特表2021-531516(P2021-531516A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2021531516-音声通信用無線機密装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-531516(P2021-531516A)
(43)【公表日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】音声通信用無線機密装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/178 20060101AFI20211022BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20211022BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20211022BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20211022BHJP
   H04M 1/05 20060101ALI20211022BHJP
【FI】
   G10K11/178
   H04R1/02 107
   G10K11/16 150
   H04M1/02 C
   H04M1/05 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-518421(P2021-518421)
(86)(22)【出願日】2018年6月8日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月2日
(86)【国際出願番号】UA2018000057
(87)【国際公開番号】WO2019236046
(87)【国際公開日】20191212
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520483523
【氏名又は名称】ネステレンコ オレクサンドル ヴァシリヨヴィク
(71)【出願人】
【識別番号】520483534
【氏名又は名称】サクン ロマン ペトロヴィク
(71)【出願人】
【識別番号】520483545
【氏名又は名称】ロマシコ ヤロスラフ ヴォロディミロヴィク
(71)【出願人】
【識別番号】520483556
【氏名又は名称】シェヴチェンコ コスティアンティン ペトロヴィク
(71)【出願人】
【識別番号】520483567
【氏名又は名称】キリウク ボロディミール ヴィクトロヴィク
(71)【出願人】
【識別番号】520483578
【氏名又は名称】レヴチュク アンドリー ヴォロディミロヴィク
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ネステレンコ オレクサンドル ヴァシリヨヴィク
(72)【発明者】
【氏名】サクン ロマン ペトロヴィク
(72)【発明者】
【氏名】ロマシコ ヤロスラフ ヴォロディミロヴィク
(72)【発明者】
【氏名】シェヴチェンコ コスティアンティン ペトロヴィク
(72)【発明者】
【氏名】キリウク ボロディミール ヴィクトロヴィク
(72)【発明者】
【氏名】レヴチュク アンドリー ヴォロディミロヴィク
【テーマコード(参考)】
5D017
5D061
5K023
【Fターム(参考)】
5D017BC03
5D061CC12
5D061FF02
5K023AA07
5K023BB09
5K023EE17
5K023GG03
5K023PP12
(57)【要約】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、携帯電話、セルラー、固定電話、およびマイクロフォンを有する他の通信装置などの電子通信装置を使用して、会話の機密性を保証するための装置および手段に関する。会話のプライバシーは、レストラン、映画館、公共交通機関、オフィスなどを含む様々な公共の場所に関連する。同時に、多くの場合、他人の注目を寄せ付けない秘密の会話を行うこと、ならびに、そのキャリアが環境であり得る音および/またはノイズが干渉することなく対話者と通信する可能性が、重要になる。音声通信用無線機密装置は、フランジ(2)を有する人間工学的に形成されたハウジング(1)を備え、その形状は、ユーザーの口の周りの領域を覆うためである。ハウジング(1)は、少なくとも1つのマイクロフォン(3)、トランシーバ、スイッチ(4)、吸音手段または音低減手段(5)を備え、前部(6)、側部(7)および後部(8)を含む。