特表2021-532001(P2021-532001A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-532001折り畳みコア構造体、および折り畳みコア構造体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532001(P2021-532001A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】折り畳みコア構造体、および折り畳みコア構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 53/04 20060101AFI20211029BHJP
   B29C 53/36 20060101ALI20211029BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   B29C53/04
   B29C53/36
   B32B27/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2021-500873(P2021-500873)
(86)(22)【出願日】2019年7月2日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月10日
(86)【国際出願番号】EP2019067772
(87)【国際公開番号】WO2020020587
(87)【国際公開日】20200130
(31)【優先権主張番号】18185241.9
(32)【優先日】2018年7月24日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
(71)【出願人】
【識別番号】521002693
【氏名又は名称】ロウ アンド ボナー ジャーマニー ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Low & Bonar Germany GmbH & Co. KG
(71)【出願人】
【識別番号】501080701
【氏名又は名称】ロウ アンド ボナー ベスローテン フェノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】Low & Bonar B.V.
(71)【出願人】
【識別番号】519395259
【氏名又は名称】ロウ アンド ボナー インク.
【氏名又は名称原語表記】Low & Bonar Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ−ディーター ベトヒャー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン マーイ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー デントン
【テーマコード(参考)】
4F100
4F209
【Fターム(参考)】
4F100AK01A
4F100AK03A
4F100AK03B
4F100AK04A
4F100AK04B
4F100AK07A
4F100AK07B
4F100AK12A
4F100AK12B
4F100AK41A
4F100AK41B
4F100AK42A
4F100AK42B
4F100AK46A
4F100AK46B
4F100AK57A
4F100AK57B
4F100AT00A
4F100AT00B
4F100BA02
4F100DD14
4F100DG01B
4F100DG15B
4F100GB07
4F100JB16A
4F100JB16B
4F100JH01
4F100YY00B
4F209AA03
4F209AA24
4F209AA29
4F209AB11
4F209AB24
4F209AD16
4F209AG18
4F209AG30
4F209NA01
4F209NA13
4F209NB01
4F209NG02
(57)【要約】
本発明は、切断されていない平坦な物体から形成された折り畳みコア構造体(100)であって、折り畳みコア構造体が、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体(1,2)および塑性変形により形成された接続領域(3,4)を有し、折り畳みコア構造体が、第1の主面と、第1の主面に面平行に配向した第2の主面とを含み、第1の主面および第2の主面が、折り畳みコア構造体の長さおよび幅により画定されており、また折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面を含み、第1の副面が、第1の主面に平行に配向しており、かつ第1の副面が、第1の主面と第2の主面との間に第1の主面から離隔して位置しており、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すためのチャネルが設けられており、流体を流すためのチャネルの周囲が、第1の副面と、接続領域または一部分の3D構造体と、第1の主面とにより形成されており、第1の主面および/または第2の主面が、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成されている、折り畳みコア構造体に関する。本発明はまた、該折り畳みコア構造体の製造方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断されていない平坦な物体から形成された折り畳みコア構造体(100,200,300,400)であって、前記折り畳みコア構造体が、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体(1,2;2a,1a;2b,1b)と、塑性変形により形成された接続領域(3,4)とを有し、前記折り畳みコア構造体が、第1の主面(201,301)と、前記第1の主面に面平行に配向した第2の主面(202,302)とを含み、前記第1の主面および前記第2の主面が、前記折り畳みコア構造体の長さおよび幅により画定されており、また前記折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ前記折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面(204,304)を含み、前記第1の副面が、前記第1の主面に平行に配向しており、かつ前記第1の副面が、前記第1の主面と前記第2の主面との間に前記第1の主面から離隔して位置しており、少なくとも前記折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すためのチャネルが設けられており、前記流体を流すためのチャネルの周囲が、前記第1の副面(204,304)と、前記接続領域(3)または一部分の前記3D構造体と、前記第1の主面(201,301)とにより形成されており、前記第1の主面および/または前記第2の主面が、前記折り畳みコア構造体の前記第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成されている、折り畳みコア構造体。
【請求項2】
前記折り畳みコア構造体が、前記折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すための複数の流路を設けるための第1の副面を1つより多く含む、請求項1記載の折り畳みコア構造体。
【請求項3】
前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体が、0°超かつ180°未満の所定の角度を形成し、かつ前記第1の主面および/または前記第2の主面が、前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートから構成される、請求項1または2記載の折り畳みコア構造体。
【請求項4】
前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体が、30°〜120°の範囲、好ましくは60°〜90°の範囲の所定の角度を形成する、請求項3記載の折り畳みコア構造体。
【請求項5】
前記第1の主面および/または前記第2の主面を構成する材料シートが、繊維を含む少なくとも1つの層を含む、請求項3記載の折り畳みコア構造体。
【請求項6】
前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体が、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、前記アレイが、前記折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ前記折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、前記アレイ状の前記セル構造体が、前記折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、前記アレイが、第1のセル構造体の列および第2のセル構造体の列を含み、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体と直に接しており、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体の高さHよりも大きい高さHを有し、前記折り畳みコア構造体の前記セル構造体の高さが、高さHを有する前記第1のセル構造体の前記列から高さHを有する前記第2のセル構造体の前記列まで階段状に増加することを特徴とする、請求項1記載の折り畳みコア構造体。
【請求項7】
前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、個々の前記第1のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、前記第1のセル構造体の前記セル壁がすべて、一定の高さHを有し、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、個々の前記第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、前記第2のセル構造体の前記セル壁がすべて、一定の高さHを有する、請求項6記載の折り畳みコア構造体。
【請求項8】
前記折り畳みコア構造体が、モノリス構造体である、請求項6または7記載の折り畳みコア構造体。
【請求項9】
請求項6から8までのいずれか1項記載の折り畳みコア構造体と、前記折り畳みコア構造体と直に接し、好ましくは前記折り畳みコア構造体に面平行に配向し、かつ好ましくは前記折り畳みコア構造体に接続されたカバー層と、を含む複合品。
【請求項10】
請求項1記載の折り畳みコア構造体の製造方法であって、
a) 切断されていない平坦な物体を用意するステップと、
b) 前記切断されていない平坦な物体を塑性変形させて複数の連続3D構造体(1、2;2a,1a;2b,1b)および接続領域(3,4)を形成するステップであって、前記接続領域を前記連続3D構造体間に形成するステップと、
c) 第1の主面と前記第1の主面に面平行に配向した第2の主面とを形成し、前記第1の主面および前記第2の主面が、前記折り畳みコア構造体の長さおよび幅により画定されるように、また前記折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ前記折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面を形成し、前記第1の副面が、前記第1の主面に平行に配向し、かつ前記第1の副面が、前記第1の主面と前記第2の主面との間に前記第1の主面から離隔して位置するように、前記連続3D構造体を所定の角度に互いに向けて折り畳んで、少なくとも前記折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すためのチャネルを形成し、前記流体を流すためのチャネルの周囲を、前記第1の副面(204,304)と、前記接続領域(3)または一部分の前記3D構造体と、前記第1の主面(201,301)とにより形成するステップと、
