特表2021-532843(P2021-532843A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532843(P2021-532843A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】組織腫瘤の選択的な切除および検出
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3205 20060101AFI20211105BHJP
   A61B 1/303 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   A61B17/3205
   A61B1/303
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-570060(P2020-570060)
(86)(22)【出願日】2019年6月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月10日
(86)【国際出願番号】IB2019054902
(87)【国際公開番号】WO2019239338
(87)【国際公開日】20191219
(31)【優先権主張番号】62/684,214
(32)【優先日】2018年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520487912
【氏名又は名称】ヘラキュア・メディカル・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】マイスター,ガル
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160EE21
4C160EE30
4C160MM32
4C161AA16
4C161BB01
4C161CC06
4C161DD01
(57)【要約】
システムが、切削部分と、切削部分に結合されて切削部分を動かすアクチュエータと、アクチュエータに結合された制御装置と、制御装置と通信するセンサと、を含む。センサは、切削部分によって接触された組織が閾値を上回る硬度を有するかどうかを検知する。硬度が閾値を上回る場合、制御装置は、組織の切削を許可し、硬度が閾値を上回らない場合、制御装置は、組織の切削を許可しない。反対に、システムは、硬度が閾値未満である場合には制御装置が組織の切削を許可しまた硬度が閾値未満でない場合には制御装置が組織の切削を許可しない動作モードを有することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を有して形成されたハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、振動源に結合された切削要素であって、前記振動源が前記切削要素を振動させる働きをする、切削要素と、
撮像センサと、
前記ハウジングまたは前記切削要素に結合され、前記撮像センサと動作的に通信するアクチュエータと、
を備える、外科用デバイス。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記窓と前記撮像センサの撮像方向とを位置合わせする働きをする、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項3】
前記ハウジング内へ組織を引き込むように構成された方向性吸込み源を備え、前記アクチュエータが、前記方向性吸込み源と前記撮像センサの撮像方向の面とを位置合わせする働きをする、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項4】
前記切削要素が、直線運動で可動である、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項5】
前記切削要素が、非直線運動で可動である、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングが、回転可能な螺旋状要素に結合され、前記螺旋状要素の回転が、前記ハウジングの直線運動を生じさせる、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項7】
前記螺旋状要素が、可曲性部材の屈曲に応答して非直線経路に沿って可動であるように前記可曲性部材に結合される、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項8】
前記振動源に結合された組織硬度検出器をさらに備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項9】
硬度が閾値を上回らない場合に、前記振動源が、組織切削を可能にしないように振幅を減少させる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
組織硬度検出器をさらに備え、硬度が閾値を上回らない場合に、前記組織硬度検出器が、前記吸込み源に干渉する干渉デバイスを作動させて、前記吸込み源が前記ハウジング内へ組織を引き込むことを可能にしない、請求項3に記載のシステム。
【請求項11】
