【実施例】
【0084】
以下の実施例を通じて本発明をより詳しく説明する。これらの実施例は本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
下記表1の化合物を以下の実施例1〜実施例19による方法により製造した。
【0086】
【表1】
【0087】
本発明の化合物を合成するための出発物質の場合、多様な合成法が知られており、前記出発物質が市販されている場合は供給先から購入して使用可能である。試薬供給先としては、Aldrich、Sigma、TCI、Wako、Kanto、Fluorchem、Acros、Alfa、Flukaなどの会社があるが、これに限定されるものではない。
【0088】
本発明の化合物は、下記の一般的な方法および過程を用いて簡単に利用可能な出発物質から製造できる。典型的なまたは好ましい工程条件(つまり、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力)などとしては、別途に言及しない限り、他の工程条件も使用可能である。最適な反応状態は、使用された特定の反応物または溶媒に応じて変化できるが、その状態は通常の最適化過程によって本技術分野における熟練者によって決定可能である。
【0089】
以下、前記実施例1〜実施例19の製造方法について記述する。
【0090】
(製造例1)下記の反応式1に開示された方法により、実施例1、2、3、12、13、14、15、18および19の化合物を合成した。
【0091】
【化7】
【0092】
実施例1:(R)−1−(3,4−(ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YOK−1106)の製造
(段階1)3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノール(1102)の製造
ジクロロメタン(15ml)を3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101、1.00g、3.0mmol、1当量)に入れて溶解した後、mCPBA(0.78g、4.5mmol、1.5当量)を反応物に入れて、室温で4時間撹拌する。反応物にエチルアセテートを入れて希釈した後、炭酸ナトリウム飽和水溶液を入れて洗った後、有機層を分液する。有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸ナトリウムで脱水して減圧ろ過する。ろ過した溶液を濃縮した後、再びメタノール(10ml)に溶解した後、6N NaOHを入れて、30分間室温で撹拌する。反応物に4N HCl溶液を入れた後、30分間さらに撹拌する。反応物にエチルアセテート(50ml)を入れて希釈した後、塩水で洗い落とし、次いで、無水硫酸ナトリウムを入れて脱水および減圧ろ過する。ろ過した溶液を濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテートの比率=7/3)で精製して、3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノール(1102、0.87g、収率90%)を得た。
【0093】
1H−NMR(CDCl
3,300MHz):δ7.25−7.42(m,10H),6.80(d,1H,J=9.0Hz),6.48(d,1H,J=3.0Hz),6.29(dd,1H,J=3.0 and 9.0 Hz),5.08(d,4H,J=15Hz),4.55(s,1H);ESI−MS m/z:307.25[M+H]
+。
【0094】
(段階2)R−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103)の製造
3,4−ジベンジルオキシフェノール(1102、306mg、1.0mmol)をエタノール(10ml)に希釈した後、KOH水溶液(KOH66mg、1.2mmol、1ml)と(R)−2−(クロロメチル)オキシラン(410ul、5.0mmol)を順次に添加する。反応物を室温で5時間撹拌した後、有機溶媒を減圧して除去する。濃縮された反応物を再びエチルアセテートで希釈した後、水で洗い、次いで、塩水で洗った後、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧ろ過する。ろ過した有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、純粋なR−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103、297mg、収率82%)を得た。ESI−MS m/z:363.5[M+H]
+。
【0095】
(段階3)R−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103、9mg、25nmol)を無水エタノール(1ml)で希釈した後、2−アミノエタン−1−オール(7.6μL、125nmol)を添加し、4時間室温で撹拌する。TLCで反応を確認した後、反応溶媒を減圧濃縮し、濃縮された反応物に水を入れてジクロロメタン((3×5mL)で抽出する。抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧ろ過する。ろ過した有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=19:1)で精製して、(R)−1−(3,4−(ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YOK−1106、9.0mg、収率85%)を得た。
【0096】
1H NMR(CDCl
3,300MHz):Δ7.42−7.40(m,2H),7.33−7.27(m,8H),6.82(d,1H,J=9.0Hz),6.42(d,1H,J=3.0Hz),6.28(dd,1H,J=3.0 and 9.0Hz),5.09(d,1H,J=12.9Hz),5.06(s,2H),4.93(d,1H,J=12.9Hz),4.35−4.25(m,1H),3.94(dd,1H,J=3.6 and 9.9Hz),3.89−3.72(m,3H),3.34(T,1H,J=11.4Hz),2.93(brS,2H),2.80(d,1H,J=10.8Hz);ESI−MS m/z:424.67[M+H]
+。
【0097】
実施例2:(R)−1−(3,4−(ビス((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−1)の製造
3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス((4−クロロベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(1101−1)を出発物質として用いて、実施例19の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−(ビス((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−1)を合成した。
