特表2021-532528(P2021-532528A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-532528二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532528(P2021-532528A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/20 20180101AFI20211029BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20211029BHJP
【FI】
   F21S41/20
   F21W102:155
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-541382(P2020-541382)
(86)(22)【出願日】2020年7月10日
(85)【翻訳文提出日】2020年7月21日
(86)【国際出願番号】CN2020101353
(87)【国際公開番号】WO2021004532
(87)【国際公開日】20210114
(31)【優先権主張番号】201921088179.5
(32)【優先日】2019年7月11日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,IT,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520272499
【氏名又は名称】浙江百康光学股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG BICOM OPTICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】周雲
(72)【発明者】
【氏名】付彦霞
(57)【要約】
本発明は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供する。二焦点レンズモジュールは、ロービーム集光器と、ハイビーム集光器と、隔板と、導光部と、光学レンズとを含み、隔板は、湾曲状端面と開口を有し、隔板の開口は光学レンズに向かい、ロービーム光源から射出された光線は、ロービーム集光器により集光され、隔板の上方位置から隔板の下方まで伝搬し、光学レンズの下部に到達し、ハイビーム光源から射出された光線は、ハイビーム集光器により集光され、隔板の下方位置から導光通路を通過して隔板の上方まで伝搬し、光学レンズの上部に到達する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロービーム集光器と、ハイビーム集光器と、光学レンズと、導光ユニットと、を含む二焦点レンズモジュールであって、
前記導光ユニットは、湾曲状端面と、前記湾曲状端面により取り囲まれた開口と、を有し、
前記導光ユニットは、導光通路と、前記導光通路に連通する光出口と、を有し、
光線は、前記導光通路内において斜め上方向に沿うとともに前記光学レンズの焦点が位置する方位に向かって伝搬して前記光出口を通過し、
少なくとも1つのロービーム光源から射出された光線は、前記ロービーム集光器により集光され、前記導光ユニットの上方から前記開口を通過して前記導光ユニットの下方まで伝搬し、前記光学レンズの下部に到達し、
少なくとも1つのハイビーム光源から射出された光線は、前記ハイビーム集光器により集光され、前記導光ユニットの下方から前記導光通路を通過して前記導光ユニットの上方まで伝搬し、前記光学レンズの上部に到達する、二焦点レンズモジュール。
【請求項2】
前記導光ユニットは、隔板と導光部とを含み、
前記開口は前記隔板に位置し、前記導光通路は前記導光部に位置し、前記光出口は、前記導光部に位置する、請求項1に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項3】
前記導光部は中実構造である、請求項2に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項4】
前記導光部は中空構造であり、前記導光通路は前記導光部を貫通する、請求項2に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項5】
前記導光ユニットは一体成形される、請求項1から4のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項6】
前記導光ユニットは透明である、請求項1から4のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項7】
前記導光ユニットは、透明プラスチックで作製される請求項6に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項8】
前記導光ユニットには、遮光層が設けられ、前記遮光層は、前記導光ユニットの上面に位置する、請求項1から4のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項9】
前記導光ユニットの前記隔板は、不透明材料で作製される、請求項2から4のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項10】
前記導光ユニットは底面を有し、
前記光出口に近いほど、前記底面から前記光学レンズの中心軸線までの距離が小さくなる、請求項1から4のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュール。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の二焦点レンズモジュールと、
