特表2021-531600(P2021-531600A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特表2021531600-ユーザー間の取引を促進する方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-531600(P2021-531600A)
(43)【公表日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】ユーザー間の取引を促進する方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20211022BHJP
   G06Q 20/04 20120101ALI20211022BHJP
   G06Q 20/42 20120101ALI20211022BHJP
【FI】
   G06Q20/38 300
   G06Q20/04
   G06Q20/38 310
   G06Q20/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2021-524076(P2021-524076)
(86)(22)【出願日】2019年7月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月22日
(86)【国際出願番号】AU2019000084
(87)【国際公開番号】WO2020010383
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】2018902536
(32)【優先日】2018年7月13日
(33)【優先権主張国】AU
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521011330
【氏名又は名称】エルバイト ホールディングス プティ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ELBAITE HOLDINGS PTY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(72)【発明者】
【氏名】トッロ、モルテザ
(72)【発明者】
【氏名】グラフ、カール ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、ジョゼフ
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA11
5L055AA16
5L055AA71
5L055AA78
(57)【要約】
ここに開示するものは、第1のユーザーと第2のユーザー間の少なくとも1つの取引を促進するように構成された取引処理装置を使用する、ユーザー間の取引を促進する方法であって:ユーザーから通貨情報及び識別情報を受領するように構成された取引ユーザーインタフェースを提供すること;少なくとも1つの通貨支払金、つまり通貨情報に基づく少なくとも1つの通貨支払金の移転を第1と第2のユーザー間で促進すること;少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転されたことを確認すること;及び移転が行われたことをユーザーに示すことを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザーと第2のユーザー間の少なくとも1つの取引を促進するように構成された取引処理装置を使用する、ユーザー間の取引を促進する方法であって:
ユーザーから通貨情報及び識別情報を受領するように構成された取引ユーザーインタフェースを提供すること;
少なくとも1つの通貨支払金、つまり通貨情報に基づく少なくとも1つの通貨支払金の移転を第1と第2のユーザー間で促進すること;
少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転されたことを確認すること;及び移転が行われたことをユーザーに示すことを含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、取引処理装置に関連付けられた安全な保存位置で少なくとも1つの通貨支払金を受領することを含む、請求項1に記載された方法。
【請求項3】
第1のユーザーと第2のユーザー間の少なくとも1つの取引を促進するように構成された取引処理装置を使用する、ユーザー間の取引を促進する方法であって:
ユーザーから通貨情報及び識別情報を受領するように構成された取引ユーザーインタフェースを提供すること;
少なくとも1つの通貨支払金、つまり通貨情報に基づく少なくとも1つの通貨支払金の移転を第1と第2のユーザー間で促進すること;を含み、
少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、取引処理装置に関連付けられた安全な保存位置で少なくとも1つの通貨支払金の1つを受領することを含む、方法
【請求項4】
少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転されたことを確認し、移転が行われたことをユーザーに示すことを含む、請求項3に記載された方法。
【請求項5】
