(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532327(P2021-532327A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】冷凍装置及び関連する操作方法
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20211029BHJP
F25B 39/04 20060101ALI20211029BHJP
F25B 41/20 20210101ALI20211029BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
F25B1/00 101F
F25B39/04 G
F25B41/20 Z
F25B49/02 510F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2021-500563(P2021-500563)
(86)(22)【出願日】2019年7月9日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月8日
(86)【国際出願番号】IB2019055826
(87)【国際公開番号】WO2020012348
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】102018000007108
(32)【優先日】2018年7月11日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517203615
【氏名又は名称】アンジェラントーニ テスト テクノロジーズ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ イン ショート エイティーティー ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100083389
【弁理士】
【氏名又は名称】竹ノ内 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100198317
【弁理士】
【氏名又は名称】横堀 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】パトリツィオ パラビ
(57)【要約】
閉回路(C)を有する冷凍装置(100)であって、前記閉回路(C)は、圧縮機(101)、凝縮器(102)、冷媒流体の膨張手段(103)、ユーザ装置(UT)を熱的に調整する蒸発器(104)、及び、開位置と閉位置との間で動作可能でありユーザ装置が必要とする温度に応じて前記蒸発器を通る前記冷媒流体の流れを調整する遮断弁(105)を含み、前記閉回路は、前記冷媒流体を流すために前記圧縮機の下流(D)及び上流(U)に各々設けられた入口領域(201)及び出口領域(202)を有する二次バイパス分岐(200)を更に含み、前記二次バイパス分岐は、流体が前記二次バイパス分岐と前記圧縮機との間で再循環することを可能にするための開位置と、二次バイパス分岐を通る前記流体の通過を阻止する閉位置との間で動作可能な通路弁(204)と、前記少なくとも通路弁が開いているときに凝縮器から圧縮機への冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段(106)とを備え、この逆流阻止手段は、前記凝縮器と前記二次バイパス分岐の入口領域との間に前記冷媒流体が逆流するのを阻止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒流体が循環する閉回路(C)を有する冷凍装置(100)であって、
前記閉回路(C)は、
少なくとも1つの圧縮機(101)、少なくとも1つの凝縮器(102)、前記冷媒流体の膨張手段(103)、直接的又は間接的に熱的な調整を行う少なくとも1つの蒸発器(104)、少なくとも1つのユーザ装置(UT)、及び
前記少なくとも1つのユーザ装置が必要とする温度に応じて、前記少なくとも1つの蒸発器を通る前記冷媒流体の流れを調整するために、開位置と閉位置との間で動作可能な少なくとも1つの遮断弁(105)とを備えたものにおいて、
前記閉回路は更に、
前記冷媒流体の通路として前記少なくとも1つの圧縮機(101)の下流(D)及び上流(U)に各々設けられた入口領域(201)及び出口領域(202)を有する、少なくとも1つの二次バイパス分岐(200)を備えており、
前記二次バイパス分岐(200)と前記少なくとも1つの圧縮機(101)との間で、前記流体が再循環することを可能にする開位置と、前記二次バイパス分岐(200)を通る前記流体の通過を阻止する閉位置との間で動作可能な、少なくとも1つの通路弁(204)を備えており、
前記閉回路(C)は、少なくとも前記通路弁(204)が開いているときに、前記凝縮器から前記圧縮機への前記冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段(106)を含んでおり、前記逆流阻止手段は、前記冷媒流体が前記凝縮器と前記二次バイパス分岐(200)の前記入口領域(201)との間に逆流してくるのを防ぐように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷凍装置であって、
前記冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段は、前記二次バイパス分岐(200)の前記入口領域(201)又はその近くに配置されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの二次バイパス分岐(200)は、
前記少なくとも1つの通路弁(204)がその開位置にあり、前記少なくとも1つの遮断弁(105)がその閉位置にあるとき、前記少なくとも1つの圧縮機(101)の上流(U)と下流(D)との領域圧力差(ΔPBYPASS)が、
前記少なくとも1つの遮断弁(105)が前記少なくとも1つの蒸発器を通過可能とし、前記通路弁(204)がその閉位置にあるときの、前記少なくとも1つの圧縮機(101)の上流と下流との間の領域圧力差(ΔP)よりも低くなるような、サイズ及び形状であることを特徴とする冷凍装置。