前記干渉デバイスが、前記組織を前記ハウジングから排出するように前記吸込み源の吸込みに対抗する液体または加圧ガスを圧入するソレノイドを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記螺旋状要素が、前記切削部分に結合されたシャフト上で摺動可能である、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項13】
前記螺旋状要素の螺旋部が、径方向外方に拡張可能である、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項14】
前記螺旋状要素が、前記撮像センサまたは別の撮像センサに結合される、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項15】
前記切削要素の真空負荷レベルの変化または偏差を測定するように構成されたアクチュエータセンサを備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項16】
前記アクチュエータの負荷の変化を測定するように構成されたアクチュエータセンサを備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項17】
前記切削要素における質量流量または前記切削要素の近傍の質量流量の変化を測定するように構成されたアクチュエータセンサを備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項18】
前記切削要素の力、偏向、または出力と前記アクチュエータの力、偏向、または出力との間の差を測定するように構成されたアクチュエータセンサを備える、請求項1に記載の外科用デバイス。
【請求項19】
振動性切削要素の周りに配置された螺旋状切削要素を備える、外科用デバイス。
【請求項20】
前記螺旋状切削要素が、それに沿って前記振動性切削要素が振動する長手軸と共線または平行である回転軸の周りで回転する、請求項19に記載の外科用デバイス。
【請求項21】
前記螺旋状切削要素が、前記振動性切削要素の近位の位置から前記振動性切削要素を覆う位置へ、また前記振動性切削要素の遠位の位置へ、前記振動性切削要素に対して直線的に可動である、請求項19に記載の外科用デバイス。
【請求項22】
焼灼のためのシステムであって、
ハウジング部材に結合され、前記ハウジング部材を組織内で移動させ位置決めするように構成された螺旋状部材であって、その一部分が側面開口を有する、螺旋状部材と、
前記側面開口を通って展開可能な可撓性部材であって、螺旋形状を取ることができ、前記組織にRFエネルギーを伝達することができる、可撓性部材と、
を備える、システム。
【請求項23】
前記可撓性部材が、可変の断面を有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記螺旋状部材の一部分が、可曲性部材に結合され、前記可曲性部材が、前記可曲性部材の屈曲に従って前記組織内に通路を切り開く働きをする、請求項22に記載の外科用デバイス。
【請求項25】
前記螺旋状部材に結合され、撮像センサと動作的に通信するアクチュエータを備え、前記アクチュエータが、前記螺旋状部材と前記撮像センサの撮像方向とを位置合わせする働きをする、請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、医療用デバイスの分野に関し、より詳細には、硬組織と軟組織とを区別するシステムなどの、組織の切除のためのシステムに関した。
【背景技術】
【0002】
例えば有害なもしくは潜在的に有害な良性腫瘍または癌性の組織部分を除去するために、あるいは組織試料を得るために、周囲の組織または臓器に対する不慮の穿孔または損傷などの併発症を回避しながら患者の組織または筋肉の一部分を切除することが必要になり得る、様々な事例が存在する。例えば、子宮壁穿孔は、デバイスを腹腔内に完全にまたは部分的に入れることになる、膣式アプローチを介した子宮内デバイス挿入および誘導の知られた併発症であり、これは、緊急の外科修復術を必要とする。
【0003】
組織への穿通部位の寸法が制限された状態で大きな腫瘍、線維腫、または病巣に対して組織焼灼を行うことが必要になり得る、様々な事例も存在する。患者の外傷を最小限にして組織の予測可能体積を焼灼する目的のために、罹患した領域(例えば、腫瘍)へRFエネルギーが送達され得る。しかし、組織の大きな領域が最小限の消費時間で焼灼される必要がある場合、処置の時間および複雑さを抑えるために、電極のより大きな体積形状(volumetric shape)を生成する必要がある。RF電極を使用する組織焼灼の1つの欠点は、電極が組織内に適切に配置されかつ固定されていない場合に、周囲の健康な組織または臓器への熱損傷を生じさせることである。したがって、電極を高い精度で標的組織内に穿通させかつ保持するように誘導され得るとともに初期のデバイスの穿通直径と比較して大体積の組織焼灼、場合により8〜10倍にすらなる焼灼体積を可能にする、単純なシステムが必要とされている。
【0004】
