(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本願は式Iに示すブロモドメインタンパク質阻害薬としてのイミノスルホン化合物及び薬学的に許容されるその塩に関し、さらに前記化合物の製造方法、医薬組成物及びその医薬用途に関する。
治療を必要とする哺乳動物に治療有効量の請求項1に記載の式Iの化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、又は請求項18に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、哺乳動物のBETタンパク質媒介性疾患の治療方法。
【発明の概要】
【0006】
本願は、式Iに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供し、
【化1】
式中、
R
1はH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
YはO、S、NR
Yから選ばれ、前記R
YはH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
X
1はN、CR
X1から選ばれ、前記R
X1はH、C
1−C
6アルキル基、ハロゲン、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれ、
X
2はN、CR
X2から選ばれ、X
3はN、CR
X3から選ばれ、前記R
X2、R
X3はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−S(O)
2NR
bR
cから選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基又はC
2−C
6アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
Z
1はN、CR
Z1から選ばれ、Z
2はN、CR
Z2から選ばれ、Z
3はN、CR
Z3から選ばれ、前記R
Z1、R
Z2、R
Z3はそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基から選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基又はC
2−C
6アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
R
2、R
3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ基、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基又は(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
又は、R
2とR
3が接続して隣接するS原子と3員〜8員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−、−(C
1−C
3アルキル)−NH−、−C
1−C
3アルキル−から選ばれ、
R
4はC
6−C
10アリール基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
3−C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基又は3員〜10員ヘテロシクロアルキル基はそれぞれ独立して、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を有し、前記R
4は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−NHS(O)
2R
eもしくは−S(O)
2NR
bR
cによって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
前記R
a、R
b、R
c、R
d、R
eはそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれる。
【0007】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0008】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【0009】
本願のいくつかの実施形態で、前記YはNR
Yから選ばれ、前記R
YはH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0010】
本願のいくつかの実施形態で、前記YはNH、N(CH
3)から選ばれる。
【0011】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
1はCR
X1から選ばれ、前記R
X1はH、C
1−C
4アルキル基、F、Cl、Br又はF、ClもしくはBrによって置換されたC
1−C
4アルキル基から選ばれる。
【0012】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
1はCHである。
【0013】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
2はCR
X2から選ばれ、前記R
X2はH、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
cから選ばれる。
【0014】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
2はCR
X2から選ばれ、前記R
X2はH、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、−C(O)NHCH
2CF
3から選ばれる。
【0015】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
3はCR
X3から選ばれ、前記R
X3はH、C
1−C
4アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換される。
【0016】
本願のいくつかの実施形態で、前記X
3はCHである。
【0017】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
1はN、CR
Z1から選ばれ、前記R
Z1はH、C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基又はC
2−C
4アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換される。
【0018】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
1はN、CHから選ばれる。
【0019】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
1はNである。
【0020】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
2はCR
Z2から選ばれ、前記R
Z2はH、C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基又はC
2−C
4アルキニル基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換される。
【0021】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
2はCHである。
【0022】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
3はN、CR
Z3から選ばれ、前記R
Z3はH、C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基又はC
2−C
4アルキニル基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換される。
【0023】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
3はN、CHから選ばれる。
【0024】
本願のいくつかの実施形態で、前記Z
3はNである。
【0025】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してC
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基、(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基又は(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基もしくはシアノ基によって置換され、又はR
2とR
3が接続して隣接するS原子と4員〜6員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0026】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれ、又はR
2とR
3が接続して隣接する=S=Oと
【化2】
が形成される。
【0027】
本願のいくつかの実施形態で、前記Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−から選ばれる。
【0028】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
4はフェニル基、ナフチル基、ピペリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,4−ジヒドロピリジル基、テトラヒドロフリル基から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0029】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化3】
から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0030】
本願のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化4】
から選ばれる。
【0031】
式Iに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩の好ましい形態は次から選ばれたものであり、式IIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩であって、
【化5】
式中、R
1、R
Y、R
X1、R
X2、R
X3、R
Z1、R
Z2、Z
3、R
2、R
3、L、R
4は上記の定義が適用される。
【0032】
式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩であって、
【化6】
式中、R
1はH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
YはH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
X1はH、C
1−C
6アルキル基、ハロゲン、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれ、
R
X2はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−S(O)
2NR
bR
cから選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基又はC
2−C
6アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
R
2、R
3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ基、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基又は(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
又は、R
2とR
3が接続して隣接するS原子と3員〜8員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−、−(C
1−C
3アルキル)−NH−、−C
1−C
3アルキル−から選ばれ、
R
4はC
6−C
10アリール基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
3−C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基又は3員〜10員ヘテロシクロアルキル基はそれぞれ独立して、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を有し、前記R
4は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−NHS(O)
2R
eもしくは−S(O)
2NR
bR
cによって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
前記R
a、R
b、R
c、R
d、R
eはそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれる。
【0033】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0034】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【0035】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0036】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはHである。
【0037】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はH、C
1−C
4アルキル基、F、Cl、Br又はF、ClもしくはBrによって置換されたC
1−C
4アルキル基から選ばれる。
【0038】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はHである。
【0039】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はH、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、−C(O)NHCH
2CF
3から選ばれる。
【0040】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はHである。
【0041】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してC
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基、(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基又は(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基もしくはシアノ基によって置換され、又はR
2とR
3が接続して隣接するS原子と4員〜6員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0042】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれ、又はR
2とR
3が接続して隣接する=S=Oと
【化7】
が形成される。
【0043】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−から選ばれる。
【0044】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは−O−である。
【0045】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4はフェニル基、ナフチル基、ピペリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,4−ジヒドロピリジル基、テトラヒドロフリル基から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0046】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化8】
から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0047】
本願の式IIIに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化9】
から選ばれる。
【0048】
式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩であって、
【化10】
式中、R
1はH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
YはH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
X1はH、C
1−C
6アルキル基、ハロゲン、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれ、
R
X2はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−S(O)
2NR
bR
cから選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基又はC
2−C
6アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
R
2、R
3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ基、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基又は(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
又は、R
2とR
3が接続して隣接するS原子と3員〜8員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−、−(C
1−C
3アルキル)−NH−、−C
1−C
3アルキル−から選ばれ、
R
4はC
6−C
10アリール基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
3−C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基又は3員〜10員ヘテロシクロアルキル基はそれぞれ独立して、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を有し、前記R
4は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−NHS(O)
2R
eもしくは−S(O)
2NR
bR
cによって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
前記R
a、R
b、R
c、R
d、R
eはそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれる。
【0049】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0050】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【0051】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0052】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはHである。
【0053】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はH、C
1−C
4アルキル基、F、Cl、Br又はF、ClもしくはBrによって置換されたC
1−C
4アルキル基から選ばれる。
【0054】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はHである。
【0055】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はH、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、−C(O)NHCH
2CF
3から選ばれる。
【0056】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はHである。
【0057】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してC
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基、(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基又は(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基もしくはシアノ基によって置換され、又はR
2とR
3が接続して隣接するS原子と4員〜6員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0058】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれ、又はR
2とR
3が接続して隣接する=S=Oと
【化11】
が形成される。
【0059】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−から選ばれる。
