(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532171(P2021-532171A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】カンナビジオールの組み合わせ組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7008 20060101AFI20211029BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20211029BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20211029BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20211029BHJP
A61K 31/726 20060101ALI20211029BHJP
A61K 33/04 20060101ALI20211029BHJP
A61K 36/324 20060101ALI20211029BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20211029BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
A61K31/7008
A61P19/02
A61K31/05
A61K47/10
A61K31/726
A61K33/04
A61K36/324
A61K36/185
A61P25/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-522925(P2021-522925)
(86)(22)【出願日】2019年7月1日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月2日
(86)【国際出願番号】US2019040043
(87)【国際公開番号】WO2020009950
(87)【国際公開日】20200109
(31)【優先権主張番号】62/692,865
(32)【優先日】2018年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521005775
【氏名又は名称】コンパニオン サイエンシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴーラン ヴァクニン
(72)【発明者】
【氏名】タミー バー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076CC09
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(57)【要約】
本発明の実施形態は、カンナビジオール(CBD)とグルコサミン(Gln)とを含む製剤に関する。本発明のさらなる実施形態は、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、骨減少症、顎痛、関節痛、膝痛、腰痛、多発性硬化症、骨軟化症および骨ページェット病の治療または予防の方法に関し、方法は、カンナビジオール(CBD)とグルコサミン(Gln)とを含む製剤の投与を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カンナビジオール(CBD)と、グルコサミンおよび/または薬学的に許容可能なグルコサミン塩とを薬学的に許容可能な投与形態に含む、組成物。
【請求項2】
前記グルコサミンが、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩および/またはN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される薬学的に許容可能な塩の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グルコサミンが、グルコサミン硫酸塩の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記CBDが、植物源から抽出される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記CBDが、合成品または半合成品である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのさらなる活性成分をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つのさらなる活性成分が、コンドロイチン、MSM、ボスウェリア・セラータ抽出物(アフラピン)またはそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記CBDが、グルコサミンのバイオアベイラビリティを向上させる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記CBDが、前記少なくとも1つの活性成分のバイオアベイラビリティを向上させる、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項10】
前記CBDおよびグルコサミンが、相補的相乗効果を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記CBDおよび前記少なくとも1つのさらなる活性成分が、相補的相乗効果を有する、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項12】
骨関節疾患に関連する少なくとも1つの疾患、状態、症状または障害の治療用の、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの疾患が、変形性関節症である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
