特表2021-533081(P2021-533081A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-533081(P2021-533081A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/18 20060101AFI20211105BHJP
   A61K 38/20 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 38/30 20060101ALI20211105BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20211105BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20211105BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20211105BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20211105BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20211105BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   A61K38/18
   A61K38/20
   A61K38/30
   A61P15/00
   A61P17/02
   A61P29/00
   A61K9/06
   A61K38/19
   A61K47/10
   A61K47/44
   A61K47/36
   A61K47/32
   A61K47/06
   A61K47/34
   A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-560469(P2020-560469)
(86)(22)【出願日】2019年5月21日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月23日
(86)【国際出願番号】KR2019006065
(87)【国際公開番号】WO2020022627
(87)【国際公開日】20200130
(31)【優先権主張番号】10-2018-0086840
(32)【優先日】2018年7月25日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520415616
【氏名又は名称】ビーエヌブイバイオラボ株式会社
【氏名又は名称原語表記】BNV BIOLAB.CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ、ソン フン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
【Fターム(参考)】
4C076AA06
4C076BB31
4C076CC19
4C076DD34
4C076DD38
4C076DD46
4C076EE10
4C076EE17
4C076EE30
4C076EE53
4C076FF67
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA44
4C084DA12
4C084DA18
4C084DA19
4C084DA25
4C084DB52
4C084DB53
4C084DB54
4C084DB55
4C084DB57
4C084DB58
4C084DB61
4C084DB62
4C084MA02
4C084MA05
4C084MA28
4C084MA63
4C084NA06
4C084NA14
4C084ZA81
4C084ZA89
4C084ZB11
(57)【要約】
小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏であって、皮膚軟膏として、複合因子を有効成分として含み、ユーザの外陰部に周期的に塗布され、成長因子がユーザ皮膚細胞の再生を誘導し、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷の治療効果を高め、その根本的な原因を解決させる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚軟膏として、
複合因子を有効成分として含むが、
前記複合成長因子は、FGF、bFGF、GM−CSF、HGF、IGF−1、IL−6,7,8、KGF、Matrix poteins、PDGF−AA、TGF−B2、TGF−B3、EGF、VEGF及びTNFを含む複合成長因子であり、
小陰唇手術による傷を治療し、半固形の外用薬である軟膏の剤形であることを特徴とする、小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。
【請求項2】
ユーザの外陰部に周期的に塗布され、外陰部前庭炎を治療することを特徴とする請求項1に記載の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。
【請求項3】
皮膚軟膏として、
複合因子を有効成分として含むが、
前記複合成長因子は、FGF、bFGF、GM−CSF、HGF、IGF−1、IL−6,7,8、KGF、Matrix poteins、PDGF−AA、TGF−B2、TGF−B3、EGF、VEGF及びTNFを含む複合成長因子であり、
