【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、一態様では、本開示は、個体の疾患を治療する方法を提供し、当該方法は、有効量のADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの個体への投与を含む。
【0012】
当該疾患は増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫等のがん、並びに、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病、であってよい。
【0013】
当該増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在により特徴付けられる。
【0014】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞で構成される新生物の存在により特徴付けられ、ここで、当該CD25−ve腫瘍細胞は、CD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0015】
当該標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0016】
本明細書の「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0017】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍には、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0018】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、当該固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0019】
ADCは、本明細書に記載のADCX25等の抗CD25−ADCであってよい。
【0020】
ADCは、ADCT−301等の抗CD25−ADCであってよい。
【0021】
個体はヒトであってよい。個人ががんに罹患している場合もあれば、がんに罹患していることが決定されている場合もある。当該個体は、CD25+がん又はCD25+腫瘍関連非腫瘍細胞(CD25+浸潤T細胞など)であってよく、又はであることが決定されてよい。
【0022】
当該個体は、PD−L1+がんであってよく、又はであることが決定されてよい。
【0023】
開示の方法では、ADCは、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの投与の前、と同時に、又は、の後に投与されうる。開示の方法は、さらなる化学療法剤を個体に投与することを含んでよい。
【0024】
他の態様では、本開示は、個体の疾患を治療する方法で用いるADCを含む第1組成物を提供し、この治療は、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む第2組成物と併用して前記第1組成物を投与することを含む。
【0025】
また、当該態様により提供されるのは、個体の疾患を治療する方法で用いる、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む第1組成物であり、当該治療は、ADCを含む第2組成物と併用して前記第1組成物を投与することを含む。
【0026】
当該疾患は増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫等のがん、並びに、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病、であってよい。
【0027】
当該増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在により特徴付けられる。
【0028】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞で構成される新生物の存在により特徴付けられ、ここで、当該CD25−ve腫瘍細胞は、CD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0029】
当該標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0030】
本明細書の「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0031】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍には、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0032】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、当該固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0033】
ADCは、本明細書に記載のADCX25等の抗CD25−ADCであってよい。
【0034】
ADCは、ADCT−301等の抗CD25−ADCであってよい。
【0035】
個体はヒトであってよい。個人ががんに罹患している場合もあれば、がんに罹患していることが決定されている場合もある。当該個体は、CD25+がん又はCD25+腫瘍関連非腫瘍細胞(CD25+浸潤T細胞など)であってよく、又はであることが決定されてよい。
【0036】
当該個体は、PD−L1+がんであってよく、又はであることが決定されてよい。
【0037】
当該第1組成物は、前記第2組成物の投与の前、と同時に、又は、の後に投与されうる。当該治療は、さらなる化学療法剤を個体に投与することを含んでよい。
【0038】
さらなる態様では、本開示は、個体の疾患を治療する医薬の製造におけるn−ADCの使用を提供し、ここで、当該医薬はADCを含み、かつ、当該治療は、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む組成物と併用する当該医薬の投与を含む。
【0039】
また、当該態様により提供されるのは、個体の疾患を治療する医薬の製造におけるゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの使用であり、ここで、当該医薬はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含み、かつ、当該治療は、ADCを含む組成物と併用する当該医薬の投与を含む。
【0040】
当該疾患は増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫等のがん、並びに、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病、であってよい。
【0041】
当該増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在により特徴付けられる。
【0042】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞で構成される新生物の存在により特徴付けられ、ここで、当該CD25−ve腫瘍細胞は、CD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0043】
当該標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0044】
本明細書の「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0045】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍には、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0046】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、当該固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0047】
ADCは、本明細書に記載のADCX25等の抗CD25−ADCであってよい。
【0048】
ADCは、ADCT−301等の抗CD25−ADCであってよい。
【0049】
個体はヒトであってよい。個人ががんに罹患している場合もあれば、がんに罹患していることが決定されている場合もある。当該個体は、CD25+がん又はCD25+腫瘍関連非腫瘍細胞(CD25+浸潤T細胞など)であってよく、又はであることが決定されてよい。
【0050】
当該個体は、PD−L1+がんであってよく、又はであることが決定されてよい。
【0051】
当該医薬は、組成物の投与の前、と同時に、又は、の後に投与されうる。当該治療は、さらなる化学療法剤を個体に投与することを含んでよい。当該治療は、個体にさらなる化学療法剤を投与することを含みうる。
【0052】
本開示の他の態様は、以下の:
ADCX25又はADCT−301を含む、第1医薬;
ゲムシタビンを含む、第2医薬;及び、場合によっては、
がんの治療に、前記第2医薬と併用した、個体への前記第1医薬の投与に関する指示を含む添付文書;
を含む、キットを提供する。
【0053】
また、本態様により提供されるのは、ADCX25又はADCT−301を含む医薬と、がんの治療に、ゲムシタビンを含む組成物と併用した、個体への前記医薬の投与の指示を含む添付文書と、を含むキットである。
【0054】
さらに、本態様により提供されるキットは、ゲムシタビンを含む医薬と、がんの治療に、ADCX25又はADCT−301を含む組成物と併用した、個体への前記医薬の投与の指示を含む添付文書と、を含む。
【0055】
当該疾患は増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫等のがん、並びに、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病、であってよい。
【0056】
当該増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在により特徴付けられる。
【0057】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞で構成される新生物の存在により特徴付けられ、ここで、当該CD25−ve腫瘍細胞は、CD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0058】
当該標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0059】
本明細書の「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0060】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍には、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0061】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、当該固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0062】
ADCは、本明細書に記載のADCX25等の抗CD25−ADCであってよい。
【0063】
ADCは、ADCT−301等の抗CD25−ADCであってよい。
【0064】
個体はヒトであってよい。個人ががんに罹患している場合もあれば、がんに罹患していることが決定されている場合もある。当該個体は、CD25+がん又はCD25+腫瘍関連非腫瘍細胞(CD25+浸潤T細胞など)であってよく、又はであることが決定されてよい。
【0065】
当該個体は、PD−L1+がんであってよく、又はであることが決定されてよい。
【0066】
当該ADCを含む医薬又は組成物は、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む医薬又は組成物の投与の前、と同時に、又は、の後に投与されうる。当該治療は、さらなる化学療法剤を個体に投与することを含んでよい。当該治療は、個体にさらなる化学療法剤を投与することを含みうる。
【0067】
さらなる態様では、本開示は、ADCX25又はADCT−301及びゲムシタビンを含む、組成物を提供する。
【0068】
また、本開示の本態様では、個体のがんを治療する方法が提供され、当該方法は、ADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの有効量を個体に投与することを含む。
【0069】