骨関節疾患に関連する疾患、状態、症状または障害を治療する方法であって、前記方法が、カンナビジオール(CBD)とグルコサミンおよび/または薬学的に許容可能なグルコサミン塩とを薬学的に許容可能な投与形態に含む組成物の、治療的に有効な量の投与を含む、方法。
【請求項15】
前記疾患が、変形性関節症である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記グルコサミンが、グルコサミン硫酸塩である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記CBDが、植物源から抽出される、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記CBDが、合成品または半合成品である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が、少なくとも1つのさらなる活性成分をさらに含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのさらなる活性成分が、コンドロイチン、MSM、ボスウェリア・セラータ抽出物(アフラピン)、またはそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記CBDが、グルコサミンと同時に投与される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記CBDが、グルコサミンとは別に投与される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
骨関節疾患に関連する少なくとも1つの疾患、状態、症状または障害の治療に有効な量のグルコサミンを含有する治療製剤中のグルコサミンのバイオアベイラビリティを向上させる方法であって、前記方法が、製剤中のカンナビジオール(CBD)をグルコサミンと所定の比率で投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記CBDが、グルコサミンと同時に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記CBDが、グルコサミンとは別に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの疾患が、変形性関節症である、請求項23〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記グルコサミンが、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩、および/またはN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される薬学的に許容可能な塩の形態である、請求項23〜26のいずれ一項に記載の方法。
【請求項28】
前記グルコサミンが、グルコサミン硫酸塩の形態である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記CBDが、植物源から抽出される、請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記CBDが、合成品または半合成品である、請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月2日に出願された米国仮出願第62/692,865号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、カンナビジオール(CBD)とグルコサミン(Gln)とを含む製剤および治療方法に関する。
【背景技術】
【0003】
変形性関節症(OA)は、関節炎の最も一般的な形態であり、世界中の何百万もの人々に影響を及ぼしている。これは、骨の端を保護する保護軟骨が時間の経過とともにすり減ったときに生じる。
【0004】
変形性関節症はあらゆる関節に損傷を与える可能性があるが、この疾患は、最も一般的に、手、膝、股および脊椎の関節に影響を及ぼす。
【0005】
変形性関節症は、ヒトと同様に、小動物によく見られる疾患である。イヌおよびネコの約30〜50%が、生涯のある時点で変形性関節症にかかると推定されている(Willows Veterinary Center and Referral Serviceによる)。
【0006】
グルコサミン、グルコサミンおよびコンドロイチン、またはグルコサミン、コンドロイチン硫酸およびメチルスルホニルメタン(MSM)(この複合体は商業的にMega Gluflexとして知られる)を含む組成物が、例えば変形性関節症における、関節の間の軟骨の劣化を保護および治癒するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多くのヒトおよび動物の試験において、これらの組成物および複合体は、安全であることが見出されているが、効果的であることは見出されておらず、疼痛緩和または関節損傷のいずれにおいても改善がほとんど、または全く認められない。
【0008】
