属、ポリマー複合材料などで構成される。1つの最近の設計反復では、電気機械バッテリは、磁石の柱状ハルバッハ配列と、ハルバッハ磁場を中心としたステータと、ハルバッハ配列に結合され、エネルギーを貯蔵するために始動されるフライホイールとを備える。摩擦抵抗の発生源をできるだけ少なくするために、高速回転部品は、真空チャンバに配置される。ハルバッハ磁石配列を組み込んだフライホイールの一例を、MerrittらのHalbach Array Motor/Generators − A Novel Generalized Electric Machineで見ることができる。
【0006】
この構成において、電気機械バッテリは、現在の電気化学バッテリより優れている可能性がある。例えば、5〜10kW/kgの電力密度、すなわち、大部分の内燃機関の電力密度の数倍、及び現在の最良の電気化学バッテリの電流密度の100倍を達成することができる。そして、エネルギー回収の効率は、一般的な電気化学バッテリの効率を超えることができる。
【0007】
多分最も興味深いことには、電気機械バッテリのライフサイクルは、事実上無限であり、10年を超える一定の充電/放電サイクルの推定が、定期的に話題になる。これにより、電気機械バッテリは、断続的な電源に前記の貯蔵緩和を与えることに加えて、位相及び負荷整合用途、電力平準化、並びに電力調整などの非常に多くの急速充電/放電サイクルを有することができる貯蔵用途で利用することもできる。
【0008】
しかしながら、電気機械バッテリに問題がないわけではない。
【0009】
浮上した非接触電気機械バッテリの1つの基本的問題は、それ自体で3次元において重力に抗して物体を安定に浮上させることができる磁石の可能な静的な構成が存在しないことを示すアーンショーの定理によって説明される。先行技術の多くは、システムが受動的に安定する、すなわち、能動制御の介在なしに安定することを確実にすることを目指して、アーンショーの定理の制限を回避するのにフライホイールの動的運動を使用してこの制限に対処しようとしている。
【0010】
代わりに、本発明は、低コストの最新の計算を活用して、電力をほとんど使用せずにフライホイールシステムを能動的に浮上させ安定させる。この新規の能動安定化システムは、現在の能動安定化システムの寄生電力消費を実質的に避け、必要とされる永久磁石のセットを最小限にし、そのプロセスにおいて、高価で精巧に平衡をとったフライホイールを不要にする。
【0011】
最新の大量製造技法を用いてさえも、製作されたフライホイールロータは、一般に、不均衡を示し、その不均衡は、製造後の平衡化プロセスによって修正されなければならない。このプロセスを除去することにより、製造を速め、コストを低減することができる。
【0012】
さらに、高速回転で発生する応力の下で、フライホイールを構成する実際の材料は、理想的ではなく歪むことがある。実際の材料が経年変化するにつれて、そのような歪みにより、回転するロータの慣性中心及び軸が移動し、それにより、潜在的に巨大な不均衡力を生み出す可能性がある。わずかな不均衡でさえ、ロータ材料の繰り返し疲労を誘発し、寿命を制限し、エネルギー貯蔵能力を低下させ、又は突発故障を引き起こすことがある。
【0013】
これらの不均衡力は、慣性軸が、経時的に応力の変化に起因して位置が変わることがあるとしても、フライホイールがその慣性軸(固定された幾何学的軸に対立するものとしての)のまわりに回転することができる場合、緩和され得る。
【0014】
一般的な磁気軸受は、非接触であるが、幾何学的軸不均衡力を本質的に除去せず、複雑で、高価で、消費電力が大きいことがある。磁気サスペンションが、径方向不安定性の原因になることもある。受動的磁気軸受を利用するフライホイール、及び関連するロータ不安定性の開示を、米国特許第7,876,010号で見ることができ、それは、図面を含めて参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0015】
要約すると、フライホイールの平衡関連の現象は、最終的に、高価な精密製造と、エネルギー貯蔵能力のデレーティングと、メンテナンス又は修理によって修正されなければならない材料経年変化の影響に起因する耐用年数減少とを強いる。これらの深刻な制限はすべて、先行技術では、慣性回転軸ではなく幾何学的に規定された軸のまわりにフライホイールを回転させることに由来する。
【0016】
当技術分野は、ロータの上方の引力ペア及び下方の反発ペアなどの能動磁石と受動磁石の組合せを使用するZ軸磁気浮上構成の様々な組合せを長い間利用している。本発明の新規の磁気サスペンションシステムによって提供される簡易性及び有用性を達成したものはいない。
【0017】
フライホイール技術のさらなる制限は、真空中で高速フライホイールロータを動作させる必要があることに関係する。エネルギー貯蔵フライホイールは、極めて高速で動作する。大部分のそのようなフライホイールの周辺部は、空気中の音速の数倍の速度を有する。ロータが空気中で高速で動作すると、エネルギーが、空力的摩擦及び衝撃波現象によって失われる。当技術分野は、そのような損失を避けるためにエネルギー貯蔵フライホイールを真空中で動作させなければならないことを長い間知っている。
【0018】
能動的な手段なしに長期間真空を維持することは困難である。複合材料マトリックス材料などの構成材料は、真空環境を急速に劣化させる程度までガス放出することがある。そのようなガス放出を軽減するために能動的な真空ポンプを取り付けることが当技術分野では一般的である。これらのポンプは、コスト、定期メンテナンス、及び予定外のダウンタイムをエネルギー貯蔵フライホイールシステムに加える。突然の真空ポンプの故障は、破滅的なフライホイール故障を引き起こすことがある。一般に、それらは、エネルギー貯蔵フライホイールの耐用寿命を短くする。
