(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【氏名又は名称原語表記】FUNDACIO PRIVADA INSTITUT D’INVESTIGACIO ONCOLOGICA DE VALL HEBRON
前記VH配列が、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一であり;前記VL配列が、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一である、請求項13に記載の方法。
前記白金系抗悪性腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
前記癌が、進行した固形腫瘍、膠芽腫、胃癌、皮膚癌、前立腺癌、膵癌、乳癌、精巣癌、甲状腺癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、食道癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、リンパ腫、又は軟部組織癌を含む、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本発明が属する分野の技術者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈によって他に明確に指示しない限り、複数の指示内容が含まれる。本明細書での「又は」へのあらゆる言及は、他に規定されない限り、「及び/又は」を包含することが意図される。
【0015】
一態様では、本明細書に記載されるのは、個人における癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせた白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドの使用である。
【0016】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、個人における癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせた白血病抑制因子(LIF)結合抗体の使用であり、ここでは、LIF結合抗体は、(a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);(b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);(c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);(d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);(e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び(f)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む。
【0017】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、癌を有する個人を治療する方法であって、有効量の:(a)白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドと;(b)白金系抗悪性腫瘍剤とを、癌を有する個人に投与することを含む方法である。
【0018】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、癌を有する個人を治療する方法であって、有効量の白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドを、癌を有する個人であって、治療量の白金系抗悪性腫瘍剤を投与されている個人に投与することを含む方法である。
【0019】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、癌を有する個人を治療する方法であって、有効量の白金系抗悪性腫瘍剤を、癌を有する個人であって、治療量の白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドを投与されている個人に投与することを含む方法である。
【0020】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、癌を有する個人を治療する方法であって、有効量の:(a)(i)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);(ii)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);(iii)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);(iv)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);(v)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び(vi)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む白血病抑制因子(LIF)結合抗体と;(b)白金系抗悪性腫瘍剤とを、癌を有する個人に投与することを含む方法である。
【0021】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、(a)白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドと;(b)白金系抗悪性腫瘍剤とを含むキットである。
【0022】
別の態様では、本明細書に記載されるのは、(a)白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドと;(b)白金系抗悪性腫瘍剤とを含む組成物である。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「個人」、「対象」、及び「患者」は、互換的に使用され、腫瘍、癌、又は他の新生物と診断された又は腫瘍、癌、又は他の新生物を患っている疑いがあるヒトが含まれる。
【0024】
用語「癌」及び「腫瘍」は、無秩序な細胞増殖を特徴とする、哺乳類における生理学的状態に関する。癌は、一群の細胞が、制御されない増殖又は望まれない増殖を呈する類の疾患である。癌細胞は、他の位置に拡散する可能性もあり、これが、転移の形成をもたらす可能性がある。体内の癌細胞の拡散は、例えば、リンパ又は血液を介して起こる可能性がある。制御されない増殖、侵入、及び転移形成は、癌の悪性特性とも呼ばれる。これらの悪性特性は、癌を、一般的には浸潤も転移もしない良性腫瘍と区別する。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、哺乳類に投与された場合に生物学的効果をもたらす治療薬の量を指す。生物学的効果には、限定はされないが、受容体・リガンド相互作用(例えば、LIF−LIFR)の阻害又は遮断、シグナル伝達経路(例えば、STAT3リン酸化)の阻害、腫瘍増殖の低下、腫瘍転移の減少、又は腫瘍を有する動物の生存の延長が含まれる。「治療量」は、治療効果を発揮するように算出された薬物の濃度である。治療量は、個体集団において治療反応を誘発することが可能な投薬量の範囲を包含する。哺乳類は、ヒト個人であり得る。ヒト個人は、腫瘍を患っている可能性もあるし、腫瘍を患っている疑いがある可能性もある。
【0026】
本明細書で使用する場合、他に指示されない限り、用語「抗体」には、抗体の抗原結合断片、すなわち、全長抗体によって結合される抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体断片、例えば、1つ以上のCDR領域を保持する断片が含まれる。抗体断片の例としては、限定はされないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;二重特異性抗体;線状抗体;重鎖抗体、単鎖抗体分子、例えば単鎖可変領域断片(scFv)、ナノボディ、及び二重特異性抗体などの別の特異性を有する抗体断片から形成される多特異性抗体が挙げられる。ある種の実施形態では、抗体は、その抗体に対する個人の免疫応答を低下させるようにヒト化されている。例えば、抗体は、キメラ、例えばヒト定常領域を有する非ヒト可変領域、又はCDRグラフトされたもの、例えばヒト定常領域及び可変領域のフレームワーク配列を有する非ヒトCDR領域であり得る。ある種の実施形態では、抗体は、ヒト化後に脱免疫原性化される。脱免疫原性化は、抗体の定常領域内の1つ以上のT細胞エピトープを除去する又は変異させることを含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、モノクローナルである。本明細書で使用する場合、「組換え抗体」は、2つの異なる種又は2つの異なる供給源由来のアミノ酸配列を含む抗体であり、合成の分子、例えば、非ヒトCDR及びヒトフレームワーク又は定常領域を含む抗体が含まれる。ある種の実施形態では、本発明の組換え抗体は、組換えDNA分子から産生される、又は合成される。
【0027】
参照ポリペプチド又は抗体配列に関する配列同一性のパーセント(%)は、配列同一性の最大のパーセントを得るために、必要であれば配列を整列させてギャップを導入した後の、且つ配列同一性の一部としてのいかなる保存的置換も考慮しない、参照ポリペプチド又は抗体配列内のアミノ酸残基と同一である、候補配列内のアミノ酸残基のパーセンテージである。アミノ酸配列同一性のパーセントを決定する目的のアラインメントは、公知である様々な方式で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、実現することができる。比較される配列の全長にわたる最大アラインメントを実現するために必要とされるアルゴリズムを含めた、配列を整列させるための適切なパラメータを決定することが可能である。しかし、本明細書の目的では、アミノ酸配列同一性の値(%)は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用してもたらされる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作成され、ソースコードは、U.S.Copyright Office,Washington D.C.,20559に、ユーザ文書と共に保管されており、ここでは、これは、U.S.Copyright Registration No.TXU510087で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Calif.から公的に利用可能であるし、ソースコードからコンパイルすることもできる。ALIGN−2プログラムは、digital UNIX V4.0Dを含めたUNIXオペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルされるべきである。すべての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され、変更しない。
【0028】
ALIGN−2が、アミノ酸配列比較のために用いられる場合、所与のアミノ酸配列Bに対する、アミノ酸配列Bとの、又はアミノ酸配列Bと対照する、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性(%)(これは、代わりに、所与のアミノ酸配列Bに対して、アミノ酸配列Bと、又はアミノ酸配列Bと対照して、あるアミノ酸配列同一性(%)を有する又は含む所与のアミノ酸配列Aと表現することもできる)は、次の通りに算出される:100×分数X/Y(ここでは、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN−2によって、AとBのプログラムのアラインメントについて同一のマッチとして記録されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bにおけるアミノ酸残基の総数である)。アミノ酸配列Aの長さが、アミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性(%)は、BのAに対するアミノ酸配列同一性(%)と等しくないこととなるということを理解されたい。他に具体的に規定されない限り、本明細書で使用されるすべてのアミノ酸配列同一性の値(%)は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して、直前の段落に記載した通りに得られる。
【0029】
用語「エピトープ」には、抗体などの抗原結合タンパク質によって結合されることが可能であるあらゆる決定基が含まれる。エピトープは、その抗原を標的にする抗原結合タンパク質によって結合される抗原の領域であり、抗原がタンパク質である場合、抗原結合タンパク質と直接的に接触する特異的なアミノ酸が含まれる。エピトープは、タンパク質上に存在することが最も多いが、糖類又は脂質などの他の種類の分子上に存在する場合もあり得る。エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、又はスルホニル基などの分子の、化学的に活性な表面集団(grouping)を含むことができ、特異的な三次元構造特性及び/又は特異的な電荷特性を有することができる。一般に、特定の標的抗原に特異的な抗体は、タンパク質及び/又は高分子の複合混合物における標的抗原上のエピトープを優先的に認識することとなる。
【0030】
用語「抗悪性腫瘍剤」は、癌、腫瘍、又は新生物の発生を予防する、阻害する、又は停止するように作用する能力がある薬剤を指す。抗悪性腫瘍剤は、化学療法剤としても公知であり得る。抗悪性腫瘍剤は、癌細胞を標的にして破壊することができる。抗悪性腫瘍剤には、限定はされないが、抗代謝産物、生物学的応答調節物質、ブレオマイシン、DNAアルキル化剤、DNA架橋剤、酵素、ホルモン、モノクローナル抗体、白金錯体、プロテアソーム阻害剤、タキサン、ビンカ、トポイソメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、ヌクレオシド類似体、葉酸代謝拮抗剤、アントラサイクリン、ポドフィロトキシン、アルキル化剤、mTOR阻害剤、レチノイド、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤、及び免疫調節剤が含まれ得る。
【0031】
本明細書に記載される抗体の構造的特質
相補性決定領域(「CDR」)は、主として抗体の抗原結合特異性の原因である、免疫グロブリン(抗体)可変領域の一部である。CDR領域は、抗体が同じ標的又はエピトープに特異的に結合する場合でも、抗体ごとに高度に変動する。重鎖可変領域は、VH−CDR1、VH−CDR2、及びVH−CDR3と省略される3つのCDR領域を含み;軽鎖可変領域は、VL−CDR1、VL−CDR2、及びVL−CDR3と省略される3つのCDR領域を含む。これらのCDR領域は、可変領域内に連続して並んでおり、CDR1が最もN末端側であり、CDR3が最もC末端側である。CDRは、構造に寄与し且つCDR領域よりもかなり低い変動性を呈するフレームワーク領域の間に挿入されている。重鎖可変領域は、VH−FR1、VH−FR2、VH−FR3、及びVH−FR4と省略される4つのフレームワーク領域を含み;軽鎖可変領域は、VL−FR1、VL−FR2、VL−FR3、及びVL−FR4と省略される4つのフレームワーク領域を含む。2本の重鎖と軽鎖を含む完全なフルサイズの二価抗体は、3つの特有の重鎖CDRと3つの特有の軽鎖CDRを含む12個のCDR;4つの特有の重鎖FR領域と4つの特有の軽鎖FR領域を含む16個のFR領域を含むこととなる。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、3つの重鎖CDRを最小限含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、3つの軽鎖CDRを最小限含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、3つの重鎖CDRと3つの軽鎖CDRを最小限含む。所与のCDR又はFRの厳密なアミノ酸配列の境界は、Kabat et al.(1991),“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”5th Ed.Public Health Service,アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health),Bethesda,MD(「Kabat」ナンバリングスキーム);Al−Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927−948(「Chothia」ナンバリングスキーム);MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732−745(1996),“Antibody−antigen interactions:Contact analysis and binding site topography,”(「Contact」ナンバリングスキーム);Lefranc MP et al.,”IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V−like domains,”Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55−77(「IMGT」ナンバリングスキーム);及びHonegger A and Plueckthun A,“Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool,”J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657−70,(「Aho」ナンバリングスキーム)によって記載されているものを含めた、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定することができる。CDRは、異なるナンバリングシステムを使用して、本明細書ではKabat、IMGT、Chothiaナンバリングシステム、又は3つの任意の組み合わせを用いて提供される可変の配列から、本明細書で特定される。所与のCDR又はFRの境界は、特定のために使用されるスキームに応じて変わり得る。例えば、Kabatスキームは、構造アラインメントに基づいているのに対して、Chothiaスキームは、構造情報に基づいている。KabatスキームとChothiaスキームのどちらについてのナンバリングも、いくつかの抗体に現れる、挿入(挿入文字、例えば「30a」によって対応される)及び欠失と共に、最も一般的な抗体領域配列長に基づいている。2つのスキームは、ある種の挿入及び欠失(「インデル」)を、異なる位置に配置し、その結果、異なるナンバリングがもたらされる。Contactスキームは、複合体結晶構造の解析に基づいており、多くの点でChothiaナンバリングスキームと似ている。
【0032】
用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体が抗原に結合することに関与する抗体重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、一般に、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されるフレームワーク領域(FR)及び3つのCDRを含む(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照されたい)。たった1つのVH又はVLドメインが、抗原結合特異性を与えるのに十分であり得る。さらに、特定の抗原と結合する抗体を、抗原と結合する抗体由来のVH又はVLドメインを使用して単離して、それぞれ相補的VL又はVHドメインのライブラリをスクリーニングすることができる(例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880−887(1993);Clarkson et al.,Nature352:624−628(1991)を参照されたい)。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、キメラである。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ラット起源の可変領域を含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ラット起源のCDRを含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、マウス起源の可変領域を含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、マウス起源のCDRを含む。
【0033】
例えば抗体親和性を向上させるために、CDRに変更(例えば置換)を施すことができる。こうした変更は、体細胞成熟中に高い変異率を有するCDRコードコドンに施すことができ(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179−196(2008)を参照されたい)、得られたバリアントを、結合親和性について試験することができる。親和性成熟(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、CDRのランダム化、又はオリゴヌクレオチド指定変異誘発を使用する)を使用して、抗体親和性を向上させることができる(例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1−37(2001)を参照されたい)。抗原結合に関与するCDR残基は、例えば、アラニンスキャニング変異誘発又はモデリングを使用して、具体的に特定することができる(例えば、Cunningham and Wells Science,244:1081−1085(1989)を参照されたい)。具体的には、CDR−H3及びCDR−L3が、しばしば標的にされる。或いは、又はさらに、抗原−抗体複合体の結晶構造を解析して、抗体と抗原の間の接触点が特定される。こうした接触残基及び隣接残基は、置換のための候補として標的にする又は排除することができる。バリアントをスクリーニングして、そのバリアントが所望される特性を含有するかどうかを決定することができる。
【0034】
ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、可変領域に加えて定常領域を含む。重鎖定常領域(C
H)は、完全な重鎖ポリペプチドのC末端、可変領域に対してC末端側に位置する、C
H1、C
H2、C
H3、及びC
H4と省略される4つのドメインを含む。軽鎖定常領域(C
L)は、C
Hよりもかなり小さく、完全な軽鎖ポリペプチドのC末端、可変領域に対してC末端側に位置する。定常領域は、高度に保存され、わずかに異なる機能及び特性と関連する異なるアイソタイプを含む。ある種の実施形態で定常領域は、標的抗原への抗体結合にとって不必要である。ある種の実施形態では、抗体の定常領域、重鎖と軽鎖は両方とも、抗体結合にとって不必要である。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、1つ以上の軽鎖定常領域、重鎖定常領域、又はこれらの両方を欠いている。最も多いモノクローナル抗体は、IgGアイソタイプのものであり;これは、さらに、4つのサブクラスIgG
1、IgG
2、IgG
3、及びIgG
4に分類される。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、あらゆるIgGサブクラスを含む。ある種の実施形態では、IgGサブクラスは、IgG
1を含む。ある種の実施形態では、IgGサブクラスは、IgG
2を含む。ある種の実施形態では、IgGサブクラスは、IgG
3を含む。ある種の実施形態では、IgGサブクラスは、IgG
4を含む。
【0035】
抗体は、補体及びFc受容体への結合を担うフラグメント結晶化可能領域(fragment crystallizable region)(Fc領域)を含む。Fc領域は、抗体分子のC
H2、C
H3、及びC