また、本開示の本態様では、個体のがんを治療する方法で用いられる、ADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む組成物が提供される。
【0070】
また、本開示の本態様で提供されるのは、個体の疾患を治療する医薬の製造におけるADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む組成物の使用である。
【0071】
また、本開示の本態様では、ADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む組成物、並びに疾患の治療で個体に医薬を投与する指示セットを含むキットが提供される。
【0072】
当該疾患は増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)を含む、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫等のがん、並びに、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)等の白血病、であってよい。
【0073】
当該増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在により特徴付けられる。
【0074】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞で構成される新生物の存在により特徴付けられ、ここで、当該CD25−ve腫瘍細胞は、CD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0075】
当該標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0076】
本明細書の「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0077】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍には、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0078】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、当該固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0079】
ADCは、本明細書に記載のADCX25等の抗CD25−ADCであってよい。
【0080】
ADCは、ADCT−301等の抗CD25−ADCであってよい。
【0081】
個体はヒトであってよい。個人ががんに罹患している場合もあれば、がんに罹患していることが決定されている場合もある。当該個体は、CD25+がん又はCD25+腫瘍関連非腫瘍細胞(CD25+浸潤T細胞など)であってよく、又はであることが決定されてよい。
【0082】
当該個体は、PD−L1+がんであってよく、又はであることが決定されてよい。
【0083】
当該治療は、個体にさらなる化学療法剤を投与することを含みうる。
《発明を実施するための形態》
【0084】
〔抗体薬物結合体(ADC)〕
本開示は、ADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの併用の改善された効力に関する。
【0085】
ADCは薬物を標的部位に送達しうる。当該標的部位は、好ましくは増殖性細胞集団である。抗体は、増殖性細胞集団上に存在する抗原に対する抗体である一態様では、当該抗原は、非増殖性細胞集団において存在しないか、又は、存在しても、当該増殖性細胞集団、例えば、腫瘍細胞集団に存在する抗原の量と比較して、そのレベルが減少している。
【0086】
当該ADCは、当該表的部位で当該薬物を放出するように切断されてよいリンカーを含んでよい。当該薬物は、RelA、RelB、RelC、RelD又はRelEから選択される化合物でありうる。すなわち、当該結合体を用いて、化合物RelA、RelB、RelC、RelD又はRelEを標的部位に選択的に提供しうる。
当該リンカーは当該表的部位に存在する酵素により切断されてよい。
本開示は、特に、特許文献1に開示され、かつ本明細書に記載される抗CD25 ADCによる治療に関する。
【0087】
〔抗CD25ADC〕
本明細書中で用いられる用語「CD25−ADC」は、抗体成分が抗CD25抗体であるADCをいう。用語「PBD−ADC」とは、医薬成分がピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭(warhead)であるADCをいう。用語「抗CD25−ADC」とは、抗体成分が抗CD25抗体であり、医薬成分がPBD弾頭であるADCをいう。
【0088】
当該ADCは、式L−(D
L)
pの結合体を含んでよく、ここで、D
Lは、以下の式I又はIIである:
【0089】
【化1】
(式中、
Lは、CD25に結合する抗体である抗体(Ab)であり;
C2’とC3’の間に二重結合がある場合、R
12は、以下の:
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1〜7アルキル、C
3〜7ヘテロシクリル及びビス−オキシ−C
1〜3アルキレンを含む群から選択される、1又はそれ以上の置換基により置換されるC
5〜10アリール基;
(ib)C
1〜5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3〜6飽和シクロアルキル;
(id)
【0090】
【化2】
(式中、R
21、R
22及びR
23は各々、独立して、H、C
1〜3飽和アルキル、C
2〜3アルケニル、C
2〜3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、R
12基の炭素原子の総数は5個以下である);
(ie)
【0091】
【化3】
(式中、R
25a及びR
25bの一方がHであり、他方が、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシ;ピリジルから選択される基により置換されるフェニル;及びチオフェニルから選択さる);
(if)
【0092】
【化4】
(式中、R
24は、H;C
1〜3飽和アルキル;C
2〜3アルケニル;C
2〜3アルキニル;シクロプロピル;場合によっては、ハロ、メチル、メトキシ;ピリジルで選択される基により置換されるフェニル;及びチオフェニルから選択される);
からなる群から選択され;
C2’とC3’の間に単結合がある場合、
R
12は、以下の:
【0093】
【化5】
(式中、R
26a及びR
26bは、独立して、H、F、C
1〜4飽和アルキル、C
2〜3アルケニルから選択され、当該アルキル及びアルケニル基は、場合によっては、C
1〜4アルキルアミド及びC
1〜4アルキルエステルから選択される基により置換されてよく;又は、R
26a及びR
26bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1〜4アルキルエステルから選択され;
R
6及びR
9は、独立して、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから選択され;
ここで、R及びR’は、独立して、場合によっては、置換されたC
1〜12アルキル、C
3〜20ヘテロシクリル及びC
5〜20アリール基から選択され;
R
7は、H、R、OH、OR、SH、SR、NH
2、NHR、NRR’、ニトロ、Me
3Sn及びハロから選択され;
R”は、C3〜12アルキレン基であり、その鎖は、1又はそれ以上のヘテロ原子、例えばO、S、NR
N2(ここで、R
N2は、H又はC
1〜4アルキルである)、及び/又は芳香環、例えばベンゼン又はピリジンにより中断されてよく;
Y、Y’は、O、S又はNHから選択され;
R
6’、R
7’、R
9’は各々、R
6、R
7及びR
9と上記同じ基から選択され;
[式I]
R
L1’は、当該抗体(Ab)に結合するリンカーであり;
R
11aは、OH、OR
AであってR
AはC
1〜4アルキルであり、及びSOzMであって、zは2又は3であり、Mは一価の医薬的に許容されるカチオンである、から選択され;
R
20とR
21はともに、それらが結合する窒素原子と炭素原子の間に二重結合を形成し;
R
20は、H及びR
Cから選択され、ここでR
Cはキャッピング基であり;
R
21は、OH、OR
A及びSOzMから選択され;
C2とC3の間に二重結合がある場合、R
2は、以下の:
(ia)場合によっては、ハロ、ニトロ、シアノ、エーテル、カルボキシ、エステル、C
1〜7アルキル、C
3〜7ヘテロシクリル及びビス−オキシ−C
1〜3アルキレンを含む群から選択される、1又はそれ以上の置換基により置換されるC
5〜10アリール基;
(ib)C
1〜5飽和脂肪族アルキル;
(ic)C
3〜6飽和シクロアルキル;
(id)
【0094】
【化6】
(式中、R
11、R
12及びR
13は各々、独立して、H、C
1〜3飽和アルキル、C
2〜3アルケニル、C
2〜3アルキニル及びシクロプロピルから選択され、ここで、R
2基中の炭素原子の総数は5個以下である);
(ie)
【0095】
【化7】
(式中、R
15a及びR
15bの一方がHであり、他方が、場合によっては、ハロ、メチル、メトキシ;ピリジルから選択される基により置換されてよいフェニル及びチオフェニルから選択される);
(if)
【0096】
【化8】
(式中、R
14は、H;C
1〜3飽和アルキル;C
2〜3アルケニル;C
2〜3アルキニル;シクロプロピル;場合によっては、ハロ、メチル、メトキシ;ピリジルで選択される基により置換されるフェニル;及びチオフェニルから選択される));
からなる群から選択され;
C2とC3の間に単結合がある場合、
R
2は、
【0097】
【化9】
(式中、R
16a及びR
16bは、独立して、H、F、C
1〜4飽和アルキル、C
2〜3アルケニルから選択され、当該アルキル及びアルケニル基は、場合によっては、C
1〜4アルキルアミド及びC
1〜4アルキルエステルから選択される基により置換されてよく;又は、R
16a及びR
16bの一方がHである場合、他方は、ニトリル及びC
1〜4アルキルエステルから選択される);
〔式II〕
R
22は、以下の式IIIa、式IIIb又は式IIIcであり:
(a)
【0098】
【化10】
(式中、Aは、C
5〜7アリール基であり、以下の:
(i)Q
1は単結合であり、かつ、Q
2は単結合及び−Z−(CH
2)
n−から選択され、ここで、当該Zは、単結合、O、S及びNHから選択され、nは1〜3である;か又は、
(ii)Q
1は−CH=CH−、かつ、Q2は単結合である;のいずれかである);
(b)
【0099】
【化11】
(式中、R
C1、R
C2及びR
C3は、独立して、H及び非置換C
1〜2アルキルから選択される);
(c)
【0100】
【化12】
(式中、Qは、O−R
L2’、S−R
L2’及びNR
N−R
L2’から選択され、R
Nは、H、メチル及びエチルから選択され、
Xは、O−R
L2’、S−R
L2’、CO
2−R
L2’、CO−R
L2’、NH−C(=O)−R
L2’、NHNH−R
L2’、CONHNH−R
L2’、
【0101】
【化13】
、NR
NR
L2’を含む群から選択され、ここで、R
Nは、H及びC
1〜4アルキルを含む群から選択され;
R
L2’は、抗体(Ab)に結合するリンカーであり;
R
10とR
11はともに、それらと結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか又は;
R
10はHであり、R
11はOH、OR
A及びSOzMから選択され;
R
30及びR
31はともに、それらが結合している窒素原子と炭素原子との間に二重結合を形成するか又は、又は;
R
30はHであり、R
31はOH、OR
A及びSOzMから選択される)である。
【0102】
ある実施形態では、L−R
L1’又はL−R
L2’は以下の基:
【0103】
【化14】
(式中、星印は、PBDへの接着点を示し、Abは抗体であり、L
1は切断可能なリンカーであり、AはL
1を抗体に連結する連結基であり、L
2は共有結合であるか、又は−OC(=O)−とともに自己非浸透性リンカーを形成する)である。
当該実施形態のいくつかでは、L
1は酵素で切断されうる。
当該ADCが、CD25発現がん治療で有用であることは以前に示されている(例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1参照)。
【0104】
用語「抗CD25−ADC」としては、特許文献1に記載されたいかなる実施形態があげられる。特に、好ましい実施形態では、ADCには、以下の:
【0105】
【化15】
(式中、当該AbはCD25抗体であり、当該DARは、1〜8である)である
化学構造があってよい。
【0106】
当該抗体は、配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含むVHドメインを含んでよい。
