特表2021-532566(P2021-532566A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-532566無線周波動作において、平面変圧器上で可変インピーダンス負荷を操作する装置および方法I
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  • 特表2021532566-無線周波動作において、平面変圧器上で可変インピーダンス負荷を操作する装置および方法I 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532566(P2021-532566A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】無線周波動作において、平面変圧器上で可変インピーダンス負荷を操作する装置および方法I
(51)【国際特許分類】
   H01F 19/04 20060101AFI20211029BHJP
   H01F 30/10 20060101ALI20211029BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20211029BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
   H01F19/04 Z
   H01F30/10 D
   H01F30/10 R
   H01F17/00 A
   H01F27/28 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-530306(P2020-530306)
(86)(22)【出願日】2019年7月22日
(85)【翻訳文提出日】2020年5月22日
(86)【国際出願番号】DE2019000193
(87)【国際公開番号】WO2020020394
(87)【国際公開日】20200130
(31)【優先権主張番号】102018005737.3
(32)【優先日】2018年7月22日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102018009167.9
(32)【優先日】2018年11月22日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519263796
【氏名又は名称】キーフェル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロムバーガー、クリストフ
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AA08
5E070AA11
5E070AA16
(57)【要約】
本発明は、それぞれ入力側および出力側として動作できる少なくとも1つの一次側および少なくとも1つの二次側から成る平面変圧器から成る装置において、インピーダンス可変負荷を操作する方法に関し、この方法は、二次側のうち1つの対象点に第1のインピーダンスに対する仮想HFグラウンドを表すステップを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力側または出力側として動作可能な少なくとも一次側および二次側から成る平面変圧器上で可変インピーダンス負荷を操作する方法であって、前記二次側の対称点において第1のインピーダンスに対して仮想RFグラウンドを割り当てるステップを含む、方法。
【請求項2】
前記二次側のうちの1つに沿った対称点への距離を、所望の高調波の波長の1/4の奇数倍(または偶数倍)に等しい前記二次側の出力に選択するステップ、および/または
二次側の出力を開回路(または短絡)で終端させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
一次側および二次側から成り、前記一次側が少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側が少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルは対称に構築されて、対称点および2つに分岐した差動出力を有し、前記第2のコイルは前記対称点と前記差動出力の第1の分岐の間に前記第1のコイルに対する分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを有する、平面変圧器を操作するための方法であって、
好ましい動作周波数の倍数に等しい、前記分布インダクタンスと前記分布キャパシタンスの間の共鳴周波数を選択するステップを含む、方法。
【請求項4】
一次側および二次側から成り、前記一次側が少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側が少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルは対称に構築されており、差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有する、平面変圧器を操作するための方法であって、
前記二次コイルの電気的長さを、好ましい動作周波数における半波長より短く、前記好ましい動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しくなるように選択するステップを含む、方法。