前記複合成長因子を含む高濃度因子培養液を重量基準として、20%〜40%含みながらも、半固形の外用薬である軟膏の剤形であることを特徴とする、小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。
【請求項4】
重量基準として、300,000ppm濃度で、前記高濃度因子培養液を含むことを特徴とする請求項3に記載の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。
【請求項5】
精製水、グリセリン、ホホバシードオイル、キサンタンガム、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、スクアレン、、ポリソルベート60、ローズマリー葉油、乳酸、クロルフェネシン及びイソステアリン酸ソルビタンを含み、軟膏剤形に製造されることを特徴とする請求項1または3に記載の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。
【請求項6】
女性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン及び抗生物質成分が除かれることを特徴とする請求項1または3に記載の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚軟膏に係り、さらに具体的には、小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏に関する。
【背景技術】
【0002】
小陰唇とは、女性の生殖器官において、外生殖器官における、大陰唇内側にある薄い皮膚を意味するものであり、小陰唇が過度に大きかったり、非対称であったりする場合、日常生活に不都合さを感じる場合があり、夏や、温度が高い環境において、バクテリアやカビ菌の増殖が一般人より増大しており、膣炎や外陰部前庭炎などの発生率を高めてしまう。そのような生活の不都合さを解消させるために、小陰唇手術を行う場合がある。治療目的の手術以外にも、最近では、美容目的の小陰唇手術を行う場合がある。
【0003】
図1は、小陰唇肥大症の手術推移について説明するために図示した図面である。図1を介し、小陰唇にレーザ施術を施した後、再手術を行う患者の比重がかなり高いということを確認することができる。小陰唇の形態を対称にしたり、それを小さくしたりする手術後、再手術を行う比率が高いというのから、小陰唇手術に対する満足度が低い場合があり、小陰唇手術後の管理も、また重要であるということが分かる。小陰唇手術後の管理が正しくなされていない場合、小陰唇皮膚疾患の誘発であったり、あるいは周辺の乾燥症発生により、不都合さが生じてしまう。従って、管理と、及び迅速な回復のために、実際に、小陰唇手術後の小陰唇皮膚回復の一助となるための軟膏が処方されている。このとき、小陰唇手術部位に塗る軟膏は、主に膣炎治療に利用される軟膏と同一軟膏を使用する。
【0004】
膣炎は、女性に発生しうる疾病であり、症状としては、膣分泌物が過多に多かったり、膣分泌物から悪臭が出たりし、冷帶下症を病んでいる場合も、また膣炎の症状であると見ることができる。膣炎発生は、膣内を酸性に維持する乳酸菌が減ることにより、膣内酸性が弱化され、細菌が増殖することになる細菌性感染が原因にもなり、それ以外にも、ホルモンの不均衡、免疫体系や新陳代謝作用が円滑ではないことによって発生する非感染性膣炎が原因にもなる。現代社会になってからは、ストレス、及び過度なダイエットなどにより、免疫力が弱くなる場合が頻繁となるが、高年齢層の女性だけではなく、若年女性の膣炎の発生が高くなっている現状である。また、女性の疾患として、質乾燥症は、膣内粘膜層の水分が減少し、膣壁が薄くなることによって発生するものがあり、それもまた、一般的に、ホルモン軟膏を治療剤として使用している。膣乾燥症は、2000年初期までで図40代、50代以上の女性患者にだけ見られた症状であったが、過度なダイエットなどによる免疫力低下により、10代,20代患者も多くなっており、その疾病への関心が高まっている。
【0005】
前述のような小陰唇手術後の回復や、膣炎、膣乾燥症などの治療のために、病院においては、ホルモン軟膏などを解決策として提示する場合がほとんどであり、実際、女性ホルモン、ステロイドなどが含まれた軟膏を処方する。それと係わる先行技術としては、韓国登録特許第10−0400411号(発明の名称:膣炎治療用生菌製剤)などがある。
【0006】
ただし、そのようなホルモン軟膏の場合、効果が一時的であったり、ほとんど快方の兆しがなかったりするという問題がある。また、軟膏を塗っていて、それをやめてしまう場合、症状が再び発現したりする。それは、軟膏剤に対する中毒症状の疑いがあり、ホルモンやステロイドを含んだ製品の使用について、患者だけではなく、医師も避けたがる状況である。また、女性ホルモンを含んだ治療剤の場合には、女性癌発病率を高めるという最大の問題があり、若年女性の場合、ホルモンの不均衡発生による副作用の事例も現れている。そのような問題により、ホルモンが含まれていないものであり、症状治療に効果が高い軟膏の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、既存に提案された方法の、前述のような問題点を解決するために提案されたものであり、皮膚軟膏として、複合因子(multi growth factor)を有効成分として含み、ユーザの外陰部に周期的に塗布され、成長因子がユーザ皮膚細胞の再生を誘導し、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷の治療効果を高め、その根本的な原因を解決させる、小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を提供することをその目的とする。