【0060】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは−O−である。
【0061】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4はフェニル基、ナフチル基、ピペリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,4−ジヒドロピリジル基、テトラヒドロフリル基から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0062】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化12】
から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0063】
本願の式IVに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化13】
から選ばれる。
【0064】
式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩であって、
【化14】
式中、R
1はH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
YはH、C
1−C
3アルキル基、C
1−C
3アシル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基又はC
1−C
3アシル基は所望により1つ以上のハロゲンによって置換され、
R
X1はH、C
1−C
6アルキル基、ハロゲン、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれ、
R
X2はH、ハロゲン、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−S(O)
2NR
bR
cから選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基又はC
2−C
6アルキニル基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
R
2、R
3はそれぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ基、C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
6アルキル基、C
2−C
6アルケニル基、C
2−C
6アルキニル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基又は(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基又はシアノ基によって置換され、
又は、R
2とR
3が接続して隣接するS原子と3員〜8員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記3員〜8員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−、−(C
1−C
3アルキル)−NH−、−C
1−C
3アルキル−から選ばれ、
R
4はC
6−C
10アリール基、C
3−C
10シクロアルケニル基、C
3−C
10シクロアルキル基、3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基、3員〜10員ヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記3員〜10員ヘテロアリール基、3員〜10員ヘテロシクロアルケニル基又は3員〜10員ヘテロシクロアルキル基はそれぞれ独立して、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を有し、前記R
4は所望により1つ以上のハロゲン、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基、C
1−C
6アルコキシ基、C
1−C
6アルキルアミノ基、(C
1−C
6アルキル)
2アミノ基、−C(O)OR
a、−C(O)NR
bR
c、−C(O)R
d、−S(O)
2R
e、−NHS(O)
2R
eもしくは−S(O)
2NR
bR
cによって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換され、
前記R
a、R
b、R
c、R
d、R
eはそれぞれ独立してH、C
1−C
6アルキル基、C
1−C
6ハロアルキル基から選ばれる。
【0065】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0066】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
1はH、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【0067】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはH、C
1−C
3アルキル基から選ばれ、前記C
1−C
3アルキル基は所望により1つ以上のF、Cl又はBrによって置換される。
【0068】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
YはHである。
【0069】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はH、C
1−C
4アルキル基、F、Cl、Br又はF、ClもしくはBrによって置換されたC
1−C
4アルキル基から選ばれる。
【0070】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X1はHである。
【0071】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はH、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、−C(O)NHCH
2CF
3から選ばれる。
【0072】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
X2はH、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2から選ばれる。
【0073】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2、R
3はそれぞれ独立してC
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基、(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基から選ばれ、前記C
1−C
4アルキル基、C
2−C
4アルケニル基、C
2−C
4アルキニル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基又は(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基もしくはシアノ基によって置換され、又はR
2とR
3が接続して隣接するS原子と4員〜6員ヘテロシクロアルキル基が形成され、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基はR
2とR
3の両方に接続されたS原子の他に、N、O、Sから選ばれた1〜3つのヘテロ原子を所望により有し、前記4員〜6員ヘテロシクロアルキル基の環上炭素原子は所望により1つ以上のF、Cl、Br、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1−C
4アルキル基、C
1−C
4ハロアルキル基、C
1−C
4アルコキシ基、C
1−C
4アルキルアミノ基もしくは(C
1−C
4アルキル)
2アミノ基によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0074】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
2とR
3はそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基から選ばれ、又はR
2とR
3が接続して隣接する=S=Oと
【化15】
が形成される。
【0075】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは単結合、−O−、−NH−、−(C
1−C
3アルキル)−O−から選ばれる。
【0076】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記Lは−O−である。
【0077】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4はフェニル基、ナフチル基、ピペリジニル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピペラジニル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,4−ジヒドロピリジル基、テトラヒドロフリル基から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0078】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化16】
から選ばれ、前記R
4は所望により1つ以上のF、Cl、Br、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、(メチル)
2アミノ基、(エチル)
2アミノ基、(プロピル)
2アミノ基、−C(O)OH、−C(O)OCH
3、−C(O)OC
2H
5、−C(O)NH
2、−C(O)NHCH
3、−C(O)NHC
2H
5、−C(O)N(CH
3)
2、−C(O)N(C
2H
5)
2、アセチル基、−S(O)
2CH
3、−S(O)
2C
2H
5、−NHS(O)
2CH
3、−NHS(O)
2C
2H
5、−S(O)
2NH
2、−S(O)
2NHCH
3、−S(O)
2NHC
2H
5、−S(O)
2N(CH
3)
2、−S(O)
2N(C
2H
5)
2によって置換され、又は1つ以上の酸素によって置換される。
【0079】
本願の式Vに示す化合物又は薬学的に許容されるその塩のいくつかの実施形態で、前記R
4は
【化17】
から選ばれる。
【0080】
本願は、次の化合物又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【化18】
【0081】
本願のもう1つの態様は、本願の化合物又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、本願の医薬組成物は薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0082】
本願のもう1つの態様は、治療を必要とする哺乳動物(好ましくはヒト)に治療有効量の本願の化合物、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物を投与するステップを含む哺乳動物のBETタンパク質媒介性疾患の治療方法に関する。
【0083】
本願のもう1つの態様は、BETタンパク質媒介性疾患の治療薬物を製造するための本願の化合物、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物の用途に関する。
【0084】
本願のいくつかの実施形態で、前記BETタンパク質媒介性疾患はがんから選ばれる。好ましくは、前記がんは固形腫瘍、血液腫瘍から選ばれる。より好ましくは、前記固形腫瘍は乳がん、前立腺がんから選ばれる。より好ましくは、前記血液腫瘍は急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫から選ばれる。
【0085】
[関連の用語及び定義]
特に説明がない限り、本願で使用される下記の用語は、以下記載の意味を有する。特定の用語は、特に定義される場合を除き、確定しない又は不明瞭なものではなく、本分野の通常の意味で理解されるべきである。本明細書で商品名が記載される場合、対応する製品又はその有効成分を指す。
【0086】
用語「置換された」とは、特定の原子の原子価が正常であり、且つ置換後の化合物が安定的なものであれば、当該原子上の任意の1つ以上の水素原子が置換基によって置換されることである。置換基が酸素(=O)である場合には、2つの水素原子が置換される。酸素置換はアリール基には行われない。
【0087】
用語「所望により」又は類する表現は、続いて記載される事項又は状況は生じる可能性はあるが、必ずしも生じるとは限らないことであり、当該表現には前記事項又は状況が生じる場合及び前記事項又は状況が生じない場合が含まれる。例えば、エチル基が「所望により」ハロゲンによって置換されるとは、エチル基は置換されなくてもよいし(CH
2CH
3)、単置換されてもよいし(例えば、CH
2CH
2F)、多置換されてもよいし(例えば、CHFCH
2F、CH
2CHF
2など)又は完全に置換されてもよい(例えば、CF
2CF
3)。当業者が理解したように、1つ以上の置換基を含む基には、空間的に存在し得ない且つ/又は合成できないような置換又は置換方法が認められない。当業者が理解したように、複数の置換基によって置換された場合は、前記置換基の数量は2つ、3つ、4つ又は5つ以上であってもよく、最終的には置換が可能な位置が全て置換され、例えば、エチル基が複数のF原子によって置換される場合は、2つ、3つ、4つ又は5つのF原子によって置換される。
【0088】
本明細書で「C
m−n」というのは、当該部分は示される範囲の整数の炭素原子を備えることをいう。例えば「C
1−6」である場合、対象基が1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子又は6つの炭素原子を備える。
【0089】
化合物の組成又は構造で特定の変数(例えばR)が1回以上出現した場合には、出現するたびに独立して定義される。そのため、例えば、1つの官能基が2つのRによって置換される場合には、それぞれのRは独立して選択される。
【0090】
変数が共有結合から選ばれた場合には、それによって接続された2つの官能基が直接的に接続されることを表す。例えば、A−L−ZでLが共有結合である場合は、当該構造はA−Zである。
【0091】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0092】
用語「ヒドロキシ基」とは−OH基である。
【0093】
用語「シアノ基」とは−CN基である。
【0094】
用語「アミノ基」とは−NH
2基である。
【0095】
用語「ニトロ基」とは−NO
2基である。
【0096】
用語「アルキル基」とはC
nH
2n+1を一般式とする炭化水素基である。当該アルキル基は直鎖でもよいし分岐鎖でもよい。例えば、用語「C
1−6アルキル基」とは1つから6つの炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基など)である。同様に、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基のアルキル基部分(アルキル基)に前記定義が適用される。
【0097】
用語「アルコキシ基」とは−O−アルキル基である。
【0098】
用語「アルキルアミノ基」とは−NH−アルキル基である。
【0099】
用語「ジアルキルアミノ基」とは−N(アルキル)
2基である。
【0100】
用語「アルケニル基」とは炭素原子及び水素原子からなる直鎖又は分岐鎖で少なくとも1つの二重結合を備える不飽和の脂肪族炭化水素基をいう。アルケニル基の非限定的な例はエテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、1,3−ブタジエニル基を含み、これらに限定されない。
【0101】
用語「アルキニル基」とは炭素原子及び水素原子からなる直鎖又は分岐鎖で少なくとも1つの三重結合を備える不飽和の脂肪族炭化水素基をいう。アルキニル基の非限定的な例はエチニル基(−C≡CH)、1−プロピニル基(−C≡C−CH
3)、2−プロピニル基(−CH
2−C≡CH)、1,3−ジアセチレニル基(−C≡C−C≡CH)などを含み、これらに限定されない。
【0102】
用語「シクロアルキル基」とは完全に飽和で単環、架橋環又はスピロ環として存在する炭素環をいう。特に指定がない限り、当該炭素環は一般に3〜10員環である。シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンタニル基などを含み、これらに限定されない。
【0103】
用語「シクロアルケニル基」とは一部飽和で単環、架橋環又はスピロ環として存在する非芳香族炭素環をいう。特に指定がない限り、当該炭素環は一般に5〜8員環である。シクロアルケニル基の非限定的な例は、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタジエニル基などを含み、これらに限定されない。
【0104】
用語「ヘテロシクロアルケニル基」とは独立して硫黄、酸素及び/又は窒素から選ばれた1〜3つのヘテロ原子(好ましくは1つ又は2つのヘテロ原子)を有する前記シクロアルケニル基をいう。
【0105】
用語「ヘテロシクロアルキル基」とは、単環、架橋環又はスピロ環として存在する完全飽和の環状官能基をいう。特に指定がない限り、当該ヘテロ環は一般に、硫黄、酸素及び/又は窒素から独立して選ばれる1つから3つのヘテロ原子(好ましくは1つ又は2つのヘテロ原子)を有する3から7員環である。3員ヘテロシクロアルキル基の例は、オキシラニル基、チイラニル基、アジリジニル基を含み、これらに限定されず、4員ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例は、アゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基を含み、これらに限定されず、5員ヘテロシクロアルキル基の例は、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロピラゾリル基を含み、これらに限定されず、6員ヘテロシクロアルキル基の例は、ピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,4−チオキサニル基、1,4−ジオキソラン基、チオモルホリニル基、1,3−ジチエニル基、1,4−ジチエニル基を含み、これらに限定されず、7員ヘテロシクロアルキル基の例は、アゼパニル基、オキセパン基、チエパン基を含み、これらに限定されない。5つ又は6つの環原子を備える単環式ヘテロシクロアルキル基であることが好ましい。
【0106】
用語「アリール基」とは共役のπ電子系の全炭素単環又は融合多環を備える芳香環官能基である。例えば、アリール基は6〜20個の炭素原子、6〜14個の炭素原子又は6〜12個の炭素原子を備えてもよい。アリール基の非限定的な例は、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどを含み、これらに限定されない。
【0107】
用語「ヘテロアリール基」とは、少なくとも1つの環原子がN、O、Sから選ばれ、残りの環原子はCであり、且つ少なくとも1つの芳香環を有する単環式又は融合多環式環系である。ヘテロアリール基は4から8員環、特に5から8員環を1つ、6から14個、特に6から10個の環原子を含む複数の融合環を有することが好ましい。ヘテロアリール基の非限定的な例はピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、テトラゾリル基、トリアゾリル基、トリアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、イソインドリル基などである。
【0108】
用語「治療」とは、疾患又は前記疾患に関連する1つ以上の症状を予防、改善又は解消するために、本願の化合物又は製剤を投与することであり、下記の事項を含む。
(i)哺乳動物における疾患又は病的状態の出現を予防し、特に当該哺乳動物が当該病的状態になりやすいが、当該病的状態であると診断されない時である。
(ii)疾患又は病的状態を抑制し、即ちその進行を抑制することである。
(iii)疾患又は病的状態を緩和し、即ち当該疾患又は病的状態を軽減させることである。
【0109】
用語「治療有効量」とは、(i)特定の疾患、症状又は障害を治療又は予防し、(ii)特定の疾患、病的状態又は障害の1種以上の症状を軽減、改善又は解消し、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、病的状態又は障害の1種以上の症状の発生を予防又は遅延させるための、本願の化合物の用量である。本願の化合物の「治療有効量」は当該化合物自体、適用する病的状態とその重症度、投与形態及び治療対象哺乳動物の年齢によって変わるが、当業者が本分野の常識及び本開示の内容に基づいて決めてもよい。
【0110】
用語「薬学的に許容される」とは、ヒト及び動物の組織に接触して使用されるのに適し、毒性又は刺激性を持たず、アレルギー反応やその他の問題、合併症を引き起こさないと医学的に判断され、利益とリスクが釣り合う化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対して使用される。
【0111】
薬学的に許容される塩の例としては、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基と形成した塩、無機酸と形成した塩、有機酸と形成した塩、塩基性又は酸性のアミノ酸と形成した塩などが挙げられる。
【0112】
用語「医薬組成物」とは1種以上の本願の化合物又はその塩と薬学的に許容される賦形剤からなる混合物である。医薬組成物は本願の化合物を生体に投与しやすいために製造されたものである。
【0113】
用語「薬学的に許容される賦形剤」とは生体に明らかな刺激はなく、当該活性化合物の生物学的活性及び特性を損なわない賦形剤である。適切な賦形剤、例えば、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は水溶性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などは当業者に知られた事項である。
