(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532898(P2021-532898A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】脊椎手術のシステムと方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20211105BHJP
A61B 17/88 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/88
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2021-505652(P2021-505652)
(86)(22)【出願日】2019年7月31日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月31日
(86)【国際出願番号】US2019044456
(87)【国際公開番号】WO2020028545
(87)【国際公開日】20200206
(31)【優先権主張番号】62/712,938
(32)【優先日】2018年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/435,128
(32)【優先日】2019年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519435968
【氏名又は名称】ゲットセット サージカル ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン カピタン
(72)【発明者】
【氏名】オーレ ストックルンド
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス バインダー
【テーマコード(参考)】
4C097
4C160
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC14
4C097MM10
4C160LL70
(57)【要約】
椎間スペーサーは、上椎体に係合するように構成された上表面、下椎体に係合するように構成された下表面、および上表面から下表面に延びる周壁を含み得る。周辺壁の近位端は、第1の力がカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで挿入ツールに対して、椎間スペーサーを回転させるように、挿入ツールの相補的なカム表面に対して回転可能なカム表面を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間スペーサーであって、
上椎体と係合するように構成された上表面と、
下椎体と係合するように構成された下表面と、および
前記上表面から前記下表面に延びる周壁であって、
遠位端と、
近位端であって、第1の力がカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで挿入ツールに対して椎間スペーサーを回転させるように、前記挿入ツールの相補的なカムローブ表面に対して回転可能なカム表面を備える、近位端と、
を備えた、周壁と、
を備えた、椎間スペーサー。
【請求項2】
前記カム表面が、第1の曲率半径を有する凹面を備え、前記凹面が前記第1の曲率半径と実質的に等しい第2の曲率半径を有する相補的に成形された凸面を備えたカムローブを受け入れるように構成された、請求項1に記載の椎間スペーサー。
【請求項3】
前記カム表面が、第1の曲率半径を有する凸面を備え、前記凸面が、前記第1の曲率半径と実質的に等しい第2の曲率半径を有する相補的な形状の凹面を備えたカムローブを受け入れるように構成された、請求項1に記載の椎間スペーサー。
【請求項4】
前記椎間スペーサーの前記近位端に形成された開口部と、
前記開口部に近接する面取りされた表面であって、
前記面取りされた表面は、挿入シャフト先端から第2の力を受け入れ、前記カム表面に関連付けられた前記回転ポイントの周りで前記椎間スペーサーを回転させる際の前記第1の力を助けるように構成される、面取りされた表面と、
をさらに備える、請求項1に記載の椎間スペーサー。
【請求項5】
前記近位端から前記遠位端まで延びる第1の側と、
前記近位端から前記遠位端まで延びる第2の側であって、
前記カム表面は、前記椎間スペーサーの前記第2の側よりも前記椎間スペーサーの前記第1の側の近くに配置される、第2の側と、
を前記周壁がさらに備える、請求項1に記載の椎間スペーサー。
【請求項6】
前記椎間スペーサーの前記上表面は、前記椎間スペーサーの前記近位端から前記椎間スペーサーの前記遠位端まで延びる第3の曲率半径を備え、
前記椎間スペーサーの前記下表面は、前記椎間スペーサーの前記近位端から前記椎間スペーサーの前記遠位端まで延びる第4の曲率半径であって、前記第3の曲率半径に実質的に等しい、前記第4の曲率半径を備えた、
請求項5に記載の椎間スペーサー。
【請求項7】
前記椎間スペーサーの前記上表面は、前記椎間スペーサーの前記第1の側から前記椎間スペーサーの前記第2の側まで延びる第5の曲率半径を備え、
前記椎間スペーサーの前記下表面は、前記椎間スペーサーの前記第1の側から前記椎間スペーサーの前記第2の側まで延びる第6の曲率半径であって、実質的に第5の曲率半径に等しい第6の曲率半径を備えた、
請求項5に記載の椎間スペーサー。
【請求項8】
脊椎固定システムであって、
椎間スペーサーであって、
上椎体と係合するように構成された上表面と、
下椎体と係合するように構成された下表面と、
前記上表面から前記下表面に延びる周壁であって、
遠位端と、
近位端であって、第1の力が椎間スペーサーをカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで回転させるように、相補的なカムローブ表面に対して回転可能な前記カム表面を備えた、近位端と、
を備えた、周壁と、
を備えた、椎間スペーサーと、
挿入ツールであって、
近位端および遠位端を有するシュラウドと、
前記シュラウドの前記近位端に向かって配置されたハンドルと、
前記シュラウドの前記遠位端に配置されたカムローブであって、前記シュラウドは前記ハンドルと前記カムローブの間に延びる、前記カムローブであって、
