(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-532941(P2021-532941A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】腱固定デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 2/08 20060101AFI20211105BHJP
【FI】
A61F2/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2021-506702(P2021-506702)
(86)(22)【出願日】2019年8月9日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月3日
(86)【国際出願番号】US2019045924
(87)【国際公開番号】WO2020033840
(87)【国際公開日】20200213
(31)【優先権主張番号】62/717,013
(32)【優先日】2018年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カム アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA21
(57)【要約】
骨に対して所望の位置に軟組織を固定するための外科用固定デバイスおよびドライバ。固定デバイスは、固定デバイスから上部部分の上面へ近位に延びる2つのアームを有する又分かれした上部部分を含む。2つのアームの各々は側面を有し、側面は反対側の側面である。固定デバイは、反対側の側面の各々の周りに外向きに延びるフランジも含む。固定デバイスは加えて、固定デバイスから遠位に延びる2つの脚部を有する又分かれした下部部分を有し、2つの脚部の間には空間がある。固定デバイスの上部部分は、外科用ドライバに取り付けるように構成されている。外科用ドライバは、本体を備えるハンドルと、ハンドルから遠位に延びるシャフトを有する。シャフトの遠位端部にあるドライバインターフェースは、固定デバイスに取り付けるように構成されている。ドライバは追加的に、本体内に回転可能な調整機構を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のアームを有する又分かれした上部部分であって、前記2つ以上のアームから前記上部部分の上面まで近位に延び、前記2つ以上のアームの各々が前記上部部分の側面を備え、
前記2つ以上のアームの少なくとも2つの前記側面が反対側の側面である、又分かれした上部部分と、
前記反対側の側面の各々の周りに外側に延びるフランジと、
2つ以上の脚部を有する突起付き下部部分であって、前記2つ以上の脚部の少なくとも2つの間に空間を有し、前記2つ以上の脚部から遠位に延びる、又分かれした下部部分と、を備える外科用固定デバイス。
【請求項2】
前記フランジが前記上面と前記下部部分との間にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記2つ以上の脚部の各々が鋭利な縁部で終わる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記上部部分が前記下部部分よりも幅広である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記上部部分の前記上面を通って延び、前記2つ以上のアームの前記2つを分離するスロットをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記2つ以上のアームの少なくとも1つに隣接した前記上部部分の側面上に、少なくとも1つのリリーフ機構をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
2つ以上の脚部を有する突起付き下部部分であって、前記2つ以上の脚部の少なくとも2つの間に空間を有し、前記2つ以上の脚部から遠位に延びる、又分かれした下部部分と、
上面と2つ以上の側面を有する上部部分であって、
前記2つ以上の側面の少なくとも2つの側面が、前記上面と前記2つ以上の側面との間に延びる第1のスロットを有する、上部部分と、
前記上部部分の前記上面に、前記下部部分を通って延びる中央開口と、を備える外科用固定デバイス。
【請求項8】
前記上部部分の前記2つ以上の側面の周りに延びる1つ以上のリブをさらに備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上のリブが、各々前記上部部分の前記上面に実質的に平行な平面に延びる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1のスロットが、前記2つ以上の側面の1つと前記中央開口との間に前記上面を横切って延びる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記2つ以上の側面の別の側面と前記中央開口との間に前記上面を横切って延びる第2のスロットをさらに備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項12】