【0107】
ある態様では、抗CD25−ADCの抗体成分は、配列番号3のアミノ酸配列を有するVH CDR1、配列番号4のアミノ酸配列を有するVH CDR2、及び配列番号5のアミノ酸配列を有するVH CDR3を含む抗体である。ある実施形態では、当該抗体は、配列番号1の配列を有するVHドメインを含む。
【0108】
当該抗体は、さらに、配列番号6のアミノ酸配列を有するVL CDR1、配列番号7のアミノ酸配列を有するVL CDR2、及び配列番号8のアミノ酸配列を有するVL CDR3を含むVLドメインを含みうる。ある実施形態では、当該抗体は、さらに、配列番号2の配列を有するVLドメインを含む。
【0109】
ある実施形態では、当該抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含み、当該VHドメイン及びVLドメインには、配列番号2と対である配列番号1の配列がある。
【0110】
当該VHドメイン及びVLドメインは、CD25に結合する抗体抗原結合部位を形成するように対合しうる。
【0111】
好ましい実施形態では、当該抗体は、VHドメイン及びVLドメインを含むインタクト抗体であり、当該VHドメイン及びVLドメインには、配列番号1及び配列番号2の配列がある。
【0112】
ある実施形態では、当該抗体は完全ヒトモノクローナルIgG1抗体、好ましくは、IgG1
,κである。
【0113】
ある実施形態では、当該抗体は国際公開第2004/045512号パンフレット(GenmabA/S)に記載されたAB12抗体である。
【0114】
ある態様では、抗体は、以下に記載される、改変(又はさらなる改変)された本明細書に記載される抗体である。ある実施形態では、当該抗体は、本明細書に開示された抗体の、ヒト化、脱免疫又は再表面化抗体である。
【0115】
本開示の態様と併用するのに好ましい抗CD25−ADCは、以下に記載する、ADCX25である。第2の好ましい抗CD25−ADCは、ADCT−301である。
【0116】
〔
ADCx25〕
ADCx25は、切断可能なリンカーを介してピロロベンゾジアゼピン(PBD)弾頭に結合したヒトCD25に対するヒト抗体から構成される抗体薬物結合体である。ADCX25の作用機序はCD25の結合に依存する。CD25特異的抗体は、抗体薬物結合体(ADC)を、CD25を発現する細胞に標的化する。結合すると、ADCは内部に取り込まれ、リソソームに輸送され、そこでプロテアーゼ感受性リンカーが切断され、遊離PBD二量体が標的細胞内に放出される。放出されたPBD二量体は、RNAポリメラーゼの直接的な阻害又は関連する転写因子の相互作用の阻害のため、配列選択的に転写を阻害する。PBD二量体は、DNA二重らせんを歪めず、ヌクレオチド除去修復因子が認識しない共有架橋を産生し、より有効期間が長くなり得る(Hartley 2011)。
【0117】
それには、以下の:
【0118】
【化16】
化学構造がある。
【0119】
Abは、抗体AB12(完全ヒトヒトモノクローナルIgG1、各々配列番号1及び2であるVH及びVL配列を備えるK抗体、HuMax−TACとしても知られている)を表す。それは特許文献1(Conj AB12−E)に記載されているように合成され、通常、DAR(薬物対抗体比)が2.0+/−0.3である。
【0120】
〔
CD25の結合〕
本明細書で用いられる「第1標的タンパク質」(FTP)は、好ましくは、CD25である。
【0121】
本明細書において「CD25に結合する」とは、抗体が、ウシ血清アルブミン等の非特異的パートナー(BSA、Genbank受託番号CAA76847版(version)番号CAA76847.1GI:3336842記録更新日2011年1月7日午後2:30)よりも高い親和性でCD25に結合することを意味する。ある実施形態では、抗体は、生理学的条件で測定した場合、BSAに対する抗体の会合定数より少なくとも2、3、4、5、10、20、50、100、200、500、1000、2000、5000、10
4、10
5又は10
6倍高い会合定数(Ka)で、CD25と結合する。本開示の抗体は、高親和性でCD25に結合しうる。例えば、いくつかの実施形態では、当該抗体は、1×10
−6、10
−7、10
−8、10
−9、10
−10、10
−11、10
−12、10
−13又は10
−14の1以下の、約10
−6Mと等しいか又はそれ未満のK
DでCD25と結合しうる。
【0122】
ある実施形態では、CD25ポリペプチドは、Genbank受託番号NP_000408版番号NP_000408.1GI:4557667記録更新日2012年9月9日午後04:59に対応する。一の実施形態では、CD25ポリペプチドをコードする核酸はGenbank受託番号NM_000417版番号NM_000417.2GI:269973860記録更新日2012年9月9日午後04:59に対応する。ある実施形態では、CD25ポリペプチドは、Uniprot/Swiss−Prot受託番号P01589に対応する。
【0123】
〔ゲムシタビン〕
作用機序の異なる薬物の併用は、がん闘病の確立された治療原理である。相乗効果が認められた場合、及び/又は毒性の低下が認められた場合、抗腫瘍活性が高まる方法となりうる。抗体−薬物結合体(PBD弾頭があるものを含む)は、従来の化学療法と比較してより標的化されるため、結合パートナーとして特に適する場合がある。PBD二量体はDNAを共有結合的に架橋するので、異なるメカニズムを介してDNA合成を妨害する他の医薬と組み合わせると、利点が得られる見込みがある。併用療法の例は、ゲムシタビンである。
【0124】
ゲムシタビンは、抗腫瘍活性がある広域スペクトルの代謝拮抗薬及びデオキシシチジン類似体である。ゲムシタビンを投与すると、デオキシシチジンキナーゼによって活性代謝物のジフルオロデオキシシチジン二リン酸(dFdCDP)とジフルオロデオキシシチジン三リン酸(dFdCTP)に変換される。dFdCTPはデオキシシチジン三リン酸(dCTP)と競合し、DNAに取り込まれる。こうしてDNAポリメラーゼが固定され、DNA複製の際に転写終結がマスクされる。一方、dFdCDPはリボヌクレオチドレダクターゼを阻害し、DNA合成に利用できるデオキシヌクレオチドプールを減少させる。dCTPの細胞内濃度が低下すると、DNAへのdFdCTPの取り込みが増強される。
【0125】
ゲムシタビンは様々な固形腫瘍に活性を示し、非小細胞肺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がんの治療薬として承認されている。最近のデータから、ゲムシタビンは卵巣がんに対しても有効であることが示された。ゲムシタビンの毒性プロファイルは良好であり、最も一般的な副作用は骨髄抑制であるが、非血液学的事象は比較的まれであることが報告されている(Toschiら、2005、Future Oncology、Vol.1(1)、pp.7−17)。
【0126】
【化17】
〔5−フルオロウラシル〕
作用機序の異なる薬物の併用は、がん闘病の確立された治療原理である。相乗効果が認められた場合、及び/又は毒性の低下が認められた場合、抗腫瘍活性が高まる方法となりうる。抗体−薬物結合体(PBD弾頭があるものを含む)は、従来の化学療法と比較してより標的化されるため、結合パートナーとして特に適する場合がある。PBD二量体はDNAを共有結合的に架橋するので、異なるメカニズムを介してDNA合成を妨害する他の医薬と組み合わせると、利点が得られる見込みがある。他の併用例は、5−フルオロウラシルである。
【0127】
5−フルオロウラシルは、抗腫瘍活性を有するヌクレオシドピリミジンの代謝拮抗薬フルオロピリミジン類似体である。5−フルオロウラシルとその代謝産物には、多くの異なる作用機序がある。インビボでは、5−フルオロウラシルは活性代謝産物である5−フルオロオキシウリジン一リン酸(F−UMP)に変換され、ウラシルの代わりにF−UMPがRNAに取り込まれてRNAプロセシングを阻害し、それによって細胞増殖を阻害する。もう一つの活性代謝物である5‐5‐フルオロ‐2’‐デオキシウリジン‐5’‐O‐一リン酸(F‐dUMP)はチミジル酸シンターゼを阻害し、DNAのインビボ合成に用いられる4つのヌクレオチド三リン酸の1つであるチミジン三リン酸(TTP)を枯渇させる。他の5−フルオロウラシル代謝産物はRNAとDNAの両方に取り込まれ、RNAへの取り込みはRNAプロセシングと機能ともに多大に影響する。
【0128】
5−フルオロウラシルは様々な固形腫瘍に活性を示し、肛門がん、乳がん、大腸がん、食道がん、胃がん、膵臓がん、皮膚がん(特に頭頸部がん)の治療に承認されている。また、日光角化症、皮膚がん、ボーエン病には塗布的に、かつ眼球表面扁平上皮腫瘍の治療では点眼薬として投与される。他の用途としては、以前に作製された、治癒を阻害し、組織の瘢痕化を引き起こす線維柱帯切除術用ブレブに眼注射することが挙げられ、これにより、眼内圧を低下させるのに十分に眼房水流動を行いうる。
【0129】
【化18】
〔上記併用の有利な特性〕
ADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを単独で用いる場合、例えば、がん治療において、いずれも臨床的効能が実証されている。しかしながら、本明細書に記載されているように、ADCとゲムシタビン又は5−フルオロウラシルとの併用は、ADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの単独治療を上回る、以下の:
1)広範囲のがんの効果的な治療;
2)がん等の抵抗性又は難治性の症状、及び寛解期間後に再発したがん等の症状がある個人の有効な治療方法;
3)治療に対する奏効(response)率の上昇;及び/又は
4)治療の耐久性の向上;
の1又はそれ以上の利点を提供することが期待される。
【0130】
本明細書中で用いられるより広範囲のがんの効果的な治療は、併用治療後、より広範囲の認識されたがん型で完全奏効が観察されることを意味する。すなわち、ADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルのいずれか単独での完全奏効がこれまで報告されたことのないがん型では、完全奏効がみられる。
【0131】
本明細書中で用いられる抵抗性、難治性、又は再発性の形態の効果的な治療とは、併用治療後に、部分的又は完全な抵抗性、又はADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルのいずれかによる治療に抵抗性のいずれかである患者(例えば、いずれかの医薬の単独投与後に、奏効が認められないか、部分的にのみ奏効が認められる患者、又は疾患が再発した患者)に完全奏効が観察されることを意味する。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの組合せによる治療後の完全奏効は、部分的又は完全に抵抗性であるか又はADC若しくはゲムシタビン又は5−フルオロウラシルのいずれかによる治療に抵抗性である個人の少なくとも10%で観察される。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの組合せによる治療後の完全奏効は、ADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルのいずれかによる治療に部分的又は完全に抵抗性であるか又は難治性であるかのいずれかである個体の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%で観察される。
【0132】
本明細書中で用いられる治療に対する奏効率の上昇は、併用治療後に、ADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシル単独のいずれかによる治療後に観察されるよりも、より高い比率の個人において完全奏効が観察されることを意味する。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの組み合わせによる治療後の完全奏効が、治療された個体の少なくとも10%で観察される。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの組合せによる治療後の完全奏効は、治療された個体の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%又は少なくとも99%で観察される。
【0133】
本明細書で用いる治療の持続性の上昇は、併用療法を受けた患者における完全奏効の平均持続期間が、ADC又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルのいずれかの単独治療後に完全奏効を達成した患者よりも長いことを意味する。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの併用治療後の完全奏効の平均期間は、少なくとも6ヶ月である。いくつかの実施形態では、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの併用治療後の完全奏効の平均期間は、少なくとも12ヵ月、少なくとも18ヵ月、少なくとも24ヵ月、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも6年、少なくとも7年、少なくとも8年、少なくとも9年、少なくとも10年、少なくとも15年、又は少なくとも20年である。