前記カムローブは、前記椎間スペーサーを前記カム表面に関連付けられた前記回転ポイントの周りで回転させる前記第1の力をカム表面に与えるように構成される、カムローブと、
を備えた、挿入ツールと、
を備えた、脊椎固定システム。
【請求項9】
前記挿入ツールは、挿入シャフトをさらに備え、前記挿入シャフトは、
近位端と、
遠位端と、
前記挿入シャフトの前記遠位端に配置された挿入シャフト先端と、
を前記挿入シャフトは備え、
前記椎間スペーサーであって、
前記椎間スペーサーの前記近位端に形成された開口部と、
前記開口部に近接する面取りされた表面であって、前記挿入シャフト先端から第2の力を受け入れ、前記カム表面に関連付けられた前記回転ポイントの周りで前記椎間スペーサーを回転させる際の前記第1の力を助けるように構成される、前記面取りされた表面と、
を前記椎間スペーサーは備えた、
請求項8に記載の脊椎固定システム。
【請求項10】
前記挿入シャフトであって、
前記挿入シャフトの近位端に配置されるノブと、
前記挿入シャフトに沿って形成される第1のねじ切りであって、前記挿入シャフト先端に近接している、前記第1のねじ切りと、
を前記挿入シャフトはさらに備え、
前記椎間スペーサーであって、
前記開口部内に形成された第2のねじ切り、を前記椎間スペーサーはさらに備え、
前記挿入シャフトは、前記シュラウドに対して近位および遠位に並進するように構成され、
前記挿入シャフトは、前記椎間スペーサーに対して前記挿入シャフトを回転させて第1のねじ切りを第2のねじ切りと係合させることにより、前記椎間スペーサーに取り外し可能に結合可能である、
請求項9に記載の脊椎固定システム。
【請求項11】
前記カム表面は、第1の曲率半径を有する凹面を備え、
前記カムローブは、第1の曲率半径に実質的に等しい第2の曲率半径を有する相補的な形状の凸面を備えた、
請求項8に記載の脊椎固定システム。
【請求項12】
前記カム表面は、第1の曲率半径を有する凸面を備え、
前記カムローブは、前記第1の曲率半径に実質的に等しい第2の曲率半径を有する相補的な形状の凹面を備えた、
請求項8に記載の脊椎固定システム。
【請求項13】
前記近位端から前記遠位端まで延びる第1の側と、
前記近位端から前記遠位端まで延びる第2の側と、
を前記周壁がさらに備え、
前記カム表面は、前記椎間スペーサーの前記第2の側よりも前記椎間スペーサーの前記第1の側の近くに配置される、
請求項8に記載の脊椎固定システム。
【請求項14】
前記椎間スペーサーの前記上表面は、前記椎間スペーサーの前記近位端から前記椎間スペーサーの前記遠位端まで延びる第3の曲率半径を備え、
前記椎間スペーサーの前記下表面は、前記椎間スペーサーの前記近位端から前記椎間スペーサーの前記遠位端まで延びる第4の曲率半径であって、前記第3の曲率半径に実質的に等しい、第4の曲率半径を備えた、
請求項13に記載の脊椎固定システム。
【請求項15】
前記椎間スペーサーの前記上表面は、前記椎間スペーサーの前記第1の側から前記椎間スペーサーの前記第2の側まで延びる第5の曲率半径を備え、
前記椎間スペーサーの前記下表面は、前記椎間スペーサーの前記第1の側から前記椎間スペーサーの前記第2の側まで延びる第6の曲率半径であって、実質的に第5の曲率半径に等しい第6の曲率半径を備えた、
請求項13に記載の脊椎固定システム。
【請求項16】
カム表面に係合し、挿入ツールに対して椎間スペーサーの選択的回転を可能にするように構成された相補的な形状のカムローブを備えた挿入ツールの使用を通して、患者の2つの椎体の間に前記カム表面を備えた前記椎間スペーサーを挿入する方法であって、
前記椎間スペーサーの前記カム表面を前記挿入ツールの前記相補的な形状のカムローブに位置合わせするステップと、
前記カム表面を動かして、前記相補的な形状のカムローブと係合させるステップと、
前記患者の前記2つの椎体の間に前記椎間スペーサーを挿入するステップと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記挿入ツールは、第1のねじ切りを備えた挿入シャフトを備え、前記椎間スペーサーは、第2のねじ切りを備えた開口を備え、
前記挿入シャフトの前記第1のねじ切りを前記椎間スペーサーの前記第2のねじ切りと係合させて、前記椎間スペーサーを前記挿入シャフトに取り外し可能に結合するステップをさらに備える、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記挿入シャフトの前記第1のねじ切りを前記椎間スペーサーの前記第2のねじ切りから解放するステップと、
前記挿入シャフトを前記患者から取り外すステップと、
をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記相補的な形状のカムローブを用いて前記カム表面に第1の力を適用して、前記カム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで、前記挿入ツールに対して前記椎間スペーサーを回転させるステップ、
をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記挿入シャフトは、挿入シャフト先端を備え、前記椎間スペーサーは、前記開口に近接する面取りされた表面を備え、
前記挿入シャフト先端で前記面取りされた表面に第2の力を適用して、前記カム表面に関連付けられた前記回転ポイントの周りで前記椎間スペーサーを回転させる際の前記第1の力を補助するステップ、
をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2018年7月31日に出願された「脊椎手術システムおよび方法」と題された米国仮特許出願第62/712,938号の利益を主張する、2019年6月7日に出願された「脊椎手術システムおよび方法」と題された米国特許出願第16/435,128号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、外科システム、方法、器具、および装置に関する。より具体的には、本開示は、患者の隣接する椎体の間に椎間スペーサーを移植するための改良された外科システム、方法、装置、および器具に関する。
【背景技術】
【0003】