d) 前記第1の主面および/または前記第2の主面を、前記折り畳みコア構造体の前記第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成するステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記連続3D構造体が0°超かつ180°未満の所定の角度を形成するように折り畳みを実施し、かつ材料シートを前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層して、前記第1の主面および/または前記第2の主面を形成する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される前記材料シートが、繊維を含む少なくとも1つの層を含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
に対応する長さを有する2つの連続3D構造体(2b,1b)が形成され、かつHに対応する長さを有する2つの連続3D構造体が形成されるように、前記切断されていない平坦な物体の塑性変形を実施し、また、前記連続3D構造体が180°の所定の角度を形成することで隣接セル構造体のアレイが形成されるように、折り畳みを実施し、ここで、前記アレイが、前記折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ前記折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、前記アレイ状の前記セル構造体が、前記折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、前記アレイが、第1のセル構造体の列および第2のセル構造体の列を含み、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体と直に接しており、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体が、前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体の高さHよりも大きい高さHを有し、前記折り畳みコア構造体の前記セル構造体の高さが、高さHを有する前記第1のセル構造体の前記列から高さHを有する前記第2のセル構造体の前記列まで階段状に増加することを特徴とする、請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記第1のセル構造体の前記列の前記セル構造体を、個々の前記第1のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成し、前記第1のセル構造体の前記セル壁がすべて、一定の高さHを有し、前記第2のセル構造体の前記列の前記セル構造体を、個々の前記第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成し、前記第2のセル構造体の前記セル壁がすべて、一定の高さHを有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記折り畳みコア構造体が、モノリス構造体である、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
浮床の下の防音層としての、またはラミネート床材の下の防音層としての、またはセメント浮床の下の防音層としての、または輸送システムにおける防振層としての、または排水層としての、または空中伝播騒音を低減するための防音パネルとしての、または通気層としての、請求項1から9までのいずれか1項記載の折り畳みコア構造体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳みコア構造体、およびそのような折り畳みコア構造体の製造方法に関する。
【0002】
多くの場合、コア構造体は、隣接セルのアレイからなるハニカム構造体の形態で提供され、セルは好ましくは六角形の断面を有する。
【0003】
コア構造体は、例えば、射出成形により製造され得る。射出成形技術の欠点は、使用すべき金型の寸法に固有の制限があることを理由に、限られたサイズの構造体しか得られないことである。さらに、射出成形プロセスのサイクル時間は比較的長く、プロセスの製造量を制限する。コア構造体を構成する材料は、金型を完全に充填できるように、特定の流動特性を満たす必要がある。
【0004】
ハニカム構造体はまた、例えば米国特許第3,356,555号明細書に開示されるように、半六角形の波形を含む波形シートの連続層を積層し、これらの波形シートを互いに結合することによっても形成され得る。しかしながら、そのような方法には、材料層からシートのストリップを切断すること、高精度で波形シートのストリップを積層すること、および波形シートの積層体を互いに結合することを含む、材料の幅広い取り扱いが必要とされる。
【0005】
連続的な材料シートから作製されたハニカム構造体は、ハニカム構造体の平面において流体を流す能力を有さず、および/またはコア構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下で十分な寸法安定性を有しない。
【0006】
国際公開第2006/053407号には、材料の平面に垂直な塑性変形をかけることで半六角形のセル壁および小さい接続領域を形成することにより切断されていない連続的な材料ウェブから製造された折り畳みハニカム構造体が開示されている。塑性変形された材料を運搬方向に折り畳むことにより、半六角形のセル壁が合わさってハニカム構造体が形成される。
【0007】
さらに、国際公開第2006/053407号には、塑性変形された材料を、セル壁が完全に垂直にならないように折り畳むことが開示されている。しかしながら、そのような構造体は、セル壁が完全に垂直に配向しているハニカム構造体と比較して、ハニカム構造体の平面に対して垂直に圧縮力が印加された場合、十分な寸法安定性をもたらさないことがあり、その結果、折り畳まれた構造体が、ハニカム構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下で崩壊することがある。
【0008】
本発明の課題は、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下で十分な寸法安定性を呈し、かつ折り畳みコア構造体の平面において少なくとも一方向に流体を流す能力を有する、折り畳みコア構造体を提供すること、およびそのような折り畳みコア構造体を形成する方法を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、請求項1記載の折り畳みコア構造体および請求項10記載の方法により解決される。
【0010】
実質的に切断されていない平坦な物体から折り畳みコア構造体が形成される場合、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下で十分な寸法安定性を有しながら少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力を有する折り畳みコア構造体であって、折り畳みコア構造体が、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体と、塑性変形により形成された連続3D構造体間の接続領域とを有し、折り畳みコア構造体が、第1の主面と、第1の主面に面平行に配向した第2の主面とを含み、第1の主面および第2の主面が、折り畳みコア構造体の長さおよび幅により画定されており、また折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面を含み、第1の副面が、第1の主面に平行に配向しており、かつ第1の副面が、第1の主面と第2の主面との間に第1の主面から離隔して位置しており、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すためのチャネルが設けられており、流体を流すためのチャネルの周囲が、第1の副面と、接続領域または一部分の3D構造体と、第1の主面とにより形成されており、第1の主面および/または第2の主面が、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成されている、折り畳みコア構造体が提供される。
【0011】
実質的に切断されていない平坦な物体から形成された、という用語は、変形されたシートを折り畳んで折り畳みコア構造体にすることができるように、平坦な物体が切断されていないことを意味すると理解される。ただし、実質的に切断されていない平坦な物体は、平坦な物体が塑性変形される前に、特定の幅および/または長さの平坦な物体が形成されるように切断されてもよい。したがって、折り畳みコア構造体は、切断されていない平坦な物体から形成されていると理解されるべきである。
【0012】
折り畳みコア構造体の長さは、折り畳みコア構造体の製造方向の折り畳みコア構造体の寸法であり、マシン方向(machine direction)または主方向としても知られており、連続製造の場合は定まっていなくてもよい。
【0013】
折り畳みコア構造体の幅は、折り畳みコア構造体の平面における製造方向に垂直な折り畳みコア構造体の寸法であり、横方向としても知られている。
【0014】
折り畳みコア構造体の厚さは、折り畳みコア構造体の長さおよび幅に垂直な折り畳みコア構造体の寸法であり、第1の主面と第2の主面との間の距離に対応する。
【0015】
塑性変形されて折り畳まれて折り畳みコア構造体にされる切断されていない平坦な物体の厚さは、非常に様々であり得る。好ましくは、切断されていない平坦な物体の厚さは、0.1mm〜2.0mmの範囲にある。切断されていない平坦な物体の厚さが0.1mm未満になるように選択されると、切断されていない平坦な物体が連続3D構造体の塑性成形の間に断裂するリスクが上昇する。切断されていない平坦な物体の厚さが2.0mmを上回るように選択されると、切断されていない平坦な物体の連続3D構造体の塑性成形は、切断されていない平坦な物体の剛性が増加することを理由により難しくなり、かつ/または切断されていない平坦な物体の均一な加熱がより難しくなる。より好ましくは、切断されていない平坦な物体の厚さは、0.2mm〜0.5mmの範囲にある。最も好ましくは、切断されていない平坦な物体の厚さは、切断されていない平坦な物体の断裂なく3D構造体間の成形性の最適なバランスをとるために、0.3mm〜0.4mmである。
【0016】
切断されていない平坦な物体における塑性成形された3D構造体は、基本的に、幅方向において、任意の形状のもの、例えば、半六角形、三角形、クレネル形、または正弦形などのものであり得る。図5aは、一連の半六角形を概略的に示す。半六角形のベース幅および高さは、非常に様々であり得る。図5bは、一連の三角形を概略的に示す。三角形のベース幅および高さは、非常に様々であり得る。図5cは、一連のクレネル形を概略的に示す。クレネル形のベース幅および高さは、非常に様々であり得る。図5dは、一連の正弦形を概略的に示す。正弦形の周期および振幅は、非常に様々であり得る。
【0017】
一実施形態では、3D構造体は、好ましくは、折り畳みコア構造体の機械的安定性および/または密度の観点で材料の最適な使用を実現するために、半六角形を有する。
【0018】
別の実施形態では、3D構造体は、好ましくは、折り畳みコア構造体が外力を受けた際に折り畳みコア構造体において応力集中部が形成されることを防止または少なくとも低減するために、正弦形を有する。
【0019】
