特表2021-531707(P2021-531707A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-531707ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-531707(P2021-531707A)
(43)【公表日】2021年11月18日
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20211022BHJP
【FI】
   H04L9/00 675Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-513269(P2021-513269)
(86)(22)【出願日】2020年6月3日
(11)【特許番号】特許第6954709号(P6954709)
(45)【特許公報発行日】2021年10月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月4日
(86)【国際出願番号】CN2020094208
(87)【国際公開番号】WO2021042784
(87)【国際公開日】20210311
(31)【優先権主張番号】201910842324.2
(32)【優先日】2019年9月6日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】521093451
【氏名又は名称】南京瑞祥信息技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白杰
(57)【要約】
本願は、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含む、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムを提供する。その中で、パブリックチェーンの全てのノードには、ルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、CNSサブチェーンを構成するノードは、パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、CNSサブチェーンを構成するノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている。本願は、サブチェーンの形で、DNSシステムをブロックチェーンネットワークに配置することで、完全な非中央集権的な配置を実現することができる。また、サブチェーンノードが、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスが急速に達成され、応答速度が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムであって、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含み、前記パブリックチェーンの全てのノードには、ルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている、
ことを特徴とするブロックチェーンに基づくドメイン名管理システム。
【請求項2】
前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含み、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むトップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のドメイン名管理システム。
【請求項3】
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、実行されるスマートコントラクトによって、実行されるスマートコントラクトに対応するドメイン名情報を分散記憶している、ことを特徴とする請求項2に記載のドメイン名管理システム。
【請求項4】
ドメイン名の登録・ログインサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
ルートドメイン名スマートコントラクトへ登録取引を発起し、ルートドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーし、
前記登録取引に応じて、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、前記登録取引におけるドメイン名の追加を受け入れるか拒否するかを含む登録投票結果をフィードバックし、
フィードバックされた前記登録投票結果が予め設定された登録要求を満たす場合は、前記ルートドメイン名スマートコントラクトによりトップレベルドメイン名スマートコントラクトを生成し、
前記ルートドメイン名スマートコントラクトに、新たに生成されたトップレベルドメイン名スマートコントラクトを指す記録を加える、ように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のドメイン名管理システム。
【請求項5】
前記予め設定された登録要求は、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第1の投票数の値以上であること、又は、予め設定された投票周期において、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第2の投票数の値以上であることを含む、ことを特徴とする請求項4に記載のドメイン名管理システム。
【請求項6】
ドメイン名問い合わせサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
ドメイン名問い合わせノードからの問い合わせ取引を受信し、
前記問い合わせ取引において、ドメイン名情報を抽出し、
実行されるスマートコントラクトによって、前記ドメイン名情報に対応するDNS情報を抽出し、
抽出された前記DNS情報をドメイン名問い合わせノードに送信する、ように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のドメイン名管理システム。
【請求項7】
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、実行されるスマートコントラクトによって、コントラクト所有者ノードとして分けられるが、ドメイン名更新サービスに対して、前記コントラクト所有者ノードは、さらに、
更新ノードにより実行されるスマートコントラクトの上位ドメイン名スマートコントラクトへ更新取引を発起し、上位ドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーして更新サービスを行い、
