(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532607(P2021-532607A)
(43)【公表日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】三次元強誘電体メモリ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11507 20170101AFI20211029BHJP
H01L 27/11509 20170101ALI20211029BHJP
G11C 11/22 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
H01L27/11507
H01L27/11509
G11C11/22 240
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2021-527272(P2021-527272)
(86)(22)【出願日】2019年7月22日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月26日
(86)【国際出願番号】CN2019096974
(87)【国際公開番号】WO2020034809
(87)【国際公開日】20200220
(31)【優先権主張番号】16/102,667
(32)【優先日】2018年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/450,973
(32)【優先日】2019年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521038784
【氏名又は名称】ウーシー ペタバイト テクノロジ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WUXI PETABYTE TECHNOLOGIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ル ゼンウィ
(72)【発明者】
【氏名】フ ウィシ
(72)【発明者】
【氏名】タウ チェン
(72)【発明者】
【氏名】パン フォン
【テーマコード(参考)】
5F083
【Fターム(参考)】
5F083FR02
5F083GA01
5F083GA05
5F083HA02
5F083HA06
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA06
5F083JA19
5F083JA32
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA17
5F083MA18
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR22
5F083PR36
5F083PR40
(57)【要約】
三次元(3D)強誘電体メモリ装置及び強誘電体メモリ装置を形成する方法の実施形態が開示される。一例では、3D強誘電体メモリ装置は、基板と、それぞれが上記の基板の上方で垂直に延びる複数の強誘電体メモリセルとを含む。強誘電体メモリセルのそれぞれは、キャパシタと、キャパシタに電気的に接続されたトランジスタとを含む。キャパシタは、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。トランジスタは、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)強誘電体メモリ装置であって、
基板と、
それぞれが前記基板の上方で垂直に延びる複数の強誘電体メモリセルとを含み、前記強誘電体メモリセルは、
第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含むキャパシタと、
前記キャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及び前記チャネル構造と前記ゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含むトランジスタとを含む、3D強誘電体メモリ装置。
【請求項2】
前記トランジスタは、キャパシタの上方に配置される、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項3】
前記チャネル構造は、前記第1電極の上方で前記第1電極に電気的に接続される、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項4】
キャパシタゲートスタックをさらに含み、前記キャパシタが前記キャパシタゲートスタックを通って垂直に延び、前記キャパシタゲートスタックは、
横方向に延びて前記第2電極と接触する導体層と、
前記導体層の下方に配置された第1誘電体層と、
前記導体層の上方に配置された第2誘電体層とを含む、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項5】
キャパシタゲートスタックの下方に配置された停止層をさらに含み、前記キャパシタの下部は、前記停止層と接触する、請求項4に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項6】
複数のビット線及び複数のビット線コンタクトをさらに含み、前記ビット線コンタクトのそれぞれは、前記ビット線の1つ、及び前記トランジスタの1つのソース/ドレイン領域と接触する、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項7】
前記強誘電体メモリセルのそれぞれは、平面図において実質的に円形である、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項8】
前記強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つとを含む、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項9】
前記第1電極は、シリコン(Si)、透明導電性酸化物(TCO)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiNx)、窒化チタンアルミニウム(TiAlNx)、炭窒化チタン(TiCNx)、窒化タンタル(TaNx)、窒化タンタルシリコン(TaSiNx)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlNx)、窒化タングステン(WNx)、ケイ化タングステン(WSix)、炭窒化タングステン(WCNx)、ルテニウム(Ru)、及び酸化ルテニウム(RuOx)の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項10】
前記強誘電体メモリセルの下方に配置された周辺装置をさらに含む、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項11】
横方向に延びて前記第2電極と接触する導体層をさらに含み、前記導体層は、前記第2電極とは異なる垂直寸法を有し、前記第2電極は、前記導体層と前記強誘電体層の間に横方向に配置される、請求項1に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項12】
三次元(3D)強誘電体メモリ装置であって、
基板と、
前記基板の上方で垂直に伸びる強誘電体メモリセルとを含み、前記強誘電体メモリセルは、
それぞれが第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む、垂直にスタックされた複数のキャパシタと、
前記キャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含むトランジスタとを含む、3D強誘電体メモリ装置。
【請求項13】
前記強誘電体メモリセルのそれぞれにおける第1電極は、連続電極の一部である、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項14】
前記チャネル構造は、前記連続電極の上方で前記連続電極に電気的に接続される、請求項13に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項15】
前記キャパシタのそれぞれにおける強誘電体層は、連続強誘電体層の一部である、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項16】
前記キャパシタのそれぞれにおける第2電極は、互いに電気的に絶縁される、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項17】
複数のキャパシタゲートスタックをさらに含み、前記キャパシタが前記複数のキャパシタゲートスタックを通って垂直に延び、前記キャパシタゲートスタックのそれぞれは、
横方向に延び、前記第2電極の1つと接触する導体層と、
前記導体層の下方に配置された第1誘電体層と、
前記導体層の上方に配置された第2誘電体層とを含む、請求項16に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項18】
キャパシタゲートスタックの下方に配置された停止層をさらに含み、前記キャパシタの下部は、前記停止層と接触する、請求項16に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項19】
複数のビット線及び複数のビット線コンタクトをさらに含み、前記ビット線コンタクトのそれぞれは、前記ビット線の1つ、及び前記トランジスタの1つのソース/ドレイン領域と接触する、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項20】
前記強誘電体層は、前記キャパシタのうちの少なくとも2つに跨る連続層の一部である、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項21】
前記強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つとを含む、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項22】
前記第2電極のうちの少なくとも2つの垂直寸法は同じではない、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項23】
横方向に延び、前記第2電極のうちの1つと接触する導体層をさらに含み、前記導体層は、前記第2電極とは異なる垂直寸法を有する、請求項12に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項24】
三次元(3D)強誘電体メモリ装置であって、
基板と、
前記基板の上方で垂直に伸び、且つ第1強誘電体キャパシタ、及び前記第1強誘電体キャパシタの上方に配置され前記第1強誘電体キャパシタに電気的に接続された第1トランジスタを含む第1強誘電体メモリセルと、
前記第1強誘電体メモリセルの上方に垂直に延び、且つ第2トランジスタ、及び前記第2トランジスタの上方に配置され前記第2トランジスタに電気的に接続された第2強誘電体キャパシタを含む第2強誘電体メモリセルと、
前記第1トランジスタと前記第2トランジスタの間に垂直に配置され、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタに電気的に接続されたビット線とを含む、3D強誘電体メモリ装置。
【請求項25】
前記第1及び第2強誘電体キャパシタのそれぞれは、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項26】
前記第1及び第2トランジスタのそれぞれは、チャンネル構造、ゲート導体、及び前記チャネル構造と前記ゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む、請求項25に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項27】
前記第1強誘電体メモリセルの場合、対応するチャネル構造は、対応する第1電極の上方で該第1電極に電気的に接続され、
且つ、
前記第2強誘電体メモリセルの場合、対応するチャネル構造は、対応する第1電極の下方で該第1電極に電気的に接続される、請求項26に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項28】
ビット線及び第1トランジスタのソース/ドレイン領域と接触する第1ビット線コンタクトと、
ビット線及び第2トランジスタのソース/ドレイン領域と接触する第2ビットとをさらに含む、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項29】
前記第1及び第2強誘電体メモリセルのそれぞれは、平面図において実質的に円形である、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項30】
前記強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つとを含む、請求項25に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項31】
前記第2強誘電体メモリセルの上方で垂直に延び、且つ第3強誘電体キャパシタ、及び前記第3強誘電体キャパシタの上方に配置され前記第3強誘電体キャパシタに電気的に接続された第3トランジスタを含む第3強誘電体メモリセルと、
前記第3強誘電体メモリセルの上方に垂直に延び、且つ第4トランジスタ、及び前記第4トランジスタの上方に配置され前記第4トランジスタに電気的に接続された第4強誘電体キャパシタを含む第4強誘電体メモリセルと、
前記第3トランジスタと前記第4トランジスタの間に垂直に配置され、前記第3トランジスタと前記第4トランジスタに電気的に接続された別のビット線とを含む、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項32】
前記第1及び第2強誘電体メモリセルのそれぞれは、垂直にスタックされた複数の強誘電体キャパシタを含む、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項33】
横方向に延び、前記第1強誘電体キャパシタの前記第2電極と接触する導体層をさらに含み、前記導体層は、前記第1強誘電体キャパシタの前記第2電極とは異なる垂直寸法を有し、前記第2電極は、導体層と前記強誘電体層の間に横方向に配置される、請求項24に記載の3D強誘電体メモリ装置。
【請求項34】
トランジスタとN個のキャパシタを含む強誘電体メモリセルを書き込む方法であって、Nは1より大きい正の整数であり、前記トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、前記N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続され、前記方法は、
プレート線時系列に従って、0Vと前記強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化されたプレート線信号を前記N本のプレート線のそれぞれに印加するステップと、
ビット線時系列に従って、0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号を前記ビット線に印加して、前記N個のキャパシタにデータの有効な状態を書き込むステップとを含み、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成され、
前記データの前記有効な状態は、前記プレート線時系列に基づいて決定され、且つ、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、方法。
【請求項35】
前記ビット線時系列は、前記プレート線時系列とは異なる、ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができない2N−(N+1)個の無効な状態で構成される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記無効な状態のそれぞれは、前記ビット線時系列が前記プレート線時系列と同じである場合に対応する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記強誘電体メモリセルを選択するために、前記Vddよりも大きいワード線信号を前記ワード線に印加するステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記ビット線信号、前記ワード線信号、及び前記プレート線信号は、同じ書き込みサイクルで印加される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に対応する複数の候補ビット線時系列から選択することによって決定される、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記N個のキャパシタは、垂直にスタックされ、それぞれが第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含み、
前記トランジスタは、前記N個のキャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及び前記チャネル構造と前記ゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記ビット線信号及び前記プレート線信号は、前記ビット線及びプレート線を介して前記強誘電体メモリセルに電気的に接続された周辺装置によって印加される、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記周辺装置は、前記強誘電体メモリセルの下方に配置される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
トランジスタとN個のキャパシタを含む強誘電体メモリセルを書き込む方法であって、Nは1より大きい正の整数であり、前記トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、前記N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続され、前記方法は、
プレート線時系列に従って、0Vと前記強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)よりも大きいバイアス電圧の間でパルス化されたプレート線信号を前記N本のプレート線のそれぞれに印加するステップと、
ビット線時系列に従って、0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号を前記ビット線に印加して、前記N個のキャパシタにデータの有効な状態を書き込むステップとを含み、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができる2N個の有効な状態で構成され、且つ、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、方法。
【請求項45】
前記バイアス電圧が、前記Vddの約4/3である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
データの前記有効な状態が前記N個のキャパシタに書き込まれるとき、前記ビット線信号は、前記プレート線信号のそれぞれとは異なる、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記強誘電体メモリセルを選択するために、前記Vddよりも大きいワード線信号を前記ワード線に印加するステップをさらに含む、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記ビット線信号、前記ワード線信号、及び前記プレート線信号は、同じ書き込みサイクルで印加される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に対応する複数の候補ビット線時系列から選択することによって決定される、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記N個のキャパシタは、垂直にスタックされ、それぞれが第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含み且つ、
前記トランジスタは、前記N個のキャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及び前記チャネル構造と前記ゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
前記ビット線信号及び前記プレート線信号は、前記ビット線及びプレート線を介して前記強誘電体メモリセルに電気的に接続された周辺装置によって印加される、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
前記周辺装置は、前記強誘電体メモリセルの下方に配置される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
トランジスタとN個のキャパシタを含む強誘電体メモリセルを読み出す方法であって、Nは1より大きい正の整数であり、前記トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、前記N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続され、前記方法は、
0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号を、前記N本のプレート線のそれぞれに順番に印加するステップと、
前記バイアス電圧の前記プレート線信号を前記N本のプレート線のそれぞれに印加した後、前記N個のキャパシタから読み出した前記ビット線のビット線信号をN個の基準電圧と同時に比較して、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態を決定するステップとを含む、方法。
【請求項54】
前記データの有効な状態を決定した後、前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き戻すステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き戻すステップは、