前記上部部分の前記上面の中に前記中央開口を横切って延びる細長い窪みをさらに備える、請求項7に記載のデバイス。
【請求項13】
本体から遠位に延びる、シャフトを備えた前記本体を有するハンドルと、
固定デバイスに取り付けるように構成された前記シャフトの遠位端部にあるドライバインターフェースと、
前記ハンドルの前記本体内で回転可能な調整機構と、を備える外科用ドライバ。
【請求項14】
前記シャフトの少なくとも一部分に沿って前記シャフトの前記遠位端部から近位に延びる1つ以上のスリットをさらに備える、請求項13に記載の外科手用ドライバ。
【請求項15】
前記調整機構が、前記ハンドルの前記本体の窪み内にスプーリングホイールを備える、請求項13に記載の外科用ドライバ。
【請求項16】
前記窪みに延びる前記ハンドルの前記本体の近位端部に、またはその近傍にスロットをさらに備える、請求項15に記載の外科用ドライバ。
【請求項17】
前記スプーリングホイールの上面を通って延びるスロットをさらに備える、請求項15に記載の外科用ドライバ。
【請求項18】
前記ハンドルの前記本体内に区画をさらに備える、請求項13に記載の外科用ドライバ。
【請求項19】
前記ハンドルの前記本体に取り付けられた移動可能なカバーをさらに備え、前記カバーが開位置において前記区画を露出し、前記カバーが閉位置において前記区画を隠す、請求項18に記載の外科用ドライバ。
【請求項20】
前記カバーが前記ハンドルの前記本体から離れて回転可能である、請求項19に記載の外科用ドライバ。
【請求項21】
前記カバーが前記ハンドルの前記本体に沿ってスライド可能である、請求項19に記載の外科用ドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年8月10日に出願された「Tenodesis Fixation Device」と題する米国仮特許出願第62/717,013号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、概して、外科用システム、より具体的には、骨に対して所望の位置に軟組織を固定するためのインプラントおよびドライバを対象とする。
【背景技術】
【0003】
外科医が腱または他の軟結合組織などの軟組織を骨に取り付ける必要のあるいくつかの医療処置がある。1つの一般的な例は肩腱板断裂であり、棘上筋腱が上腕骨から分離して、疼痛および、腕を持ち上げて外旋する能力の喪失を引き起こす。肩腱板を修復するために、典型的には、様々な方法を使用して断裂した腱を骨に縫合するために外科処置が使用される。一部の処置は、大きな切開を使用し、肩峰からの三角筋の完全剥離を伴う。骨に縫合材料を通過させて腱を固定するために、小さな直径の穴が骨に開けられる。こうした大きな切開処置は外傷性であり、疼痛および回復時間の長期化を引き起こす。他の処置は小さな切開を行って、関節鏡技術を使用し、小さな直径の穴または屈曲性タインを使用して縫合糸を取り付ける。類似の技術を必要とする他の損傷には、二頭筋腱炎(例えば、二頭筋腱固定処置)およびACL断裂が含まれる。加えて、他の骨孔(複数可)に隣接する骨孔の配置を必要とする、外側関節外腱固定処置などの拡大処置がある。これらの例では、孔の収束を防止するために、より浅めのアンカデバイスを有することが望ましい。
【0004】
現在、軟組織を骨に取り付けるための様々なステープルおよびアンカデバイスがある。しかしながら、これらのデバイスの多くは、引き抜き強度が低い、適切な縫合取り付け部位がない、縫合糸を複雑な結び目で結ぶ必要性がある、複雑な糸通しルーチン、軟組織の骨への結合を最大化するために縫合前に骨と接触させるように軟組織を位置付けることにおいて外科医を支援することができない、および外科手術中のデバイスの物理的取り扱いが全体として難しいということに悩まされている。
【0005】
一般的に、肩および膝などの関節の損傷は、骨上の自然な位置からの靱帯の断裂または分離を伴う。損傷は、外科的介入を必要とする関節の慢性不安定性につながる。現代の外科手術は、1つ以上の関節鏡デバイスの使用を伴う。これらのデバイスは、カメラまたは外科用デバイスが通される外科用カニューレを含む。関節鏡法は通常、以前の方法よりも患者への外傷の減少を伴い、より早い回復を予測することができる。
【0006】
簡潔に述べると、外科的処置は、損傷の可視化および局在化、骨表面の準備、軟組織アンカの移植、ならびにアンカへの組織の縫合を伴う。靭帯または他の軟組織を適正に準備された骨表面に密接に接触させることによって、2つの材料が治癒過程の間に結合する。
【0007】
