特表2021-532034(P2021-532034A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532034(P2021-532034A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】折り畳み式保管・輸送ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/12 20060101AFI20211029BHJP
【FI】
   B65D19/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2021-528017(P2021-528017)
(86)(22)【出願日】2019年7月23日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月16日
(86)【国際出願番号】IB2019056289
(87)【国際公開番号】WO2020021452
(87)【国際公開日】20200130
(31)【優先権主張番号】62/701,966
(32)【優先日】2018年7月23日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521033077
【氏名又は名称】ワールド トランス ビン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WORLD TRANS BIN INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100179947
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】エリック ラウィー
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド マドルガ
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ ボッテロ
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA06
3E063BA01
3E063BA05
3E063BB01
3E063BB04
3E063CC01
3E063CD04
3E063DA05
3E063EE03
3E063FF03
(57)【要約】
折り畳み式保管・輸送ユニットは,4つの端部を有する縁部によって囲まれた貨物エリアを含むベースと,ベースの縁部に接続された4つの壁パネル支持部材と,を備える。各壁パネル支持部材は,少なくとも第1の支柱部材及び第2の支柱部材を含み,壁パネル支持部材は,折り畳み形態と展開形態との間で旋回可能である。前記折り畳み形態では,壁パネル支持部材がベース上に横たわると共に折り畳み式保管・輸送ユニットが折り畳み形態にあり,前記展開形態では,第1の所与の壁パネル支持部材における第1の支柱部材と,第2の所与の壁パネル支持部材における第2の支柱部材が互いに隣接する。第1の折り畳み式保管・輸送ユニットは,第2の折り畳み式保管・輸送ユニット上に積み重ね可能である。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式保管・輸送ユニットであって:
・ 4つの端部を有する縁部で囲まれた貨物エリアを含むベースと:
・ ベースの端部に接続された4つの壁パネル支持部材を備え,各壁パネル支持部材は,少なくとも第1の支柱部材及び第2の支柱部材を含み,壁パネル支持部材は,折り畳み形態と展開形態との間で旋回可能であり,前記折り畳み形態では,壁パネル支持部材がベースの上に横たわると共に折り畳み式保管・輸送ユニットが折り畳み形態であり,前記展開形態では,第1の所与の壁パネル支持部材における第1の支柱部材と,第2の所与の壁パネル支持部材における第2の支柱部材が互いに隣接すると共にベースの対応する各端部からこれに対して略垂直に突出し;
・ 4つのロック手段を更に備え,各ロック手段は,第1のロック部材及び第2のロック部材を含み,第1のロック部材が,第1の壁パネル支持部材における第1の支柱部材上に配置され,第2のロック部材が,第2の壁パネル支持部材における第2の支柱部材上に配置され,第1のロック部材と第2のロック部材との間の物理的結合により,第1の壁パネル支持部材と第2の壁パネル支持部材が展開形態にロック可能であり;
第1の折り畳み式保管・輸送ユニットは,第2の折り畳み式保管・輸送ユニットに積み重ね可能である;折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,少なくとも1つの壁パネルを更に備え,該少なくとも1つの壁パネルが,任意の壁パネル支持部材における2つの対応する支柱部材間に接続可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方の形態における第1の折り畳み式保管・輸送ユニットが,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方の形態における第2の折り畳み式保管・輸送ユニット上に積み重ね可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項4】
請求項2に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記折り畳み式保管・輸送ユニットが,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で輸送可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項5】
請求項2に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記第1の折り畳み式保管・輸送ユニット及び前記第2の折り畳み式保管・輸送ユニットが,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で互いに積み重ね可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項6】
請求項2,4及び5のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ね可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項7】
請求項2及び4〜6のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ねられている状態で輸送可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記4つの壁パネル支持部材が,それぞれU字型フレームを備える,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項9】
請求項2及び4〜7のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが前記U字型フレーム内に受け入れられる,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記4つの壁パネル支持部材が,それぞれ少なくとも1つのヒンジを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項11】
請求項10に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つのヒンジがスロット付きヒンジを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記スロット付きヒンジは,前記4つの壁パネル支持部材をランダムな順序で折り畳むことのできる寸法及び形状とされている,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項13】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記第1のロック部材は雄型コネクタを含み,前記第2のロック部材は,その中に前記雄型コネクタを受け入れ可能な寸法及び形状とした雌型コネクタを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項14】
請求項13に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記雄型コネクタが,前記少なくとも1つのスロット付きヒンジの垂直変位によって前記雌型コネクタソケットと物理的に結合する,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記雄型コネクタがフックを含み,前記雌型コネクタが前記フックの受けソケットを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は,2018年7月23日付で提出された米国特許仮出願第62/701966号の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は,保管・輸送ユニット,より具体的には,折り畳み形態及び展開形態とすることのできる折り畳み式保管・輸送ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
輸送コンテナは,商品(又は貨物)の輸送に関連するコスト,時間及び損失を劇的に削減することにより,国内及び国際流通に革命をもたらしている。商品は,多種のコンテナを使用して保管・輸送することができる。典型的に,商品を保管・輸送するためのコンテナは,その上に保管及び/又は輸送すべき商品を受け取るための貨物ベースと,そのベース上に商品を収容するための側面構造を備える。そのような容器は通常,複数の容器を相互間に空間が全くないか又は最小限の空間しかない状態で互いに隣接させて積み重ね及び/又は積載可能とするために,直方体形状又は立方体形状とされている。
【0004】
しかしながら,流通ルートの特殊性によっては,輸送コンテナの世界的使用により環境面及び経済面で問題が生じる。例えば,2つの市場目的地間で輸送される輸送コンテナの総量に不均衡が生じている場合,コンテナは,流通ラインの一端側に滞留することとなり,さもなければ使用可能であるべきスペースを占有する傾向がある。この場合,通常,元の市場目的地に空のコンテナを長距離返送するのは費用がかかりすぎ,その費用は商品を満載したコンテナを迅速に輸送する費用と概ね同額である。したがって,不必要に大きなスペースを占有することなく,空荷で輸送及び/又は保管することのできる輸送コンテナが望ましい。
【0005】
更に,ほとんどの輸送用コンテナは,保管又は輸送すべき貨物の性質に適応する構成とされておらず,貨物を外部環境から保護すること(例えば外気,湿度,外光等に敏感な商品の場合)や,貨物を外部環境に露出させること(例えば生物の場合)ができない。
【0006】
したがって,上述した問題点又は欠点の少なくとも一部を克服可能とした輸送コンテナが求められている。
【発明の概要】
【0007】
広義の態様において,本発明に係る折り畳み式保管・輸送ユニットは:4つの端部を有する縁部で囲まれた貨物エリアを含むベースと:ベースの端部に接続された4つの壁パネル支持部材を備え,各壁パネル支持部材は,少なくとも第1の支柱部材及び第2の支柱部材を含み,壁パネル支持部材は,折り畳み形態と展開形態との間で旋回可能であり,前記折り畳み形態では,壁パネル支持部材がベースの上に横たわると共に折り畳み式保管・輸送ユニットが折り畳み形態であり,前記展開形態では,第1の所与の壁パネル支持部材における第1の支柱部材と,第2の所与の壁パネル支持部材における第2の支柱部材が互いに隣接すると共に対応する各ベース端部からこれに対して略垂直に突出し;4つのロック手段を更に備え,各ロック手段は,第1のロック部材及び第2のロック部材を含み,第1のロック部材が,第1の壁パネル支持部材における第1の支柱部材上に配置され,第2のロック部材が,第2の壁パネル支持部材における第2の支柱部材上に配置され,第1のロック部材と第2のロック部材との間の物理的結合により,第1の壁パネル支持部材と第2の壁パネル支持部材が展開形態にロック可能であり;第1の折り畳み式保管・輸送ユニットは,第2の折り畳み式保管・輸送ユニットに積み重ねることができる。
【0008】
一実施形態において,折り畳み式保管・輸送ユニットは,少なくとも1つの壁パネルを更に備え,該少なくとも1つの壁パネルが,任意の壁パネル支持部材における2つの対応する支柱部材間に接続可能である。
【0009】
一実施形態において,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方の形態における第1の折り畳み式保管・輸送ユニットが,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方の形態における第2の折り畳み式保管・輸送ユニット上に積み重ね可能である。
【0010】