少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、第1のユーザーから第2のユーザーへの第1の通貨支払金の第1の移転を促進し、第2のユーザーから第1のユーザーへの第2の通貨支払金の第2の移転を促進することを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載された方法。
【請求項6】
上記一方の移転を促進することは、上記他方の移転が確認されたとき、上記通貨支払金の1つを安全な保存位置から移転することを含んでいる、請求項2から4のいずれか1項に従属する請求項5に記載された方法。
【請求項7】
安全な保存位置への移転は法定通貨の移転を含み、かつ安全な保存位置は、取引処理装置に関連付けられた銀行口座である、請求項6に記載された方法。
【請求項8】
少なくとも1つの通貨支払金の正しい移転完了を確認することは、いつ法定通貨の入金が完了したかを判定するための銀行口座の常時監視を含んでいる、請求項7に記載された方法。
【請求項9】
少なくとも1つの通貨支払金は暗号通貨を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載された方法。
【請求項10】
暗号通貨の移転を促進することは、一方のユーザーから他方のユーザーへの暗号通貨のアクセス権の譲渡に関する情報の移転を促進することを含む、請求項9に記載された方法。
【請求項11】
暗号通貨のアクセス権の譲渡に関する情報は、公開アドレスキーを含む、請求項10に記載された方法。
【請求項12】
暗号通貨の移転を確認することは、その暗号通貨に関連付けられた監査チェーンからの情報を監視することによって、第2のユーザーが所有するアクセス権を判定することを含む、請求項9から11のいずれか1項に記載された方法。
【請求項13】
暗号通貨の移転を確認するステップは、第2のユーザーから取引照合(transaction reference)を受領し、かつ監査チェーンから情報を検索するためその取引照合を用いることを含む、請求項9から11のいずれか1項に記載された方法。
【請求項14】
監査チェーンからの情報を監視するステップは、いつ暗号通貨の入金が完了したかを判定するため監査チェーンを監視することを含む、請求項8から12のいずれか1項に記載された方法。
【請求項15】
監査チェーン又は銀行口座を監視することは以下の一つ、常時監視すること、定期的に監視すること又は要請に応じたチェックを行うこと、である、請求項8から13のいずれか1項に記載された方法。
【請求項16】
取引処理装置は、2人のユーザー間の通貨交換を促進するように構成され、第1の移転は法定通貨支払金であり、その場合、第2の移転は法定通貨支払金と引き換えの暗号通貨支払金である、請求項6から14のいずれか1項に記載された方法。
【請求項17】
取引処理装置は第2の移転以前に第1の移転を促進する、請求項15に記載された方法。
【請求項18】
ユーザー間での少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進するステップは、通貨情報に基づくオファーの生成を含み、オファーは取引ユーザーインタフェースで閲覧可能でありかつ第2のユーザーによって選択可能である、請求項1から17のいずれか1項に記載された方法。
【請求項19】
ユーザーからの識別情報を受領することは、以下の情報の1つ以上を含む:
パスポート、運転免許証などの身分証明書を含む写真付証明書;
銀行口座情報;
電子メールアドレス情報;
電話番号情報;及び
他の連絡先情報;及び
暗号通貨は:ビットコイン、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、イーオス、イーサリウム、又は暗号通貨に基づく移転可能なトークン又は暗号通貨とみなされる類似のものの1以上を含む、請求項1から18項のいずれか1項に記載された方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか1項に記載された方法を実施するのに使用される取引処理装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年7月13日に仮出願したオーストラリア出願第2018902561号の優先権を主張し、本明細書の一部を構成するものとしてその内容全体を援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、特定の通貨取引におけるユーザー間の取引を促進する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーロ、米ドル、豪ドルなどの国の法定通貨(fiat-currency)などの通貨は、さまざまな理由で一方のユーザーから他方のユーザーに移転(transferred)され、商品やサービスと交換することができる。
【0004】
暗号通貨(Crypto currencies)は、商品やサービスの支払金(payment)を提供するために開発されたデジタル通貨であり、情報と価値を安全に交換するものとして設計された交換媒体である。対を成す公開キー・秘密キーは、暗号通貨のセキュリティを確保するために使用される。対を成す公開キー・秘密キーは、価値を引き出し、又は特定の暗号通貨、取引又はその組み合わせに係る所有権を表すため、取引、暗号通貨又はその他の関連する電子商取引に署名するために一緒に、別々に、独立して使用される。
【0005】