【請求項5】
好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、前記一次側には前記好ましい動作周波数において第1の入力インピーダンスを有する入力があり、前記二次側には前記好ましい動作周波数において第1の出力インピーダンスを有する出力があり、第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスについて、前記好ましい動作周波数において、前記出力が終端されているときは前記第1のソースインピーダンスは前記入力インピーダンスの前記第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、前記入力が終端されているときは前記第1の負荷インピーダンスは前記出力インピーダンスの前記第1のソースインピーダンスの複素共役であり、前記一次側は少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側は少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルは対称に構築されており、差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有する、平面変圧器を操作する方法であって、
前記二次コイルの電気的長さを、前記動作周波数における半波長より短く、前記動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しくなるように選択するステップを含む、方法。
【請求項6】
前記平面変圧器が無線周波動作で操作されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記無線周波動作が、f≧10MHzであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記無線周波動作が、50kHz≦f≦10MHzであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
入力側または出力側として動作可能な、少なくとも一次側および二次側と、コントローラとを有し、前記コントローラが、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法に従うステップを有するプログラミングを有する、平面変圧器。
【請求項10】
好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、前記一次側が少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側が少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルが対称に構築されており、前記平面変圧器が差動モードで動作しているときに対称点に仮想無線周波グラウンドを有する平面変圧器であって、前記二次コイルの電気的長さが、前記動作周波数の半波長より短く、前記動作周波数の半波長の整数分の1の整数倍に等しいことを特徴とする、平面変圧器。
【請求項11】
好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、前記一次側が少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側が少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルが対称に構築されて、対称点および2つに分岐する差動出力を有し、前記第2のコイルが前記対称点と前記差動出力の第1の分岐との間に第1のコイルに対する分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを有する平面変圧器であって、前記分布インダクタンスおよび前記分布キャパシタンスの間の共鳴周波数が、前記好ましい動作周波数の倍数に等しいことを特徴とする、平面変圧器。
【請求項12】
好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、前記一次側には前記好ましい動作周波数において第1の入力インピーダンスを有する入力があり、前記二次側には前記好ましい動作周波数において第1の出力インピーダンスを有する出力があり、第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスについて、前記好ましい動作周波数において、前記出力が終端されているときは前記第1のソースインピーダンスは前記入力インピーダンスの前記第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、前記入力が終端されているときは前記第1の負荷インピーダンスは前記出力インピーダンスの前記第1のソースインピーダンスの複素共役であり、前記一次側が少なくとも第1のコイルを有し、前記二次側が少なくとも第2のコイルを有し、前記第2のコイルが対称に構築されており、差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有する平面変圧器であって、前記二次コイルの電気的長さが、前記動作周波数における半波長より短く、前記動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しいことを特徴とする、平面変圧器。