【0008】
また、本発明が解決しようとする課題は、高濃度の複合成長因子を含みながらも、軟膏剤形に製造されることにより、ユーザの外陰部に適用が容易であり、性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン及び抗生物質の成分を除いて構成することにより、ユーザのホルモン均衡を崩さず、妊婦や授乳婦も安心して使用することができる、小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するための本発明の特徴による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、
皮膚軟膏であり、
複合因子(multi growth factor)を有効成分として含むことをその構成上の特徴とする。
【0010】
望ましくは、
ユーザの外陰部に周期的に塗布され、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷を治療することができる。
【0011】
望ましくは、前記複合成長因子は、
FGF、bGFG、GM−CSF、HGF、IGF−1、IL−6,7,8、KGF、Matrix poteins、PDGF−AA、TGF−B2、TGF−B3、EGF、VEGF及びTNFを含む複合成長因子でもある。
【0012】
望ましくは、
重量基準として、200,000ppm〜400,000ppm濃度で、前記複合成長因子を含んでもよい。
【0013】
さらに望ましくは、
重量基準として、300,000ppm濃度で、前記複合成長因子を含んでもよい。
【0014】
さらに望ましくは、
精製水、グリセリン(glycerin)、ホホバシードオイル(Simmondsia chinensis(jojoba)seed oil)、キサンタンガム(Xanthan gum)、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー(hydroxyethyl acrylate/sodium acryloyldimethyl taurate copolymer)、スクアレン、(squalane)、ポリソルベート60(polysorbate 60)、ローズマリー葉油(Rosmarinus officinalis(Rosemary)leaf oil)、乳酸(lactic acid)、クロルフェネシン(Chlorphenesin)及びイソステアリン酸ソルビタン(sorbitaniso isostearate)を含み、軟膏剤形にも製造される。
【0015】
望ましくは、
女性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン、及び抗生物質成分が除かれうる。
【発明の効果】
【0016】
本発明で提案している小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏によれば、皮膚軟膏として、複合因子(multi growth factor)を有効成分として含み、ユーザの外陰部に周期的に塗布され、成長因子がユーザ皮膚細胞の再生を誘導し、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷の治療効果を高め、その根本的な原因を解決させる。
【0017】
また、本発明によれば、高濃度の複合成長因子を含みながらも、軟膏剤形に製造されることにより、ユーザの外陰部に適用が容易であり、性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン、及び抗生物質成分を除いて構成することにより、ユーザのホルモン均衡を破らないで、妊婦や授乳婦も安心して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】小陰唇肥大症の手術推移について説明するために図示した図である。
図2】成長因子の効能について説明するために図示した図である。
図3】本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏の成分を表示した図である。
図4】小陰唇及び陰核の整形術を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復した程度を観察した様子を示した写真である。
図5】小陰唇肥大によって手術を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復した程度を観察した様子を示した写真である。
図6】外陰部前庭炎及び萎縮性膣炎の診断を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復した程度を観察した様子を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照し、本発明が属する技術分野で当業者が本発明を容易に実施することができるように、望ましい実施例について詳細に説明する。ただし、本発明の望ましい実施例の詳細な説明において、関連公知機能または構成に係わる具体的な説明が本発明の要旨を必要以上に不明確にしうると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、類似の機能及び作用を行う部分については、図面全体にわたって同一符号を使用する。
【0020】