切断されていない平坦な物体はまた、異なる形状を有する塑性成形された3D構造体の任意の組み合わせを含んでいてもよい。しかしながら、切断されていない平坦な物体における塑性成形された3D構造体は、好ましくは、個々の3D構造体それぞれの長さに沿って一定の形状を有する。したがって、切断されていない平坦な物体における塑性成形された3D構造体には、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下での寸法安定性を増加させるための、欧州特許出願公開第199552号明細書により開示されるような湾曲した、曲がった、または起伏のある形状などの3D形状を有するセル壁が形成されていないことが好ましい。
【0020】
一実施形態では、切断されていない平坦な物体における塑性成形された3D構造体は、切断されていない平坦な物体を用意し、切断されていない平坦な物体を塑性変形し、その際、切断されていない平坦な物体の材料を加熱して該材料を軟化させ、加熱された切断されていない平坦な物体をプロファイル表面に押し付けることで3D構造体を塑性成形し、塑性変形された切断されていない平坦な物体を冷却することにより提供される。好ましくは、切断されていない平坦な物体は、切断されていない平坦な物体の材料の溶融温度未満の温度に加熱されるが、3D構造体の形成を改善するために、切断されていない平坦な物体の材料の溶融温度より少なくとも50℃低く、より好ましくは、切断されていない平坦な物体の材料の溶融温度より少なくとも20℃低く加熱される。
【0021】
特に材料が熱可塑性ポリマーである場合、第1の材料シートに含まれる材料の溶融温度は、20℃/分の速度で材料を加熱した際に吸熱溶融ピークの最大値における温度として示差走査熱量測定(DSC)により決定される。
【0022】
切断されていない平坦な物体を、プロファイル表面の下方に供給される真空によりプロファイル表面に押し付けることができ、このプロファイル表面は多孔性であるため、加熱された切断されていない平坦な物体に真空が作用する。特に適切な方法は、国際公開第2006/053407号に開示されるように、回転真空熱成形である。
【0023】
塑性成形された3D構造体を含む切断されていない平坦な物体には、切断されていない平坦な物体の幅方向に延びる折り畳み線が形成されており、それにより、2つの連続した折り畳み線の間に連続3D構造体が形成される。折り畳み線は、平坦な物体に切り込みを入れることなく形成することが可能である。折り畳み線は、切断されていない平坦な物体における3D構造体の塑性形成と同時に形成され得る。
【0024】
塑性変形された平坦な物体の厚さは、非常に様々であり得て、3D構造体の寸法に依存する。一実施形態では、塑性変形された平坦な物体の厚さは、少なくとも3mm、好ましくは少なくとも5mmである。塑性変形された平坦な物体の厚さが3mm未満の場合、溝が形成された連続的な材料シートに比べて、折り畳みコア構造体の製品質量の減少は制限される。
【0025】
一実施形態では、塑性変形された平坦な物体の厚さは、最大100mm、好ましくは最大50mmである。塑性変形された平坦な物体の厚さが100mm超であると、第1の材料シートを断裂させずに3D構造体を形成することがますます困難になる。
【0026】
切断されていない平坦な物体の塑性変形可能な材料は、薄い熱可塑性ポリマー材料、繊維複合材料、塑性変形可能な紙、または金属シートなどであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】塑性変形可能な材料でできた切断されていない平坦な物体を塑性変形させて、複数の連続3D構造体とこれらの連続3D構造体間の接続領域としたものの一部を概略的に示す図。
図2】本発明の一実施形態による折り畳みコア構造体の側面図を概略的に示す図。
図3】本発明の別の実施形態による折り畳みコア構造体の側面図を概略的に示す図。
図4】本発明の別の実施形態による、塑性変形可能な材料でできた切断されていない平坦な物体を塑性変形させて、複数の連続3D構造体とこれらの連続3D構造体間の接続領域としたものの一部を概略的に示す図。
図5】3D構造体の様々な形状を概略的に示す図。
図6】隣接する六角形セルのアレイからなる例示的な折り畳みコア構造体の概略上面図であり、アレイは、折り畳みコア構造体の長さ方向(MD)および幅方向(CMD)に延在する。
図7図6の例示的なコア構造体の、線A−Aに沿った概略側面図。
図8】例示的なコア構造体の概略側面図。
【0028】
図1は、塑性変形可能な材料でできた切断されていない平坦な物体(100)を塑性変形させて複数の連続3D構造体(1,2)としたものの断面を概略的に示す。
【0029】
切断されていない平坦な物体が塑性変形されて、切断されていない平坦な物体の平面に対して主に垂直に形成された連続3D構造体(1,2)となっている。領域1および2では、切断されていない平坦な物体の材料が変形されて、切断されていない平坦な物体の平面から主に垂直に延在する、例えば、半六角形、三角形、クレネル形および/または正弦形などの多角形を有する3次元(3D)構造体となっている。切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体としたものには、塑性変形された物体の長さ方向に対して垂直に延びる、すなわち幅方向に延びる折り畳み線(5,6)が形成されており、それにより、2つの連続した折り畳み線の間に連続3D構造体が形成されている。
【0030】
塑性変形により隆起部8および谷部9が形成され、その際、これらはそれぞれ途切れておらず、それにより連続3D構造体が形成される。例えば、隆起部は、一連の連続3D構造体(1,2)から構成される。好ましくは、隆起部は上面を有しており、この上面は、切断されていない平坦な物体の平面に対して初めは(例えば、変形時には)平行であり得る。製造方向は、好ましくは図1に示される通りであるが、これに垂直な方向(軸線5および6に平行)も同様に使用することができる。接続領域(3,4)は、切断されていない平坦な物体の塑性変形中に同時に形成される。
【0031】
3D構造体(1,2)は、u型またはv型の接続領域3および4が形成されるように、切断されていない平坦な物体の平面に対して傾斜させた、すなわち軸線5および/または6の周りで互いに向けて回転させた、切断されていない平坦な物体の塑性変形により形成されることが好ましい。接続領域3および4により、連続3D構造体(1,2)が分けられている。2つの連続3D構造体間に1つの接続領域3,4が配置されており、接続領域3は、連続3D構造体(1,2)の列に沿って接続領域4と交互となっている。接続領域3,4は、交差した谷部を形成しており、すなわち谷部9に垂直である。隣接する交差した谷部は、塑性変形された物体の反対側にある。連続3D構造体(1,2)を回転させてこれらを図1の初期位置に戻すことは、切断されていない平坦な物体に形成される変形と同時に実施されることが好ましい。切断されていない平坦な物体が連続3D構造体(1,2)間の移行部において塑性変形中に引き伸ばされて、連続3D構造体(1,2)の外面に対して実質的に垂直な接続領域3および4が形成される。異なる隆起部区分における表面3または4間の角度は、工具の一部を入れること、したがって接続領域3または4を形成することを可能にする。
【0032】
切断されていない平坦な物体の塑性変形は、折り畳みコア構造体の半セルの壁を形成し得る3次元構造体(1,2)を形成する目的を果たす。このように形成されたセル構造体は、折り畳まれた最終製品の構造体要素および耐荷重要素であり得る。折り畳みコア構造体では、180°の所定の角度に折り畳まれることにより形成されたセル構造体は、断面が円筒形であり得て、この円筒体の軸線は、折り畳みコア構造体の第1の主面の平面に対して垂直に延びる。しかしながら、セルの断面形状は、所望のとおりに選択されてもよく、例えば、円形、ひし形、正方形、または多角形、特に偶数の多角形、例えば六角形である。
【0033】
最終的なセルの形状は、切断されていない平坦な物体において形成される3D構造体(1,2)の形状と、3D構造体がどのように折り畳まれるかにより決定される。3D構造体が180°の所定の角度に折り畳まれる場合、コア構造体は、隣接セル構造体のアレイが形成されるように完全に折り畳まれ、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、各セル構造体は、2つの3D構造体(1,2)から形成される。アレイ状の各セル構造体は、(塑性変形された物体における)2つの連続した縦方向に隣接する谷部区分9の底部および側面により形成される。3D構造体または半セルは、好ましくは、隆起部区分8の接触面全体にわたって合わさり得る。3D構造体が180°の所定の角度に折り畳まれる場合、セル壁の少なくとも一部は、例えば糊剤もしくは接着剤または溶接により、完全または部分的に互いに永続的に接続されてもよい。
【0034】
切断されていない平坦な物体に塑性変形される3D構造体は、異なる断面形状および/またはサイズが混ざったものを含み得る。
【0035】
図1を参照すると、折り畳みコア構造体の製造方法は、さらに3D構造体(1,2)を回転させて、連続3D構造体の表面を所定の角度に、すなわち180°の角度または0°超かつ180°未満の角度に互いに向けて折り畳むことが続く。
【0036】
所定の角度とは、折り畳み線(5,6)と、これらの折り畳み線の両側の連続3D構造体(1,2)とにより形成される角度である。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態による折り畳みコア構造体の側面図を示す。
【0038】
連続3D構造体(1,2)を、0°超かつ180°未満の所定の角度に互いに向けて折り畳むことで、折り畳みコア構造体(200)が形成される。折り畳みコア構造体は、連続3D構造体(1,2)の端部が位置する平面に相当する第1の主面(201)を含む。折り畳みコア構造体は、連続3D構造体の反対側の端部が位置する平面に相当する第2の主面(202)を含む。第1の主面(201)および/または第2の主面(202)は、例えば複数の連続3D構造体(1,2)へと積層される材料シートにより折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成されている。
【0039】
積層される、という用語は、材料シートをつなぎ合わせて複数の連続3D構造体とすることを意味すると理解される。材料シートをつなぎ合わせて複数の連続3D構造体とすることは、例えば機械的なニードリングもしくは縫製などの機械的方法、例えばホットメルトもしくは接着剤の塗布によるもしくは材料シートと複数の連続3D構造体との間での接着ウェブの施与による接着方法、または例えばオーブン内での加熱、スルーエアボンディングによるもしくは超音波結合による加熱などのサーマルボンディング法を含む任意の適切な方法により実施され得るが、これらに限定されることはない。
【0040】
折り畳みコア構造体(200)は、折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面(204)をさらに含み、第1の副面(204)は、第1の主面(201)に平行に配向しており(平面203)、第1の副面は、第1の主面(201)と第2の主面(202)との間に第1の主面から離隔して位置している。したがって、図2の折り畳みコア構造体は、流体を流すためのチャネルが設けられているため、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力が提供されるように構成されており、流体を流すためのチャネルの周囲は、第1の副面(204)と、接続領域(3)と、第1の主面(201)とにより形成される。
【0041】