H4領域を含む。抗体のFc領域は、補体及び抗体依存性細胞傷害(ADCC)の活性化を担う。Fc領域はまた、抗体の血清半減期に寄与する。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体のFc領域は、補体介在性の細胞溶解を促進する1つ以上のアミノ酸置換を含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体のFc領域は、ADCCを促進する1つ以上のアミノ酸置換を含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体のFc領域は、補体介在性の細胞溶解を減少させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体のFc領域は、抗体のFc受容体への結合を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。ある種の実施形態では、Fc受容体は、FcγRI(CD64)、FcγRIIA(CD32)、FcγRIIIA(CD16a)、FcγRIIIB(CD16b)、又はこれらのあらゆる組み合わせを含む。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体のFc領域は、抗体の血清半減期を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。ある種の実施形態では、抗体の血清半減期を増大させる1つ以上のアミノ酸置換は、新生児型Fc受容体(FcRn)に対する抗体の親和性を増大させる。
【0036】
いくつかの実施形態では、この開示の抗体は、いくつかのエフェクター機能を有するが、すべてのエフェクター機能を有するわけではないバリアントであり、インビボでの抗体の半減期が重要であるが、ある種のエフェクター機能(補体及びADCCなど)は不必要又は有害である用途にとって望ましい候補となる。インビトロ及び/又はインビボ細胞毒性試験を行って、CDC及び/又はADCC活性の低下/喪失を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行って、抗体がFcγR結合を欠いている(したがってADCC活性を欠いている可能性が高い)がFcRn結合能力を保持していることを確実にすることができる。対象となる分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号明細書及び第5,821,337号明細書に記載されている。或いは、非放射性アッセイ方法(例えば、ACTI(商標)及びCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞毒性試験)を用いることができる。こうしたアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核球(PBMC)、単球、マクロファージ、及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。
【0037】
抗体は、増大された半減期、及び新生児型Fc受容体(FcRn)への増大された結合を有することができる(例えば、米国特許出願公開第2005/0014934号明細書を参照されたい)。こうした抗体は、Fc領域のFcRnへの結合を向上させる1つ以上の置換を有するFc領域をその中に含むことができ、Fc領域残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、又は434(EUナンバリングシステムによる)のうちの1つ以上に置換を有するものが含まれる(例えば、米国特許第7,371,826号明細書を参照されたい)。他の例のFc領域バリアントも企図される(例えば、Duncan&Winter,Nature 322:738−40(1988);米国特許第5,648,260号明細書及び第5,624,821号明細書;並びに国際公開第94/29351号パンフレットを参照されたい)。
【0038】
診療現場において有用な抗体は、ヒト個人における免疫原性を低下させるために、しばしば「ヒト化」されている。ヒト化抗体は、モノクローナル抗体療法の安全性及び有効性を向上させる。ある一般的なヒト化の方法は、いずれかの好適な動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター)においてモノクローナル抗体を産生し、定常領域をヒト定常領域と置き換えることであり、このようにして遺伝子操作で作られた抗体は、「キメラ」と称される。別の一般的な方法は、非ヒトV−FRをヒトV−FRと置き換える「CDRグラフティング」である。CDRグラフティング方法では、CDR領域を除くすべての残基が、ヒト起源のものである。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、キメラである。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、CDRグラフトされている。
【0039】
ヒト化は一般に、抗体の全体的親和性を低下させる、又は抗体の全体的親和性にほとんど影響がない。本明細書に記載されるのは、ヒト化後に、その標的に対するより大きい親和性を予想外に有する抗体である。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を10%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を25%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を35%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を50%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を60%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を75%増大させる。ある種の実施形態では、ヒト化は、抗体に対する親和性を100%増大させる。親和性は、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、適切に測定される。ある種の実施形態では、親和性は、グリコシル化されたヒトLIFを使用して測定される。ある種の実施形態では、グリコシル化されたヒトLIFは、SPRチップの表面に固定される。ある種の実施形態では、抗体は、約300ナノモル濃度、200ナノモル濃度、150ナノモル濃度、125ナノモル濃度、100ナノモル濃度、90ナノモル濃度、80ナノモル濃度、70ナノモル濃度、60ナノモル濃度、50ナノモル濃度、40ナノモル濃度未満、又はそれ以下のK
Dで結合する。
【0040】
本明細書に記載される組成物及び方法は、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤との組み合わせを含む。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、LIFに特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、LIF結合抗体は、ヒト免疫グロブリンフレームワーク領域由来の少なくとも1つのフレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、脱免疫原性化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、IgG抗体である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである。ある種の実施形態では、抗体は、本明細書に記載されるh5D8抗体である。
【0041】
本明細書に記載される、ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせて利用又は投与される抗体は、h5D8抗体である。h5d8抗体は、LIFと特異的に結合し、配列番号1〜3のいずれか1つに示したVH−CDR1、配列番号4又は5のいずれか1つに示したVH−CDR2、及び配列番号6〜8のいずれか1つに示したVH−CDR3を含む。本明細書に記載される、ある種の実施形態では、h5D8は、LIFと特異的に結合し、配列番号9又は10のいずれか1つに示したVL−CDR1、配列番号11又は12に示したVL−CDR2、及び配列番号13に示したVL−CDR3を含む。本明細書に記載される、ある種の実施形態では、h5D8は、LIFと特異的に結合し、配列番号1〜3のいずれか1つに示したVH−CDR1、配列番号4又は5のいずれか1つに示したVH−CDR2、及び配列番号6〜8のいずれか1つに示したVH−CDR3、配列番号9又は10のいずれか1つに示したVL−CDR1、配列番号11又は12に示したVL−CDR2、及び配列番号13に示したVL−CDR3を含む。h5D8のVH及びVL領域は、配列番号42及び46によって示される。
【0042】
ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、又は約95%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。
【0043】
本明細書に記載されるr5D8抗体は、ヒトLIFをコードするDNAで免疫化されたラットから産生された。r5D8をクローン化及び配列決定した。これは、次のアミノ酸配列:配列番号1(GFTFSHAWMH)に相当するVH−CDR1、配列番号4(QIKAKSDDYATYYAESVKG)に相当するVH−CDR2、配列番号6(TCWEWDLDF)に相当するVH−CDR3、配列番号9(RSSQSLLDSDGHTYLN)に相当するVL−CDR1、配列番号11(SVSNLES)に相当するVL−CDR2、及び配列番号13(MQATHAPPYT)に相当するVL−CDR3を含むCDR(KabatとIMGT CDRナンバリング方法の組み合わせを使用する)を含む。この抗体は、CDRグラフティングによってヒト化されており、ヒト化型はh5D8と称される。
【0044】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1(GFTFSHAWMH)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVH−CDR1、配列番号4(QIKAKSDDYATYYAESVKG)に示したものと少なくとも80%、90%、又は95%同一のVH−CDR2、及び配列番号6(TCWEWDLDF)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVH−CDR3を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号9(RSSQSLLDSDGHTYLN)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVL−CDR1、配列番号11(SVSNLES)に示したものと少なくとも80%同一のVL−CDR2、及び配列番号13(MQATHAPPYT)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVL−CDR3を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1(GFTFSHAWMH)に示したVH−CDR1、配列番号4(QIKAKSDDYATYYAESVKG)に示したVH−CDR2、配列番号6(TCWEWDLDF)に示したVH−CDR3、配列番号9(RSSQSLLDSDGHTYLN)に示したVL−CDR1、配列番号11(SVSNLES)に示したVL−CDR2、及び配列番号13(MQATHAPPYT)に示したVL−CDR3を含むLIFと特異的に結合する抗体である。この開示のCDRのアミノ酸配列中の、ある程度の保存的アミノ酸置換が想定される。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なるCDRを含む。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なり、且つ結合親和性に10%、20%、又は30%を超える影響を与えないCDRを含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも90%同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも90%同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列のうちのすべてを含む。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。
【0045】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1(GFTFSHAWMH)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVH−CDR1アミノ酸配列、配列番号4(QIKAKSDDYATYYAESVKG)に示したものと少なくとも80%、90%、又は95%同一のVH−CDR2アミノ酸配列、及び配列番号8(TSWEWDLDF)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVH−CDR3アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号9(RSSQSLLDSDGHTYLN)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVL−CDR1アミノ酸配列、配列番号11(SVSNLES)に示したものと少なくとも80%同一のVL−CDR2アミノ酸配列、及び配列番号13(MQATHAPPYT)に示したものと少なくとも80%又は90%同一のVL−CDR3アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1(GFTFSHAWMH)に示したVH−CDR1アミノ酸配列、配列番号4(QIKAKSDDYATYYAESVKG)に示したVH−CDR2アミノ酸配列、配列番号8(TSWEWDLDF)に示したVH−CDR3アミノ酸配列、配列番号9(RSSQSLLDSDGHTYLN)に示したVL−CDR1アミノ酸配列、配列番号11(SVSNLES)に示したVL−CDR2アミノ酸配列、及び配列番号13(MQATHAPPYT)に示したVL−CDR3アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合する抗体である。この開示のCDRのアミノ酸配列中の、ある程度の保存的アミノ酸置換が想定される。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なるCDRを含む。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なり、且つ結合親和性に10%、20%、又は30%を超える影響を与えないCDRを含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも90%同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも90%同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と少なくとも90%同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のVL−FR4アミノ酸配列のうちのすべてを含む。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号14〜17のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号18又は19のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20〜22のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、又は配列番号23〜25のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4領域アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、及び配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、LIFと特異的に結合する抗体は、配列番号26〜29のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号30〜33のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号34〜37のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、又は配列番号38〜40のいずれか1つに示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト軽鎖フレームワーク領域は、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、1つ以上のヒト重鎖フレームワーク領域及び1つ以上のヒト軽鎖領域は、配列番号15に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR1アミノ酸配列、配列番号19に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR2アミノ酸配列、配列番号20に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR3アミノ酸配列、配列番号24に示したアミノ酸配列と同一のVH−FR4アミノ酸配列、配列番号27に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR1アミノ酸配列、配列番号31に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR2アミノ酸配列、配列番号35に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR3アミノ酸配列、及び配列番号38に示したアミノ酸配列と同一のVL−FR4アミノ酸配列を含む。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。
【0046】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号41、42、及び44のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号41、42、及び44のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、ヒトLIFと特異的に結合する。
【0047】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域と;配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号42に示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域と;配列番号46に示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0048】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号66に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域と;配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号66に示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖可変領域と;配列番号46に示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖可変領域を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0049】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号57〜60のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号57〜60のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0050】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号58に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号62に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号58に示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号62に示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号67に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号62に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号67に示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号62に示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0051】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号3に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);配列番号4に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);配列番号7に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);配列番号9に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);及び配列番号11に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び配列番号13に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む、白血病抑制因子(LIF)と特異的に結合する組換え抗体である。
【0052】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号2に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);配列番号5に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);配列番号6に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);配列番号10に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);及び配列番号12に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び配列番号13に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む、白血病抑制因子(LIF)と特異的に結合する組換え抗体である。この開示のCDRのアミノ酸配列中の、ある程度の保存的アミノ酸置換が想定される。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号2、5、6、10、12、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なるCDRを含む。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号2、5、6、10、12、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なり、且つ結合親和性に10%、20%、又は30%を超える影響を与えないCDRを含む。
【0053】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号3に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);配列番号4に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);配列番号7に示したアミノ酸配列を含む重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);配列番号9に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);及び配列番号11に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び配列番号13に示したアミノ酸配列を含む軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む、白血病抑制因子(LIF)と特異的に結合する組換え抗体である。この開示のCDRのアミノ酸配列中の、ある程度の保存的アミノ酸置換が想定される。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号3、4、7、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なるCDRを含む。ある種の実施形態では、抗体は、配列番号3、4、7、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、又は4個のアミノ酸が異なり、且つ結合親和性に10%、20%、又は30%を超える影響を与えないCDRを含む。