一実施形態において,折り畳み式保管・輸送ユニットは,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で輸送可能である。
【0011】
一実施形態において,第1の折り畳み式保管・輸送ユニット及び第2の折り畳み式保管・輸送ユニットが,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で互いに積み重ね可能である。
【0012】
一実施形態において,少なくとも1つの壁パネルは,別の壁パネル上に積み重ねることができる。
【0013】
一実施形態において,少なくとも1つの壁パネルは,別の壁パネル上に積み重ねられている状態で輸送可能である。
【0014】
一実施形態において,4つの壁パネル支持部材は,それぞれU字型フレームを備える。
【0015】
一実施形態において,少なくとも1つの壁パネルは,U字型フレーム内に受け入れられる。
【0016】
一実施形態において,4つの壁パネル支持部材は,それぞれ少なくとも1つのヒンジを備える。
【0017】
一実施形態において,少なくとも1つのヒンジは,スロット付きヒンジを含む。
【0018】
一実施形態において,スロット付きヒンジは,4つの壁パネル支持部材をランダムな順序で折りたたむことのできる寸法及び形状とされている。
【0019】
一実施形態において,第1のロック部材は雄型コネクタを含み,第2のロック部材は,その中に雄型コネクタを受け入れ可能な寸法及び形状とした雌型コネクタを含む。
【0020】
一実施形態において,雄型コネクタは,少なくとも1つのスロット付きヒンジの垂直変位によって雌型コネクタソケットと物理的に結合する。
【0021】
一実施形態において,雄型コネクタはフックを含み,雌型コネクタはフックの受けソケットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の理解を容易とするため,本発明の実施形態を例示として添付図面に示す。
図1】一実施形態に係る折り畳み式保管・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。折り畳み式保管・輸送ユニットは,ベース,4つの壁パネル支持部材,4つのロック部材及び4つの壁パネルで構成されている。
図2図1における折り畳み式保管・輸送ユニットの上面,正面及び左側からの斜視図である。
図3図1における折り畳み式保管・輸送ユニットにおけるベースの上面,正面及び右側からの斜視図である。
図4図3における折り畳み式保管・輸送ユニットにおけるベースの上面図である。
図5図3における折り畳み式保管・輸送ユニットにおけるベースの背面図である。
図6図3における折り畳み式保管・輸送ユニットにおけるベースの左側立面図である。
図7図1における折り畳み式収納輸送ユニットにおける壁パネル支持部材の上面,正面及び右側からの斜視図である。
図8図7における折り畳み式収納輸送ユニットにおける壁パネル支持部材の正面図である。
図9図7における折り畳み式収納輸送ユニットにおける壁パネル支持部材の左側立面図である。
図10図1における壁パネル支持部材の拡大左立面図である。図示の壁パネル支持部材は折り畳み形態にある。
図11図1における折り畳み式の保管・輸送ユニットにおける別の壁パネル支持部材の上面,背面及び右側からの斜視図である。
図12図11における折り畳み式収納輸送ユニットにおける別の壁パネル支持部材の正面図である。
図13図1における折り畳み式の保管・輸送ユニットにおける壁パネルの上面,正面及び右側からの斜視図である。
図14図1における折り畳み式収納輸送ユニットにおける壁パネル支持部材に接続された壁パネルの上面,正面及び右側からの斜視図である。
図15図1における折り畳み式の保管・輸送ユニットの別の壁パネル支持部材に接続された壁パネルの上面,正面及び右側からの斜視図である。
図16図1における折り畳み式の保管・輸送ユニットの上面,正面,右側の斜視図である。図示の折り畳み式保管・輸送ユニットは,部分的に折り畳まれた壁パネルに接続された第1の壁パネル支持部材を有する。
図17図16における折り畳み式の保管・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の折り畳み式保管・輸送ユニットは,完全に折り畳まれた壁パネルに接続された第1の壁パネル支持部材を有する。
図18図17における折り畳み式の保管・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の折り畳み式保管・輸送ユニットは,完全に折り畳まれた2つの対応する壁パネルに接続された第1及び第2の壁パネル支持部材を有する。
図19図18における折り畳み式の保管・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の折り畳み式保管・輸送ユニットは,完全に折り畳まれた2つの対応する壁パネルに接続された第1及び第2の壁パネル支持部材と,同じく壁パネルに接続されて部分的に折り畳まれた第3の壁パネル支持部材とを有する。
図20図19における折り畳み式の保管・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の折り畳み式保管・輸送ユニットは,4つの対応する壁パネルに接続され,完全に折り畳まれているため,折り畳み形態にある4つの壁パネル支持部材を有する。
図21図1の折り畳み式貯蔵・輸送ユニットの2つを互いに積み重ねた状態で示す上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の2つの折り畳み式保管・輸送ユニットは,展開形態とされている。
図22図21における2つの折り畳み式貯蔵・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の2つの折り畳み式保管・輸送ユニットは,折り畳み形態とされている。
図23図21における2つの折り畳み式貯蔵・輸送ユニットの上面,正面及び右側からの斜視図である。図示の2つの折り畳み式保管・輸送ユニットは,壁パネルが接続されない展開形態とされている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態に関する以下の記載において,添付図面への参照は,本発明を実施するための態様を例示するものである。開示された本発明の技術的範囲から逸脱することなく,様々な実施形態が創出可能であることは,言うまでもない。
(用語)
【0024】
「発明」等の用語は,特に明記しない限り,「本出願に開示される1つ又は複数の発明」を意味する。
【0025】
「態様」,「実施形態」,「所与の実施形態」,「実施形態」,「実施形態(複数)」,「前記実施形態」,「前記実施形態(複数)」,「1つ又は複数の実施形態」,「いくつかの実施形態」,「特定の実施形態」,「一実施形態」,「別の実施形態」等は,特に明記しない限り,「開示された発明の1つ又は複数(全てではない)の実施形態」を意味する。
【0026】
実施形態を説明する際の「別の実施形態」又は「別の態様」への言及は,特に明記しない限り,参照される実施形態が別の実施形態(例えば,参照される実施形態の前に記載されている実施形態)と相互に排他的であることを意味しない。
【0027】
「含む」,「備える」等の用語及びそれらの変形は,特に明記しない限り,「含むがこれに限定されるものではない」ことを意味する。
【0028】
英文明細書における「a」,「an」及び「the」等の冠詞類は,特に明記しない限り,「1つ又は複数」を意味する。「複数」という用語は,特に明記しない限り,「2つ以上」を意味する。
【0029】
「ここに」という用語は,特に明記しない限り,「参照により組み込まれる可能性のあるものを含めて,本出願において」を意味する。
【0030】
「これにより」という用語は,本明細書では,以前に明示的に引用された何らかのものについての意図された結果,目的又は結末のみを表す文節又は他の単語群に先行する場合のみに使用される。すなわち,「これにより」という用語がクレームで使用される場合,「これにより」という用語が修飾する条項又は他の単語群は,クレームの特定の更なる制限を確立し,又はクレームの意味又は範囲を制限する。
【0031】
「e.g.」という略語は「例えば」を意味するため,これが説明する用語や文節を限定するものではない。
【0032】
「i.e.」という略語は「すなわち」を意味するため,これが説明する用語や文節を限定するものである。
【0033】
発明の名称や要約は,開示された発明の範囲を限定するものと見なされるべきではない。本出願の各項の名称や見出しは,便宜的なものであり,いかなる方法でも開示を限定するものと解釈されるべきではない。
【0034】
本出願には多くの実施形態が記載され,もっぱら例示の目的で提示されている。記載された実施形態は,いかなる意味においても限定的なものではなく,また,限定を意図するものでもない。本開示から容易に明らかなように,現在開示されている発明は,多くの実施形態に広く適用可能である。当業者であれば理解できるように,開示された発明は,様々な変更及び改変,例えば構造的変更等を伴って実施することができる。開示された発明の特定の特徴は,1つ又は複数の特定の実施形態及び/又は図面を参照して説明されることがあるが,特に明記されていない限り,そのような特徴は,1つ又は複数の特定の実施形態又は図面についての適用に限定されるものではない。
【0035】
これら全てを念頭に置いて,本発明は,折り畳み式保管・輸送ユニットに関するものである。一実施形態では,折り畳み式保管・輸送ユニットは,貨物及び/又は商品を保管するために使用される。別の実施形態では,折り畳み式保管・輸送ユニットは,貨物及び/又は商品を輸送及び/又は搬送するために使用される。本開示において,貨物及び/又は商品は,任意の種類のコンテナを使用して保管,輸送及び/又は搬送可能なものであり,そのようなコンテナを非限定的に例示すれば,輸送コンテナ,海上コンテナ,貨物コンテナ,フリートコンテナ,ISOコンテナ,ハイキューブ又はハイキューブ型コンテナ,海上又は洋上コンテナ,マリン缶又はC缶,コンテナバン又はボックス(コネックス)等が挙げられる。
【0036】
図1及び図2は,一実施形態に係る折り畳み式保管・輸送ユニット100を開示している。折り式保管・輸送ユニット100は,ベース102と,長辺側における一対の壁パネル支持フレーム104a, 104bと,短辺側における一対の壁支持フレーム106a, 106bと,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを展開形態でロックするための4つのフレームロック部材108a, 108b, 108c, 108dと,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短壁支持フレーム106a, 106bに対して後述する態様で受け入れ・取り付けが可能な,互換性のある4つの壁パネル110a, 110b, 110c, 110dとを備える。
【0037】
図3図6を参照して,一実施形態に係るベース102について説明する。ベース102は略矩形であり,一対の短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bの間で垂直に延在する一対の長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bと,下面304と,対向する上面306と,4つのコーナー部308a, 308b, 308c, 308dを備える。上面306は,貨物エリア310(貨物及び/又は商品の受け入れエリア)を含む。貨物エリア310は,その外縁部において, 長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bに沿って延在する一対の長辺側周辺プレート400a, 400bと,短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bに沿って延在する一対の短辺側周辺プレート402a, 402bにより包囲されている。貨物エリア310は,貨物積載を支援するために,複数の追加的なクロスバーを備え,又は備えない構成とすることができる。
【0038】
一実施形態における下面304上で,ベース102は,図3図5及び図6に示すように,ベース102に対して垂直(下向き)に突出する4つの略矩形のコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dを備える。コーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dは,対応するコーナー部308a, 308b, 308c, 308dに配置され,ベース102及びその貨物を,対応する長辺側ストリップベースプレート314a, 314bの対と,それらが接続されている短辺側ストリップベースプレート316a, 316bの対応対により支持するように構成されている。より具体的には,長辺側ストリップベースプレート314a, 314bは,ベース102における対応する長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bに沿って延在し,他方,短辺側ストリップベースプレート316a, 316bは,ベース102における対応する短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bに沿って延在する。全体として,長辺側ストリップベースプレート314a, 314b及び短辺側ストリップベースプレート316a, 316bは,貨物エリア310に対して心出しされた中空中央部を有する略矩形構造を規定する。ベースプレート314a, 314b, 316a, 316bは,それぞれ,強度及び剛性を高めるために,同様に上向きに刻印されたエンボスを有する構造とすることができる。
