特表2021-531605(P2021-531605A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-531605小売マーケティングの為のアンサンブル生成システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-531605(P2021-531605A)
(43)【公表日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】小売マーケティングの為のアンサンブル生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20211022BHJP
【FI】
   G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-527021(P2021-527021)
(86)(22)【出願日】2019年7月26日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月26日
(86)【国際出願番号】US2019043638
(87)【国際公開番号】WO2020023862
(87)【国際公開日】20200130
(31)【優先権主張番号】62/711,208
(32)【優先日】2018年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521038083
【氏名又は名称】マッド ストリート デン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】スリラム,ジャナニ
(72)【発明者】
【氏名】ハンスパル,シムラット
(72)【発明者】
【氏名】バラタラジャン,サンジャ
(72)【発明者】
【氏名】ムジュムダール,ニランジャン
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカラン,アナンド
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
ユーザに関連製品を提示する方法は、少なくとも1つのトラフィックベースのリンク及び専門家がキュレートしたリンクから少なくとも部分的に由来する製品関連性データを提供することを含む。製品のアンサンブルは、前記製品関連性データから生成される。生成された前記製品のアンサンブルは、相性がスコア化され、ハイスコアのアンサンブルがユーザに推薦される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに関連製品を提示する方法であって、前記方法が、
少なくとも1つのトラフィックベースのリンク及び専門家がキュレートしたリンクから少なくとも部分的に由来する製品関連性データを提供するステップと、
前記製品関連性データから製品のアンサンブルを生成するステップと、
生成された前記製品のアンサンブルの相性をスコア化するステップと、
前記ユーザにハイスコアのアンサンブルを推薦するステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記相性をスコア化するステップが、視覚的相性判断手段を使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記相性をスコア化するステップが、非視覚的相性判断手段を使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的に点別相互情報技術に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的に色の相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的にパターンの相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的にカテゴリの相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的にスタイルの相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的に機会の相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的にブランドの相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的に価格の相性に基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記相性をスコア化するステップが、少なくとも部分的にユーザデータに基づく個人化されたスコアブーストに基づいていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ユーザに関連製品を提示するシステムであって、前記システムは、
少なくとも1つのトラフィックベースのリンク及び専門家がキュレートしたリンクから少なくとも部分的に由来する製品関連性データを提供し、前記製品関連性データから製品のアンサンブルを決定することができる製品関連性モジュールと、
前記製品関連性モジュールにより生成された前記製品のアンサンブルの相性スコアを決定することができる相性スコア化モジュールと、