【請求項4】
請求項3に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの二次バイパス分岐(200)は、前記少なくとも1つの通路弁(204)が開位置にあり、前記少なくとも1つの遮断弁(105)がその閉位置にあるとき、前記圧縮機(101)の上流と下流との間の前記領域圧力差(ΔPBYPASS)は、4バールより低く、好ましくは1バールより低くなるような、サイズ及び形状であることを特徴とする冷凍装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの通路弁(204)は、前記通路弁が開いているとき、通路領域が前記二次バイパス分岐の領域と実質的に等しくなるようなサイズであり、圧力損失を実質的にゼロに低減するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記逆流阻止手段(106)は、少なくとも1つの逆止弁(106)を備えていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記逆流阻止手段(106)は、前記冷媒流体の通過を許可又は阻止するために開位置と閉位置との間で各々動作可能な少なくとも1つの第2の遮断弁を備えており、
前記少なくとも1つの第2の遮断弁は、少なくとも通路弁が閉じているときに開位置にあり、少なくとも前記通路弁が開いているときに閉位置にあることを特徴とする冷凍装置。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの通路弁(204)及び前記逆流阻止手段(106)は、少なくとも1つの入口領域、少なくとも1つの第1の出口領域、及び少なくとも1つの第2の出口領域を備えた三方弁を備えており、前記各領域は、コマンドで開閉可能であり、
前記三方弁は、前記入口領域が前記圧縮機の前記吐出口に流体的に接続され、前記第1の出口領域が、前記二次バイパス分岐に流体的に接続され、前記第2の出口領域が、前記凝縮器に流体的に接続されており、
前記第1の出口領域が開いているとき、前記少なくとも1つの第2の出口領域が閉じられ、その逆にも動作するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
更に、前記少なくとも1つの圧縮機(101)に入る前記流体の圧力(P)を検知する少なくとも1つの圧力センサ(107)と、前記少なくとも、前記圧縮機(101)に入る前記流体の圧力が所定の第1の圧力と同一であることを前記圧力センサ(107)が検出したとき、前記少なくとも1つの通路弁(204)を開くように制御する少なくとも1つの制御ユニット(UC)とを備え、
前記制御ユニットは、前記所定の第1の圧力よりも高い所定の第2の圧力が検知されたときに、前記少なくとも1つの通路弁の閉鎖を制御するように構成されていることを特徴とする冷凍装置。
【請求項10】
請求項9に記載の冷凍装置であって、
前記所定の第1の圧力は、設計段階中に計算された、前記蒸発器内の前記冷媒流体の絶対圧力よりも0.1〜2バールだけ低く、使用される前記冷媒流体及び前記ユーザ装置のサイズに応じて前記ユーザ装置を所望の温度に維持することができるものであり、
前記所定の第2の圧力は、前記所定の第1の圧力よりも0.1〜1.9バールだけ高く、前記蒸発器内の冷媒ガスの設計段階中に計算された絶対圧力より高くなく、使用する前記冷媒ガスや前記ユーザ装置の大きさに応じて、前記ユーザ装置を所望の温度に保つことができるものであることを特徴とする冷凍装置。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷凍装置であって、
前記二次バイパス分岐(200)は、前記二次バイパス分岐を通って流れる前記流体を冷却する少なくとも1つの熱交換器(203)を含んでおり、
前記少なくとも1つの熱交換器(203)は、前記少なくとも1つの二次バイパス分岐(200)の外側にあることを特徴とする冷凍装置。
【請求項12】
請求項11に記載の冷凍装置であって、
前記少なくとも1つの熱交換器(203)は、プレート、空気型又は管型のものであることを特徴とする冷凍装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の前記少なくとも1つの冷凍装置(1)を作動させる方法であって、
前記少なくとも1つの圧縮機が作動可能であり、完全に作動しているときに、
a)前記少なくとも1つの遮断弁(105)によって、前記ユーザ装置が必要とする温度に応じて、前記少なくとも1つの蒸発器を通る前記冷媒流体の流れを調整するステップと、
b)前記二次バイパス分岐(200)と前記少なくとも1つの圧縮機(101)との間で前記冷媒流体を再循環させるステップとを含み、
前記ステップb)は、前記少なくとも1つの通路弁(204)を開くステップb1)と、前記凝縮器から前記圧縮機への前記冷媒流体の逆流を阻止するステップb2)とを含むことを特徴とする冷凍装置を作動させる方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記ステップb1)の前に、前記圧力センサ(107)によって前記圧縮機(101)に入る前記流体の圧力(P)を検出するステップb0)を有し、
前記ステップb)は、更に、
前記少なくともステップb0)において、前記圧縮機(101)の前記入口で前記圧力センサ(107)によって検出された圧力が所定の第1の圧力に達したときに、前記少なくとも1つの通路弁(204)を開くステップb3)を含み、
好ましくは、前記所定の第1の圧力は、絶対圧力(Pprog)よりも0.1〜2バールだけ低く、
前記絶対圧力(Pprog)は、前記蒸発器内の前記冷媒ガスの設計段階又は名前付き設計圧力で計算され、使用する前記冷媒ガスと前記ユーザ装置のサイズに応じて、前記ユーザ装置を目的の温度に維持することができるものであることを特徴とする冷凍装置を作動させる方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記ステップb3)の後、前記ステップb)は、少なくとも前記ステップb0)の間に前記圧縮機(101)の前記入口で前記圧力センサ(107)によって検出された前記圧力が前記所定の第1の圧力よりも高い所定の第2の圧力に達したときに、前記少なくとも1つの通路弁(204)を閉じるステップb4)を含み、
