(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532056(P2021-532056A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス及びその製造工程と用途
(51)【国際特許分類】
C03C 15/00 20060101AFI20211029BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20211029BHJP
H01L 31/048 20140101ALI20211029BHJP
【FI】
C03C15/00 Z
C03C19/00 A
C03C19/00 Z
H01L31/04 560
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2021-524085(P2021-524085)
(86)(22)【出願日】2019年4月28日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月12日
(86)【国際出願番号】CN2019084821
(87)【国際公開番号】WO2020124925
(87)【国際公開日】20200625
(31)【優先権主張番号】201811550749.8
(32)【優先日】2018年12月18日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521016092
【氏名又は名称】オプトン(シュンチャン)オプティクス シーオー., エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(72)【発明者】
【氏名】ルー,チャン
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ゾンカイ
(72)【発明者】
【氏名】ズー,ジカイ
【テーマコード(参考)】
4G059
5F151
【Fターム(参考)】
4G059AA06
4G059AA08
4G059AB03
4G059AB05
4G059AB09
4G059AC01
4G059AC02
4G059BB04
4G059BB11
5F151GA14
5F151JA03
(57)【要約】
【課題】 高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス及びその製造工程と用途
【解決手段】 高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスを提供し、その光沢度が110〜145であり、ヘイズが3〜10であり、鮮明度が90%〜99.5%となる。その正面は、平均の粗さが0.025μm〜0.050μmであるピットと凸起の不規則な凹凸鏡面であり、各ピットの平均弦長は、1.8μm〜10.0μmであり、ピットの底から凸起の上部までの平均深さは、0.2μm〜0.7μmである。各凸起の平均弦長は、0.1μm〜0.5μmである。その正面の250μm×250μmの領域を500倍の倍率で観察すると、800〜2500個の不規則な凸起があり、前記不規則な凸起は、マイクロ凸レンズの配列を形成している。サンドブラストのエッチングのプロセスにより、エッチングされたガラス正面の凸点の球面半径が小さくなり、マイクロ凸レンズの焦点距離が短くなり、光線の焦点がガラス表面に近づき、高画素表示デバイスの明るさを明るく均一にすると、フォーカスポイントのちらつきが肉眼で見えにくくなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光沢度が110〜145であり、ヘイズが3〜10であり、鮮明度が90%〜99.5%であり、その正面は、平均の粗さが0.025μm〜0.050μmであるピットと凸起の不規則な凹凸鏡面であり、各ピットの平均弦長は、1.8μm〜10.0μmであり、ピットの底から凸起の上部までの平均深さは、0.2μm〜0.7μmであり、各凸起の平均弦長は、0.1μm〜0.5μmであり、その正面の250μm×250μmの領域を500倍の倍率で観察すると、800〜2500個の不規則な凸起があり、前記不規則な凸起は、マイクロ凸レンズの配列を形成していることを特徴とする高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス。
【請求項2】
それは、フロントパネルを含み、前記フロントパネルの正面は、フロントカバープレートを設けられ、前記フロントカバープレートは、請求項1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスであることを特徴とするちらつきのない防眩の高画像表示画面。
