特表2021-532278(P2021-532278A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-532278含有生地、そのような生地を含む衣類、及び関連した製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532278(P2021-532278A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】含有生地、そのような生地を含む衣類、及び関連した製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04B 1/18 20060101AFI20211029BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20211029BHJP
   A41B 11/04 20060101ALI20211029BHJP
   D04B 9/46 20060101ALI20211029BHJP
   D04B 11/12 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   D04B1/18
   D04B1/00 A
   D04B1/00 Z
   A41B11/04
   D04B9/46
   D04B11/12
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-565880(P2020-565880)
(86)(22)【出願日】2018年5月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月25日
(86)【国際出願番号】IT2018000077
(87)【国際公開番号】WO2019224846
(87)【国際公開日】20191128
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520452770
【氏名又は名称】フィートネス エッセ.エッレ.エッレ.
【氏名又は名称原語表記】FEETNESS S.r.l.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】ローラ コルティノヴィス
【テーマコード(参考)】
3B018
4L002
4L054
【Fターム(参考)】
3B018AA02
3B018AB03
3B018AC01
4L002AC01
4L002AC07
4L002BA00
4L002BA02
4L002EA00
4L002EA06
4L002FA01
4L002FA05
4L054AA01
4L054BA03
4L054BD02
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの地糸(2)及び少なくとも1つの弾性糸(5)の複数のステッチを含む、少なくとも1つの伸縮部(4)を有する抑制生地に関し、前記伸縮部(4)の少なくとも一部の隣に抑制部(8)は伸び、そこでは、1つ又は複数の第1のステッチ(P1)のそれぞれで抑制糸(9)の浮き長さ(10)が伸び、1つ又は複数の第2のステッチ(P2)のそれぞれで前記少なくとも1つの主糸(3)の浮き長さ(10)が伸びるように、前記主糸(3)を含む前記第1のステッチ(P1)の第1の群(G1)は、前記抑制糸(9)を含む前記第2のステッチ(P2)の第2の群(G2)と交互になる。本発明は、前記生地を含有する抑制衣類、並びに生地及び衣類を製造する方法にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコース(R、R、…、R)を含み、少なくとも1つの地糸(2)及び少なくとも1つの弾性糸(5)の複数のステッチを含む、少なくとも1つの伸縮部(4)を有する抑制生地(1)であって、前記抑制生地の前記伸縮部(4)の少なくとも一部の隣に抑制部(8)が存在することを特徴とし、前記抑制部(8)では、1つ又は複数の第1のステッチ(P)のそれぞれで、抑制糸(9)の浮き長さ(10)が伸び、1つ又は複数の第2のステッチ(P)のそれぞれで、少なくとも1つの主糸(3)の浮き長さ(10)が伸びるように、前記主糸(3)を含む前記第1のステッチ(P)の第1の群(G)が、前記抑制糸(9)を含む前記第2のステッチ(P)の第2の群(G)と交互になる、抑制生地(1)。
【請求項2】
前記伸縮部の少なくとも一部は、2つの後続の弾性ステッチの間に伸びる弾性糸の長さを形成することにより、前記弾性糸が少なくとも前記地糸と共に編まれない1つ又は複数の浮きステッチ(7)と交互になる、少なくとも前記地糸と一緒に前記弾性糸(5)を編むことによって獲得された1つ又は複数の弾性ステッチ(6)を含み、好ましくは各後続のコース(R、R、…、R)で、同じ一連の弾性ステッチ(6)及び浮きステッチ(7)は、コースの前記弾性ステッチ及び前記浮きステッチが、リブを形成する前記前のコース及び後続のコースの前記弾性ステッチ及び前記浮きステッチと1列内に位置合わせされるように繰り返される、請求項1に記載の抑制生地(1)。
【請求項3】