決定された前記相性スコアに基づいて前記ユーザにハイスコアのアンサンブルを推薦する推薦モジュールと、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項14】
相性スコア化に視覚的相性判断手段を使用することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
相性スコア化に非視覚的相性判断手段を使用することを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
相性スコア化が、少なくとも部分的に点別相互情報技術に基づいていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
相性スコア化が、少なくとも部分的に色の相性又はパターンの相性に基づいていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
相性スコア化が、少なくとも部分的にカテゴリの相性、スタイルの相性、機会の相性、又はブランドの相性に基づいていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
相性スコア化が、少なくとも部分的に価格の相性に基づいていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
相性スコア化が、少なくとも部分的にユーザデータに基づく個人化されたスコアブーストに基づいていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年7月27日に出願された、「Ensemble Generation System for Retail Marketing」という名称の米国仮特許出願62/711,208の優先権を主張するものであり、この出願は参照されることにより、本出願に援用され、以下に明確に記載されている部分を含むが、その部分には限定されず、また、参照による援用には以下の例外があるものとする。参照される上記出願の記載の一部に本出願の記載と矛盾する部分がある場合、本出願の記載が上記出願の記載より優先されるものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、包括的には、消費者関連製品の推薦又は選択を可能にするシステムに関する。潜在的な買主に提示するのに適した製品の選択に、視覚データ、トラフィックパターン、及び製品メタデータ属性を使用することができる。
【背景技術】
【0003】
衣服又は他の製品のスタイル及び色の適切性に関する専門家の又は友好的な意見は、長年求められている。そのような意見には、購入すべき適切な製品を指摘すること、又は、ファッション及び家具製品の視覚的に協調するアンサンブルを見つけることを含む。スタイリング、物品の位置に関する実際の質問、又は着方の助言も高く評価されている。店主又は小売業者は好意的な意見に感謝するものである。なぜなら、好意的な意見は消費者の購入を促進し、平均注文額(Average Order Value)(AoV)及び再購入を増加するからである。
【0004】
この経験の側面は、電子商取引(e-commerce)のウェブサイト上で見習うことができる。ユーザが電子商取引のウェブサイトから商品を購入した時に、効果的なクロス販売エンジンは、購入した商品と良くペアリングする他の補完的な製品を見つけることができる。典型的な戦略としては、「よく一緒に買われる」商品を特定する為にマーケットバスケット分析のような技術を使用する。残念ながら、この単純にデータ主導のアプローチは、ユーザが論理的に良くペアリングしない商品群を購入するという「混合した意図(mixed intent)」によりノイズにさらされる。例えば、人々は、良質な衣服に合うファッショナブルな商品を購入するという決断を後回しにして、1つの買い物かごの中で大人ファッションのアンサンブルの為の良質な衣服と共に屋外作業着を購入することもある。そのような決断により、クリックストリームデータ(clickstream data)のみを使用して論理的に結びつく商品を特定することは問題となり、間違いを起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
互いにペアになり得る商品を特定する為に、明示的なノイズ除去技術と共に、トラフィックベースのクロス販売推薦は使用されている。残念ながら、このことは、商業的に有用な購入パターンを特定する為に、大量のトラフィックデータ及び長々しい取引履歴を必要とする。代替的に、手動又は半自動のキュレーション又はアンサンブル生成が試みられている。有名な専門家のスタイリストが、手動のキュレーションプロセスにおいて製品のペアリングを特定することができ、標準化された「ショップ・ザ・ルック(shop the look)」又は「ショップ・ザ・ルーム(shop the room)」のウェブページを出発点として作成することができ、又は、マシン分類器が、メタデータ、ラベリングされたデータ、又は、有用なペアリング及び/又は関係性を決定する他のメカニズムを使用するように定義されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
記載されている1つの実施形態において、ユーザに関連製品を提示する方法は、少なくとも1つのトラフィックベースのリンク及び専門家がキュレートしたリンクから少なくとも部分的に由来する製品関連性データを提供することを含む。製品のアンサンブルは、前記製品関連性データから生成される。生成された前記製品のアンサンブルは、相性がスコア化され、ハイスコアのアンサンブルがユーザに推薦される。