椎間スペーサーを利用した脊椎固定手順は、低侵襲または侵襲性脊椎手術を通して、椎間板変性症、脊椎すべり症、脊椎変形、またはその他の脊椎状態などの脊椎状態を矯正するために使用することができる。例えば、椎間板は、時間の経過とともに、変性またはさもなくば損傷することができる。いくつかの例では、椎間スペーサーは、隣接する椎体の間の椎間板によって以前に占められていた空間内に配置することができる。そのような椎間スペーサーは、隣接する椎骨間の所望の間隔を維持するのを助けることができ、および/または隣接する椎骨間の融合を促進することができる。椎間スペーサー内での骨移植および/または他の材料の使用もまた、隣接する椎体の融合を容易にすることができる。したがって、改善された椎間スペーサーならびに関連する外科用器具、ツール、システムおよび方法に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の様々なシステムおよび方法は、現在の最先端技術に応じて、特に、現在利用可能な外科用装置、器具、システム、および患者の椎体の間に椎間スペーサーを移植するための方法によってまだ完全に解決されていない当技術分野の問題およびニーズに応じて開発されてきた。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、椎間スペーサーは、上椎体に係合するように構成された上表面、下椎体に係合するように構成された下表面、および上表面から下表面に延びる周壁を含み得る。周壁は、遠位端と、および第1の力により椎間スペーサーをカム表面に関連付けられた回転(pivot)ポイントの周りで挿入ツールに対して回転させるように、挿入ツールの相補的なカム表面に対して回転可能なカム表面を含む近位端と、を有し得る。
【0006】
他の実施形態では、脊椎固定システム(spinal fusion system)は、椎間スペーサーおよび挿入ツールを含み得る。椎間スペーサーは、上椎体に係合するように構成された上表面、下椎体に係合するように構成された下表面、および上表面から下表面に延びる周壁を含み得る。周壁は、第1の力により、椎間スペーサーをカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで回転させるように、相補的なカム表面に対して回転可能なカム表面を備える遠位端および近位端を有し得る。挿入ツールは、近位端および遠位端を有するシュラウド、シュラウドの近位端に向かって配置されたハンドル、およびシュラウドの遠位端に配置されたカムローブを含み得、シュラウドはハンドルとカムローブとの間に延びる。カムローブは、椎間スペーサーをカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで回転させる第1の力をカム表面に与えるように構成され得る。
【0007】
さらに他の実施形態では、カム表面と係合し、および挿入ツールに対して、椎間スペーサーの選択的回転を可能にするように構成された相補的な形状のカムローブを備える挿入ツールの使用を通して、患者の2つの椎体の間にカム表面を備える椎間スペーサーを挿入する方法は、椎間スペーサーのカム表面を挿入ツールの相補的な形状のカムローブと位置合わせすることを含み得る。この方法はまた、カム表面を動かして、相補的に成形されたカムローブと係合させ、患者の2つの椎体の間に椎間スペーサーを挿入することを含み得る。
【0008】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴と利点は、以下の記載及び付加された特許請求の範囲から十分に明らかとなるか、あるいは本明細書で説明されるシステムおよび方法を実施することによっても知り得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面と併せて、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は例示的な実施形態のみを示し、したがって、添付の特許請求の範囲による範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解して、本開示の例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて追加の特異性および詳細とともに説明される。
【0010】
【
図1A】
図1Aは 本開示の一実施形態による、椎間スペーサー100の近位端の斜視上面図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の一実施形態による、第1の放射線不透過性マーカー200の斜視図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の一実施形態による、第2の放射線不透過性マーカー300の斜視図である。
【
図4】
図4は、組み立て前の、
図1Aの椎間スペーサー100、ならびに
図2Aー3Bの第1および第2の放射線不透過性マーカー200、300の分解図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー500の近位端の斜視上面図である。
【
図6A】本開示の一実施形態による、椎間スペーサー600の近位端の斜視上面図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー700の近位端の斜視上面図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー800の近位端の斜視上面図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー900の近位端の斜視上面図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1000の近位端の斜視上面図である。
【
図11A】
図11Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1100の近位端の斜視上面図である。
【
図12A】
図12Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1200の近位端の斜視上面図である。
【
図13A】
図13Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1300の近位端の斜視上面図である。
【
図14A】
図14Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1400の近位端の斜視上面図である。
【
図15A】