【0114】
用語「含む(comprise)」及び類する用語、例えば、comprises又はcomprisingは、「…を含み、これに限定されない」というふうに、オープンで、非排他的な表現と理解される。
【0115】
本願の化合物及び中間体は異なる互変異性体の形態として存在してもよく、このような形態の全てが本願の範囲に含まれる。用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは低エネルギー障壁によって相互変換でき、異なるエネルギーを持つ構造異性体である。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体ともいう)にはプロトン転移による相互変換、例えば、ケトン−エノール異性化、イミン−エナミン異性化が含まれる。プロトン互変異性体の一例はイミダゾールであり、プロトンが2つの環上窒素原子間に転移できる。原子価互変異性体にはいくつかの結合電子の組み替えによる相互変換を含む。
【0116】
本願には、本明細書に記載の化合物と同じで、なおかつ1つ以上の原子は原子量又は質量数が自然的に存在する通常の原子量又は質量数とは異なる原子によって置換された、即ち同位体によって標識された本願の化合物をさらに含む。本願の化合物に結合できる同位体の例としては水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、塩素の同位体が挙げられ、例えば、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
31P、
32P、
35S、
18F、
123I、
125I、
36Clなどである。
【0117】
特定の同位体(例えば、
3H、
14C)によって標識された本願の化合物は化合物及び/又は基質の組織分布分析に用いられる。同位体重水素(
3H)、炭素−14(
14C)は調製しやすく検出できるため特に好ましい。陽電子放出性同位体は、例えば
15O、
13N、
11C、
18Fは陽電子放出断層撮影(PET)研究で基質占有率を測定するために用いられる。一般には、同位体によって標識された本願の化合物は、次に開示される技術案及び/又は実施例に類似する手順によって、同位体で標識した試薬で同位体標識が行われていない試薬を置換して調製される。
【0118】
本願の化合物は、例えば、1つ以上の立体異性体があるなど、非対称のものであってもよい。特に説明がない限り、エナンチオマー、ジアステレオマーをはじめ全ての立体異性体が含まれる。本願で非対称炭素原子を有する化合物は光学的に純粋な形態又はラセミ形として分離できる。光学的に純粋な形態はラセミ混合物から分離されてもよいし、又は不斉原材料もしくは不斉試薬を使用して合成されてもよい。
【0119】
本願の医薬組成物は本願の化合物と薬学的に許容される適切な賦形剤を組み合わせて製造されてもよく、例えば、固体、半固体、液体剤又は気体の製剤として製造されてもよく、例えば、錠剤、丸薬、カプセル、パウダー、顆粒、軟膏、エマルジョン、懸濁剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア、エアロゾルなどである。
【0120】
本願の化合物、薬学的に許容されるその塩又はその医薬組成物の典型的な投与経路には、経口、経直腸、局所、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内を含み、これらに限定されない。
【0121】
本願の医薬組成物は、本技術分野で周知の手法、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠法、粉砕、乳化、凍結乾燥などの通常の方法で製造されてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与用である。経口投与用の場合に、活性化合物と本技術分野で周知の薬学的に許容される賦形剤を混合して、医薬組成物を製造できる。このような賦形剤によって本願の化合物は、患者に経口投与する錠剤、丸薬、糖衣コーティング剤、カプセル、液体剤、ゲル剤、シロップ、懸濁剤などとして製剤化される。
【0123】
経口用固体組成物は混合、充填、打錠など通常の手法で製造されてもよい。例えば、活性化合物と固体賦形剤を混合し、所望により混合物を粉砕するように製造する。必要ならば、他の適切な賦形剤を加え、前記混合物を顆粒に加工すれば、錠剤又は糖衣コーティング剤のコアを得る。適切な賦形剤は、バインダー、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味料、矯味剤などを含み、これに限定されない。
【0124】
医薬組成物は非経口投与、例えば、適切な単位用量の滅菌液剤、懸濁液剤又は凍結乾燥製品にも適する。
【0125】
本願の化合物は当業者に知られる様々な合成方法であって、下記の各実施形態、他の化学合成方法と組み合わせてなされた実施形態及び当業者に知られる同等な実施形態を含み、好ましい実施形態は本願の実施例を含み、これに限定されない前記合成方法で製造されてもよい。
【0126】
本願に記載の各実施形態の化学反応は適切な溶媒において行われ、前記溶媒は本願に係る化学的変化及び使用する試薬と原材料に適する。本願の化合物を得るために、場合によっては当業者が既存の実施形態を踏まえ合成手順又は反応プロセスを選択し又は変更する必要がある。
【0127】
合成方法:
手順1:
【化19】
手順2:
【化20】
手順1又は手順2に記載の経路に従って本願の化合物を製造できる。手順1又は手順2の反応の各生成物は従来の分離技術によって得られ、このような従来の技術は濾過、蒸留、結晶、クロマトグラフィーを含み、これらに限定されない。出発物質は自ら合成したものでもよいし、又はメーカー(例えば、Adrich、Sigma)から購入してもよい。これらの原材料は物理定数、スペクトルデータなど通常のパラメータで特定される。本願に記載の化合物は合成手順によって単一の異性体又は異性体の混合物として得られる。
【0128】
手順1で、適切な塩基、原材料1及び原材料2を使用してSN2反応によって中間体3を得、亜鉛粉末又は鉄粉の存在下で中間体3の還元反応によりアミノ中間体4が得られる。ジアゾ化−ヨード置換により中間体4から対応するヨード置換中間体5を得、続いて対応するスルホニルイミンとカップリング反応を行って中間体6を得る。中間体6と中間体7が鈴木・宮浦カップリング反応を行って中間体8を得、最後に脱保護して目的生成物9を得る。
【0129】
手順2で、中間体4が宮浦ホウ素化反応を行って中間体10を得、続いて臭素置換中間体11と鈴木・宮浦カップリング反応を行って中間体12を得る。ジアゾ化−ヨード置換により中間体12から対応するヨード置換中間体13を得、続いて対応するスルホニルイミンとカップリング反応を行って中間体8を得る。最後に手順1の条件で脱保護して目的生成物9を得る。
【発明を実施するための形態】
【0130】
下記の非限定的な実施例は説明するためのものに過ぎず、本願はこれらに限定されない。
【0131】
特に説明がない限り、温度とは摂氏温度である。試薬は中国国薬集団化学試薬北京有限公司、アルファ・エイサー(Alfa Aesar)、北京百霊威科技有限公司などのメーカーから購入されたもので、特に説明がない限り、これらの試薬は精製が不要でそのまま使用できる。
【0132】
特に説明がない限り、次の反応が無水溶媒で陽圧の窒素又はアルゴンにおいて行われ、又は乾燥管において行われる。反応フラスコには、注射器で基質又は試薬を加えるためにゴム製セパレータがつけられる。ガラス器具はオーブンで乾燥され且つ/又は加熱して乾燥される。
【0133】
特に説明がない限り、クロマトグラフィー精製には青島海洋化工場の200〜300メッシュシリカゲルが、分取薄層クロマトグラフィーには煙台市化学工業研究所が製造したシリカゲルを塗布した薄層クロマトグラフィー用プレート(HSGF254)が、MS測定にはThermo LCQ Fleet型(ESI)液体クロマトグラフィー−質量分析計が使用される。
【0134】
NMRデータ(
1H NMR)はVarianを用いて400MHzにおいて測定される。NMRデータの測定に使用される溶媒はCDCl
3、CD
3OD、D
2O、DMSO−d
6などであり、テトラメチルシラン(0.00ppm)又は残留溶媒を基準とする(CDCl
3:7.26ppm、CD
3OD:3.31ppm、D
2O:4.79ppm、DMSO−d
6:2.50ppm)。ピーク形状の多様性を示す時に使う次の略号は異なるピーク形状を表す。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(幅広線)、dd(二重の二重線)、dt(三重の三重線)。結合定数が示される場合、単位がヘルツ(Hz)である。
【0135】
実施例1:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化21】
【0136】
ステップA:2−ブロモ−1−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]−4−ニトロベンゼン
【化22】
0℃で、4−(メチルスルホニル)フェノール(1.00g)のDMF(12mL)溶液に数回に分けて60%NaH(0.28g)を加えた後、15分間攪拌し、続いて混合溶液に2−ブロモ−1−フルオロ−4ニトロベンゼン(1.28g)を加えた。加えた後、混合液が自ずと室温に温まると1時間反応させた。反応混合物を氷水に注ぎ、15分間攪拌し、濾過し、固体を集めて、生成物(2.1g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.60(d,J=2.8Hz,1H),8.22(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.98−8.02(m,2H),7.15−7.18(m,2H),7.09(d,J=8.8Hz,1H),3.09(s,3H)。
【0137】
ステップB:3−ブロモ−4−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]アニリン
【化23】
室温で、2−ブロモ−1−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]−4−ニトロベンゼン(1.10g)がエタノール(20mL)と酢酸(5mL)に溶解した溶液に数回に分けて亜鉛粉末(1.95g)を加え、約30分間で加えた後、引き続き室温で一晩攪拌した。ジクロロメタンを加えて希釈し、濾過し、減圧下で濾液を蒸発乾固し、残留物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(0.80g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.84−7.87(m,2H),6.97−6.99(m,3H),6.93(d,J=8.8Hz,1H),6.66(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),3.76(brs,2H),3.04(s,3H)。
【0138】
ステップC:2−ブロモ−4−ヨード−1−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]ベンゼン
【化24】
氷浴下で、3−ブロモ−4−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]アニリン(0.50g)が33%硫酸(10mL)とアセトニトリル(10mL)に溶解した溶液にゆっくりと亜硝酸ナトリウム(0.12g)の水(1mL)溶液を滴加し、約2分間で加えた。次にゆっくりとヨウ化カリウム(2.50g)の水(3mL)溶液を滴加し、加えた後、自ずと室温に温まると1時間反応させた。反応混合物を氷を含む炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(60mL)に注ぎ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を加え酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/10〜1/4)で残留物に対し分離して生成物(0.40g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.01(d,J=2.0Hz,1H),7.89−7.92(m,2H),7.67(dd,J=8.4Hz,2.0Hz,1H),7.01−7.04(m,2H),6.85(d,J=8.4Hz,1H),3.06(s,3H)。
【0139】
ステップD:N−{3−ブロモ−4−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化25】
N
2保護下で、無水ジオキサン(4mL)に2−ブロモ−4−ヨード−1−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]ベンゼン(0.10g)、ジメチルスルホキシミン(25mg)、炭酸セシウム(0.14g)、Xantphos(10mg)、Pd
2(dba)
3(8mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して3時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(EtOAc/PE=1/1)で残留物に対し分離して生成物(53mg)を得た。
m/z=418[M+1]
+。
【0140】
ステップE:4−ブロモ−7−メトキシ−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル
【化26】
N
2保護下で、4−ブロモ−7−メトキシ−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(1.2g、文献J.Med.Chem.2017,60,8369−8384の方法で得た)の無水テトラヒドロフラン(15mL)溶液を−78℃に冷却した。攪拌しながらゆっくりと2mol/LのLDAのテトラヒドロフラン溶液(2.35mL)を滴加し、−78℃で45分間攪拌し、次に反応液にクロロギ酸n−ブチル(0.64g)のテトラヒドロフラン溶液(5mL)を滴加した。滴加した後、当該温度で1.5時間攪拌した。反応終了を検出すると、塩化アンモニウムの飽和水溶液(15mL)を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で抽出液を洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒残留物を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/4)により精製して生成物(1.0g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.26(d,J=8.4Hz,2H),7.99(s,1H),7.38(d,J=8.4Hz,2H),7.07(s,1H),4.42(t,J=6.4Hz,2H),3.91(s,3H),2.47(s,3H),1.80−1.82(m,2H),1.51−1.55(m,2H),0.97−1.01(t,J=7.2Hz,3H)。
【0141】
ステップF:4−ブロモ−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル
【化27】
室温で、4−ブロモ−7−メトキシ−1−トシル−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル(4.81g)をジオキサン(10mL)に溶解し、当該溶液に濃塩酸(10mL)を加え、40℃に加熱して一晩攪拌し、室温に冷却した後、白色懸濁液を濾過しNaHCO
3の飽和水溶液で洗浄し、白い固体を得て空気中で乾燥して生成物(2.4g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.98(brs,1H),8.40(d,J=8.4Hz,2H),7.36(d,J=8.4Hz,2H),7.14(s,1H),6.89(s,1H),4.42(t,J=6.8Hz,2H),2.45(s,3H),1.78−1.82(m,2H),1.48−1.50(m,2H),0.99(t,J=7.2Hz,3H)。
【0142】
ステップG:4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル
【化28】
室温で、4−ブロモ−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル(2.4g)をDMF(20mL)に溶解し、当該溶液に無水炭酸セシウム(2.52g)、ヨードメタン(0.87g、1.2eq)を加え、一晩攪拌した。酢酸エチル(100mL)を加えてパルプ化させて濾過し、1NのHClそして飽和食塩水で濾液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次に蒸発乾固して溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/2)で残留物に対し精製して生成物(1.5g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.47(d,J=8.4Hz,2H),7.39(d,J=8.4Hz,2H),7.26(s,1H),6.87(s,1H),4.41(t,J=6.8Hz,2H),3.56(s,3H),2.45(s,3H),1.77−1.81(m,2H),1.48−1.50(m,2H),0.99(t,J=7.2Hz,3H)。
【0143】
ステップH:4−ブロモ−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化29】
密閉試験管で、4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル(1.5g)を60%エチルアミン水溶液(10mL)に分散させ、窒素を流し込んで80℃に加熱して一晩攪拌した。殆どの溶媒を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)で残留物に対し精製して生成物(0.46g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 12.00(brs,1H),8.454(t,J=5.2Hz,1H),7.60(s,1H),6.86(s,1H),3.50(s,3H),3.25−3.32(m,2H),1.1.14(t,J=7.2Hz,3H)。
【0144】
ステップI:N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化30】
N
2保護下で、1,4−ジオキサン(20mL)と水(2mL)の混合溶媒に4−ブロモ−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド(0.46g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.66g)、Xphos(31mg)、酢酸カリウム(0.28g)、Pd
2(dba)
3(30mg)をこの順に加え、80℃に加熱して一晩攪拌し、室温に冷却し、反応液を酢酸エチルに分散させ、NaHCO
3の飽和水溶液そして水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/3〜1/1)で残留物に対し精製して生成物(0.3g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.26(brs,1H),7.48(s,1H),7.02(s,1H),6.41(brs,1H),3.66(s,3H),3.53(q,J=7.2Hz,2H),1.37(s,12H),1.28(t,J=7.2Hz,3H)。
【0145】
ステップJ:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化31】
N
2保護下で、80%ジオキサン水溶液(3mL)にN−{3−ブロモ−4−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン(20mg)、N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,13−c]ピリジン−2−カルボキサミド(20mg)、フッ化セシウム(22mg)、PdCl
2(dppf)(3mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物に対し分離して生成物(15mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.32(s,1H),7.69(d,J=8.8Hz,2H),7.21−7.25(m,2H),7.17(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),7.06(d,J=8.8Hz,1H),6.99(s,1H),6.92(d,J=2.0Hz,1H),6.81(d,J=8.8Hz,2H),3.61(s,3H),3.45−3.54(m,2H),3.22(s,6H),2.96(s,3H),1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
【0146】
実施例2:4−{4−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)フェノキシ}−3−フルオロベンゾニトリル
【化32】
【0147】
ステップA:4−{2−ブロモ−4−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェノキシ}−3−フルオロベンゾニトリル
【化33】
原材料に2−ブロモ−1−フルオロ−4ニトロベンゼン、3−フルオロ−4−ヒドロキシベンゾニトリルを使用して実施例1のステップA〜Dを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.47(dd,J=10.0Hz,2.0Hz,1H),7.39(d,J=2.4Hz,1H),7.31−7.34(m,1H),7.06(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.98(d,J=8.8Hz,1H),6.74(t,J=8.4Hz,1H),3.19(s,6H)。