【0039】
また,一実施形態における下面304上で,ベース102は,4つの略U字型中央支持体318a, 318b, 318c, 318dを更に備えることにより,貨物を支持するための折り畳み式保管・輸送ユニット100に構造的剛性を与えている。より具体的に,U字型中央支持体318b, 318dは,対応する長辺側の周辺プレート400a, 400bと,対応する長辺側のストリップベースプレート314a, 314bとの間に延在し,U字型中央支持体318a, 318cは,対応する短辺側の周辺プレート402a, 402bと,対応する短辺側のストリップベースプレート316a, 316bとの間に延在する。U字型中央支持体318a, 318b, 318c, 318dは,それぞれ対応するコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312d間で中央に配置され,したがって,対応する長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bに沿った持ち上げ開口部320a, 320b, 320c, 320dと,対応する短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bに沿った持ち上げ開口部322a, 322b, 322c, 322dをベース102の下面304上に規定する。
【0040】
当業者であれば理解できるように,U字型中央支持部318a,318b, 318c, 318dは,持ち上げ開口部320a, 320b,320c, 320d及び322a,322b, 322c, 322dが,フォークリフトやジャッキ等のリフト装置により取り扱うべき折り畳み式保管・輸送ユニット100のために維持される限り,寸法,形状及び位置を含めて多様な構成とすることができる。同様に,持ち上げ開口部320a, 320b, 320c, 320d及び322a, 322b, 322c, 322dも,リフト装置による折り畳み式保管・輸送ユニット100の取り扱い機能が維持される限り,寸法,形状及び位置も含め,様々な構成とすることができる。
【0041】
一実施形態において,図3図5及び図6に示すように,コーナー脚部312a, 312b, 312c, 312d及びU字型の中央支持部318a, 318b, 318c, 318dは,折り畳み式保管・輸送ユニット100を取り扱う際に,リフト開口部320a, 320b, 320c, 320d及び322a, 322b, 322c, 322dのいずれかにリフトフォークを配置するためにリフト装置に必要とされるクリアランスを形成する。そのような構成によれば,当業者であれば理解できるように,折り畳み式保管・輸送ユニット100を,長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bのいずれか,及び短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bのいずれかにおいて持ち上げて取り扱うことができる。代替的に,折り畳み式保管・輸送ユニット100は,ベース102をその持ち上げ位置ではなく,地面により接近させるように,コーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dなしの構成とすることもできる。
【0042】
一実施形態における上面306上で,ベース102は,図3及び図4に示すように,ベース102に対して垂直(上向き)に突出する4つの略矩形の位置合わせノッチ支持部322a, 322b, 322c, 322dを備える。位置合わせノッチ支持部322a, 322b, 322c, 322dは,対応するコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312d上におけるコーナー部308a, 308b, 308c, 308dに配置され,4つの位置合わせノッチ324a, 324b, 324c, 324dと,対応する4つの垂直開口部330a, 330b, 330c, 330dを含む4つのスロット付きヒンジ部材404a, 404b, 404c, 404dの両者を収容する構成とされている。より具体的に,各位置合わせノッチ支持部322a, 322b, 322c, 322dの上部は,対応する位置合わせノッチ324a, 324b, 324c, 324dであり,これは,折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100を別の折り畳み式貯蔵及び輸送ユニット100上に積み重ねるために使用することができる。位置合わせノッチ324a, 324b, 324c, 324dは,後述するように,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bを直立位置に維持するために使用することができる。更に後述するように,位置合わせノッチ支持体322a, 322b, 322c, 322dの対向する面上には,対応する長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bに沿ってスロット付きヒンジ部材404a, 404b, 404c, 404dが配置され,これは,完全に平坦な形態における長辺壁パネル支持フレーム104a,104bをベース102の上方で旋回させるために使用することができる。
【0043】
また,一実施形態における上面306上で,ベース102は,図3及び4に示すように,ベース102に対して垂直(上向き)に延在する一対の長辺側ベース側壁326a, 326b及び一対の短辺側ベース側壁328c, 328dを更に備える。長辺側ベース側壁326a, 326bは,対応する長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bに沿って延在し,位置合わせノッチ支持部322a, 322b, 322c, 322d,4つのフレーム支持体406a, 406b, 406c, 406d及び2つのL字型中央支持部412a,412bを備える。短辺側ベース側壁328a, 328bは,長辺側ベース側壁326a, 326bにおける対応する位置合わせノッチ支持体322a, 322b, 322c, 322dの間で,対応する短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bに沿って延在し,4つの垂直開口部332a, 332b, 332c, 332dを含む4つのフレーム支持体408a, 408b, 408c, 408dを備える。一実施形態において,ベース102におけるフレーム支持体406a, 406b, 406c, 406d及び408a, 408b, 408c, 408dは,それぞれ頂部で開口し,内部に対して自由にアクセス可能である。代替的な実施形態では,フレーム支持体406a, 406b, 406c, 406d及び408a, 408b, 408c, 408dの頂部は,このアクセスを遮断するためにキャップが施される。と総体的に,ベース102における長辺側ベース側壁326a, 326b及び短辺側ベース側壁328a, 328bは,貨物エリア310と共に,上方に向けられた開口部を有する開放キャビティを規定する。長辺側ベース側壁326a, 326bの対は,上向きに延在する部分が中央に配置され,これにより長辺側壁パネル支持フレーム104a, 104bのための追加的な支持部を形成する構成とすることができる。
【0044】
図5及び図6に示す実施形態において,長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bは,その長さL1が短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bの長さS1よりも長い。他の実施形態において,長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bは,その長さL1が短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bの長さS1よりも短い。更に他の実施形態において,長辺側の平行な長手方向側面部300a, 300bは,長さL1が短辺側の平行な長手方向側面部302a, 302bの長さS1と等しく,したがってベース102は略正方形である。
【0045】
一実施形態におけるベース102の長辺側ベース側壁326a, 326bにつき,図3図5を参照して更に説明する。長辺側ベース側壁326a, 326bが互いに鏡像であるため,長辺側ベース側壁326aのみについて説明する。当業者であれば理解できる通り,長辺側ベース側壁326aの鏡像である長辺側ベース側壁326bは,基本的には同様の構成とされ,必要であれば適宜の修正が施される。
【0046】
ベース102における長辺側ベース側壁326aは,図5に示すように,コーナー部308b, 308cの間で,ベース102の上面306上における長辺側の平行な長手方向側面部300aの全長(長さL1)に沿って延在する。一実施形態において,長辺側ベース側壁326aは,ベース102のキャビティ内における貨物エリア310に対向するその内面上に,位置合わせノッチ324b, 324cを収めた位置合わせノッチ支持体322b, 322cと,スロット付きヒンジ部材404b,404cと,L字型の中央支持部412aを備える。位置合わせノッチ324b, 324cは,長辺側ベース側壁326aの各端部において,対応するコーナー部308b, 380cに配置されて様々な機能を奏することができる。例えば,第1の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100における位置合わせノッチ324b, 324cは,対応するソケット(図示せず)に受け入れられるように構成され,当該ソケットは,第1の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100上に積み重ねられた第2の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100におけるコーナー脚部312b, 312cの底面に配置されている。また,位置合わせノッチ324b, 324cは,対応する長辺壁パネル支持フレーム104aのノッチ受けソケット720a, 720b内に受け入れられて,例えば折り畳み式保管・輸送ユニット100が展開形態にある間に当該壁パネル支持フレーム104aを直立位置に維持するように構成されている。
【0047】
一実施形態において,長辺側ベース側壁326aの位置合わせノッチ支持体322b, 322dは,図3及び図4に示すように,スロット付きヒンジ部材404b, 404cを更に備える。スロット付きヒンジ部材404b,404cは,対応する垂直開口部330b及び330cを含み,これらは長辺側の周辺プレート400aに沿って反対方向に開口部を露出させている。より具体的には,スロット付きヒンジ部材404b,404cにおける垂直開口部330b及び330cは,それぞれ細長であり,位置合わせノッチ支持部322b, 322cにおける相互に対向する面に沿って垂直(長辺側ベース側壁326aに対して平行)に延在する。この構成により,ベース102におけるスロット付きヒンジ部材404b, 404cは,壁パネル110aを円筒ガイドピン1000a, 1000bによりガイドしながらベース102に対して旋回させて,対応する長辺壁パネル支持フレーム104aのスロット付きヒンジ部材800a, 800bに接続可能とするものである。これについては後述する。
【0048】
折り畳み式保管・輸送ユニット100が展開形態にある間に壁パネル110aを直立位置で支持するため,図4に示すように,長辺側のベース側壁326aは,ベース102のキャビティ内における貨物エリア310に対向するその内面上に,壁フレーム支持部406b, 406cを備える。一実施形態において,壁フレーム支持部406b, 406cは,略U字形態を規定し,その凹部が長辺側のベース側壁326aに対向して接触し,長辺側の周辺プレート400aからベース102に対して略垂直方向(上向き)に突出するする。また,フレーム支持部406b, 406cは,スロット付きヒンジ部材404b, 404cにおける垂直開口部330b, 330cの隣側において,ベース102における対応する位置合わせノッチ支持体322b, 322cに隣接している。
【0049】