前記導光ユニットの上側に配置され、前記二焦点レンズモジュールの上方で光線を発する少なくとも1つのロービーム光源であって、光線が前記ロービーム集光器により集光され、前記光学レンズの焦点を通過して前記光学レンズの下部に到達するロービーム光源と、
前記導光ユニットの下側に配置され、前記二焦点レンズモジュールの下方で光線を発する少なくとも1つのハイビーム光源であって、光線が前記ハイビーム集光器により集光され、前記光学レンズの焦点を通過して前記光学レンズの上部に到達するハイビーム光源と、
を含む、車両用ヘッドライト。
【請求項12】
前記車両用ヘッドライトは、ロービーム使用モード及びハイビーム使用モードを有し、
前記ロービーム使用モードである場合、前記ロービーム光源は点灯され、前記ハイビーム使用モードである場合、前記ハイビーム光源と前記ロービーム光源とは同時に点灯され、
前記車両用ヘッドライトは、前記ロービーム使用モードと前記ハイビーム使用モードとの間で切り換えるように操作される、請求項11に記載の車両用ヘッドライト。
【請求項13】
前記ロービーム光源は、光線が前記導光ユニットの上方から前記導光ユニットの下方まで伝搬するように、前記導光ユニットに向かって前記導光ユニットの上側に斜めに配置され、
前記ハイビーム光源は、光線が前記導光ユニットの下方から前記導光ユニットの上方まで伝搬するように、前記導光ユニットに向かって前記導光ユニットの下側に斜めに配置される、請求項11に記載の車両用ヘッドライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学分野に関し、特に二焦点レンズ(Bifocal lens)モジュール、車両用ヘッドライト及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ヘッドライトは自動車の目であり、夜間の運転や悪天候での安全運転と密接に関連している。現在、車両用ヘッドライトは主にLED二焦点レンズを使用しており、移動可能な切換機構により、車両用ヘッドライトをロービームモードとハイビームモードの間で切換可能である。
【0003】
具体的には、可動バッフルにより、LEDから射出されたハイビーム光を遮断してロービームを形成し、ハイビーム又はロービームにも関わらず、光源の動作周波数は一定に保持される。
しかし、このタイプの車両用ヘッドライトには多くの問題がある。夜間の運転時には、ロービームとハイビームの切換が頻繁であり、可動バッフルは、機械的構造及び/又は電子構造により光源を可動に遮断している。頻繁な使用下では、可動バッフルにはより高い信頼性が要求されるため、コストが増加する。また、ハイビームモード又はロービームモードにも関わらず、光源の動作周波数は常に同じであり、より高い出力が維持されるため、光源の耐用年数はある程度短縮される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一目的は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供することである。前記車両用ヘッドライトは、ロービームモード及びハイビームモードに対応してそれぞれロービーム光源及びハイビーム光源を採用する。
【0005】
本発明の別の目的は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供することである。本発明によれば、前記車両用ヘッドライトのロービームモードとハイビームモードとの間の切換のために、複雑な機械構造を利用する必要がない。
【0006】
本発明の別の目的は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供することである。前記車両用ヘッドライトの部材は、集積化されているので、取り付け又は取り外しは便利である。
【0007】
本発明の別の目的は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供することである。本発明によれば、前記車両用ヘッドライトの部材は軽量化され得る。
【0008】
本発明の別の目的は、二焦点レンズモジュール、車両用ヘッドライト及び車両を提供することである。本発明によれば、前記車両用ヘッドライトが発光する過程において、ロービーム光源により発生する迷光は減少される。
【0009】
本発明の一態様において、本発明は、ロービーム集光器と、ハイビーム集光器と、光学レンズと、導光ユニットと、を含む二焦点レンズモジュールであって、
前記導光ユニットは、湾曲状端面と、前記湾曲状端面により取り囲まれた開口と、を有し、
前記導光ユニットは、導光通路と、前記導光通路に連通する光出口と、を有し、
光線は、前記導光通路内において斜め上方向に沿うとともに前記光学レンズの焦点が位置する方位に向かって伝搬して前記光出口を通過し、
少なくとも1つのロービーム光源から射出された光線は、前記ロービーム集光器により集光され、前記導光ユニットの上方から前記開口を通過して前記導光ユニットの下方まで伝搬し、前記光学レンズの下部に到達し、
少なくとも1つのハイビーム光源から射出された光線は、前記ハイビーム集光器により集光され、前記導光ユニットの下方から前記導光通路を通過して前記導光ユニットの上方まで伝搬し、前記光学レンズの上部に到達する、二焦点レンズモジュールを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の好ましい実施例の二焦点レンズモジュールの模式図である。
図2】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの模式図である。
図3】本発明の上記好ましい実施例の二焦点レンズモジュールの導光ユニットを光学レンズの側から観察した模式図である。