【0148】
ステップB:4−ブロモ−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化34】
4−ブロモ−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.5g、文献J.Med.Chem.2017,60,8369−8384の方法で得た)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリド(0.5g)を加え、70℃に加熱して2時間攪拌し、反応液を酢酸エチルに分散させ、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、生成物(0.35g)を得た。
m/z=227[M+1]
+。
【0149】
ステップC:6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化35】
N
2保護下で、1,4−ジオキサン(20mL)と水(2mL)の混合溶媒に4−ブロモ−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.35g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(0.66g)、Xphos(31mg)、酢酸カリウム(0.28g)、Pd
2(dba)
3(30mg)をこの順に加え、80℃に加熱して一晩攪拌し、室温に冷却し、反応液を酢酸エチルに分散させ、飽和NaHCO
3溶液そして水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/1)で残留物に対し精製して生成物(0.2g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.79(brs,1H),7.47(s,1H),7.24−7.26(m,1H),6.76−6.77(m,1H),3.66(s,3H),1.36(s,12H)。
【0150】
ステップD:4−{4−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−イル)フェノキシ}−3−フルオロベンゾニトリル
【化36】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(3mL)に4−{2−ブロモ−4−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェノキシ}−3−フルオロベンゾニトリル(40mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(43mg)、フッ化セシウム(48mg)、PdCl
2(dppf)(4mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物に対し分離して生成物(30mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.98(s,1H),7.25−7.30(d,2H),7.21(t,J=2.8Hz,1H),7.11−7.15(m,2H),7.09(s,1H),7.06(d,J=8.4Hz,1H),6.68(t,J=8.4Hz,1H),6.41(t,J=2.8Hz,1H),3.61(s,3H),3.20(s,6H)。
【0151】
実施例3:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化37】
【0152】
ステップA:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化38】
N
2保護下で、80%ジオキサン水溶液(3mL)にN−{3−ブロモ−4−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン(40mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トルエンスルホニル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−C]ピリジン−7−オン(61mg、文献J.Med.Chem.2017,60,8369−8384の方法で得た)、フッ化セシウム(44mg)、PdCl
2(dppf)(4mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/30)で残留物に対し分離して生成物(45mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.98(d,J=8.4Hz,2H),7.88(d,J=3.2Hz,1H),7.68(d,J=8.4Hz,2H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),7.12−7.15(m,2H),7.01−7.05(m,2H),6.77(d,J=8.4Hz,2H),6.49(d,J=3.2Hz,1H),3.45(s,3H),3.20(s,6H),2.96(s,3H),2.41(s,3H)。
【0153】
ステップB:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化39】
4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[4−(メチルスルホニル)フェノキシ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(45mg)のエタノール(1mL)溶液に1mol/LのNaOH溶液(1mL)を加え、続いて80℃に加熱して1時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物を分離して生成物(20mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.59(s,1H),7.68(d,J=8.8Hz,2H),7.27(d,J=2.8Hz,1H),7.23(t,J=2.4Hz,1H),7.13(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),7.05(d,J=8.8Hz,1H),6.96(s,1H),6.82(d,J=8.8Hz,2H),6.41(t,J=2.4Hz,1H),3.60(s,3H),3.21(s,6H),2.95(s,3H)。
【0154】
実施例4:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化40】
【0155】
ステップA:N−[5−ブロモ−6−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化41】
原材料に3−ブロモ−2−フルオロ−5ニトロピリジン、2,4−ジフルオロフェノールを使用して実施例1のステップA〜Dを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.77(d,J=2.4Hz,1H),7.73(d,J=2.4Hz,1H),7.17−7.23(m,1H),6.87−6.97(m,2H),3.15(s,6H)。
【0156】
ステップB:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化42】
実施例3のステップAを参照して生成物(50mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.04(d,J=8.4Hz,2H),7.91(d,J=3.6Hz,1H),7.84(d,J=1.6Hz,1H),7.47(d,J=2.8Hz,1H),7.31(d,J=8.4Hz,2H),7.23(s,1H),7.07−7.13(m,1H),6.84−6.95(m,2H),6.54(d,J=3.2Hz,1H),3.57(s,3H),3.16(s,6H),2.40(s,3H)。
【0157】
ステップC:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化43】
実施例3のステップBを参照して生成物(24mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.71(s,1H),7.84(d,J=2.8Hz,1H),7.62(d,J=2.8Hz,1H),7.25(s,1H),7.24(d,1H),7.11−7.17(m,1H),6.84−6.96(m,2H),6.51(d,J=2.8Hz,1H),3.72(s,3H),3.17(s,6H)。
【0158】
実施例5:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化44】
【0159】
ステップA:2−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−4−ニトロベンゼン
【化45】
2,4−ジフルオロフェノール(1.43g)、2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(2.2g)、炭酸セシウム(4.9g)をDMSO(20mL)に加え、100℃で2時間攪拌し、室温に冷却し、反応混合物を水に注ぎ、15分間攪拌し、濾過し、固体を集めて、生成物(3.4g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.55(d,J=2.8Hz,1H),8.10(dd,J=9.2Hz,2.8Hz,1H),7.21(td,J=8.8Hz,5.2Hz,1H),6.94−7.06(m,2H),6.73(d,J=9.2Hz,1H)。
【0160】
ステップB:3−ブロモ−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)アニリン
【化46】
室温で、2−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−4−ニトロベンゼン(3.4g)がエタノール(30mL)と酢酸(10mL)に溶解した溶液に数回に分けて亜鉛粉末(6.0g)を加え、約10分間で加えた後、引き続き室温で2時間攪拌した。ジクロロメタンを加えて希釈し、濾過し、減圧下で濾液を蒸発乾固し、残留物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(2.81g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.90−6.95(m,2H),6.72−6.81(m,3H),6.58(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),3.70(s,2H)。
【0161】
ステップC:4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン
【化47】
3−ブロモ−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)アニリン(2.0g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.4g)、酢酸カリウム(1.6g)、Pd(dppf)Cl
2(241mg)をジオキサン(50mL)に溶解し、窒素保護下で100℃で12時間攪拌し、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=1/40)で混合物に対し分離して生成物(900mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.12(d,J=2.8Hz,1H),6.79−6.93(m,3H),6.61−6.67(m,1H),6.56(td,J=9.2Hz,5.2Hz,1H),3.65−4.46(brs,2H),1.16(s,12H)。
【0162】
ステップD:4−[5−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化48】
N
2保護下で、30mLのジオキサン溶液と6mLの水に4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(900mg)、4−ブロモ−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(1.2g)、リン酸カリウム(1.6g)、PdCl
2(dppf)(190mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して12時間攪拌した。室温に冷却し、水を加えてジクロロメタンで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=1/30)で残留物に対し分離して生成物(1.3g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.01(d,J=8.4Hz,2H),7.86(d,J=3.6Hz,1H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),7.11(s,1H),6.63−6.81(m,6H),6.46(d,J=3.6Hz,1H),3.56−3.72(brs,2H),3.51(s,3H),2.41(s,3H)。
【0163】
ステップE:4−(2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−ヨードベンゼン)−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化49】
氷浴下で、4−[5−アミノ−2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(200mg)が33%硫酸(10mL)とアセトニトリル(10mL)に溶解した溶液にゆっくりと亜硝酸ナトリウム(29mg)の水(1mL)溶液を滴加し、約5分間で加えた。15分間後ゆっくりとヨウ化カリウム(252mg)の水(3mL)溶液を滴加し、加えた後、自ずと室温に温まると1時間攪拌した。氷を含む炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(60mL)に注ぎ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を加え酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(MeOH/DCM=1/30)で残留物に対し分離して生成物(120mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.03(d,J=8.4Hz,2H),7.89(d,J=3.6Hz,1H),7.66(d,J=2.4Hz,1H),7.57(dd,J=8.8Hz,2.0Hz,1H),7.31(d,J=8.4Hz,2H),7.13(s,1H),6.86−6.95(m,2H),6.77−6.82(m,1H),6.54(d,J=8.4Hz,1H),6.43(d,J=3.6Hz,1H),3.55(s,3H),2.41(s,3H)。
【0164】
ステップF:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキシ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化50】
N
2保護下で、無水ジオキサン(10mL)に4−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−ヨードベンゼン]−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(30mg)、ジメチルスルホキシミン(5mg)、炭酸セシウム(23mg)、Xantphos(2mg)、Pd
2(dba)
3(1mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して3時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/25)で残留物に対し分離して生成物(10mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.01(d,J=8.4Hz,2H),7.87(d,J=3.6Hz,1H),7.30(d,J=8.4Hz,2H),7.15(s,1H),7.08(d,J=2.8Hz,1H),7.01(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.77−6.84(m,3H),6.66−6.73(m,1H),6.50(d,J=3.6Hz,1H),3.52(s,3H),3.16(s,6H),2.40(s,3H)。
【0165】
ステップG:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化51】
3mLのエタノールと3mLの1NのNaOHの溶液に4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキシ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(10mg)を加え、70℃で1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、リン酸水素二ナトリウムの飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物に対し分離して生成物(7mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.58−9.68(brs,1H),7.24(d,J=2.8Hz,1H),7.22(t,J=2.4Hz,1H),7.14(s,1H),7.03(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.77−6.85(m,3H),6.63−6.69(m,1H),6.46(t,J=2.4Hz,1H),3.65(s,3H),3.17(s,6H)。
【0166】
実施例6:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノフェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化52】
【0167】
ステップA:N−{3−ブロモ−4−[4−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化53】
原材料2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、2−クロロ−6−メチルフェノールを使用して実施例1のステップA〜Dを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.37(d,J=2.4Hz,1H),7.27−7.31(m,1H),7.15−7.17(m,1H),7.07−7.10(m,1H),6.83(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.26(d,J=8.8Hz,1H),3.14(s,6H),2.18(s,3H)。
【0168】
ステップB:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノフェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化54】
N
2保護下で、1,4−ジオキサン(10mL)と水(1mL)の混合溶媒にN−{3−ブロモ−4−[4−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン(80mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(58mg)、リン酸カリウム(90mg)、PdCl
2(dppf)(8mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、珪藻土で濾過し酢酸エチルでリンスし、濾液を蒸発乾固し、分取用薄層プレート(100%EtOAc)で残留物に対し分離して生成物(70mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.32(brs,1H),7.31(s,1H),7.28(d,J=1.2Hz,1H),7.25−7.26(m,1H),7.24(d,J=2.8Hz,1H),7.09−7.11(m,1H),7.03−7.05(m,1H),6.89(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.54−6.55(m,1H),6.34(d,J=8.8Hz,1H),3.71(s,3H),3.15(s,6H),2.07(s,3H)。
【0169】
実施例7:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化55】
【0170】
N
2保護下で、1,4−ジオキサン(10mL)と水(1mL)の混合溶媒にN−{3−ブロモ−4−[4−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン(34mg)、N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド(30mg)、リン酸カリウム(42mg)、PdCl
2(dppf)(3.7mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、珪藻土で濾過し酢酸エチルでリンスし、濾液を蒸発乾固し、分取用薄層プレート(100%EtOAc)で残留物に対し分離して生成物(20mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.62(brs,1H),7.45−7.50(m,1H),7.37(s,1H),7.27−7.29(m,1H),7.23−7.26(m,1H),7.11−7.12(m,2H),7.03−7.07(m,1H),6.93(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.34(d,1H),3.74(s,3H),3.51(q,J=6.4Hz,2H),3.17(s,6H),2.07(s,3H),1.25(t,J=6.4Hz,3H)。