【0007】
もう1つの実施形態において、ユーザに関連製品を提示するシステムは、少なくとも1つのトラフィックベースのリンク及び専門家がキュレートしたリンクから少なくとも部分的に由来する製品関連性データを提供し、前記製品関連性データから製品のアンサンブルを決定することができる製品関連性モジュールを含む。前記システムは、前記製品関連性モジュールにより生成された前記製品のアンサンブルの相性をスコア化することができる相性スコア化モジュールも含む。推薦モジュールが、決定された前記相性スコアに基づいてユーザにハイスコアのアンサンブルを推薦する為に使用される。
【0008】
上記の方法及びシステムの両方において、視覚的又は非視覚的相性判断手段のいずれか、又は両方を含む、様々な相性判断手段を使用することができる。相性スコア化は、点別相互情報技術(pointwise mutual information techniques)、色の相性、パターンの相性、カテゴリの相性、スタイルの相性、機会の相性、ブランドの相性、価格の相性、又はユーザデータに基づく個人化されたスコアブーストに少なくとも部分的に基づくものである。
【0009】
本発明の特定の特徴、側面及び利点は、以下の記載及び添付の図面によって、より良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】クロス販売推薦の為のクラウドベースのシステムを示す図である。
図2】相性スコア化の補助として、個人化と共に、視覚的及び非視覚的相性を使用するクロス販売推薦システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1には、消費者又はユーザ101に関連製品及び/又はサービスの高品質な推薦を提供することができる推薦システム100が図示されている。製品提供者102は、小売業者、卸売業者、電子商取引サイト等を含み、製品及び販売データ110へのアクセスを提供又は許可することができる。このデータは、製品に関する視覚データ104、検索又は販売のトラフィックパターン106、及び製品メタデータ108を含むことができるが、限定はされない。この情報は、クラウドベースのシステム120により使用され、いくつかの実施形態において、ユーザに1つ以上の関連製品又はサービスの推薦を生成する能力と共に、購入補助、分析、機械学習システム及び処理、データベースシステムを提供することができる。この推薦は、相性スコア化スキームにより修正された、生成された製品/サービスのアンサンブルに少なくとも部分的に基づいている。
【0012】
いくつかの実施形態において、クラウドベースのシステム120は、上記データ110を使用して、小売のアンサンブル(即ち、論理的に互いにペアになり得る製品の種類のセット)の一部になり得る相性の良い製品のスコアを提供することができる。例えば、一揃いのファッション衣服及びアクセサリのアンサンブルは、一緒に身につけることができるように、特別にデザインされた、又は、偶発的にスタイルが合った個別の商品により構成される。ファッションのアンサンブルは、フォーマルなシャツ、ズボン、及びパンプスを含むことができる。他の例としては、室内に調和して一緒に配置することができる家具商品を含む家具のアンサンブル、そして、浸漬ボウル、プレースマット、及びナプキンから成るキッチン用品のアンサンブルがある。
【0013】
図2の図表200から分かるように、潜在的アンサンブルを生成する手段は、人がキュレートしたリンク204及びトラフィックパターン202からマイニングされた興味深い関連性を使用することができるが、限定はされない。これらの関連性を組み合わせることで、製品の種類間の共起リンクの行列の形成を可能にする。製品の種類の強連結のアンサンブルは、これらのリンクをウォークスルーし、これらのスコアによってランク付けされた製品群を構築することにより抽出される。これから理解されるように、他のアンサンブル生成入力は、トラフィック又は専門家がキュレートしたリンクに加えて、又は代わりに使用されることができる。そのような入力は、例えば、一揃いの衣服のルックブック又は予め設定されたバンドルを含むことができる。
【0014】
生成されたアンサンブル210は、商品の色及びパターンを含む、画像から抽出された一次視覚信号222等の特徴に基づくスコアのセットに基づいて、相性がスコア化される220。他のスコア化される特性は、触覚的特性、変形性能、匂い、又は材料構成等の非視覚信号224を含む。ユーザにより提供される個人化スコアブースト226を使用することもでき、相性スコア化モジュール220にユーザにより提供される色、ブランド、又は価格の好みが入力される。製品のテキストメタデータ属性及び視覚データに向けられたマシン分類器を使用することにより、スタイル及び機会等のより高いレベルの特徴(例えば、休日関連製品)を抽出することもできる。ブランド及び価格等のコマーシャルメタデータ信号を使用することもできる。いくつかの潜在的アンサンブルのスコアに基づいて、1つ以上のアンサンブルが選択され、消費者又はユーザによるレビュー及び見込みのある購入の為に提示される。
【0015】
