【実施例】
【0102】
以下の実施例にて示されるような本発明の任意の組成物は、本発明の組成物の具体的な実施形態を示すものであり、本発明を限定するものではない。その他の変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者により実行されることができる。
【0103】
以下の試験方法を実施例で使用した。
(実施例1)
タイトジャンクション構造(すなわち、組織への化学的浸透を通常阻害するこれらの表面構造[例えば、膜又は薄膜バリア])によって潜在的に引き起こされる妨害を低減するために、ヒト上角膜3D組織におけるムチン分泌の誘導は、角膜組織の底部細胞層(すなわち、組織への化学的浸透を阻害するタイトジャンクション構造を有しない細胞層)を増殖培地中に浸漬するように、角膜組織をピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)を含有する増殖培地(すなわち、「処置」培地)と接触させることによって観察された。角膜組織の底部細胞層をピキア・アノマーラ発酵抽出物を含有する増殖培地と接触させることによって、抽出物は、任意のタイトジャンクション構造又は他の表面バリアを最初に通過する必要なく直接接触し、内側角膜組織内へと上方に移動することができ、角膜組織細胞へのピキア・アノマーラの改善された生物学的利用能をもたらす。
【0104】
1.56mg/mL及び1.95mg/mLの濃度のピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)を有するように処置した増殖培地中のヒト上角膜3D組織は、ヒト上角膜3D組織におけるMUC4遺伝子発現の増加を示した。
【0105】
上角膜3Dヒト組織は、MatTek Company(Ashland,MA,USA)から購入した。上角膜3Dヒト組織を受領して、製造元の使用説明書に従って、それらをMatTekアッセイ培地で一晩インキュベートした。上角膜3Dヒト組織を、1群当たり3つの組織を有する3つの処置群に分割した。ピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)を、処置群のうちの2つのヒト上角膜組織を含有する培養培地にそれぞれ添加して、それぞれ1.56mg/mL及び1.95mg/mLの培地濃度を得た。全ての処置群における上角膜組織を2日間インキュベートした。ピキア・アノマーラ発酵抽出物は、Silab(St.Viance,France)により供給された。2日後、ヒト上角膜3D組織を半分に切断し、組織の半分を、1部の2−メルカプトエタノールに対して100部のRLT緩衝液(RNeasy Miniキット(Qiagen,Valencia,CA)からなる350μLの溶解緩衝液中で溶解した。製造業者の取扱説明書に従ってRNeasy Miniキット(Qiagen,Valencia,CA)を使用して溶液からRNAを抽出し、RNAを25μLのRNaseを含まない水に溶出した。
【0106】
Applied Biosystems High Capacity Reverse Transcription Kit(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用して逆転写(RT)を実施した。ムチン−4(MUC4)用の商品名TAQMANで販売されている遺伝子発現アッセイ、ポリメラーゼ(RNA)IIポリペプチドA(POLR2A)、及びMaster Mixは、ThermoFisher Scientific(Bridgewater,NJ)から購入した。qPCR分析は、TaqMan(登録商標)Master Mix(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用して実施し、商品名QUANTSTUDIO 7 Flex System(ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)で販売されているリアルタイムPCRシステムで実行した。MUC4遺伝子の発現を、ヒトPOLR2Aハウスキーピング遺伝子の発現に対して正規化した。倍率変化を、未処置対照(UT)と比較して計算し、2段階2サンプルスチューデントt検定(Microsoft Office Excel 2007;Microsoft,Redmond,WA,USA)を実行した。結果を
図1に示した。培地中のピキア・アノマーラ発酵抽出物の濃度が増加すると、角膜組織細胞におけるMUC4の倍率変化が増加することを示した。「未処置」サンプルは、ピキア・アノマーラが培地に添加されていないことを除いて、本実施例に記載したものと同じように調製した。
【0107】
(実施例2)
0.39mg/mL、0.78mg/mL、1.56mg/mL、及び1.95mg/mLの濃度のピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)を含有するように処置した増殖培地中のヒトの上角膜3D組織は、ヒト上角膜3D組織におけるMUC4遺伝子発現の増加を示した。
*、p<0.05。
【0108】
上角膜3Dヒト組織は、MatTek Company(Ashland,MA,USA)から購入した。上角膜3Dヒト組織を受領して、製造元の使用説明書に従って、それらをMatTekアッセイ培地で一晩インキュベートした。上角膜3Dヒト組織を、1群当たり3つの組織を有する5つの処置群に分割した。ピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)を、処置群のうちの4つの培養培地にそれぞれ添加して、それぞれ0.39mg/mL、0.78mg/mL、1.56mg/mL、及び1.95mg/mLの培地濃度を得た。処置群の5つ全ての上角膜組織を2日間インキュベートした。ピキア・アノマーラ発酵抽出物は、Silab(St.Viance,France)により供給された。2日後、製造元のプロトコルに従って、ヒトムチン−1(CA15−3)酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キット(EHMUC1,ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用してムチン−1分泌を測定するために培養培地を回収した。活性を評価するために、比色変化は、マイクロプレートリーダ(SpectraMax M2E,Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)を使用して測定した。このアッセイは、標準的な酵素結合免疫吸着アッセイ法を採用するため、サンプル中のムチン−1濃度と比色変化との間に線形相関が存在する。標準曲線を生成して、x軸上のムチン−1濃度及びy軸上の吸光度を用いて、対応するムチン−1濃度を示した。結果を
図2に示した。培地中のピキア・アノマーラ発酵抽出物の環境濃度が増加すると、角膜組織細胞におけるムチン−1産生が増加することを示した。
【0109】
(実施例3)