前記第1の群(G)の各々は、前記主糸を含む前記第1のステッチ(P)の少なくとも1つを含み、前記第2の群(G)の各々は、前記抑制糸(9)を含む前記第2のステッチ(P)の少なくとも1つを含み、恐らく前記第1の群(G)の各々は、前記主糸を含む少なくとも2つの第1のステッチ(P)を含み、前記第2の群(G)の各々は、前記抑制糸(9)を含む少なくとも2つの第2のステッチ(P)を含む、請求項1又は2に記載の抑制生地(1)。
【請求項4】
前記主糸及び前記抑制糸は同じ型であり、同じ大きさを有し、或いは異なり、及び/又は異なる大きさを有し、恐らく前記抑制糸は、前記主糸の直径より大きい直径を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抑制生地(1)。
【請求項5】
前記第1の群(G)の前記第1のステッチ(P)の数、及び前記第2の群(G)の前記第2のステッチ(P)の数は、互いに同じ又は異なることが可能であり、異なるコース及び/又は同じコースで変化することができる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抑制生地。
【請求項6】
第1の中間半部(16)及び第2の中間半部によって互いに接合した、少なくとも1つの上部(14)及び1つの下部(15)を含むニット衣類であって、前記衣類は、実質的に縫い目のない管状衣類であり、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抑制生地(1)の少なくとも一部を含むことを特徴とする、ニット衣類。
【請求項7】
前記衣類は、使用者の関節上に着用する前記衣類から選択され、弾性足首ブレース(11)、足首ブレースを備えた靴下(12)、又は弾性膝ブレース(13)などであることが可能である、請求項6に記載のニット衣類。
【請求項8】
前記第2の中間半部(17)は袋として形作られ、前記抑制生地(1)は、前記上部(14)、下部(15)及び第1の中間半部(16)で伸び、前記抑制部は、その上に前記抑制部が着用されなければならない前記関節の前記形成を辿るように形作られ、前記第2の中間半部を包囲する、前記第1の中間半部で互いに接合する上ストリップ(18)及び下ストリップ(19)を含み、前記上ストリップ及び下ストリップは、それに沿って前記コースが走る前記方向に対して、前記第1の中間半部に向かって少なくとも一部が傾斜して伸びる、請求項6又は7に記載のニット衣類。
【請求項9】
複数の初期コース(R)で、前記抑制部の範囲は、前記それぞれのコースのステッチの制限された量に対応し、各コースにおける前記抑制部の範囲は、少なくとも1つのコースの前記ステッチの少なくとも大部分の隣に伸びるまで、前記後続のコースで増加し、前記抑制部の範囲は低減し、次いで少なくとも1つのコースの前記ステッチの少なくとも大部分の隣に伸びるまで、前記第2の中間半部を包囲するように前記後続のコースで再度増加し、前記下部では各コースの前記抑制部の範囲は、複数の最終コース(R)で制限された量のステッチを含むまで、低減する数のステッチを含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載のニット衣類。
【請求項10】
前記衣類は、足首ブレースを備えた靴下(12)であり、足の前部(22)、つま先部(23)、恐らく脚部(21)及び恐らく最終縁部(20)を含む、請求項4〜9のいずれか一項に記載のニット衣類。
【請求項11】
一連のコースを含む抑制生地(1)を製造するための方法であって、前記方法は、前記コースの少なくとも一部の隣に、少なくとも1つの弾性糸(5)を編むことによって獲得された少なくとも1つの伸縮部(4)を作成するステップを含み、前記方法は、前記伸縮部の少なくとも一部の隣に少なくとも1つの抑制部(8)を作成するステップを含み、前記抑制部では前記抑制部は、1つ又は複数の第1のステッチ(P)の第1の群(G)が形成され、抑制糸を含む1つ又は複数の第2のステッチ(P)の第2の群(G)と交互になる主糸(3)を含むように、前記主糸を前記抑制糸と交互に編むことにもよって獲得されること、且つ前記主糸を含有する前記ステッチで、前記抑制糸の浮き長さ(10’)が伸び、及び逆も同様に前記抑制糸を含有する前記ステッチで、前記主糸の浮き長さ(10)が伸びることを特徴とする、方法。
【請求項12】
連続して動く回転シリンダ(24)を有するニットウェア及び靴下類用の環状機により、前記抑制生地(1)を製造するための請求項11に記載の方法であって、前記回転シリンダは、複数の針(25)を運ぶ往復運動で選択的及び回転式に活性化することができ、前記針は、前記針が編む少なくとも1つの糸を妨害する活性位置と、前記針が前記糸を妨害しない不活性位置との間で選択的に活性化することができ、前記方法は、以下のステップ、すなわち
a)各生地のコースで、伸縮部(4)を作成するために、前記生地の複数のコース(R、R、…、R)を形成するように、少なくとも1つの地糸(2)及び少なくとも1つの弾性糸(5)を前記回転シリンダの前記針で編むことと、
b)前記コース(R、R、…、R)の少なくとも1つで、前記主糸を妨害しないために前記不活性位置に運ばれた第2の群の針(28)と交互になる、前記主糸を妨害するために前記活性位置に運ばれた第1の群の針(27)で、少なくとも1つの主糸(3)を編むこと、及び前記抑制糸を妨害しないために、前記不活性位置に運ばれた前記第1の群の針(27)と交互になる、前記抑制糸を妨害するために前記活性位置に運ばれた前記第2の群の針(28)で前記抑制糸を編むことと、