そのような治療に好都合な候補疾患は、子宮筋腫である。子宮筋腫(子宮平滑筋腫(leiomyomata uteri))は、米国内の50歳までの女性の大部分に影響する、良性の固形硬性腫瘍である。無症候性であることが多いが、筋腫は、異常な子宮出血、骨盤圧迫(pelvic pressure)、低受胎、性交疼痛症、および他の症状をもたらし得る。子宮筋腫は、米国、欧州、および他の国々において、子宮摘出術の主要な指標である。治療選択肢(子宮摘出術、筋腫核出術、子宮動脈塞栓術)が存在するが、それらは、典型的には、大手術および入院(inpatient admission)を伴い、切開および全身麻酔を必要とし、かつ、重大な有害事象を伴って日常生活の活動への回復を遅らせる可能性がある。したがって、子宮温存を望む女性のために、深くかつ大きな筋腫(3〜10cmの直径)を低侵襲で切除するための安全かつ効率的なシステムが、必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、様々な堅さの組織の選択的な切除のためのシステムおよび方法を提供することを図るものである。システムは、物理的特徴に基づいて軟組織と硬組織腫瘤とを識別し、かつ、望ましくない組織腫瘤、筋腫、病巣、または腫瘍を患者の身体から選択的に切除しかつ除去する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態では、医療用デバイスは、短くかつ限定されたストローク距離(限定されないが、0.05mm〜5mmの範囲内)にわたって特定の周波数(限定されないが、1分間当たり100〜100,000回の振動の範囲内、または超音波範囲内)で振動する、刃の付いた切削部分を含む。システムの切削部分が軟質の/柔軟な/低剛性の組織と接触する場合、組織は、切断されることなく変形するのに十分に柔軟である。これは、組織に及ぼされる切削ストローク/距離/角度の限られた/小さな振幅に起因する。組織の柔軟性により、切削部分上で固体抵抗力(solid resistance)は生成されず、軟組織の切除を不可能とする。しかし、システムの切削部分が堅い/硬質の筋腫または病巣と接触する場合、筋腫は切削部分の動きに抵抗するので、硬組織は変形することができず、それにより切削部分が硬組織、筋腫、病巣、または腫瘍を容易に切除/穿通することが可能とされる。したがって、本発明は、周囲の組織への損傷を回避しながら硬組織、筋腫、病巣、または腫瘍を切削するためのより安全なシステムを提供する。
【0007】
切削部分が軟組織を切削することができないことは、振動の周波数および振幅、切削部分/刃の形状およびサイズ、ならびに組織に適用される真空レベルを含むがこれらに限定されない、様々なパラメータの要因である。
【0008】
本発明の一実施形態によれば、特定の幾何形状を有する切削部分と、切削部分に結合されて切削部分を動かすアクチュエータと、アクチュエータに結合された制御装置と、を含むシステムが提供される。アクチュエータは、閾値を上回る硬度を有する組織を切削することを可能にする特定の周波数で切削部分を振動させる。
【0009】
さらに別の実施形態では、システムが、切削部分と、切削部分に結合されて切削部分を動かすアクチュエータと、アクチュエータに結合された制御装置と、制御装置と通信するセンサと、を含み得る。センサは、切削部分によって接触された組織が閾値を上回る硬度を有するかどうかを検知する。硬度が閾値を上回る場合、制御装置は、組織の切削を許可し、硬度が閾値を上回らない場合、制御装置は、組織の切削を許可しない。反対に、センサは、切削部分が軟組織を切除することができない場合に「非切除」状況を検出することにより、切削部分によって接触された組織が閾値を上回る硬度を有するかどうかを検知してもよい。「非切除」状況の検出は、切除部分にかかる負荷/力の増大、アクチュエータにかかる負荷/力の増大、吸込みシステムにかかる負荷の増大、超音波共振周波数の増大/減少などの、しかしこれらに限定されない、システムの物理的パラメータに基づき得る。反対に、システムは、硬度が閾値未満である場合には制御装置が組織の切削を許可しまた硬度が閾値未満でない場合には制御装置が組織の切削を許可しない動作モードを有することができる。
【0010】
さらに別の実施形態では、システムは、切削の対象とされていない組織を切除部分から排出する/遠ざけることができる追加の干渉システム/ユニットを含み、かつ、切除プロセスを最初からやり直すことができる。
【0011】
さらに、本発明は、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのシステムおよび方法を提供することを図るものである。所定の処置中に不慮の組織穿孔をすることは、さらなる外科修復術を必要とする併発症であり、したがって、回避されなければならない。例えば、子宮壁穿孔は、デバイスを腹腔内に完全にまたは部分的に入れることになる、膣式アプローチを介した子宮内デバイス挿入の知られた併発症であり、これは、緊急の外科修復術を必要とする。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、窓を有して形成されたハウジングと、ハウジング内に配置され、振動源に結合された切削要素であって、振動源が切削要素を振動させる働きをする、切削要素と、撮像センサと、ハウジングまたは切削要素に結合され、撮像センサと動作的に通信するアクチュエータと、を含む外科用デバイスが提供される。
【0013】
アクチュエータは、窓と撮像センサの撮像方向とを位置合わせすることができる。方向性吸込み源が、組織をハウジング内へ引き込むことができ、アクチュエータは、方向性吸い込み源と撮像センサの撮像方向の面とを位置合わせすることができる。切削要素は、直線運動または非直線運動で可動であり得る。ハウジングは、回転可能な螺旋状要素に結合されてよく、螺旋状要素の回転は、ハウジングの直線運動を生じさせる。