好ましくは、前記所定の第2の圧力は、前記所定の第1の圧力よりも0.1〜1.9バールだけ高い値であり、設計段階中に計算された、前記蒸発器内の前記冷媒ガスの前記絶対圧力(Pprog)よりは高くなく、 使用する前記冷媒ガスと前記ユーザ装置のサイズに応じて、所望の温度で前記ユーザ装置を使用することを特徴とする冷凍装置を作動させる方法。
【請求項16】
請求項13〜15のいずれかに記載の方法において、
前記二次バイパス分岐(200)は、少なくとも1つの熱交換器(203)を含み、
前記方法は、前記少なくとも1つの熱交換器(203)によって、前記二次バイパス分岐(200)内を循環する前記冷媒流体を冷却するステップC)を更に含むことを特徴とする冷凍装置を作動させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍装置及び関連する操作方法に関する。
特に、本発明は、機械的又は電気的な構成要素及び様々なタイプ及び機能の製品の、温度/湿度の極端な変化に対する耐性を試験するために使用される、人工気候室に設置するのに適した、冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によれば、人工気候室用の冷凍装置や一般的なユーザ装置用の冷凍装置、例えば、温度を調整する必要のある中間熱伝達流体の冷凍装置や、1つ又は複数のカスケード冷凍ユニットは、その内部を冷媒流体が循環する1つの閉回路を備えている。
この閉回路は、圧縮機、凝縮器、サーモスタットタイプの膨張弁、蒸発器、及び、蒸発器への流体の通過を許容又は/阻止する遮断弁を含んでおり、ユーザ装置が必要とする温度に応じて、蒸発器を通る冷媒流体の流れを調整して、その閉回路内で流体を循環させる。
【0003】
この閉回路は、更に、「高温ガス分岐」とも呼ばれる、二次バイパス分岐を含んでいる。この二次バイパス分岐は、圧縮機の下流及び上流に各々設けられた入口領域及び出口領域を有し、第1の遮断弁が冷媒流体の蒸発器への通過を阻止しているときに、この分岐に高温の冷媒流体を通過させる。
【0004】
また、従来技術によれば、この二次バイパス分岐は、少なくとも遮断弁が蒸発器への流体の通過を阻止している場合に、並行して、専用のサーモスタットバルブを使用して冷媒液を注入し通過する流体を冷却するラインと、通過弁とを備えており、この通過弁は、流体が二次バイパス分岐と圧縮機との間で再循環できる開位置と、二次バイパス分岐を通る冷媒流体の通過を阻止する閉位置との間で動作可能である。
【0005】
気候室では、温度の調節ステップ中、特に最大冷凍負荷が必要ではなくむしろその負荷を調整する必要がある場合には、圧縮機の寿命を守り、適切な調整を確実にするために、例えば家庭用の冷蔵庫で行われているように、圧縮機をオフにし、オンに戻す制御ではなく、前記バイパス分岐を開いたままにしている。この場合、圧縮機はオンのままとし、バイパス分岐に冷媒ガスを再循環させるが、コールドライン、つまり蒸発器を通過するラインは、断続的又は周期的に閉じたままである。
【0006】
また、従来技術のこのような装置では、バイパス分岐は、圧縮機の吐出口と吸入口の間に、主回路に対して非常に小さい領域を有しており、蒸発器が作動していないときにも蒸発器が作動しているときに存在する圧力差を維持し、圧縮機が均一な動作状態を保つようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような解決策により、圧縮機をオフにせず、その整合性を長期にわたって維持しようとすることは、バイパス分岐を開いている間、圧縮機が一定の機械的仕事を続けることになる。従って、ユーザ装置が冷凍負荷を必要としないステップでも、大きなエネルギー消費が続くことになる。従って、このような解決策は、経済的にもエネルギー的にもあまり便利ではない。
また、圧縮機の動作特性を変更する必要がある場合、例えば、冷媒流体がバイパス分岐内のみを循環し、通路弁が開いている場合は、圧縮機の受ける作業能力や負荷は、回路全体、特に蒸発器に影響を及ぼす。実際には、蒸発器の温度を微細に調整することは、不可能ではないにしても、非常に複雑である。
【0008】
従って、本発明の目的は、蒸発器が作動していないときに、蒸発器の動作に影響を与えることなく、圧縮機の機械的仕事を低減した動作を達成できる冷凍装置を実施することである。すなわち、ユーザ装置の微細な温度調整を継続できるようにすることにある。
本発明の他の目的は、冷凍装置に関する従来技術の問題を、簡単で、最小限の変更により解決した、冷凍装置を提供することである。
本発明の他の目的は、蒸発器が作動していないときに、特に蒸発器において、冷凍装置の回路全体に沿って影響を与えることなく、圧縮機の消費エネルギーを低減する方法を提供することである。
【0009】
本発明の前記各目的は、冷媒流体が循環する以下のような閉回路を有する冷凍装置によって到達される。
前記閉回路は、少なくとも1つの圧縮機、少なくとも1つの凝縮器、冷媒流体の膨張手段、直接又は間接的に少なくとも1つのユーザ装置を熱的に調整する少なくとも1つの蒸発器、少なくとも1つのユーザ装置、及び、前記少なくとも1つのユーザ装置が必要とする温度に応じて、前記少なくとも1つの蒸発器を通る前記冷媒流体の流れを調整するために、開位置と閉位置との間で動作可能な少なくとも1つの遮断弁を備え、
前記閉回路は更に、
前記冷媒流体の通路として前記少なくとも1つの圧縮機の下流および上流に各々設けられた入口領域および出口領域を有する、少なくとも1つの二次バイパス分岐と、
前記二次バイパス分岐と前記少なくとも1つの圧縮機との間で、前記流体が再循環することを可能にする開位置と、前記二次バイパス分岐を通る流体の通過を阻止する閉位置との間で動作可能な、少なくとも1つの通路弁を備えており、
前記閉回路は、少なくとも前記通路弁が開いているときに、前記凝縮器から前記圧縮機への前記冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段を含んでおり、
前記逆流阻止手段は、前記冷媒流体が前記凝縮器と前記二次バイパス分岐の前記入口領域との間に逆流してくるのを防ぐように構成されている。
【0010】