フランジ(2)は、ハウジング(1)の前部(6)の内面に配置され、装置は、有線または無線ヘッドセット(9)と、モバイル通信手段に接続され、発話の能動消音方法およびノイズ低減技術によって発話の受動消音方法を補完するように配置された、少なくとも1つのヘッドフォン(10)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通信用無線機密装置であって、ユーザーの口の周りの領域を覆うように形成されたフランジ(2)を有する人間工学的に形成されたハウジング(1)を備え、前記ハウジング(1)は、少なくとも1つのマイクロフォン(3)と、トランシーバと、スイッチ(4)と、吸音手段または音低減手段(5)と、を備え、前記ハウジング(1)は、前部(6)と、側部(7)と、後部(8)と、を備え、前記フランジ(2)は、前記ハウジング(1)の前部(6)の内面に配置され、前記装置は、有線または無線ヘッドセット(9)と、モバイル通信手段に接続され、発話の能動消音方法およびノイズ低減方法によって発話の受動消音方法を補完するように配置された、少なくとも1つのヘッドフォン(10)と、を含む、音声通信用無線機密装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声通信用無線機密装置であって、前記ハウジング(1)の前部(6)は、着脱可能になっている、音声通信用無線機密装置。
【請求項3】
請求項1に記載の音声通信用無線機密装置であって、前記ハウジング(1)の前部(6)の内面上の前記フランジ(2)は、取り外し可能にされ、弾性吸音材料または音を低減する材料から作られる、音声通信用無線機密装置。
【請求項4】
請求項1に記載の音声通信用無線機密装置であって、前記フランジ(2)材料は、ユーザーの皮膚に中立であり、皮膚に快適なフィット感を提供する、音声通信用無線機密装置。
【請求項5】
請求項1に記載の音声通信用無線機密装置であって、前記ハウジング(1)は、少なくとも1つの外部マイクロフォンを備え、前記外部マイクロフォンは、前記トランシーバに接続され、前記装置の外部のノイズレベルを測定するように構成される、音声通信用無線機密装置。
【請求項6】
請求項1に記載の音声通信用無線機密装置であって、能動発話低減のモードおよびノイズ低減モードの制御は、モバイル通信手段に搭載された特別なソフトウェアによって実行される、音声通信用無線機密装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、携帯電話、セルラー、固定電話、およびマイクロフォンを有する他の通信装置などの電子通信装置を使用して、会話の機密性を保証するための装置および手段に関する。会話のプライバシーは、レストラン、映画館、公共交通機関、オフィスなどを含む様々な公共の場所に関連する。同時に、多くの場合、他人の注目を寄せ付けない秘密の会話を行うこと、ならびに、そのキャリアが環境であり得る音および/またはノイズが干渉することなく対話者と通信する可能性が、重要になる。
【背景技術】
【0002】
モバイルおよびセルラー通信の発展に伴い、公共の場所でモバイルフォンまたは携帯電話を使用する間、会話の機密性を維持するそれに伴う必要がある。一般の生活の様々な領域においてモバイルフォンおよび携帯電話と共に使用される多種多様な電話−マイクロフォンヘッドセットは、この課題を部分的に解決する。しかしながら、電話−マイクロフォンヘッドセットは、部外者または発信者による着信情報のみを聞かれないように保護することができる一方で、発信情報の内容は、公然と利用可能であり得る。
【0003】
全ての公知の電話−マイクロフォンヘッドセットは、テレフォンカプセルおよびマイクロフォンを必然的に含む。気導マイクロフォンは、通常、ユーザーの口の近くに直接フレキシブルケーブルで配置されて使用され、それは、特に差動型マイクロフォンを使用する場合に、外部からの信号およびノイズのマイクロフォンによる受信レベルの増加を引き起こす。
【0004】
従来技術から、マイクロフォンを装備したマスクおよび他の補助通信装置が知られている。例えば、1995年の公開日である特許文献1で知られている電話−マイクロフォンヘッドセットは、頸部カラー上に配置されたリングフォン(ling phone)型のマイクロフォンおよび電話を有するヘッドフォンを開示している。ヘッドフォンは、耳要素の形態で設計され、その平坦部分は、耳介内に配置されることを可能にし、一方、ヘッドフォンおよびマイクロフォンは、ケーブルによってコネクタを介してモバイルに接続される。この設計の欠点は、ユーザーが他人に聞かれることなく話すことができる装置ではないことである。
【0005】
別のマスクが、特許文献2(実用新案、公開日2016年10.12)に開示されている。マスクは、顔の下部を覆う。マスクは、口領域に設置されたマイクロフォンと、耳要素の形態で作られたヘッドフォンとを含み、その平坦部分は、耳介内に配置されることを可能にする。これにおいて、マスクは、弾性材料で作られており、これにより、ユーザーの顔の構成に応じてユーザーの顔の形になることが可能になる。マスクは、皮膚への柔らかい非侵襲性シーラントで作られたエッジを有し、それは、吸音材料で作ることができ、Bluetooth(登録商標)技術を使用してモバイルに接続することができる。この設計の主な欠点は、音を消すまたは音を低減する材料を使用することによってユーザーの発話を受動的にしか消すことができないことである。外部ノイズのレベルを分析してユーザーの発話をそれから保護することができる手段はない。