大麻は、カンナビノイドとして知られる様々な化合物を生成し、それらの多くは、他のいかなる植物にも検出されない。テトラヒドロカンナビノール(THC)およびカンナビジオール(CBD)を含むいくつかのカンナビノイドには、有益な医学的効果があることが証明されている。THCとは異なり、CBDはいかなる中毒作用も有さないようである。CBDは現在、THCの有無にかかわらず、様々な病気および疾患に使用されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、カンナビジオール(CBD)と、グルコサミンおよび/または薬学的に許容可能なグルコサミン塩とを、薬学的に許容可能な投与形態に含む組成物に関する。本発明の一実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩および/またはN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される薬学的に許容可能な塩の形態である。本発明の一実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン硫酸塩の形態である。本発明の一実施形態において、CBDは植物源から抽出される。本発明の一実施形態において、CBDは合成品または半合成品である。本発明の一実施形態において、組成物は、少なくとも1つのさらなる活性成分をさらに含む。本発明の一実施形態において、少なくとも1つのさらなる活性成分は、コンドロイチン、MSM、ボスウェリア・セラータ(Boswellia serrata)抽出物(アフラピン)またはそれらの組み合わせを含む群から選択される。本発明の一実施形態において、CBDは、グルコサミンのバイオアベイラビリティを向上させる。本発明の一実施形態において、CBDは、少なくとも1つの活性成分のバイオアベイラビリティを向上させる。本発明の一実施形態において、CBDおよびグルコサミンは、相補的な相乗効果を有する。本発明の一実施形態において、CBDおよび少なくとも1つのさらなる活性成分は、相補的な相乗効果を有する。
【0010】
また別の態様において、本発明は、骨関節疾患に関連する少なくとも1つの疾患、状態、症状または障害の治療用の、カンナビジオール(CBD)と、グルコサミンおよび/または薬学的に許容可能なグルコサミン塩とを薬学的に許容可能な形態で含む組成物に関する。本発明の一実施形態において、少なくとも1つの疾患は変形性関節症である。
【0011】
また別の態様において、本発明は、それを必要とする対象の骨関節疾患に関連する疾患、状態、症状または障害を治療する方法に関し、当該方法は、カンナビジオール(CBD)と、グルコサミンおよび/または薬学的に許容されるグルコサミン塩とを薬学的に許容可能な投与形態に含む組成物の、治療的に有効な量の投与を含む。本発明の一実施形態において、疾患は変形性関節症である。本発明の一実施形態において、グルコサミンはグルコサミン硫酸塩である。本発明の一実施形態において、CBDは植物源から抽出される。本発明の一実施形態において、CBDは合成品または半合成品である。本発明の一実施形態において、組成物は、少なくとも1つのさらなる活性成分をさらに含む。本発明の一実施形態において、少なくとも1つのさらなる活性成分は、コンドロイチン、MSM、ボスウェリア・セラータ抽出物(アフラピン)またはそれらの組み合わせを含む群から選択される。本発明の一実施形態において、CBDは、グルコサミンと同時に投与される。本発明の一実施形態において、CBDは、グルコサミンとは別に投与される。
【0012】
また別の態様において、本発明は、骨関節疾患に関連する少なくとも1つの疾患、状態、症状または障害の治療に有効な量のグルコサミンを含有する治療製剤中のグルコサミンのバイオアベイラビリティを向上させる方法に関し、方法は、製剤中のカンナビジオール(CBD)をグルコサミンと所定の比率で投与することを含む。本発明の一実施形態において、CBDは、グルコサミンと同時に投与される。本発明の一実施形態において、CBDは、グルコサミンとは別に投与される。本発明の一実施形態において、少なくとも1つの疾患は変形性関節症である。本発明の一実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩および/またはN−アセチルグルコサミンからなる群から選択される薬学的に許容可能な塩の形態である。本発明の一実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン硫酸塩の形態である。本発明の一実施形態において、CBDは植物源から抽出される。本発明の一実施形態において、CBDは合成品または半合成品である。
【0013】
本発明とみなされる主題は、本明細書の結論部分において特に指摘され、明確に主張される。しかしながら、本発明は、その構成、特徴、および利点とともに、構成および操作方法の両方に関して、添付の図面とともに読まれる場合、以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、投与の1時間後、4時間後および8時間後の異なる組成物の血漿グルコサミン濃度を比較する、実施例1からのデータのグラフを示す。
【
図2】
図2は、投与の1時間後、4時間後および8時間後の異なる組成物の血漿CBDの濃度を比較する、実施例1からのデータのグラフを示す。
【
図3】
図3は、投与の8時間後の異なる組成物の滑液グルコサミン濃度を比較する、実施例1からのデータのグラフを示す。
【
図4】
図4は、異なる組成物のCBD血漿濃度を経時的に比較する、実施例1からのデータのグラフを示す。
【
図5】
図5は、実施例2からの犬のおやつの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図解の簡素さおよび明瞭さのために、図に示される要素が必ずしも一定の縮尺で描写されていないことが理解されるであろう。たとえば、要素のうちのいくつかの寸法は、他の要素と比較して誇張されている可能性がある。さらに、適切であると考えられる場合、対応するまたは類似の要素を示すために、参照番号が図の間で繰り返されていることがある。
【0016】
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、本発明はこれらの特定の詳細なしに実施され得ることが、当業者には理解されるであろう。他の例では、本発明を曖昧にしないように、周知の方法、手順、および構成要素は詳細に説明されていない。
【0017】