上記目的は、凝縮器内に既にある流体が圧縮機に逆流するのを防ぎ、圧縮機の動作条件が変更されるのを防ぐための、凝縮器から圧縮機への冷媒流体の逆流を防ぐ逆流阻止手段により達成される。これにより、圧縮機の負荷条件を変更する必要があるときは何時でも、例えば、負荷を減らして消費量を減らすと同時に、ユーザ装置の温度を微調整し続けることができる。
【0011】
凝縮器から凝縮器への流体の逆流は、通路弁の閉鎖時及び/又は遮断弁の再開時に、凝縮器の圧力が圧縮機の供給時の圧力を超える可能性がある場合にも発生する可能性がある。このような状況でも、凝縮器から圧縮機への冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段により、凝縮器内の流体が圧縮機自体に戻ることは不可能である。従って、冷媒流体は、凝縮器から圧縮機への冷媒流体の逆流を引き起こすことなく、正しく動作するように、新しい圧力バランスに到達することができる。
なお、ユーザ装置とは、気候室、カスケード接続された1つ以上の冷凍ユニット、又は温度を調整する必要のある中間熱伝達流体のいずれかを意味することに、留意すべきである。
【0012】
更に、冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段は、二次バイパス分岐の入口領域の近く又は入口領域に配置されている。また、冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段は、二次バイパス分岐の入口領域の近くに、又はその入口領域に配置されても良い。
通路弁が開くと、圧縮機内及び二次バイパス分岐に沿って再循環する冷媒流体の質量が減少するため、達成される効率の点でより大きな利点が得られる。
更に、二次バイパス分岐の入口領域と出口領域が各々圧縮機の吐出領域と吸入領域にあれば、さらなる利点が得られる。
【0013】
望ましくは、前記少なくとも1つの二次バイパス分岐は、次の条件を満たすような、サイズ及び形状である。
すなわち、少なくとも1つの通路弁がその開位置にあり、少なくとも1つの遮断弁がその閉位置にあるときの、少なくとも1つの圧縮機の上流と下流との間のレジーム圧力差が、
前記遮断弁が少なくとも1つの蒸発器を通過することを可能にし、前記通路弁がその閉位置にあるとき、前記圧縮機の上流と下流との間のレジーム圧力差よりも小さくなる。
【0014】
本発明のこの構成は、前記したような、閉回路が主回路に対して非常に狭い領域を有する二次バイパス分岐を有し、2つの欠点のある従来技術の冷凍装置と比較して、大きな利点をもたらす。すなわち、従来技術の冷凍装置は、第一に、圧縮機の吸入ライン内のガスの膨張に伴う回路の大きな騒音があり、第二に、蒸発器が動的な状態の負荷で動作することを考えると、モーターの消費電力が、かなり大きいものである。
【0015】
一方、本発明による解決策では、蒸発器が動的な状態ではないので、冷凍装置の騒音を大幅に低減できる。また、冷凍システムの圧縮機を従来技術の冷凍装置よりも低い負荷で、簡単な方法で動作させることを可能にする。
これにより、圧縮機のエネルギーコストが削減され、その結果、この冷凍装置が設置される気候室の総エネルギーコストが削減される。このような有利な結果は、通常、例えば、気候室で作動する冷凍装置のバイパス分岐が、気候室自体の総作動時間の約60%〜75%の範囲で作動するという点で、より明確になる。
【0016】
従って、圧縮機のエネルギー消費量の削減は、システム全体の消費量の削減に大きな影響を及ぼす。従って、このような状況での凝縮器から圧縮機への冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段の存在は、二次バイパス分岐に沿った冷媒流体の供給に対する抵抗が、従来技術の装置における抵抗よりも低いので、更に効果的である。従って、通路弁が開いているときの過渡状態では、冷媒流体は、圧縮機よりも凝縮器の方で高い圧力になる可能性が高くなる。好ましくは、二次バイパス分岐の領域は、圧縮機の吸込及び吐出領域と同じである。
【0017】
本発明によれば、さらに、少なくとも1つの二次バイパス分岐は、次のようなサイズ及び形状である。すなわち、少なくとも1つの通路弁がその開位置にあり、遮断弁がその閉位置にあるとき、圧縮機の上流と下流との間の領域圧力差は、4バール未満、好ましくは1バール未満である。実際には、圧縮機が基本的に真空で動作する場合、より大きなエネルギー節約の効果がある。これにより、圧縮機における大きなエネルギーの節約を実現できる。
上流と下流の間で到達する圧力差、4バール未満、好ましくは1バール未満の値は、圧縮機の上流と下流の間の接続用のダクトのサイズ、および通路弁の存在とダクト形状の両方を考慮すると、圧縮機が技術的に到達できる最小の圧力差である。これは、可能な限り最小の圧力損失で圧縮機の下流から上流への作動流体の完全な逆流を可能にするように研究した結果である。
【0018】
更に、少なくとも1つの通路弁は、圧力損失を最小化する、すなわち、通路弁自体を通る作動流体の完全かつ中断のない通過を可能にするものである。実際には、少なくとも1つの通路弁は、この弁が開いているとき、冷媒が通路弁内を通過中の圧力損失を基本的にゼロに低減するために、冷媒流体の通過領域が二次バイパス分岐領域の領域と実質的に等しくなるような、サイズにする。特に、この場合、冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段は、好ましくは二次バイパス分岐の入口領域の近くに配置される、少なくとも1つの逆止弁を含んでいる。
【0019】
更に、このような逆止弁の代わりに、冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段として、冷媒流体の通過を許可又は阻止するために、開位置と閉位置との間で各々動作可能な、少なくとも1つの第2の遮断弁を含んでいても良い。望ましくは、この少なくとも1つの第2の遮断弁は、少なくとも前記通路弁が閉じているときは開位置にあり、少なくとも通路弁が開いているときはその閉位置にある。この場合、この第2の遮断弁は、好ましくは、第2のバイパス分岐の入口領域の近くに配置される。
【0020】