【0019】
追加の真空劣化は、真空バリアを通る貫通部から生じることがあり、そのような貫通部は、電力及び信号導体、並びに熱除去構成要素にとって必要である。熱除去は、様々な熱負荷の下でのシール寸法の熱機械的変化に起因して、特に困難な真空シール問題を引き起こす。これらの熱的に誘起された寸法変化は、長期間の稼働で金属真空シールを破壊する。エラストマーシールが一般に使用されるが、エラストマーシールは、真空環境にガスが拡散するのを許し、ポンプなどの能動的真空メンテナンス手段を必要とする。
【0020】
ロータのハルバッハ配列などの磁石の回転は、一般に、前記回転磁場に浸すことができる導電性構成要素に電流を誘起する。これは、ロータを不安定にし、制御システム有効性を劣化させ、渦電流加熱としてのエネルギー散逸に起因してエネルギー貯蔵効率を低下させることがある。本発明は、透磁性構成要素を使用する磁気シールドを介してこの制限を緩和することができる。
【0021】
前述は、限定はしないが、エネルギー貯蔵フライホイールの当技術分野におけるいくつかの深刻な制限を示しており、それらは本発明によって克服される。
【発明の概要】
【0022】
本発明によるフライホイールは、以下のもの、すなわち、
質量分布によって決定されるような慣性軸のまわりで実質的に回転し、以て、精密ロータ中心化又は平衡の必要性を除去する少なくとも1つのロータアセンブリであり、前記重要な有用性が、
静的径方向安定性を有するとともに、固定の幾何学的軸のまわりの回転を課さない新規の二重リフト引力磁気浮上システム、及び
ロータ並進及び/又は傾斜を提供するために単極性円筒単一磁極ペアハルバッハ磁石配列(unipolar cylindrical single pole−pair Halbach magnetic array)の今まで利用されていない磁石の特徴を利用し、並びに効率的な電子ダンピング機能によるサブ同期不安定性を除去する新規の制御システムによって可能にされる、少なくとも1つのロータアセンブリを備え、
任意選択で、フライホイールステータアセンブリ内で生じた熱が、フライホイールの真空エンクロージャに侵入することなく外部環境に輸送される新規の熱移送の手段をさらに備え、
任意選択で、磁場を分離し、普通なら、フライホイールの動作を劣化させることになるそのような磁場の有害な相互作用を防止する透磁性シールドをさらに備え、
3つの互いに直交する軸X、Y、及びZにおけるロータ位置のためのセンサをさらに備え、
センサデータを受け入れ、制御計算を実行し、制御エフェクタを作動させる計算手段をさらに備え、
単極性円筒ハルバッハ磁石配列と組み合わせて、電気エネルギーの回転運動エネルギーへの可逆変換を達成し、並びにロータ位置及び安定性制御エフェクタの処置を可能にするように配置された電磁石コイルをもつ少なくとも1つのステータをさらに備え、
外部環境とインタフェースする電子手段をさらに備え、
機械的支持体、低圧環境、及び前記エンクロージャの外部の環境の固定支持体にフライホイールアセンブリを装着するための手段を一緒に用意するエンクロージャ及び機械的フレームワークをさらに備える。
【0023】
本発明のこれらの要素は、以下でより詳細に論じられる。
【0024】
二重リフト磁気浮上システム:図1dは、限定はしないが、引力浮上器磁石アセンブリの1つの可能性のある構成を概略的に示し、それは、内側リング磁石217、外側リング磁石216、電磁制御コイル218、及び透磁性構成要素215で構成され、アセンブリは、局所重力ベクトルに対して垂直に位置づけられる。矢印は、リング磁石216及び217の反対の磁気極性を示す。アセンブリは、ロータアセンブリ(図示せず)に装着されている透磁性構成要素219を引き付ける。
【0025】
本発明において、1つのそのようなアセンブリはロータの上部部分で利用され、一方、別のものは、ロータの下部部分で利用され、それらは、実質的に、ロータの慣性中心のまわりにある。重要なことには、両方のアセンブリは、ロータに固定されたそれぞれの磁気構成要素(図示せず)で持ち上げられる。垂直ロータ位置が感知され、少なくとも1つのアセンブリの制御コイル218が作動されて、ロータの重量に整合するように永久磁石によって与えられる全上昇力を調整し、その時、ロータは浮上する。
【0026】
動作中、リング磁石216及び217によって生成された磁束は、透磁性エンクロージャ215を通して導かれ、自由空間で又は部分的に磁気構成要素219を通って戻る。作動されると、電磁制御コイル218は、リング磁石216及び217の間の領域のエンクロージャ215の磁気飽和を変化させることによって、磁気回路の磁束を調整する。これは、アセンブリによって磁気ロータ構成要素219に与えられる磁気引力の程度を制御する。磁石寸法、材料、及び強度は、一般に、磁石216及び217が、およそ等しい磁気エネルギーを磁気回路に与える(上方磁束が下方磁束と等しい)ように選択される。適切な磁気回路は、限定はしないが、1つ磁石のみを含めて、2つの磁石以外のものにより達成することができることが当業者には明らかであろう。
【0027】
動作中、電磁制御コイル218が作動されて(Z軸ロータ位置センサ、及びPID制御ループなどの適切な計算に応じて)、アセンブリの引力を調整することによってロータを浮上状態に維持する。
【0028】
この二重リフト浮上構成のさらなる態様は、浮上器磁石がロータに与えるわずかな安定中心化力である。
【0029】
本発明の新規性は、ロータ安定性を制御するのにフリンジング磁場を使用することである。図1bに示されるようなフリンジング磁場は、当技術分野では、厄介な又は役立たない副現象と考えられている。本発明は、これらの磁場を利用して、フリンジング磁場内に位置づけられた電磁石コイルとの相互作用によってロータ位置付けを達成する。回転軸に垂直なロータ変位を達成するのに、ハルバッハ配列の中央領域内の均一な単極性磁場を利用することはできない。配列のフリンジング磁場は、ロータを安定させるために制御可能な電磁石が作用できる成分を示す。