上位ドメイン名スマートコントラクトにより前記更新取引における更新データをチェックし、かつ、チェックに合格すると、実行されるスマートコントラクトを呼び出し、
前記更新データに基づき、実行されるスマートコントラクトを更新する、ように配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のドメイン名管理システム。
【請求項8】
前記コントラクト所有者ノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行するルート所有者ノードと、トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行するトップレベル所有者ノードと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行するアプリケーション所有者ノードとを含み、
前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記トップレベル所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクト及び/又はルートドメイン名スマートコントラクトである、
ことを特徴とする請求項7に記載のドメイン名管理システム。
【請求項9】
ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムであって、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノード及び少なくとも1つのDNSノードから構成されるCNSサブチェーンとを含み、前記パブリックチェーンの全てのノード及び前記DNSノードには、何れもルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されており、
前記DNSノードは、DNSシステムにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記CNSサブチェーンにおけるドメイン名情報を問い合わせ、かつ、前記パブリックチェーンにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記DNSシステムにおけるドメイン名情報を問い合わせるように、DNSシステムに接続されるように配置されている、
ことを特徴とするブロックチェーンに基づくドメイン名管理システム。
【請求項10】
前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含み、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むトップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のドメイン名管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月6日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号は201910842324.2、発明の名称は「ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ブロックチェーンネットワーク技術の分野に関し、特に、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ドメイン名管理システムは、ドメイン名システム(DNS、Domain Name System)とも呼ばれ、インターネットの基本サービスであり、ネットワークの相互接続が可能になるように、ドメイン名を真のIPアドレスに解釈する機能を果たすものである。インターネットの基本的なサポートアーキテクチャとして、DNSのルートドメイン名サーバはICANNにより制御され、すなわち、DNSは中央集権的なマルチレベルシステムであり、ネットワークの中立の原則に違反している。ブロックチェーン技術は、主として、非中央集権性のシステムの要求に応じて、パブリックコンセンサスを基にして、比較的客観的な背信防止デジタル環境を作ることを目指している。ブロックチェーン技術により、ネットワーク情報の信頼性を確保することができる。
【0004】
従って、ブロックチェーン技術に基づき、非中央集権的なドメイン名システムを構築することが可能になり、ブロックチェーンに基づくドメイン名システム(Blockchain Name System)は、スマートコントラクトのメカニズム又はドメイン名プロトコルのメカニズムを利用して、非中央集権性を実現し、開放かつ拡張可能なドメイン名システムであり、例えば、イーサリアムに基づくENSと、UTXOモデルに基づくHandshakeである。
【0005】
その中で、ENSは、読み取り可能なドメイン名(例えば、「alice.eth」)を、イーサリアムアカウントアドレスや、コントラクトアドレス、ファイルアドレスメタデータなどのようなアドレス識別子にマッピングするように作動する。ENSは、ドメインのポイントスペーサー層名システムにおいて動作することにより、基本アーキテクチャの複雑さを低減させる。その一方、Handshakeは、権限無しのドメイン名プロトコルを定義することにより、それぞれの関与ノードがすべて検証してルート領域の管理を担当するようにし、ドメイン名分析サーバが1つの権威サーバを指すようにすることで、認証機関の代わりに、デマンドをブロックチェーンネットワークに送信する。
【0006】
上記から分かるように、ENSにしても、Handshakeにしても、その動作がブロックチェーンネットワークの性能によって制限され、1日当たりの訪問回数が数十億を超えるDNSサービスに対しては、デマンドを満たすことができない。また、ブロックチェーンネットワークのコンセンサス・検証メカニズムのために、DNSリクエストの応答速度が遅く、ノードからDNSリクエストを送信した後の待機期間が長くて、BNSサービスの普及と応用に影響を与える。
【発明の概要】
【0007】
本願は、ブロックチェーンドメイン名システムの応答速度が遅いという問題を解決するためのブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムを提供する。
【0008】
一側面において、本願は、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムであって、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含み、前記パブリックチェーンの全てのノードには、ルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている、
ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムを提供する。
【0009】
選択的に、前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含み、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むトップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている。
【0010】
選択的に、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、実行されるスマートコントラクトによって、実行されるスマートコントラクトに対応するドメイン名情報を分散記憶している。
【0011】
選択的に、ドメイン名の登録・ログインサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
ルートドメイン名スマートコントラクトへ登録取引を発起し、ルートドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーし、
前記登録取引に応じて、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、前記登録取引におけるドメイン名の追加を受け入れるか拒否するかを含む登録投票結果をフィードバックし、
フィードバックされた前記登録投票結果が予め設定された登録要求を満たす場合は、前記ルートドメイン名スマートコントラクトによりトップレベルドメイン名スマートコントラクトを生成し、
前記ルートドメイン名スマートコントラクトに、新たに生成されたトップレベルドメイン名スマートコントラクトを指す記録を加える、ように配置されている。
【0012】
選択的に、前記予め設定された登録要求は、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第1の投票数の値以上であること、又は、予め設定された投票周期において、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第2の投票数の値以上であることを含む。
【0013】
選択的に、ドメイン名問い合わせサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
ドメイン名問い合わせノードからの問い合わせ取引を受信し、
前記問い合わせ取引において、ドメイン名情報を抽出し、
実行されるスマートコントラクトによって、前記ドメイン名情報に対応するDNS情報を抽出し、
抽出された前記DNS情報をドメイン名問い合わせノードに送信する、ように配置されている。
【0014】
選択的に、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、実行されるスマートコントラクトによって、コントラクト所有者ノードとして分けられるが、ドメイン名更新サービスに対して、前記コントラクト所有者ノードは、さらに、
更新ノードにより実行されるスマートコントラクトの上位ドメイン名スマートコントラクトへ更新取引を発起し、上位ドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーして更新サービスを行い、
上位ドメイン名スマートコントラクトにより前記更新取引における更新データをチェックし、かつ、チェックに合格すると、実行されるスマートコントラクトを呼び出し、
前記更新データに基づき、実行されるスマートコントラクトを更新する、ように配置されている。
【0015】
選択的に、前記コントラクト所有者ノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行するルート所有者ノードと、トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行するトップレベル所有者ノードと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行するアプリケーション所有者ノードとを含み、
前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記トップレベル所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクト及び/又はルートドメイン名スマートコントラクトである。
【0016】
もう1つの側面において、本願は、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムであって、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノード及び少なくとも1つのDNSノードから構成されるCNSサブチェーンとを含み、前記パブリックチェーンの全てのノード及び前記DNSノードには、何れもルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されており、
前記DNSノードは、DNSシステムにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記CNSサブチェーンにおけるドメイン名情報を問い合わせ、かつ、前記パブリックチェーンにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記DNSシステムにおけるドメイン名情報を問い合わせるように、DNSシステムに接続されるように配置されている、
ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムをさらに提供する。
【0017】
選択的に、前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含み、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むトップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている。
【0018】