折り畳みコア構造体(200)は、折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第2の副面(206)をさらに含み得て、第2の副面(206)は、第2の主面(202)に平行に配向しており(平面205)、第2の副面(206)は、第1の主面(201)と第2の主面(202)との間に第2の主面から離隔して位置している。第2の副面は、流体を流すためのさらなるチャネルが設けられているため、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すさらなる能力が提供されるように構成されており、流体を流すためのチャネルの周囲は、第2の副面(206)と、接続領域(4)と、第2の主面(202)とにより形成される。
【0042】
折り畳みコア構造体(200)は、折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すための複数の流路を設けるための第1の副面(204)を1つより多く含んでいてもよい。1つより多くの第1の副面(204)はすべて、第1の主面(201)に面平行に配向した平面203に位置し得る。しかしながら、折り畳みコア構造体は、例えば、連続3D構造体の寸法を変えることにより、および/または連続3D構造体を折り畳む所定の角度を変えることにより、第1の主面から異なって離隔して位置する第1の副面(204)を1つより多く含んでいてもよい。
【0043】
同様に、折り畳みコア構造体(200)は、折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すための複数の流路を設けるための第2の副面(206)を1つより多く含んでいてもよい。1つより多くの第2の副面(206)はすべて、第2の主面(202)に面平行に配向した平面205に位置し得る。しかしながら、折り畳みコア構造体は、例えば、連続3D構造体の寸法を変えることにより、および/または連続3D構造体を折り畳む所定の角度を変えることにより、第2の主面から異なって離隔して位置する第2の副面(206)を1つより多く含んでいてもよい。
【0044】
折り畳みコア構造体(200)はまた、流体を流すためのチャネルが隆起部8および谷部9(図1を参照)により形成されているため、連続3D構造体(1,2)が0°超かつ180°未満の所定の角度に互いに向けて折り畳まれた場合、折り畳みコア構造体の長さに沿って流体を流す能力が提供されるように構成されている。
【0045】
図4は、本発明の別の実施形態による、塑性変形可能な材料でできた切断されていない平坦な物体を塑性変形させて、複数の連続3D構造体とこれらの連続3D構造体間の接続領域としたものの一部を概略的に示す。
【0046】
切断されていない平坦な物体が塑性変形されて、切断されていない平坦な物体の平面に主に垂直に形成された連続3D構造体(1a,2a;1b,2b)となっている。領域1a,1b,2aおよび2bでは、切断されていない平坦な物体の材料が変形されて、切断されていない平坦な物体の平面から主に垂直に延在する、例えば、半六角形、三角形、クレネル形および/または正弦形などの多角形を有する3次元(3D)構造体となっている。切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体としたものには、塑性変形された物体(400)の長さ方向に対して垂直に延びる、すなわち幅方向に延びる折り畳み線(5,6)が形成されており、それにより、2つの連続した折り畳み線の間に連続3D構造体が形成されている。
【0047】
塑性変形により隆起部8および谷部9が形成され、その際、これらはそれぞれ途切れておらず、それにより連続3D構造体が形成される。例えば、隆起部は、一連の連続3D構造体(1a,2a,1b,2b)から構成される。好ましくは、隆起部は上面を有しており、この上面は、切断されていない平坦な物体の平面に対して初めは(例えば、変形時には)平行であり得る。製造方向は、好ましくは図4に示される通りであるが、これに垂直な方向(軸線5および6に平行)も同様に使用することができる。接続領域(3,4)は、切断されていない平坦な物体の塑性変形中に同時に形成される。
【0048】
3D構造体(1a,2a,1b,2b)は、u型またはv型の接続領域3および4が形成されるように、切断されていない平坦な物体の平面に対して傾斜させた、すなわち軸線5および/または6の周りで互いに向けて回転させた、切断されていない平坦な物体の塑性変形により形成されることが好ましい。接続領域3および4により、連続3D構造体(1a,2b,1b,2a)が分けられている。2つの連続3D構造体間に1つの接続領域3,4が配置されており、接続領域3は、連続3D構造体(1a,2b,1b,2a)の列に沿って接続領域4と交互となっている。接続領域3,4は、交差した谷部を形成しており、すなわち谷部9に垂直である。隣接する交差した谷部は、塑性変形された物体の反対側にある。連続3D構造体(1a,2b,1b,2a)を回転させてこれらを図4の初期位置に戻すことは、切断されていない平坦な物体に形成される変形と同時に実施されることが好ましい。切断されていない平坦な物体が連続3D構造体(1a,2b,1b,2a)間の移行部において塑性変形中に引き伸ばされて、連続3D構造体(1a,2b,1b,2a)の外面に対して実質的に垂直な接続領域3および4が形成される。異なる隆起部区分における表面3または4間の角度は、工具の一部を入れること、したがって接続領域3または4を形成することを可能にする。
【0049】
切断されていない平坦な物体の塑性変形は、折り畳みコア構造体の半セルの壁を形成し得る3次元構造体(1a,2b,1b,2a)を形成する目的を果たす。このように形成されたセル構造体は、折り畳まれた最終製品の構造体要素および耐荷重要素であり得る。折り畳みコア構造体では、180°の所定の角度に折り畳まれることにより形成されたセル構造体は、断面が円筒形であり得て、この円筒体の軸線は、折り畳みコア構造体の第1の主面の平面に対して垂直に延びる。しかしながら、セルの断面形状は、所望のとおりに選択されてもよく、例えば、円形、ひし形、正方形、または多角形、特に偶数の多角形、例えば六角形である。
【0050】
最終的なセルの形状は、切断されていない平坦な物体において形成される3D構造体(1a,2b,1b,2a)の形状と、3D構造体がどのように折り畳まれるかにより決定される。3D構造体が180°の所定の角度に折り畳まれる場合、コア構造体は、隣接セル構造体のアレイが形成されるように完全に折り畳まれ、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、各セル構造体は、2つの3D構造体(1a,2b;1b,2a)から形成される。アレイ状の各セル構造体は、(塑性変形された物体における)2つの連続した縦方向に隣接する谷部区分9の底部および側面により形成される。3D構造体または半セルは、好ましくは、隆起部区分8の接触面全体にわたって合わさり得る。3D構造体が180°の所定の角度に折り畳まれる場合、セル壁の少なくとも一部は、例えば糊剤もしくは接着剤または溶接により、完全または部分的に互いに永続的に接続されてもよい。図3および図4の実施形態では、3D構造体は、切断されていない平坦な物体において塑性成形され、その際、3D構造体は異なる長さを有する。3D構造体1bおよび2bが、図3の高さHに相当する等しい長さを有するのに対して、3D構造体1aおよび2aは、図3の折り畳みコア構造体における高さHに相当する等しい長さを有する。したがって、3D構造体1bおよび2bの長さは、3D構造体1aおよび2aの長さよりも長い。
【0051】
切断されていない平坦な物体に塑性変形される3D構造体は、異なる断面形状および/またはサイズが混ざったものを含み得る。
【0052】
図4を参照すると、折り畳みコア構造体の製造方法は、さらに3D構造体(1,2)を回転させて連続3D構造体の表面を180°の所定の角度に互いに向けて折り畳むことにより、隣接セル構造体のアレイを形成することが続き、ここで、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、アレイは、第1のセル構造体の列および第2のセル構造体の列を含み、第2のセル構造体の列のセル構造体は、第1のセル構造体の列のセル構造体と直に接しており、第2のセル構造体の列のセル構造体は、第1のセル構造体の列のセル構造体の高さHよりも大きい高さHを有しており、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差は、連続していない段であることを特徴とする。図3は、折り畳みコア構造体の側面図を示す。
【0053】
連続3D構造体を、180°の所定の角度に互いに向けて折り畳むことで、折り畳みコア構造体(300)が形成される。折り畳みコア構造体は、連続3D構造体(1b,2b)の端部が位置する平面に相当する第1の主面(301)を含む。折り畳みコア構造体は、連続3D構造体の反対側の端部が位置する平面に相当する第2の主面(302)を含む。
【0054】
折り畳みコア構造体(300)は、折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面(304)(連続3D構造体(1a,2a)の端部が位置する平面に対応)をさらに含み、第1の副面(304)は、第1の主面(301)に平行に配向しており(平面303)、第1の副面は、第1の主面(301)と第2の主面(302)との間に第1の主面から離隔して位置している。したがって、図3の折り畳みコア構造体は、流体を流すためのチャネルが設けられているため、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力が提供されるように構成されており、流体を流すためのチャネルの周囲は、第1の副面(304)と、3D構造体の一部(すなわち、HとHとの高さの差により画定される)と、第1の主面(301)とにより形成される。
【0055】
折り畳みコア構造体は、折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第2の副面をさらに含み得て、第2の副面は、第2の主面に平行に配向しており、第2の副面は、第1の主面と第2の主面との間に第2の主面から離隔して位置している。第2の副面は、流体を流すためのさらなるチャネルが設けられているため、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すさらなる能力が提供されるように構成されており、流体を流すためのチャネルの周囲は、第2の副面と、接続領域と、第2の主面とにより形成される。
【0056】
折り畳みコア構造体(300)は、折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すための複数の流路を設けるための第1の副面(304)を1つより多く含んでいてもよい。1つより多くの第1の副面(304)はすべて、第1の主面(301)に面平行に配向した平面303に位置し得る。しかしながら、折り畳みコア構造体は、例えば、連続3D構造体の寸法を変えることにより、第1の主面から異なって離隔して位置する第1の副面(304)を1つより多く含んでいてもよい。
【0057】
同様に、折り畳みコア構造体は、例えば図7に概略的に示されるように、折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すための複数の流路を設けるための第2の副面を1つより多く含んでいてもよい。1つより多くの第2の副面はすべて、第2の主面に面平行に配向した平面に位置し得る。しかしながら、折り畳みコア構造体は、例えば、連続3D構造体の寸法を変えることにより、第2の主面から異なって離隔して位置する第2の副面を1つより多く含んでいてもよい。
【0058】
既知のハニカム構造体では、隣接セルの上部はすべて、ハニカム構造体の上面を形成する共通の平面に位置している。同様に、ハニカム構造体における隣接セルの底部もすべて、ハニカム構造体の底面を形成する共通の平面に位置しており、底面は、ハニカム構造体の上面に面平行に配向している。得られるハニカム構造体は、平面状の外面を有し、したがって、基本的に板状の外形を有し、かつ高い圧縮抵抗を有するが、流体を流す能力は有しない構造体である。折り畳みコア構造体において異なる高さのセル構造体を作製することにより、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って、流体を流す能力が折り畳みコア構造体において提供される。