本発明の実施形態は、カンナビジオール(CBD)およびグルコサミン(Gln)を含む製剤を対象とする。CBDおよびグルコサミンの組み合わせは、本出願において、「組み合わせ」および/または「製剤」と記載され得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、「グルコサミン」は、これらに限定されるものではないが、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩、およびN−アセチルグルコサミンを含む薬学的に許容可能な塩として配合されたグルコサミンを含む。
【0019】
本発明のさらなる実施形態は、骨および関節の疾患、状態、または症状を治療または予防する方法に関する。いくつかの実施形態において、骨および関節の疾患、状態または症状は、関節炎、変形性関節症(OA)、関節リウマチ、骨粗鬆症、骨減少症、顎痛、関節痛、膝痛、腰痛、多発性硬化症、骨軟化症および骨ページェット病から選択され、方法は、カンナビジオール(CBD)と、グルコサミン(Gln)および/または薬学的に許容可能なグルコサミン塩とを、薬学的に許容可能な投与形態に含む製剤を投与することを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、組成物は、膝、股関節または脊椎の変形性関節症を有する患者に疼痛の緩和を提供し得る。
【0021】
いくつかの実施形態において、組成物は、関節リウマチに関連する痛みを軽減し得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、この方法は、ヒトまたは動物を治療するために使用され得る。本出願において、ヒトおよび動物の両方を「患者」ということがある。
【0023】
本発明は、CBDとグルコサミンとの組み合わせが、滑液へのグルコサミンの透過を増加させ、その結果、滑液中のグルコサミン濃度を増加させるという驚くべき発見に関する。CDBとグルコサミンとの組み合わせ自体がより効果的な治療を提供することができ、さらにグルコサミンの濃度の増加がより効果的な治療を提供し得る。
【0024】
現行の治療の1つは、グルコサミン、コンドロイチン硫酸およびMSM(メチルスルホニルメタン)を含有する複合体を経口的に投与することを含むため、この発見は、治療を改善し得る;達成された血漿および滑液濃度にもかかわらず、濃度が依然として低すぎるために、関節軟骨に対する生物学的効果を有さないことが示されている。
【0025】
組み合わせは、複数の方法および濃度でより効果的な治療を提供し得る。
【0026】
患者は、各成分の相加効果から恩恵を得ることができる。CBDはいくつかの既知の生理学的効果を有する。CBDは、疼痛を緩和し、不安およびうつを軽減し、抗炎症剤などとして作用し得る。Glnは関節の構造および機能をサポートし得る。さらに、Glnは関節を取り巻く軟骨および体液を増加させ、これらの物質の分解を防ぐのに役立ち得る。
【0027】
患者は、各成分の相補的効果から恩恵を得ることができる。不安およびうつは、疼痛および身体的制限と相互に関連しているが、これはよく知られているOAの症状であり、他の骨関節疾患の症状に関係している可能性がある。不安およびうつは、疼痛の知覚および機能的能力の変化により、患者のクオリティオブライフを著しく損なう可能性がある。したがって、CBDの投与による疼痛および不安の軽減は、Glnの投与により、より速くより効果的な治癒を可能にし得る。
【0028】
患者は、CBDおよびグルコサミンの協同効果から恩恵を得ることができる。この場合、2つの成分の活性は、お互いに強く依存する。例えば、CBDはグルコサミンの血漿または臓器のバイオアベイラビリティを改善し、したがって効果的な治療に十分なグルコサミン濃度を提供し得る。または、CBDは炎症を軽減し、そうすることでグルコサミンをより効果的にし得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、グルコサミンは、これらに限定されるものではないが、グルコサミン硫酸塩、グルコサミン塩酸塩および/またはN−アセチルグルコサミンを含む薬学的に許容可能なグルコサミンの塩として配合される。いくつかの実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン硫酸塩の形態である。いくつかの実施形態において、グルコサミンは、グルコサミン塩酸塩の形態である。
【0030】
いくつかの実施形態において、グルコサミンは、ガラクトサミン、シアル酸およびN−アセチルグルコサミンなどの他のアミノ糖分子によって置き換えることができる。
【0031】
CBDに言及するとき、あらゆるエナンチオマー、ジアステレオマー、またはそれらの誘導体を包含することが理解されるべきである。
【0032】
いくつかの実施形態において、CBDは、植物源から抽出される。別の実施形態において、CBDは合成品または半合成品である。
【0033】
いくつかの実施形態において、CBDは水溶性CBDである。別の実施形態において、CBDは油の形態である。別の実施形態において、CBDは水中油型の形態である。別の実施形態において、CBDは結晶の形態である。
【0034】
いくつかの実施形態において、CBDおよびGlnは別々に投与される。いくつかの実施形態において、CBDが最初に投与され、続いてGlnが投与される。いくつかの実施形態において、Glnが最初に投与され、続いてCBDが投与される。
【0035】