さらに、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、それは、「直接的連結」になっている場合だけではなく、その中間に、他の素子を挟み、「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある構成要素を「含む」というのは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0021】
本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、皮膚軟膏として、複合因子(multi growth factor)を有効成分として含むことをその構成上の特徴とする。既存には、小陰唇皮膚治療のために、膣炎などに使用される製品を使用し、そのような製品は、成長因子を活用しなかったという点において、因子、特に、複合成長因子を活用することにより、再生誘導機能がある小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏である本発明は、既存の軟膏と明らかな違いがある。特に、一時的な痛症緩和製品ではない、皮膚組織と質粘膜層とを再生させるものとして、根本的な症状発生原因を解決するという点において、本発明の意義がある。
【0022】
図2は、成長因子の効能について説明するために図示した図面である。図2に図示されているように、成長因子は、細胞の受容体と結合し(growth factor attaches to the receptor;receptor for cell division;tyrosine kinase starts signal;signal for cell divide)、細胞の成長、増殖、分化を促進させ、ユーザ皮膚の自然な再生周期を円滑に進行させる役割を行う。すなわち、該成長因子は、皮膚のコラーゲンとエラスチンとの量を増やし、皮膚を再生させる役割を行うものであり、女性の小陰唇皮膚も、コラーゲンで構成されているために、成長因子の細胞再生周期を円滑にさせる効能を得ることができ、最終的には、根本的な原因を解決させることができるようになるのである。
【0023】
本発明において、該成長因子は、ユーザの小陰唇皮膚に吸収され、ユーザ皮膚細胞の再生を誘導するものであり、FGF、bGFG、GM−CSF、HGF、IGF−1、IL−6,7,8、KGF、Matrix poteins、PDGF−AA、TGF−B2、TGF−B3、EGF、VEGF及びTNFを含む複合成長因子でもある。特に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、成長因子をEGF単独またはFGF単独で使用するものではなく、羅列されているような複数の成長因子を、マルチペプチドファクター(multi peptide factor)のタンパク質形態で含んでもよい。
【0024】
それぞれの成長因子は、互いに異なる機能を行うが、例えば、EGFは、上皮細胞成長因子であり、上皮細胞の成長に一助となり、FGFは、線維芽細胞の生成を刺激する成長因子であり、傷治癒能力強化と皮膚再生促進との機能を有し、コラーゲンを分泌させ、皮膚組織再構築に関与する。
【0025】
また、PDGFは、血管生成刺激、傷組織の除去及び治癒を促進し、KGFは、血管生成細胞の分裂と分化との刺激、単核細胞と大食細胞との機能向上、表皮細胞の増殖を促進する。身体を構成する細胞は、一種の細胞によってのみなっているものではないために、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、複合成長因子を含むことにより、さまざまな成長因子を利用し、多様な細胞の増殖及び再生の一助となることができ、それを介し、さらに迅速な再生速度及びその効果を得ることができる。
【0026】
小陰唇皮膚治療のために、当該部位の皮膚に、複合成長因子が含まれた本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗布することにより、該複合成長因子がユーザの皮膚内に侵透し、小陰唇皮膚の疾患を改善させ、治療の効果を高めるようにする。該成長因子は、免疫拒絶反応がなく、副作用がないという長所がある。
【0027】
本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、重量基準として、200,000ppm〜400,000ppm濃度で複合成長因子を含んでもよく、さらに具体的には、重量基準として、300,000ppm濃度で、前記複合成長因子を含んでもよい。すなわち、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏が含む複合成長因子は、20%〜40%の高濃度因子培養液でもあり、30%の高濃度因子培養液が望ましく、一実施例により、30%の高濃度因子培養液は、天然栄養成分及び保湿成分とも配合される。
【0028】
成長因子を含む従来の皮膚用製品は、ほとんど1,000ppm以下であり、別途に濃度を開示しておらず、そのように、濃度不開示は、低濃度に起因したものであり、2,000ppmほどの濃度でも、従来の皮膚用製品と差別化されうる。本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、200,000ppm〜400,000ppmの高濃度の複合成長因子を含むことにより、従来の皮膚用製品に含有された成長因子の10〜20倍の成長因子を含み、そのような違いにより、皮膚の改善効果及び治療効果においても、低濃度の製品とは、顕著な違いがある。
【0029】