【0098】
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)2.59(m,4H),3.45(s,2H),3.81(m,3H),4.50(B,1H),4.85(B,1H),5.01(s,2H),5.11(s,2H),6.42(dd,J=8Hz and 2.8Hz,1H),6.66(d,J=2.8Hz,1H),6.92(d,J=8Hz,1H),7.42(s,4H),7.45(s,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
25H
27Cl
2NO
5[M+H]
+493.90 Found 492.39
【0099】
実施例3:(R)−1−(3,4−(ビス((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−2)の製造
3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス((4−フルオロベンジル)オキシ)ベンズアルデヒド(1101−2)を出発物質として用いて、実施例19の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−(ビス((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−2)を合成した。
【0100】
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm)2.82(m,4H),3.69(T,J=5.2Hz,2H),3.91(m,2H),4.05(m,1H),5.00(s,2H),5.06(s,2H),6.41(m,1H),6.58(d,J=2.8Hz,1H),6.84(d,J=8Hz,1H),7.03(m,4H),7.37(m,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
25H
27F
2NO
5[M+H]
+461.0 Found 459.49。
【0101】
実施例12:(R)−1−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1104)の製造
実施例1の製造段階3において、2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いて、(R)−1−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1104)を合成した。
【0102】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.12(d,J=6Hz,6H),2.81(m,5H),3.88(d,J=3Hz,2H),4.04(m,1H),5.09(d,J=15Hz),6.38(dd,J=9Hz and 3Hz,1H),6.59(s,1H),6.85(d,J=9Hz,1H),7.35(m,10H;ESI−MS Calcd m/z for C
26H
31NO
4[M+H]
+422.42 Found 421.54。
【0103】
実施例13:(R)−1−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−2204)の製造
実施例1の製造方法のうち、段階1における3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ジフェネトキシベンズアルデヒド(2201)を出発物質として用いたことと、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いたことを除けば、実施例1の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−2204)を合成した。
【0104】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.17(d,J=6Hz,6H),2.79(dd,J=9Hz and 3Hz,1H),2.95(m,2H),3.08(m,4H),3.34(B,2H),3.89(m,2H),4.13(m,5H),6.37(dd,J=6Hz and 3Hz,1H),6.52(d,J=3Hz,1H),6.78(d,J=9Hz,1H),7.25(m,10H);ESI―MS Calcd m/z for C
28H
35NO
4[M+H]
+451.00 Found 449.59。
【0105】
実施例14:(R)−1−(3,4−ビス(3−フェニルプロポキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−3304)の製造
実施例1の製造方法のうち、段階1における3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス(3−フェニルプロポキシ)ベンズアルデヒド(3301)を出発物質として用いたことと、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いたことを除けば、実施例1の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−ビス(3−フェニルプロポキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−3304)を合成した。
【0106】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.21(d,J=6Hz,6H),2.12(m,4H),2.83(T,J=9Hz,5H),3.01(m,2H),3.30(B,3H),3.93(m,6H),4.18(m,1H),6.38(dd,J=6Hz and 3Hz,1H),6.52(d,J=3Hz,1H),6.80(d,J=9Hz,1H),7.25(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
30H
39NO
4[M+H]
+479.09 Found 477.65。
【0107】
実施例15:(R)−1−(3,4−ビス(4−フェニルブトキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−4404)の製造
実施例1の製造方法のうち、段階1における3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス(4−フェニルブトキシ)ベンズアルデヒド(4401)を出発物質として用いたことと、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いたことを除けば、実施例1の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−ビス(4−フェニルブトキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−4404)を合成した。