【請求項13】
コントローラを有し、前記コントローラが請求項1〜12のいずれか一項に従うステップを有するプログラミングを有する、請求項10〜12に記載の平面変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波動作において平面変圧器上で可変インピーダンス負荷を操作する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、信号源が伝達経路によって負荷に接続された配置が開示されている。高電力レンジでは、低インピーダンス信号源(例えば1Ω)が、通常、よりインピーダンスの高い伝達経路(例えば、50Ω)を使用して、多くの場合はインピーダンス可変(例えば、1Ω前後で可変)の低インピーダンス負荷に接続されている。インピーダンス整合をとるために、(例えば固定の)第1のインピーダンス比を有する第1の整合回路が、通常、信号源と伝達経路の間に使用され、(例えば可変の)第2のインピーダンス比を有する第2の整合回路が伝達経路と負荷の間に使用される。信号は信号源から負荷へ、第1の整合回路、伝達経路、および第2の整合回路を介して伝達される。信号は通常、基本周波数の成分と高調波の成分とを含み、高調波成分は、基本周波数の整数倍である。
【0003】
従来技術では、変圧器は、固定インピーダンス比をもつ整合回路として知られている。変圧器は、第1の巻数の入力コイル(一次巻線)と、第2の巻数の出力コイル(二次巻線)とを有し、また、第2の巻数と第1の巻数との間には、巻数比と呼ばれる比率がある。
【0004】
低周波信号の場合、巻数比Nの変圧器は、入力と出力の間で電圧をN分の1に低下させるが、逆に、電流をN倍に増大させるので、変圧器を使用して、負荷に対する信号源のインピーダンスの比率Nを調節することができる。
【0005】
平面変圧器は特殊な実装形態の変圧器である。平面変圧器は一次コイルおよび二次コイルを有し、一次コイルと二次コイルは基本的に平坦で、かつ平行平面形であり、誘電体によって分離されている。
【0006】
無線周波技術に関しては、平面変圧器は、それを用いて、信号を、入力から、分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを使用して出力へ伝え、信号インピーダンスに所望の変化をもたらす構成要素である。低周波レンジでは、この変化は、2つの実数のインピーダンス間における巻数比の2乗での変化であるが、より高い周波数レンジでは、本質的に非実数の無線周波インピーダンスであり、本質的に分布されたキャパシタンス被膜およびインダクタンス被膜であるため、関係はより複雑である。
【0007】
従来技術によれば、一次コイルを鏡面対称に構築することが知られている(一次側鏡面対称平面変圧器)。また、従来技術では、二次コイルの巻き数が偶数である場合、二次コイルの巻数の半分を、巻き方向を確認するために適した平面変圧器の第1の視角から見て、一次コイルの上方に第1の巻き方向で配置し、巻数の他方の半分を、第1の視角から見て一次コイルの下側に反対の巻き方向で配置して(二次側対称平面変圧器)、巻線の第1の半分と第2の半分が巻きの回転の中心の領域で互いに導電的に結合されるようにすることもできる。最後に、従来技術によれば、平面変圧器は、完全に対称に、つまり、一次側および二次側で対称に構築することができる。
【0008】
電源が差動増幅配置であれば、一次側で対称な平面変圧器の場合、一次側巻線の中央に、無線周波技術用語でのグラウンドに接続された点があり、その点を介して、電圧源からの出力信号をブロックする必要を最小限にしながら供給電圧を供給することが可能である。二次側で対称である平面変圧器の場合、同様に、二次コイルの中央に、無線周波技術用語でのグラウンドに接続された点があり、従来技術によれば、この点は、例えばDC電圧を、アンテナ接続に印加するか、アンテナ接続から引き出すために使用される。
【0009】
高調波整合構造もまた、従来技術で、第1の整合回路として知られており、これを使用して、量と位相に応じて、基本波および高調波について所望の値の負荷インピーダンスを達成することができる。インピーダンスの制御はまた、高調波の場合に、信号源の出力における電流および電圧の時間プロファイルを達成するために有利に使用することができ、それによって、信号源の特に効率的な動作が達成される。
【0010】
可変インピーダンスを有する負荷は通常、信号の基本波だけではなく、高調波に対しても、入力インピーダンスの変動を呈する。従来技術による、可変インピーダンス比を有する第2の整合回路は、信号の基本周波における負荷インピーダンスの変動を吸収するためにのみ適しており、高調波のインピーダンス整合を行うことは全くできない。
【0011】
よって、第1の整合回路としての高調波整合構造は、伝達経路に対面する側で、所定のインピーダンスの基本周波ではさらなる手段なく完結するが、基本周波数の倍数では可変のインピーダンスが存在する。そのような可変高調波の終端は、信号源の出力において電流および電圧のタイムプロファイルに不利な影響を与える。
【0012】
