(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-533147(P2021-533147A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】局所組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20211105BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20211105BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20211105BHJP
A61Q 19/02 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/455 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/09 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/191 20060101ALI20211105BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20211105BHJP
A61K 31/20 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K36/82
A61P17/00
A61Q19/02
A61K31/522
A61K31/455
A61K31/05
A61K31/09
A61K31/191
A61K38/06
A61K31/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2021-506271(P2021-506271)
(86)(22)【出願日】2019年7月18日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2019069318
(87)【国際公開番号】WO2020030396
(87)【国際公開日】20200213
(31)【優先権主張番号】18187489.2
(32)【優先日】2018年8月6日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ダムル,アパルナ
(72)【発明者】
【氏名】ダモダラン,アニータ
(72)【発明者】
【氏名】クマリ,アンヌ
(72)【発明者】
【氏名】マサヴァデ,ディーパック・ラーマチャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】サンタナム,ユーマ
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AC171
4C083AC241
4C083AC301
4C083AC471
4C083AC851
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4C083CC19
4C083EE16
4C083EE17
4C084AA02
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4C086AA02
4C086BC19
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4C088AB45
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4C088ZA89
4C206AA01
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4C206CA19
4C206CA27
4C206DA03
4C206DA07
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA83
4C206NA05
4C206ZA89
(57)【要約】
本発明は、局所用組成物に関する。特に、本発明は、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む脱没食子茶抽出物を含む局所組成物に関し、改善された皮膚美白を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.01〜10重量%の脱没食子(degallated)茶抽出物を含む局所組成物であって、ここで、抽出物が、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む、局所組成物。
【請求項2】
前記抽出物が、乾燥重量基準で5〜25%のカフェインをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抽出物が、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)から得られる茶材料を使用して得られる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、ナイアシンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、レゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、4−アルキル置換レゾルシノール化合物、グルタチオン前駆体およびそれらの混合物から選択される0.001〜15重量%の皮膚美白剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が0.1〜10重量%のUVA有機日焼け止め剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が0.1〜10重量%のUVB有機日焼け止め剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が4〜25重量%の脂肪酸をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が0.1〜10重量%の石けんをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、9〜20の範囲のHLB値を有する非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物がポリマーをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物がリーブオン組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