【0006】
最も近い類似物は、閉鎖端および広く開いた端を有するハウジングを含む、特許文献3(2008年8月14日公開)の移動通信用の無線音声消音装置である。ハウジングの閉鎖端は人間工学的形状をしており、使いやすくなっている。ハウジングの広く開いた端は、ユーザーの口の周りの顔の領域を覆うように形成される。ハウジングは、マイクロフォン、トランシーバ、抗菌または吸音手段、または音を低減する手段、スイッチ、および通気孔をさらに備える。この装置は、いくつかの似た実施形態を有し、音声認識、望ましくない外部からの音声の受動的消音、公共の場所で機密の会話を行うための快適な状況の創出、のための非常に効果的なツールである。さらに、この装置は、公共の場所でのノイズの増加を防止し、これは、消音なしでのモバイル上での会話をもたらすことができる。最も近い類似物の主な欠点は、音声消音の受動的な方法しか使用しないこと、および公共の場所における外部ノイズのレベルを分析してユーザーの音声をそれから保護することができる追加のツールがないことである。
【0007】
Bluetooth(登録商標)、WIFI(登録商標)、WiMAX(登録商標)、ワイヤレスUSB(登録商標)、または他の適切なワイヤレス無線周波数トランシーバなどのワイヤレス技術を、開発された装置において使用することは、効果的なノイズ低減の可能性、機密の交渉を行う能力、およびマイクロフォンにおける音声の明確さの送達に大きな影響を有することに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】スイス国特許第681841号
【特許文献2】ロシア連邦特許第166740号
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0195390号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、能動電子部品によって、モバイル通信を使用する機密通信を提供することができ、公共の場所でモバイル通信を使用する会話で生成されるノイズレベルを実質的に低減し、通信設備および電気通信装置に音声信号を送信するためのBluetoothまたは類似のワイヤレスシステムおよび技術を使用し、マイクロフォン入力に供給される音声信号のレベルへの外部ノイズの影響を効果的に除去することができる、装置を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、ユーザーの口の周りの領域を覆うように形成されたフランジを有する人間工学的に成形されたハウジングを備える音声通信用無線機密装置によって達成され、また、ハウジングは、少なくとも1つのマイクロフォン、トランシーバ、スイッチ、吸音手段または減音手段を備え、前記のハウジングは、前部、側部、および後部を備え、フランジは、ハウジングの前部の内面上に配置され、装置は、有線または無線ヘッドセットと、モバイル通信手段に接続され、発話の能動減衰方法およびノイズ低減方法によって発話の受動減衰方法を補完するように配置された、少なくとも1つのヘッドフォンとを備える。
【0011】
さらに、ハウジングの前部は、着脱可能にされ、ハウジングの前部の内面上のフランジは、取り外し可能にされ、弾性吸音材料または音を低減する材料から作られる。ユーザーの皮膚に中立であり、皮膚にぴったりとした快適なフィット感を提供する材料を、使用することが望ましい。上記の特性を有する材料を使用すると、騒音レベルの受動消音が可能になり、望ましいノイズ低減にもつながり得る。そのような材料は、容易に洗浄され、容易に消毒される。
【0012】
さらに、ヘッドフォンは、耳要素の形態で作製され、その平坦部分により、耳介内にそれを配置することが可能になる。
【0013】
受動発話消音の方法は、音声通信用無線機密装置の設計特徴に基づいており、これらの方法の有効性は、この装置の製造で使用される材料の特性、すなわち、吸音の程度または減音の程度に、直接依存する。
【0014】
能動(アクティブ)発話消音の方法は、受動(パッシブ)消音方法への能動的な補完であることができ、装置の外部の保護音バックグラウンドとして使用されることができる。保護音バックグラウンドのリピーターとして、一般に、モバイル通信手段に含まれるダイナミクスが使用されるが、しかしながら、いくつかの実施形態では、装置は、保護バックグラウンド音の再送に使用される少なくとも1つの外部スピーカーを備えることができる。換言すれば、能動消音方法は、装置での会話中にユーザーがレベルおよび強度を調整することができるノイズスクリーン−保護バックグラウンド音がユーザーの発話を保護するときに、能動マスキング、またはモバイル通信手段を使用して会話プライバシーを保護する能動的方法を、実施する。また、装置のいくつかの実施形態では、Bluetoothシステムを介して接続された外部スピーカーは、バックグラウンド音声トランスレータの機能も実行することができ、これは、実際には、標準的な電話ヘッドセットのサイズまでの、装置の重量の大幅な低減につながり得る。