【0054】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号49〜52のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号53〜56のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号49〜52のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号53〜56のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0055】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号50に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号54に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号50に示したアミノ酸配列を含むヒト化重鎖と;配列番号54のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含むヒト化軽鎖を含むLIFと特異的に結合する抗体である。
【0056】
治療的に有用なLIF抗体によって結合されるエピトープ
本明細書に記載されるのは、結合された場合にLIFの生物学的活性(例えば、STAT3リン酸化)を阻害する、且つインビボで腫瘍増殖を阻害する、ヒトLIFの固有のエピトープである。本明細書に記載されるエピトープは、ヒトLIFタンパク質の2つの別のトポロジカルドメイン(αヘリックスA及びC)中に存在する、(ヒトLIFの残基13から残基32まで、及び残基120から138までの)アミノ酸の2つの不連続な伸長からなる。この結合は、弱い(ファンデルワールス引力)、中程度の(水素結合)、及び強い(塩橋)相互作用の組み合わせである。ある種の実施形態では、接触残基は、抗LIF抗体上の残基と共に水素結合を形成するLIF上の残基である。ある種の実施形態では、接触残基は、抗LIF抗体上の残基と共に塩橋を形成するLIF上の残基である。ある種の実施形態では、接触残基は、抗LIF抗体上の残基と共にファンデルワールス引力をもたらし、且つ抗LIF抗体上の残基の少なくとも5、4、又は3オングストローム以内である、LIF上の残基である。
【0057】
ある種の実施形態では、本明細書に記載される、LIF結合抗体とシスプラチンを含む方法及び組成物には、次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合する、単離された抗体が含まれる。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する、単離された抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する、単離された抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、LIFのヘリックスA及びCと相互作用する。ある種の実施形態では、抗体は、gp130と共にLIF相互作用を阻止する。
【0058】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合する、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列を有するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列を有するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0059】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合する、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列を有するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列を有するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0060】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸が異なり、且つ次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1、4、6、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸が異なり、且つ次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0061】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸が異なり、且つ次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号1、4、8、9、11、及び13のいずれか1つに示したアミノ酸配列と、1、2、3、4、又は5個のアミノ酸が異なり、且つ次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合するCDRを含む抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0062】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化重鎖可変領域アミノ酸配列;及び配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化軽鎖可変領域アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合し、且つ次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化重鎖可変領域アミノ酸配列;及び配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化軽鎖可変領域アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合し、且つ次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0063】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号66に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化重鎖可変領域アミノ酸配列;及び配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化軽鎖可変領域アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合し、且つ次の配列番号68の残基:A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのいずれか1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個と結合する抗体である。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、配列番号66に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化重鎖可変領域アミノ酸配列;及び配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、約90%、約95%、約97%、約98%、又は約99%同一のヒト化軽鎖可変領域アミノ酸配列を含むLIFと特異的に結合し、且つ次の配列番号68の残基A13、I14、R15、H16、P17、C18、H19、N20、Q25、Q29、Q32、D120、R123、S127、N128、L130、C131、C134、S135、又はH138のうちのすべてと結合する抗体である。ある種の実施形態では、抗体は、強い又は中程度の相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。ある種の実施形態では、抗体は、強い相互作用で抗体と関与する残基とのみ結合する。
【0064】
ある種の実施形態では、本明細書に開示した抗体は、細胞におけるLIFシグナル伝達を阻害する。ある種の実施形態では、U−251細胞における血清飢餓条件下での抗体の生物学的阻害についてのIC
50は、約100、75、50、40、30、20、10、5、又は1ナノモル濃度以下である。ある種の実施形態では、U−251細胞における血清飢餓条件下での抗体の生物学的阻害についてのIC
50は、約900、800、700、600、500、400、300、200、又は100ナノモル濃度以下である。
【0065】
ある種の実施形態では、本明細書に開示した抗体は、LIFを発現する腫瘍及び癌を治療するのに有用である。ある種の実施形態では、この開示の抗体で治療される個人は、LIF陽性腫瘍/癌を有する場合の治療について選択されている。ある種の実施形態では、腫瘍は、LIF陽性である、又は上昇したレベルのLIFを生じる。ある種の実施形態では、LIF陽性は、基準値、又は一連の病理学的基準と比較して決定される。ある種の実施形態では、LIF陽性腫瘍は、その腫瘍が由来する非形質転換細胞よりも2倍、3倍、5倍、10倍、100倍大きい、又はそれよりも大きいLIFを発現する。ある種の実施形態では、腫瘍は、LIFの異所性発現を受けている。LIF陽性腫瘍は、例えば抗LIF抗体を用いる免疫組織化学を使用して組織学的に;一般的に使用される分子生物学方法、例えばリアルタイムPCR若しくはRNA−seqによるmRNA定量化;又は、例えば、ウエスタンブロット、フローサイトメトリー、ELISA、若しくは同種タンパク質定量化アッセイ(例えば、AlphaLISA(登録商標))によるタンパク質定量化などによって決定することができる。ある種の実施形態では、この抗体は、癌と診断された患者を治療するために使用することができる。ある種の実施形態では、癌は、1つ以上の癌幹細胞を含む、又は1つ以上の癌幹細胞である。
【0066】
ある種の実施形態では、本明細書に開示した抗体は、LIF受容体(CD118)を発現する癌における腫瘍を治療するのに有用である。LIF受容体陽性の腫瘍は、病理組織学又はフローサイトメトリーによって決定することができ、ある種の実施形態では、アイソタイプ対照よりも2×、3×、3×、4×、5×、10×又はそれよりも多いLIF受容体抗体と結合する細胞を含む。ある種の実施形態では、腫瘍は、LIF受容体の異所性発現を受けている。ある種の実施形態では、癌は、癌幹細胞である。ある種の実施形態では、LIF陽性の腫瘍又は癌は、抗LIF及び抗LIF抗体を使用する免疫組織化学によって決定することができる。ある種の実施形態では、LIF陽性の腫瘍は、腫瘍の最高10%、20%、30%、40%、又は最高50%におけるLIFレベルを用いるIHC分析によって決定される。
【0067】
本明細書に記載される抗体は、多数の結果に影響を及ぼす。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、腫瘍におけるM2マクロファージの存在を、腫瘍モデルにおける、対照抗体(例えば、アイソタイプ対照)と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上減少させることができる。M2マクロファージは、IHC切片におけるCCL22及びCD206に対する染色によって、又は、腫瘍浸潤性の免疫又は骨髄細胞のフローサイトメトリーによって特定することができる。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、gp130腫瘍に対するLIFの結合を、対照抗体(例えば、アイソタイプ対照)と比較した場合に、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上減少させることができる。ある種の実施形態では、本明細書に記載される抗体は、LIFシグナル伝達を、LIF応答性細胞株において、対照抗体(例えば、アイソタイプ対照)と比較して少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上低下させることができる。LIFシグナル伝達は、例えば、リン酸化STAT3(LIFシグナル伝達の下流標的)に対するウエスタンブロットによって測定することができる。本明細書の抗体はまた、他のIL−6ファミリーメンバーのサイトカインと比較して、LIFに対して高度に特異的である。ある種の実施形態では、抗体は、他のいずれかのIL−6ファミリーメンバーのサイトカインの親和性よりも約10×、約50×、又は約100×大きい親和性で、ヒトLIFと結合する。ある種の実施形態では、LIF抗体は、哺乳類系において産生される他のIL−6ファミリーメンバーのサイトカインに結合しない。ある種の実施形態では、抗体は、哺乳類系において産生されているオンコスタチンMに結合しない。
【0068】
ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチド及び抗体は、例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、又は脳内などの、抗体含有医薬組成物の投与に適したあらゆる経路によって投与することができる。ある種の実施形態では、抗体は、静脈内に投与される。ある種の実施形態では、抗体は、好適な投薬スケジュールで(例えば、毎週、週2回、毎月、月2回など)投与される。ある種の実施形態では、抗体は、3週に1回投与される。抗体は、あらゆる治療有効量で投与することができる。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約1mg/kg〜約40mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約5mg/kg〜約30mg/kgである。LIF結合ポリペプチド又は抗体は、少なくとも約60分という時間をかけてi.v.投与することができる;しかし、この時間は、それぞれ個々の投与に関する条件に基づいて、いくらか変動する可能性がある。
【0069】
白金系抗悪性腫瘍剤
プラチン類としても公知である白金系抗悪性腫瘍剤は、癌を治療するために使用される、白金の配位錯体である。本明細書に記載されるLIF結合ポリペプチド及び抗体を、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせて、腫瘍、癌、又は他の新生物を治療するための方法に採用することができる。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるLIF結合ポリペプチド及び抗体を、癌、腫瘍、又は他の新生物を治療するのに有用な医薬組成物中の白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせることができる。本明細書に記載されるh5D8抗体を、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせて、腫瘍、癌、又は他の新生物を治療するための方法に採用することができる。ある種の実施形態では、本明細書に記載されるh5D8抗体を、癌、腫瘍、又は他の新生物を治療するのに有用な医薬組成物中の白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせることができる。
【0070】
本明細書の組成物及び方法に利用される白金系抗悪性腫瘍剤は、DNAの架橋又はDNAとの結合をもたらすことができる。架橋は、癌細胞におけるDNA修復又はDNA合成を阻害することができる。架橋は、細胞過程を妨げる及びアポトーシスをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、シスプラチン(Platinol(登録商標)、シス−ジアンミンジクロリド白金(II)(CDDP)、シス−ジアンミン白金(II)二塩化物、[SP−4−2]−ジアミンジクロロ白金);カルボプラチン(Paraplatin(登録商標)、シス−ジアンミン(1,1−シクロブタンジカルボキシラト)白金);オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、[SP−4−2]−(1R−トランス)]−(1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N’)[エタンジオエータ(ethanedioata)(2−)−O,O’]白金);ネダプラチン(Aqupla(登録商標)、シス−ジアンミン(グリコラト−O,O’)白金、[SP−4−3]−ジアンミン(ヒドロキシアセタト(hydroxyacetato)(2−)−O
1,O
2)白金);四硝酸トリプラチン(BBR3464、四硝酸ヘキサアンミンジクロロ−ビス[μ−(1,6−ヘキサンジアミン−κN:κN’)]トリ−白金(4
+));硝酸フェナトリプラチン([SP−4−3]−ジアンミンクロロ(フェナントリジン)−白金(1+)、ピコプラチン([SP−4−3]−アンミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金)、サトラプラチン(JM216、[OC−6−43]−ビス(アセタト(acetato)−O)アンミンジクロロ(シクロヘキサンアミン)白金);ロバプラチン([SP−4−3−(S),(トランス)]−(1,2−シクロブタンジメタンアミン−N,N’)[2−ヒドロキシプロパノアト(hydroxypropanoato)(2−)−O
1,O
2]−白金);ヘプタプラチン(エプタプラチン(Eptaplatin)、[SP−4−2−[4R−(2α,4α,5β)]]−[2−(1−メチルエチル)−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタンアミン−N,N’][プロパンジオアト(propanedioato)(2−)−O,O’]−白金,);その薬学的に許容し得る塩、又はその組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、シスプラチンである。
【0071】
ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、脳内、又は経口などの、小分子含有医薬組成物の投与に適したあらゆる経路によって投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、静脈内に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、好適な投薬スケジュールで、例えば、毎日、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、毎週、週2回、毎月、月2回、2週に1回、3週に1回、又は4週に1回投与される。白金系抗悪性腫瘍剤は、あらゆる治療有効量で投与することができる。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約1mg/m
2〜約1000mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約50mg/m
2〜約70mg/m
2である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約50mg/m
2〜約100mg/m
2、約50mg/m
2〜約150mg/m
2、又は約50mg/m
2〜約200mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約10mg/m
2〜約50mg/m
2、約10mg/m
2〜約70mg/m
2、又は10mg/m
2〜約100mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約1mg/m
2〜約50mg/m
2、約1mg/m
2〜約70mg/m
2、又は約1mg/m
2〜約100mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約100mg/m
2〜約200mg/m
2、約200mg/m
2〜約500mg/m
2、又は約300mg/m
2〜約600mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約1mg/m
2、2mg/m
2、3mg/m
2、4mg/m
2、5mg/m
2、6mg/m
2、7mg/m
2、8mg/m
2、9mg/m
2、10mg/m
2、20mg/m
2、30mg/m
2、40mg/m
2、50mg/m
2、60mg/m
2、70mg/m
2、80mg/m
2、90mg/m
2、100mg/m
2、110mg/m
2、120mg/m
2、130mg/m
2、140mg/m
2、150mg/m
2、160mg/m
2、170mg/m
2、180mg/m
2、190mg/m
2、200mg/m
2、300mg/m
2、400mg/m
2、500mg/m
2、600mg/m
2、700mg/m
2、800mg/m
2、900mg/m
2、又は1000mg/m
2(体表面積)である。
【0072】
ある種の実施形態では、シスプラチンは、あらゆる治療有効量で投与することができる。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約50mg/m
2〜約70mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約50mg/m
2〜約100mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約10mg/m
2〜約70mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約10mg/m
2〜約100mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約1mg/m
2〜約50mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約1mg/m
2〜約70mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約1mg/m
2〜約100mg/m
2(体表面積)である。ある種の実施形態では、シスプラチンの治療的に許容される量は、約1mg/m
2、2mg/m
2、3mg/m
2、4mg/m
2、5mg/m
2、6mg/m
2、7mg/m
2、8mg/m
2、9mg/m
2、10mg/m
2、20mg/m
2、30mg/m
2、40mg/m
2、50mg/m
2、60mg/m
2、70mg/m
2、80mg/m
2、90mg/m
2、又は100mg/m
2(体表面積)である。
【0073】
ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤の個人への投与は、約10ミリグラム〜約1500ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤の個人への投与は、約50ミリグラム〜約1000ミリグラム、約50ミリグラム〜約800ミリグラム、約50ミリグラム〜約600ミリグラム、約50ミリグラム〜約500ミリグラム、約100ミリグラム〜約500ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤の個人への投与は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、又は1500ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤の個人への投与は、単剤療法に適したレベルであり得る。
【0074】