プレート線時系列に従って、0Vと前記バイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号を、前記N本のプレート線のそれぞれに印加するステップと、
前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き込むために、ビット線時系列に従って、0Vと前記強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化された別のビット線信号をビット線に印加するステップとを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記バイアス電圧は前記Vddであり、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成され、
前記データの前記N+1個の有効な状態は、前記プレート線時系列に基づいて決定され、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記バイアス電圧は前記Vddよりも大きく、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができる2N個の有効な状態で構成され、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記強誘電体メモリセルを選択するために、前記Vddよりも大きいワード線信号を前記ワード線に印加するステップをさらに含み、
前記ワード線信号及び前記プレート線信号は、前記ビット線信号が読み出されるのと同じ読み出しサイクルで印加される、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
トランジスタとN個のキャパシタを含む強誘電体メモリセルを読み出す方法であって、Nは1より大きい正の整数であり、前記トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、前記N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続され、前記方法は、
0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号を、前記N本のプレート線のそれぞれに順番に印加するステップと、
前記バイアス電圧の前記プレート線信号のそれぞれを前記N本のプレート線のそれぞれ1つに印加した後、前記N個のキャパシタのそれぞれ1つから読み出した前記ビット線の各ビット線信号を基準電圧と比較して、前記データの複数の有効な状態から前記N個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態を決定するステップとを含む、方法。
【請求項60】
前記データの有効な状態を決定した後、前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き戻すステップをさらに含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き戻すステップは、
プレート線時系列に従って、0Vと前記バイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号を、前記N本のプレート線のそれぞれに印加するステップと、
前記データの前記有効な状態を前記N個のキャパシタに書き込むために、ビット線時系列に従って、0Vと前記強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化された別のビット線信号をビット線に印加するステップとを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記バイアス電圧は前記Vddであり、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成され、
前記データの前記N+1個の有効な状態は、前記プレート線時系列に基づいて決定され、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記バイアス電圧は前記Vddよりも大きく、
前記データは、前記N個のキャパシタに書き込むことができる2N個の有効な状態で構成され、
前記ビット線時系列は、前記N個のキャパシタに書き込まれた前記データの前記有効な状態に基づいて決定される、請求項61に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月13日に出願された米国特許出願第16/102、667号、及び2019年6月24日に出願された米国特許出願第16/450、973号の優先権の利益を主張し、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示の実施形態は、強誘電体メモリ装置及びその製造と操作方法に関する。
【0003】
強誘電性RAM(FeRAM又はFRAM(登録商標))などの強誘電体メモリは、強誘電体材料層を使用して不揮発性を実現する。強誘電体材料は、印加された電界と見かけの蓄積電荷との間に非線形の関係があるため、電界内の極性を切り替えることができる。強誘電体メモリの利点は、低消費電力、高速書き込みパフォーマンス、及び優れた最大読み出し/書き込み耐性を含む。
【発明の概要】
【0004】
三次元(3D)強誘電体メモリ装置、それらの製造方法、及び強誘電体メモリセルを操作するための方法の実施形態は、本明細書に開示される。
【0005】
一例では、3D強誘電体メモリ装置は、基板と、それぞれが上記の基板の上方で垂直に延びる複数の強誘電体メモリセルとを含む。強誘電体メモリセルのそれぞれは、キャパシタと、キャパシタに電気的に接続されたトランジスタとを含む。キャパシタは、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。トランジスタは、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、トランジスタは、キャパシタの上方に配置される。幾つかの実施形態では、チャネル構造は、第1電極の上方で第1電極に電気的に接続される。
【0007】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、キャパシタゲートスタックをさらに含む。キャパシタがキャパシタゲートスタックを通って垂直に延びる。キャパシタゲートスタックは、横方向に延び第2電極と接触する導体層、導体層の下方に配置された第1誘電体層、及び導体層の上方に配置された第2誘電体層を含む。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、キャパシタゲートスタックの下方に配置された停止層をさらに含む。キャパシタの下部は、停止層と接触する。
【0008】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、複数のビット線及び複数のビット線コンタクトをさらに含む。ビット線コンタクトのそれぞれは、ビット線の1つ、及びトランジスタの1つのソース/ドレイン領域と接触する。
【0009】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルのそれぞれは、平面図において実質的に円形である。幾つかの実施形態では、チャンネル構造、ゲート誘電体層、及びゲート導体は、この順序で強誘電体メモリセルの中心から半径方向に配置される。
【0010】
幾つかの実施形態では、強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、第1電極は、シリコン(Si)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiNx)、窒化チタンアルミニウム(TiAlNx)、炭窒化チタン(TiCNx)、窒化タンタル(TaNx)、窒化タンタルシリコン(TaSiNx)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlNx)、窒化タングステン(WNx)、ケイ化タングステン(WSix)、炭窒化タングステン(WCNx)、ルテニウム(Ru)、及び酸化ルテニウム(RuOx)を含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、第1又は第2電極は、透明導電性酸化物(TCO)を含む。TCOは、ドープされたZnOベースのTCO、ドープされたTiO
2ベースのTCO、ドープされたSnO
2ベースのTCO、及びペロブスカイトTCOを含むが、それらに限定されない。
【0012】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、強誘電体メモリセルの下方に配置された周辺装置をさらに含む。
【0013】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、横方向に延びて前記第2電極と接触する導体層をさらに含む。前記導体層は、前記第2電極とは異なる垂直寸法を有し、前記第2電極は、前記導体層と前記強誘電体層の間に横方向に配置される。
【0014】
別の例では、3D強誘電体メモリ装置は、基板と、基板の上方で垂直に延びる強誘電体メモリセルとを含む。強誘電体メモリセルは、垂直にスタックされた複数のキャパシタ、及びキャパシタに電気的に接続されたトランジスタを含む。キャパシタのそれぞれは、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。トランジスタは、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【0015】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルのそれぞれにおける第1電極は、連続電極の一部である。チャネル構造は、連続電極の上方で連続電極に電気的に接続することができる。幾つかの実施形態では、キャパシタのそれぞれにおける強誘電体層は、連続強誘電体層の一部である。幾つかの実施形態では、キャパシタのそれぞれにおける第2電極は、互いに電気的に絶縁される。
【0016】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、複数のキャパシタゲートスタックをさらに含む。キャパシタが複数のキャパシタゲートスタックを通って垂直に延びる。キャパシタゲートスタックのそれぞれは、横方向に延びる導体層を含み、該導体層は、第2電極、導体層の下方に配置された第1誘電体層、及び導体層の上方に配置された第2誘電体層のうちの1つと接触する。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、キャパシタゲートスタックの下方に配置された停止層をさらに含む。キャパシタの下部は、停止層と接触する。
【0017】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、複数のビット線及び複数のビット線コンタクトをさらに含む。ビット線コンタクトのそれぞれは、ビット線の1つ、及びトランジスタの1つのソース/ドレイン領域と接触する。
【0018】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルは、平面図において実質的に円形である。幾つかの実施形態では、チャンネル構造、ゲート誘電体層、及びゲート導体は、この順序で強誘電体メモリセルの中心から半径方向に配置される。幾つかの実施形態によれば、強誘電体層は、キャパシタのうちの少なくとも2つを跨る連続層の一部である。
【0019】
幾つかの実施形態では、強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つとを含む。幾つかの実施形態では、第1電極は、シリコン(Si)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiNx)、窒化チタンアルミニウム(TiAlNx)、炭窒化チタン(TiCNx)、窒化タンタル(TaNx)、窒化タンタルシリコン(TaSiNx)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlNx)、窒化タングステン(WNx)、ケイ化タングステン(WSix)、炭窒化タングステン(WCNx)、ルテニウム(Ru)、及び酸化ルテニウム(RuOx)を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、第1又は第2電極は、透明導電性酸化物(TCO)を含む。TCOは、ドープされたZnOベースのTCO、ドープされたTiO
2ベースのTCO、ドープされたSnO
2ベースのTCO、及びペロブスカイトTCOを含むが、それらに限定されない。
【0021】
幾つかの実施形態では、第2電極のうちの少なくとも2つの垂直寸法は同じではない。
【0022】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、強誘電体メモリセルの下方に配置された周辺装置をさらに含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、横方向に延びて第2電極のうちの1つと接触する導体層をさらに含む。導体層は、第2電極とは異なる垂直寸法を有する。
【0024】
更に別の例では、3D強誘電体メモリ装置は、基板、基板の上方で垂直に延びる第1強誘電体メモリセル、第1強誘電体メモリセルの上方で垂直に延びる第2強誘電体メモリセル、及び第1トランジスタと第2トランジスタの間に配置され電気的に接続されたビット線を含む。第1強誘電体メモリセルは、第1強誘電体キャパシタ、及び第1強誘電体キャパシタの上方に配置され且つ第1強誘電体キャパシタに電気的に接続された第1トランジスタを含む。第2強誘電体メモリセルは、第2トランジスタ、及び第2トランジスタの上方に配置され且つ第2トランジスタに電気的に接続された第2強誘電体キャパシタを含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、第1及び第2強誘電体キャパシタのそれぞれは、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。幾つかの実施形態では、第1及び第2トランジスタのそれぞれは、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【0026】
幾つかの実施形態では、第1強誘電体メモリセルの場合、対応するチャネル構造は、第1電極の上方で第1電極に電気的に接続される。第2強誘電体メモリセルの場合、対応するチャネル構造は、第1電極の下方で第1電極に電気的に接続される。
【0027】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、第1キャパシタゲートスタック及び第2キャパシタゲートスタックを含む。第1強誘電体キャパシタが第1キャパシタゲートスタックを通って垂直に延び、第2強誘電体キャパシタが第2キャパシタゲートスタックを通って垂直に延びる。第2キャパシタは、第1キャパシタゲートスタックの上方に配置される。第1及び第2キャパシタゲートスタックのそれぞれは、横方向に延びる導体層を含み、該導体層は、対応する第2電極、導体層の下方に配置された第1誘電体層、及び導体層の上方に配置された第2誘電体層と接触する。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、第1キャパシタゲートスタックの下方に配置された停止層をさらに含む。第1強誘電体キャパシタの下部は、停止層と接触する。
【0028】
幾つかの実施形態では、第1ビット線コンタクトは、ビット線及び第1トランジスタのソース/ドレイン領域と接触し、第2ビット線コンタクトは、ビット線及び第2トランジスタのソース/ドレイン領域と接触する。
【0029】
幾つかの実施形態では、第1及び第2強誘電体メモリセルのそれぞれは、平面図において実質的に円形である。幾つかの実施形態では、チャンネル構造、ゲート誘電体層、及びゲート導体は、この順序で強誘電体メモリセルの中心から半径方向に配置される。
【0030】
幾つかの実施形態では、強誘電体層は、酸素と、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)の少なくとも1つとを含む。幾つかの実施形態では、第1電極は、シリコン(Si)、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiNx)、窒化チタンアルミニウム(TiAlNx)、炭窒化チタン(TiCNx)、窒化タンタル(TaNx)、窒化タンタルシリコン(TaSiNx)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlNx)、窒化タングステン(WNx)、ケイ化タングステン(WSix)、炭窒化タングステン(WCNx)、ルテニウム(Ru)、及び酸化ルテニウム(RuOx)を含む。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1又は第2電極は、透明導電性酸化物(TCO)を含む。TCOは、ドープされたZnOベースのTCO、ドープされたTiO
2ベースのTCO、ドープされたSnO
2ベースのTCO、及びペロブスカイトTCOを含む。
【0032】
幾つかの実施形態では、第1及び第2強誘電体メモリセルのそれぞれは、垂直にスタックされた複数の強誘電体キャパシタを含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、第1強誘電体メモリセルの下方に配置された周辺装置をさらに含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置は、第2強誘電体メモリセルの上方で垂直に延びる第3強誘電体メモリセル、第3強誘電体メモリセルの上方で垂直に延びる第4強誘電体メモリセル、及び第3トランジスタと第4トランジスタの間に垂直に配置され電気的に接続された別のビット線を含む。第3強誘電体メモリセルは、第3強誘電体キャパシタ、及び第3強誘電体キャパシタの上方に配置され且つ第3強誘電体キャパシタに電気的に接続された第3トランジスタを含む。第4強誘電体メモリセルは、第4トランジスタ、及び第4トランジスタの上方に配置され且つ第4トランジスタに電気的に接続された第4強誘電体キャパシタを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリは、横方向に延びて第1強誘電体キャパシタの第2電極と接触する導体層をさらに含む。該導体層は、第1強誘電体キャパシタの第2電極とは異なる垂直寸法を有する。第2電極は、導体層と強誘電体層の間に横方向に配置される。
【0036】
更に別の例では、3D強誘電体メモリ装置を形成する方法が提供される。キャパシタゲートスタックは、基板の上方に形成される。キャパシタゲートスタックは、横方向に延びる導体層、導体層の下方に配置された第1誘電体層、及び導体層の上方に配置された第2誘電体層を含む。キャパシタゲートスタックを通って垂直に延びる1つ以上のキャパシタが形成される。各キャパシタは、第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に垂直に形成された強誘電体層を含むことができる。トランジスタは、キャパシタの上方に形成され、且つキャパシタに電気的に接続される。トランジスタは、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に形成されたゲート誘電体層を含むことができる。トランジスタの上方には、ビット線コンタクト及びビット線が形成される。ビット線コンタクトは、ビット線、及びトランジスタのソース/ドレイン領域と接触することができる。
【0037】
更に別の例では、3D強誘電体メモリ装置を形成する方法が提供される。垂直に延びる第1強誘電体メモリセルが基板の上方に形成される。第1強誘電体メモリセルは、第1強誘電体キャパシタ、及び第1強誘電体キャパシタの上方に形成され且つ第1強誘電体キャパシタに電気的に接続された第1トランジスタを含むことができる。ビット線が第1強誘電体メモリセルの上方に形成され、且つ第1強誘電体メモリセルに電気的に接続される。垂直に延びる第2強誘電体メモリセルがビット線の上方に形成され、且つビット線に電気的に接続される。第2強誘電体メモリセルは、第2トランジスタ、及び第2トランジスタの上方に形成され且つ第2トランジスタに電気的に接続された第2強誘電体キャパシタを含む。
【0038】
更に別の例では、強誘電体メモリセルを書き込む方法が提供される。強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含み、Nは、1より大きい正の整数である。トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。0Vと強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化されたプレート線信号が、プレート線時系列に従って、N本のプレート線のそれぞれに印加される。0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加されて、N個のキャパシタにデータの有効な状態が書き込まれる。データは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。データの有効な状態は、プレート線時系列に基づいて決定される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0039】
幾つかの実施形態では、ビット線時系列は、プレート線時系列とは異なる。
【0040】
幾つかの実施形態では、データは、N個のキャパシタに書き込むことができない2
N−(N+1)個の無効な状態で構成される。
【0041】
幾つかの実施形態では、無効な状態のそれぞれは、ビット線時系列がプレート線時系列と同じである場合に対応する。
【0042】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルを選択するために、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加される。
【0043】
幾つかの実施形態では、ビット線信号、ワード線信号、及びプレート線信号は、同じ書き込みサイクルで印加される。
【0044】
幾つかの実施形態では、ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に対応する複数の候補ビット線時系列から選択することによって決定される。