【0171】
実施例8:4−{2−(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ−5−[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノフェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化56】
【0172】
ステップA:2−ブロモ−4−ニトロ−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アニリン
【化57】
原材料に2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、2,4−ジフルオロアニリンを使用して実施例1のステップAを参照して生成物(2.5g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.47(d,J=2.8Hz,1H),8.05(dd,J=9.2Hz,2.8Hz,1H),7.34−7.38(m,1H),6.96−7.03(m,1H),6.68−6.80(m,2H),3.53(brs,1H)。
【0173】
ステップB:2−ブロモ−4−ニトロ−N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−t−ブトキシカルボニルアニリン
【化58】
0℃で、2−ブロモ−4−ニトロ−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アニリン(1.60g)のアセトニトリル(50mL)溶液に二炭酸ジ−t−ブチル(1.56g)、DMAP(0.92g)をこの順に加え、室温に上げて一晩攪拌した。減圧下で蒸発乾固し、残留物を酢酸エチルに溶解し、1MのHCl水溶液そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、吸引濾過した後、減圧下で濾液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/4)で残留物に対し精製して生成物(2.0g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.43(s,1H),8.13(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),7.43(d,J=8.8Hz,1H),7.31−7.37(m,1H),6.81−6.93(m,2H),1.35(s,9H)。
【0174】
ステップC:2−ブロモ−4−アミノ−N’−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−t−ブトキシカルボニルアニリン
【化59】
室温で、2−ブロモ−4−ニトロ−N’−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−t−ブトキシカルボニルアニリン(2.0g)のエタノール(20mL)溶液に塩化アンモニウムの飽和水溶液(1mL)を加え、数回に分けて亜鉛粉末(1.56g)を加え、室温で一晩攪拌した。珪藻土で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で濾液を蒸発乾固し、残留物を水酸化ナトリウムの1N水溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(0.5g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.21−7.41(m,1H),7.07(d,J=8.4Hz,1H),6.92(d,J=2.4Hz,1H),6.83−6.88(m,1H),6.76−6.81(m,1H),6.55(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),3.75(brs,2H),1.43(s,9H)。
【0175】
ステップD:2−ブロモ−4−ヨード−N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−t−ブトキシカルボニルアニリン
【化60】
室温で、2−ブロモ−4−アミノ−N’−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−t−ブトキシカルボニルアニリン(0.5g)のアセトニトリル(20mL)溶液にヨウ化第一銅(0.48g)、亜硝酸イソアミル(0.22g)を加えて50℃に上げ、1時間攪拌した。珪藻土で濾過し、減圧下で濾液を蒸発乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/4)で残留物に対し精製して生成物(0.15g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.98(d,J=2.0Hz,1H),7.60(dd,J=8.4Hz,2.0Hz,1H),7.30−7.32(m,1H),7.02(d,J=8.0Hz,1H),6.79−6.91(m,2H),1.42(s,9H)。
【0176】
ステップE:N−{3−ブロモ−4−[N’−(2,4−ジフルオロフェニル)−N’−t−ブトキシカルボニルアミノ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化61】
実施例1のステップDの方法を参照して生成物(120mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.31−7.48(m,2H),7.15(d,J=8.4Hz,1H),6.97(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.77−6.89(m,2H),3.15(s,6H),1.43(s,9H)。
【0177】
ステップF:4−{2−[N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−t−ブトキシカルボニルアミノ]−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化62】
実施例2のステップDの方法を参照して生成物(50mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.73(brs,1H),7.35−7.50(m,1H),7.08−7.16(m,3H),6.80−7.00(m,1H),6.45−6.54(m,3H),6.09(s,1H),3.60(s,3H),3.17(s,6H),1.41(s,9H)。
【0178】
ステップG:4−{2−(2,4−ジフルオロフェニル)アミノ−5−[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノフェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化63】
0℃で、4−{2−[N−(2,4−ジフルオロフェニル)−N−t−ブトキシカルボニルアミノ]−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(50mg)のジオキサン(2mL)溶液にゆっくりと濃塩酸(1mL)を加えた、自ずと室温に温まると1時間攪拌し、回転蒸発して溶媒を除去し、シリカゲルを塗布した薄層プレート(100%EtOAc)で残留物に対し精製して生成物(12mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.08(brs,1H),7.24−7.26(m,1H),7.03−7.18(m,4H),6.97(s,1H),6.73−6.79(m,2H),6.22(d,J=2.0Hz,1H),5.39(s,1H),3.67(s,3H),3.21(s,6H)。
【0179】
実施例9:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(2−メチル−ピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化64】
【0180】
ステップA:N−{3−ブロモ−4−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化65】
原材料に2−メチル−3−ヒドロキシピリジン、2−ブロモ−1−フルオロ−4ニトロベンゼンを使用して実施例1のステップA〜Dの方法を参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.22(d,J=1.6Hz,1H),7.39(d,J=2.8Hz,1H),7.01−7.06(m,2H),6.93(dd,J=8.0Hz,1.2Hz,1H),6.82(d,J=8.4Hz,1H),3.16(s,6H),2.60(s,3H)。
【0181】
ステップB:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(2−メチル−ピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化66】
実施例2のステップDの方法を参照して生成物(15mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.78(brs,1H),8.08(d,J=3.6Hz,1H),7.27(s,1H),7.23−7.24(m,1H),7.07−7.10(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),7.01(s,1H),6.85−6.92(m,3H),6.40−6.42(m,1H),3.62(s,3H),3.20(s,6H),2.39(s,3H)。
【0182】
実施例10:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化67】
【0183】
ステップA:4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノール
【化68】
2−ブロモ−5−フルオロ−1,3−ジメチルベンゼン(18.8g)を無水テトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、窒素保護下で、−78℃でn−ブチルリチウムの2.5Mのn−ヘキサン溶液(45mL)を滴加し、15分間で加えた後、引き続き−78℃で20分間攪拌し、−78℃でホウ酸トリメチル(11.5g)を滴加し、次にゆっくりと室温に上げて、引き続き30分間攪拌し、0℃に冷却し、水酸化ナトリウムの1N水溶液(148mL)を加え、続いて50%過酸化水素溶液(70mL)を加えた。室温に上げて、1時間攪拌し、1Nの塩酸溶液でpHを4〜5に調整し、亜硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を加え、ジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(12g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.66(d,J=9.2Hz,2H),4.38−4.82(brs,1H),2.21(s,6H)。
【0184】
ステップB:2−(2−ブロモ−4−ニトロフェノキシ)−5−フルオロ−1,3−ジメチルベンゼン
【化69】
0℃で、4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノール(1.00g)のDMSO(20mL)溶液に2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(686mg)、炭酸セシウム(2.2g)を加え、続いて100℃に加熱して2時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、15分間攪拌し、濾過し、固体を集めて、生成物(1.4g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.56(d,J=2.4Hz,1H),8.05(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.86(d,J=8.8Hz,2H),6.46(d,J=8.8Hz,1H),2.11(s,6H)。
【0185】
ステップC:3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)アニリン
【化70】
室温で、2−(2−ブロモ−4−ニトロフェノキシ)−5−フルオロ−1,3−ジメチルベンゼン(1.4g)がエタノール(20mL)と酢酸(5mL)に溶解した溶液に数回に分けて亜鉛粉末(1.34g)を加え、約30分間で加えた後、室温で一晩攪拌した。ジクロロメタンを加えて希釈し、濾過し、減圧下で濾液を蒸発乾固し、残留物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(0.82g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.98(d,J=2.4Hz,1H),6.78(d,J=8.8Hz,2H),6.43(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.15(d,J=8.8Hz,1H),3.48(s,2H),2.12(s,6H)。
【0186】
ステップD:2−(2−ブロモ−4−ヨードフェノキシ)−5−フルオロ−1,3−ジメチルベンゼン
【化71】
氷浴下で、3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)アニリン(0.20g)が33%硫酸(10mL)とアセトニトリル(10mL)に溶解した溶液にゆっくりと亜硝酸ナトリウム(58mg)の水(1mL)溶液を滴加し、約5分間で加えた。15分間後ゆっくりとヨウ化カリウム(425mg)の水(3mL)溶液を滴加し、加えた後、自ずと室温に温まると1時間攪拌した。氷を含む炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(60mL)に注ぎ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(269mg)を得た。
【0187】
ステップE:N−[3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化72】
N
2保護下で、無水ジオキサン(10mL)に2−(2−ブロモ−4−ヨードフェノキシ)−5−フルオロ−1,3−ジメチルベンゼン(50mg)、ジメチルスルホキシミン(13mg)、炭酸セシウム(59mg)、Xantphos(5mg、0.075eq)、Pd
2(dba)
3(3mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して3時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(PE/EtOAc=1/1)で残留物に対し分離して生成物(25mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.36(d,J=2.4Hz,1H),6.78−6.83(m,3H),6.22(d,J=8.8Hz,1H),3.13(s,6H),2.12(s,6H)。
【0188】
ステップF:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化73】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)にN−[3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン(25mg)、N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド(25mg)、リン酸カリウム(25mg)、PdCl
2(dppf)(4mg)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/25)で残留物に対し分離して生成物(18mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.75(s,1H),7.24(s,2H),6.88−6.92(m,2H),6.75−6.84(m,3H),6.34(d,J=8.8Hz,1H),3.72(s,3H),3.48−3.56(m,2H),3.16(s,6H),2.07(s,6H),1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
【0189】
実施例11:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化74】
【0190】
ステップA:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化75】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)にN−[3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン(26mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(17mg)、リン酸カリウム(28mg)、PdCl
2(dppf)(5mg)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/25)で残留物に対し分離して生成物(24mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.06(d,J=8.8Hz,2H),7.89(d,J=3.6Hz,1H),7.32(d,J=8.8Hz,2H),7.17(s,1H),7.06(d,J=2.8Hz,1H),6.88(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.75(d,J=8.8Hz,2H),6.50(d,J=3.6Hz,1H),6.30(d,J=8.8Hz,1H),3.57(s,3H),3.14(s,6H),2.41(s,3H),2.03(s,6H)。
【0191】
ステップB:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化76】
3mLのエタノールと3mLの1NのNaOH溶液に4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(24mg)を加え、70℃に加熱して1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、リン酸水素二ナトリウムの飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物に対し分離して生成物(17mg、99%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.78(s,1H),7.23−7.25(m,1H),7.21(d,J=2.4Hz,1H),7.16(s,1H),6.88(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.74(d,J=8.8Hz,2H),6.45−6.47(m,1H),6.32(d,J=8.8Hz,1H),3.70(s,3H),3.14(s,6H),2.06(s,6H)。
【0192】
実施例12:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化77】
【0193】
ステップA:3−[(2−ブロモ−4−ニトロフェノキシ)メチル]テトラヒドロフラン
【化78】
(テトラヒドロフラン−3−イル)メタノール(460mg)、2−ブロモ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(1.0g)をDMSO(20mL)に溶解し、炭酸セシウム(2.2g)を加え、110℃で2時間攪拌し、続いて室温に冷却し、水を多めに加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、水で複数回抽出液を洗浄し、減圧下で溶媒を除去して油性の生成物(1.2g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.48(d,J=2.4Hz,1H),8.20(dd,J=9.2Hz,2.8Hz,1H),6.94(d,J=9.2Hz,1H),4.03−4.11(m,2H),3.92−3.98(m,2H),3.76−3.85(m,2H),2.81−2.89(m,1H),2.14−2.22(m,1H),1.76−1.85(m,1H)。
【0194】
ステップB:3−ブロモ−4−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]アニリン
【化79】
3−[(2−ブロモ−4−ニトロフェノキシ)メチル]テトラヒドロフラン(100mg)をエタノール(20mL)に溶解し、酢酸(96mg)、亜鉛粉末(108mg)をそれぞれ加え、室温で1時間攪拌し、珪藻土で濾過し、飽和炭酸ナトリウムの水溶液を加えてpHを9に調整し、酢酸エチルで抽出し、抽出液を濃縮し、油性の粗生成物を得、酢酸エチルでリンスし、フラッシュクロマトグラフィーにより純粋な生成物(90mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 6.81(d,J=2.8Hz,1H),6.75(d,J=8.8Hz,1H),6.57(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),3.37−3.95(m,6H),3.40−3.62(brs,2H),2.70−2.78(m,1H),2.07−2.12(m,1H),1.74−1.79(m,1H)。