上述した技術案から分かるように、本願は、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含む、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムを提供する。その中で、パブリックチェーンの全てのノードには、ルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、CNSサブチェーンを構成するノードは、パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、CNSサブチェーンを構成するノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている。本願は、サブチェーンの形で、DNSシステムをブロックチェーンネットワークに配置することで、完全な非中央集権的な配置を実現することができる。また、サブチェーンノードが、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスが急速に達成され、応答速度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願のブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムの構造模式図である。
図2】本願のブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムのスマートコントラクトの配置模式図である。
図3】本願のドメイン名の登録・ログインサービスのフローチャートである。
図4】本願のドメイン名問い合わせサービスのフローチャートである。
図5】本願のドメイン名更新サービスのフローチャートである。
図6】本願のもう1つのブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムの構造模式図である。
図7】本願のもう1つのブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムのスマートコントラクトの配置模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願が提供する技術案において、ブロックチェーンネットワークとは、非中央集権的なアプリケーションアーキテクチャを有するピアツーピアネットワークであり、前記ブロックチェーンネットワークは、ネットワーク内で分散記憶、パブリックコンセンサス、デジタル暗号化、取引台帳記入、及び検証を行うことができる。つまり、ブロックチェーンネットワークは、分散技術、暗号学、P2Pネットワークアーキテクチャ、及び各種の応用可能なコンセンサスアルゴリズムをカバーしている取引プラットフォームである。
【0021】
本願において、ブロックチェーン又はブロックチェーンデータとは、ブロックチェーンネットワークで取引が発生された時に、取引情報に基づいて生成された台帳記入情報であり、すなわち、複数の取引により1つのブロックデータが構成され、複数のブロックデータにより1つのタイムスタンプ付きのブロックチェーンが形成される。ブロックチェーンネットワークには、互いにピアツーピアネットワーク接続を確立したノードが含まれ、それぞれのノードには、対応するコンセンサスメカニズム、例えば、スマートコントラクトを配置され、しかも、取引検証と台帳記入プログラムを行うために、十分な演算能力がある。ノードは、インターフェース仕様を介してより多くのノード又は他のタイプのブロックチェーンネットワークにアクセスすることが実現されるように、ある統一基準に合うインターフェース仕様をさらに有する。前記パブリックチェーンは、ブロックチェーンネットワークにおいて複数のノードから構成されるピアツーピアネットワーク構造であり、それぞれのノードは、分散記憶機能及び取引・台帳記入機能を有し、パブリックチェーンにおけるノードは、外部へ統一のインターフェース仕様を提供する。
【0022】
図1を参照すれば、本願のブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムの構造模式図である。図1から分かるように、本願が提供するブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムは、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含む。実際の応用において、説明の便宜上、パブリックチェーンを構成するノードはパブリックチェーンノードと呼ばれ、CNSサブチェーンを構成するノードは、CNSサブチェーンノードと呼ばれることができる。無論、本実施例では、パブリックチェーンにおけるノードは、パブリックチェーンノードであってもよいし、CNSサブチェーンノードとして兼用されてもよい。その一方、CNSサブチェーンノードは、パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるので、それは、CNSサブチェーンノードでもあり、パブリックチェーンノードでもある。すなわち、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有する。
【0023】
実際の応用において、パブリックチェーンは、ネットワークにおける基本ブロックチェーンサービス、例えば、取引、検証、記憶などを提供することができる。パブリックチェーンは、その自身が何れの分野に対応する特定の機能を有しなくてもよいが、架け橋として、異なるアクセスチェーンが互いに取引を行ったり、情報を伝達したりすることができるように、パブリックチェーンにアクセスする全てのサブチェーン(又は、第三者ブロックチェーンネットワーク)を同一のブロックチェーンネットワークに集中する。
【0024】
本願が提供する技術案において、全てのパブリックチェーンのノードにスマートコントラクトが配置されている。スマートコントラクトは、ブロックチェーン取引に基づいて約束されたコンセンサスメカニズムプログラムであり、スマートコントラクトにより各種の機能の取引演算を実現することができ、例えば、ルートドメイン名スマートコントラクトにより、ノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成することができる。
【0025】
ドメイン名サービスを実現するために、本願において、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている。
【0026】
実際の応用において、ドメイン名によるサーバへの訪問を例とすれば、ネットワークにおけるユーザが端末(ノード)のブラウザなどのアプリケーションにドメイン名情報を入力した後、ノードは、まず、ローカルキャッシュにおいて当該ドメイン名に対応するIPアドレスがあるか否かを問い合わせ、あるとすると、IPアドレスサーバと通信可能な接続が確立されるように、対応するIPアドレスを直接抽出する。ないとすると、ブラウザなどのアプリケーションは、入力されたドメイン名情報をDNSサーバに送信し、ドメイン名を問い合わせることができる。
【0027】