図4】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの使用模式図である。
図5A】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの使用過程におけるロービームのスクリーン上での光分布である。
図5B】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールのロービームの使用過程における光線模式図である。
図6A】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの使用過程におけるハイビームのスクリーン上での光分布である。
図6B】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールのハイビームの使用過程における光線模式図である。
図7】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの別の実施形態の模式図である。
図8】本発明の上記好ましい実施例の前記二焦点レンズモジュールの別の実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を当業者が実施できるように紹介する。以下の説明における好適実施例は単なる例示であり、当業者は、好適実施例に基づいて改良又は修正を加えることができる。以下の説明で定義される本発明の基本原理は、他の実施方式、変形方式、改良方式、同等方式及び本発明の精神及び範囲から逸脱しない他の技術方式に適用できる。
【0012】
当業者に理解されたいのは、本発明の実施例を説明するための用語として、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等が用いられる。これらの用語で示される方位は、図面で示される方位に基づき、本発明を分かりやすく説明するためのものであり、言及された装置又は部品が必ずしも特定の方向、特定の方向で構成され又は操作されるものではなく、本発明を限定するものではない。
【0013】
また、用語「一」は、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」であることを理解されたい。即ち、ある実施例において、素子の数量が1つである場合、他の実施例において、当該素子の数量が複数であってもよい。用語「一」は、数量を限定するものではない。
【0014】
図1から図6Bに示すように、本発明の実施例によれば、二焦点レンズモジュール1は開示される。前記二焦点レンズモジュール1は、ロービーム光源2と、ハイビーム光源3と組み合わせて使用することにより異なる使用モードでロービーム及びハイビームを提供する。
【0015】
具体的には、前記二焦点レンズモジュール1は、ロービーム集光器10と、ハイビーム集光器20と、導光ユニット30と、光学レンズ40とを含む。前記ロービーム光源2は前記ロービーム集光器10に設けられ、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ロービーム集光器10に入射されて前記光学レンズ40まで放射される。これに対応して、前記ハイビーム光源3はハイビーム集光器20に設けられ、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記ハイビーム集光器20に入射されて前記光学レンズ40まで放射される。
【0016】
図2に示すように、前記導光ユニット30は、隔板31と、導光部32と、を含む。ここで、前記隔板31は、前記ロービーム集光器10と、前記ハイビーム集光器20との間に位置し、前記ロービーム集光器10を前記隔板31の上側に維持するとともに前記ハイビーム集光器20を前記隔板31の下側に維持するように、ロービームのカットオフラインを形成するために用いられる。前記導光部32は、前記隔板31の下方に位置する。前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記導光部32に形成される導光通路320を通過し、さらに前記隔板31を通過して前記光学レンズ40に到達する。
【0017】
より詳しく説明すると、前記ロービーム集光器10は、前記隔板31の上側に位置する。前記ハイビーム集光器20は、前記隔板31の下側に位置する。前記ロービーム光源2から射出された光線は、上から下へと斜めに前記隔板31を通って前記光学レンズ40を通過する。
【0018】
前記ハイビーム光源3から射出された光線は、下から上へと前記導光部32の前記導光通路320を通過し、次いで前記隔板31を通って前記光学レンズ40を通過する。
【0019】
前記導光ユニット30は、湾曲状端面311と、前記湾曲状端面311によって取り囲まれた開口312とを有する。前記導光ユニット30は、前記導光通路320と、前記導光通路320に連通する光出口3202とを有する。ここで、光線は、前記導光通路320内において斜め上方向に沿うとともに前記光学レンズ40の焦点が位置する方位に向かって伝搬して前記光出口3202を通過することができる。前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ロービーム集光器10により集光され、前記導光ユニット30の上方から前記開口312を通過して前記導光ユニット30の下方まで伝搬し、前記光学レンズ40の下部に到達する。前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記ハイビーム集光器20により集光され、前記導光ユニット30の下方から前記導光通路320を通過して前記導光ユニット30の上方まで伝搬し、前記光学レンズ40の上部に到達する。
【0020】