【請求項3】
それは、フロントパネルを含み、前記フロントパネルは、請求項1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスであることを特徴とするちらつきのない防眩の高画像表示画面。
【請求項4】
それは、カバープレートを含み、前記カバープレートは、請求項1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスであり、前記エッチングされたガラスの鮮明度は、95%〜99.5%であり、透過率は、92%〜95%となることを特徴とする太陽電池モジュール。
【請求項5】
下記のステップを含み、
ステップ1)まず、処理する対象のガラス表面に不規則なアレイのマイクロ凸レンズを処理する対象でない部分には、酸に強く衝撃に耐える保護層を覆わせており;
ステップ2)サンドブラスト:弦長が0.5〜2ミクロンとなる砂粒と水を完全に混合して、マイクロナノ粒子を形成し、高圧の水砂スプレーガンを均等に動かし、マイクロナノ粒子を均一に酸に強く衝撃に耐える保護層で覆われていないガラスの表面にスプレーし、ここで前記高圧の水砂スプレーガンの圧力は、0.1〜0.3MPaであり、ガンのノズルからガラス面までの距離は、30〜180mmであり;
ステップ3)エッチング:サンドブラストしたガラスをエッチング液に入れて30秒〜120秒エッチングし;
ステップ4)洗浄:エッチングされたガラスを洗浄タンクに入れて洗浄し、酸に強く衝撃に耐える保護層を取り除いてから再び洗浄する、
ことを特徴とする請求項1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの製造工程。
【請求項6】
ステップ5)研磨を含み、洗浄されたガラスを研磨し、研磨後にそれを洗浄のために洗浄タンクに素早く入れることを特徴とする請求項4に記載の高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの製造工程。
【請求項7】
ステップ5)で使用される研磨装置は、ウールフェルト研磨ホイールであることを特徴とする請求項5に記載の高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの製造工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイデバイスの分野に関し、特に、高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス及びその製造工程と用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のAGガラスは、ディスプレイの外部からの光線がガラス表面に対して形成した光の反射に対応することに使用され、ただガラスに深さが2ミクロンから10ミクロンまでの凹凸を設けており、連続のピットが形成されていれば、基本的に外光の干渉を排除できる。特許文献1に記載されているディスプレイ装置用の防眩性ガラス板物品のように、粗面化を行っていた表面は、普通は以下を備える:算術平均の粗さRaが、0.01〜0.1μmであり、平均間隔RSmが1〜20μmの連続的な凹凸のある表面であり、また、表面に分散しており、入口部が円形で直径3〜20μm、しかも入口部からの深さが0.2〜1.5μmであるピット本体であり、粗面化を行っていた表面に対して、250μm×250μmの領域を観察すると、60〜600のピットがある。ガラスの粗面化効果を達成するために、この特許文献1は、さらに、明細書の第45のパラグラフで、#6000〜#8000の材料の粒子サイズは小さく、サンドブラストプロセスの効率が簡単に低下するため、溶射材料の粒径は、#1000〜#4000(すなわち、11.9μm〜3.1μm)が好ましく、より好ましくは、#1200〜#3000であることを教示する。しがしながら、ディスプレイの解像度が2Kから4K、8Kディスプレイが普及するにつれて、ディスプレイのピクセルはますます高密度になり、三色の光のピクセルピッチがますます近づき、ディスプレイ画面の表面ガラスは、従来のジェット粒径のサンドブラストで作製したエッチングガラスを使用していることから、光のちらつきが発生する。この雪片のような光のちらつきは、特に高速運転している車両、飛行機、宇宙船では、人間の目にとって非常に有害である。この種の光のちらつきは、まぶしい光を生成し、表示された画像を一目で見ることができなくなり、誤解や誤判断につながることとなる。