(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本開示は、第1の期間中、アンライセンス無線セルを介して基地局によって送信されたチャネル占有信号を対象として、アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタするユーザ機器(UE)に関する。チャネル占有信号は、基地局がダウンリンクチャネルを占有していることを示す。UEは、第1の期間中に、基地局からチャネル占有信号を受信し、受信されたチャネル占有信号に基づいて、基地局がダウンリンクチャネルを占有していると判定する。基地局がダウンリンクチャネルを占有していると判定した後、UEは、第2の期間中、ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を対象として、ダウンリンクチャネルをモニタする。UEは、第2の期間中に、ダウンリンク制御情報を受信し、次いで、受信されたダウンリンク制御情報に基づいて、基地局からダウンリンク送信を受信する。
前記第1の期間中に前記チャネル占有信号が受信されない場合、前記ユーザ機器は、前記第1の期間が終わると始まるスリープ期間中、前記チャネル占有信号および前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がなく、
オプションとして、前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信されない場合、前記ユーザ機器は、前記第2の期間が終わると始まるスリープ期間中、前記チャネル占有信号および前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない、
請求項1に記載のユーザ機器。
前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信されない場合、前記受信機は、動作中、次の長DRXサイクルが始まるときに始まる別の第1の期間中、前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタし、
前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信された場合、前記受信機は、動作中、残りの前記長DRXサイクル内で次の1つ以上の短DRXサイクルが始まるときに追加的に始まる別の第1の期間中、前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする、
請求項1ないし4のうちのいずれか1項に記載のユーザ機器。
前記受信機は、動作中、前記ユーザ機器が前記ダウンリンク制御情報を対象として前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない、前記第2の期間内の期間に関する追加の情報を受信し、
オプションとして、前記追加の情報は、前記基地局から前記チャネル占有信号と一緒に受信され、
オプションとして、前記追加の情報は、時分割に基づく通信における、前記基地局からのダウンリンク通信が予測されないアップリンク期間を示す、
請求項9に記載のユーザ機器。
前記処理回路は、動作中、前記ユーザ機器が、第1の期間中、前記基地局によって送信された前記チャネル占有信号を対象として、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルをモニタしているかどうかを判定し、
オプションとして、前記処理回路は、動作中、前記ユーザ機器が、第2の期間中、ダウンリンク制御情報を対象として、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルをモニタしているかどうかを判定し、
オプションとして、前記ユーザ機器が、第2の期間中、前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタしていると判定すると、前記送信機は、前記第2の期間中に、前記ダウンリンク制御情報を前記ユーザ機器に送信する、
請求項11に記載の基地局。
ユーザ機器が、第1の期間中、移動通信システムのアンライセンス無線セルを介して前記ユーザ機器と通信する基地局によって送信されたチャネル占有信号であって、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを占有していることを示す前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタするステップと、
前記ユーザ機器が、前記第1の期間中に、前記基地局から前記チャネル占有信号を受信するステップと、
前記ユーザ機器が、受信された前記チャネル占有信号に基づいて、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定するステップと、
前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定した後、前記ユーザ機器が、第2の期間中、前記ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタするステップと、
前記ユーザ機器が、前記第2の期間中に、前記ダウンリンク制御情報を受信し、次いで、受信された前記ダウンリンク制御情報に基づいて、前記基地局から前記ダウンリンク送信を受信するステップと、
を含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[本開示の基礎]
[5G NRシステムのアーキテクチャおよびプロトコルスタック]
背景技術のセクションにおいて提示されたように、3GPPは、最大100GHzの周波数範囲で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む、第5世代のセルラー技術(簡潔に5Gと呼ばれる)についての次のリリースに取り組んでいる。3GPPは、緊急の市場ニーズおよびより長期的な要件の両方を適時に満たすNRシステムを成功裏に標準化するために必要な技術要素を特定して開発しなければならない。これを達成するために、検討項目「New Radio Access Technology(新しい無線アクセス技術)」では、無線インタフェースおよび無線ネットワークアーキテクチャを進化・発展させることが考慮されている。結果および合意事項は、非特許文献2(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)にまとめられている。
【0019】
とりわけ、システムアーキテクチャ全体に関して暫定的な合意がなされた。NG−RAN(次世代−無線アクセスネットワーク)はgNBを含み、これは、UEに向かうNG−無線アクセスユーザプレーンプロトコル(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)および制御プレーンプロトコル(RRC)を終端させる。gNBは、Xnインタフェースによって互いと相互接続される。gNBはまた、次世代(NG:Next Generation)インタフェースによってNGC(次世代コア:Next Generation Core)に接続され、より具体的には、NG−CインタフェースによってAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能:Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に接続され、NG−UインタフェースによってUPF(ユーザプレーン機能:User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)に接続される。NG−RANアーキテクチャは、非特許文献3の第4節(参照により本明細書に組み込まれる)に基づいて
図1に示されている。
【0020】
例えば非特許文献4(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に反映されているように、現在、さまざまな異なる配置シナリオが、サポートされるように検討されている。この文献には、例えば、非中央集中型の配置シナリオ(非特許文献4の第5.2節)(中央集中型の配置は第5.4節に示されている)が提示されており、このシナリオでは、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。
図2は、例示的な非中央集中型の配置シナリオを示しており、非特許文献4の
図5.2.−1に基づいているが、LTE eNBおよびユーザ機器(UE:user equipment)をさらに示しており、UEは、gNBおよびLTE eNBの両方に接続される。NR 5Gのための新しいeNBは、gNBと例示的に呼ばれることがある。eLTE eNB(非特許文献4に例示的に定義されている)は、eNBの進化型であり、EPC(進化型パケットコア(Evolved Packet Core))およびNGC(次世代コア)への接続をサポートする。
【0021】
NRにおけるユーザプレーンプロトコルスタックは、現在、非特許文献3の第4.4.1節に定義されている。PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル:Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤ、RLC(無線リンク制御:Radio Link Control)サブレイヤ、およびMAC(媒体アクセス制御:Medium Access Control)サブレイヤは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。加えて、非特許文献3の第6.5節に記載されているように、PDCPの上に、新しいアクセス層(AS)サブレイヤ(サービスデータアダプテーションプロトコル(SDAP:Service Data Adaptation Protocol))が導入される。NRにおける制御プレーンプロトコルスタックは、非特許文献3の第4.4.2節に定義されている。レイヤ2機能の概要は、非特許文献3の第6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、それぞれ非特許文献3の第6.4節、第6.3節、および第6.2節にリストされている。RRCレイヤの機能は、非特許文献3の第7節にリストされている。非特許文献3の上に挙げた節は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
5Gシステムについて例示的に想定されている新しいNRレイヤは、LTE(−A)通信システムにおいて現在使用されているユーザプレーンレイヤ構造に基づきうる。
【0023】
非特許文献1に記載されているように、NRのユースケース/配置シナリオには、高度モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)が含まれ、これらは、データレート、遅延、およびカバレッジに関する多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT−Advancedによって提供される値の3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクでは20Gbps、アップリンクでは10Gbps)およびユーザ側で実感されるデータレートをサポートすることが期待される。一方、URLLCの場合には、より厳しい要件として、超低遅延(ユーザプレーン遅延についてはアップリンクおよびダウンリンクそれぞれで0.5ms)および高信頼性(1ms以内で1−10
−5)が課せられる。最後に、mMTCは、高接続密度(都市環境では1km
2あたり1,000,000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、デバイスコストを下げるための極めて長寿命(15年)のバッテリを必要とする。
【0024】
したがって、あるユースケースに適したOFDMニューメロロジー(例えば、サブキャリア間隔、OFDMシンボル期間、サイクリックプレフィックス(CP)期間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)が、別のユースケースではうまく機能しないことがある。例えば、低遅延サービスは、mMTCサービスよりも短いシンボル期間(したがってより大きいサブキャリア間隔)、および/または、少ないスケジューリング間隔(TTIとも称される)あたりの少ないシンボル、を必要とすることがある。さらには、大きいチャネル遅延拡散を伴う配置シナリオは、短い遅延拡散を伴うシナリオよりも長いCP期間を必要とする。同様のCPオーバーヘッドを保つために、それに応じてサブキャリア間隔は最適化されるべきである。3GPP RAN1#84bis会合(2016年4月、釜山)において、NRではサブキャリア間隔の2つ以上の値をサポートする必要があることが合意された。したがって、現在のところ、15kHz、30kHz、60kHz、...というサブキャリア間隔が検討されている。シンボル期間T
uおよびサブキャリア間隔Δfは、式Δf=1/T
uを通じて、直接的に関係している。LTEシステムの場合と同様に、1OFDM/SC−FDMAシンボルの長さに対する1サブキャリアから構成される最小リソース単位を表すのに、用語「リソースエレメント」を使用することができる。
【0025】
新しい無線システム5G−NRでは、各ニューメロロジーおよびキャリアについて、サブキャリアおよびOFDMシンボルからなるリソースグリッドが、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれにおいて定義される。リソースグリッド内の各エレメントは、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて特定される。非特許文献5(参照により本明細書に組み込まれる)から明らかであるように、いくつかの定義はすでに実現されている。
【0026】
[制御シグナリング/PDCCH/DCI/サーチスペース]
5G NRにおけるDCI(ダウンリンク制御情報)の主たる目的は、LTEにおけるDCIと同じであり、すなわち、ダウンリンクデータチャネル(例えばPDSCH)またはアップリンクデータチャネル(例えばPUSCH)をスケジューリングする特別な情報セットである。5G NRには、非特許文献6の第7.3.1節(参照により本明細書に組み込まれる)から明らかであるように、複数の異なるDCIフォーマットがすでに定義されている。以下の表は、そこから得られたものである。
【表1】
【0027】
異なるDCIフォーマットに関するより詳細な情報は、上に引用した非特許文献6から得ることができる。
【0028】