皮膚の美白を提供する方法であって、該方法は;
i. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に塗布する工程;および
ii. 必要に応じて水ですすぐ、
工程を含む、方法。
【請求項13】
皮膚の美白のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所組成物に関する。特に、本発明は、改善された皮膚美白を提供する局所組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
人々は、健康的なライフスタイルを楽しみたいと思い、自分自身を大切にしようとすることが多い。人々がそうする方法の1つは、人々の身体表面、例えば皮膚、毛髪を含む頭皮、および口腔に注意を払うことによるものである。人々が所望する傾向のいくつかの利益には、健康的で感染のない皮膚、皮膚の色調、十分な保湿、老化防止、皮膚の美白、および太陽光に含まれる紫外線からの保護を含む。
【0003】
人体の最外層である皮膚は、しばしば、例えば、汚染、ほこり(dust)、泥(dirt)、熱、湿度、および太陽光に含まれる紫外線の要因に曝される。皮膚はこれらの要因から身体を保護するが、同時に、1つ以上の前記要因によって引き起こされ得る望ましくない影響を被りやすい。例えば、太陽光に含まれる紫外線への過剰暴露は、日焼け、しみのある皮膚、色素沈着過剰、斑点、黒斑のような症状に関連すると言われており、これは、次に、例えば、一部の消費者には好ましくない不均一な皮膚色調につながり得る。
【0004】
したがって、人々は、可能な限り前記要因の少なくともいくつかにさらされることを回避する傾向がある。しかしながら、多くの場合、例えば太陽光のような因子への暴露を回避することは困難であり、時には不可能である。その結果、人々は、1以上の前記要因にさらされ続ける。
【0005】
これらのような理由のために、人々は、様々な局所組成物、例えば、日焼け止め組成物、皮膚美白組成物、保湿組成物および老化防止組成物を利用する傾向がある。このような局所組成物は、皮膚に少なくともいくらかの利益、例えば、太陽光に含まれるUV放射線への過剰な曝露によって引き起こされる望ましくない効果に対する保護、皮膚美白および保湿の利益を提供する。
【0006】
これらの利点の多くは、局所組成物に含まれる1つ以上の活性成分(活性物質)によって送達され得る。例えば、US4096240(Unilever)は、局所組成物に含まれるナイアシンアミドが皮膚を美白にすることを開示している。ビタミンCのような活性物質は、抗酸化剤、抗炎症剤および色素脱失剤としてのその使用を含むいくつかの利益を送達することが報告されている(Telang 2013、Indian Dermatol Online J 4(2):143−146)。ヒドロキノンおよびピコリンアミドは、メラズマの治療に有効であることが報告されている(Mohammadら、2014、Biosciences Biotechnology Research Asia 11(2):1047−1050)。
【0007】
さらに、Camellia属の植物から得られる抽出物、例えば、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)(C.sinensis)も活性物質として使用される。C.sinensis var.、および、C.sinensis var.assamicaは、広く知られているカメリアシネンシスの品種である。例えば、国際公開第WO13060710号(Unilever)は、皮膚の美白に関連するカメリアシネンシスの緑茶抽出物および紅茶抽出物を開示している。茶抽出物に含まれる没食子酸は、UVB暴露線維芽細胞および無毛マウスにおける皮膚光老化の調節と関連すると言われている(Hwangら、2014、Phytotherapy Research、28、1778−1788)。没食子酸負荷ゲル製剤は、皮膚酸化ストレスに対抗すると言われている(Monterio e silvaら;Polymers 2017、9、391)。
【0008】
US6551602(Unilever)は、皮膚科学的に許容される基剤中に共役リノール酸およびフェノール化合物、例えばエピガロカテキン没食子(EGCG)を含有するスキンケア組成物を開示している。老化防止効果に加えて、そこに開示された組成物はまた、感受性および/または刺激された皮膚を和らげ、油/皮脂分泌を制御し、皮膚を美白するような効果を送達すると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US4096240
【特許文献2】WO2013/60710
【特許文献3】US6551602
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Indian Dermatol Online J、4(2):143−146、2013
【非特許文献2】Biosciences Biotechnology Research Asia、11(2):1047−1050、2014
【非特許文献3】Phytotherapy Research、28、1778−1788、2014
【非特許文献4】Polymers、2017、9、391
【0011】
上記で概説したように、いくつかのまたは他の利益を提供する様々な活性薬剤(Active)が存在するにもかかわらず、人々は、改善された利益、例えば、改善された皮膚の美白を提供する1つ以上の活性薬剤を探す傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、改善された皮膚の美白を提供する局所組成物を開発する必要性が存在する。
【0013】
抽出物が乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む、脱没食子(degallated)茶抽出物を含む局所組成物が、改善された皮膚の美白を提供することが今や見出された。
【0014】
発明の概要
第1の態様において、本発明は0.01〜10重量%の脱没食子茶抽出物を含む局所用組成物に関し、ここで、抽出物は、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む。
【0015】
第2の態様において、本発明は、以下の工程を含む、皮膚の美白を提供する方法に関する:
i. 第1の態様による組成物を皮膚に塗布し;そして
ii. 必要に応じて水ですすぐ。
【0016】
第3の態様において、本発明は、皮膚の美白のための第1の態様による組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