【0134】
本明細書では、「完全奏効」とは、個体における疾患のいかなる臨床的証拠も存在しないことを意味することに用いられる。当該証拠は、当該技術分野における適当な方法、例えば、CT又はPETスキャン、又は必要に応じて生検を用いて評価されうる。完全奏効を達成するために必要な投与数は、1、2、3、4、5、10又はそれ以上であってよい。ある実施形態では、個体は、初回用量投投与後、6ヶ月以内、3ヶ月以内、1ヶ月以内、2週間以内、若しくは1週間以内等のように、初回用量投与から1年以内に完全奏効を達成する。
【0135】
〔治療される疾患〕
本明細書に記載される併用治療は、抗がん活性に関する効能があるものを含む。特に、特定の態様では、当該治療は、PBD薬物部分、即ち、毒素に結合した、即ち、リンカーによって共有結合的に結合した抗体を含む。当該薬物が抗体に結合されていない場合、当該PBD薬物には細胞毒性作用がある。従って、PBD薬物部分の生物学的活性は、抗体への結合により調節される。本開示の抗体−薬物結合体(ADC)は、有効量の細胞毒性剤を腫瘍組織に選択的に送達し、それにより、選択性がより大きく、すなわち、有効量がより低量のものが達成されうる。
【0136】
従って、一態様では、本開示は治療に用いる第1標的タンパク質に結合するADCを投与することを含む併用療法を提供し、ここで、当該方法は、当該標的タンパク質の発現に基づき、被験体を選択することを含む。
【0137】
一態様では、本開示は、併用療法に、当該療法が当該使用にふさわしいと決定された被験体に用いることがふさわしいと特定されたラベルを提供する。当該ラベルは、当該療法が、当該第1標的タンパク質の過発現等の、当該第1標的タンパク質を発現する被験体において用いるのに適することを特定してよい。
【0138】
第1標的タンパク質は、好ましくはCD25である。がんは、AML等のリンパ腫であってよい。当該ラベルは、当該被験体がCD25+リンパ腫であることを特定してよい。
【0139】
他の態様では、増殖性疾患の治療に用いる、本明細書に記載の併用療法も提供される。本開示の他の態様では、増殖性疾患を治療する医薬の製造における結合体化合物の使用を提供する。
【0140】
当業者は、候補併用療法がいかなる特定細胞型の増殖状態を治療するか否かを容易に決定しうる。例えば、特定の化合物によって提供される活性を評価するのに好都合に用いられうるアッセイは、以下に記載される。
【0141】
本明細書に記載される併用療法は、増殖性疾患の治療に用いられうる。用語「増殖性疾患」は、インビトロ又はインビボのいずれかで、腫瘍性又は過形成性増殖等の、望ましくない過剰又は異常な細胞の望ましくない又は制御されない細胞増殖に関する。
【0142】
増殖性状態の例としては、限定されるものではないが、良性、前悪性、及び悪性の細胞増殖が挙げられ、これには、新生物及び腫瘍(例えば、組織細胞腫、神経膠腫、星状細胞腫、骨腫)、がん(例えば、肺がん、小細胞肺がん、消化管がん、大腸がん、結腸がん、胸部カリノーマ、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、肝臓がん、腎臓がん、膀胱がん、膵臓がん、脳がん、肉腫、骨肉腫、カポジ肉腫、黒色腫)、リンパ腫、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性疾患(例えば、結合組織の線維性疾患)、及びアテローム性動脈硬化症があげられるが、これらに限定されない。対象のがんとしては、白血病及び卵巣がんがあげられるが、これらに限定されない。
いかなる治療されうる細胞としては、肺、胃腸(例えば、腸、結腸を含む)、乳房(乳房)、卵巣、前立腺、肝臓(肝臓)、腎臓(腎臓)、膀胱、膵臓、脳、及び皮膚を含むが、これらに限定されない。
【0143】
特に注目すべき増殖性疾患としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)及び白血病(有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)[Fielding A.Haematologica2010Jan;95(1):8−12]等のホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫があげられるが、これらに限定されない。
【0144】
増殖性疾患は、CD25+ve及びCD25−ve細胞の両方を含む新生物の存在によって特徴づけられる。
【0145】
増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞から構成される新生物の存在を特徴とすることができ、ここで、CD25−ve腫瘍細胞はCD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞など)と会合してよい。
【0146】
標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0147】
本明細書における「固形腫瘍」は、本明細書でより詳細に議論されるリンパ腫(ホジキンリンパ腫又は非ホジキンリンパ腫)等の固形血液がんを含むと理解されるであろう。
【0148】
固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍は、CD25(すなわち、CD25−ve新生物細胞を含むか、又はから構成される)の発現がない場合がある。
【0149】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0150】
本開示の併用療法は、様々な疾患又は症状、例えば腫瘍抗原の過剰発現を特徴とする疾患又は疾患の治療に用いられうることが企図される。例示的な状態又は過剰増殖性疾患には、良性腫瘍又は悪性腫瘍;白血病、血液学的悪性腫瘍及びリンパ性悪性腫瘍が含まれる。その他としては、自己免疫疾患及び移植片対宿主病(GVHD)を含む、ニューロン、グリア、星状細胞、視床下部、腺、マクロファージ、上皮、間質、胞胚腔、炎症、血管新生、及び免疫があげられる。
【0151】
一般に、治療すべき疾患又は疾患は、がん等の過剰増殖性疾患である。本明細書で治療されるがんの例としては、以下の:がん種、リンパ種、芽腫、肉腫及び白血病、又は、リンパ球性悪性腫瘍があげられるがこれらに限定されない。当該がんのより特定の例としては、扁平上皮がん(例えば、上皮性扁平上皮がん)、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん及び肺扁平上皮がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん(消化管がん、膵がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝がん、膀胱がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、子宮内膜がん、唾液腺がん、腎臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん、肛門がん、陰茎がん、並びに頭頸部がんがあげられる。
【0152】
治療において併用療法が用いられうる自己免疫疾患には、リウマチ性疾患(例えば、関節リウマチ、シェーグレン症候群、強皮症、SLE及びループス腎炎等のループス、多発性筋炎/皮膚筋炎、クリオグロブリン血症、抗リン脂質抗体症候群、及び乾癬性関節炎)、変形性関節症、自己免疫性胃腸疾患及び肝疾患(例えば、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎及びクローン病)、自己免疫性胃炎及び悪性貧血、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、及びセリアック病)、血管炎(例えば、チャーグ−ストラウス血管炎を含むANCA関連血管炎、ウェゲナー)が含まれる。多発性動脈炎、多発性硬化症、眼球クローヌス・ミオクローヌス症候群、重症筋無力症、視神経脊髄炎、パーキンソン病、自己免疫性多発神経疾患等の自己免疫神経疾患、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、ベルジェ病等の腎疾患、皮膚疾患(例えば、乾癬、蕁麻疹、じんま疹、尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡、皮膚エリテマトーデス)、血液疾患(例えば、血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病、輸血後紫斑病、自己免疫性溶血性貧血)、アテローム性動脈硬化症、ブドウ膜炎、自己免疫性難聴(例えば、内耳疾患及び聴力低下)、ベーチェット病、レイノー症候群、臓器移植、移植片対宿主病(GVHD)、自己免疫性内分泌疾患(例えば、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、アジソン病、自己免疫性甲状腺疾患(例えば、グレーブス病及び甲状腺炎)等の糖尿病関連自己免疫疾患)があげられる。当該疾患としては、より好ましくは、例えば、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ANCA関連血管炎、ループス、多発性硬化症、シェーグレン症候群、グレーブス病、IDDM、悪性貧血、甲状腺炎、及び糸球体腎炎があげられる。
【0153】
いくつかの態様では、被験体には、(古典的な)ホジキンリンパ腫から選択される増殖性障害、混合細胞型(ホジキン/リード・スターンベルト細胞。CD25+/−)を備えるもの、又はB細胞慢性リンパ性白血病、びまん性大細胞B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫、(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ腫(CLL)、限界帯B細胞リンパ腫(MZBL)、および毛細血管白血病(HCL)変異型毛球性白血病(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、フィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)若しくはフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)[Fielding A.,Haematologica.2010Jan;95(1):8−12]、小細胞リンパ球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、又は未分化大細胞リンパ腫等の白血病を含む非ホジキンリンパ腫から選択される、増殖性障害がある。
【0154】
いくつかの態様では、被験体は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在を特徴とする増殖性疾患に罹患している。
【0155】
当該増殖性疾患は、CD25−ve腫瘍細胞から構成される新生物の存在を特徴とすることができ、ここで、CD25−ve腫瘍細胞はCD25+ve非腫瘍性細胞(CD25+ve T細胞等)と会合してよい。
【0156】
標的腫瘍又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。
【0157】
当該固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はCD25+ve腫瘍細胞で構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した非血液学的がんを含む新生物でありうる;当該固形腫瘍は、CD25(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)の発現がない場合がある。
【0158】
例えば、固形腫瘍は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである腫瘍でありうる。従って、固形腫瘍は、膵臓がん、乳がん、結腸直腸がん、胃及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、及び頭頸部がんでありうる。
【0159】
古典的ホジキンリンパ腫には、結節性硬化型、リンパ球優位型、リンパ球枯渇型及び混合型がある。ホジキンリンパ腫の亜型は定義されていない場合がある。特定の態様では、本明細書の方法に従って試験された患者には、結節性硬化型及び混合細胞型のホジキンリンパ腫がある。
【0160】