【0015】
また、音声通信用無線機密装置は、モバイル通信手段に搭載された特別なソフトウェアを使用して制御されることができる。ソフトウェアがあれば、ユーザーは、サウンドバックグラウンドを作成するための様々なモードを選択する機会を得る。例えば、保護音バックグラウンドは、携帯電話またはモバイル通信手段のメモリに記録された標準音のセットに基づいて、形成されることができる。そのようなバックグラウンド音は、会話の休止を含む、ユーザーの会話の間中ずっと鳴る。さらに、保護音バックグラウンドのモードは、話された言葉の形態のユーザーの発話と調和して鳴らされる二次音声信号の形態で実施されることができる。このモードは、装置を使用する話し中の人に非常に近い人にとってさえも、ユーザーの発話を理解できないようにする。
【0016】
好ましくは、ハウジングは、少なくとも1つの外部マイクロフォンが加えて装備されることができ、それは、トランシーバに接続され、会話中に主マイクロフォンの入力に入力される音声信号の品質および純度に大きく影響を与え得る装置の外部のノイズレベルを測定するように構成され、公共の場所での効果的なノイズ低減を可能にする。そのようなマイクロフォンによって得られたデータに基づいて、外部ノイズの低減に関連する装置の動作モードを起動することが可能である。能動ノイズ低減モードは、標準的な音のセットに基づいたサウンドバックグラウンドを使用する場合にのみ可能であることに、注意することが重要である。外部ノイズの低減の本質は、外部マイクロフォンから得られたサウンドバックグラウンドが、一次音波として作用し、それに基づいて一次信号(一次音波)とは逆の二次音声信号が生成されることである。出力信号は、二次信号のみで、および一次信号と二次信号の合計の合成信号で、構成されることができる。実際、ノイズバックグラウンドと有用な信号との混合が存在する。外部ノイズの最も効果的な抑制は、合成出力信号を使用する場合に生じる。そのような信号は、装置の外部のかなりのノイズにつながる、装置の周囲の領域で作用する相殺的干渉の生成につながり、ユーザーの発話への外部ノイズの付与の低減をもたらすからである。これらの作用により、ユーザーの加入者(subscribers)は、より高品質の音声信号を受信することになる。
【0017】
装置の実施形態の1つは、着脱可能なハウジングを有する装置であり、これは、同時に、ユーザーによる装置の使用の利便性に関連するいくつかの問題を直ちに解決することが可能であるためである。一般に、ハウジングの前部が着脱可能であるが、他の実施形態も利用可能であり得る。また、分離のオプションおよびそれを実行するのに使用される技術的手段も、無制限である。磁気ラッチ、特殊フック、一方の側の突出部および他方の側の対応する溝などを、使用することができる。同様に、装置が、ユーザーの頭部の下部をしっかりと覆わなければならず、異なるユーザーの頭部のサイズが異なり得るという事実を考えると、弾性および/または弾性要素を装置のハウジングに使用することができる。例えば、ハウジングの側部および/またはハウジングの後部は、弾性および/または弾性材料で作られてよい。装置内の異なる頭部サイズについて、内部寸法を変更する手段を設けることができる。受動状態では、装置は、ただ置かれるかまたは開位置でユーザーの首にぶら下がっていることがあり、これは、いかなる不快感も引き起こさない。
【0018】
以下に示される図面、ならびに音声通信用無線機密装置の実施例の説明は、特許請求される発明を例示するためにのみなされ、特許請求の範囲による権利の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】着脱可能なハウジングを有する音声通信用無線機密装置の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書で使用されるように、「ハウジング」という用語は、一般に、機械的、電気的、電子部品、および/またはそれらの任意の組合せを、含み、囲み、または支持するように設計された、金属のまたは非金属の、あるいは両方の組み合わせの、保護カバー、ケーシング、ケース、またはシェルを、指すことが意図される。それは、均質、不均質、多層、多体、多フレーム、多色および/または任意の固体であり得る。
【0021】
