(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-533408(P2021-533408A)
(43)【公表日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】光学ディスプレイのためのLED熱特性評価および較正
(51)【国際特許分類】
G09G 3/34 20060101AFI20211105BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20211105BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20211105BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20211105BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20211105BHJP
H04N 9/64 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
G09G3/34 J
G09F9/33
G09F9/00 338
G09G3/20 670L
G09G3/20 631V
G09G3/20 680A
G09G3/36
H04N9/64 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2021-505680(P2021-505680)
(86)(22)【出願日】2019年8月2日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月29日
(86)【国際出願番号】US2019044918
(87)【国際公開番号】WO2020028811
(87)【国際公開日】20200206
(31)【優先権主張番号】62/714,503
(32)【優先日】2018年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キャップス, マーシャル チャールズ
【テーマコード(参考)】
5C006
5C066
5C080
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C006AA22
5C006AF13
5C006AF23
5C006AF44
5C006AF85
5C006BF38
5C006BF39
5C006EB01
5C006EC11
5C006FA33
5C066AA03
5C066CA08
5C066GA01
5C066GA05
5C066KE01
5C066KM14
5C080AA10
5C080CC03
5C080DD14
5C080DD20
5C080DD29
5C080JJ02
5C080JJ07
5C094AA08
5C094BA23
5C094CA19
5C094CA24
5G435AA04
5G435BB04
5G435CC09
5G435CC12
5G435KK05
(57)【要約】
頭部搭載型拡張現実(AR)デバイス等のディスプレイデバイスを較正するための技法が、開示される。1つの技法は、ユニット内に配置される原色光源のセット毎に、ユニットの温度および原色光源の駆動電流の関数として、色度および輝度値を含む、測定点を取得するステップを含む。本技法はさらに、測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせるステップを含む。本技法はさらに、標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、原色光源毎に、原色輝度を計算するステップと、原色輝度毎に、駆動電流およびXYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得するステップとを含む。本技法はさらに、標的輝度および離散温度によってインデックス化された計算された電流を記憶するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット内に配置される原色光源のセットを含むディスプレイデバイスを較正する方法であって、前記方法は、
前記原色光源毎に、前記ユニットの温度および前記原色光源の駆動電流の関数として色度および輝度値を含む測定点を取得することと、
前記測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせることと、
標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、
前記原色光源毎に、原色輝度を計算することと、
前記原色輝度毎に、前記駆動電流および前記XYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得することと、
前記標的輝度および前記離散温度によってインデックス化された前記計算された電流を記憶することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記測定点を補間または外挿し、前記離散温度および前記駆動電流の関数として、修正された測定点を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記離散温度毎に、前記修正された測定点を前記輝度値によってソートすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記原色光源は、発光ダイオード(LED)である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユニットは、複合放物線集光器(CPC)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記色度および輝度値を測定することは、前記ディスプレイデバイスの接眼レンズを通して透過される光を受け取ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記原色輝度を計算することおよび前記駆動電流および前記XYZ値を補間または外挿することは、複数回の反復にわたって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記計算された電流は、ルックアップテーブル内に記憶される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユニット内に配置される原色光源のセットを含むディスプレイデバイスを較正するためのシステムであって、前記システムは、
1つ以上のプロセッサと、
コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読媒体は、命令を備えており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記原色光源毎に、前記ユニットの温度および前記原色光源の駆動電流の関数として色度および輝度値を含む測定点を取得することと、
前記測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせることと、
標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、
前記原色光源毎に、原色輝度を計算することと、
前記原色輝度毎に、前記駆動電流および前記XYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得することと、
前記標的輝度および前記離散温度によってインデックス化された前記計算された電流を記憶することと
を含む動作を実施させる、コンピュータ可読媒体と
を備える、システム。
【請求項10】
前記動作はさらに、
前記測定点を補間または外挿し、前記離散温度および前記駆動電流の関数として、修正された測定点を提供すること
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作はさらに、
前記離散温度毎に、前記修正された測定点を前記輝度値によってソートすること
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記原色光源は、発光ダイオード(LED)である、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記ユニットは、複合放物線集光器(CPC)を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記色度および輝度値を測定することは、前記ディスプレイデバイスの接眼レンズを通して透過される光を受け取ることを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記原色輝度を計算することおよび前記駆動電流および前記XYZ値を補間または外挿することは、複数回の反復にわたって実施される、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記計算された電流は、ルックアップテーブル内に記憶される、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記非一過性コンピュータ可読媒体は、命令を備えており、前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
ディスプレイデバイスのユニット内に配置される原色光源のセット毎に、前記ユニットの温度および前記原色光源の駆動電流の関数として色度および輝度値を含む測定点を取得することと、
前記測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせることと、
標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、
前記原色光源毎に、原色輝度を計算することと、
前記原色輝度毎に、前記駆動電流および前記XYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得することと、
前記標的輝度および前記離散温度によってインデックス化された前記計算された電流を記憶することと
を含む動作を実施させる、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記動作はさらに、
前記測定点を補間または外挿し、前記離散温度および前記駆動電流の関数として、修正された測定点を提供すること
を含む、請求項17に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記動作はさらに、
前記離散温度毎に、前記修正された測定点を前記輝度値によってソートすること
を含む、請求項18に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記原色光源は、発光ダイオード(LED)である、請求項17に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が、その全体として本明細書に組み込まれる、2018年8月3日に出願され、「LED THERMAL CHARACTERIZATION AND CALIBRATION FOR AN OPTICAL DISPLAY」と題された、米国仮特許出願第62/714,503号の優先権の利益を主張する。