本発明の他の実施形態によれば、前記通路弁及び冷媒流体の逆流を阻止する前記逆流阻止手段として、少なくとも1つの入口領域、少なくとも1つの第1の出口領域、及び、少なくとも1つの第2の出口領域を備え、コマンドで閉じたり開いたりできる、三方弁を備えている。
このような三方弁は、入口領域が圧縮機の出口に流体的に接続され、第1の出口領域が二次バイパス分岐に流体的に接続され、第2の出口領域が凝縮器に流体的に接続されるように配置され、機能的に 第1の出口領域が開いているとき、少なくとも第2の出口領域が閉じられるように動作し、逆もまた同様に動作する。この場合、そのような三方弁は、好ましくは、二次バイパス分岐の丁度入口領域に配置される。
【0021】
また、本実施例の冷凍装置は、更に、少なくとも1つの圧縮機に入る流体の圧力を検知するための少なくとも1つの圧力センサと、少なくとも1つの通路弁の開放を制御するように構成された少なくとも1つの制御ユニットとを備え、少なくとも1つの圧力センサが、圧縮機に入る流体の圧力が所定の第1の値と同じであることを検出したとき、前記少なくとも1つの通路弁を開き、所定の第1の圧力よりも高い所定の第2の圧力が検知されたときに、前記通路弁を閉鎖するように制御する。
【0022】
特許出願人は実際に、バイパス分岐に沿って圧縮機の上流と下流の間の圧力を最大に制限することによってだけでなく、通路弁が所定の第1の圧力で開き、所定の第2の圧力で閉じられるときに最大のエネルギー節約が達成されることを実験で確認した。
好ましくは、所定の第1の圧力は、使用する冷媒流体及びユーザ装置のサイズに応じてユーザ装置を所望の温度に維持することができるように、設計段階中に計算された、蒸発器内の冷媒流体の絶対圧力よりも0.1〜2バールだけ低く、所定の第2の圧力は、所定の第1の圧力よりも0.1〜1.9バールだけ高く、設計段階で計算され、蒸発器内の冷媒ガスの使用する冷媒ガスやユーザ装置の大きさに応じて、ユーザ装置を所望の温度に保つことができる、前記絶対圧力より高くない圧力である。
【0023】
ユーザ装置にとって望ましい温度を維持するため、使用する冷媒流体の種類及びユーザ装置自身のサイズに応じて、ユーザ装置に望まれる各温度について、蒸発器内で予想される冷媒流体の理論的絶対圧力値が定義されることに留意されたい。
従って、このような設計圧力値は、提供されるユーザ装置のサイズ及び使用される冷媒流体が定義されると、必要な各温度について得ることができる。実際には、ユーザ装置と冷媒流体が決まると、ユーザ装置に必要な各温度に対する蒸発器の設計圧力の表を定義することができる。このような設計圧力は、バイパス分岐に沿った通路弁の開閉の第1の圧力及び第2の圧力を各々決定するのに有用である。
【0024】
更に、本発明のさらなる実施形態によれば、二次バイパス分岐は、この二次バイパス分岐を通過する流体を冷却する少なくとも1つの熱交換器を含むことができる。この熱交換器は、少なくとも1つの二次バイパス分岐の外側にある。外部熱交換器は、冷凍装置の閉回路内を循環する作動冷媒流体とは異なる冷媒流体と連動する、熱交換器を意味することに留意されたい。好ましくは、少なくとも1つの外部熱交換器は、プレート型、空気型又は管型のものである。
遮断弁を閉じ、通路弁を開いた状態での、圧縮機の上流と下流の間の圧力降下低減と、熱交換器内に含まれるボリュームのラインの存在との複合作用により、蒸発器が作動していないときのバイパスラインの騒音をさらに制限する。
【0025】
更に、本発明によれば、請求項1〜12のいずれかに記載の前記少なくとも1つの冷凍装置を操作する方法であって、少なくとも1つの圧縮機が作動可能であり、完全に作動しているとき、すなわち、その始動又は停止状態にないとき、以下のステップを含むことにより、その目的が達成される。
a)前記少なくとも1つの遮断弁によって、前記ユーザ装置が必要とする温度に応じて、前記少なくとも1つの蒸発器を通る前記冷媒流体の流れを調整するステップと、
b)前記二次バイパス分岐と前記少なくとも1つの圧縮機との間で前記冷媒流体を再循環させるステップとを含み、
前記ステップb)は、前記少なくとも1つの通路弁を開くステップb1)と、前記凝縮器から前記圧縮機への前記冷媒流体の逆流を阻止するステップb2)とを含む。
【0026】
好ましくは、少なくとも1つの通路弁がその開位置にあるとき、少なくとも1つの二次バイパス分岐は、少なくとも1つの圧縮機の上流と下流との間の領域圧力差が、少なくとも1つの遮断弁が少なくとも1つの蒸発器を通過することを可能にし、通路弁がその閉位置にあるときの、少なくとも1つの圧縮機の上流と下流との間の領域圧力差よりも小さい。
【0027】
好ましくは、少なくとも1つの二次バイパス分岐は、少なくとも1つの通路弁がその開位置にあり、遮断弁がその閉位置にあるとき、圧縮機の上流と下流の間の領域圧力差が4バール未満であり、好ましくは1バール未満であるような、サイズと形状になっている。
実際には、圧縮機が基本的に真空で動作する場合、より大きなエネルギー節約効果がある。
【0028】
更に、本発明の方法によれば、ステップb1)の前の、ステップb0)は、圧力センサによって圧縮機に入る入口流体の圧力を検出することからなり、ステップb1)は、更に、少なくともステップb0)の間に圧縮機の入口で圧力センサによって検出された圧力が所定の第1の圧力に達したときに、少なくとも1つの通路弁を開くステップb3)を含んでいる。
好ましくは、所定の第1の圧力は、蒸発器内の冷媒流体の設計段階中に計算された絶対圧力又は設計圧力よりも0.1〜2バールだけ低く、使用する冷媒ガスとユーザ装置のサイズに応じて、ユーザ装置を所望の温度に維持することができる。
【0029】
また、ステップb3)の後のステップb4)は、少なくともステップb0)の間に圧縮機の入口で圧力センサによって検出された圧力が所定の第1の圧力よりも高い所定の第2の圧力に達したときに、少なくとも1つの通路弁を閉じるものである。
好ましくは、所定の第2の圧力は、所定の第1の圧力よりも0.1〜1.9バールだけ高く、蒸発器内の冷媒ガスの設計段階又は設計圧力中に計算された絶対圧力(Pprog)より高くはない。これにより、使用する冷媒ガスとユーザ装置のサイズに応じて、ユーザ装置を所望の温度に維持することができる。
【0030】