キーは単純でも複雑でもよいが、キー、その管理(management)及びアプリケーションが複雑になればなるほど、暗号通貨の使用はより安心できるものになる。金融取引で暗号通貨を使用するために、通常、それはデジタル又はオフラインのウォレット(wallet)に保存される。暗号通貨のウォレットは、ウォレットへの入金と引き出しを可能にするウォレットへのロケーターとして機能するアドレスに関連付けられている。秘密キー(private keys)はウォレットアドレスにアクセスするために使用される。
【0006】
法定通貨は通常、整備されたルールを使用して銀行や既成の通貨交換所(currency exchange)で交換されるが、暗号通貨取引は、一般的にブロックチェーン(blockchain)と呼ばれる取引を記録するために使用されるデジタル監査チェーン(digital audit chain)に基づいている。暗号通貨は代表的には、ネット上の交換取引所(trading exchanges)を通じて交換され、通常はビットコイン(Bitcoin)又はイーサリアム(Ethereum)などの1種類の電子通貨と別のタイプの通貨との取引(trading)を可能にしている。
【0007】
この様なシステムでは、取引を行うのに先立って、トレーダーは自分のデジタル通貨を個人のデジタルウォレットやアカウントから、中央処理サーバーに置かれかつ交換所で制御されるデジタルウォレットに移転しなければならない。各交換所は、取引がシステム内で行われている間、それらの資金のエスクローエージェント(escrow agent;条件付き証書受託者)として機能する。これらのプールされ、中心位置(central locations)に留め置かれた大量のデジタル通貨は、ハッカーや泥棒の注意を引き付け、かつそのために、それらのサーバーは、頻繁にサイバー攻撃や内部強奪の対象となり、そのたくらみが成功した場合には、大量のデジタル通貨が盗まれ、交換所が破産を宣言することを余儀なくされ、かつトレーダーにとっては資金を回収するのが無駄ではないまでも困難になる。
【0008】
本発明の実施形態は、従来の暗号通貨交換所の1つ以上の欠点を解決するか、少なくとも改善することを目指すものである。
【0009】
先行提案又は製品についての上述の参照及び説明は、本技術における一般的な知識の説明又は自認を意図したものではなく、また、本技術における一般的な知識の説明又は自認と解すべきではない。とくに、上記の先行技術の議論は、当業者によって一般的又はよく知られているものに関するものではない、しかし関連する先行技術の提案について同定したものは、その一部のみに過ぎないものの本発明の進歩性についてそれを理解する上で助けとなる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、第1のユーザーと第2のユーザー間の少なくとも1つの取引(transactions)を促進するように構成された取引処理装置(transaction processor)を使用する、ユーザー間の取引を促進する方法であって:ユーザーから通貨情報及び識別情報を受領するように構成された取引ユーザーインタフェースを提供すること;少なくとも1つの通貨支払金(currency payment)、つまり通貨情報に基づく少なくとも1つの通貨支払金の移転を第1と第2のユーザー間で促進すること;少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転されたことを確認すること;及び移転が行われたことをユーザーに示すことを含む、方法が提供される。
【0011】
1実施形態によれば、少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、取引処理装置に関連付けられた安全な保存位置(storage location)で少なくとも1つの通貨支払金を受領することを含む。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、第1のユーザーと第2のユーザー間の少なくとも1つの取引を促進するように構成された取引処理装置を使用する、ユーザー間の取引を促進する方法であって:ユーザーから通貨情報及び識別情報を受領するように構成された取引ユーザーインタフェースを提供すること;少なくとも1つの通貨支払金、つまり通貨情報に基づく少なくとも1つの通貨支払金の移転を第1と第2のユーザー間で促進すること;を含み、少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、取引処理装置に関連付けられた安全な保存位置で少なくとも1つの通貨支払金の1つを受領することを含む、方法が提供される。
【0013】
1実施形態によれば、その方法は、少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転されたことを確認し、移転が行われたことをユーザーに示すことを含む。この方法は、移転が正しく確認され、両当事者は通知を受領し、これによりユーザー側の不正行為の可能性を減らすという利点を提供する。これは、ユーザーが直接会ったり、スマート・コントラクト(smart contracts)を使用したりする必要性をなくし、そのため暗号通貨を含む取引をより安全かつ迅速に行う手法である。
【0014】
1実施形態によれば、少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、第1のユーザーから第2のユーザーへの第1の通貨支払金の第1の移転を促進し、第2のユーザーから第1のユーザーへの第2の通貨支払金の第2の移転を促進することを含む。好ましくは、取引処理装置は、第2の移転の前に第1の移転を促進する。