本明細書で使用されるように、「人間工学的に形成された」という用語は、一般に、疲労および不都合さを低減するのに役立つために、ユーザーの手全体に快適に一致するまたは適合し、最小限の労力でユーザーの手から滑り出さない、輪郭付けられたまとまりまたは本体を、指すことが意図される。また、人間工学的に形成されたまとまりは、木材、ゴム、プラスチック、または皮革で作られた、交換可能なまたは交換不可能な、滑らない、自然の、圧縮可能な把持材を一体化することによって、強化された表面であることが意図される。
【0022】
本明細書で使用されるように、「スイッチ」という用語は、一般に、押しボタンスイッチを指すことが意図される。この用語は、最近ほとんどのBluetooth無線ヘッドセットメーカーで広く採用されている。前記のスイッチは、パワーアップ、ペアリング、マイクロフォン起動、パワーダウン、ならびに他の特殊携帯電話無線ヘッドセット機能を提供する。このスイッチは、ほとんどの場合、ヘッドセットの状態情報を提供する小さなインジケータランプを埋め込んでいる。
【0023】
本明細書で使用されるように、「トランシーバ」という用語は、一般に、アナログまたはデジタル信号を送受信する電子装置または回路を、意味することが意図される。これには、例えば、衛星上のトランスポンダ、コンピュータ内のネットワークアダプタ、または携帯電話内の回路など、多くの形態がある。一例は、Bluetoothトランシーバユニットであり、それは、コーデック、オーディオ/デジタル変換器、デジタル/オーディオ変換器、RFおよびAF増幅器、フラッシュメモリまたはROM、内部メモリ、またはRAM、RISCまたはCPU、自動シャットオフタイマ、セルフテスト回路、および他の関連する電子部品などの、電子回路から典型的に構成される。さらに、「モジュール」という用語は、ユニットとして設置されるコンピュータ内のステージなどの、電子部品および回路の自立型アセンブリを指す。従って、本明細書で使用されるように、「トランシーバユニット」または「トランシーバモジュール」という用語は、一般に、送信機、受信機、アンテナ、音声処理、音声調整、音声認識、音質最適化、電源、電池、デジタルおよびアナログプロセッサ、信号調整器、および/またはそれらの任意の組合せなどの、電子部品および回路を有する集積アセンブリを指すことが意図されるが、それらに限定されない。拡張スロット、アダプタ、ソケット、コネクタ、および/またはそれらの任意の組み合わせを使用することは、それらのハードウェア製品の強化および新しい機能性を追加することによってロバスト性および拡張性を提供することを目的として、電子産業における一般的な慣行であることを、さらに理解されたい。その一例が、PCのモデムであり、それは、独自の電源を持つ外部機器ではなく、PCのCPUに統合されるようになっている。同様に、このパラダイムは、はっきりと明らかなように逆に機能する。従って、前述のモデルを使用すると、トランシーバモジュールの部品のいくつかは、法的な定義を満たすためにモジュール内に封入されたままである必要はなく、むしろ、いくつかの部品は、その外側に位置することもできることを、理解されたい。例えば、トランシーバの使用を長くするために、電池パックを追加することができ、その範囲を広げるために、RF増幅器と、より長いアンテナとを、外部に、追加することができる。さらに、小型化に関する半導体産業の急速な進歩のために、より多くのディスクリート部品が、その中に集積されてモジュール化されていることが、さらに理解される。例えば、10年前、ほとんどのPC実務者は、CPUを、CPUチップ、デジタル通信制御装置、I/O制御装置、ファームウェアROM、タイミング回路、キャッシュ制御装置などの、ディスクリート部品で一般に構成されると言及する。今日では、CPUは、マザーボード内の全ての部品のことを指し、それは、ほとんど単一のモジュールまたはユニットに非常に密接に統合され、それがモバイルインターネットデバイス(MID)と称される新しいタイプのPCにインストールされることを可能にする。
【0024】
音声通信用無線機密装置は、フランジ2を有する人間工学的に形成されたハウジング1を備え、その形状は、ユーザーの口の周りの領域を覆うのに適している。さらに、ハウジング1は、少なくとも1つのマイクロフォン3と、トランシーバ(図示せず)と、スイッチ4と、吸音手段または減音手段5とを備える。ハウジング1は、前部6と、側部7と、後部8とを備える。ここで、様々な実施形態では、ハウジング1は、単一構造としてまたは複合構造として、すなわち、前部6、側部7、および後部8が互いに接続された形態で、作製することができる。ハウジング1は、着脱可能なまたは一体化した構造の形態で具現化することができる。ハウジング1の着脱可能要素は、前部6、側部7、後部8、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の部品とすることができる。着脱可能な構造として形成されたハウジングの場合、ハウジング部品1の接続要素は、任意の種類とすることができる。ハウジング1の前部6の内面には、フランジ2が配置されており、これは任意の適切な形状とすることができる。スイッチ4は、装置の機能オン/オフを有する自動電子手段として、または手動スイッチの形態で、実施されることができる。ハウジング1は、トランシーバに接続され、装置の外部のノイズレベルを測定するように構成された、少なくとも1つの外部マイクロフォン(図示せず)をさらに備える。さらに、装置は、耳要素の形態で作られた少なくとも1つのヘッドフォン10を有する有線または無線のヘッドセット9を備え、耳要素の平坦な部分は、それが耳介内に配置されることを可能にする。ハウジング1内の装置の便宜上、特別な空気流路11を作ることができる。さらに、ハウジング1は、少なくとも1つの外部スピーカー12を備えることができる。