【0002】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0003】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する、改良された方法、システム、およびデバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、概して、ディスプレイデバイスを較正するための技法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、拡張現実(AR)デバイス内の1つ以上の発光ダイオード(LED)の熱特性評価および較正を実施するためのシステムおよび方法を提供する。本開示の一部は、ARデバイスを参照して説明されるが、本開示は、画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0005】
本発明の第1の側面によると、ユニット内に配置される原色光源のセットを含む、ディスプレイデバイスを較正する方法が、提供される。本方法は、原色光源毎に、ユニットの温度および原色光源の駆動電流の関数として、色度および輝度値を含む、測定点を取得するステップを含んでもよい。本方法はまた、測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせるステップを含んでもよい。本方法はさらに、標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、原色光源毎に、原色輝度を計算するステップと、原色輝度毎に、駆動電流およびXYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得するステップとを含んでもよい。本方法はさらに、標的輝度および離散温度によってインデックス化された計算された電流を記憶するステップを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、測定点を補間または外挿し、離散温度および駆動電流の関数として、修正された測定点を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、離散温度毎に、修正された測定点を輝度値によってソートするステップを含む。いくつかの実施形態では、原色光源は、LEDである。いくつかの実施形態では、ユニットは、複合放物線集光器(CPC)を備える。いくつかの実施形態では、色度および輝度値を測定するステップは、ディスプレイデバイスの接眼レンズを通して透過される光を受け取るステップを含む。いくつかの実施形態では、原色輝度を計算するステップおよび駆動電流およびXYZ値を補間または外挿するステップは、複数回の反復にわたって実施される。いくつかの実施形態では、計算された電流は、ルックアップテーブル内に記憶される。
【0007】
本発明の第2の側面によると、ユニット内に配置される原色光源のセットを含む、ディスプレイデバイスを較正するためのシステムが、提供される。本システムは、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。本システムはまた、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、動作を実施させる、命令を備える、コンピュータ可読媒体を含んでもよい。動作は、原色光源毎に、ユニットの温度および原色光源の駆動電流の関数として、色度および輝度値を含む、測定点を取得するステップを含んでもよい。動作はまた、測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせるステップを含んでもよい。動作はさらに、標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、原色光源毎に、原色輝度を計算するステップと、原色輝度毎に、駆動電流およびXYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得するステップとを含んでもよい。動作はさらに、標的輝度および離散温度によってインデックス化された計算された電流を記憶するステップを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、動作はさらに、測定点を補間または外挿し、離散温度および駆動電流の関数として、修正された測定点を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、動作はさらに、離散温度毎に、修正された測定点を輝度値によってソートするステップを含む。いくつかの実施形態では、原色光源は、LEDである。いくつかの実施形態では、ユニットは、CPCを備える。いくつかの実施形態では、色度および輝度値を測定するステップは、ディスプレイデバイスの接眼レンズを通して透過される光を受け取るステップを含む。いくつかの実施形態では、原色輝度を計算するステップおよび駆動電流およびXYZ値を補間または外挿するステップは、複数回の反復にわたって実施される。いくつかの実施形態では、計算された電流は、ルックアップテーブル内に記憶される。
【0009】
本発明の第3の側面によると、非一過性コンピュータ可読媒体が、提供される。非一過性コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、ディスプレイデバイスのユニット内に配置される原色光源のセット毎に、ユニットの温度および原色光源の駆動電流の関数として、色度および輝度値を含む、測定点を取得するステップを含む、動作を実施させる、命令を含んでもよい。動作はまた、測定点をXYZ色空間に変換し、XYZ値を生じさせるステップを含んでもよい。動作はさらに、標的輝度のセットおよび離散温度のセット毎に、原色光源毎に、原色輝度を計算するステップと、原色輝度毎に、駆動電流およびXYZ値を補間または外挿し、計算された電流を取得するステップとを含んでもよい。動作はさらに、標的輝度および離散温度によってインデックス化された計算された電流を記憶するステップを含んでもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、動作はさらに、測定点を補間または外挿し、離散温度および駆動電流の関数として、修正された測定点を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、動作はさらに、離散温度毎に、修正された測定点を輝度値によってソートするステップを含む。いくつかの実施形態では、原色光源は、LEDである。
【0011】
従来の技法に優る多数の利点が、本開示の方法によって達成される。例えば、本明細書に説明される実施形態は、深度平面間、眼間、およびユニット間の表示の明度および色合致を有効にする。本明細書に説明される実施形態は、色源の実際のスペクトル特性を特性評価し、特性評価に基づいて、各色の組み合わせ量を調節する代わりに、色源自体の正確度を改良する必要性を排除しながら、色較正を可能にする。本開示の他の利点も、当業者に容易に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイスの概略図を図示する。
【0013】
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイスのための分光計較正システムの概略図を図示する。
【0014】
【
図3】
図3は、赤色LEDの例示的特性評価を図示する。
【0015】
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による、PIDコントローラを使用してLED電流を設定する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。
【0016】
【
図5】
図5は、緑色LEDの例示的特性評価を図示する。
【0017】
【
図6】
図6は、青色LEDの例示的特性評価を図示する。
【0018】
【
図7】
図7は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイス等の光学システムの原色LEDを特性評価するための方法を図示する。
【0019】
【
図8A】
図8A−8Cは、本発明の実施形態による、光学システムの原色LEDを特性評価する方法を図示する。
【
図8B】
図8A−8Cは、本発明の実施形態による、光学システムの原色LEDを特性評価する方法を図示する。
【
図8C】
図8A−8Cは、本発明の実施形態による、光学システムの原色LEDを特性評価する方法を図示する。
【0020】
【
図9】
図9は、2D LUTを生成するために以前に特性評価されている、ディスプレイデバイスの第1の原色LEDのセットの動作を図示する。
【0021】
【
図10】
図10は、2D LUTを生成するために以前に特性評価されている、ディスプレイデバイスの第2の原色LEDのセットの動作を図示する。
【0022】
【
図11】
図11は、ディスプレイデバイスを較正するための方法を図示する。
【0023】
【
図12】
図12は、本発明の実施形態による、フィードフォワードコントローラのブロック図を図示する。
【0024】
【
図13】
図13は、本明細書に説明される実施形態による、簡略化されたコンピュータシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発光ダイオード(LED)によって給電されている光学ディスプレイの明度および色は、LED自体のスペクトル特性に著しく敏感である。例えば、狭帯域LEDの加工変動性および固有の限界の両方に起因して、LEDのスペクトル特性は、理想的モノクロ光源から有意に逸脱し得る。問題は、それを通して光がユーザの眼に到着する前に送出される、種々の光学コンポーネントを含む、光学シースルー頭部搭載型ディスプレイ(OST−HMD)等の光学システムに関して悪化される。各コンポーネントは、モデル化および/または考慮することが困難である、一意の歪曲を光に印加し得る。変動量の原色(例えば、赤色、緑色、および青色)を組み合わせることによって特定の色点を生成する、ディスプレイに関して、色点の正確度は、(1)原色自体の正確度を改良することによって、または(2)色源の実際のスペクトル特性を特性評価し、特性評価に基づいて、各色の組み合わせ量を調節することによって、改良されることができる。本発明の実施形態は、後者のアプローチを対象とする。
【0026】