【0014】
螺旋状要素は、可曲性部材の屈曲に応答して非直線経路に沿って可動であるように、可曲性部材に結合され得る。
【0015】
組織硬度検出器が、振動源に結合され得る。例えば、硬度が閾値を上回らない場合、振動源は、組織切削を可能にしないように振幅を減少させる。例えば、硬度が閾値を上回らない場合、組織硬度検出器は、吸込み源と干渉する干渉デバイスを作動させて、吸込み源がハウジング内へ組織を引き込むことを可能にしない。干渉デバイスは、組織をハウジングから排出するように吸込み源の吸込みに対抗する液体または加圧ガスを圧入するソレノイドを含み得る。
【0016】
螺旋状要素は、切削部分に結合されたシャフト上で摺動可能であり得る。螺旋状要素の螺旋部は、径方向外方に拡張可能であり得る。
【0017】
螺旋状要素は、撮像センサまたは別の撮像センサに結合される。
【0018】
アクチュエータセンサが設けられ得る。センサは、切削要素の真空負荷レベルの変化もしくは偏差を測定してもよく、または、センサは、アクチュエータの負荷の変化を測定してもよく、または、センサは、切削要素における質量流量もしくは切削要素の近傍の質量流量の変化を測定してもよく、または、センサは、切削要素の力、偏向、または出力とアクチュエータの力、偏向、または出力との間の差を測定してもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、振動性切削要素の周りに配置された螺旋状切削要素を含む外科用デバイスが提供される。
【0020】
螺旋状切削要素は、それに沿って振動性切削要素が振動する長手軸と共線または平行である回転軸の周りで回転し得る。
【0021】
螺旋状切削要素は、振動性切削要素の近位の位置から振動性切削要素を覆う位置へ、また振動性切削要素の遠位の位置へ、振動性切削要素に対して直線的に可動であり得る。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、ハウジング部材に結合され、ハウジング部材を組織内で移動させ位置決めするように構成された螺旋状部材であって、その一部分が側面開口を有する、螺旋状部材と、側面開口を通って展開可能な可撓性部材であって、螺旋形状を取ることができ、組織にRFエネルギーを伝達することができる、可撓性部材と、を含む、焼灼のためのシステムが提供される。
【0023】
可撓性部材は、可変の断面を有し得る。螺旋状部材の一部分は、可曲性部材に結合されてよく、可曲性部材は、可曲性部材の屈曲に従って組織内に通路を切り開く働きをする。アクチュエータが、螺旋状部材に結合され、撮像センサと動作的に通信することができ、この場合、アクチュエータは、螺旋状部材と撮像センサの撮像方向とを位置合わせする働きをする。
【0024】
本発明はまた、腫瘍、病巣、筋腫の実際の形状に対応するための調整可能な形状により大きな組織領域のRF焼灼をするためのシステムおよび方法を提供することを図るものである。様々なタイプのRF電極が、拡張可能であるように設計された。しかし、10倍まで拡張可能なRF焼灼体積とともに組織穿通および保持技法と小さな横断輪郭(crossing profile)とを組み合わせるシステムは、存在しない。
【0025】
本発明は、以下の図面および説明を参照することにより、より良く理解されるであろう。図中の構成要素は必ずしも原寸に比例しておらず、むしろ、本発明の原理を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】軟組織腫瘤の切除を回避しながら硬組織腫瘤を選択的に切除するためのシステム方法論の簡易化した流れ図である。
図2】切除の対象とされていない組織を排出するための干渉機構を含む、B型組織の切除を回避しながらA型の組織腫瘤を検出し認識しかつ選択的に切除するためのシステム方法論の簡易化した流れ図である。
図3】以下の(しかしこれらに限られない)構成要素、すなわち切除デバイス、真空/吸引源、干渉システム、流体管理、RF発生器、および足踏みペダルのうちの1つまたは複数に接続された制御装置を含む、そのようなシステムの1つの実施形態の簡易化した絵図である。
図4図4Aは、切除デバイスの1つの実施形態の簡易化した絵図である。図4Bは、切除デバイスの1つの実施形態の簡易化した絵図である。図4Cは、切除デバイスの1つの実施形態の簡易化した絵図である。
図5図5は、組織吸引を行っている間に切除刃を回転させかつ振動させるためのシステム機構の簡易化した絵図である。図5Aは、スイベル吸込みポートの回転を伴わない切除デバイスチューブの回転の簡易化した図である。図5Bは、スイベル吸込みポートの回転を伴わない切除デバイスチューブの回転の簡易化した図である。
図6図6は、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。図6Aは、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。図6Bは、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。図6Cは、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。図6Dは、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。図6Eは、デバイスの初期展開中の不慮の組織穿孔を防止するためのコルク抜き状(螺旋状)要素および可曲性リーフの簡易化した絵図である。