別の実施形態において,L字型中央支持部412aは,倒立L字形態を規定し,その垂直突部は長辺側の周辺プレート400aから略垂直(上向き)に突出し,その水平接続突部は水平に突出して長辺側のベース側壁326aに接続する。L字型中央支持部412aは,U字型中央支持部318bの直上において,長辺側のベース側壁326aの中央に配置される。代替的に,L字型中央支持部412aは,長辺側のベース側壁326aを横切って延在させることもできる。
【0050】
一実施形態におけるベース102の短辺側ベース側壁328a,328bにつき,図3,4及び6を参照して更に説明する。短辺側ベース側壁328a, 328bが互いに鏡像であるため,短辺側ベース側壁328aのみについて説明する。当業者であれば理解できる通り,短辺側ベース側壁328aの鏡像である短辺側ベース側壁328bは,基本的には同様の構成とされ,必要であれば適宜の修正が施される。
【0051】
図6に示すように,ベース102における短辺側ベース側壁328aは,コーナー部308a, 308bの間で,ベース102の上面306上における短辺側の平行な長手方向側302aの長さS2に沿って延在する。一実施形態において,短辺側ベース側壁328aは,ベース102のキャビティ内における貨物エリア310に面する内面にフレーム支持部408a, 408bを備える。長辺側ベース側壁326aに関して,短辺側ベース側壁328aのフレーム支持体408a, 408bは,略U字形構成を規定し,それらの凹面部分が短辺側ベース側壁328aに対面接触し,短辺側の周辺プレート402aからベース102に対して略垂直方向(上向き)に突出する。短辺側ベース側壁328aの各端部に位置するフレーム支持体408a, 408bは,対応する長辺側ベース側壁326a, 326bの位置合わせノッチ支持体322a, 322bに隣接している。より具体的に,フレーム支持体408a, 408bは,対応する長辺側ベース側壁326bの位置合わせノッチ322aと,対応する長辺側ベース側壁326aの位置合わせノッチ322bに対して略垂直に配置される。
【0052】
別の実施形態において,折り畳み式保管・輸送ユニット100が折り畳み可能である場合,フレーム支持体408a, 408bの短辺側ベース側壁328aは,図3及び図4に示すように,スロット付きヒンジ部材410a, 410bを更に備える。スロット付きヒンジ部材410a, 410bは,対応する垂直開口部332a及び332bを含み,これらは,短辺側の周辺プレート402aに沿って反対方向にそれらの開口部を露出させている。より具体的に,スロット付きヒンジ部材410a, 410bにおける垂直開口332a及び332bは,それぞれフレーム支持体408a, 408bの相互に対向する面に沿って細長く,垂直(短辺側ベース側壁328aに対して平行)に延在する。この構成により,ベース102におけるスロット付きヒンジ部材410a, 410bは,壁パネル110dを円筒ピン(図示せず)によりガイドしながらベース102に対して旋回させて,対応する短辺壁パネル支持フレーム106aのスロット付きヒンジ部材1200a, 1200bに接続可能とするものである。これについては後述する。
【0053】
当業者であれば理解できる通り,フレーム支持部406a, 406b, 406c, 406d,長辺側ベース側壁326a, 326bにおけるL字型中央支持部412a, 412b,並びに短辺側ベース側壁328a, 328bにおけるフレーム支持部408a, 408b, 408c, 408dは,(例えば,折り畳み式保管・輸送ユニット100が展開形態にある間に)長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短壁支持フレーム106a, 106bを直立位置に支持するように構成されている。更に,展開形態にある第1の折り畳み式保管・輸送ユニット100におけるフレーム支持部406a, 406b, 406c, 406d, 408a, 408b, 408c, 408d及びL字型中央支持部412a, 412bは,第1の折り畳み式保管・輸送ユニット100上に積み重ねられる第2の折り畳み式保管・輸送ユニット100の重量を支持するように構成されている。
【0054】
当業者であれば理解できる通り,本開示において,長辺側ベース側壁326a, 326b(本明細書に記載される全ての構造及び機能を含む)は,一般的には,短辺側ベース側壁328a, 328b(本明細書に記載される全ての構造及び機能を含む)と入れ替えることによりベース102を形成する構成とすることができる。
【0055】
一実施形態における長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにつき,図7図10を参照して更に説明する。長辺壁パネルフレーム104a, 104bが互いに鏡像であるため,長辺壁パネルフレーム104aのみについて説明する。当業者であれば理解できる通り,長辺壁パネル支持フレーム104aの鏡像である長辺壁パネル支持フレーム104bは,基本的には同様の構成とされ,必要であれば適宜の修正が施される。
【0056】
一実施形態において,図7及び9に示すように,長辺壁パネル支持フレーム104aは略U字型のフレーム700を規定する。フレーム700は,壁パネル支持フレーム104aがベース102及び第2の外面に適切に取り付けられたときに貨物エリア302に向けられる第1の内面900と,内面900に対して反対側に位置する第2の外面902を有する。長辺壁パネル支持フレーム104aは,第1及び第2の端部704a, 704bを有する水平クロスメンバー702を含み,対応する第1及び第2の支柱部材706a, 706bがこれら端部から略直角(垂直)に突出することにより, 略U字型のフレーム700を,開放した中央部分(U字の内部)と共に規定する。
【0057】
所与の実施形態における支柱部材706, 706bは,一対の内側部710a, 710bと,これらの間に垂直に延びる一対の外側部708a, 708bを含む略矩形形態を規定する。ここに,外側部708a, 708b及び内側部710a, 710bは,中央で水平要素712a, 712bに接続され,最遠位部分でクロス部材702に対向する上側部714a, 714bに接続されている。外側部780a, 708b,内側部710a, 710b,水平要素712a, 712b及び上側部714a, 714bは,全体として,クロスメンバー702の対応部分において,長辺壁パネル支持フレーム104aにおける外面902上に4つのエンボス716を規定する。
【0058】
図8に示すように,水平クロス部材702の先端704a, 704bには,それぞれ支柱部材706a, 706bの外側部708a, 708bに接触するように,対応する第1及び第2のヒンジ受け要素718a, 718bが配置され,これらヒンジ受け要素には,対応する第1及び第2のスロット付きヒンジ部材800a, 800bが固定されている。一実施形態において,各スロット付きヒンジ部材800a, 800bは,長辺壁パネル支持フレーム104aを支持するよりにおける水平クロス部材702に接続する第1の水平セグメント802と,それぞれ対応する水平クロス部材702の端部704a, 704bから平行(下向き)に突出する第2の垂直セグメント804とを有する略L字型形態を規定する。図10に示すように,スロット付きヒンジ部材800a, 800bにおける各垂直セグメント804は,それぞれ,その最遠位の自由端に,円筒ガイドピン1000a, 1000b(ガイドピン1000bのみを示す)を受け入れるための穿孔部が設けられている。長辺壁パネル支持フレーム104aにおけるスロット付きヒンジ部材800aは,対応する長辺側ベース側壁326aのスロット付きヒンジ部材404bと係合するように構成され,他方,長辺壁パネル支持フレーム104aにおけるスロット付きヒンジ部材800bは,対応する長辺側ベース側壁326aのスロット付きヒンジ部材404cと係合するように構成される。スロット付きヒンジ部材800a, 800b及び404b, 404cは,スロット付きヒンジ部材800a, 800bにおける垂直セグメント804の穿孔部を通過して,ベース102におけるスロット付きヒンジ部材404b, 404cの垂直開口部330bに至る円筒ガイドピン1000a, 1000bによる支援の下で,旋回可能に接続される。当業者であれば理解できる通り,この構成により,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bは,ベース102に対して旋回可能にヒンジ接続されるものである。
【0059】
ベース102上で長辺壁パネル支持フレーム104aを直立位置(折り畳み式保管・輸送ユニットが展開形態にある間)に維持するのを支援するため,図7及び図8に示す実施形態におけるように,対応する長辺壁パネル支持フレーム104aの各外側部708a, 708bの底面に一対のノッチ受けソケット720a, 720bが設けられ,対応するヒンジ受け要素718a, 718bに隣接して配置される。ノッチ受けソケット720a, 720bは,長辺壁パネル支持フレーム104aにおける外側部708a, 708bに対して長手方向に面する対応する矩形開口部806a, 806bを備える。ノッチ受けソケット720a, 720bにおける矩形開口部806a, 806bは,対応するベース102の位置合わせノッチ324b, 324cを受け入れるように構成される。より具体的に,ヒンジ受け要素718a, 718bは,直立した長辺壁パネル支持フレーム104a(例えば展開形態にある)がスロット付きヒンジ部材800a, 800b及び404b, 404cの作用によりベース102に向けて下向き移動する間に,長辺側ベース側壁326aの位置合わせノッチ324b, 324cが対応するノッチ受けソケット720a, 720bの矩形開口部806a, 806b内に受け入れられるように,長辺側ベース側壁326aの位置合わせノッチ支持体322b, 322cによって必要とされる適切なオフセットを提供する。
【0060】
4つのフレームロック要素108a, 108b, 108c, 108dは,対応するベース102の各コーナー部308a, 308b, 308c, 308d上で,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106b上に設けられ,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを共にロックすることにより,折り畳み式保管・輸送ユニット100も展開形態でロックするように構成される。ロック要素108a, 108b, 108c, 108dは,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bのロックフック722a, 722b, 722c, 722dと,対応する短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bのフック受容ソケット1112a, 1112b, 1112c, 1112dを含む(明確性の見地から,ロックフック722b, 722c及びフック受けソケット1112a, 1112bのみを示す)。
【0061】
長辺壁パネル支持フレーム104aの場合,ロック要素108b, 108cは,対応するロックフック722b, 722cを含み,これらは,対応する支柱部材706a, 706b上で水平クロス部材702に対して最遠位の自由端部内面900上に配置される。ロックフック722b, 722cは,それぞれ支柱部材706a, 706bの内面900に接続された第1の水平セグメント904と,上面部714a, 714bに向けて平行(上向き)に突出する垂直セグメント906とを有する略L字型の形態を規定する。垂直セグメント906の各自由端部は,支柱部材706a, 706bから離れるように角度が付けられた端部908を含む。後述するように,長辺壁パネル支持フレーム104aにおけるロックフック722b, 722cは,直立した短壁支持フレーム106a, 106bがスロット付きヒンジ部材400b, 400c及び800a, 800bの作用によりベース102に向けて下向き移動する間に,直立した短壁支持フレーム106a, 106bにおいて対応するフック受容ソケット1112b, 1112cと係合するように構成される。この構成において,端部908は,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにおけるロックフック722a, 722b, 722c, 722dと,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにおけるフック受けソケット1112a, 1112b, 1112c, 1112dとの間の物理的結合を容易にするものである。
【0062】
