特表2021-531930(P2021-531930A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-531930(P2021-531930A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】呼気アナライト検出装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/08 20060101AFI20211029BHJP
【FI】
   A61B5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2021-523552(P2021-523552)
(86)(22)【出願日】2019年6月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月10日
(86)【国際出願番号】US2019039623
(87)【国際公開番号】WO2020014001
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】62/695,882
(32)【優先日】2018年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.Linux
4.UNIX
(71)【出願人】
【識別番号】521017077
【氏名又は名称】リードアウト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ブイ.ラット
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ブイ.ラット
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038SU01
4C038SU17
(57)【要約】
呼気アナライト装置は、サンプリングボリュームと流体連通するブレスボリュームを含む。さらに、装置は、ブレスボリュームにおけるガス圧力(たとえば、音波)の変化に反応して変わる呼気信号を生成するように構成されたサンプリングセンサーと、サンプリングボリュームに存在する目標のアナライトの濃度に反応して変わるアナライト信号を生成するように構成されたアナライトセンサーとを含む。制御ユニットは、呼気信号に基づいてサンプリングボリュームにおける目標のアナライトの濃度を測定する時間を決定し、決定された時間にアナライト信号に基づいてサンプリングボリュームにおける目標のアナライトの濃度を測定するように構成される。さらに、装置は、目標のアナライトの濃度を測定する前に、ブレスボリュームからサンプリングボリュームにガスを誘導するように構成されたポンプを含むこともある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼気アナライトの濃度を測定するための方法であって、
ブレスボリュームにおいてユーザーにより吐き出されるガスを受け取るステップと、
サンプリングセンサーから、前記ブレスボリュームにおけるガス圧力の変化に反応して変わる呼気信号を受信するステップと、
前記呼気信号に基づいてサンプルタイムを特定するステップと、
アナライトセンサーから、サンプリングボリュームに存在する前記呼気アナライトの濃度に反応して変わるアナライト信号を受信するステップと、
前記アナライト信号に基づいて前記サンプリングボリュームにおける前記呼気アナライトの前記濃度を測定するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記サンプルタイムを特定するステップは、
前記呼気信号が呼気検出しきい値より上に増えているのを検出するステップと、
前記呼気信号が前記呼気検出しきい値より上に増えた後に前記呼気信号における最大を特定するステップと、
前記呼気信号が前記呼気信号における前記最大の後に呼気の終わりのしきい値より下に下がっているのを検出するステップであって、前記サンプルタイムは、前記呼気信号が前記呼気の終わりのしきい値より下に下がるときである、ステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サンプリングボリュームにおいて前記呼気アナライトの前記濃度を測定する前に、前記ブレスボリュームから前記サンプルボリュームに前記ユーザーによって吐き出された前記ガスの一部を、ポンプを使って送り込むステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記サンプリングボリュームにおいて前記呼気アナライトの前記濃度を測定するステップは、
サンプル期間にわたって前記アナライト信号を積分するステップと、
前記積分されたアナライト信号から、ベースラインレベルまたはドリフト補正のうちの1つまたは複数を減算するステップと
を含むことを特徴とする請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記アナライトセンサーの活性表面に吸着した少なくともいくつかの化学物質を焼き尽くすのに十分な第1の温度まで前記アナライトセンサーを加熱することと、
前記活性表面における化学物質の重大な吸着を防ぐのに十分な第2の温度に前記アナライトセンサーを保つことと、
前記アナライトセンサーを使用して前記アナライトの濃度を測定する要求を示す信号を受信することと、
前記アナライトセンサーの温度を第3の温度に調節することであって、前記アナライトセンサーは、前記アナライトセンサーが前記第3の温度にある間、前記アナライトの濃度を測定するように構成される、ことと
によって、サンプリングのために前記アナライトセンサーを準備するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1、2、3、または4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ブレスボリュームと、
前記ブレスボリュームと流体連通しているサンプリングボリュームと、
前記ブレスボリュームに位置されまたは隣接し、前記ブレスボリュームにおけるガス圧力の変化に反応して変わる呼気信号を生成するように構成されたサンプリングセンサーと、
前記サンプルボリュームと流体連通している、前記サンプリングボリュームに存在する目標のアナライトの濃度に反応して変わるアナライト信号を生成するように構成されたアナライトセンサーと、
前記サンプリングセンサーおよび前記アナライトセンサーと通信接続された制御ユニットと
を備え、前記制御ユニットは、
プロセッサーと、
実行されると、前記プロセッサーに、
前記呼気信号に基づいて前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定する時間を決定させ、
前記決定された時間に、前記アナライト信号に基づいて前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定させる
命令を格納するコンピューター読み取り可能な媒体と
を備えたことを特徴とする呼気アナライト装置。
【請求項7】
前記サンプリングボリュームと流体連通している、前記ブレスボリュームから前記サンプリングボリュームにガスを誘導するように構成されたポンプをさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の呼気アナライト装置。
【請求項8】
前記命令は、実行されると、さらに前記プロセッサーに、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定する前に前記ポンプを作動させることを特徴とする請求項7に記載の呼気アナライト装置。
【請求項9】
前記ポンプは、ポンプ導管を介して前記サンプリングボリュームに連結され、前記サンプリングボリュームからガスを引き入れるように構成されることを特徴とする請求項7または8に記載の呼気アナライト装置。
【請求項10】