ある種の実施形態では、シスプラチンの個人への投与は、約10ミリグラム〜約500ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、シスプラチンの個人への投与は、約50ミリグラム〜約500ミリグラム、約50ミリグラム〜約400ミリグラム、約100ミリグラム〜約400ミリグラム、約100ミリグラム〜約300ミリグラム、又は約100ミリグラム〜約200ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、シスプラチンの個人への投与は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500ミリグラムの、一定の投薬量レベルであり得る。ある種の実施形態では、シスプラチンの個人への投与は、単剤療法に適したレベルであり得る。
【0075】
H5D8投薬量
ある種の実施形態では、抗体は、例えば、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、腫瘍内、又は脳内などの、抗体含有医薬組成物の投与に適したあらゆる経路によって投与することができる。ある種の実施形態では、抗体は、静脈内に投与される。ある種の実施形態では、抗体は、好適な投薬スケジュールで(例えば、毎週、週2回、毎月、月2回など)投与される。ある種の実施形態では、抗体は、3週に1回投与される。抗体は、あらゆる治療有効量で投与することができる。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約0.01mg/kg〜約50mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約0.05mg/kg〜約50mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約0.1mg/kg〜約50mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約1mg/kg〜約40mg/kgである。ある種の実施形態では、治療的に許容される量は、約5mg/kg〜約30mg/kgである。h5D8抗体は、h5D8抗体が投与される個人の重量又は質量とは無関係に、一定の用量で投与することができる。h5D8抗体は、個人が少なくとも約37.5キログラムの質量を有するという条件で、h5D8抗体が投与される個人の重量又は質量とは無関係に、一定の用量で投与することができる。約1ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約10ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約25ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約50ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約75ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約225ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、約750ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、約1125ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、又は約1500ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約1ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約10ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約25ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約50ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約75ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約225ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約750ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約1125ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約1500ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。約2000ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。
【0076】
h5D8の他の投薬量も企図される。約1、10、25、50、100、150、175、200、250、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1025、1050、1075、1100、1150、1175、1200、1225、1250、1275、1300、1325、1350、1375、1400、1425、1450、1475、1525、1550、1575、1600、1625、1650、1675、1700、1725、1750、1775、1800、1825、1850、1875、1900、1925、1950、1975、2025、2050、2075、又は2100ミリグラムの、一定の用量のh5D8を投与することができる。これらの用量のいずれかを、週1回、2週に1回、3週に1回、又は4週に1回投与することができる。
【0077】
約1ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約10ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約25ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約50ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約75ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約75ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約225ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約750ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約1125ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約1ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約10ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約25ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約50ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約75ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約225ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約750ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約1125ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約1500ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。約2000ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、週1回投与することができる。
【0078】
約1ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約10ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約25ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約50ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約225ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約750ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約1125ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約1ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約10ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約25ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約50ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約75ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約225ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約750ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約1125ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約1500ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約2000ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。
【0079】
約1ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約10ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約25ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約50ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約225ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約750ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約1125ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約1ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約10ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約25ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約50ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約75ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約225ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約750ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約1125ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約1500ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約2000ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。
【0080】
約1ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約10ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約25ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約50ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約2000ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約75ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約225ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約750ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、約1125ミリグラムから約1500ミリグラムまでの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約1ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約10ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約25ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約50ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約75ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約225ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約750ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約1125ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約1500ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約2000ミリグラムの、一定の用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。
【0081】
h5D8抗体は、h5D8抗体が投与される個人の重量又は質量に基づく用量で投与することができる。約0.01mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約0.05mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約0.1mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約0.5mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約1mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約3mg/kg〜約25mg/kgまでの、約10mg/kg〜約25mg/kgまでの、約15mg/kg〜約25mg/kgまでの、又は約20mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約3mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約10mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約15mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約20mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。約25mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。
【0082】
約0.01mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.05mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.1mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.5mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約1mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約3mg/kg〜約25mg/kgまでの、約10mg/kg〜約20mg/kgまでの、約15mg/kg〜約25mg/kgまでの、又は約20mg/kg〜約25mg/kgまでの、体重により調節された用量のh5D8を、週に1回、2週に1回、3週に1回、又は4週に1回投与することができる。
【0083】
他の体重により調節された用量のh5D8も企図される。約0.01mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kg、14mg/kg、16mg/kg、17mg/kg、18mg/kg、19mg/kg、21mg/kg、22mg/kg、23mg/kg、24mg/kg、26mg/kg、27mg/kg、28mg/kg、29mg/kg、又は30mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を投与することができる。これらの用量のいずれかを、週1回、2週に1回、3週に1回、又は4週に1回、投与することができる。
【0084】
約0.01mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約0.05mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約0.1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約0.5mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約3mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約10mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約15mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約20mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。約25mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、週1回投与することができる。
【0085】
約0.01mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約0.05mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約0.1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約0.5mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約3mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約10mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約15mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約20mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。約25mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、2週に1回投与することができる。
【0086】
約0.01mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.05mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約0.5mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約3mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約10mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約15mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約20mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。約25mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、3週に1回投与することができる。
【0087】
約0.01mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約0.05mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約0.1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約0.5mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約1mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約3mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約10mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約15mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約20mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。約25mg/kgの、体重により調節された用量のh5D8を、4週に1回投与することができる。
【0088】
本明細書で詳述した用量のいずれかを、少なくとも約60分という時間をかけてi.v.投与することができる;しかし、この時間は、それぞれ個々の投与に関する条件に基づいて、いくらか変動する可能性がある。
【0089】
組み合わせ療法の投薬スケジュール
LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤を含む組み合わせ治療は、様々な方式で施すことができる。LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、同一のスケジュールで同時に、又は異なるスケジュールで異なる時点で投与することができる。同時に投与される場合、投与は、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤の両方を含む別々の製剤又は単一の製剤によるものであり得る。投与様式は、混合することができ、例えば、LIF結合ポリペプチドを静脈内に投与することができ、同時に、白金系抗悪性腫瘍剤を、経口的に又は非経口注射によって投与することができる。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、静脈内に、非経口的に、皮下に、腫瘍内に、又は経口的に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、静脈内に、非経口的に、皮下に、腫瘍内に、又は経口的に投与される。
【0090】
組み合わせ治療が、同一のスケジュールで個人に施される場合、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、週に1回、2週に1回、又は4週に1回投与することができる。LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、別々に又は単一製剤として投与することができる。
【0091】