c)前記伸縮部(4)の少なくとも一部の隣に抑制部を作成するために、複数の後続のコースのために前記ステップb)を抑制することと含み、
前記ステップa)は、少なくとも1つの針を含む群の針(27)が前記弾性糸を編み、これは、前記弾性糸を編まない少なくとも1つの針を含む群の針(28)と交互になるように作動することができる、方法。
【請求項13】
請求項12に従って作成された抑制生地の少なくとも一部を含むニット衣類を製造するための方法であって、前記ステップa)は、前記衣類の少なくとも一部の後続のコース(R、R、…、R)の隣に、伸縮部(4)の上部(14)、第1の中間半部(16)及び下部(15)が形成され、ステップb’)は、複数の前記コース(R、R、…、R)の中間で、少なくとも前記地糸は、袋の形状を有する第2の中間半部(17)を作成するために前記回転シリンダの前記針の一部で編まれる、方法。
【請求項14】
前記衣類は使用者の身体の関節に関連するように適し、詳細には前記衣類は、弾性足首ブレース(11)、弾性膝ブレース(13)、又は足首ブレースを備えた靴下(12)であり、前記方法は、このような衣類を作成するために必要な前記ステップを提供し、恐らく弾性縁部(20)を前記衣類の1つ若しくは複数の前記端部に作成する前記ステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記衣類は足首ブレースを備えた靴下であり、足の前部(22)、つま先部(23)及び恐らく脚部(21)を作成する前記更なるステップが提供される、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記シリンダ針を適切に選択することにより、前記ステップb)及びc)は、それに沿って前記コースが伸びる前記方向に対して、どちらも傾斜した上ストリップ(18)及び下ストリップ(19)を含む抑制部を形成することと、それぞれが前記上部(14)及び前記下部(15)から前記第1の中心半部(16)で接合するように前記第1の中心半部(16)に向かって開始することと、前記第2の中間半部(17)を包囲するように形作られることとを提供する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にニットウェアの分野に関し、詳細にはニット生地並びにニット衣類に関係する。本発明は、ニットウェア及び靴下類用の環状機により、そのような生地及び衣類を製造するための方法に更に関する。
【背景技術】
【0002】
その上に抑制型生地を着用する、使用者の身体部を抑制する機能を発揮するのに適切な抑制型生地が公知である。
【0003】
具体的には、弾性足首ブレース、弾性膝ブレースなどのような整形外科若しくは抑制機能を有する、使用者の関節又は他の身体部に着用する衣類も公知である。そのような衣類は、関節又は衣類が関連するどのような身体部も適正位置に保つように形作られて設計された弾性部を有し、従って外傷を引き起こす可能性のある誤った動きを防ぎ、予防作用及び関節の主に横方向の持久力を損なう外傷時の両方のために着用することができる。
【0004】
これらの衣類は、通常中間部を露出する弾性十字ストリップを含み、又はいずれにしても関節を動かすことができるために、より伸長可能な中間部を含む。
【0005】
今までに実施されたように、このような衣類の特徴は互いにいくつかの部分を接着するため、具体的には弾性ストリップを互いに接着するために縫い合わせるが、このような縫い合わせは、具体的には衣類が皮膚を加圧するので、一旦衣類を着用すると不快である。
【0006】
加えて例えば足首ブレースの場合、足首ブレースは通常靴下の下に着用し、従って足首ブレースは、履物を着用しなければならない場合に、非常に不快になる可能性がある二重の負担を構成する。
【0007】
一方、土踏まずの腫れ、衰弱若しくは炎症、又は踵の痛みの場合に助けるために、使用者の足に異なる圧迫を加える役に立つ、段階的圧迫靴下も公知である。
【0008】
このような衣類は、扱う足部を支えるために円周弾性ストリップを含む。しかしこのような衣類は、衣類が関連する関節、詳細には足首にいかなる支持も提供しない。事実、このような衣類は、衣類の残余部を作成する糸と一緒に又は代替として、弾性を備えた生地を提供するために弾性糸を編んだ部分を有するに過ぎない。弾性糸は、本来伸長可能であり変形可能であり、従ってこのような部分は、関連する身体部を圧迫するが、いかなる抑制機能及び動きを抑制する機能も持たない。
【0009】
また、抑制生地は、通常他の糸と組み合わせて編んだ弾性糸を単に追加することによって作成される。
【0010】
使用者の脚及び足の前部に着用するために、通常その部分に配置された補強部を含む、靴下などのようなニットの衣類も同様に存在する。このような補強は、可能な衝撃に対して足を保護するため、又はブーツ若しくはブーティなどの硬い履物内に着用する時に、1つ又は複数の糸を編むこと、及び靴下の残余部より厚い層を作成する唯一の機能を有することによって獲得されたパイル編を有して通常編まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、弾性だが抑制効果も有し、従って着用時に支持を提供するのに適したニット生地の織物を提供することにより、公知の技術の欠点を補償する目的を持って設計されている。