図15Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1500の近位端の斜視上面図である。
【
図16A】
図16Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1600の近位端の斜視上面図である。
【
図17A】
図17Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1700の近位端の斜視上面図である。
【
図18A】
図18Aは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー1800の近位端の斜視上面図である。
【
図19A】
図19Aは、本開示の一実施形態による、挿入ツール1900の近位端の斜視上面図である。
【
図19G】
図19Gは、延長された挿入シャフト先端1943を備えた
図19Aの挿入ツール1900の遠位端1912を図示する。
【
図19H】
図19Hは、格納された挿入シャフト先端1943を備えた
図19Aの挿入ツール1900の遠位端1912を図示する。
【
図20A】
図20Aは、
図19Aに示される挿入ツール1900から隔離されたシュラウド1910の近位端の斜視側面図である。
【
図23】
図23は、第1の力1951を介して部分的に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2300を図示する。
【
図24】
図24は、第1の力1951および第2の力1952を介して部分的に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2400を図示する。
【
図25】
図25は、第1の力1951を介して完全に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2500を図示する。
【
図26】
図26は、第1の力1951および第2の力1952を介して完全に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2600を図示する。
【
図27A】
図27Aは、本開示の一実施形態による、椎体2710に対する椎間スペーサー100の例示的な移植プロセス2700を図示する。
【
図28A】
図28Aは、本開示の一実施形態による、椎体2810に対する1つまたは複数の椎間スペーサー100の例示的な移植プロセス2800を図示する。
【
図28B】
図28Bは、椎体2810に対する2つの椎間スペーサー100の最終的な配置を図示する。
【
図29】
図29は、本開示の一実施形態による、患者の2つの椎体の間に椎間スペーサーを挿入するための方法2900のフローチャートを図示する。
【0011】
図面は、本開示の概念を説明することを目的としており、原寸に比例して描かれていない場合があることを理解されたい。さらに、図面は例示的な実施形態を示しており、本開示の範囲に対する制限を表すものではない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の例示的な実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、図面全体を通して、同様の部品は同様の数字によって指定される。本願の図に一般的に説明および図示されている本開示の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計できることは容易に理解されよう。すなわち、図に示されるような装置および方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、本出願または本出願に優先権を主張する他の任意の出願で主張されるように、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、本開示の例示的な実施形態の単なる代表である。
【0013】
この明細書では、標準的な医療の方向性、参照面、および説明的な用語が採用されている。例えば、前方(anterior)とは体の正面に向かうことを意味する。後部(Posterior)とは、体の後ろに向かうことを意味する。上部(Superior)とは、頭に向かうことを意味する。下部(Inferior)とは、足に向かうことを意味する。内側(Medial)とは、体の正中線に向かうことを意味する。外側(Lateral )とは、体の正中線から離れることを意味する。軸方とは、体の中心軸に向かうことを意味する。背軸(Abaxial)とは、体の中心軸から離れることを意味する。同側(Ipsilateral)とは、体の同じ側を意味する。反対側(Contralateral)とは、体の反対側を意味する。矢状面(sagittal plane)は、体を左右の部分に分割する。正中矢状面(midsagittal plane)は、体を左右対称の右半分と左半分に分割する。冠状面は、体を前部と後部に分割する。横断面は、体を上部と下部に分割する。これらの説明的な用語は、生物または無生物の体に適用され得る。
【0014】
「接続される」、「結合される」、「係合する」および「通信する」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁気的、流体的、および熱的相互作用を含む、2つまたはそれ以上の実体間の任意の形態の相互作用を指している。2つの構成要素は、互いに直接接触していなくても、機能的に互いに結合され得る。「隣接する」という用語は、互いに直接物理的に接触している物を指すが、物は必ずしも一緒に取り付けられるものとは限らない。「流体連通」という語句は、一方の機構内の流体が他方の機構に流れ込むことができるように接続されている2つの機構を指す。
【0015】
用語「例示的な」は、本明細書では「例、実例、または例示として機能を果たす」ことを意味するように使用される。「例示的な」として本明細書で説明されるいずれの実施形態も、他の実施形態に対して必ずしも好ましいまたは有利なものとして解釈されるわけではない。実施形態の様々な態様が図に提示されているが、特に示されていない限り、図は必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【0016】
図1A〜1Hは、本開示の一実施形態による、椎間スペーサー100の様々な図を図示する。具体的には、
図1Aは、椎間スペーサー100の近位端105の斜視上面図である。