PBS中の1.95mg/mL、7.8mg/mL、19.5mg/mL及び39mg/mLの濃度のピキア・アノマーラ抽出物を有する組成物は、角膜組織細胞に局所適用されたときに、ヒトの上角膜3D組織におけるムチン−1分泌の増加を示した。
*、p<0.05。
【0110】
上角膜3Dヒト組織は、MatTek Company(Ashland,MA,USA)から購入した。上角膜3Dヒト組織を受領して、製造業者の取扱説明書に従って、それらをMatTekアッセイ培地で一晩インキュベートした。上角膜3Dヒト組織を、1群当たり3つの組織を有する3つの処置群に分割した。4種類の濃度のピキア・アノマーラ発酵抽出物(ヒアルロジン)1.95mg/mL、7.8mg/mL、19.5mg/mL、及び39mg/mLを、リン酸緩衝水溶液(PBS)ビヒクル中に懸濁し、それぞれ、処置群のうちの4つの角膜上皮表面に局所適用した。5つの処置群全ての上角膜組織を2日間インキュベートした。ピキア・アノマーラ発酵抽出物は、Silab(St.Viance,France)により供給された。2日後、製造元のプロトコルに従って、ヒトムチン−1(CA15−3)酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)キット(EHMUC1,ThermoFisher Scientific,Bridgewater,NJ)を使用してムチン−1分泌を測定するために培養培地を回収した。活性を評価するために、比色変化は、マイクロプレートリーダ(SpectraMax M2E,Molecular Devices,Sunnyvale,CA,USA)を使用して測定した。このアッセイは、標準的な酵素結合免疫吸着アッセイ法を採用するため、サンプル中のムチン−1濃度と比色変化との間に線形相関が存在する。標準曲線を生成して、x軸上のムチン−1濃度及びy軸上の吸光度を用いて、対応するムチン−1濃度を示した。結果を
図3に示す。(キウイは、ピキア・アノマーラ発酵抽出物を代表するために
図2で使用される)。
【0111】
結果は、1.95mg/mL、7.8mg/mL、19.5mg/mL及び39mg/mLの濃度のピキア・アノマーラ抽出物(PBS中)を局所適用した後に、角膜組織細胞におけるムチン−1産生の増加が観察されたことを示す。
【0112】
実施例4及び5に示されるように、溶液を、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの産生/放出/送達/排出を誘導、促進、及び/又は改善する1種若しくは2種以上の化合物及び/又は抽出物を含むように調製することができる。
【0113】
(実施例4)
表1は、従来の混合技術を使用して、その構成成分を以下に記載されるように組み込むことができる、(配合物4A及び4Bに示すような)そのような配合物の構成成分を例示する。
【0114】
【表1】
* 280〜290mOsm/Kgの張度に調整
** pH7.2に調整
*** 100重量/重量%までの適量
【0115】
実施例4A〜4Bに関して、ヒアルロン酸ナトリウムは、CONTIPRO A.S.(DOLNI,DOBROUC,CZECH REPUBLIC)により供給することができる
【0116】
実施例4A〜4Bに関して、キウイ抽出物(ピキア・アノマーラ酵母抽出物)は、SILAB(SAINT VIANCE,FRANCE)により供給することができる。
【0117】
実施例4A〜4Bに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0118】
実施例4A〜4Bに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0119】
実施例4Aに関して、ポリエチレングリコール400は、Clariant Produkte(BURGKIRCHEN,GERMANY)により供給され得る。
【0120】
実施例4A〜4Bに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0121】
実施例4A〜4Bに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0122】
実施例4A〜4Bに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
【0123】
実施例4A〜4Bに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0124】
実施例4A〜4Bに関して、塩化カルシウム二水和物は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0125】
実施例4A〜4Bに関して、塩化マグネシウムは、KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0126】
実施例4A〜4Bに関して、ポリクオタニウム−42(33%水溶液)は、DSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA,USA)により供給することができる。
【0127】
実施例4A〜4Bに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
【0128】
実施例4A〜4Bに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USAにより供給することができる。
【0129】
実施例4A〜4Bに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
【0130】
溶液4Aは、以下のように調製することができる。
1.1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2.上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3.上記に、20.0gのキウイ抽出物を添加する。キウイ抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4.溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5.工程4の溶液に、2.0グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6.次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.5グラムのポリエチレングリコール400、6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7.混合を継続しながら、0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8.処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9.1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10.精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11.0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0131】