本発明の実施形態は、最初に、各源LEDの温度および電流依存性を特性評価し、次に、特性評価に基づいて、ディスプレイが源LEDから放出される光を受け取り、取り扱う方法を調節することによって、光学ディスプレイの明度および色を改良する。これらの2つのステップは、集合的に、光学ディスプレイの「熱較正」または「色較正」と称され得る。特性評価ステップは、加工の間または後、例えば、デバイスが依然として工場内にある間、本デバイスが使用されているときにユーザの眼が光を受け取るであろう、接眼レンズからある距離に、光検出デバイス(例えば、分光計)を位置付けることによって、生じ得る。光検出デバイスは、順次、コントローラ(例えば、フィードフォワードコントローラ)が複数の温度および電流を通して反復するにつれて、光学デバイスを通した各源LEDの出力を検出する。出力は、分析され、色度および輝度データを抽出し、これは、各源LEDを特性評価するために使用される。本デバイスが、ユーザによって実際に使用されているとき、較正ステップは、温度を測定し、測定された温度によって知らされるような特性評価データに基づいて、LED電流および色算出アルゴリズムを調節することによって実施される。
【0027】
図1は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイス100の概略図を図示する。ディスプレイデバイス100は、拡張現実(AR)デバイス、仮想現実(VR)デバイス、および同等物を含む、頭部搭載型ディスプレイ等の任意の数の光学システムまたはディスプレイデバイスであってもよい。ディスプレイデバイス100は、左接眼レンズ102Aと、右接眼レンズ102Bとを含んでもよく、それぞれ、並列構成に配列され、光学スタックを形成する、複数の導波管103を含有する。導波管103はそれぞれ、シリコン上液晶(LCoS)プロジェクタ104によって空間的に変調される、特定の源LEDからの光を受け取る。例えば、右接眼レンズ102Bを参照すると、赤色および深度平面1に対応する導波管(すなわち、導波管R1)は、光がLCoSプロジェクタ104Bによって空間的に変調された後、赤色および深度平面1に対応するLEDユニット106B内のLED(すなわち、LED−R1)からの光を受け取り得る。同様に、別の実施例として、青色および深度平面2に対応する導波管(すなわち、導波管B2)は、光がLCoSプロジェクタ104Bによって空間的に変調された後、青色および深度平面2に対応するLEDユニット106B内のLED(すなわち、LED−B2)からの光を受け取り得る。本開示は、任意の数の光学システムまたはディスプレイに適用可能である。故に、LCoSプロジェクタ104は、光信号を組み合わせる、または混合することなく、接眼レンズ102の別個の導波管に入力される別個の光を送出するように構成されてもよい。
図1は、LCoSプロジェクタ104を参照して説明されるが、他のタイプの空間光変調器も、使用されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス100は、ディスプレイ命令をLCoSプロジェクタ104に送信し、駆動電流110を源LEDに供給するためのコントローラ108を含む。ディスプレイ命令は、変調されるべき源LEDおよび変調設定を示してもよい。いくつかの実施形態では、LCoSプロジェクタ104は、順次、異なる源LEDからの光を変調させてもよい(すなわち、フィールドシーケンシャルディスプレイと一致する様式において、一度に1つ)、またはいくつかの実施形態では、複数の源LEDからの光は、同時に変調されてもよい。コントローラ108はまた、ディスプレイ命令と協調して、駆動電流110を源LEDのうちの1つ以上のものに供給してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ命令および駆動電流110は、LEDユニット106に結合されるサーミスタを使用して測定される、温度112によって影響され得る。温度112は、LEDユニット106の温度に対応し得、これは、源LEDの温度の近似として使用され得る。温度112Bは、所定のインターバルで、または1つ以上の基準の充足に応答して、測定されてもよい。例えば、コントローラ108は、新しいディスプレイ命令がLCoSプロジェクタ104に送信される度に、および/またはユーザがディスプレイデバイス100の再較正を要求する度に、温度112を読み出してもよい。
図1Aは、サーミスタを参照して説明されるが、他のタイプの温度センサも、使用されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、LEDユニット106はそれぞれ、1つのLEDにおいて生じている加熱が、同一LEDユニットの一部である、他のLEDの温度に影響を及ぼし得るように、特定のユニット内に含有されるLEDのそれぞれに結合される、熱導体を備えてもよい。LEDユニット106はそれぞれ、6つのLED(
図1Aに図示されるように)を含んでもよい、またはいくつかの実施形態では、LEDユニット106はそれぞれ、特定の深度平面の原色に対応する、3つのLEDを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の温度センサが、特定のLEDの実際の温度により良好に近似するように、LEDユニット106に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、LEDユニット106はそれぞれ、1つ以上の光学集光器、例えば、複合放物線集光器(CPC)を備え、LEDによって放出される光をコリメートおよび/または修正してもよい。
【0030】
図2は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイス100のための分光計較正システム200の概略図を図示する。
図2を参照すると、ディスプレイデバイス100は、接眼レンズ102の導波管103から放出される光が、コリメートレンズ216または他の好適な光学結合デバイスによって捕捉されるように位置付けられる。
図2に図示されるように、各導波管からの光の少なくとも一部は、捕捉され、特性評価ファイバ218への送達のためにコリメートされることができる。特性評価ファイバ218は、本明細書でより完全に説明されるように、導波管から放出される光のスペクトル性質を特性評価するために利用される、分光計214に光学的に結合される。較正コンピュータ202が、分光計較正システム200を制御するために利用されてもよい。
【0031】
較正の間、較正コンピュータ202は、ディスプレイデバイス100に、ディスプレイデバイス100によって表示される仮想画像を生成するように命令してもよい。用語「仮想画像」は、原色のうちの1つと関連付けられる、光の均一画面、すなわち、赤色画面、緑色画面、または青色画面の表示を含む。実施例として、較正コンピュータ202は、ディスプレイデバイス100を制御して、赤色LEDからの光を表示することができる。本実施例では、コントローラ108は、赤色LEDと通信し、出力を生成してもよい。いくつかのインスタンスでは、SLM駆動電子機器が、プロジェクタ内のSLMを設定し、プロジェクタ内のSLMを横断して一定反射(例えば、最大反射)を提供するために使用されることができる。その結果、赤色LEDによって生成された光は、導波管103の中に結合し、それによって放出され、コリメートレンズ216によって収集され、ファイバ218を通して、分光計214の中に結合されるであろう。右および左赤色LEDは両方とも、並行して(例えば、同時に)、または順次のいずれかにおいて、特性評価されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0032】
ディスプレイデバイス100内のLEDを使用して、LEDのスペクトル特性評価を有効にするであろう、光を生成することに加え、LEDは、LEDユニット106内に熱を生成し、駆動電流およびCPC温度の両方の関数として、LEDの特性評価を有効にするために利用されることができる。LEDユニット106の温度制御に関連する付加的説明が、本明細書に提供される。
【0033】
本明細書に説明されるように、本発明の実施形態は、ウェアラブルの組み立てられた状態において、ディスプレイデバイス100内のLEDのスペクトル特性評価を有効にする。LEDパッケージ内のLEDのスペクトル特性は、離散パッケージ内のLED特性の洞察を提供することができるが、本特性評価は、LEDを組み立てられたウェアラブルの中に組み込む、光学影響を考慮しない。例えば、LEDと導波管との間の光学経路に沿って配置される光学フィルタは、LEDによって放出される光の所定の部分を吸収し得る。その結果、スペクトルフィルタによって吸収されたスペクトルの部分は、LEDパッケージから放出されるような光のスペクトル特性と異なる、導波管によって放出される光のスペクトル特性をもたらすであろう。さらに、導波管を含む、接眼レンズの要素のスペクトルスループット性質は、LEDパッケージから放出後の光のスペクトル特性を修正することができる。故に、分光計は、組み立てられたウェアラブルによって放出される光を受け取るため、LEDのスペクトル特性評価は、組み立てられたウェアラブルへの統合前のLEDパッケージのスペクトル特性ではなく、組み立てられたウェアラブル内の種々の光学要素の光学スループット性質を含む。
【0034】
図3は、LED−R1の例示的特性評価を図示する。いくつかの実施形態では、光検出デバイス(例えば、分光計214)は、本デバイスが使用されているときにユーザの眼(視認者の眼とも称される)が光を受け取るであろう場所に近似する位置における、接眼レンズ102Bから特定の距離に位置付けられる。分光計214は、ディスプレイデバイス100によって放出される光を受け取る、コリメートレンズ216と、受け取られた光を分光計214に指向する、ファイバ218とを通して、光を受け取り得る。いくつかの実施形態では、分光計214は、(例えば、xyY色空間内の)受け取られた光の色度および輝度を測定するように構成されてもよい。これは、xyY値を直接測定することによって、または、最初に、波長の関数として、光出力を測定し、次に、光出力のスペクトル特性を分析し、xyY値を決定することによってのいずれかにおいて、遂行されてもよい。
【0035】
本発明の実施形態は、光学系デバイス、例えば、ウェアラブルARデバイスの全光学スタックを通して伝搬後の、光源、例えば、LEDのスペクトル成分を特性評価する。故に、光学特性、スペクトル減衰、効率、および同等物は全て、光源、例えば、LEDを較正する際に考慮される。
【0036】
LED−R1の特性評価の間、比例−積分−微分(PID)コントローラ132が、駆動電流110BのうちのLED−R1に給電する電流i
Rを複数の離散電流を通して反復させる。離散電流値は、一度に1つ、PIDコントローラ132からLED電流コントローラ122に送信されてもよい。LED電流コントローラ122は、徐々に、電流i
Rを特定の標的電流に向かって漸増または漸減してもよい、またはいくつかの実施形態では、電流i
Rを標的電流に直ちに設定してもよい。電流i
Rの電流制御に加え、LED電流コントローラ122はまた、1つ以上の付加的電流を他の図示されるLEDに提供してもよく、これは、下記により完全に説明されるように、LEDユニット106の温度112を温度のある範囲を横断して変動させ得る。LEDユニットの温度制御は、したがって、非特性評価LEDの電流を制御することによって達成されることができる。例えば、LED電流コントローラ122は、PIDコントローラ132と協働して、LEDユニット106の温度112を増減させるように、電流i
Gおよびi
Bに関する電流値を増減させてもよい。実施例として、温度112が、PIDコントローラ132にフィードバックされるにつれて、比較が、前の温度と現在の温度との間で行われ、電流i