PDCCHサーチスペースは、PDCCH(DCI)を運ぶことができる、ダウンリンクリソースグリッド(時間−周波数リソース)内の領域である。UEは、これらのサーチスペースにわたりブラインド復号を実行して、PDCCHデータ(すなわちDCI)の検出を試みる。5G NRにおけるサーチスペースのコンセプトは、高いレベルではLTEのサーチスペースに似ているが、詳細に関しては多くの違いが存在する。
【0029】
UEは、PDCCH(DCI)を復号するために、例えば、位置(CCEインデックス)、構造(アグリゲーションレベル、インターリービングなど)、およびスクランブリングコード(RNTI)などの正確な値を認識する。しかしながら、これらの情報は、通常は、UEに事前に通知されず、ほとんどの場合、これらの値は動的に変化する。唯一UEに知られるのは、PDCCH(DCI)を運ぶ可能性がある特定の範囲に関する情報である。UEは、この特定の範囲に関する情報について、事前定義されたルールまたはシグナリングメッセージによって認識する。UEは、この範囲内で、試行錯誤法に基づき、多くの異なる種類のパラメータ(CCEインデックス、アグリゲーションレベル、RNTI)を用いてPDCCH/DCIの復号を試みなければならない。この復号方法は「ブラインド復号」と呼ばれる。UEがブラインド復号を実行する事前定義される領域は、「サーチスペース」と呼ばれる。
【0030】
「UE固有サーチスペース」および「共通サーチスペース」と呼ばれる2種類のサーチスペースが存在する。UE固有サーチスペースは、例えばRRCシグナリングメッセージを介してUEに通知される。これに応じて、UEは、RRCの確立を実行し、UE固有サーチスペースに関する情報を取得する。しかしながら、UEが、RRCの確立を完了する前であっても、何らかのPDCCHを復号することを容易にするために、例えば、UEは、RACHプロセス中にSIB1を受信するためのPDCCHまたはさまざまなDCI(PDCCH)を検出することができる(例えば、メッセージ2/メッセージ4を受信するためのDCI)。この種類の状況および他の状況においては、ネットワーク(gNB)は、(RRCシグナリングを介さずに、)例えば事前定義されるアルゴリズムによってUEが認識できる特別な領域において、PDCCHを送信する。この特別な領域は、共通サーチスペースと呼ばれ、したがって、すべてのUEによって取得することができる。
【0031】
サーチスペースおよびPDCCHを使用して制御情報を受信するためのUEの手順は、非特許文献7の第10節(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。この第10節から明らかであるように、以下の表に例示的にリストされている複数の異なるサーチスペースタイプが存在する。
【表2】
【0032】
RNTI(無線ネットワーク一時識別子(Radio Network Temporary Identifier)を表す)は、識別番号であり、基本的に、LTEからすでに知られているコンセプトと同じコンセプトに依拠する。上の表から明らかであるように、5G−NR通信システムにおいて異なる目的に使用することのできる複数の異なるRNTIが存在する。異なるDCI(すなわち異なるフォーマットのDCI)は、一般に異なるRNTIでスクランブルされる(より具体的にはDCIのCRC部分)。例えば、P−RNTI(ページングRNTI(Paging RNTI))は、ページングメッセージに使用される。SI−RNTI(システム情報RNTI(System Information RNTI))は、SIB(システム情報ブロックメッセージ)の送信に使用される。SFI−RNTI(スロットフォーマットインジケータRNTI(Slot-Format-Indicator-RNTI))は、スロット内のOFDMシンボルがダウンリンクシンボルであるかアップリンクシンボルであるかフレキシブルシンボルであるかをUEに通知するために、DCIフォーマット2_0と組み合わせて使用される。INT−RNTI(中断送信指示RNTI(Interrupted Transmission Indication-RNTI))は、UEがこのUEを対象としている送信が存在しないと想定できるPRBまたはOFDMシンボルをUEに通知するために、DCIフォーマット2_1と組み合わせて使用される。C−RNTI(セルRNTI(Cell RNTI))は、一般に特定のUEへの送信に使用される。CS−RNTI(設定済みスケジューリングRNTI(Configured Scheduling RNTI))は、設定されたスケジューリングリソース割当ての一部として5Gにおいて使用され、これにより、RRCは、CS−RNTIを使用してCSグラントの周期を定義することが可能になり、したがって、RRCによって定義された周期に従ってリソースを暗黙的に再使用することができる。5G NRにおいて現在までに定義されている複数の異なるRNTIに関する概要およびさらなる情報は、非特許文献6(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)において見つけることができる。とりわけ、以下の表は、この文献から得られたものである。
【表3】
【0033】
[ライセンス補助アクセス(LAA)および拡張LAA(eLAA)]
LTEをアンライセンスバンドに拡張する理由は、ライセンスバンドの量が限られていることに加えて、無線ブロードバンドデータの需要がますます成長しているためである。したがって、アンライセンス周波数帯は、セルラーオペレーターが自身のサービス提供を拡大するための補助的なツールとみなす傾向が強まっている。Wi−Fi(登録商標)などの他の無線アクセス技術(RAT)に依拠することと比較した、アンライセンスバンドにおけるLTEの利点は、アンライセンス周波数帯へのアクセスを伴うLTEプラットフォームを補足することによって、オペレーターおよびベンダーが、無線・コアネットワークにおけるLTE/EPCハードウェアの既存の投資および今後の投資を活用できることである。
【0034】
しかしながら、アンライセンス周波数帯へのアクセスは、必然的にアンライセンス周波数帯におけるWi−Fi(登録商標)などの他の無線アクセス技術(RAT)と共存することになるため、ライセンス周波数帯へのアクセスの品質には絶対に匹敵し得ないことを考慮しなければならない。したがって、アンライセンスバンドでのLTEの運用は、少なくとも最初は、アンライセンス周波数帯でのスタンドアロン運用ではなく、ライセンス周波数帯でのLTEの補足とみなされていた。この想定に基づき、3GPPは、少なくとも1つのライセンスバンドと併用してアンライセンスバンドでLTEを運用することに対して、ライセンス補助アクセス(LAA:Licensed Assisted Access)という用語を確立した。ただし、将来におけるアンライセンス周波数帯でのLTEのスタンドアロン運用(すなわちライセンスセルによって補助されない)が排除されるものではなく、現在では、後述するように5G NRにおいてスタンドアロン運用が予測されている。
【0035】
3GPPにおいて現在意図されている一般的なLAA手法は、すでに策定されているリリース12のキャリアアグリゲーション(CA)のフレームワークを最大限に利用することであり、ここで、CAのフレームワークの構成は、前述したように、いわゆるプライマリセル(PCell)キャリアと1つ以上のセカンダリセル(SCell)キャリアとを含む。CAは、一般的に、セルの自己スケジューリング(スケジューリング情報とユーザデータとが同じコンポーネントキャリアで送信される)、および、セル間のクロスキャリアスケジューリング(PDCCH/EPDCCHに関するスケジューリング情報とPDSCH/PUSCHに関するユーザデータとが異なるコンポーネントキャリアで送信される)の両方をサポートする。
【0036】
図3は、非常に基本的なシナリオを示しており、ライセンスPCellと、ライセンスSCell 1と、さまざまなアンライセンスSCell 2、3、および4(例示的にスモールセルとして描かれている)と、が存在する。アンライセンスSCell 2、3、および4の送信/受信ネットワークノードは、eNBによって管理されるリモート無線ヘッドであってもよいし、または、ネットワークにアタッチされるがeNBによって管理されないノードであってもよい。簡潔さのため、これらのノードからeNBまたはネットワークへの接続は、この図において明示的には示されていない。
【0037】
現在、LTEを対象に3GPPで想定されている基本的なアプローチは、PCellがライセンスバンドで運用され、その一方で、1つ以上のSCellがアンライセンスバンドで運用されることである。この方式の利点は、制御メッセージと、高いサービス品質(QoS)が求められるユーザデータ(例えば音声および映像など)と、を高い信頼性で送信するためにPCellを使用することができることであるが、その一方で、アンライセンス周波数帯におけるSCellは、必然的に他のRATと共存するため、シナリオによって程度は異なるが、QoSの大幅な低下をもたらすことがある。
【0038】
LAAは、5GHzのアンライセンスバンドにフォーカスすることが合意された。したがって、最も重要な課題の1つは、これらのアンライセンスバンドで動作するWi−Fi(登録商標)(IEEE802.11)システムとの共存である。LTEとWi−Fi(登録商標)などの他の技術との間の公正な共存をサポートするとともに、同じアンライセンスバンドにおける複数の異なるLTEオペレーター間の公正性を保証する目的で、アンライセンスバンドにおけるLTEのチャネルアクセスは、地理的領域および特定の周波数帯に応じて部分的に異なる可能性がある特定の規制のセットに従わなければならない。5GHzのアンライセンスバンドで運用する場合の、すべての領域における規制要件の包括的な説明は、非特許文献8に記載されている。LAA手順を設計するときに考慮しなければならない規制要件は、領域および周波数帯によって異なるが、動的周波数選択(DFS:Dynamic Frequency Selection)、送信電力制御(TPC:Transmit Power Control)、リッスンビフォアトーク(LBT:Listen Before Talk)、限られた最大送信時間長(チャネル占有時間またはチャネル取得時間とも称される)を有する不連続送信を含む。3GPPの意図は、LAAについてのグローバルな単一の枠組みを目標とすることであり、このことは、基本的には、システムを設計する場合、異なる領域および5GHz帯域に関するすべての要件を考慮しなければならないことを意味する。
【0039】
装置がチャネルを使用する前に空きチャネル判定(CCA)チェックを適用するためのメカニズムとして、リッスンビフォアトーク(LBT)手順が定義されている。CCAは、少なくともエネルギー検出を利用して、アンライセンスチャネルにおいて他の信号が存在していることまたは存在していないことを判定し、チャネルが占有されているか空いているかを判定する。例えば欧州および日本の規制は、アンライセンスバンドにおいてLBTを用いることを必要とする。LBTを介したこのキャリア検知は、規制要件とは別に、アンライセンス周波数帯を公正に共有するための1つの方法であり、したがって、LBTは、1つのグローバルな解決策の枠組みの中でのアンライセンス周波数帯における公正かつフレンドリーな運用のために不可欠な機能であると考えられる。
【0040】
アンライセンス周波数帯では、チャネルの利用可能性をつねに保証できるわけではない。加えて、欧州および日本などの特定の領域は、連続的な送信を禁止しており、アンライセンス周波数帯における送信バーストの最大持続時間に対して制限を課している(最大チャネル占有期間)。したがって、送信の最大持続時間が限られた不連続送信は、LAAにおいて必須の機能である。
【0041】
LBTに関するこの欧州の規制に従って、装置は、無線チャネルをデータ送信によって占有する前に、空きチャネル判定(CCA)を実行しなければならない。例えばエネルギー検出に基づいて、チャネルを、空いているものとして検出した後にのみ、アンライセンスチャネルにおける送信を開始することが許可される。装置は、特に、CCA中、特定の最小時間(例えば、欧州では20μs、非特許文献9の第4.8.3節を参照されたい)にわたりチャネルを監視しなければならない。検出されたエネルギーレベルが、設定されているCCA閾値(例えば、欧州では−73dBm/MHz、非特許文献9の第4.8.3節を参照されたい)を超える場合、チャネルは占有されているとみなされ、逆に、検出された電力レベルが、設定されているCCA閾値より低い場合、チャネルは空いているとみなされる。チャネルが占有されていると判定された場合、次の固定フレーム期間(Fixed Frame Period)の間、装置はそのチャネルにおいて送信しない。チャネルが空いているものと分類された場合、装置はただちに送信することが許可される。送信の最大持続時間は、同じ帯域で動作する他の装置との公正なリソース共有を促進する目的で、制限される。
【0042】
CCAは、繰り返し実行されてよく、オプションとして間にバックオフ時間をはさむ。
【0043】
CCAにおけるエネルギー検出は、チャネル帯域幅全体(例えば、5GHzのアンライセンスバンドにおいて20MHz)にわたり実行されてよく、このことは、そのチャネル内のLTE OFDMシンボルのすべてのサブキャリアの受信電力レベルが、CCAを実行した装置における評価されるエネルギーレベルに寄与することを意味する。
【0044】
上述したCCAに加えて、非特許文献9の第4.9.2.2節(参照により本明細書に組み込まれる)によれば、装置が負荷ベース装置(LBE:Load Based Equipment)として分類される場合、追加の拡張CCA(ECCA)を適用するように要求されることがある。ECCAは、CCA監視タイムスロットにランダム係数Nを乗じた持続時間にわたる追加のCCA監視時間を含む。Nは、送信を開始する前に監視しなければならない合計アイドル期間をもたらす空きアイドルスロット(clear idle slot)の数を規定する。
【0045】
さらに、装置が、所与のキャリアの利用可能性を再評価すること(すなわちLBT/CCA)なく、そのキャリアでの送信を有する合計時間は、チャネル占有時間(Channel Occupancy Time)と定義されている(非特許文献9の第4.8.3.1節を参照されたい)。チャネル占有時間は、1ms〜10msの範囲内であり、最大チャネル占有時間は、欧州において現在定義されているように例えば4msとすることができる。さらに、アンライセンスセルにおいて送信した後にUEに送信が許可されない最小アイドル時間も存在し、最小アイドル時間は、チャネル占有時間の少なくとも5%である。UEは、アイドル期間が終わる前に、例えば新たなCCAを実行することができる。この送信挙動が、
図4に概略的に示されている。この図は、非特許文献9から得られたものである(この文献内の
図2:「Example of timing for Frame Based Equipment」)。
【0046】