溶液4Bは、以下のように調製することができる。
1.1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2.上記に、20gのポリソルベート10及び100gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3.上記に、50gのキウイ抽出物を添加する。キウイ抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4.溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5.工程4の溶液に、1.5グラムのヒアルロン酸ナトリウムを添加する。溶液を混合して、ヒアルロン酸ナトリウムを完全に溶解させる。
6.次に、以下の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:6.0グラムのホウ酸、0.05グラムのホウ酸ナトリウム、1.0グラムの塩化カリウム、0.06グラムの塩化カルシウム二水和物、0.06グラムの塩化マグネシウム、及び0.0015グラムのポリクオタニウム42(水溶液)。
7.混合を続けながら、0.14グラムの塩化ナトリウム二水和物を添加し、かつ混合して溶解させる。
8.処方物の張度を求め、塩化ナトリウムで280mOsm/Kgに調整する。
9.1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸を用いて、処方物のpHを7.2のpHに調整する。
10.精製水USPを用いて溶液を1000.0グラムにし、かつ10分間混合して完全に均一にする。
11.0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0132】
(実施例5)
表2は、従来の混合技術を使用して以下に記載されるように成分を組み込むことができる、本発明の製剤(製剤5A及び5Bに示すような)の成分を示す。
【0133】
【表2】
* 280〜290mOsm/Kgの張度に調整
** pH7.2に調整
*** 100.00%体積までの適量
【0134】
実施例5A〜5Bに関して、キウイ抽出物(ピキア・アノマーラ酵母抽出物)は、SILAB(SAINT VIANCE,FRANCE)により供給することができる。
【0135】
実施例5A〜5Bに関して、ポリソルベート20は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0136】
実施例5A〜5Bに関して、ポリソルベート80は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0137】
実施例5A〜5Bに関して、ホウ酸は、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0138】
実施例5A〜5Bに関して、ホウ酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0139】
実施例5A〜5Bに関して、塩化ナトリウムは、Caldic(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
【0140】
実施例5A〜5Bに関して、塩化カリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0141】
実施例5A〜5Bに関して、ヒプロメロースE3 2910は、DOW CHEMICAL(PLAQUEMINE,LOUISIANA,USA)により供給することができる。
【0142】
実施例5A〜5Bに関して、グリセリンは、Emery Oleochemicals GmbH(DUSSELDORF,GERMANY)により供給することができる。
【0143】
実施例5A〜5Bに関して、リン酸二ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0144】
実施例5A〜5Bに関して、クエン酸ナトリウムは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0145】
実施例5A〜5Bに関して、乳酸ナトリウムは、乳酸ナトリウム(50%水溶液)としてMerck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0146】
実施例5A〜5Bに関して、グルコースは、Roquette Freres(LASTREM,FRANCE)により供給することができる。
【0147】
実施例5A〜5Bに関して、グリシンは、Merck KGaA(DARMSTADT,GERMANY)により供給することができる。
【0148】
実施例5A〜5Bに関して、アスコルビン酸は、DSM NUTRITIONAL Products(DRAKEMYRE,SCOTLAND,UK)により供給することができる。
【0149】
実施例5A〜5Bに関して、ポリクオタニウム42は、ポリクオタニウム42(33%水溶液)としてDSM BIOMEDICAL(BERKELEY,CA)により供給することができる。
【0150】
実施例5A〜5Bに関して、エデト酸二ナトリウムは、Merck NV/SA(OVERIJSE,BELGIUM)により供給することができる。
【0151】
実施例5A〜5Bに関して、1N水酸化ナトリウムは、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
【0152】
実施例5A〜5Bに関して、1N塩酸は、VWR(RADNER,PA,USA)により供給することができる。
【0153】
実施例5A〜5Bに関して、亜塩素酸ナトリウム二水和物は、Oxychem(WICHITA,KS,USA)により供給することができる。
【0154】
溶液5Aは、以下のように調製することができる。
1.1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2.上記に、10gのポリソルベート80及び30gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3.上記に、10.0gのキウイ抽出物を添加する。キウイ抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4.溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5.上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