図1Bは椎間スペーサー100の遠位端104の斜視上面図である。
図1Cは、椎間スペーサー100の上面図である。
図1Dは、椎間スペーサー100の底面図である。
図1Eは、椎間スペーサー100の第1の側111を図示する。
図1Fは、椎間スペーサー100の第2の側112を図示する。
図1Gは、椎間スペーサー100の遠位端104の斜視図である。
図1Hは、椎間スペーサー100の近位端105の斜視図である。
【0017】
椎間スペーサー100は、一般的に、上椎体(図示せず)に係合するように構成された上表面101、下椎体(図示せず)に係合するように構成された下表面102、および上表面101から下表面102に延びる周壁103を含み得る。周壁103は、一般的に、遠位端104、近位端105、第1の側111、および椎間スペーサー100の第2の側112を備え得る。
【0018】
椎間スペーサー100の近位端105は、
図22A〜26に関して以下でより詳細に論じられるように、第1の力が、カム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りで挿入ツールに対して椎間スペーサー100を回転させるように、適切な挿入ツールの相補的なカム表面に対して回転可能なカム表面120を含み得る。カム表面120は、
図1Cおよび1Dに示されるように、第1の曲率半径121を有する凹面を備え得る。少なくとも1つの実施形態では、 第1の曲率半径121は、約1.25mmであり得る。他の実施形態では、第1の曲率半径121は、約0.5mmから約4mmの間であり得る。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、カム表面120は、代替的に凸面を含み得ることが理解されるであろう。カム表面120はまた、椎間スペーサー100の第2の側112よりも椎間スペーサー100の第1の側111の近くに、またはその逆に配置され得る。
【0019】
椎間スペーサー100の近位端105はまた 、近位端105の中に形成された開口140、ならびに開口140に近接する面取りされた表面142を含み得る。面取りされた表面142は、
図22A〜26に関して以下でより詳細に論じられるように、適切な挿入シャフト先端から第2の力を受け入れ、カム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りで椎間スペーサー100を回転させる際の第1の力を補助するように構成され得る。さらに、開口140は、椎間スペーサー100の適切な挿入シャフトへの結合を容易にするために開口140内に形成されたねじ切り144を含み得、これはまた、
図22A〜26に関して以下でより詳細に論じられる。
【0020】
図1Eに示されるように、椎間スペーサー100の上表面101は、椎間スペーサー100の近位端105から椎間スペーサー100の遠位端104まで延びる第3の曲率半径113を備え得る。同様に、椎間スペーサー100の下表面102は、
図1Fに示されるように、椎間スペーサー100の近位端105から椎間スペーサー100の遠位端104まで延びる第4の曲率半径114を備え得る。
【0021】
少なくとも1つの実施形態では、第4の曲率半径114は、第3の曲率半径113に実質的に等しくあり得る。本明細書で定義されるように、「実質的に等しい」は、「等しい」、または互いに約+または−10%の相対分散内にあることを意味する。
【0022】
いくつかの実施形態では、曲率113、114の第3および第4の半径は、それぞれ、約300mmから約60mmの範囲であり得る。
【0023】
特定の実施形態では、曲率113、114の第3および第4の半径は、それぞれ約42.45mmであり得る。
【0024】
図1Gに示されるように、椎間スペーサー100の上表面101は、椎間スペーサー100の第1の側111から椎間スペーサー100の第2の側112まで延びる第5の曲率半径115を備え得る。同様に、
図1Hに示されるように、椎間スペーサー100の下表面102は、椎間スペーサー100の第1の側111から椎間スペーサー100の第2の側112まで延びる第6の曲率半径116を備え得る。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、第6の曲率半径116は、第5の曲率半径115に実質的に等しくあり得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、曲率115、116の第5および第6の半径は、それぞれ、約300mmから約60mmの範囲であり得る。
【0027】
特定の実施形態では、曲率115、116の第5および第6の半径は、それぞれ約41.5mmであり得る。
【0028】
このようにして、椎間スペーサー100の上表面および下表面101、102の第3、第4、第5、および第6の曲率半径113、114、115、116は、一緒になって上表面および下表面101、102の中心に向かう「ハイスポット」(または、椎間スペーサー100の最大厚さ)を備えたドーム形状をもたらし得る。これらのハイスポットは、椎間スペーサー100が2つの椎体の間に挿入されたときに、上表面および下表面101、102に作用する摩擦力を低減するのを助け得る。このように、これらのハイスポットは、
図22A〜26に関して以下でより詳細に論じられるように、椎間スペーサー100が2つの椎体の間に挿入された後、椎間スペーサー100を回転させるのに必要な力を低減するのを助け得る。
【0029】
椎間スペーサー100は、椎間スペーサー100の上面および下表面101、102を通して形成された中央骨移植片開口160、ならびに椎間スペーサー100の第1および第2の側111、112に形成された、1つまたは複数の側骨移植片開口170を含み得る。中央骨移植片開口160および1つまたは複数の側骨移植片開口170はそれぞれ、骨移植片材料(図示せず)および/または当技術分野で知られている他の適切な材料を受け入れるように構成され得る。椎間スペーサー100はまた、椎間スペーサー100の上表面および下表面101、102に形成された1つまたは複数の鋸歯状の歯180を含み得る。1つまたは複数の鋸歯状の歯180は、融合プロセス中に隣接する椎体間の椎間スペーサー100を安定させるのを助けるように構成され得る。さらに、骨移植片および/または他の適切な材料はまた、融合プロセスを強化するために、および/または融合プロセス中に隣接する椎体間の椎間スペーサー100を安定させるのを助けるために、椎間スペーサー100の隣接する鋸歯状の歯180の間に配置され得る。