前記サンプリングセンサーは、オーディオセンサーであることを特徴とする請求項6、7、8、または9のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項11】
サンプリングセンサーは、オーディオセンサーであり、前記プロセッサーに、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定する時間を決定させる前記命令は、前記プロセッサーに、
前記呼気信号が呼気検出しきい値より上に増えているのを検出させ、
前記呼気信号が前記呼気検出しきい値より上に増えた後に前記呼気信号における最大を特定させ、
前記呼気信号が前記呼気信号における前記最大の後に呼気の終わりのしきい値より下に下がっているのを検出させ、前記ブレスボリュームにおいて前記目標のアナライトの前記濃度を測定する前記時間は、前記呼気信号が前記呼気の終わりのしきい値より下に下がるときである
命令を含むことを特徴とする請求項6、7、8、または9のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項12】
前記目標のアナライトは、アセトンであり、前記アナライトセンサーは、アセトンセンサーであることを特徴とする請求項6、7、8、9、10、または11のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項13】
前記アナライトセンサーは、金属酸化物センサーであることを特徴とする請求項6、7、8、9、10、11、または12のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項14】
前記アナライトセンサーは、金属酸化物センサーであり、前記命令は、実行されると、さらに前記プロセッサーに、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定する前記センサーを準備させ、前記プロセッサーに、前記センサーを準備させる前記命令は、前記プロセッサーに、
前記センサーに、前記センサーの活性表面に吸着した少なくともいくつかの化学物質を焼き尽くすのに十分な第1の温度まで加熱させ、
前記センサーに、前記活性表面における化学物質の重大な吸着を防ぐのに十分な第2の温度のままにさせ、
前記センサーの温度を第3の温度まで下げさせ、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度は、前記センサーが前記第3の温度にある間、測定される
命令を含むことを特徴とする請求項6、7、8、9、10、11、または12のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項15】
前記第1の温度は、200Cから500Cまでの範囲にあり、前記第2の温度は、150Cから350Cまでの範囲にあり、前記第3の温度は、200Cから400Cまでの範囲にあることを特徴とする請求項14に記載の呼気アナライト装置。
【請求項16】
前記プロセッサーに、前記センサーを準備させる前記命令は、前記プロセッサーに、
前記サンプリングボリュームから流体を取り除くために1または複数回ポンプを作動させ、
前記センサーが、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度の測定を要求する前記第2の温度にある間、ユーザー入力を受信させ、前記制御ユニットは、前記センサーの温度を、前記ユーザー入力に反応する前記第3の温度に下げさせる
命令をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の呼気アナライト装置。
【請求項17】
ディスプレイをさらに備え、前記命令は、実行されると、前記プロセッサーに、前記ブレスボリュームへ息を吐かせるためにユーザーにプロンプトを示すように前記ディスプレイに指示させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項18】
前記命令は、実行されると、前記プロセッサーに、前記目標のアナライトについて前記測定された濃度を前記ユーザーに示すように前記ディスプレイに指示させる命令をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の呼気アナライト装置。
【請求項19】
前記プロセッサーに、前記サンプリングボリュームにおける前記目標のアナライトの前記濃度を測定させる前記命令は、実行されると、前記プロセッサーに、
サンプル期間にわたって前記アナライト信号を積分させ、
前記積分されたアナライト信号から、ベースラインレベルまたはドリフト補正のうちの1つまたは複数を減算させる
命令を含むことを特徴とする請求項6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18のいずれか一項に記載の呼気アナライト装置。
【請求項20】
アナライトの濃度を測定するセンサーを準備する方法であって、
前記センサーの活性表面に吸着した少なくともいくつかの化学物質を焼き尽くすのに十分な第1の温度まで前記センサーを加熱するステップと、
前記活性表面における化学物質の重大な吸着を防ぐのに十分な第2の温度に前記センサーを保つステップと、
前記センサーを使用して前記アナライトの濃度を測定する要求を示す信号を受信するステップと、
前記センサーの温度を第3の温度に調節するステップであって、前記センサーは、前記センサーが前記第3の温度にある間、前記アナライトの濃度を測定するように構成される、ステップと
を備えることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、説明される主題は、化学的な検出に関し、特に、吐き出された呼気中の特定のアナライトを検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吐き出された呼気は、種々の生理学的な状態についての非侵襲のインジケーターである多くのアナライトを含む。呼気は、非侵襲的に監視されることがあるので、呼気アセトンの測定は、例えば、食事療法の遵守、および減量のような健康に影響を与える生活様式の修正を監視するための道具として魅力的である。例えば、呼気アセトンは、ヒトの新陳代謝の状態と相関し、減らされた炭水化物/カロリーの食事制限の遵守、エクササイズ、および糖尿病患者に対するケトアシドーシスと呼ばれる命にかかわる状態への進行を数量で表すのに使用されることが可能である。
【0003】
このため、複数の団体が、消費者が自宅で使用して、呼気アセトンを測定し追跡することが可能である呼気アセトンの製品を作り出そうとしている。しかしながら、既存のアプローチは、呼気アセトンの測定についての正確度および再現性を減らす欠点に苦しむ。その上さらに、一般に、既存のアプローチは、ヒトの呼気中のアセトンと、他のアナライトとを区別しようと奮闘する。その結果、既存の解決策の価値が(商業的にと、健康保険給付金を支給するときとの両方で)限定される。
【発明の概要】
【0004】
呼気アナライト装置(breath analyte device)は、目標のアナライトの検出のために、ユーザーの呼気をサンプリングするときを決定するサンプリングセンサーを使用する。ユーザーの呼気のサンプルは、決められた時間に、アナライトセンサーを含むサンプリングボリューム(たとえば、フローセル)に引き込まれる。アナライトセンサーは、目標のアナライト、および通常、呼気に含まれる他のアナライトに対する反応に基づいて選択されることがある。装置は、ユーザーの呼気に含まれる目標のアナライトの量を、アナライトセンサーからの出力を使用して決定するように構成された制御ユニットを含む。
【0005】