【0045】
幾つかの実施形態では、N個のキャパシタは垂直にスタックされ、それぞれが第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。トランジスタは、N個のキャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、ビット線信号及びプレート線信号は、ビット線及びプレート線を介して強誘電体メモリセルに電気的に接続された周辺装置によって印加される。
【0047】
幾つかの実施形態では、周辺装置は、強誘電体メモリセルの下方に配置される。
【0048】
更に別の例では、強誘電体メモリセルを書き込む方法が提供される。強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含み、Nは、1より大きい正の整数である。トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。0Vと強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)よりも大きいバイアス電圧との間でパルス化されたプレート線信号が、プレート線時系列に従って、前記N本のプレート線のそれぞれに印加される。0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加されて、N個のキャパシタにデータの有効な状態が書き込まれる。データは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0049】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧は、Vddの約4/3である。
【0050】
幾つかの実施形態では、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれるとき、ビット線信号はプレート線信号のそれぞれとは異なる。
【0051】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルを選択するために、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加される。
【0052】
幾つかの実施形態では、ビット線信号、ワード線信号、及びプレート線信号は、同じ書き込みサイクルで印加される。
【0053】
幾つかの実施形態では、ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に対応する複数の候補ビット線時系列から選択することによって決定される。
【0054】
幾つかの実施形態では、N個のキャパシタは垂直にスタックされ、それぞれが第1電極、第2電極、及び第1電極と第2電極の間に横方向に配置された強誘電体層を含む。トランジスタは、N個のキャパシタに電気的に接続され、チャンネル構造、ゲート導体、及びチャネル構造とゲート導体の間に横方向に配置されたゲート誘電体層を含む。
【0055】
幾つかの実施形態では、ビット線信号及びプレート線信号は、ビット線及びプレート線を介して強誘電体メモリセルに電気的に接続された周辺装置によって印加される。
【0056】
幾つかの実施形態では、周辺装置は、強誘電体メモリセルの下方に配置される。
【0057】
更に別の例では、強誘電体メモリセルを読み出す方法が提供される。強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含み、Nは、1より大きい正の整数である。トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号が、N本のプレート線のそれぞれに順番に印加される。バイアス電圧のプレート線信号がN本のプレート線のそれぞれに印加された後、N個のキャパシタから読み出されたビット線のビット線信号がN個の基準電圧と同時に比較されて、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態が決定される。
【0058】
幾つかの実施形態では、データの有効な状態が決定された後、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き戻される。幾つかの実施形態では、データの有効な状態をN個のキャパシタに書き戻すために、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号が、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加され、0Vと強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化された別のビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加され、それにより、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。
【0059】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddであり、データは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。データのN+1個の有効な状態は、プレート線時系列に基づいて決定される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0060】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddよりも大きい。データは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0061】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルを選択するために、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加される。ワード線信号及びプレート線信号は、ビット線信号が読み出されるのと同じ読み出しサイクルで印加される。
【0062】
更に別の例では、強誘電体メモリセルを読み出す方法が提供される。強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含み、Nは、1より大きい正の整数である。トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号が、N本のプレート線のそれぞれに順番に印加される。バイアス電圧のプレート線信号のそれぞれがN本のプレート線のそれぞれ1つに印加された後、N個のキャパシタのそれぞれ1つから読み出されたビット線の各ビット線信号が基準電圧と比較されて、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態が決定される。
【0063】
幾つかの実施形態では、データの有効な状態が決定された後、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き戻される。幾つかの実施形態では、データの有効な状態をN個のキャパシタに書き戻すために、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号が、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加され、0Vと強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化された別のビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加され、それにより、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。
【0064】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddであり、データは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。データのN+1個の有効な状態は、プレート線時系列に基づいて決定される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0065】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddよりも大きい。データは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0066】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセルを選択するために、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加される。ワード線信号及びプレート線信号は、ビット線信号が読み出されるのと同じ読み出しサイクルで印加される。
【0067】
更に別の例では、強誘電体メモリセルを読み出す方法が提供される。強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含み、Nは、1より大きい正の整数である。トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号が、N本のプレート線のそれぞれに順番に印加される。バイアス電圧のプレート線信号のそれぞれがN本のプレート線のそれぞれ1つに印加された後、N個のキャパシタのそれぞれ1つから読み出されたビット線の各ビット線信号が基準電圧と比較されて、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態が決定される。
【0068】
幾つかの実施形態では、データの有効な状態が決定された後、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き戻される。幾つかの実施形態では、データの有効な状態をN個のキャパシタに書き戻すために、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号が、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加され、0Vと強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)との間でパルス化された別のビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加され、それにより、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。
【0069】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddであり、データは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。データのN+1個の有効な状態は、プレート線時系列に基づいて決定される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【0070】
幾つかの実施形態では、バイアス電圧はVddよりも大きい。データは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
ここに組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明し、当業者が本開示を作成および使用できるようにするのにさらに役立つ。
【
図1A】本開示の幾つかの実施形態による例示的な3D強誘電体メモリ装置の平面図を示す。
【
図1B】本開示の幾つかの実施形態による
図1Aの例示的な3D強誘電体メモリ装置の断面を示す。
【
図1C】本開示の幾つかの実施形態による
図1Aの例示的な3D強誘電体メモリ装置の別の断面を示す。
【
図1D】本開示の幾つかの実施形態による
図1Aの別の例示的な3D強誘電体メモリ装置の断面を示す。
【
図1E】本開示の幾つかの実施形態による
図1Aの別の例示的な3D強誘電体メモリ装置の断面を示す。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態による別の例示的な3D強誘電体メモリ装置の断面を示す。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態による更に別の例示的な3D強誘電体メモリ装置の断面を示す。
【
図4A-4F】本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための例示的な製造プロセスを示す。
【
図5A-5C】本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための別の例示的な製造プロセスを示す。
【
図6A-6H】本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための更に別の例示的な製造プロセスを示す。
【
図7】本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図8】本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための別の例示的な方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の幾つかの実施形態による、それぞれが複数のキャパシタを有する複数の強誘電体メモリ装置を有する例示的な強誘電体メモリ装置の回路図を示す。
【
図10】本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込む例示的なタイミング図を示す。
【
図11A】本開示の幾つかの実施形態による、データの例示的な状態、ならびに対応するプレート線時系列及びビット線時系列を示すチャートである。
【
図11B】本開示の幾つかの実施形態による、データの例示的な状態、ならびに対応するプレート線時系列及びビット線時系列を示す別のチャートである。
【
図12A】本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込むための例示的な方法のフローチャートである。
【
図12B】本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込むための別の例示的な方法のフローチャートである。
【
図13】本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出す例示的なタイミング図を示す。
【
図14】本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出すための例示的な方法のフローチャートである。
【
図15】本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出す別の例示的なタイミング図を示す。
【
図16】本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出すための別の例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0072】
特定の構成及び配置について説明しているが、これは説明のみを目的として行われていることを理解されたい。当業者は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成及び配置を使用できることを認識するであろう。本開示が他の様々な用途にも使用できることは、当業者には明らかであろう。
【0073】
本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」、「幾つかの実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態は、必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含むとは限らない。また、そのようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記述されている場合、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造又は特性を達成することは、当業者の知識の範囲内である。
【0074】
一般に、用語は、文脈での使用法から少なくとも部分的に理解することができる。例えば、本明細書で使用される「1つ又は複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、任意の特徴、構造、又は特性を単数の意味で説明するために使用され得るか、あるいは、特徴、構造又は特性の組み合わせを複数の意味で説明するために使用され得る。同様に、「一(a)」、「一(an)」、「前記(the)」などの用語は、少なくとも部分的には文脈に応じて、単数の使用法を伝えるか、または複数形の使用法を伝えると理解され得る。
【0075】
本開示における「上(on)」、「上方(above)」、及び「上方(over)」の意味は、「上」が何かの「直接上」を意味するだけでなく、中間の特徴又は層を間に備えた「上」の意味も含み、「上方(above)」又は「上方(over)」が何かの「上方(above)」又は「上方(over)」を意味するだけでなく、中間の特徴又は層が間にない場合の何かの「上方(above)」又は「上方(over)」(即ち、何かの直接上)の意味も含み得るように、最も広い意味で解釈されるべきであることは容易に理解されるべきである。
【0076】
また、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの空間的に相対的な用語は、ここでは、図に示されているある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するための説明を容易にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は操作中の装置の様々な方向を含むことを目的としている。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転される)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0077】
本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、後続の材料層が追加される材料を指す。基板自体をパターン化することができる。基板の上に追加される材料は、パターン化することも、パターン化しないままにすることもできる。さらに、基板には、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなどの幅広い半導体材料を含むことができる。または、基板は、ガラス、プラスチック、サファイアウェーハなどの非導電性材料で作成することもできる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「層」という用語は、厚さのある領域を含む材料部分を指す。層は、下にある又は上にある構造全体に広がることができ、あるいは、下にある又は上にある構造の範囲よりも小さい範囲を有することができる。また、層は、連続構造の厚さよりも薄い厚さを有する均質又は不均質の連続構造の領域であり得る。例えば、層は、連続構造の上面と底面との間、又は連続構造の上面と底面での水平面の任意の対の間に配置することができる。層は、水平方向、垂直方向、及び/又はテーパー面に沿って延びることができる。基板は、層であることができ、その中に1つ以上の層を含むことができ、且つ/又はその上、その上方、及び/又はその間に1つ以上の層を有することができる。層は、複数の層を含むことができる。例えば、相互接続層は、1つ以上の導体層及び接触層(コンタクト、相互接続線、及び/又はビアが形成される)及び1つ以上の誘電体層を含むことができる。
【0079】
本明細書で使用される場合、「名目的な/名目的に」という用語は、製品又はプロセスの設計段階中に設定される、コンポーネント又はプロセス操作の特性又はパラメータの所望の、又は目標の値、ならびに所望の値より上及び/又は下の値の範囲を指す。値の範囲は、製造プロセス又は公差のわずかな変動が原因である可能性がある。本明細書で使用されているように、「約」という用語は、対象の半導体装置に関連する特定のテクノロジーノードに基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定のテクノロジーノードに基づいて、「約」という用語は、例えば、値の10〜30%(例えば、値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の数量の値を示すことができる。
【0080】
本明細書で使用されているように、「3Dメモリ装置」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延びるように、横方向に配向された基板上に垂直配向メモリセル(本明細書では「メモリストリング」と呼ばれる)を有する半導体装置を指す。本明細書で使用されているように、「垂直な/垂直に」という用語は、基板の側面に名目上垂直であることを意味する。
【0081】
既存の強誘電体メモリ装置の主な制限の1つは、他のタイプのメモリ装置と比較してメモリセル密度が比較的小さいことである。平面型強誘電体メモリセルは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、及び製造プロセスを改善することにより、より小さなサイズにスケーリングできる。しかしながら、強誘電体メモリセルの特徴サイズが下限に近付くと、プレーナープロセスと製造技術が困難になり、コストがかかる。その結果、平面型強誘電体メモリ装置の記憶密度は、上限に近づく。
【0082】
本開示による様々な実施形態は、平面型強誘電体メモリ装置の密度制限に対処することができる3D強誘電体メモリアーキテクチャを提供し、それによって、パフォーマンスと面積比の向上及びストレージのバイト当たりのコストの削減を達成する。
【0083】
図1Aは、本開示の幾つかの実施形態による例示的な3D強誘電体メモリ装置100の平面図を示す。
図1Aに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、強誘電体メモリセル102のアレイ及び複数のスリット構造104を含むことができる。各強誘電体メモリセル102は、平面図において実質的に円形であることができる。平面図における強誘電体メモリセル102の形状は、円形に限定されず、長方形、正方形、楕円形などの他の任意の形状であり得ることが理解される。スリット構造104は、3D強誘電体メモリ装置100を、メモリブロック及び/又は複数のメモリフィンガーなどの複数の領域に分割することができ、各領域は、複数の強誘電体メモリセル102を含む。なお、