本発明によれば、ステップb)に続く方法として、少なくとも1つの熱交換器によって、方法のステップb)の間に、二次バイパス分岐内を循環する冷媒流体を冷却するステップC)を更に含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来技術の冷凍システムにおける、運転時の構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による冷凍システムにおける、運転時の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第2の実施形態による冷凍システムにおける、運転時の構成を示す図である。
【0032】
本発明の実施の態様は、添付の図を参照した、限定なしの例としてのみ本明細書に提供される好ましい実施形態の以下の詳細な説明によって、より明確にされる。
図2、
図3には、本発明の実施形態による冷凍装置100が示されている。
一方、
図1は、気候室用の従来技術の冷凍装置100’を示している。
従来技術の冷凍装置100’は、冷媒流体がその内部を循環する閉回路C’を有する。この閉回路C’は、圧縮機101’、凝縮器102’、サーモスタット膨張弁103’、蒸発器104’、及び蒸発器104への流体の通過を可能とし又は/阻止する、遮断弁105’を含んでいる。
【0033】
この閉回路C’は更に、遮断弁105が蒸発器104’の方向への流体の通過を阻止している場合に、高温の冷媒流体を通過させるために、圧縮機101’の下流D’及び上流U’に各々設けられた入口領域201’及び出口領域202’を有する、二次バイパス分岐200’を備えている。
このような二次バイパス分岐200’はまた、流体が二次バイパス分岐200’と圧縮機101との間で再循環させる開位置と、二次バイパス分岐200’を通る流体の通過を防ぐ閉位置との間で動作可能な、通路弁204’を備えている。
【0034】
図1に示すように、二次バイパス分岐200’は、通路弁204’がその開位置にあり、前記遮断弁がその閉位置にあるときの、圧縮機101の上流U’と圧縮機101’の下流D’との間の領域圧力差ΔP
BYPASSが、遮断弁105’が蒸発器104’へ通過を可能にし、通路弁204’がその閉位置にあるときの、圧縮機101の上流U’と下流D’との間の領域圧力差ΔPと、常に同一であるような、サイズ及び形状である。
【0035】
従って、実際には、二次バイパス分岐200’に沿い、かつ圧縮機101の上流と下流との間で、閉回路Cの、主回路に沿って達成されるものと同一の圧力降下ΔP
BYPASSが、圧縮機101自体の下流D’と上流U’との間で達成される。
このようにして、圧縮機101は、蒸発器104’が使用されていないときでも、負荷の変動又は動作の中断なしに、常に同じ方法で動作される。
【0036】
次に、
図2は、本発明の実施例による気候室用の冷凍装置100を示している。
この冷凍装置100は、その内部で冷媒流体が循環する閉回路Cを有している。
この閉回路Cは、圧縮機101と、凝縮器102、例えば、サーモスタット膨張弁103等の冷媒流体の膨張手段103と、間接的に熱的に調整する蒸発器104、例えば、環境制御された室等のユーザ装置UT、及び、開位置と閉位置との間で動作可能で、ユーザ装置UTが必要とする温度に応じて蒸発器104を通る冷媒流体の流れを調整する、遮断弁105とを含んでいる。
【0037】
この膨張手段103として、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、毛細管を含むことができる。更に、当業者には知られていることであるが、遮断弁105は、周期的に作動する、すなわち、開放ステップ及び閉鎖ステップが制御可能な所定の作動期間(例えば10秒)で作動する。
開始ステップと終了ステップの期間は、ユーザ装置UTの要件に応じて、各インターバル期間で変化する。
例えば、
ユーザ装置UTが、−20℃の温度から開始して、+20℃の温度を必要とする場合、遮断弁105は、開放インターバル期間よりもかなり長い閉鎖インターバル期間を有し、遮断弁105は、限界状態として、ユーザ装置UT内が所望の温度に到達するまで、長期間閉じたままである。
その逆の場合、遮断弁105はかなり長期間、開いたままである。
ユーザ装置内を、一定の特定の温度に維持する必要がある場合には、ユーザ装置UT内で目的の温度を維持するために、開閉ステップの間隔が、期間毎に、適切に決定される。
【0038】
閉回路Cは、更に、冷媒流体を流すために、圧縮機101の下流D及び上流Uに各々設けられた入口領域201及び出口領域202を有する、二次バイパス分岐200を備えている。
本明細書に記載の実施形態において、二次バイパス分岐200は、流体が二次バイパス分岐200と圧縮機101との間で再循環することを可能にする開位置と、二次バイパス分岐200を通る流体の通過を阻止する閉位置との間で動作可能な、通路弁204を備えている。
【0039】
本発明によれば、閉回路Cは、少なくとも通路弁204が開いているときに、凝縮器102から圧縮機101への冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段106を更に含んでいる。
冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段106は、凝縮器102と二次バイパス分岐200の入口領域201との間に配置される。
【0040】
特に、逆流阻止手段106は、二次バイパス分岐200の入口領域201の近くに配置されている。
添付の図には示されていないが、二次バイパス分岐200の入口領域201及び出口領域202が、各々圧縮機101の吐出領域101a及び吸入領域101bにあれば、さらなる利点がある。
【0041】
本発明によれば、二次バイパス分岐200は、以下のようなサイズ及び形状である。すなわち、通路弁204がその開位置にあり、遮断弁105がその閉位置にあるときの、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔP
BYPASSは、遮断弁105が蒸発器104を通過することを可能にし、通路弁204がその閉位置にあるとき、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔPよりも小さい。