Gおよびi
Bのそれぞれが増減される必要がある量を決定することができる。
【0037】
電流i
Rおよび温度112の両方の代表的範囲を横断してLED−R1の光出力のxyY値を測定するために、PIDコントローラ132は、電流i
Rを一定に維持しながら、温度112を変動させてもよい。代替として、または加えて、PIDコントローラ132は、温度112を比較的に一定に維持しながら、電流i
Rを複数の離散電流を通して反復させてもよい。いくつかの実施形態では、PIDコントローラ132は、並行して、または同時に、電流i
Gおよび温度112を変動させてもよい。例えば、PIDコントローラ132は、電流i
Gおよび温度112を電流−温度対のリストの所望の電流−温度対に向かって駆動してもよい。PIDコントローラ132は、最速または最も電力効率的軌道を決定し、電流−温度対のリストを通してナビゲートしてもよい。他の可能性も、検討される。
【0038】
LED−R1の特性評価の間、分光計214と処理ユニット130との間の同期(それによって、PIDコントローラ132およびLED電流コントローラ122と同期される)が、LCoSプロジェクタ104が接眼レンズ102を通した最終的送達のためにLED−R1から出力された光のみを反射させるように利用される。下記に説明されるように、LEDのうちの1つ以上のもの(例えば、全てのLED)は、具体的電流レベルで駆動され、所望のLEDユニット温度112を生成することができる。いったん所望の温度が、達成されると、特性評価されているLEDは、所定の時間周期にわたってLCoSプロジェクタ104を照明するように動作されることができる。
【0039】
図3を参照すると、LEDユニット106の赤色LED(i
R)のための標的電流および標的温度が、定義される。LEDユニット106内のLEDのそれぞれに適用される駆動電流は、事前に定義された駆動電流(すなわち、設定駆動電流)であることができる。LEDユニット106の標的温度もまた、事前に決定されることができる。故に、より完全に下記に説明されるように、LEDのそれぞれと関連付けられる色度および輝度は、駆動電流およびLEDユニット温度のある範囲において測定されることができる。
【0040】
フィールドシーケンシャルディスプレイに関して、光源(例えば、
図3に図示されるRGB LEDの3つ)は、順次、LCoSプロジェクタ104と同期して駆動される。例えば、120Hzでは、フレーム時間は、約8.3msである。接眼レンズの深度平面と関連付けられる各LED(例えば、LED−R1、LED−G1、およびLED−B1)は、順次、約2.7msにわたって照明されてもよい。
【0041】
図4は、本発明の実施形態による、PIDコントローラを使用してLED電流を設定する方法400を図示する、簡略化されたフローチャートである。
図4に図示されるように、LEDユニットのための標的温度が、PIDコントローラによって受信される(ステップ410)。特性評価および/または較正されるべきLEDに関連する識別情報もまた、PIDコントローラによって受信される(ステップ412)。実施例として、2つのセットのLED(第1のR1、G1、B1のセットおよび第2のR2、G2、およびB2のセット)を含む、LEDユニットに関して、第1のセットの赤色LED(すなわち、LED−R1)が特性評価および/または較正されることになることの情報が、受信されることができる。特性評価/較正のために識別されたLEDは、識別されたLEDと称され、本LEDをLEDユニット内の他のLEDから区別し得る。識別情報に加え、特性評価/較正されるべきLEDに関する標的駆動電流も、受信される(ステップ414)。
【0042】
LED特性評価/較正に関連する測定に備え、いくつかの実施形態では、セットのうちの一方内のLEDの全てまたは随意に両セット内のLEDの全てに関する駆動電流が、標的温度の所定の範囲(例えば、+/−0.5℃)内のLEDユニット温度を達成するために、LEDの1つ以上のものに提供される駆動電流を最大値まで増加させる、または駆動電流をゼロまで低減させることを含み得る、PIDコントローラが駆動電流を調節するように、PIDコントローラによって制御される。本明細書に説明されるように、LEDユニット温度が、標的温度の所定の範囲内にあるとき、識別されたLED以外の全てのLEDは、オフにされ、識別されたLEDは、標的駆動電流に駆動され、識別されたLEDの光出力は、分光計を使用して測定される。本スペクトル測定の間、LEDユニット温度が、測定され、特性評価の間の平均温度スペクトルが、決定され、平均温度は、例えば、同一データベース、例えば、色度および輝度と同一エントリ内に記録される。
【0043】
PIDコントローラは、LED電流コントローラと通信し、識別されたLEDに関する駆動電流を標的駆動電流に設定する(ステップ416)。いくつかの実施形態では、LEDユニットの温度は、特性評価/較正プロセスから独立して、標的温度に設定されることができる。故に、ステップ412、414、416、および440は、
図4では、随意として図示される。PIDコントローラは、サーミスタ(ステップ418)を使用して、測定された温度と称され得る、LEDユニットの温度を受信し、標的温度と測定された温度を比較する(ステップ420)。測定された温度が、標的温度未満である場合、LEDユニット内の他のLEDのうちの1つ以上のものによって生成された熱は、LEDユニットの温度を増加させるために使用されるであろう。故に、測定された温度が、標的温度未満である場合、駆動電流が、付加的LEDに関して決定される(ステップ422)。実施例として、初期低駆動電流値が、LEDユニット内の第2のLED、例えば、LED−G1に関して決定され得る。本初期駆動電流値は、次いで、付加的LED(例えば、LED−G1)が初期駆動電流値で駆動されるように、LED電流コントローラに提供される(ステップ424)。LEDユニットの温度が、測定され(ステップ418)、測定された温度が、依然として、標的温度を下回る場合、第2のLEDに関する初期駆動電流値は、より高い値に増加され得る(ステップ422)。本プロセスは、第2のLEDの最大駆動電流に到達するまで、繰り返される。
【0044】
測定された温度と標的温度を比較する反復プロセスは、標的温度に到達するまで、付加的LED、例えば、LED−B1および第2のセットからのLEDに関する駆動電流を決定することによって繰り返される。本プロセスでは、各LEDは、最初に、低電流値で駆動され得、これは、経時的に増加され、LEDによって生成された熱の量を増加させる。各付加的LED内の駆動電流を増加させ、次いで、各付加的LEDを追加することによって、LEDユニットの温度は、標的温度に到達するまで、略線形様式において増加されることができる。
【0045】
図4に図示されるように、測定された温度が、標的温度を上回る場合(ステップ430)、付加的LED内の駆動電流は、LED電流コントローラによって減少され(ステップ432および434)、結果として、低減された熱生成および減少されたLEDユニット温度をもたらす。したがって、初期較正が、第1の温度で実施され、第2の較正が、第1の温度未満の第2の温度で実施される場合、システムは、第2の温度に到達するまで、LEDユニットの温度を減少させ得る。故に、本発明の実施形態は、LEDユニットに関する標的温度のある範囲にわたる測定を有効にする。
【0046】
いったんLEDユニット温度が、標的温度に等しくなると、識別されたLEDのスペクトル特性が、測定されることができる(ステップ440)。いくつかの実施形態では、所望の標的温度を達成するために使用された、全ての付加的LEDは、オフにされることができる。LEDユニットの熱質量は、非ゼロであるため、LEDユニットは、スペクトル特性評価/較正と関連付けられる、短時間インターバル(数ミリ秒)の間、標的温度を維持するであろう。
【0047】
いくつかの実施形態では、PIDコントローラは、反復ループが標的温度に向かってより急速に収束することを可能にするであろう、論理を含むことができる。実施例として、標的温度が、測定された温度を有意に上回る場合、1つの付加的LEDを低電流値から開始するのではなく、付加的LEDのうちの2つ以上のものが、初期低電流値を上回る電流値で、駆動され、LEDユニットの温度をより急速に増加させることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0048】
したがって、LEDユニット106の温度は、PIDコントローラ132を使用して、種々のLEDの動作と併せて、制御されることができる。上記に説明されるように、いくつかの実施形態では、PIDコントローラ132は、その全電流範囲を横断して、LEDを駆動し、LEDユニット温度の所望の範囲を実装する。
【0049】
図4に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、PIDコントローラを使用してLED電流を設定する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序で上記に概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図4に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0050】
LEDユニット106の温度を制御するために、LEDユニット106内のLEDのうちの1つ以上のものは、駆動電流を使用して駆動され、LEDユニット内に熱を生成し、それによって、制御可能様式において、LEDユニットの温度を増減させる。実施例として、赤色LED(LED−R1)の特性の測定の間、他の赤色LED(LED−R2)、緑色LED(LED−G1およびLED−G2)および/または青色LED(LED−B1およびLED−B2)のうちの1つ以上のものは、所与の電流で動作され、LEDユニット106の加熱の所望の量を生成することができる。いったんLEDユニットに関する所望の温度が達成される、または温度が所望の温度の閾値内になると、特性評価されているLED、例えば、赤色LED(LED−R1)を除き、動作されているLED毎に、駆動電流が、ゼロに設定され、特性評価されているLEDが、動作される。故に、赤色LED(LED−R1)のみが、所望の温度における赤色LEDのスペクトル性質の測定の間、LCoSプロジェクタ104を照明するであろう。赤色LEDによるLCoSプロジェクタ104の照明は、通常動作時間(例えば、約2.7ms)にわたって維持され、通常動作特性を再現することができる。故に、
図3に図示される実施形態では、各光源は、他の光源を使用して、光源を含有する光学パッケージの制御を促進しながら、独立して特性評価される。
【0051】
LEDユニット106内の種々のLEDが、
図3に図示される実施形態では、温度制御を有効にするために利用されるが、これは、本発明によって要求されず、他の実装も、熱電冷却器または同等物を含む、温度制御を提供するために利用されることができる。
【0052】
図3を参照すると、標的LED電流は、処理ユニット130によって、各深度平面と関連付けられるLED毎に、LED電流、例えば、RGB電流(i
R、i
G、およびi