図1Aには、3D強誘電体メモリ装置100におけるコンポーネントの空間的関係をさらに説明するために、x軸及びy軸が含まれる。なお、x軸及びy軸は、3D強誘電体メモリ装置100の側面を規定し、その中で、スリット構造104がx方向に沿って延びる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置100のワード線もx方向沿って延び、3D強誘電体メモリ装置100のビット線は、x方向に垂直なy方向に沿って延びる。空間的関係を説明するための同じ概念が、本開示全体に適用される。幾つかの実施形態では、ビット線の延びる方向とワード線の延びる方向は、互いに垂直ではない。
【0084】
図1Bは、本開示の幾つかの実施形態による、x−方向に沿った
図1Aの3D強誘電体メモリ装置100の断面図を示す。
図1Bに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、基板106を含むことができる。基板106は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンオンインシュレータ(SOI)、ゲルマニウムオンインシュレータ(GOI)、又はその他の適切な材料を含むことができる。
【0085】
幾つかの実施形態では、1つ以上の周辺装置(図示せず)は、基板106上及び/又は基板106内に形成される。周辺装置は、3D強誘電体メモリ装置100の操作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、及び/又は混合信号周辺回路を含むことができる。例えば、周辺装置は、データバッファ、デコーダ(例えば、行デコーダと列デコーダ)、センスアンプ、ドライバ、チャージポンプ、電流又は電圧リファレンスの1つ以上、あるいは回路の任意の能動コンポーネント又は受動コンポーネント(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、又はキャパシタ)を含むことができる。
【0086】
図1Bに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、周辺装置との間で電気信号を転送するために、周辺装置の上方に相互接続層107(本明細書では「周辺相互接続層」と呼ばれる)を含むことができる。なお、
図1Bには、3D強誘電体メモリ装置100におけるコンポーネントの空間的関係をさらに説明するために、追加されたx軸及びz軸が含まれる。基板106は、x方向(即ち、横方向のうちの1つ)に横方向に延びる2つの横面(例えば、上面及び底面)を含む。本明細書で使用されているように、半導体装置(例えば、3D強誘電体メモリ装置100)の1つのコンポーネント(例えば、層又は装置)が別のコンポーネント(例えば、層又は装置)の「上」、「上方」、又は「下方」にあるか否かは、基板が半導体装置のz方向の最も低い平面に配置される場合、半導体装置の基板(例えば、基板106)に対して、z方向(即ち、垂直方向)に決定される。空間的関係を説明するための同じ概念が、本開示全体に適用される。
【0087】
周辺相互接続層107は、横方向相互接続線及び垂直相互接続アクセス(ビア)コンタクトを含む、複数の相互接続(本明細書では「コンタクト」とも呼ばれる)を含むことができる。本明細書で使用されているように、「相互接続」という用語は、ミドルエンドオブライン(MEOL)相互接続やバックエンドオブライン(BEOL)相互接続などの任意の適切なタイプの相互接続を広く含むことができる。周辺相互接続層107は、相互接続線及びビアコンタクトが形成され得る1つ以上の層間誘電体(ILD)層(「金属間誘電体(IMD)層」としても知られる)をさらに含むことができる。即ち、周辺相互接続層107は、1つ以上のILD層における相互接続線及びビアコンタクトを含むことができる。周辺相互接続層107における相互接続線及びビアコンタクトは、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、シリサイド、ドープされたシリコン、TCO、又はこれらの任意の組み合わせを含むがそれらに限定されない導電性材料を含むことができる。相互接続層107におけるILD層は、誘電体材料を含むことができる。該誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低誘電率(低k)誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0088】
図1Bに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、周辺相互接続層107の上方の停止層108及び停止層108の上方のキャパシタゲートスタック110を含むことができる。幾つかの実施形態では、停止層108は、アレイ内の強誘電体メモリセル102の形成中にエッチングプロセスを停止するのを助けるためにアレイに配置される(
図1Aの平面図に示される)。幾つかの実施形態では、停止層108は、ビット線及びコンタクトが強誘電体メモリセル102の下の周辺装置に到着するように、強誘電体メモリセル102のアレイの周辺またはエッジで除去される(
図1Aの平面図に示される)。
図1Bに示すように、停止層108は、キャパシタゲートスタック110を介して少なくとも部分的に垂直に延びる強誘電体メモリセル102の底部位置を定義することができる。
【0089】
幾つかの実施形態では、キャパシタゲートスタック110は、この順序で底から上に配置された第1誘電体層112、導体層114、及び第2誘電体層116を含む。即ち、導体層114は、それぞれ導体層114の下方と上方に配置された第1誘電体層112と第2誘電体層116の間に垂直に形成することができる。導体層114は、W、Co、Cu、Al、シリサイド、ドープされたシリコン、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含むことができる。第1及び第2誘電体層112及び116は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない誘電体材料で形成することができる。停止層108は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化タンタル(Ta
2O
5)、酸化ジルコニウム(ZrO
2)、酸化チタン(TiO
2)、又はそれらの任意の組み合わせなどの高誘電率(高k)誘電体を含むが、それらに限定されない、第1誘電体層112に使用される誘電体材料とは異なる誘電体材料を含むことができる。
【0090】
図1Bに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、それぞれが基板106上の周辺装置の上方で垂直に延びる強誘電体メモリセル102のアレイを含むことができる。幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセル102は、キャパシタ118、及びキャパシタ118の上方でキャパシタ118に電気的に接続されたトランジスタ120を含む「1T−1C」セルである。即ち、3D強誘電体メモリ装置100は、周辺装置、キャパシタ118、及びトランジスタ120がこの順序で底から上に配置された「周辺−キャパシタトランジスタ」アーキテクチャを含むことができる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置100は、周辺装置、トランジスタ、及びキャパシタがこの順序で底から上に配置された「周辺−トランジスタキャパシタ」アーキテクチャを含むことができる。強誘電体メモリセル102のキャパシタ118は、キャパシタゲートスタック110を通って垂直に延び、且つその下部で停止層108と接触することができる。
【0091】
幾つかの実施形態では、キャパシタ118は、第1電極122、第2電極126、及び第1電極122と第2電極126との間に横方向に配置された強誘電体層124を含む。第2電極126は、横方向に延びて強誘電体メモリセル102のキャパシタ118のゲート線として機能することができる導体層114(キャパシタゲートスタック110内)と接触することができる。幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル102(及びそのキャパシタ118)は、実質的に円筒形(例えば、柱形)を有することができる。第1電極122、強誘電体層124、及び第2電極126は、この順序で強誘電体メモリセル102の中心から半径方向に配置することができる。強誘電体メモリセル102(及びそのキャパシタ118)の形状は、円筒形に限定されず、トレンチ形状などの任意の他の適切な形状であり得ることが理解される。幾つかの実施形態では、強誘電体層124は、複数のキャパシタ118をわたって延び、それらによって共有される連続的なフィルムである。
【0092】
第1電極122及び第2電極126は、W、Co、Cu、Al、シリコン、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、第1電極122は、ポリシリコンなどのシリコンを含む。幾つかの実施形態では、第2電極126及びキャパシタ118の導体層114は、Wなどの同じ導電性材料を含む。第1電極122及び第2電極126の材料は、窒化チタン(TiN)、窒化チタンシリコン(TiSiNx)、窒化チタンアルミニウム(TiAlNx)、炭窒化チタン(TiCNx)、窒化タンタル(TaNx)、窒化タンタルシリコン(TaSiNx)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlNx)、窒化タングステン(WNx)、ケイ化タングステン(WSix)、炭窒化タングステン(WCNx)、ルテニウム(Ru)、及び酸化ルテニウム(RuOx)のうちの少なくとも1つをさらに含むが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、第1電極122及び第2電極126は、同じ材料を含む。幾つかの実施形態では、第1電極122及び第2電極126は、異なる材料を含む。
【0093】
幾つかの実施形態では、第1又は第2電極は、透明導電性酸化物(TCO)を含む。TCOは、ドープされたZnOベースのTCO、ドープされたTiO
2ベースのTCO、ドープされたSnO
2ベースのTCO、及びペロブスカイトTCOを含むが、それらに限定されない。
【0094】
強誘電体層124は、強誘電体二元複合酸化物を含むことができる。幾つかの実施形態では、強誘電体層124は、酸素及び少なくとも1つの強誘電体金属を含む。強誘電体金属は、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、ドブニウム(Db)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びイッテルビウム(Yb)を含むが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、強誘電体層124は、酸素及び2つ以上の強誘電体金属を含む。2つの強誘電体金属の間のモル比は0.1〜10(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、これらの値のいずれかで下限が区切られた範囲、またはこれらの値のいずれか2つで定義された範囲)であり得る。一例では、強誘電体層124はZrHfOxを含み、ZrとHfの間のモル比は1である。別の例では、強誘電体層124はTiHfOxを含み、TiとHfの間のモル比は1である。幾つかの実施形態では、強誘電体層124は、複数の副層を含む複合層であり、その少なくとも幾つかは、強誘電体金属を含む。
【0095】
幾つかの実施形態では、トランジスタ120は、チャネル構造128、ゲート導体132、及びチャネル構造128とゲート導体132の間に横方向に配置されたゲート誘電体層130を含む。チャネル構造128は、その下部及び上部にソース/ドレイン領域と、ソース/ドレイン領域の間に垂直方向のチャネルとを含むことができる。
図1Bに示すように、チャネル構造128は、第1電極122の上方に配置し、且つその下部のソース/ドレイン領域によって、第1電極122に電気的に接続することができる。ゲート導体132は、横方向に延び、トランジスタ120のゲート線として、ならびに強誘電体メモリセル102のワード線として機能することができる。ゲート導体132及びゲート誘電体層130(例えば、ゲート酸化物)は、チャネル構造128内のチャネルの電気的特性を制御するためのゲートスタックを形成することができる。幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル102(及びそのトランジスタ120)は、実質的に円筒形(例えば、柱形)を有することができる。チャネル構造128、ゲート誘電体層130、及びゲート導体132は、この順序で強誘電体メモリセル102の中心から半径方向に配置することができる。強誘電体メモリセル102(及びそのトランジスタ120)の形状は、円筒形に限定されず、トレンチ形状などの任意の他の適切な形状であり得ることが理解される。
【0096】
幾つかの実施形態では、チャネル構造128は、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge、任意の他の半導体材料、又はそれらの任意の組み合わせなどの半導体材料を含む。チャネル構造128のソース/ドレイン領域は、所望なドーピングレベルでn型又はp型ドーパントでドープすることができる。幾つかの実施形態では、ゲート誘電体層130は、酸化シリコン、窒化シリコンなどの誘電体材料、あるいは、Al
2O
3、HfO
2、Ta
2O
5、ZrO
2、TiO
2、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない高k誘電体材料を含む。幾つかの実施形態では、ゲート導体132は、W、Co、Cu、Al、ポリシリコン、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含む。幾つかの実施形態では、バリア/接着層(図示せず)は、接着を増加させるため、及び/又はゲート導体132とゲート誘電体層130との間の金属拡散を防止するための1つ以上の層を含むことができる。バリア/接着層の材料は、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0097】
図1Bに示すように、3D強誘電体メモリ装置100は、強誘電体メモリセル102との間で電気信号を転送するために、強誘電体メモリセル102の上方に相互接続層134(本明細書では、「BEOL相互接続層」と呼ばれる)を含むことができる。BEOL相互接続層134は、1つ以上のILD層に形成され、ワード線(例えば、ゲート導体132)及び強誘電体メモリセル102などの3D強誘電体メモリ装置100におけるコンポーネントと接触するローカル相互接続を含むことができる。相互接続は、ファンアウトのために3D強誘電体メモリ装置100におけるコンポーネントと直接接触するため、本明細書では「ローカル相互接続」と呼ばれる。各ローカル相互接続は、導電性材料で埋められた開口(例えば、ビアホール又はトレンチ)を含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されないローカル相互接続は、ビット線コンタクト136を含むことができる。幾つかの実施形態では、ビット線コンタクト136は、チャネル構造128の上部でトランジスタ120のソース/ドレイン領域と接触する。
【0098】
BEOL相互接続層134は、ローカル相互接続の上方に他の相互接続線及びビアコンタクト、例えば、1つ以上のILD層に形成されたビット線138を更に含むことができる。幾つかの実施形態では、ビット線コンタクト136は、ビット線138と接触し、ビット線138を強誘電体メモリセル102のトランジスタ120に電気的に接続する。ビット線138は、導電性材料を含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。ILD層は、誘電体材料で形成することができる。該誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0099】
図1Cは、本開示の幾つかの実施形態による、y−方向に沿った
図1Aの3D強誘電体メモリ装置100の別の断面図を示す。
図1Bとは異なり、
図1Cは、スリット構造104の断面も示す。
図1Cに示すように、スリット構造104は、ゲート導体132、強誘電体層124、キャパシタゲートスタック110、及び停止層108を通して形成することができる。スリット構造104は、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングによってパターン化及びエッチングされてトレンチを形成することができる。トレンチは、誘電体材料で埋めることができる。該誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。結果として、y方向に沿って(例えば、
図1Aの平面図においてスリット構造104に垂直に)延びるキャパシタ118及びトランジスタ120(例えば、導体層114及びゲート導体132)のゲート線は、電気的に絶縁されて、個別のメモリブロック及び/又はメモリフィンガーを形成する。
図1B及び1Cにおける3D強誘電体メモリ装置100(例えば、強誘電体メモリセル102)の他の同様の構造の詳細(例えば、材料、寸法、機能など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
【0100】
図1Dは、本開示の幾つかの実施形態による、別の3D強誘電体メモリ装置101の断面を示す。
図1Bに示される3D強誘電体メモリ装置100とは異なり、
図1Dの3D強誘電体メモリ装置101は、複数の電極122−1及び122−2から構成される複合第1電極122を有するキャパシタ119を含むことができる。半導体材料(例えば、シリコン)を含む電極122−1に加えて、複合第1電極122は、導電性材料を含む別の電極122−2を含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。電極122−2は、電極122−1と強誘電体層124との間に横方向(例えば、半径方向)に配置することができる。
図1B及び1Cにおける3D強誘電体メモリ装置100(例えば、強誘電体メモリセル102)の他の同様の構造の詳細(例えば、材料、寸法、機能など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
【0101】
図1Eは、本開示の幾つかの実施形態による、更に別の3D強誘電体メモリ装置103の断面を示す。
図1Bに示される3D強誘電体メモリ装置100とは異なり、
図1Dの3D強誘電体メモリ装置103は、中空のチャンネル128−1及び中空コア128−2を有する中空のチャネル構造128を含むことができる。中空のチャンネル128−1は、
図1Eの断面図において中空コア128−2を取り囲むように形成することができ、つまり、中空コア128−2の上面と下面及び側壁を覆う。幾つかの実施形態では、中空のチャンネル128−1は、単結晶シリコン、ポリシリコン、アモルファスシリコン、Ge、任意の他の半導体材料、又はそれらの任意の組み合わせなどの半導体材料を含む。幾つかの実施形態では、中空コア128−2は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体材料を含む。中空コア128−2は、部分的又は完全に空気で埋めることもできる。
図1B及び1Cにおける3D強誘電体メモリ装置100(例えば、強誘電体メモリセル102)の他の同様の構造の詳細(例えば、材料、寸法、機能など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
【0102】
図2は、本開示の幾つかの実施形態による別の例示的な3D強誘電体メモリ装置200の断面図を示す。
図1A〜1Dに示される3D強誘電体メモリ装置100又は101とは異なり、
図2の3D強誘電体メモリ装置200は、それぞれが垂直にスタックされた複数のキャパシタ204−1及び204−2を含む強誘電体メモリセル202のアレイを含む。各強誘電体メモリセル102は、単一ビットの情報を記憶することができるシングルレベルセル(SLC)であり得るが、強誘電体メモリセル202は、複数ビットの情報を複数のキャパシタ204−1及び204−2に記憶することができるマルチレベルセル(MLC)であり得る。しかしながら、各メモリセルに使用されるトランジスタの数は、強誘電体メモリセル102及び202の両方について同じであることができる。
図2に示すように、強誘電体メモリセル202は、「1T−2C」であり得る。なお、強誘電体メモリセル202に垂直にスタックされたキャパシタ204の数は、2つに限定されず、3つ、4つ、又はそれ以上であり得る。例えば、強誘電体メモリセル202は「1T−3C」セル、即ち、トリプルレベルセル(TLC)であり得る。幾つかの実施形態では、複数のトランジスタは、「nT−mC」セルを形成するように強誘電体メモリセル202に含むことができ、n及びmのそれぞれは整数である。このような「nT−mC」セルには、n個のトランジスタ及びm個のキャパシタがセルに含まれる。
図1B及び
図2における3D強誘電体メモリ装置100及び200の他の同様の構造の詳細(例えば、材料、寸法、機能など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
【0103】
図2に示すように、3D強誘電体メモリ装置200は、基板206、基板206上及び/又は基板206内に形成された1つ以上の周辺装置(図示せず)、及び周辺装置の上方の相互接続層207(本明細書では、「周辺相互接続層」と呼ばれる)を含むことができる。
【0104】
図2に示すように、3D強誘電体メモリ装置200は、周辺相互接続層207の上方の停止層208、停止層208の上方の下部キャパシタゲートスタック210、及び下部キャパシタゲートスタック210の上方の上部キャパシタゲートスタック211を含むこともできる。単一のキャパシタゲートスタック110を含む3D強誘電体メモリ装置100とは異なり、強誘電体メモリ装置200は、それぞれ2つのキャパシタ204−1及び204−2に対応する2つのキャパシタゲートスタック210及び211を含むことができる。
【0105】