「含む(comprising)」という語は、「含む(including)」を意味するものであるが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「からなる(composed of)」を意味するものではない。言い換えれば、列挙した工程またはオプションは、完全なものである必要は無い。操作の例および比較の例を除いて、または明示的に示されない場合、材料の量または反応の条件を示す本明細書中のすべての数字は、単語「約」によって修飾されると理解されるべきである。「x〜y」の形式で表される数値範囲は、xおよびyを含むと理解される。特定の特徴について、複数の好ましい範囲が「x〜y」の形式で表される場合、異なる終点を組み合わせるすべての範囲も企図されることが理解される。特に指定されない限り、本明細書中で使用される量は組成物の総重量に基づいて重量パーセントで表され、「wt%」と略される。本明細書中に提供される、任意のおよびすべての例または例示的言語、例えば、「x〜y」の使用は、単に本発明をより明確にすることを意図したものであり、主張されなければ本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
第1の態様において、本発明は、0.01〜10重量%の脱没食子茶抽出物を含む局所用組成物に関し、ここで、抽出物は、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む。
【0019】
脱没食子茶エキス
本発明による組成物(組成物)は、脱没食子茶抽出物を含み、ここで、抽出物は、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸(略して、以後「DGTE」と呼ぶ)を含む。
【0020】
DGTEは、乾燥質量基準で0.2%未満の没食子酸を含む程度に脱没食子された茶抽出物を意味することが理解されるであろう。
【0021】
したがって、DGTEは、乾燥重量基準で、0.2%未満、好ましくは0.1%未満、より好ましくは0.01%未満、さらにより好ましくは0.001%未満、さらにより好ましくは0.0001%未満の没食子酸を含む。最も好ましくは、DGTEは、乾燥重量基準で0%没食子酸を含む。
【0022】
好ましくは、DGTEは、乾燥重量基準で、5〜25%、より好ましくは7〜22%、さらにより好ましくは9〜20%、さらにより好ましくは11〜18%のカフェインをさらに含む。
【0023】
好ましくは、DGTEは、カメリアシネンシスから得られる茶材料を使用して得られる。
【0024】
カメリアシネンシスから得られる茶材料の例には、C.sinensis var.sinensis、C.sinensis var.assamicaの新鮮なまたは凍結した葉、インスタント紅茶、インスタント緑茶、インスタントウーロン茶、インスタントホワイトティー、インスタントプアールティー、市販の紅茶抽出物、市販の緑茶抽出物、C.sinensis var.sinensis、C.sinensis var.assamicaの新鮮な葉を絞ることによって得られるジュース、及びその混合物が含まれる。
【0025】
好ましくは、茶材料は、インスタント紅茶、インスタント緑茶、緑茶の商業的に入手可能な抽出物、紅茶の商業的に入手可能な抽出物、C.sinensis var.sinensisおよびC.sinensis var.assamicaの葉から得られるジュース及びその混合物から選択される。より好ましくは、茶材料は、緑茶の商業的に入手可能な抽出物、紅茶の商業的に入手可能な抽出物およびそれらの混合物から選択される。
【0026】
好ましくは、本発明のDGTEは、以下の工程を用いて調製される:
a) カメリアシネンシスから得られた茶材料を酵素加水分解に付し、
b) 工程a)の酵素加水分解茶材料から没食子酸を分離し、そして、
c) 工程b)で得られた残りの茶材料を乾燥させる。
【0027】
工程a
工程a)において、上記のようにカメリアシネンシスから得られた茶材料は、酵素加水分解に供される。茶材料の酵素加水分解に使用できる酵素の例には、「タンニンアシルヒドロラーゼ」(タンナーゼ;EC番号3.1.1.20)が含まれる。タンナーゼは、工程a)で選択された茶材料中に存在する没食子酸種、すなわち、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、没食子酸エピカテキン(ECG)の酵素的加水分解を実施するために使用することができる。タンナーゼで処理すると、没食子化種はエピガロカテキン(EGC)およびエピカテキン(EC)に変換され、没食子酸が生成される。
【0028】
タンナーゼを用いる酵素加水分解は、好ましくは20〜55℃、より好ましくは25〜50℃、さらに好ましくは30〜45℃、最も好ましくは35〜40℃の範囲の温度で行う。酵素的加水分解は、好ましくは30〜90分、より好ましくは45〜75分、さらにより好ましくは50〜60分の範囲の時間行うことができる。工程a)は、好ましくは、pH範囲3〜7、より好ましくは4〜6、最も好ましくはpH5.5で実施される。
【0029】
工程a)の終わりに得られた酵素加水分解茶材料は、工程b)においてさらに使用されるまで、0〜4℃の範囲の温度で貯蔵され得る。
【0030】
工程b)
工程b)では、工程a)の後に得られた酵素加水分解茶材料を分離技術に供し、工程a)の酵素加水分解茶材料から没食子酸を分離する。
【0031】
工程b)で使用され得る分離技術の例としては、吸着クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、液−液分離およびそれらの組み合わせを含む。
【0032】
好ましくは工程b)で使用され得る分離技術は、吸着クロマトグラフィーであり、ここで、工程a)で得られた酵素加水分解茶材料は、工程a)で生成された没食子酸をカラムを通過することを可能にする吸着樹脂カラムに通される。カラム上に保持されている脱没食子種は、適切な溶剤、例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン及びその混合相を用いて溶出される。
【0033】
別の方法として、工程b)でアニオン交換クロマトグラフィーを分離技術として用いる場合、脱没食子種は樹脂を通過することができ、没食子酸はそのカラム上に保持されることができる。
【0034】
工程c)
工程c)では、工程b)の最後に得られた茶材料を乾燥させる。
【0035】
工程c)で使用され得る乾燥技術の例は、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸留、熱蒸発およびそれらの組み合わせを含む。好ましくは、工程c)において使用され得る乾燥技術は、真空下での熱蒸発である。工程c)において真空下での熱蒸発が使用される場合、工程b)の終わりに得られる茶材料は、好ましくは50℃未満、より好ましくは40℃未満の範囲の温度で回転蒸発器中で真空下乾燥され、DGTEを得る。