いくつかの実施形態において、製剤は、1つまたは複数のさらなる活性成分をさらに含む。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は別に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態において、さらなる活性成分はコンドロイチン硫酸である。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分はMSM(メチルスルホニルメタン)である。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は、コンドロイチン硫酸およびMSMである。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は、ボスウェリア・セラータ抽出物(アフラピン)である。ボスウェリア・セラータは、OAおよび/またはその他の骨関節疾患を緩和し得る、抗関節炎、抗炎症、鎮痛、および肝保護などの薬理学的特性を備え得る。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は、MSMおよびボスウェリア・セラータ抽出物である。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は、コンドロイチン硫酸およびボスウェリア・セラータ抽出物である。いくつかの実施形態において、さらなる活性成分は、MSMおよびコンドロイチン硫酸およびボスウェリア・セラータ抽出物である。
【0037】
いくつかの実施形態において、組成物は、骨および関節の疾患、状態、または症状を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、骨および関節の疾患、状態または症状は、関節炎、変形性関節症、関節リウマチ、骨粗鬆症、骨減少症、顎痛、関節痛、膝痛、腰痛、多発性硬化症、骨軟化症および骨ページェット病から選択される。いくつかの実施形態において、骨関節疾患は骨粗鬆症である。
【0038】
いくつかの実施形態において、組成物は、ヒトを治療するために使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、動物を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、ペットを治療するために使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、イヌを治療するために使用される。いくつかの実施形態において、組成物は、ウマを治療するために使用される。
【0039】
ヒトを治療するための用量
いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのCBD用量は、以下の表1に示される(mg/Kg)。
【0041】
用量は、病状、時刻、投与様式、製剤、グルコサミン硫酸塩を含む組成物、THCを含む組成物、さらなる成分(MSMおよびコンドロイチン硫酸など)を含む組成物に応じて調節されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのグルコサミン硫酸塩の用量は、約500〜2000mgである。いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのグルコサミン硫酸塩の用量は、約1,500である。
【0043】
いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのMSMの用量は、約250〜1000mgである。いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのMSMの用量は、約500である。
【0044】
いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのコンドロイチン硫酸の用量は、約400〜1500mgである。いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのコンドロイチン硫酸の用量は、約1200である。
【0045】
いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのボスウェリア・セラータ抽出物の用量は、約250〜1000mgである。いくつかの実施形態において、ヒトを治療するために使用される1日あたりのボスウェリア・セラータ抽出物の用量は約500である。
【0046】
いくつかの実施形態において、Glnの濃度は、製剤中約10%から100% w/wの範囲にある。ここで、ユニットごとの重量は約1〜5gであり、用量は約500〜約2,000mg/日である。
【0047】
いくつかの実施形態において、CBDの濃度は、製剤中0.1%から15% w/wの範囲にある。ここで、ユニットごとの重量は約1〜5gであり、用量は約5〜約150mg/日である。
【0048】
いくつかの実施形態において、製剤は、経口投与されてもよい。いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症の治療のために、1日1回約3000mg(CBDおよびグルコサミンの両方を含む)、または1日3回約1000mgの用量で経口投与される。
【0049】
いくつかの実施形態において、用量の範囲は、約200〜6000mg/日(CBDおよびグルコサミンの両方を含む)である。
【0050】
いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症の治療のために、約1,500mgのグルコサミン硫酸塩、約100mgのCBDおよび約1,000mgのコンドロイチン硫酸の用量で経口投与される。
【0051】
いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症の治療のために、約500mgのグルコサミン硫酸塩、約200mgのCBD、約400mgのコンドロイチン硫酸および約200mgのMSMの用量で経口投与される。
【0052】