6.次に次の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.10グラムのエデト酸二ナトリウム、0.030グラムのポリクオタニウム−42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
7.溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
8.溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
9.溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
10.0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0155】
溶液5Bは、以下のように調製することができる。
1.1500mLビーカーに、800グラムの精製水USPを添加する。
2.上記に、10gのポリソルベート80及び50gのポリソルベート20を添加する。両者が十分混合及び溶解するまで、溶液を混合する。
3.上記に、20.0gのキウイ抽出物を添加する。キウイ抽出物が溶解するまで溶液を混合する。
4.溶液を0.45マイクロメートルのフィルタを通して濾過し、1500mLビーカーに戻す。
5.上記に、1.98gのヒプロメロースE3 Premiumを添加する。ヒプロメロースE3 Premiumが溶解するまで溶液を混合する。
6.次に次の成分を順次添加し、次のものを添加する前に各々を溶解させる:2.50グラムのグリセリン、4.0グラムのホウ酸、0.22グラムのホウ酸ナトリウム、0.27グラムのリン酸二ナトリウム、4.00グラムのクエン酸ナトリウム二水和物、1グラムの塩化カリウム、0.57グラムの乳酸ナトリウム(50%水溶液)、0.13グラムの塩化マグネシウム、0.036グラムのグルコース、0.0002グラムのグリシン、0.0001グラムのアスコルビン酸、0.05グラムのエデト酸二ナトリウム、0.015グラムのポリクオタニウム−42(33%水溶液)、及び0.14グラムの亜塩素酸ナトリウム。
7.溶液の張度を求め、かつ塩化ナトリウムで280mOsmに調整する。
8.溶液のpHを測定し、かつ1N水酸化ナトリウム及び/又は1N塩酸で7.2に調整する。
9.溶液を精製水で1,000.00グラムの体積にし、かつ10分間混合する。
10.0.22マイクロメートルのフィルタを用いて溶液を濾過する。
【0156】
本発明の実施形態
1.眼を治療するための組成物であって、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物。
【0157】
2.ピキア属が、ピキア・アノマーラ、ピキア・ギリエルモンディ、ピキア・ノルベジェンシス、ピキア・オーメリ、及びこれらの混合物から選択される、実施形態1(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0158】
3.ピキア属が、ピキア・アノマーラである、実施形態1及び/又は2(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0159】
4.ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、組成物全体の約0.01重量%〜約100重量%の濃度で存在する、実施形態1〜3のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0160】
5.ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、組成物全体の約0.05重量%〜約95重量%の濃度で存在する、実施形態1〜4のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0161】
6.ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、組成物全体の約0.1重量%〜約90重量%の濃度で存在する、実施形態1〜5のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0162】
7.透過促進剤を含む、実施形態1〜6のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0163】
8.透過促進剤が、組成物全体の約0.01%(w/v)〜約20%(w/v)の濃度で存在する、実施形態1〜7のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0164】
9.透過促進剤が、組成物全体の約0.1%(w/v)〜10%(w/v)の濃度で存在する、実施形態1〜8のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0165】
10.透過促進剤が、組成物全体の約0.25%(w/v)〜5%(w/v)の濃度で存在する、実施形態1〜9のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0166】
11.透過促進剤が、ポリオキシエチレン、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、フシジン酸及びその誘導体、EDTA、EDTA二ナトリウム、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリココール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、サポニン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸アンモニウム、デカメトニウム、臭化デカメトニウム、及び臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、又は上記のうちのいずれかの混合物から選択される、実施形態1〜10のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0167】
12.ピキア属の抽出物が、約180〜約800,000Daの重量平均分子量を有するオリゴ糖及び多糖類を含む、実施形態1〜11のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0168】
13.ピキア属の抽出物が、DP1〜DP4444の平均重合度を有するオリゴ糖及び多糖類を含む、実施形態1〜12のいずれか1つ若しくはこれらの組み合わせ(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の組成物。
【0169】
14.組成物を投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でムチンを産生/放出/送達/排出するための方法であって、組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0170】