B)の2つのセットを生成する、LED電流コントローラ122に提供されてもよい。本明細書に説明されるように、電流は、並行して、および独立して、生成されることができる。処理ユニット130は、使用時の特性評価プロセスおよび特性評価ステップの順序を制御してもよい。処理ユニット130は、標的温度をPIDコントローラ132に提供してもよい。分光計214、LED電流コントローラ122、および処理ユニット130間の同期は、LED電流コントローラ122によるLEDの駆動と併せて、スペクトルデータを収集するために利用される。
【0053】
図3に図示されるように、LEDユニット106内のサーミスタの温度は、PIDコントローラ132および処理ユニット130の両方に提供される。PIDコントローラ132に提供される温度は、LEDユニット106Bの温度を制御するために使用される、制御アルゴリズムにおいて利用される。処理ユニット130に提供される温度は、所与のLED電流におけるスペクトル測定と併せて、温度を記録するために使用される。
【0054】
第1の赤色LED(LED−R1)の較正の説明に戻ると、駆動電流が、特性評価されているLEDに適用され(すなわち、i
R)、接眼レンズ102によって生じさせられる色度および輝度(xyY)が、分光計214を使用して測定される。分光計による測定の間、LEDユニット106の温度もまた、例えば、サーミスタを使用して測定される。測定されたスペクトル性質(例えば、xyY)および測定された温度は、処理ユニット130および/または較正コンピュータ202によって記録される。したがって、
図3に図示されるように、光源毎の色度および輝度のデータベースは、LEDユニット温度および駆動電流(i
R)の関数として、組み立てられることができる。
【0055】
図5および6は、深度平面と関連付けられる他の2つのLEDの特性評価を図示する。LED−R1の特性評価に関連して議論されるように、種々のLEDのうちの1つ以上のものが、特性評価されているLEDに関するスペクトル測定の収集に先立って、PIDコントローラ132と併せて動作され、LEDユニット106の温度を制御する。第1の深度平面に関連して議論されるものと類似するプロシージャが、第2の深度平面と関連付けられる3つのLEDを特性評価するために利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0056】
図5は、LED−G1の例示的特性評価を図示する。LED−R1の特性評価と同様に、分光計214は、LCoSプロジェクタ104によって変調されたLED−G1によって出力された光の色度および輝度を測定するように位置付けられる。LED−G1の特性評価の間、コントローラ108は、駆動電流110のうちのLED−G1に給電する電流i
Gを複数の離散電流を通して反復させ、LEDユニット106の温度112を温度のある範囲を横断して変動させる。LEDユニットの温度制御は、非特性評価LEDの電流を制御することによって達成されることができる。例えば、LED電流コントローラ122は、PIDコントローラ132と協働して、LEDユニット106の温度112を増減させるように、電流i
Rおよびi
Bに関する電流値を増減させてもよい。LED−G1の特性評価の間、分光計214と処理ユニット130との間の同期(それによって、PIDコントローラ132およびLED電流コントローラ122と同期される)は、LCoSプロジェクタ104Bが接眼レンズ102を通した最終的送達のためのLED−G1から出力された光のみを反射させるように利用される。本明細書に説明されるように、LEDのうちの1つ以上のもの(例えば、全てのLED)は、具体的電流レベルで駆動され、所望のLEDユニット温度を生成することができる。いったん所望の温度が、達成されると、特性評価されているLEDは、所定の時間周期にわたって、LCoSプロジェクタ104を照明するように動作されることができる。
【0057】
図6は、LED−B1の例示的特性評価を図示する。LED−R1およびLED−G1の特性評価と同様に、分光計214は、LCoSプロジェクタ104によって変調されたLED−B1によって出力された光の色度および輝度を測定するように位置付けられる。LED−B1の特性評価の間、コントローラ108は、駆動電流110のうちのLED−B1に給電する電流i
Bを複数の離散電流を通して反復させ、温度のある範囲を横断して、LEDユニット106の温度112を変動させる。LEDユニットの温度制御は、非特性評価LEDの電流を制御することによって達成されることができる。例えば、LED電流コントローラ122は、PIDコントローラ132と協働して、LEDユニット106の温度112を増減させるように、電流i
Rおよびi
Gに関する電流値を増減させてもよい。LED−B1の特性評価の間、分光計214と処理ユニット130との間の同期(それによって、PIDコントローラ132およびLED電流コントローラ122と同期される)は、LCoSプロジェクタ104が接眼レンズ102を通した最終的送達のためのLED−B1から出力された光のみを反射させるように利用される。本明細書に説明されるように、LEDのうちの1つ以上のもの(例えば、全てのLED)は、具体的電流レベルで駆動され、所望のLEDユニット温度を生成することができる。いったん所望の温度が、達成されると、特性評価されているLEDは、所定の時間周期にわたってLCoSプロジェクタ104を照明するように動作されることができる。
【0058】
図7は、本発明の実施形態による、ディスプレイデバイス100等の光学システムの原色LEDを特性評価するための方法700を図示する。方法700の1つ以上のステップは、
図7に示されるものと異なる順序で実施されてもよく、全てのステップが実施される必要はない。いくつかの実施形態では、ステップ702−708は、原色LED毎に実施されてもよい。ステップ702では、xyY値が、温度および電流のある範囲にわたって測定され、複数の測定点を取得する。複数の測定点の各測定点は、電流、温度、およびxyY値を含む。
【0059】
ステップ704では、複数の測定点が、xyY空間からXYZ空間に変換される。ステップ706では、XYZ値は、離散温度にわたって補間/外挿され、複数の測定点を修正する。ステップ708では、複数の測定点は、各温度における輝度によってソートされる。いくつかの実施形態では、ステップ710および712は、標的輝度Y
W毎および温度毎に、実施されてもよい。ステップ710では、原色輝度Y
R、Y
G、およびY
Bが、原色LED毎に、色度値を使用して計算される。
図8Bに関連して下記により完全に説明されるように、原色輝度の初期計算に関して、中央値電流で測定されたLED毎の色度値が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、方法700は、特定の白色点(例えば、D65)に対して実施される。
【0060】
ステップ712では、原色毎の標的輝度を補間/外挿することによって、原色毎のXYZ値および電流が、更新(例えば、修正)される。いくつかの実施形態では、ステップ710および712は、XYZ値および/または電流が収束するまで繰り返される。結果として生じる電流は、計算された電流と称され得る。他の実施形態または同一実施形態では、ステップ710および712は、所定の回数繰り返される。
図7に図示される較正プロセスに関連する付加的説明は、
図8A−8Cに関連して提供される。ステップ714では、ステップ712の最後の反復の間に計算された電流(および随意に、XYZ値)は、2次元(2D)ルックアップテーブル(LUT)内に記憶される。
【0061】
図7に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による、光学システムの原色LEDを特性評価する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序で上記に概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図7に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0062】
図8A−8Cは、本発明の実施形態による、光学システムの原色LEDを特性評価する方法800を図示する。
図3に関連して議論されるように、LEDユニット106の温度は、PIDコントローラ108を使用して制御されてもよく、色度および輝度(xyY)は、所与の駆動電流におけるLED毎に測定されるであろう。これらの測定は、温度および駆動電流のある範囲にわたって繰り返されるであろう(ステップ802)。赤色LEDに関する測定のみが、
図8Aに図示されるが、類似データベースが、LEDユニット内のLED毎に組み立てられることができることを理解されたい。xyY空間内で行われる色度および輝度測定は、XYZ色空間の形態における絶対色空間に変換される(ステップ804)。
【0063】
測定プロセスの間、測定されたLEDユニット温度は、単一温度からの種々の電流における測定のための温度の変動によって図示されるように、標的温度から変動し得る。故に、補間/外挿は、離散LEDユニット温度に関する補間された駆動電流値および補間されたXYZ座標を決定するように実施され(ステップ806)、温度は、補間計算における入力として使用される。線形補間が、いくつかの実施形態では、利用されるが、他の補間技法も、他の実施形態では、利用されることができる。したがって、離散温度と関連付けられる駆動電流値およびXYZ値が、
図8Aに図示されるように提供される。
【0064】
離散標的輝度と関連付けられる駆動電流値およびXYZ値のデータベースを組み立てるために、色度および輝度データエントリが、各離散温度における輝度によってソートされる(ステップ808)。温度および駆動電流のある範囲にわたるxyYデータの収集、XYZ空間への変換、電流およびXYZデータと離散温度を整合させるための補間/外挿、および各温度における輝度によるソートもまた、他の原色LEDに関して実施される。
【0065】
図8Bを参照すると、標的輝度、所望の白色点(例えば、D65)、および原色の色度を前提として、要求される原色輝度が、計算される(ステップ810)。言い換えると、所望の出力色度およびxyY空間内の測定された赤色、緑色、青色色度を前提として、赤色、緑色、および青色輝度比率を解法することが可能である。
図8Bを参照すると、1の所与の標的輝度、x=0.3127およびy=0.329(すなわち、D65)の所望の白色点、および赤色に関するx=0.6972およびy=0.3022、緑色に関するx=0.154およびy=0.7681、青色に関するx=0.1484およびy=0.029の色度に関して、赤色に関するY=0.272、緑色に関するY=0.692、および青色に関するY=0.036の要求される色輝度が、算出されることができる。出力輝度によって除算される原色毎の要求される色輝度は、輝度比率(LR)と称され得る。
図8Bに図示される実施例では、出力輝度は、1であるため、LRが、要求される色輝度である。出力輝度が、100nitsである場合、本実施例に関して、要求される色輝度は、赤色に関して27.2nits、緑色に関して69.2nits、および青色に関して3.6nitsとなるであろう。
【0066】