【0036】
このようにして得られたDGTEは、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含み、組成物の調製に使用される。好ましくは、このようにして得られたDGTEは、乾燥重量基準で5〜25%のカフェインをさらに含む。
【0037】
組成物は、0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜8重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらにより好ましくは0.5〜5重量%、さらにより好ましくは0.5〜3重量%、さらにより好ましくは0.5〜2重量%、最も好ましくは0.5〜1重量%のDGTEを含む。
【0038】
好ましくは、組成物は、DGTEに含まれるもの以外の追加の没食子酸を含まない。好ましくは、組成物は、DGTEに含まれるカフェイン以外の更なるカフェインを含まない。
【0039】
追加の皮膚美白剤
好ましくは、組成物は、DGTEに加えて1種以上の皮膚美白剤をさらに含む。
【0040】
組成物中の追加の皮膚美白剤として使用され得る皮膚美白剤の例としては、ナイアシンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、レゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、4−アルキル置換レゾルシノール化合物、グルタチオン前駆体、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンA、ガラルジン、アダパレン、アロエ抽出物、セージ抽出物、ジンジャー抽出物、乳酸アンモニウム、アルブチン、アゼラ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸エステル、デオキシアルブチン、1,3−ジフェニルプロパン誘導体、2,5−ジヒドロキシ安息香酸およびその誘導体、2−(4−アセトキシフェニル)−1,3−ジチアン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジチアン、エラグ酸、グルコピラノシル−1−アスコルビン酸、グルコン酸、グリコール酸、4−ヒドロキシ−5−メチル−3[2H]−フラノン、4−ヒドロキシアニソール及びその誘導体、4−ヒドロキシ安息香酸誘導体、ヒドロキシカプリル酸、アスコルビン酸イノシトール、乳酸、レモン抽出物、リノレイン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、5−オクタノイルサリチル酸、サリチル酸、3,4,5−トリヒドロキシベンジル誘導体、アセチルグルコサミン、ピテラ抽出物、シムホワイト、パントテン酸カルシウム(メラノブロック)、セピホワイト、大豆抽出物(ボウマンバーク阻害剤)及びこれらの混合物を含む。12−ヒドロキシステアリン酸が組成物中で使用される場合、それは脂肪酸としてではなく追加の皮膚美白剤として使用される。
【0041】
好ましくは、組成物中の追加の皮膚美白剤として使用され得る皮膚美白剤は、ナイアシンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、レゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、4−アルキル置換レゾルシノール化合物、グルタチオン前駆体、およびそれらの混合物から選択される。組成物中で使用される場合、12−ヒドロキシステアリン酸は、皮膚美白剤として使用され、脂肪酸としては使用されない。
【0042】
好ましくは、4−アルキル置換レゾルシノール化合物は、4−メチルレゾルシノール、4−エチルレゾルシノール、4−プロピルレゾルシノール、4−イソプロピルレゾルシノール、4−ブチルレゾルシノール、4−ペンチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノール、4−ヘプチルレゾルシノール、4−オクチルレゾルシノールおよびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、選択される4−アルキル置換レゾルシノール化合物は、4−エチルレゾルシノール、4−ヘキシルレゾルシノールおよびそれらの混合物である。
【0043】
組成物中に組み込まれる場合、追加の皮膚美白剤は、好ましくは組成物中に、0.001〜15重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、さらにより好ましくは0.1〜5重量%、よりさらに好ましくは0.5〜3重量%の量で組み込まれてもよい。
【0044】
UVA日焼け止め剤(Sunscreen)
好ましくは、組成物は、UVA放射線を吸収し、そしてそれらが表面、例えば使用者の皮膚に到達するのを防止するUVA有機日焼け止め剤をさらに含む。
【0045】
組成物に使用され得るUVA有機日焼け止め剤の例としては、ジベンゾイルメタン化合物、ビスジスリゾール二ナトリウム(Neo Heliopan(登録商標)APとして市販されている)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシル安息香酸塩(Uvinul(登録商標)A Plusとして市販されている)、エカムスル(Mexoryl SXとして市販されている)およびメチルアントラニレートを含む。
【0046】
好ましくは、組成物中のUVA日焼け止め剤として使用され得るUVA有機日焼け止め剤は、ジベンゾイルメタン化合物から選択される。
【0047】
組成物中のUVA有機日焼け止め剤として使用することができるジベンゾイメタン化合物の例には、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(BMDM;Parsol(登録商標)1789またはAvobenzoneとして市販されている)、2−メチルジベンゾイルメタン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチルジベンゾイルメタン、2,4−ジメチルジベンゾイルメタン、2,5−ジメチルジベンゾイルメタン、4,4’−ジイソプロピルジベンゾイルメタン、2−メチル−5−イソプロピル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−メチル−5−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4−ジメチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンまたは2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタンを含む。