【0108】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.26(dd,J=6Hz and 3Hz,8H),1.81(m,7H),2.66(T,J=6Hz,4H),2.85(m,1H),3.06(m,2H),3.46(B,2H),3.93(m,6H),4.24(m,1H),6.36(dd,J=6Hz and 3Hz,1H),6.52(d,J=3Hz,1H),6.78(d,J=9Hz,1H),7.23(m,10H),ESI−MS Calcd m/z for C
32H
43NO
4[M+H]
+505.70 Found 503.45。
【0109】
実施例18:(R)−1−(3,4−ビス((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YT−4−1)の製造
実施例1の製造方法のうち、段階1における3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス(4−クロロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101−1)を出発物質として用いたことと、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いたことを除けば、実施例1の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−ビス((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YT−4−1)を合成した。
【0110】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.08(d,J=6.4Hz,6H),2.68(dd,J=12Hz and 8Hz,1H),2.83(m,2H),3.88(d,J=5.2Hz,2H),3.95(m,1H),5.01(s,2H),5.06(s,2H),6.40(dd,J=8Hz and 4Hz,1H),6.56(d,J=2.8Hz,1H),6.82(d,J=8Hz,1H),7.31(m,8H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
29Cl
2NO
4[M+H]
+491.40 Found 490.42。
【0111】
実施例19:(R)−1−(3,4−ビス((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YT−4−2)の製造
実施例1の製造方法のうち、段階1における3,4−ビス(ベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101)の代わりに3,4−ビス(4−フルオロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド(1101−2)を出発物質として用いたことと、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにイソプロピルアミンを用いたことを除けば、実施例1の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3,4−ビス((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YT−4−2)を合成した。
【0112】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.08(d,J=6.4Hz,6H),2.68(dd,J=12Hz and 8Hz,1H),2.83(m,2H),3.89(d,J=4Hz,2H),3.95(m,1H),5.00(s,2H),5.05(s,2H),6.40(dd,J=8Hz and 2.8Hz,1H),6.59(d,J=2.8Hz,1H),6.83(d,J=9.6Hz,1H),7.03(m,4H),7.37(m,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
29F
2NO
4[M+H]
+457.90 Found 457.52。
【0113】
(製造例2)実施例6−11は、下記の反応式2の過程により合成した。
【0114】
【化8】
【0115】
実施例6:(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YOK−1109)の製造
(段階1)R−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103、500mg、1.38mmol)をメタノール(10ml)に溶解した後、tert−ブチル2−アミノエチルカルバメート(442mg、2.76mmol)を入れて、50℃で10時間撹拌する。反応が終了すると反応溶媒を減圧濃縮する。
【0116】
(段階2)tert−ブチル(R)−(2−((3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)カルバメート(1105、600mg、1.15mmol)をメタノール(3ml)に溶解した後、メタノール/塩酸(3N、2ml)を添加した後、室温で4時間撹拌する。反応が終了すると反応物を減圧濃縮した後(白色固体、1106)、精製なしに次の段階の出発物質として用いる。
【0117】
(段階3)(R)−1−((2−アミノエチル)アミノ)−3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)プロパン−2−オール(1106、400g、0.95mmol)をDMF(3ml)に溶解した後、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(553mg、3.8mmol)とジイソプロピルエチルアミン(0.3g、2.4mmol)を追加的に添加する。反応物を30℃で12時間撹拌した後、減圧濃縮し、高分解能液体クロマトグラフィーで精製して、白色固体の(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YOK−1109、22mg)を合成した。
【0118】
1H NMR(400MHz,DMSO+D
2O)δ(ppm)3.13(m,4H),3.47(s,2H),3.89(s,2H),5.04(s,2H),5.12(s,2H),6.46(d,J=8Hz,1H),6.67(s,1H),6.97(d,J=8Hz,1H),7.39(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
32N
4O
4[M+H]