固定デバイスは、軟組織を骨に固定するために、こうした外科的処置の間に一般的に用いられる。インプラントなどの固定デバイスは一般に、軟部組織に縫い合わせるために縫合糸が骨ソケットから出て延び得るように、準備された骨ソケットに挿入される。ドライバは、インプラントを骨ソケットに挿入し、押し込むために使用する。従来のドライバは、衝撃力によってインプラントに損傷を引き起こす可能性がある。さらに、一部のドライバは、縫合をまとめて張力をかけるために使用できる機構を有していない。したがって、外科的処置はさらに時間がかかる場合がある。
【0008】
したがって、準備された骨ソケットに挿入するために軟組織移植片をしっかりと掴むためのインプラント、および準備された骨ソケットにインプラントを挿入および押し込むためのドライバに対するニーズがある。
【0009】
背景技術の項の免責条項: 特定の特許/刊行物/製品がこの背景技術の項またはこの開示の他の場所で考察されている限り、これらの考察は考察された特許/刊行物/製品が特許法の目的のための先行技術であるという承認として捉えるべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部または全ては、十分早期でない場合があり、十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、かつ/または特許法の目的のために先行技術に相当するほど、十分に授権するものではない場合がある。特定の特許/刊行物/製品が、この先行技術の項および/または出願全体を通して上記で考察されている限り、その記載/開示はそのそれぞれの全体が参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0010】
本発明の実施形態は、骨に対して所望の位置に軟組織を固定するための外科用固定デバイスおよびドライバを対象とする。一態様によれば、本発明は外科用固定デバイスである。固定デバイスは、固定デバイスから上部部分の上面へ近位に延びる2つ以上のアームを有する、又分かれした上部部分を含む。2つ以上のアームの各々は、上部部分の側面を備える。2つ以上のアームの少なくとも2つの側面は、反体側の側面である。フランジは、反対側の側面の各々の周りに外向きに延びる。固定デバイスは、固定デバイスから遠位に延びる2つ以上の脚部を有する又分かれした下部部分を含み、2つ以上の脚部の少なくとも2つの間には空間がある。
【0011】
別の態様によると、固定デバイスは、固定デバイスから遠位に延びる2つ以上の脚部を有する又分かれした下部部分を含んでもよく、2つ以上の脚部の少なくとも2つの間には空間がある。固定デバイスは、上面および2つ以上の側面を有する上部部分も含んでもよい。2つ以上の側面の少なくとも2つは、その間に延びる第1のスロットを有する。加えて、固定デバイスは、上部部分の上面の中に下部部分を通って延びる中央開口を有する。
【0012】
また別の態様によれば、本発明は外科用ドライバである。ドライバは本体を有するハンドルを有し、本体から遠位に延びるシャフトを備える。シャフトの遠位端部にあるドライバインターフェースは、固定デバイスに取り付けるように構成されている。ドライバは、ハンドルの本体内に回転可能な調整機構も含む。
【0013】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の1つ以上の態様は、本明細書の最後に特許請求の範囲の例として具体的に指摘され、明確に特許請求される。本発明の前述の、および他の目的、特徴、および利点は、添付図面と併せて取り上げられる以下の記載から明らかである。
【0015】
【
図1】
図1は、実施形態に係る、固定デバイスの側面図概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る、固定デバイスの上面図概略図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る、配備前の構成で使用されている固定デバイスの斜視図概略図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る、配備された構成で使用されている固定デバイスの斜視図概略図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る、配備された構成で使用される固定デバイスの断面側面図概略図である。
【
図6】
図6は、代替的実施形態に係る、固定デバイスの上面図概略図である。
【
図7A】
図7Aは、実施形態に係る、プレス嵌めドライバインターフェースの斜視図概略図である。
【
図7B】
図7Bは、実施形態に係る、ねじ山付きドライバインターフェースの斜視図概略図である。
【
図7C】
図7Cは、実施形態に係る、溝付きドライバインターフェースの斜視図概略図である。
【
図7D】
図7Dは、実施形態に係る、キー付きドライバインターフェースの斜視図概略図である。
【
図8】
図8は、代替的実施形態に係る、固定デバイスの側面図概略図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る、ドライバの側面図概略図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る、固定デバイスが装填された