実際には、包括的スコア化スキームが使用され、ファッション及び家具のアンサンブルのような、製品と相性の良い商品群が生成される。推薦されたアンサンブル230は、製品、販売データ、及び他のデータに基づき、良くコーディネートされているべきであり、より良いユーザの利益及び改善された小売の経験を提供する。1つの実施形態において、アンサンブルに属する製品を決定する前に様々な因子を考慮する為に、手動の入力を必要としない広範なスコア化スキームを使用することもできる。有利なことに、多種多様の因子を使用することは、適切な計量スキームを使用することにより、改善された魅力的な「ブランド言語」を可能にする。例えば、上記のシステムは、類似する色彩調和スキームを典型的に使用する製品及びブランドと、より高いコントラスト(補色)を好む他の製品及びブランドとを区別することができ、色合わせした製品のアンサンブル又は相補的な色の製品のアンサンブルをそれぞれ形成することができる。
【0016】
いくつかの実施形態において、アンサンブル生成は、カテゴリの関連性をスコア化するリンク生成及び候補アンサンブルを生成するパス生成を有する2つのステップのプロセスを含むことができる。リンク生成は、アンサンブルのフィルタリングを実施するオントロジーツリーのレベルの選択を必要とする。例えば、分類法が、
女性>衣服>上着>ジャケット及びパーカ>ダウンジャケット
であった場合、これは分類法ツリーの第3のレベルとすることもでき、この場合、上着となる。他のレベルは、フィルタリングよりはスコア段階において、スコア修正(即ち、ブースト)に使用することができる、この選択基準は、カスタムヒューリスティック(custom heuristics)に基づくことができ、ドメインに依存することができる。
【0017】
トラフィック駆動カテゴリの関連性スコアは、選択されたオントロジーレベルにおける定義されたメトリックを使用する。上記スコアは、0から5の範囲で序数として数値化され、0は相性が悪いことを示し、1、2、3、4、5は相性の異なる度合いを示している。
【0018】
いくつかの実施形態において、専門家からのドメイン知識は、一揃いの衣服の生成に相性の良いカテゴリの為に選択されたオントロジーレベルにおいて、人がキュレートしたリンクを生成する為に使用することができる。ドメイン知識のリンクは、相性の良い(1から5の整数範囲)、及び相性の悪い(0)、2種類の関連性を識別する。関連性は、オントロジーツリーのどのレベルにおいても提供することができる。不特定の重みを有する親は、その全ての子に関連するペアの最大値となる。不特定の子のノードは親のスコアを均等に分割する。カテゴリ間の最終エッジの重みは、専門家が生成したリンクに付与されたより高い重みを有する2種類のスコアの加重和である。0加重がフィルタリングに使用されているので、専門家のスコアは、よりノイズを含むトラフィックベースのスコアをオーバーライドする。
【0019】
生成されたリンクは、カテゴリをノードとして、そして一揃いの衣服の関連性をエッジとして、大きなグラフを形成する。一揃いの衣服が選択ソース製品(select source product)の役目を果たす場合、生成されたトップNの共通要素のないアンサンブルセット及び相性の良いノードにわたって、貪欲(最高の重み優先)深さ優先が実行される。アンサンブルにノードが追加されると、現在の部分的なアンサンブル内の(異なるリンクを有する)全てのノードとの相性がチェックされる。例えば、現在のアンサンブルが{女性_上着、女性_スカート}である場合、エキスパートルールがアソシエーションストレングスを0に配置するので、女性_Tシャツをこのアンサンブルに追加することはできない。しかし、アンサンブル内のどのカテゴリにもゼロリンクを有さないので、女性_ローファーを追加することはできる。
【0020】
候補アンサンブルが生成された後、いくつかの視覚及び非視覚因子からの複合スコアを使用して、アンサンブル内の各カテゴリスロットに製品が選択される。視覚因子は、小売製品画像をベクトル空間内の形、パターン及び色を描写する潜在的特徴に変換する画像処理技術に基づくものである。高次元記述子は、以下の因子のそれぞれの画像をスコア化する単純モデルのアンサンブルによって、より低い次元に変換される。各候補アンサンブルにおいて、製品の総スコアに基づいて、高ランクの候補製品が選択される。因子は、限定はされないが、以下を含むことができる。
【0021】
色の相性−アパレル又は家具商品ペアの色ヒストグラムは、色相性スコアを生成する為に使用することができる。
【0022】
温度−簡易な決定木のアンサンブル分類器は、「暖」及び「冷」とラベリングされた色のサンプルを使用して構築される。色温度分類器によるスコアは、各色ビンの暖かさを得る為に使用される。アパレル又は家具商品の「暖」スコアは、ヒストグラム内の色ビンの全ての温度スコアの加重平均を計算することにより、その色ヒストグラムを使用して計算される。スコアは0(冷)から1(暖)の範囲の連続値とすることができる。2つの製品間の温度の相性は、暖かさのスコア間の絶対値差分により得られる。それらの暖かさ(又は冷たさ、スコアが低い場合)が近ければ近いほど、相性がより良くなる。
【0023】
調和−アパレル又は家具製品の主要な色が、まず色ヒストグラムから抽出される。その後、3つの異なる種類の色調和が付与され、与えられた色と良くペアリングする色が検索される。
【0024】
モノクロ−水色及び紺色のような同じ色の影のバリエーションが選択される。
【0025】
相補性−黄色及び紫色のようなカラーホイールの反対側の色(高コントラスト)が選択される。
【0026】