本明細書に記載の特定の実施形態によれば、通路弁204がその閉位置にあり、遮断弁105が蒸発器104を通る流体の通過を可能にしているときの、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔPは、約18バールであることに注意すべきである。
従って、通路弁204が開位置にあり、遮断弁105が閉位置にあるときの、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の圧力差ΔP
BYPASSは、遮断弁105を開き通路弁204を閉じたときの圧力差よりも低く、従って、18バールよりも低い圧力である。
そのため、圧縮機101によって消費されるエネルギーを大幅に削減することができ、その結果、冷凍装置100によって必要とされるエネルギーコストを削減することができる。
【0042】
本明細書に記載の実施形態によれば、二次バイパス分岐200は、通路弁204がその開位置にあり遮断弁105が閉位置にあるときに、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔP
BYPASSが、1バール未満となるような、サイズ及び形状である。
他の実施形態では、この圧力は、それによって本発明の保護の範囲から逸脱することなく、4バールより低くすることができる。
いずれにせよ、理論的には、技術的に可能である場合、通路弁204がその開位置にあり、遮断弁105が蒸発器104への流体の通過を許容しないときに、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔP
BYPASSを低くすることにより、エネルギーと冷凍装置100の騒音の減少の両方の観点から達成可能な利益が大きい。
【0043】
更に、特許出願人は、バイパス200が動作状態にあるとき、従って通路弁204がその開位置にあるとき、吸い込まれるガスの温度は常に+80℃より低いので、圧縮機101の内部に連続的に入るガスを冷却する必要がないことに気が付いた。
【0044】
更に、通路弁204は、基本的に圧力損失をゼロに低減するために、通路弁204が開いているときの冷媒流体の通路領域が二次バイパス分岐200の領域と実質的に等しくなるようなサイズになっている。
実際には、通路弁204は、この通路弁204自体を通過する流体を塞ぐことなく流体を完全に通過させることができるようなサイズ決定され、従って、集中圧力損失を最小限に抑えることができる。
本明細書で説明する実施形態では、逆流阻止手段106は、圧縮機101への流体の逆流を阻止するために、二次バイパス分岐200の入口領域201と凝縮器102との間に機能的に配置された逆止弁106を備えている。
【0045】
このような逆止弁は、入口領域201の近くに配置されている。実際、逆止弁106が入口領域201に近く配置されていると、バイパス分岐200に沿って再循環する流体の質量が少なくなるので、圧縮機101の挙動はより良くなる。
この逆止弁106は、第2の遮断弁(図示略)によって置き換えることもできる。この第2の遮断弁は、開閉することができ、従って、凝縮器102から圧縮機101への冷媒流体の通過を可能又は阻止することができる。
特に、このような第2の遮断弁は、少なくとも通路弁204が閉じているときは開位置にあり、少なくとも通路弁204が開いているときはその閉位置にある。
【0046】
本発明のさらなる代替の実施形態では、二次バイパス分岐200に沿った通路弁204、及び冷媒流体の逆流を阻止する逆流阻止手段106が、三方弁で構成されている。
この三方弁は、入口領域、第1の出口領域、及び第2の出口領域を備えており、これらの領域は、コマンドで開閉可能である。
この三方弁は、その入口領域が圧縮機101の吐出口に流体的に接続され、第1の出口領域は、二次バイパス分岐200に流体的に接続されている。そして、第2の出口領域は、凝縮器102に流体的に接続され、機能的に動作し、第1の出口領域が開いているとき、第2の出口領域が閉じられる。逆の場合も、同様である。
この実施形態では、この三方弁は、好ましくは、丁度、二次バイパス分岐200の入口領域201に配置される。
【0047】
本発明によれば、冷凍装置100は、更に、圧縮機101の吸入領域に配置された圧力センサ107と制御ユニットUCを備えている。
この制御ユニットUCは、少なくとも遮断弁105が閉じられたとき、及び、圧縮機101に入る流体の圧力が第1の所定の値P1と同一であることを圧力センサ107が検出したときに、通路弁204を開放し、一方、所定の第1の圧力P1よりも高い所定の第2の圧力P2が検知されたときに(P2>P1)、通路弁204を閉鎖するように、制御する。
【0048】
特許出願人は、最大のエネルギーの節約が、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の圧力差を最大値で制限することによってだけでなく、通路弁204が所定の第1の圧力P1で開き、所定の第2の圧力P2で閉じる場合にも、達成されることを、実際に実験で確認した。
ここで、所定の第1の圧力P1は、蒸発器104内の冷媒流体の設計段階で計算された絶対圧力Pprogよりも、0.1〜2バールだけ低く、
これにより、使用する冷媒流体及びユーザ装置自身のサイズに応じて、ユーザ装置を所望の温度に維持することができ、
そして、所定の第2の圧力P2は、所定の第1の圧力P1よりも0.1〜1.9バールだけ高く、蒸発器104内の冷媒ガスの、設計段階中に計算された前述の絶対圧力Pprogよりは高くない。これにより、使用する冷媒ガスやユーザ装置の大きさに応じて、ユーザ装置を所望の温度に保つことができる。
【0049】
注意すべきことは、ユーザ装置に必要とされる各温度について、使用される冷媒流体のタイプ及びユーザ装置自体のサイズに応じて、蒸発器内で予想される冷媒流体の理論上の絶対圧力値が定義されることである。従って、サービスを受けるユーザ装置のタイプとサイズ、及び使用する冷媒流体が定義されると、必要な各温度に対して、そのような設計上の圧力値を取得できる。
【0050】
本明細書に記載の実施形態によれば、所定の第1の圧力は0.9バールであり、所定の第2の圧力は1.5バールである。既に定義したように、熱的に調整される室内の−20℃の望ましい温度における、設計圧力は1.7バール(絶対)である。