移動するディスプレイにつれて、カーディスプレイでは、4Kおよび8Kの高画素ディスプレイが多数使用され、同様のサイズのディスプレイがより高いピクセルディスプレイを使用している場合、ガラス製ライトガイドの凸型焦点引火点がより明るくなり、画面のちらつきが激しくなり、害がより深刻になる。一方、端末製品はガラスカバーの透過率の93%以上を必要とするが、これは通常、ガラス表面にAR高透過率フィルムの層をコーティングすることで解決され、これにより、製品のコストが大幅に増加するだけでなく、コーティング材料や ガラスの材質が異なると光の屈折が発生して、ピクセル光の解像度に影響を及ぼす。また、ARコーティングされた製品は、屋外などの過酷な環境で使用すると、黄ばみや剥がれを引き起こす。フロートAGガラスの透過率は、一般的に88%から91%で、ゴリラガラスの透過率は、93%から94%と高いが、ガラスがAGによってエッチングされた後、ガラス表面の砂の表面は曇っており、従来の技術では完全に取り除くことができないため、エッチングされたガラスの透過率は元のガラスの透過率よりも低くなる。このため、ハイエンドディスプレイ市場では、高ピクセルディスプレイのちらつきをなくし、高解像度、高透過率、濁りがなく、良好なタッチの滑らかさで防眩機能を維持できる新しいタイプのエッチングガラス製品を早急に開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公告第201580051541.X号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、高い鮮明度でちらつきなしのエッチングガラスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的を達成するための技術的解決策は:光沢度が110〜145、ヘイズが3〜10、鮮明度が90%〜99.5%である高い鮮明度でちらつきなしのエッチングガラスを提供する。その正面は、平均の粗さが0.025μm〜0.050μmであるピットと凸起の不規則な凹凸鏡面であり、各ピットの平均弦長は、1.8μm〜10.0μmであり、ピットの底から凸起の上部までの平均深さは、0.2μm〜0.7μmである。各凸起の平均弦長は、0.1μm〜0.5μmである。その正面の250μm×250μmの領域を500倍の倍率で観察すると、800〜2500の不規則な凸起があり、前記不規則な凸起は、マイクロ凸レンズの配列を形成している。
【0006】
出願人の研究によると、サンドブラスト後のエッチングされたガラスの表面には、多数の不規則なピットと凸起が形成され、前記ガラス表面にある不規則なピットは、異なるサイズの平凹レンズのアレイを形成し、不規則な凸起は、異なるサイズのマイクロ凸レンズのアレイを形成する。薄い凸レンズは、収束効果があるため、高密度のピクセルからの平行光線がエッチングされたガラスを透過して上表面に入ると、凸起(即ち、マイクロ凸レンズ)に入り、軸上の点に集中しており、前記点がマイクロ凸レンズの焦点であり、エッチングされたガラスの凹凸面にある凸起が大きいほど、鮮明化後のマイクロ凸レンズの集光効果が強くなり、しかも焦点の引火点が明るくなる。凸起の直径が大きすぎると、焦点距離が長くなり、焦点がガラス表面を超えて非常に明るい引火点が形成され、肉眼で知覚される。アレイ式の凸起が大きく多すぎ、さらに交流ヘルツ周波数の変動がある場合、雪片のようなストロボ現象がディスプレイ画面に表示される。
【0007】
外来光線の反射に対応し、従来のエッチングされたガラスに防眩効果を実現するために、拡大した250μm×250μmの領域を観察すると、通常、その表面には60〜650のピットしかない。各ピットの弦長が長く、深さが深く、各凸起も弦長が長く、深さが深いため、マイクロ凸レンズの画素点への集束効果が大きい。本発明は、既存のディスプレイに使用できるエッチングガラスから始まって、ガラスのアンチグレア表面に、より密な超微細で不規則な浅いピットと短い凸起を処理することにより、小さな不規則な凸起は、類似のマイクロ凸レンズアレイを構成して、従来のAGエッチングガラスへの大きな凸起集束効果を弱める。それをディスプレイのフロントパネルやフロントカバープレートとして使用すると、画素点光源とガラス表面凸起の間の距離が短くなり、マイクロ凸レンズの焦点がもっとガラス表面に近づき、より多くのマイクロ凸レンズが追加されるため、高画像のディスプレイデバイスの輝度は、より明るく、より均一になり、スポットライトの弱さを減らした後、画面を見ても人間の目が光のちらつきを感じない。また、でこぼこの表面は、防眩効果を有って同時に鮮明性が高く、透過率は、93〜95%に達し、画像の鮮明度は、90%〜99.5%に達することができる。
【0008】