反復のための開始点として、中央値電流における原色毎に測定された色度が、利用されることができる。加えて、LEDユニット温度において測定された色度は、より正確な初期原色色度を提供するために利用されることができる。しかしながら、実際の動作の間、例えば、LEDユニットの温度は、周囲温度の結果として変化するにつれて、および/またはLEDユニットの温度がLEDユニット内のLEDの温度変動の結果として変化につれて、(例えば、LEDに提供される駆動電流が変動するため)、赤色、緑色、および青色LEDの色度は、色度の本中央値電流から変動し得る。中央値電流に加え、LED色度に関する他の公称値も、使用されることができる。
【0067】
3つの原色に関する最初に算出された要求される原色輝度を前提として、これらの値は、
図8Aのステップ808に図示されるように、輝度によってソートされる順序付けられたリストをインデックス化するために使用されるであろう。輝度値を使用して、駆動電流は、補間/外挿され、算出された輝度値と関連付けられる駆動電流を取得するであろう。
図8Aに図示されるように、各温度における色毎の駆動電流の関数としての輝度値のアレイが、各算出された輝度値と関連付けられる駆動電流を決定するために利用されることができる。いくつかの実装では、駆動電流間の線形補間が、補間される駆動電流を決定するために利用され、これは、典型的には、初期色度を提供するために使用される中央値電流から変動するであろう。
【0068】
実施例として、300°Kの温度において、100mAの赤色LEDのための駆動電流が、20nitsの輝度を生じさせ、200mAの駆動電流が、30nitsの輝度を生じさせる場合、線形補間が、27.2nitsの算出された赤色輝度を生じさせるために、172mAの駆動電流が、輝度の所望の27.2nitsを生じさせるであろうことを決定するために使用されることができる。
【0069】
加えて、XYZ色空間値が、算出された輝度値を使用して補間/外挿されるであろう。LED駆動電流補間に類似する様式において、XYZ座標の関数としての原色輝度を含むデータセットを使用して、XYZ座標が、所望の輝度を生じさせるであろうように補間されることができる。
【0070】
補間された色度値(補間されたXYZ値に基づく)を前提として、反復ループが、所望の白色点、標的輝度、および補間された色度値に基づいて、更新された原色輝度を算出するために利用されるであろう。
【0071】
いくつかの実施形態では、原色色度のそれぞれ間の差異が、閾値との比較のために使用される一方、他の実施形態では、較正されている色(例えば、本実施例では、赤色)に関する初期色度と更新された色度における差異が、利用される。他の実施形態では、平均差異が、算出および利用される。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。初期および更新された色度における差異が、
図8Bに図示される実施形態では利用されるが、これは、本発明によって要求されず、他の方法、例えば、所定の回数の反復(例えば、5、10、50、100、500、1000、または5000反復)も、利用されることができる。
【0072】
図8Bに図示されるように、2次元LUTの輝度軸を形成する方法は、ステップ810では、所望の白色点、標的輝度、および原色の初期色度を使用して、要求される原色輝度を計算するステップを含む。初期色度は、中央値駆動電流レベルにおいて測定された色度として設定されることができる。
【0073】
方法はまた、ステップ812において、原色の算出された輝度毎に、各原色輝度と関連付けられる駆動電流を補間するステップと、ステップ814において、各原色輝度と関連付けられるXYZ座標を補間するステップとを含む。本方法はさらに、ステップ816において、補間されたXYZ座標に基づいて、更新された色度を決定するステップを含む。補間された色度の平均のうちの1つ以上のものおよび原色色度における差異が、ステップ818において、閾値を上回ることが決定される場合、方法は、ステップ820において、原色色度に関する新しい補間された色度を使用して反復する。反復プロセスはまた、所定の反復回数に基づくことができる。故に、反復補間プロセス後、LED毎に、駆動電流およびXYZ座標は、離散輝度値と整合される。
図8Cに図示される2D LUTが、したがって、離散LEDユニット温度および離散輝度値に関する補間された駆動電流およびXYZ座標に基づいて生成され、本明細書に説明されるフィードフォワード制御システムによる使用のために記憶されることができる。
【0074】
図8Aに戻って参照すると、各温度における輝度が、ステップ808に示されるように、ソートされた輝度値を提供するようにソートされた。
図8Bに図示されるプロセスは、各離散温度において繰り返され、
図8Cに示されるように、LEDユニット温度および標的輝度の関数として駆動電流を定義する、2D LUTを生じさせるであろう。したがって、M個の標的輝度およびN個の離散温度が存在する場合、
図8Bに図示される反復プロセスは、M×N回実施されるであろう。
【0075】
駆動電流のみが、
図8Cに図示されるが、2D LUTはまた、駆動電流に加え、温度および輝度の関数として、XYZ座標等の色度および輝度情報を記憶することができる(ステップ822)。例えば、XYZ座標は、色色域を標準フォーマットにまとめるために使用されることができる。したがって、
図8Cでは、2D LUT内のエントリは、{i
R、i
G、i
B}から{i
R、i
G、i
B、X
R、X
G、X
B、Y
R、Y
G、Y
B、Z
R、Z
G、Z
B}に拡張されることができる。したがって、フィードフォワード制御システムにおいて使用するためのインデックス化された駆動電流に加え、他のインデックス化された値は、種々のシステム要素による使用のための2D LUT内に記憶されることができる。
【0076】
実施形態は、D65を白色点として達成する観点から説明されるが、本発明は、本白色点に限定されない。代替白色点を提供するために、本発明の実施形態は、代替白色点と関連付けられる、代替2D LUTを提供するために利用されることができる。
図8Bに図示されるように、標的色差値は、原色輝度値の算出への入力(所与の変数)であって、これらの入力の修正は、代替白色点に適切な修正されたエントリを伴う2D LUTをもたらすであろう。他の実施形態では、代替白色点を提供するための実装は、コントローラ108のレベルに実装されることができる。
【0077】
図8Bに図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による、標的輝度および各標的温度毎に、駆動電流およびXYZ座標を決定する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序で上記に概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図8Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0078】
原色輝度比率の計算に関連して、輝度比率を解法するために、寄与する色度および輝度に基づいて、出力色度を計算する、方程式が、使用される。輝度が、xyYまたはXYZ空間内に追加され、出力輝度を得ることができる。しかしながら、xyYは、非線形空間であるため、色度は、XYZ空間内に表されるときのみ追加される。
【0079】
xyY空間からXYZ空間に変換するために、以下の方程式が、使用される。
【化1】
【0080】
XYZ空間からxyY空間への変換は、以下のように実施される。
【化2】
【0081】
原色輝度比率を計算するために、XYZ総和方程式が、以下のように代入されたxyY原色座標を用いて書き換えられることができる。
【化3】
【0082】
本方程式は、以下のように、行列形態において書き換えられることができる。
【化4】
【0083】
Y
RGBを解法するための再配列は、以下をもたらす。
【化5】
【0084】
輝度比率を算出するために、両辺が、Y
OUTによって除算され、以下をもたらす。
【化6】
【0085】
同様に、輝度比率が、XYZ空間内で与えられる原色および所望の出力に関して決定されることができる。上記の実施例において輝度(すなわち、輝度比率)を解法するために、色度は、xyYが、非線形空間であって、XYZが、線形空間であるため、XYZ空間に変換されてもよい。いくつかの実施形態では、xyY空間からXYZ空間への変換は、以下の方程式:X=Y/y
*x、Y=Y、およびZ=Y/y
*(1−x−y)を使用して実施されてもよい。逆に言えば、XYZ空間からxyY空間への変換は、以下の方程式:x=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)、およびY=Yを使用して実施されてもよい。XYZ空間への変換後、輝度比率は、以下の方程式を使用して計算されることができる。
【化7】
【0086】
前の較正では、各LEDの輝度(Y
sRGB_*_TO_W)が所与の明度における標的sRGB白色点(0.3127、0.3290)に達することが見出される。本来のLED色域は、同一白色点を維持しながら、sRGB色域に低減される。
【0087】
前に使用された同一機能が、sRGB原色毎にLEDの輝度比率を計算するための所望の白色点のために必要とされるLEDの輝度比率を計算するために使用されてもよい。
sRGB赤色に関して:
【化8】
sRGB緑色に関して:
【化9】
sRGB青色に関して:
【化10】
原色の色度は、変化されるため、sRGB白色に関する輝度比率は、以下のように算出されることができる。
【化11】
【0088】
RGB空間内のピクセルの値のLEDの輝度値への変換は、以下のように表されることができる。
【化12】
式中、定数k
ijの3×3行列は、色域を低減させるために使用されるであろう、色空間変換(CSC)行列である。
【0089】
CSC行列は、以下の条件が満たされるように解法されることができる。
RGB
IN=[100]
Tであるとき、
【化13】
RGB
IN=[010]
Tであるとき、
【化14】
RGB
IN=[001]
Tであるとき、
【化15】
本構造によって、以下の条件もまた満たされることが保証される。
RGB
IN=[111]
Tであるとき、
【化16】
である。
RGB
IN=[100]
Tおよび
【化17】
を代入すると、以下となる。
【化18】
RGB
IN=[010]
Tおよび
【化19】
を代入すると、以下となる。
【化20】
RGB
IN=[001]
Tおよび
【化21】
を代入すると、以下となる。
【化22】
【0090】
図9は、事前に特性評価され、2D LUT910を生成している、ディスプレイデバイス100の第1の原色LEDのセットの動作を図示する。
図8Cに図示されるように、2D LUTは、第1の原色LEDのセット内のLED毎に、駆動電流を提供する。ディスプレイデバイス100が、ユーザによって実際に使用されているとき、第1の原色LEDのセットが、温度112を測定するステップと、標的輝度を受信するステップと、2D LUT910にアクセスし、電流i
R、i
G、およびi
Bを決定するステップと、決定された電流でLEDを駆動させるステップとを含む、プロセスによって動作される。双線形補間が、2D LUTと併せて利用され、恣意的温度および標的輝度に関する温度および標的輝度の関数としての駆動電流を決定することができる。