+465.00 Found 464.57。
【0119】
実施例7:(R)−1−(2−((3−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YOK−2209)の製造
実施例6の製造方法のうち、段階1におけるR−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103)の代わりにR−2−((3,4−ジフェネトキシフェノキシ)メチル)オキシラン(2203)を用いたことを除けば、実施例6の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(2−((3−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YOK−2209)を合成した。
【0120】
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ(ppm)3.00(T,J=6.8Hz,2H),3.06(T,J=6.8Hz,2H),3.23(m,1H),3.28(m,3H),3.62(T,J=6.4Hz,2H),6.46(dd,J=8Hz and 2.8Hz,1H),6.60(d,J=2.8Hz,1H),6.85(d,J=8Hz,1H),7.25(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
28H
36N
4O
4[M+H]
+493.00 Found 492.62。
【0121】
実施例8:(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YT−9−1)の製造
実施例6の製造方法のうち、段階1における1103の代わりにR−2−((3,4−ビス(4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103−1)を用いたことを除けば、実施例6の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YT−9−1)を合成した。
【0122】
1H NMR(400MHz,DMSO+D
2O)δ(ppm)3.13(m,4H),3.47(T,J=6Hz,2H),3.90(m,2H),4.13(m,1H),5.03(s,2H),5.10(s,2H),6.47(dd,J=8Hz and 2Hz,1H),6.66(d,J=2.4Hz,1H),6.97(d,J=8.8Hz,1H),7.42(s,4H),7.45(s,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
30Cl
2N
4O
4 [M+H]
+532.90 Found 533.45。
【0123】
実施例9:(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YT−9−2)の製造
実施例6の製造方法のうち、段階1における1103の代わりにR−2−((3,4−ビス(4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103−2)を用いたことを除けば、実施例6の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(2−((3−(3,4−ビス(4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アミノ)エチル)グアニジン(YT−9−2)を合成した。
【0124】
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)3.13(m,4H),3.45(T,J=6Hz,2H),3.89(m,2H),4.15(m,1H),5.01(s,2H),5.09(s,2H),6.46(dd,J=8Hz and 2.8Hz,1H),6.68(d,J=2.8Hz,1H),6.96(d,J=9.2Hz,1H),7.20(m,4H),7.46(m,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
30Cl
2N
4O
4[M+H]
+ 501.00 Found 500.55。
【0125】
実施例10:(R)−1−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グアニジン(YOK−1107)の製造
(段階1)R−2−((3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(1103、500mg、1.38mmol)をメタノール(10ml)に溶解した後、アンモニア/メタノール(2N、3ml)を入れて、50℃で10時間撹拌する。反応が終了すると反応溶媒を減圧濃縮する。
【0126】
(段階2)(R)−1−アミノ−3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)プロパン−2−オール(1107、300mg、0.8mmol)をDMF(3ml)に溶解した後、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(570mg、3.9mmol)とジイソプロピルエチルアミン(0.3g、2.4mmol)を順次に添加する。反応物を30℃で12時間撹拌した後、減圧濃縮し、高分解能液体クロマトグラフィーで精製して、白色固体の(R)−1−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グアニジン(YOK−1107、23mg)を合成した。
【0127】
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)3.20(m,1H),3.31(m,1H),5.03(s,2H),5.12(s,2H),6.44(dd,J=8.8Hz and 2.8Hz,1H),6.68(d,J=2.8Hz,1H),6.95(d,J=8Hz,1H),7.38(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
24H
27N
3O
4[M+H]
+422.00 Found 421.50。
【0128】
実施例11:(R)−1−(3−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グアニジン(YOK−2207)の製造
実施例10の製造方法のうち、段階1における1103の代わりにR−2−((3,4−ジフェネトキシフェノキシ)メチル)オキシラン(2203)を用いたことを除けば、実施例10の製造方法と同様の過程により、(R)−1−(3−(3,4−ジフェネトキシフェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グアニジン(YOK−2207、25mg)を合成した。
【0129】