組み合わせ治療が、異なるスケジュールで個人に施される場合、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、交互に施すことができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドの投与の前に、1回以上、個人に投与することができる。LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤の投与から1日、2日、3日、4日、5日、又は6日以内に投与することができる。LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤の投与から1週、2週、3週、又は4週以内に投与することができる。h5D8抗体は、白金系抗悪性腫瘍剤の投与から1日、2日、3日、4日、5日、又は6日以内に投与することができる。h5D8抗体は、白金系抗悪性腫瘍剤の投与から1週、2週、3週、又は4週以内に投与することができる。
【0092】
LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤の投与の前に、1回以上、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドの投与から1日、2日、3日、4日、5日、又は6日以内に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドの投与から1週、2週、3週、又は4週以内に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、h5D8抗体の投与から1日、2日、3日、4日、5日、又は6日以内に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、h5D8抗体の投与から1週、2週、3週、又は4週以内に投与することができる。
【0093】
ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、2週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、3週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、4週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、週に1回、個人に投与することができ、且つLIF結合ポリペプチドは、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、2週に1回、個人に投与することができ、且つLIF結合ポリペプチドは、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、3週に1回、個人に投与することができ、且つLIF結合ポリペプチドは、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、4週に1回、個人に投与することができ、且つLIF結合ポリペプチドは、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、h5D8は、白金系抗悪性腫瘍剤の投与の前に、1回以上、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、h5D8は、週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、h5D8は、2週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、h5D8は、3週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。ある種の実施形態では、h5D8は、4週に1回、個人に投与することができ、且つ白金系抗悪性腫瘍剤は、毎週、2週ごとに、3週ごとに、又は4週ごとに、個人に投与することができる。
【0094】
本開示による組み合わせ治療は、活性化成分(例えば、LIF結合ポリペプチド及び白金系抗悪性腫瘍剤)の片方又は両方が、単剤療法として単独では有効でないが、組み合わせ治療の一部として投与された場合には有効である組み合わせを含むことができる。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、単剤療法については有効でないが、LIF結合ポリペプチドと組み合わせると有効なレベルで投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、単剤療法については有効でないが、h5D8抗体と組み合わせると有効なレベルで投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、単剤療法については有効でないが、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせると有効なレベルで投与される。ある種の実施形態では、h5D8は、単剤療法については有効でないが、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせると有効なレベルで投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤の両方が、単剤療法については有効でないレベルで投与されるが、組み合わせでは有効である。ある種の実施形態では、h5D8と白金系抗悪性腫瘍剤の両方が、単剤療法については有効でないレベルで投与されるが、組み合わせでは有効である。
【0095】
治療適応症
ある種の実施形態では、本明細書に開示するのは、癌又は腫瘍の治療に有用な方法及び組成物である。ある種の実施形態では、癌は、乳房、心臓、肺、小腸、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭部、頸部、卵巣、前立腺、脳、膵臓、皮膚、骨、骨髄、血液、胸腺、子宮、精巣、及び肝臓腫瘍を含む。ある種の実施形態では、本発明の抗体で治療することができる腫瘍は、腺腫、腺癌、血管肉腫、星細胞腫、上皮癌、胚細胞腫、膠芽腫、神経膠腫、血管内皮腫、血管肉腫、血腫、肝芽腫、白血病、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、神経芽腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫及び/又は奇形腫を含む。ある種の実施形態では、腫瘍/癌は、末端黒子型黒色腫、日光角化症、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮癌、星細胞系腫瘍、バルトリン腺癌、基底細胞癌、気管支腺癌、毛細血管カルチノイド(capillary carcinoid)、癌腫、癌肉腫、胆管癌、軟骨肉腫、嚢胞腺腫、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜間質肉腫、類内膜腺癌、上衣肉腫(ependymal sarcoma)、スウィング肉腫(Swing’s sarcoma)、限局性結節性過形成、ガストロノーマ(gastronoma)、生殖系列腫瘍、膠芽腫、グルカゴノーマ、血管芽細胞腫、血管内皮腫、血管腫、肝腺腫、肝腺腫症、肝細胞癌、インスリナイト(insulinite)、上皮内腫瘍、上皮内扁平上皮癌(intraepithelial squamous cell neoplasia)、浸潤性扁平上皮癌、大細胞癌、脂肪肉腫、肺癌、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、平滑筋肉腫、黒色腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、神経鞘腫、髄芽腫、髄上皮腫、中皮腫、粘表皮癌、骨髄性白血病、神経芽腫、神経上皮腺癌、結節性型黒色腫、骨肉腫、卵巣癌、漿液性乳頭状腺癌、下垂体腫瘍、形質細胞腫、偽肉腫、前立腺癌、肺芽腫、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性癌、有棘細胞癌、小細胞癌、軟部組織癌(soft tissue carcinoma)、ソマトスタチン産生腫瘍(somatostatin secreting tumor)、扁平上皮癌、有棘細胞癌、未分化癌、ブドウ膜黒色腫、疣状癌、膣/外陰癌、VIP産生腫瘍、及びウィルムス腫瘍の群から選択される。ある種の実施形態では、本発明の1つ以上の抗体で治療されるべき腫瘍/癌は、脳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、急性骨髄性白血病、プレB細胞急性リンパ性白血病、膀胱癌、星細胞腫、好ましくはグレードII、III、又はIV星細胞腫、膠芽腫、多形神経膠芽腫、小細胞癌、及び非小細胞癌、好ましくは非小細胞肺癌、肺腺癌、転移性黒色腫、アンドロゲン非依存性転移性前立腺癌、アンドロゲン依存性転移性前立腺癌、前立腺腺癌、及び乳癌(breast cancer)、好ましくは乳管癌、及び/又は乳癌(breast carcinoma)を含む。ある種の実施形態では、この開示の抗体で治療される癌は、膠芽腫を含む。ある種の実施形態では、この開示の1つ以上の抗体で治療される癌は、膵癌を含む。ある種の実施形態では、この開示の1つ以上の抗体で治療される癌は、卵巣癌を含む。ある種の実施形態では、この開示の1つ以上の抗体で治療される癌は、肺癌を含む。ある種の実施形態では、この開示の1つ以上の抗体で治療される癌は、前立腺癌を含む。ある種の実施形態では、この開示の1つ以上の抗体で治療される癌は、結腸癌を含む。ある種の実施形態では、治療される癌は、膠芽腫、膵癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、又は肺癌を含む。ある種の実施形態では、癌は、他の治療に対して抵抗性である。ある種の実施形態では、治療される癌は、再発性である。ある種の実施形態では、癌は、再発した/抵抗性の膠芽腫、膵癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、又は肺癌である。ある種の実施形態では、癌は、進行した固形腫瘍、膠芽腫、胃癌、皮膚癌、前立腺癌、膵癌、乳癌、精巣癌、甲状腺癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、食道癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、リンパ腫、又は軟部組織癌を含む。ある種の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌、卵巣上皮癌、又は膵臓腺癌を含む。ある種の実施形態では、癌は、進行した固形腫瘍を含む。ある種の実施形態では、個人は、単剤療法としてのLIF結合抗体での以前の治療に対して抵抗性である。ある種の実施形態では、個人は、単剤療法としての白金系抗悪性腫瘍剤での以前の治療に対して抵抗性である。
【0096】
薬学的に許容し得る補形薬、担体、及び希釈剤
ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤及びLIF結合ポリペプチドは、医薬組成物の構成成分である。ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤とLIF結合ポリペプチドは、同じ医薬組成物の構成成分である。ある種の実施形態では、医薬組成物は、生理学的に適切な塩濃度(例えば、NaCl)を含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は、約0.6%〜1.2%のNaClを含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は、約0.7%〜1.1%のNaClを含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は、約0.8%〜1.0%のNaClを含む。ある種の実施形態では、医薬組成物は、緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸、ヒスチジン、コハク酸、リン酸、炭酸水素、及びヒドロキシメチルアミノメタン(Tris);界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(Tween80)、ポリソルベート20(Tween20)、ポリソルベート及びポロクサマー188;ポリオール/二糖/多糖、例えば、グルコース、デキストロース、マンノース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40;アミノ酸、例えば、ヒスチジン、グリシン、又はアルギニン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、メチオニン;並びにキレート剤、例えば、EGTA又はEGTAのうちの1種以上をさらに含む。
【0097】
ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤、LIF結合ポリペプチド、又は白金系抗悪性腫瘍剤とLIF結合ポリペプチドの両方は、無菌の溶液に懸濁して投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤とLIF結合ポリペプチドは、同一の溶液から投与される。ある種の実施形態では、この溶液は、生理学的に適切な塩濃度(例えば、NaCl)を含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.6%〜1.2%のNaClを含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.7%〜1.1%のNaClを含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.8%〜1.0%のNaClを含む。ある種の実施形態では、抗体の高度に濃縮されたストック溶液を、約0.9%のNaClに希釈することができる。ある種の実施形態では、溶液は、約0.9%のNaClを含む。ある種の実施形態では、溶液は、緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸、ヒスチジン、コハク酸、リン酸、炭酸水素、及びヒドロキシメチルアミノメタン(Tris);界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(Tween80)、ポリソルベート20(Tween20)、ポリソルベート及びポロクサマー188;ポリオール/二糖/多糖、例えば、グルコース、デキストロース、マンノース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40;アミノ酸、例えば、ヒスチジン、グリシン、又はアルギニン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、メチオニン;並びにキレート剤、例えば、EGTA又はEGTAのうちの1種以上をさらに含む。ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤及びLIF結合ポリペプチドは、凍結乾燥して輸送/保管され、投与前に再構成される。ある種の実施形態では、凍結乾燥される抗体製剤は、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40などの充填剤(bulking agent)を含む。ある種の実施形態では、この開示の抗LIF抗体は、使用される治療場所で希釈されることとなる濃縮されたストック溶液として輸送及び保管することができる。ある種の実施形態では、このストック溶液は、約25mMのヒスチジン、約6%のスクロース、約0.01%のポリソルベート、及び約20mg/mLの抗LIF抗体を含む。ある種の実施形態では、この溶液のpHは、約6.0である。ある種の実施形態では、個人に投与される形態は、約25mMのヒスチジン、約6%のスクロース、約0.01%のポリソルベート80、及び約20mg/mLのh5D8抗体を含む水溶液である。ある種の実施形態では、この溶液のpHは、約6.0である。
【0098】
ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤及びLIF結合ポリペプチドは、無菌の溶液に懸濁して投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤とLIF結合ポリペプチドは、同一の溶液から投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤とLIF結合ポリペプチドは、別の溶液から投与される。ある種の実施形態では、この溶液は、生理学的に適切な塩濃度(例えば、NaCl)を含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.6%〜1.2%のNaClを含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.7%〜1.1%のNaClを含む。ある種の実施形態では、この溶液は、約0.8%〜1.0%のNaClを含む。ある種の実施形態では、抗体の高度に濃縮されたストック溶液を、約0.9%のNaClに希釈することができる。ある種の実施形態では、溶液は、約0.9%のNaClを含む。ある種の実施形態では、溶液は、緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸、ヒスチジン、コハク酸、リン酸、炭酸水素、及びヒドロキシメチルアミノメタン(Tris);界面活性剤、例えば、ポリソルベート80(Tween80)、ポリソルベート20(Tween20)、ポリソルベート及びポロクサマー188;ポリオール/二糖/多糖、例えば、グルコース、デキストロース、マンノース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40;アミノ酸、例えば、ヒスチジン、グリシン、又はアルギニン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、メチオニン;並びにキレート剤、例えば、EGTA又はEGTAのうちの1種以上をさらに含む。ある種の実施形態では、本開示の白金系抗悪性腫瘍剤及びLIF結合ポリペプチドは、凍結乾燥して輸送/保管され、投与前に再構成される。ある種の実施形態では、凍結乾燥される抗体製剤は、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、及びデキストラン40などの充填剤を含む。ある種の実施形態では、この開示の抗LIF抗体は、使用される治療場所で希釈されることとなる濃縮されたストック溶液として輸送及び保管することができる。ある種の実施形態では、このストック溶液は、約25mMのヒスチジン、約6%のスクロース、約0.01%のポリソルベート、及び約20mg/mLの抗LIF抗体を含む。ある種の実施形態では、この溶液のpHは、約6.0である。ある種の実施形態では、個人に投与される形態は、約25mMのヒスチジン、約6%のスクロース、約0.01%のポリソルベート80、及び約20mg/mLのh5D8抗体を含む水溶液である。ある種の実施形態では、この溶液のpHは、約6.0である。
【0099】
本明細書に記載されるのはまた、本明細書に記載される組み合わせ療法を実行するためのキットである。ある種の実施形態では、キットは、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤を含む。ある種の実施形態では、キットは、h5D8と白金系抗悪性腫瘍剤を含む。構成成分の一方又は両方は、凍結乾燥された又は液体の形態で、ガラス又は他の好適な材料のバイアルに含有され得る。
【0100】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、個人における非小肺癌、卵巣上皮癌、又は膵臓腺癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせたLIF結合ポリペプチドの使用である。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、別々の製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、同じ製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤が個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与されるのと同時に個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、LIFに特異的に結合する抗体を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト抗体フレームワーク領域に由来する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、脱免疫原性化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、IgG抗体である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);(b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);(c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);(d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);(e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び(f)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号41、42、44、又は66のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)配列;及び(b)配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)配列を含む。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一である。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と同一である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号57〜60又は67のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖配列;及び(b)配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖配列を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約200ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約100ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む。ある種の実施形態では、癌は、単剤療法として投与される治療量のLIF結合ポリペプチド又は白金系抗悪性腫瘍剤での治療に対して抵抗性である。