種々の態様にて、サンプリングセンサーは、オーディオセンサー(たとえば、マイクロフォン)である。デバイスは、ユーザーの呼気についての終わりの部分をオーディオセンサーからの出力から特定することによって、ユーザーの肺胞の呼気をサンプリングする。制御ユニットは、呼気の始まりの部分を、ベースレベルに関してオーディオセンサーからの出力における増加によって、特定することがある。通常、オーディオセンサーからの出力は、ピーク値まで増加し、次に、呼気を介して減少し始めるだろう。呼気の終わりの部分は、オーディオセンサーからの出力が、ピーク値に関して定義されたしきい値より下に落ちるときに始まり、出力がベースレベルに戻るときに終わることがある。肺胞の呼気をサンプリングすることは、「呼気の終わり(end-of-breath)」または「終わりに近い呼気(late-breath)」のサンプリングといわれることがある。
【0006】
一態様にて、呼気アナライト装置は、ユーザーの呼気中のアセトンの存在および濃度を検出する。装置は、ユーザーから吐き出されたガスを受け取るためのブレスボリューム(breath volume)と、ブレスボリュームと流体連通するフローセルとを含む。マイクロフォンは、ブレスボリュームと流体連通しており、アセトンセンサーは、フローセルと流体連通している。アセトンセンサーは、アセトン対水素および他の呼気アナライト(breath analyte)に対する反応において、よい信号対雑音比を提供するように選択されることがある。制御ユニットは、マイクロフォンによって生成されたオーディオデータからユーザーの呼気の終わりの部分が近づくことを検出し、ポンプを作動して、ユーザーの呼気の一部を、ブレスボリュームからフローセルに移す。次に、制御ユニットは、ユーザーの呼気中におけるアセトン量の測定を、アセトンセンサーの出力から生成する。
【0007】
アセトンセンサーは、一貫性および正確度を改善するために、各測定の間にリフレッシュさせることがある。例えば、呼気アセトン装置がオンにされるまたはウェイクアップされると、フローセルは、ポンプと、吸着した化学物質を焼き尽くす高温まで加熱されたアセトンセンサーとによってきれいにされ、活性表面に負に帯電した酸素種を生成することがある。ポンプは、脱着した化学物質をフローセルから取り除くために、再び作動されることがあり(またはそのままであることがあり)、アセトンセンサーは、化学物質の重大な吸着を防ぐのに十分な高温に維持される。測定を要求するユーザー入力に反応して、アセトンセンサーの温度は、サンプリング温度に下げられる。
【0008】
呼気の終わりのサンプリングおよびアナライトセンサーの選択の組み合わせは、複雑な、扱いにくい、または高価な装置の必要なしに、高い正確度の呼気アセトンの測定を提供することがある。結果として、呼気アナライト装置は、ハンドヘルドであり、専門化された医療訓練なしにユーザーによって動作されることがある。さらに、装置は、比較的低コストであることもあり、潜在的に命にかかわる病気を監視することからフィットネスプログラムの遵守を促進することまで、広い範囲の応用に対して魅力的にさせる。さらに、呼気アナライト装置は、非侵襲的であることもあり、例えば、血液検査のような他の診断の技法を越えて、ユーザーに好ましくさせる。
【0009】
図面および次の説明は、例示だけのつもりで、ある態様を説明する。当業者は、次の説明から、構造および方法の代替の態様が、説明される原則から逸脱することなく、使われることがあることを快く認めるだろう。実現可能などんな場合でも、同様のまたは類似した参照符号は、同様のまたは類似した機能性を示す図面にて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一態様に係る呼気アセトン装置の概略図である。
図2】一態様に係る図1の呼気アセトン装置についての外側のハウジングの遠近図である。
図3】一態様に係る図1の呼気アセトン装置についての内側の遠近図である。
図4】一態様に係る呼気アセトン測定装置のコンピューターベースの制御ユニットを例示するブロック図である。
図5】一態様に係るユーザーの呼気をサンプリングする方法を例示するフローチャートである。
図6】一態様に係る呼気の終わりのサンプリングのためのオーディオセンサーの出力の使用を例示するグラフである。
図7】一態様に係る呼気の終わりのしきい値630を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
呼気アナライトの正確な再現可能な測定は、いくつかの課題がある。今述べた課題は、サンプルタイミング、センサー感度、アナライトの区別を含む。特に、今述べた課題は、専門化された訓練なしに、個人による使用のために意図されたハンドヘルドもしくは別のポータブルデバイスに関連する。ポータビリティは、使用され得るコンポーネントの大きさおよび重さに対して、検査する状態を制御することが可能である範囲に対しても同様に、抑制をおく。同様に、訓練を受けていないユーザーによる動作は、検査状態が制御され管理されることが可能である範囲を限定する。さらに、商業上の懸念は、使用されるコンポーネントに限定をおくこともある。
【0012】
サンプルタイミングに関して、ヒトの呼気中のアナライトについての濃度は、呼息の深さに従って変わる。ゆえに、呼気アナライトの測定の正確度および再現性は、目標のアナライトの高い相対濃度を有する呼吸循環の一部から絶えずサンプリングすることによって、改善されることが可能である。例えば、アセトンの場合、呼気の始まりの部分は、外気により希釈されることによる最低濃度を含み、呼気の終わりの部分は、肺および気道における血液からの最高度の移動による最高濃度を含む。それゆえ、呼気の終わりのサンプリングは、改善された正確度および再現性を提供することがある。
【0013】
センサー感度に関して、呼気アナライトの濃度は、比較的広い範囲にわたって変わることが可能である。例えば、アセトンは、〜100ppb(十億分率)から>100ppm(百万分率)までの範囲であることが可能である。ヒトの呼気中に現れる可能性が高い範囲の隅から隅までの目標のアナライトに対するアナライトセンサーの反応は、正確度および再現性に著しく影響を与えることが可能である。
【0014】
アナライトの区別に関して、ヒトの呼気は、いろいろな化学的なアナライトを含む。通常、センサーは、ヒトの呼気中のいくつかのアナライトに対して感度がよい。例えば、さらに、多くのアセトンセンサーは、水素、一酸化炭素、アルコール、イソプレン、および/またはアンモニアにも反応する。別々のセンサーは、アセトンと、今述べた他のアナライトとの別々の感度比を有する。ゆえに、他のアナライトによる予期されるセンサー反応を考慮に入れることは、目標のアナライトの測定についての正確度および再現性を著しく改善することがある。
【0015】
後続の説明にて、種々の原理は、利便性のために例示的な呼気アセトン装置に関して説明される。今述べたことは、本開示の範囲を上記の装置に限定するとして理解されるべきではない。むしろ、今述べた原理の多くは、他のアナライトを検出するように構成された呼気アナライト装置に適用できることが理解されるべきである。
【0016】
例示的な呼気アセトン装置
図1は、呼気アセトン装置100の一態様を例示する。示される本態様にて、装置100は、ブレスボリューム110、フローセル120、ポンプ130、アセトンセンサー140、サンプリングセンサー150、および制御ユニット160を、すべてハウジング170内に含む。ブレスボリューム110は、ハウジングに入れる開口部101(たとえば、マウスピース)および出す開口部102(たとえば、通気孔または弁)によって、外側の環境に流れるように連結される。ブレスボリューム110は、フロー導管112を介してフローセル120に流れるように連結される。サンプリングセンサー150は、サンプリング導管115を介してブレスボリューム110に流れるように連結される。ポンプ130は、ポンプ導管123を介してフローセル120に流れるように連結される。さらに、ポンプ130は、通気孔135によって外側の環境に流れるように連結されることがある。他の態様にて、呼気アセトン装置100は、別々のまたは追加のエレメントを含むことがある。
【0017】