【0059】
さらに、折り畳みコア構造体において異なる高さのセル構造体を作製することにより、一定水準の弾性がコア構造体にもたらされる。折り畳みコア構造体の弾性は、特定の用途において望ましく、例示的には、例えば木床の下または浮きセメント床の下などの硬質床材の下で用いる際に衝撃吸収および/または音の減衰をもたらすのに望ましい。
【0060】
折り畳みコア構造体が、第1のセル構造体の隣接する列の高さHと比較して増加した高さHを有する折り畳みコア構造体の幅方向に延在する第2のセル構造体を少なくとも1列含むという事実により、折り畳みコア構造体に弾性がもたらされる。静的または動的な荷重または力が折り畳みコア構造体に(例えば、垂直に)印加されると、増加した高さHを有する第2のセル構造体の列は、圧縮力を受けて、例えば、高さHを有する第2のセル構造体の列の圧縮による高さの低減によって、例えば、第2のセル構造体のセル壁の膨らみにより、この圧縮エネルギーのうちの少なくとも一部を吸収する。より低い高さHを有する第1のセル構造体の隣接する列は、直接荷重を受けないか、または低減された荷重もしくは力のみを少なくとも受ける。
【0061】
折り畳みコア構造体に印加される荷重または力を増加させると、高さHを有する第2のセル構造体の列の圧縮エネルギー吸収能力が完全に利用され、その結果、高さHを有する第1のセル構造体の荷重が増加する。次に、コア構造体に印加された荷重または力は、高さHを有する第2のセル構造体の列および高さHを有する第1のセル構造体の列に分散される。
【0062】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する。連続3D構造体が、折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する場合、連続3D構造体は、コア構造体において完全に折り畳まれて合わさっているわけではないと考えることができる。塑性変形により形成された3D構造体が0°超かつ180°未満の所定の角度を形成すると、折り畳みコア構造体は、折り畳みコア構造体の幅および折り畳みコア構造体の長さに沿って流体を流す能力を呈する。好ましくは、第1の主面および/または第2の主面は、折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートから構成される。折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形を防止するか、または少なくとも低減する。
【0063】
好ましくは、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、折り畳みコア構造体の幅および折り畳みコア構造体の長さに沿って流体を流すのに十分な能力を提供しつつ、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形をさらに低減するために、折り畳みコア構造体において、30°〜120°の範囲、より好ましくは60°〜90°の範囲の所定の角度を形成する。所定の60°の角度により、流体を流すのに十分な能力で、折り畳みコア構造体において最適な圧縮抵抗がもたらされる。所定の90°の角度により、十分な圧縮抵抗とともに、折り畳みコア構造体において流体を流すのに最適な能力が提供される。
【0064】
一実施形態では、第1の主面および/または第2の主面を構成する材料シートは、ポリマーフィルムである。ポリマーフィルムは、切断されていない平坦な物体に含まれる材料へと積層して複数の連続3D構造体に変形させるのに適した任意のポリマーを含み得る。
【0065】
好ましくは、ポリマーフィルムは、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に流体が流れることを可能にする透過性ポリマーフィルムである。
【0066】
一実施形態では、第1の主面および/または第2の主面を構成する材料シートは、繊維を含む少なくとも1つの層を含み、これは、好ましくは、織布、編布、不織布、スクリム織物、またはレイドスクリムからなる群から選択される。
【0067】
一実施形態では、第1の主面および/または第2の主面を構成する材料シートは、繊維を含む少なくとも1つの層を含み、これは不織布である。不織布は、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に流体が流れることを可能にする。好ましくは、不織布に含まれる繊維はフィラメントであり、材料シートの強度を増加させて、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形を低減することにより折り畳みコア構造体の寸法安定性を改善する。
【0068】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、ここで、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、アレイは、第1のセル構造体の列および第2のセル構造体の列を含み、第2のセル構造体の列のセル構造体は、第1のセル構造体の列のセル構造体と直に接しており、第2のセル構造体の列のセル構造体は、第1のセル構造体の列の高さHよりも大きい高さHを有しており、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差は、連続していない段であることを特徴とする。連続していない段とは、高さがゆるやかに変化するのではなく、折り畳みコア構造体のセル構造体の高さが、高さHを有する第1のセル構造体の列から高さHを有する第2のセル構造体の列まで階段状に増加することを意味すると理解される。
【0069】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体が180°の角度に折り畳まれると、セル構造体のセル壁は、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に配向し、それにより、第1の主面および/または第2の主面は、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成される。
【0070】
図6は、隣接する六角形セルのアレイからなる例示的なコア構造体の概略上面図であり、アレイは、コア構造体の長さ方向(MD)および幅方向(CMD)に延在する。
【0071】
図6のコア構造体は、折り畳みコア構造体の幅方向に延在する高さHを有する第1のセル構造体の列と、折り畳みコア構造体の幅方向に延在する高さHを有する第2のセル構造体の列とを含む隣接する六角形セルのアレイからなる。高さHを有する第1のセル構造体のうちの1列が、灰色に塗りつぶした六角形セルで示される。図6には、高さHを有する第2のセル構造体のうちの1列が、縦線を付した六角形セルで示される。第2のセル構造体の列のセル構造体は、第1のセル構造体の列のセル構造体と直に接している。
【0072】
第1のセル構造体の列のセル構造体のセル壁は、個々の第1のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、第1のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有し、第2のセル構造体の列のセル構造体は、個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、第2のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有する。
【0073】
図1における横線を付した六角形セルで示される六角形セルの列は、高さHを有するセル壁と高さHを有するセル壁とを含むことに留意されたい。
【0074】
図7は、図6の例示的なコア構造体の、線A−Aに沿った概略側面図である。コア構造体は、高さHを有する第1のセル構造体の列と、高さHよりも高い高さHを有する第2のセル構造体の列とを含む。
【0075】
図7はまた、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差は、高さがゆるやかに変化するのではなく、連続していない段で形成されることを概略的に示す。
【0076】
隣接セル構造体のアレイ状の第1のセル構造体の列のセル構造体は、個々の第1のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され得て、第1のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有し、第2のセル構造体の列のセル構造体は、個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され得て、第2のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有する。したがって、第2のセル構造体の列のセル構造体のセル壁の上端は、第1の主面の単一平面に位置しており、それにより、セル壁の上端がすべてカバー層と接触するため、カバー層、特に平面状のカバー層への結合を改善することができる。
【0077】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、折り畳みコア構造体は、隣接セル構造体のアレイ状に、高さHを有する第1のセル構造体をさらに1列以上含み、かつ/または折り畳みコア構造体は、高さHを有する第2のセル構造体をさらに1列以上含む。
【0078】
高さHを有する第2のセル構造体の列は、隣接セル構造体のアレイ状に、高さHを有する第1のセル構造体を、少なくとも1列、好ましくは少なくとも2列、より好ましくは少なくとも3列、さらにより好ましくは少なくとも5列、最も好ましくは少なくとも10列空けて配置され得る。
【0079】
しかしながら、折り畳みコア構造体は、考えられる任意の用途の局所弾性についてコア構造体を最適化するために、高さHを有する第2のセル構造体の列および高さHを有する第1のセル構造体の列を任意の望ましい順序で含み得る。例えば、折り畳みコア構造体は、高さHを有する第2のセル構造体2列と、高さHを有する第1のセル構造体2列と、高さHを有する第2のセル構造体2列とが一続きになったものを含み得る。
【0080】
折り畳みコア構造体は、高さHを有する第2のセル構造体の列と、高さHを有する第1のセル構造体の列とを任意の非規則的な順序で含み、例えば、高さHを有する第2のセル構造体1列と、高さHを有する第1のセル構造体5列と、高さHを有する第2のセル構造体2列とを一続きに、または他の考えられる任意のランダムな順序で含む。
【0081】
折り畳みコア構造体の弾性および/または折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力は、コア構造体の単位長さあたりの、高さHを有する第2のセル構造体の列数を変えることにより調整され得る。
【0082】
好ましい実施形態では、折り畳みコア構造体における隣接セル構造体のアレイは、増加した荷重で十分な圧縮抵抗をもたらすために、少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%が、高さHを有する第1のセル構造体からなる。
【0083】
本発明による折り畳みコア構造体は、高さHを有する第2のセル構造体をさらに1列以上含み得る。好ましい実施形態では、折り畳みコア構造体における隣接セル構造体のアレイは、折り畳みコア構造体の十分な弾性をもたらすために、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%が、高さHを有する第2のセル構造体からなる。好ましくは、コア構造体における隣接セル構造体のアレイは、折り畳みコア構造体の弾性を最適化するために、最大25%、好ましくは最大20%、より好ましくは最大15%が、高さHを有する第2のセル構造体からなる。