本発明の第2の目的は、ちらつきのない防眩の高画像表示画面を提供し、それは、フロントパネルを含み、前記フロントパネルは、本発明の目的に関わる高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスである。
【0009】
本発明の第3の目的は、ちらつきのない防眩の高画像表示画面を提供し、それは、フロントパネルを含み、前記フロントパネルの正面は、フロントカバープレートを設けられ、前記フロントカバープレートは、本発明の目的に関わる高い鮮明度でちらつきなしのエッチングガラスである。
【0010】
本発明の第2及び第3の目的によって実現される表示画面は、集密画像光のちらつきを防止するエッチングされたガラスを設けることを通って、内部の画像光線がガラスを通過するときに生成されたマイクロ凸レンズの集束効果を低減するだけでなく、雪片のようなちらつきを避けて、表面の防眩機能を確保しながら、近距離で画面を向いたときに顔の反射がはっきりしないため、さらに高精細度画像の鮮明さを強調して、高画像表示画面の高解像度表示効果を向上する。
【0011】
本発明の第4の目的は、太陽電池モジュールを提供し、それは、カバープレートを含み、前記カバープレートは、本発明の目的に関わる高い鮮明度でちらつきなしのエッチングガラスであり、前記エッチングガラスの鮮明度は、95%〜99.5%であり、透過率は、92%〜95%となる。本発明の目的に関わるエッチングガラスは、太陽電池モジュールのカバープレートとして使用されるため、それはカバープレートを超低日射反射率、超高日光透過率にすることができ、太陽電池モジュールの光利用率を向上させることができる。
【0012】
本発明の第5の目的は、本発明の目的に関わる高い鮮明度でちらつきなしのエッチングガラスの防眩処理プロセスを提供し、下記のステップを含む。
【0013】
1)まず、処理する対象のガラス表面に不規則なアレイのマイクロ凸レンズを処理する対象でない部分には、酸に強く衝撃に耐える保護層を覆わせる。
【0014】
2)サンドブラスト:弦長が0.5〜2ミクロンとなる砂粒と水を完全に混合して、マイクロナノ粒子を形成し、高圧の水砂スプレーガンを均等に動かし、マイクロナノ粒子を均一に酸に強く衝撃に耐える保護層で覆われていないガラスの表面にスプレーする、ここで前記高圧の水砂スプレーガンの圧力は、0.1〜0.3MPaであり、ガンのノズルからガラス面までの距離は、30〜180mmとなる;
【0015】
3)エッチング:サンドブラストしたガラスをエッチング液に入れて30秒〜120秒エッチングする;
【0016】
4)洗浄:エッチングされたガラスを洗浄タンクに入れて洗浄し、酸に強く衝撃に耐える保護層を取り除いてから再び洗浄する。
【0017】
さらに、それは、ステップ5)研磨も含む:洗浄されたガラスを研磨し、研磨後にそれを洗浄のために洗浄タンクに素早く入れる。
【0018】
さらに、ステップ5)で使用される研磨装置は、ウールフェルト研磨ホイールである。
【発明の効果】
【0019】
従来のAG加工技術は、主にドライスプレーまたはウェット加工を使用しており、ガラス表面を効率的に処理できる砂の粒径は11.9〜3.1μmであり、加工材料の粒径が大きく、衝撃により発生するピットも大きく、凸起も大きくなる。画素点光源が背面から放射される時、フォーカスポイントは、ディスプレイの表面よりも多いに高くなり、これによりフォーカスの強度が拡大して、眩しい凸レンズのフォーカスちらつきが発生し、しかも、従来技術の粗さ処理精度は、国際スケールの約N8度にしか到達できず、表面形状特性は、「半光沢面」にしか到達できない。本発明の第5の目的によって達成される防眩処理プロセスは、業界の技術的偏見を打ち破って、0.3〜2ミクロンの砂と水を使用して、完全に攪拌して混合し、高圧下で水と砂の混合物によって生成される慣性衝撃力を利用して、順次変位がガラスの外表面に当たるため、従来の乾式サンドブラストまたは湿式処理のサンドブラスト処理プロセスでは、非常に細かい砂のブラスト操作を実行できないという問題が解決され、表示画面の画像点のサイズに応じて、衝撃点ピットと凸起の密度、深さ、弦の長さを調整でき、それによって、体積がより小さくて密な不規則な凸起を取得し、エッチングされたガラスの凸起処の弦の長さを短縮する。また、精密な酸エッチング処理して、精密な時間制御と調整により、凸起の焦点距離が短くなり、凸起の焦点輝度が弱くなり、マイクロ凸レンズの焦点距離をもっとガラスの表面に近づけ、さらに、より多くのマイクロ凸レンズを追加したため、高画像のディスプレイデバイスの輝度は、より明るく、より均一になる。フォーカスポイントを減らして弱めた後は、フォーカスポイントのちらつきは、肉眼で見えにくくなる。同時に、外来の光線や太陽光がこれらのほぼ透明な凹面と凸面に当たると、AGガラスの防眩機能を維持するため、人間の顔の反射を弱めることができる。高画素ディスプレイにおける上記の内部光と外部光の干渉を排除した後、4K、8Kの高画質および超高画質の画像がより鮮明になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のディスプレイデバイスにおけるちらつきを生成する光学原理図であり、破線の波状セグメントは、従来のエッチングされたガラスの正面を表し、実線の波状セグメントは、本発明の実施形態で説明されている高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの正面を表す。