変動する負荷の場合であっても再現可能な高調波終端を信号源で達成するためには、従来技術によれば、第2の整合回路、伝達経路、および第1の整合回路から成る配置に高調波周波数を透過させないように設計することが知られている。その結果、増幅配置の有効構成要素の出力において、再現可能なインピーダンス比を達成することができ、それによって信号源の高効率を達成でき、これは、負荷のインピーダンスにほとんど無関係である。
【0013】
具体的には、従来技術では、例えば、周波数選択性の吸収回路またはクロスオーバーが知られており、それによって、高調波がグラウンドへ逸らされる。そのようなグラウンドへの逸脱は、例えば、それぞれの高調波における回路短絡を表して、それぞれの高調波に所定のインピータンスを提供し、これに基づいて、信号源が常に高効率で動作できるように第1の整合回路を設計することができる。
【0014】
従来技術の1つの不利な点は、特に、高調波を逸脱させるそのような手段が、高額な費用に関連することである。従来技術の、もう1つの不利な点は、高周波を逸脱させるそのような手段には、常に信号電力の損失が伴い、それによって全体的な効率が低下することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、開発の目的は、ある手段を提供し、その手段によって、従来技術の不利な点を減じながら、信号源が可変インピーダンス負荷を駆動するように操作される場合であっても、高調波整合によって信号源の高効率が絶えず得られるようにすることである。
【0016】
したがって、従来技術の不利な点を有さずに、可変インピーダンス負荷の低損失動作を解決する手段を提供することが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従来技術の不利な点を有さずに、可変インピーダンス負荷を低損失操作するという目的は、本発明「周波数選択的な非透過型平面変圧器I」によって解決される。本発明は、入力側または出力側として動作可能な少なくとも一次側および二次側から成る平面変圧器から成る装置上で可変インピーダンス負荷を操作する方法であって、二次側の対称点において第1のインピーダンスに対して仮想RFグラウンドを割り当てるステップを含む方法に関する。
【0018】
「平面変圧器」は、平坦な設計によって特徴付けられる、特殊なタイプの変圧器である。無線周波に関しては、平面変圧器は、容量性および誘導性の構成要素を有する分布構造体である。誘導性構成要素は、ほとんどがコイルであり、容量性構成要素は、一方では一次コイルと二次コイルの間のキャパシタンス被膜から成り、他方では、一次コイルまたは二次コイルが2回以上巻かれた(部分的)コイルから成ることを条件に、一次コイルまたは二次コイル自体の中の2つの巻きの間に存在する潜在的なキャパシタンスから成る。
【0019】
コイルに沿ったインダクタンス被膜は、一次コイルと二次コイルの間のキャパシタンス被膜と共に、所与のラインインピーダンスおよび所与の電気的ライン長を有するストリップラインを形成する。そのため、電気的ライン長は、幾何学的ライン長および、誘電体内の信号の伝播の速度に依存する。
【0020】
ある信号周波数において、第1のインピーダンスに対して、二次コイルの対称点に仮想RFグラウンドが割り当てられる。対称点から二次コイルに沿って二次コイルの出力までの経路の電気的長さが、所望の高調波の波長の1/4の奇数倍(偶数倍)に等しくなるように選択されれば、この出力が開回路(短絡)で終端されている場合には、この出力から完全対称型平面変圧器の入力への伝達の損失は最大になる。伝達経路で終端されている平面変圧器の、出力、第2の整合回路および負荷において通常期待される全ての負荷インピーダンスのために、出力から入力への伝達は小さい。よって、この平面変圧器は所望の高調波で入力側にインピーダンスを提供し、このインピーダンスは、平面変圧器の出力に当たる(反射された)信号に依存しない。この平面変圧器は、これらの高調波に関しては非透過性であり、入力側の高調波の終端は、負荷および第2の整合回路の状態とは無関係である。
【0021】
二次コイルに所定の巻数を有する無線周波平面変圧器は、従来、2層から成り、第1の層を一次側とすることができ、他方の層は、説明のために第1の層と平行に配置され、二次側とすることができる。平面変圧器はまた、一次層または二次層を2つ以上、様々な組み合わせで有することができる。例えば、本発明による平面変圧器は、2つの二次側(本明細書では、「側」は「層」、「半体」、「コイル」と同義である)の間の中央に配置された一次側(本明細書では、「側」は「層」または「コイル」と同義である)を有することができる。二次コイルの巻線の半体が一次コイルの上方にあり、他の半体が下方にある。中央には、「仮想グラウンド」が存在する。上方から見ると、2つの半体は、反対向きの2つの巻き方向に見え、そうであるべき理由は、片方の半体では、電流が「内側から外側」に流れ、他方の半体では「外側から内側」に流れるが、両方の半体において誘導される(部分的)電圧は互いに打ち消し合うのではなく、累算されるべきだからである。
【0022】
本発明による方法を実施するための平面変圧器のさらなる実施形態は、一次および二次コイルの段階的な並列接続から作られていてもよい。例えば、ある配置は、3つの一次コイルおよび4つの二次コイルを有してもよい。これらは交互に、二次コイル、一次コイル、二次コイル、一次コイル、二次コイル、一次コイル、二次コイル、というように配置されてもよい。一次コイルは全て並列に接続され、このことは、巻きが3本の平行な「ワイヤ」から成っているだけで、これらのコイルは単一の巻きの単一のコイルを有していることを意味する。2つの隣り合う二次コイルのペア(2つの上側コイルと2つの下側コイル)は1つのペアとして並列に接続されている。この平面変圧器の実施形態の考え得る利点について、下記に説明する。