幾つかの実施形態では、下部キャパシタゲートスタック210は、この順序で底から上に配置された第1下部誘電体層212、下部導体層214、及び第2下部誘電体層216を含む。上部キャパシタゲートスタック211は、この順序で底から上に配置された第1上部誘電体層213、上部導体層215、及び第2上部誘電体層217を含む。下部及び上部導体層214及び215は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない導電性材料を含むことができる。上部及び下部誘電体層212、213、216、及び217は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない誘電体材料で形成することができる。
【0106】
図2に示すように、3D強誘電体メモリ装置200は、それぞれが基板206上の周辺装置の上方で垂直に延びる強誘電体メモリセル202のアレイを含むことができる。幾つかの実施形態では、強誘電体メモリセル202は、下部キャパシタ204−1、上部キャパシタ204−2、及び上部キャパシタ204−2と下部電極204−1の上方で上部キャパシタ204−2と下部電極204−1に電気的に接続されたトランジスタ220を含む「1T−2C」セルである。即ち、3D強誘電体メモリ装置200は、周辺装置、下部キャパシタ204−1、上部キャパシタ204−2、及びトランジスタ220がこの順序で底から上に配置された「周辺−キャパシタキャパシタトランジスタ」アーキテクチャを含むことができる。下部キャパシタ204−1は、下部キャパシタゲートスタック210を通って垂直に延び、その下部で停止層208と接触することができる。上部キャパシタ204−2は、上部キャパシタゲートスタック211を通って垂直にのび、その下部で下部キャパシタ204−1の上部と接触することができる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置200は、2つを超えるキャパシタを含むことができる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置200は、複数のトランジスタを含むことができる。装置200は、「n」個のキャパシタ及び「m」個のトランジスタを含むことができ、n及びmの両方は整数である。
【0107】
幾つかの実施形態では、下部キャパシタ204−1は、第1下部電極222−1、第2下部電極226−1、及び第1下部電極222−1と第2下部電極226−1との間に横方向に配置された下部強誘電体層224−1を含む。第2下部電極226−1は、横方向に延びて下部キャパシタ204−1のゲート線として機能することができる下部導体層214(下部キャパシタゲートスタック210内)と接触することができる。幾つかの実施形態では、上部キャパシタ204−2は、第1上部電極222−2、第2上部電極226−2、及び第1上部電極222−2と第2上部電極226−2との間に横方向に配置された上部強誘電体層224−2を含む。第2上部電極226−2は、横方向に延びて上部キャパシタ204−2のゲート線として機能することができる上部導体層215(上部キャパシタゲートスタック211内)と接触することができる。
【0108】
幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル202(及びそのキャパシタ204−1と204−2)は、実質的に円筒形(例えば、柱形)を有することができる。第1下部電極222−1、下部強誘電体層224−1、及び第2下部電極226−1は、この順序で強誘電体メモリセル202の中心から半径方向に配置することができる。第1上部電極222−2、上部強誘電体層224−2、及び第2上部電極226−2は、この順序で強誘電体メモリセル202の中心から半径方向に配置することができる。強誘電体メモリセル202(及びそのキャパシタ204−1と204−2)の形状は、円筒形に限定されず、トレンチ形状などの任意の他の適切な形状であり得ることが理解される。
【0109】
幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル202における第1下部電極222−1及び第1上部電極222−2は、下部及び上部キャパシタ204−1及び204−2に跨って延び且つ下部及び上部キャパシタ204−1及び204−2によって共有される連続電極の一部である。同様に、幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル202における下部強誘電体層224−1及び上部強誘電体層224−2は、下部及び上部キャパシタ204−1及び204−2に跨って延び且つ下部及び上部キャパシタ204−1及び204−2によって共有される連続強誘電体層の一部である。連続強誘電体層は、幾つかの実施形態によれば、複数の強誘電体メモリセル202に跨って延び且つ複数の強誘電体メモリセル202によって共有される連続膜である。
【0110】
図2に示すように、各強誘電体メモリセル202における第2下部電極226−1及び第2上部電極226−2は、例えば、誘電体層によって、互いに電気的に絶縁することができる。第2下部電極226−1及び第2上部電極226−2のそれぞれは、下部導体層214(下部キャパシタ204−1のゲート線)及び上部導体層215(上部キャパシタ204−2のゲート線)にそれぞれ個別に電気的に接続することができ、これにより、下部キャパシタ204−1及び上部キャパシタ204−2のぞれぞれは、独立して制御され、ビットの情報を記憶することができる。幾つかの実施形態では、MLC電荷分布を生成するために、第2下部電極226−1及び第2上部電極226−2の垂直寸法(例えば、z方向)は同じではない。例えば、第2下部電極226−1の垂直方向は、第2上部電極226−2の垂直方向よりも大きい場合があり、その逆の場合もある。従って、第2下部電極226−1及び第2上部電極226−2の面積も同じではなく、これは、MLCセルの様々な状態を引き起こすことができる。一例では、第2下部電極226−1の面積が第2上部電極226−2の面積の2倍である場合、又はその逆の場合、MLCセルは、4つの状態であるQ
L0+Q
U0、Q
L1+Q
U0、Q
L0+Q
U1、及びQ
L1+Q
U1を有することができる。Q
L0及びQ
L1は、それぞれ状態0と1の下部キャパシタに蓄積された電荷を表し、Q
U0及びQ
U1は、それぞれ状態0と1の上部キャパシタに蓄積された電荷を表す。
【0111】
第1電極222−1及び222−2並びに第2電極226−1及び226−2は、導電性材料を含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、シリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、第1電極222−1及び222−2は、ポリシリコンなどのシリコンを含む。幾つかの実施形態では、第2電極226−1及び226−2並びに導体層214及び215は、Wなどの同じ導電性材料を含む。第1電極222−1及び222−2並びに第2電極226−1及び226−2の材料は、ドープされたシリコン、TCO、TiN、TiSiNx、TiAlNx、TiCNx、TaNx、TaSiNx、TaAlNx、WNx、WSix、WCNx、Ru、及びRuOxのうちの少なくとも1つを更に含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、第1電極222−1及び222−2並びに第2電極226−1及び226−2は、同じ材料を含む。幾つかの実施形態では、第1電極222−1及び222−2と第2電極226−1及び226−2は異なる材料を含む。
【0112】
幾つかの実施形態では、第1又は第2電極は、透明導電性酸化物(TCO)を含む。TCOは、ドープされたZnOベースのTCO、ドープされたTiO
2ベースのTCO、ドープされたSnO
2ベースのTCO、及びペロブスカイトTCOを含むが、それらに限定されない。
【0113】
強誘電体層224−1及び224−2は、強誘電体二元複合酸化物を含むこともできる。幾つかの実施形態では、強誘電体層224−1及び224−2は、酸素と、Zr、Hr、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、V、Nb、Ta、Db、La、Ce、Gd、Dy、Er、及びYbなどの少なくとも1つの強誘電体金属とを含む。幾つかの実施形態では、強誘電体層224−1及び224−2は、酸素及び2つ以上の強誘電体金属を含む。2つの強誘電体金属間のモル比は、0.1〜10であり得る。
【0114】
幾つかの実施形態では、トランジスタ220は、チャネル構造228、ゲート導体232、及びチャネル構造228とゲート導体232の間に横方向に配置されたゲート誘電体層230を含む。チャネル構造228は、その下部及び上部にソース/ドレイン領域、及びソース/ドレイン領域の間に垂直方向のチャネルを含むことができる。
図2に示すように、チャネル構造228は、第1電極222−2及び222−1を含む連続電極の上方に配置し、且つその下部のソース/ドレイン領域によって、連続電極に電気的に接続することができる。幾つかの実施形態では、チャネル構造228は、第1電極222−2及び222−1を含む連続電極の下方に配置し、且つそのソース/ドレイン領域によって、連続電極に電気的に接続することもできる。ゲート導体232は、横方向に延び、トランジスタ220のゲート線として、ならびに強誘電体メモリセル202のワード線として機能することができる。ゲート導体232及びゲート誘電体層230(例えば、ゲート酸化物)は、チャネル構造228内のチャネルの電気的特性を制御するためのゲートスタックを形成することができる。幾つかの実施形態では、各強誘電体メモリセル202(及びそのトランジスタ220)は、実質的に円筒形(例えば、柱形)を有することができる。チャネル構造228、ゲート誘電体層230、及びゲート導体232は、この順序で強誘電体メモリセル102の中心から半径方向に配置することができる。強誘電体メモリセル202(及びそのトランジスタ220)の形状は、円筒形に限定されず、トレンチ形状などの任意の他の適切な形状であり得ることが理解される。
【0115】
図3は、本開示の幾つかの実施形態による更に別の例示的な3D強誘電体メモリ装置300の断面を示す。
図2に示される3D強誘電体メモリ装置200とは異なり、
図3の3D強誘電体メモリ装置300は、異なる平面に配置され且つそれらの間に垂直に配置されたビット線を共有する強誘電体メモリセル304及び306の複数のアレイを含む。言い換えれば、各ビット線は、下部強誘電体メモリセル304と上部強誘電体メモリセル306.との間に垂直に配置され、且つ下部強誘電体メモリセル304と上部強誘電体メモリセル306を電気的に接続することができる。このような構造は、横方向(x方向及び/又はy方向)及び垂直方向(z方向)に繰り返すことができる。
図2及び
図3における3D強誘電体メモリ装置200及び300の他の同様の構造の詳細(例えば、材料、寸法、機能など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
【0116】
図3に示すように、3D強誘電体メモリ装置300は、それぞれが基板302の上方で垂直に延びる下部強誘電体メモリセル304を含むこともできる。3D強誘電体メモリ装置300は、下部強誘電体メモリセル304の上方に配置されたビット線308と、ビット線308並びに下部強誘電体メモリセル304におけるトランジスタのソース/ドレイン領域と接触する下部ビット線コンタクト310とを含むこともできる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置300は、ビット線308の上方に上部ビット線コンタクト312をさらに含む。上部ビット線コンタクト312は、導電性材料を含む相互接続線及びビアコンタクトを含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、シリコン、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、上部ビット線コンタクト312は、ポリシリコンなどのシリコンを含む。下部強誘電体メモリセル304は、
図3においてMLCセルとして示されているが、幾つかの実施形態によれば、下部強誘電体メモリセル304は、SLCセルであり得る(例えば、
図1B〜1Dに関して説明されるように)ことが理解される。
【0117】
図3に示すように、強誘電体メモリ装置300は、それぞれが下部強誘電体メモリセル304のアレイ及びビット線308の上方で垂直に延びる上部強誘電体メモリセル306のアレイをさらに含むことができる。上部強誘電体メモリセル306は、トランジスタ314と、トランジスタ314の上方でトランジスタ314に電気的に接続された1つ以上のキャパシタ316とをさらに含むことができる。上部強誘電体メモリセル306は、
図3においてMLCセルとして示されているが、幾つかの実施形態によれば、上部強誘電体メモリセル306は、SLCセルであり得る(例えば、
図1B〜1Dに関して説明されるように)ことが理解される。
【0118】
幾つかの実施形態では、トランジスタ314は、チャネル構造318、ゲート導体322、及びチャネル構造318とゲート導体322の間に横方向に配置されたゲート誘電体層320を含む。チャネル構造318は、その下部及び上部にソース/ドレイン領域、及びソース/ドレイン領域の間に垂直方向のチャネルを含むことができる。
図3に示すように、チャネル構造318は、上部ビット線コンタクト312の上方に配置し、且つその下部のソース/ドレイン領域によって、上部ビット線コンタクト312に電気的に接続することができる。ゲート導体322は、横方向に延び、トランジスタ314のゲート線として、ならびに上部強誘電体メモリセル306のワード線として機能することができる。ゲート導体322及びゲート誘電体層320(例えば、ゲート酸化物)は、チャネル構造318内のチャネルの電気的特性を制御するためのゲートスタックを形成することができる。幾つかの実施形態では、各上部強誘電体メモリセル306(及びそのトランジスタ314)は、実質的に円筒形(例えば、柱形)を有することができる。チャネル構造318、ゲート誘電体層320、及びゲート導体322は、この順序で上部強誘電体メモリセル306の中心から半径方向に配置することができる。上部強誘電体メモリセル306(及びそのトランジスタ314)の形状は、円筒形に限定されず、トレンチ形状などの任意の他の適切な形状であり得ることが理解される。
【0119】
図3に示すように、3D強誘電体メモリ装置300は、トランジスタ314の上方の下部キャパシタゲートスタック324、及び下部キャパシタゲートスタック324の上方の上部キャパシタゲートスタック325を含むこともできる。幾つかの実施形態では、下部キャパシタゲートスタック324は、この順序で底から上に配置された第1下部誘電体層326、下部導体層328、及び第2下部誘電体層330を含む。上部キャパシタゲートスタック325は、この順序で底から上に配置された第1上部誘電体層327、上部導体層329、及び第2上部誘電体層331を含む。
【0120】
図3に示すように、各上部強誘電体メモリセル306は、下部キャパシタゲートスタック324を通って垂直に延びる下部キャパシタ316−2、及び上部キャパシタゲートスタック325を通って垂直に延びる上部キャパシタ316−1をさらに含むことができる。トランジスタ314、下部キャパシタ316−2、及び上部キャパシタ316−1は、この順序で垂直にスタックすることができる。幾つかの実施形態では、下部キャパシタ316−2は、第1電極332、第2下部電極336−2、及び第1電極332と第2下部電極336−2との間に横方向に配置された強誘電体層334を含む。第2下部電極336−2は、横方向に延びて下部キャパシタ316−2のゲート線として機能することができる下部導体層328(下部キャパシタゲートスタック324内)と接触することができる。幾つかの実施形態では、上部キャパシタ316−1は、第1電極332、第2上部電極336−1、及び第1電極332と第2上部電極336−1との間に横方向に配置された強誘電体層334を含む。第2上部電極336−1は、横方向に延びて上部キャパシタ316−1のゲート線として機能することができる上部導体層329(上部キャパシタゲートスタック325内)と接触することができる。
【0121】
幾つかの実施形態では、第1電極332は、下部及び上部キャパシタ316−2及び316−1に跨って延び且つ下部及び上部キャパシタ316−2及び316−1によって共有される連続電極である。同様に、幾つかの実施形態では、強誘電体層334は、下部及び上部キャパシタ316−2及び316−1に跨って延び且つ下部及び上部キャパシタ316−2及び316−1によって共有される連続強誘電体層である。
図3に示すように、下部キャパシタ316の底において、第1電極332の下部は、強誘電体層334を通って突出し、トランジスタ314のチャネル構造318の上部のソース/ドレイン領域と接触することができる。従って、チャネル構造318は、第1電極332の下方で第1電極332に電気的に接続することができる。
【0122】
図3に示すように、各上部強誘電体メモリセル306における第2下部電極336−2及び第2上部電極336−1は、例えば、誘電体層によって、互いに電気的に絶縁することができる。第2下部電極336−2及び第2上部電極336−1のそれぞれは、下部導体層328(下部キャパシタ316−2のゲート線)及び上部導体層329(上部キャパシタ316−1のゲート線)にそれぞれ個別に電気的に接続することができ、これにより、下部キャパシタ316−2及び上部キャパシタ316−1のぞれぞれは、独立して制御され、ビットの情報を記憶することができる。
【0123】
図3に示すように、3D強誘電体メモリ装置300は、キャパシタのゲート線(例えば、キャパシタ316−2及び316−1の導体層328及び329)及びワード線(例えば、トランジスタ314のゲート導体322)をファンアウトするためのゲート線キャパシタ338及びワード線コンタクト340などのローカル相互接続をさらに含むことができる。幾つかの実施形態では、3D強誘電体メモリ装置300は、強誘電体メモリセル304及び306のアレイが形成されたコア領域と、コア領域を取り囲む階段領域とを含む。ゲート線コンタクト338及びワード線コンタクト340など、ローカル相互接続の少なくとも一部は、階段領域におけるゲート線及びワード線に到着することができる。ゲート線コンタクト338及びワード線コンタクト340のそれぞれは、導電性材料で埋められた開口(例えば、ビアホール又はトレンチ)を含むことができる。該導電性材料は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0124】
図4A〜4Fは、本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための例示的な製造プロセスを示す。
図5A〜5Cは、本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための別の例示的な製造プロセスを示す。
図7は、本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための例示的な方法のフローチャートである。
図4A〜4F、
図5A〜5C、及び
図7に描かれている3D強誘電体メモリ装置の例は、
図1〜2に描かれている3D強誘電体メモリ装置100及び200を含む。
図4A〜4F、
図5A〜5C、及び
図7をまとめて説明する。方法700に示される操作は網羅的ではなく、他の操作は、図示される操作のいずれかの前、後、又は間で実行できることを理解されたい。また、これらの操作の幾つかは、同時に、又は
図7に示されるものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0125】
図7を参照されたい、方法700は、操作702で開始する。操作702では、基板の上方にキャパシタゲートスタックが形成される。幾つかの実施形態では、キャパシタゲートスタックを形成する前に、周辺装置が基板上及び/又は基板内に形成され、周辺装置の上方に相互接続層(例えば、周辺相互接続層)が形成される。基板は、シリコン基板であり得る。
【0126】
図4Aに示すように、周辺相互接続層404は、シリコン基板402上に形成することができる。周辺相互接続層404は、複数のILD層における、MEOL及び/又はBEOLの相互接続線及びビアコンタクトなどの相互接続を含むことができる。幾つかの実施形態では、周辺相互接続層404は、複数のILD層、及びそれらの中に複数のプロセスによって形成された相互接続を含む。例えば、相互接続は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された導電性材料を含むことができる。薄膜堆積プロセスは、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。相互接続を形成するための製造プロセスは、フォトリソグラフィ、化学機械研磨(CMP)、ウェット/ドライエッチング、又は任意の他の適切なプロセスを含むこともできる。ILD層は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された誘電体材料を含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0127】
幾つかの実施形態では、周辺相互接続層404の形成の前に、周辺装置(図示せず)が、シリコン基板402内及び/又はシリコン基板402上に形成される。周辺装置は、複数のプロセスによって形成された複数のトランジスタを含むことができる。該プロセスは、フォトリソグラフィ、ドライ/ウェットエッチング、薄膜堆積、熱成長、注入、CMP、及び任意の他の適切なプロセスを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、ドープされた領域(図示せず)は、イオン注入及び/又は熱拡散によってシリコン基板402に形成され、例えば、トランジスタのソース領域及び/又はドレイン領域として機能する。幾つかの実施形態では、隔離領域(図示せず)も、ウェット/ドライエッチング及び薄膜堆積によって、シリコン基板402に形成される。
【0128】
図4Aに示すように、停止層406は、周辺相互接続層404の上方に形成することができる。停止層406は、Al
2O
3、HfO
2、Ta
2O
5、ZrO
2、TiO
2、又はそれらの任意の組み合わせなどの高k誘電体を含む誘電体材料を含むことができるがこれらに限定されない。停止層406は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって形成することができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、停止層406は、フォトリソグラフィ及びウェット/ドライエッチングによってパターン化されて、ビット線及びコンタクトを周辺装置に到着させるために、強誘電体メモリセルアレイの周辺又はエッジで形成される。