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ(ppm)3.00(T,J=8Hz,2H),3.06(T,J=8Hz,2H),3.33(m,1H),3.42(dd,J=24Hz and 4Hz,1H),3.91(m,2H),4.08(m,3H),4.16(T,J=6.4Hz,2H),6.46(dd,J=8Hz and 2Hz,1H),6.60(d,J=2.8Hz,1H),6.84(d,J=8Hz,1H),7.25(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
26H
31N
3O
4 [M+H]
+450.00 Found 449.55。
【0130】
(製造例3)下記の反応式3に開示された方法により、実施例4および5の化合物を合成した。
【0131】
【化9】
【0132】
実施例4:(R)−1−(3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−7)の製造
(段階1)1,3−ジヒドロキシベンゼン(5.0g、45.4mmol)をアセトニトリル(100ml)に溶解した後、K
2CO
3を添加する。次いで、1−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼン(9.3g、45.4mmol)を反応物に添加した後、80℃で16時間撹拌する。室温に冷却した後、反応溶媒を減圧して濃縮する。濃縮残留物に水を入れた後、エチルアセテートで抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水および減圧ろ過する。ろ液を取って減圧して濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(エチルアセテート/石油エーテル1:15〜1:8)で精製して、明るい黄色オイル形態の3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノール(2011、2.3g)を合成した。
【0133】
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ(ppm)5.03(s,2H),6.35−6.43(m,3H),7.04(T,1H),7.45(s,4H),9.41(s,1H)。
【0134】
(段階2)3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノール(2011、1.0g、4.2mmol)をエタノール(10ml)に溶かした後、(R)−2−(クロロメチル)オキシラン(1.17g、12.7mmol)、精製水(1ml)、そしてKOH(0.24g、4.2mmol)を添加した後、室温で16時間撹拌する。反応物に水(30ml)を入れてエチルアセテート(30ml)で抽出する。水層をエチルアセテートで2回さらに抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水および減圧ろ過する。ろ過した液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(エチルアセテート/石油エーテル1:15〜1:8)で精製して、無色オイル形態の(R)−2−((3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(3011、0.85g)を合成した。
【0135】
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ(ppm)2.74(m,1H),2.90(m,1H),3.34(m,1H),3.91−3.95(m,1H),4.18−4.22(m,1H),5.01(s,2H),6.52−6.59(m,3H),7.16−7.26(m,1H),7.35(s,4H)。
【0136】
(段階3)(R)−2−((3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)メチル)オキシラン(3011、300mg、1.03mmol)をメタノール(5ml)に溶かした後、2−アミノエタノール(189mg、3.09mmol)を添加する。反応物を65℃で5時間撹拌する。室温に冷却した後、反応溶媒を減圧濃縮し、高分解能液体クロマトグラフィーで精製して、白色固体の(R)−1−(3−((4−クロロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−7、15mg)を合成した。
【0137】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)2.83(m,4H),3.69(m,2H),2.96(m,2H),4.08(m,1H),5.00(s,2H),6.55(m,3H),7.18(T,J=8Hz,1H),7.35(s,4H);ESI−MS Calcd m/z for C
18H
22ClNO
4[M]
+352.00 Found 351.83。
【0138】
実施例5:((R)−1−(3−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−8)の製造
実施例4の製造方法のうち、段階1における1−(ブロモメチル)−4−クロロベンゼンの代わりに1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼンを用いたことを除けば、実施例4の製造方法と同様の過程により、白色固体の((R)−1−(3−((4−フルオロベンジル)オキシ)フェノキシ)−3−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)プロパン−2−オール(YT−6−8、20mg)を合成した。
【0139】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ(ppm)2.03(B,3H),2.83(m,4H),3.69(T,J=4.8Hz,2H),3.96(m,2H),4.08(m,1H),4.99(s,2H),6.56(m,3H),7.07(m,2H),7.18(T,J=8Hz,1H),7.40(m,2H);ESI−MS Calcd m/z for C
18H
22FNO
4[M+H]
+336.00 Found 335.38
【0140】
(製造例4)下記の反応式4に開示された方法により、実施例16、17の化合物を合成した。
【0141】
【化10】
【0142】
実施例16:(R)−1−(4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1204)の製造