【0023】
本発明による方法を実装するために有利に好適な、平面変圧器の別の実施形態は、2つ以上の一次コイルを有する。
【0024】
本発明による方法を実施するために有利に好適な、平面変圧器のさらなる実施形態では、一次コイルの少なくともいくつかが互いに電気的に並列に接続されている。
【0025】
本発明による方法を実装するために有利に好適な、平面変圧器の別の実施形態は、2つ以上の二次コイルを有する。
【0026】
本発明による方法を実装するための実施形態として有利に好適な、平面変圧器のさらなる実施形態では、二次コイルの少なくともいくつかが互いに電気的に並列に接続されている。
【0027】
互いに本質的に平面平行な7つの層にわたって延在する平面変圧器を説明的な例として使用し、一連の層の中で層に対して垂直に、第1の層S1、第2の層P1、第3の層S2、第4の層P2、第5の層S3、第6の層P3および、第7の層S4と呼ぶ。
【0028】
例えば幾何的に一致する、それぞれが第1および第2の入力を備える3つの一次コイルが、第2の層P1、第4の層P2、および第6の層P3に配置されており、全ての一次コイルの第1の入力は電気的に互いに短絡されており、全ての一次コイルの第2の入力は電気的に互いに短絡されている。第1の二次コイルは、第1の層S1内の第1の巻き方向の第1の巻数の第1のコイルセクションT1と、第7の層S4内の第1の巻き方向とは反対の巻き方向の第1の巻数の第4のコイルセクションT4とから成り、第2の二次コイルは、第3の層S2内の第1の巻き方向の第1の巻数の第2のコイルセクションT2と、第5の層S3内の第1の巻き方向とは反対の巻き方向の第1の巻数の第3のコイルセクションT3とから成り、巻線の回転の方向から見ると、第1のコイルセクションT1、第2のコイルセクションT2、第3のコイルセクションT3、および第4のコイルセクションT4の内側端部は互いに導電性の様式で接続されており、巻線の回転方向から見て外側にある、第1のコイルセクションT1および第2のコイルセクションT2の端部は互いに導電性の様式で接続されており、巻線の回転方向から見て外側にある、第3のコイルセクションT3および第4のコイルセクションT4の端部は互いに導電性の様式で接続されている。
【0029】
比較的高い出力電力と同時に比較的低い動作電圧をもつトランジスタは、出力電力を、低抵抗の負荷に対して特に効率的に伝える。ブレークダウン電圧が130Vの、現代のLDMOSは、通常、50Vの供給電圧で動作する。完全に制御されているときは、無線周波出力電圧は、50Vの前後で+/−50Vだけ変動する。このトランジスタから1kWの出力電力を得るためには、40Aの出力電流が必要であり、出力インピーダンスは50V/40A、すなわち、1オーム程度である。これは、動作電圧および出力電力のみによって定まり、よって、ここでは、約1オームの負荷インピーダンスが絶対的に必要である。
【0030】
このトランジスタに、一般的に50オームの実際の負荷を与えられるようにするためには、50オームを1オームに割り当てる整合回路が必要である。本発明による平面変圧器は、この整合回路の一部であってもよい。
【0031】
増幅器、すなわち、トランジスタと整合回路の組み合わせの効率は、トランジスタが動作する効率および、特に平面変圧器内の整合回路内の損失の両方によって決定される。整合回路内の損失はまた、整合回路を入力側および出力側で終端するためのインピーダンスによる影響を受ける。例えば、一次コイルがプッシュプル増幅器によって駆動される場合、プッシュプル増幅器の差動出力インピーダンスは、入力においては、一次コイルの終端と見ることができる。これに対して、例えば二次コイルの出力には、50オームが存在する。
【0032】
「巻数比」は、一次コイルの巻数を二次コイルの巻数で除算したものである。信号源の動作電圧に基づく非常に供給電力の高い信号源(例えば、2500W、36V)が、中程度のインピーダンス(例えば、50オーム)で操作される場合には、巻数比が1よりも著しく大きい平面変圧器が整合に有利であると考えられる。例えば、一次コイルの巻数が1で、二次コイルの巻数が、一次コイルの上と下でそれぞれ3である平面変圧器を選択することができる。高い巻数比をもつ、そのような平面変圧器では、出力と入力の側でそれぞれ、信号源の動作または負荷の整合には好ましくない高いインピーダンスで終端すれば損失が最小限になるが、既存の負荷およびソースインピーダンスで終端すれば不都合な高損失となる。
【0033】
整合回路内の損失を最小化する負荷インピーダンスは、一次コイルを基準グラウンドとして、「ライン」である二次コイルのラインインピーダンスに依存する。本発明により、二次コイルの2つの半体をここで並列に接続することによって、このラインインピーダンスは低減される。利点:2つの並列のコイルによって、インダクタンス被膜が減少(2つのコイルが並列であるから)し、キャパシタンス被膜が増大するので、インダクタンス被膜をキャパシタンス被膜で除算したものの平方根として、ラインインピーダンスが半減する。
【0034】