図11のドライバの斜視図概略図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る、ドライバのハンドルの遠位端部の上面斜視図概略図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る、スプーリングホイールの上面図概略図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る、スプーリングホイールの側面図概略図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る、閉位置にあるドライバのハンドル上のカバーの上面斜視図概略図である。
【
図18】
図18は、一実施形態による、開位置にある
図17のドライバのハンドル上のカバーの上面斜視図である。
【
図19】
図19は、代替的実施形態に係る、閉位置にあるドライバのハンドル上カバーの上面斜視図概略図である。
【
図20】
図20は、代替的実施形態に係る、開位置にある
図19のドライバのハンドル上のカバーの上面斜視図概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の態様およびその特定の特徴、利点、および詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかし、当然のことながら、詳細な説明および特定の非限定的な例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の趣旨および/または範囲内での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0017】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、
図1は、実施形態に係る固定デバイス100の側面概略図を示す。固定デバイス100は、固体外科用インプラントである。固定デバイス100は、金属材料および/または高分子材料から構成することができる。固定デバイス100は、上部部分102および下部部分101を備える。下部101は、準備された骨ソケットに挿入されるようにサイズ設定され構成されているため、上部部分102は下部部分101よりも幅が広い。
【0018】
図1に示すように、下部部分101は、複数の脚部104が下部部分101から延びるように又分かれしている。図示の実施形態では、下部部101は2つの脚部104を備える。複数の脚部104の各々は、鋭利な縁部105で終わる。鋭利な縁部105は、固定デバイス100が準備された骨ソケットをつかむのを助ける。下部部分101が又分かれしているため、複数の脚部104の少なくとも2つの間には空間106が存在する。空間106は、軟組織を収容するようにサイズ設定され構成されている。
【0019】
さらに
図1を参照すると、固定デバイス100の上部部分102は又分かれもしており、それにより複数のアーム108が上部部分102から延びている。図示の実施形態では、上部部分102は2つのアーム108を備える。複数のアーム108の各々は、外側フランジ107を備える。フランジ107は、上部部分102の上面109の下にある。言い換えれば、フランジ107は、上面109と下部部分101との間にある。一実施形態では、フランジ107は、骨の高密度皮層の下に固定を提供するために、上面109から数ミリメートルである。
【0020】
ここで
図2を参照すると、実施形態に係る、固定デバイス部分100の上面図概略図が示されている。
図2に示すように、フランジ107はアーム108から外側に延びる。固定デバイス100は、上部部分102に1つ以上の材料リリーフ110を追加的に備える。図示の実施形態では、固定デバイス100は2つのリリーフ110を備え、リリーフ110は固定デバイス100の反対側の側面112、114上にある。固定デバイス100の反対側の側面112、114上にリリーフ110を有すると、軟組織は、一方の側面112を下方に横切り、次いで空間106(
図1)の下を横切り、反対側の側面114を横切って上に戻ることができる。
【0021】
ここで
図3〜
図5を参照すると、実施形態に係る、使用時の固定デバイス100の様々な斜視図および側面図概略図が示されている。固定デバイス100の使用前に、適切にサイズ設定されたソケット201が骨200の中に準備される。その後、固定デバイス100が軟組織203上に装填され、
図3に示すように準備された骨ソケット201の上方に位置付けられる。軟組織203は、固定デバイス100の下部部分101の脚部104の間の空間106内にある。下部部分101は、準備された骨ソケット201内に適合するようにサイズ設定され構成されていることに留意されたい。固定デバイス100の上部部分102の側面112、114は、(