一般に、ブレスボリューム110は、ユーザーによって吐き出された空気が通り抜けることがある導管の役割をする。ユーザーは、入れる開口部101の周りに唇を押しつけ、ブレスボリュームに吐き出すことある。次に、吐き出された空気は、自由にまたは制限付きで、入れる開口部101から、ブレスボリューム110を通じて、出す開口部102の外へ通ることがある。ブレスボリューム110は、任意の形および大きさにおいて構成されることがある。例えば、一般に、ブレスボリューム110は、円柱形、長方形のプリズム形、または任意の他の形を含むことがある。好ましくは、ブレスボリューム110は、実質的に曲がらないおよび/または曲げやすい材料もしくは材料の組み合わせから作られる。種々の態様にて、ブレスボリューム110は、約5〜200ミリリットルの容積があるが、より大きい大きさと、より小さい大きさとが使用されることがある。
【0018】
フローセル120は、アセトンセンサー140の方に、およびアセトンセンサー140から離れる方にガスを向けるために構成されたチャンバーまたは導管を含む。フローセル120は、任意の大きさおよび形において構成されることがあり、好ましくは、実質的に曲がらないおよび/または曲げやすい材料もしくは材料の組み合わせから作られることがある。種々の態様にて、フローセル120は、約2〜200ミリリットル、例えば、2〜50ミリリットルのような容積があるが、より大きい大きさと、より小さい大きさとが使用されることがある。 図1に示される態様にて、フローセル120は、フロー導管112を介してブレスボリューム110と流体連通している。フロー導管112は、例えば、管のような通路であり、ガスが、ブレスボリューム110とフローセル120との間を流れることできるようにする。他の態様にて、フローセル120は、他のやり方によりブレスボリューム110に接続されることがある。
【0019】
サンプリングセンサー150は、制御ユニット160がユーザーの呼気をサンプリングするのに適切な時間を決定するために使用することが可能であるデータを集める。サンプリングセンサー150は、ユーザーの呼気の段階を示す1つまたは複数の変数に反応して変わるサンプリング信号を出力する。種々の態様にて、サンプリングセンサー150は、ユーザーの呼気の終わりの部分が近づくことを示す装置100の近くに(たとえば、ブレスボリューム110の中に)ガス圧力の微動を検出するオーディオセンサーである。 図1に示される態様にて、オーディオセンサー150は、サンプリング導管115を介してブレスボリューム110と流体連通している。サンプリング導管115は、例えば、管のような通路であり、ガスが、ブレスボリューム110とオーディオセンサー150との間を流れることできるようにする。
【0020】
一態様にて、オーディオセンサー150は、オーディオ情報をとらえるまたは記録するように構成されたマイクロフォンである。マイクロフォンは、周囲のガス中の音波を、制御ユニット160に提供する電気信号に変換する任意の電気音響変換器(acoustic-to-electric transducer)またはセンサーを含むことがある。例示的な種類のマイクロフォンは、電磁誘導マイクロフォン(ダイナミックマイクロフォン)、静電容量変化マイクロフォン(コンデンサーマイクロフォン)、および圧電気マイクロフォン(圧電マイクロフォン)を含む。マイクロフォンからの出力は、ユーザーの呼気の終わりの部分が近づくことと強く相関しないオーディオスペクトルの構成要素を取り除くために、1つまたは複数の周波数フィルターを通り抜けさせることがある。例えば、ハイパスフィルターは、約1キロヘルツ(kHz)未満の周波数を取り除くために適用されることがあり、および/またはローパスフィルターは、約10kHzより上を取り除くために適用されることがある。
【0021】
代替の態様にて、サンプリングセンサー150は、装置100の周りの環境からの、および/またはブレスボリューム110中の空気圧情報を記録するように構成され得る圧力センサーを含むことがある。例示的な圧力型のサンプリングセンサー150は、シリコンMEMSストレンゲージセンサー、ピエゾ抵抗シリコン圧力センサー、アナログ出力圧力変換器センサー、リモートワイヤレス圧力変換器、ハルシュメディア圧力センサー(harsh media pressure sensor)、デジタル出力絶対圧力センサー、IsoSensor圧力センサー、ソリッドステート圧力センサー、または他の型の空気圧検知方法もしくはデバイスを含む。
【0022】
ポンプ130は、ブレスボリューム110とフローセル120との間に空気を誘導する(motivate)ように構成される。ポンプ130は、気流を生じる、誘導する、または向けるように構成された任意のデバイスを含むことがある。例えば、ポンプ130は、例えば、ロータリーベーンポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、スクロールポンプ、スクリューポンプ、バンケルポンプ、外部ベーンポンプ、ルーツブロワーもしくはブースターポンプ、多段ルーツポンプ、ブロワーファン、ベーンポンプ、軸流ファン、遠心ファン、クロスフローファン、ベローズ、コアンダ効果空気発動機、静電気空気発動機、または空気を動かす能力のある任意の他のデバイスもしくは方法のような、空気を動かす能力のあるベーンまたはブレードが回転する配置を含む。
【0023】
種々の態様にて、オーディオセンサー150からの出力が、ユーザーの呼気の終わりの部分が近づいていることを示すとき、制御ユニット160は、ユーザーの呼気の一部がブレスボリューム110からフローセル120にポンプを使って送り込まれるようにポンプを作動する。図1に示される態様にて、ポンプ130は、空気が、ポンプ130とフローセル120との間を流れることができるようにする、例えば、管のような通路であるポンプ導管123を介して、フローセル120からガスを抜き出す。ガスの除去は、フローセル120とブレスボリューム110との間の負圧差に帰着する。結果として、ガス(たとえば、ユーザーの呼気)は、ブレスボリューム110からフローセル120に移動する。他の態様にて、ポンプ130は、フローセル120内のガスに、フローセル120の外部からのガス(たとえば、新鮮な空気)によって交換させ得るフローセル120内の圧力の上昇を作成するまたは生成することがある。
【0024】
ポンプ130と流体連通中の通気孔135を含む態様にて、通気孔135は、フローセル120に対して提供するまたは交換するために、新鮮な空気の供給源をポンプ130に提供することがある。通気孔135は、空気が、ポンプ130に流れるおよび/またはポンプ130から流れ出ることができるようにする、例えば、管のような通路である。例えば、引く(引くではなくて押す)のみのポンプ130に対し、通気孔135は、次の測定に対して装置100を準備するために、呼気測定後にフローセル120をきれいにする新鮮な空気の供給源として使用されることがある。代替として、押すと引くとの両方が可能であるポンプ130が使用されることもある。この場合、ポンプ130は、最初に呼気サンプルをフローセル120に引き入れ、次に、測定後に、呼気サンプルをブレスボリューム110に押し戻す。ゆえに、通気孔135は、省略されることがある。
【0025】
アセトンセンサー140は、さらされるガス中のアセトンの濃度によって変わる出力アセトン信号を生成する。例えば、出力は、センサー140の活性表面におけるアセトン濃度とともに増加する電気信号であり得る。一態様にて、アセトンセンサー140は、例えば、酸化タングステンまたは酸化亜鉛のセンサー(たとえば、NISSHAエフアイエス(登録商標)によって提供されるSB−33またはSP−33のセンサー)のような金属酸化物センサーを含む。金属の酸化物のセンサーは、追加の金属酸化物を含むことがある。例えば、酸化タングステンセンサーは、金、白金、鉄、ケイ素、ガドリニウム、ホルミウム、イットリウムおよび/または他の希土類の材料によってドープされることがある。
【0026】