図5は、特定の周波数帯域(アンライセンスセル)におけるWi−Fi(登録商標)送信とLAA UE送信との間のタイミングを示している。
図5から理解できるように、Wi−Fi(登録商標)バーストの後、CCAギャップは、eNBが、例えば予約信号を送信することによってアンライセンスセルを次のサブフレーム境界まで「予約する」前であると想定される。次に、実際のLAA DLバーストが開始される。これは、LTE UEにも同様に適用され、LTE UEは、CCAを成功裏に実行した後、予約信号を送信することによってサブフレームを予約し、次に、実際のLAA ULバーストを開始する。
【0047】
上述したように、LAAは、データレートを高めるためにeNBによるダウンリンクのみの動作を許可する。拡張ライセンス補助アクセス(eLAA)は、3GPPリリース14の一部であり、とりわけ、UEがアップリンク方向にデータを送信するためにアンライセンスバンドにどのようにアクセスできるかを追加的に定義している。したがって、LAAとの1つの大きな違いは、アップリンク送信をどのように処理するかである。概して、LTEにおけるすべてのアップリンク送信は、スケジューリングされ、したがって、サービングLTE基地局(eNB)の制御下にある。このことは、装置間のチャネル競合に影響を及ぼすため、ダウンリンク動作に対してLAAにおいて定義されていた必要なLBT(リッスンビフォアトーク)方式が、アップリンク方向において機能するように適応させられる必要がある。例示的に、プライマリセル(PCell)がつねにライセンス周波数帯域に位置しており、一方で、セカンダリセル(SCell)がアンライセンス周波数帯域に位置していると例示的に想定する。
【0048】
アンライセンスバンドの使用も、新しい5G−NR開発における1つの課題になるであろう。ベースラインとしてNRライセンス設計を使用することが決定されたのは最近であり、以下のようなさらなる展開シナリオが検討される。
・LTE LAAに類似する、NRライセンスセル(例えばPCell)とNRアンライセンスセル(例えばSCell)との間のキャリアアグリゲーション
・(LTEおよびNRとの)デュアルコネクティビティ;ENU−DCでは、マスタeNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する;NNU−DCでは、マスタNBがライセンス周波数帯で動作し、セカンダリgNBがアンライセンス周波数帯で動作する
・スタンドアロン(SA):NR−U SAでは、スタンドアロンNR PCellがアンライセンス周波数帯で動作する
・ダウンリンクがアンライセンスバンドであり、アップリンクがライセンスバンドであるNR無線セル
【0049】
NRでは、アンライセンスキャリアに対してリッスンビフォアトークが実行される。特に、送信側エンティティがLBTを実行し、空きチャネル判定(CCA)に成功した後にチャネル占有が許可される。
【0050】
上に挙げたスタンドアロンシナリオは、特に課題を伴うものである。なぜならば、ネットワーク(gNB)が、ライセンスキャリア(LTEにおけるライセンスPCellキャリアなど)にまったく依拠することなくUEと通信するからである。UEへの唯一のチャネルは、アクセスするのにLBTに成功する必要があるアンライセンスチャネルである。
【0051】
[同期信号ブロック測定タイミング設定(SMTC):PSS/SSS,PBCH]
NRは、いわゆる同期信号ブロック(SSブロック(SSB))を導入しており、SSBは、プライマリ同期信号(PSS)、セカンダリ同期信号(SSS)、および物理報知チャネル(PBCH)を含む。LTEでも、これら3つの信号PSS、SSS、およびPBCHが使用されたが、1つのSSBの一部としてではない。NRでは、SSBのこれら3つの構成要素が常に一緒に送信され、例えば、これらは同じ周期を有する。所与のSSBは、SSバーストセット内で繰り返されてもよく、SSバーストセットは、gNBビームスウィーピング送信に使用できる可能性がある。SSバーストセットは、特定の期間(5msのウインドウなど)に制限されてもよい。初期セル選択では、UEは、20msという、SSバーストセットのデフォルト周期を想定することができる。
【0052】
1つ以上のSSBが、SSバーストセットを構成する。SSバーストセット内のSSBの最大数とSSBマッピングパターンと無線フレームにおけるスロットに対するSSバーストセットのマッピングとを含むSSバーストセット構成は、キャリア周波数に依存しうる。UEが無線リソース管理(RRM)測定における電力消費および複雑さを低減することを支援するために、SSバーストセット内でのSSBの送信は、SSバーストセット構成にかかわらず、5msのウインドウに制限される。SSバーストセット内のSSBの最大数は、例えば、特定の周波数範囲(例えば、4GHzまで)については4である、または、3〜6GHzについては8である、または、5〜52.6GHzについては64である。さらに、実際に送信されるSSBの数は、この最大数未満であってよい。
【0053】
実際に送信されるSSBの(1つ以上の)位置は、UEに報告されてもよい。例えば、複数の異なるSSBマッピングパターンが提供されてもよく、この場合、いくつかのシンボルは、スロットの先頭においてDL制御のために保持され、いくつかのシンボルは、UL/DL切替えを可能にするようにガード期間およびアップリンク制御のために保持される。
【0054】
SSバーストの最小期間である5msが考慮される場合、報知チャネル(BCH)の送信時間間隔(TTI)の更新期間である80ms内には、SSバーストセットの16個の可能な位置が存在する。SSバーストセットの16個の可能な位置は、システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)の最下位ビット(LSB)から上位に3ビットおよび1ビットの半無線フレームインデックス(half radio frame index)によって識別することができる。SSBは、SSバーストセット内で繰り返されることが知られている。UEは、SSBを検出すると、そのPBCHからタイミング情報を取得し、このタイミング情報から、無線フレーム番号と無線フレーム内のスロットインデックスとスロット内のOFDMシンボルインデックスとを識別することができる。
【0055】
測定タイミング設定(すなわち、UEがSSBを測定するタイミング機会)を設定するために使用されるSSB−MTC情報要素(IE)を定義する3GPP技術規格である非特許文献10の例えば第6.3.2節には、いくつかの定義がすでに提供されている。
【0056】
SSB−MTC IEは、測定タイミング設定(すなわち、UEがSSBを測定するタイミング機会)を設定するために使用される。SMTC(SMTC1)は現在のセルを参照し、SMTC2は隣接するセルを参照する。
【数1】
【表4】
【0057】
[LTEにおける不連続受信(DRX)]
バッテリの節約は、移動通信において重要な課題である。UEにおけるバッテリ消費を減らすために、UEがPDCCHをモニタする時間を最小にするためのメカニズムが使用され、このメカニズムは不連続受信(DRX)機能と呼ばれる。
【0058】
不連続受信(DRX)機能は、RRC_IDLEに対して設定することができ、この場合に、UEは、固有のDRX値またはデフォルトのDRX値(defaultPagingCycle)のいずれかを使用する。デフォルトは、システム情報の中でブロードキャストされ、32無線フレーム、64無線フレーム、128無線フレーム、および256無線フレームという値を有することができる。固有の値およびデフォルトの値の両方が利用可能である場合、これら2つの値のうち短い方の値がUEによって選択される。UEは、DRXサイクルあたり1回のページングオケージョンにおいてウェイクアップする必要がある(ページングオケージョンは1サブフレームである)。DRX機能は、「RRC_CONNECTED」状態にあるUEに対しても設定することができ、したがって、UEは、ダウンリンク制御情報を対象として常にダウンリンクチャネルをモニタする(簡潔に表現すれば「UEがPDCCHをモニタする」)必要はない。ユーザ機器の妥当なバッテリ消費を提供するために、3GPP LTE(リリース8/9)および3GPP LTE−A(リリース10)は、不連続受信(DRX)のコンセプトを導入した。技術規格である非特許文献11の第5.7節は、DRXを説明しており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
DRX UE挙動を定義するために、以下のパラメータが利用可能である。すなわち、移動ノードがアクティブである(すなわちDRXアクティブ時間にある)オン期間、および、移動ノードがDRXにある(すなわちDRXアクティブ時間ではない)期間である。
−オン期間:
ユーザ機器が、DRXからウェイクアップした後にPDCCHを受信およびモニタする、ダウンリンクサブフレーム単位での期間、すなわち、より具体的にはPDCCHを含むサブフレーム(PDCCHサブフレームとも称する)単位での期間。なお、本発明全体を通じて、用語「PDCCH」は、(設定されているときのサブフレーム内の)PDCCHまたはEPDCCHを意味する、あるいは、R−PDCCHが設定されておりかつ中断されていない中継ノードの場合にはR−PDCCHを意味することに留意されたい。ユーザ機器は、PDCCHを成功裏に復号した場合、アウェイク/アクティブ状態を維持し、インアクティビティタイマー(inactivity timer)を開始する。[1〜200個のサブフレーム;16ステップ:1〜6、10〜60、80、100、200]
−DRXインアクティビティタイマー:
ユーザ機器が、PDCCHを最後に成功裏に復号してから、さらなるPDCCHを成功裏に復号するのを待機する、ダウンリンクサブフレーム単位での期間。UEは、この期間中にPDCCHを成功裏に復号できないとき、再びDRXに入る。ユーザ機器は、最初の送信(すなわち再送ではない)のみについてPDCCHを1回成功裏に復号した後に、インアクティビティタイマーを再び開始する。[1〜2560個のサブフレーム;22ステップ、10スペア:1〜6、8、10〜60、80、100〜300、500、750、1280、1920、2560]
−DRX再送タイマー:
これは、最初の利用可能な再送時刻の後にユーザ機器がダウンリンク再送を予測する、連続するPDCCHサブフレームの数を指定する。[1〜33個のサブフレーム;8ステップ:1、2、4、6、8、16、24、33]
−短DRXサイクル:
これは、短DRXサイクルにおいてオン期間の後、場合によっては非アクティブ期間が続く周期的な繰り返しを指定する。このパラメータはオプションである。[2〜640個のサブフレーム;16ステップ:2、5、8、10、16、20、32、40、64、80、128、160、256、320、512、640]
−短DRXサイクルタイマー:
これは、DRXインアクティビティタイマーが満了した後にユーザ機器が短DRXサイクルに従う、連続するサブフレームの数を指定する。このパラメータはオプションである。[1〜16個のサブフレーム]
−長DRXサイクル開始オフセット:
長DRXサイクルにおいてオン期間の後、場合によっては非アクティブ期間が続く周期的な繰り返し、および、オン期間が始まるときの、サブフレーム単位でのオフセットを指定する(非特許文献11の第5.7節に定義されている式によって決定される)。[サイクル長10〜2560個のサブフレーム;16ステップ:10、20、30、32、40、64、80、128、160、256、320、512、640、1024、1280、2048、2560;オフセットは[0〜選択されたサイクルのサブフレーム長]の間の整数]
【0060】
UEがアウェイクしている合計期間は、「アクティブ時間」またはDRXアクティブ時間と呼ばれる。アクティブ時間は、例えば、DRXサイクルのオン期間と、インアクティビティタイマーが満了していない間にUEが連続受信を行っている時間と、1HARQ RTTの後にダウンリンク再送を待機している間にUEが連続受信を行っている時間と、を含む。同様にアップリンクについては、UEは、アップリンク再送グラントを受信できる(すなわち、初期アップリンク送信の後、再送の最大回数に達するまでの8ms毎の)サブフレームにおいてアウェイクしている(すなわち、DRXアクティブ時間にある)。上記に基づくと、最小アクティブ時間は、オン期間に等しい固定長であり、最大アクティブ時間は、例えばPDCCHのアクティビティに応じて可変である。
【0061】
「DRX期間」または「DRXオフ期間」は、バッテリを節約するためにUEがダウンリンクチャネルの受信をスキップできる(すなわち、ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない)ダウンリンクサブフレームの期間である。DRXの動作は、電力を節約するために、(その時点で有効なDRXサイクルに従って)無線回路を反復的に非アクティブにする機会を移動端末に提供する。DRX期間中にUEが実際にDRX(すなわちアクティブではない)のままであるかどうかは、UEによって決定されてよい。例えば、UEは、通常では異周波数測定を実行するが、この測定は、オン期間中には実行することができず、したがって、他の何らかの時間に(例えばDRXオフ時間中に)実行される必要がある。
【0062】
DRXサイクルのパラメータ化は、バッテリの節約と遅延との間のトレードオフを伴う。例えばウェブブラウジングサービスの場合、ダウンロードされたウェブページをユーザが読んでいる間、UEがダウンリンクチャネルを継続的に受信することは、通常リソースの浪費である。長いDRX期間は、UEのバッテリの寿命を延ばすうえで有利である。一方、短いDRX期間は、データ伝送が再開されるときに(例えばユーザが別のウェブページを要求するときに)より高速に応答するうえで有利である。
【0063】
これらの相反する要件を満たすために、各UEに対して2つのDRXサイクル(短いサイクルおよび長いサイクル)を設定することができる。短DRXサイクルはオプションであり、すなわち、長DRXサイクルのみが使用されてもよい。短DRXサイクル、長DRXサイクル、および連続受信の間の遷移は、タイマー、または、eNodeBからの明示的なコマンド、のいずれかによって制御される。短DRXサイクルは、ある意味では、UEが長DRXサイクルに入る前にパケットが遅れて到着する場合の確認期間とみなすことができる。UEが短DRXサイクルにある間にeNodeBにデータが到着する場合、そのデータは、次のオン期間において送信されるようにスケジューリングされ、その後、ユーザ機器は連続受信を再開する。一方、短DRXサイクル中にeNodeBにデータが到着しない場合、UEは、当面の間はパケットのアクティビティが終了したと想定して長DRXサイクルに入る。
【0064】