【0030】
電磁制御コイルは、図2における要素12及び14のように配置される。そのように配置されると、これらのコイルは、電流により作動されるとき、それぞれのフリンジング磁場18及び19との相互作用を介してロータアセンブリに力を与える。前記力は、作動される電流極性に応じて正又は負とすることができる。フリンジング磁場の複雑さのために、前記磁場と制御コイルとの間の詳細な相互作用は、限定はしないが、実験的測定によって、モデリングによって、又はそれらの組合せによって、導き出すことができる。
【0031】
ロータ位置の径方向摂動が感知される。制御コイルによって生成された力は、回転するフリンジング磁場と相互作用して、径方向位置の測定された不安定性を弱めることができる。
【0032】
概して、ロータ位置の制御は、限定はしないが、以下のものを含む。
a.2つの測定位置で、すなわち、ロータの質量のほぼ中心の上方の1つの測定位置及び下方の他の測定位置で、整数の回転にわたって、ロータの平均の幾何学的場所を測定すること。弱い中心化力のために、これらの測定及び計算は、測定位置での回転慣性中心を近似する。
b.上下の慣性中心の移動をマッピングして、それらの速度を計算すること。
c.これらの速度を弱めるのに適切な制御コイル電流を計算すること(可変電子ダンパ)。
d.上下の慣性中心の速度が小さい限り、ロータは主として慣性軸のまわりでの安定した回転のままであること。
【0033】
熱発生は、先行技術に従って構築されたフライホイールに他の制限を課する。ステータ巻線のジュール発熱損失(IR、又は抵抗加熱損失)は、高速のエネルギー充電又は放電状態の下での熱発生の主な原因である。フライホイール真空環境は、熱輸送を複雑にすることがある。
【0034】
本発明において、ステータアセンブリは、エンクロージャを備え、その中にロータ制御コイル及びモータ/発電機コイルが配置される。ステータエンクロージャは、ステータ内に搭載された構成要素に真空分離及び機械的支持を提供することができる。ステータエンクロージャは、外部環境への対流熱輸送を回復させるために、熱発生のステータ構成要素と接触する適切な誘電体流体(気体又は液体)をさらに含むことができる。ステータアセンブリは、外部フライホイールエンクロージャの少なくとも1つの内面の少なくとも1つの一部分に熱的に接続される。誘電体流体として相変化材料を使用すると、対流熱輸送を大幅に強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】単一磁極ペアハルバッハ配列のコアにおける均一磁場の図である。
図1B】柱状単一磁極ペアハルバッハ配列の端部の「フリンジング磁場」の概略図である。
図1C】従来の垂直軸フライホイールサスペンションの図であり、従来のフライホイールロータと、支持軸受と、幾何学的回転軸及び慣性回転軸との概略断面図を示す。図示のフライホイール及び軸受は、形状及び質量分布に関して理論的に完全であり理想的である。軸受202によって径方向に支持され、スラスト軸受アセンブリ204によって重力抗して支持されるロータ201は、軸203を中心に回転する。図は、完全な平衡の状態と、不完全な平衡の2つの状態とを示す。理想的である場合、幾何学的回転軸205は慣性回転軸と一致し、それらは、同一線上にあり、完全に中心に位置しており、軸203及び接続されたロータ201と共軸であり、これらはすべて200のZ軸と平行である。最初に示される不均衡の場合、質量分布不均一性(断面図のロータの左側半分の質量が大きい)により、慣性回転軸206は、もはや幾何学的回転軸205と同一直線上にはない(明瞭にするために変位が誇張されている)。質量分布不均一性は、純粋に径方向であり、正確にZ軸の中点で、ロータに垂直な(Z軸に対して)、ロータ201を二分する水平面に関して対称であるので、慣性軸と幾何学的軸の両方は平行のままである。第2の不均衡の場合は、図に示された瞬間に、ロータが左側及び上半分により大きい質量を有し、それが慣性軸207の変位及び傾斜をもたらすような非対称の質量分布を有するロータ201を示す(明瞭にするために変位は再度誇張されている)。幾何学的軸205及び慣性軸207は、平行でもなく、さらに、必ずしもロータ201内で交差することもない。
図1D】引力浮上器アセンブリの例を示す図である。この図は、内側リング磁石217、外側リング磁石216、電磁制御コイル218、及び強磁性ハウジング215で構成された浮上器磁石アセンブリの1つの例の断面図を概略的に示し、このアセンブリは、座標系200のXY平面と平行に位置づけられ、ロータ慣性軸206を基準として位置づけられる。矢印は、リング磁石216及び217の磁気極性を示す。引き付けられるロータ(図示せず)を浮上させるように前記浮上器磁石アセンブリによって制御可能に引き付けられる磁気ロータ構成要素が示される。エンクロージャ、磁石、及び制御コイルのアセンブリは、固定フレーム(図示せず)に固定され、ロータアセンブリ(図示せず)に装着された磁気構成要素219を引き付ける。
図2】フリンジング磁場相互作用の例を示す図である。
図3】光学遮蔽径方向位置測定の例を示す図である。
図4】二重リフト構成の例を示す図である。
図5】リフトを調整するための制御コイルをもつ二重リフト構成の例を示す図である。
図6】光学遮蔽垂直位置測定の例を示す図である。
図7】ハルバッハ配列に隣接するフライホイールマスを示す図である。
図8】磁気サブシステムシールドの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に関して、複数を含むことを意図していないことが明確に述べられているか又は文脈から明白に明らかでない限り、単数形でなされる本発明の任意の態様への言及は複数形を含み、またその逆も同様であると理解される。例えば、単数形の「センサ」への言及は2つ以上のセンサを含む。