いくつかの実施形態において、製剤は、皮膚に適用されてもよい。いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症を治療するために皮膚に適用され、約30mg/グラムのグルコサミン硫酸塩および約50mg/グラムのCBDを含む。いくつかの実施形態において、製剤は、約30mg/グラムのグルコサミン硫酸塩、約50mg/グラムのCBD、および約140mg/グラムのコンドロイチン硫酸を含む。
【0053】
いくつかの実施形態において、製剤は、筋肉内に直接注入されてもよい。いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症に対して、約400mg(CBDおよびグルコサミンの両方を含む)の用量で筋肉内に直接注入される。
【0054】
いくつかの実施形態において、CBD:Glnの比は1:1である。いくつかの実施形態において、比は1:2である。いくつかの実施形態において、比は2:1である。いくつかの実施形態において、比は1:3である。いくつかの実施形態において、比は1:5である。いくつかの実施形態において、比は1:10である。いくつかの実施形態において、比は1:15である。いくつかの実施形態において、比は1:20である。いくつかの実施形態において、比は1:30である。いくつかの実施形態において、比は1:40である。いくつかの実施形態において、比は1:50である。
【0055】
動物を治療するための用量
いくつかの実施形態において、イヌを治療するために使用される1日あたりのCBD用量は、以下の表2に示される(mg/Kg)。
【0057】
用量は、病状、時刻、投与方法、製剤、グルコサミン硫酸塩を含む組成物、THCを含む組成物、さらなる成分(MSMおよびコンドロイチン硫酸など)を含む組成物に応じて調節されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、用量は、上記の約1/10の範囲である。
【0059】
いくつかの実施形態において、イヌを治療するために使用される1日あたりのグルコサミン硫酸塩の用量は、約22〜44mg/Kgである。いくつかの実施形態において、イヌを治療するために使用される1日あたりのMSMの用量は、約250〜1,500mg/Kgである。
【0060】
いくつかの実施形態において、イヌを治療するために使用される1日あたりのコンドロイチン硫酸の用量は、約250〜1,500mg/Kgである。いくつかの実施形態において、イヌを治療するために使用される1日あたりのボスウェリア・セラータ抽出物の用量は、約100mg/Kgである。
【0061】
いくつかの実施形態において、イヌを治療するための用量は、体重によって調節されてもよく、ネコを治療するために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、イヌを治療するための用量は、体重によって調節されてもよく、他の動物を治療するために使用されてもよい。イヌおよび動物のための用量は、イヌ/動物の体重および疾患の重症度に応じて決定される。
【0062】
いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症を治療するために、約20mg/Kgのグルコサミン硫酸塩、約0.15mg/KgのCBD、約200mg/Kgのコンドロイチン硫酸、約200mg/KgのMSMおよび約5mg/Kgのボスウェリア・セラータの低用量で、イヌに経口投与される。
【0063】
いくつかの実施形態において、製剤は、変形性関節症を治療するために、約50mg/Kgのグルコサミン硫酸塩、約2mg/KgのCBD、約2,000mg/Kgのコンドロイチン硫酸、約2,000mg/KgのMSMおよび約5mg/Kgのボスウェリア・セラータの高用量でイヌに経口投与される。
【0064】
いくつかの実施形態において、CBD:Glnの比は1:1である。いくつかの実施形態において、比は1:2である。いくつかの実施形態において、比は2:1である。いくつかの実施形態において、比は1:3である。いくつかの実施形態において、比は1:5である。いくつかの実施形態において、比は1:10である。いくつかの実施形態において、比は1:15である。いくつかの実施形態において、比は1:20である。いくつかの実施形態において、比は1:30である。いくつかの実施形態において、比は1:40である。いくつかの実施形態において、比は1:50である。
【0065】
投与および薬学的に許容可能な投与形態
組成物または各成分は、当業者に既知の任意の方法で、例えば、局所、非経口、癌近傍(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内(intraventricularly)、頭蓋内、膣内または腫瘍内により、対象、ヒトまたは動物に投与されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、組成物または各成分は、滑液に直接投与される。
【0067】
いくつかの実施形態において、組成物または各成分は、蒸気により投与される。
【0068】
いくつかの実施形態において、組成物または各成分は、食品に添加されてもよい。いくつかの実施形態において、食品はペットフードである。いくつかの実施形態において、食品はグミなどの食料品である。
【0069】
組成物または各成分は、コラーゲン、コラーゲンペプチド、もしくは皮膚または基底膜の他の成分のリポソームまたはエマルションに封入されてもよい。
【0070】
成分の吸収は、不利な生物物理学的環境の使用と、浸透剤、例えば、これらに限定されるものではないが、オレオレジンカプシカム(oleoresin capsicum)またはその成分、もしくは炭化水素鎖が結合している複素環を含む分子などの使用とを組み合わせることにより、増加させてもよい。
【0071】