UEは、アクティブ時間中、PDCCHをモニタし、設定されているSRS(サウンディング参照信号)を報告し、PUCCHにおいてCQI(チャネル品質情報)/PMI(プリコーディング行列指標)/RI(ランク指標)/PTI(プリコーダタイプ指示情報)を報告する。UEがアクティブ時間にないときには、タイプ0のトリガー型SRSとPUCCHにおけるCQI/PMI/RI/PTIとは、報告されなくてよい。UEに対してCQIマスキングが設定されている場合、PUCCHにおけるCQI/PMI/RI/PTIの報告は、オン期間のサブフレームに限定される。
【0065】
利用可能なDRX値は、ネットワークによって制御され、DRXなしからx秒までである。値xは、RRC_IDLEにおいて使用されるページングDRXと同じ長さとすることができる。測定要件および報告基準は、DRX間隔の長さに応じて異なりうる。すなわち、長DRX間隔は、より緩和された要件を有することができる(さらなる詳細については以下をさらに参照されたい)。DRXが設定されているとき、周期的なCQI報告は、「アクティブ時間」の間にのみUEによって送信されうる。周期的なCQI報告がオン期間の間にのみ送信されるように、RRCは、周期的なCQI報告をさらに制限することができる。
【0066】
図6は、DRX動作の例を開示している。UEは、「オン期間」(これは長DRXサイクルおよび短DRXサイクルにおいて同じである)の間、スケジューリングメッセージ(ダウンリンク/アップリンク割当てと称されてもよく、PDCCHにおいて例えばUEのC−RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)によって示される)をチェックする。「オン期間」の間にスケジューリングメッセージが受信されたとき、UEは、「インアクティビティタイマー」を開始し、インアクティビティタイマーが動作している間、各サブフレームにおいてPDCCHのモニタを続ける。この期間中、UEは、「連続受信モード」にあるとみなすことができる。インアクティビティタイマーが動作している間にスケジューリングメッセージが受信されると、UEは、インアクティビティタイマーを再び開始し、インアクティビティタイマーが満了したとき、UEは短DRXサイクルに移行し、「短DRXサイクルタイマー」を開始する(短DRXサイクルが設定されていると仮定する)。短DRXサイクルタイマーが満了したとき、UEは長DRXサイクルに移行する。短DRXサイクルは、DRX MAC制御要素によって開始されてもよい。eNBは、UEをただちにDRXサイクル(すなわち短DRXサイクル(そのように設定されている場合)または長DRXサイクル(短DRXサイクルが設定されていない場合))に移行させるために任意のタイミングでDRX MAC制御要素を送信することができる。
【0067】
このDRX挙動に加えて、HARQラウンドトリップタイム(RTT)中にUEがスリープをすることを可能にする目的で、「HARQ RTTタイマー」が定義される。1つのHARQプロセスについてのダウンリンクトランスポートブロックの復号が失敗すると、UEは、そのトランスポートブロックの次の再送が、少なくとも「HARQ RTT」のサブフレームの後に行われることになると想定することができる。HARQ RTTタイマーが動作している間、UEはPDCCHをモニタする必要がない。HARQ RTTタイマーが満了すると、UEは通常どおりにPDCCHの受信を再開する。
【0068】
上に挙げたDRXに関連するタイマー(DRXインアクティビティタイマー、HARQ RTTタイマー、DRX再送タイマー、および短DRXサイクルタイマーなど)は、PDCCHグラントやMAC制御要素(DRX MAC CE)の受信などのイベントによって開始および停止される。したがって、UEのDRXステータス(アクティブ時間または非アクティブ時間)は、サブフレーム単位で変化する可能性があり、したがって、移動ノードによってつねには予測可能ではない。
【0069】
現在のところ、キャリアアグリゲーションについては、共通のDRX動作が、UEに対して設定されている有効なすべてのサービングセルに適用される。これは、UE固有DRXとも称される。アクティブ時間は、本質的にはすべてのセルに対して同じである。したがって、UEは、同じサブフレームにおいて、すべてのダウンリンクセルのPDCCHをモニタする。DRXに関連するタイマーおよびパラメータは、セルごとではなくUEごとに設定され、したがって、ユーザ機器あたり1つのみのDRXサイクルが存在する。アグリゲートされたコンポーネントキャリアのすべてが、この「共通の」DRXパターンに従う。
【0070】
[5G NRおよびアンライセンスセルについてのDRX]
LTEについて上述したDRXの基本的なコンセプトは、新しい5G NRにも適用されるが、いくつか異なる点がある。標準化によってDRXが進化し、例えば、非特許文献11の第5.7節「Discontinuous Reception (DRX)」(参照により本明細書に組み込まれる)に定義されている。
【0071】
非特許文献11には以下が記載されている。
RRCは、以下のパラメータを設定することによってDRX動作を制御する。
−drx-onDurationTimer:
DRXサイクルの先頭における期間
−drx-SlotOffset:
drx-onDurationTimerを開始する前の遅延
−drx-StartOffset:
DRXサイクルが始まるサブフレーム
−drx-InactivityTimer:
PDCCHがMACエンティティに対して新しいUL送信またはDL送信を示すPDCCHオケージョンの後の期間
−drx-RetransmissionTimerDL(DL HARQプロセスごと):
DL再送が受信されるまでの最大期間
−drx-RetransmissionTimerUL(UL HARQプロセスごと):
UL再送のグラントが受信されるまでの最大期間
−drx-LongCycle:
長DRXサイクル
−drx-ShortCycle(オプション):
短DRXサイクル
−drx-ShortCycleTimer(オプション):
UEが短DRXサイクルに従う期間
−drx-HARQ-RTT-TimerDL(DL HARQプロセスごと):
HARQ再送のためのDL割当てがMACエンティティによって予期される前の最小期間
−drx-HARQ-RTT-TimerUL(UL HARQプロセスごと):
HARQ再送のグラントがMACエンティティによって予期される前の最小期間
【0072】
DRXサイクルが設定されているとき、アクティブ時間は以下の時間を含む。
−(第5.1.5節に記載されているように)drx-onDurationTimerまたはdrx-InactivityTimerまたはdrx-RetransmissionTimerDLまたはdrx-RetransmissionTimerULまたはra-ContentionResolutionTimerが動作している間の時間、または
−(第5.4.4節に記載されているように)スケジューリング要求がPUCCHにおいて送信されて待ち状態にある間の時間、または
−(非特許文献11の第5.1.4節に記載されているように)競合ベースのランダムアクセスプリアンブルの中でMACエンティティによって選択されないランダムアクセスプリアンブルに対するランダムアクセス応答が成功裏に受信された後、MACエンティティのC−RNTIにアドレッシングされた新しい送信を示すPDCCHが受信されていない間の時間
【0073】
上記から明らかであるように、5G NRについてのDRXも、長DRXサイクルおよび短DRXサイクルに基づいており、短DRXサイクルタイマーに基づくこれらのサイクル間の遷移が、DRXサイクルの先頭におけるオン期間を規定し、DRXインアクティビティタイマーが、PDCCHを受信した後の連続受信の期間(その後UEはスリープに入る)を決定する。したがって、5G NRのDRXメカニズムは、概念的には
図6に示されているように機能する。
【0074】
共通のDRXがLAAに使用されること、すなわち、同じDRX設定がPCellおよびSCellに対して適用されることが、最近決定された。DRXは、アンライセンス無線セル(例えば、アンライセンスSCellまたはスタンドアロンシナリオ)にも適用される。
【0075】
しかしながら、アンライセンス無線セルにDRXを使用することは、いくつかのさらなる課題を課す。例えば、ライセンスアクセスでは、DRXパラメータを適切に定義することによってUE電力を節約することができるが、その代償として、DRXは、UEへの到達性の遅延をもたらす。一方、アンライセンスアクセスでは、UEがPDCCHをモニタしている場合であっても、gNBがUEに到達できるかは不確実である。なぜならば、LBT(またはCCAの失敗)に起因して、gNBが、ダウンリンクチャネルを取得できないことがあるからである。したがって、スケジューリング遅延が増大し、より長い時間にわたりUEに到達することができない。例えば、UEがDRXスリープ状態にある間にデータがダウンリンクにおいて送信され、gNBが、オン期間中に、アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを取得できない(すなわちCCAに失敗する)場合には、少なくとも別のDRXサイクルにわたりUEに到達することができず、その後に、gNBは、PDCCHにおいてダウンリンク制御情報をUEに送信するためにダウンリンクチャネルを占有することを再び試みうる。
【0076】
オン期間を長くすることは、gNBがUEをスケジューリングする際の柔軟性を高めるが、UEの電力節約を大幅に低減させることがあり、したがって、全体としてDRX手順の恩恵を制限してしまうことがある。
【0077】
この問題が、
図7に例示的に示されている。
図7の上半分は、gNBが、ダウンリンクデータ送信についてPDCCHにおいてダウンリンク制御情報をUEに送信するために、ダウンリンクチャネルを取得できるまでCCAを繰り返し実行することによってLBTを実行することを示している。
図7の下半分には、長DRXサイクルに従ったオン期間および後続するオフ期間に基づくUEのDRX動作が示されており、オン期間中、UEはPDCCHをモニタする必要があり、オフ期間中、電力を節約するためにUEはPDCCHをモニタする必要がない。
【0078】
図示されているように、gNBがダウンリンクチャネルを占有できる時点において、UEは、DRXスリープ期間(「オフ期間」)にすでに遷移しており、したがって、今後送信されてくる制御情報を対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることはない。したがって、gNBがPDCCHをUEに送信したとしても、PDCCHはUEによって受信されない。gNBは、UEを再びスケジューリングできるように、少なくとも次のオン期間を待たなければならない。しかしながら、1つの規制要件は、gNBがダウンリンクチャネルを無期限に占有できず、限られた時間長(いわゆるチャネル占有時間(COT))しか占有できないことでありうる。結果として、gNBは、UEの次のオン期間においても、ダウンリンクチャネルを占有できないことがある、かつ/または、オン期間が終わる前にダウンリンクチャネルを再取得できないことがある。理解できるように、UEのDRXサイクルとgNBのLBT送信とが合わないことによって、著しい遅延が発生することがある。
【0079】
したがって、上で明らかにされた問題が生じないまたは最小化される、不連続受信のためのメカニズムを定義することを容易にする、より効率的な手順を定義する必要がある。
【0080】
[本開示の詳細な説明]
以下において、上記のニーズを満たすUE、基地局、および手順が、5G移動通信システムについて想定されている新しい無線アクセス技術について説明される。さまざまな実装形態およびバリエーションも説明される。以下の詳細な開示は、前のセクション「本開示の基礎」の中で記載された説明および知見によって促進されたものであり、例えば少なくともその一部に基づきうる。
【0081】
しかしながら、概して、本開示の基礎をなす原理を明確かつわかりやすく説明することができるように、以下において多くの仮定がなされる必要があることに留意されたい。しかしながら、これらの仮定は、本開示の範囲を限定することのない単なる例として理解されたい。当業者には、特許請求の範囲に記載されているような以下の開示の原理が、本明細書において明示的に説明されていないさまざまなシナリオに、本明細書に明示的に説明されていない形で適用されてもよいことが認識されるであろう。
【0082】
さらに、次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術に関連して使用される特定の用語が、まだ完全に決定されていないとしても、以下で使用されている、手順、エンティティ、レイヤなどの用語の一部は、LTE/LTE−Aシステムに、または3GPP 5Gの現在の標準化で使用されている用語に、密接に関係している。したがって、用語は、3GPPの標準化段階において変更される可能性があるが、本発明の実施形態の機能には影響しない。したがって、本発明およびその保護範囲は、より新しい用語または最終的に合意される用語が存在しないという理由で本明細書において例示的に使用されている特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎をなす機能およびコンセプトに関して広義に理解されるべきであることが、当業者には認識されるであろう。
【0083】
例えば、「移動局(mobile station)」、「移動ノード(mobile node)」、「ユーザ端末(user terminal)」、または「ユーザ機器(UE)」は、通信ネットワーク内の物理エンティティ(物理ノード)である。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、所定の機能のセットを実施する、かつ/または、所定の機能のセットを同じノードもしくは別のノードまたはネットワークの別の機能エンティティに提供する、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールを意味する。ノードは、ノードが通信できる通信機器または通信媒体に当該ノードを接続する1つ以上のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワークエンティティは、他の機能エンティティまたは通信相手ノードと通信することができる通信機器または通信媒体に機能エンティティを接続する論理インタフェースを有することができる。
【0084】