【0084】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、折り畳みコア構造体は、隣接セル構造体のアレイ状に、折り畳みコア構造体の長さ1メートルあたり、高さHを有する第2のセル構造体を、少なくとも2列、好ましくは少なくとも3列、より好ましくは少なくとも5列、さらにより好ましくは少なくとも10列、最も好ましくは少なくとも15列含む。
【0085】
コア構造体の弾性および/または折り畳みコア構造体の幅に沿った流体の能力は、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの間の連続していない段の高さを変えることにより調整され得る。隣接セル構造体のアレイ状の第2のセル構造体の列の高さHと隣接セル構造体のアレイ状の第1のセル構造体の列の高さHとの差は、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、より好ましくは少なくとも6mm、さらにより好ましくは少なくとも8mm、最も好ましくは少なくとも10mmであり得る。
【0086】
一実施形態では、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差は、最大20mm、好ましくは最大16mm、より好ましくは最大14mm、さらにより好ましくは最大12mm、最も好ましくは最大10mmである。第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差を低減することにより、例えば、低い荷重または中程度の荷重での弾性をもたらしながら、高い荷重下において、折り畳み構造体の上部に置かれる、例えば木床または浮きセメント床などの硬質床材における亀裂形成を防止することができる。中程度の荷重または圧縮力では、高さHを有する第2のセル構造体の列が、圧縮エネルギーの少なくとも一部を吸収して弾性をもたらす。荷重または圧縮力が増加すると、第2のセル構造体の列の高さが減少するか、または第2のセル構造体の列が崩壊する場合さえあり、荷重または圧縮力は、折り畳みコア構造体に含まれるすべてのセル構造体により、すなわち第2のセル構造体の列および第1のセル構造体の列により吸収される。
【0087】
一実施形態では、折り畳みコア構造体における第1のセル構造体の列の高さHは、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも8mm、さらにより好ましくは少なくとも10mm、最も好ましくは少なくとも15mmである。
【0088】
好ましくは、折り畳みコア構造体における第1のセル構造体の列の高さHは、最大100mm、好ましくは最大50mm、より好ましくは最大25mm、さらにより好ましくは最大20mm、最も好ましくは最大15mmである。
【0089】
一実施形態では、折り畳みコア構造体における第2のセル構造体の列の高さHは、少なくとも4mm、好ましくは少なくとも7mm、より好ましくは少なくとも10mm、さらにより好ましくは少なくとも12mm、最も好ましくは少なくとも17mmである。
【0090】
好ましくは、折り畳みコア構造体における第2のセル構造体の列の高さHは、最大120mm、好ましくは最大70mm、より好ましくは最大45mm、さらにより好ましくは最大40mm、最も好ましくは最大35mmである。
【0091】
折り畳みコア構造体は、第1のセル構造体の列のセル構造体の高さHよりも大きく、かつ第2のセル構造体の列のセル構造体の高さHよりも小さい高さHを有する第3のセル構造体を1列以上含み得る。第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの間の高さHを有する第3のセル構造体を1列以上含めることにより、コア構造体の弾性を、コア構造体に印加される荷重に応じて特定の用途に合わせて微調整することができる。
【0092】
高さHを有する個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁の厚さは、例えば、中程度の荷重でのコア構造体の弾性を最適化するために、非常に様々であり得る。個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁の厚さを減らすと、小さい荷重から中程度の荷重でのコア構造体の弾性が上昇する。個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁の厚さを増やすと、荷重が増加したときにコア構造体内の第2のセル構造体が早期に崩壊することが防止される。
【0093】
一実施形態では、個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁の厚さは、0.1mm〜1.0mmの範囲にあり得る。好ましくは、個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁の厚さは、0.2mm〜0.5mmの範囲、より好ましくは0.3mm〜0.4mmの範囲にある。
【0094】
好ましい実施形態では、折り畳みコア構造体を形成する隣接セル構造体のアレイ状に含まれるすべてのセル構造体の一方の端部は、図7に概略的に示されるように、平面状の表面が形成されるように単一平面に位置している。通常、この平面状の表面は、使用時に折り畳みコア構造体の第2の主面になる。したがって、コア構造体を形成する隣接セル構造体のアレイ状に含まれるセル構造体の反対端は、第2のセル構造体の列のセル構造体が、第1のセル構造体の列のセル構造体の高さHよりも大きい高さHを有するため、すべてが単一平面に位置しているわけではない。第1のセル構造体の列の反対端は、第2の主面から距離Hを置いて第2の主面に面平行に位置した第1の副面の平面に位置し、第2のセル構造体の列の反対端は、第2の主面から距離Hを置いて第2の主面に面平行に位置する平面に位置する。
【0095】
しかしながら、別の実施形態では、コア構造体を形成する隣接セル構造体のアレイに含まれるすべてのセル構造体の一方の端部は、コア構造体の両側の表面から突出した高さHを有する第2のセル構造体の列をコア構造体に形成できるように、単一平面には配置されていない。
【0096】
図8は、例示的なコア構造体の概略側面図であり、コア構造体を形成する隣接セル構造体のアレイ状に含まれるすべてのセル構造体の一方の端部が単一平面に位置しておらず、したがって、第1の主面と、第2の主面と、第1の副面と、第2の副面とを含む折り畳みコア構造体が形成される。
【0097】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されたアレイ状のセル構造体は、モノリス構造体を構成する。
【0098】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体を折り畳むことにより得られる折り畳みコア構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されたアレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体と、好ましくはこの折り畳みコア構造体に面平行に配向しておりかつ好ましくはこの折り畳みコア構造体に接続された、折り畳みコア構造体に直に接しているカバー層と、を含む複合品において用いられ得る。
【0099】
好ましい実施形態では、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加された圧縮力下で十分な寸法安定性を有しながら少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力を有する折り畳みコア構造体であって、0°超かつ180°未満の所定の角度に折り畳まれた、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体を含み、かつ隣接セル構造体のアレイを形成するために180°の角度に折り畳まれた、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体を含む、折り畳みコア構造体が提供される。したがって、この実施形態では、塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が隣接セル構造体のハニカムコア構造体を含むように、完全に180°に折り畳まれ、また塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が折り畳みコア構造体の平面において少なくとも一方向に流体を流す能力を有するように、0°〜180°の間の所定の角度に折り畳まれる。
【0100】
切断されていない平坦な物体において形成された3D構造体の形状、切断されていない平坦な物体の厚さ、塑性変形された平坦な物体の厚さ、平坦な物体の材料、0°超かつ180°未満の所定の角度の好ましい値、隣接セル構造体のアレイ状の隣接セルの高さ(の差)に関して検討した事項は、先に論じたように、折り畳みコア構造体にも同様にそのまま適用可能であり、したがって、塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が隣接セル構造体のハニカムコア構造体を含むように、完全に180°に折り畳まれ、また塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が折り畳みコア構造体の平面において少なくとも一方向に流体を流す能力を有するように、0°〜180°の間の所定の角度に折り畳まれる。
【0101】
したがって、折り畳みコア構造体は、完全に折り畳まれたコア構造体の利点と、折り畳みコア構造体の平面において少なくとも一方向に流体を流す利点とを兼ね備えており、これは、例えば屋上緑化の用途で使用されることが有利であり得る。隣接セル構造体のアレイは、例えば屋上緑化システム内で雨水を蓄えることができ、折り畳みコア構造体の上で成長する植物の根によってしか空にすることができないが、0°〜180°の間の所定の角度に折り畳まれた、塑性変形により形成された3D構造体は、例えば過剰な雨水に対して、十分な排水能力を確実にする。180°の角度に折り畳まれた3D構造体と0°〜180°の角度に折り畳まれた3D構造体との間の比率の選択により、および/または3D構造体の寸法の選択により、雨水の貯蔵容量および排水能力を、現地の気象条件に依存し得る需要を満たすように調整することができる。180°の角度に折り畳まれた3D構造体と0°〜180°の角度に折り畳まれた3D構造体との間の比率が増加すると、乾燥した気象条件での貯水容量が増加し、その一方で、180°の角度に折り畳まれた3D構造体と0°〜180°の角度に折り畳まれた3D構造体との間の比率が減少すると、多湿の気象条件での排水能力が向上する。
【0102】