本発明の組成物は、生理学的な活性はないが、最終組成物の特性を増強するのに役立つさらなる成分を含んでもよい。例えば、本発明の組成物は、賦形剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリジノン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースなどを含んでもよい。本発明の組成物は、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピルなどの防腐剤、甘味剤または香味剤を含んでもよい。
【0072】
本発明の組成物は、活性成分と不利な相互作用をしない任意の薬学的に許容可能な局所ビヒクルに配合されてもよい。本発明の組成物は、水または油ベースの局所ビヒクルに配合されてもよい。これらの組成物は、いくつかの実施形態において、ラノリン、アクアフォア、メチルセルロースおよびそれらの誘導体、石油ベースビヒクル、アロエベラなどを含むことができる。また別の実施形態において、本発明の組成物は、アロエベラおよびビタミンEを含む局所の水ベースビヒクルに配合される。
【0073】
本発明の局所組成物は、蒸留水、油、ステアリン酸、アルコール、乳化ワックス、グリセリン、パルミチン酸、変性アルコール、サリチル酸メチル、レシチン、重炭酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、ポリソルベート、メチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。本発明の局所組成物は、約3〜約8のpHを有してもよい。
【0074】
実施形態によれば、本発明の局所組成物は、軟膏、クリーム、ローション、油、溶液(いくつかの実施形態において水溶液)、エマルション、ゲル、ペースト、およびミルクの形態である。いくつかの実施形態において、担体は、水性ベースの担体(ゲル、水中油型エマルションまたは水中油型クリーム、水溶液、泡、ローション、スプレーなど)である。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、組成物は経口投与され、使用される単位投与形態は、錠剤、カプセル、ロゼンジ、チュアブル錠、懸濁液、エマルションなどを含んでもよい。そのような単位投与形態は、安全かつ有効な量の所望の1つまたは複数の化合物を含む。経口投与用の単位投与形態の調製に適した許容可能な担体は、当技術分野で周知である。錠剤は、典型的には、従来の薬学的に適合性のある補助剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース、およびセルロースなどの不活性希釈剤;デンプン、ゼラチン、およびスクロースなどの結合剤;デンプン、アルギン酸、およびクロスカルメロースなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクなどの潤滑剤などを含む。二酸化ケイ素などの流動化剤を使用して、粉末混合物の流動性を改善してもよい。外観のために、FD&C色素などの着色剤を添加してもよい。甘味剤および香味剤、例えばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、およびフルーツフレーバーなどは、チュアブル錠、シロップなどに対して有用な補助剤であり得る。カプセルは、典型的に、上記の1つまたは複数の固体希釈剤を含む。担体成分の選択は、味、コスト、および保存安定性などの副次的考慮事項次第であり、これらは本発明の目的にとって重要ではなく、当業者によって容易に行うことができる。いくつかの実施形態において、カプセルはフレーバーカプセルである。
【0076】
経口投与形態は、所定の放出プロファイルを包含し得る。一実施形態において、本発明の経口投与形態は、長期放出性の錠剤、カプセル、ロゼンジまたはチュアブル錠として製剤化された長期放出性製剤である。本発明の経口投与形態は、徐放性の錠剤、カプセル、ロゼンジまたはチュアブル錠を含んでもよい。本発明の経口投与形態は、即放性の錠剤、カプセル、ロゼンジまたはチュアブル錠を含んでもよい。当業者に既知のように、経口投与形態は、活性成分の所望の放出プロファイルに応じて製剤化されてもよい。
【0077】
経口組成物は、液体溶液、エマルション、懸濁液などを含んでもよい。そのような組成物の調製に適した薬学的に許容可能な担体は、当技術分野において周知である。
【0078】
本発明の方法において使用するための組成物は、溶液またはエマルションを含んでもよく、これは、いくつかの実施形態において、安全かつ有効な量のグルコサミンおよびCBD、ならびに任意選択的に他の化合物を含む水溶液またはエマルションである。
【0079】
別の組成物は、乾燥粉末を含んでもよい。組成物は、噴霧化および吸入投与用に製剤化されてもよい。そのような組成物は、噴霧手段が取り付けられた容器に収められてもよい。
【実施例】
【0080】
実施例1−透過
3つの異なる水溶性CBD経口処方、F#01(20%)、L#02(2.5%CBD)およびI#03(20%CBD)を試験し、15mg/Kgラットで投与した。
【0081】
3処方を、500mg/Kgのグルコサミン(Gln)と組み合わせて試験した。
【0082】
総投与量は10mL/Kg(CBD + Gln)であった。
【0083】
試験は、Sprague Dawley雄ラット(n=3/群)で実施した。
【0084】
CBDおよびGlnを含む単回投与を、t=0にPOで与えた。
【0085】
CBDおよびGlnの血漿濃度を、単回投与の1、4および8時間後に調べた。
【0086】
滑液中のGln濃度を、経口投与の8時間後に調べた。
【0087】
結果
図1に示されるように、様々な群間でGln血漿濃度の有意差は認められなかった。
【0088】
投与の1時間後、平均Gln血漿濃度は2,039ng/mLであり、4時間後に134ng/mL(ベースから93.4%減少)、および8時間後に8ng/mL(ベースから99.6%減少、および4時間の時点から94.0%減少)に減少した。
【0089】