【0037】
本明細書で使用されるとき、限定はしないが、ほぼ、約、およそ、実質的に、本質的になどのような近似に関する用語は、近似に関する用語によって修飾された語又は句が、正確に、記述されている通りである必要はなく、その記述された記載からある程度異なっていてもよいことを意味する。記載が異なってもよい程度は、どの程度の変更が行われてもよいか、又はどの程度の変更なら、当業者に、修正したバージョンを、近似の用語によって変更されていない語又は句の性質、特性、及び能力を依然として有しているとして認識させられるかに依存することになる。一般に、しかし、前述を念頭に置いて、近似に関する単語によって修飾される本明細書の数値は、明確にそうでないと述べられない限り、述べられた値から±15%だけ異なってもよい。
【0038】
本明細書で使用される「好ましい」、「好ましくは」、「より好ましい」、「現在好ましい」などの使用は、本特許出願の出願時に存在していた好ましさを指す。
【0039】
本明細書で使用されるとき、時には関連文献で「モータ−発電機」と呼ばれ、さらに、時には「フライホイール」と呼ばれる「電気機械バッテリ」は、急速に回転するロータアセンブリにエネルギーを貯蔵し、そのエネルギーを、ロータが減速したときに電気エネルギーとして解放するデバイスを指す。そのようなバッテリの以前の表明は、米国特許第5,705,902号、第6,566,775号、第6,858,962号、第7,679,247号に示されており、これらの各々は、本明細書に完全に記載されているかのように、図面を含めて参照により組み込まれる。これらの及び他の刊行物は、急速に回転され、以て、フライホイールが回転を落としたときに最終的に電気に変換するためのエネルギーを貯蔵するフライホイールに結合されたハルバッハ配列の使用を詳細に記載している。それゆえ、ハルバッハ配列電気機械バッテリの基本的な要素のすべてを本明細書で詳述する必要はないと考えられ、その理由は、それが、引用した参考文献並びに多数の他の特許参考文献及び技術記事から容易に収集され得るからである。本発明の重要性は、非常に低いエネルギーの消費を使用して電気機械バッテリの回転アセンブリを安定化させ、慣性回転軸のまわりで回転アセンブリを実質的に安定化させ、エネルギー貯蔵と変換効率、バッテリの単一充電寿命及び全体的な稼働寿命を最大化するために新規の技術を使用することにある。
【0040】
本明細書で使用する「ロータアセンブリ」又は「ロータ」は、少なくとも以下の要素を備える構成物を指す。
【0041】
a.標準のxyz座標系のz軸に沿って垂直に配置された、図1Bの柱状単一磁極ペアハルバッハ配列5。本開示の目的のために、ハルバッハ配列のそのような配置は、「垂直柱状配列」と呼ばれる。ハルバッハ配列は、配列の中心全体を通る貫通孔を有する。
【0042】
b.ハルバッハ配列に結合された図2の環状フライホイール8。本明細書のフライホイールは、一般に受け入れられている定義、すなわち、ホイールの回転ディスク、シリンダを有し、機械エネルギーが回転マスに貯蔵される。本発明の目的のために、フライホイールを構成するマスは、ハルバッハ配列に直接結合されてもよく、又はフライホイールの主要マスは、フライホイールに貯蔵されるエネルギーを増加させるために1つ又は複数のスペーサによってフライホイールの回転軸から外方向に変位されてもよい。「スペーサ」は、フライホイールのマスと比較して比較的軽量な、フライホイールのマスをハルバッハ配列に接続する放射状部材を指す。スペーサは、ハルバッハ配列をフライホイールマスに接続する複数のスポーク、ロッド、又はバーのうちの1つとすることができる。代替案では、スペーサは、比較的軽量の材料の中実リングを含むことができ、リングの内半径は、リングのその表面がハルバッハ配列の外側エッジと隣接して結合することを可能にし、リングの外半径は、フライホイールマスと隣接して結合することができる。
【0043】
c.図2の管状ステータ10が、ハルバッハ配列5の貫通孔内に配置される。ステータ10は、ハルバッハ配列の内壁に接触せず、むしろ、ステータの2つの端部は、引用した現存する文献に記載されているようにバッテリを囲むフレームワーク又はハウジングの上面及び下面に結合される。ステータは、図2の巻線11を含み、それは、当技術分野で一般に知られており、参照されるような1相、2相、3相以上の巻線を含むことができる。現在、3相巻線が好ましい。
【0044】
本明細書で使用する「ハルバッハ配列」は、当技術分野で知られており理解されているような永久磁石の特殊な構成を指し、磁石は、この構成の貫通孔の内部の磁場を増大させ、一方、外部の磁場を本質的に相殺する。柱状ハルバッハ配列の上面図が、図1Aに示される。簡単に言えば、磁石の矢印は、磁場の方向を示し、関与する各磁石ごとに、矢印の頭部は北を示し、矢印の尾部は南を示す。本発明の目的のために、配列は、磁場を配列のコア貫通孔内に片寄らせ、柱状配列の外側の磁場を本質的に除去するように設定される。図1A及び図1Bの破線によって示された貫通孔内の磁場は、図に示されるように完全に方向性がある。特に注目すべきは、配列の貫通孔内の磁場が一方向で均一であることである。均一性は、柱状配列を作り出すために使用される永久磁石の数を増加させることによって微調整することができ、事実上、任意の数の磁石を使用することができ、そのような柱状ハルバッハ配列は、本発明の範囲内にあるが、現在、12個の永久磁石が好ましい。柱状ハルバッハ配列の貫通孔内の磁場は均一であるが、配列の各端部の磁場は不均一であり、磁場は、そこで、図1Bの径方向成分と長手(又は本発明の場合のようにハルバッハ配列が垂直に位置を定められている場合には「垂直」)成分の両方を示す。ハルバッハ配列磁場のこれらの端部部分は、今後、「フリンジ磁場」と呼ばれる。