図7及び図8に示すように,長辺壁パネル支持フレーム104aは,対応する支柱部材706a, 706bの外側部708a, 708bに沿って矩形切断孔724a, 724bを備える。長辺壁パネル支持フレーム104aにおける外面部902に配置された矩形切断孔724a, 724bは,対応して長辺壁パネル支持フレーム104bbにおける内面部900に配置されたロックフック722a, 722d,(図示せず)を受け入れるように構成される。より具体的に,図10に示すように,矩形切断孔724a, 724bは,長辺壁パネル支持フレーム104bにおけるロックフック722a, 722dに対して,折り畳み形態にある折り畳み式保管・輸送ユニット100の長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bを,傾斜を伴わない完全な平坦形態に折り畳み可能とする位置関係にある。当業者であれば理解できる通り,この構成は,折り畳まれた折り畳み式保管・輸送ユニット100上に別の折り畳み式保管・輸送ユニット100を,安定して積み重ね可能とするものである。
【0063】
一実施形態において,U字型フレーム700における開口した中央部分の内縁は,図7に示すように,9つの壁パネル受け孔726a, 726b, 726c, 726d, 726e, 726f, 726g, 726h, 726iを備える。壁パネル受け孔726a, 726bは,水平クロス部材702上に配置され(したがって上向き),それぞれ対応する支柱部材706a, 706bの内側部710a, 710bに隣接して配置され,対応する壁パネル110aの壁パネルピン1316a,1316bを受け入れるように構成される。動揺に,壁パネル受け孔726iも,水平クロス部材702上(上向き)に配置され,対応する壁パネル110aの壁パネルピン1316iを受け入れるように構成される。壁パネル受け孔726c, 726d, 726e, 726f, 726g, 726hは,それぞれ支柱部材706a, 706b及び支柱部材706a, 706bの上側部714a, 714bに隣接して,対応する内側部710a, 710b上に(すなわち水平に)配置され,対応する壁パネル110aの壁パネルピン1316c, 1316d, 1316e, 1316f, 1316g, 1316hを受け入れるように適合されている。後述するように,壁パネル受け孔726a, 726b, 726c, 726d, 726e, 726f, 726g, 726h, 726iは,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dを長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bに取り付けて固定するように構成されている。
【0064】
一実施形態において,一対の位置合わせノッチ728a, 728bは,折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100を展開形態にある別の折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100上に積み重ねるために,長辺壁パネル支持フレーム104aの支柱部材706a, 706bの上面部714a, 714bを更に備える(4つの位置合わせノッチ728a, 728b, 728c, 728dの全ては,図1及び図2に示されている)。長辺壁パネル支持フレーム104aにおける位置合わせノッチ728a, 728bは,それぞれ,対応する外側部708a, 708bに沿って位置合わせされ,支柱部材706a, 706bから離れる方向(上向き)に突出している。ベース102における位置合わせノッチ322a, 322b, 322c, 322dに関連して,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにおける位置合わせノッチ728a, 728b, 728c, 728dは対応するソケット(図示せず)を受け入れるように構成されており,これらのソケットは,別の折り畳み式保管・輸送ユニット100において対応するコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dの底面に配置されている。
【0065】
一実施形態における短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにつき,図11図13を参照して更に説明する。短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bが互いに鏡像であるため,短辺壁パネル支持フレーム106aのみについて説明する。当業者であれば理解できる通り,短辺壁パネル支持フレーム106aの鏡像である短辺壁パネル支持フレーム106bは,基本的には同様の構成とされ,必要であれば適宜の修正が施される。
【0066】
一実施形態において,短辺壁パネル支持フレーム106aは,図11及び図12に示すように,短辺壁パネル支持フレーム106aがベース102に対して適切に取り付けられたときに貨物エリア302に向けられる第1の内面1102と,対向する第2の外面1104を有する略U字形形態1100を規定する。短辺壁パネル支持フレーム106aは,第1及び第2の端部1108a, 1108bを有する水平クロス部材1106を備え,そこから,対応する第1及び第2の支柱部材1110a, 1110bが略垂直(鉛直方向)に突出して略U字型フレーム1100のU字形形態及び開放した中央部分(U字の内側)を規定する。 各支柱部材1110a, 1110bは略U字型であり,その凹面はベース102におけるキャビティ内の貨物エリア310に面している。一実施形態において,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにおける支柱部材1110a, 1110bは,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bの支柱部材706a, 706bよりも幅が狭い。代替的に,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bは,一般に,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bの支柱部材706a, 706bよりも幅広とすることができる。
【0067】
図11及び図12に示すように,水平クロス部材1106の各端部1108a, 1108bには,対応する第1及び第2のスロット付きヒンジ部材1200a, 1200bが取付けられている。
一実施形態において,各スロット付きヒンジ部材1200a, 1200bは略Z字型の形態を規定しており,短辺壁支持フレーム106aの水平クロスメンバー1106に接続する第1の水平セグメント1202と,水平セグメント1202aの第1端部から対応する支柱部材1110a, 1110bに沿って垂直(上向き)に突出する第2の垂直セグメント1204と,水平セグメント1202aの第2端部から対応する支柱部材1110a, 1110bとは逆向きに垂直(下向き)に突出する第3の垂直セグメント1206とを有する。スロット付きヒンジ部材1200a, 1200bの各垂直セグメント1206は,その最遠位の自由端で孔が設けられており,その中にガイド円筒ピン(図示せず)を受け入れる。短辺壁パネル支持フレーム106aにおけるスロット付きヒンジ部材1200aは,対応する短辺側ベース側壁328aのスロットヒンジ付き部材410aと係合するように構成され,他方,短辺壁パネル支持フレーム106aにおけるスロット付きヒンジ部材1200bは,対応する短辺側ベース側壁328aのスロット付きヒンジ部材410bと係合するように構成されている。スロット付きヒンジ部材1200a, 1200b及び410a, 410bは,ガイド円筒ピン(図示せず)の支援下で旋回可能に接続され,この円筒ピンは,スロット付きヒンジ部材1200a, 1200bにおける垂直セグメント1206の各孔を通過してスロット付きヒンジ部材410a, 410bにおける垂直開口部332a, 332bに至る配置とされている。当業者であれば理解できる通り,この構成は,短辺壁パネル支持フレームフレーム106a, 106bをベース102に対して旋回及び枢動可能に接続可能とするものである。
【0068】
ベース102上で長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにより短辺壁支持フレーム106a, 106bを直立位置(例えば,折り畳み式保管・輸送ユニットが展開形態にある間)に維持するため,短辺壁支持フレーム106a, 106bは,図7及び図9の実施形態におけるように,それぞれ支柱部材1110a, 1110bの外面1104上に一対のフック受けソケット1112a, 1112bを備える。フック受けソケット1112a, 1112bは,直立した短辺壁支持フレーム106aがスロット付きヒンジ部材410a, 410b及び1200a, 1200bの作用によりベース102に向かって下向き移動する間に,直立した長辺壁パネル支持フレーム104aにおける対応するロックフック904aと,直立した長辺壁パネル支持フレーム104bにおける対応するロックフック(図示せず)を受け入れるように構成される。当業者であれば理解できる通り,各垂直セグメント908a, 908bにおける角度付き端部910a, 910bは,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにおけるロックフック904a, 904bと,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにおけるフック受けソケット1112a, 1112bとの間の物理的結合を容易にするものである。
【0069】
長辺壁パネル支持フレーム104aについて上述したように,フレームロック要素108a, 108b, 108c, 108dは,折り畳み式保管・輸送ユニット100が展開形態でロックされるように,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bと,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを共にロックする。これに加えて,フレームロック要素108a, 108b, 108c, 108dは,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを直立位置に維持するものである。
【0070】
短辺壁パネル支持フレーム106aの場合,ロック要素108b, 108cは,対応するフック受けソケット1112a, 1112bを備え,これらのソケットは対応する支柱部材1110a, 1110bにおいて水平クロス部材1106に対して最遠位の自由端部内面1102に配置される。短辺壁パネル支持フレーム106aにおけるフック受けソケット1112a, 1112bは,支柱部材1110a, 1110bに沿って,水平クロス部材1106に向けて開放した略U字型の開口部1208a, 1208bを規定し,これらの開口部は,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにおける対応するロックフック722a, 722bを受け入れるように構成される。
【0071】
一実施形態において,短辺壁支持フレーム106a, 106bはフック受けソケット1112a, 1112b, 1112c, 1112dを備えると共に,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bはロックフック722a, 722b, 722c, 722dを備える。代替的に,短辺壁支持フレーム106a, 106bがロックフック722a, 722b, 722c, 722dを備えると共に,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bがフック受けソケット1112a, 1112b, 1112c, 1112dを備える構成とすることもできる。当業者であれば理解できる通り,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bを展開形態の短辺壁支持フレーム106a, 106bによりロック可能とするものであれば,任意形式のロック機構が使用可能である。
【0072】
U字型フレーム1100における開放した中央部の内縁は,図11の実施形態におけるように,一連の9つの壁パネル受け孔1114a, 1114b, 1114c, 1114d, 1114e, 1114f, 1114g, 1114h, 1114iを備える。壁パネル受け孔1114a, 1114bは,対応する支柱部材1112a, 1112bに隣接して水平クロス部材1106上(したがって上向き)に配置され,壁パネル110aにおいて対応する壁パネルピン1316a, 1316bを受け入れるように構成される。壁パネル受け孔1114iも,同様に水平クロス部材1106上(したがって上向き)に配置され,壁パネル110aにおいて対応する壁パネルピン1316iを受け入れるように構成される。壁パネル受け孔726c, 726d, 726e, 726f, 726g, 726hは,対応する支柱部材1112a, 1112bに隣接して,対応する支柱部材1110a, 1110bに沿って(したがって水平向きに)配置され,壁パネル110aにおいて対応する壁パネルピン1316c, 1316d, 1316e, 1316f, 1316g, 1316hを受け入れるように構成される。後述するように,壁パネル受け孔1114a, 1114b, 1114c, 1114d, 1114e, 1114f, 1114g, 1114h, 1114iは,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dをより短辺壁支持フレーム106a, 106bに取り付けて固定するものである。