(段階1)4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシベンズアルデヒド(1201、332mg、1.0mmol)をジクロロメタンに溶解した後、m−クロロペル安息香酸(mCPBA、260mg、1.5mmol)を添加した後、室温で4時間撹拌する。反応物に過剰のエチルアセテートを入れた後、飽和炭酸ナトリウム飽和水溶液を入れて洗った後、有機層を分液する。有機層を塩化ナトリウム水溶液で洗った後、無水硫酸ナトリウムで脱水して減圧ろ過する。ろ過した溶液を濃縮した後、再びメタノール(10ml)に溶解した後、6N NaOHを入れて、30分間室温で撹拌する。反応物に4N HCl溶液を入れた後、30分間さらに撹拌する。反応物にエチルアセテート(50ml)を入れて希釈した後、塩水で洗い落とし、次いで、無水硫酸ナトリウムを入れて脱水および減圧ろ過する。ろ過した溶液を濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/エチルアセテートの比率=7/3)で精製して、4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノール(1202、310mg、収率90%)を得た。
【0143】
1H NMR(CDCl
3,300MHz)δ(ppm):7.23−7.42(m,10H),6.77(d,1H,J=9.0Hz),6.46(d,1H),6.28(dd,1H,J=3.0 and 9.0Hz),4.98(s,2H),4.58(s,1H),4.20(T,2H,J=6Hz),3.14(T,2H,J=6Hz)。
【0144】
(段階2)4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノール(1202、320mg、1.0mmol)をエタノール(5ml)で希釈した後、KOH水溶液(KOH66mg、1.2mmol、1ml)と(R)−2−(クロロメチル)オキシラン(410ul、5.0mmol)を順次に添加する。反応物を室温で5時間撹拌した後、有機溶媒を減圧して除去する。濃縮された反応物を再びエチルアセテートで希釈した後、水で洗い、次いで、塩水で洗った後、抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧ろ過する。ろ過した有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、純粋なR−2−((4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノキシ)メチル)オキシラン(1203、308mg、収率82%)を得た。
【0145】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)7.44−7.47(m,2H),7.26−7.39(m,5H),7.19−7.22(m,3H),6.84(d,1H,J=6.0Hz),6.54(d,1H,J=3.0Hz),6.36(dd,1H),5.07(s,2H),4.15(dd,1H),4.00(T,2H,J=6.0Hz),2.84(T,2H,J=9.0Hz),2.73(dd,1H),2.10−2.19(m,2H);ESI−MS m/z:363.5[M+H]
+。
【0146】
(段階3)R−2−((4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノキシ)メチル)オキシラン(1203、9.4mg、25nmol)を無水エタノール(1ml)で希釈した後、イソプロピルアミン(10μL、125nmol)を添加し、4時間室温で撹拌する。TLCで反応を確認した後、反応溶媒を減圧濃縮し、濃縮された反応物に水を入れてジクロロメタン(3×5mL)で抽出する。抽出した有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧ろ過する。ろ過した有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=19:1)で精製して、(R)−1−(4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシフェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1204、9.3mg、収率86%)を得た。
【0147】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.15(d,J=6Hz,6H),2.71(m,4H),2.80(m,2H),3.14(T,J=6Hz,2H),3.91(d,J=3Hz,2H),4.09(m,1H),4.21(T,J=6Hz,2H),4.99(s,2H),6.35(dd,J=6Hz and 3Hz,1H),6.54(d,J=3Hz,1H),6.82(d,J=9Hz,1H),7.26(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
27H
33NO
4[M+H]
+437.00 Found 435.56。
【0148】
実施例17:(R)−1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(3−フェニルプロポキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1304)の製造
実施例16の製造方法のうち、段階1において、出発物質を4−(ベンジルオキシ)−3−フェネトキシベンズアルデヒド(1201)の代わりに4−(ベンジルオキシ)−3−(3−フェニルプロポキシ)ベンズアルデヒド(1301、346mg、1.0mmol)を用いて、実施例16の製造方法と同様の過程により、白色固体の(R)−1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(3−フェニルプロポキシ)フェノキシ)−3−(イソプロピルアミノ)プロパン−2−オール(YOK−1304、9.5mg、収率85%)を合成した。
【0149】
1H NMR(300MHz,CDCl
3)δ(ppm)1.13(d,J=6Hz,6H),2.15(m,2H),2.33(B,3H),2.80(m,5H),3.91(d,J=6Hz,2H),4.01(m,3H),5.07(s,2H),6.36(dd,J=6Hz and 3Hz,1H),6.53(d,J=3Hz,1H),6.84(d,J=9Hz,1H),7.33(m,10H);ESI−MS Calcd m/z for C
28H
35NO
4[M+H]
+451.00 Found 449.59.
【0150】
(製造例5)下記の反応式5に開示された方法により、比較例1および2の化合物を合成した。
【0151】
【化11】
【0152】
比較例1:メチル(R)−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グリシネート(YOK−G−1104)の製造
実施例19の製造方法のうち、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにグリシンメチルエステルを用いたことを除けば、実施例19の製造方法と同様の過程により、メチル(R)−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)グリシネート(YOK−G−1104)を合成した。