【0021】
【
図2】本発明の実施形態1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの構造概略図である。
【0022】
【0023】
【
図4】本発明の実施形態6によるちらつきのない防眩の高画像表示画面の結構を示す図である。
【0024】
【
図5】本発明の実施形態7によるちらつきのない防眩の高画像表示画面の結構を示す図である。
【0025】
【
図6】本発明の実施形態8に関わる太陽電池モジュールの結構を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0027】
実施形態1
【0028】
図2と
図3を示すように、それは、高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスであり、その光沢度(Gs)が110であり、ヘイズ(Haze)が10であり、鮮明度(DOL)が90%となる。その正面1は、平均の粗さ(Ra)が0.03μmであるピット11と凸起12の表面であり、各ピット11の平均弦長Dは、10μmであり、ピット11の底から凸起12の上部までの平均深さHは、0.7μmである。各凸起12の平均弦長Sは、0.5μmである。その正面の250μm×250μmの領域を500倍の倍率で観察すると、820の凸起12がある。
【0029】
実施形態1に記載された高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの防眩処理プロセスは、以下のステップを含む。
【0030】
1)まず、処理する対象のガラス表面に不規則なアレイのマイクロ凸レンズを処理する対象でない部分には、酸に強く衝撃に耐える保護層を覆わせる。
【0031】
2)サンドブラスト:弦の長さが2ミクロンの砂粒と水を完全に混合して、マイクロナノ粒子を形成し、高圧の水砂スプレーガンを均等に動かし、マイクロナノ粒子を均一に酸に強く衝撃に耐える保護層で覆われていないガラスの表面にスプレーする。前記高圧の水砂スプレーガンの圧力は、0.3MPaであり、ガンのノズルからガラス面までの距離は、180mmとなる;
【0032】
3)エッチング:サンドブラストしたガラスをエッチング液に入れて、120秒エッチングする;
【0033】
4)洗浄:エッチングされたガラスを洗浄タンクに入れて洗浄し、酸に強く衝撃に耐える保護層を取り除いてから再び洗浄する。
【0034】
5)研磨:ウールフェルト研磨ホイールで、洗浄されたガラスを研磨し、研磨後にそれを洗浄のために洗浄タンクに素早く入れる。
【0035】
実施形態2〜5
【0036】
実施形態2〜5は、実施形態1とは異なるプロセスパラメーターを採用して、下記の表1に示すように、エッチングされたガラスの技術パラメーターを取得する。
【0037】
比較例1〜3
【0038】
比較例1〜3は、既存のエッチングプロセスで準備されたエッチングガラスの技術パラメーターである。
【0039】
表1;
【0040】
[実施細則第26条によっての改正09.05.2019]
【表1】
【0041】
人間の目は、緑色光に対してより敏感であるため、本発明の実施形態1〜5及び比較例1〜3に記載のガラスの高画像表示画面を緑色画面に変換させて、観察した。実施形態1〜5は、ちらつき感がなく、比較例1〜3は、明らかにまぶしいちらつき感がある。
【0042】