折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加される圧縮力下で十分な寸法安定性を有しながら少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力を有する折り畳みコア構造体の製造方法であって、切断されていない平坦な物体を用意するステップと、切断されていない平坦な物体を塑性変形させて複数の連続3D構造体および接続領域を形成するステップであって、接続領域を連続3D構造体間に形成するステップと、第1の主面と第1の主面に面平行に配向した第2の主面とを形成し、第1の主面および第2の主面が折り畳みコア構造体の長さおよび幅により画定されるように、また折り畳みコア構造体の幅全体にわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の長さの一部にわたり延在する第1の副面を形成し、第1の副面が、第1の主面に平行に配向し、かつ第1の副面が、第1の主面と第2の主面との間に第1の主面から離隔して位置するように、連続3D構造体を所定の角度に互いに向けて折り畳んで、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すためのチャネルを形成し、流体を流すためのチャネルの周囲を、第1の副面と、接続領域または一部分の3D構造体と、第1の主面とにより形成するステップと、第1の主面および/または第2の主面を、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下で寸法安定性が提供されるように構成するステップとを含む方法が提供される。
【0103】
好ましくは、本発明による弾性コア構造体を製造する方法は、連続プロセスである。
【0104】
本方法の一実施形態では、連続3D構造体が0°超かつ180°未満の所定の角度を形成するように折り畳みを実施し、かつ材料シートを積層して、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体とすることで、第1の主面および/または第2の主面を形成する。連続3D構造体が、折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する場合、連続3D構造体は、コア構造体において完全に折り畳まれて合わさっているわけではないと考えることができる。塑性変形により形成された3D構造体が0°超かつ180°未満の所定の角度を形成すると、折り畳みコア構造体は、折り畳みコア構造体の幅および折り畳みコア構造体の長さに沿って流体を流す能力を呈する。折り畳みコア構造体において0°超かつ180°未満の所定の角度を形成する塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形を防止するか、または少なくとも低減する。
【0105】
好ましくは、連続3D構造体が所定の角度が形成されるように折り畳みを実施し、この所定の角度とは、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体が、折り畳みコア構造体の幅および折り畳みコア構造体の長さに沿って流体を流すのに十分な能力を提供しつつ折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形をさらに低減するために、折り畳みコア構造体において、30°〜120°の範囲、より好ましくは60°〜90°の範囲の所定の角度を形成することをいう。
【0106】
本発明による方法により提供される折り畳みコア構造体の長さは、本方法で提供される切断されていない平坦な物体の長さと、折り畳みコア構造体の厚さと、塑性変形により形成された連続3D構造体が折り畳まれる所定の角度とに依存する。折り畳みコア構造体の長さは、通常、少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも1m、より好ましくは少なくとも5m、より好ましくは少なくとも10m、さらにより好ましくは少なくとも50mである。折り畳みコア構造体の長さは、切断されていない平坦な物体を継続的に供給する場合、定まっていなくてもよい。
【0107】
折り畳みコア構造体の厚さは、非常に様々であり得て、連続した折り畳み線間の連続3D構造体の長さと、連続3D構造体により形成される所定の角度とに依存する。所定の角度が180°に近づくと、折り畳みコア構造体の厚さは、連続した折り畳み線間の3D構造体の長さに近づく。所定の角度が180°に近づくと、折り畳みコア構造体の厚さは、塑性変形された切断されていない平坦な物体の厚さに近づく。
【0108】
一実施形態では、折り畳みコア構造体の厚さは、少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流すのに十分な能力を提供するために、少なくとも3mm、好ましくは少なくとも10mm、より好ましくは少なくとも30mmである。折り畳みコア構造体の厚さが3mm未満の場合、流動抵抗が高くなりすぎて、流体を流すのに十分な能力が得られなくなる。
【0109】
折り畳みコア構造体の最大厚さは、非常に様々であり得る。一実施形態では、折り畳みコア構造体の厚さは、最大150mm、好ましくは最大100mmである。折り畳みコア構造体の厚さが150mm超であると、折り畳みコア構造体をロール処理してロール状とすることがますます難しくなる。
【0110】
折り畳みコア構造体の幅は、非常に様々であり得るが、好ましくは、コア構造体の幅は、0.1〜5.0mの範囲、好ましくは0.2〜1.5mの範囲にある。
【0111】
一実施形態では、切断されていない平坦な物体は、塑性変形を可能にするために、熱可塑性ポリマーを含む。好ましくは、切断されていない平坦な物体は、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の熱可塑性ポリマーから構成される。
【0112】
切断されていない平坦な物体に含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、例えば、ポリアミド−6(PA6)、ポリアミド−6,6(PA6,6)、もしくはポリアミド−4,6(PA4,6)など、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、もしくはポリ乳酸(PLA)など、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)など、それらの任意のコポリマー、および/またはこれらのポリマー2つ以上の任意の組み合わせを含むがこれらに限定されることのない任意の熱可塑性ポリマーであり得る。
【0113】
切断されていない平坦な物体に含まれる熱可塑性ポリマーは、折り畳みコア構造体の所望の機械的特性に応じて、および/または例えば温度および湿度を含む、折り畳みコア構造体の想定される用途における条件に応じて選択され得る。
【0114】
一実施形態では、切断されていない平坦な物体に含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを含む。
【0115】
別の実施形態では、切断されていない平坦な物体に含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートを含む。
【0116】
切断されていない平坦な物体は、好ましくは連続層であり、これにより、3D構造体を真空熱成形プロセスにより塑性成形することが可能になる。
【0117】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、基本的に、任意の材料で作製することが可能である。塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、例えば、折り畳みコア構造体に高い剛性をもたらす、アルミニウムのシート、木材のシート、または繊維板であり得る。
【0118】
本方法の一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、ポリマーフィルムである。ポリマーフィルムは、切断されていない平坦な物体に含まれる材料へと積層して複数の連続3D構造体に変形させるのに適した、および/または折り畳みコア構造体を運搬のためにロールに巻き上げることを可能にする任意のポリマーを含み得る。
【0119】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層されるポリマーフィルムは、第1の主面の側部から折り畳みコア構造体へと法線方向に流体が流れることを防止するための連続ポリマーフィルムであり得る。
【0120】
好ましくは、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層されるポリマーフィルムは、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に流体が流れることを可能にする透過性ポリマーフィルムである。透過性ポリマーフィルムは、穿孔が形成されたフィルムであり得て、この穿孔は、好ましくは1mm〜50mmの範囲、より好ましくは10mm〜30mmの範囲の面積を有する。
【0121】
一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層されるポリマーフィルムは、熱可塑性ポリマーを含む。好ましくは、ポリマーフィルムは、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%の熱可塑性ポリマーから構成される。一実施形態では、ポリマーフィルムは、100重量%が熱可塑性ポリマーから構成される。
【0122】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層されるポリマーフィルムに含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、例えば、ポリアミド−6(PA6)、ポリアミド−6,6(PA6,6)、もしくはポリアミド−4,6(PA4,6)など、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、もしくはポリ乳酸(PLA)など、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(PE)、もしくはポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)など、それらの任意のコポリマー、および/またはこれらのポリマー2つ以上の任意の組み合わせを含むがこれらに限定されることのない任意の熱可塑性ポリマーであり得る。
【0123】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層されるポリマーフィルムに含まれる熱可塑性ポリマーは、折り畳みコア構造体の所望の機械的特性に応じて、および/または温度および湿度を含む、折り畳みコア構造体の想定される用途における条件に応じて選択され得る。
【0124】
一実施形態では、ポリマーフィルムに含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、特にポリプロピレンを含む。
【0125】
別の実施形態では、ポリマーフィルムに含まれる熱可塑性ポリマーは、ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートを含む。
【0126】
本方法の一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、繊維を含む少なくとも1つの層を含む。
【0127】
本方法の一実施形態では、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートは、繊維を含む少なくとも1つの層を含み、これは、好ましくは、織布、編布、不織布、スクリム織物、またはレイドスクリムからなる群から選択される。
【0128】
塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートに含まれる繊維を含む少なくとも1つの層は、第1の主面の側部から折り畳みコア構造体へと法線方向に流体が流れることを可能にする透過層であり得るため、折り畳みコア構造体は、折り畳みコア構造体の法線方向に流体を流す能力を有する。さらに、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シート中の繊維を含む層は、折り畳みコア構造体の長さおよび/または幅方向において、折り畳みコア構造体に増加した弾性率および/または増加した引張強度をもたらすことができる。
【0129】