【0153】
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)2.55(m,1H),2.81(m,1H),3.51(s,2H),3.66(s,3H),4.05(m,1H),4.20(m,2H),5.16(s,2H),5.18(s,2H),5.37(br s,1H),5.52(br s,1H),6.57(s,1H),6.67(d,1H),6.96(d,1H),7.32−7.48(m,10H)。
【0154】
比較例2:エチル(R)−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アラニネート(YOK−A−1104)の製造
実施例19の製造方法のうち、段階3における2−アミノエタン−1−オールの代わりにアラニンエチルエステルを用いたことを除けば、実施例19の製造方法と同様の過程により、エチル(R)−(3−(3,4−ビス(ベンジルオキシ)フェノキシ)−2−ヒドロキシプロピル)アラニネート(YOK−A−1104)を合成した。
【0155】
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6)δ(ppm)1.21(T,3H),1.27(m,3H),2.56−2.81(m,2H),3.56(m,1H),4.05(m,1H),3.95−4.20(m,4H),5.16(s,2H),5.18(s,2H),5.37(br s,1H),6.57(s,1H),6.67(d,1H),6.96(d,1H),7.32−7.48(m,10H)。
【0156】
実験例1.免疫ブロッティングによる培養細胞内p62タンパク質のオリゴマーと活性評価
前記化合物(実施例1−19)のp62タンパク質のオリゴマー化活性効能を評価するために、ヒト胚腎臓由来細胞のHEK293細胞株を収集した。本化合物のうち代表化合物としてYOK−1104、YOK−2204、YOK−3304、YOK−1204、YOK−4404、YOK−1107、YOK−1109、YOK−2207、YOK−2209、YT−4−1、YT−4−2、YT−6−1、YT−6−2、YT−6−7、YT−6−8、YT−9−1、YT−9−2を選択し、これらの選択された代表化合物の処理による細胞内p62タンパク質の活性化およびオリゴマー化を測定するために、100パイのディッシュにそれぞれの細胞を分注した。細胞がプレートの表面に完全に付着するように24時間追加的に培養した後、細胞を収集し、各サンプルに100ulの溶解バッファー(20mM Tris(pH7.4)、150mM NaCl、1%Triton X−100、2mM NaF、2mM EDTA、2mM beta−glycerophosphate、5mM sodium orthovanadate、1mM PMSF、leupeptin、aproteinin)を注入し、細胞を溶解させた。測定された総タンパク質の濃度ベースで、各サンプルに常温で2時間試験化合物を処理した後、サンプルバッファーを追加して、95℃で10分間反応させた。反応済みのサンプルから25ulを取ってアクリルアミドゲルの各ウェルに分注した後、免疫ブロッティング法を実施した。免疫ブロッティング法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。結果は
図2に示した。
【0157】
図2から確認できるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した場合、化合物の処理により、p62タンパク質の単位体(monomer)の減少と同時に、オリゴマー(oligomer)と高分子量凝集体(high−molecul araggregates)の増加を確認することができる。
【0158】
実験例2.免疫ブロッティングによる培養細胞内オートファジー活性評価
前記化合物(実施例1−19)のオートファジー活性効能を評価するために、子宮頸癌患者由来細胞のHela細胞株を5%二酸化炭素が維持される培養器内で10%FBSと1%ストレプトマイシン/ペニシリンを含有したDMEM培地を用いて培養した。本化合物のうち代表化合物としてYOK−1107、YOK−4404、YOK−1104を選択し、これらの選択された代表化合物の処理によるオートファジー活性度を測定するために、6ウェルプレートにそれぞれの細胞を分注した。細胞がプレートの表面に完全に付着するように24時間の追加的な培養をした。それぞれの化合物がオートファジー現象を増加させることができる濃度を見出すために、試験化合物を1、2、5、10、20μMで希釈して処理した。各化合物の処理後、細胞を再び細胞培養器で24時間培養した後、細胞を収集した。収集された細胞からタンパク質を抽出するために、各サンプルに100ulの溶解バッファー(20mM Tris(pH7.4)、150mM NaCl、1%Triton X−100、2mM NaF、2mM EDTA、2mM beta−glycerophosphate、5mM sodium orthovanadate、1mM PMSF、leupeptin、aproteinin)を注入して細胞を溶解させた。測定された総タンパク質の濃度ベースで各サンプルにサンプルバッファーを追加して、100℃で5分間反応させた。反応済みのサンプルから5ulを取ってアクリルアミドゲルの各ウェルに分注した後、免疫ブロッティング法を実施した。免疫ブロッティング法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。結果は
図3に示した。
【0159】
図3から確認できるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した場合、化合物の濃度に応じて漸増的にマクロオートファジー活性の標識子であるLC3の水準が増加することを確認することができた。
【0160】
実験例3.免疫ブロッティングによる培養細胞内オートファジー活性評価
前記化合物(実施例1−19)のオートファジー活性効能を調べるために、LC3をマーカーとして用いて実験例2と同様の方法で免疫ブロッティング法を行った。相違点としては、活性化に要求される処理時間および活性維持時間を評価するために、1、3、6、12、24、48時間、5μMの本化合物の中から選択された代表化合物としてYOK−1107、YOK−1204、YOK−1304、YOK−2204、YOK−3304、YOK−4404を処理した。他方では、24時間、10μMの本化合物の中から選択された代表化合物YOK−1107、YOK−1109、YOK−2207、YOK−2209、YT−4−1、YT−4−2、YT−6−1、YT−6−2、YT−6−8、YT−6−7、YT−9−1、YT−9−2を処理した。免疫ブロッティング法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化し、その結果は
図4に示した。