従来の55インチ2Kスクリーンの寸法(単位:mm)は、1219(H)* 726(V)であり、画像間隔(単位:mm)は、0.21(W)* 0.63(H)である。86インチ高画質4Kスクリーンの寸法が、1913(H)* 1804(V)であり、画像間隔は、0.493(W)* 0.493(H)である。 98インチ8Kスクリーンの画像数量は、7680(H)* 4320(V)であり、画像間隔は、0.093(W)* 0.028(H)である。高画素画面の防眩ガラスの凸面鏡効果をなくして、雪片状のちらつきをなくすために、正面の250μm×250μmの領域を500倍の倍率で観察する場合に、4K画面の画素の表面に加工して、800〜1200個の凸起を設け、8K画面の画素の表面の表面に加工して、1000〜1500個の凸起を設ける必要がある。0.5〜2ミクロンの砂と水を使用して、完全に攪拌して混合し、高圧下で水と砂の混合物によって生成される慣性衝撃力を利用して、順次変位がガラスの外表面に当たるため、従来の乾式サンドブラストまたは湿式処理のサンドブラスト処理プロセスでは、非常に細かい砂のブラスト操作を実行できなかったという問題が解決され、表示画面の画像点のサイズに応じて、衝撃点ピットの密度、深さ、弦の長さを調整でき、さまざまなパラメータインデックスに応じて、より密で不規則な凸起で構成されたマイクロ凸レンズのアレイを取得する。エッチング工程は、サンドブラスト表面の白濁度を透明にさせ、サンドブラスト処理によって引き起こされた凹凸点の白濁度を解消するだけでなく、アレイ式の不規則なマイクロレンズの粒子サイズも保持でき、ガラス表面の濁りとヘイズが精密に排除されるため、ガラスの透過率を1〜2%向上でき、画像の鮮明度を95%〜99.5%に向上できる。これにより、イメージ画像点の解像度と鮮明さが向上する。
【0043】
実施形態6
【0044】
図4に示すように、ちらつきのない防眩の高画像表示画面を提供し、それは、フロントパネル10と画像点光源20を含み、前記フロントパネル10の正面は、実施形態1で説明した高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス30を設ける。
【0045】
図1に示すように、実線の波部は、本発明で実現される高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの正面1を表しており、画素点光源10から射出した光線は、前記前面1の凸起12を通ってK点に収束する。破線の波部は、従来のエッチングされたガラスの前面1 'を表しており、画素点光源10から射出した光線は、前記前面1'の凸起12 'を通ってK'点に集束する。伝統的にエッチングされたガラスは、3.1μmから11.9μmの大きな砂粒でサンドブラストするため、ガラスの表面には、本発明の前面1よりも大きな凸起12 'が形成され、それによって、焦点K'は、焦点Kよりもかなり高く、人間の目を刺激する雪片のようなストロボを生成する。本発明の焦点Kは、前面1に近づき、また、表面にマイクロ凸レンズが多く形成されているため、高画素表示装置の輝度が明るく均一になり、フォーカスポイントの弱まりを減らした後、肉眼ではフォーカスポイントのちらつきが見えにくくなる。
【0046】
実施形態7
【0047】
図5に示すように、ちらつきのない防眩の高画像表示画面を提供し、それは、フロントパネル101と画像点光源102を含み、前記フロントパネル101は、実施形態1で説明した高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスを設ける。
【0048】
実施形態8
【0049】
図6に示すように、太陽電池モジュール100であり、それは、カバープレート200を含み、前記カバープレート200は、本発明の実施形態3で説明した高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスであり、前記エッチングされたガラスの鮮明度は、96%であり、透過率は、95%となる。
【0050】
実際のプロセスでは、太陽電池モジュール表面のエッチングされたガラスは、その鮮明度が、95%〜99.5%であり、透過率が、92%〜95%となる。
【0051】
本発明の高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスを太陽電池モジュールのカバープレートとして利用され、これは、太陽光の反射率が非常に低いだけでなく、太陽光の透過率が非常に高いため、太陽電池の発電が大幅に向上する.
【0052】
上述したのは、本発明の好ましい実施形態である。しかしながら、本発明は、上記実施形態において説明したものに限定されるものではないが、本発明の明細書の内容によって、または他の関連する技術分野に直接または間接的に適用される任意の類似の変換は、同様に本発明の特許保護の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラスの正面
10画素点光源
11ピット
12凸起
Hピット11の底から凸起12の上部までの平均深さ
D各ピット11の平均弦長
S各凸起12の平均弦長
20画像点光源
30高い鮮明度でちらつきなしのエッチングされたガラス
100 太陽電池モジュール
101 フロントパネル
102 画像点光源
200 カバープレート
【国際調査報告】