【0048】
最も好ましくは、UVA有機日焼け止め剤として使用され得るジベンゾイルメタン化合物は、BMDMである。
【0049】
組成物中に組み込まれる場合、UVA有機日焼け止め剤は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらにより好ましくは1〜5重量%、よりさらに好ましくは1〜3.5重量%、まだより好ましくは1〜3重量%、もっとより好ましくは1〜2.5重量%で組成物中に組み込まれ得る。
【0050】
UVB有機日焼け止め剤(Sunscreen)
好ましくは、組成物は、UVB放射線を吸収し、それらが、表面、例えば使用者の皮膚に到達するのを防止するUVB有機日焼け止め剤をさらに含む。
【0051】
組成物に使用され得るUVB有機日焼け止め剤の例としては、桂皮酸、サリチル酸、ジフェニルアクリル酸およびそれらの誘導体のクラスからの化合物を含む。そのような化合物の例としては、2−エチルヘキシルサリチル酸塩(オクチサレート
TM)として市販されている)、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル2−ヒドロキシ安息香酸塩(ホモサラート
TMとして市販されている)、エチルヘキシルメトキシシンナメート(NeoHelipan(登録商標)AVとして市販されている)、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(OCR;オクトクリレン
TMとして市販されている)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン
TMとして市販されている)、2−エチル−ヘキシル−4−メトキシシンナメート(MCX;Parso MCX
TMとして市販されている)およびそれらの混合物を含む。
【0052】
好ましくは、組成物に使用することができるUVB有機日焼け止め剤は、OCR、MCXおよびそれらの混合物から選択される。
【0053】
組成物中に組み込まれる場合、UVB有機日焼け止め剤は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらにより好ましくは1〜5重量%、よりさらに好ましくは1〜3.5重量%、まだより好ましくは1〜3重量%、もっとより好ましくは1〜2.5重量%で組成物中に組み込まれ得る。
【0054】
好ましくは、組成物は、無機日焼け止め(sunblock)をさらに含む。使用できる無機日焼け止めの例としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄、ヒュームドシリカのようなシリカ、または二酸化チタニウム(TiO
2)を含む。好ましくは、該組成物に使用することができる無機日焼け止めは、TiO
2、ZnOおよびそれらの混合物から選択される。
【0055】
組成物に組み込まれる場合、無機日焼け止めは、組成物中に、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜7重量%、さらにより好ましくは1〜5重量%、よりさらに好ましくは1〜3.5重量%、まだより好ましくは1〜3重量%、もっとより好ましくは1〜2.5重量%組み込むことができる。
【0056】
脂肪酸
好ましくは、組成物は、脂肪酸をさらに含む。石けんと共に組成物中に存在する場合、脂肪酸はいわゆる消失効果を提供し、すなわち、組成物は、ヒトの皮膚に適用される場合、皮膚上で消失し、組成物の有意な縞を残さない。
【0057】
好ましくは、組成物中に存在し得る脂肪酸は、10〜30、より好ましくは12〜25、さらにより好ましくは14〜20、さらにより好ましくは16〜18の炭素原子を有する脂肪酸から選択される。
【0058】
組成物に使用され得る脂肪酸の例としては、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸、エルカ酸およびそれらの混合物を含む。
【0059】
好ましくは、組成物中に存在し得る脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸およびそれらの混合物から選択される。本発明における脂肪酸は、好ましくは、実質的に(一般に約90〜95%)、55:45〜45:55の比のステアリン酸とパルミチン酸との混合物であるヒストリン酸である。
【0060】
組み込まれる場合、脂肪酸は、好ましくは4〜25重量%、より好ましくは6〜22重量%、さらにより好ましくは8〜20重量%、よりさらに好ましくは10〜19重量%、まだより好ましくは12〜18重量%で組成物中に存在し得る。
【0061】
石けん
好ましくは、組成物は、石けんをさらに含む。石けんは、組成物中に脂肪酸と組み合わせて存在する場合、消失効果を提供する。
【0062】
本発明の石けんは、一般に、組成物中に存在する脂肪酸のイン−サイツでの中和によって調製される。したがって、石けんは、組成物中の脂肪酸の鎖長に対応する炭素鎖長を有することが好ましい。石けんは、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの使用によって脂肪酸から形成される。この2つのうち、水酸化カリウムがより好ましい。したがって、石けんは、好ましくはカリウム石けん(脂肪酸のカリウム塩)である。
【0063】
好ましくは、組成物は、0.1〜10重量%、より好ましくは1〜8重量%、さらに好ましくは2〜7重量%、さらにより好ましくは3〜6重量%の石けんを含む。
【0064】
非イオン性界面活性剤
好ましくは、組成物は、9〜20、好ましくは10〜19、より好ましくは12〜18、さらにより好ましくは13〜17、よりさらに好ましくは15〜17の範囲のHLB値を有する非イオン性界面活性剤をさらに含む。
【0065】
HLBは、Griffin法を用いて計算され、ここで、HLB=20×Mh/M(式中、Mhは分子の親水性部分の分子量であり、Mは分子全体の分子量であり、0〜20の任意のスケールでの結果を与える)である。種々の界面活性剤の典型的な値を以下に示す:
値<10未満の値:脂溶性(水不溶性)
値>10:水溶性
値が4〜8は、消泡剤を示す
値が7〜11は、W/O(油中水)乳化剤を示す
値が12〜16は、水中油型乳化剤を示す
値が11〜14は、湿潤剤を示す
値が12〜15は、典型的な洗剤である
値が16〜20は、可溶化剤またはヒドロトロープを示す。
【0066】