図7】リーフ要素107の追加的な形状および設計の簡易化した絵図である。
図8】周囲の組織を処置するための切除デバイスの屈曲および可撓性を可能にするさらに別の設計の簡易化した絵図である。
図9】安全な方法で(図6の)コルク抜き状要素106を後退させかつ回転させるための機構の簡易化した絵図である。
図10】デバイスシャフト100の視程と撮像システム200とを位置合わせするための方向付け固定具130の設計の簡易化した絵図である。
図11】デバイスシャフト100の視程と撮像システム200とを位置合わせするための方向付け固定具130の設計の簡易化した絵図である。
図12】デバイスシャフト100の視程と撮像システム200とを位置合わせするための方向付け固定具130の設計の簡易化した絵図である。
図13】可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。
図14図14Aは、可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。図14Bは、可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。図14Cは、可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。
図15図15Aは、可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。図15Bは、可撓性シャフト108に取り付けられた操縦可能なコルク抜き状要素106の簡易化した絵図である。
図16】拡張型RF電極を含むRF焼灼デバイスの簡易化した絵図である。
図17】拡張型RF電極を含むRF焼灼デバイスの簡易化した絵図である。
図18図18Aは、拡張型RF電極の前進シーケンスの簡易化した絵図である。図18Bは、拡張型RF電極の前進シーケンスの簡易化した絵図である。図18Cは、拡張型RF電極の前進シーケンスの簡易化した絵図である。図18Dは、拡張型RF電極の前進シーケンスの簡易化した絵図である。
図19図19Aは、拡張型電極のさらに別の設計の簡易化した絵図である。図19Bは、拡張型電極のさらに別の設計の簡易化した絵図である。図19Cは、拡張型電極のさらに別の設計の簡易化した絵図である。図19Dは、拡張型電極のさらに別の設計の簡易化した絵図である。
図20図20Aは、様々な形状の複数の拡張型電極の組合せの簡易化した絵図である。図20Bは、様々な形状の複数の拡張型電極の組合せの簡易化した絵図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、添付の図面にその例が示されている本開示の実施形態を詳細に参照する。用語「遠位の(distal)」は、一般に医療処置中に患者の生体構造内の標的部位に向かう方向を意味する。用語「近位の(proximal)」は、一般に医療処置中に医師に向かう方向を意味する。
【0028】
1つの態様では、本発明のシステムは、壁内および漿膜下の子宮筋腫の経頸管的な除去などのために、患者の体内で低侵襲的処置を行うことができる。ハンドルが設けられ得るか、または、デバイスは、何らかの他の操作ツールに接続され得る。
【0029】
図1〜2は、切除の対象とされていない組織の排出への任意的な干渉機構を含む、B型の組織腫瘤の切除を回避しながらA型の組織腫瘤を検出し認識しかつ選択的に切除するためのシステムの方法論を示す。
【0030】
次に図3を参照する。図3では、制御装置10が、切除デバイス1と、真空/吸引源2、干渉システム3、流体管理ユニット4、RF発生器5、および切除デバイス1の切削部分を動かすためのモータ、ソレノイド、または他の電気式、液圧式、もしくは空気式アクチュエータなどのアクチュエータ6を含む(しかしこれらに限られない)他の追加の構成要素とに結合されることが分かる。図5を参照しながら説明されるように、アクチュエータは、線形振動を生じさせるための一方の部分と、回転振動を生じさせるためのもう一方の部分の、2つのアクチュエータ部分を含み得る。本発明はこれに限定されるものではなく、1つのアクチュエータが線形振動および回転運動の両方に対して使用される場合もある。
【0031】
具体的には、制御装置10は、切除デバイス1の切削部分103(図4A〜4Cに示される)に動作的に結合され、切削部分103の組織を切除する能力を検出するように構成され得る。
【0032】
例えば、制御装置10は、切除デバイス1の切削部分103に結合されるアクチュエータ6に接続され得る。制御装置10は、切削部分103を振動させかつ回転させるためのアクチュエータ6の動作を制御する。制御装置10はまた、物理的パラメータ(例えば、組織の硬度)に基づいて切削要素103と標的組織との間の「非切除」状況を検出するためのフィードバックとして、アクチュエータ6にかかる負荷を検知し得る。
【0033】
制御装置は、切削要素(例えば、切刃)の回転方向を逆転させることができる。1つの実施形態では、この逆転された刃の回転は、例えば軟組織を切削するように構成され得る。
【0034】
さらに別の実施形態では、振動数は、測定された力、偏向、変形、または切削部分もしくは刃からのフィードバックに基づいて、様々な組織切削設定に対応するように制御装置によって動的に変更される。