【0030】
椎間スペーサー100はまた、1つまたは複数の第1のマーカー開口150および第2のマーカー開口152を含み得る。1つまたは複数の第1のマーカー開口150はそれぞれ、
図2Aおよび2Bに示されるように、第1の放射線不透過性メーカー200を受け入れるように構成され得る。第2のマーカー開口152は、
図3Aおよび3Bに示されるように、第2の放射線不透過性メーカー300を受け入れるように構成され得る。第1および第2の放射線不透過性メーカー200、300は、タンタル(1つの非限定的な例)などの任意の適切な放射線不透過性材料から作製され得る。
図4に示す分解図に見られるように、第1および第2の放射線不透過性メーカー200、300を椎間スペーサー100に結合するために、第1および第2の放射線不透過性メーカー200、300は、それぞれ第1および第2のマーカー開口150、152に挿入され得る。このようにして、第1および第2の放射線不透過性メーカー200、300を使用して、椎間スペーサー100が、適切なX線画像化プロセスを介して隣接する椎体の間に正しく配置されているかどうかを検証し得、これは、術中および/または術後に実施され得る。
【0031】
図5A〜18Hは、本開示の実施形態による、異なるサイズの椎間スペーサーの様々な図を図示する。具体的には、
図5A〜5Hは、約8mmの高さ「H」(
図5Eを参照)および約22mmの長さ「L」(
図5Eを参照)を有する椎間スペーサー500の様々な図を図示する。
図6A〜6Hは、約9mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー600の様々な図を図示する。
図7A〜7Hは、約10mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー700の様々な図を図示する。
図8A〜8Hは、約11mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー800の様々な図を図示する。
図9A〜9Hは、約12mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー900の様々な図を図示する。
図10A〜10Hは、約13mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー1000の様々な図を図示する。
図11A〜11Hは、約14mmの高さおよび約22mmの長さを有する椎間スペーサー1100の様々な図を図示する。
図12A〜12Hは、約8mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1200の様々な図を図示する。
図13A〜13Hは、約9mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1300の様々な図を図示する。
図14A〜14Hは、約10mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1400の様々な図を図示する。
図15A〜15Hは、約11mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1500の様々な図を図示する。
図16A〜16Hは、約12mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1600の様々な図を図示する。
図17A〜17Hは、約13mmの高さおよび約26mmの長さを有する椎間スペーサー1700の様々な図を図示する。
図18A〜18Hは、高さが約14mmで長さが約26mmの椎間スペーサー1800の様々な図を図示する。
【0032】
図19A〜21Dは、本開示の一実施形態による、挿入ツール1900および挿入ツール1900の構成要素の様々な図を図示する。具体的には、
図19Aは、挿入ツール1900の近位端1911の斜視上面図である。
図19Bは、挿入ツール1900の遠位端1912の斜視上面図である。
図19Cは、挿入ツール1900の上面図である。
図19Dは、挿入ツール1900の底面図である。
図19Eは、挿入ツール1900の右側面図である。
図19Fは、挿入ツール1900の左側面図である。
図19Gは、延長された挿入シャフト先端1943を備えた挿入ツール1900の遠位端1912を図示する。
図19Hは、格納された挿入シャフト先端1943を備えた挿入ツール1900の遠位端1912を図示する。
図20Aは、挿入ツール1900のシュラウド1910の近位端1911の斜視側面図である。
図20Bは、シュラウド1910の遠位端1912の斜視側面図である。
図20Cは、カムローブ1930を図示するシュラウド1910の遠位端1912の拡大斜視図である。
図20Dは、カムローブ1930を図示するシュラウド1910の遠位端1912の拡大側面図である。
図21Aは、挿入ツール1900の挿入シャフト1940の近位端1941の斜視図である。
図21Bは、挿入シャフト1940の遠位端1942の斜視図である。
図21Cは、挿入シャフト1940の遠位端1942の拡大斜視図である。
図21Dは、挿入シャフト1940の遠位端1942の拡大側面図である。
【0033】
図19A〜21Dに示されるように、挿入ツール1900は、一般的に、シュラウド1910、挿入シャフト1940(シュラウド1910によって封入される)、シュラウド1910の近位端1911に向かって配置されたハンドル1920、およびシュラウド1910の遠位端1912に配置されたカムローブ1930を備え得る。ハンドル1920は、シュラウドステム1916(
図20Aおよび20Bを参照)を介してシュラウド1910に結合され得、シュラウド1910は、一般的に、ハンドル1920とカムローブ1930との間に延び得る。
【0034】
図21A〜21Dに示されるように、 挿入シャフト1940は、挿入シャフト1940の近位端1941でノブ1945に結合され得 、挿入シャフト1940の遠位端1942で挿入シャフト先端1943を有し得る。ノブ1945は、シュラウド1910に形成された窓1914を通してアクセス可能であり得る(
図20Aおよび20Bを参照)。ノブ1945は、シュラウド1910に対して遠位方向に移動されて(