【0015】
1実施形態によれば、上記一方の移転を促進することは、上記他方の移転が確認されたとき、上記通貨支払金の1つを安全な保存位置から移転することを含んでいる。
【0016】
1実施形態によれば、安全な保存位置への移転は法定通貨の移転を含み、かつ安全な保存位置は銀行口座である。好ましくは、銀行口座は取引処理装置に関連付けられており、ユーザーの1人に関連付けられていない。このような安全な保存位置を使用することで、不正やハッキングの影響を受け難く、取引処理装置によって取引活動(transaction activity)を容易に監視できるという利点がある。さらに、通貨の購入者、特に暗号通貨の購入者に対するリスクを軽減する必要があるときは、法定通貨支払金をユーザーに戻すことがより容易である。最後に、法定通貨移転に関連して改ざんやエラーが発生した場合は、安全な位置を介した追跡がより容易で、法定通貨も金融機関のために整備されている保護対策によって保護されることとなる。
【0017】
1実施形態によれば、少なくとも1つの通貨支払金の正しい移転完了を確認することは、いつ法定通貨の入金が完了したかを判定するための銀行口座の常時監視を含んでいる。代替的には、少なくとも1つの通貨支払金が正しく移転完了したことを確認するステップ(step)は、銀行口座の定期的又は人手によるチェックでいつ法定通貨の入金が完了したかを判定する。少なくとも1つの通貨支払金を確認するステップは、通貨支払金を識別するためにユーザーに提供された一意の識別子(a unique identifier)による銀行口座のチェックを含み得る。一意の識別子は、英数字の一意の組み合わせの形式であり得る。
【0018】
1実施形態によれば、少なくとも1つの通貨支払金は暗号通貨を含む。
【0019】
1実施形態によれば、暗号通貨の移転を促進することは、一方のユーザーから他方のユーザーへの暗号通貨のアクセス権の譲渡(assignment)に関する情報の移転を促進することを含む。
【0020】
1実施形態によれば、暗号通貨のアクセス権の譲渡に関する情報は、公開アドレスキーを含む。
【0021】
1実施形態によれば、暗号通貨の移転を確認することは、その暗号通貨に関連付けられた監査チェーンからの情報を監視することによって、第2のユーザーが所有するアクセス権を判定することを含む。アクセス権の所有権に関する監査チェーンからの情報を監視する取引処理装置のステップは、売り手が取引を完了するための権利及び十分な暗号通貨を有していることの確認を可能にし、それによって不正な行為を防止し、買い手を保護することができる。
【0022】
1実施形態によれば、監査チェーンからの監視情報は、いつ暗号通貨の入金が完了したかを判定するための監査チェーンの常時監視を含む。代替的には、監査チェーンからの監視情報は、監査チェーンの人手による又は定期的なチェックを含む。
【0023】
1実施形態によれば、取引処理装置は、2人のユーザー間の通貨交換を促進するように構成され、その場合、第1の移転は法定通貨支払金であり、第2の移転は、法定通貨支払金と引き換えの暗号通貨支払金である。
【0024】
1実施形態によれば、ユーザー間での少なくとも1つの通貨支払金の移転を促進することは、通貨情報に基づくオファーの生成を含み、オファーは取引ユーザーインタフェースで閲覧可能でありかつ第2のユーザーによって選択可能である。
【0025】
1実施形態によれば、ユーザーからの識別情報を受領することは、以下の情報の1つ以上を含む:
パスポート、運転免許証などの身分証明書を含む写真付証明書;
銀行口座情報;
電子メールアドレス情報;
電話番号情報;及び
他の連絡先情報。
【0026】
1実施形態によれば、暗号通貨は以下の1以上を含む:ビットコイン、ビットコインキャッシュ(Bitcoin cash)、リップル(Ripple)、ライトコイン(Litecoin)、イーオス(Eos)、イーサリウム、又は暗号通貨に基づく移転可能なトークン又は暗号通貨とみなされる類似のもの。上記方法は、単一又は少数の関連する暗号通貨の移転のみが可能な多くの暗号通貨システムと異なり、有利にも全ての暗号通貨とそのトークンに適用可能であり、便利にも全てのユーザーの法定通貨間の簡易な移転を可能にする。
【0027】
本発明のさらなる態様によれば、上述の方法を実施するのに使用される取引処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
次に、本発明を添付図面を参照して非限定的な事例により説明する。
図1】本発明を具現化した代表的なシステムの機能図である。
図2】本発明による取引を促進する好ましい方法を説明するプロセス図である。
図3】本発明による取引を促進する好ましい方法を説明するプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、電子媒体を介してユーザー間の取引を促進するためのシステム及び方法に関連して以下で説明する。このシステムと方法は、ユーザーを登録し、各ユーザー用プロファイル(profile)を生成することができる。
【0030】