図4から分かるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した場合、化合物の処理によって漸増的にマクロオートファジー活性の標識子であるLC3の水準が増加することを確認することができた。
【0161】
実験例4.免疫ブロッティングによる培養細胞内オートファジー活性評価
対照群化合物のオートファジー活性効能を調べるために、LC3をマーカーとして用いて実験例2と同様の方法で免疫ブロッティングを行った。対照群化合物としては下記の構造を有する化合物を用いた。
【0162】
【表2】
【0163】
前記化合物を時間別または濃度別に処理して確認し、免疫ブロッティング法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。その結果を
図5に示した。
図5に示されているように、前記対照群化合物は、処理した時間または濃度と関係なく、マクロオートファジー活性の標識子であるLC3の水準が増加しないことを確認することができた。
【0164】
実験例5.免疫蛍光染色法および共焦点顕微鏡による培養細胞内オートファジー活性評価
前記化合物(実施例1−19)のp62タンパク質の活性およびオートファジー現象の活性程度を把握するために、p62とLC3をマーカーとして用いて免疫蛍光染色法を行った。培養された細胞内で新規p62リガンドとその異性体によるp62活性およびオートファジー現象の活性程度を把握するために、子宮頸癌患者由来細胞株のHela細胞株に新規p62リガンド化合物(YOK−1106、YOK−1204、YOK−1504、YOK−2204、YOK−3304、YOK−4404、YOK−1107、YOK−1109、YOK−2207、YOK−2209、YT−4−1、YT−4−2、YT−6−1、YT−9−1およびYT−9−2)を処理して培養した後、オートファジー現象の標識子としてLC3の斑点の発現程度と位置およびp62との斑点位置の共存性を観察した。
【0165】
免疫蛍光染色のために、24−ウェルプレートにカバーガラスを位置させ、細胞を分注して24時間培養した後、5uMの本発明による新規p62リガンドを処理した。化合物の作用のために24時間を追加的に培養した後、培地を除去し、常温でホルムアルデヒドを用いて細胞を固定した。非特異的染色を防止するために、細胞を遮断溶液に常温で1時間反応させた後、遮断溶液を用いて一定比率で希釈したLC3抗体を処理した後、常温で1時間反応させた。抗体処理済みの細胞はPBSで3回洗浄し、遮断溶液を用いてヤギ由来二次抗体を一定比率で希釈した後、常温で30分反応させた。再びPBSで3回洗浄し、細胞内核染色のために、DAPI染色後、共焦点顕微鏡によりp62もLC3の発現程度、細胞内斑点の形成および細胞内共存の程度を観察した。結果は
図5に示した。免疫蛍光染色法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。
【0166】
図6から確認できるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した後、p62タンパク質の細胞内斑点の形成、オートファゴソーム標識子であるLC3の細胞内斑点と位置共存性の増加およびLC3の細胞内斑点の形成増加を表すことを確認することができた。
【0167】
実験例6.免疫蛍光染色法および共焦点顕微鏡による培養細胞内オートファジー活性評価
対照群化合物(YOK−A−1104、YOK−G−1104、YTK−1005、YTK−1105−1)のp62タンパク質の活性およびオートファジー現象の活性程度を把握するために、p62とLC3をマーカーとして用いて実験例4と同様の方法で免疫蛍光染色法を行った。YOK−A−1104、YOK−G−1104は次の化学式を有する化合物である。
【0168】
【表3】
【0169】
化合物を濃度別に処理してp62またはLC3の細胞内斑点、つまり、オートファゴソームが形成され、p62が伝達される程度を共焦点顕微鏡で観察した。結果は
図7に示した。免疫蛍光染色法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。
図7から確認できるように、対照群化合物を処理した濃度と関係なく、p62タンパク質の細胞内斑点の形成、オートファゴソーム標識子であるLC3の細胞内斑点と位置共存性の増加およびLC3の細胞内斑点の形成が増加しないことを確認することができた。
【0170】
実験例7.免疫蛍光染色法および共焦点顕微鏡による培養細胞内ユビキチン化されたタンパク質がp62で媒介されるオートファジーへの伝達活性評価
前記化合物(実施例1−19)のユビキチン化されたタンパク質のp62で媒介されるオートファジー伝達活性程度を把握するために、p62とFK2をマーカーとして用いて実験例4と同様の方法で免疫蛍光染色法を行った。化合物はYT−4−1、YT−4−2、YT−6−1、YT−6−7、YT−6−8、YOK−4404、YOK−1106、YOK−1107、YOK−1109、YOK−1204、YOK−1204を処理した。化合物を処理した後、p62またはFK2の細胞内斑点、つまり、p62とユビキチン化されたタンパク質がオートファゴソームに伝達される程度を共焦点顕微鏡で観察した。結果は
図8Aおよび8Bに示した。免疫蛍光染色法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。
【0171】
図8Aおよび8Bから確認できるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した後、p62タンパク質とユビキチン化されたタンパク質の標識子であるFK2の細胞内斑点の形成およびこれら斑点の位置共存性の増加を確認することができた。
【0172】
実験例8.免疫蛍光染色法および共焦点顕微鏡による培養細胞内変性ハンチンチンタンパク質がp62で媒介されるオートファジーへの伝達活性評価
前記化合物(実施例1−19)の退行性脳疾患ハンチントン病の主要タンパク質である変性ハンチンチン(Htt−Q103)がp62で媒介されるオートファジー伝達活性程度を把握するために、p62とHtt−Q103−GFPをマーカーとして用いて実験例4と同様の方法で免疫蛍光染色法を行った。化合物はYOK−1106、YOK−1107、YOK−1109、YOK−1204、YOK−2204、YOK−4404、YT−4−1、YT−4−2、YT−6−1、YT−6−7、YT−9−1を用いた。化合物を処理した後、p62またはHtt−Q103−GFPの細胞内斑点、つまり、p62と変性ハンチンチンタンパク質がオートファゴソームに伝達される程度を共焦点顕微鏡で観察した。結果は
図9Aおよび9Bに示した。免疫蛍光染色法は3回以上の独立した実験から代表的なものを図式化した。
【0173】
図9Aおよび9Bから確認できるように、本発明によるp62リガンド化合物を処理した後、p62タンパク質とユビキチン化されたタンパク質の標識子であるFK2の細胞内斑点の形成およびこれら斑点の位置共存性の増加を確認することができた。