【0045】
本発明のこの態様のキーは、2つの固定コイルであり、一方はハルバッハカラムの一方の端部に又はその近くに配置され、他方はハルバッハカラムの他方の端部に又はその近くに配置される。コイルは、ハルバッハ配列の2つのフリンジ磁場と相互作用することができるように配置される。したがって、コイルは、前述の相互作用が可能である限り、貫通孔のどこにでも配置することができる。しかしながら、現在、2つのコイルは、図2に示された第1のコイル12がハルバッハ配列5の上端15に隣り合って配置され、第2のコイル14がハルバッハ配列5(図2)の下端7に隣り合って配置されるように、ステータ10の内部で両端に配置されることが好ましい。見て分かるように、コイルは、ハルバッハ配列5の上部フリンジ磁場18及び下部フリンジ磁場19内に少なくとも部分的に存在する。
【0046】
ロータ要素及びステータ要素に加えて、本発明の電気機械バッテリはセンサを含み、センサの機能は、ロータアセンブリを浮上させたとき、ロータアセンブリの径方向位置の変化を検出することである。センサは、当然、ロータアセンブリを浮上させていないとき、ロータアセンブリの径方向位置を検出することができることになるが、それは、本発明にはほとんど重要でない。浮上したときのロータアセンブリの位置を検出することに加えて、センサは、ロータアセンブリを浮上させて回転させているときのロータアセンブリ位置の変化を検出することができる。実際、現在、本発明のこの態様にとって最も重要なことはセンサのこの最後の機能である。電気機械バッテリでは、フライホイールは、多くの場合、極めて速く回転している。したがって、回転しているときのバッテリの様々な部品の固有の共振周波数と、フライホイールが回転する高速とは、バッテリに悪影響を、例えば、限定はしないが、疲労及び構成材料破損などをもたらすことがある。本発明のこの態様は、そのような有害事象を最小化し、潜在的に除去する。
【0047】
センサがロータアセンブリの径方向の位置の変化を検出すると、センサは、通信しているコントローラにその情報を送信し、次には、コントローラは、フリンジ磁場内に少なくとも部分的に存在するコイルに電流を導き、以て、その磁場と相互作用し、ロータアセンブリへの反力を生成する。
【0048】
事実上、上述の目的のために、任意の方法のセンサを使用することができ、ありとあらゆるそのようなセンサは本発明の範囲内にあるが、現在、センサは光源と光強度変化検出器とを含むことが好ましい。これが、ハルバッハ配列5の上面図である図3に示される。光源40は、光の一部がハルバッハ配列5によって妨げられ、光の一部が垂直エッジ45のそばを通過し、検出器55に衝突するように、ハルバッハ配列5の垂直エッジ45の方に向けられる。ハルバッハ配列5がその好ましい軸調芯からはずれて回転している場合、検出器55が見る光量は変化することになる。検出器55が見る光量の変化は、コントローラ(図示せず)に中継され、次いで、コントローラは、上述で記載された機能を実行する。図3は、ハルバッハ配列5の本体に向けられている光源を示すが、フライホイールのエッジ又はロータアセンブリの他の部分が使用される場合、センサ/コントローラ対は十分に同じように機能することになり、それは、明らかに、本発明の範囲内にある。任意の光源を使用することができるが、現在、光源は、LEDであることが好ましく、LEDは、安価であり、稼働寿命が長く、熱の発生が最小である。
【0049】
本発明のさらなる態様は、ロータアセンブリの浮上を微調整することに関する。そうするための新規の機構の追加の利点は、回転の長手(垂直)軸におけるロータアセンブリの中心化への受動的な好ましい効果である。本発明のこの態様は、少なくとも2つの永久磁石のアセンブリを使用する。3つ以上の磁石のアセンブリを使用する場合、論じている技法がどのように適用されるかは、以下の説明から明らかになるが、本明細書は、単に2つの磁石のアセンブリを使用する現在好ましい実施形態のみに関することになる。以下の説明は、浮上磁石の各アセンブリの1つの磁石がロータアセンブリに固定されている一実施形態を参照するが、磁石がロータに固定されないように構成された複数の浮上磁石アセンブリの少なくとも1つのアセンブリのうちの1つを示す図1fの浮上磁石アセンブリを開示し等しく適用される。
【0050】
図4において、磁石70、71、72、及び73の極性は、極性の従来の矢印描写を使用して示された通りである。見て分かるように、磁気ペア70及び71と、磁気ペア72及び73とは、両方とも引力モードである。磁石のペアは、両方とも長手軸、すなわち、ロータアセンブリ50の近似の回転慣性軸77に直交している。ロータの径方向軸のCGのまわりのトルク平衡を達成することに注意して、これらは、ロータアセンブリ50の端部間のどこにでも配置することができるが、現在、それらは、ロータアセンブリ50の重心(CG)79から等距離に配置され、1つのペアはCGの上方にあり、1つのペアはCGの下方にあることが好ましい。引力モードで永久磁石の2つのペアによって生成される磁気力は、スポーク/フライホイールをもつロータアセンブリ50を浮上させるのに十分であるように選択される。
【0051】