具体的には、前記隔板31は、前記湾曲状端面311と前記開口312を有し、前記湾曲状端面311によって前記開口312が形成され、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記開口312を通過し、前記隔板31の作用下でロービームカットオフラインを形成することができる。
【0021】
前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記開口312を通過し、次いで前記光学レンズ40に到達し、前記光学レンズ40を通過して外へ放射される。
【0022】
前記開口312は、U字状開口であってもよい。本実施形態の他の実施例において、前記開口312に対応する前記湾曲状端面311の曲率は、中間位置から両縁位置に向かって大きくなるか又は小さくなる。前記湾曲状端面311は、起伏形状、例えば、波状であってもよい。上記説明は例示的なものに過ぎないことを当業者は理解できるべきである。
【0023】
なお、前記ロービーム光源2が斜め下向きに設けられ、前記ロービーム集光器10が斜め下向きに設けられることにより、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ロービーム集光器10を通過した後、斜め下方向に沿って前記光学レンズ40の下部に到達することができる。前記ハイビーム光源3が斜め上向きに設けられ、前記ハイビーム集光器20が斜め上向きに設けられることにより、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記ハイビーム集光器20を通過した後、斜め上方向に沿って前記光学レンズ40の上部に到達することができる。なお、ここにいう斜め上向き又は斜め下向きは、前記隔板31を基準とするものである。
【0024】
前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3は、傾斜して設けられなくてもよい。例えば、前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3は、鉛直方向の光線を放射するようにそれぞれ鉛直に設けられてもよい。前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3は、それぞれ前記隔板31の上側と下側に位置してもよい。前記ロービーム集光器10及び前記ハイビーム集光器20は、それぞれ傾斜して設けられてもよい。これによって、前記ロービーム光源2から射出された光線が前記ロービーム集光器10によって集光又は反射された後、斜め下向きに前記光学レンズ40に向かって伝搬し、前記ハイビーム光源3から射出された光線が前記ハイビーム集光器20によって集光又は反射された後、斜め上向きに前記光学レンズ40に向かって伝搬し得る。
【0025】
前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記隔板31の上方から前記隔板31の前記開口312を通過し、前記隔板31の下方に到達し、次いで前記光学レンズ40の下部に到達することにより、ロービーム効果が達成される。
【0026】
前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記隔板31の下方から前記隔板31の前記開口312を通過し、前記隔板31の上方に到達し、次いで前記光学レンズ40の上部に到達することにより、ハイビーム効果が達成される。
【0027】
前記導光部32は、前記隔板31の下方に位置し、前記導光通路320が形成される。前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記導光通路320内において斜め上向きの光路に沿って伝搬し、前記隔板31を通過し、前記光学レンズ40に到達する。
【0028】
前記導光部32は、内壁を有する。前記導光部32の前記内壁及び前記隔板31によって前記導光通路320が形成される。前記導光部32の前記内壁及び前記隔板31によって前記光出口3202が形成される。前記導光部32の前記光出口3202を通過した前記ハイビーム光源3から射出された光線の少なくとも一部は、前記隔板31の前記開口312を通過する。なお、前記光出口3202は、前記導光部32のみによって形成されてもよい。
【0029】
理解され得るように、前記光出口3202は、実体物によって取り囲まれた空間であってもよく、仮想の出口であってもよい。例えば、前記導光部32が透明材料で作製される場合、光線は、前記導光部32を直接通過することができる。つまり、前記導光部32は、中実構造であってもよい。この場合、光線は前記導光部32内において全反射され、前記光出口3202の位置より前記導光部32から離れる。前記導光部32は、中空構造であってもよい。この場合、光線は前記導光通路320内において伝搬し、前記光出口3202の位置より前記導光部32から離れる。
【0030】
前記導光部32が中空構造である場合、前記導光部32の内壁に反射塗層が塗布されてもよい。これによって光線は、前記導光通路320内において前記光出口3202に向かって伝搬することができる。好ましくは、前記導光部32にはアルミ層がメッキされる。
【0031】
前記二焦点レンズモジュール1は、車両1000に使用される場合、ロービーム使用モード及びハイビーム使用モードを有し、前記ロービーム使用モードと前記ハイビーム使用モードとが切替可能である。前記ロービーム使用モードである場合、前記ロービーム光源2は点灯され、前記ロービーム光源2から射出された光線は前記ロービーム集光器10を通過して前記隔板31を通過し、前記光学レンズ40の下部に到達することにより、明暗が分かれているロービームが形成される。
【0032】