好ましくは、9〜20の範囲のHLB値を有する非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルおよびそれらの混合物から選択される。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、少なくとも9個のアルキレンオキシド基を有し、好ましくは少なくとも9個のエチレンオキシド基を有する。
【0067】
組成物中で非イオン性界面活性剤として使用することができる脂肪アルコールエトキシレートの例には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=16.9;Brij(登録商標)35として市販されている)、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル(HLB=16;Brij(登録商標)58として市販されている)、ポリエチレングリコールオクタデシルエーテル(HLB= 18.8;Brij(登録商標)700として市販されている)およびラウレス−9(C12EO9; HLB=14.3;Brij(登録商標)L9として市販されている)が含まれる。
【0068】
非イオン性界面活性剤として使用することができるアルキルフェノールエトキシレートの例には、オクチルフェノールエトキシレート(HLB=15.5;TritonTM X165として市販されている)、オクチルフェノールエトキシレート(HLB=17.6;TritonTM X405として市販されている)およびオクチルフェノールエトキシレート(HLB=18.4;TritonTM X705として市販されている)が含まれる。
【0069】
組成物中の非イオン性界面活性剤として使用することができるポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルの例には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB=13.3;Tween(登録商標)21として市販されている)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB=16.7;Tween(登録商標)20として市販されている)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(HLB=15.6;Tween(登録商標)40として市販されている)、およびポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(HLB=14.9;Tween(登録商標)60として市販されている)が含まれる。
【0070】
より好ましくは、組成物中に存在し得る9〜20の範囲のHLB値を有する非イオン性界面活性剤は、15.5より高いHLBを有する飽和炭素鎖を有する脂肪アルコールエトキシレートである。
【0071】
好ましくは、組成物は、9〜20の範囲のHLBを有する、0.5〜5重量%、より好ましくは1〜4重量%、さらにより好ましくは2〜3重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0072】
ポリマー
好ましくは、組成物は、ポリマーをさらに含む。ポリマーは組成物中で増粘剤として作用し、組成物の感覚特性を改善する。
【0073】
ポリマーは、好ましくは以下のクラスから選択される:
− アクリレート/R−メタクリレートコポリマー、例えば、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートコポリマー(Aculyn
TM22として市販されている)およびアクリレート/ベヘネス−25メタクリレートコポリマー(Aculyn
TM28として市販されている)、
− アクリレート/R−メタクリレートクロスポリマー、例えば、アクリレート/ステアレス−20メタクリレートクロスポリマー(Aculyn
TM88として市販されている)、
− アクリレートコポリマー(Aculyn
TM33として市販されている)、
− アクリレート/R−アルキルアクリレートクロスポリマー、例えばアクリレート/C10−C30アルキルアクリレートクロスポリマー(Pemulen
TMTR−2として市販されている)
− アンモニウムアクリロイルジメチルタウレートとビニルピロリドンとのコポリマー(アリストフレックス(登録商標)AVCとして市販されている)
− ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートとビニルピロリドンとのコポリマー(アリストフレックス(登録商標)AVSとして市販されている)
− アクリロイルジメチルタウレートとR−アルキルアクリレートおよびメタクリレートとのクロスポリマー、例えばアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/ベヘネス−25メタクリレートクロスポリマー(Aristoflex(登録商標)HMBおよびAristoflex(登録商標)BLVとして市販)である。
【0074】
好ましくは、組成物は、0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜4.5重量%、さらにより好ましくは1〜4重量%、よりさらに好ましくは1.5〜3.5重量%、もっとより好ましくは2〜3重量%のポリマーを含む。
【0075】
好ましくは、組成物は、水を含む化粧用に許容されるビヒクルを含み、組成物中に、5〜99.9重量%、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは15〜90重量%、もっとより好ましくは20〜80重量%、さらにより好ましくは25〜75重量%、まだより好ましくは30〜70重量%の量で存在し得る。
【0076】
好ましくは、組成物は、皮膚軟化剤(emollient)をさらに含む。組成物に使用することができる皮膚軟化剤の例には、ステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、ミンク油、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカン−2−オール、イソセチルアルコール、エイコサニルアルコール、ベフェニルアルコール、パルミチン酸セチル、ジn−ブチルセバケート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ココアバター、コーン油、綿種油、オリーブ油、パーム核油、菜種油、ベニバナ種子油、月見草油、大豆油、ヒマワリ種子油、アボガド油、ゴマ種子油、ココナッツ油、ラッカセイ油、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油ゼリー、鉱油、ミリスチン酸ブチル、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル及びこれらの混合物を含む。