【0035】
さらに別の実施形態では、制御装置は、特定の型の組織切削を可能にするまたは不能にするために、振動線形運動の振動数を変更し得る。
【0036】
さらに別の実施形態では、制御装置は、特定の型の組織切削を可能にするまたは不能にするために、振動線形運動の振幅を変更し得る。
【0037】
さらに別の実施形態では、制御装置は、特定の型の組織との接触しているときの周波数応答の違いを検知する。
【0038】
さらに別の実施形態では、制御装置はまた、吸引内腔を通じた組織吸引を作動させるまたは停止するために真空吸引源に接続されてもよく、また、切削要素と標的組織との間の「非切除」状況を判定するためにシステム内の実時間真空レベルを読み取るのに使用されてもよい。
【0039】
さらに別の実施形態では、制御装置は、(切除の対象とされていない)組織を切除窓102(図4A〜4C)から遠ざけるために使用され得る干渉システムに接続され得る。
【0040】
1つの実施形態では、吸込み機構への干渉は、ソレノイドを作動させることによって成されてもよく、このソレノイドは、吸引された組織腫瘤を切削チャンバから排出して軟質の健康な組織を切削するのを回避するために、反対方向に流体または加圧ガスを圧入する。
【0041】
さらに別の実施形態では、振動刃が硬組織腫瘤と接触する場合、測定される力/偏向間の差は小さいことが予期され、刃は、硬組織腫瘤を切削し、吸込み/吸引は、引き続き継続する。医師が軟組織を切削しようとする場合、振動する刃は、組織を変形させるが、切断しない(軟組織は、へこむかまたは偏向するため)。すると、医師によって及ぼされる回転力と刃の応答する力との間の差は、閾値を上回る。制御装置は、この差を検知して、吸込み/吸引プロセスに干渉するデバイスを作動させることにより、切除プロセスを中止する。
【0042】
次に、図4A〜4Cを参照する。1つの実施形態では、中空のシャフト100が、窓102を有して形成され、かつ、シャフト100の遠位端部に遠位キャップ104を含む。1つまたは複数の刃を含む切削部分103が、チューブ101の遠位部分に形成される。チューブ101は、切削部分103が窓102と位置合わせ可能(alignable)であるように、シャフト100の内側に配置される。切刃は、切歯の2つの平行な列であってよく、この切歯は、同一のものであってよく、あるいは、異なる形状およびサイズのものであってよく、また、平行でなくともよい。
【0043】
振動源(例えば、アクチュエータ6)が、切削部分103を軸方向において前後に振動させる。吸込み/吸引ユニット2は、組織腫瘤を切削チャンバ102内に引き込むために、シャフト100またはチューブ101に接続される。切削部分103が前後に回転されると、振動刃は切削チャンバ102内の組織を切削する。切削された組織は、吸込み源により、望ましくない組織腫瘤、線維腫、または病巣の除去のための外部コレクタへ、また必要とされるならば除去した組織の今後の病理組織診断のための外部コレクタへ吸引される。
【0044】
一選択肢として、窓またはスリット102は、切開の長さを決定するために、外側チューブで部分的に覆われ得る。
【0045】
さらに別の実施形態では、液体またはガスの高圧流を使用して組織を開口部から排出するために、窓開口部102の内側に圧入チューブが配置される(図4A〜Cには示されていない)。
【0046】
さらに別の実施形態では、切削部分は、屈曲チューブ、可撓性ワイヤ(しかし、軸方向には硬い)、または部分的に切り取られた内腔チューブから構成される。
【0047】
さらに別の実施形態では、デバイスの遠位端部は、処置中のいかなる出血をも止めるために、RF焼灼エネルギーを生成するための電極またはトロカールを含み得る。
【0048】
次に、切除デバイスの一実施形態を示す図5を参照する。この翻案では、アクチュエータは、線形振動アクチュエータ115および回転振動アクチュエータ110を含む。
【0049】
線形振動アクチュエータ115は、接続部材117を介してチューブ101に結合された振動ピストン116を含み、接続部材117は、ピストン116の両側に配置された1対の案内ロッド113に固着されている。ピストン116が前後に(図5の意味では左右に)摺動すると、チューブ101、接続部材117、およびロッド113もまた、前後に摺動する。線形振動は、制限はないが、100〜100,000Hzの振動数範囲内、または超音波範囲内であってよい。
【0050】
回転振動アクチュエータ110は、歯車111および112を介して案内ロッド113の組立体に結合される。アクチュエータ110の回転が、ピストン116の中心軸の周りでのロッド113の回転を生じさせ、この回転が、チューブ101の同じ回転を生じさせる。回転振動は、制限はないが、±50°の範囲内であり得る。
【0051】
スイベル吸込みポート118が、チューブ101の近位端部に流体的に接続されてよく、また、シール(Oリング)109によりチューブへの接続部において流体的に封止されてよい。吸込みポート118は、切除された組織を吸引するために使用され得る。図5Aおよび5Bで明らかなように、チューブ101は回転するが、スイベル吸込みポート118は回転しない。
【0052】