【0195】
ステップC:3−[(2−ブロモ−4−ヨードフェノキシ)メチル]−テトラヒドロフラン
【化80】
氷浴下で、3−ブロモ−4−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]アニリン(1.9g)が33%硫酸(30mL)とアセトニトリル(30mL)に溶解した溶液にゆっくりと亜硝酸ナトリウム(626mg)の水(1mL)溶液を滴加し、約5分間で加えた。15分間後ゆっくりとヨウ化カリウム(6.8g)の水(10mL)溶液を滴加し、加えた後、自ずと室温に温まると1時間攪拌した。氷を含む炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(60mL)に注ぎ、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(30mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=5/1)で残留物を分離して生成物(1.5g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.82(d,J=2.0Hz,1H),7.52(dd,J=8.8Hz,2.0Hz,1H),6.64(d,J=8.8Hz,1H),3.89−3.97(m,4H),3.73−3.83(m,2H),2.75−2.82(m,1H),2.09−2.17(m,1H),1.57−2.04(m,1H)。
【0196】
ステップD:N−{3−ブロモ−4−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化81】
N
2保護下で、無水ジオキサン(10mL)に3−[(2−ブロモ−4−ヨードフェノキシ)メチル]−テトラヒドロフラン(108mg)、ジメチルスルホキシミン(32mg、1.2eq)、炭酸セシウム(456mg)、Xantphos(12mg)、Pd
2(dba)
3(7mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して3時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(PE/EtOAc=3/1)で残留物に対し分離して生成物(51mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.29(d,J=2.4Hz,1H),6.97(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.78(d,J=8.8Hz,1H),3.86−3.96(m,4H),3.74−3.82(m,2H),3.12(s,6H),2.74−2.8(m,1H),2.08−2.16(m,1H),1.74−1.83(m,1H)。
【0197】
ステップE:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化82】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)にN−{3−ブロモ−4−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン(50mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(37mg)、リン酸カリウム(60mg)、PdCl
2(dppf)(10mg)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(36mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.02(d,J=8.4Hz,2H),7.87(d,J=3.6Hz,1H),7.32(d,J=8.4Hz,2H),7.07(s,1H),7.04(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,1H),6.99(d,J=2.8Hz,1H),6.85(d,J=9.2Hz,1H),6.37(d,J=3.6Hz,1H),3.64−3.85(m,5H),3.55(s,3H),3.48(dd,J=8.8Hz,5.2Hz,1H),3.14(s,6H),2.46−2.54(m,1H),2.41(s,3H),1.87−1.93(m,1H),1.49−1.62(m,1H)。
【0198】
ステップF:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化83】
3mLのエタノールと3mLの1NのNaOH溶液に4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[(テトラヒドロフラン−3−イル)メトキシ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(36mg)を加え、70℃に加熱して1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、リン酸水素二ナトリウムの飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=25/1)で残留物に対し分離して生成物(20mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.99(s,1H),7.22(t,J=2.4Hz,1H),7.15(d,J=2.8Hz,1H),7.03−7.06(m,2H),6.88(d,J=8.4,1H),6.33(t,J=2.4Hz,1H),3.86(dd,J=9.2Hz,6.4Hz,1H),3.80(dd,J=9.2Hz,7.6Hz,1H),3.63−3.76(m,6H),3.50(dd,J=8.4Hz,5.6Hz,1H),3.15(s,6H),2.49−2.57(m,1H),1.86−1.95(m,1H),1.51−1.60(m,1H)。
【0199】
実施例13:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸
【化84】
【0200】
ステップA:6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ブチル
【化85】
N
2保護下で、無水ジオキサン(30mL)にブチル−4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキシレート(300mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(792mg)、無水酢酸カリウム(304mg)、Pd
2(dba)
3(28mg)、x−phos(59mg、0.2eq)をこの順に加え、続いて75℃に加熱して12時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(210mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.42(d,J=8.4Hz,2H),7.59(s,1H),7.37(d,J=8.4Hz,2H),7.28(s,1H),4.40(t,J=6.4Hz,2H),3.57(s,3H),2.43(s,3H),1.75−1.83(m,2H),1.43−1.53(m,2H),1.27(s,12H),0.98(t,J=7.2Hz,3H)。
【0201】
ステップB:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ブチル
【化86】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)にN−[3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン(83mg)、6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ブチル(160mg)、リン酸カリウム(93mg)、PdCl
2(dppf)(16mg)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=25/1)で残留物に対し分離して生成物(44mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.52(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.4Hz,2H),7.23(s,1H),7.02(d,J=2.8Hz,1H),6.96(s,1H),6.91(dd,J=8.4Hz,2.8Hz,1H),6.76(s,1H),6.74(s,1H),6.31(d,J=8.8Hz,1H),4.36(t,J=6.8Hz,2H),3.63(s,3H),3.14(s,6H),2.44(s,3H),2.03(s,6H),1.70−1.76(m,2H),1.41−1.47(m,2H),0.96(t,J=7.6Hz,3H)。
【0202】
ステップC:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸
【化87】
3mLのエタノールと3mLの1NのNaOH溶液に4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸ブチル(20mg)を加え、70℃に加熱して1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、リン酸水素二ナトリウムの飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、生成物(12mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 13.21(s,1H),7.22(s,2H),7.19(d,J=2.8Hz,1H),6.94(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.77(s,1H),6.75(s,1H),6.34(d,J=8.8Hz,1H),3.78(s,3H),3.17(s,6H),2.09(s,6H)。
【0203】
実施例14:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸エチル
【化88】
【0204】
4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸(8mg)をエタノール(10mL)に溶解し、濃硫酸(0.3mL)を加え、80℃に加熱して2時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、水酸化ナトリウムの1N水溶液を加えてpHを9に調整し、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(7mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.15(s,1H),7.12−7.15(m,3H),6.92(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.76(s,1H),6.74(s,1H),6.33(d,J=8.8Hz,1H),4.37(q,J=7.2Hz,2H),3.69(s,3H),3.17(s,6H),2.06(s,6H),1.38(t,J=7.2Hz,3H)。
【0205】
実施例15:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−[(1−オキソテトラヒドロ−1λ
6−チオフェン−1−イリデン)アミノ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化89】
【0206】
ステップA:1−イミノテトラヒドロ−1H−1λ
6−チオフェン−1−オキシド
【化90】
テトラメチレンスルホキシド(1.0g)をメタノール(20mL)に溶解し、続いてヨードベンゼンジアセタート(9.3g)、カルバミン酸アンモニウム(3g)をこの順に加え、25℃で1時間攪拌し、減圧下で溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=50/1)で残留物に対し分離して油性の生成物(1.1g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 3.12−3.16(m,4H),2.24−2.78(m,4H)。
【0207】
ステップB:2−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−4−ヨードベンゼン
【化91】
氷浴下で、3−ブロモ−4−(2,4−ジメチルフルオロベンゼン)アニリン(5.0g)が33%硫酸(70mL)とアセトニトリル(70mL)に溶解した溶液にゆっくりと亜硝酸ナトリウム(1.4g)の水(20mL)溶液を滴加し、約30分間で加えた。30分間後ゆっくりとヨウ化カリウム(8.3g)の水(40mL)溶液を滴加し、約30分間で加えた後、自ずと室温に温まると1時間攪拌した。氷を含む炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(300mL)に注ぎ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(100mL)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1)で残留物に対し分離して生成物(5.4g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.93(d,J=2.0Hz,1H),7.50(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.94−7.05(m,2H),6.84−6.89(m,1H),6.51(d,J=8.8Hz,1H)。
【0208】
ステップC:1−{[3−ブロモ−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]イミノ}テトラヒドロ−1H−1λ
6−チオフェン−1−オキシド
【化92】
N
2保護下で、無水ジオキサン(10mL)に2−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−4−ヨードベンゼン(100mg)、1−イミノテトラヒドロ−1H−1λ
6−チオフェン−1−オキシド(35mg)、炭酸セシウム(313mg)、Xantphos(11mg)、Pd
2(dba)
3(6mg)をこの順に加え、続いて100℃に加熱して3時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(76mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.33(d,J=2.4Hz,1H),6.91−6.96(m,2H),6.86(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.76−6.81(m,2H),3.36−3.42(m,2H),3.14−3.20(m,2H),2.22−2.36(m,4H)。
【0209】
ステップD:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−[(1−オキソテトラヒドロ−1λ
6−チオフェン−1−イリデン)アミノ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化93】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)に1−{[3−ブロモ−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)フェニル]イミノ}テトラヒドロ−1H−1λ
6−チオフェン−1−オキシド(76mg)、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(53mg)、リン酸カリウム(81mg)、PdCl
2(dppf)(14mg、0.1eq)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(40mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.01(d,J=8.0Hz,2H),7.86(d,J=3.6Hz,1H),7.30(d,J=8.0Hz,2H),7.15(s,1H),7.07(d,J=2.4Hz,1H),6.94(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.75−6.83(m,3H),6.65−6.71(m,1H),6.50(d,J=3.6Hz,1H),3.51(s,3H),3.38−3.44(m,2H),3.13−3.20(m,2H),2.40(s,3H),2.24−2.37(m,4H)。
【0210】
ステップE:4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−[(1−オキソテトラヒドロ−1λ
6−チオフェン−1−イリデン)アミノ]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化94】
3mLのエタノールと3mLの1NのNaOH溶液に4−{2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−5−[(1−オキソテトラヒドロ−1λ
6−チオフェン−1−イリデン)アミノ]フェニル}−6−メチル−1−トシル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(29mg)を加え、70℃に加熱して1時間攪拌した。室温に冷却し、減圧下で濃縮し、リン酸水素二ナトリウムの飽和水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=25/1)で残留物に対し分離して生成物(28mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.84(s,1H),7.20−7.24(m,2H),7.14(s,1H),7.01(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.75−6.86(m,3H),6.62−6.68(m,1H),6.46(d,J=3.6Hz,1H),3.64(s,3H),3.38−3.47(m,2H),3.13−3.21(m,2H),2.24−2.37(m,4H)。
【0211】
実施例16:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)ピリジン−3−イル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化95】
【0212】
ステップA:N−[5−ブロモ−6−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)ピリジン−3−イル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化96】
原材料に3−ブロモ−2−フルオロ−5−ニトロピリジン、4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノールを使用して実施例1のステップA〜Dを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.74(s,2H),6.79(d,J=8.8Hz,2H),3.15(s,6H),2.11(s,6H)。
【0213】
ステップB:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)ピリジン−3−イル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化97】
N
2保護下で、ジオキサンの80%水溶液(10mL)にN−[5−ブロモ−6−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)ピリジン−3−イル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン(50mg)、N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド(54mg)、リン酸カリウム(55mg)、PdCl
2(dppf)(10mg)をこの順に加え、続いて80℃に加熱して6時間攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/MeOH=30/1)で残留物に対し分離して生成物(46mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.67(s,1H),7.84(d,J=2.8Hz,1H),7.66(d,J=2.8Hz,1H),7.34(s,1H),6.88(d,J=2.4Hz,1H),6.78(d,J=8.8Hz,2H),6.59(s,1H),3.72(s,3H),3.46−3.56(m,2H),3.14(s,6H),2.07(s,6H),1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
【0214】
実施例17:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[3−メチル−4−オキソピリジン−1(4H)−イル]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化98】
【0215】
ステップA:1−(2−ブロモ−4−ニトロフェニル)−3−メチルピリジン−4(1H)−オン
【化99】
原材料に2−ブロモ−1−フルオロ−4ニトロベンゼン、3−メチル−4−ヒドロキシピリジンを使用して実施例1のステップAの方法を参照して生成物(3.1g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.64(d,J=2.8Hz,1H),8.36(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),7.61(d,J=8.8Hz,1H),7.30−7.34(m,2H),6.47(d,J=7.6Hz,1H),2.09(s,3H)。