【0077】
好ましくは、組成物は、溶媒をさらに含む。組成物に使用することができる溶媒の例には、エチルアルコール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびそれらの混合物を含む。
【0078】
好ましくは、組成物は、粉末をさらに含む。組成物に使用され得る粉末の例としては、チョーク、タルク、フラー土、カオリン、デンプン、ガム、コロイド状シリカポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学修飾されたケイ酸マグネシウムアルミニウム、有機修飾されたモンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチレングリコールモノステアレートおよびそれらの混合物を含む。
【0079】
好ましくは、組成物は、潜在的に有害な微生物の増殖から保護するための防腐剤をさらに含む。組成物中の防腐剤として使用され得る成分の例としては、パラ−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩、および種々の第四級アンモニウム化合物を含む。より好ましくは、組成物中の防腐剤として使用され得る成分は、安息香酸ナトリウム、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルイソチアゾリノン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、デヒドロ酢酸ナトリウム、エチルヘキシルグリセリン、ベンジルアルコール、アルカンジオールおよびそれらの混合物である。防腐剤として使用するのに適したアルカンジオールは、水酸基で近接置換されたC
6−C
12アルカンである。例示的な例としては、1,2−オクタンジオール(カプリリルグリコール)、2,3−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3,4−オクタンジオール、それらの混合物などが挙げられ、ここで、カプリリルグリコールが典型的に最も好ましい。
【0080】
組成物中に存在する場合、防腐剤は、好ましくは0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重量%、最も好ましくは0.02〜2重量%の量で添加される。
【0081】
組成物は、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、着色剤、渋味剤、芳香剤、不透明化剤、コンディショナー、剥離剤、pH調整剤、天然抽出物、皮膚感覚剤、皮膚鎮静剤、および皮膚治癒剤を含む一連の他の任意成分をさらに含み得る。
【0082】
組成物は、好ましくは、粉末、フレーク、ローション、クリーム、ゲルまたはムースの形態で処方される。より好ましくは、組成物は、クリームまたはローションの形態で、最も好ましくはクリームの形態で製剤化される。組成物は、リーブオンまたはウォッシュオフタイプの組成物であり得る。組成物は、好ましくはリーブオンタイプの組成物である。本発明の組成物のための包装は、パッチ、ボトル、チューブ、ロールボールアプリケーター、推進駆動エアロゾル装置、スクイーズ容器または蓋付きジャーであり得る。
【0083】
第2の態様では、本発明は、さらに、以下の工程を含む、皮膚美白を提供する方法に関する:
i. 第1の態様による組成物を皮膚に塗布し、そして
ii. 必要に応じて水ですすぐ。
【0084】
リーブオン組成物の場合、本発明は、第1の態様の組成物を、表面、例えば皮膚に適用する工程を含む、皮膚美白を提供する方法を提供する。この方法は、場合により、組成物がウォッシュオフ組成物の形態である場合、組成物を表面から少なくとも部分的に除去する追加の工程を含む。好ましくは、この方法は、非治療的である。第1の局面に係る組成物を第2の局面に係る方法に従って使用すると、改善された皮膚美白性が得られる。
【0085】
第3の態様において、本発明は、皮膚美白のための第1の態様による組成物の使用に関する。第1の態様による組成物が、表面、例えば皮膚に適用される場合、それは、改善された皮膚の美白を提供する。好ましくは、使用は非治療的である。
【0086】
ここで、本発明を、以下の非限定的な実施例によって実証する。
【0087】
実施例
材料:
− 緑茶(Synthiteカタログ番号SGT1006)、
− カメリアシネンシス(Camellia sinensis)の葉を使って、伝統的な紅茶プロセスを使って作った紅茶、
− 氷酢酸(Merck45754)、
− ポリスチレンジビニルベンゼン樹脂(Diaion HP20 Supelco 13607)
− タンナーゼ(キッコーマンKT50)
− 初代新生児表皮ヒトメラノサイト(Lonzaカタログ番号CC−2504)、
− EpiLife(登録商標)培地(Cascade Biologicsカタログ番号MEPI500CA)、
− ダルベッコ修正イーグル培地(DMEM;Gibcoカタログ番号31600034)
− MBM−4メラニン細胞増殖基礎培地(Lonzaカタログ番号CC−3250)
− α−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH;R&D System−3013)。
【0088】
DGTEの調製
工程a):茶材料を酵素加水分解に付す
紅茶の10%溶液を脱イオン水中で調製した。必要であれば、この溶液を70℃まで加熱して紅茶を水に溶解した。これにタンナーゼ溶液(5mg/mL)10mLを加え、40℃で60分間酵素加水分解を行った。
【0089】
このような酵素加水分解茶材料を、工程b)に供するか、または琥珀色の容器に保存し、工程b)で使用されるまで4℃で保存した。
【0090】
工程b):酵素加水分解茶原料から没食子酸を分離する
工程a)の後に得られた茶原料を吸着クロマトグラフィーに供し、工程a)の最後に得られた酵素加水分解茶原料から没食子酸を分離した。
【0091】
工程a)の最後に得られた茶材料を2mLの氷酢酸と混合し、この酸性化した混合物を、ポリスチレンジビニルベンゼン樹脂を含有するカラムに充填した。使用される樹脂は、フラボノイド、例えばEGCおよびECに対して高い親和性を有するが、樹脂は、フェノール酸、例えば没食子酸に対して低い親和性を有する。カラムを2%酢酸(水性)で溶出した。溶出液を、HPLCを用いて没食子酸含量について分析した。HPLCで分析した没食子酸含量が(10mM)であることが見出されるまで、2%酢酸での溶出工程を実施した。この後、カラムを50%エタノール水溶液で溶出した。