上記のように、蒸発器104で異なる温度にしなければならない場合、設計された圧力Pprog、又は上記で定義された設計段階中に計算された圧力は、明らかに異なり、所定の第1の圧力及び所定の第2の圧力の両方はおそらく異なっている。
【0051】
図3は、
図2に記載されたものと同様の実施形態を示しているが、二次バイパス分岐200は、それを通過する冷媒流体を冷却するための熱交換器203を含んでいる。
本明細書に記載の実施形態によれば、この熱交換器203は、二次バイパス分岐200の外側にあり、この実施形態では、プレートタイプである。
このようにすることで、蒸発器104が作動していないとき、冷凍装置100の騒音は更に低減される。
【0052】
図2に示される本発明の第1の実施形態によれば、圧縮機101が作動可能であり、完全に作動している、すなわち、その始動又は停止状態ではない、冷凍装置100の操作方法は、以下のステップを含んでいる。
a)遮断弁105によって、ユーザ装置UTが必要とする温度に応じて、蒸発器104を通る冷媒流体の流れを調整する。そして
b)二次バイパス分岐200と圧縮機101との間で、冷媒流体を再循環させる。
【0053】
望ましくは、ステップb)は、通路弁204を開くステップb1)と、凝縮器102から圧縮機101への冷媒流体の逆流を阻止するステップb2)とを含んでいる。
特に、二次バイパス分岐200は、
通路弁204がその開位置にあり、遮断弁105がその閉位置にあるときの、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔP
BYPASSが、
遮断弁105が蒸発器104を通過することを可能にし、通路弁204がその閉位置にあるときの、圧縮機101の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差ΔPよりも小さいようなサイズ及び形状である。
特に、このような圧力ΔP
BYPASSは4バールより低く、好ましくは1バールより低い。
【0054】
望ましくは、この方法によれば、ステップb1)の前に、ステップb0)として、
圧縮機101の吸入領域に配置された圧力センサ107によって、圧縮機101に入る流体の圧力Pを検出し、
ステップb)は、更に、少なくともステップb0)の間に圧縮機101の入口で圧力センサ107によって検出された圧力が所定の第1の圧力P1に達したときに、通路弁204を開く、ステップb3)を含んでいる。
この所定の第1の圧力は、絶対圧力(Pprog)よりも0.1〜2バールだけ低い。
この所定の第1の圧力は、蒸発器104内の冷媒ガスの設計段階中に計算され、使用される冷媒ガス及びユーザ装置自身のサイズに応じて、ユーザ装置を所望の温度に維持することができる。
【0055】
更に、本実施例の方法によれば、ステップb3)の後に、
ステップb)は、少なくともステップb0)の間に圧縮機101の入口で圧力センサ107によって検出された圧力が所定の第1の圧力よりも高い第2の所定の値に達したときに通路弁204を閉じるステップb4)を含んでいる。
この所定の第2の圧力は、所定の第1の圧力P1よりも0.1〜1.9バールだけ高く、使用される冷媒ガス及びユーザ装置自身サイズに応じてユーザ装置を所望の温度に維持することができる、蒸発器104内の冷媒ガスの設計段階中に計算された、絶対圧力Pprogより高くない。
【0056】
通路弁204の閉鎖は、遮断弁105とは完全に独立していることに留意されたい。実際、後者は、通路弁204の閉鎖時から完全に開放することができる。
いずれにせよ、圧縮機101でのエネルギー節約は、遮断弁105を長く閉じたままとし、通路弁204は開き、二次バイパス分岐200内を冷媒流体が再循環し続けるほど、よく達成される
【0057】
本発明による冷凍装置の運転における数値の例を以下に示す。
ユーザ装置UTが気候室であり、冷媒流体がガスR449Aである場合、
設計段階で、気候室内の温度を−35℃に維持するために、蒸発器104での冷媒流体の設計圧力Pprogは、−40℃の蒸発温度に対応し、気候室を−35℃の温度に維持するためだけに1.2バールであると計算され、
同じ冷媒ガスで動作する同じ室の場合、+20℃の温度で、気候室を丁度+20℃の温度に維持するための、蒸発器での冷媒流体の設計圧力Pprogは1.8バールである。
第1のケースでは、通路弁204を開いた第1の圧力P1は、0.9バール(すなわち、設計圧力よりも0.3バール低い)に固定され、通路弁204を閉じた第2の圧力は、1.1バールに固定される(つまり、設計圧力より0.1バール低く、所定の第1の圧力より0.2バール高くなる)。
第2のケースでは、通路弁を開いた第1の圧力P1(開始圧力)は1バール(設計圧力よりも0.8バール低い)に固定され、通路弁を閉じた第2の圧力は1.4バールに固定される(つまり、設計圧力より0.4バール低く、所定の第1の圧力より0.4バール高くなる)。
第1の圧力P1と第2の圧力P2との間隔が大きいほど、圧縮機は通路弁204の開閉の間、実質的にゼロの負荷で実質的に作動するので、冷凍装置の、エネルギー及び効率の点での利点が大きくなる。
【0058】
本発明及び
図3に示される本発明の第2の実施形態によれば、二次バイパス分岐200は熱交換器203を含んでおり、前記方法は、更に、少なくとも前記方法のステップb)の間に、二次バイパス分岐内を循環する冷媒流体を、熱交換器203により冷却するステップC)を含んでいる。
【符号の説明】
【0059】
100、100’ 冷凍装置
101、101’ 圧縮機
101a 吐出領域
101b 吸入領域
102、102’ 凝縮器
103、103’ 膨張手段(膨張弁)
104、104’ 蒸発器
105、105’ 遮断弁
106 逆流阻止手段
107 圧力センサ
200、200’ 二次バイパス分岐
201、201’ 入口領域
202、202’ 出口領域
203 熱交換器
204、204’ 通路弁
C、C’ 閉回路
D、D’ 下流
P1 第1の圧力
P2 第2の圧力
U、U’ 上流
UT、UT’ ユーザ装置
ΔP 通路弁が閉、遮断弁が開のときの、圧縮機の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差
ΔP
BYPASS 通路弁が開、遮断弁が閉のときの、圧縮機の上流Uと下流Dとの間の領域圧力差
【国際調査報告】