【0216】
ステップB:1−(2−ブロモ−4−アミノフェニル)−3−メチルピリジン−4(1H)−オン
【化100】
実施例1のステップBの方法を参照して生成物(0.3g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.25−7.27(m,2H),7.11(d,J=8.8Hz,1H),6.97(d,J=2.8Hz,1H),6.66(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.44−6.46(m,1H),4.01(brs,2H),2.10(s,3H)。
【0217】
ステップC:1−(2−ブロモ−4−ヨードフェニル)−3−メチルピリジン−4(1H)−オン
【化101】
実施例1のステップCの方法を参照して生成物(80mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.11(d,J=2.0Hz,1H),7.80(dd,J=8.4Hz,2.0Hz,1H),7.24−7.27(m,2H),7.10(d,J=8.4Hz,1H),6.44(d,J=7.6Hz,1H),2.08(s,3H)。
【0218】
ステップD:N−{3−ブロモ−4−[3−メチル−4−オキソピリジン−1(4H)−イル]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン
【化102】
実施例1のステップDに記載の方法を参照して生成物(55mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.42(d,J=2.4Hz,1H),7.26−7.28(m,2H),7.18−7.20(m,1H),7.11(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H),6.42(d,J=2.4Hz,1H),3.22(s,6H),2.08(s,3H)。
【0219】
ステップE:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−[3−メチル−4−オキソピリジン−1(4H)−イル]フェニル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化103】
原材料にN−{3−ブロモ−4−[3−メチル−4−オキソピリジン−1(4H)−イル]フェニル}−S,S−ジメチルスルホニルイミン、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オンを使用して、実施例2のステップDの方法を参照して生成物(10mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.03(brs,1H),7.23−7.29(m,2H),7.18−7.22(m,4H),6.65(s,1H),6.21(d,J=7.6Hz,1H),6.14(d,J=2.4Hz,1H),3.57(s,3H),3.23(s,6H),1.99(s,3H)。
【0220】
実施例18:4−{3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−2−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化104】
【0221】
ステップA:5−フルオロピリジンギ酸エチル
【化105】
0℃で、5−フルオロピリジンギ酸(5.00g)のエタノール(42mL)溶液にゆっくりとDMF(0.1mL)、塩化チオニル(5.6mL)をこの順に滴加し、加えた後引き続き15分間攪拌し、続いてゆっくりと加熱して還流させ4時間反応させた。冷却し、減圧下で濃縮し、残留物を氷水に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でpHを8〜9に調整し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(5.50g)を得た。
【0222】
ステップB:5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸エチル
【化106】
室温で、5−フルオロピリジンギ酸エチル(5.40g)のDMF(60mL)溶液に2,4−ジフルオロフェノール(4.15g)、炭酸カリウム(8.82g)をこの順に加え、加えた後100℃に加熱して一晩反応させた。冷却し、水(400mL)を加えて希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(8.40g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.48(d,J=2.8Hz,1H),8.10(d,J=8.8Hz,1H),7.15−7.24(m,2H),6.92−7.04(m,2H),4.46(q,J=7.2Hz,2H),1.44(t,J=7.2Hz,3H)。
【0223】
ステップC:5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(エトキシカルボニル)ピリジン1−オキシド
【化107】
室温で、5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸エチル(1.00g)のジクロロメタン(30mL)溶液に85%メタクロロ過安息香酸(1.45g)を加え、加えた後室温で一晩反応させた。反応が終了すると、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(40mL)を加え、15分間攪拌し、ジクロロメタンで3回抽出した。抽出液を合わせ、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して生成物(1.00g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.95(d,J=2.4Hz,1H),7.63(d,J=8.8Hz,1H),7.19(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.93−7.04(m,2H),6.86(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),4.44(q,J=7.2Hz,2H),1.40(t,J=7.2Hz,3H)。
【0224】
ステップD:6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸エチル
【化108】
0℃で、5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−(エトキシカルボニル)ピリジン1−オキシド(1.00g)のDMF(15mL)溶液に臭化テトラメチルアンモニウム(1.37g)、メタンスルホン酸無水物(1.24g)をこの順に加えた。加えた後ゆっくりと室温に上げて3時間反応させた。反応が終了すると、氷水を含む炭酸水素ナトリウム溶液(40mL)に注ぎ、5分間攪拌し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/5〜1/1)で残留物に対し精製して生成物(0.80g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.99(d,J=8.0Hz,1H),7.20(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.94−7.05(m,3H),4.46(q,J=7.2Hz,2H),1.42(t,J=7.2Hz,3H)。
【0225】
ステップE:6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸
【化109】
0℃で、6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸エチル(0.60g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に30%水酸化カリウム溶液(1.50mL)を加えた。加えた後、室温に上げて2時間反応させた。反応が終了すると、減圧下で濃縮し、水を加え、希塩酸でpHを4〜5に調整し、5分間攪拌し、濾過し、固体を集めて生成物(0.50g)を得た。
【0226】
ステップF:[6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]t−ブチルカルバメート
【化110】
室温で、6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸(0.45g)のt−ブタノール無水物(10mL)溶液にジフェニルホスホリルアジド(0.75g)、トリエチルアミン(0.80mL)、二炭酸ジ−t−ブチル(1.19g)をこの順に加えた。加えた後90℃に上げて4時間反応させた。反応が終了すると、減圧下で濃縮し、氷水を含む飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/10〜1/3)で残留物に対し精製して生成物(0.31g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.84(d,J=8.8Hz,1H),7.21(s,1H),7.15(d,J=8.8Hz,1H),6.92−6.99(m,2H),6.81−6.87(m,1H),1.51(s,9H)。
【0227】
ステップG:6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミン
【化111】
0℃で、[6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]t−ブチルカルバメート(0.31g)のジオキサン(10mL)溶液に濃塩酸(5mL)を滴加し、加えた後、室温に上げて24時間反応させた。反応が終了すると、減圧下で濃縮し、氷水を含む飽和炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して生成物(0.22g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.09(d,J=8.4Hz,1H),6.91−6.97(m,1H),6.75−6.86(m,2H),6.42(d,J=8.4Hz,1H),4.52(brs,2H)。
【0228】
ステップH:2−ブロモ−3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−ヨードピリジン
【化112】
室温で、6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミン(0.32g)のジヨードメタン(4mL)溶液にヨウ素(0.27g)、ヨウ化第一銅(0.20g)をこの順に加え、80℃に加熱し、亜硝酸イソアミル(0.34g)を滴加し、加えた後引き続き2時間反応させた。反応が終了すると、冷却し、氷水を含む炭酸水素ナトリウム溶液(20mL)に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/PE=1/10〜1/3)で残留物に対し精製して生成物(0.20g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.55(d,J=8.4Hz,1H),7.11(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.97−7.02(m,1H),6.89−6.94(m,1H),6.67(dd,J=8.4Hz,0.8Hz,1H)。
【0229】
ステップI:((6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン
【化113】
原材料に2−ブロモ−3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−ヨードピリジンを使用して実施例1のステップDを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.10(d,J=8.4Hz,1H),6.92−6.97(m,1H),6.87(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.77−6.82(m,1H),6.69(d,J=8.4Hz,1H),3.37(s,6H)。
【0230】
ステップJ:4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル
【化114】
4−ブロモ−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン(1.73g)のアセトニトリル(20mL)溶液に(Boc)
2O(2.47g)、DMAP(1.44g)をこの順に加え室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/20)で残留物に対し精製して生成物(2.10g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.55(d,J=3.6Hz,1H),7.21(s,1H),6.35(d,J=3.6Hz,1H),3.55(s,3H),1.62(s,9H)。
【0231】
ステップK:6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル
【化115】
原材料に4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチルを使用して実施例1のステップIの方法を参照して生成物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.60(s,1H),7.55(d,J=3.6Hz,1H),6.79(d,J=3.6Hz,1H),3.62(s,3H),1.65(s,9H),1.341.65(s,12H)。
【0232】
ステップL:4−{3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−2−イル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル
【化116】
窒素保護下で、80%ジオキサン水溶液(3mL)に((6−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン(59mg)、6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル(65mg)、フッ化セシウム(83mg)、PdCl
2(AtaPhos)(9mg)をこの順に加え、続いて85℃に加熱して一晩攪拌した。室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で抽出液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(MeOH/DCM=1/20)で残留物に対し分離して生成物(58mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.82(s,1H),7.58−7.59(m,1H),7.23(d,J=8.4Hz,1H),7.15−7.17(m,1H),6.85−6.92(m,1H),6.65−6.75(m,3H),3.63(s,3H),3.33(s,6H),1.65(s,9H)。
【0233】
ステップM:4−{3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−2−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化117】
室温で、4−{3−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−6−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−2−イル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル(50mg)に4mol/Lの塩化水素のジオキサン溶液(1mL)を加え、加えた後、室温に上げて2時間反応させた。反応が終了すると、減圧下で濃縮し、氷水を含む炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して生成物(35mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 12.01(brs,1H),9.56(brs,1H),7.72(s,1H),7.24(d,J=8.8Hz,1H),7.14(t,J=2.4Hz,1H),6.85−6.91(m,1H),6.64−6.76(m,3H),3.66(s,3H),3.35(s,6H)。
【0234】
実施例19:4−{5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−4−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化118】
【0235】
ステップA:4−ブロモ−5−フルオロピリジンギ酸
【化119】
−78℃の窒素下で、5−フルオロピリジンギ酸(0.50g)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液にゆっくりと2mol/LのLDAのテトラヒドロフラン溶液(3.5mL)を滴加し、加えた後引き続き15分間反応させ、続いてゆっくりと−20℃に上げて30分間反応させた。−78℃に冷却して、ジクロロテトラブロモエタン(1.15g)の無水テトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴加し、加えた後引き続き30分間反応させ、続いてゆっくりと−10℃に上げて2時間反応させた。クエン酸の飽和水溶液(15mL)で反応をクエンチし、固体の塩化ナトリウムを加えて飽和すると、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して溶媒を除去して粗生成物(0.50g)を得、そのまま次の反応に使用してもよい。
【0236】
ステップB:4−ブロモ−5−フルオロピリジンギ酸メチル
【化120】
室温で、4−ブロモ−5−フルオロピリジンギ酸(0.50g)のメタノール(60mL)溶液に濃硫酸(0.1mL)を加え、加えた後70℃に加熱して1時間反応させた。冷却そして濃縮し、残留物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。抽出液を合わせ、水そして飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=1/20〜1/10)で残留物に対し精製して生成物(0.32g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.54(s,1H),8.40(d,J=5.2Hz,1H),4.00(s,3H)。
【0237】
ステップC:4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸メチル
【化121】
室温で、4−ブロモ−5−フルオロピリジンギ酸メチル(0.32g)のDMF(4mL)溶液に2,4−ジフルオロフェノール(0.20g)、炭酸カリウム(0.38g)をこの順に加え、加えた後80℃に加熱して2時間反応させた。冷却し、水(40mL)を加えて希釈し、濾過し、固体を集めて生成物(0.45g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.42(s,1H),8.07(s,1H),7.16(td,J=8.8Hz,5.2Hz,1H),6.99−7.04(m,1H),6.92−9.97(m,1H),3.99(s,3H)。
【0238】
ステップD:4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸
【化122】
0℃で、4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸メチル(0.45g)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液に2.5mol/Lの水酸化ナトリウム溶液(5mL)を加えた。加えた後、室温に上げて2時間反応させた。反応が終了すると、減圧下で濃縮し、水を加え、希塩酸でpHを4〜5に調整し、5分間攪拌し、濾過し、固体を集めて生成物(0.42g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.49(s,1H),7.94(s,1H),7.21(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),7.01−7.07(m,1H),6.95−7.01(m,1H)。
【0239】
ステップE:[4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]t−ブチルカルバメート
【化123】
原材料に4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジンギ酸を使用して実施例18のステップFを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.33(s,1H),7.82(s,1H),7.35(s,1H),6.93−6.99(m,1H),6.89−6.91(m,1H),6.78−6.84(m,1H),1.52(s,9H)。
【0240】
ステップF:4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミン
【化124】
原材料に[4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル]t−ブチルカルバメートを使用して実施例18のステップGを参照して得た。