【0073】
当業者であれば理解できる通り,本開示において,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b(本明細書に記載される全ての構造及び機能を含む)は,短辺壁支持フレーム106a, 106b(本明細書に記載される全ての構造及び機能を含む)と交換可能とすることができる。長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b又は短辺壁支持フレーム106a, 106bについては様々な構成を使用することができ,これには,例えば,倒立U字型フレーム(支柱部材の自由端がクロス部材に向けられたフレーム)や,正方形フレーム(壁パネル用に受け入れ可能な中空中央部を有する正方形フレーム)が含まれる。
【0074】
当業者であれば理解できる通り,開示されたスロット付きヒンジ部材は,最初にランダムな順序で短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを折り畳み,次にランダムな順序で長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bを折り畳むことが可能であるが,開示された全てのスロット付きヒンジ部材は,ベース102上で任意のランダムな順序で短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bのいずれか及び長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bのいずれかを折り畳めるように寸法及び形状を決定することができる。当業者であれば理解できる通り,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bをランダム又は非ランダムに旋回させて折り畳み式保管・輸送ユニット100を折り畳み可能とする限り,スロット付きヒンジやL字型スロット付きヒンジ部材を含めて任意形式のヒンジを使用することができる。
【0075】
更に,各長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び各短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bについて,2つのスロット付きヒンジが説明されているが,任意数のスロット付きヒンジを使用することができる。当業者であれば理解できる通り,スロット付きヒンジは,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106b及びベース102に対して様々な方法によって取り付け又は固定することができ,これにはリベット留め,ねじ込み及び溶接等が非限定的に含まれる。
【0076】
次に,4つの壁パネル110a, 110b, 110c, 110dにつき,図13図15に示す実施形態を参照して説明する。壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bにおける対応する支柱部材706a, 706bと,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにおける対応する支柱部材1110a, 1110bとの間で互換的に接続及び固定されるものであるため,壁パネル110a110aのみについて説明する。当業者であれば理解できる通り,他の3つの壁パネル110b, 110c, 110dは,必要であれば適宜の修正を施した上で,同様の構成とされる。
【0077】
所与の実施形態における壁パネル110aは,図13に示すように略矩形の形態を規定し,一対の平行な短辺側側面部1302a, 1302bの間で垂直に延在する一対の平行な長辺側側面部1300a, 1300bと,内面部1304,対向する外面部1306及び4つのコーナー部1308a, 1308b, 1308c, 1308dを備える。構造的剛性を付加するため,6つのエンボス1312a, 1312b, 1312c, 1312d, 1310e, 1310fを規定する5つの波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eも壁パネル110aの外面部1306に含まれている。壁パネル110a, 110b, 110c, 110dにおける5つの波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eは,異なる形状の貨物荷重やクライアントの要件及びニーズに対応するために,異なるパターン又は構成を有する設計に変更することができる。例えば,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dの現行の設計は,グリッド又はケージを形成するように重なり合い,又は交差する複数の部材からなるメッシュパターンとし,内部の貨物を露出させる背面パネルを設けた構成又は設けない構成に切り替えることができる。同様に,これらの部材は,互いに同じ向き及び寸法を有する構成とし,又は有しない構成とすることができる。当業者であれば理解できる通り,そのような修正が施された設計の壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,最初に記載された壁パネルと同様の要領で壁パネル支持フレーム104a, 104b, 106a, 106bに取り付けることができる。さらに,クライアントにより必要とされる場合,そのような修正が施された設計の壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,貨物エリア内まで延在する内向き延長部又はジグを含むことができる。その内向き延長部は,貨物エリアに対して規則的又は不規則な形状であり得る特定の貨物を運ぶために使用されるラックシステムを含むことができる。波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eは,長辺側の平行な側面部1300a, 1300bの間で短辺側の平行な側面部1302a, 1302bと平行に延在し,それらの凹面がベース102のキャビティ内における貨物エリア310に面する略U字型とされる。短辺側の平行な側面部1302a, 1302bと,5つの波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eは,一対の長辺側の平行な側面部1300a, 1300bの前面及び後面と重なる構成,又は重ならない構成とすることができる。
また,外面部1308には,対応する波形部材1310a, 1310b及び1310d, 1310eの間に延在する一対の水平クロス部材1314a, 1314bが設けられている。そのような平坦な水平クロス部材1314a及び1314bの対は,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dに沿ってよりも高い位置に配置され,ハンドルを形成するための内向き湾曲部を有する構成とすることができる。
【0078】
図示の実施形態において,各波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eは,互いに等距離で離間している。また,波形部材1310a, 1310eは,対応する短辺側の平行な側面部1302a, 1302bから等距離で離間されており,その距離は各波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eの間隔とは異なっている。代替的に,各波形部材1310a, 1310b, 1310c, 1310d, 1310eの相互間隔,並びに波形部材1312a, 1312e及び対応するより短辺側の平行な側面部1302a, 1302bの間隔は,等間隔又は異なる間隔とすることができる。
【0079】
図13に示すように,壁パネル110aは,その外周に一連の9つの壁パネルピン1316a, 1316b, 1316c, 1316d, 1316e, 1316f, 1316g, 1316h, 1316iを備え,これらの壁パネルピンは,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a,104bの壁パネル受け孔726a, 726b, 726c, 726d, 726e, 726f, 726g, 726h, 726iと,対応する短辺壁支持フレーム106a,106bの壁パネル受け孔114a, 1114b, 1114c, 1114d, 1114e, 1114f, 1114g, 1114h, 1114iに係合するように構成される。壁パネルピン1316a, 1316b,対応する壁パネル110aのコーナー部1308c, 1308dに配置されて,対応するより長辺側の平行な側面部1300bから垂直(下向き)に突出し,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bの壁パネル受け孔726a, 726b及び対応する短辺壁支持フレーム106a, 106bの壁パネル受け孔1114a, 1114bと係合するように構成される。さらに,壁パネルピン1316iは,壁パネル110aの壁パネルピン1316a, 1316bの間で対応する長辺側の平行な側面部1300bから垂直(下向き)に突出するように配置され,対応する長辺壁パネル支持104a, 104bの壁パネル受け孔726iと,対応する短辺壁支持フレーム106a, 106bの壁パネル受け孔1114iと係合可能に構成される。壁パネルピン1316c, 1316dは,対応するコーナー部1308a, 1308bに配置されて短辺側の長手方向側面部1302a, 1302bから垂直(横向き)に突出し,対応する長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bの壁パネル受け孔726c, 726d及び対応する短辺壁支持フレーム106a, 106bの壁パネル受け孔1114c, 1114dと係合するように構成される。当業者であれば理解できる通り,壁パネルピン1316a, 1316b, 1316c, 1316d, 1316e, 1316f, 1316g, 1316h, 1316iは,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dを長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁支持フレーム106a, 106bに取り付けるように構成される。壁パネルピン1316a, 1316b, 1316e, 1316f, 1316g, 1316h, 1316iも,同様に,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dの部材1300b, 1302a, 1302bに沿って,必要に応じて異なる数だけ配置することができる。壁パネルのピン1316a, 1316b, 1316e, 1316f, 1316g, 1316h, 1316iは,円形断面から長方形の先細断面に変更することができる。
【0080】
長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及びより短辺壁支持フレーム106a, 106bに固定可能とするために,壁パネル110aは,図13の実施形態におけるように,ばね負荷式の一対の固定ハンドル1318a, 1318bを更に備え,これらは外面部1306からアクセス可能であり,対応するコーナー部1308a, 1308bに配置される。ばね負荷式の固定ハンドル1318a, 1318bは,それぞれ略L字型の形態を規定し,対応する壁パネルピン1316c,1316dが最も遠位の自由端部に設けられた第1の水平セグメント1320と,ハンドル部分が設けられた第2の垂直セグメント1322を含む。水平セグメント1320は,長辺側の平行な側面部1300aに対して略平行であり,ハウジングブラケット1324と,短辺側の長手方向側面部1302a, 1302bにおける対応する孔を通過することによって,所定の位置に維持される。ばね負荷式の固定ハンドル1318a, 1318bは,必要に応じて,ばねを含まない同様の形状の機構と置換することができる。
【0081】