切除窓102(図4A〜4C)へ洗浄流体を圧入するための洗浄チューブポート119が、接続部材117に設けられ得る。洗浄ポート119は、(必要に応じて)切除の対象とされていない組織を切除窓102から排出するために、高圧液体を圧入するのに使用され得る。
【0053】
次に、不慮の組織穿孔を防止するためのシステムおよび方法の設計を示す図6〜6Eを参照する。切除デバイスは、制御されかつ安全な穿通方法のためのコルク抜き状要素106を含み得る。
【0054】
1つの実施形態では、コルク抜き状要素は、組織の内側に経路を作り出すために、内腔(直線状または曲線状とされ得る)を切り開くか他の方法で作り出す。この経路は、組織もしくは破片の除去のために、または別の医療用デバイスを前進させかつ導入するために使用され得る。
【0055】
さらに別の実施形態では、コルク抜き状要素およびシャフトは、RF焼灼エネルギーを生成するために使用され得る。
【0056】
図6〜6Eを参照すると、本発明の切除デバイスは、追加の螺旋状(コルク抜き状)切削要素106を含み得ることが明らかである。したがって、本発明の切除デバイスは、振動性切削要素103の周りに配置される螺旋状切削要素106を含み得る。螺旋状切削要素106は、長手軸39と共線または平行である回転軸37の周りで回転することができ、振動性切削要素103は、長手軸39に沿って振動する。螺旋状切削要素106は、振動性切削要素103の近位の位置(図6〜6A)から、振動性切削要素103を覆う位置(図6B〜6C)へ、また振動性切削要素103の遠位の位置(図6D〜6E)へ、振動性切削要素103に対して直線的に移動するように、配置され得る。
【0057】
螺旋状切削要素106は、シャフト105(例えば、中空チューブ)から延在し得る。シャフト105は、屈曲可能な遠位部分を有し得る。例えば、シャフト105は、その周りでシャフト105が曲がることができる領域を確定する様々な切欠き107を有して形成され得る。例えば、図6〜6Eでは、切欠きは、台形の形状であり、図7Aでは、切欠きは、鋭角台形(acute trapezoid)(鈍角であってもよい)の形状とされており、図7Bでは、切欠きは、半六角形(half−hexagon)の形状とされており、図7Cでは、切欠きは、二等辺四辺形の形状とされており、図7Dでは、切欠きは、傾斜した長方形の形状とされている。他の形状が、本発明の範囲に含まれる。
【0058】
図8では、シャフト105は、その軸方向長さに沿って(切欠き107の近位に)部分的な円周切れ目108を含み、円周切れ目108は、シャフト105にさらなる屈曲能力を与える。
【0059】
次に、螺旋状切削要素106の作動の非限定的な例を示す図9A〜9Bを参照する。示された実施形態では、作動システムは、要素106の直線的な前進または後退を生じさせるための一方の部分と、要素106の回転を生じさせるためのもう一方の部分の、2つのアクチュエータ部分を含む。本発明はこれに限定されるものではなく、1つのアクチュエータが直線運動および回転運動の両方に対して使用される場合もある。
【0060】
回転アクチュエータ120は、噛み合う歯車123および124を通じてシャフト105に結合された接続シャフト122を回転させる手動ノブまたはモータであり得る。線形アクチュエータ121は、ブシュ127が歯車クレードル59と一緒にシャフト126に沿って遠位または近位に移動するようにブシュ127をねじ付きシャフト126に沿って回転させ、それによりシャフト105および螺旋状切削要素106を前進または後退させる、手動ノブまたはモータであり得る。図9Aでは、クレードル59は位置125Aにあり、この位置では、螺旋状切削要素106は、振動性切削要素103の近位にある(図6および6A)。図9Bでは、クレードル59は位置125Bにあり、この位置では、螺旋状切削要素106は、振動性切削要素103の遠位にある(図6Dおよび6E)。
【0061】
次に、切除デバイスまたはRF焼灼デバイス100を経膣超音波プローブなどの、しかしこれに限られない撮像センサ200に位置合わせするためのシステムおよび方法の設計を示す図10〜11を参照する。システムは、患者の特定の要求に合わせて切削処置を開発しかつ実施するために、2D−3D撮像および計画ソフトウェアと一体化され得る。精度を高めるために、実時間フィードバックが追加され得る。
【0062】
撮像センサ200は、位置合わせ固定具130によりデバイス100に結合され得る。デバイス100は、蝶ねじ、ロックピン、ラチェットなどの、しかしこれらに限られないロック要素131により所望の空間的(直線的かつ回転的)配向においてロックされるまで、前後に自由に移動することができ、かつ、固定具130の内側で自由に回転することもできる。撮像センサ200をデバイス100に対して任意の所望の角度で挟持するために、締結具132が使用され得る。ロック要素131は、通常は閉じられ(ロックされ)てもよく、または、通常は開かれ(ロック解除され)てもよい。切除窓102と撮像センサ200の照準線(視程)または撮像面とを位置合わせするために、超音波プローブ200と比較してデバイス100の向きを固定して切除窓が撮像面外の領域の方を向く状況を回避する必要がある。これは、ノブ135により握り129内で摺動するように配置された位置合わせロッド133によって達成され得る。固定具130は、位置合わせ穴134を含み得る。位置合わせロッド133を図10における位置から図11の位置へ摺動させることにより、撮像センサ200の撮像面は、位置合わせロッド133が位置合わせ穴134に入ったときに、デバイス100の窓と位置合わせされたと考えられる。ロック要素131をロックした後、切除窓102は、適切な撮像面に向かって位置合わせされる。