【0012】
更なる目的は、関節自体を適正位置に保つことにより、使用者の動きを抑制及び制限するために、使用者の足首、膝、肘、手首などの関節に着用するように適合された、そのアセンブリに実質的に縫い目がない管状のニット衣類を提供することである。
【0013】
更なる目的は、具体的には快適で、恐らくつま先を閉じるための縫い目を除いて縫い目がない、弾性足首ブレースを埋め込むストッキング状又は靴下状衣類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的は、少なくとも1つの地糸及び1つの弾性糸を編むことによって獲得された弾性ステッチを含む、少なくとも1つの伸縮部を有する、請求項1に記載のニット生地によって達成される。
【0015】
本発明によれば、伸縮部は、抑制糸を含むステッチにおいて主糸の浮き長さが形成され、及び逆も同様であるように、抑制糸を少なくとも1つの主糸とも交互に編むことによって獲得されたステッチを含む、少なくとも1つの抑制部を有する。
【0016】
好ましくは、抑制部に編んだ主糸は、伸縮部の残余部にも、更により好ましくはニット生地全体にも編まれる。
【0017】
好都合なことに、第1の主糸の代わりに又は追加として、ニット生地の抑制部及び/若しくは残余部に編むために、少なくとも1つの第2の主糸も存在してもよい。
【0018】
好ましい解決策では、前記伸縮部は、弾性糸を編むステッチを含み、そのステッチは、弾性糸が浮くことができる、すなわち弾性糸は編まれず、従って管状生地のいわゆる裏側から見えて、自由に伸びる弾性糸の長さを形成し、こうして面と呼ばれる生地の反対側に見える、いわゆる「モックリブ」ニットを形成するステッチと交互になる。例えば少なくとも1つの弾性ステッチ、すなわち弾性糸を含むステッチは、弾性糸は浮いたままである少なくとも1つの非弾性糸と交互になる。このようにして浮く弾性糸は、弾性ステッチの2つの連続した群を近づけることを目的とし、こうしてリブニット効果を持つストッキングを提供する。用語「リブニット」とは、通常平編みを裏編みと交互にすることによって獲得されるニットを意味する。
【0019】
好都合なことに、伸縮部のステッチの一部で、主糸及び抑制糸も、生地の裏側に浮き糸の長さを作成するように互いに交互に編まれる。直線長さである浮き糸長さは、湾曲を形成する編んだ脅威の長さ、又はステッチ自体を構成するループより、本来伸びることができず、従って浮き糸長さを含むニットはほとんど伸びることができず、抑制効果をもたらす。従って弾性糸のモックリブを含む弾性部は、弾性を持つニット生地を提供する一方で、浮きステッチを形成することにより、主糸を抑制糸と交互に編む組合せは、このような弾性を低減する一方で、関節に所望の支持を提供する。
【0020】
前記主糸及び抑制糸は、類型及び/又は大きさの観点から等しいことが可能であるが、好ましくは異なる大きさを有し、好都合なことに抑制糸はより高い線密度、好ましくは抑制糸の線密度の2倍を有することができる。用語「線密度」とは、糸径に関した量を意味する。換言すると、抑制糸の直径は主糸の直径の約2倍であり、又はその逆も同様である。
【0021】
好ましい解決策でニット生地の少なくとも一部では、抑制部は主糸の少なくとも2つのステッチを含み、そのステッチは、少なくとも2つのステッチの隣に伸びる浮き糸の長さを形成するために、抑制糸の少なくとも2つのステッチと交互になる。このような配置は、選択2:2と定義される。しかしその支持及び弾性圧迫特性を保持する生地を依然として有することができる、1:1、2:1、2:3、3:2、4:2、その他などの他の選択も可能である。
【0022】
具体的には、生地は、生地自体の異なる領域に対して異なる抑制の程度の余裕があるために、異なる選択を有する抑制部を含むことができる。
【0023】
好都合なことに、前記主糸及び抑制糸は互いに交互に働き、生地自体の伸長性を低減するように生地の裏側に浮き糸長さを作成するために、それぞれの生地の抑制部内で切断されない。少なくとも抑制糸は、その代わりに各抑制部の縁部で切断することができる。
【0024】
好ましくは、このようなニット生地は、複数のコースから成る管状形状を有し、異なる直径及び/又は大きさに作成することができる。用語「コース(course)」では、ニット生地の横方向に伸びるステッチのそれぞれの線を含むステッチの段を意味する。
【0025】
好都合なことに、前記ニット生地は、足首、膝、肘、その他などの関節上に着用する衣類の一部であることが可能である。
【0026】
従って本発明は、関節を抑制するために、弾性糸を編むことによって獲得された伸縮部、及び伸縮部の少なくとも一部の隣に伸び、抑制糸のステッチと交互になる主糸のステッチを含む抑制部を含む、請求項6に記載のニット生地にも関する。このようにして、抑制糸の長さは主糸のステッチの背後に伸びる一方で、主糸の長さは抑制糸のステッチの背後に伸びる。
【0027】