用語「基地局」または「無線基地局」は、本明細書においては、通信ネットワーク内の物理エンティティを意味する。基地局は、移動局と同様に、いくつかの機能エンティティを有することができる。機能エンティティは、所定の機能のセットを実施する、かつ/または、所定の機能のセットを同じノードもしくは別のノードまたはネットワークの別の機能エンティティに提供する、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールを意味する。物理エンティティは、通信装置に対していくつかの制御タスク(スケジューリングおよび設定のうちの1つ以上を含む)を実行する。基地局の機能および通信装置の機能は、1つの装置内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末が、他の端末に対して基地局の機能を実施してもよい。LTEにおいて使用されている用語はeNB(またはeNodeB)であるが、5G NRにおいて現時点で使用されている専門用語はgNBである。
【0085】
特許請求の範囲および本説明の中で使用されている「...信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする」という表現は、信号が送信される正確なタイミングをUEが特に認識しておらず、場合によっては信号が送信されるリソースの範囲しかUEが認識していないが、ダウンリンクチャネルにおいて送信された特定の信号を受信することをUEが試みることを意味すると、広義に解釈されるべきである。特定の例示的なLTEおよび5G−NRの実装形態において、この表現は、「UEに知られている指定された時間−周波数リソースに配置されている1つ以上のサーチスペースの1つ以上のPDCCH候補をモニタする」として、理解することができる。
【0086】
「アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを占有する」という表現および他の類似する表現は、アンライセンスアクセスの文脈においては、例えばLTEおよび5G−NRにおいて定義されるものとして広義に解釈されるべきである。この特定の例示的なLTEおよび5G−NRの文脈においては、いかなる送信機によるチャネルへのアクセスも、空きチャネル判定(CCA)に依存する。CCAに成功した場合、送信機(例えばgNB)は、そのアンライセンスダウンリンクチャネルにおいて送信することができ、したがって、存在しうる他の送信機がCCAの成功を達成しないように、そのチャネルを占有する(例えば、ブロックする)。
【0087】
図8は、ユーザ機器(通信装置とも称される)およびスケジューリング装置(基地局内、例えばeLTE eNB(またはng−eNBとも称される)内または5G NRにおけるgNB内に位置すると仮定する)の一般的な簡略された例示的なブロック図を示している。UEおよびeNB/gNBは、それぞれの送受信機を使用して、(無線)物理チャネルを介して互いと通信する。
【0088】
通信装置は、送受信機および処理回路を備えることができる。送受信機は、受信機および送信機を備えることができる、かつ/または、受信機および送信機として機能することができる。処理回路は、1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなど、1つ以上のハードウェアとすることができる。送受信機と処理回路との間には入力/出力点(または入力/出力ノード)が存在しており、処理回路は、動作中、この入力/出力点を通じて送受信機を制御し、すなわち、受信機および/または送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントエンドを含むことができる。処理回路は、処理回路が提供するユーザデータおよび制御データを送信するように、かつ/または、処理回路がさらに処理するユーザデータおよび制御データを受信するように、送受信機を制御することなどの制御タスクを実施することができる。処理回路はまた、判定、決定、計算、測定などの他のプロセスを実行することを担うことができる。送信機は、送信するプロセスおよび送信するプロセスに関連する他のプロセスを実行することを担うことができる。受信機は、受信するプロセスおよび受信するプロセスに関連する他のプロセス(チャネルをモニタすることなど)を実行することを担うことができる。
【0089】
この場合、さまざまな実施形態およびそのバリエーションの以下の開示から明らかになるように、プロセッサは、したがって、チャネルが基地局によって占有されているか否かを判定するよう例示的に構成されてよい。別の例は、特定のプロセス(例えばモニタ)が実行されるさまざまな期間の使用を制御する処理回路について言及する。
【0090】
一方、受信機は、特定のダウンリンク制御情報を対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることができ、次いで、基地局からダウンリンク制御情報および他のダウンリンク送信をさらに受信するよう構成されてよい。
【0091】
以下において提供される解決策は、主として新しい5G NRの標準化に適用されるが、以前のLTEリリースのLAAまたはeLAAなど、別のシナリオに適用されてもよい。
【0092】
[実施形態]
上述したように、例えばスタンドアロンシナリオにおける、アンライセンス無線セルの動作は、gNBによるダウンリンク送信をどのようにUEに通知できるかとともに、バッテリを節約するために、不必要な処理をオフにする十分な機会をUEに提供することに関する課題を伴う。現在のところLTEおよび5G NR(ライセンスアクセス)について規定されているDRX動作は、アンライセンス無線セルを介して通信するための特別な要件を考慮しておらず、したがって、この点において最適ではない。
【0093】
説明を目的として、UEとgNBとの間の通信が、少なくともアンライセンス無線セルを介して(すなわちアンライセンス周波数帯域を使用して)可能であると仮定する。1つの例示的なシナリオは、5G NRについて想定されているスタンドアロンシナリオであり、以下において、このシナリオを使用して、複数の異なる解決策の基礎をなす原理について説明する。しかしながら、例えばライセンスPCellおよびアンライセンスSCellを伴うシナリオなど、他のシナリオも可能である。加えて、スタンドアロンシナリオが、現在5G−NRについて予測されており、以前のLTEリリースについては予測されていないが、この状況は今後変化する可能性があり、したがって、LTEも、ライセンス無線セルによって補助されることがない、アンライセンス無線セルのスタンドアロン使用をサポートする可能性がある。したがって、以下において説明される実施形態は、以前のLTEリリースにおける(ライセンスセルによって補助される、または、スタンドアロン形式の)アンライセンスアクセスにも適用可能である。
【0094】
さまざまな実施形態は、これらの問題に対処し、以下において説明されるように、gNBにおける動作とUEにおける動作とを同期することを容易にすることによる解決策を提供する。以下において説明されるメカニズムでは、UEがアンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタする必要がなく、したがって、電力を節約することができる機会をUEに提供することを考慮して、アンライセンスセルのための改良されたDRXと称することができる。改良されたDRXは、2ステップ手法に基づいており、UEが、複数の異なる信号を対象としてダウンリンク制御チャネルをモニタする2つのモニタ期間と、電力を節約するためにUEがダウンリンクチャネルをモニタする必要がないオフ期間と、を定義することによる。UEは、第1の信号をモニタし、第1の信号が受信された場合、連続して、第2の信号をモニタする。UEは、第1の信号を受信しなかったとき、または、第1の信号を受信したが第2の信号を受信しなかった後に、オフ期間に入ることができる。このことが、以下おいてより詳細に説明される。
【0095】
特に、例えばUEおよび/または他のUEへのダウンリンク送信を実行するためにgNBがアンライセンス(ダウンリンク)チャネルを占有することができたことを示す特定の信号が導入される。以下において、この信号は、チャネル占有信号と例示的に称される。前述したように、アンライセンス無線セルへのアクセスは、リッスンビフォアトーク手順を成功裏に実行した(例えば空きチャネル判定に基づいてチャネルが空いていると判定した)後にのみ可能である。したがって、gNBは、UE宛のデータがダウンリンクにおいて利用可能である場合、ダウンリンクチャネルにおいてデータをUEに送信する前に、最初にCCAを成功裏に実行しなければならない。
【0096】
gNBは、チャネル占有信号を送信することによって、CCAに成功したことを1つ以上のUEに通知することができる。チャネル占有信号は、2ステップDRXメカニズムにおける第1のモニタ期間中に使用される。特に、UEは、ウェイクアップして、第1のモニタ期間にわたり、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。
【0097】
UEは、この第1のモニタ期間中にチャネル占有信号を受信すると、UEは、そのことから、gNBがアンライセンスチャネルを取得しており、理論的にはUEにデータを送信できると推測することができる。一方、UEがダウンリンクチャネルをモニタしたがチャネル占有信号を受信しなかったときには、UEは、そのことから、gNBがアンライセンスチャネルを取得しておらず、したがって、UEにデータを送信できないと推測することができる。この場合、UEは、この機会を利用して電力を節約し、第1のモニタ期間に従ってチャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることを再び開始するまで、いくらかの時間にわたりダウンリンクチャネルをモニタしない。
【0098】
UEが、チャネル占有信号を受信し、gNBがアンライセンスチャネルを取得していると判定した場合、UEは、ダウンリンク送信がまもなく実行されること、および/または、ダウンリンクにおける送信にgNBによって使用される対応する無線リソース、をUEに示すためにgNBによって送信されるであろうダウンリンク割当てを対象として、ダウンリンクチャネルをモニタする。いま説明されたダウンリンク割当ては、例えばLTEおよび5G_NRにおいて知られている通常のダウンリンク割当て(例えばフォーマット1のDCI)に類似するまたは同じものとすることができる。ダウンリンク割当てを対象としたダウンリンクチャネルのモニタは、特定の時間(第2のモニタ期間と例示的に称される)に制限される。
【0099】
UEは、第2のモニタ期間が終わる前にダウンリンク割当てを受信すると、次に、対応するダウンリンク送信を受信する。一方、第2のモニタ期間が終わる前にダウンリンク割当てが受信されない(例えば、gNBが1つ以上の他のUEへのダウンリンク送信を実行する)ときには、例えばUEがダウンリンクチャネルをモニタする次の第1のモニタ期間が始まるまで、UEはスリープ状態に入る。
【0100】
UEは、上述した異なるモニタ期間およびオフ期間を繰り返す。
【0101】
図9は、上述した原理に従った、UEとgNBとの間の1つの例示的な交換を示している。さらに、
図10は、上述した原理の例示的な一実装形態に従って、UEの状態がどのように変化するかを示している。図示および説明を目的として、チャネル占有信号を対象として、アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタするための第1のモニタ期間は、時間Aと称され、ダウンリンク割当てを対象として、アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタするための第2のモニタ期間は、時間Bと称される。
【0102】
図9は、どのように、gNBがCCAを成功裏に完了するまでLBTを実行し、次いで、チャネル占有信号を送信するかを示している。UEは、時間Aの期間に従ってウェイクアップし、次いで、gNBからアンライセンス無線セルにおいてチャネル占有信号が送信されたか否かについてダウンリンクチャネルをモニタする。UEが時間Aの中でチャネル占有信号を受信したと仮定する。チャネル占有信号の受信によってトリガーされる後続の時間Bのモニタ中、UEは、今度は、gNBからのダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタし、時間Bが終わる前に適時に実際にダウンリンク割当てを受信することができる。その結果、UEはスリープ状態に入らず、引き続き、前に受信したダウンリンク割当てに対応するダウンリンク送信を受信する。
【0103】
(例えば非アクティブの)時間がいくらか経過した後、UEは、スリープ状態に入ることができ、次いでさらなるサイクルに従って再びウェイクアップして、時間A中、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることができる。図示されているように、今回はgNBがダウンリンクチャネルを取得していない(すなわちLBTに成功しなかった)と仮定し、したがって、時間Aの期間は、UEがチャネル占有信号を受信することなく終わる。したがって、UEはスリープ状態に入り、いくらかの時間にわたりダウンリンクチャネルをモニタすることを続けない。
【0104】
上述した例示的な解決策において、UEは、基本的に、改良された本DRXメカニズムに関連する4つの異なる状態(
図10に、時間A、時間B、スリープ期間、および連続受信として示されている)を繰り返す。時間Aは、gNBによってアンライセンスチャネルが占有されているかどうかを判定するためにUEがダウンリンクチャネルをモニタすることになっている状態である。時間Bは、ダウンリンク送信がまもなくUEに送信されるかどうかを判定するためにUEがダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることになっている状態である。スリープ期間状態は、時間Aおよび時間Bとは異なりダウンリンクチャネルをモニタしなくてよいことにより電力を節約する機会をUEに与える。連続受信状態は、チャネル占有信号を受信した後、さらにダウンリンク割当てを受信した後に、UEが1つ以上のダウンリンク送信(および場合によってはさらなるダウンリンク割当てなど)を受信できる状態である。
【0105】
図10は、状態遷移も示しており、上で与えられた説明に合致する。詳細には、UEは、(後でより詳細に説明されるように、例えば長DRXサイクルおよび/または短DRXサイクルに従って、または、SMTC測定ウインドウに従って)時間Aの期間が始まるときに、例えば周期的に、時間Aの状態に入る。時間Aの期間が終わると(すなわちチャネル占有信号を受信しないと)、UEは、スリープ期間状態に戻る。一方、UEは、チャネル占有信号を受信すると、時間Aの状態から時間Bの状態に遷移する。時間Bの状態からは、時間Bが終わった後(すなわちダウンリンク割当てを受信しなかった後)、UEは、スリープ期間状態に入ることができる。一方、UEは、ダウンリンク割当てを受信すると、時間Bから連続受信状態に遷移する。さらなるタイマー満了(例えば、ダウンリンク割当てを受信した後の非アクティブの期間)は、電力を節約するためにUEが再びスリープ状態に入るようにトリガーすることができる。
【0106】