ある態様では、被験体には、未分化大細胞型リンパ腫及び血管免疫芽球性T細胞リンパ腫サブタイプを含むびまん性大細胞型B細胞リンパ腫又は末梢性T細胞リンパ腫がある。
【0161】
〔被験体の選択〕
特定の態様では、個体は、治療投与前に、併用療法による治療に適するものが選択される。
【0162】
本明細書中で用いられる、治療に適すると考えられる個体は、治療から利益を得る、又は治療に奏効すると期待される個体である。個人は、がんに罹患しているか、罹患している疑いがあるか、又はがんに罹患するリスクがある。個人はがん診断の受診をしてよい。特に、個人は、リンパ腫があるか、あると疑われるか、又はそのリスクがある。ある場合、個人には、第1標的タンパク質を発現する腫瘍関連非腫瘍細胞(例えば、第1標的タンパク質を発現する浸潤性T細胞)を備える固形がんがあるか、と疑われるか、又はそのリスクがある。
【0163】
ある態様では、個体は、第1標的タンパク質の発現の量又はパターンに基づいて選択される。いくつかの態様では、当該選択は、細胞表面における第1標的タンパク質の発現に基づく。したがって、ある場合、個体は、がんであるか、と疑われるか、若しくはそのリスクがあるか、又は、第1標的タンパク質(CD25等)の表面発現が低レベルである細胞を含む新生物の存在により特徴付けられる増殖性疾患と診断されているかに基づいて、選択される。当該新生物は、第1標的タンパク質(CD25等)の表面発現が低レベルである細胞から構成されうる。いくつかの場合、表面発現が低レベルとは、新生物細胞当たり結合した抗FTP抗体の平均数が20000未満、例えば、10000未満、5000未満、2000未満、1000未満、500未満、400未満、300未満、200未満、又は100未満であることをいう。いくつかの場合、細胞当たりの結合抗体の平均数は、実施例9に記載されたアッセイを用いて測定される。
【0164】
ある態様では、個体は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物を有することに基づいて選択される。当該新生物は、CD25−ve腫瘍性細胞から構成されてよく、当該CD25−ve腫瘍性細胞は、CD25+ve腫瘍性細胞等のCD25+ve非腫瘍性細胞と会合してよい。新生物又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分であってよい。固形腫瘍は部分的又は全体的にCD25−veであり、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞で浸潤される。
【0165】
特定の態様では、標的は第2標的タンパク質である。いくつかの態様では、当該選択は、細胞表面における第2標的タンパク質の発現に基づく。
【0166】
いくつかの態様では、当該選択は、細胞表面における第1標的タンパク質及び第2標的タンパク質の両レベルに基づく。
【0167】
ある場合、関心対象の特定組織における標的の発現が測定される。例えば、リンパ組織又は腫瘍組織の試料中である。場合によっては、標的の全身発現が測定される。例えば、血液、血漿、血清又はリンパ液等の循環流体の試料中である。
【0168】
いくつかの態様では、個体は、試料中の標的発現の存在により、治療に適すると選択される。この場合、標的遺伝子を発現しない個体は治療に適さないと考えられる。
【0169】
他の態様では、標的発現のレベルは、治療に適する個体の選択に用いられる。標的の発現レベルが閾値レベルを超える場合、個体は治療に適すると決定される。
【0170】
いくつかの態様では、試料中の細胞中の第1標的タンパク質及び/又は第2標的タンパク質の存在は、当該個体がADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを含む併用治療に適することを示す。他の態様では、第1標的タンパク質及び/又は第2標的タンパク質発現量が閾値レベルを超えれば、当該個体が治療に適することを示す。いくつかの態様では、試料において、第1標的タンパク質及び/又は第2標的タンパク質の局在が、対照と比較して、変化するという観察は、その個体が治療に適することを示す。
【0171】
いくつかの態様では、IHCにより決定されるように、リンパ節又は節外部位から得られた細胞が、第1標的タンパク質及び/又は第2標的タンパク質に対する抗体と反応する場合、個体は治療に適すると示される。
【0172】
いくつかの態様では、試料中の全細胞の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上が第1標的タンパク質を発現する場合、患者は治療に適すると決定される。本明細書に開示されるいくつかの態様では、試料中の細胞の少なくとも10%が第1標的タンパク質を発現する場合、患者は治療に適すると決定される。
【0173】
いくつかの態様では、試料中の全細胞の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%以上が第2標的タンパク質を発現する場合、患者は治療に適すると決定される。本明細書に開示されるいくつかの態様では、試料中の細胞の少なくとも10%が第2標的タンパク質を発現する場合、患者は治療に適すると決定される。
【0174】
第1標的タンパク質は、好ましくはCD25である。
【0175】
〔
試料〕
試料は、ある量の血液;フィブリン凝固物及び血液細胞の除去後に得られた血液の流体部分を含んでよい個体の血液から誘導されたある量の血清;ある量の膵液;組織試料又は生検;又は当該個体から単離された細胞を含むことができ、又はそれらから誘導しうる。
【0176】
当該試料は、いかなる組織又は体液から採取されうる。特定の態様では、試料は、組織試料、生検、切除、又は前記個体から単離された細胞を含みうるか、又はそれらに由来しうる。
【0177】
特定の態様では、試料は組織試料である。当該試料は、がん性腫瘍組織等の腫瘍組織の試料でありうる。試料は、腫瘍生検によって得られてよい。いくつかの態様では、試料は、リンパ系病変試料又はリンパ節生検等のリンパ系組織試料である。場合によっては、試料は皮膚生検である。
【0178】
いくつかの態様では、試料は、体液、より好ましくは体内を循環物から採取される。従って、試料は、血液試料又はリンパ試料でありうる。場合によっては、尿試料や唾液試料が採取される。
【0179】
場合によっては、当該試料は、血液試料又は血液由来試料である。当該血液由来試料は、個体の血液の選択された画分、例えば、選択された細胞含有画分又は血漿若しくは血清画分でありうる。
【0180】
当該選択された細胞含有画分は、白血球(WBC)、特に末梢血単核細胞(PBC)及び/又は顆粒球、及び/又は赤血球(RBC)を含みうる対象の細胞型を含みうる。従って、本開示による方法は、血液、白血球、末梢血単核細胞、顆粒球及び/又は赤血球中の第1標的ポリペプチド又は核酸の検出を含みうる。
【0181】
試料は、新鮮であってよいし、保存用であってよい。例えば、保存組織は、個体の最初の診断、又は再発時の生検によるものでありうる。特定の態様では、試料は新鮮な生検である。
【0182】
第1標的ポリペプチドは好ましくはCD25である。
【0183】
〔
個体の状況〕
個体は、動物、哺乳類、胎児哺乳類、有袋類(例えば、カンガルー、ウォンバット)、単頭類(例えば、アヒル科カモノハシ)、げっ歯類(例えば、モルモット、ハムスター、ラット、マウス)、マウス(例えば、マウス)、マウス(例えば、マウス)、ラゴモルフ(例えば、ウサギ)、鳥類(例えば、トリ)、イヌ(例えば、イヌ)、ネコ(例えば、ネコ)、イウマ(例えば、馬)、ヤマアラシ(例えば、豚)、羊(例えば、羊)、ウシ(例えば、牛)、霊長類、類人猿(例えば、サルや猿)、サル(例えば、マーモセット、バブーン)、猿(例えば、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、ジボン)又はヒトでありうる。
【0184】
さらに、個体は、その発生のいかなる形態、例えば、胎児でありうる。好ましい一実施形態では、個体はヒトである。用語「被験体」、「患者」及び「個体」は、本明細書中では互換的に用いられる。
【0185】
本明細書に開示されたいくつかの態様では、個体は、がんであるか、と疑われているか、又はがんのリスクがあると同定される。本明細書に開示されたいくつかの態様では、個体は既にがんと診断されている。患者は(古典的)ホジキンリンパ腫(結節性硬化型、リンパ球優位型、リンパ球型、又は混合細胞型、又は型が不明の場合を含む)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)又は末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(亜型ALCL:未分化大細胞型リンパ腫又はAITL:血管免疫芽球性T細胞リンパ腫を含む)の診断を受けていてよい。症例によっては、結節性硬化性又は混合細胞型古典的ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、又は血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断されている。
【0186】
ある場合、個体は、CD25+ve及びCD25−ve細胞をともに含む新生物の存在を特徴とする増殖性疾患であるか、又は疑いがある。新生物は、CD25−ve腫瘍性細胞から構成されてよく、CD25−ve腫瘍性細胞は、CD25+ve腫瘍性細胞等のCD25+ve非腫瘍性細胞と会合してよい。新生物又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分でありうる。固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はから構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した新生物(非血液学的がんを含む)でありうる;当該固形腫瘍は、CD25を発現しない(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)。
【0187】
ある場合、個体には、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、高レベルの浸潤性T細胞を有する固形腫瘍であるか、と疑われる。腫瘍中の腫瘍細胞の部分又は全部は、CD25−veでありうる。固形腫瘍としては、膵がん、乳がん、大腸がん、胃がん及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、頭頸部がん等でありうる。
【0188】
ある場合、個体は、(古典的)ホジキンリンパ腫ホジキンリンパ腫(混合細胞型)、又は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ性リンパ腫(CLL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(MZBL)、有毛細胞白血病(HCL)、有毛細胞白血病変異型(HCL−v)、急性骨髄性白血病(AML)、及びフィラデルフィア染色体陽性ALL(Ph+ALL)又はフィラデルフィア染色体陰性ALL(Ph−ALL)等の急性リンパ芽球性白血病(ALL)[Fielding A.、Haematologica.2010,95(1):8−12]、小細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、及び未分化大細胞型リンパ腫等の白血病を含む、非ホジキンリンパ腫等のがんと診断されている。
【0189】
ある場合、個体は、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、全身性肥満細胞症、B細胞リンパ腫、非造血腫瘍、末梢T細胞リンパ腫及び組織球増殖と診断されている。
【0190】
ある場合、個体は、第1標的タンパク質(CD25等)の表面発現が低レベルである細胞を含む新生物の存在を特徴とする増殖性疾患である、であると疑われているか、又は、と診断されている。当該新生物は、第1標的タンパク質(CD25等)の表面発現が低レベルである細胞から構成されうる。いくつかの場合、低いレベルの表面発現とは、新生物細胞当たり結合した抗FTP抗体の平均数が20000未満であることを意味し、例えば、10000未満、5000未満、2000未満、1000未満、500未満、400未満、300未満、200未満、又は100未満である。
【0191】
ある場合、個体は、CD25+ve及びCD25−ve細胞の両方を含む新生物の存在を特徴とする増殖性疾患と診断されている。新生物は、CD25−ve腫瘍性細胞から構成されてよく、CD25−ve腫瘍性細胞は、CD25+ve腫瘍性細胞等のCD25+ve非腫瘍性細胞と会合してよい。当該新生物又は腫瘍細胞は、固形腫瘍の全部又は部分でありうる。固形腫瘍は、CD25+ve腫瘍細胞を含む、又はから構成される、非血液学的がんを含む新生物でありうる。当該固形腫瘍は、CD25+ve T細胞等のCD25+ve細胞が浸潤した新生物(非血液学的がんを含む)でありうる;当該固形腫瘍は、CD25を発現しない(すなわち、CD25−ve腫瘍細胞を含む、又はCD25−ve腫瘍細胞から構成される)。