図1は、本発明を具現化した代表的なシステム2の機能図を示す。システム2は、本発明の好ましい実施形態に従って後述するように構成された、ネットワーク6上で複数の当事者16,18,20に接続されたホストサービス(host service)(「取引処理装置(transaction processor)」)4を含む。ホストサービス4は、取引処理装置4の顧客である少なくとも2人のユーザー16,18間での選択的な契約(engagement)を促進するように構成されている。両当事者16,18は取引に参加することを望む場合の事業者又は個人であり得る。
【0031】
代表的なホストサービス4は、ネットワーク6に接続された、従って、当業者に認められた従来の方法で有線又は無線通信により当該ネットワーク6を介して通信する、1以上のホストサーバーを含んでいる。
ホストサーバーは、ユーザー及び第三者16,18,20,22及び24から収集した種々の情報を保存するように構成されている。この通信により、接続された当事者によるリモートアクセスが可能となり、サーバー4に対して、法定通貨の保存及び交換ができる銀行等を含む金融機関22等の他の資源(resources)へのアクセス、及びブロックチェーンのような、取引をデジタル的に記録するための暗号で保護された監査チェーン24へのアクセスを提供することができる。ブロックチェーン24へのアクセスは、ブロックチェーン24から直接読み取る処理装置4からの直接アクセス、又は間接的なアクセス、つまりそれによって別の第三者(図示せず)が取引処理装置4とブロックチェーン24間の情報の流れを促進できる間接的なアクセスを意味してもよい。
【0032】
ホストサービス4は、ユーザーに関連付けられた識別情報のようなデータの確認を促進するであろう、別の第三者20、例えばクレジットカード会社や政府データベースにもネットワーク6を介して接続されている。
【0033】
ホストサーバーは、また本発明の方法及びシステムの動作に必要な複数のデータベース12を収容することができる。ホストサーバーは、当業者に対して今や任意の複数のサーバーを含んでいてもよく、かつユーザー16,18又は、第三者20,22又は24に関連付けられたコンピュータシステムへ動作可能にリンクされるように、ネットワークに動作可能に接続されることを意図したものである。ホストサーバーは、サービスを提供する第三者サーバーによって動作及び供給可能であるが、代替的には、取引処理装置4によってローカルでホスティング(hosted locally)できる。
【0034】
ホストサーバーは、典型的にはCPUに動作可能に接続された1つ以上のマイクロプロセッサとメモリ10を含む中央処理装置又はCPU8を含む。メモリには、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ハードディスクドライブ12等のような記憶媒体を任意に組み合わせたものを含み得る。記憶媒体12は、顧客及びその取引に関するデータの保存と共にプログラム構成要素(program components)の長期保存に用いられる。
ランダムアクセスメモリ10に関連付けられた中央処理装置8は、ホストサービス4によって提供されるサービスの運営(operation)に関する一時的なデータ及びプログラムの命令(program instructions)を格納するために使用される。特に、メモリ10は、ユーザー間の取引を促進する方法の少なくとも一部を実施するための命令本体(body of instructions)14を格納する。命令14には、ユーザーが、従来のWebブラウザソフトウェアを実行する任意のクライアントコンピュータから、通貨交換所にリモートアクセスすることを可能にするネット上のユーザーインタフェースを提供するための命令も含まれる。
【0035】
好ましい1実施形態では、コンピュータネットワーク6は、インターネット又は専用のモバイル又はインターネットと組み合わせた、例えばGSM、CDMA、UTMS、WCDMA(登録商標)又はLTEネットワーク等のようなセルラーネットワーク(cellular network)である。イントラネット、エクストラネット、仮想プライベートネットワーク(VPN)、非TCP/IPベースのネットワークなど、他の種類のネットワークも想定される。
【0036】
ユーザー16,18としては、電子メール又は類似の電子通信アカウントを持つ会社などの事業者又は個人ユーザーが含まれてもよい。各ユーザー16,18は、以下でより詳細に論じるように、本発明で必要な関連情報を取り込む正式の登録プロセスを介してホストサービス4に登録される。
【0037】
各ユーザー16,18は、ネットワーク16を介してホストサービス4からの通信(communication)を受領し、かつネットワーク16を介してホストサービス4と通信することができる。各ユーザー16,18は、スマートフォン、タブレット、ラップトップ又はパーソナルコンピュータ、又は他の任意の個人的な電子機器を用いてネットワーク6にアクセスすることができる。
【0038】
ホストサービス4は、ホストサーバーに保存されたCPUによって実行される専用のソフトウェアアプリケーションを備えていてもよい。ホストサービス4のソフトウェアアプリケーションは、一度インストールされると、ホストサービス4が所定のユーザー16,18への取引情報の通信を促進することを可能にするインタフェースを提供する。
【0039】
図2及び図3に関連して、本発明の好ましい実施形態によるユーザー間の取引を促進する代表的な方法のプロセス図が示されている。とくに、ネット上のユーザーインタフェースを介したユーザー16,18間のサービスの取引を促進するためにサービスを提供する、会社(company)等のような取引を調整する実体(存在;entity)であると共に、取引に関わる銀行を含む金融機関22の様な及び監査チェーン24へのアクセスに関わるブロックチェーンの様な、他者を関わらせるようにもする取引処理装置4の様なホストサービスが提供される。