一実施形態において,水平セグメント1320は,ハウジングブラケット1324と,対応する短辺側の長手方向側面部1302a, 1302bとの間に配置されたコイルばね1326を含む。休止状態において,コイルばね1326は,対応する壁パネルピン1316c, 1316dが,対応する短辺側の平行な側面部1302a, 1302bから垂直(横向き)に突出するように,ばね負荷式の固定ハンドル1318a, 1318bにバイアスを作用させる。したがって,ばね負荷式固定ハンドル1318a, 1318にコイルばね1326の力とは逆向きの力(例えば,垂直セグメント1322のハンドルを使用する場合)が作用して,壁パネルピン1316c, 1316dを,壁パネル110a内における短辺側の長手方向側面部1302a, 1302b内まで引込ませることができる。他の実施形態において,ばね負荷式の固定ハンドル1318a, 1318bが休止状態にある間,垂直セグメント1322は,壁パネル110aの外面部1306に配置されたクリップ1328によってエンボス内の所定位置に固定され,そのエンボスは,波形部材1310a, 1310e及び短辺側の平行な側面部1302a, 1302bで形成されるものである。当業者であれば理解できる通り,壁パネルピン1316c, 1316dは,壁パネ110a, 110b, 110c, 110dを長辺壁パネル支持フレーム04a, 104b及び短辺壁支持フレーム106a, 106bに固定するように構成されている。
【0082】
壁パネル110aを取り付けて固定するためには,先ず,ばね負荷式の固定ハンドル1318a, 1318bにおける壁パネルピン1316c, 1316dを短辺側の長手方向側面部1302a, 1302b内に引込める。すると,壁パネル110aは長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b又は短辺壁支持フレーム106a, 106bに向けて下向きに移動して,そのU字型フレーム700, 1110の中央部に位置合わせされる。したがって,壁パネルピン1316a, 1316b, 1316e, 1316f, 1316g, 1316h, 1316iは,対応する壁パネル受け孔726a, 726b, 726e, 726f, 726g, 726h, 726i又は対応する壁パネル受け孔11114a, 1114b, 1114e, 1114f, 1114g, 1114h, 1114iと係合して,壁パネル110aをそれぞれ長辺壁パネル支持フレーム104a,104b又は短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bに取り付ける。
所定位置にあるとき,パネルピン1316c, 1316dは,コイルばね1326の作用下でその格納位置から移動して,長辺壁パネル支持フレーム104a,104bにおいて対応する壁パネル受け孔726c, 726d又は短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bにおいて対応する壁パネル受け孔1114c, 1114dに係合し,これにより壁パネル110aを固定する。動揺に,壁パネル受け孔726a, 726b, 726e, 726f, 726g, 726h, 726i, 1114a, 1114b, 1114e, 1114f, 1114g, 1114h, 1114iは,必要であれば,長辺壁パネル支持フレーム104a,104bの部材702, 710a, 710b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bの部材1110a, 1110b, 1106に沿って,図示のように多少は異なる位置に配置することができる。壁パネル受け孔の円形形状は,矩形テーパ付きの壁パネルピンを受け入れるためのスロット形状に変更することもできる。そのスロット形状は,壁パネル支持フレーム104a, 104b, 106a, 106bの前面まで延在させることができる。
【0083】
当業者であれば理解できる通り,任意形式の壁パネルピン及び壁パネル受け孔を使用することができ,これには壁パネルに配置された壁パネル受け孔や,支持フレームに配置された壁パネルピンが含まれる。また,各種形式のばね負荷式固定ピンも使用することができ,これには取り外し可能な固定ピンや,少なくとも1つの要素を揺動させて壁パネル支持フレームを固定する固定ピンが含まれる。
【0084】
全ての壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,図14に示すように長辺壁パネル支持フレーム104a,104bに対して,更には図15に示すように短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bに対して,交換可能に接続・固定することができる。他の実施形態において,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dのうちの少なくとも1つは,長辺壁パネル支持フレーム104a,104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bのうちの少なくとも1つに対して,交換可能に接続・固定することができる。更に他の別の実施形態において,少なくとも1つの交換可能に接続・固定できる壁パネルを除いて,残りの全ての壁パネルは,長辺壁パネル支持フレーム104a,104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bに対して恒久的に固定される。更に他の実施形態において,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,長辺壁パネル支持フレーム104a,104bに対しても,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bに対しても,交換可能に接続・固定できない構成とされる。すなわち,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは,いずれも折り畳み式保管・輸送ユニット100に対して恒久的に固定される。当業者であれば理解できる通り,壁パネル110a, 110b, 110c, 110dは互いに積み重ねることができ,また,保管・輸送ユニット100とは独立して輸送することができる。
【0085】
次に,図16図20に示す実施形態を参照して,折り畳み式保管・輸送ユニット100の折り畳み及び展開手順について説明する。
【0086】
図16図19に示す実施形態において,折り畳み式保管・輸送ユニット100は,先ず短壁パネル支持フレーム106a, 106bのいずれか1つをベース102上に折り畳み,次に長壁パネル支持フレーム104a, 104bのいずれか1つを短壁パネル支持フレーム106a, 106b上に折り畳むことによって折りたたむことができる。各短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bの折り畳み要領は同一であるため,短辺壁パネル支持フレーム106aの折り畳みについてのみ説明する。当業者であれば理解できる通り,短壁パネル支持フレーム106bについては,該当する場合には適宜の修正を施した上で,同様の説明が当てはまる。また,一般的には,折り畳み式保管・輸送ユニット100の展開要領は,該当する場合には適宜の修正を施した上で,上記とは逆の手順で行われる。
【0087】
短辺壁パネル支持フレーム106aを直立位置からベース102上で折り畳むため,短辺壁パネル支持フレーム106aは,一実施形態におけるように,スロット付きヒンジ部材410a, 410bの垂直開口332a, 332bの変位に対応する変位により,ベース102から離間する方向(上向き)に引き離す。その結果,短辺壁パネル支持フレーム106aのカバーする変位により,フック受けソケット1112a, 1112bを長辺壁パネル支持フレーム104aの対応するロックフック722b及び長辺壁パネル支持フレーム104bの対応するロックフック722aから取り外すために必要とされるクリアランスが提供される。次に,この上向き位置から短壁パネル支持フレーム106aを,ベース102のスロット付きヒンジ部材410a, 410b,短壁パネル支持フレーム106aのスロット付きヒンジ部材1200a, 1200b及びガイド円筒ピン(図示せず)の複合作用下で,ベース102に対して旋回させて貨物エリア310上に折り畳むことができる。
【0088】
他の実施形態において,各長辺壁パネル支持フレーム104a,104bの折り畳み手順は同一であるため,長辺壁パネル支持フレーム104aの折り畳み手順のみを説明する。当業者であれば理解できる通り,長辺壁パネル支持フレーム104bについても,該当する場合には適宜の修正を施した上で,同様の説明が当てはまる。
【0089】
長辺壁パネル支持フレーム104aを直立位置からベース102上で折り畳むため,長辺壁パネル支持フレーム104aは,一実施形態におけるように,スロット付きヒンジ部材404b, 404cの垂直開口332b, 332cの変位に対応する変位により,ベース102から離間する方向(上向き)に引き離す。その結果,長辺壁パネル支持フレーム104aのカバーする変位により,ノッチ受けソケット720a,720をベース102の対応する位置合わせノッチ324b, 324から取り外すために必要とされるクリアランスが提供される。次に,この上向き位置から,長辺壁パネル支持フレーム104aを,ベース102のスロット付きヒンジ部材404b, 404c,長辺壁パネル支持フレーム104aのスロット付きヒンジ部材800a, 800b及びガイド円筒ピン1000a, 1000bの複合作用下化で,ベース102に対して旋回させて短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bのいずれか1つ上に折り畳むことができる。折り畳み状態において,最初に折り畳まれた長辺壁パネル支持フレーム104a,104bのロックフック722a, 722b, 722c, 722dは,短壁パネル支持フレーム106a, 106bと短辺側ベース側壁328a, 328bのオフセットにより生成される,対応する自由空間内に受け入れられ,他方,2番目に折り畳まれたフレーム長辺壁パネル支持フレーム104a,104bのロックフック722a, 722b, 722c, 722dは,最初に折り畳まれた長辺壁パネル支持フレーム104a,104bの矩形切断孔724a, 724b内に受け入れられる。
【0090】
図20に示す実施形態において,折り畳み式保管・輸送ユニット100の折り畳み形態は,完全に平坦であり,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b,短辺壁パネル支持フレーム106a, 106b,及び壁パネル110b, 110c, 110dがベース102に対して略平行である。代替的に,折り畳み式保管・輸送ユニット100は,折り畳み式保管・輸送ユニット100が互いに積み重ね可能である限り,長辺壁パネル支持フレーム104a, 104b及び短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bが完全に平坦には折り畳まれず,ベース102に対してある角度をなす形態で折り畳まれる構成とすることができる。更に,図示の実施形態では,先ず短辺壁パネル支持フレーム106a, 106bを折り畳み,次に長辺壁パネル支持フレーム104a, 104bを折り畳むことにより,折り畳み式保管・輸送ユニット100全体を折り畳む構成とされる。
【0091】
図21及び図22に示す実施形態において。少なくとも2つの折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100のいずれかが折り畳み形態形態及び/又は展開形態にあるものとして,これら折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100の積み重ねについて説明する。一実施形態において,第1の折り畳み式保管・輸送ユニット2100は,第1及び第2の折り畳み式保管・輸送ユニット2100, 2102が図21に示す展開形態にある間に,第2の折り畳み式保管・輸送ユニット2102上に積み重ねることができる。この場合,折り畳み式保管・輸送ユニット2102における位置合わせノッチ728a, 728b, 728c, 728dは,対応する対応するソケット(図示せず)と係合して折り畳み式収納・輸送ユニット2100の位置合わせを支援することができ,これらのソケットは,折り畳み式保管・輸送ユニット2100におけるコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dの底面に配置されて,その横向き移動を防止する。
【0092】
別の実施形態において,第1の折り畳み式保管・輸送ユニット2200は,第1及び第2の折りたたみ式保管及び輸送ユニット2200, 2202のいずれも図22に示すように折り畳み形態にある間に,第2の折り畳み式保管・輸送ユニット2202上に積み重ねることができる。この場合,折り畳み式保管及び輸送ユニット2202における位置合わせノッチ324a, 324b, 324c, 324dは,対応するソケット(図示せず)と係合することによって,折り畳み式保管・輸送ユニット2200の位置合わせを支援することができ,これらのソケットは,折り畳み式保管・輸送ユニット2200における対応するコーナー脚部312a, 312b, 312c, 312dの底面に位置して,その横向き移動を防止する。当業者であれば理解できる通り,折り畳み形態の折り畳み式保管・輸送ユニットは,従来のクレートパレットと同様に使用することができ,したがって商品及び/又は貨物を外部環境に露出させることができる。