図9に図示されるように、LEDユニット106の動作温度112は、サーミスタを使用して測定され、フィードフォワード計算機120に提供され、種々のLEDに関する駆動電流を決定する際に使用される。
【0091】
図9を参照すると、標的色度(例えば、D65)および輝度(例えば、100nits)が、処理ユニット130からフィードフォワード計算機120において受信される。LEDユニット106の温度が、サーミスタからフィードフォワード計算機120において受信される。温度および輝度の関数として駆動電流を定義する、2D LUTを使用して、標的LED電流信号(例えば、デジタル信号)が、フィードフォワード計算機120によって生成され、LED電流コントローラ122に提供される。3つのみの電流が、
図9に図示されるが、2つの接眼レンズ(右および左)を伴う二重深度平面実装に関しては、12個の標的LED電流信号が生成されるであろうことを理解されたい。LED電流コントローラ122が、次いで、対応するLEDを駆動させるために使用される、アナログ駆動電流を生成する。
図9に図示されるように、3つのLED(LED−R1、LED−G1、およびLED−B1)が、駆動され、入力をLCoSプロジェクタ104からの反射後、接眼レンズ102の1つの深度平面に提供する。均一白色光ディスプレイを生成するために、LCoSプロジェクタ104のピクセルは、原色LEDのシーケンシャル動作の間に生成された光を反射させるための均一(すなわち、最大)反射率に設定されるであろう。
【0092】
処理ユニット130によって規定された標的輝度またはLEDユニットの温度106が変化するにつれて、フィードフォワード計算機120は、これらの変化に基づいて、標的LED電流を更新し、それによって、標的輝度における一貫した白色点によって特徴付けられる、接眼レンズ102からの出力を提供するであろう。いくつかの実施形態では、フィードフォワード計算機120は、標的LED電流を所定の周期的レートで(例えば、フレームまたは約83msの周期毎に)更新する。
【0093】
図10は、事前に特性評価され、2D LUT1010を生成している、ディスプレイデバイス100の第2の原色LEDのセットの動作を図示する。ディスプレイデバイス100が、ユーザによって実際に使用されているとき、第2の原色LEDのセットは、温度112を測定するステップと、標的輝度を受信するステップと、2D LUT1010にアクセスし、電流i
R、i
G、およびi
Bを決定するステップと、決定された電流でLEDを駆動させるステップとを含む、プロセスによって動作される。
図10に図示されるように、LEDユニット106の動作温度112は、サーミスタを使用して測定され、フィードフォワード計算機120に提供され、種々のLED、すなわち、LED−R2、LED−G2、およびLED−B2に関する駆動電流を決定する際に使用される。
【0094】
図11は、ディスプレイデバイス100等のディスプレイデバイスを較正するための方法1100を図示する。いくつかの実施形態では、方法1100は、方法700または800の実施に続いて実施されてもよい。方法1100の1つ以上のステップは、
図11に示されるものと異なる順序で実施されてもよく、全てのステップが実施される必要はない。ステップ1102では、標的輝度Y
Wが、受信される。標的輝度Y
Wは、特定の白色点、例えば、D65に対応してもよい。ステップ1104では、LEDユニットの温度が、測定される。ステップ1106では、1つ以上の2Dルックアップテーブルが、アクセスされ、電流i
R、i
G、およびi
Bを決定し、これは、続いて、原色LEDを駆動させるために使用されることができる。
【0095】
ステップ1106では、双線形補間が、LED、すなわち、i
R、i
G、およびi
B毎の駆動電流およびLED毎の色度および輝度(すなわち、x、y、およびY)を決定するために使用されることができる。故に、いくつかの実施形態は、12個のパラメータ:{i
R、i
G、i
B、x
R、x
G、x
B、y
R、y
G、y
B、Y
R、Y
G、Y
B}を決定する。双線形補間を実施するために、2Dルックアップテーブルのために使用される、離散LEDユニット温度および輝度が、アクセスされ、LEDユニットの温度および標的輝度に関する近傍のインデックスが、見出される。12個のパラメータ毎に、個別の2D LUTが、アクセスされ、4つの近傍のエントリが、見出され、双線形補間が、実施される。ステップ1108では、原色LEDが、決定された電流で駆動される。
【0096】
図11に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による、ディスプレイデバイスを較正する特定の方法を提供することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序で上記に概略されたステップを実施してもよい。さらに、
図11に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0097】
図12は、本発明の実施形態による、フィードフォワードコントローラ1200のブロック図を図示する。
図12を参照すると、フィードフォワードコントローラ1200への入力は、所与の仮想画像(白色点)と、LEDユニットとも称される、LEDパッケージの温度の測定値である、擾乱とを作成するための、標的色度および輝度である。
図12では、LEDパッケージは、LEDパッケージがCPCを利用し得るため、CPC1220と称される。LEDパッケージの熱質量は、本明細書でより完全に説明されるように、温度制御を促進するために使用されることができる。
図12に図示されるように、サーミスタ1210は、CPC1220の温度をフィードフォワード計算機120に提供するために利用されるが、他の温度測定デバイスも、利用されることができる。
【0098】
ある周囲条件では、LEDパッケージの温度は、試験下の特定のLEDのスペクトル特性評価が特性評価されている、時間周期の間、変化し得る。この場合、試験周期の間の平均温度が、算出されることができる。
【0099】
図12に図示されるように、フィードフォワード計算機120は、(例えば、xyY色空間内の)RGB色点を出力として提供することが可能である。
図8Cに関連して説明されるように、2D LUTは、駆動電流値だけではなく、着目駆動電流におけるLEDに関する色度および輝度情報も含むことができる。したがって、本色度および輝度情報は、例えば、本来の色色域からsRGB色色域への、例えば、色域間の変換のために、他のシステム要素による使用のために出力されることができる。
【0100】
3つのLEDによって放出される光の総和が、フィールドシーケンシャルディスプレイシステムが利用される実装において、視認者の眼の中で生じる。
【0101】
以下の議論は、本明細書に説明されるような色較正プロセスの1つ以上のステップを図示する。本明細書に議論されるように、特定の白色点(例えば、D65)を達成するためにLEDに印加される駆動電流は、赤色、緑色、および青色LEDに関して決定された色度が温度および駆動電流の関数として変化するにつれて、変動し得る。例えば、第1の時間では、x=0.3127、y=0.329の色度座標を有する、特定の白色点が、以下の表に従って生成され得る。
【表1】
赤色、緑色、および青色LEDに関して計算された輝度は、下の行に列挙され、1の特定の白色点の標的輝度に総和される。
【0102】
上記の実施例を継続すると、第2の時間では、赤色、緑色、および青色LEDに関する色度座標が、変化しており(例えば、温度の変化に起因して)、x=0.3127、y=0.329の色度座標を有する同一白色点が、以下の表に従って生成され得る。
【表2】
赤色、緑色、および青色LEDに関して計算された輝度は、下の行に列挙され、再び、1の特定の白色点の標的輝度に総和される。
【0103】
上記の実施例を継続すると、第3の時間では、赤色および緑色LEDに関する色度座標は、第2の時間と同一であるが、白色点の色度座標は、x=0.3127、y=0.329からx=0.3295、y=0.3679に変化している(例えば、所望の仮想コンテンツの変化に起因して)。白色点は、以下の表に従って生成され得る。
【表3】
赤色、緑色、および青色LEDに関して計算された輝度は、下の行に列挙され、再び、1の特定の白色点の標的輝度に総和される。
【0104】
本明細書に説明される方法に関連する図に図示される具体的ステップは、本明細書に説明される特定の方法を提供するステップを図示することを理解されたい。ステップの他のシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、異なる順序で上記に概略されたステップを実施してもよい。さらに、本明細書に説明される方法に関連する図に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0105】
図13は、本明細書に説明される実施形態による、簡略化されたコンピュータシステム1300を図示する。
図12に図示されるようなコンピュータシステム1300は、本明細書に説明されるようなディスプレイデバイス100および較正コンピュータ202等のデバイスの中に組み込まれてもよい。
図13は、種々の実施形態によって提供される方法のステップの一部または全部を実施することができる、コンピュータシステム1300の一実施形態の略図を提供する。
図13は、種々のコンポーネントの一般化された例証を提供するためだけに意図され、そのいずれかまたは全てが、必要に応じて利用されてもよいことに留意されたい。
図13は、したがって、広義には、個々のシステム要素が比較的に分離された様式または比較的により統合された様式において実装され得る状況を図示する。
【0106】
コンピュータシステム1300は、バス1305を介して電気的に結合されることができる、または必要に応じて別様に通信し得る、ハードウェア要素を備えるように示される。ハードウェア要素は、限定ではないが、デジタル信号処理チップ、グラフィック加速プロセッサ、および/または同等物等の、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の特殊目的プロセッサを含む、1つ以上のプロセッサ1310と、限定ではないが、マウス、キーボード、カメラ、および/または同等物を含むことができる、1つ以上の入力デバイス1315と、限定ではないが、ディスプレイデバイス、プリンタ、および/または同等物を含むことができる、1つ以上の出力デバイス1320とを含んでもよい。
【0107】
コンピュータシステム1300はさらに、限定ではないが、ローカルおよび/またはネットワークアクセス可能記憶装置を備えることができ、および/または、限定ではないが、プログラム可能である、フラッシュ更新可能である、および/または同等物であることができる、ディスクドライブ、ドライブアレイ、光学記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)等のソリッドステート記憶デバイス、および/または読取専用メモリ(「ROM」)を含むことができる、1つ以上の非一過性記憶デバイス1325を含む、および/またはそれと通信してもよい。そのような記憶デバイスは、限定ではないが、種々のファイルシステム、データベース構造、および/または同等物を含む、任意の適切なデータ記憶を実装するように構成されてもよい。