【0129】
図4Aに示すように、キャパシタゲートスタック408は、停止層406の上方に形成することができる。幾つかの実施形態では、第1誘電体層410が、まず、停止層406上に形成される。第1誘電体層410は、停止層406に使用される誘電体材料とは異なる誘電体材料を含むことができる。この異なる誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、導体層412が、次いで、第1誘電体層410上に形成される。この導体層412は、W、Co、Cu、Al、ドープされたシリコン、シリサイド、TCO、又はそれらの任意の組み合わせなどの導電性材料を含む。幾つかの実施形態では、第2誘電体層414が、次に、導体層412上に形成される。第2誘電体層414は、第1誘電体層410のものと同じ誘電体材料を含むことができる。この同じ誘電体材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。第1及び第2誘電体層410及び414、並びに導体層412は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって形成することができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0130】
図7に示すように、方法700は操作704に進む。操作704では、キャパシタゲートスタックを通って垂直に延びる1つ以上のキャパシタが形成される。幾つかの実施形態では、キャパシタゲートスタックは、複数のキャパシタゲートスタックを含む。複数のキャパシタは、各キャパシタがそれぞれのキャパシタゲートスタックを通って垂直に延びるように形成される。キャパシタを形成することは、停止層までキャパシタゲートスタックを通して開口をエッチングすること、開口に第2電極を形成すること、第2電極と接触する強誘電体層を形成すること、及び強誘電体層と接触する第1電極を形成することを含むことができる。
【0131】
図4Bに示すように、開口416は、キャパシタゲートスタック408(第1及び第2誘電体層410及び414及び導体層412を含む)を通して、停止層406までエッチングされ得る。開口416は、停止層406で停止される、誘電体材料(例えば、酸化シリコン及び窒化シリコン)及び導電性材料(例えば、W)のウェットエッチング及び/又はドライエッチングによって形成することができる。開口416を形成するためのキャパシタゲートスタック408のエッチングは、異なる材料でのエッチング停止によって制御することができる。例えば、Al
2O
3を含む停止層406は、周辺相互接続層404への更なるエッチングを防止することができる。
【0132】
第2電極418は、1つ以上の薄膜堆積プロセスを用いて、開口416の側壁及び底面に導電性膜(例えば、金属膜)を堆積することによって形成することができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。得られた第2電極418の導電性膜は、キャパシタゲートスタック408における導体層412に電気的に接続することができる。幾つかの実施形態では、第2電極418は、キャパシタゲートスタック408の上面に形成されていない。キャパシタゲートスタック408の上面に形成された導電性膜の任意の部分は、犠牲/保護層のパターン化、並びに犠牲/保護層及び導電性膜のエッチングによって除去することができる。
【0133】
図4Cに示すように、強誘電体層420が、第2電極418に沿ってそれと接触してキャパシタゲートスタック408の上面に形成することができる。強誘電体層420は、例えば、開口416の側壁及び底面上に、開口416で形成された第2電極418を覆うことができる。強誘電体層420は、幾つかの実施形態によれば、複数の開口416に跨って延びる連続膜として形成される。強誘電体層420は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された強誘電体二元複合酸化物膜を含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、強誘電体層420は、薄膜堆積プロセスを使用して、異なる材料の複数の誘電体膜を順に堆積することによって形成される。
【0134】
図4Dに示すように、第1電極422は、開口416内の残りの空間を埋め且つ強誘電体層420と接触するように形成することができる。幾つかの実施形態では、まず、開口416内の残りの空間を埋め、且つ開口416の内側及び開口416の外側(即ち、フィールド領域)の強誘電体層420を覆うために、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、半導体膜(例えば、シリコン膜)を堆積する。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。次に、開口416の外側(即ち、フィールド領域)の少なくとも一部を除去して、
図4Dに示されるような第1電極422を形成するために、半導体膜は、ウェット/ドライエッチング及び/又はCMPなどによってパターン化及びエッチングされる。幾つかの実施形態では、第1電極422は、開口416内の残りの空間を埋める半導体膜の形成の前に、強誘電体層420と接触して開口416の内側に形成した導電層(例えば、金属膜)を含む複合電極である。
【0135】
図7に示すように、方法700は操作706に進む。操作706では、トランジスタが、1つ以上のキャパシタの上方に形成され、且つ1つ以上のキャパシタに電気的に接続される。トランジスタを形成することは、第1電極に電気的に接続されたチャネル構造を第1電極の上方に形成することと、チャンネル構造と接触するゲート誘電体層を形成することと、ゲート誘電体層と接触するゲート導体を形成することとを含むことができる。
【0136】
図4Dに示すように、チャネル構造424は、第1電極422の上方に形成し、且つ第1電極422と位置合わせることができる。幾つかの実施形態では、まず、第1電極422を形成する半導体膜上にシリコン膜が形成される。シリコン膜は、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して堆積されたポリシリコン又はアモルファスシリコンを含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。あるいは、シリコン膜は、第1電極422を形成する半導体膜に結合された(例えば、シリコン−シリコン共有結合を形成する)単結晶シリコンを含むことができる。幾つかの実施形態では、単結晶シリコンの第1電極422への結合に続いて、結合された単結晶シリコンが薄くされる。幾つかの実施形態では、次に、開口416の外側(即ち、フィールド領域)の少なくとも一部を除去して、
図4Dに示されるようなチャネル構造424を形成するために、シリコン膜は、ウェット/ドライエッチング及び/又はCMPなどによってパターン化及びエッチングされる。幾つかの実施形態では、チャネル構造424の上部及び/又は及び下部は、ソース/ドレイン領域を形成するために、n型又はp型ドーパントでドープされる。
【0137】
図4Eに示すように、ゲート誘電体層426は、チャネル構造424の側壁を覆うように形成することができる。幾つかの実施形態では、ゲート誘電体層426は、チャネル構造424の上面も覆う。幾つかの実施形態では、チャネル構造424は、まず、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングによって(例えば、その側壁及び上面で)トリミングされる。幾つかの実施形態では、ゲート誘電体層426は、次に、例えば、熱酸化によって、トリミングされたチャネル構造424の側壁及び上面の一部を酸化させることで形成される。ゲート導体428は、ゲート誘電体層426によって覆われたチャンネル構造424間の空間を埋め、ゲート誘電体層426の上面と同一平面になるように形成することができる。幾つかの実施形態では、まず、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、ゲート誘電体層426の側壁に沿ってバリア/接着層(例えば、Ti/TiN)が形成される。この薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、次に、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、バリア/接着層上に導電性膜が堆積される。この薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。その後、CMPによって、堆積された導電性膜が平坦化されて、ゲート誘電体層426の上面と同一平面になる。
【0138】
図7に示すように、方法700は操作708に進む。操作708では、相互接続層(例えば、BEOL相互接続層)がトランジスタの上方にある。BEOL相互接続層を形成することは、トランジスタと接触するビット線コンタクトをトランジスタの上方に形成することと、ビット線コンタクトの上方にビット線コンタクトと接触するビット線を形成することとを含むことができる。
【0139】
図4Fに示すように、BEOL相互接続層430は、ゲート誘電体層426によって覆われたチャネル構造424の上方に形成することができる。BEOL相互接続層430は、複数のILD層に形成されたビット線コンタクト432及びビット線434などの相互接続を含むことができる。幾つかの実施形態では、BEOL相互接続層430は、複数のプロセスによって形成された複数のILD層、及び複数のILD層内のビット線コンタクト432及びビット線434を含むことができる。例えば、ビット線コンタクト432及びビット線434は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された導電性材料を含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。ビット線コンタクト432及びビット線434を形成するための製造プロセスは、フォトリソグラフィ、CMP、ウェット/ドライエッチング、又は他の任意の適切なプロセスを含む。ILD層は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された誘電体材料を含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0140】
図5A〜5Cは、
図7の操作704の別の実施形態を示す。操作704では、複数のキャパシタがMLCセルに形成される。
図4及び5における他の同様な操作の詳細(例えば、プロセス、材料など)は、以下では繰り返されないことが理解される。
図5Aに示すように、MLC強誘電体メモリセル501は、シリコン基板502の上方で垂直に延びるように形成することができる。周辺相互接続層504、停止層506、下部キャパシタゲートスタック508、犠牲層510(例えば、窒化シリコン層又はキャパシタゲートスタック508及び512における誘電体層とは異なる任意の誘電体)、及び上部キャパシタゲートスタック512は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって、この順序で底から上に順次堆積することができる。薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
図4A〜4Fに関して詳細に上述されたように、MLC強誘電体メモリセル501は、少なくとも部分的に、下部キャパシタゲートスタック508、犠牲層510、及び上部キャパシタゲートスタック512を通って垂直に延びて、停止層506で停止するように形成することができる。
【0141】
図5Bに示すように、スリット516は、停止層506、下部キャパシタゲートスタック508、犠牲層510、及び上部キャパシタゲートスタック512を通して垂直にエッチングすることができる。スリット516は、誘電体材料(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及びAl
2O
3)及び導電性材料(例えば、W)のウェットエッチング及び/又はドライエッチングを使用して形成することができる。スリット516は、犠牲層510を除去するための経路として使用される。犠牲層510の除去は、キャパシタゲートスタック508及び512における誘電体層(例えば、酸化シリコン)に対して選択的なウェットエッチング犠牲層510(例えば、窒化シリコン)を使用して実行されるその結果、横方向凹部518を形成することができる。横方向凹部518は、第2電極を2つのキャパシタ用の2つの電気的に絶縁された下部電極及び上部電極にそれぞれ分離する。
図5Cに示すように、誘電体材料(例えば、酸化シリコン)は、PVD、CVD、ALD、任意の他の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせを使用して、スリット516及び横方向凹部518を埋めることができる。例えば、犠牲層510(例えば、窒化シリコン)は、酸化シリコンで置き換えることができる。その結果、各MLC強誘電体メモリセル501の第2電極の下部電極及び上部電極を電気的に絶縁することができるだけでなく、キャパシタのゲート線及びトランジスタのワード線を誘電体材料で埋められたスリット516によって切断することができ、それにより、複数のメモリブロック及び/又はメモリフィンガーを形成することができる。
【0142】
図6A〜6Hは、本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための更に別の例示的な製造プロセスを示す。
図8は、本開示の幾つかの実施形態による、3D強誘電体メモリ装置を形成するための別の例示的な方法のフローチャートである。
図6A〜6H及び
図8に描かれている3D強誘電体メモリ装置の例は、
図3に描かれている3D強誘電体メモリ装置300を含む。
図6A〜6H及び
図8をまとめて説明する。方法800に示される操作は網羅的ではなく、他の操作は、図示される操作のいずれかの前、後、又は間で実行できることを理解されたい。また、これらの操作の幾つかは、同時に、又は
図8に示されるものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0143】
図8を参照されたい、方法800は、操作802で開始する。操作802では、基板の上方で垂直に延びる第1強誘電体メモリセルが形成される。第1強誘電体メモリセルは、
図4及び5に関して上述されたように形成することができる。
【0144】
図8に示すように、方法800は操作804に進む。操作804では、ビット線が、第1強誘電体メモリセルの上方に形成され、且つ第1強誘電体メモリセルに電気的に接続される。幾つかの実施形態では、ビット線の形成の前に、下部ビット線コンタクトが、第1強誘電体メモリセルの上方に形成され、且つ第1強誘電体メモリセルに電気的に接続されており、ビット線の形成の後に、上部下部ビット線コンタクトが、ビット線の上方に形成され、且つビット線に電気的に接続される。
図6Aに示すように、ビット線602は、
図4Fに関して上述されるように、1つ以上のILD層に形成することができる。
【0145】
図6Aに示すように、上部ビット線コンタクト604は、ビット線602の上方に形成し、且つビット線602と接触することができる。上部ビット線コンタクト604は、ILD層を通るビアコンタクト、及びILD層の上面上の相互接続線を含むことができる。幾つかの実施形態では、まず、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングにより、ILD層を貫通するビア開口をエッチングしてビット線602に到達する。幾つかの実施形態では、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、導電性膜(例えば、金属膜)又は半導体膜(例えば、ポリシリコン膜)が、ビア開口の内側及びビア開口の外側(ILD層の上面上)に堆積される。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、導電体膜又は半導体膜は、次に、ビア開口の外側の少なくとも一部を除去して
図6Aに示すような上部ビット線コンタクト604を形成するために、ウェットエッチング/ドライエッチング及び/又はCMP等によってパターン化及びエッチングされる。
【0146】
図8に示すように、方法800は操作806に進む。操作806では、ビット線の上方で垂直に延び且つビット線に電気的に接続された第2強誘電体メモリセルが形成される。
図6Aに示すように、チャネル構造606は、上部ビット線コンタクト604の上方に形成し、且つ上部ビット線コンタクト604と位置合わせることができる。幾つかの実施形態では、まず、上部ビット線コンタクト604を形成する導体膜又は半導体膜上にシリコン膜が形成される。シリコン膜は、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して堆積されたポリシリコン又はアモルファスシリコンを含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。あるいは、シリコン膜は、単結晶シリコンを含むことができる。この単結晶シリコンは、上部ビット線コンタクト604を形成する半導体膜に結合され(例えば、シリコン−シリコン共有結合を形成する)、その後、結合された単結晶シリコンが薄くされる。幾つかの実施形態では、シリコン膜は、次に、ビア開口の外側の少なくとも一部を除去して
図6Aに示すようなチャネル構造606を形成するために、ウェットエッチング/ドライエッチング及び/又はCMPなどによってパターン化及びエッチングされる。幾つかの実施形態では、チャネル構造606の上部及び/又は及び下部は、ソース/ドレイン領域を形成するために、n型又はp型ドーパントでドープされる。
【0147】
図6Bに示すように、ゲート誘電体層608は、チャネル構造606の側壁及び上面を覆うように形成することができる。幾つかの実施形態では、チャネル構造606は、まず、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングによって(例えば、その側壁及び上面で)トリミングされる。幾つかの実施形態では、ゲート誘電体層608は、次に、例えば、熱酸化によって、トリミングされたチャネル構造606の側壁及び上面の一部を酸化させることで形成される。ゲート導体610は、ゲート誘電体層608によって覆われたチャンネル構造606間の空間を埋め、ゲート誘電体層608の上面と同一平面になるように形成することができる。幾つかの実施形態では、まず、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、ゲート誘電体層608の側壁に沿ってバリア/接着層(例えば、Ti/TiN)が形成される。この薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、次に、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、バリア/接着層上に導電性膜が堆積される。この薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。その後、CMPによって、堆積された導電性膜が平坦化されて、ゲート誘電体層608の上面と同一平面になる。
【0148】
図6Cに示すように、分離層612(例えば、窒化シリコン層)、下部キャパシタゲートスタック614、犠牲層616(例えば、窒化シリコン層又はキャパシタゲートスタック614及び618における誘電体層とは異なる任意の誘電体)、及び上部キャパシタゲートスタック618は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって、この順序で底から上に順次堆積することができる。薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0149】
図6Dに示すように、開口620は、上部キャパシタゲートスタック618、犠牲層616、下部キャパシタゲートスタック614、分離層612、及びゲート誘電体層608を通して、チャネル構造606の上部(即ち、ソース/ドレイン領域)までエッチングされ得る。開口620は、誘電体材料(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、及び高k誘電体)及び導電性材料(例えば、W)のウェットエッチング及び/又はドライエッチングによって形成することができる。第2電極622は、1つ以上の薄膜堆積プロセスを用いて、開口620の側壁及び底面に導電性膜(例えば、金属膜)を堆積することによって形成することができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。得られた第2電極622の導電性膜は、キャパシタゲートスタック614及び618における導体層に電気的に接続することができる。強誘電体層624は、第2電極622に沿って且つ接触して形成することができる。強誘電体層624は、例えば、開口620の側壁及び底面上で、開口620に形成された第2電極622を覆うことができる。強誘電体層624は、1つ以上の薄膜堆積プロセスによって堆積された強誘電体二元複合酸化物膜を含むことができる。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0150】
図6Eに示すように、第2電極622及び強誘電体層624は、上部キャパシタゲートスタック618の上面に形成されていない。上部キャパシタゲートスタック618の上面に形成された導電性膜及び強誘電体二元複合酸化物膜の任意の部分は、犠牲/保護層のパターン化、並びに犠牲/保護層、導電性膜及び強誘電体二元複合酸化物膜のエッチングによって除去することができる。
図6Eに示すように、第2電極622及び強誘電体層624は、開口620の底面に形成されていない。開口620の底面に形成された導電性膜及び強誘電体二元複合酸化物膜の一部は、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングを含むボトムパンチ法によって除去することができる。
【0151】