ロータアセンブリ/フライホイールの重量を相殺するための磁石の使用は、当技術分野で長く知られている。しかしながら、垂直軸フライホイールで一般に使用される構成は、当技術分野では、反発配列が好まれるか、さもなければ、引力配列がロータの上部の近くで使用され、一方、下部の二次配列が、全く存在しないか、又は斥力で相互作用するように構成されるという点で、本発明の構成と異なる。これに関する問題は、反発モードの場合、磁石が径方向に発散する、すなわち、磁石が、互いに押しのけ、一方の側に又は別の側に押しのけることである。電気機械バッテリに関して、この本質的な発散傾向は、回転軸のまわりでのロータアセンブリの安定性を達成及び維持するために追加の方法を必要とする。一般に、ロータアセンブリの安定性は、ロータ質量平衡に厳しい制約を課して、不均衡な力を制限する。その場合、これは、より高価なロータ製造手順を必要とする。その場合でさえ、ロータ質量分布は、しばしば、動作中に変化することがよく知られている。短期間に、ロータ質量分布は、スピンアップ中にロータが不均一に膨張するときに変化することがある。長期間にわたって、ロータ質量分布は、ロータ材料が、高回転速度で径方向及び周方向の応力に長期にさらされることに起因して、クリープするときに変化することがある。加えて、ロータ質量分布は、回転応力下での限定的な材料破損の結果として突然変化することがある。先行技術とは対照的に、本発明は、これらの制限を克服することができる。
【0052】
図4を参照すると、磁石72及び磁石73は、磁石70及び71と同様に引力モードに設定される。この構成は、垂直安定性を達成するために能動的に調整する必要があるという認識されている代償を払って発散力を最小化する。本発明の機能には必要ではないが、上部ペアと下部ペアとの間で磁極の方向を反転させることにより、より離れた距離から考えると、浮上磁石セットにより導入される正味磁場を、効果的に互いに相殺することができる。
【0053】
両方が引力モードで作用する2つの浮上器を利用することによって、各浮上器は、本明細書ではロータの「中心化」と呼ぶ受動的な径方向中心化力を与え、したがって、反発浮上器に固有の径方向の発散効果への補償を必要としない。弱い径方向復元力が、ロータアセンブリと、隣り合う静止構造との間の大きい径方向クリアランスを可能にし、それにより、径方向の制約なしにロータが慣性質量分布に従って純粋に回転することから生じる回転に近い回転が可能になる。その結果として、この強化されたクリアランスは、スピンアップ/スピンダウンの不均一な歪み、材料経年変化、及び局所微細構造破損に起因するロータアセンブリ/フライホイール質量分布の変化を吸収する。加えて、引力モードの2つのペアの浮上磁石は、ハードウェア生成及び組立ての開発に関して本質的に同一の特性を示し、制御ソフトウェア設計を簡単にすることができる。両方のペアの浮上磁石が引力モードである「二重リフト」設計のこれらの及び他の利点は、本明細書の説明と、代替のサスペンションの欠点に関する知識とに基づいて、当業者には明らかになるであろう。
【0054】
磁石支持要素77はL字型であり、Lの脚は、磁石支持要素78に向かって下向きに向いており、磁石支持要素78からの上向きの突起と位置合わされることも本発明の一態様である。磁石支持要素77及び78は、支持機能を実行するのに十分な強度の任意の材料から製造することができるが、現在、磁石支持要素77及び78は高透磁率材料から製造されることが好ましい。そのような材料の限定ではない一例は、鋼などの強磁性体であろう。これは、図1fの要素215及び219に等しく適用可能である。鋼要素が使用される場合、磁石自体と、要素77のL字型部分を含む磁石支持要素と、要素77のL字型部分を含む磁石支持要素と、要素78の上向き部分とによって形成される「リング」は、磁束の連続的循環の経路を作り出し、それは、磁石の近傍の磁場を強化し、以て、磁石間の引力を強化して浮上をさらに容易にする。
【0055】
上述の利点を提供するために、本発明の二重リフト設計は、本発明のロータアセンブリ/フライホイールの垂直位置の能動制御を必要とする。これは、図5に示される制御コイル90及び91を含むことによって、及び図1fの制御コイル218によって達成される。図5において、制御コイルは、固定磁石71及び73に隣り合って置かれる。コントローラ(図示せず)はセンサと通信し、センサは、浮上したロータアセンブリの垂直位置の変化を検出し、その位置データをコントローラに中継し、次いで、コントローラは、制御コイル90及び91に電流を導いて、磁石70及び71と磁石72及び73との間の磁場強度を変更し、それによって、ロータアセンブリ50の垂直位置に影響を与える。多くの制御アルゴリズムが、例えば、PIDコントローラに適切である。
【0056】
ロータアセンブリ50の垂直位置の変化を検出するためのセンサは、ロータアセンブリ50の径方向発散を検出するためのセンサと同様である。この場合もやはり、以下で説明する結果を達成する任意のタイプのセンサを使用することができ、それは、本発明の範囲内にある。しかしながら、現在、センサは、光源と光強度変化検出器とを含むことが好ましい。これが、図6に示される。光源100は、光の一部がロータアセンブリ50によって妨げられ、光の一部が上面15のそばを通過し、光源100からロータアセンブリ50の反対側に配置された検出器105に衝突するように上面15又はロータアセンブリ50のエッジの方に向けられる。ロータアセンブリ50が、現在の場所から上方又は下方に移動している場合、検出器105が見る光量は変化することになる。検出器105によって検出された光量の変化は、コントローラに中継され、次いで、コントローラは、上述で記載された機能を実行する。図6は、ロータアセンブリ50の上面を横切って向けられている光源を示しているが、光源が浮上したロータアセンブリ50の底面を横切って向けられることが、等しく許容可能であり、本発明の範囲内にある。前述同様に、任意の光源を使用することができるが、現在、光源がLEDであることが好ましい。
【0057】
ロータアセンブリ/フライホイールを浮上させるための上述の二重リフト機構は、ロータアセンブリの径方向変位を制御するための手段を含む前述のデバイスへの追加として説明されているが、二重リフト機構は径方向変位制御なしで使用することができ、その結果は、能動的な垂直位置制御のみによるデバイスとなることが可能であり、それは、本発明の一態様であることに留意されたい。