図19Eに示される矢印1901によって示されるように)、シュラウド1910の遠位端1912から挿入シャフト開口1918を通って挿入シャフト先端1943を延在させ得る(
図20Cを参照)。ノブ1945はまた、シュラウド1910に対して近位方向に移動されて(
図19Fに示される矢印1902によって示されるように)、シュラウド1910の遠位端1912に挿入シャフト先端1943を格納し得る。
【0035】
図22A〜26に関して以下でより詳細に論じられるように、
図21C〜21Dに示されるように、挿入シャフト先端1943は、椎間スペーサー100に形成された面取り面142に係合するように構成される円錐形を有し得る。挿入シャフト1940はまた、挿入シャフト先端1943に近接する挿入シャフト1940に沿って形成された、ねじ切り1944を含み得る。このようにして、挿入シャフト1940は、椎間スペーサー100に対して挿入シャフト1940を回転させて、挿入シャフト1940のねじ切り1944(すなわち、第1のねじ切り)を椎間スペーサー100内に形成されたねじ切り144(すなわち、第2のねじ切り)と係合させることによって、椎間スペーサー100に取り外し可能に結合可能であり得る。
【0036】
図20Cー20Dに示されるように、カムローブ1930は、
図1Cおよび1Dに示される第1の曲率半径121に実質的に等しい第2の曲率半径1932を有する相補的に成形された凸状カムローブ表面1931を備え得る。しかしながら、他の実施形態では、カムローブ1930は、適切な椎間スペーサーに形成された凸状カム表面(図示せず)に相補的に成形される凹状表面を、代替的に備え得ることが理解されよう。
【0037】
この出願では、「相補的」または「相補的に成形された」表面は、同様の経路をたどるように成形された表面である。いくつかの実施形態では、相補的に成形された表面は、それぞれ凹面および凸面であり得る。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、相補的に成形された表面は、弧状の形状を有し得る。相補的に成形された表面の曲率半径は、例えば、凸面の曲率半径よりわずかに大きい曲率半径を有する凹面曲率を有する表面と同様であり得る。しかしながら、相補的表面、または相補的に成形された表面は、すべての実施形態において、凹面および凸面(それぞれ)、弧状、または同様の曲率半径を有する必要はない。
【0038】
少なくとも1つの実施形態では、カムローブ1930は、遠位面1919の上のシュラウド1910の上部の近くに配置され得る。この実施形態では、シュラウド1910の遠位面1919は凹面であり得る。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、カムローブ1930は、シュラウド1910の遠位面の下のシュラウド1910の底部の近くに配置され得、シュラウド1910の遠位面は、少なくとも部分的に凹面、凸面、および/または真っ直ぐであり得ることが理解されよう。
【0039】
図22A〜26は、操作の様々な段階の間の椎間スペーサー100および挿入ツール1900を含む様々な脊椎固定システムを図示する。具体的には、
図22Aは、組み立て前の脊椎固定システム2200を図示する。
図22Bは、組み立て後の脊椎固定システム2200を図示する。
図23は、第1の力1951を介して部分的に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2300を図示する。
図24は、第1の力1951および第2の力1952を介して部分的に回転された椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2400を図示する。
図25は、第1の力1951を介して完全に回転した椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2500を図示する。
図26は、第1の力1951および第2の力1952を介して完全に回転した椎間スペーサー100を備えた脊椎固定システム2600を図示する。
【0040】
図22Aおよび22Bは、椎間スペーサー100がどのように挿入ツール1900に取り外し可能に結合され得るかを図示する。これは、
図22Bに示されるように、カム表面120をカムローブ1930と位置合わせし、カム表面120を相補的な形状のカムローブ1930と係合するように動かし(
図22Aの矢印1950を参照)、挿入シャフト1940のねじ切り1944を椎間スペーサー100のねじ切り144と係合し、椎間スペーサー100を挿入シャフト1940(すなわち、挿入ツール1900)に取り外し可能に結合することによって達成され得る。
【0041】
図23および25は、第1の力1951がカム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りを挿入ツール1900に対して椎間スペーサー100を回転させるように、椎間スペーサー100のカム表面120が、挿入ツール1900に結合されたカムローブ1930の相補的なカムローブ表面1931に対しどのように回転可能であるかを図示する。これらの実施形態では、カムローブ1930は、挿入ツール1900が遠位に押されたときに、カム表面120に第1の力1951を与えるように構成され、椎間スペーサー100をカム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りで回転させる。前述のように、摩擦力は、椎間スペーサー100が2つの椎体の間に挿入されるときに、椎間スペーサー100の上表面および下表面101、102に作用し得る。このようにして、椎体によって椎間スペーサー100に与えられる摩擦力は、第1の力1951に対抗するように作用し得、椎体間に挿入されるときに椎間スペーサー100の回転を容易にするのを助け得る。
【0042】
図24および26は、第1の力1951が挿入シャフト先端1943から第2の力1952を受け入れ、カム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りで椎間スペーサー100を回転させるのをさらに助けるように、椎間スペーサー100の面取りされた表面142がどのように構成されるかを示す。これは、挿入シャフト1940を遠位に押して、挿入シャフト先端1943を椎間スペーサー100の面取り面142に係合させ、カム表面120に関連付けられた回転ポイント125の周りで椎間スペーサー100を回転させることによって達成され得る。同様に、椎体によって椎間スペーサー100に与えられる摩擦力は、第1および第2の力1951、1952の両方に対抗するように作用し、椎体間に挿入されるときに椎間スペーサー100の回転を容易にするのを助け得る。