【0192】
ある場合、個体は、浸潤性調節性T細胞(Treg;Menetrier−Caux,C.ら、TargOncol(2012)7:15−28;Arce Vargasら、2017,Immunity46,1−10;Tanaka,A.ら、Cell Res.2017年1月27(1):109−118)等の、浸潤性T細胞が高レベルである固形腫瘍と診断されている。腫瘍中の腫瘍細胞の部分又は全部は、CD25−veでありうる。固形腫瘍としては、膵がん、乳がん、大腸がん、胃がん及び食道がん、白血病及びリンパ腫、黒色腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、肝細胞がん、腎細胞がん、頭頸部がん等でありうる。
【0193】
ある場合、個体は、CD25+発現浸潤性T細胞を含む固形がんと診断されている。
【0194】
当該個体は、当該がんの治療中であるか、又は治療されていてよい。当該被験体は、ADCX25又はADCT−301を以前に投与されている場合もあれば、そうでない場合もある。ある場合、当該がんは、ホジキンリンパ腫や非ホジキンリンパ腫を含む、リンパ腫である。
【0195】
〔参照〕
いくつかの態様では、個体における標的発現は、対照における標的発現と比較される。対照は、染色の妥当性の支持及び、実験的アーチファクトを同定に有用である。
【0196】
ある場合、対照は参照試料又は参照データセットであってよい。参照は、適合性の程度が既知である個体から以前に得られた試料であってよい。参照は、参照試料の分析から得られたデータセットであってよい。
【0197】
対照は、標的分子の存在が既知であるか、又は高レベルで発現される陽性対照、又は標的分子の不存在が既知であるか、又は発現が低レベルである陰性対照であってよい。
【0198】
対照は、治療から利益が得られることが知られている個人から採取した組織の試料であってよい。当該組織は、試験される試料と同型であってよい。例えば、個体由来の腫瘍組織の試料は、治療に適することが知られている個体、例えば、以前に治療に奏効した個体由来の腫瘍組織の対照試料と比較してよい。
【0199】
ある場合、対照は、試験試料として同じ個体から得られたが、健常であることが知られている組織から得られた試料であってよい。つまり、ある個体由来のがん性組織の試料は、非がん性組織試料と比較されてよい。
ある場合、対照は細胞培養試料である。
【0200】
ある場合、抗体と、インキュベーション前に、試験試料を分析し、当該試料に固有のバックグラウンド染色のレベルを決定する。
【0201】
ある場合、アイソタイプ対照が用いられる。アイソタイプ対照は、標的特異的抗体と同クラスの抗体を用いるが、当該試料とは免疫反応しない。当該対照は、標的特異的抗体の非特異的相互作用の識別に有用である。
【0202】
当該方法は、形態学及び免疫組織化学の血液病理学者による解釈を含み、検査結果の正確な解釈が確実にされうる。当該方法は、発現パターンが予想されるパターンと相関することの確認を含みうる。例えば、第1標的タンパク質及び/又は第2標的タンパク質の発現量を分析する場合、当該方法は、試験試料において、発現が細胞質成分を有する膜染色として観察されることの確認を含むことができる。当該方法は、標的信号対ノイズの比が閾値レベルを超えることの確認を含み、それによって、特異的バックグラウンド信号と非特異的バックグラウンド信号とを明確に識別しうる。
第1標的タンパク質は、好ましくはCD25である。
【0203】
〔治療方法〕
本明細書で用いられる用語「治療」は、症状の治療という文脈で用いられる場合、一般に、ヒト及び動物(例えば、獣医学的用途)が、何らかの所望の治療効果の達成がされたかをいい、例えば、症状の進行が抑制される、治療及び治療に関連し、進行速度の低下、進行速度の停止、症状の退行、症状の改善、及び症状の治癒があげられる。また、予防手段としての治療(すなわち、予防(prophylaxis,prevention)も含まれる。
【0204】
本明細書で用いられる用語「治療有効量」又は「有効量」は、所望の治療レジメンに従って投与される場合、合理的な利益/リスク比に見合った、所望の治療効果を生じさせるのに有効な、活性化合物のその量、又は活性化合物を含む材料、組成物又は用量に関する。
【0205】
同様に、本明細書で用いられる用語「予防的有効量」は、所望の治療レジメンに従って投与される場合、合理的な利益/リスク比に見合った、所望の治療効果を生じさせるのに有効な、活性化合物のその量、又は活性化合物を含む物質、組成物、若しくは用量に関する。
【0206】
本明細書には、治療方法が開示される。治療が必要な被験体に、治療的有効量のADC及びゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを投与することを含む治療方法もまた提供される。用語「治療有効量」は、被験体に利益を示すのに十分な量である。当該利益は、少なくとも1の症状の改善でありうる。実際の投与量、及び投与速度及び時間経過は、治療されるものの性質及び重症度に依存する。治療の処方、例えば投与量の決定は、一般開業医及び他の医師の責任の範囲内である。被験体は、本明細書に開示された方法により治療を受けるそれらの適格性の決定に試験されてよい。当該治療方法は、本明細書に開示された方法を用いて、被験体の治療適格性を決定する工程を含みうる。
【0207】
当該ADCは、抗CD25抗体を含みうる。抗CD25抗体は、HuMax−TACTMでありうる。ADCは、PBD二量体である薬物を含みうる。ADCは、抗CD25−ADC、特に、ADCX25又はADCT−301でありうる。ADCは、特許文献1に開示されるADCであってよい。
【0208】
治療は、ADC/ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの併用を単独で、又はさらに他の治療と併用して、同時に、又は治療すべき状態に応じて逐次的に投与することを含みうる。治療及び治療の例としては、化学療法(例えば、化学療法剤等の薬物を含む活性剤の投与);手術;及び放射線療法があげられるが、これらに限定されない。
【0209】
「化学療法剤」とは、作用機序によらず、がん治療に有用な化合物であり、アルキル化剤、代謝拮抗剤、紡錘体毒素植物アルカロイド、細胞傷害性/抗腫瘍性抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、抗体、光増感剤、キナーゼ阻害剤等があげられるが、これらに限定されない。当該化学療法剤としては、「標的療法」及び従来の化学療法に用いられる化合物があげられる。
【0210】
化学療法剤の例としては、レナリドミド(REVLIMID(登録商標)、セルジーン)、ボリノスタット(ZOLINZA(登録商標)、メルク)、パノビノスタット(FARYDAK(登録商標)、ノバルティス)、モセチノスタット(MGCD0103)、エベロリムス(ZORTRESS(登録商標)、CERTICAN(登録商標)、ノバルティス)、ベンダムスチン(TREAKISYM(登録商標)、RIBOMUSTIN(登録商標)、LEVACT(登録商標)、TREANDA(登録商標)、ムンディファーマインターナショナル)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、ジェネンテック/OSIファーマ)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、サノフィ−アベンティス)、5−FU(フルオロウラシル、5−フルオロウラシル、CAS No.51−21−8)、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標)、リリー)、PD−0325901(CAS No.391210−10−9,ファイザー)、シスプラチン(cis−diamine,dichloroplatinum(II)、CAS No.15663−27−1)、カルボプラチン(CAS No.41575−94−4)、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、ブリストルマイヤーズスクッブオンコロジー、プリンストン)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、ジェネンテック)、テモゾロミド(4−メチル−5−oxo2,3,4,6,8−pentazabicyclo[4.3.0])CAS No.85622−93−1、TEMODAR(登録商標)、TEMODAL(登録商標)、Schering Plough、タモキシフェン((Z)−2−[4−(1,2−ジフェニルブタ−1−エニル)フェノキシ]−N,N−ジメチルエタンアミン、NOLVADEX(登録商標)、ISTUBAL(登録商標)、VALODEX(登録商標)、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標))、Akti−1/2、HPPD、ラパマイシンがあげられる。
【0211】
化学療法剤のさらなる例としては、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、サノフィ)、ボルテゾミブ(ベルケード(登録商標)、ミレニアム・ファーム)、スーテント(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、ファイザー)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、ノバルティス)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、ノバルティス)、XL−518(Mek阻害剤、Exelixis、WO2007/04515)、ARRY−886(Mek阻害剤、AZD6244、Array BioPharma、アストラゼネカ)、SF−1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3K阻害剤、ノバルティス)、XL−147(PI3K阻害剤)があげられる。Exelixis、PTK787/ZK 222584(ノバルティス)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、アストラゼネカ)、ロイコボリン(フォリン酸)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、ワイス)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、グラクソスミスクライン)、ロナファリニブ(SARASAR(登録商標)、SCH 66336、Schering Plough)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、バイエルラボ)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、アストラゼネカ)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、CPT−11、ファイザー)、チピファルニブ(ZARNESTRA(商標)、ジョンソンエンドジョンソン)、ABRAXANEパクリタキセル(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Il)、バンデタニブ(rINN,ZD6474,ZACTIMA(登録商標),アストラゼネカ)、クロランブシル、AG1478,AG1571(Sugen; Sugen)、テムシロリムス(TORISEL(登録商標),ワイス)、パゾパニブ(グラクソスミスクライン)、カンホスファミド(TELCYTA(登録商標),Telik)、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標),NEOSAR(登録商標))、ブスルファン、インポスルファン、ピポスルファン等のアルキルスルホネート、ベンゾドパ等のアジリン類 カルボクオン、メトレドパ及びウレドパ;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド及びトリメチロメラミンを含むエチレンイミン及びメチルアミン;アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノン);カンプトテシン(合成アナログのトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(アドゼルシン、カルゼルシン及びビゼルシン合成アナログを含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成を含む)アナログ、KW−2189及びCB1−TM1;エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコディチン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロロナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン等の窒素マスタード 