【0040】
取引処理装置4は、各当事者がユーザー26,28として登録できるように100、ユーザー名やパスワードなどの基本識別情報(basic identification information)を受容するように構成されている。ユーザーとして登録するプロセス100は、ユーザーがそれにより追加の識別情報を入力できるように、ユーザーインタフェースでのアカウントの作成が含まれる。追加の識別情報にはユーザーA及びB26、28の身元を確認する情報が含まれており、それには、名前、電子メールアドレス、電話番号、物理的な住所位置(address locations)などが含まれてよく、ユーザーは、電話、電子メール、又はその他の連絡手段で、取引処理装置によって行われる身元の確認のための連絡ができる。識別情報には、パスポート、運転免許証などの身分証明書類を含めることができる。また、識別情報はクレジットカード会社、金融機関、及び政府機関など第三者を介して確認することもできる。
【0041】
ユーザー26,28を同定する情報は、ユーザーの管轄区域におけるコンプライアンスに必要なマネーロンダリング防止、詐欺防止、又はその他の法的規制を満たすために必要な情報でもよい。この情報には、事業の名称(business names)、銀行口座情報、信用履歴情報、居住国、身分証明書類又は金融取引に必要なその他の情報が含まれてもよい。一度この追加の識別情報が確認されると、取引処理装置4は、ユーザー26,28を、取引処理装置を介して金融取引を行う全アクセス権を持ち得る認証されたメンバーとして登録する102。
しかしながら、ユーザーの身元がまだ認証されていない場合は、許可済みの取引に限定されることとなろう。例えば、ユーザーは、ユーザーインタフェースに列記されることが見込まれる取引を閲覧することに限定され、これらの取引を完了することはできないか、又は取引は特定の管轄区域の宛先と出所(source)、特定の通貨又は最大取引金額に限定されることとなろう。
【0042】
一度ユーザーが確認されると、取引処理装置4は、取引に関連する情報、例えば、販売又は購入を希望する第1の通貨タイプ、及びそれぞれ受領又は見返りの提供を希望する第2の通貨タイプを、ユーザーから受領できるように構成される。第1の通貨と第2の通貨は、例えば、米ドル、豪ドル、ユーロなど、どの管轄区域でも受け入れられている法定通貨であり得る。
第1及び第2の通貨は、ビットコイン、イーサリアム、リップル、イーオス、ライトコイン等の暗号通貨として知られ、使用され又は暗号通貨とみなされるデジタル通貨又は仮想通貨(virtual currency)、又は特定のブロックチェーン又は暗号通貨に関連するトークン、例えばイーサリアムトークン又は考え得る他のものでよい。第1の通貨及び第2の通貨は、法定通貨又はデジタル通貨のいずれであるにしても、単一通貨又は組み合わせた通貨であってもよい。
【0043】
次に、取引処理装置4は、ユーザーインタフェースでユーザーが閲覧可能なその取引情報に基づいてリストを生成するように構成される104。このリストには第1の通貨タイプ、第1の通貨量、及びユーザーが交換で受け取りたい第2の通貨タイプと通貨量に関する情報が含まれる。
代替的には、ユーザーは少なくとも1つの通貨タイプと通貨量を選択でき、そこで、取引処理装置4は、法定であろうとデジタルであろうと、通貨タイプの範囲、及び現在の為替レートから取得した情報に基づいて計算可能な関連した通貨量を推奨できる。そこで、ユーザーは現在所有している通貨と交換する単数又は複数の通貨を選択できる。1例においては、ユーザーが販売又は購入したい暗号通貨の通貨量に基づいてリストを生成できる。
【0044】
そこで、他のユーザーは当該通貨タイプと通貨量での購入又は販売に興味があることを示すために、そのリストを選択できる。取引処理装置4は、そのオファーに興味が有ることを表すためにリストを更新し、リストが更新される前、後、又は同時に、売り手又は買い手にその興味があることを通知する108。
【0045】
図2及び3に示す例では、ユーザーB28、すなわち売り手は、第2の通貨、すなわち法定通貨(F)で販売するための第1の通貨、すなわちイーサリアム(E)の金額をオファーし106、この情報は、ユーザー26、28の取引処理装置によって閲覧可能なリストを生成する104ために用いられる。
このとき、ユーザーBは、取引処理装置4に対して、ウォレットアドレス又は公開アドレスキー(public address key)の形式で、その暗号通貨アドレス情報を提供することができる107。そこで取引処理装置4は、販売用にオファーされた暗号通貨の通貨量がそのアドレス情報を持つユーザー、この例ではユーザーBにより現在所持されていることが確認できる109。これにより通貨支払金の交換が成功する信頼性が高くなるので、取引に更なるセキュリティが得られる。
【0046】
代替的には、ユーザーA、即ち売り手(seller)は第1の通貨の通貨量、すなわちイーサリアムを、第2の通貨すなわち法定通貨で購入することをオファーすることができ、リストも取引処理装置4によって上述と同様の方法で生成される。
【0047】