特に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、因子培養液(conditioned media)を利用することにより、人体の皮膚と組織とに最も最適化された成長因子を生成し、小陰唇皮膚組織及びその細胞膜の再生効果を極大化させることができる。すなわち、凍結粉末状に凍結させて破砕したパウダー状の成長因子を、製品配合時に入れる場合、その含有量を正確に特定し難いだけではなく、因子自体がタンパク質であるために、凍結させる場合、その効果は、タンパク質状であるときよりも、顕著に低下してしまう(80〜90%以上)。しかし、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、タンパク質状をそのまま維持する因子培養液を使用することにより、凍結粉末形態の成長因子を使用する場合に比べ、顕著に優秀な効果を得ることができる。
【0030】
また、本発明の一実施例による女性疾患治療用の皮膚軟膏は、女性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン及び抗生物質成分を除いて構成することにより、妊婦や授乳婦も、安心して使用することができ、一実施例により、ビタミン、アミノ酸、ヒアルロン酸のうち少なくとも一つ以上をさらに含んでもよい。
【0031】
図3は、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏の成分を表示した図面である。図3に図示されているように、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、30重量%の複合成長因子を含み、精製水、グリセリン(glycerin)、ホホバシードオイル(Simmondsia chinensis(jojoba)seed oil)、キサンタンガム(Xanthan gum)、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー(hydroxyethyl acrylate/sodium acryloyldimethyl taurate copolymer)、スクアレン、(squalane)、ポリソルベート60(polysorbate 60)、ローズマリー葉油(Rosmarinus officinalis(Rosemary)leaf oil)、乳酸(lactic acid)、クロルフェネシン(Chlorphenesin)及びイソステアリン酸ソルビタン(sorbitaniso isostearate)を含み、軟膏剤形にも製造される。
【0032】
成長因子を含む従来の皮膚用製品は、ほとんど、アンプル(ample)形態または希薄クリーム状である。特に、成長因子を高濃度で含むならば、半固形の外用薬である軟膏剤形製造に困難さが伴う。しかし、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、図3に表示されているような成分を含み、300,000ppm高濃度の複合成長因子を含みながらも、軟膏の剤形に製造されることにより、アンプルタイプやクリームタイプとは、その粘性と触感が異なり、小陰唇皮膚への塗布が容易である。特に、希薄な形態の製品でもっては、小陰唇皮膚にユーザが直接塗布することが容易ではなく、下着着用と活動などにより、外陰部皮膚を介し、複合成長因子が十分に吸収され難い。従って、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、高濃度の複合成長因子を含む半固形の皮膚軟膏剤形に製造されることにより、小陰唇皮膚への塗布が容易であり、高濃度の複合成長因子が十分に皮膚吸収されるようにし、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷治療に著しい効果がある。
【0033】
[実施例1]
カリフォルニア州立大学校Irvineキャンパスに位置した組織銀行(Tissue Bank at University of California,Ivine)から給された人体線維芽細胞(包皮(foreskin)からの抽出)内から、健康に生きている線維芽細胞を選別し、全ての培養過程において、一貫した因子濃度を維持するようにし、培養液タイプに複合成長因子を生産した。生産された複合成長因子は、FGF、bGFG、GM−CSF、HGF、IGF−1、IL−6,7,8、KGF、Matrix poteins、PDGF−AA、TGF−B2、TGF−B3、EGF、VEGF及びTNFを含み、該複合成長因子、並びに精製水、グリセリン、ホホバシードオイル、キサンタンガム、ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー、スクアレン、ポリソルベート60、ローズマリー葉油、乳酸、クロルフェネシン及びイソステアリン酸ソルビタンを混合し、複合成長因子が、重量基準として、300,000ppm濃度に含有されるように、軟膏剤形の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を製造した。製造された皮膚軟膏は、15ml容量のチューブ状容器に入れた。
【0034】
実験例1
小陰唇及び陰核の整形術を受けた女性に、製造された15ml容量のチューブ状容器に入った小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を提供し、外陰部に、1日1回周期的に塗布するようにしながら、手術後2週間、経過を観察した。