前記ハイビーム使用モードである場合、前記ロービーム光源2と前記ハイビーム光源3は同時に点灯され、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ロービーム集光器10を通過し、そして前記隔板31を通過し、前記光学レンズ40の下部に到達する。前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記ハイビーム集光器20を通過し、そして順に前記導光部32、前記隔板31を通過し、前記光学レンズ40の上部に達することにより、ハイビーム効果が達成される。
【0033】
前記ロービーム使用モードでの効果図は図5Aに示され、前記ハイビーム使用モードでの効果図は図6Aに示される。
【0034】
前記ハイビーム使用モードにある場合、前記ロービーム光源2と前記ハイビーム光源3が同時に点灯され、前記ロービーム光源2から射出された光線が斜め下向きに伝搬し、前記ハイビーム光源3から射出された光線が斜め上向きに伝搬するため、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ハイビーム光源3から射出された光線を干渉する可能性がある。
【0035】
本実施例において、前記導光部32は、透明材質であり、前記隔板31と組み合わせて設計されることにより、前記ロービーム光源2からの光線が前記隔板31を通過するときに発生する迷光が減少され、前記ハイビーム使用モード下で最終的に形成されるハイビームの効果に有利である。
【0036】
さらに、前記二焦点レンズモジュール1は、使用過程において水平なカットオフラインを形成できるだけでなく、ある角度を有するカットオフラインを形成できる。
【0037】
具体的には、図3に示すように、前記導光ユニット30の前記隔板31は、上面3111と下面3112を有し、前記隔板31の前記上面3111と前記下表面3112とは対応して設けられ、前記隔板31が水平位置に位置する場合、前記隔板31の前記湾曲状端面311は水平なカットオフラインを形成するために用いられる。前記隔板31の前記上面3111は傾斜面31111となるように形成される。前記傾斜面31111と水平位置とが例えば、15度、45度又は90度の角度をなすことにより、最後の光照射効果には傾斜したカットオフラインが得られる。
【0038】
さらに、前記導光ユニット30の前記隔板31に形成される前記開口312は、前記光学レンズ40の中心軸線に沿って均等に分割されてもよい。前記光学レンズ40の中心軸線は、前記光学レンズ40の中心及び焦点を通る軸線を指す。
【0039】
さらに、前記傾斜面31111は、前記光学レンズ40の前記中心軸線の片側に位置する。前記導光ユニット30から前記光学レンズ40の片側に沿って観察すると、前記導光ユニット30の前記隔板31の前記上面3111に段差を観察することができる。
【0040】
前記二焦点レンズモジュール1は、焦点Oを有し、前記焦点Oは、前記二焦点レンズモジュール1の前記光学レンズ40の後方であって前記隔板31がある位置に位置する。
【0041】
前記ロービーム光源2から射出された光線の少なくとも一部は前記焦点Oに集まる。前記ハイビーム光源3から射出された光線の少なくとも一部は前記焦点Oに集まり、前記ハイビームを形成する。
【0042】
前記ロービーム集光器10及び前記ハイビーム集光器20はそれぞれ集光作用を奏することができる。前記ロービーム集光器10の光反射面は、前記ロービーム光源2から射出された光線が斜め下向きに集光されるように傾斜して設けられる。前記ハイビーム集光器20の光反射面は、前記ハイビーム光源3から射出された光線が斜め上向きに集光されるように傾斜して設けられる。
【0043】
理解され得るように、前記ロービーム集光器10の前記光反射面は、曲面であってもよく、前記ハイビーム集光器20の前記光反射面は、曲面であってもよい。
【0044】
前記二焦点レンズモジュール1の前記焦点Oは、前記隔板31の前記開口312の位置に位置してもよい。
【0045】
本発明の他の実施例において、前記隔板31は、不透明材質、例えば、金属材質又は他の材質で作製されてもよい。前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記隔板31の上側から前記隔板31の上側に伝搬し、少なくとも一部分が前記二焦点レンズモジュール1の焦点Oに集まる。
【0046】
前記隔板31が不透明材質である場合、光線に対する影響を低減するために、その厚さを薄く(例えば、1mm以下)設けてもよい。
【0047】
前記ロービーム集光器10の位置、前記隔板31の位置、及び前記二焦点レンズモジュール1の位置は、前記ロービーム光源2から射出された光線が前記ロービーム集光器10で反射された後、前記隔板31を通過して前記焦点Oに集まり、そして前記二焦点レンズモジュール1に到達し、カットオフラインを有する光効果が達成されるように設けられる必要がある。
【0048】
前記隔板31の前記湾曲状端面311は角度を有することにより、ロービーム光源2からの光線の伝搬及び伝搬効果に有利である。さらに、前記湾曲状端面311と、前記隔板31が位置する平面とは、鋭角をなしてもよい。
【0049】
具体的には、前記ロービーム光源2からの光線の少なくとも一部が前記隔板31の前記開口312を通過するときに、前記湾曲状端面311は、ある程度の遮断作用を奏することができるので、前記ロービームのカットオフラインが形成される。
【0050】
前記ロービーム光源2が前記隔板31を通過するときに、光線は、傾斜して前記開口312を通過する。前記湾曲状端面311は、傾斜の角度が光線の伝搬方向とほぼ一致するように傾斜して設けられる。これによって、この位置に発生する迷光が減少される。
【0051】
前記湾曲状端面311の角度の大きさは、切削又は切断プロセスにより制御することができる。例えば、完全な隔板31が得られた後、前記二焦点レンズモジュール1全体の結像効果に基づいて、切削又は切断プロセスにより前記湾曲状端面311の角度の大きさを制御することができる。