【0101】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、個人における結腸直腸癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせたLIF結合ポリペプチドの使用である。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、別々の製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、同じ製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤が個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与されるのと同時に個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、LIFに特異的に結合する抗体を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト抗体フレームワーク領域に由来する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、脱免疫原性化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、IgG抗体である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);(b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);(c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);(d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);(e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び(f)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号41、42、44、又は66のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)配列;及び(b)配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)配列を含む。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一である。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と同一である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号57〜60又は67のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖配列;及び(b)配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖配列を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約200ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約100ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む。ある種の実施形態では、癌は、単剤療法として投与される治療量のLIF結合ポリペプチド又は白金系抗悪性腫瘍剤での治療に対して抵抗性である。
【0102】
ある種の実施形態では、本明細書に記載されるのは、個人における多形神経膠芽腫を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせたLIF結合ポリペプチドの使用である。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、別々の製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤は、同じ製剤中で個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、白金系抗悪性腫瘍剤が個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与される前に個人に投与される。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、LIF結合ポリペプチドが個人に投与されるのと同時に個人に投与される。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む。ある種の実施形態では、LIF結合ポリペプチドは、LIFに特異的に結合する抗体を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト抗体フレームワーク領域に由来する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、ヒト化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、脱免疫原性化されている。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、IgG抗体である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);(b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);(c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);(d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);(e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及び(f)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号41、42、44、又は66のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)配列;及び(b)配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)配列を含む。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一である。ある種の実施形態では、VH配列は、配列番号42に示したアミノ酸配列と同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と同一である。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、(a)配列番号57〜60又は67のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖配列;及び(b)配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖配列を含む。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約200ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、LIFに特異的に結合する抗体は、約100ピコモル濃度未満のK
Dで結合する。ある種の実施形態では、白金系抗悪性腫瘍剤は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む。ある種の実施形態では、癌は、単剤療法として投与される治療量のLIF結合ポリペプチド又は白金系抗悪性腫瘍剤での治療に対して抵抗性である。
【0103】
本明細書で使用する場合、「を治療すること」又は「治療」は、1つ以上の有益な効果を生じることが意図される病的状態への介入を指す。癌/腫瘍のためには、治療には、安定な疾患、部分応答、完全寛解、無増悪生存期間の延長、全生存期間の延長、腫瘍縮小、腫瘍増殖の遅延、腫瘍増殖の停止、又は転移の予防若しくは低下をもたらす又は確かにもたらすことを目的とする方法が含まれる。ある種の場合では、本明細書に記載される治療方法は、成功裏の治療後の維持として、又は特定の腫瘍若しくは癌の再発若しくは転移を予防するために使用することができる。すべての個人が、治療用抗体の所与の投与に対して、同程度に反応する又は全く反応しないこととなるわけではないが、たとえ反応が検出されないとしても、これらの個人は治療されているとみなされることが理解されよう。
【0104】
例示的実施形態
例示的実施形態は、1.個人における癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせた白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドの使用。2.LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤が、別々の製剤中で個人に投与される、実施形態1の使用。3.LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤が、同じ製剤中で個人に投与される、実施形態1の使用。4.LIF結合ポリペプチドが、白金系抗悪性腫瘍剤が個人に投与される前に個人に投与される、実施形態1又は2の使用。5.白金系抗悪性腫瘍剤が、LIF結合ポリペプチドが個人に投与される前に個人に投与される、実施形態1又は2の使用。6.白金系抗悪性腫瘍剤が、LIF結合ポリペプチドが個人に投与されるのと同時に個人に投与される、実施形態1から3のいずれか1つの使用。7.LIF結合ポリペプチドが、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む、実施形態1〜6のいずれか1つの使用。8.LIF結合ポリペプチドが、LIFに特異的に結合する抗体を含む、実施形態7の使用。9.LIFに特異的に結合する抗体が、ヒト抗体フレームワーク領域に由来する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、実施形態8の使用。10.LIFに特異的に結合する抗体が、ヒト化されている、実施形態8の使用。11.LIFに特異的に結合する抗体が、脱免疫原性化されている、実施形態8の使用。12.LIFに特異的に結合する抗体が、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む、実施形態8の使用。13.LIFに特異的に結合する抗体が、IgG抗体である、実施形態8の使用。14.LIFに特異的に結合する抗体が、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである、実施形態8の使用。15.LIFに特異的に結合する抗体が、a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及びf)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む、実施形態8〜14のいずれか1つの使用。16.LIFに特異的に結合する抗体が、(a)配列番号41、42、44、又は66のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)配列;及び(b)配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)配列を含む、実施形態8〜15のいずれか1つの使用。17.VH配列が、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一であり;VL配列が、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一である、実施形態16の使用。18.VH配列が、配列番号42に示したアミノ酸配列と同一であり;VL配列は、配列番号46に示したアミノ酸配列と同一である、実施形態17の使用。19.LIFに特異的に結合する抗体が、a)配列番号57〜60又は67のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖配列;及びb)配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖配列を含む、実施形態8〜18のいずれか1つの使用。20.LIFに特異的に結合する抗体が、約200ピコモル濃度未満のK
Dで結合する、実施形態8〜19のいずれか1つの使用。21.LIFに特異的に結合する抗体が、約100ピコモル濃度未満のK
Dで結合する、実施形態8〜19のいずれか1つの使用。22.白金系抗悪性腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態10〜21のいずれか1つの使用。23.白金系抗悪性腫瘍剤が、シスプラチンである、実施形態22の使用。24.癌が、進行した固形腫瘍、膠芽腫、胃癌、皮膚癌、前立腺癌、膵癌、乳癌、精巣癌、甲状腺癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、食道癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、リンパ腫、又は軟部組織癌を含む、実施形態1〜23のいずれか1つの使用。25.癌が、非小細胞肺癌、卵巣上皮癌、又は膵臓腺癌を含む、実施形態24の使用。26.癌が、単剤療法として投与される治療量のLIF結合ポリペプチド又は白金系抗悪性腫瘍剤での治療に対して抵抗性である、実施形態1〜25のいずれか1つの使用。27.癌を有する個人を治療する方法であって、(a)白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドと;(b)白金系抗悪性腫瘍剤との有効量の組み合わせを、癌を有する個人に投与することを含む方法。28.癌を有する個人に有効量のLIF結合ポリペプチドを投与することを含む、実施形態27の方法。29.癌を有する個人に、有効量の白金系抗悪性腫瘍剤を投与することを含む、実施形態27の方法。30.LIF結合ポリペプチドが、免疫グロブリン可変領域又は免疫グロブリン重鎖定常領域の断片を含む、実施形態27〜29のいずれか1つの方法。31.LIF結合ポリペプチドが、LIFに特異的に結合する抗体を含む、実施形態27〜29のいずれか1つの方法。32.LIFに特異的に結合する抗体が、ヒト抗体フレームワーク領域に由来する少なくとも1つのフレームワーク領域を含む、実施形態31の方法。33.LIFに特異的に結合する抗体が、ヒト化されている、実施形態31の方法。34.LIFに特異的に結合する抗体が、脱免疫原性化されている、実施形態31の方法。35.LIFに特異的に結合する抗体が、2本の免疫グロブリン重鎖と2本の免疫グロブリン軽鎖を含む、実施形態31の方法。36.LIFに特異的に結合する抗体が、IgG抗体である、実施形態31の方法。37.LIFに特異的に結合する抗体が、Fab、F(ab)
2、単一ドメイン抗体、単鎖可変断片(scFv)、又はナノボディである、実施形態31の方法。38.LIFに特異的に結合する抗体が、a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及びf)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む、実施形態31〜37のいずれか1つの方法。39.LIFに特異的に結合する抗体が、a)配列番号41、42、44、又は66のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域(VH)配列;及びb)配列番号45〜48のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域(VL)配列を含む、実施形態31〜37のいずれか1つの方法。40.VH配列が、配列番号42に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一であり;VL配列が、配列番号46に示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一である、実施形態39の方法。41.VH配列が、配列番号42に示したアミノ酸配列と同一であり;VL配列が、配列番号46に示したアミノ酸配列と同一である、実施形態40の方法。42.LIFに特異的に結合する抗体が、a)配列番号57〜60又は67のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%の同一アミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖配列;及びb)配列番号61〜64のいずれか1つに示したアミノ酸配列と少なくとも約80%、90%、95%、97%、98%、又は99%同一のアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖配列を含む、実施形態31〜37のいずれか1つの方法。43.LIFに特異的に結合する抗体が、約200ピコモル濃度未満のKDで結合する、実施形態31〜42のいずれか1つの方法。44.LIFに特異的に結合する抗体が、約100ピコモル濃度未満のKDで結合する、実施形態31〜42のいずれか1つの方法。45.白金系抗悪性腫瘍剤が、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナトリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態27〜44のいずれか1つの方法。46.白金系抗悪性腫瘍剤が、シスプラチンである、実施形態45の方法。47.癌が、進行した固形腫瘍、膠芽腫、胃癌、皮膚癌、前立腺癌、膵癌、乳癌、精巣癌、甲状腺癌、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、食道癌、卵巣癌、結腸癌、肺癌、リンパ腫、又は軟部組織癌を含む、実施形態27〜46のいずれか1つの方法。48.癌が、非小細胞肺癌、卵巣上皮癌、又は膵臓腺癌を含む、実施形態47の方法。49.癌が、治療量のLIF結合ポリペプチドの阻害剤での治療に対して抵抗性である、実施形態27〜48のいずれか1つの方法。50.癌が、治療量の白金系抗悪性腫瘍剤での治療に対して抵抗性である、実施形態27〜48のいずれか1つの方法。51.白血病抑制因子(LIF)結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤が、別々に投与される、実施形態27〜50のいずれか1つの方法。52.LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤が、同時に投与される、実施形態27〜50のいずれか1つの方法。53.LIF結合ポリペプチドと白金系抗悪性腫瘍剤が、単一の組成物中で投与される、実施形態27〜50のいずれか1つの方法。54.個人における癌を治療するための、白金系抗悪性腫瘍剤と組み合わせた、白血病抑制因子(LIF)と特異的に結合する抗体の使用。ここでは、LIF結合抗体は、a)配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);b)配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);c)配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);d)配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);e)配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及びf)配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽
鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む。55.癌を有する個人を治療する方法であって、a)i.配列番号1〜3のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域1(VH−CDR1);ii.配列番号4又は5のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域2(VH−CDR2);iii.配列番号6〜8のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖相補性決定領域3(VH−CDR3);iv.配列番号9又は10のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域1(VL−CDR1);v.配列番号11又は12のいずれか1つに示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域2(VL−CDR2);及びvi.配列番号13に示したアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域3(VL−CDR3)を含む白血病抑制因子(LIF)と特異的に結合する抗体と;b)白金系抗悪性腫瘍剤との有効量の組み合わせを、癌を有する個人に投与することを含む方法。56.癌を有する個人に、有効量のLIF結合ポリペプチドを投与することを含む、実施形態55の方法。57.癌を有する個人に、有効量の白金系抗悪性腫瘍剤を投与することを含む、実施形態55の方法。
【実施例】
【0105】
次の実例は、本明細書に記載される組成物及び方法の実施形態を代表するものであり、決して制限的であることが意図されない。
【0106】
実施例1−LIFに特異的なラット抗体の産生
ヒトLIFのアミノ酸23〜202をコードするcDNAを、発現プラスミド(Aldevron GmbH,Freiburg,Germany)にクローニングした。実験用ラット(Wistar)の群に、微粒子撃ち込み(particle bombardment)(「遺伝子銃(gene gun)」)のための手持ち型装置を使用するDNAコーティングされた金粒子の皮内適用によって、免疫化した。一過性トランスフェクトしたHEK細胞上の細胞表面発現を、LIFタンパク質のN末端に付加されたタグを認識する抗タグ抗体を用いて確認した。一連の免疫化後に、血清試料を収集し、前述の発現プラスミドを用いて一過性トランスフェクトしたHEK細胞に対してフローサイトメトリーで試験した。抗体産生細胞を単離し、標準の手順に従って、マウス骨髄腫細胞(Ag8)と融合させた。上に記載した通りにフローサイトメトリー分析においてスクリーニングを行うことによって、LIFに特異的な抗体を産生するハイブリドーマを特定した。RNA保護剤(ThermoFisher ScientificによるRNAlater,cat.#AM7020)を使用して、陽性のハイブリドーマ細胞の細胞ペレットを調製し、抗体の可変ドメインの配列決定のためにさらに処理した。
【0107】
実施例2−LIFに特異的なマウス抗体の産生
ヒトLIFのアミノ酸23〜202をコードするcDNAを、発現プラスミド(Aldevron GmbH,Freiburg,Germany)にクローニングした。実験用マウス(NMRI)の群に、微粒子撃ち込み(「遺伝子銃」)のための手持ち型装置を使用するDNAコーティングされた金粒子の皮内適用によって、免疫化した。一過性トランスフェクトしたHEK細胞上の細胞表面発現を、LIFタンパク質のN末端に付加されたタグを認識する抗タグ抗体を用いて確認した。一連の免疫化後に、血清試料を収集し、前述の発現プラスミドを用いて一過性トランスフェクトしたHEK細胞に対してフローサイトメトリーで試験した。抗体産生細胞を単離し、標準の手順に従って、マウス骨髄腫細胞(Ag8)と融合させた。上に記載した通りにフローサイトメトリー分析においてスクリーニングを行うことによって、LIFに特異的な抗体を産生するハイブリドーマを特定した。RNA保護剤(ThermoFisher ScientificによるRNAlater,cat.#AM7020)を使用して、陽性のハイブリドーマ細胞の細胞ペレットを調製し、抗体の可変ドメインの配列決定のためにさらに処理した。
【0108】
実施例3−LIFに特異的なラット抗体のヒト化
それに続くヒト化のために、ラット免疫化(5D8)からの1つのクローンを選択した。ヒト化は、標準のCDRグラフティング方法を使用して行った。重鎖及び軽鎖領域を、標準の分子クローニング技術を使用して、5D8ハイブリドーマからクローニングし、サンガー法によって配列決定した。次いで、ヒト重鎖及び軽鎖可変配列に対して、BLAST検索を行い、それぞれからの4つの配列を、ヒト化のためのアクセプターフレームワークとして選択した。これらのアクセプターフレームワークを脱免疫原性化して、T細胞応答エピトープを除去した。5D8の重鎖及び軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3を、4つの異なる重鎖アクセプターフレームワーク(H1からH4)、及び4つの異なる軽鎖フレームワーク(L1からL4)にクローニングした。次いで、16個の異なる抗体をすべて、CHO−S細胞(Selexis)における発現;LIF誘発STAT3リン酸化の阻害;及び表面プラズモン共鳴(SPR)による結合親和性について試験した。これらの実験を、以下にまとめて示す。
【0109】
【表1】
【0110】
トランスフェクトした細胞の発現性能を、エルレンマイヤーフラスコ(3×10
5細胞/mL播種、200mL培養体積)中で、流加培養で、10日の細胞培養後に、比較した。この時点で、細胞を回収し、分泌された抗体をプロテインAカラムを使用して精製し、次いで定量化した。H3重鎖(配列番号43)を使用するものを除いて、すべてのヒト化抗体が発現した。
【0111】
チロシン705でのLIF誘発STAT3リン酸化の阻害を、ウエスタンブロットによって決定した。U251神経膠腫細胞を、100,000細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートにプレーティングした。細胞を、あらゆる処理の前に、完全培地で24時間培養し、その後、細胞を、8時間、血清飢餓状態にした。その後、細胞を、10μg/mlの濃度の指示された抗体で、一晩処理した。処理後、ホスファターゼ及びプロテアーゼ阻害剤を含有する放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)溶解緩衝液中でタンパク質を得、定量化し(BCA−タンパク質定量法、Thermo Fisher Scientific)、ウエスタンブロットに使用した。ウエスタンブロットについては、メンブレンを、5%脱脂粉乳−TBST中で1時間ブロッキングし、一次抗体と共に一晩(p−STAT3、catalog#9145、Cell Signaling若しくはSTAT3、catalog#9132、Cell Signaling)又は30分(β−アクチン−ペルオキシダーゼ、catalog#A3854、Sigma−Aldrich)インキュベートした。次いで、メンブレンをTBSTで洗浄し、二次抗体と共にインキュベートし、再び洗浄した。タンパク質を、化学発光(SuperSignal Substrate、catalog#34076、Thermo Fisher Scientific)によって検出した。これらの結果を、