【0058】
本発明の電気機械バッテリのフライホイールは、少なくとも2つの全く異なる方法でロータアセンブリに付加することができる。フライホイールマスは、ハルバッハ配列に隣接し直接接続されてもよい。これが、図7に示され、前述のように、フライホイール8は、ハルバッハ配列5に隣接し直接連結される。別の方法では、フライホイール8のマスは、ロータアセンブリ50及びハルバッハ配列5から径方向に少し離れたところの別個の環状リングを含むことができる。これが、図2に示され、フライホイール8は、ハルバッハコアから分離され、スペース要素110を使用してロータアセンブリ50に取り付けられる。スペース要素は、単純に、自動車又は自転車のタイヤなどのハブに接続された任意の方法のホイールで見いだされるものなどのスポークとすることができる。他方では、スペース要素は、中実構成物とすることができ、スペース要素の内半径は、ロータアセンブリの表面に完全に隣接しており、スペース要素の外半径は、フライホイールマスの内面に完全に隣接している。当然、ロータアセンブリをフライホイールに接続するための他のスペース要素が、本明細書の本開示に基づいて当業者には明らかであり、すべてのそのような代替のスペース要素は本発明の範囲内にある。
【0059】
本発明の別の態様は、電気機械バッテリ内の有害な磁場相互作用を減衰させるためのデバイスである。本発明のものなどの電気機械バッテリは、永久磁石及び電磁石を使用して、互いに干渉する可能性がある強力な磁場を生成する。例えば、フライホイールベース電気機械バッテリのモータ/発電機に使用される磁場は、垂直位置付けのための上述のものなどのシステムのために生成される磁場と干渉することがある。これらの干渉を減衰させるために、磁場と、磁場が排除されるか又は少なくともその場所での磁場の強度が減じられることが望まれる場所との間に透磁性材料で製作された要素を挿入することができる。透磁性要素は、磁束に優先経路を提供し、以て、電気機械バッテリシステム全体の別の要素に悪影響を与える可能性がある残留磁気力を減少させる。任意のタイプの高透磁性材料を使用することができるが、現在、材料は、強磁性であり、少なくとも2000の透磁率を有することが好ましい。これにより、システムのすべての要素の安定な動作を強化されることが期待される。そのような要素が図8に示される。
【0060】
図8は、二重リフト永久磁石ペア70及び71並びに72及び73をもつロータアセンブリ50を示す。ハルバッハ配列5の上面150と、二重リフト磁石ペア72及び73との間に、環状要素160が配置される。同様に、環状要素161が、ハルバッハ配列5の底面151と二重リフト磁石ペア70及び71との間に配置される。これらの要素は、ステータ10がロータアセンブリ50の両端部から突き出し、電気機械バッテリ全体を収納するハウジング(図示せず)の上面及び底面に取り付けられるように環状である。図8に示されるように、環状要素160及び161は、永久磁石70、71、72、及び73によって作り出される磁場を、ハルバッハ配列によって作り出されるフリンジ磁場18及び19(図示しないが、図2を参照)から分離する。そのとき、これは、磁場間の干渉と、ロータアセンブリ50の安定性への付随する悪影響とを軽減する。
【0061】
(引用した従来技術)
米国特許第7,876,010号
米国特許第7,679,247号
米国特許第6,858,962号
米国特許第6,566,775号
米国特許第5,705,902号
Merritt, Bernard T、RF Post、Gary R Dreifeurst、及びDA Bender.「Halbach Array Motor/Generators−A Novel Generalized Electric Machine.」、Halbach Festschrift Symposium、1995年2月3日。
Shafai,Beale、S Beale、P LaRocca、及びE Cusson.「Magnetic Bearing Control Systems and Adaptive Forced Balancing.」、Control Systems、IEEE 14、2号(1994年):4〜13頁。
図1A
図1B
図1c
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータアセンブリであって、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列であって、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と、
e.前記フリンジング磁場と相互作用する、前記ハルバッハ配列の前記上端部のコイル及び前記下端部のコイルと、
を備えるロータアセンブリと、
前記ロータアセンブリが浮上したときの前記ロータアセンブリの径方向位置の変化を検出するセンサと、
前記センサと通信するコントローラであって、前記センサからの径方向位置データを受け取ったとき、前記コントローラが、電流を前記コイルに導いて、前記ロータアセンブリの前記径方向位置に影響を与える、コントローラと、
を備える電気機械バッテリ。
【請求項2】
前記センサが、
光のビームの一部が前記ロータアセンブリによって阻止されるように前記光のビームを前記ロータアセンブリの長手方向エッジに向ける光源と、
前記光源から前記ロータアセンブリの反対側に位置づけられた検出器であって、前記検出器が、前記ロータアセンブリの前記径方向位置の変化に起因する、前記ロータアセンブリの前記長手方向エッジのそばを通過する光の量の変化を感知し、その情報を前記コントローラに送信する、検出器と、