【0052】
さらに、前記ハイビーム光源3から射出された光線の少なくとも一部は、前記導光部32を通過して前記焦点Oに集まり、そして前記光学レンズ40の上部に到達する。
【0053】
前記導光部32の前記光出口3202は前記開口312の近傍に位置し、これによって、前記光出口3202から傾斜して射出された光線は、前記開口312を通過して前記光学レンズ40の上部に到達することができる。
【0054】
なお、前記導光部32の前記光出口3202は、前記隔板31の前記開口312の下方に位置し、前記導光部32の前記光出口3202と、前記開口312が形成される前記湾曲状端面311の中間位置とは、同一の鉛直方向に位置することができる。前記湾曲状端面311の前記中間位置は、前記湾曲状端面311の前記光学レンズ40から最も遠い位置を指す。
【0055】
本発明のいくつかの実施例において、前記導光部32の前記光出口3202は、前記隔板31の前記開口312の下方に位置し、かつ前記導光部32の前記光出口3202と前記光学レンズ40との間の距離は、前記開口312が形成される前記湾曲状端面311の前記中間位置と前記光学レンズ40との間の距離よりもやや小さくてもよい。或いは、前記導光部32の前記光出口3202は、前記隔板31の前記開口312の下方に位置し、かつ前記導光部32の前記光出口3202と前記光学レンズ40との間の距離は、前記光学レンズ40の焦点距離と等しくてもよい。
【0056】
前記導光通路320は、前記隔板31と前記導光部32の前記内壁との間に形成され、かつ前記導光通路320の断面は、前記光出口3202に近いほど小さくなるように設けられる。
【0057】
前記ハイビーム集光器20の作用下で、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、斜め上方向に沿って伝搬し、主に前記光学レンズ40の前記焦点O位置に集まるため、前記ハイビーム光源3の伝搬経路は、主にハイビーム光源3から近いところが狭く、ハイビーム光源3から遠いところが広い。つまり、前記ハイビーム集光器20に近いほど、光通過経路は広くなり、前記光出口3202に近いほど、光通過経路は狭くなる。
【0058】
さらに、本実施例において、前記導光部32は、2つの側翼321及び底板322を有し、2つの側翼321は、それぞれ前記底板322の両側に位置し、前記光入口3201及び前記光出口3202は、それぞれ前記底板322の両側に位置する。前記底板322は、前記隔板31の下方に位置し、前記底板322と前記隔板31とは、距離を空けて配置され、前記光出口3202に近いほど、前記底板322と前記隔板31との間の距離は小さくなる。
【0059】
言い換えると、前記導光ユニット30は、底面301を有し、前記底面301は、前記導光部32の前記底板322の外面である。前記光出口3202に近いほど、前記導光ユニット30の前記底面301から前記光学レンズ40の中心軸線までの距離は小さくなる。
【0060】
なお、前記導光部32が中実構造である場合、前記導光部32は、前記光出口3202に近いほど、前記導光部32の断面が小さくなるように設けられる。前記導光部32が中空構造である場合、前記導光部32の前記導光通路320は、前記光出口3202に近いほど、前記導光通路320の内径が小さくなるように設けられる。
【0061】
前記導光部32は、取付板323を含んでもよい。前記光入口3201は、前記取付板323に形成され、前記取付板323は、前記底板322の片側に位置し、前記取付板323と前記底板322とは、ある角度の夾角をなす。
【0062】
本実施例において、前記底板322は曲状板であり、前記底板322の表面は曲面である。前記ハイビーム集光器20は、前記取付板323に取り付けられる。
【0063】
本発明の他の実施例において、前記底板322は平面板であり、前記底板322の表面は平面である。
【0064】
前記導光部32は、全体として逆三角形構造であり、前記逆三角形構造は、直角であってもよく、丸角であってもよい。
【0065】
さらに、前記導光部32の構造は、前記ハイビーム光源3から射出された光線の経路と一致するように設計される。これによって、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記導光部32を通過した後、ほとんど前記光学レンズ40の前記焦点Oを通り、前記光学レンズ40に到達して結像することができる。
【0066】
さらに、本実施例において、前記ハイビーム光源3は、対称的に設けられる。これによって、最後の光照射効果に有利である。例えば、前記隔板31は、軸対称構造であり、前記光学レンズ40の中心軸線を境界として、複数の前記ハイビーム光源3は、対称的に配置される。本実施例において、前記ハイビーム光源3の数は3つである。
【0067】
前記ロービーム光源2は、対称的に設けられる。これによって、最後の光照射効果に有利である。例えば、前記隔板31の軸線を境界として、複数の前記ロービーム光源2は、対称的に配置される。本実施例において、前記ロービーム光源2の数は6つである。
【0068】
当業者に理解され得るように、ここに言う前記ハイビーム光源3及び前記ロービーム光源2の数は例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものではなく、当業者は、必要に応じて前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3の数を調整することができる。
【0069】