図11は、上記の原理の例示的な一実装形態に係るUEの挙動のフロー図を示している。この図に示されているように、UEは、スリープ期間にあり、時間Aの期間が始まると、ウェイクアップして、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。UEがチャネル占有信号を受信することなく、対応する時間Aのモニタ期間が終わると、UEは、次の時間Aの期間が始まるまでスリープ期間に遷移する。
【0107】
チャネル占有信号が受信されると、UEは、時間Aを停止させ、一方で時間Bのモニタ期間を開始させ、時間Bのモニタ期間中、gNBからのダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。UEがgNBからのダウンリンク割当てを受信することなく、対応する時間Bのモニタ期間が終わると、UEは、次の時間Aの期間が始まるまで再びスリープ期間に入ることができる。ダウンリンク割当てが受信されたときには、UEはアウェイク状態を維持し、次いで、受信したダウンリンク割当てに対応するダウンリンク送信を通常の方法で受信する。オプションとして、UEは、インアクティビティタイマーを開始してもよい。インアクティビティタイマーが満了すると(かつ例えばさらなるダウンリンク割当てが受信されなかった場合)、UEは再びスリープ状態に入ることができる。
【0108】
gNBの挙動の一部は、これまでの図(例えば
図9)に関連する説明からすでに明らかである。gNBの挙動は、
図12にさらに示されており、以下において説明される。gNBは、アンライセンスキャリアへのアクセスを取得し、したがって、UEへのダウンリンク送信を実行することができるように、LBT手順を実行する。LBT手順は、gNBがアンライセンスチャネルを占有できるかどうかを判定するための空きチャネル判定を含む。gNBが、アンライセンスチャネルを占有できるときには、gNBは、アンライセンス無線セルが現在gNBによって占有されていることを示すために、アンライセンス無線セルにおいてチャネル占有信号を送信することができる。gNBは、UE宛のダウンリンクデータが待ち状態にあることを考慮して、ダウンリンク送信が実行されることを示すためにダウンリンク割当てをユーザ機器に送信する。次いで、gNBは、前に送信したダウンリンク制御情報の中で示されている設定に従って、ダウンリンク送信をUEに送信する。
【0109】
gNBのさらなる例示的な実装形態において、gNBは、第1の期間中および第2の期間中にUEがいつダウンリンクチャネルをモニタするかを判定することもできる。言い換えれば、gNBは、UEがいつダウンリンクチャネルをモニタしているかを認識している。この情報は、gNBが例えばチャネル占有信号および/またはダウンリンク割当てをUEに送信するかどうかを決定するために使用されてよい。例えば、gNBが、UEがダウンリンクチャネルをまったくモニタしていない(例えば、UEがオフ期間にある)と判定すると、チャネル占有信号および/またはダウンリンク割当てを送信しないように決定することができる。一方、UEのモニタ状態にかかわらず、gNBは、無線セルにおいてチャネル占有信号を送信してもよい。なぜならば、チャネル占有信号は、多数のUEによって受信されることがあり、それらのUEにとって重要でありうるからである。
【0110】
図13〜
図15は、LTEまたは5G−NRにおける例示的な実装形態に係る改良されたDRXメカニズムを示している。前述したように、ここまでに説明したLTEおよび5G−NRにおけるDRXメカニズム(レガシーDRX)は、長DRXサイクルおよび短DRXサイクルを含む異なるDRXサイクルに依拠しており、UEがDCI(ダウンリンク割当て)を対象としてPDCCH(ダウンリンクチャネル)をモニタする必要があるオン期間は、これらのDRXサイクルに従って始まる。本実施形態のさらなる実装形態において、レガシーDRXにおいてすでに確立および定義されているパラメータが、アンライセンス無線セルにおけるDRX動作に再使用されてもよい。したがって、改良されたDRXメカニズムは、ライセンスセルについて定義されているレガシーLTE/5G−NR設計と整合する。例えば、時間Aのモニタ期間を、レガシーDRXにおけるオン期間と同様に、長DRXサイクルと共に始まるように定義することができる。したがって、先頭に時間Aの期間を含む長DRXサイクルが、UEに対して定義される。長DRXサイクルが始まるときに時間Aの期間が始まり、UEは、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタすることを開始する。次に、UEは、前述したように、時間Bの期間に従った処理(チャネル占有信号が受信された場合)、またはオフ期間に従った処理(チャネル占有信号が受信されなかった場合)のいずれかに進む。次の時間Aの期間は、長DRXサイクルに従って(例えば次の長DRXサイクルが始まるときに)始まる。
【0111】
図13〜
図15は、それぞれ、チャネル占有信号が受信されない場合(
図13)、チャネル占有信号は受信されるがダウンリンク割当てが受信されない場合(
図14)、チャネル占有信号およびダウンリンク割当てが受信される場合(
図15)を示している。
図13〜
図15それぞれの下側には、改良されたDRXメカニズムとレガシーDRX動作との比較を可能にするために、レガシーDRXメカニズムが示されている。
【0112】
図示および説明を目的として、時間Aの期間は、レガシーDRXメカニズムにおけるオン期間より短く、時間Bの期間は、レガシーDRXメカニズムにおけるオン期間と同じ長さを有すると、例示的に仮定する。しかしながら、後で詳細に説明されるように、時間Aの期間および時間Bの期間は、オン期間と同じであってもよいし、オン期間より短くてもよいし、またはオン期間より長くてもよい。
【0113】
gNBの挙動は、LBT手順の一部としてのCCAと、一連のCCAの後のバックオフ時間と、を含むように、
図13に示されている。チャネル占有信号は、アンライセンスチャネルを成功裏に取得するとgNBによって送信される。UEの時間Aのモニタ期間がすでに終わっている後にようやくgNBがアンライセンス周波数帯域を取得したと仮定する。すなわち、UEは、そのときにはすでにオフ期間にあり、したがって、チャネル占有信号を受信するためにPDCCHをモニタすることはない。ここで、それにもかかわらず、例えばgNBがアンライセンスバンドを占有していることが認識されるように他のUEがチャネル占有信号を受信するために、チャネル占有信号がgNBによって送信されたと仮定する。しかしながら、本UEに対するPDCCHは、UEに送信さえされない。なぜならば、gNBは、本UEがオフ期間にあることを認識しているからである。むしろ、他のUE宛のデータが待ち状態にある場合、gNBは、他のUEへのダウンリンク送信を実行することに進むことができ、本UEへのダウンリンクデータのスケジューリングを後で試みることができる。本UEは、次の長DRXサイクルが始まるときに再び時間Aの期間に入る。
【0114】
図13において想定されている例示的なシナリオでは、レガシーDRXメカニズムの動作は、基本的に同じ結果になる。なぜならば、PDCCHが、オン期間外で送信されることになるからである。しかしながら、オン期間より長さが短い時間Aの期間を有することにより、UEが、より早くアクティブ時間からオフ期間に遷移し、したがって、より多くの電力を節約することがさらに可能である。
【0115】
図14の例示的なシナリオにおいては、gNBがより早い時刻に(すなわちUEの時間Aのモニタ期間中に)ダウンリンクチャネルを取得できたと仮定する。gNBはチャネル占有信号を送信し、それに応じてUEはこの信号を受信する。上述したように、UEは、チャネル占有信号を受信すると時間Bのモニタ期間に入り、gNBからのダウンリンク割当てを受信するためにモニタする。しかしながら、
図14では、例えば、UE宛の待ち状態のダウンリンクデータが存在しない理由で、または、時間Bの期間が終わる前にUEへのダウンリンク送信が可能ではない理由で、gNBは、UEへのダウンリンク送信を実行せず、したがって、ダウンリンク割当て(PDCCH)がUEに送信されないと想定する。代わりに、他の(1つ以上の)UEへのダウンリンク割当てを実行することができる。時間Bの期間は、ダウンリンク割当てを受信することなく終わり、UEは、電力を節約するためにオフ期間に遷移する。UEは、次の長DRXサイクルが始まると再び時間Aの期間に遷移する。
【0116】
図15の例示的なシナリオにおいては、
図14と比較して、gNBが、時間内に(すなわち時間Bの期間が終わる前に)UEへのダウンリンク送信を実行できると仮定する。したがって、gNBは、時間Bの期間中に、ダウンリンク送信のためのPDCCHダウンリンク割当てを送信し、UEは、このダウンリンク割当てを受信する。
図15の単純化された例示において、次いで、UEおよびgNBは、引き続き、PDCCHのダウンリンク割当てに基づいて、それぞれデータ受信およびデータ送信を行う。
【0117】
図15の下側に示されているレガシーDRXメカニズムの動作は、PDCCHダウンリンク割当て送信がオフ期間中に実行されるであろうことを示している。したがって、UEへのダウンリンク送信は不可能であり、これは、データ送信のさらなる遅延をもたらす。時間Aの期間を追加的に導入することによって、PDCCHをモニタする時間Aの期間(レガシーDRXにおけるオン期間に対応する)が時間的に後方にシフトされ、したがって、ネットワークには、アンライセンス無線セルにアクセスするためのより多くの時間と、UEへの送信を実行するためのさらなる柔軟性と、が与えられる。一方で、UEは、追加のモニタ時間Aに起因して、電力を節約する機会が減少する。しかしながら、追加的に電力が使用されることとダウンリンク送信の柔軟性が向上して遅延が減少することとの間で、トレードオフが可能である。時間Aの期間の対応する長さは、例えばネットワークによって適切に設定することができ、これに加えて、動的に設定することもできる。
【0118】
以下において、上述した解決策のさらに詳しい実装形態およびバリエーションが説明される。
【0119】
特に、改良された本DRXメカニズムの複数の異なる期間は、例えばgNBによって設定することができる。概して、時間Aの期間および時間Bの期間についての必要なパラメータの設定は、異なるシグナリングを使用することによって、すなわち、システム情報ブロードキャストの中で(例えば、特定のシステム情報ブロックの中で)、または、UEに専用のRRCシグナリング(例えば、RRC再設定メッセージ)によって、または、UEに専用のPDCCH DCI(例えば、DCIフォーマット2_0もしくはDCIフォーマット2_1または別の新しいDCIフォーマット)の中で、または、グループもしくはセル全体を対象とするPDCCH DCIの中で、UEに示すことができる。
【0120】
これらのパラメータは、時間Aの期間および時間Bの期間の長さ、ならびに時間Aの期間の周期的な開始位置を含むことができる。時間Aの期間および時間Bの期間の長さは、例えば、レガシーDRX期間について定義されているオン期間の長さと同じにすることができる。一方、時間Aの期間および時間Bの期間の長さは、レガシーDRX期間について定義されているオン期間の長さより短くてもよいし、または、長くてもよい。例えば、比較的短い時間Aの長さ(例えば、オン期間より短い)は、(
図13に関連して上述したように)gNBがアンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを占有できない場合に、UEが、より多くの電力を節約することを可能にする。一方、比較的長い時間Aの長さ(例えば、オン時間より長い)は、UEへのダウンリンク送信をスケジューリングするためのより多くの時間および柔軟性をgNBに与える。時間Bの期間の長さの設定についても、同様の考察によって導くことができる。
【0121】
さらに、時間Aの期間の開始は、上述したように長DRXサイクルに関連付けられてよい。すなわち、長DRXサイクルが始まるたびに時間Aの期間が始まり、したがって、UEは、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする必要がある。時間Aは、長DRXサイクルが始まった直後に開始することができるが、長DRXサイクルが始まった後、ある時間オフセットをもって開始してもよい。
【0122】
時間Bの期間の開始は、チャネル占有信号の受信の成功に依存し、時間Bの期間は、例えばチャネル占有信号の受信直後に開始することができるが、チャネル占有信号の受信後、ある時間オフセットをもって開始してもよい。
【0123】
この実施形態のさらなるバリエーションは、改良されたDRXメカニズムにおいて短DRXサイクルを考慮に入れる。短DRXサイクルは、前述したように、既知のDRXメカニズムにおいてオプションとして設定することができ、UEは、インアクティビティタイマーが満了した後に短DRXサイクルに遷移する(その後、短DRXサイクルタイマーが長DRXサイクルへの遷移を制御する)。したがって、短DRXサイクルがUEに対して設定される場合、短DRXサイクルも考慮した改良を使用することができる。前述した解決策の一部は、UEがチャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする時間Aの期間を周期的に開始させるために、長DRXサイクルに依拠する。したがって、UEは、その長DRXサイクル内の少なくとも1つのさらなる時間の間、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。この解決策は、
図16に示されており、
図16では、(
図13の基本となるシナリオに類似する)例示的なシナリオを想定し、gNBは、このシナリオに従うと、(長DRXサイクルと共に始まった)最初の時間Aのモニタ期間中にアンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを取得することができない。
【0124】
UEの挙動を最適化するために、UEが、時間Aの期間中、モニタしてチャネル占有信号を受信しなかった場合、UEは、その長DRXサイクル内の短DRXサイクルに従って時間Aの期間を再び開始できることを予測できる。
図16に示されている改良に従うと、UEは、長DRXサイクル中、設定された短DRXサイクルに一時的に従って、さらなる時間Aのモニタ期間をトリガーし、UEは、このモニタ期間中、チャネル占有信号を対象としてダウンリンクチャネルを再びモニタする。したがって、UEは、図示されているように、チャネル占有信号を検出することができ、ダウンリンク割当て(
図16におけるPDCCH)および後続するダウンリンクデータ(
図16における「データ受信」、「UE1へのデータ送信」)を受信するために、時間Bのモニタ期間に入ることができる。
【0125】
結果として、長DRXサイクル内の短DRXサイクルに従って時間Aのモニタ期間を追加的に開始させることによって、UEがgNBからチャネル占有信号および場合によってはUE宛の待ち状態のダウンリンクデータを受信するためのさらなる機会が存在する。したがって、チャネル占有信号の検出を迅速化することができる。