アセトンセンサー140は、呼気に含まれ得る他のアナライトよりもアセトンに著しく反応しやすいように選択されることがある。いくつかの態様にて、アセトンセンサー140は、水素、アルコール、一酸化炭素、アンモニア、メタン、または吐き出された呼気に普通に見つけられる他の化学物質のうちの1つまたは複数に対するよりも、アセトンに対して少なくとも50倍感度がよい。他の態様にて、アセトンセンサー140は、水素、アルコール、一酸化炭素、アンモニア、メタン、または吐き出された呼気に普通に見つけられる他の化学物質のうちの1つまたは複数に対するよりも、アセトンに対して少なくとも20倍感度がよい。
【0027】
制御ユニット160は、呼気アセトン装置100の動作を制御する、および/または呼気アセトン装置100の他のコンポーネントからデータを受信するように構成されたコンピューティングデバイスである。一態様にて、制御ユニット160は、ポンプ130に(たとえば、光学的または電気的に)接続され、その動作を制御する。さらに、制御ユニット160は、アセトンセンサー140およびオーディオセンサー150に(たとえば、光学的または電気的に)接続される。制御ユニット160は、アセトンセンサー140およびオーディオセンサー150からデータを受信し処理する。さらに、制御ユニット60は、装置100についての1つまたは複数のI/Oインターフェイスを制御することもある。制御ユニット160の種々の態様は、図4を参照して、以下により詳細に説明される。
【0028】
図2は、図1に示される例示的な呼気アセトン装置100の外側を例示する。ハウジング170は、任意の形および大きさ、例えば、卵形、長方形のプリズム形、三角形のプリズム形、または任意の他の形などにおいて構成されることがある。一態様にて、ハウジングは、5から20センチメートルまでの最大長、2から10センチメートルまでの最大幅、および1から3センチメートルまでの最大深さを有する。ゆえに、呼気アセトン装置100は、手で持てる大きさであり、ユーザーのポケットまたはかばんに容易に格納され得る。
【0029】
いくつかの態様にて、ハウジング170は、例えば、鋼合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、他のタイプの金属または金属合金、例えば、アルミナ、磁器、および炭化ホウ素などのセラミックス、陶器、天然石、合成石、種々のタイプの硬質プラスチック、例えば、ポリエチレン(PE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE、UHMW)、ポリプロピレン(PP)およびポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、ナイロン、アクリルとしても知られているポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、メラミン、硬質ゴム、ガラス繊維、炭素繊維、樹脂、例えば、エポキシ樹脂、木材、他の植物ベースの材料、もしくは実質的に曲がらない材料の組み合わせを含む任意の他の材料など、実質的に曲がらない材料から作られることがある、または含むことがある。さらなる態様にて、ハウジング170は、例えば、天然ゴム材料および/または例えばラテックスゴムのような合成ゴム材料などの曲げやすい材料、有機化合物のイソプレンの形態、ポリアクリレートゴム、エチレン−アクリレートゴム、ポリエステルウレタン、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、低密度ポリエチレン(LDPE)などの曲げやすいプラスチック、もしくは材料の組み合わせを含む任意の他の曲げやすい材料から作られることがある、または含むことがある。
【0030】
装置100は、ハウジング170の外側に1つまたは複数のI/Oインターフェイスを含むことがある。図2に示される態様にて、装置100は、ディスプレイ210、作動ボタン(action button)220、メニューボタン230、およびUSB(ユニバーサルシリアルバス)ポート240を有する。ディスプレイ210は、例えば、指示および結果などの情報をユーザーに示す。作動ボタン220は、装置をオフ(またはスリープ)状態からオン(またはレディ)状態に移行し、測定を開始し、および/またはメニューオプション(たとえば、ディスプレイ210上に現在、強調表示されているオプション)を選択することがある。メニューボタン230は、種々のオプションがあればユーザー選択を可能にすることがある(たとえば、初回にメニューボタン230を押すと、メニューが、強調表示された最初のオプションを有してディスプレイ210上に表示されることがあり、追加の回数それを押すことは、追加のオプションが強調表示されることを通じて循環することがある)。USBポート240は、データが、装置100に対してアップロードされダウンロードされることが可能であることを介して、インターフェイスを提供する。例えば、呼気アセトンの測定は、アグリゲーションおよび分析のためにコンピューターにダウンロードされることがあり、ソフトウェアアップデートは、装置100にアップロードされることがある。他の態様にて、装置100は、別々のまたは追加のI/Oインターフェイスを含むことがある。その上さらに、機能性は、説明されるのと異なるやり方においてI/Oインターフェイス間にて分配されることがある。
【0031】
図3は、図1に示される例示的な呼気アセトン装置100の内側を例示する。図3に示される態様にて、フローセル120、ポンプ130、アセトンセンサー140、およびサンプリングセンサー150は、制御ユニット160のプリント回路基板に搭載される。今述べた構成は、制御60を他のコンポーネントに(たとえば、電気的に)比較的簡単に接続させるので、製造にとって都合のよいことがある。さらに、密集した配置は、呼気アセトン装置100が、ユーザーの手、ポケット、かばんなどに便利に収まるように比較的小さいことを可能にする。
【0032】
例示的な制御ユニット
図4は、呼気アセトン装置100の制御ユニット160についての一態様を例示する。図4に示される態様にて、制御ユニット160は、プロセッサー410、I/Oインターフェイス420、無線インターフェイス430、データストア440、およびメモリー450を含む。メモリー450は、オペレーティングシステム(OS)460、および1つまたは複数のプログラム470を含む。 図4は、簡略化し過ぎたやり方にて制御ユニット160の例を描き、現実的な態様は、本明細書にて詳細に説明されない既知のまたは従来の動作特徴をサポートする追加のコンポーネントまたはエレメントおよび適切に構成された処理ロジックを含むことあると理解されるべきである。
【0033】
制御ユニット160のコンポーネントおよび呼気アセトン装置100の他のエレメント(たとえば、ポンプ130、アセトンセンサー140、およびオーディオセンサー150)は、ローカルインターフェイス480を介して通信接続されることがある。ローカルインターフェイス480は、例えば、1つまたは複数のバスまたは他の有線接続または無線接続、集積回路などであることが可能である。ローカルインターフェイス480は、簡単ために省略される追加のエレメント、例えば、通信を可能にするためのコントローラー、バッファ(キャッシュ)、ドライバー、リピーター、およびレシーバー、等々を有することが可能である。さらに、ローカルインターフェイス480は、他のコンポーネントとの適切な通信を可能にするアドレス、制御、および/またはデータ接続を含むことがある。
【0034】
プロセッサー410は、ソフトウェア命令を実行するための1つまたは複数のハードウェアデバイスである。プロセッサー410は、任意の注文製のまたは市販されているプロセッサー、例えば、中央処理ユニット(CPU)、いくつかのプロセッサー間の補助プロセッサー、半導体ベースのマイクロプロセッサー(マイクロチップまたはチップセットのかたちの)、一般にソフトウェア命令を実行するための任意のデバイス等であることが可能である。動作中のとき、プロセッサー410は、メモリー450内に格納されたソフトウェアを実行する、メモリー450に対してデータを通信する、さもなければソフトウェア命令に従って装置100の動作を制御するように構成される。一態様にて、プロセッサー410は、ハンドヘルドデバイスにおける使用に対して最適化される。例えば、プロセッサー410は、低消費電力のために構成され得る。