さらに、前記ロービーム集光器10と前記ロービーム光源2は対応して設けられる。例えば、1つの前記ロービーム光源2は、1つの前記ロービーム集光器10に対応して設けられてもよい。複数の前記ロービーム光源2は、1つの前記ロービーム集光器10に対応して設けられてもよい。前記ロービーム集光器10の数が複数である場合、隣り合う前記ロービーム集光器10は互いに独立してもよいが、互いに連通してもよい。
【0070】
前記ハイビーム集光器20と前記ハイビーム光源3とは対応して設けられる。例えば、1つの前記ハイビーム光源3は、1つの前記ハイビーム集光器20に対応して設けられてもよい。複数の前記ハイビーム光源3は、1つの前記ハイビーム集光器20に対応して設けられてもよい。前記ハイビーム集光器20の数が複数である場合、隣り合う前記ハイビーム集光器20は互いに独立してもよいが、互いに連通してもよい。
【0071】
さらに、本実施例において、前記隔板31は、一体成形されてもよく、切断などにより成形されてもよい。
【0072】
前記隔板31は、金属材料であってもよい。例えば、矩形金属材料を用いて切断により前記開口312を形成することにより形成されてもよく、直接鋳造成形により形成されてもよい。前記隔板31は、上面にアルミがメッキされてもよく、これによって、光入射効率が向上し、最後の光照射効果に有利である。
【0073】
本発明の他の態様において、本発明は、車両1000を提供する。前記車両1000は、車両本体200と少なくとも1つの車両用ヘッドライト100とを含む。前記車両用ヘッドライト100は、前記車両本体200の前部に取り付けられる。前記車両用ヘッドライト100は、前記ハイビーム光源3と、前記ロービーム光源2と、前記二焦点レンズモジュール1とを含む。前記二焦点レンズモジュール1は、前記ロービーム使用モードと前記ハイビーム使用モードの2つの使用モードを有する。前記ロービーム使用モードにある場合、前記ロービーム光源2は点灯され、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記二焦点レンズモジュール1の前記光学レンズ40を通過する。前記ハイビーム使用モードにある場合、前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3はそれぞれ点灯され、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、前記二焦点レンズモジュール1の前記光学レンズ40の下部を通過し、前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記二焦点レンズモジュール1の前記光学レンズ40の上部を通過する。
【0074】
本発明の他の態様において、本発明は、前記車両用ヘッドライト100を提供する。前記車両用ヘッドライト100は、前記ロービーム光源2と、前記ハイビーム光源3と、前記二焦点レンズモジュール1とを含む。前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3は、所望の光照射効果を達成するために、それぞれ所定の位置に従って前記二焦点レンズモジュール1に取り付けられる。理解され得るように、前記ロービーム光源2及び前記ハイビーム光源3は、前記二焦点レンズモジュール1に取り付けられなくてもよい。前記ロービーム光源2、前記ハイビーム光源3及び前記二焦点レンズモジュール1は、所望の設計に従ってそれぞれの位置に配置されてもよい。つまり、前記ロービーム光源2、前記ハイビーム光源3及び前記二焦点レンズモジュール1は、他の方式により相対的に固定的な位置に保持されてもよい。これによって、前記車両用ヘッドライト100は全体として所望の光照射効果が達成される。
【0075】
図7は、本発明の前記二焦点レンズモジュール1の他の実施形態を示す。
【0076】
本実施例において、前記二焦点レンズモジュール1の前記隔板31及び前記導光部32は、いずれも透明であり、かつ前記隔板31は、上面及び下面を有し、前記隔板31の前記上面及び前記下面は、対向して設けられる。
【0077】
前記導光部32は、前記隔板31の前記下面に位置する。前記隔板31の前記上面には遮光層33が設けられる。
【0078】
前記ロービーム光源2は、前記隔板31の上方から下へ前記隔板31の前記開口312を通過する。前記ロービーム光源2から射出された光線は、前記ロービーム集光器10を通過した後、前記隔板31を直接透過するので、前記隔板31の下方の前記ハイビーム光源3から射出された光線を干渉する可能性がある。前記隔板31の前記上面に前記遮光層33を設けることにより、前記ロービーム光源2による前記隔板31の位置に発生する迷光の減少に有利である。
【0079】
また、前記ハイビームモードにある場合、前記ロービーム光源2から射出された光線は、上から下へと前記光学レンズ40まで伝搬し、前記ハイビーム光源3から射出された光線は、下から上へと前記光学レンズ40まで伝搬する。前記隔板31及び前記導光部32はいずれも透明であるので、前記隔板31の前記遮光層33は、前記ロービーム光源2から射出された光線が上から下へと伝搬し、前記隔板31を透過することで前記隔板31の位置に迷光が発生し、ハイビームを干渉することを低減できるだけでなく、前記ハイビーム光源3から射出された光線が下から上へと伝搬し、前記隔板31を透過することで前記隔板31の位置に迷光が発生し、ロービームを干渉することを低減できる。
【0080】
本発明のいくつかの実施例において、前記隔板31と前記導光部32とは一体成形され、例えば、鋳型プロセスにより一体成形される。前記隔板31及び前記導光部32は透明である。このようにして一体成形された前記隔板31及び前記導光部32は、前記二焦点レンズモジュール1全体の取付に有利であり、いくつかの小さな取付部品を使用する必要がない。
【0081】
本発明の他の実施例において、前記隔板31及び前記導光部32の材料は同じである。しかし、前記隔板31及び前記導光部32は分割成形される。