図1に示す。pSTAT3バンドの色が濃いほど、存在する阻害が小さい。阻害は、5D8(非ヒト化ラット)、A(H0L0)、C(H1L2)、D(H1L3)、及びG(H2L2)と標識が付けられたレーンでは高かった;阻害は、H(H2L3)、O(H4L2)、及びP(H4L3)では中程度であった;阻害は、B(H1L1)、E(H1L4)、F(H2L1)、I(H2L4)、N(H4L1)、及びQ(H4L4)では存在しなかった。
【0112】
次いで、LIF誘発STAT3リン酸化の阻害を呈する抗体を、SPRによって分析して、結合親和性を決定した。簡単に言うと、アミンカップリングhLIFに対するA(H0L0)、C(H1L2)、D(H1L3)、及びG(H2L2)、H(H2L3)及びO(H4L2)ヒト化抗体の結合を、Biacore(商標)2002装置を使用して観察した。速度定数及び親和性を、6つのリガンド濃度でのすべてのセンサーチップ表面上でもたらされたすべてのセンサーグラムの数学的センサーグラムフィッティング(ラングミュア相互作用モデル[A+B=AB])によって決定した。各濃度の最も適合する曲線(最小カイ二乗)を、速度定数及び親和性の算出のために使用した。表1を参照されたい。
【0113】
実験手順は、検体として二価抗体を使用したので、ヒト化抗体の標的結合機構へのより詳細な洞察を得るために、最も適合するセンサーグラムをまた、二価検体フィッティングモデル[A+B=AB;AB+B=AB2]に基づいて分析した。二価フィッティングモデル[A+B=AB;AB+B=AB2]を使用するセンサーグラム動態解析によって、mAb試料の相対的親和性順位が確認された。
【0114】
その高い結合親和性、及び回分培養からの高い収率により、より掘り下げた分析のために、H2及びL2を含むヒト化5D8を選択した。
【0115】
実施例4−クローン5D8のヒト化はLIFに対する結合を向上させる
さらなる分析のために、H2L2クローン(h5D8)を選択し、SPRによって、結合を、親ラット5D8(r5D8)及びマウスクローン1B2と比較した。1B2抗体は、以前にDeutsche Sammlung von Mikroorganismen and Zellkulturen GmbH(DSM ACC3054)に寄託された、以前に開示されたマウス抗LIF抗体であり、比較目的で含められた。それぞれ大腸菌(E.coli)及びHEK−293細胞から精製された組換え型ヒトLIFを、リガンドとして使用した。ヒト又は大腸菌(E.coli)起源からのLIFを、アミンカップリング化学を使用して、Biacore光学センサーチップの表面に共有結合させ、速度定数から結合親和性を算出した。
【0116】
材料及び方法
大腸菌(E.coli)由来のヒトLIFは、Millipore(参照記号LIF 1010)から入手し;HEK−293細胞由来のヒトLIFは、ACRO Biosystems(参照記号LIF−H521b)から入手した。LIFを、Biacore Amine Coupling Kit(BR−1000−50;GE−Healthcare,Uppsala)を使用して、センサーチップにカップリングさせた。試料は、CM5光学センサーチップ(BR−1000−12;GE−Healthcare,Uppsala)を使用するBiacore(商標)2002装置に流した。機械の稼働中、Biacore HBS−EP緩衝液を使用した(BR−1001−88;GE−Healthcare,Uppsala)。結合センサーグラムの動態解析を、BIAevaluation 4.1ソフトウェアを使用して実施した。速度定数及び親和性を、漸増する検体濃度でのすべてのセンサーチップ表面上でもたらされたすべてのセンサーグラムの数学的センサーグラムフィッティング(ラングミュア相互作用モデル[A+B=AB])によって決定した。決定されたラングミュア抗体−標的親和性に対する二価の寄与(例えば、結合活性の寄与)についての見積もりをもたらすために、センサーグラムをまた、主成分分析を含めて、二価検体センサーグラムフィッティングモデル[A+B=AB;AB+B=AB2]に基づいて分析した。各濃度の最も適合する曲線(最小カイ二乗)を、速度定数及び親和性の算出のために使用した。これらの親和性実験の概要を、表2(大腸菌(E.coli)において作られたヒトLIF)及び表3(HEK293細胞において作られたヒトLIF)に示す。
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
この一連の実験から、ラングミュア1:1センサーグラムフィッティングモデルは、ヒト化5D8(h5D8)抗体が、マウス1B2及びr5D8よりも約10〜25倍高い親和性で、ヒトLIFに結合したことを示す。
【0120】
次に、h5D8抗体を、SPRによって、複数の種のLIFに対して試験した。h5D8 SPR結合速度解析を、異なる種及び発現系由来の組換え型LIF検体:ヒトLIF(大腸菌(E.coli)、HEK293細胞);マウスLIF(大腸菌(E.coli)、CHO細胞);ラットLIF(大腸菌(E.coli));カニクイザルLIF(酵母、HEK293細胞)について実施した。
【0121】
材料及び方法
h5D8抗体を、非共有結合性の、Fc特異的な捕捉によって、センサーチップ表面に固定した。LIF検体に対する抗LIF抗体の立体的に均一且つフレキシブルな提示を可能にする、組換え型の、Ig(Fc)特異的な黄色ブドウ球菌(S.aureus)プロテインA/Gを、捕捉剤として使用した。LIF検体の供給源は、次の通りである:ヒトLIF(大腸菌(E.coli)より;Millipore参照記号LIF 1050);ヒトLIF(HEK細胞よりACRO Biosystems LIF−H521);マウスLIF(大腸菌(E.coli);Millipore Cat.No NF−LIF2010);マウスLIF(CHO細胞より;Reprokine Catalog# RCP09056);サルLIF(酵母 Kingfisher Biotech Catalog# RP1074Y);HEK−293細胞において産生されるサルLIF。全h5D8が、いくつかの種由来のLIFに対する結合を呈した。この親和性実験の概要を、表4に示す。
【0122】
【表4】
【0123】
実施例5−ヒト化クローン5D8は、STAT3のLIF誘発リン酸化をインビトロで阻害する
h5D8の生物学的活性を決定するために、LIF活性化の細胞培養モデルにおいて、ヒト化及び親型を試験した。
図2Aは、神経膠腫細胞株をヒトLIFと共にインキュベートした場合に、ヒト化クローンが、STAT3リン酸化(Tyr 705)の阻害の増大を呈したことを示す。
図2Bは、異なる希釈のh5D8抗体を用いて再び行った、
図2Aと同じ手順を用いた実験を示す。
【0124】
方法
U251神経膠腫細胞を、150,000細胞/ウェルの密度で6ウェルプレートにプレーティングした。細胞を、あらゆる処理の前に、完全培地で24時間培養した。その後、細胞を、10μg/mlの濃度のr5D8抗LIF抗体又はh5D8抗LIF抗体で、一晩処理した、又はしなかった(対照細胞)。
【0125】
処理後、ホスファターゼ及びプロテアーゼ阻害剤を含有する放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)溶解緩衝液中でタンパク質を得、定量化し(BCA−タンパク質定量法、Thermo Fisher Scientific)、ウエスタンブロットに使用した。ウエスタンブロットについては、メンブレンを、5%脱脂粉乳−TBST中で1時間ブロッキングし、一次抗体と共に一晩(p−STAT3、catalog#9145、Cell Signaling若しくはSTAT3、catalog#9132、Cell Signaling)又は30分(β−アクチン−ペルオキシダーゼ、catalog#A3854、Sigma−Aldrich)インキュベートした。次いで、メンブレンをTBSTで洗浄し、必要であれば二次抗体と共にインキュベートし、再び洗浄した。タンパク質を、化学発光(SuperSignal Substrate、catalog#34076、Thermo Fisher Scientific)によって検出した。
【0126】
実施例6−U−251細胞における内在レベルのLIFに対するh5D8抗体処理のIC
50値
U−251細胞において、血清飢餓条件下で、h5D8についての生物学的阻害に対する490ピコモル濃度(
図3A)と低いIC
50も決定された。代表的な結果
図3A及び3B及び表5を参照されたい。
【0127】
【表5】
【0128】
方法
U−251細胞を、(条件あたり)6cmプレートあたり600,000細胞で蒔いた。細胞を、対応する濃度(段階希釈(titration))のh5D8で、血清飢餓(0.1% FBS)下で37℃で一晩処理した。pSTAT3についての陽性対照として、組換え型LIF(R&D #7734−LF/CF)を使用して、1.79nMで、37℃で10分間、細胞を刺激した。pSTAT3の陰性対照として、JAK I阻害剤(Calbiochem #420099)を、1μMで、37℃で30分間使用した。次いで、Meso Scale Discovery Multi−Spot Assay System Total STAT3(Cat# K150SND−2)及びPhospho−STAT3(Tyr705)(Cat# K150SVD−2)キットのプロトコルに従って、細胞を、ライセートのために氷上に回収して、MSD Meso Sector S600によって、検出可能なタンパク質レベルを測定した。
【0129】
実施例7−ヒトLIFに特異的に結合する追加の抗体
ヒトLIFと特異的に結合する他のラット抗体クローン(10G7及び6B5)を特定し、その結合特性の概要を、下の表6に示す(クローン1B2は比較としての役割を果たす)。
【0130】
方法
検体として、組換え型LIF標的タンパク質[ヒトLIF(大腸菌(E.coli));Millipore Cat.No.LIF 1010及びヒトLIF(HEK293細胞);ACRO Biosystems Cat.No.LIF−H521b]を適用して、CM5光学センサーチップの表面上に固定された抗LIF mAbs 1B2、10G7、及び6B5について、リアルタイム結合動態解析を実施した。
【0131】
速度定数及び親和性は、グローバルフィッティング(センサーグラムセットの同時フィッティング)並びに単一曲線フィッティングアルゴリズムを適用して、ラングミュア1:1結合モデルを使用する数学的センサーグラムフィッティングによって得た。グローバルフィットの妥当性を、k
obs解析によって評価した。
【0132】
【表6】
【0133】
実施例8−STAT3のLIF誘発リン酸化をインビトロで阻害する追加の抗LIF抗体
追加のクローンを、細胞培養において、STAT3のLIF誘発リン酸化を阻害するその能力について試験した。
図4に示す通り、クローン10G7及び以前に詳述したr5D8は、1B2クローンと比較して、LIF誘発STAT3リン酸化の高い阻害を呈した。抗LIFポリクローナル抗血清(pos.)は、陽性対照として含まれていた。6B5は、阻害を呈さなかったが、これは、この実験で使用された非グリコシル化LIFに対する6B5結合が存在しない可能性によって説明することができる。
【0134】
方法
患者由来の神経膠腫細胞を、150,000細胞/ウェルの密度で、6ウェルプレートにプレーティングした。細胞を、あらゆる処理の前に、B27(Life Technologies)、ペニシリン/ストレプトマイシン、及び増殖因子(20ng/ml EGF及び20ng/ml FGF−2[PeproTech])を添加したNeurobasal培地(Life Technologies)から構成されるGBM培地中で、24時間培養した。次の日、細胞を、大腸菌(E.coli)において産生された組換え型LIF、又は組換え型LIFプラス指示された抗体の混合物で、15分間処理した、又はしなかった(抗体については10μg/mlの最終濃度、及び20ng/mlの組換え型LIF)。処理後、ホスファターゼ及びプロテアーゼ阻害剤を含有する放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)溶解緩衝液中でタンパク質を得、定量化し(BCA−タンパク質定量法、Thermo Fisher Scientific)、ウエスタンブロットに使用した。ウエスタンブロットについては、メンブレンを、5%脱脂粉乳−TBST中で1時間ブロッキングし、一次抗体と共に一晩(p−STAT3、catalog#9145、Cell Signaling)又は30分(β−アクチン−ペルオキシダーゼ、catalog#A3854、Sigma−Aldrich)インキュベートした。次いで、メンブレンをTBSTで洗浄し、必要であれば二次抗体と共にインキュベートし、再び洗浄した。タンパク質を、化学発光(SuperSignal Substrate、catalog#34076、Thermo Fisher Scientific)によって検出した。
【0135】
実施例9−LIFは複数の腫瘍型にわたって高度に過剰発現される
複数のヒト腫瘍型に対して免疫組織化学を行って、LIF発現の程度を決定した。
図5に示す通り、LIFは、多形神経膠芽腫(GBM)、非小細胞肺癌(NSCLC)、卵巣癌、結腸直腸癌(CRC)、及び膵癌において高度に発現される。
【0136】
実施例10−ヒト化クローンh5D8は非小細胞肺癌のマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害する
ヒト化5D8クローンがLIF陽性癌をインビボで阻害する能力を決定するために、この抗体を、非小細胞肺癌(NSCLC)のマウスモデルにおいて試験した。
図6Aは、この抗体で治療されたマウスにおける、賦形剤の陰性対照と比較した腫瘍増殖の減少を示す。
図6Bは、r5D8型を使用してもたらされたデータを示す。
【0137】
方法
高いLIFレベルを有するマウス非小細胞肺癌(NSCLC)細胞株KLN205を、インビボでの生物発光モニタリングのために、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を発現するレンチウイルスに安定に感染させた。マウスモデルを発病させるために、5×10
5個のKLN205非小細胞肺癌(NSCLC)細胞を、8週齢の免疫適格性の同系移植DBA/2マウスの左肺に、肋間穿刺によって同所性移植した。マウスを、対照賦形剤で又は15mg/kg若しくは30mg/kgのh5D8抗体で(週2回、腹腔内に)治療し、腫瘍増殖を生物発光によってモニタリングした。生物発光画像化のために、マウスは、1〜2%吸入イソフルラン麻酔下で0.2mLの15mg/mL D−ルシフェリンの腹腔内注射を受けた。生物発光シグナルは、高感度冷却CCDカメラから構成されるIVISシステム2000シリーズ(Xenogen Corp.,Alameda,CA,USA)を使用してモニタリングした。Living Imageソフトウェア(Xenogen Corp.)を使用して、画像化データをグリッド処理し、囲まれた各領域内の全生物発光シグナルを統合した。データは、対象領域(ROI)内の全光子束放射(光子/秒)を使用して解析した。結果は、h5D8抗体での治療が、腫瘍退縮を促進することを実証する。データは、平均値±SEMとして示される。
【0138】
実施例11−h5D8は多形神経膠芽腫のマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害する
ルシフェラーゼ発現ヒト細胞株U251を使用する、同所移植GBM腫瘍モデルでは、腹腔内(IP)注射によって300μg r5D8及びh5D8を週2回投与したマウスにおいて、r5D8は、腫瘍体積を有意に低下させた。この研究の結果を、
図7Aに示す(治療後第26日に定量化)。この実験をまた、200μg又は300μgで治療されるヒト化h5D8マウスを使用して行い、治療の7日後の腫瘍の統計的に有意な低下が示された。
図7Bは、ルシフェラーゼ発現ヒトU251 GBM細胞を接種し、且つその後100、200、又は300μgのh5D8又は賦形剤で週2回治療されたマウスからのデータを示す。腫瘍サイズは、第7日に、生物発光(Xenogen IVIS Spectrum)によって決定した。グラフは、平均値±SEMを示す水平なバーと共に、個々の腫瘍測定値を示す。統計的有意性は、対応のないノンパラメトリックなマン・ホイットニーのU検定を使用して算出した。
【0139】
方法
ルシフェラーゼを安定に発現するU251細胞を収集し、PBS中で洗浄し、400gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁し、自動セルカウンター(Countess,Invitrogen)を用いて計数した。最適な生存能を維持するために、細胞を氷上に維持した。マウスを、ケタミン(Ketolar50(登録商標))/キシラシン(Xylacine)(Rompun(登録商標))(それぞれ75mg/kg及び10mg/kg)の腹腔内投与で麻酔した。各マウスを、注意深く定位装置に入れ、固定した。脱毛クリームを用いて頭部から毛を除去し、メスで頭部皮膚を切断して、頭蓋骨を露出させた。ラムダに対して横方向1.8mm且つ前方向1mmの座標に、穿孔器を用いて小さい切開部を注意深く作成した。右線条体に、2.5mmの深さでHamilton 30Gシリンジを使用して、5μLの細胞を接種した。Hystoacryl組織接着剤(Braun)を用いて頭部切開部を閉じ、マウスに皮下鎮痛薬メロキシカム(Metacam(登録商標))(1mg/kg)を注射した。各マウスに移植された最終細胞数は、3×10
5個であった。
【0140】
マウスを、腹腔内に投与されるh5D8で週2回治療した。治療は、腫瘍細胞接種の直後、第0日に開始した。マウスは、h5D8又は賦形剤対照の合計2回の投与を受けた。
【0141】
体重及び腫瘍体積:体重は、2回/週、測定し、腫瘍増殖は、第7日に生物発光(Xenogen IVIS Spectrum)によって定量化した。生物発光活性をインビボで定量化するために、マウスを、イソフルオラン(isofluorane)を使用して麻酔し、ルシフェリン基質(PerkinElmer)(167μg/kg)を腹腔内注射した。
【0142】
生物発光(Xenogen IVIS Spectrum)によって求められた腫瘍サイズを、第7日に評価した。個々の腫瘍測定値、及び各治療群についての平均値±SEMを算出した。統計的有意性は、対応のないノンパラメトリックなマン・ホイットニーのU検定によって決定した。
【0143】
実施例12−h5D8は卵巣癌のマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害する
r5D8の有効性を、2つの他の同系移植腫瘍モデルにおいて評価した。卵巣同所移植腫瘍モデルID8では、300μg r5D8(週2回)のIP投与は、腹部体積によって測定された場合に、腫瘍増殖を有意に阻害した(
図8A及び8B)。
図8Cにおける結果は、h5D8はまた、200μg以上の用量でも腫瘍体積を低下させたことを示す。
【0144】
方法
ID8細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco,Invitrogen)、40U/mLペニシリン及び40μg/mLストレプトマイシン(PenStrep)(Gibco,Invitrogen)、及び0.25μg/mLプラスモシン(Plasmocin)(Invivogen)を添加した、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Gibco,Invitrogen)中で培養した。
【0145】
ID8細胞を収集し、PBS中で洗浄し、400gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁した。最適な生存能を維持するために、細胞を氷上に維持し、200μLの細胞懸濁液を、27G針を用いて腹腔内に注射した。マウスに移植された最終細胞数は、5×10
6個であった。
【0146】
マウスは、指示された通りの異なる用量でip投与されるh5D8で週2回治療した。体重は、2回/週、測定し、腫瘍増悪は、ノギス(Fisher Scientific)を使用して腹囲を測定することによってモニタリングした。
【0147】
実施例13−r5D8は結腸直腸癌のマウスモデルにおいて腫瘍増殖を阻害する
皮下結腸CT26腫瘍を有するマウスでは、r5D8(週2回300μgをIP投与される)は、腫瘍増殖を有意に阻害した(
図9A及び9B)。
【0148】
方法
CT26細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS)、40U/mLペニシリン及び40μg/mLストレプトマイシン(PenStrep)、及び0.25μg/mLプラスモシン(Plasmocin)を添加した、ロズウェルパーク記念研究所培地(Roswell Park Memorial Institute medium)(RPMI[Gibco,Invitrogen])中で培養した。
【0149】
CT26細胞(8×10
5)を、トリプシン処理し、PBSですすぎ、400gで5分間遠心分離し、100μL PBSに再懸濁した。細胞は、細胞死を回避するために氷上に維持した。CT26細胞を、27G針を使用する皮下注射を介して、マウスに投与した。
【0150】
300μg r5D8、又は賦形剤対照を、CT26細胞移植後、第3日から、週2回、腹腔内注射(IP)を介してマウスに投与した。
【0151】
体重及び腫瘍体積は、1週間に3回測定した。腫瘍体積は、ノギス(Fisher Scientific)を使用して測定した。
【0152】
実施例14−r5D8は腫瘍モデルにおいて炎症性浸潤を減少させる
U251 GBM同所移植モデルでは、CCL22、すなわちM2極性化マクロファージのマーカーの発現は、
図10Aに示した通り、r5D8で治療された腫瘍において有意に低下した。この所見はまた、h5D8を使用する、生理学的に関連する器官型組織片培養モデルにおいても確認され、ここでは、3つの患者試料は、
図10Bに示した通り、治療後に、CCL22及びCD206(MRC1)発現(同様にM2マクロファージのマーカー)の有意な低下を示した(MRC1とCCL22の両方について、左上(対照)を右下(治療)と比較されたい)。さらに、r5D8はまた、免疫適格性マウスにおける同系移植ID8(
図10C)及びCT26(
図10D)腫瘍において、CCL22
+M2マクロファージを減少させた。H5D8治療はまた、同系移植CT26腫瘍モデルにおいて、マクロファージを免疫刺激性の表現型にプログラムした(
図10E)。h5D8治療は、CD206陰性/MHCII陽性割合の増大によって示される通り、M1表現型を有するマクロファージを増加させ、CD206陽性/MHCII陰性割合の低下によって示される通り、M2表現型を有するマクロファージを減少させた。
図10Fは、LIFノックダウンを有するU251細胞の条件培地中で培養した単球からの遺伝子発現データを示す。MRC1、CCL2、CCL1、及びCTSK(三角形で表した)はすべて、発現の有意な減少を示した。
【0153】
実施例15−r5D8は非骨髄性エフェクター細胞を増加させる
さらなる免疫機構を調べるために、腫瘍微小環境内でのT細胞及び他の非骨髄性免疫エフェクター細胞に対するr5D8の効果を評価した。卵巣同所移植ID8同系移植モデルでは、r5D8治療は、
図11Aに示した通り、腫瘍内NK細胞の増加及び全部の及び活性化されたCD4
+及びCD8
+T細胞の増加をもたらした。同様に、結腸同系移植CT26腫瘍モデルでは、r5D8は、
図11Bに示した通り、腫瘍内NK細胞を増加させ、CD4
+及びCD8
+T細胞を増加させ、また、CD4
+CD25
+FoxP3
+T−reg細胞を減少させる傾向があった。CD4
+CD25
+FoxP3
+T−reg細胞の減少の傾向はまた、
図11Cに示した通り、r5D8治療後の同系移植同所移植KLN205腫瘍モデルにおいても観察された。有効性を媒介するためのT細胞の必要性と一致して、CT26モデルにおけるCD4
+及びCD8
+T細胞の枯渇は、
図12に示した通り、r5D8の抗腫瘍有効性を阻害した。
【0154】
T細胞枯渇のための方法
CT26細胞は、10%ウシ胎児血清(FBS[Gibco,Invitrogen])、40U/mLペニシリン及び40μg/mLストレプトマイシン(PenStrep[Gibco,Invitrogen])、及び0.25μg/mLプラスモシン(Plasmocin)を添加した、RPMI培養培地(Gibco,Invitrogen)中で培養した。CT26細胞(5×10