【0035】
I/Oインターフェイス420は、情報および/または電力を、装置100に入力するおよび/または出力するために使用されることが可能である。いくつかの態様にて、I/Oインターフェイス420は、回転可能な制御ノブ、抑圧可能なボタン型スイッチ、キーパッド、スライド型スイッチ、ディップスイッチ、ロッカー型スイッチ、ロータリーダイヤルスイッチ、数字入力スイッチ、または入力を供給するためにユーザーが互いに作用し合うことがある任意の他の適切な入力を含む、1つまたは複数の入力インターフェイスを含むことがある。さらに、I/Oインターフェイス420は、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、LCDディスプレイ、スピーカー、または情報を出力するもしくは表示するための任意の他の適切なデバイスを含む、1つまたは複数の情報ディスプレイを含むこともある。さらに、I/Oインターフェイス420は、USBポート、シリアルポート、パラレルポート、スカジー(SCSI)ポートなどを含む、1つまたは複数のデータ出力ポートを含むこともある。例示的なI/Oインターフェイスは、図2に示されるディスプレイ210、作動ボタン220、メニューボタン230、USBポート240を含む。一態様にて、呼気アセトン装置100は、充電可能な電力源(たとえば、バッテリーまたはコンデンサー)を含み、I/Oインターフェイス420(たとえば、USBポート240)は、電力源を充電するのに使用されることがある。
【0036】
無線インターフェイス430(もし含まれるならば)は、外部アクセスデバイスまたは外部アクセスネットワークとの無線通信を可能にする。無線インターフェイス430は、無線通信レシーバーおよび/または無線通信トランスミッターを含むことがある。一態様にて、無線インターフェイス430は、セルラー帯域において動作し、SIM(Subscriber Identity Module)カードまたは他の無線ネットワーク識別子に対して通信するまたは受信することがある。他の態様にて、無線周波数(RF)伝送、IrDA(赤外線)、Bluetooth、ZigBee(およびIEEE802.15プロトコルの他の異形)、IEEE802.11(たとえば、WiFi)、IEEE802.16(WiMAXまたは任意の他の異形)、直接拡散方式(Direct Sequence Spread Spectrum)、NFC(Near-Field Communication)、周波数ホッピング方式(Frequency Hopping Spread Spectrum)、LTE(Long Term Evolution)、セルラー/ワイヤレス/コードレス通信プロトコル(たとえば、3G/4Gなど)、無線ホームネットワーク通信プロトコル、ページングネットワークプロトコル、磁気誘導、衛星データ通信プロトコル、例えばWMTS帯において動作するような無線の病院または医療施設のネットワークプロトコル、GPRS、例えば、無線USBの異形のような私営の無線データ通信プロトコル、または無線通信のための任意の他の適切なプロトコル、技法、もしくは方法論を含む、他の無線データ通信プロトコル、技法、または方法論が使用されることがある。
【0037】
データストア440は、呼気アセトン装置100によって生成されるおよび/または使用されるデータを格納するように構成される。例えば、データストア440は、装置100によって行われたブレスアセトンの測定を含むことがある。データストア440は、揮発性メモリー素子(たとえば、ランダムアクセスメモリー(例えば、DRAM、SRAM、SDRAMなどのようなRAM))、不揮発性メモリー素子(たとえば、ROM、ハードドライブ、テープ、CDROMなど)、およびそれらの組み合わせのうちのどれでも含むことがある。さらにその上、データストア440は、電子、磁気、光学、および/または他のタイプの記録媒体を組み入れることがある。
【0038】
メモリー450は、揮発性メモリー素子(たとえば、ランダムアクセスメモリー(例えば、DRAM、SRAM、SDRAMなどのようなRAM))、不揮発性メモリー素子(たとえば、ROM、ハードドライブなど)、およびそれらの組み合わせのうちのどれでも含むことがある。さらにその上、メモリー450は、電子、磁気、光学、および/または他のタイプの記録媒体を組み入れることがある。メモリー450は、種々のコンポーネントが互いから遠隔に位置しているが、プロセッサー410によってアクセスされることが可能である分散アーキテクチャーを有することがあることに注意する。メモリー450におけるソフトウェアは、各々が、論理機能を実装するために実行可能な命令の順序付けられたリストを含む1つまたは複数のソフトウェアプログラムを含むことが可能である。
【0039】
図4の例にて、メモリー450におけるソフトウェアは、オペレーティングシステム(O/S)460およびプログラム470を含む。オペレーティングシステム460は、入出力インターフェイス420の実行を制御し、スケジューリング、ファイルおよびデータ管理、メモリー管理、通信制御、ならびに関連したサービスを提供する。オペレーティングシステム460は、例えば、LINUX(または別のUNIXの異形)およびいずれかのLinuxカーネルベースのオペレーティングシステム、Raspbian、Ubuntu、OpenELEC、RISC OS、Arch Linux ARM、OSMC(旧Raspbmc)およびKodi open source digital media center、Pidora(Fedora Remix)、Puppy Linux、Android(Googleから利用可能)、Symbian OS、Microsoft Windows CE、Microsoft Windows 7 Mobile、iOS(Apple,Incから利用可能)webOS(Hewlett Packardから利用可能)、Blackberry OS(Research in Motionから入手可能)などであり得る。プログラム470は、例えば、1つまたは複数のポンプ130、アセトンセンサー140、および/またはサンプリングセンサー150についてのカスタマイズされた制御などのエンドユーザーの機能性を提供するように構成された種々のアプリケーション、アドオンなどを含むことがある。
【0040】
例示的な方法
図5は、一態様に係るユーザーの呼気をサンプリングするための方法500を例示する。図5のステップは、方法500を行う呼気アセトン装置100の種々のコンポーネントについての観点から例示される。しかしながら、いくつかのまたはすべてのステップは、他のエンティティまたはコンポーネントによって行われることがある。加えて、いくつかの態様は、ステップを並列に行う、ステップを異なる順において行う、または異なるステップを行うことがある。
【0041】
図5に示される態様にて、方法500は、装置100を作動するユーザー入力を受信すること510により始まる。例えば、ユーザーは、装置100をオンにする、またはウェイクアップさせるための作動ボタン220を押すことによって処理を始めることがある。制御ユニット160は、測定をするためのアセトンセンサー140を準備する520。今述べたことは、センサー140を(たとえば、それを高温まで加熱することによって)リフレッシュさせること、および/またはそれを動作温度まで加熱することを含むことがある。アセトンセンサー140を準備する520ための例示的な処理は、図7を参照して、以下により詳細に説明される。
【0042】