詳細には、このような衣類は管状形状を有し、少なくとも1つの上部、1つの第1の中間半部、1つの第2の中間半部及び1つの下部を含む。
【0028】
好都合なことに、抑制部は、前記上部及び下部の一部の隣、並びに前記第1の中間半部の少なくとも一部の隣に伸びる。
【0029】
好ましくは、抑制部は、それが関連する手足の形状を辿り、通常の関節の動きを可能にするために、衣類の第1の中間半部で傾斜して伸び、互いに接合する上ストリップ及び下ストリップを含む。
【0030】
好都合なことに、第2の中間半部は、使用者の踵、膝又は肘を収容するために袋として形作られる。尚より好都合なことに、抑制部及び恐らく伸縮部も、その動きを抑制せず、関連する身体部を圧迫して煩わさないために、第2の中間半部で伸びない。
【0031】
衣類は、弾性足首ブレース、足首ブレースを備えた靴下、弾性膝ブレースなどであることが可能である。
【0032】
このような衣類では、少なくとも抑制部で編む主糸は、衣類の残余部内でも使用することができ、又は別法として若しくは追加として、少なくとも1つの第2の主糸は、衣類の残余部に提供することができる。
【0033】
好都合なことに、足首ブレースを備えた靴下は、弾性足首ブレースが衣類自体の一部であるので非常に快適である。従ってこのような衣類は、単一の生地層に靴下及び弾性足首ブレースの二重機能を有し、こうして足首ブレース及び靴下の両方を着用しなければならない時に、通常は避けられない厄介な衣類の重なりを回避する。
【0034】
好都合なことに、弾性膝ブレースも、タイツ又はレギンスなどのより広範囲の衣類の一部であることが可能であり、同じように、肘ブレースは袖などの一部であることが可能である。
【0035】
本発明は、伸縮部及び抑制部を備えたニット生地を実現するための請求項11に記載の方法、並びに抑制効果を有する伸縮衣類を製造するための請求項13に記載の方法にも関する。
【0036】
詳細には、方法は、生地又は衣類を構成する部分を作成するために必要なステップ、並びに弾性糸を編むことによる伸縮部、及び伸縮部の少なくとも一部の隣に伸びる少なくとも1つの抑制部を作成するための追加のステップを含み、伸縮部は、主糸を含むステッチが抑制糸を含むステッチと交互に形成されるように、且つ主糸を含有するステッチにおいて抑制糸の浮き長さが伸び、及び逆も同様に抑制糸を含有するステッチにおいて主糸の浮き長さが伸びるように、主糸と抑制糸を互いに交互に編むことにもよって獲得される。
【0037】
しかし本発明は、添付の表示し非限定的な図面を参照に、以下に説明を更に描く。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】両側から見た、本発明によるニット生地を概略的に示す。
図1a図1aは、図1において囲まれたニット生地の一部のステッチの配列を示す。
図2】両側から見た、本発明によるニット生地を概略的に示す。
図2a図2aは、図2において囲まれたニット生地の一部のステッチの配列を示す。
図3a図1のニット生地の2つの異なる部分のコースの一部を示す。
図3b図1のニット生地の2つの異なる部分のコースの一部を示す。
図4】弾性足首ブレースの形状を有する衣類の斜視図を示す。
図5】弾性足首ブレースの一部を含む靴下の形状を有する衣類の実施形態を示す。
図5a図5aは図5の衣類の一部の表側からの図を示す。
図5b図5bは図5の衣類の一部の裏側からの図を示す。
図6】弾性足首ブレースの一部を含む靴下の形状を有する衣類の実施形態を示す。
図6a図6aは図6の衣類の一部の表側からの図を示す。
図6b図6bは図6の衣類の一部の裏側からの図を示す。
図7】弾性足首ブレースの一部を含む靴下の形状を有する衣類の実施形態の外側からの図を示す。
図7a図7aは図7の衣類の一部の表側からの図を示す。
図7b図7bは図7の衣類の一部の裏側からの図を示す。
図8】弾性足首ブレースの一部を含む靴下の形状を有する衣類の実施形態の外側からの図を示す。
図8a図8aは図8の衣類の一部の表側からの図を示す。
図8b図8bは図8の衣類の一部の裏側からの図を示す。
図9】弾性膝ブレースの形状を有する衣類の斜視図を示す。
図10】本発明による、ニット生地及び衣類を作成するためのニットウェア及び靴下類用の環状機の一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1及び2では、本発明によるニット生地が、番号1によって全体的に示されている。
【0040】
ニット生地は、少なくとも1つの地糸2及び少なくとも1つの主糸3を編むことによって獲得した複数のコースR、R、…、Rを含み、少なくとも地糸2及び少なくとも1つの弾性糸5を一緒に編むことによって、又は弾性ステッチ6と称される一部のステッチにおいて、弾性糸は少なくとも地糸と共に編むことになる一方で、浮きステッチ7と称される他方のステッチでは、弾性糸は編まれず、従って浮いたままである弾性糸の長さを形成するように、弾性糸を編むことによって獲得した少なくとも1つの伸縮部4を含む。
【0041】
好ましくは、それぞれの後続のコースR、R、…、Rで、同じ一連のステッチは、1コースの弾性ステッチ及び浮きステッチが、列を形成するように前のコース及び後続のコースの弾性ステッチ及び浮きステッチに位置合わせされるように反復される。