従って、本願が提供する技術案において、ノードは、ドメイン名情報をドメイン名管理システムに送信し、すなわち、CNSサブチェーンに送信することができる。CNSサブチェーンノードは、ドメイン名情報を受信した後、その自身が実行するスマートコントラクトの違いによってドメイン名情報に対応するIPアドレスを問い合わせることができる。
【0028】
実際の応用において、インターネットにおけるドメイン名の数が多く、ドメイン名によってIPアドレスを問い合わせるデータ処理量が大きいので、DNS問い合わせサービスが階層的に配置され、それぞれの階層が対応してそれぞれの問い合わせ範囲を提供するように、DNSドメイン名の問い合わせのサーバの階層関係によって、CNSサブチェーンにおけるノードを複数の階層関係にさらに分けてもよい。例えば、ルートドメイン名スマートコントラクトによって、さらにサブドメイン名スマートコントラクトを作成して配置してもよい。その中で、前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含む。
【0029】
ドメイン名の問い合わせを実現するために、図2に示すように、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、トップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、すなわち、一部のCNSサブチェーンのノードは、トップレベルドメイン名サーバとして機能することができ、その中で、トップレベルドメイン名サーバの機能は、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含む。同様に、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている。
【0030】
従って、CNSサブチェーンのノードはドメイン名情報を受信した後、まず、現在のCNSサブチェーンのノードが当該ドメイン名の問い合わせを提供することができるか否かを判断する必要があり、できる場合は、IPアドレスデータを直接返信し、できない場合は、アプリケーションドメイン名、トップレベルドメイン名、ルートドメイン名の順に問い合わせを行わなければならない。IPアドレスデータを得るために、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、実行されるスマートコントラクトによって、実行されるスマートコントラクトに対応するドメイン名情報を分散記憶している。
【0031】
上記から分かるように、本願が提供する技術案において、CNSサブチェーンシステムにおけるノードは、協働し合うことにより、ルートドメイン名スマートコントラクトを初期化して配置することと、関連する登録・ログイン、問い合わせ、更新などのスマートコントラクトを配置することと、関連する登録・ログイン、問い合わせ、更新などのスマートコントラクトを実行することと、関連するドメイン名記録を記憶して転送することとを達成することができる。
【0032】
具体的に、図3に示すように、ドメイン名の登録・ログインサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
S101:ルートドメイン名スマートコントラクトへ登録取引を発行し、ルートドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーし、
S102:前記登録取引に応じて、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、前記登録取引におけるドメイン名の追加を受け入れるか拒否するかを含む登録投票結果をフィードバックし、
S103:フィードバックされた前記登録投票結果が予め設定された登録要求を満たす場合は、前記ルートドメイン名スマートコントラクトによりトップレベルドメイン名スマートコントラクトを生成し、
S104:前記ルートドメイン名スマートコントラクトに、新たに生成されたトップレベルドメイン名スマートコントラクトを指す記録を加える、
ように配置されている。
【0033】
本実施例において、ドメイン名管理システムに登録するサーバノードは、まず、ルートドメイン名スマートコントラクトへ登録取引を発起することにより、ルートドメイン名スマートコントラクトが対応するノードにより実行されることをトリガーすることができる。ノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行した後、登録取引に対する投票によって、投票結果をフィードバックすることができる。フィードバックされた投票結果が予め設定された登録要求を満たしている場合は、現在のサーバドメイン名がシステムに登録することができることを表すので、前記ルートドメイン名スマートコントラクトによりトップレベルドメイン名スマートコントラクトを生成可能し、前記ルートドメイン名スマートコントラクトに、新たに生成されたトップレベルドメイン名スマートコントラクトを指す記録を加えることができる。
【0034】
その中で、前記予め設定された登録要求は、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第1の投票数の値以上であること、又は、予め設定された投票期間において、フィードバックされた登録投票結果として、受け入れ数が第2の投票数の値以上であることを含む。
【0035】
トップレベルドメイン名サービス(TLD)を例とすれば、実際の登録中には、まず、ルートドメイン名スマートコントラクトへ取引を発起することにより、ルートドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーし、ルートドメイン名スマートコントラクトの所有者は、さらに投票又は他の方式で、当該TLDドメイン名の追加を受け入れるか否かを決定し、ルートドメイン名スマートコントラクトの所有者は、ルートドメイン名スマートコントラクトへ取引を発起することにより、当該TLDドメイン名の追加を受け入れるか拒否するかを選択し、登録を受け入れる場合には、取引の追加が成功し、ルートドメイン名スマートコントラクトは、1つの新たなTLDスマートコントラクトを生成して配置するとともに、ルートドメイン名スマートコントラクトに、対応する記録を追加して、新たなTLDスマートコントラクトを指すことで、追加作業を達成するようにすることができる。
【0036】
本願の一部の実施例において、図4に示すように、ドメイン名問い合わせサービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、さらに、
S201:ドメイン名問い合わせノードからの問い合わせ取引を受信し、
S202:前記問い合わせ取引において、ドメイン名情報を抽出し、