塩酸オキシド、メルファラン、ノベビキン、フェンエステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ランヌスチン等のニトロソウレア;エネジイン系抗生物質(カリケアマイシン、カリケアマイシンγ1I、カリケアマイシンωI1(Angew Chem.Intl.Engl.1994 33:183−186);ダイネミシン、ダイネミシンA;クロドロネート等のビスホスホネート;エスペラミン;ネオカルジノスタチン発色団及び関連するクロモプロテイン、エンジイン抗生物質発色団;アクラシノミシン、アクリノマイシン アクトラマイシン、アザセシン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン、エピルビシン、エストルビシン、イダルビシン、ネモルビシン、マリセロマイシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン ユビキチン、ジノスタチン、ゾルビシン等の代謝拮抗薬 メトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン等のピリミジン類似体;カルバステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルラシル;アミノレブリン酸;アミノレサリン;ベストラブシル ビサントレン、エダトラキセート、デフェコルシン、ジアジコン、エルフォニチン、エポチロン、エトグルシド、硝酸ガリウム、ヒドロキシ尿素、レンチナン、ロニダニン、メイタンシノイド(メイタンシン、アンサミトシン)、ミトキサントロン、モピダンモル、ニトラエリン、ペントスタチン、フェナメト、ピラルビシン、ロサントロン、ポドフィリン酸、2−エチルヒドラジド、プロカルバジン、PSK(登録商標)ポリサッカリド複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR)、ラゾキサン、リゾキシン、シゾフィラン、スピロゲルマニウム、テヌアゾン、トリアジコン、2,2’2”−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラクリンA、ロリジンA及びアンギジン);尿素;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ; 6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似体(シスプラチン及びカルボプラチンなど);ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトロマイシン;ダウノプテリン;アミノプテリン;カペシタビン(XELOD(登録商標)、Roche);イバンドロン酸;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)レチノイド、例えば、レチノイン酸;及び上記のいずれかの医薬上許容される塩、酸及び誘導体があげられる。CHP(ドキソルビシン、プレドニゾン、シクロホスファミド)又はCHOP(ドキソルビシン、プレドニゾン、シクロホスファミド、ビンクリスチン)等の薬物を併用しうる。
【0212】
また、「化学療法剤」の定義としては、また、以下の:(i)抗エストロゲン薬及び選択的エストロゲン受容体調節薬(SERM)等の腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン薬であって、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)、クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミファイン)を含む;(ii)酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害薬であって、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(メゲストロール酢酸塩)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン、ファイザー、ホルメスタニー、ファメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;ノバルティス)及びARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;アストラゼネカ);(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロライド、ゴセレリン等の抗アンドロゲン剤、並びにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);(iv)MEK阻害剤等のプロテインキナーゼ阻害剤(WO2007/04515);(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に異常細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC−α、Raf及びH−Ras、例えば、オブリメルセン(GENASENSENSE(登録商標)、Genta Inc.);(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))及びHER2発現阻害剤等のリボザイム;(viii)遺伝子治療ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUCTIN(登録商標)及びVAXID(登録商標)、PROLEUKIN(登録商標)rIL−2、トポイソメラーゼ1阻害剤、例えば、LURTOTECAN(登録商標)、ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)抗血管新生剤、例えば、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、ジェネンテック)、並びに医薬的に許容される上記いずれかの塩、酸及び誘導体;もあげられる。
【0213】
また、「化学療法剤」の定義には、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、ジェネンテック)、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone)、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Ammen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、ジェネンテック/バイオジェンIdec)、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標)、GSK)、ペルツズマブ(PERJETM、OMNITARG(商標)、2C4、ジェネンテック)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、ジェネンテック)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、MDX−060(Medarex)及び抗体薬物結合体、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標)、ワイス)等の治療用抗体も含まれる。
【0214】
本開示の結合体と併用される化学療法剤としての治療可能性があるヒト化モノクローナル抗体としては、アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネウズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セトリズマブペゴール、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブ・オゾガミシン、イツマブオゾガミシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペクツズマブ、ペクテリズマブ、ペクテリズマブ、ペクテリズマブ、ペクテリズマブ、ラリズマブ、ラリビズマブ、レスリズマブ、レスシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テトリバズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブ、セルモロイキン、ツクシツズマブ、ウマビツズマブ、ウルトキサズマブ、ビジリツズマブがあげられる。
【0215】
本開示による組成物は好ましくは医薬組成物である。本開示による、及び本開示で用いる医薬組成物は、活性成分、すなわち、結合体化合物に加えて、医薬的に許容される賦形剤、担体、緩衝液、安定剤、又は当業者に周知の他の材料を含んでよい。当該物質は毒性がなく、有効成分の効能を妨げないものでなければならない。担体又は他の物質の正確な性質は、経口、又は例えば皮膚、皮下、又は静脈内注射による投与経路によるであろう。
【0216】
経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、粉末剤又は液体剤でありうる。錠剤は、固体担体又はアジュバントを含みうる。液体医薬組成物は、一般に、水、石油、動植物油、鉱油又は合成油等の液体担体を含む。生理食塩水、デキストロース又は他の糖類溶液、又はエチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコール等のグリコールが含まれうる。カプセルは、ゼラチン等の固体担体を含んでよい。
【0217】
静脈内、皮膚若しくは皮下注射、又は罹患部位への注射の場合、活性成分は、発熱物質を含まず、適当なpH、等張性及び安定性を備える非経口的に許容される水溶液の形態であろう。当業者は、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸リンゲル注射液等の等張ビヒクルを用いて適当な溶液を調製しうる。必要に応じて、保存剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤及び/又は他の添加剤が含まれてよい。
【0218】
〔投与量〕
当業者であれば、ADC及び/又はゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの適当な用量、及び当該活性成分を含む組成物は、被験体ごとに変化しうることが、理解されるであろう。最適投与量を決定するには、一般に、リスク又は有害な副作用に対する治療的利益のレベルのバランスをとる必要がある。選択された用量レベルは、限定されないが、特定の化合物の活性、投与経路、投与時間、化合物の排泄速度、治療の期間、他の薬物、化合物、及び/又は組み合わせて用いられる物質、状態の重症度、並びに対象の種、性、年齢、体重、状態、全身状態、及び以前の病歴を含む様々な因子に依存する。化合物の量及び投与経路は、最終的には医師、獣医師又は臨床医の裁量によるが、一般的には、実質的に有害又は有害な副作用を引き起こさず、所望の効果を達成する作用部位で局所濃度を達成するように投与量を選択する。
【0219】
特定の態様では、ADCの用量は、被験体から得られた試料において観察される第1標的タンパク質の発現によって決定される。従って、試料中の第1標的タンパク質の発現のレベル又は局在は、ADCの用量が、より高く又はより低くなければならないことを示しうる。例えば、第1標的タンパク質の高い発現レベルは、より高い用量のADCが適当であることを示しうる。ある場合には、第1標的タンパク質の発現レベルが高場合、ADCに加えて別の医薬の投与の必要性を示しうる。例えば、ADCの化学療法剤との併用投与である。第1標的タンパク質の発現レベルが高い場合、より積極的な治療方法が示唆される。
【0220】
特定の態様では、用量レベルは、被験体から得られた試料中の腫瘍性細胞上の第1標的タンパク質の発現によって決定される。例えば、標的新生物が、第1標的タンパク質を発現する新生物細胞から構成されるか、又はそれを含む場合である。
【0221】
特定の態様では、用量レベルは、標的新生物に関連する細胞上の第1標的タンパク質の発現によって決定される。例えば、標的新生物は、第1標的タンパク質を発現する新生物細胞から構成される、又はそれを含む固形腫瘍でありうる。例えば、標的新生物は、第1標的タンパク質を発現しない新生物細胞から構成される、又はそれを含む固形腫瘍でありうる。第1標的タンパク質を発現する細胞は、浸潤性T細胞等の固形腫瘍に浸潤する非腫瘍性細胞でありうる。
【0222】