15.ピキア属が、ピキア・アノマーラ、ピキア・ギリエルモンディ、ピキア・ノルベジェンシス、ピキア・オーメリ、及びこれらの混合物から選択される、実施形態14(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0171】
16.ピキア属が、ピキア・アノマーラである、実施形態14及び/又は15(又は以下の実施形態のいずれか)に記載の方法。
【0172】
17.組成物を投与する工程を含む、涙液中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムまでの範囲内に維持するための方法であって、組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0173】
18.眼、患者に組成物を局所投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出を有する患者を治療するための方法であって、組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0174】
19.組成物を投与する工程を含む、患者の眼の中かつ/又は眼の上の創傷の治癒を促進するか又は治癒速度を増加させるための方法であって、組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0175】
20.組成物を投与する工程を含む、患者の涙液における抗菌特性を改善するための方法であって、組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
【0176】
〔実施の態様〕
(1) 眼を治療するための組成物であって、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)眼科的に許容可能な担体と、を含む、組成物。
(2) 前記ピキア属が、ピキア・アノマーラ、ピキア・ギリエルモンディ、ピキア・ノルベジェンシス、ピキア・オーメリ、及びこれらの混合物から選択される、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記ピキア属が、ピキア・アノマーラである、実施態様2に記載の組成物。
(4) 前記ピキア属の前記1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、前記組成物全体の約0.001重量%〜約100重量%の濃度で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(5) 前記ピキア属の前記1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、前記組成物全体の約0.005重量%〜約95重量%の濃度で存在する、実施態様1に記載の組成物。
【0177】
(6) 前記ピキア属の前記1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源が、前記組成物全体の約0.01重量%〜約90重量%の濃度で存在する、実施態様1に記載の組成物。
(7) 透過促進剤を含む、実施態様1に記載の組成物。
(8) 前記透過促進剤が、前記組成物全体の約0.01%(w/v)〜約20%(w/v)の濃度で存在する、実施態様7に記載の組成物。
(9) 前記透過促進剤が、前記組成物全体の約0.1%(w/v)〜10%(w/v)の濃度で存在する、実施態様8に記載の組成物。
(10) 前記透過促進剤が、前記組成物全体の約0.25%(w/v)〜5%(w/v)の濃度で存在する、実施態様9に記載の組成物。
【0178】
(11) 前記透過促進剤が、ポリオキシエチレン、脂肪酸のポリオキシエチレンエーテル、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、フシジン酸及びその誘導体、EDTA、EDTA二ナトリウム、コール酸、デオキシコール酸、グリココール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、グリココール酸塩、デオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、サポニン、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸アンモニウム、デカメトニウム、臭化デカメトニウム、及び臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、又は上記のうちのいずれかの混合物から選択される、実施態様7に記載の組成物。
(12) 前記ピキア属の抽出物が、約180〜約800,000Daの重量平均分子量を有するオリゴ糖及び多糖類を含む、実施態様1に記載の組成物。
(13) 前記ピキア属の抽出物が、DP1〜DP4444の平均重合度を有するオリゴ糖及び多糖類を含む、実施態様1に記載の組成物。
(14) 組成物を投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でムチンを産生/放出/送達/排出するための方法であって、前記組成物が、
iii)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
iv)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(15) 前記ピキア属が、ピキア・アノマーラ、ピキア・ギリエルモンディ、ピキア・ノルベジェンシス、ピキア・オーメリ、及びこれらの混合物から選択される、実施態様14に記載の方法。
【0179】
(16) 前記ピキア属が、ピキア・アノマーラである、実施態様15に記載の方法。
(17) 組成物を投与する工程を含む、涙中のMU5ACの濃度をタンパク質1ミリグラム当たり8ナノグラム以上15ナノグラムの範囲内に維持するための方法であって、前記組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(18) 眼、患者に組成物を局所投与する工程を含む、角膜からかつ/又は角膜内でのムチンの減少した又は低レベルの産生/放出/送達/排出を有する患者を治療するための方法であって、前記組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(19) 組成物を投与する工程を含む、患者の眼の中かつ/又は眼の上の創傷の治癒を促進するか又は治癒速度を増加させるための方法であって、前記組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。
(20) 組成物を投与する工程を含む、患者の涙における抗菌特性を改善するための方法であって、前記組成物が、
i)ピキア属の1種若しくは2種以上の抽出物又は抽出物源と、
ii)任意選択的に、眼科的に許容可能な担体と、を含む、方法。