図6Eに示すように、第1電極626は、開口620内の残りの空間を埋めるように形成することができる。その結果、第1電極626の側壁は、強誘電体層624と接触することができ、第1電極626の底部は、チャネル構造606の上部のソース/ドレイン領域と接触することができる。幾つかの実施形態では、まず、開口620内の残りの空間を埋め、且つ開口620の内側及び開口620の外側(即ち、フィールド領域)の強誘電体層624を覆うために、1つ以上の薄膜堆積プロセスを使用して、半導体膜(例えば、シリコン膜)を堆積する。該薄膜堆積プロセスは、CVD、PVD、ALD、電気化学堆積、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。次に、開口620の外側(即ち、フィールド領域)の一部を除去して、
図6Eに示されるような第1電極626を形成するために、半導体膜は、ウェット/ドライエッチング及び/又はCMPなどによってパターン化及びエッチングされる。
【0152】
図6Fに示すように、分離層612及び犠牲層616は、キャパシタゲートスタック614及び618における誘電体層(例えば、酸化シリコン)に対して選択的なウェットエッチング分離層612及び犠牲層616(例えば、窒化シリコン)を使用して、スリット(図示せず)を通して除去されて、横方向凹部628を形成することができる。横方向凹部628は、第2電極622を、2つのキャパシタ用の2つの電気的に絶縁された下部電極622−2及び上部電極622−1にそれぞれ分離することができる。幾つかの実施形態では、誘電体材料(例えば、酸化シリコン)は、
図6Hに示すように、PVD、CVD、ALD、電気化学堆積、任意の他の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の膜堆積プロセスを使用して、横方向凹部628を埋める。幾つかの実施形態では、横方向凹部628は、強誘電体層624をさらに分離することができるので、強誘電体層624を下部と上部に分離することができる。即ち、強誘電体層624は不連続になることができる。
【0153】
図6Gに示すように、幾つかの実施形態では、第1電極626は、開口620内の残りの空間を埋める半導体膜626−1の形成の前に、強誘電体層624と接触して開口620の内側に形成した導電層626−2(例えば、金属膜)を含む複合電極である。
【0154】
図6Hに示すように、ゲート線コンタクト630及びワード線コンタクト632などのローカル相互接続は、1つ以上のILD層を通して、階段領域におけるそれぞれのゲート線及びワード線と接触して形成することができる。幾つかの実施形態では、ビア開口は、まず、パターン化され、ウェットエッチング及び/又はドライエッチングによってエッチングされる。幾つかの実施形態では、ビア開口は、PVD、CVD、ALD、電気化学堆積、任意の他の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の膜堆積プロセスを使用して、導電性材料で埋めて、ゲート線コンタクト630及びワード線コンタクト632を形成することができる
【0155】
図2及び3に関して上述したように、3D強誘電体メモリ装置は、それぞれが複数のキャパシタに複数ビットのデータを記憶することができるMLC(例えば、「nT−mC」セル)のアレイを含むことができる。平面サイズがキャパシタによって支配される平面型強誘電体メモリ装置とは異なり、本明細書に開示される3D強誘電体メモリ装置では、垂直にスタックされたキャパシタは、平面図における総キャパシタ面積がキャパシタの数に依存しないので、強誘電体メモリセルのサイズを増加させない。以下に詳細に説明するように、本開示による種々の実施形態は、書き込み操作及び読み出し操作など、複数のキャパシタ(例えば、MLC)を有する強誘電体メモリセルのための様々な操作方法をさらに提供し、それにより、本明細書に開示される3D強誘電体メモリ装置を大容量用途に使用することができる。本明細書に開示される操作方法は、
図2及び3に関して本明細書に開示される3D強誘電体メモリ装置などのMLCのアレイを含む任意の強誘電体メモリ装置によって実施されてもよいことが理解される。言い換えれば、3D強誘電体メモリ装置200及び300は、本明細書に開示される任意の書き込み操作又は読み出し操作を実行することができる。
【0156】
図9は、本開示の幾つかの実施形態による、それぞれが複数のキャパシタ904を有する複数の強誘電体メモリセル902を有する例示的な強誘電体メモリ装置900の回路図を示す。
図9に示すように、3D強誘電体メモリ装置200及び300などの強誘電体メモリ装置900は、行及び列に配置された強誘電体メモリセル902のアレイを含む。各強誘電体メモリセル902は、
図9に示されるような第1キャパシタC00及び第2キャパシタC01などの複数のキャパシタ904を含むMLCであり得る。「C00」は、強誘電体メモリセル902の第1キャパシタが第1ビット線BL[0]及び第1プレート線PL0に電気的に接続されることを表し、「C01」は、強誘電体メモリセル902の第2キャパシタが第1ビット線BL[0]及び第2プレート線PL1に電気的に接続されることを表す。同様に、「C10」は、キャパシタが第2ビット線BL[1]及び第1プレート線PL0に電気的に接続されることを表し、「C11」は、キャパシタが第2ビット線BL[1]及び第2プレート線PL1に電気的に接続されることを表す。各強誘電体メモリセル902は、それぞれ第1及び第2キャパシタ904のそれぞれに電気的に接続されたトランジスタ906をさらに含むことができる。説明を容易にするために、本明細書に開示される様々な操作を実施することができる強誘電体メモリセル902は、1つのトランジスタ及びN個のキャパシタを含む「1T−nC」MLCとして一般化される。幾つかの実施形態によれば、N個のキャパシタ(例えば、第1及び第2キャパシタ904)は、3D強誘電体メモリ装置200及び300に垂直にスタックされる。一例では、
図2に示すように、強誘電体メモリセル902は強誘電体メモリセル202であってもよく、トランジスタ906はトランジスタ220であってもよく、第1及び第2キャパシタ904はキャパシタ204−1及び204−2であってもよい。別の例では、
図3に示すように強誘電体メモリセル902は強誘電体メモリセル304又は306であってもよく、トランジスタ906はトランジスタ314であってもよく、第1及び第2キャパシタ904はキャパシタ316−1及び316−2であってもよい。
【0157】
図9に示すように、各ワード線WL[0]又はWL[1]は、アレイの同じ行にある各強誘電体メモリセル902におけるトランジスタ906のゲートに電気的に接続され、各ビット線BL[0]又はBL[1]は、アレイの同じ列にある各強誘電体メモリセル902におけるトランジスタ906のソース/ドレインに電気的に接続される。N本のプレート線は、アレイの同じ行にある各強誘電体メモリセル902において、並列に配置し、且つそれぞれN個のキャパシタ904の第1ノードに電気的に接続することができる。例えば、
図9に示すように、第1プレート線PL0は、第1キャパシタC00の第1ノードに電気的に接続され、第2プレート線PL1は、第2キャパシタC01の第1ノードに電気的に接続される。各強誘電体メモリセル902において、トランジスタ906のドレイン/ソースは、N個のキャパシタ904のそれぞれの第2ノード、例えば、第1及び第2キャパシタC00及びC01に電気的に接続される。
【0158】
幾つかの実施形態では、強誘電体メモリ装置900はまた、ビット線、ワード線、及びプレート線を介して、強誘電体メモリセル902に電気的に接続された周辺装置908を含む。周辺装置908は、ビット線、ワード線、及びプレート線が形成される周辺相互接続層207を介して強誘電体メモリセル202に電気的に接続された3D強誘電体メモリ装置200における周辺装置であってもよい。幾つかの実施形態では、周辺装置908は、強誘電体メモリセル902の下方に配置される。周辺装置908は、強誘電体メモリセル902の操作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル、アナログ、及び/又は混合信号回路を含むことができる。例えば、周辺装置908は、1つ以上のデータバッファ(例えば、ビット線ページバッファ)、デコーダ(例えば、行デコーダ又は列デコーダ)、センスアンプ、ドライバ(例えば、ワード線ドライバ)、チャージポンプ、電流又は電圧基準、あるいは回路の任意の能動コンポーネント又は受動コンポーネント(例えば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、又はキャパシタ)を含むことができる。
【0159】
幾つかの実施形態では、周辺装置908は、ワード線駆動回路、プレート線駆動回路、及びビット線駆動回路を含む。ワード線駆動回路は、複数のワード線信号を生成し、各ワード線に複数のワード線信号をそれぞれ印加して、ワード線信号が印加されたワード線と同一のワード線(例えば、
図9のWL[0])に電気的に接続された強誘電体メモリセル902を選択するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ワード線信号は、0Vと、強誘電体メモリセル902の供給電圧Vddよりも大きいバイアス電圧との間でパルス化された電圧信号である。例えば、ワード線信号は、トランジスタ906をオンにするために、Vddにトランジスタ906の閾値電圧Vthを加えたものであってもよい。
【0160】
プレート線駆動回路は、Nプレート線信号を生成し、プレート線時系列(即ち、プレート線コーディング)に従って、各プレート線信号をN本のプレート線(例えば、
図9のPL0及びPL1)のそれぞれ1つに印加するように構成することができる。幾つかの実施形態では、各プレート線信号は、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された電圧信号である。幾つかの実施形態によれば、プレート線信号は、0V又はバイアス電圧のいずれかのバイナリ信号である。一例では、バイアス電圧はVddである。別の例では、バイアス電圧は、Vddよりも大きく、Vddの約4/3などである。各プレート線信号は、それぞれの強誘電体メモリセル902を分極させるために、それぞれのプレート線を介してそれぞれのキャパシタ904に跨って印加することができる。プレート線時系列は、以下に詳述される、操作のタイプ(例えば、読み出し又は書き込み)、強誘電体メモリセル902の配置(例えば、選択されたワード線に対してすべてのビット線が同時にアクセスされるか否か)、キャパシタ904に書き込むことができるデータの有効な状態などを含む様々な要因によって決定することができる。
【0161】
図9に示すように、幾つかの実施形態によれば、ワード線及びプレート線は、ページ操作が操作中のセルディスターブを防止するための唯一の動作構成である並列アーキテクチャにある。同じワード線の1ページのすべての強誘電体メモリセル902は、読み出し又は書き込み操作で同時にアクセスすることができる。幾つかの実施形態によれば、プレート線は、個々のワード線に関連し、1つのプレート線は、複数のワード線によって共有されない。
【0162】
ビット線駆動回路は、書き込み操作中に、それぞれの強誘電体メモリセル902におけるキャパシタ904にデータの有効な状態を書き込むために、ビット線信号を生成し、ビット線時系列(即ち、ビット線コーディング)に従って、ビット線信号をそれぞれのビット線(例えば、
図9のBL[0])に印加するように構成することができる。幾つかの実施形態では、各ビット線信号は、0VとVddとの間でパルス化された電圧信号である。幾つかの実施形態によれば、ビット線信号は、0V又はVddのいずれかのバイナリ信号である。読み出し操作中に、ビット線信号を、ビット線駆動回路によってそれぞれのビット線(例えば、
図9のBL[0])を介して読み出し、1つ以上の基準電圧と比較して、キャパシタ904に格納されたデータの有効な状態を決定することができる。ビット線時系列は、以下に詳述される、操作のタイプ(例えば、読み出し又は書き込み)、強誘電体メモリセル902の配置(例えば、選択されたワード線に対してすべてのビット線が同時にアクセスされるか否か)、キャパシタ904から読み出されるか又はキャパシタ904に書き込まれるデータの有効な状態などを含む様々な要因によって決定することができる。
【0163】
図10は、本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込む例示的なタイミング図を示す。
図11Aは、本開示の幾つかの実施形態による、データの例示的な状態、ならびに対応するプレート線時系列及びビット線時系列を示すチャートである。
図12Aは、本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込むための例示的な方法1200のフローチャートである。
図10、11A及び12Aに描かれている強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含むことができる。Nは、1より大きい正の整数(例えば、2、3、4、5、6など)である。幾つかの実施形態によると、トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。
図10、11A及び12Aに描かれている強誘電体メモリセル(N=2)の例は、
図9に描かれている強誘電体メモリセル902、
図2に描かれている強誘電体メモリセル202、及び
図3に描かれている強誘電体メモリセル304及び306を含む。
図10、11A及び12Aを一緒に説明する。方法1200に示される操作は網羅的ではなく、他の操作は、図示される操作のいずれかの前、後、又は間で実行できることを理解されたい。また、これらの操作の幾つかは、同時に、または
図12Aに示されるものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0164】
図12を参照されたい。方法1200は操作1202で開始する。操作1202では、強誘電体メモリセルの供給電圧(Vdd)よりも大きいワード線信号がワード線に印加されて、強誘電体メモリセルが選択される。幾つかの実施形態では、ワード線信号は、Vddにトランジスタの閾値電圧を加えたものである。例えば、ワード線信号は、書き込み操作のために強誘電体メモリセル902を選択するために、第1ワード線WL[0]を介して周辺装置908のワード線駆動回路によってトランジスタ906のゲートに印加されてもよい。
図10のタイミング図に示すように、全書き込みサイクル(T0、T1、T2、及びT3)を通して、高レベル(例えば、「1」)のワード線信号WLを印加し維持して、対応するワード線に電気的に接続された強誘電体メモリセルを選択することができる。幾つかの実施形態によれば、ワード線信号WLの高レベルは、Vddよりも大きい。
【0165】
図12Aに示すように、方法1200は操作1204に進む。操作1204では、0VとVddとの間でパルス化されたプレート線信号が、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加される。例えば、第1プレート線信号は、第1プレート線PL0を介して周辺装置908のプレート線駆動回路によって第1キャパシタC00の1つのノードに印加されてもよく、第2プレート線信号は、第2プレート線PL1を介して周辺装置908のプレート線駆動回路によって第2キャパシタC01の1つのノードに印加されてもよい。第1及び第2プレート線信号のそれぞれは、プレート線時系列に従って印加することができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2プレート線信号は、同じ書き込みサイクルで調和される(例えば、同期される)。各プレート線信号は、0VとVddの間でパルス化して、強誘電体メモリセル上の電荷を示すことができる。
【0166】
図10のタイミング図に示すように、ワード線信号WLが高レベルで維持される書き込みサイクル(T0、T1、T2、及びT3)において、低レベル(例えば、「0」)と高レベル(例えば、「1」)との間でパルス化された第1プレート線信号PL0は、プレート線時系列(例えば、PL0は、T0、T1、T2、及びT3でそれぞれ1、0、0、及び1である)に従って印加することができる。同じ書き込みサイクルにおいて、低レベル(例えば、「0」)と高レベル(例えば、「1」)との間でパルス化された第2プレート線信号PL1は、プレート線時系列(例えば、PL1は、T0、T1、T2、及びT3でそれぞれ0、0、1、及び1である)に従って印加することができる。言い換えれば、各書き込みサイクルにおけるプレート線コーディングPL[1:0]は、01、00、10、11である。幾つかの実施形態によれば、プレート線信号PLの高レベルVddである。
【0167】
図12Aに示すように、方法1200は操作1206に進む。操作1206では、0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加されて、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。データは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。例えば、ビット線信号は、データの有効な状態(例えば、2つのビット)を選択された強誘電体メモリセル902の第1及び第2キャパシタC00及びC01に書き込むために、第1ビット線BL[0]を介して周辺装置908のビット線駆動回路によってトランジスタ906のソース/ドレインに印加されてもよい。ビット線信号は、ビット線時系列に従って印加することができる。幾つかの実施形態では、ビット線信号と第1及び第2プレート線信号は、同じ書き込みサイクルで調和される(例えば、同期される)。
【0168】
図10のタイミング図に示すように、ワード線信号WLが高レベルで維持される書き込みサイクル(T0、T1、T2、及びT3)において、低レベル(例えば、「0」)と高レベル(例えば、「1」)との間でパルス化されたビット線信号BLは、ビット線時系列に従って印加することができる。幾つかの実施形態によれば、ビット線信号BLの高レベルVddである。ビット線時系列は、プレート線コーディングPL[1:0]と組み合わせて、強誘電体メモリセルの第1及び第2キャパシタC00及びC01に書き込まれるデータの状態を決定することができる。N個のキャパシタに格納された複数のビットの場合、データの合計状態の数は2
Nであることが理解される。例えば、2つのキャパシタに格納された2ビットデータは、4つの状態(00、01、10、及び11)を有し得、3つのキャパシタに格納された3ビットデータは、8つの状態(000、001、010、011、100、101、110、及び111)を有し得る。しかしながら、強誘電体メモリセルに対する書き込み操作の性質のために、データのすべての状態をN個のキャパシタに書き込むことができるわけではない。特に、ビット線信号及びプレート線信号のそれぞれが同じレベルの間(例えば、0VとVddの間)でパターン化される場合、ビット線時系列がプレート線時系列(例えば、プレート線信号のいずれか1つのタイミング波形)と同じであるとき、得られた状態は無効となるため、N個のキャパシタに書き込むことができない。
【0169】
幾つかの実施形態では、N−ビットデータは、N個のキャパシタに書き込むことができるN+1個の有効な状態で構成される。例えば、2ビットデータは、2個のキャパシタに書き込むことができる3つの有効な状態で構成され得、3ビットデータは、3個のキャパシタに書き込むことができる4つの有効な状態で構成され得、4ビットデータは、4個のキャパシタに書き込むことができる5つの有効な状態で構成され得る。幾つかの実施形態によれば、データのN+1個の有効な状態のそれぞれは、ビット線時系列がプレート線時系列とは異なるときに発生する。一方、残りの状態は無効な状態である。幾つかの実施形態では、Nビットデータは、N個のキャパシタに書き込むことができない2
N−(N+1)個の無効な状態で構成される。例えば、2ビットデータは、1つの無効な状態で構成され得、3ビットデータは、4つの無効な状態で構成され得、4ビットデータは、11個の無効な状態で構成され得る。幾つかの実施形態によれば、データの2
N−(N+1)個の無効な状態のそれぞれは、ビット線時系列がプレート線時系列と同じであるときに発生する。
【0170】
図11Aに示すように、所与のプレート線時系列(例えば、
図10のプレート線コーディングPL[1:0])について、書き込みサイクル(T0、T1、T2、及びT3)におけるビット線時系列の順列を通じて、2つのキャパシタC01及びC00の2ビットデータは、キャパシタC01及びC00に書き込むことができる3つの状態(00、01、及び11)のみを有する(で構成される)3つの有効な状態は、標準バイアス電圧0V/Vddがプレート線信号及びビット線信号のそれぞれによって使用されると仮定すると、ビット線時系列がプレート線時系列とは異なるときに発生する。対照的に、ビット線系列がプレート線時系列と同じである2つの場合(例えば、PL1の場合は0011、PL0の場合は1001)、得られたデータの状態は無効になる(例えば、X1及び0X)。データの有効な状態(及び無効な状態)はデータビットの数N(キャパシタの数でもある)によって決定されるが、特定の有効な状態は、特定のプレート線時系列基づいて変化し得ることが理解される。即ち、データの有効な状態は、プレート線系列に基づいて決定することができる。例えば、
図11Aのデータの3つの有効な状態は00、01、及び11であるが、これらは、プレート線時系列が変化した場合に変化され得る。幾つかの実施形態では、プレート線時系列は、強誘電体メモリ装置の書き込み操作のための所与の値(例えば、予め設定されたプレート線コーディング)であるため、データの有効な状態及び特定の有効な状態の数も既知である。
【0171】
データの同じ有効な状態をもたらすことができる複数の候補ビット線時系列があり得ることもさらに理解される。例えば、
図11に示すように、有効な状態00は、2つの候補ビット線時系列(0000及び0001)によって達成することができ、有効な状態11は、3つの候補ビット線時系列(0111、1011、及び1111)によって達成することができる。その結果、幾つかの実施形態では、データの各有効な状態に対して、データの有効な状態をN個のキャパシタに書き込むために所与のビット線時系列を決定することができる(例えば、複数の候補ビット線時系列から選択される)。言い換えれば、ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に基づいて決定される。例えば、ビット線時系列は、N個のキャパシタに書き込まれたデータの有効な状態に対応する複数の候補ビット線時系列から選択することによって決定され得る。
図10に戻って、書き込みサイクルにおけるビット線信号BLの特定のビット線時系列は、この書き込みサイクルでキャパシタC01及びC00に書き込まれるデータの有効な状態に基づいて決定され、例えば、次の書き込みサイクルでデータの有効な状態が変化するときに変化する。データの同じ有効な状態が異なる書き込みサイクルで書き込まれる場合、これらの書き込みサイクルのそれぞれにおけるビット線信号BLのビット線時系列は同じままである