S203:実行されるスマートコントラクトによって、前記ドメイン名情報に対応するDNS情報を抽出し、
S204:抽出された前記DNS情報をドメイン名問い合わせノードに送信する、
ように配置されている。
【0037】
実際の応用において、ドメイン名問い合わせノードは、現在のブロックチェーンネットワークにおける何れか1つのノードであってもよく、それは、ネットワークへの訪問中に、ドメイン名問い合わせサービスをトリガーした後、実行されるスマートコントラクトに、問い合わせるべきドメイン名情報が含まれた問い合わせ取引を発起することができる。さらに、実行されるスマートコントラクトによって、対応するDNS情報を抽出し、抽出されたDNS情報をドメイン名問い合わせノードに送信し、ドメイン名問い合わせサービスを達成する。その中で、異なるノードには、その実行するスマートコントラクトが異なるので、前記ドメイン名情報に対応するDNS情報を抽出する時に、その対応するドメイン名問い合わせ方も異なる。例えば、アプリケーションスマートコントラクトがノードにより実行される場合は、その問い合わせ範囲が第2レベル以上のドメイン名であり、トップレベルドメイン名コントラクトがノードにより実行される場合は、その問い合わせ範囲がトップレベルドメイン名又は第2レベルドメイン名であり、ルートドメイン名スマートコントラクトがノードにより実行される場合は、その問い合わせ範囲がルートドメイン名又は第1レベルドメイン名である。
【0038】
本願の一部の実施例において、図5に示すように、ドメイン名更新サービスに対して、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部は、実行されるスマートコントラクトによって、コントラクト所有者ノードとして分けられるが、前記コントラクト所有者ノードは、さらに、
S301:更新ノードにより実行されるスマートコントラクトの上位ドメイン名スマートコントラクトへ更新取引を発起し、上位ドメイン名スマートコントラクトの実行をトリガーして更新サービスを行い、
S302:上位ドメイン名スマートコントラクトにより前記更新取引における更新データをチェックし、かつ、チェックに合格すると、実行されるスマートコントラクトを呼び出し、
S303:前記更新データに基づき、実行されるスマートコントラクトを更新する、
ように配置されている。
【0039】
本実施例において、前記コントラクト所有者ノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行するルート所有者ノードと、トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行するトップレベル所有者ノードと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行するアプリケーション所有者ノードとを含む。前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記トップレベル所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、ルートドメイン名スマートコントラクトであり、前記アプリケーション所有者ノードに対応する上位ドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクト及び/又はルートドメイン名スマートコントラクトである。
【0040】
あるTLDドメイン名の更新を例とすれば、実際の応用において、更新すべきTLDドメイン名の所有者は、まず、取引により、ルートドメイン名スマートコントラクトを呼び出して更新し、そして、ルートドメイン名スマートコントラクトによりチェックし、且、更新させ、既存のTLDスマートコントラクトを呼び出して、対応する情報を更新することで、TLDスマートコントラクトが対応する更新を達成して、対応する結果を返信するようにし、最後に、ルートドメイン名スマートコントラクトが対応する更新結果を記録し、更新操作を達成する。
【0041】
上述した技術案から分かるように、本願は、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるCNSサブチェーンとを含む、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムを提供する。その中で、パブリックチェーンの全てのノードには、ルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、CNSサブチェーンを構成するノードは、パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、CNSサブチェーンを構成するノードは、ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されている。本願は、サブチェーンの形で、DNSシステムをブロックチェーンネットワークに配置することで、完全な非中央集権的な配置を実現することができる。また、サブチェーンノードが、ルートドメイン名スマートコントラクト及びサブドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスが急速に達成され、応答速度が向上する。
【0042】
さらに、高い同時並行性の取引へのブロックチェーンネットワークの検証・処理能力を向上させるために、本願は、例えば、ノード役割分担、ノードグループ分け、区画検証などのように、パブリックチェーンアーキテクチャをさらに最適に調整することもできる。CNSサブチェーンは、パブリックチェーンにおける一部のノードから構成されるので、パブリックチェーンの能力を完全に受け継ぐことが可能であり、それで、高い同時並行性の取引へのパブリックチェーンの急速な検証・処理能力も受け継がれる。
【0043】
なお、CNSサブチェーンネットワークにおいて、関連するスマートコントラクトは、いずれも、取引とその取引検証によりドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ、更新などの操作を達成し、標準的なブロックチェーンネットワークのコンセンサスアルゴリズムにより、ネットワーク全体のデータの整合性を確保する。従って、パブリックチェーンネットワークの高い同時並行性の急速な取引とその取引検証能力により、CNSサブチェーンネットワークも対応する能力を持つことを確保することができ、従来のネットワーク性能が不十分であることが効果的に改善される。
【0044】