特定の態様では、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの用量は、被験体から得られた試料において観察される第2標的タンパク質の発現によって決定される。従って、試料中の第2標的タンパク質の発現のレベル又は局在が、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルの用量がより高く又は低くなければならないことを示しうる。例えば、第2標的タンパク質の発現レベルが高い場合、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルがより高用量であることが適当であることを示しうる。ある場合、第2標的タンパク質の高発現レベルは、ゲムシタビン又は5−フルオロウラシルに加えて、別の医薬の投与の必要性を示しうる。例えば、化学療法剤と併用してゲムシタビン又は5−フルオロウラシルを投与する。第2標的タンパク質の発現レベルが高い場合は、より積極的な治療方法を示唆しうる。
【0223】
投与は、連続的又は断続的に(例えば、適当な間隔で用量を分割して)、治療の過程を通して一回の投与で行いうる。投与の最も有効な手段及び用量を決定する方法は当業者に周知であり、治療に用いられる処方、治療の目的、治療される標的細胞、及び治療される被験体によって変化する。単回又は複数回の投与は、治療する医師、獣医師、又は臨床医によって選択される用量レベル及びパターンで行いうる。
【0224】
一般に、各活性化合物の適当な投与量は、被験体の体重1kg/日当たり約100ng〜約25mg(より典型的には約1μg〜約10mg)の範囲である。活性化合物が塩、エステル、アミド、プロドラッグなどである場合、投与量は親化合物に基づいて計算されるので、使用される実際の重量は比例して増加する。
【0225】
一の実施形態では、各活性化合物は、以下の:約100mg、1日3回;投与方法に従って、ヒト被験体に投与される。
【0226】
一の実施形態では、各活性化合物は、約150mg、1日2回の投薬計画に従ってヒト被験体に投与される。
【0227】
一の実施形態では、各活性化合物は、約200mg、1日2回の投与法に従ってヒト被験体に投与される。
【0228】
しかしながら、一の実施形態では、各結合体化合物は、以下の:約50mg又は約75mg、3回又は4回/日;投与方法に従ってヒト被験体に投与される。
【0229】
一の実施形態では、各結合体化合物は、約100mg又は約125mg、1日2回の投与方法に従ってヒト被験体に投与される。
【0230】
ADCについては、それがADCを担持するPBDである場合、上記の投与量は、結合体(PBD部分及び抗体に対するリンカーを含む)又は、例えば、リンカーの切断後に放出される化合物の量を提供するPBD化合物の有効量に適用しうる。
【0231】
第1標的タンパク質は、好ましくはCD25である。ADCは、抗CD25抗体を含みうる。抗CD25抗体は、HuMax−TACTMでありうる。ADCは、PBD二量体である薬物を含みうる。ADCは抗CD25−ADCであってよく、特に好ましくはADCX25又はADCT−301である。ADCは、特許文献1に開示されているADCであってよい。
【0232】
〔抗体〕
本明細書中の用語「抗体」は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、二量体、多量体、多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、インタクト抗体(「全長」抗体としても記載される)及び抗体断片を、それらが所望の生物学的活性、例えば、第1標的タンパク質(Millerら(2003)JourImmunology170:4854−4861)への結合能を示す等の、最も広い意味で使用され、特異的に包含する。抗体は、マウス、ヒト、ヒト化、キメラ、又はウサギ、ヤギ、ヒツジ、馬若しくはラクダ等の他の種に由来しうる。
【0233】
抗体は、特異的抗原を認識し、それに結合しうる免疫系によって生じるタンパク質である。(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immuno Biology,5thEd.,Garland Publishing,NewYork).標的抗原には、エピトープという、一般に多数の結合部位があり、複数の抗体上の相補性決定領域(CDR)によって認識される。異なるエピトープ特異的に結合する抗体の構造は異なる。つまり、1つの抗原には、対応する抗体が、1以上ある。抗体は、全長免疫グロブリン分子又は全長免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、対象とする標的の抗原又はその部分に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を含み得、当該標的としては、がん細胞又は自己免疫疾患と関連する自己免疫抗体を産生する細胞があげられるが、これらに限定されない。免疫グロブリンは、いかなる免疫グロブリン分子(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、及びIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)若しくはサブクラス、又はアロタイプ(例えば、ヒトG1m1、G1m2、G1m3、非G1m1[すなわち、G1m1以外のいかなるアロタイプ]、G1m17、G2m23、G3m21、G3m28、G3m11、G3m5、G3m13、G3m14、G3m10、G3m15、G3m16、G3m6、G3m24、G3m26、G3m27、A2m1、A2m2、Km1、Km2、Km2、及びKm3)でありうる。免疫グロブリンは、ヒト、マウス、又はウサギ由来のいかなる種に由来してよい。
【0234】
「抗体断片」とは、全長抗体の部分、一般的には、その抗原結合領域若しくは可変領域を包含する。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びscFv断片;二重抗体;直鎖抗体;Fab発現ライブラリー、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、CDR(相補性決定領域)、及びがん細胞抗原、ウイルス抗原又は微生物抗原、単鎖抗体分子に免疫特異的に結合する上記のいずれかのエピトープ結合断片によって産生される断片;及び抗体断片から形成される多重特異的抗体があげられる。
【0235】
本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」とは、本明細書中で使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られた抗体をいい、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在しうる可能性のある天然に生じる突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、1つの抗原性エピトープに対する。さらに、異なる決定因子(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原上の単一の決定因子に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、それらが他の抗体によって汚染せずに合成できる点で有利である。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均質な抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示しており、いかなる特定の方法による抗体の生産が必要であるとは解釈されない。例えば、本開示より用いられるモノクローナル抗体は、Kohlerら(1975)Nature256:495によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製することができ、あるいは組換えDNA法(US4816567参照)によって作製しうる。モノクローナル抗体はまた、Clacksonら(1991)Nature,352:624−628;Marksら(1991)J.Mol Biol.、222:581−597に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから単離しうるか、又は完全ヒト免疫グロブリン系(Lonberg(2008)Curr Opinion20(4):450−459)を有するトランスジェニックマウス由来である。
【0236】
本明細書中のモノクローナル抗体は、具体的には、重鎖及び/又は軽鎖の部分が、特定の種に由来する、又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか又はそれと相同であるが、鎖の残部は、それらが所望の生物学的活性を示す限り、他種に由来する、又は他の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体における対応する配列と同一であるか又はそれと相同である「キメラ」抗体、並びに当該抗体の断片を含む(米国特許第4816567号;及びMorrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851−6855)キメラ抗体は、非ヒト霊長類(例えば、旧世界サル又は猿人類)に由来する可変ドメイン抗原結合配列及びヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体を含む。
【0237】
本明細書において、「インタクト抗体」とは、VLドメイン及びVHドメイン、並びに軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメイン(CH1、CH2及びCH3)を含む。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列改変体であってよい。インタクト抗体は、抗体のFc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列改変体Fc領域)に起因する生物学的活性を指す、1又はそれ以上の「エフェクター機能」を備えてよい。当該抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合;補体依存性細胞傷害性;Fc受容体結合;抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性;食作用;及びB細胞受容体及びBCR等の細胞表面受容体のダウンレギュレーションがあげられる。
【0238】
インタクト抗体は、重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列により、異なる「クラス」に割り当てることができる。インタクト抗体には、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMの5つの主要なクラスがあり、これらのいくつかは、さらに、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2等の「サブクラス」(アイソタイプ)に分類しうる。様々なクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμという。様々なクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び3次元構造は、周知である。
【0239】
抗CD25抗体は、当技術分野において公知であり、本明細書に開示された方法で有用である。これらは、抗体4C9(VentanaMedicalSystems,Inc.から入手可能)を含む。他の適当な抗体としては、WO2004/045512(GenmabA/S)に記載された抗体AB12、IL2R.1(ライフテクノロジーズ、カタログ番号MA5−12680から入手可能)及びRFT5(US6383487に記載)があげられる。他の適当な抗体としては、B489(143−13)(ライフテクノロジーズ、カタログ番号MA1−91221から入手可能)、SP176(Novus、カタログ番号NBP2−21755から入手可能)、1B5D12(Novus、カタログ番号NBP2−37349から入手可能)、2R12(Novus、カタログ番号NBP2−21755から入手可能)、又はBC96(BioLegend、カタログ番号V T−072から入手可能)及びM−A251(BioLegend、カタログ番号IV A053から入手可能)があげられる。他の適当な抗CD25抗体は、ダクリズマブ(ゼナパックスTM)及びバシリキシマブ(SimulectTM)であり、いずれも臨床使用が承認されている。
【0240】
抗PD−L1抗体は、当技術分野において公知であり、本明細書に開示された方法において有用である。当該抗体には、アテロゾリズマブ(MPDL3280;CAS番号1380723−44−3)、アベルマブ(MSB0010718C;CAS番号1537032−82−8)、及びデュルヴァルマブ(CAS番号1428935−60−7)があげられる。
本開示の原理を例示する実施形態及び実験は、添付の図面を参照して、ここで議論される。