類似−赤色及びオレンジ色のようなカラーホイールで隣接する色が選択される。
【0027】
パターンの相性:生画像から得られ、色ヒストグラムに沿う既知のパターンの存在又は不在を示しているパターンベクトルが、パターンの相性スコアを生成する為に使用される。
【0028】
煩雑性(busyness)−単純分類器は、視覚的特徴を使用して、プリントの煩雑性のスコアを計算することができる。衣服の煩雑性を予測する分類器は、手動でラベリングされた画像に向けられている。高次元の視覚的特徴は、知覚できる色空間内の画像ヒストグラムを処理することにより抽出される。放射基底関数(radial basis function)(rbf)カーネルを有する非線形のサポートベクトル分類器(Support Vector Classifier)(SVC)は、これらの視覚信号をモデリングする為に使用することができる。この特徴はrbfのようなガウスカーネルと最も良く作用するようにスケール変更される。分類器から得られた確率は、衣服の煩雑性のスコアとして利用される。煩雑なプリントは、無地のプリントにより相殺される。相性スコアのこのコンポーネントは、個々の製品の煩雑性スコア間の距離を最大化しようとしている。
【0029】
パターンの中立性ブースト−青色のデニム及び白黒の縞模様のようないくつかのパターンは中立であると考えることができる。これらは識別され、追加のスコアブーストを得られる。
【0030】
カテゴリの相性:アンサンブルが生成される以下のレベルにおけるカテゴリの相性スコアは、このモジュールによるスコア化に使用される。例えば、女性>衣服>スカート及び女性>履物>靴を使用してアンサンブルが生成されたが、検討中の製品の特定のペアはAラインスカート及びパンプスであり、カテゴリの相性(トラフィックベース、又はキュレートされたリンク)に関して高いランクを有する場合、このスコアは、既に良くペアリングされたより高レベルのカテゴリの中から、より相性の良い製品をブーストさせる為に使用される。
【0031】
スタイルの相性:画像の特徴と同様に、ファブリック及び製品属性のようなメタデータの特徴を使用する簡易な決定木の分類器は、ラベリングされたスタイル(例えば、ヒップスター、プレッピー、レトロ、パンク、プロム、クラシック)間を区別する為に学習するように訓練されることができる。家具の場合、スタイルは、ミニマリスト、アールデコ、コンテンポラリーのようなテーマにより置き換えられる。スタイルの描写は、スタイルに対するその製品の傾向を示している[0、1]の範囲の値を有する(各製品は複数のスタイルに属することができる)。スタイルのベクトルのユークリッド距離が近ければ近いほど、スタイルの相性はより良くなる。
【0032】
機会の相性:ファブリック及び製品属性のようなメタデータの特徴及び画像的特徴を使用する簡易な決定木の分類器は、ラベリングされた機会(例えば、日中_カジュアル、日中_フォーマル、夜_カクテル、ビーチウェア)間を区別する為に学習するように訓練されることができる。家具の場合、機会は、テラス、リビングルーム等の選択された部屋と同等である。機会の描写は、機会に対するその製品の傾向を示している[0、1]の範囲の値を有する(各製品は複数の機会に属することができる)。機会のベクトルのユークリッド距離が近ければ近いほど、機会の相性はより良くなる。
【0033】
ブランドの相性:検討中の製品のブランドは、より良いペアリングの為に相性がスコア化される。例えば、ハイブランド共起製品を有するブランドは、アンサンブルにおいて一緒に良くペアリングされる。ブランド間のアフィニティ(親近感)スコアを生成する為にスコアを使用することができる。
【0034】
価格の相性:価格ベクトルは価格を記載する数字のベクトルであり、絶対価格、小売価格、割引額等を含む。このベクトルは、特定のカテゴリ内の各価格範囲の為のZスコアを使用して標準化される。価格の相性スコアは、標準化された価格ベクトル間のコサイン類似度である。典型的に、カテゴリ内の高価格製品は、絶対価格値が大いに異なる場合でも、高い類似度を有する傾向にある。したがって、ズボンのカテゴリから高級品を見ている場合、相性の良い高級ハンドバッグを推薦することもできる。もう1つの例として、ユーザが100ドルのフォーマルジャケットを購入した場合、50ドルのネクタイも購入する可能性があるが、逆の場合はそうではない。
【0035】
個人化ブースト:アンサンブル内のいくつかの候補製品は、ユーザからの関与が最近見られる場合、又は個人化に関連すると考慮される他の因子により、小さな個人化ブーストを付与される。また、様々な相性スコアのそれぞれの重みは、個人化モジュールの感度を利用して、個人化された方法に調整することができる。例えば、いくつかのユーザは、ユーザのアンサンブルの選択として、ブランドの相性よりもモノクロの色調和を優先することができる。
【0036】
いくつかの実施形態において、トラフィック駆動のカテゴリ化に求められるような関連性スコア、カテゴリ又はブランド関連性のアフィニティスコア、又は他のコロケーション又は類似度スコアには、点別相互情報(pointwise mutual information)(PMI)又は正規化された点別相互情報(normalized pointwise mutual information)(NPMI)メトリック関連測度を使用することができる。例えば、NPMIが自然言語処理タスクにおける単語間の意味的関係を識別する為に使用される。形式的に、PMIは、独立下で期待される頻度に対する観察された共起頻度の比率のログである。強い関連性は高いPMIを有する。なぜなら、共起の確率は各単語の発生確率に近いからである。ゼロのPMIは、確率変数が統計的に独立していることを意味し、正のPMIは、これらがより高い頻度で共起することを意味し、負のPMIは、これらが独立している場合よりも共起の頻度が低いことを意味している。PMIは以下のように定義されることができる。