【0093】
他の実施形態において,第1の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100は,第1及び第2の折り畳み式保管・輸送ユニット100のいずれかが折り畳み形態及び/又は展開形態にある間に,第2の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100上に積み重ねることができる。この実施形態において,第1及び第2の折り畳み式保管・輸送ユニットは,それらのいずれか1つに対して少なくとも1つの壁パネル110a, 110b, 110c, 110dが取り付けられている状態で,互いに積み重ねることができる。代替的に,第1及び第2の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100は,いずれも貨物へのアクセスを容易にするために壁パネル110a, 110b, 110c, 110dが取り付けられず,したがって商品及び/又は貨物を外部環境に露出させる構成とされる。
この最後の構成は,例えば,貨物(例えば,植物,動物,家畜等)を閉鎖空間に保管及び/又は輸送することが望ましくない場合や,折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100の軽量化が望ましい場合に有用である。
【0094】
さらに他の実施形態において,ベース102のみ(折り畳み式保管・輸送ユニットの他の要素を含まない)又は任意の代替的なカバー/キャップ要素を折り畳み式保管・輸送ユニット上に積み重ねて天板部とすることができる。
【0095】
本実施形態は,2つの折り畳み式保管・輸送ユニット100の積み重ねを示すものであるが,当業者であれば理解できる通り,任意の数の折りたたみ式保管及び輸送ユニット100を,それぞれ折り畳み形態及び展開形態のいずれの形態であっても,互いに積み重ねることが可能である。
【0096】
当業者であれば理解できる通り,折り畳み式貯蔵・輸送ユニット100は,その全ての要素を含めて,鋼材から,あるいは任意の適切な金属合金材料又はポリマー材料(例えばプラスチック材料)から,任意の適切な製造技術により製造することができ,これには金属シートの成形,整形,接合及び溶接が非限定的に含まれる。
【0097】
以上の記載は,本発明者らが現時点で想定している特定の好適実施形態に関するものであるが,当業者であれば理解できる通り,本発明は,その広義の態様において,本明細書に記載の要素の機械的及び機能的な均等物も含んでいる。
(付記)
【0098】
付記1:
折り畳み式保管・輸送ユニットは:
・ 4つの端部を有する縁部で囲まれた貨物エリアを含むベースと:
・ ベースの端部に接続された4つの壁パネル支持部材を備え,各壁パネル支持部材は,少なくとも第1の支柱部材及び第2の支柱部材を含み,壁パネル支持部材は,折り畳み形態と展開形態との間で旋回可能であり,前記折り畳み形態では,壁パネル支持部材がベースの上に横たわると共に折り畳み式保管・輸送ユニットが折り畳み形態であり,前記展開形態では,第1の所与の壁パネル支持部材における第1の支柱部材と,第2の所与の壁パネル支持部材における第2の支柱部材が互いに隣接すると共にベースの対応する各端部からこれに対して略垂直に突出し;
・ 4つのロック手段を更に備え,各ロック手段は,第1のロック部材及び第2のロック部材を含み,第1のロック部材が,第1の壁パネル支持部材における第1の支柱部材上に配置され,第2のロック部材が,第2の壁パネル支持部材における第2の支柱部材上に配置され,第1のロック部材と第2のロック部材との間の物理的結合により,第1の壁パネル支持部材と第2の壁パネル支持部材が展開形態にロック可能であり;
第1の折り畳み式保管・輸送ユニットは,第2の折り畳み式保管・輸送ユニットに積み重ね可能である。
【0099】
付記2:
付記1に係る折り畳み式保管・輸送ユニットは,少なくとも1つの壁パネルを更に備え,該少なくとも1つの壁パネルは,任意の壁パネル支持部材における2つの対応する支柱部材間に接続可能である。
【0100】
付記3:
付記1又は2に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方における第1の折り畳み式保管・輸送ユニットが,折り畳み形態及び展開形態のいずれか一方における第2の折り畳み式保管・輸送ユニット上に積み重ね可能である。
【0101】
付記4:
付記2に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,前記折り畳み式保管・輸送ユニットは,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で輸送可能である。
【0102】
付記5:
付記2に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,前記折り畳み式保管・輸送ユニットは,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で輸送可能である。
【0103】
付記6:
付記2,4及び5のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ね可能である。
【0104】
付記7:
付記2及び4〜6のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ねられている状態で輸送可能である。
【0105】
付記8:
付記1〜7のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,4つの壁パネル支持部材は,それぞれU字型フレームを備える。
【0106】
付記9:
付記2及び4〜7のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,少なくとも1つの壁パネルはU字型フレーム内に受け入れられる。
【0107】
付記10:
付記1〜9のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,4つの壁パネル支持部材は,それぞれ少なくとも1つのヒンジを含む。
【0108】
付記11:
付記10に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,少なくとも1つのヒンジはスロット付きヒンジを含む。
【0109】
付記12:
付記10又は11に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,スロット付きヒンジは,前記4つの壁パネル支持部材をランダムな順序で折り畳むことのできる寸法及び形状とされている。
【0110】
付記13:
付記1〜12のいずれかに係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,第1のロック部材は雄型コネクタを含み,第2のロック部材は,その中に前記雄型コネクタを受け入れる寸法及び形状とした雌型コネクタを含む。
【0111】
付記14:
付記13に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,雄型コネクタは,少なくとも1つのスロット付きヒンジの垂直方向の変位によって雌型コネクタソケットと物理的に結合する。
【0112】
付記15:
付記13又は14に係る折り畳み式保管・輸送ユニットにおいて,雄型コネクタはフックを含み,雌型コネクタは前記フックの受けソケットを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2020年2月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み式保管・輸送ユニットであって:
・ 4つの端部を有する縁部で囲まれた貨物エリアを含むベースと:
・ ベースの端部に接続された4つの壁パネル支持部材を備え,各壁パネル支持部材は,いずれも同様の寸法とした対応する壁パネルを受け入れるように構成され,各壁パネル支持部材は,少なくとも第1の支柱部材及び第2の支柱部材を含み,壁パネル支持部材は,折り畳み形態と展開形態との間で旋回可能であり,前記折り畳み形態では,壁パネル支持部材がベースの上に横たわると共に折り畳み式保管・輸送ユニットが折り畳み形態であり,前記展開形態では,第1の所与の壁パネル支持部材における第1の支柱部材と,第2の所与の壁パネル支持部材における第2の支柱部材が互いに隣接すると共にベースの対応する各端部からこれに対して略垂直に突出し;
・ 4つのロック手段を更に備え,各ロック手段は,第1のロック部材及び第2のロック部材を含み,第1のロック部材が,第1の壁パネル支持部材における第1の支柱部材上に配置され,第2のロック部材が,第2の壁パネル支持部材における第2の支柱部材上に配置され,第1のロック部材と第2のロック部材との間の物理的結合により,第1の壁パネル支持部材と第2の壁パネル支持部材が展開形態にロック可能であり;
第1の折り畳み式保管・輸送ユニットは,第2の折り畳み式保管・輸送ユニットに積み重ね可能であり;
第1の折り畳み式保管・輸送ユニット及び第2の折り畳み式保管・輸送ユニットは,同様の寸法とした少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で互いに積み重ね可能であり,該少なくとも1つの壁パネルは,いずれかの壁パネル支持部材における2つの対応するポスト部材の間に取り付け可能であり;
所与の壁パネル支持部材に対応する壁パネルが取り付けられていない場合,該所与の壁パネル支持部材が,貨物エリアにおける対応する底部に対する水平方向からのアクセスを可能とする,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項2】
請求項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記折り畳み式保管・輸送ユニットが,少なくとも1つの壁パネルの存在下又は不存在下で輸送可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ね可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが,別の壁パネル上に積み重ねられている状態で輸送可能である,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記4つの壁パネル支持部材が,それぞれU字型フレームを備える,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項6】
請求項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つの壁パネルが前記U字型フレーム内に受け入れられる,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記4つの壁パネル支持部材が,それぞれ少なくとも1つのヒンジを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項8】
請求項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記少なくとも1つのヒンジがスロット付きヒンジを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項9】
請求項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記スロット付きヒンジは,前記4つの壁パネル支持部材をランダムな順序で折り畳むことのできる寸法及び形状とされている,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか一項に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記第1のロック部材は雄型コネクタを含み,前記第2のロック部材は,その中に前記雄型コネクタを受け入れ可能な寸法及び形状とした雌型コネクタを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項11】
請求項9に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記第1のロック部材は雄型コネクタを含み,前記第2のロック部材は,その中に前記雄型コネクタを受け入れ可能な寸法及び形状とした雌型コネクタを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記雄型コネクタが,前記スロット付きヒンジの垂直変位によって前記雌型コネクタと物理的に結合する,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【請求項13】
請求項10又は11に記載の折り畳み式保管・輸送ユニットであって,前記雄型コネクタがフックを含み,前記雌型コネクタが前記フックの受けソケットを含む,折り畳み式保管・輸送ユニット。
【国際調査報告】