【0172】
プレート線信号のバイアス電圧を変更する(例えば、Vddより大きい)ことで、強誘電体メモリセルのN個のキャパシタに書き込むことができるマルチレベルのビットデータ有効な状態の数を増やすことができる。ビット線時系列がプレート線時系列と同じである場合、プレート線信号のバイアス電圧がVddのままのビット線信号よりも大きくなるため、得られたデータの状態は、強誘電体メモリセルの書き込み操作の性質のためにN個のキャパシタ(即ち、有効な状態になる)に書き込むことができる。
図12Bは、本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを書き込むための別の例示的な方法1201のフローチャートである。
図11Bは、本開示の幾つかの実施形態による、データの例示的な状態、ならびに対応するプレート線時系列及びビット線時系列を示す別のチャートである。
図11B及び12Bを一緒に説明する。方法1201は、
図12Aの1204のように0VとVddとの間でパルス化されたプレート線信号を印加する代わりに、1205において、0Vと強誘電体メモリセルのVddよりも大きいバイアス電圧との間でパルス化されたプレート線信号をプレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加することを除いて、方法1200と同様である。幾つかの実施形態では、バイアス電圧は、Vddの約4/3である。
【0173】
図12Bに示すように、方法1201は操作1207に進む。操作1207では、0VとVddとの間でパルス化されたビット線信号が、ビット線時系列に従ってビット線に印加されて、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。データは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。例えば、ビット線信号は、データの有効な状態(例えば、2つのビット)を選択された強誘電体メモリセル902の第1及び第2キャパシタC00及びC01に書き込むために、第1ビットプレート線BL[0]を介して周辺装置908のビット線駆動回路によってトランジスタ906のソース/ドレインに印加されてもよい。ビット線信号は、ビット線時系列に従って印加することができる。幾つかの実施形態では、ビット線信号と第1及び第2プレート線信号は、同じ書き込みサイクルで調和される(例えば、同期される)。ビット線信号のVddと比較して、プレート線信号への追加のバイアス電圧の結果として、幾つかの実施形態では、Nビットデータは、N個のキャパシタに書き込むことができる2
N個の有効な状態で構成される。言い換えれば、ビット線時系列がプレート線時系列と同じである場合でも、データのすべての状態は、有効な状態になる。例えば、2ビットデータは、2個のキャパシタに書き込むことができる4つの有効な状態で構成され得、3ビットデータは、3個のキャパシタに書き込むことができる8つの有効な状態で構成され得、4ビットデータは、4個のキャパシタに書き込むことができる16つの有効な状態で構成され得る。
【0174】
図11Bに示すように、所与のプレート線時系列(例えば、プレート線コーディングPL[1:0]が00、10、0.66/1.33である)は、書き込みサイクル(T1、T2、及びT3)で提供される。
図11Aに示される例とは異なる、T3のバイアス電圧は、PL1及びPL0について、それぞれ2/3Vdd及び4/3Vddであり、0及びVddではない。書き込みサイクル(T1、T2、及びT3)のビット線時系列の順列により、各強誘電体メモリセルにおける2つのキャパシタ(例えば、C01及びC00又はC11及びC10)のための2ビットデータは、2つのキャパシタに書き込むことができるすべての2
2(4)個の有効な状態(00、01、10、及び11)を有することができる。ビット線信号BL[0]及びBL[1]は、0VとVddとの間(例えば、0、1/3Vdd、又はVdd)でパルス化され、これは、プレート線信号がT3において4/3Vddでパルス化することができるため、T3におけるプレート線信号PL0及びPL1とは同じではない。
図11Bは、例えば、
図9に示すように、同じ2つのプレート線PL0及びPL1に電気的に接続された4つのキャパシタC00、C01、C10、及びC11を含む、同じ行にある2つの隣接する強誘電体メモリセルに対応する。2つの隣接する強誘電体メモリセルの書き込み操作は、妨害されない。2つの隣接する強誘電体メモリセルにおける4つのキャパシタC00、C01、C10、andC11に合計2
4(16)個の有効な状態を書き込むことができる。
【0175】
図13は、本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出す例示的なタイミング図を示す。
図14は、本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出すための例示的な方法1400のフローチャートである。
図13及び14に描かれている強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含むことができる。Nは、1より大きい正の整数である。幾つかの実施形態によると、トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。
図13及び14に描かれている強誘電体メモリセル(N=2)の例は、
図9に描かれている強誘電体メモリセル902、
図2に描かれている強誘電体メモリセル202、及び
図3に描かれている強誘電体メモリセル304及び306を含む。
図13及び14を一緒に説明する。方法1400に示される操作は網羅的ではなく、他の操作は、図示される操作のいずれかの前、後、又は間で実行できることを理解されたい。また、これらの操作の幾つかは、同時に、または
図14に示されるものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0176】
図13及び14に関して開示される読み出し操作は、複数の基準電圧を同時に検知に利用することによって高速の読み出し速度を有し、読み出し操作後の書き戻し操作によってデータのすべての状態を強化することによって長期的な妨害が少ないステップ検知方式を実施する。
図14を参照されたい。方法1400は操作1402で開始する。操作1402では、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加されて、強誘電体メモリセルが選択される。幾つかの実施形態では、ワード線信号は、Vddにトランジスタの閾値電圧を加えたものである。例えば、ワード線信号は、読み出し操作のために強誘電体メモリセル902を選択するために、第1ワード線WL[0]を介して周辺装置908のワード線駆動回路によってトランジスタ906のゲートに印加されて得る。
図13のタイミング図に示すように、全読み出しサイクル(t0からt3)を通して、高レベル(例えば、「1」)のワード線信号WLを印加し維持して、対応するワード線に電気的に接続された強誘電体メモリセルを選択することができる。幾つかの実施形態によれば、ワード線信号WLの高レベルは、Vddよりも大きい。
【0177】
図14に示すように、方法1400は操作1404に進む。操作1404では、0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号が、N本のプレート線のそれぞれに順番に印加される。一例では、バイアス電圧はVddである。別の例では、バイアス電圧は、Vddよりも大きく、Vddの4/3などである。
図13のタイミング図に示すように、読み出しサイクルの第1部分(t0からt1)において、低レベル(例えば、「0」)から高レベル(例えば、「1」)にパルス化された第1プレート線信号PL0は、第1プレート線に印加することができ、読み出しサイクルの第2部分(t1からt2)において、低レベル(例えば、「0」)から高レベル(例えば、「1」)にパルス化された第2プレート線信号PL1は、第2プレート線に印加することができる。幾つかの実施形態によれば、プレート線信号PLの高レベルは、Vdd以上である。幾つかの実施形態では、各プレート線信号は、読み出しサイクルにおいて、VからVdd又はVddの4/3に順に、N本のプレート線のそれぞれ1つにパルス化される。第1プレート線信号PL0は、読み出しサイクル(t1からt2)の第2部分において、高レベル(例えば、「1」)で維持することができる。幾つかの実施形態では、第1及び第2プレート線信号はそれぞれ、第1及び第2プレート線PL0及びPL1を介して周辺装置908のプレート線駆動回路によって印加することができる。
【0178】
バイアス電圧(例えば、Vdd又は4/3Vdd)のプレート線信号がN本のプレート線のそれぞれに印加された後、ビット線信号は、N個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態に基づいて、プレート線信号によって、N+1レベルの1つにプルアップすることができる。幾つかの実施形態では、ビット線信号が到達できるN+1レベルのそれぞれは、データのN+1個の有効な状態のそれぞれ1つに対応する。例えば、
図13に示すように、第2プレート線信号PL1が高レベルにパルス化されたt3で、ビット線信号BL[0]は、第1及び第2キャパシタC00及びC01に書き込んで格納することができる3つの有効な状態00、01、及び11のそれぞれ1つに対応する3つのレベルのいずれかにプルアップすることができる。
【0179】
図14に示すように、方法1400は操作1406に進む。操作1406では、バイアス電圧のプレート線信号がN本のプレート線のそれぞれに印加された後、N個のキャパシタから読み出されたビット線のビット線信号が同時にN個の基準電圧と比較されて、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態が決定される。バイアス電圧がVddである一例では、データは、N+1個の有効な状態で構成される。バイアス電圧がVddよりも大きく、Vddの4/3などである別の例では、データは、2
N個の有効な状態で構成される。
図13のタイミング図に示すように、読み出しサイクルの第3部分(t2からt3、即ち、検知周期)において、ビット線信号BL[0]は、第1及び第2キャパシタC00及びC01から同時に読み出され、そのレベルは、データの3つの有効な状態(例えば、00、10、及び11)から第1及び第2キャパシタC00及びC01に格納されたデータの有効な状態を決定するために、2つの基準電圧と同時に比較される。幾つかの実施形態によれば、有効な状態を比較によって3つの可能な有効な状態から区別するために、2つの基準電圧のうちの第1基準電圧は、ビット線信号の低レベルと中間レベルとの間にあり、2つの基準電圧のうちの第2基準電圧は、ビット線信号の中間レベルと高レベルとの間にある。第1及び第2プレート線信号PL0及びPL1は、検知周期中に低レベル(例えば、「0」)に戻ることができる。幾つかの実施形態では、ビット線信号は、ビット線BL(0)を介して周辺装置908によって読み出され、2つの基準電圧は、周辺装置908によって生成され、ビット線信号は、周辺装置908内の2つのセンスアンプを使用して、2つの基準電圧と同時に比較される。
【0180】
上記のように、N個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態の1つを決定するために、ステップ検知方式を適用して、N個のキャパシタから読み出されたビット線信号をN個の基準電圧と同時に比較して、データのN+1個の有効な状態を区別することができる。N個の基準電圧は、バイアス信号(例えば、Vdd)にパルス化されたN個のプレート線信号によって検知周期の開始時にビット線信号をプルアップすることができるN+1レベルに基づいて予め設定することができる。
【0181】
幾つかの実施形態では、ワード線信号及びプレート線信号は、ビット線信号が読み出されるのと同じ読み出しサイクルで印加される。幾つかの実施形態では、データの有効な状態が決定された後、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き戻される。データの有効な状態をN個のキャパシタに書き戻すために、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号は、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加することができ、0VとVddとの間でパルス化された別のビット線信号は、ビット線時系列に従ってビット線に印加することができ、それにより、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。例えば、
図13に示すように、読み出しサイクルの後(例えば、t3の後)、書き戻し期間において、データの有効な状態は、第1及び第2キャパシタC00及びC01に同時に書き戻されて、第1及び第2キャパシタC00及びC01へのデータの有効な状態の格納が強化される。書き戻し操作は、上記の書き込み操作と同じであり得るため、その詳細は繰り返されない。
【0182】
図15は、本開示の幾つかの実施形態による、複数のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出す別の例示的なタイミング図を示す。
図16は、本開示の幾つかの実施形態による、N個のキャパシタを有する強誘電体メモリセルを読み出すための別の例示的な方法1600のフローチャートである。
図15及び16に描かれている強誘電体メモリセルは、トランジスタ及びN個のキャパシタを含むことができる。Nは、1より大きい正の整数である。幾つかの実施形態によると、トランジスタは、ビット線及びワード線にそれぞれ電気的に接続され、N個のキャパシタのそれぞれは、N本のプレート線のそれぞれ1つに並列に電気的に接続される。
図15及び16に描かれている強誘電体メモリセルの例(ここで、N=2)は、
図9に描かれている強誘電体メモリセル902を含み、
図2に描かれている強誘電体メモリセル202は、
図3に描かれている強誘電体メモリセル304及び306を含む。
図15及び16を一緒に説明される。方法1600に示される操作は網羅的ではなく、他の操作も、図示された操作のいずれかの前、後、又は間で実行できることが理解される。また、これらの操作の幾つかは、同時に、または
図16に示されるものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0183】
図15及び16で説明された読み出し操作は、パルス化されたプレート線信号を利用することによって逆結合効果を有さないパルス検知方式を実施する。
図16を参照されたい。方法1600は操作1602で開始する。操作1602では、Vddよりも大きいワード線信号がワード線に印加されて、強誘電体メモリセルが選択される。幾つかの実施形態では、ワード線信号は、Vddにトランジスタの閾値電圧を加えたものである。例えば、ワード線信号は、読み出し操作のために強誘電体メモリセル902を選択するために、第1ワード線WL[0]を介して周辺装置908のワード線駆動回路によってトランジスタ906のゲートに印加されて得る。
図15のタイミング図に示すように、全読み出しサイクル(t0〜t6)を通して、高レベル(例えば、「1」)のワード線信号WLは、対応するワード線に電気的に接続された強誘電体メモリセルを選択するために、印加して維持することができる。幾つかの実施形態によれば、ワード線信号WLの高レベルは、Vddよりも大きい。
【0184】
図16に示すように、方法1600は操作1604に進む。操作1604では、0Vからバイアス電圧にパルス化されたプレート線信号が、N本のプレート線のそれぞれに順番に印加される。一例では、バイアス電圧はVddである。別の例では、バイアス電圧は、Vddよりも大きく、Vddの4/3などである。
図16に示すように、方法1600は操作1606に進む。操作1606では、バイアス電圧のプレート線信号のそれぞれがN本のプレート線のそれぞれ1つに印加された後、N個のキャパシタのそれぞれ1つから読み出されたビット線のそれぞれのビット線信号が基準電圧と比較されて、データの複数の有効な状態からN個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態が決定される。バイアス電圧がVddである一例では、データは、N+1個の有効な状態で構成される。バイアス電圧がVddよりも大きく、Vddの4/3などである別の例では、データは、2
N個の有効な状態で構成される。
【0185】
図15のタイミング図に示すように、読み出しサイクルの第1部分(t0からt1)において、低レベル(例えば、「0」)から高レベル(例えば、「1」)にパルス化された第1プレート線信号PL0は、第1プレート線に印加することができ、低レベル(例えば、「0」)の第2プレート線信号PL1は、第2プレート線に印加することができる。高レベル(例えば、「1」)の第1プレート線信号PL0が第1プレート線に印加された後、読み出しサイクルの第2部分(t1〜t2、即ち、第1検知周期)において、第1キャパシタC00から読み出された第1ビット線信号BL[0]は、第1キャパシタC00に格納されたデータの有効な状態の第1ビットを決定するために、第1基準電圧と比較することができる。第1検知周期において、第1プレート線信号PL0は、高レベル(例えば、「1」)で維持することができ、第2プレート線信号PL1は、低レベル(例えば、「0」)で維持することができる。第1基準電圧は、t1の第1ビット線信号の低レベルと高レベルとの間にあり得る。
【0186】
同じ操作を繰り返して、第2キャパシタC1に格納されたデータの有効な状態の第2ビットを読み出すことができる。例えば、第1検知周期の後、及び読み出しサイクルの第4部分(t3〜t4)において、低レベル(例えば、「0」)から高レベル(例えば、「1」)にパルス化された第2プレート線信号PL1は、第2プレート線に印加することができ、低レベル(例えば、「0」)の第1プレート線信号PL0は、第1プレート線に印加することができる。高レベル(例えば、「1」)の第2プレート線信号PL1が第2プレート線に印加された後、読み出しサイクルの第5部分(t4〜t5、即ち、第2検知周期)において、第2キャパシタC1から読み出された第2ビット線信号BL[0]は、第2キャパシタC01に格納されたデータの有効な状態の第2ビットを決定するために、第2基準電圧と比較することができる。第2検知周期において、第2プレート線信号PL1は、高レベル(例えば、「1」)で維持することができ、第1プレート線信号PL0は、低レベル(例えば、「0」)で維持することができる。第2基準電圧は、t4の第2ビット線信号の低レベルと高レベルとの間にあり得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2プレート線信号はそれぞれ、第1及び第2プレート線PL0及びPL1を介して周辺装置908のプレート線駆動回路によって印加することができる。幾つかの実施形態では、ビット線信号は、第1ビット線BL(0)を介して周辺装置908によって読み出され、第1及び第2基準電圧は、周辺装置908によって生成され、ビット線信号のそれぞれは、周辺装置908内の1つのセンスアンプを使用して、基準電圧のそれぞれ1つと順に比較される。幾つかの実施形態では、第1基準電圧は、第2基準電圧と同じである。
【0187】
上記のように、N個のキャパシタに格納されたデータの有効な状態の1つを決定するために、パルス検知方式を適用して、N個のキャパシタのそれぞれ1つから読み出された各ビット線信号をN個の基準電圧のそれぞれ1つと順に比較して、データのN+1個の有効な状態を区別することができる。N個の基準電圧のそれぞれは、バイアス信号(例えば、Vdd)にパルス化されたN個のプレート線信号によって、それぞれの検知周期の開始時にそれぞれのビット線信号をプルアップすることができる低レベル及び高レベルに基づいて予め設定することができる。幾つかの実施形態では、N個の基準電圧は同じである。
【0188】
幾つかの実施形態では、データの有効な状態が決定された後、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き戻される。データの有効な状態をN個のキャパシタに書き戻すために、0Vとバイアス電圧との間でパルス化された別のプレート線信号は、プレート線時系列に従ってN本のプレート線のそれぞれに印加することができ、0VとVddとの間でパルス化された別のビット線信号は、ビット線時系列に従ってビット線に印加することができ、それにより、データの有効な状態がN個のキャパシタに書き込まれる。例えば、
図15に示すように、読み出しサイクルの後(例えば、t6の後)、書き戻し期間において、データの有効な状態は、第1及び第2キャパシタC00及びC01に同時に書き戻されて、第1及び第2キャパシタC00及びC01へのデータの有効な状態の格納が強化される。書き戻し操作は、上記で詳細に説明した書き込み操作と実質的に類似し、その詳細は繰り返さない。
【0189】
特定の実施形態の前述の説明は、他の者が、当業者の知識を適用することによって、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、過度の実験を行うことなく、このような特定の実施形態を容易に修正及び/又は種々の用途に適応させることができるように、本開示の一般的な性質を十分に明らかにする。従って、そのような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及びガイダンスに基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあるように意図される。本明細書の術語又は用語は、本明細書の用語又は術語が教示及びガイダンスに照らして当業者によって解釈されるように、説明のためのものであって、限定のためのものではないことを理解されたい。
【0190】
本開示の実施形態は、特定の機能及びその関係の実装を示す機能的ビルディングブロックを用いて上述されている。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜のために本明細書において任意に定義されている。代替境界は、特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、定義することができる。
【0191】
発明の概要及び要約のセクションは、発明者によって企図される本開示の1つ以上の例示的な実施形態を記載するが、本開示及び添付の特許請求の範囲を限定することを意図しない。
【0192】
本開示の幅及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】