【0126】
さらなる例示的な実装形態に従うと、以下において説明されるように、(時間Aの期間ではなく)時間Bの期間の開始は、短DRXサイクルに従って追加的にトリガーされる。したがって、UEは、特に、長DRXサイクル内の少なくともさらなる時間Bの期間中、ダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。この解決策は
図17に示されており、
図17では(
図14の基本となるシナリオにいくらか類似する)例示的なシナリオを想定し、gNBは、このシナリオに従うと、ダウンリンクチャネルを取得して時間Aの期間中にチャネル占有信号をUEに送信することができるが、時間Aの期間の直後の時間Bの期間中にUEへのダウンリンク送信を時間内に実行することができない。
図17の解決策は、その長DRXサイクル内の短DRXサイクルの次の開始の際に、さらなる時間Bの期間がトリガーされ、この期間中、UEは、ダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする、という点で異なる。明らかなように、gNBは、この追加の時間B中にPDCCHをUEに送信し、UEはこのPDCCHを受信し、次いで、このPDCCHに基づいてダウンリンクデータを受信することができると想定される。前と同様に、次の時間Aのモニタ期間は、次の長DRXサイクルと共に始まる。
【0127】
上述したチャネル占有信号をどのように実現するかに関して、いくつかの可能な方法が存在する。概念的には、アンライセンス無線セルのダウンリンクにおいてgNBによって送信される任意の信号の存在を、チャネル占有信号としてすでに使用することができる。なぜならば、gNBは、ダウンリンクチャネルを取得する前にはダウンリンクにおいていかなる信号も送信しないからである。チャネル占有信号は、ダウンリンクチャネルを取得した後に1回送信される一度限りの信号とすることができるが、チャネル占有時間中に(すなわち、アンライセンスチャネルがダウンリンクにおいてgNBによって占有されている間に)2回以上送信されてもよい。
【0128】
例えば、チャネル占有信号は、gNBによって、そのアンライセンス無線セルにおいてブロードキャストされる特定の参照信号として実現されてもよい。5G NRにはいくつかの参照信号がすでに定義されており、アップリンクについては非特許文献5の第6.4節に記載されており、ダウンリンクについては第7.4節に記載されている(それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。例えばダウンリンクにおいては、CSI参照信号および位相トラッキング用参照信号に加えて、PDSCHおよびPDCCHならびにPBCHの復調用参照信号が存在する。
【0129】
例示的な一実装形態において、アンライセンス無線セルのチャネルが占有されていることを示すために、新しい参照信号を定義することができる。gNBは、アンライセンスバンドで動作するすべてのNR UEに対して、この参照信号の新しい系列を設定することができる。UEは、系列相関を実行し、その系列を検出できなかった場合、NRアンライセンスセルにおける送信が存在しないと想定することができる。一方、系列相関の結果が特定の閾値を上回る場合、UEは、gNBがダウンリンクを占有していると想定する。
【0130】
別の例示的な実装形態において、チャネル占有信号は、5G−NRにおいてすでに定義されておりgNBによって送信される、例えばPDCCHまたはPDSCHの復調用参照信号(DMRS)である。DMRSは、gNBがダウンリンクチャネルを取得した場合にのみ、アンライセンス無線セルにおいてgNBによって送信されると想定される。結果として、UEは、DMRSを検出したとき、gNBが実際にダウンリンクチャネルを取得したと判定する。この点において、例えば、gNBは、アンライセンスバンドにおいて動作するすべてのNR UEに対して、DMRSの共通系列を設定する。UEは、系列相関を実行し、その系列を検出できなかった後、UEは、NRアンライセンスセルにおける送信が存在しないと想定することができる。一方、系列相関の結果が特定の閾値を上回る場合、UEは、gNBがダウンリンクチャネルを占有していると想定する。
【0131】
別のオプションは、例えば共通サーチスペース内でダウンリンク制御情報としてチャネル占有信号を送信することである。上述したように、ダウンリンクにおける制御情報の送信は、5G−NRでは(およびLTEでも同様に)、異なるフォーマットのDCIに基づいて実施され、DCIを送信することができる無線リソースにおいて特定のサーチスペース内で送信される。概念的には、共通サーチスペースは、すべてのUEによって復号され、したがって、一般には、gNBによって到達可能なすべてのUEに情報を送信するために使用されるのに対し、UE固有サーチスペースは、1つのUEに固有であり、したがって、その1つのUEによってのみ復号され、それ以外のUEによって復号されない。
【0132】
すでに定義されているDCIのうちの1つを、チャネル占有信号であるように定義することができる。例えば、DCIは、共通サーチスペース内で送信することができ、UEの共通識別子でスクランブルすることができる(例えば、5G−NRによってすでに定義されているように、SFI−DCI 2_0は、SFI−RNTIでスクランブルされ、DCIフォーマット2_1は、INT−RNTIでスクランブルされる)。結果として、UEが、SFI−DCI 2_0および/またはDCIフォーマット2_1を検出したとき、UEは、gNBが実際にダウンリンクチャネルを取得したと判定する。別のオプションは、SI−RNTIでスクランブルされたシステム情報をチャネル占有信号として使用することである。
【0133】
追加的にまたは代替的に、上述したDCIが、チャネルが実際に取得されているか否かを示すための少なくとも1つの追加ビットだけ拡張されてもよい。
【0134】
代替的に、新しいDCIが、チャネル占有信号を実現する目的で定義されてもよく、場合によっては特別にこの目的のための新しいRNTIを使用する。新しいDCIは、ダウンリンクチャネルがgNBによって実際に取得されているか否かを示すための少なくとも1つのビットを含んでもよい。新しいDCIは、非常に頻繁に送信されてもよい。
【0135】
上述したように、チャネル占有信号を実現するためのいくつかの異なる方法が存在する。
【0136】
さらに、チャネル占有信号は、チャネル占有時間中、1回のみ送信されてもよいし、または、複数回送信されてもよい。これは、上述したチャネル占有信号の実現方法に依存しうる。
【0137】
前述したように、時間Bの期間の長さは、例えばレガシーDRXメカニズムのオン期間と同じとすることができる。これに対して、gNBのチャネル占有時間を考慮して、時間Bの期間の長さは制限されてもよい。チャネル占有時間は、具体的には、gNBがまずアンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルを取得した後にそのダウンリンクチャネルを占有することが許可される最大時間である。結果として、UEは、gNBのチャネル占有時間が終わった後は、ダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする必要がない。したがって、gNBのチャネル占有時間がいつ終わるかをUEが認識しているならば、UEは、さらに電力を節約するために、時間Bの期間中にモニタプロセスを適切に停止することができる。
【0138】
gNBの最大チャネル占有時間がいつ終わるかをUEがどのように学習するかに関して、いくつかの可能な方法が存在する。例えば、チャネル占有時間に関する情報が、UEに送信されてもよく、UEは、この情報から、チャネル占有時間がいつ終わるかを推測することができる。例えば、チャネル占有信号は、gNBのチャネル占有の開始を示すものと理解することができ、チャネル占有の終了を、チャネル占有の開始から、最大チャネル占有時間の情報に基づいて決定することができる。
【0139】
チャネル占有時間に関する情報は、さまざまな形をとることができる。例えば、チャネル占有時間の終了は、ダウンリンクチャネルを占有することがもはやgNBに許可されない対応するフレーム番号を指し示すことによって、示すことができる。代替的に、チャネル占有時間の最大長が示されてもよく、したがって、UEは、チャネル占有時間の最大長とチャネル占有の開始時刻(例えば、チャネル占有信号が受信された時刻)とに基づいて、チャネル占有の終了を推測することができる。さらに別のオプションとして、チャネル占有の残りの時間が、例えばシンボル、スロット、サブフレーム、または無線フレームの単位で、示されてもよい。この場合、COTが、チャネル占有時間中に繰り返し送信され、それに応じて残りのCOTの値が更新される。
【0140】
gNBは、チャネル占有時間に関する情報を、例えばチャネル占有信号と一緒にUEに送信することができる。チャネル占有時間に関するこの情報をどのように組み込むかは、チャネル占有信号の実現方法に依存しうる。例えば、共通サーチスペース内で送信されるSFI−DCIを使用するときには、チャネル占有時間に関する情報を運ぶことができるように、DCIの対応するフォーマットが、さらなる1ビットまたは複数ビットだけ拡張されなければならない、または、新しいRNTIでスクランブルされうる新しいDCIフォーマットが導入されなければならない。
【0141】
チャネル占有信号を実現するために新しいDCIを使用するときには、新しいDCIは、gNBのチャネル占有時間がいつ終わるかをUEが判定することを可能にする情報をさらに含むように、拡張されてもよい。この情報は、DCIが頻繁に送信されるときに特に有用であり、したがって、新しいDCIにおいて運ばれるチャネル占有時間の残りの長さが、新しいDCI(チャネル占有信号)が送信されるたびに更新される。
【0142】
追加的にまたは代替的に、チャネル占有時間に関する情報は、チャネル占有信号とは別個に(例えば共通DCIまたはUE固有DCIの一方に含めて)送信されてもよい。
【0143】
時間Bの期間内の、UEがダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする必要がない期間に関する追加の情報をUEに提供することによって、さらなる改良を達成することができる。これによって、UEは、さらに多くの電力を節約することが可能になる。特に、この追加の情報は、例えばチャネル占有信号と一緒にgNBによってUEに送信されてもよい。例示的な一実装形態において、この追加の情報は、gNBからのダウンリンク通信が行われず、したがって、UEによってモニタされる必要がない特定のアップリンク期間(例えば、アップリンクスロットまたはアップリンクOFDMシンボル)を示す。したがって、この追加の情報は、SFI−PDCCHと類似するまたは同じ情報を提供するが、この追加の情報は、チャネル占有信号と一緒に、より頻繁に送信されてもよい。
【0144】
上に提示された1つの例示的な解決策によれば、時間Aの期間(したがって、さらに時間Bの期間)のトリガーは、長DRXサイクル/短DRXサイクルに関連付けられている。代替の例示的な実装形態として、改良された本メカニズムは、1つ以上のDRXサイクルの代わりに、同期信号をUEに提供するコンテキストにおいて5G NRに定義されているSSB測定タイミング設定(SMTC)に従った周期に従う。前述したように、SSB−MTC設定は、同期信号/PBCHブロックを受信するためのSMTC1測定ウインドウの周期および期間の定義を含む。なお、SMTC1測定ウインドウは、一般に、DRXサイクル(特に長DRXサイクル)より頻繁に発生することに留意されたい。時間Aの期間および時間Bの期間は、現在のセルにおけるこのSMTC1測定ウインドウと同期されてもよい。
【0145】
特に、UEは、SMTC1測定ウインドウ(SMTCモニタ期間とも称される)の開始時に時間Aのモニタ期間をトリガーし、時間Aの間、チャネル占有信号を受信するためにダウンリンクチャネルをモニタする。さらなる動作は、他の解決策に関連して前述した動作と基本的に同じであってよく、例えば、UEが時間A内でgNBからのチャネル占有信号を検出して受信できたときに、時間Bのモニタ期間がトリガーされる。したがって、UEは、後続の時間Bの期間中、ダウンリンク割当てを対象としてダウンリンクチャネルをモニタする。次の時間Aの期間は、次のSMTC測定ウインドウの開始によってトリガーされる。
【0146】
本解決策のDRXベースの実装形態に関連して説明した他の態様は、本解決策のSMTCベースの実装形態に等しく適用可能である。例えば、時間Aの期間の長さは同じままとすることができるが、時間Aの期間の長さをDRXベースの解決策より長くすることも可能である。一方、SMTCベースの解決策は、時間Aの期間をより頻繁にトリガーすることを考慮して、時間Aの期間の長さをDRXベースの解決策より短くすることもできる。
【0147】
別の例として、gNBがダウンリンクチャネルをもはや占有していない後にUEが依然としてダウンリンクチャネルをモニタすることを回避するために、時間Bの期間の長さを、例えばgNBのチャネル占有時間に制限することができる。したがって、gNBのチャネル占有時間に関する情報が、上述した方法のうちの1つでUEに提供されうる。
【0148】
図18は、
図15の基本のシナリオに類似する特定の例示的なシナリオを想定している、SMTCベースの解決策の例示的な一実装形態を示している。この図から明らかであるように、時間Aの期間は、UEのSMTC測定ウインドウと一緒に始まる。時間Bの期間は、チャネル占有時間(COT)の長さを有すると例示的に想定する。図示されていないが、UEは、例えば時間Aの間にチャネル占有信号が受信されない場合、または、時間Bの間にダウンリンク割当てが受信されない場合、前にすでに説明したのと同様に(例えば
図10および
図11に関連する前の説明を参照されたい)、この機会を利用してスリープ状態に入ることができる。UEは、時間Bの後にスリープ状態に入る。結果として、UEは、時間Bより長くアウェイク状態のままであることはない。前のDRXベースの解決策との違いとして、DRXインアクティビティタイマーが使用されないが、オプションとして、時間Bは、gNBによるチャネル占有と同期するように、チャネル占有時間(COT)に設定される。
【0149】
[さらなる態様]