【0241】
ステップG:4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−ヨードピリジン
【化125】
原材料に4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−アミンを使用して実施例18のステップHを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.97(s,1H),7.82(s,1H),7.07(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.96−7.02(m,2H),6.87−6.93(m,1H)。
【0242】
ステップH:((4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン
【化126】
原材料に4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−ヨードピリジンを使用して実施例1のステップDを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.83(s,1H),7.08(s,1H),6.92−6.97(m,1H),6.87(td,J=8.8Hz,5.2Hz,1H),6.76−6.81(m,1H),3.34(s,6H)。
【0243】
ステップI:4−{5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−4−イル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチル
【化127】
原材料に((4−ブロモ−5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)ピリジン−2−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミンを使用して実施例18のステップLを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.93(s,1H),7.55(d,J=3.6Hz,1H),7.34(s,1H),6.87(s,1H),6.81−6.86(m,1H),6.76(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.63−6.69(m,1H),6.44(d,J=3.6Hz,1H),3.61(s,3H),3.39(s,6H),1.65(s,9H)。
【0244】
ステップJ:4−{5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−4−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化128】
原材料に4−{5−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−2−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−4−イル}−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−ギ酸t−ブチルを使用して実施例18のステップMを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 9.87(s,1H),7.95(s,1H),7.27(s,1H),7.01(s,1H),6.79−6.85(m,2H),6.77(td,J=8.8Hz,5.6Hz,1H),6.61−6.68(m,1H),6.50(t,J=2.8Hz,1H),3.63(s,3H),3.39(s,6H)。
【0245】
実施例20:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化129】
【0246】
ステップA:3−ブロモ−2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−ニトロピリジン
【化130】
室温で、2−クロロ−6−メチルフェノール(1.0g)の無水DMF(10mL)溶液に2−クロロ−3−フルオロ−ブロモ−5−ニトロピリジン(1.66g)及び炭酸セシウム(4.56g)を加え、反応液を120℃に加熱して一晩攪拌した。反応が終了すると水を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥した後、溶媒を蒸発乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE=2/1)で精製して生成物(2.40g、98%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 8.88(d,J=2.4Hz,1H),8.77(d,J=2.4Hz,1H),7.34−7.35(m,1H),7.16−7.23(m,2H),2.20(s,3H)。
【0247】
ステップB:((5−ブロモ−6−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)ピリジン−3−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン
【化131】
原材料に3−ブロモ−2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−ニトロピリジンを使用して実施例1のステップB〜Dを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.73−7.75(m,2H),7.26−7.30(m,1H),7.17−7.23(m,1H),7.11−7.16(m,1H),3.12−3.15(m,6H),2.19(s,3H)。
【0248】
ステップC:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−6−メチル−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化132】
原材料に((5−ブロモ−6−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)ピリジン−3−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン、6−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1,6−ジヒドロ−7H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−7−オンを使用して実施例2のステップDを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 10.37(brs,1H),7.81(d,J=2.8Hz,1H),7.68(d,J=2.8Hz,1H),7.44(s,1H),7.26−7.29(m,2H),7.13−7.15(m,1H),7.04−7.08(m,1H),6.58(dd,J=2.8Hz,2.4Hz,1H),3.72(s,3H),3.15−3.18(m,6H),2.13(s,3H)。
【0249】
実施例21:4−{2−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)−5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−ピリジン−3−イル}−N−エチル−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化133】
【0250】
原材料に((5−ブロモ−6−(2−クロロ−6−メチルフェノキシ)ピリジン−3−イル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン、N−エチル−6−メチル−7−オキソ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミドを使用して実施例1のステップJを参照して得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.25(brs,1H),7.84(d,J=2.8Hz,1H),7.66(d,J=2.8Hz,1H),7.47(s,1H),7.26−7.31(m,1H),7.06−7.16(m,4H),3.74(s,3H),3.52(q,J=7.2Hz,2H),3.18(s,6H),2.11(s,3H),1.26(t,J=7.2Hz,3H)。
【0251】
実施例22:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化134】
【0252】
ステップA:4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸
【化135】
4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−1−トシル−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸n−ブチル(300mg)をエタノール(10mL)と水(10mL)の混合溶媒で、80℃で1時間反応させ、室温に冷却した後、減圧下で濃縮し、1Nの塩酸でpHを5に調整し、析出が固体したら吸引濾過して固体を得、水で固体を複数回洗浄しオーブンで乾燥して白い固体生成物(160mg)を得た。
【0253】
ステップB:4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化136】
窒素保護下で、4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−ギ酸(150mg)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、2滴のDMFを加え、0℃で1滴ずつ塩化オキサリル(60mg)を加え、室温で1時間反応させ、トリフルオロエチルアミン(220mg)、トリエチルアミン(111mg)を加え、室温で1時間反応させた。反応が終了すると、水を加えて反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、減圧下で有機相を濃縮した。カラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)で残留物を分離して生成物(190mg)を得た。
1H NMR(400MHz,d
6−DMSO)δ 12.79(s,1H),9.06(t,J=6.0Hz,1H),7.60(s,1H),7.01(s,1H),4.06−4.12(m,2H),3.49(s,3H)。
【0254】
ステップC:((4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン
【化137】
窒素保護下で、ジオキサン(20mL)にN−[3−ブロモ−4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル]−S,S−ジメチルスルホニルイミン(100mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン(76mg)、無水炭酸カリウム(72mg)、PdCl
2(dppf)(19mg)を加え、続いて100℃に加熱して12時間反応させた。反応が終了すると、室温に冷却し、水を加え、酢酸エチルで抽出し、水そして飽和食塩水で有機相溶液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。分取用薄層プレート(DCM/EA=3/1)で残留物に対し分離して生成物(30mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 7.39(s,1H),6.95(d,J=8.8Hz,1H),6.76(d,J=9.2Hz,2H),6.17(d,J=8.8Hz,1H),3.13(s,6H),2.12(s,6H),1.34(s,12H)。
【0255】
ステップD:4−{5−{[ジメチル(オキソ)−λ
6−チオ]アミノ}−2−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)フェニル}−6−メチル−7−オキソ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド
【化138】
窒素雰囲気下で、((4−(4−フルオロ−2,6−ジメチルフェノキシ)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)イミノ)ジメチル−λ
6−スルホニルイミン(30mg)、4−ブロモ−6−メチル−7−オキソ−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−6,7−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボキサミド(24mg)、無水リン酸カリウム(30mg)、PdCl
2(dppf)(5mg)を10mLのジオキサンと2mLの水で、80℃で4時間反応させた。冷却し、減圧下で濃縮し、水を加えてジクロロメタンで抽出し、水そして飽和食塩水で有機相溶液を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、分取用薄層プレート(DCM/MeOH=20/1)で残留物に対し分離して生成物(12mg)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 11.19(s,1H),7.43(s,1H),7.28(s,1H),7.11(s,1H),6.84(dd,J=8.8Hz,2.4Hz,1H),6.77(d,J=8.8Hz,2H),6.35(d,J=8.8Hz,1H),5.35−5.60(brs,1H),4.08−4.17(m,2H),3.72(s,3H),3.16(s,6H),2.07(s,6H)。
【0256】
生物学的活性試験:
1.化合物のインビトロ酵素活性測定BRD4(BD2)
本願で、ホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF)でBRD4(BD2)酵素結合反応に対する化合物の阻害IC
50値を測定した。1mMから100%DMSOで化合物を5倍勾配希釈し(合計で7つの濃度)、各濃度は2μLの化合物を18μLの反応バッファー(pH7.5で20mMのHEPES、150mMのNaCl、5mMのDTT、0.005%ポリソルベート20、100μg/mLのBSA)に加えて希釈し、均一に混合した後、各濃度は2μLの化合物を48μLの前記反応バッファーに加えて再度希釈して均一に混合した(化合物中のDMSOの最終濃度は0.1%)。2.5μLを取り分けて384ウェルプレート(OptiPlate−384、パーキンエルマー社から購入)に加え、次に5μLのGST−BRD4(BD2、349−460aa)(最終濃度は2nM)を加え、遠心分離して均一に混合し、さらに2.5μLのビオチン−AHA−SGRGK(Ac)GGK(Ac)GLGK(Ac)GGAK(Ac)RHRKVペプチド(最終濃度は200nM)を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μL)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れて23℃で1時間反応させ、次に5μLのEu
3+クリプテート標識抗GST抗体(シスバイオ社から購入)、5μLのストレプトアビジン−XL−665(シスバイオ社から購入)を加えて反応を停止した。インキュベーターで再び1時間インキュベートした後、Envision(パーキンエルマー社から購入)において蛍光値を読み取った(320nmで励起し、665nm及び620nmの発光を検出し、二者の比は酵素結合信号である)。各化合物は7つの濃度でそれぞれBRD4(BD2)タンパク質との結合強度を測定し、ソフトウェアGraphPad Prismを用いてデータから当該化合物のIC
50値を算出した。
【0257】
2.化合物のインビトロ酵素活性測定BRD4(BD1)
本願で、ホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF)でBRD4(BD1)酵素結合反応に対する化合物の阻害IC
50値を測定した。0.2mMから100%DMSOで化合物を5倍勾配希釈し(合計で7つの濃度)、各濃度は2μLの化合物を48μLの反応バッファー(pH7.5で20mMのHEPES、150mMのNaCl、5mMのDTT、0.005%ポリソルベート20、100μg/mLのBSA)に加えて希釈し、均一に混合した。2.5μLを取り分けて384ウェルプレート(OptiPlate−384、パーキンエルマー社から購入)に加え、次に5μLのGST−BRD4(BD1、44−168aa)(最終濃度は1nM)を加え、遠心分離して均一に混合し、さらに2.5μLのビオチン−AHA−SGRGK(Ac)GGK(Ac)GLGK(Ac)GGAK(Ac)RHRKV)短ペプチド(最終濃度は100nM)を加えて反応を開始させた(総反応体積は10μL)。384ウェルプレートをインキュベーターに入れて23℃で1時間反応させ、次に5μLのEu
3+クリプテート標識抗GST抗体(シスバイオ社から購入)、5μLのストレプトアビジン−XL−665(シスバイオ社から購入)を加えて反応を停止した。インキュベーターで再び1時間インキュベートした後、Envision(パーキンエルマー社から購入)において蛍光値を読み取った(320nmで励起し、665nm及び620nmの発光を検出し、二者の比は酵素結合信号である)。各化合物は7つの濃度でそれぞれBRD4(BD1)タンパク質との結合強度を測定し、ソフトウェアGraphPad Prismを用いてデータから当該化合物のIC
50値を算出した。
【0258】
前記化合物の一部の測定結果は表1に示すとおりである。
【表1】
【0259】
3.化合物のMV4−11細胞増殖活性の測定
PRIM1640培地、10%ウシ胎児血清(FBS、Biological Industries(BI)社から購入)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S、ライフテクノロジーズ社から購入)でヒト急性リンパ性白血病細胞株MV4−11を培養し、培養条件は37℃で5%CO
2であった。化合物に検出を行う前日、8000個の細胞/195μL/ウェルの濃度でMV4−11細胞を96ウェルプレート(コーニング社から購入)にプレーティングした。24時間後に10mMから100%DMSOで化合物を4倍勾配希釈し(合計で9つの濃度)、次に各濃度は2μLの化合物を48μLのPRIM1640培地に加えて希釈した。希釈後の化合物の各濃度はプレーティングした細胞懸濁液に5μLを加え、化合物と細胞を共に細胞インキュベーターで72時間(3日)インキュベートした後35μLのCell−Titer Blue(プロメガ社から購入)試薬を加えてさらに4時間インキュベートした。次にFlexstation IIIにおいて蛍光値を読み取り(励起560nm、検出590nm)、ソフトウェアGraphPad Prismを用いてデータから当該化合物の細胞増殖阻害を示すIC
50値を算出した。
【0260】
4.化合物のKasumi−1細胞増殖活性の測定
PRIM1640培地、20%ウシ胎児血清(FBS、Biological Industries(BI)社から購入)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S、ライフテクノロジーズ社から購入)でヒト急性骨髄芽球性白血病細胞株Kasumi−1細胞を培養し、培養条件は37℃で5%CO
2であった。化合物に検出を行う前日、5000個の細胞/195μL/ウェルの濃度でKasumi−1細胞を96ウェルプレート(コーニング社から購入)にプレーティングした。24時間後に10mMから100%DMSOで化合物を4倍勾配希釈し(合計で9つの濃度)、次に各濃度は2μLの化合物を48μLのPRIM1640培地に加えて希釈した。希釈後の化合物の各濃度はプレーティングした細胞懸濁液に5μLを加え、化合物と細胞を共に細胞インキュベーターで72時間(3日)インキュベートした後35μLのCell−Titer Blue(プロメガ社から購入)試薬を加えてさらに4時間インキュベートした。次にFlexstation IIIにおいて蛍光値を読み取り(励起560nm、検出590nm)、ソフトウェアGraphPad Prismを用いてデータから当該化合物の細胞増殖阻害を示すIC
50値を算出した。
【0261】
前記化合物の一部の測定結果は表2に示すとおりである。
【表2】
【0262】
5.化合物の動物薬物動態研究
動物薬物動態実験で健常な成体雄ラットを3匹用い、提供は北京維通利華実験動物技術有限公司がラットであった。化合物を2%無水エタノール、5%ポリソルベート80、20%ポリエチレングリコール400、73%(水中5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(V/V/V/V)に懸濁させ、濃度は1mg/mLで、投与体積は5mL/kgであり、単回胃内投与で、用量は5mg/kgであった。実験前に動物を一晩絶食させ、絶食時間は投与前10時間から投与後4時間までとした。投与後0.25、0.5、1、2、4、6、8、24時間に採血した。イソフルランで動物を浅麻酔し、ガラス製採血管で眼窩静脈叢から約0.4mLの全血を採取し、ヘパリン抗凝固管に入れ、4℃と4200rpmでサンプルを5分間遠心分離し、血漿を遠心管に移し、分析用に−80℃で保存しておいた。血漿サンプルの分析はアセトニトリルタンパク質沈殿法でラットの血漿から被験化合物及び内部標準物質(ワルファリン又はプロプラノロール)を抽出し、LC/MS/MSで抽出液を分析した。測定した動物個体の血漿濃度−時間データをソフトウェアWinNonlin(バージョン5.2.1、Pharsight社)の非コンパートメントモデルで分析し、次の表3に示す薬物動態パラメータとして最大(ピーク)血漿薬物濃度C
max、最高血中濃度到達時間T
max、半減期T
1/2、無限時間までの血中濃度−時間曲線下面積AUC
0−infを得た。
【表3】
本願の化合物は良好な活性と薬物動態特性を備えることを示した。