上記の平面変圧器の実施形態(並列接続)では、例えば、第1の層S1と第2の層P1の間、第2の層P1と第3の層S2の間、第3の層S2と第4の層P2の間、第4の層P2と第5の層S3の間、第5の層S3と第6の層P3の間、および第6の層P3と第7の層S4の間の空間は、それぞれ同じ誘電体で満たされ、第2の層P1と第3の層S2の間、第3の層S2と第4の層P2の間、第4の層P2と第5の層S3の間、および第5の層S3と第6の層P3の間の第1の距離は、第1の層S1と第2の層P1の間、および第6の層P3と第7の層S4の間の第2の距離の2倍の大きさとして選択可能である。その結果、二次コイルの全ての巻き線には、同様のラインインピーダンスがもたらされる。
【0035】
したがって、本発明による装置は、例えば50オームの出力インピーダンスに対する入力インピーダンスの正しいインピーダンス比を、そのトランジスタの好適な負荷インピーダンスに割り当てることができると同時に、正確にそれらの50オームを負荷インピーダンスとし、損失を低く抑えることができる。
【0036】
本発明による方法は、二次側のうちの1つに沿った対称点への経路を、所望の高調波の波長の1/4の奇数倍(または偶数倍)に等しい二次側の出力に選択するステップ、および/または、二次側の出力を開回路(または短絡)で終端させるステップを、さらに含むことができる。
【0037】
一次側および二次側から成る平面変圧器を操作する方法を使用して、目的の課題を解決することができ、ここで、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されて、対称点および2つに分岐する差動出力を有し、第2のコイルは対称点と差動出力の第1の分岐の間に第1のコイルに対する分布インダクタンスと分布キャパシタンスを有し、この方法は、分布インダクタンスと分布キャパシタンスの間に、好ましい動作周波数の倍数に等しい共振周波数を選択するステップを含む。
【0038】
また、この課題は、一次側および二次側から成る平面変圧器を操作する方法によって解決することができ、ここで一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに対称点に仮想無線周波グラウンドを有し、この方法は、好ましい動作周波数における半波長より短く、好ましい動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しい、二次コイルの電気的長さを選択するステップを含む。
【0039】
目的の課題のさらなる解決策が、平面変圧器を操作する方法によって得られる。これは好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、一次側には好ましい動作周波数において第1の入力インピーダンスを有する入力があり、二次側には好ましい動作周波数において第1の出力インピーダンスを有する出力があり、第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスについて、好ましい動作周波数において、出力が終端されているときは第1のソースインピーダンスは入力インピーダンスの第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、入力が終端されているときは第1の負荷インピーダンスは出力インピーダンスの第1のソースインピーダンスの複素共役であり、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有し、二次コイルの電気的長さを、動作周波数における半波長より短く、動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しく選択するステップを含む。
【0040】
本発明による目的を達成するために上記の方法を使用できる1つの装置は、入力側または出力側として動作可能な少なくとも一次側および1二次側と、コントローラとを有する平面変圧器であって、コントローラは前記の請求項のうち一項に従うステップを含むプログラミングを含む。
【0041】
さらに、本発明による装置としての、ある平面変圧器は、好ましい動作周波数を有することができ、一次側および二次側から成り、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有する。この実施形態は、二次コイルの電気的長さが、その動作周波数における半波長より短く、その動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しいことを特徴とする。
【0042】
この装置の別の実施形態は平面変圧器で、好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、一次側には第1のコイルがあり、二次側には第2のコイルがあり、第2のコイルは対称に構築されて、対称点および2つに分岐する差動出力を有し、第2のコイルは、対称点と差動出力の第1の分岐の間に第1のコイルに対する分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを有する。この実施形態は、分布インダクタンスと分布キャパシタンスの間の共鳴周波数が、好ましい動作周波数の倍数に等しく、よって、効率が最適化されることを特徴とする。
【0043】