【数1】
【0037】
最尤推定値は、p(x)=C(x)/N及びp(x、y)=C(x、y)/Nであり、ここで、Nはデータセット内のサンプルの数であり、C(x)は任意のペアの一部としてのデータセット内で発生するxの数であり、そして、C(x、y)はyと共起するxの数である。
【0038】
PMIは割り当てられていないので、値の範囲を[-1、+1]とする為に、結果的に、-1は一緒に発生することは無く、0は独立しており、そして、+1は完全な共起(理想的な関連性)となる。このことは、いくつかの低頻度バイアスを低減することも期待される。NPMIは以下のように定義されることができる。
【数2】
【0039】
NPMIスコアは、スコアを得る為に使用されるカテゴリ及びブランド関連性の強度を数値化する為にアフィニティスコアを生成する為に使用することができる。実際に、NPMIは珍しい関連性を強調するので、スコアの結果から関連性をマイニングする為に、上位及び下位閾値が一般的に使用される。また、PMIは連鎖律に従うので、第3の共通値を条件とする即席ペア間の関連性スコアを得る為に使用することができる(条件付きPMI)。このことは、ロングテールにおける推移関係を得る為に非常に有用である。
【0040】
上記から分かるように、コロケーションをマイニングする為の代替関連測度を使用することもできる。NPMIの代わりに、カイ2乗のような相関測度又はオッズ比を採用することができる。他の要求プロパティ(required properties)を有する他の相関測度を使用することもできる。
【0041】
本発明の実施形態は、例えば1つ以上のプロセッサ及びシステムメモリのような、以下により詳しく記載されているコンピュータハードウェアを含む専用又は汎用コンピュータを使用する、又は、有することができる。本発明の範囲内の実施形態は、コンピュータで実行可能な命令及び/又はデータ構造を記憶又は搬送する物理的又は他のコンピュータ可読媒体も含んでいる。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用コンピュータシステムによりアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であることができる。コンピュータで実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体(装置)である。コンピュータで実行可能な命令を搬送するコンピュータ可読媒体は、伝送媒体である。したがって、限定されない例として、本発明の実施形態は、少なくとも2つの明らかに異なる種類のコンピュータ可読媒体、即ちコンピュータ記憶媒体(装置)及び伝送媒体、を有することができる。
【0042】
コンピュータ記憶媒体(装置)は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、(例えば、RAMに基づく)ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、相変化メモリ(PCM)、他の型のメモリ、他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は、汎用又は専用コンピュータによりアクセスすることができ、コンピュータで実行可能な命令又はデータ構造の形式の所望のプログラムコード手段を記憶する為に使用することができる任意の他の媒体を含む。
【0043】
「ネットワーク」は、コンピュータシステム及び/又はモジュール及び/又は他の電子機器間の電子データの伝送を可能にする1つ以上のデータリンクとして定義される。情報がネットワーク又は他の通信接続(有線(hardwired)、無線、又は有線及び無線の組み合わせのいずれか)をわたってコンピュータに転送又は提供された時に、コンピュータは接続を適切に伝送媒体とみなす。伝送媒体は、汎用又は専用コンピュータによりアクセスすることができ、コンピュータで実行可能な命令又はデータ構造の形式の所望のプログラムコード手段を搬送する為に使用することができるネットワーク及び/又はデータリンクを含むことができる。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0044】
さらに、様々なコンピュータシステムコンポーネントに達すると、コンピュータで実行可能な命令又はデータ構造の形式の所望のプログラムコード手段は、伝送媒体からコンピュータ記憶媒体(装置)(又はその逆)に自動的に転送されることができる。例えば、ネットワーク又はデータリンクをわたって受信されたコンピュータで実行可能な命令又はデータ構造は、ネットワークインタフェースモジュール(例えば、NIC)内のRAMのバッファに格納されることができ、その後、コンピュータシステムRAM及び/又はコンピュータシステムのより揮発性の低いコンピュータ記憶媒体(装置)に結果的に転送される。RAMはソリッドステートドライブを含むこともできる。したがって、コンピュータ記憶媒体(装置)は、(主に)伝送媒体を利用するコンピュータシステムコンポーネントに含まれることができると理解されるべきである。