センサー140の用意ができたらすぐに、制御ユニット160は、センサーの一部を読むベースライン(baseline)を取得し530、ユーザーに、ブレスボリューム110を通じて息を吐かせるように(たとえば、I/Oインターフェイス420を介して、グラフィック、振動、音、または他のインジケーターを使用して)促す540。ベースラインは、(たとえば、2秒間のセンサー反応を平均することによって決定される)動的なベースラインであり得る。制御ユニット160は、オーディオセンサー150からの出力に基づいて、ユーザーの呼気の終わりの部分に近づいていることを特定する550。ユーザーの呼気の終わりの部分に近づいていることを特定する550ことへの例示的なアプローチは、図6を参照して、以下により詳細に説明される。
【0043】
呼気の終わりの部分に近づいていることがどのように特定されるかにかかわらず、装置100は、呼気サンプルを(たとえば、ポンプ130を作動して、サンプルをブレスボリューム110からフローセル120に引き入れることによって)収集する560。制御ユニット160は、アセトンセンサー140からの出力に基づいて、呼気サンプルにおけるアセトンのレベルを決定する570。例えば、制御ユニット160は、サンプリング期間にわたって、呼気サンプルに対するアセトンセンサー140の反応を積分し、ベースラインレベル(baseline level)を減算することがある。さらに、制御ユニット160は、時間の経過に伴う(たとえば、劣化などによる)センサーの挙動における変化を考慮に入れるドリフト補正項(drift correction term)を適用することもある。ドリフト補正項は、キャリブレーションの間に計算されることがある。いくつかの態様にて、アセトンセンサー140は、パルス加熱モード(pulsed heating mode)において動作する。今述べたことは、追加情報を(たとえば、アセトンによるセンサー反応と、例えば水素などのディストラクターによるセンサー反応とを区別するために)提供することがある。
【0044】
測定は、ユーザーに(たとえば、ディスプレイI/Oインターフェイス420を使用して)示される580、および/または後の出力のために(たとえば、データストア440に)格納されることがある。アナライトレベルが決定される570とすぐに、ポンプ130は、フローセル120をきれいにするために再作動することがあり、および/または制御ユニット160は、別の測定のためにアセトンセンサー140を準備する520ことがある。
【0045】
図6は、オーディオセンサー150を使用して、ユーザーの呼気の終わりの部分に近づいていることを検出する例示的なアプローチを例示する。ユーザーがブレスボリューム110を通じて十分に呼気を口から吐くと、オーディオセンサー150の出力は、初めに上がり、次に下がる。信号が増大するのを止め、再び減少し始めるとき、今述べたことは、ユーザーが呼気の終わりの部分に近づいていることを示す。ブレスボリューム110内の平均圧力は、呼吸循環の間、同様にふるまうことに注意する。
【0046】
一態様にて、制御ユニットは、オーディオセンサー150からの出力が呼気検出のしきい値610より上に増えるとき、十分な呼気が生じていると決定する。呼気検出のしきい値610は、周囲のノイズがそれを超えそうにないようなレベルに設定されることがある。出力が呼気検出のしきい値610より上に増えるとすぐに、制御ユニット160は、出力を監視して最大値620を特定する。最大値620は、センサーからの出力が予め決められた期間(たとえば、0.1秒)に対して常に減っていること、および/またはしきい値の量(たとえば、以前に観察された最大値の90%)より多く減っていることによって特定されることがある。
【0047】
出力が呼気の終わりのしきい値630より下に下がるとすぐに、制御ユニット160は、ユーザーの呼気のサンプリングを(たとえば、ユーザーの呼気の一部をフローセル120に引き入れるために、ゆえにアセトンセンサー140と触れる方に、ポンプを作動することによって)起動することがある。呼気の終わりのしきい値630は、最大値620の任意の割合に設定されることがある。一態様にて、呼気の終わりのしきい値630は、最大値620の75%から98%までの範囲にある。他の態様にて、他の呼気の終わりのしきい値630が使用されることがある。
【0048】
図7は、一態様に係るサンプリングのための金属酸化物センサー(たとえば、アセトンセンサー140)を準備する520方法を例示する。MOS(Metal oxide sensor)は、加熱エレメント上にコーディングされた触媒金属酸化物から成る。金属酸化物を高温(たとえば、200〜400C)に加熱することは、金属酸化物の活性表面に吸着した負に帯電した酸素種を生み出す。今述べた表面のイオンは、周囲の目標のガスと反応し、金属酸化物膜の中へ電子を放出し、金属酸化物層の電気抵抗率の変化に帰着する。ゆえに、センサー140上の2つの電極間にて測定された抵抗率の変化は、直接、周囲の目標ガスの濃度に依存する。しかしながら、今述べたことは、本質的に不安定なシステムである。図7に示される方法は、測定がされる前にセンサーをリフレッシュすることによって、結果の信頼性および再現性を改善することが可能である。図7のステップは、方法を行う呼気アセトン装置100の種々のコンポーネントについての観点から例示される。しかしながら、いくつかのまたはすべてのステップは、他のエンティティまたはコンポーネントによって行われることがある。加えて、いくつかの態様は、ステップを並列に行う、ステップを異なる順において行う、または異なるステップを行うことがある。
【0049】
図7にて示される態様にて、方法は、フローセル120をきれいにするためにポンプ130を作動する710ことによって始まる。制御ユニット160は、センサーを第1の温度に加熱して720、吸着した化学物質を焼き尽くし、センサー140の活性表面に負に帯電した酸素種を生成する。例えば、第1の温度は、200Cと500Cとの間であり得る。制御ユニット160は、フローセル120から脱着した化学物質を取り除くために、ポンプ130を再び作動する730ことがある(またはステップ710の後にポンプを使って送り込み続けることがある)。
【0050】
制御ユニット160は、センサー140を、活性表面における化学物質の重大な吸着を防ぐのに十分である第2の温度に保つ740。第2の温度は、第1の温度に対して、同じである、またはより低いことがある。例えば、第2の温度は、150Cと350Cとの間であり得る。この時点で、制御ユニット160は、ユーザーに、装置100が測定をする用意ができていることを(たとえば、ディスプレイ210上のプロンプトを用いて)通知することがある。装置100が予め決められた時間量よりも多く今述べた状態にとどまるならば、制御ユニット160は、測定を中止し、装置100をスリープ状態またはオフ状態に戻すことがある。今述べたことは、余分なバッテリーの使用と、センサー140を高温に維持することによって生じ得る、装置100への可能性のある損傷とを防ぐ。
【0051】
制御ユニット160が、測定を要求するユーザー入力(たとえば、ユーザーが作動ボタン220を押すこと)を受信する760と仮定すると、センサー140の温度は、第3の温度に調節される760。第3の温度は、センサー140の反応をアセトンに対して最適化するために選択されることがある。例えば、第3の温度は、200Cと400Cとの間であり得る。センサー140が第3の温度に達するとすぐに、装置100は、ユーザーの呼気をサンプリングすることを(たとえば、図5を参照して先に説明したように)続けることがある。
【0052】
他の呼気アナライトを測定するための例示的な装置