15mg/Kgおよび500mg/KgのCBDおよびGlnのそれぞれの経口投与後、試験された3つのCBD水溶性処方、F#01、L#02およびI#03の間のGln血漿濃度に統計的有意性は見出されなかった。この結果は、CBDが血漿Gln濃度に有意な影響を与えなかったことを示す。しかしながら、Glnの血漿濃度は処方L#02の方が低かった。
【0090】
一方、
図2に示されるように、血漿CBD濃度は、様々な処方で異なることが分かった。すべての時点で、I#03およびL#02が最も高いCBD血漿濃度を示した。F#01投与後のCBD血漿濃度は、I#03およびL#02よりも有意に低かった。異なる値にも関わらず、図から認められるように、3処方すべての低下率は類似しているようである。
【0091】
図3に示されるように、経口投与の8時間後、滑液中のGln濃度は、L#02>Gln=I#03>F#01であった。
【0092】
滑液中のGln濃度の有意な改善は、L#02にのみ観察された。この結果は、L#02に対して認められた比較的低いGln血漿濃度と一致する。
【0093】
興味深いことに、F#01投与後、滑液中のGln濃度は、Gln自体で得られた濃度よりも低かった。滑液中にCBDは検出されなかった。
【0094】
この結果は、経口水溶性CBDとGlnとの同時投与が、滑液中のGln濃度の増加をもたらすことを示唆している。
【0095】
実施例2−イヌ用スナック
CBDおよびGlnを含む2つの組成物を、イヌ用スナックに製剤化した。
【0096】
小型犬用の組成物Aは、6グラムのスナック中に2.5mgのCBDおよび400mgのGlnを含んでいた。
【0097】
中型犬用の組成物Aは、10グラムのスナック中に4.5mgのCBDおよび700mgのGlnを含んでいた。
【0098】
大型犬用の組成物Aは、12gのスナック中に7.5mgのCBDおよび1.2gのGlnを含んでいた。
【0099】
組成物Bは、10mgのCBDおよび1.5gのGlnを含んでいた。
【0100】
各組成物は、柔らかいイヌ用スナックおよび香味剤を使用してイヌ用スナックに製剤化した。
図5はイヌ用スナックの写真である。
【0101】
スナックを5匹の健康なイヌに投与した。
【0102】
イヌはスナックを容易に食べ、イヌ用スナック製剤が望ましい味を有し、CBDの嫌な味が隠されたことを示した。
【0103】
実施例3−比率
試験は、2つのCBD処方を有する4つの異なるCBD:Gln比(1:5、1:10、1:20および1:30)および1つの対照(Gln単独)に対して、およそ4つの動物群(滑液用の3つおよび血漿用の1つ)を含む。これら48群はそれぞれ8匹のラットを保持し、合計384匹の動物である(血漿PK用の128匹、および滑液用の256匹)。
【0104】
総用量は10mL/Kgである。
【0105】
試験は、Sprague Dawley雄ラット(n=3/群)で実施する。
【0106】
単回投与が、t = 0にPOで与えられる。
【0107】
CBDおよびGlnの血漿濃度を、単回投与の1、4および8時間後に調べる。
【0108】
滑液を、経口投与の8時間後に調べる。
【0109】
目的は、CBDおよびGln両方の許容可能かつ適用可能な経口用量を維持しながら、滑液中の最大Gln濃度を達成するために、CBD:Gln比を最適化することである。
【0110】
実施例4−変形性関節症の治療
関節不安定症を誘発するために、0日目および2日目に、50匹のマウスに1単位のコラゲナーゼVII型を右膝に関節内経路で投与する。コラゲナーゼ誘発性OAモデルは、コラゲナーゼの片側関節内注射による関節不安定症の誘発に基づくモデルである。
【0111】
疼痛は、OAモデルにおける指標として使用される。
【0112】
GlnおよびCBDを含む製剤を試験する。
【0113】
75匹のマウスをランダムに3つの群(マウス25匹/群)に分ける:グループ1(n = 25)は、Gln、CBD、コンドロイチン、MSMおよびボスウェリア・セラータ抽出物を含む製剤が与えられ、グループ2(n = 25)は、GlnおよびCBDを含む製剤が与えられ、グループ3(n=25)は対照群であり、Glnのみが与えられる。
【0114】
総投与量は10mL/Kgであり、POで与えられる。
【0115】
OAの誘発から20日目の疼痛発症後、マウスを週に2回、4週間にわたって処置する。
【0116】
疼痛レベルは、4週間毎日測定する。
【0117】
結果は、グループ3と比較して、グループ1およびグループ2において、疼痛レベルの低下を示すであろう。
【0118】
実施例5−変形性関節症の治療のための用量
CBDとGlnとの組み合わせの用量範囲を決定するために、臨床試験が実施される。
【0119】
OAを有する50人のヒトの患者を、以下の表にしたがい、異なる用量範囲で処置する。用量は1日1回経口的に3ヶ月間投与される。
【0120】
WOMAC変形性関節症指数が、用量範囲の活性を評価するために使用される。
【0121】
結果は、OAを有するヒトを治療するための好ましい比率を示すであろう。
【0122】
1日あたりのCBDは、以下の表3による(mg / Kg)。
【0123】
【表3】
【0124】
上記のCBD投与を受ける患者は4つのグループに分けられ、グループ1は、表3に従い受けるCBD用量に対して1:10(CBD:Gln)の量でGlnの1日あたりの投与を受け、グループ2は、1:20の1日あたりの投与を受け、グループ3は、1:30の1日あたりの投与を受ける。グループ4はグループ2と類似するが、コンドロイチン、MSM、ボスウェリア・セラータ抽出物が追加される。
【0125】
本発明の特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、多くの修正、置換、変更、および同等物を当業者は思い付くであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にあるようなすべてのそのような修正および変更を網羅することが意図されることを理解されたい。
【国際調査報告】