【0045】
コンピュータで実行可能な命令は、例えば、プロセッサにより実行されると、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理装置に特定の機能又は機能群を実行させる命令又はデータを含む。コンピュータで実行可能な命令は、例えば、アセンブリ言語又はソースコードのような二値の中間フォーマット命令(intermediate format instructions)であることができる。上記の内容は構造的特徴及び/又は方法論的行為(methodological acts)に特化した言語で記載されているが、特許請求の範囲に定義されている内容は、上記に記載の特徴又は行為により限定される必要は無いと理解される。むしろ、記載されている特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施する為の例としての形式で開示されている。
【0046】
本発明は、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、メッセージプロセッサ、携帯用デバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、携帯電話、PDA、タブレット、ポケットベル、ルータ、スイッチ、様々な記憶装置等を含む、様々な種類のコンピュータシステム構成を有するネットワークコンピューティング環境で実施することができると当業者には理解される。本発明は、(有線データリンク、無線データリンク、又は有線及び無線データリンクの組み合わせのいずれかにより)ネットワークを通じてリンクされているローカル及びリモートコンピュータシステムの両方がタスクを実行する分散システム環境で実施することもできる。分散システム環境においては、ローカル及びリモートメモリ記憶装置の両方にプログラムモジュールが配置されている。
【0047】
装置は、タッチスクリーン又は他のI/O(入出力)コンポーネントを有することができる。
【0048】
記載の側面はクラウドコンピューティング環境において実施することもできる。本明細書及び特許請求の範囲において、「クラウドコンピューティング」は、設定可能な計算資源の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを可能にするモデルとして定義される。例えば、クラウドコンピューティングは、設定可能な計算資源の共有プールへのユビキタスで便利なオンデマンドアクセスを提供する為に市場で採用されることができる。設定可能な計算資源の共有プールは、仮想化により迅速に設定することができ、少ない経営努力又はサービスプロバイダ相互作用でリリースすることができ、その後、適宜スケール変更することができる。
【0049】
クラウドコンピューティングモデルは、例えば、オンデマンドセルフサービス、ブロードネットワークアクセス、資源プーリング、急速な弾性(rapid elasticity)、測定サービス等の様々な特性を含むことができる。クラウドコンピューティングモデルは、例えば、サービスとしてのソフトウェア(Software as a Service)(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(Platform as a Service)(PaaS)、及びサービスとしてのインフラストラクチャ(Infrastructure as a Service)(IaaS)等の様々なサービスモデルを公開することもできる。クラウドコンピューティングモデルは、例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド等の異なる展開モデルを用いて展開することもできる。本明細書及び特許請求の範囲において、「クラウドコンピューティング環境」は、クラウドコンピューティングが採用されている環境である。
【0050】
ここで説明されているコンポーネント及びモジュールは、特定の配置で記載されて示されているが、コンポーネント及びモジュールの配置は、異なる方法でデータを処理する為に変更することもできる。他の実施形態において、1つ以上の追加のコンポーネント又はモジュールを上記のシステムに追加することができ、そして、1つ以上のコンポーネント又はモジュールを上記のシステムから取り外すことができる。代替実施形態においては、2つ以上の上記のコンポーネント又はモジュールを単一のコンポーネント又はモジュールに組み合わせることができる。
【0051】
上述の記載は、説明を目的として提示されているものである。開示されている詳細な形態に本発明を包括的に限定することを意図するものではない。上記教示を考慮して多くの改良及び変更が可能である。さらに、任意の又は全ての上記代替実施形態は、本発明の追加のハイブリッド実施形態を形成するのに望ましい任意の組み合わせで使用することができる。
【0052】
さらに、本発明の特定の実施形態が記載されて説明されているが、本発明は記載及び説明されている部分の特定の形態又は配置に限定されるものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義されるものであり、任意の将来提出された特許請求の範囲及び異なる出願において将来提出された特許請求の範囲、並びにその同等物により、定義されるものである。
図1
図2
【国際調査報告】