図2及び図3の例に関連して、ユーザーA26はユーザーB28によるオファーを表すユーザーインタフェースのリストを目で確認し、それを選択することでオファーへの興味を表す108。そこで、取引処理装置4は、ユーザーAが表した興味を表示するためにリストを更新し、ユーザーBに通知する110。Bにはオファーへの興味が通知される112。
【0048】
第1又は第2の通貨が法定通貨である場合は、取引処理装置4は、法定通貨の支払人(payer)に対する取引処理装置に関連する安全な位置22に関する情報を法定通貨の受取人(peyee)に提供するように構成される。安全位置情報は銀行口座情報であり得る、この場合、取引処理装置4が内部における全ての支払金を監視できるように、銀行口座は取引処理装置4によって所有されるか、でなければ制御される。
安全な位置22を監視するステップ(step)は、安全な位置22における正当な通貨量の受領が確認されるまで、銀行口座を常時監視するか、又は一定間隔、例えば5分毎又は半時間毎に定期的にチェックすることを含むことができる。銀行口座22を監視するステップは、銀行口座情報が法定通貨の支払者に送付されると開始され、支払金の受領が確認されたときにのみ終了する自動プロセスである。代替的には、監視のステップは、管理(administration)によって行われると思われる、手動又は1回限りのチェックの形態で有り得る。
【0049】
監視ステップには、入金したときに、入金参照フィールド(deposit reference field)に含めることができるように支払者に提供された一意の識別子を検索することを含めることができる。一意の識別子は、一意のコードの形式、一例として英数字一式であり得る。
【0050】
法定通貨Fを安全な位置22に保存することで、ハッキングや内部不正行為の影響を受けやすい位置に暗号通貨が保存されることが回避される。さらに、法定通貨が改ざんされた場合、取引処理装置4によって常に監視されている安全な位置22に出入する支払金を追跡することがより容易であり、かつさらに、法定通貨は銀行などの金融機関に対して実施されている通常の保護措置によって保護される。
【0051】
図2及び図3に示す例では、ユーザーAは、第1の暗号通貨Eの通貨量の見返りに法定通貨Fの形態の第2の通貨を提供することに興味を示している。したがって、取引処理装置4は、銀行口座22が取引処理装置4によって制御された状態において、ユーザーAによる法定通貨支払金Fを受領するための銀行口座情報を提供する114。銀行口座22は、有利にも、ハッキングや内部不正の影響を受け難く、取引処理装置4による法定通貨の支払が容易でかつ常時監視することができる安全な位置である。
【0052】
第1又は第2の通貨が暗号通貨又はそのトークンであるときは、暗号通貨の所有権を受渡人(provider)から受取人(receiver)に移転できるように、暗号通貨の受取人はアドレス情報を提供しなければならない。この暗号通貨アドレス情報は、デジタルウォレットアドレス、公開アドレスキー、又は暗号通貨の種類に特有なその他のアドレス情報であり得る。取引処理装置4は、この暗号通貨情報の受取人から受渡人への移転を促進するように構成される。それから、暗号通貨の受渡人は、暗号通貨の所有権を直接受取人に移転することができ、この取引は「ピアツーピア(peer to peer)」取引としても知られており、その移転は、典型的には公開監査チェーンである特定の暗号通貨のブロックチェーンを介して記録される。
【0053】
取引が公に記録されるので、取引処理装置4は、正しい通貨量が受取人、図2及び3に示すこれらの例ではユーザーAによる受領が完了したことを含めて、移転が正しく完了したことを確認するため、ブロックチェーンなどの関連する監査チェーン24を監視する。監査チェーン24を監視するステップは、監査チェーン24内の正しいブロックの通貨量(correct amount of blocks)の所有権が正当な所有者に移転されたか否かを見るために、監査チェーン24を常時監視又は定期的にチェックすることを含むことができ、これは正当な所有が確認されるまで一定間隔で、例えば5分毎又は半時間毎に実行可能である。
監査チェーン24を監視するステップは、取引処理装置4によって、又は第三者を介して直接監視することができる。監査チェーン24を監視するステップは、公開アドレスキー又はウォレットアドレスとして例示されるアドレス情報が一度暗号通貨支払金の支払者に送信されると開始して、支払金の受領が確認されたときにのみ終了する自動プロセスである。
代替的には、監視のステップは、管理によって行われると思われる、定期的なチェック又は手動又は1回限りのチェックの形態で有り得る。
【0054】
上述の監査チェーン24を監視する代わりに、取引処理装置4はユーザーB28から取引情報を受領することができる。例えば、ユーザーB28からの取引情報は、監査チェーン24に記録された取引を参照する取引確認照合(transaction confirmation reference)の形態、例えばトランザクションハッシュ(transaction hash)でよい。好ましい実施形態では、取引処理装置4は、ユーザーBが完了したと主張する取引の詳細を確認するために、取引確認監査チェーン24を使用でき、従ってそれを使用して確認することができる。
【0055】
図2を参照して、ユーザーBは、オファーへの興味が通知された後、取引処理装置4はユーザーAからの、及びそれ以前に提供されていない場合は、ユーザーBからの、アドレス情報を要求する116。