【0063】
次に、シャフト105が可撓性である場合に特に役立つ別の位置合わせ固定具242を示す図12を参照する。固定具242は、固定具242を貫通しかつ固定具242に対してロック可能であるシャフトにより螺旋状切削要素106に結合された、マニピュレータ136を含む。螺旋状切削要素106の傾斜角は、(例えば、超音波)撮像面(XY面)の面における角度のみを可能にするようにマニピュレータ136によって制限され、したがって、安全目的のために螺旋状切削要素106が撮像面外へ進むのを防ぐことにより、安全な態様でデバイスシャフト105を可視化しかつ進ませることが可能になる。マニピュレータ136は、多回転自由度で切削要素106を操作することができる。
【0064】
次に、アクチュエータ(図9Aおよび9Bにおけるアクチュエータ、または図12のアクチュエータ136など)と切削要素106のシャフト105との間の結合の1つの型を示す図13〜15Bを参照する。図13で明らかなように、シャフト105の可撓性部分108は、傾斜リング137、つまりリングの近位面がリングの遠位面に対して傾斜している傾斜リング137により、切削要素106に結合され得る。傾斜リング137は、継手138を介して螺旋状切削要素106と相互作用する。傾斜リングは、リング137から近位に延在する円筒形のシャフト140に係合するアクチュエータの遠位部分139によって回転され得る。図15Aおよび15Bは、傾斜リング137の適切な回転による切削要素106の2つの異なる回転配向を示す。
【0065】
組織焼灼を行うために、RF電極141が使用され得る。電極141およびコルク抜き状要素106の両方が、RF焼灼プロセスの前後に組織のインピーダンスおよび/または温度を測定するために使用され得る。
【0066】
1つの実施形態では、コルク抜き状要素106は、シャフト内腔108の近位部分を回転させることなしに単独に回転される。
【0067】
さらに別の実施形態では、コルク抜き状アクチュエータ137が、シャフト内腔108の近位部分とは無関係にコルク抜き状部分を傾斜させる。
【0068】
さらに別の実施形態では、コルク抜き状要素106は、組織内で前進させられたときに経路を切り開くまたは築くために鋭い縁部を有して作られてよく、したがって、生成された経路内を別のデバイスが進むことを可能にするように、組織の除去、または組織内に経路を築くことが可能になる。
【0069】
さらに別の実施形態では、コルク抜き状要素106、シャフト108または追加の電極141は、治療目的のためのRF焼灼エネルギーを生成するために使用され得る。
【0070】
次に、組織内へより深く前進されるにつれて拡張する拡張型電極を含むRF焼灼デバイスを示す図16を参照する。この実施形態では、螺旋状切削要素106は、電極としてさらに機能し得る。RF発生器307が、電極141および300に電気的に結合され、螺旋状切削要素106にも結合され得る。1つの実施形態では、電極300または螺旋状切削要素106のコイル形状は、プロセス中の焼灼温度、または焼灼ゾーンをマッピングするための組織のインピーダンスを測定するために使用され得る。
【0071】
次に、図17を参照する。拡張型電極300の近位部分は、内腔シャフトまたは他の形状の容器302内に収容される。電極300は、出口ポート301を通って内腔シャフト302から出て、その形状は、径方向外方に徐々に拡張する。電極300は、組織内へ徐々に進められて、組織内へさらに進められるにつれて(容器302内でのその初期体積と比較して)より大きな幾何学的体積形状を形成し得る。電極300の最終的な幾何学的体積形状は、電極を予め定められた幾何形状に成形するために製造プロセス中に電極に熱処理を施すことにより、前もって設定され得る。電極にその最終的な形状を与えるために、電極を製造するのに形状記憶材料が使用されてもよい。
【0072】
図18A〜18Dは、電極300の前進シーケンスを示す。図18Aは、電極が容器302内に完全に閉じ込められている初期状態である。電極の最終的な幾何学的形状は、図18Dに示されている。中間状態が、図18Bおよび18Cに示されている。握り303が、ウォーム歯車または他の適切な機構に基づいて電極300を前進させるように設計され得る。
【0073】
次に、電極の様々なサイズ、形状、厚さ、および断面の例を示す図19A〜19Dを参照する。1つの実施形態では、電極の形状は、可変の断面、コイルピッチ、およびコイル振幅/直径を有して、対称または非対称の形状のものとされ得る。断面は、円形、または平坦、または他の形状であり得る。
【0074】
次に、電極またはポート位置の数を限定することなしに301および306などのポート穴から出る複数の電極の例を示す図20A〜20Bを参照する。さらに別の実施形態では、複数の電極は、異なる形状およびサイズのものであり得、そのため、全ての電極の重ね合わせが、焼灼領域の所望の3D体積を組織内に生成しかつ形成し得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図5A
図5B
図6
図6A
図6B
図6C
図6D-6E】
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図20
【国際調査報告】