【0092】
工程c):工程b)で得られた茶材料を乾燥させる
工程b)の後に得られた茶材料を、50℃未満に保ちながら減圧乾燥に供した。乾燥後に得られたDGTEを、気密ガラス容器に保存した。
【0093】
細胞培養
ヒト初代メラノサイトを、ヒトメラノサイト増殖サプリメントを添加したメラノサイト増殖培地(MGM)で増殖させた。この液の500μL/ウェル(5×104細胞/ウェル)を24ウェルプレートにプレートし、インキュベーター(Thermo Scientific、Model 3111)中、37℃、5%CO
2大気中でインキュベートした。
【0094】
メラニン含量測定法
24時間のインキュベーション後、細胞培養物を、20%エタノールに溶解した試験活性物質(表1に概説されるように)で処理した。活性物質添加1時間後、10nMのα−MSHを添加した。細胞を再びインキュベーター中で72時間インキュベートした。このインキュベーション時間の終わりに、培地を120μL/ウェルのメラニン含量検定試薬(1N水酸化ナトリウム中10%ジメチルスルホキシド)で置き換え、振盪インキュベーター中で60℃で1時間インキュベートした。次いで、上清を384ウェルプレートに移した。吸光度を、マイクロタイタープレートリーダー(Genios Pro、Tecan M1000)を用いて405nmで測定した。
【0095】
細胞生存率測定試験
細胞の生存は、カルセイン−AM生存性アッセイを用いて評価した。簡潔には、使用済み培地を全てのウェルから除去し、細胞を含まないウェル(対照ウェル)を含む400μLのリン酸緩衝生理食塩水で細胞を1回リンスした。これらの全てのウェルに、PBS中で調製した1μMのカルセイン−AM(ワーキングストック)(200μL(23ウェルプレートを使用した場合)または100μL(96ウェルプレートを使用した場合))を添加した。この板をアルミニウム箔で完全に覆い、CO
2インキュベーター中で30分間インキュベートした。この後、蛍光(490nmでの励起および520nmでの発光)を、マイクロタイターボトムプレートリーダー(Genios Pro、Tecan M1000)を用いて測定した。
【0096】
最初の一連の実験では、ヒト初代メラノサイトを、以下の表1に概略するような処理に付した。
【0098】
インキュベーション後、表1に概説される処理に供されたメラニン細胞のメラニン含量を、先に記載されるように見積もり、そして以下の表2のようになることが見出された。
【0100】
上記表1のデータは、メラニン形成の既知の誘導因子であるMSHで細胞を処理した実施例Bのメラニン含量が対照細胞(実施例A;処理なし)を超えていることが見出されたことを示す。実施例項に記載したように、表1の全ての実施例で使用したメラニン細胞を、同量のMSH(10nM)で処理した。MSHが存在するにもかかわらず、DGTEで処理したメラニン細胞(実施例1)のメラニン含量は、紅茶で処理した細胞(実施例D)のメラニン含量と比較して減少していることが見出された。これは、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含むDGTE(実施例1)が、対照(実施例D)によって提供される皮膚の美白と比較して、このようなMSH誘導状態において改善された皮膚の美白を提供したことを示す。
【0101】
結論として、抽出物が乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む脱没食子茶抽出物を含む局所組成物は、改善された皮膚美白を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2020年9月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.01〜10重量%の脱没食子(degallated)茶抽出物を含む局所組成物であって、ここで、抽出物が、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む、局所組成物。
【請求項2】
前記抽出物が、乾燥重量基準で5〜25%のカフェインをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抽出物が、カメリアシネンシス(Camellia sinensis)から得られる茶材料を使用して得られる、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、ナイアシンアミド、12−ヒドロキシステアリン酸、レゾルシノール、フェニルエチルレゾルシノール、4−アルキル置換レゾルシノール化合物、グルタチオン前駆体およびそれらの混合物から選択される0.001〜15重量%の皮膚美白剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が0.1〜10重量%のUVA有機日焼け止め剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が0.1〜10重量%のUVB有機日焼け止め剤をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物が4〜25重量%の脂肪酸をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が0.1〜10重量%の石けんをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、9〜20の範囲のHLB値を有する非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
組成物がポリマーをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物がリーブオン組成物である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
皮膚の美白を提供するための化粧方法であって、該方法は;
i. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に塗布する工程;および
ii. 必要に応じて水ですすぐ、
工程を含む、方法。
【請求項13】
皮膚の美白のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物の化粧的使用。
【請求項14】
0.01〜10重量%の脱没食子(degallated)茶抽出物を含む、皮膚の美白を提供するための医薬としての使用のための局所組成物であって、ここで、抽出物が、乾燥重量基準で0.2%未満の没食子酸を含む、局所組成物。
【国際調査報告】