本発明による方法を適用するための装置の別の実施形態は平面変圧器で、好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、一次側には、好ましい動作周波数で第1の入力インピーダンスを有する入力があり、二次側には好ましい動作周波数で第1の出力インピーダンスを有する出力がある。これは第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスを有し、好ましい動作周波数の場合、出力が終端されているときは第1のソースインピーダンスは入力インピーダンスの第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、入力が終端されているときは第1の負荷インピーダンスは出力インピーダンスの第1のソースインピーダンスの複素共役であり、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有する。この装置は、さらに、二次コイルの電気的長さが、その動作周波数における半波長より短く、その動作周波数における半波長の整数分の1の整数倍に等しいことを特徴とする。
【0044】
この装置に関する上記の実施形態は、コントローラをさらに有することができ、コントローラは前記の請求項のうち一項に従うステップを含むプログラミングを含む。
【0045】
本発明による平面変圧器の様々な実施形態は、本発明による方法を使用して無線周波動作で操作することもできる。低周波レンジでは、この変化は、2つの実数のインピーダンス間における巻数比の2乗での変化であるが、より高い周波数レンジでは、本質的に非実数の無線周波インピーダンスであり、本質的に分布されたキャパシタンス被膜およびインダクタンス被膜であるため、関係はより複雑である。無線周波動作は、f≧10MHzであることができる。さらに、無線周波動作は、50kHz≦f≦10MHzであることができる。
【0046】
一実施形態では、一次コイルと二次コイルとの間のキャパシタンスは、完全対称平面変圧器の二次コイルの対応する半体のインダクタンスと共にブロッキング回路を形成する。無線周波の技術に関しては、「対称に構築される」とは、平面変圧器が差動的に給電される場合、そのような対称性により、そのコイルの対称点に仮想グラウンドが存在することになるということを意味する。
【0047】
本発明による装置および本発明による方法は、さらなる、任意選択的な、有利な特徴と組み合わせることもできる。説明のために、ここで、本発明の目的は、RF範囲で可変インピーダンス負荷を使用して高効率を達成することであることを指摘しておく。上記の方法、装置、およびそれらの実施形態は、一次コイルと二次コイルの間のキャパシタンスを使用して効率を確保することに関する。他の実施形態では、これらのキャパシタンスの使用と、コイル(二次コイル)内のキャパシタンスの使用を組み合わせて効率を向上させてもよい。
【0048】
組み合わせた実施形態では、平面変圧器のコイルの2つの巻線の間のキャパシタンスがコイルのインダクタンスと共鳴回路を形成する。本発明による方法の文脈では、この共鳴回路の共鳴周波数は、抑制すべき信号の高調波の周波数に収まるように選択される。その結果、抑制すべき高調波の場合、平面変圧器の出力から入力へ信号が伝達されることはあり得ない。入力側では、平面変圧器は抑制すべき高調波に対してインピーダンスを提供し、このインピーダンスは平面変圧器の出力に当たる(反射された)信号に依存しない。この平面変圧器は、これらの高調波に関しては非透過性であり、入力側の高調波の終端は、負荷および第2の整合回路の状態とは無関係である。
【0049】
本発明による方法は、したがって、ある方法と組み合わせることができ、その方法は、入力側または出力側として使用でき、一次コイルおよび二次コイルを備える少なくとも一次側および二次側から成り、コイルの巻線の間のキャパシティとコイルのインダクタが共鳴回路を形成している平面変圧器上の可変インピーダンス負荷を操作するための方法であって、抑制すべき入力信号の高調波の周波数に収まる共鳴回路の共鳴周波数を選択するステップを含む。さらに、組み合わせられた方法は、出力側で反射される信号に依存しないインピーダンスを平面変圧器の入力側に備えるという特徴を有することができ、それにより、平面変圧器は高調波に対して非透過性を呈する。
【0050】
本発明による、平面変圧器を操作する方法であって、この平面変圧器は、一次側および二次側から成り、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されて、対称点および2つに分岐する差動出力を有し、第2のコイルは、対称点と差動出力の第1の分岐の間の巻線の間に分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを有し、さらに、分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスの間の共鳴周波数が、好ましい動作周波数の倍数に等しくなるように選択されるという特徴を備えることができる。
【0051】