【0042】
図に示された好ましい解決策では、ニット生地1の各コースで、弾性ステッチは、いわゆる選択1:1で浮きステッチと交互になる。
【0043】
本発明によれば、伸縮部の少なくとも一部で、抑制部8も、主糸3及び少なくとも1つの抑制糸9を編むことによっても獲得される。
【0044】
抑制部では、主糸3及び抑制糸9は、主糸3の1つ又は複数の第1のステッチPの第1の群Gにおいて、抑制糸9の浮き長さが存在し、及び逆も同様に抑制糸9の1つ又は複数の第2のステッチPの第2の群Gにおいて、主糸3の浮き長さが存在するように、互いに交互に編まれる。
【0045】
主糸及び抑制糸は、それぞれが少なくとも1つの平編みステッチの後に少なくとも1つの浮きステッチを含む、それぞれの一連のステッチを形成する。用語「平編みステッチ」とは、糸が前のコースの対応するステッチと共に編まれるステッチを意味するのに反して、「浮きステッチ」とは、糸が前のコースの対応するステッチと共に編まれないステッチを意味し、従って同じ糸の2つの後続のステッチの間に伸び、ニット生地のいわゆる裏側から見える、浮き糸10、10’の長さに由来する。
【0046】
好ましくは、抑制部の少なくとも一部は、主糸の2つのステッチPの後に抑制糸の2つのステッチPが続き、以下同様に続くように、また、主糸の2つのステッチPでは、浮き抑制糸10’の長さが形成されるのに反して、抑制糸の2つのステッチPでは、浮き主糸10の長さが形成されるように、主糸及び抑制糸を編むことによって獲得される。換言すると、それぞれの主糸及び抑制糸に対して、ステッチ及び浮きステッチは選択2:2に従って交互になる。
【0047】
主糸及び抑制糸の浮きステッチは、平編みステッチより伸び難く、従って所望の抑制効果を提供するために伸縮部の伸縮性を低減する。他の選択、例えば1:1、1:3、2:2、2:1、2:4、その他による、異なる代替ステッチ及び浮きステッチにより、異なる抑制能力及び強度を有する生地が獲得できる。選択の種類は、異なるコースの間又は同じコース内でも変化することができる。
【0048】
図4〜8に示されたように、ニット生地1は、抑制効果を持つ衣類自体を提供するような衣類の一部であることが可能である。詳細には、衣類は、関節を支えて支援する目的を有する整形外科型衣類である。より詳しくは、衣類は、弾性足首ブレース11の形状、足首ブレースを備えた、すなわち弾性足首ブレースとして作用する一部を含む、ストッキング若しくは靴下12の形状、又は弾性膝ブレース13の形状、或いは示されていない弾性手首ブレース、弾性肘ブレースなどの形状も有することができる。
【0049】
換言すると、ニット生地は、実質的に管状衣類に埋め込み、単一片、すなわち恐らく最終縫い目を除いて縫い目なしに形成することができ、これは、使用者の足首、膝、手首、肘又は他の関節に着用するように異なる直径及び/又は形状を有し、従ってその通常の動きは可能だが、外傷を引き起こす可能性がある誤った捻り、又は関節が単に外傷の結果として受ける可能性がある誤った捻りを防ぐように、関節自体の拘束をもたらす。
【0050】
詳しくは、図4に示された弾性足首ブレース11、図5、6、7及び8の足首ブレースを備えた靴下12、並びに図9の弾性膝ブレース13は、第1の中間半部16及び第2の中間半部17によって互いに接合された、上部14並びに下部15を含む。第2の中間半部17は、衣類の型に依存して、使用者の踵又は膝蓋骨のそれぞれを収容できるために袋状に形作られる。
【0051】
各衣類の上部、下部及び第1の中間半部の少なくとも一部は、前に記載されたニット生地に類似したニット生地の一部、及び詳細には抑制部8を備えた伸縮部4を含む。
【0052】
詳しくは、抑制部は、その通常の動きを可能にするために、その上に抑制部を着用しなければならない関節の形成を辿るように形作られる。詳細には、抑制部は、第1の中間半部で互いに接合する上ストリップ18及び下ストリップ19を含む。好ましくは、このような上ストリップ及び下ストリップは、衣類を横に見た時に、その内側に第2の中間半部が存在する一種のV字形、換言すると、第2の半部を囲むV字形の2つのアームが形成されるように、上部及び下部の横方向に対して少なくとも一部が傾斜して伸びるように形作られる。好ましくは、前記2つのアームは、それらの自由端部で内方に湾曲する。
【0053】
従って抑制部は、全体的に見て足部及び関連する関節の周りに巻き付ける一種のコイルを形成し、衣類の型に依存して踵又は膝蓋骨をそれぞれ自由にさせる。
【0054】
好ましくは、こうして初期コースRでは、抑制部は、使用者の脚の背部上、及び使用者の足の扁平骨の一部上に着用するので、弾性足首ブレース及び足首ブレースを備えた靴下の場合に背部と呼び、又は脚の前部上に着用するので、弾性膝ブレースの場合に前部と呼ぶことができる、衣類自体の一部で限られた量のステッチのみに沿って伸び、それぞれの後続のコースで、抑制部を構成するステッチの量は、好ましくは少なくとも1つのコースの全てのステッチで伸びる抑制部を有するまで増加し、そのコースで第1及び第2の半部では、抑制部は第1の半部のみで伸び、例えば踵又は膝蓋骨で伸びず、最後に下部では、抑制部は徐々に狭まり、抑制部はその最終コースRで極めて小さい数を含むまで低減する数のステッチを含むことを意味する。