5)を、収集し、PBSですすぎ、400gで5分間遠心分離し、100μL PBSに再懸濁した。細胞は、細胞死を回避するために氷上に維持した。CT26細胞を、27Gシリンジを使用する皮下注射を介して、マウスの両側腹部に投与した。マウスは、研究デザインにおいて指示された通り、腹腔内投与されるr5D8で週2回治療した。賦形剤対照(PBS)、ラットr5D8、及び/又は抗CD4及び抗CD8を、研究デザインにおいて記述した通り、週2回、腹腔内注射(IP)を介してマウスに投与した。すべての抗体治療は、同時に施された。
【0155】
実施例16−ヒトLIFとの複合体におけるh5D8の結晶構造
h5D8の結晶構造を、h5D8が結合するLIF上のエピトープを決定する、また、結合に関与するh5D8の残基を決定するために、3.1オングストロームの分解能に対して解析した。共結晶構造から、LIFのN末端ループが、h5D8の軽鎖可変領域と重鎖可変領域との間の中心に位置することが明らかになった(
図13A)。さらに、h5D8は、LIFのヘリックスA及びC上の残基と相互作用し、それによって、不連続且つ立体構造的エピトープを形成する。結合は、いくつかの塩橋、H結合、及びファンデルワールス相互作用によって推進される(表7、
図13B)。LIFのh5D8エピトープは、gp130との相互作用の領域に及ぶ。Boulanger,M.J.,Bankovich,A.J.,Kortemme,T.,Baker,D.&Garcia,K.C. Convergent mechanisms for recognition of divergent cytokines by the shared signaling receptor gp130.Molecular cell 12,577−589(2003)を参照されたい。これらの結果を、下の表7にまとめて示し、また、
図13に表す。
【0156】
【表7】
【0157】
方法
LIFは、HEK 293S(Gnt I
−/−)細胞において一過性発現させ、Ni−NTA親和性クロマトグラフィー、それに続いてゲル濾過クロマトグラフィー(20mM Tris pH8.0及び150mM NaCl中)を使用して精製した。組換え型h5D8 Fabは、HEK 293F細胞において一過性発現させ、KappaSelectアフィニティクロマトグラフィー、それに続いて陽イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製した。精製されたh5D8 FabとLIFを、1:2.5のモル比で混合し、室温で30分間インキュベートし、その後EndoHを使用して脱グリコシル化を行った。続いて、ゲル濾過クロマトグラフィーを使用して、複合体を精製した。この複合体を、20mg/mLに濃縮し、低密度マトリックススクリーン(tesparse matrix screen)を使用する結晶化試行のために準備した。19%(v/v)イソプロパノール、19%(w/v)PEG 4000、5%(v/v)グリセロール、0.095Mクエン酸ナトリウム(pH5.6)を含有する条件で、4℃で結晶を形成させた。この結晶を、Canadian Light Source(CLS)の08ID−1ビームラインで、3.1Åの分解能まで回折させた。データを収集し、Kabsch et al.Xds.Acta crystallographica.Section D,Biological crystallography 66,125−132(2010)の通りにXDSを使用して処理及びスケーリングした。構造は、McCoy et al.Phaser crystallographic software.J Appl Crystallogr 40,658−674(2007)の通りに、Phaserを使用して、分子置換によって決定した。構造が許容されるR
work及びR
freeに収束するまで、Coot及びphenix.refineを使用して、数回繰り返されるモデル構築及び精密化を実施した。Emsley et al.Features and development of Coot.Acta crystallographica.Section D,Biological crystallography 66,486−501(2010);及びAdams,et al.PHENIX:a comprehensive Python−based system for macromolecular structure solution.Acta crystallographica.Section D,Biological crystallography 66,213−221(2010)をそれぞれ参照のこと。図は、PyMOL(The PyMOL Molecular Graphics System,Version 2.0 Schroedinger,LLC)で作成した。
【0158】
実施例17−h5D8はLIFに対する高い特異性を有する
h5D8の他のLIFファミリーメンバーに対する結合を試験して、結合特異性を決定した。Octet96解析を使用すると、ヒトLIFに対するh5D8結合は、LIFと最も高い相同性のIL−6ファミリーメンバーオンコスタチンM(OSM)に対する結合よりもおよそ100倍強い(どちらのタンパク質も大腸菌(E.coli)において産生される場合)。どちらのタンパク質も哺乳類系において産生される場合、h5D8は、OSMに対する結合は呈しない。データを、表8にまとめて示す。
【0159】
【表8】
【0160】
方法
Octet結合実験:試薬は、製造者によって提供されたマニュアルの通りに使用及び調製した。基本の速度解析実験(Basic Kinetics Experiment)は、Octet Data Acquisitionソフトウェアver.9.0.0.26を次の通りに使用して実施した:センサー/プログラムの設定:i)平衡化(60秒);ii)負荷(15秒);iii)ベースライン(60秒);iv)結合(180秒);及びv)解離(600秒)。
【0161】
サイトカインに対するh5D8のOctet親和性:基本の速度解析実験(Basic Kinetics Experiment)は、Octet Data Acquisitionソフトウェアver.9.0.0.26を次の通りに使用して実施した:アミン反応性第2世代バイオセンサー(Amine Reactive 2ndGeneration Biosensors)(AR2G)を水中で最低15分間含水させた。バイオセンサーに対するh5D8のアミン結合を、アミンカップリング第2世代キット(Amine Coupling Second Generation Kit)を使用して、ForteBio Technical Note 26(参考文献を参照されたい)に従って実施した。浸漬ステップは、30℃、1000rpmで、次の通りに実施した:i)水中での60秒の平衡化;ii)20mM ECD、10mMスルホ−NHS(水中)中での300秒の活性化;iii)10mM酢酸ナトリウム(pH6.0)中での10μg/ml h5D8の600秒の固定化;iv)1Mエタノールアミン(pH8.5)中での300秒の反応停止(Quench);v)水中での120秒のベースライン。次いで、30℃、1000rpmでの次の浸漬及び読み取りステップを伴う速度解析実験を実施した:vi)1X速度解析緩衝液中での60秒のベースライン;vii)サイトカインの1X速度解析緩衝液中での適切な段階希釈物の180秒の結合;viii)1X速度解析緩衝液中での300秒の解離;ix)それぞれ10mMグリシン(pH2.0)と1X速度解析緩衝液とを交代させる3回の再生/中和サイクル(3回のサイクルについてそれぞれ5秒)。再生後、バイオセンサーを、その後の結合分析のために再利用した。
【0162】
哺乳類細胞から産生されるヒト組換え型LIFは、ACROBiosystems(LIF−H521b)によるものであった;哺乳類細胞において産生されるヒト組換え型OSMは、R&D(8475−OM/CF)によるものであった;大腸菌(E.coli)細胞において産生されるヒト組換え型OSMは、R&D(295−OM−050/CF)によるものであった。
【0163】
実施例18−h5D8 fabの結晶構造
広範囲の化学的条件下でのh5D8 Fabの5つの結晶構造を決定した。これらの構造の高い分解能は、CDR残基の立体構造が、わずかな自由度しか伴っておらず、異なる化学環境でも高度に類似であることを示す。この抗体の固有の特徴は、可変重鎖領域の第100位における非カノニカルなシステインの存在である。構造分析により、システインが不対であり、溶媒に大いに近づきにくいことが示される。
【0164】
H5D8 Fabは、そのIgGのパパイン消化、それに続く、標準のアフィニティ、イオン交換、及びクロマトグラフィー技術を使用する精製によって得た。結晶は、蒸気拡散法を使用して得、分解能が1.65Å〜2.0Åの範囲である5つの結晶構造を決定することが可能になった。5つの異なるpHレベル:5.6、6.0、6.5、7.5、及び8.5にわたる範囲である結晶化条件にもかかわらず、すべての構造が、同じ結晶学的空間群内で、且つ類似の単位格子寸法を伴って(P212121、a 約53.8Å、b 約66.5Å、c 約143.3Å)解析された。したがって、これらの結晶構造は、人工産物を詰め込んだ結晶によって邪魔されない、また、広範囲の化学的条件にわたる、h5D8 Fabの三次元配置の比較が可能である。
【0165】
すべての相補性決定領域(CDR)残基について、電子密度を観察し、続いて、これをモデル化した。注目すべきことに、LCDR1及びHCDR2は、細長い立体構造をとり、これは、浅いLCDR3及びHCDR3領域と共に、パラトープの中心の結合溝を形成していた(
図14A)。5つの構造は、すべての残基にわたって高度に類似であり、すべての原子の平均二乗偏差は、0.197Å〜0.327Åの範囲である(
図14A)。これらの結果は、CDR残基の立体構造が、5.6〜8.5の範囲であるpHレベル及び150mM〜1Mの範囲であるイオン強度を含めた様々な化学環境において維持されることを示した。h5D8パラトープの静電表面の分析から、正及び負に帯電した領域が、親水特性に等しく寄与し、広く行きわたる疎水性パッチは存在しないことが明らかになった。h5D8は、HCDR3の基部に(Cys100)、非カノニカルなシステインというあまり見られない特徴を有する。5つすべての構造において、この遊離のシステインが配列され、ジスルフィドスクランブルをまったく形成しない。さらに、これは、Cys(システイン付加(cysteinylation))又はグルタチオン(グルタチオン付加(glutathiolation))の付加によって改変されず、重鎖のLeu4、Phe27、Trp33、Met34、Glu102、及びLeu105の主鎖及び側鎖原子と共にファンデルワールス相互作用(3.5〜4.3Å距離)を生じる(
図14B)。最後に、Cys100は、CDR1及びHCDR3の立体構造を媒介するのに関与するように見える圧倒的に埋没した構造の残基である。したがって、本発明者らの5つの結晶構造におけるこの領域の均一な配置によって観察される場合に、他のシステインとの反応性を有する可能性が低い。
【0166】
方法
H5D8−1 IgGは、Catalent Biologicsから入手し、25mMヒスチジン、6%スクロース、0.01%ポリソルベート80中でpH6.0で調製した。調製されたIgGを、10K MWCO濃縮器(Millipore)を使用して、大規模にPBSに緩衝液交換し、その後、37℃で1時間、1:100マイクログラムのパパイン(Sigma)(PBS、1.25mM EDTA、10mMシステイン中)を用いて消化を行った。パパインで消化されたIgGを、AKTA Startクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)を使用して、プロテインAカラム(GE Healthcare)に流した。h5D8 Fabを含有するプロテインA素通り画分を回収し、10K MWCO濃縮器(Millipore)を使用して、20mM 酢酸ナトリウム(pH5.6)に緩衝液交換した。得られた試料を、AKTA Pureクロマトグラフィーシステム(GE Healthcare)を使用して、Mono S陽イオン交換カラム(GE Healthcare)に負荷した。1M塩化カリウムのグラジエントを用いる溶離は、顕著なh5D8 Fabピークをもたらし、これを回収し、濃縮し、20mM Tris−HCl、150mM塩化ナトリウム中で、pH8.0で、Superdex 200 Increaseゲル濾過カラム(GE Healthcare)を使用して精製して、大きさを均一にした。還元及び非還元条件下でのSDS−PAGEによって、高純度のh5D8 Fabが確認された。
【0167】
精製されたh5D8 Fabを、10K MWCO濃縮器(Millipore)を使用して25mg/mLに濃縮した。Oryx 4ディスペンサー(Douglas Instruments)を使用して、20℃で低密度マトリックス96−コンディションズ(conditions)市販のスクリーンJCSG TOP96(Rigaku Reagents)及びMCSG−1(Anatrace)を用いる蒸気拡散結晶化実験の準備をした。次の5つの結晶化条件:1)0.085Mクエン酸ナトリウム、25.5%(w/v)PEG 4000、0.17M酢酸アンモニウム、15%(v/v)グリセロール(pH5.6);2)0.1M MES、20%(w/v)PEG 6000、1M塩化リチウム(pH6.0);3)0.1M MES、20%(w/v)PEG 4000、0.6M塩化ナトリウム(pH6.5);4)0.085M HEPESナトリウム、17%(w/v)PEG 4000、8.5%(v/v)2−プロパノール、15%(v/v)グリセロール(pH7.5);及び5)0.08M Tris、24%(w/v)PEG 4000、0.16M塩化マグネシウム、20%(v/v)グリセロール(pH8.5)において、4日後に結晶を得、収集した。液体窒素中で瞬間凍結させる前、結晶を含有する母液を、必要に応じて5〜15%(v/v)グリセロール又は10%(v/v)エチレングリコールと共に添加した。結晶に、先端放射光施設(Advanced Photon Source)でのX線シンクロトロン放射、ビームライン23−ID−D(Chicago,IL)を施し、回折パターンを、Pilatus3 6M検出器で記録した。XDSを使用してデータを処理し、Phaserを使用して分子置換によって構造を決定した。Cootでのモデル構築と共に、PHENIXでの精密化を実施した。図は、PyMOLで作成した。すべてのソフトウェアは、SBGridを通してアクセスした。
【0168】
実施例19−h5D8のシステイン100での変異は結合を維持する
h5D8の分析から、重鎖の可変領域における第100位での遊離のシステイン残基(C100)が明らかになった。ヒト及びマウスLIFに対する結合及び親和性を特徴付けるために、C100をそれぞれ天然に存在するアミノ酸と置換することによって、H5D8バリアントを作製した。ELISA及びOctetアッセイを使用して、結合を特徴付けた。結果を表9にまとめて示す。ELISA EC50曲線は、
図15に示す(
図15A ヒトLIF及び
図15B マウスLIF)。
【0169】
【表9】
【0170】
方法
ELISA:ヒト及びマウスLIFに対するh5D8 C100バリアントの結合を、ELISAによって決定した。組換え型ヒト又はマウスLIFタンパク質を、1μg/mLで、4℃で一晩、Maxisorp 384ウェルプレート上にコーティングした。プレートを、室温で2時間、1×ブロッキング緩衝液でブロッキングした。各h5D8 C100バリアントの段階希釈物(titration)を添加し、室温で1時間結合させた。プレートを、PBS+0.05% Tween−20で3回洗浄した。HRP結合抗ヒトIgGを添加し、室温で30分間結合させた。プレートを、PBS+0.05% Tween−20で3回洗浄し、1×TMB基質を使用して顕色させた。1M HClを用いて反応を停止させ、450nmでの吸収を測定した。図の作成及び非線形回帰分析は、Graphpad Prismを使用して実施した。
【0171】
Octet RED96:ヒト及びマウスLIFに対するh5D8 C100バリアントの親和性を、Octet RED96システムを使用して、BLIによって決定した。h5D8 C100バリアントを、1×速度解析緩衝液中での30秒のベースライン後に、7.5μg/mLで、抗ヒトFcバイオセンサーに負荷した。ヒト又はマウスLIFタンパク質の段階希釈物(titration)を、90秒間、負荷されたバイオセンサーに結合させ、300秒間、1×速度解析緩衝液中で解離させた。KDは、1:1グローバルフィットモデルを使用して、データ分析ソフトウェアによって算出した。
【0172】
実施例20−h5D8はLIFのgp130への結合をインビトロで阻止する
h5D8が、LIFがLIFRと結合するのを妨げるかどうかを決定するために、Octet RED 96 プラットフォームを使用する分子結合アッセイを実施した。H5D8を、抗ヒトFc捕捉によってAHCバイオセンサーに負荷した。次いで、バイオセンサーをLIFに浸漬させ、予想通り、結合が観察された(
図16A、3分割の中央)。続いて、バイオセンサーを、異なる濃度のLIFRに浸漬させた。用量依存性の結合が観察された(
図16A、3分割の右側)。対照実験は、この結合がLIF特異的であり(図示していない)、LIFRとh5D8との、又はバイオセンサーとの非特異的な相互作用に起因しないことを実証した。
【0173】
h5D8とLIFとの結合をさらに特徴付けるために、一連のELISA結合実験を行った。H5D8とLIFをプレインキュベートし、次いで、組換え型ヒトLIFR(hLIFR)又はgp130でコーティングしたプレートに導入した。h5D8/LIF複合体とコーティング基質との間の結合の欠如は、h5D8が、LIFの受容体への結合を何らかの方法で妨害したことを示すであろう。さらに、LIFと結合しない対照抗体((−)で示されるアイソタイプ対照)、又は知られている結合部位でLIFと結合する対照抗体(B09は、LIF結合について、gp130ともLIFRとも競合しない;r5D8は、h5D8のラット親型である)も使用した。ELISA結果は、h5D8/LIF複合体が、hLIFRと結合することが可能である(r5D8/LIF複合体もそうである)ことを実証し、これらの抗体がLIF/LIFR結合を妨げないことが示された(
図16A)。対照的に、h5D8/LIF複合体(及びr5D8/LIF複合体)は、組換え型ヒトgp130と結合することが可能ではなかった(
図16B)。これは、LIFがh5D8に結合した場合に、LIFのgp130結合部位が影響を受けたことを示す。
【0174】
実施例21−ヒト組織におけるLIF及びLIFR発現
LIF及びLIFRの発現レベルを決定するために、多くの異なる種類のヒト組織に対して、定量的リアルタイムPCRを実施した。
図17A及び17Bに示した平均発現レベルは、100ngの全RNAあたりのコピー数として示される。ほとんどの組織は、100ngの全RNAあたり少なくとも100コピーを発現した。LIF mRNA発現は、ヒト脂肪組織(腸間膜−回腸[1])、血液−血管組織(脈絡膜−神経叢[6]及び腸間膜[8])、及び臍帯[68]組織において最も高く、脳組織(皮質[20]及び黒質[28])において最も低かった。LIFR mRNA発現は、ヒト脂肪組織(腸間膜−回腸[1])、血管組織(肺[9])、脳組織[11−28]、及び甲状腺[66]組織において最も高く、PBMC[31]において最も低かった。カニクイザル組織におけるLIF及びLIFR mRNA発現レベルは、ヒト組織において観察されるものと同様であり、ここでは、LIF発現は、脂肪組織において高く、また、LIFR発現は、脂肪組織において高く、PBMCにおいて低かった(データは示していない)。
【0175】
図17A及び
図17Bについての組織番号付けは、以下である:1−脂肪(腸間膜−回腸);2−副腎;3−膀胱;4−膀胱(三角部);5−血液−血管(大脳:中大脳−動脈);6−血管(脈絡膜−神経叢);7−血管(冠動脈);8−血管(腸間膜(結腸));9−血管(肺);10−血管(腎臓);11−脳(扁桃体);12−脳(尾状核);13−脳(小脳);14 脳−(皮質:帯状皮質−前);15−脳(皮質:帯状皮質−後);16−脳(皮質:前頭皮質−外側部);17−脳(皮質:前頭皮質−内側部);18−脳(皮質:後頭);19−脳(皮質:頭頂葉);20−脳(皮質:側頭);21−脳(背側縫線核);22−脳(海馬);23−脳(視床下部:前部);24−脳(視床下部:後部);25−脳(青斑核);26−脳(延髄);27−脳(側坐核);28−脳(黒質);29−乳房;30−盲腸;31−末梢血単核球(PBMC);32−結腸;33−後根神経節(DRG);34−十二指腸;35−ファロピウス管;36−胆嚢;37−心臓(左心房);38−心臓(左心室);39−回腸;40−空腸;41−腎臓(皮質);42−腎臓(髄質);43−腎臓(骨盤);44−肝臓(実質);45−肝臓(気管支:主);46−肝臓(気管支:3次);47−肺(実質);48−リンパ腺(扁桃);49−筋肉(骨格筋);50−食道;51−卵巣;52−膵臓;53−松果体;54−脳下垂体;55−胎盤;56−前立腺;57−直腸;58−皮膚(包皮);69−脊髄;60−脾臓(実質);61−胃(前庭部);62−胃(体部);63−胃(底部);64−胃(幽門管);65−精巣;66−甲状腺;67−気管;68−臍帯;69−尿管;70−子宮(頸部);71−子宮(筋層);及び72−精管。
【0176】
実施例22−皮下腫瘍移植モデルにおける、シスプラチン、ドキソルビシン、又はパクリタキセルと組み合わせたh5D8
皮下移植されたCT26モデルにおいて、シスプラチン、ドキソルビシン、又はパクリタキセルと組み合わせたh5D6の有効性を評価した。CT26細胞は、10%ウシ胎児血清及びペニシリン/ストレプトマイシン(どちらも100μg/ml)を添加したRPMI−1640培地中で培養した。BALB/cマウスに10,000細胞/マウスを皮下移植し、マウスを、h5D8(15mg/kg)(週2回)、及び/又はシスプラチン(10mg/kg)(週1回)、パクリタキセル(15mg/kg)(週2回)、ドキソルビシン(4mg/kg)(週1回)のうちの1つで治療した。治療コホートあたりのマウスは12匹であった。腫瘍体積及びマウス重量は、ノギスを使用して週2回測定した。
【0177】
図18に示した通り、シスプラチンとh5D8との組み合わせで治療されたマウスは、シスプラチン又はh5D8単独で治療されたマウスと比較した場合、CT26腫瘍増殖の低下を呈した。
図19Aに示した通り、ドキソルビシンとh5D8との組み合わせで治療されたマウスは、ドキソルビシン又はh5D8単独で治療されたマウスと比較した場合、CT26腫瘍増殖の低下を示さなかった。
図19Bに示した通り、パクリタキセルとh5D8との組み合わせで治療されたマウスは、パクリタキセル又はh5D8単独で治療されたマウスと比較した場合、CT26腫瘍増殖の低下を示さなかった。第21日の終点で測定されたすべての治療群におけるすべての動物についての腫瘍体積を、表10に示す。
【0178】
【表10】
【0179】
実施例23−皮内腫瘍移植モデルにおけるh5D8とシスプラチンの組み合わせ
皮内移植されたCT26モデルにおいて、シスプラチン、ドキソルビシン、又はパクリタキセルと組み合わせたh5D6の有効性を評価した。CT26細胞は、10%ウシ胎児血清及びペニシリン/ストレプトマイシン(どちらも100μg/ml)を添加したRPMI−1640培地中で培養した。BALB/cマウスに50,000細胞/マウスを皮内移植し、マウスを、h5D8(15mg/kg)(週2回)及び/又はシスプラチン(10mg/kg)(週1回)で治療した。治療コホートあたりのマウスは12匹であった。腫瘍体積及びマウス重量は、ノギスを使用して週2回測定した。
【0180】
図20に示した通り、シスプラチンとh5D8との組み合わせで治療されたマウスは、シスプラチン又はh5D8単独で治療されたマウスと比較した場合、CT26腫瘍増殖の低下を呈した。第21日の終点で測定されたすべての治療群におけるすべての動物についての腫瘍体積を、表11に示す。
【0181】
【表11】
【0182】
本発明の好ましい実施形態を、本明細書に提示及び記載してきたが、こうした実施形態が、ほんの一例として提供されるに過ぎないことが、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱しない多数の変更、改変、及び置換が、当業者には直ちに思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態に対する種々の代替物を、本発明を実施する際に用いることができることが理解されよう。
【0183】
本明細書において言及したすべての刊行物、特許出願、発行された特許、及び又は文書は、それぞれ個々の刊行物、特許出願、発行された特許、及び他の文書が、あたかも具体的且つ個々にその全体を参照によって組み込まれることが示されるがごとく、参照により本明細書に組み込む。参照によって組み込まれる本文に含有される定義は、それらがこの開示における定義と矛盾する限りは除外される。
【0184】
配列
【表12】
【0185】
【表13】
【0186】
【表14】
【0187】
【表15】