を備える、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項3】
少なくとも2つの永久磁石のアセンブリであって、各アセンブリが、前記ロータアセンブリを囲むフレームワークに固定して結合され、各アセンブリの前記磁石(複数可)が、前記ロータアセンブリに浮上力を与えるように配置される、少なくとも2つの永久磁石のアセンブリを備える、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項4】
各磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記長手軸に直交しており、
一方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの重心の上方に配置され、他方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の下方に配置され、
前記複数の永久磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリを重力に抗して浮上させるのに十分な磁気力を生成するとともに、加えて、前記ロータアセンブリの中心化に受動的に影響を与える、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項5】
前記ロータアセンブリが浮上したときの前記ロータアセンブリの垂直位置の変化を検出するセンサと、
前記センサと通信するコントローラであって、前記センサからの位置データを受け取ったとき、前記コントローラが、電流を前記複数の制御コイルに導いて、前記ロータアセンブリの前記垂直位置に影響を与える、コントローラと、
を備える、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項6】
前記バッテリが、気密ハウジング内に配置される、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項7】
高透磁性構成要素が、フリンジング磁場を他の磁場との相互作用から分離する、請求項1に記載の電気機械バッテリ。
【請求項8】
ロータアセンブリであり、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列で、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と
を備えるロータアセンブリと、
少なくとも2つの永久磁石のアセンブリであり、各アセンブリが、前記ロータアセンブリを囲むフレームワークに固定して結合され、各アセンブリの前記磁石(複数可)が、前記ロータアセンブリに浮上力を与えるように配置される、少なくとも2つの永久磁石のアセンブリと、
を備える電気機械バッテリであって、
各磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記長手軸に直交して配置され、
一方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの重心の上方に配置され、他方の磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリの前記重心の下方に配置され、
a.前記複数の永久磁石のアセンブリが、前記ロータアセンブリを浮上させるのに十分な磁気力を生成するとともに、加えて、前記ロータアセンブリの中心化に受動的に影響を与える、電気機械バッテリ。
【請求項9】
前記バッテリが、気密ハウジング内に配置される、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項10】
真空が、前記気密ハウジング内に作り出される、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項11】
ステータ巻線内で生じた熱が、前記気密ハウジングの少なくとも1つの内面に輸送される、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項12】
高透磁性構成要素が、浮上器磁場を他の磁場との相互作用から分離する、請求項に記載の電気機械バッテリ。
【請求項13】
ロータアセンブリであり、
a.中心貫通孔を画定する永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列で、前記配列が、上端部と、下端部と、本質的に平面状の上面及び下面とを有し、前記平面状の上面及び前記下面が、前記柱状配列の長手軸に垂直であり、
前記ハルバッハ配列が、前記中心貫通孔内の実質的に均一な一方向磁場と、前記ハルバッハ配列の前記上面及び前記下面での径方向成分及び垂直成分をもつ不均一なフリンジ磁場とを有する、永久磁石の垂直柱状単一磁極ペアハルバッハ配列と、
b.前記ロータアセンブリに結合された環状フライホイールと、
c.前記ハルバッハ配列の前記貫通孔内に配置され、前記配列の前記長手軸に実質的に中心があるステータと、
d.前記ステータ内に配置された巻線と、
を備えるロータアセンブリと、
前記ロータアセンブリを幾何学的回転軸に弱く拘束する又は全く拘束しない手段と、
を備える電気機械バッテリ。
【請求項14】
幾何学的回転軸に弱く拘束される又は全く拘束されないロータアセンブリの回転を可能にする手段が、
少なくとも弱い径方向中心化を示す少なくとも2つの制御可能な磁石アセンブリによるロータアセンブリ浮上を含む、請求項13に記載の電気機械バッテリ。
【請求項15】
幾何学的回転軸に弱く拘束される又は全く拘束されないロータアセンブリの回転を可能にする手段が、
a.ハルバッハ配列のフリンジング磁場に作用する制御コイルを利用したロータ安定化を含む、請求項13に記載の電気機械バッテリ。
【国際調査報告】