【0055】
好ましくは、その上に抑制部を着用しなければない解剖的部位の形状を良好に辿るために、且つその抑制作用を良好に発揮するために、抑制部は、浮きステッチ、並びに可変選択に従って互いに交互になる主糸及び抑制糸のステッチを有し、従って抑制部は、抑制部全体に対して及び/又は各コース内で一定ではない。
【0056】
図4に示された好ましい解決策では、踵に近い足部上に着用する部分に、各糸のより大きい数の一連のステッチに続いて、小さい数のステッチのみが浮きステッチと交互になる衣類の残余部で低減する同じ糸の浮きステッチが存在することが可能である。
【0057】
図5、6、7は、抑制部が示された足首ブレースを備えた靴下の可能な実施形態の3例を示し、主糸のステッチは、異なる抑制効果及び/又は美的効果を有するために、図5a、6a、及び7aにより良好に描かれた異なる選択に従って、抑制糸のステッチと交互になる。
【0058】
主糸及び抑制糸は、同じ線密度又は異なる線密度を有することができ、好ましくは、抑制糸はより大きい直径、更に主糸の直径の2倍を有する。事実このようにして、抑制部に配置された強い抑制効果が獲得されるのに反して、残余部は、より軽く、より薄く、具体的には衣類の快適性を増加してより容易に着用できるために弾性である。
【0059】
主糸及び抑制糸は、衣類の残余部に対して抑制部を際立たせるように、異なる色を有することができる。
【0060】
伸縮部は、抑制部も存在するコースで、若しくはより大きい数のコースに対して、又は尚更に衣類全体に沿って伸びることしかできない。
【0061】
加えて衣類は、衣類の正しい着用を保持するために、その端部の一方又は両方に、靴下の場合は一方だけに、弾性縁部20を有することができる。
【0062】
詳細には、図4の弾性足首ブレースを参照すると、上部は使用者の脚の端部上に着用し、下部は使用者の足の第1の部分上に着用し、第1の中間半部は甲上に着用するように設計され、第2の中間半部は使用者の踵自体を収容するために袋状に設計される。
【0063】
図5、6及び7に足首ブレースを備えた靴下12の例が示されており、各々は前に記載した機能のような足首ブレースの機能を有する部分を含む。
【0064】
前に記載した衣類に関して、靴下は、恐らく脚部21、足の前部22及びつま先を取り囲むためのつま先部23も含む。
【0065】
この場合、最終弾性縁部20は、脚部の端部と組み合わされる。脚、足の前部及びつま先部は、通常靴下内に存在するあらゆる編地を有することができる。
【0066】
図8に示された弾性膝ブレース13は、弾性足首ブレース11の織り目に類似した織り目を有するが、より大きい直径及び使用者の膝上に着用するのに適した形状を有する。
【0067】
衣類の直径及びコースの数に基づいて、衣類は肘、手首などに関連するためにも適することが可能である。
【0068】
ニット生地1及び衣類11、12及び13は、好ましくは往復運動において選択的及び回転式に活性化することができる、連続して動く回転するシリンダ24を有するニットウェア及び靴下類用の環状機によって作成され、シリンダ24は複数の針25を運び、針25は、針25が編む少なくとも1つの糸を妨害する活性位置と、針25が前記糸を妨害しない不活性位置との間で選択的に活性することができる。環状機は、針に少なくとも1つの地糸、少なくとも1つの主糸、少なくとも1つの弾性糸及び少なくとも1つの抑制糸を供給するために、通常糸指26と呼ばれる供給手段を更に備える。
【0069】
方法は、少なくとも1つの伸縮部4を含むニット生地を作成するために、均一及び/又は往復する円運動により、少なくとも地糸及び弾性糸を編むこと、並びにニット生地のコースの少なくとも一部の隣に抑制部8として画定された生地部を獲得するために、主糸及び抑制糸を主糸と交互に編むことにより、複数のステッチコースを作成することを提供し、抑制部8では、主糸を編むこと及び第1の抑制糸を編まないことによって獲得されたステッチが、抑制糸を編むこと及び主糸を編まないことによって獲得されたステッチと交互になる。それによって主糸を含むステッチに浮き抑制糸10’の長さ、及び抑制糸を含むステッチに浮き主糸10の長さが形成される。
【0070】
詳しくは、方法は以下のステップ、すなわち
a)各生地のコースで、回転シリンダの針で少なくとも1つの地糸2を編むこと、及び少なくとも1つの針の群が、生地の複数のコースR、R、…、Rを形成するために、前記弾性糸を編まない少なくとも1つの針の群と交互になる前記弾性糸を編むように、1つの弾性糸5を編むことと、
b)前記コースR、R、…、Rの少なくとも1つで、主糸3を妨害しないために不活性位置に運ばれた第2の群の針28と交互になる、主糸を妨害するために活性位置に運ばれた第1の群の針27で主糸を編むこと、及び不活性位置に運ばれた第1の群の針27と交互に、活性位置に運ばれた第2の群の針28で抑制糸9を編むことと、
c)抑制部を作成するために、後続のコースで点bを抑制することを提供する。
【0071】
このようにして、主糸を妨害する第1の群の針は抑制糸を妨害せず、逆も同様に第2の群の針は主糸を妨害しないが、抑制糸を妨害する。
【0072】