図2のリリーフ110を介して)わずかに解放され、固定デバイス100が準備された骨ソケット201から延びることを許容するが、一度固定されると圧縮を提供することができる。
【0022】
図4は、準備された骨ソケット201の中に押し込まれた固定デバイス100を示す。固定デバイス100の上部部分102が、準備された骨ソケット201の中に押し込まれるにつれて、上部部分102は圧縮される。圧迫は、
図5に示すように、軟組織203の周りに(支点のように)外向きに脚部104を回転させる。脚部104の外向きの変形は、準備された骨ソケット201内の固定デバイス100の固定を可能にする。上述のように、各脚部104の鋭利な縁部105は、準備された骨ソケット201に引っかかり、固定を助ける。
【0023】
ここで
図6を参照すると、代替的実施形態に係る、固定デバイス100の上面図概略図が示されている。
図6に示す固定デバイス100の実施形態では、上部部分102の上面109は、ドライバ10(
図7A〜
図7D)と接続するようにサイズ設定され構成された接続機構116を備える。一実施形態では、接続機構116は開口である。接続機構116が開口である場合、固定デバイス100は、
図7A〜
図7Dで示したドライバ10の遠位端部14にある様々なドライバインターフェース12と接続することができる。
【0024】
図7Aに示すドライバインターフェース12は、開口116内に適合するようにサイズ設定され構成されている、プレス嵌め取り付け具である。
図7Bに示すドライバインターフェース12は、これも開口116内に適合するようにサイズ設定され構成されたねじ付き取り付け具であるが、開口116は相補的なねじ山(図示せず)を有する。
図7Dは、
図6に示す接続機構116と係合するようにサイズ設定され構成されたキー付き取り付け具であるドライバインターフェース12を示す。
図6に示す接続機構116は、開口116、および開口116を通って上部部分102の上面109を横切って延びる細長い窪み118である。
図7Dのドライバインターフェース12は、開口部116および細長いくぼみ118内に適合するようにサイズ設定され、構成されている。ここで
図7Cを参照すると、ドライバインターフェース12は、溝付きであるか、またはドライバ10の遠位端部14に沿って延びる1つ以上のスロット16を備える溝付き取り付け具を含む。スロット16を有するドライバ10は、以下で詳細に説明するように、縫合糸(図示せず)と共に使用されることが好ましい。
【0025】
ここで
図8〜
図10を参照すると、代替的実施形態に係る固定デバイス100の様々な概略図が示されている。
図8および
図9は、固定デバイス100の側面図および正面図の概略図を示す。固定デバイス100は、上部部分102の側面112、114を横切って延びる1つ以上のリブ120を備える。リブ120は、表面接触面積を増加させ、固定デバイス100上を引きずる。さらに、リブ120は、骨上の負荷共有を増加させ、変化する皮質厚に適応する。図示の実施形態では、リブの少なくとも1つは、上部部分102の上面109に実質的に平行な平面中に延びる。
【0026】
図10は、固定デバイス100の上面図概略図を示す。上部部分102は、1つ以上のリリーフスロット122を備える。
図10に示す実施形態では、上部部分102の上面109は2つのリリーフスロット122を有する。2つのリリーフスロット122は、開口116の対向する側面上にある。
図10に示すように、リリーフスロット122は、ドライバインターフェース12の壁の厚さを最適化するために開口116の周りに放射状に構成され、より大きなドライバインターフェース16(例えば、
図7D)に適応する。これは、次に、ドライバインターフェース12の十分な強度を維持しながら、中央開口116を通した縫合糸の包含のために十分なクリアランスを提供する。
【0027】
ここで
図11〜
図20を参照すると、実施形態に係るドライバ10およびその構成要素の様々な概略図が示されている。
図11は、画定された直径および奥行きを有する準備された骨ソケット201(
図3〜
図5)に固定デバイス100を押し込むためにサイズ設定され構成されたドライバ10の側面斜視図概略図を示す。ドライバ10は、近位端部18および遠位端部14を備える。近位端部18は、ハンドル20から遠位端部14まで延びるシャフト22に接続されたハンドル20を備える。シャフト22は、固定デバイス100を挿入するために軸方向の嵌入を可能にする。ハンドル20は、快適な使用のために湾曲した、人間工学的な形状であってもよい。
【0028】
図11に示すように、シャフト22は遠位端部14で停止部24まで延びる。図示の実施形態では、停止部24は、固定デバイス100に対して所定の位置で使用されるようにサイズ設定され構成されたポジティブストップである。ポジティブストップ24は、固定デバイス100の挿入深さを制御して、固定デバイス100の上面109が骨の外皮質層と比較的同一平面であることを確実にする。