繊維という用語は、ステープル繊維およびフィラメントの双方を指すと理解される。ステープル繊維とは、2〜200mmの範囲の特定の比較的短い長さの繊維である。フィラメントとは、200mm超、好ましくは500mm超、より好ましくは1000mm超の長さを有する繊維である。フィラメントは、例えば、紡糸口金の紡糸穴を通してフィラメントを連続的に押出および紡糸することにより形成される場合、実質的に無限でさえあり得る。
【0130】
繊維は、円形、三葉形、多葉形、または矩形を含む任意の断面形状を有し得て、矩形のものは、幅が高さよりもかなり大きくなり得る幅および高さを呈するため、この実施形態における繊維は、テープとなる。さらに、該繊維は、一成分繊維であっても、二成分繊維であっても、または多成分繊維でさえあってもよい。
【0131】
一実施形態では、繊維を含む層は、不織布である。不織布は、例えば、カーディング法、ウェットレイド法もしくはエアレイド法、またはそれらの任意の組み合わせなどの周知の方法により製造されるステープル繊維不織布などの任意のタイプの不織布であり得る。不織布はまた、フィラメントを紡糸口金から押し出し、続いてフィラメントのウェブとしてコンベヤベルト上に置き、続いてウェブを結合して不織布を形成する周知のスパンボンディング法により、またはフィラメントを紡糸し、好ましくはマルチフィラメントヤーンの形態でボビンに巻き、それからマルチフィラメントヤーンを巻き戻し、フィラメントのウェブとしてコンベヤベルト上にフィラメントを置き、ウェブを結合して不織布を形成するステップが続く二段階の方法により製造されたフィラメントから構成される不織布であり得る。
【0132】
一実施形態では、不織布中の繊維は、コア構造体の法線方向に流体を流す能力を提供するのに十分な構造体開放性を維持しながら不織布における加工の安定性および質量の規則性をもたらすために、1〜25dtexの範囲、好ましくは2〜20dtexの範囲、より好ましくは5〜15dtexの範囲、最も好ましくは5〜10dtexの範囲の線密度を有する繊維である。単位dtexは、繊維の繊度を10000メートルあたりのグラム重量として定めたものである。
【0133】
不織布は、不織布中の繊維の総重量の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、さらに好ましくは少なくとも95重量%が熱可塑性繊維から構成され得る。不織布繊維層中の熱可塑性繊維の量を増加させると、引張強度および/もしくは引裂抵抗が増加し、かつ/または塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される材料シートの柔軟性が増加する。
【0134】
一実施形態では、不織布は、不織布中の繊維の総重量の100重量%が熱可塑性繊維から構成される。
【0135】
不織布中の熱可塑性繊維を構成する熱可塑性ポリマーは、コア構造体の想定される用途で受ける温度に耐えることが可能な任意のタイプの熱可塑性ポリマーであり得る。不織布中の熱可塑性繊維は、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)(DMTまたはPTAのいずれかをベースとする)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、および/またはポリ乳酸(PLA)など、ポリアミド、例えば、ポリアミド−6(PA6)、ポリアミド−6,6(PA6,6)、ポリアミド−4,6(PA4,6)、および/またはポリアミド−4,10(PA4,10)など、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン(PE)もしくはポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリスチレン(PS)など、および/または任意のコポリマー、またはそれらの任意のブレンドを含み得る。
【0136】
本方法の一実施形態では、第1の主面および/または第2の主面を構成する材料シートは、繊維を含む少なくとも1つの層を含み、これは不織布である。不織布は、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に流体が流れることを可能にする。好ましくは、不織布に含まれる繊維はフィラメントであり、引張強度および/または引裂抵抗の増加を材料シートにもたらし、折り畳みコア構造体の第1の主面に対して垂直に印加される圧縮力下での折り畳みコア構造体の変形を低減することにより折り畳みコア構造体の寸法安定性を改善する。
【0137】
本方法の一実施形態では、Hに対応する長さを有する2つの連続3D構造体が形成されるように、かつHに対応する長さを有する2つの連続3D構造体が形成されるように、切断されていない平坦な物体の塑性変形を実施し、また、連続3D構造体が180°の所定の角度を形成して隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイが、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体が、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されており、アレイが、第1のセル構造体の列および第2のセル構造体の列を含み、第2のセル構造体の列のセル構造体が、第1のセル構造体の列のセル構造体と直に接しており、第2のセル構造体の列のセル構造体が、第1のセル構造体の列のセル構造体の高さHよりも大きい高さHを有しており、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差が、連続していない段であることを特徴とするように、折り畳みを実施する。
【0138】
本方法の一実施形態では、第1のセル構造体の列のセル構造体は、個々の第1のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、第1のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有し、第2のセル構造体の列のセル構造体は、個々の第2のセル構造体の周囲を画定するセル壁により形成され、第2のセル構造体のセル壁はすべて、一定の高さHを有する。
【0139】
本方法の一実施形態では、Hに対応する長さを有するさらなる1組以上の2つの連続3D構造体が形成されるように、かつHに対応する長さを有するさらなる1組以上の2つの連続3D構造体が形成されるように、切断されていない平坦な物体の塑性変形を実施し、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体は、180°の角度に折り畳まれて隣接セル構造体のアレイを形成し、アレイは、折り畳みコア構造体の長さにわたり延在しかつ折り畳みコア構造体の幅にわたり延在し、アレイ状のセル構造体は、折り畳みコア構造体の幅にわたり延在するセル構造体の一連の隣接した列状に配置されて、折り畳みコア構造体内に、高さHを有する第1のセル構造体をさらに1列以上形成する、および/または高さHを有する第2のセル構造体をさらに1列以上形成する。
【0140】
本方法の一実施形態では、切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体を折り畳み、180°の所定の角度を形成して隣接セル構造体のアレイを形成することは、高さHを有する第2のセル構造体の列が、高さHを有する第1のセル構造体を、少なくとも1列、好ましくは少なくとも2列、より好ましくは少なくとも3列、さらにより好ましくは少なくとも5列、最も好ましくは少なくとも10列空けて配置されるように実施される。
【0141】
本方法の一実施形態では、切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体を折り畳み、180°の所定の角度を形成して隣接セル構造体のアレイを形成することは、折り畳みコア構造体が、折り畳みコア構造体の長さ1メートルあたり、高さHを有する第2のセル構造体を、少なくとも2列、好ましくは少なくとも3列、より好ましくは少なくとも5列、さらにより好ましくは少なくとも10列、最も好ましくは少なくとも15列含むように実施される。
【0142】
本方法の一実施形態では、切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体を折り畳み、180°の所定の角度を形成して隣接セル構造体のアレイを形成することは、第2のセル構造体の列の高さHと第1のセル構造体の列の高さHとの差が、少なくとも2mm、好ましくは少なくとも4mm、より好ましくは少なくとも6mm、さらにより好ましくは少なくとも8mm、最も好ましくは少なくとも10mmとなるように実施される。
【0143】
本方法の一実施形態では、切断されていない平坦な物体を塑性変形させて連続3D構造体を折り畳み、180°の所定の角度を形成して隣接セル構造体のアレイを形成することは、折り畳みコア構造体がモノリス構造体となるように実施される。モノリス構造体という用語は、構造体が接合部または継ぎ目のない材料から形成または構成されていることを意味すると理解される。
【0144】
本方法の好ましい実施形態では、折り畳みコア構造体の平面に対して垂直に印加された圧縮力下で十分な寸法安定性を有しながら少なくとも折り畳みコア構造体の幅に沿って流体を流す能力を有する折り畳みコア構造体のための方法であって、塑性変形により形成された複数の連続3D構造体を0°超かつ180°未満の所定の角度に折り畳み、かつ塑性変形により形成された複数の連続3D構造体を180°の角度に折り畳み隣接セル構造体のアレイを形成するステップを含む、方法が提供される。したがって、この実施形態では、塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が隣接セル構造体のハニカムコア構造体を含むように、完全に180°に折り畳まれ、また塑性変形により形成された3D構造体の一部は、折り畳みコア構造体が折り畳みコア構造体の平面において少なくとも一方向に流体を流す能力を有するように、0°〜180°の間の所定の角度に折り畳まれる。好ましくは、異なる所定の角度への折り畳みは、折り畳みステップの速度を変えることにより、例えば、3D構造体を折り畳むローラの速度を変えることにより実施される。
【0145】
折り畳みコア構造体は、折り畳みコア構造体の第1の主面に面平行な、かつ好ましくは、折り畳みコア構造体の第2の主面に接続される塑性変形により形成された複数の連続3D構造体へと積層される、さらなる材料シートを、第2の主面の平面において含み得る。
【0146】
さらなる材料シートは、基本的に、任意の材料で作製することが可能であり、上記の材料のうちのいずれかから選択することが可能である。
【0147】
さらなる材料シートはまた、折り畳みコア構造体を基板上に接続することを可能にする接着テープであり得る。
【0148】
さらなる材料シートはまた、例えばVelcroなどのフックアンドループメカニカルファスナー(hook & loop mechanical fastener)層であり得て、これにより、折り畳みコア構造体を基板上に着脱可能に接続することができる。
【0149】
本発明による折り畳みコア構造体は、浮き(セメント)床の下の防音層として、またはラミネート床材の下の防音層として有利に使用され得る。
【0150】
本発明による折り畳みコア構造体は、輸送システムにおける防振層として有利に使用され得る。
【0151】
本発明による折り畳みコア構造体は、排水層として有利に使用され得る。
【0152】
本発明による折り畳みコア構造体は、空中伝播騒音を低減するための防音パネルとして有利に使用され得る。
【0153】
本発明による折り畳みコア構造体は、例えば建物の壁および/または屋根において、通気層として有利に使用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】