これは、その少なくとも一部上に、図1及び1aに示されたように、2つの異なる糸の一連のステッチによって画定された抑制部も含む、伸縮ニット生地を形成することができ、図1及び1aには、生地のいわゆる前面側から見た、抑制糸のステッチP2と交互になる、主糸のステッチP1が示されている。図2及び2aは、裏面と言われる生地の反対側から見た前述のステッチを示し、このような図では、主糸及び抑制糸の浮き長さ10、10’が見られる。
【0073】
第1の群の針27及び第2の群の針28のどちらも、各々が少なくとも1つの針を含むべきである。第1及び第2の群の針が2つの針を含む場合、抑制糸を反らすことにより主糸を編む2つの針があり、その後に主糸を反らすことにより抑制針を編む2つの針が続き、それらの次に抑制糸を反らすことにより主糸を編む2つの針に続き、選択2:2に従って以下同様に続く。
【0074】
しかし前記第1及び第2の群はより多数の針を含んでもよく、それらの中で、並びに同じコース又は異なるコースの異なる第1及び第2の群の両方で、異なる数の針を有することができ、こうして第1の群の針は全てが等しいことが可能であり、各々は同数の針を含み、第2の群は全てが等しいことが可能であり、各々は第1の群の針と等しい若しくは異なる同数の針を含み、さもなければ手足の形状に適合し、その上に着用する身体部に適する抑制効果を有する形状を備えた抑制部を形成するために、同じコース内に異なる数が存在する。
【0075】
好ましくは隣接コースで、1コースにおいて主糸を妨害するが抑制糸を妨害しない第1の群の針、及び主糸を妨害しないが抑制糸を妨害する第2の群の針は、後続のコースでは、前のコースの第1の群の針の少なくとも一部の針が、後続のコースの第2の群の針に属し、主糸を妨害しないが抑止糸を妨害し、第2の群の針の少なくとも一部の針が、主糸を妨害するが、抑制糸を妨害せず、以下同様に続いて図に示された型の抑止部を作成するように、前の群に対して少なくとも一部がずれることができる。
【0076】
前記の生地は、使用者の身体の関節上に着用する抑制衣類の一部であることが可能である。
【0077】
このような場合に、このような衣類を実現するための方法も以下のステップ、すなわち
複数の前記コースR、R、…、Rの中間で、袋の形状を有する第2の中間半部17を作成するために、少なくとも地糸及び主糸を往復運動で活性化される回転シリンダの針の一部で編むことを提供する。
【0078】
好ましくは、シリンダ針を適切に選択することにより、抑制部を形成するために必要なステップは、どちらもコースの方向に対して傾斜した上ストリップ18及び下ストリップ19を含む抑制部を形成することを提供し、それぞれは上部及び下部から始まって第1の中心半部を接合するように第1の中心半部に向かう。
【0079】
好都合なことに、また、関連しなければならない足の形状に適合するために、抑制部の開始及び終了部は、低減した数の第1及び第2の群の針で作成される。
【0080】
詳細には、このようなステップは以下のように実行される、すなわち
伸縮部の開始部の初期コースRで、前記第1の群の針27及び第2の群の針28が回転シリンダの針の小さい部分のみを含むように、限定された数の前記第1及び第2の群の針を活性化することと、
後続のコースで、回転シリンダの針の大部分、又は好ましくは全てが、前記第1又は第2の群の針の一方に属するまで、前記第1及び第2の群の針の数を増加することと、
第2の中心半部を構成する回転シリンダの針の少なくとも一部が含まれないように、第1及び第2の群の針の群の数を低減することと、
後続のコースで、回転シリンダの針の大部分、又は好ましくは全てが、前記第1又は第2の群の針の一方に属するまで、前記第1及び第2の群の針の数を増加することと、
前記第1及び第2の群の針の数を再度低減することと、
伸縮部の最終部の最終コースRで、前記第1の群の針27及び第2の群の針28が回転シリンダの針の小さい部分のみを含むように、限定された数の前記第1及び第2の群の針を活性化することが実行される。
【0081】
異なる糸及び/又は異なる直径若しくは細さの靴下類又はニットウェア用の機械を使用することにより、弾性足首ブレース11、足首ブレースを備えた靴下12、弾性膝ブレース13などのような、異なる測定値及び大きさの抑制衣類の異なる型を獲得することができる。事実、肘又は手首上に着用するように適合された衣類も獲得することができる。
【0082】
獲得された衣類は、衣類が靴下である場合に、つま先の縫い目などの恐らく最終の縫い目を除いて、実質的に縫い目がない。
【0083】
方法は、衣類若しくはその端部と組み合わせる1つ又は2つの弾性最終縁部20を作成するためにも必要な、本来公知のステップを提供することができる。
【0084】
足首ブレースを備えた靴下の形状を有する衣類の場合、方法は、靴下のつま先23を形成するために必要なステップ、及び恐らく環状機に直接実行するため又は後続の作動と共につま先自体を縫うステップも提供する。このような衣類では、抑制部は、足首ブレースを備えた靴下の一部のみで伸びることができる一方で、伸縮部4は、足の前部22及び/又は存在する場合に脚部21、及び/又はつま先部23などの残余部でも伸びることができる。
図1-1a】
図2-2a】
図3a
図3b
図4
図5
図5a
図5b
図6
図6a
図6b
図7
図7a
図7b
図8
図8a
図8b
図9
図10
【国際調査報告】