【0025】
請求項に記載の装置は、以下のように機能する。装置が作動していないとき、それは、ユーザーの近くにあるかまたはユーザーの首にぶら下がっていることがあり、これは、いかなる不快感も引き起こさない。さらに、装置は、音楽を聴くまたは聴覚情報を受信するのに便利なモバイルスピーカーとして使用することができる。装置を作動させるために、ユーザーは、装置を自動的にオン/オフする電子手段として、または手動スイッチとして、実施されるスイッチ4を使用する。このスイッチ4により、ユーザーは、所望の動作モードを選択することもできる。装置が発信者からの着信または発信で動作を開始する前に、ユーザーは、ハウジング1のフランジ2がユーザーの口の周りの領域を都合よく覆うように装置を配置する。ユーザーの皮膚に中立であるハウジング1の内側シェル用の特別な材料の使用は、皮膚に快適なフィット感を提供する。デフォルトでは、装置の可能な動作モードのうちの1つを設定することができる。
・フランジ2およびハウジング1の内側シェルを作る材料の特性により、(外部保護音バックグラウンドを生成しない)受動消音付きの動作モードが可能である。
・モバイルまたはモバイル通信手段のメモリに記録された標準音の設定に基づいて、外部保護音バックグラウンドを生成するモード。
・二次音声信号を形成し、それを一次音声信号にオーバラップさせることを伴う、ユーザーの発話に基づいてサウンドバックグラウンドをインタラクティブに形成するモード。
・標準音のセットに基づいて外部保護音バックグラウンドを生成する特別なケースであり、さらに発信音響信号の純度を確保する、能動ノイズ低減モード。
【0026】
受動消音での装置の動作モードは、最も効率的でないモードである。消音の質が、出力音信号のレベル(ユーザーの発話のボリューム)と、フランジ2およびハウジング1(その内側シェル)の吸音特性とに直接依存するからである。効率が低いにもかかわらず、この動作モードは、ユーザーによる使用が容易であるという点、および製造が容易であるという点の両方の点で、最も便利である。
【0027】
音の能動消音の可能なモードのそれぞれは、その利点を有する。例えば、二次音声信号を形成し、それを一次音声信号にオーバラップさせることを伴う、ユーザーの発話に基づいてサウンドバックグラウンドをインタラクティブに形成するモードは、一次信号とは逆の二次信号のみで、および一次信号と二次信号の合計を表す合成信号でも、構成される出力信号を含んでよい。そのような出力音声信号を、装置の外部スピーカーを通じて、および/またはモバイルまたはモバイル通信手段の外部ダイナミクスを通じて、ユーザーの周囲の環境に送信することにより、装置を通じて話しているユーザーに非常に近い人にとってさえも、ユーザーの発話を理解できないようにする。
【0028】
モバイルまたはモバイル通信手段のメモリに記録された標準音の設定に基づいて外部保護音バックグラウンドを生成するモードは、おそらく、会話の機密性を保証する最も効果的なモードであり、高品質の出力音声信号を生成する手段である。これは、外部の保護音バックグラウンドを生成することによって、および能動ノイズ低減モードの実行を通じて、実現される。能動ノイズ低減モードは、少なくとも1つの外部マイクロフォンを使用して装置の外部のノイズレベルを測定することに基づいている。外部マイクロフォンから受け取ったサウンドバックグラウンドは、一次音波として作用し、それに基づいて、二次音声信号が生成され、一次音波とは逆である。二次信号または一次信号と二次信号との組み合わせの使用は、装置の外部のかなりのノイズをもたらす、装置の周囲の領域で作用する相殺的干渉の生成につながり、ユーザーの発話への外部ノイズの付与の低減をもたらす。これらの作用により、ユーザーの加入者は、より高品質の音声信号を受信することになる。
【0029】
受動モードでは、装置は、外部スピーカーおよび/または有線または無線ヘッドフォンを使用して、オーディオスピーカーとして使用されることができる。
【0030】
本発明の装置は、空港、駅、コールセンター、公共交通機関、オフィス、学校等の公共の場所での使用に関連する。それは、話している人が生成するノイズを最小限にし、通信の質を改善し、会話の機密性を確保し、通信の快適性を著しく改善する。



図1
【国際調査報告】