【0043】
図27A〜27Cは、本開示の一実施形態による、椎体2710に対する椎間スペーサー100の例示的な移植プロセス2700を図示する。具体的には、
図27Aは、経椎間孔挿入手順中に椎体2710の上の椎間板空間に挿入された椎間スペーサー100を図示する。
図27Bは、
図23〜26に関して上記で説明した1つまたは複数のプロセスを介した、椎体2710に対する椎間スペーサー100の回転を図示する。
図27Cは、椎間スペーサー100から切り離され、手術部位から取り外された挿入ツール1900を備えた、椎体2710に対する椎間スペーサー100の最終的な配置を図示する。
【0044】
図28Aおよび28Bは、本開示の別の実施形態による、椎体2810に対する1つまたは複数の椎間スペーサー100の別の例示的な移植プロセス2800を図示する。具体的には、
図28Aは、挿入プロセス中に伸延を提供するツール3000の助けを借りて、後方挿入手順中に椎体2810の上の椎間板空間に挿入される1つの椎間スペーサー100を図示し、および
図28Bは、椎体2810に対する2つの椎間スペーサー100の最終的な配置を図示する。
【0045】
図29は、本開示の一実施形態による、患者の2つの椎体の間に椎間スペーサーを挿入するための方法2900のフローチャートを図示する。一般に、方法2900 は、カム表面と、およびカム表面と係合し、挿入ツールに対して椎間スペーサーの選択的回転を可能にするように構成された相補的な形状のカムローブとを備える挿入ツールとを備える椎間スペーサーの使用を含み得る。挿入ツールはまた、第1のねじ切りを備えた挿入シャフトを備え得、椎間スペーサーは、追加的に第2のねじ切りを備えた開口を備え得る。挿入シャフトは、挿入シャフト先端をさらに備え、および椎間スペーサーはまた、開口に近接する面取りされた表面を備え得る。
【0046】
方法2900は、椎間スペーサーのカム表面が、挿入ツールの相補的な形状のカムローブと位置合わせされ得るステップ2910から開始し得る。
【0047】
椎間スペーサーのカム表面が挿入ツールの相補的な形状のカムローブと位置合わせされると、方法2900は、カム表面が相補的な形状のカムローブと係合するように移動され得るステップ2920に進み得、挿入シャフトのねじ切りは、椎間スペーサーの第2のねじ切りと係合して、椎間スペーサーを挿入シャフトに取り外し可能に結合し得る。
【0048】
椎間スペーサーが挿入シャフトに取り外し可能に結合されると、方法2900は、椎間スペーサーが患者の2つの椎体の間に挿入され得るステップ2930に進み得る。
【0049】
代替的に、またはそれに加えて、椎間スペーサーが患者の2つの椎体の間に挿入されると、方法2900は、第1の力が相補的に成形されたカムローブを用いてカム表面に適用され、椎間スペーサーをカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで挿入ツールに対して回転させ得る、ステップ2940に進み得る。
【0050】
代替的に、またはそれに加えて、方法2900は、第2の力が、挿入シャフト先端を用いて面取りされた表面に適用され、第1の力がカム表面に関連付けられた回転ポイントの周りで椎間スペーサーを回転するのを助け得る、ステップ2950に進み得る。
【0051】
代替的に、またはそれに加えて、方法2900は、挿入シャフトの第1のねじ切りが椎間スペーサーの第2のねじ切りと切り離され得、挿入シャフトが患者から取り外され、および方法2900が終了し得る、ステップ2960に進み得る。
【0052】
本明細書で開示されるいずれの方法も、説明される方法を実行するための1つまたは複数のステップまたは作用を備える。1つまたは複数の方法ステップおよび/または作用は、本明細書に開示される方法から省略され得る。さらに、任意の方法のステップおよび/または作用は、互いに交換され得る。換言すれば、実施形態の適切な動作のために特定のステップまたは作用の順序が必要でない限り、特定のステップおよび/または作用の順序および/または使用を変更され得る。
【0053】
本明細書全体を通して「実施形態」または「その実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体で引用される引用句またはその変形は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0054】
同様に、実施形態の上記の説明では、開示を簡素化する目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明に一緒にグループ化される場合があることを理解されたい。しかしながら、この開示の方法は、いかなるクレームもそのクレームに明示的に列挙されたものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明の態様は、前述の単一の開示された実施形態のすべてより少ない特徴の組み合わせにある。したがって、この詳細な説明に続く請求項は、これにより、この詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立している。この開示は独立クレームとその従属クレームのすべての順列を含む。
【0055】
特徴または要素に関する用語「第1」の請求項の列挙は、第2または追加のそのような特徴または要素の存在を必ずしも意味しない。ミーンズプラスファンクション形式で列挙された要素は、35U.S.C.§112Para.6 に従って解釈されることを意図している。本明細書に記載される基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0056】
本開示の特定の実施形態および用途を例示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲は、本明細書に開示された正確な構成および構成要素に限定されないことを理解されたい。本明細書に開示された方法およびシステムの構成、動作、および詳細において、当業者には明らかであろう様々な修正、変更、および変形を行われ得る。
【国際調査報告】