図4は、小陰唇及び陰核の整形術を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復された程度を観察した様子を示した写真であり、(a)は、手術前、(b)は、手術後2週が経過した時点の写真である。手術部位である右側小陰唇部位に、1日1回周期的に本発明の小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗布した結果、2週後に大きく回復したところを確認することができる。
【0035】
実験例2
小陰唇肥大によって手術を受けた女性に、製造された15ml容量のチューブ状容器に入った小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を提供し、外陰部に、1日1回周期的に塗布するようにしながら、手術後20日間、経過を観察した。
図5は、小陰唇肥大によって手術を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復された程度を観察した様子を示した写真である。上端は、手術前の写真であり、下端の(a)は、手術後4日目、(b)は、手術後1週間目、(c)は、手術後19日が経過した時点の写真である。図5の(a)、(b)及び(c)において、左側小陰唇は、一般的に、小陰唇手術後に処方されるホルモンを含んだ軟膏を塗りながら回復される様子であり(写真において、「OINT」表示)、右側小陰唇は、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗りながら回復される様子である(写真で“WMPF”表示)。図5の(a)、(b)及び(c)から確認することができるように、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗った部位の皮膚再生が、一般軟膏を塗った部位に比べ、迅速に進み、その形態回復も、さらに円滑であった。そのように、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏は、既存の一般軟膏に比べ、小陰唇手術による傷治療に著しい効果があり、形態回復にも、一助となり、小陰唇手術の満足度を向上させることができる。
【0036】
実験例3
外陰部前庭炎及び萎縮性膣炎の診断を受けた女性に、製造された15ml容量のチューブ状容器に入った小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を提供し、外陰部に、1日1回周期的に塗布するようにしながら、48日間、経過を観察した。
図6は、外陰部前庭炎及び萎縮性膣炎の診断を受けた患者に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗ることにより、回復された程度を観察した様子を示した写真である。図6の上端は、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏適用前の写真であり、10年前から、外陰部痛、性交痛、骨盤痛、下腹部痛、腰痛と共に、外陰部不快感や、排尿痛・頻尿・夜間尿・切迫尿のような排尿症状により、日常生活に大きい不都合さを感じる患者の外陰部を示す。該患者は、萎縮性膣炎及び外陰部前庭炎の診断下、ホルモン療法を3回ほど施行をしたにもかかわらず、治療効果が示されていない場合である。前述の患者の外陰部に、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を、1日1回周期的に塗布した後、外陰部の回復程度を観察した。
図6の下端(a)は、本発明の皮膚軟膏適用後17日、(b)は、本発明の皮膚軟膏適用後27日、(c)は、本発明の皮膚軟膏適用後48日がそれぞれ経過した時点の写真である。具体的には、図6の上端写真から確認することができるように、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を塗る前には、外陰部がはなはだしく腫れており、出血が伴う症状を示したが、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を周期的に塗った後には、図6の(a)ないし(c)から確認することができるように、外陰部の出血が止まり、本来の外陰部の色に回復されるところを確認することができる。それだけではなく、図6を介し、既存のホルモン療法のような治療を介して治療効果を得ることができなかった場合にも、本発明の一実施例による小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏を介し、外陰部前庭炎のような小陰唇皮膚の疾患に対し、明らかな治療効果を得ることができるということを確認することができる。
【0037】
本発明で提案している小陰唇皮膚治療用の皮膚軟膏によれば、皮膚軟膏として、複合因子を有効成分として含み、ユーザの外陰部に周期的に塗布され、成長因子がユーザ皮膚細胞の再生を誘導し、外陰部前庭炎、または小陰唇手術による傷の治療効果を高め、その根本的な原因を解決させる。また、本発明によれば、高濃度の複合成長因子を含みながらも、軟膏剤形に製造されることにより、ユーザの外陰部に適用が容易であり、性ホルモン、環境ホルモン、ステロイドホルモン及び抗生物質成分を除いて構成することにより、ユーザのホルモン均衡を崩さず、妊婦や授乳婦も、安心して使用することができる。
【0038】
以上で説明した本発明は、本発明が属した技術分野で当業者により、多様な変形や応用が可能であり、本発明による技術的思想の範囲は、特許請求の範囲によって定められるものである。
図1
図2
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図4
図5
図6
【国際調査報告】