図11にも示すように、ポジティブストップ24は、Oリングなどの可撓性部材から成る。図示の実施形態では、ポジティブストップ24は、シャフト22の外径よりも大きな外径を有するOリングである。Oリングは、適切なアンカ挿入深さが達成されたときの指標としての役目を果たし、ドライバ10が骨に対して押し込まれる際に皮質への損傷を防止する。
【0029】
図12は、代替的な実施形態に係るドライバ10の斜視図概略図を示す。図示の実施形態では、固定デバイス100はドライバ10の遠位端部14に取り付けられている。固定デバイス100は、軟組織を捕捉するために、軟組織を固定デバイス100に縫い合わせるために、または固定デバイス100の上部部分102の上面109上に固定された腱の一部分を結束するために、固定デバイス100にねじ込まれるかまたはそうでなければ取り付けられた1つ以上の縫合糸300を有する。ドライバ10は、シャフト22の長さの少なくとも一部分に沿って1つ以上のスロット26を備えてもよい(
図7Cのスロット16を(参照)。
図12では、ドライバ10は2つのスロット26を有する。2つのスロット26は、ドライバ10の反対側の側面上のシャフト22の少なくとも一部分に沿って延びる。具体的には、
図12に示すスロット26は、固定デバイス100の側面112、114と実質的に整列している。
【0030】
さらに
図12を参照すると、スロットは、縫合糸300を受けるようにサイズ設定され構成されている。縫合糸300は、固定デバイス100の下部部分101から延びる。具体的には、縫合糸300は折り畳まれて遠位ループ302を形成し、2つのリム304、306が遠位ループ302から近位に延びる。遠位ループ302は下部部分101から延び、2つのリム304、306は、固定デバイス100を通って延び、次に開口116(
図10)を通って出て、
図12に示すようにスロット26を通ってドライバ10を出る。したがって、リム304、306は、固定デバイス100内の空間106内で、シャフト22に沿って自由に移動することができる。実施形態では、リム304、306は、ハンドル20にある調整機構28で集められ、張力をかけられる。
【0031】
ここで
図13を参照すると、実施形態に係る、ドライバ10の調整機構28の部分分解図概略図が示されている。ドライバ10のハンドル20の調整機構28は回転可能である。具体的には、調整機構28は、
図13に示すように、ハンドル20の空洞32内のスプーリングホイール30である。縫合糸300のリム304、306は、
図12に示すように、シャフト22に沿って延び、調整機構28(スプーリングホイール30)に連結されている。スプーリングホイール30は、時計回りに回転させて遠位ループ302のサイズを増加することができ、反時計回りに回転させて遠位ループ302のサイズを減少することができる(またはその逆)。したがって、調整機構28は、遠位ループ302のサイズを調整する役割を果たす。
【0032】
ここで
図14〜
図16を参照すると、実施形態に係るハンドル20の調整機構28の様々な図の概略図が示されている。
図14は、ハンドル20の調整機構28の拡大上面図概略図を示す。
図14に示すように、ハンドル20の遠位端部34は、ハンドル20の本体21にスロット36を備える。スロット36は、ハンドル20の遠位端部34で、またはその近傍で始まり、調整機構28まで延びる。いくつかの場合、スロット36はハンドル20の空洞32まで延びる。スロット36は、縫合糸300(およびいくつかの場合、縫合糸300に取り付けられた針)をハンドル20から分離することを可能にする。
【0033】
図15は、スプーリングホイール30の上面図概略図を示し、
図16は、スプーリングホイール30の側面図概略図を示す。スプーリングホイール30は、スロット38を備える。スロット38は、
図15および
図16に示すように、スプーリングホイール30の上面40を通って延びる。スロット38は、縫合糸300が、スプーリングホイール30の中央ハブ42(
図15)の周りに移動することを可能にする。スロット38は、縫合糸300がスプーリングホイール30の周りに巻き付けられ、スプーリングホイール30から解放することも可能にする。
【0034】
ここで
図17〜
図20を参照すると、実施形態に係るドライバ10のハンドル20の上面斜視図概略図が示されている。
図17および
図18は、フリップ(または回転可能)カバー44を有するドライバ10のハンドル20の上面斜視図を示す。
図17に示すように、ハンドル20は、閉位置において、ハンドル20の本体21と同一平面であるカバー44を備える。
図18に示すように、開位置において、カバー44は、ハンドル20の本体21から離れる方向に回転し、ハンドル20内の区画46を露出する。区画46は、ハンドル20の本体21の中に延びる。図示の実施形態では、カバー44は長方形であるが、任意の適切な形状を使用することができる。区画46は、縫合糸300を縫合するための針(図示せず)を収容するか、または他の方法で含有するようにサイズ設定され構成されている。針は、固定デバイス100に固定するために、縫合糸300のリム304、306の端部に取り付けられることが多く、追加の軟組織に縫合糸300を縫い合わせる能力を促進する。