第1の態様によれば、ユーザ機器であって、動作中、第1の期間中、移動通信システムのアンライセンス無線セルを介して前記ユーザ機器と通信する基地局によって送信されたチャネル占有信号を対象として、前記アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタする受信機を備えているユーザ機器が提供される。前記チャネル占有信号は、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記ダウンリンクチャネルを占有していることを示す。前記受信機は、動作中、前記第1の期間中に、前記基地局から前記チャネル占有信号を受信する。前記受信機のプロセッサは、動作中、受信された前記チャネル占有信号に基づいて、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定する。前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定した後、前記受信機は、動作中、第2の期間中、前記ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。前記受信機は、動作中、前記第2の期間中に、前記ダウンリンク制御情報を受信し、次いで、受信された前記ダウンリンク制御情報に基づいて、前記基地局から前記ダウンリンク送信を受信する。
【0150】
第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、前記第1の期間中に前記チャネル占有信号が受信されない場合、前記ユーザ機器は、前記第1の期間が終わると始まるスリープ期間中、前記チャネル占有信号および前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない。オプションとして、前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信されない場合、前記ユーザ機器は、前記第2の期間が終わると始まるスリープ期間中、前記チャネル占有信号および前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない。
【0151】
第1の態様または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、前記チャネル占有信号は、
前記アンライセンス無線セルにおいて前記基地局によってブロードキャストされる参照信号と、
前記ダウンリンクチャネルの共通サーチスペース内で送信されるダウンリンク制御情報と、
のうちの少なくとも一方である。
オプションとして、前記参照信号は復調用参照信号である。オプションとして、前記ダウンリンク制御情報は、5G−NR通信システムのスロットフォーマットインジケータ無線ネットワーク一時識別子(SFI−RNTI)または中断送信インジケータRNTI(INT−RNTI)またはシステム情報RNTI(SI−RNTI)などの共通UE識別情報でスクランブルされている。
【0152】
第1の態様から第3の態様のうちのいずれかに加えて提供される第4の態様によれば、前記第1の期間は、長不連続受信(DRX)サイクルが始まるたびに始まり、前記長DRXサイクルは、前記ユーザ機器において動作するDRX機能の一部である。オプションとして、前記長DRXサイクルが始まるときに始まる前記第1の期間中に前記チャネル占有信号が受信されない場合、前記受信機は、動作中、残りの前記長DRXサイクル内で次の1つ以上の短DRXサイクルが始まるときに追加的に始まる別の第1の期間中、前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。オプションとして、前記第1の期間中に前記チャネル占有信号が受信され、前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信されない場合、前記受信機は、動作中、残りの前記長DRXサイクル内で次の1つ以上の短DRXサイクルが始まるときに追加的に始まる別の第2の期間中、前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。
【0153】
第1の態様から第4の態様のうちのいずれかに加えて提供される第5の態様によれば、前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信されない場合、前記受信機は、動作中、次の長DRXサイクルが始まるときに始まる別の第1の期間中、前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。さらに、前記第2の期間中に前記ダウンリンク制御情報が受信された場合、前記受信機は、動作中、残りの前記長DRXサイクル内で次の1つ以上の短DRXサイクルが始まるときに追加的に始まる別の第1の期間中、前記チャネル占有信号を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。
【0154】
第1の態様から第5の態様のうちのいずれかに加えて提供される第6の態様によれば、前記第1の期間は、前記ユーザ機器において動作する不連続受信(DRX)機能のオン期間より短い。オプションとして、前記第2の期間は、前記ユーザ機器において動作する不連続受信(DRX)機能のオン期間と同じ長さを有する。
【0155】
第1の態様から第6の態様のいずれかに加えて提供される第7の態様によれば、前記受信機は、動作中、前記基地局から、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有することが許可されるチャネル占有時間に関する情報をさらに受信する。前記受信機は、動作中、前記チャネル占有時間が終わるときに、前記第2の期間中、前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタすることを停止する。オプションとして、前記チャネル占有時間に関する情報は、前記基地局から前記チャネル占有信号と一緒に送信される。
【0156】
第1の態様から第7の態様のうちのいずれかに加えて提供される第8の態様によれば、前記受信機は、動作中、
システム情報ブロードキャストと、
ダウンリンク制御情報と、
前記ユーザ機器を宛先とする無線リソース制御プロトコルのシグナリングと、
のうちの1つ以上の中で、前記第1の期間および/または前記第2の期間の時間長に関する情報を受信する。
【0157】
第1の態様から第3の態様のうちのいずれかに加えて提供される第9の態様によれば、前記第1の期間は、同期ブロックモニタタイミング期間が始まるたびに始まる。オプションとして、前記受信機は、動作中、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有することが許可される受信されたチャネル占有時間が終わるときに、前記第2の期間中、前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタすることを停止する。
【0158】
第9の態様に加えて提供される第10の態様によれば、前記受信機は、動作中、前記ユーザ機器が前記ダウンリンク制御情報を対象として前記ダウンリンクチャネルをモニタする必要がない、前記第2の期間内の期間に関する追加の情報を受信する。オプションとして、前記追加の情報は、前記基地局から前記チャネル占有信号と一緒に受信される。オプションとして、前記追加の情報は、時分割に基づく通信における、前記基地局からのダウンリンク通信が予測されないアップリンク期間を示す。
【0159】
第11の態様によれば、移動通信システムのアンライセンス無線セルを介してユーザ機器と通信する基地局が提供される。前記基地局は、動作中、前記アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルに対して空きチャネル判定を実行して、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記ダウンリンクチャネルを占有できるかどうかを判定する受信機および処理回路を備える。前記基地局の送信機は、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有できるとき、動作中、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルにおいて、チャネル占有信号を前記ユーザ機器に送信する。前記チャネル占有信号は、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記ダウンリンクチャネルを占有していることを示す。前記送信機は、動作中、前記ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を、前記ユーザ機器に送信する。前記送信機は、動作中、受信される前記ダウンリンク制御情報に基づいて、ダウンリンク送信を前記ユーザ機器に送信する。
【0160】
第11の態様に加えて提供される第12の態様によれば、前記処理回路は、動作中、前記ユーザ機器が、第1の期間中、前記基地局によって送信された前記チャネル占有信号を対象として、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルをモニタしているかどうかを判定する。オプションとして、前記処理回路は、動作中、前記ユーザ機器が、第2の期間中、ダウンリンク制御情報を対象として、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルをモニタしているかどうかを判定する。オプションとして、前記ユーザ機器が、第2の期間中、前記ダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタしていると判定すると、前記送信機は、前記第2の期間中に、前記ダウンリンク制御情報を前記ユーザ機器に送信する。
【0161】
第13の態様によれば、ユーザ機器によって実行される次のステップを含む方法が提供される。前記ユーザ機器は、第1の期間中、移動通信システムのアンライセンス無線セルを介して前記ユーザ機器と通信する基地局によって送信されたチャネル占有信号を対象として、前記アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルをモニタする。前記チャネル占有信号は、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記ダウンリンクチャネルを占有していることを示す。前記ユーザ機器は、前記第1の期間中に、前記基地局から前記チャネル占有信号を受信する。前記ユーザ機器は、受信された前記チャネル占有信号に基づいて、前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定する。前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有していると判定した後、前記ユーザ機器は、第2の期間中、前記ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を対象として、前記ダウンリンクチャネルをモニタする。前記ユーザ機器は、前記第2の期間中に、前記ダウンリンク制御情報を受信し、次いで、受信された前記ダウンリンク制御情報に基づいて、前記基地局から前記ダウンリンク送信を受信する。
【0162】
第14の態様によれば、基地局によって実行される次のステップを含む方法が提供される。前記基地局は、アンライセンス無線セルのダウンリンクチャネルに対して空きチャネル判定を実行して、前記基地局がダウンリンク送信を実行するためにダウンリンクチャネルを占有できるかどうかを判定する。前記基地局が前記ダウンリンクチャネルを占有することができるとき、前記基地局は、前記アンライセンス無線セルの前記ダウンリンクチャネルにおいて、チャネル占有信号を前記ユーザ機器に送信する。前記チャネル占有信号は、前記基地局がダウンリンク送信を実行するために前記ダウンリンクチャネルを占有していることを示す。前記基地局は、前記ユーザ機器によって受信されるダウンリンク送信に関するダウンリンク制御情報を、前記ユーザ機器に送信する。前記基地局は、受信される前記ダウンリンク制御情報に基づいて、ダウンリンク送信を前記ユーザ機器に送信する。
【0163】
[ハードウェアおよびソフトウェアによる本開示の実現]
本開示は、ソフトウェアによって、ハードウェアによって、またはハードウェアと協働するソフトウェアによって、実現することができる。上述した各実施形態の説明において使用された各機能ブロックは、その一部または全体を、集積回路などのLSIによって実現することができ、各実施形態において説明された各プロセスは、その一部または全体を、同じLSIまたはLSIの組合せによって制御することができる。LSIはチップとして個別に形成する、または、機能ブロックの一部またはすべてが含まれるように1個のチップを形成することができる。LSIは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、本明細書においては、集積度の違いに応じて、IC(集積回路)、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとも称される。しかしながら、集積回路を実現する技術は、LSIに限定されず、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを使用することによって実現されてもよい。さらに、LSIの製造後にプログラムすることのできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)や、LSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブル・プロセッサを使用することもできる。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。半導体技術または別の派生技術が進歩する結果として、将来の集積回路技術がLSIに置き換わる場合、その将来の集積回路技術を使用して機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジを適用することもできる。
【0164】
さらに、様々な実施形態は、ソフトウェアモジュールによっても実現されうる。これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装との組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、RAMやEPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなどに記憶されうる。さらに、複数の異なる実施形態の個々の特徴は、個々にまたは任意の組合せで、別の実施形態の主題でありうるに留意されたい。
【0165】
具体的な実施形態において示されている本開示に対して、様々な変更および/または変形を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本実施形態は、あらゆる点において例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。