【0082】
本発明の他の実施例において、前記隔板31及び前記導光部32の材料は透明材料ではない。また、穴開け又は一体成形などにより前記導光部32に前記導光通路320が形成される。つまり、前記導光部32は中空である。前記導光部32の内壁には塗層が塗布され、例えば、アルミメッキされてもよい。前記導光部32は、透明な中空構造であってもよく、その内壁にも塗層が塗布され、例えば、アルミメッキされてもよい。
【0083】
図8は、本発明の前記二焦点レンズモジュール1の別の実施形態を示す。
【0084】
本実施例において、前記二焦点レンズモジュール1の前記隔板31は上記実施例の前記隔板31と相違する。
【0085】
本実施例において、前記隔板31の前記上面3111は波形構造である。つまり、前記隔板31の前記上面3111は起伏しており、これによって、前記隔板31の前記上面3111の各位置の反射率は異なる。
【0086】
前記ロービーム光源20から射出された光線の一部が前記隔板31の前記上面3111に照射されるときに、必要に応じて反射される。
【0087】
なお、前記隔板31の前記上面3111は、ユーザの需要に応じて設計することができる。例えば、所望の光学効果を達するために、異なる塗層を塗布することなどにより異なる形状に設計される。
【0088】
本発明の他の実施例において、前記隔板31は前記開口312を有し、前記隔板31は中空設計である。なお、前記隔板31は、主に前記開口312により最後の光照射効果を制限するため、前記開口312をそのまま維持しながら、必要に応じて前記隔板31の形状を設計することができる。前記隔板31は、より大きく又は小さく設計されてもよい。
【0089】
例えば、前記隔板31は、矩形構造に前記開口312が形成された構造、三角形構造に前記開口312が形成された構造、又は円形構造に前記開口312が形成された構造であってもよい。
【0090】
なお、前記光学レンズ40は、光入射面と光出射面を有する。前記光学レンズ40の前記光入射面は、光線を受けるために用いられ、前記光出射面は、光線を射出するために用いられる。前記光学レンズ40の前記光入射面及び前記光出射面は、いずれも曲面であり、かつ前記光入射面は、凹凸であってもよい。つまり、前記光学レンズ40の光進入側には複数の穴が形成されてもよい。
【0091】
本発明の別の態様において、本発明は、前記二焦点レンズモジュール1の組立方法を提供する。前記組立方法は、
前記ロービーム光源2、前記ハイビーム光源3、前記隔板31、前記導光部32、及び前記二焦点レンズモジュール1をそれぞれ固定的な位置に維持するステップと、
光照射効果を検出するステップと、
所望の光照射効果を満足していない場合、所望の光照射効果が得られるまで、前記ロービーム光源2、前記ハイビーム光源3、前記隔板31、前記導光部32及び前記光学レンズ40のうちの少なくとも1つの位置を調整するステップと、を含む。
【0092】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、所望の光照射効果を満足していない場合、所望の光照射効果が得られるまで、前記ロービーム集光器10の曲率を調整する。
【0093】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記ロービーム使用モードでの光照射効果を検出する。所望の光照射効果を満足していない場合、前記ロービーム光源2、前記隔板31、前記導光部32及び前記光学レンズ40のうちの少なくとも1つの位置を調整する。
【0094】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記ロービーム使用モードでの光照射効果を検出する。所望の光照射効果を満足していない場合、前記ロービーム集光器10の曲率を調整する。
【0095】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記ハイビーム使用モードでの光照射効果を検出する。所望の光照射効果を満足していない場合、前記ロービーム光源2、前記ハイビーム光源3、前記隔板31、前記導光部32及び前記光学レンズ40のうちの少なくとも1つの位置を調整する。
【0096】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記ハイビーム使用モードでの光照射効果を検出する。所望の光照射効果を満足していない場合、所望の光照射効果が得られるまで、前記ハイビーム集光器10の曲率を調整する。
【0097】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記隔板31と前記導光部32の相対的位置が変わらないように前記隔板31と前記導光部32を固定する。
【0098】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記隔板31と前記導光部32とは一体成形される。
【0099】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記方法において、前記隔板31と前記導光部32の相対的な位置を変化させることにより、前記隔板31の前記開口312と前記導光部32の前記光出口3202の相対的な位置を変える。
【0100】
上記説明及び図面に示される本発明の実施例は例示的なものに過ぎず、本発明を制限するものではないことを、当業者は理解すべきである。本発明の目的は完全かつ効果的に実現されている。本発明の機能及び構造原理は、実施例に例示及び説明されており、前記原理から逸脱しない限り、本発明の実施形態を任意に変形又は修正することができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
【国際調査報告】