【0035】
図19および
図20は、カバー44を有するドライバ10のハンドル20の上面図斜視図を示す。
図19に示すように、ハンドル20は、閉位置において、ハンドル20の本体21と同一平面である近位カバー44を備える。
図20に示すように、開位置において、カバー44は、ハンドル20の本体21から離れて近位方向にスライドし、ハンドル20内の区画46を露出する。区画46は、ハンドル20の本体21の中に延びる。図示の実施形態では、カバー44は長方形であるが、任意の適切な形状を使用することができる。
図19および
図20に示す区画46は、上述の理由のために針を格納するようにサイズ設定され構成されている。固定デバイス100の挿入中には、区画46はユーザの手から離れているので、区画46は針を格納するための安全な場所である。
【0036】
本明細書で定義され使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するために理解されるべきである。
【0037】
本明細書で様々な実施形態が説明され、かつ図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載の機能を実施し、かつ/または結果および/または1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造を容易に想起するであろうし、またそのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つ以上の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することになり、または確認することができる。したがって、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に記載および特許請求された以外の別の方法で、実行されてもよいことが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0038】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のためのみのものであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(ならびに「備える(comprises)」および「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形態)、「有する(have)」(ならびに「有する(has)」および「有する(having)」などのhaveの任意の形態)、「含む(include)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(including)」などのincludeの任意の形態)、および「包含する(contain)」(ならびに「包含する(contains)」および「包含する(containing)」などのcontainの任意の形態)は、オープンエンドの連結動詞であることがさらに理解されるであろう。結果として、方法またはデバイスは、1つ以上のステップまたは要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」、または「包含する(contain)」。同様に、1つ以上の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、またはデバイスの要素は、それらの1つ以上の特徴を有するが、それらの1つ以上の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成されるデバイスまたは構造は、少なくともその方法で構成されるが、リストされていない方法でも構成されてもよい。
【0039】
以下の特許請求の範囲における全ての手段またはステップに機能要素を加えたものの対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に特許請求される他の特許請求の範囲の要素と組み合わせて、機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むことを意図している。本発明の記載は、例示および記載の目的で提示されてきたが、網羅的であること、または本発明に開示された形態で限定されることを意図しない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の1つ以上の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、他の当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の1つ以上の態様を理解できるように選ばれ、かつ記載された。
【国際調査報告】