本願は、図6に示すように、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノード及び少なくとも1つのDNSノードから構成されるCNSサブチェーンとを含むドメイン名管理システムであって、前記パブリックチェーンの全てのノード及び前記DNSノードには、何れもルートドメイン名スマートコントラクトが配置されており、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記パブリックチェーンのノードと同様のスマートコントラクトと機能を有し、
前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されており、
前記DNSノードは、DNSシステムにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記CNSサブチェーンにおけるドメイン名情報を問い合わせ、かつ、前記パブリックチェーンにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記DNSシステムにおけるドメイン名情報を問い合わせるように、DNSシステムに接続されるように配置されている、
ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムをさらに提供する。
【0045】
本実施例が提供するドメイン名管理システムにおいて、DNSシステムを、1つのCNSサブチェーンノードとしてCNSサブチェーンに加えることができ、このノードが、すなわちDNSノードである。DNSノードは、DNSシステムの全体であってもよいし、DNSシステムにおける1つのノードであってもよいが、DNSシステムは、このノードを通じて外部とデータの交換を行うことができる。上記から分かるように、本願において、前記DNSノードは、従来のDNSシステムとの双方向互換性が達成されるように、DNS権威ドメイン名サーバ機能、ドメイン名解釈サーバ機能を有するとともに、CNSサブチェーン機能も有するノードである。
【0046】
同様に、本願が提供する技術案において、図7に示すように、前記サブドメイン名スマートコントラクトは、トップレベルドメイン名スマートコントラクトと、アプリケーションドメイン名スマートコントラクトとを含み、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記トップレベルドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベルドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むトップレベルドメイン名サービスを達成するように配置されており、前記CNSサブチェーンを構成するノードの一部及び前記DNSノードは、前記アプリケーションドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、第2レベル以上のドメイン名情報の管理とメンテナンスを含むアプリケーションドメイン名サービスを達成するように配置されている。
【0047】
上記から分かるように、CNSサブチェーンにおいて、取引によりスマートコントラクトの実行をトリガーし、非中央集権的なドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ、更新などのサービスを達成することができる。実際の応用において、従来のDNSシステムにおいては、DNSノードを設置することにより、CNSドメイン名の問い合わせ操作を容易に達成することができ、また、ブロックチェーンネットワークにおける応用は、DNSシステムにおけるネットワークを訪問する必要がある場合でも、CNSサブチェーンにおけるDNSノードを通じて従来のDNS解釈作業を容易に達成することができる。
【0048】
説明すべきことであるが、本実施例は、段階性から言えば、CNSサブチェーンにおいて、現在のICANNにおける既存のTLDトップレベルドメイン名の登録・ログインを開放することはしないが、DNSノード、及びブロックチェーンパブリックチェーンのIPFSネットワークを通じて、CNSサブチェーンにおいてDNSシステムの分散ミラーリングサービスを行い、関連するDNSデータをバックアップして記憶することができ、DNSネットワークの故障で訪問できないという問題が回避される。一方、遠い将来では、CNSサブチェーンは、既存のDNSネットワークのグレードアップされた代替ネットワークとされてもよく、従来のDNSシステムにしても、ブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムにしても、一括してCNSサブチェーンネットワークにより対応するサービスを提供することができる。
【0049】
上記の技術案から分かるように、本願がさらに提供するブロックチェーンに基づくドメイン名管理システムは、複数のノードから構成されるパブリックチェーンと、前記パブリックチェーンにおける一部のノード及び少なくとも1つのDNSノードから構成されるCNSサブチェーンとを含む。その中で、前記CNSサブチェーンを構成するノードは、前記ルートドメイン名スマートコントラクトを実行することにより、サブドメイン名スマートコントラクトを生成し、かつ、前記ルートドメイン名スマートコントラクト及び前記サブドメイン名スマートコントラクトにより、ドメイン名の登録・ログイン、問い合わせ及び更新サービスを達成するように配置されており、また、前記DNSノードは、DNSシステムにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記CNSサブチェーンにおけるドメイン名情報を問い合わせ、かつ、前記パブリックチェーンにおけるノードが前記DNSノードを通じて前記DNSシステムにおけるドメイン名情報を問い合わせるように、DNSシステムに接続されるように配置されている。CNSサブチェーンに少なくとも1つのDNSノードが内蔵されることにより、ブロックチェーンネットワークに基づくドメイン名管理システムを従来のDNSシステムに接続することが可能になり、それがCNSサブチェーンのノードとされているので、実質的に、前記CNSサブチェーンは、依然として完全な非中央集権性のデマンドを満たしている。また、DNSシステムにおける僅かなノードの改造により、DNSシステムをブロックチェーンネットワークに配置することができ、配置作業量を低減し、ドメイン名管理システムのアプリケーション範囲を向上させることができる。
【0050】
本願が提供する実施例間での類似の部分は、互いに参照すればよく、以上提供された具体的な実施形態は、単に本願の主旨下での幾つかの例示に過ぎず、本願の保護範囲を制限するものではない。当業者にとっては、創造的な労働を経ることなく本願の方案によって考え出された何れの実施形態も、本願の保護範囲に属するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】