考え得る別の組み合わせは、平面変圧器を操作する方法を加えることであって、この平面変圧器は好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、この平面変圧器の一次側には好ましい動作周波数において第1の入力インピーダンスを有する入力があり、二次側には好ましい動作周波数において第1の出力インピーダンスを有する出力があり、第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスについて、好ましい動作周波数の場合、出力が終端されているときは第1のソースインピーダンスは入力インピーダンスの第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、入力が終端されているときは第1の負荷インピーダンスは出力インピーダンスの第1のソースインピーダンスの複素共役であり、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有し、この方法は、分布インダクタンスと分布キャパシタンスの間に、好ましい動作周波数の倍数に等しい共振周波数を選択するステップを含む。
【0052】
本発明による平面変圧器の実施形態の様々な組み合わせは、本発明による方法を使用して無線周波動作で操作することもできる。無線周波動作は、f≧10MHzであることができる。さらに、無線周波動作は、50kHz≦f≦10MHzであることができる。
【0053】
本発明による装置は、入力側または出力側として動作可能な少なくとも一次側および二次側と、コントローラとを有する、平面変圧器を備えることができ、コントローラは、前述した方法ステップの1つに従うステップを含むプログラミングを有する。
【0054】
本発明による装置は平面変圧器を備えることができ、この平面変圧器は好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側から成り、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されて、対称点および2つに分岐する差動出力を有し、第2のコイルは、対称点と差動出力の第1の分岐の間の巻線の間に分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスを有し、分布インダクタンスおよび分布キャパシタンスの間の共鳴周波数が、好ましい動作周波数の倍数に等しいことを特徴とする。
【0055】
本発明による装置は、好ましい動作周波数を有し、一次側および二次側を備える平面変圧器を備えることができ、一次側には好ましい動作周波数において第1の入力インピーダンスを有する入力があり、二次側には好ましい動作周波数において第1の出力インピーダンスを有する出力があり、第1のソースインピーダンスおよび第1の負荷インピーダンスについて、好ましい動作周波数では、出力が終端されているときは第1のソースインピーダンスは入力インピーダンスの第1の負荷インピーダンスの複素共役であり、入力が終端されているときは第1の負荷インピーダンスは出力インピーダンスの第1のソースインピーダンスの複素共役であり、一次側は少なくとも第1のコイルを有し、二次側は少なくとも第2のコイルを有し、第2のコイルは対称に構築されており、平面変圧器が差動モードで動作しているときに、対称点に仮想無線周波グラウンドを有し、この方法は、分布インダクタンスと分布キャパシタンスの間の共振周波数が、好ましい動作周波数の倍数に等しいことを特徴とする。
【0056】
上記の構造から離れて、表現をごく単純にするために、例えば、二次コイルの第1の層内に第1の巻き方向の第1の巻数が配置され、二次コイルの第2の層内に、第1の巻き方向とは反対の巻き方向の、第1の数とは異なる第2の巻数が配置されている場合には、当業者は、これまで説明した構造では二次コイルの対称点に位置する無線周波グラウンドが別の点にあるようにして、本発明に開示される教示を適用することができる。
【0057】
このような特徴の組み合わせは、本特許請求からの特徴の組み合わせとすることが可能であることは、特に強調されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】本発明による装置である、平面変圧器の図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、本発明による装置を示し、この装置は、本発明による方法100を行うことができる。装置10は、平面変圧器10から成る。無線周波平面変圧器10は、二次コイル内に可変の巻数を有し、従来、2つの層から成ることができ、第1の層は一次側で、他方の層は、説明のために第1の層に並列に配置されており、二次側であることができる。図1の平面変圧器が有する二次コイルの数は、2つ以上である。本発明による図1の平面変圧器は、一次側11(外側の太線)を含み、これは、2つの二次側12、12’(細線、細破線)の間の中央に、サンドイッチ配置として配置されている。二次コイルの巻線の半体12は、一次コイルの上方にあり、二次コイルの他方の半体12’は、一次コイル11の下方にある。2つの二次コイル12、12’は、互いに反対の巻き方向を有する。中央には、また、二次コイルの巻線が接続されており、「仮想グラウンド」が存在する。上方から見たときに、2つの半体は、互いに反対の巻き方向を有し、こうであるべき理由は、片方の半体では、電流が「内側から外側」に流れ、他方の半体では「外側から内側」に流れるが、両方の半体において誘導される(部分的)電圧は互いに打ち消し合うのではなく、累算されるべきだからである。
【符号の説明】
【0060】
10 本発明による装置−平面変圧器
11 平面変圧器の一次コイル
12 平面変圧器の二次コイル(上方)
12’ 平面変圧器の対称二次コイル(下方)
100 本発明による方法
図1
【国際調査報告】