一度、ユーザーAがこのアドレス情報を提供すると118、取引処理装置はそのアドレス情報のユーザーBへの移転を促進し122、ユーザーBが受領する124。ユーザーAのアドレス情報により、ユーザーBは暗号通貨の所有権をユーザーAに移転できる123。
【0056】
この実施形態では、ユーザーBは、ステップ107におけるプロセスの開始時に、それらのアドレス情報を提供することができる。しかし、代替実施形態では、ユーザーBは、ステップ123でリスト内のユーザーAの興味が一度確認された場合に、自身のアドレス情報を提供することができる。有利にも、ユーザーBは、その興味が確認されるまでは、自らの暗号通貨を公開ウォレットに移転する義務はない。この代替実施形態では、取引処理装置4は、オファーされた暗号通貨が存在することを確認するために、この段階(stage)でのBのウォレットの中身をチェックする。
【0057】
取引処理装置4は、ユーザーAからの法定通貨Fの支払金を見守るために銀行口座22を監視することができる134。ユーザーAは、安全な位置情報を受け取った後のある時点で、次に、銀行口座で受領される法定通貨Fを入金する136、138。好ましくは、監視ステップは、銀行口座22の常時監視又は定期的なチェックを含むことができる。代替的には、監視ステップは、管理によって行われると思われる、手動又は1回限りのチェックの形態で有り得る。
【0058】
一度、取引処理装置4がステップ122でユーザーAのアドレスをユーザーBに移転するのを促進すると、取引処理装置4は、ユーザーBからユーザーAへの暗号通貨Eの所有権の移転を見守る126ために、ブロックチェーン24を監視することもできる。ユーザーBは、取引処理装置4によって提供されるユーザーAのウォレットアドレスを使用して、直ぐにユーザーAが暗号通貨Eを所有する132ように、暗号通貨Eの所有権をユーザーAに譲渡する128。暗号通貨Eの所有権の移転は、暗号通貨監査チェーンに公に記録される130。好ましくは、監視ステップは、ブロックチェーン24の常時監視又は定期的なチェックを含むことができる。代替的には、監視ステップは、管理によって行われると思われる、手動又は1回限りのチェックの形態で有り得る。
【0059】
図3に示すように、取引処理装置4は、法定通貨Fの受領が確認された後、暗号通貨が入手可能であることを保証(ensure)するために、ステップ125でBのウォレットをチェックすることができる。しかし、代替的には、取引処理装置4は、取引処理装置4がBのウォレットアドレスを受領した後は、いつでもBのウォレットに十分な暗号通貨があるかチェックすることができる。
【0060】
好ましくは、図3に示すように、取引処理装置4は、法定通貨Fが安全な位置22で受領されたことが確認された後、ユーザーBにユーザーAのウォレットアドレスを送信することができる122。したがって、取引処理装置4は、暗号通貨の移転前に、法定通貨支払金Fが安全な位置22に移転されるように少なくとも1つの取引を調整する。暗号通貨の支払金が移転されない場合、法定通貨支払金FはユーザーAに返却でき、それによって不正な行為のユーザーに対するリスクを有利に低減することができる。
【0061】
このように、取引処理装置4は有利にも、通貨の移転がユーザーAから安全な位置へ、かつユーザーBからユーザーAに正しくかつ安全に完了したことを確認する。この時点で、取引処理装置は、ユーザーBが法定通貨Fの支払金を受領するように144、ユーザーAから受領した銀行口座の資金をユーザーBに対して放出することができる140,142。最後のステップとして、取引処理装置4は、移転が無事完了したことをユーザーAとユーザーBの両方に通知し、それによって取引は完了する150。
【0062】
通貨交換のための従前のサービスは、支払金が無事移転されたことを当事者に通知せず、当事者の善意と正直な性質に依存している。この方法では、移転が正しく確認され、両当事者に通知されて、ユーザー側の不正行為の可能性を減らす利点を提供することが理解されよう。さらに、この方法では、ユーザーが直接会ったり、スマート・コントラクトを使用したりする必要性を排除し、それによって暗号通貨を含む取引をより安全かつ迅速に行うことができる。最後に、この方法は、有利にも任意の暗号通貨に適用できる。
【0063】
今や本発明の好ましい特徴は、添付図面を特に参照して説明している。しかしながら、図面を参照して示しかつ説明した特徴は、本発明の範囲を限定するものと解すべきではないと理解すべきである。
【0064】
本明細書を通して、“含む”という用語とその派生物は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、排他的な意味ではなく包括的な意味を持つものとする。
【0065】
本明細書及び請求項で使用される垂直、水平、最上部(top)、底部(bottom)、上側及び下側などの方位、位置を表す用語は相対的なものとして解されるべきであり、かつ成分(component)、品目(item)、物品(article)、装置(apparatus)、装置(device)又は器具(instrument)は、典型的にはその組立体(the assembly)を最上位にした状態では、特定の方位にあると普通は見做されることを前提にしている。
【0066】
本明細書に記載される発明の方法に対して、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの改変及び変更がなし得ることを当業者は理解されよう。
図1
図2
図3
【国際調査報告】