先述のように、上の説明が呼気アセトンを測定することに焦点を当てる一方、同様の装置が、種々の目的のために呼気中の他のアナライトを検出するために製造されることがある。例えば、CO(一酸化炭素)は、喫煙者の吐き出された呼気にて上昇し、COの濃度は、喫煙および禁煙のマーカーとして役に立つことが可能である。アセトンと同様に、COは、呼息の深さが呼気の終わりの部分に近いほぼ定常状態に達することにより増加する。一態様にて、呼気CO装置は、電気化学センサーまたは燃料電池センサーを使用する。金属酸化物センサーによってされるように呼気アナライトを酸化させるために、加熱された触媒エレメントを使用するよりもむしろ、電気化学センサーは、ガスのアナライトを酸化させる、または減らすために、触媒電極または「作用」極(“working” electrode)と、対極と間の電圧のバイアスを利用する。第3の電極は、COに対するセンサーの反応速度および感度を一定に保つ作用極において実質的に一定のバイアスを維持するために、電気化学COセンサーにて使用されることがある。根本からのNAP−505およびNAP−508センサー、SGXからのEC4−500−COセンサー、ならびにフィガロからのFECS40−1000センサーを含む、多くの二電極および三電極のCOセンサーが使用されることがある。
【0053】
三電極のCOセンサーについての1つの制約は,呼気中に上昇され、呼気中のCOの正確な測定を困難にすることが可能である水素に対する交差感度である。それゆえ、いくつかの態様にて、CO呼気装置は、例えば、MembraporからのCO/CF−200−4E、およびCity TechnologyからのA3E/Fのような、水素に対する交差感度を減らす四電極の電気化学センサーを含む。今述べた四電極のセンサーは、水素に対して感度がよいがCOに対して感度がよくない追加の触媒電極を含み、ゆえにデバイスに、サンプル中の水素の存在に対して訂正することを可能にする。
【0054】
別の例として、H2(水素)およびCH4(メタン)は、ヒトの腸内の炭水化物についての微生物発酵によって生成される。今述べたことは、食事の炭水化物が小腸において吸収されず、消化管に沿って大腸へ移動するときに起こる。生成された水素およびメタンは、血液へ吸収され、続いて呼気中に発せられる。呼気中の水素およびメタンの唯一の発生源は、今述べたメカニズムによるものである。このため、水素/メタンの呼気検査は、SIBO(小腸内細菌異常増殖)を診断するのに加えて、例えば、乳糖、ショ糖、および/またはフルクトースの不耐症のような炭水化物の吸収不良症候群を、通常よりも多くの大腸の細菌が小腸に存在している状態を、検出するために使用されることが可能である。
【0055】
一態様にて、水素/メタン呼気装置は、例えば、フィガロからのTGS821、TGS2611−C00、およびTGS2611−E00、ならびにNISSHAエフアイエス(登録商標)からのSB−11A、12A、および12Cのような、これらのガスに対する選択性を示す金属の酸化物のセンサーを含む。さらに、装置は、呼気中にて干渉するアナライトに対する反応を減らすために、センサーの前面に触媒フィルターを含むこともある。別の態様にて、水素/メタン呼気装置は、例えば、City Technologyからの4YHT、ならびにMembraporからのH2/M−1000、H2/CA−1000、およびH2/C−2000のような、呼気中のH2を測定するために使用されることが可能である電気化学的検出センサーを含む。呼気中のメタンを検出する別の方法は、SGXからのIR12BDのような、赤外線吸収を使用して呼気中の炭化水素を選択的に検出するNDIRセンサーを使用する。
【0056】
さらなる例として、呼気のアンモニア濃度は、例えば、血液中の尿素などの窒素廃棄物の存在と相関し、それゆえ、腎臓病の患者における血液透析および腎機能を監視する方法として使用されることがある。一態様にて、呼気アンモニア装置は、例えば、フィガロからのTGS826およびSGXからのMIC−5914のような金属酸化物センサーを含む。別の態様にて、呼気アンモニア装置は、例えば、SGXからのSGX−4NH3およびフィガロからのFECS44−100のような電気化学センサーを含む。今述べた電気化学センサーについての1つの利点は、例えば、水素およびエタノールなどの呼気中の干渉に対して、それらに内在する無反応である。
【0057】
当業者は、検出装置が、適切なセンサーを選択することによって他の呼気アナライトに対して構築されることがあることを理解するだろう。例えば、開示された原理を使用して、誰でも、揮発性硫黄化合物、イソプレン、トリメチルアミンなどに対して呼気測定装置を構築することが可能であるだろう。
【0058】
追加の考慮すべき事柄
上の説明のいくつかの部分は、アルゴリズムの処理または動作に関して態様を説明する。今までに述べた動作は、機能的、計算的、または論理的に説明される一方、プロセッサーまたは同等の電気回路による実行のための命令を含むコンピュータープログラム、マイクロコードなどによって実装されると理解される。
【0059】
本明細書にて使用されたように、「一態様」または「態様」に対するいかなる言及も、態様に関連して説明される特定の要素、特徴、構造、または特質が少なくとも一態様に含まれることを意味する。本明細書にて種々の場所における用語「一態様にて」の出現は、必ずしもすべて同一の態様に言及していない。
【0060】
いくつかの態様は、それらの派生に加えて、表現「接続される」および「連結される」を使用して説明されることがある。今述べた用語は、互いの類義表現として意図されないことを理解すべきである。例えば、いくつかの態様は、2つ以上の要素が互いに直に物理的にまたは電気的に触れることを示すために用語「連結される」を使用して説明されることがある。別の例にて、いくつかの態様は、2つ以上の要素が直に物理的にまたは電気的に触れることを示すために用語「接続される」を使用して説明されることがある。しかしながら、さらに、用語「接続される」は、2つ以上の要素が互いに直に触れないが、それでもなお互いに協力するまたは相互作用することも意味する。態様は、このような文脈の中では限定されない。
【0061】
本明細書にて使用されたように、用語「構成される」、「構成されている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、またはそれらの任意の他の異形は、非排他的な包含を扱うために意図されない。例えば、エレメントのリストを含むプロセス、方法、物、または装置は、必ずしもそれらのエレメントのみに限定されないが、明白にリストされない、またはそのようなプロセス、方法、物、または装置に内在する他のエレメントを含むことがある。さらに、明白に反対に述べない限り、「または」は、包含的論理和を示し、排他的論理和を示さない。例えば、条件AまたはBは、次の、Aが真(または存在)であり、かつBが偽(または存在しない)である、Aが偽(または存在しない)であり、かつBが真(または存在する)である、およびAとBとの両方が真(または存在する)である、のうちのいずれか1つによって満たされる。
【0062】
さらに、「a」または「an」の使用は、態様のエレメントおよびコンポーネントを説明するのに用いられる。今述べたことは、単に利便性のために、および本開示についての一般的な意識を与えるためになされる。本説明は、それが別なふうに意味されるのが明らかでない限り、1つまたは少なくとも1つおよびさらに複数も含む、単数を含むように読まれるべきである。その上さらに、値が「約」または「実質的に」(またはそれらの異形)として記載される場合、そのような値は、別の意味が文脈から明白でない限り、精度の高い+/−10%として解釈されるべきである。例から、「約10」は、「9から11までの範囲にある」を意味すると理解されるべきである。
【0063】
本開示を読むと、当業者は、依然として、呼気アナライトレベルを測定するシステムおよび処理のために、追加の代替の構造設計および機能設計を認めるだろう。したがって、特定の態様および適用が例示され説明されているが、説明された主題は、本明細書に開示される正確な構成およびコンポーネントに限定されず、当業者に明らかであろう種々の修正、変更および変形が、開示される方法および装置の配置、操作および詳細においてなされ得ることが理解される。保護の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】