【0108】
コンピュータシステム1300はまた、限定ではないが、Bluetooth(登録商標)デバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、セルラー通信設備等、および/または同等物等のモデム、ネットワークカード(無線または有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、および/またはチップセットを含むことができる、通信サブシステム1319を含み得る。通信サブシステム1319は、1つ以上の入力および/または出力通信インターフェースを含み、データが、一実施例として挙げるために以下に説明されるネットワーク、すなわち、他のコンピュータシステム、テレビ、および/または本明細書に説明される任意の他のデバイス等のネットワークと交換されることを可能にしてもよい。所望の機能性および/または他の実装懸念に応じて、ポータブル電子デバイスまたは類似デバイスは、通信サブシステム1319を介して、画像および/または他の情報を通信してもよい。他の実施形態では、ポータブル電子デバイス、例えば、第1の電子デバイスは、コンピュータシステム1300、例えば、電子デバイスの中に入力デバイス1315として組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1300はさらに、作業メモリ1335を備え、これは、上記に説明されるようなRAMまたはROMデバイスを含むことができる。
【0109】
コンピュータシステム1300はまた、上記に議論される方法に関して説明される種々の実施形態によって提供されるコンピュータプログラムを備え得る、および/または本明細書に説明されるような他の実施形態によって提供される方法を実装し、および/またはシステムを構成するように設計され得る、1つ以上のアプリケーションプログラム1345等のオペレーティングシステム1340、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、および/または他のコードを含む、作業メモリ1335内に現在位置するものとして示される、ソフトウェア要素を含むことができる。単に、一例として、上記に議論される方法に関して説明される1つ以上のプロシージャは、コンピュータまたはコンピュータ内のプロセッサによって実行可能なコードおよび/または命令として実装され得、ある側面では、次いで、そのようなコードおよび/または命令は、説明される方法に従って1つ以上の動作を実施するように汎用コンピュータまたは他のデバイスを構成および/または適合するために使用されることができる。
【0110】
これらの命令および/またはコードのセットは、上記に説明される記憶デバイス1325等の非一過性コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されてもよい。ある場合には、記憶媒体は、コンピュータシステム1300等のコンピュータシステム内に組み込まれ得る。他の実施形態では、記憶媒体は、コンピュータシステムと別個である、例えば、コンパクトディスク等の可撤性媒体である、および/または記憶媒体が、汎用コンピュータをその上に記憶される命令/コードを用いてプログラム、構成、および/または適合するために使用され得るように、インストールパッケージ内に提供され得る。これらの命令は、コンピュータシステム1300によって実行可能である、実行可能コードの形態をとり得る、および/または、例えば、種々の概して利用可能なコンパイラ、インストールプログラム、圧縮/解凍ユーティリティ等のいずれかを使用したコンピュータシステム1300上へのコンパイルおよび/またはインストールに応じて、次いで、実行可能コードの形態をとる、ソースおよび/またはインストール可能コードの形態をとり得る。
【0111】
実質的変形例が、具体的要件に従って作製されてもよいことが、当業者に明白となるであろう。例えば、カスタマイズされたハードウェアもまた、使用され得る、および/または特定の要素が、ハードウェア、アプレット等のポータブルソフトウェアを含む、ソフトウェア、または両方内に実装され得る。さらに、ネットワーク入力/出力デバイス等の他のコンピューティングデバイスへの接続も、採用されてもよい。
【0112】
前述のように、一側面では、いくつかの実施形態は、コンピュータシステム1300等のコンピュータシステムを採用し、本技術の種々の実施形態による方法を実施してもよい。一式の実施形態によると、そのような方法のプロシージャの一部または全部は、プロセッサ1310が、オペレーティングシステム1340の中に組み込まれ得る、1つ以上の命令の1つ以上のシーケンス、および/または作業メモリ1335内に含有される、アプリケーションプログラム1345等の他のコードを実行することに応答して、コンピュータシステム1300によって実施される。そのような命令は、記憶デバイス1325のうちの1つ以上のもの等の別のコンピュータ可読媒体から作業メモリ1335の中に読み取られてもよい。単に、一例として、作業メモリ1335内に含有される命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1310に、本明細書に説明される方法の1つ以上のプロシージャを実施させ得る。加えて、または代替として、本明細書に説明される方法の一部は、特殊ハードウェアを通して実行されてもよい。
【0113】
用語「機械可読媒体」および「コンピュータ可読媒体」は、本明細書で使用されるように、機械を具体的方式で動作させるデータを提供することに関わる、任意の媒体を指す。コンピュータシステム1300を使用して実装される、ある実施形態では、種々のコンピュータ可読媒体は、実行のための命令/コードをプロセッサ1310に提供する際に関わり得る、および/またはそのような命令/コードを記憶および/または搬送するために使用され得る。多くの実装では、コンピュータ可読媒体は、物理的および/または有形記憶媒体である。そのような媒体は、不揮発性媒体または揮発性媒体の形態をとってもよい。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス1325等の光学および/または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、限定ではないが、作業メモリ1335等の動的メモリを含む。
【0114】
一般的形態の物理的および/または有形コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標)−EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、またはコンピュータが命令および/またはコードを読み取ることができる、任意の他の媒体を含む。
【0115】
種々の形態のコンピュータ可読媒体が、実行のための1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスをプロセッサ1310に搬送する際に関わってもよい。単に、一例として、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスクおよび/または光学ディスク上で搬送されてもよい。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリの中にロードし、コンピュータシステム1300によって受信および/または実行される伝送媒体を経由して、命令を信号として送信し得る。
【0116】
通信サブシステム1319および/またはそのコンポーネントは、概して、信号を受信し、バス1305が、次いで、信号および/または信号によって搬送されるデータ、命令等を作業メモリ1335に搬送し得、そこから、プロセッサ1310が、命令を読み出し、実行する。作業メモリ1335によって受信された命令は、随意に、プロセッサ1310による実行前または後のいずれかにおいて、非一過性記憶デバイス1325上に記憶されてもよい。
【0117】
前述の方法、システム、およびデバイスは、実施例である。種々の構成は、必要に応じて、種々のプロシージャまたはコンポーネントを省略、代用、または追加してもよい。例えば、代替構成では、本方法は、説明されるものと異なる順序で実施されてもよく、および/または種々の段階は、追加される、省略される、および/または組み合わせられてもよい。また、ある構成に関して説明される特徴は、種々の他の構成において組み合わせられてもよい。構成の異なる側面および要素は、類似様式で組み合わせられてもよい。また、技術は、進歩するものであって、したがって、要素の多くは、実施例であって、本開示の範囲または請求項を限定するものではない。
【0118】
具体的詳細が、実装を含む、例示的構成の完全な理解を提供するために説明に与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的詳細を伴わずに実践されてもよい。例えば、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造、および技法は、構成を曖昧にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。本説明は、例示的構成のみを提供し、請求項の範囲、可用性、または構成を限定するものではない。むしろ、構成の前述の説明は、当業者に説明される技法を実装するための有効な説明を提供するであろう。種々の変更が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列に行われてもよい。
【0119】
また、構成は、概略フローチャートまたはブロック図として描写される、プロセスとして説明され得る。それぞれ、シーケンシャルプロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは、並行して、または同時に実施されてもよい。加えて、動作の順序は、再配列されてもよい。プロセスは、図内に含まれない付加的ステップを有してもよい。さらに、本方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または任意のそれらの組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコード内に実装されるとき、必要タスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体等の非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよい。プロセッサは、説明されるタスクを実施してもよい。
【0120】
いくつかの例示的構成が説明されたが、種々の修正、代替構造、および均等物が、本開示の精神から逸脱することなく、使用されてもよい。例えば、前述の要素は、より大きいシステムのコンポーネントであってもよく、他のルールが、本技術の用途に優先する、または別様にそれを修正してもよい。また、いくつかのステップは、前述の要素が検討される前、間、または後に行われてもよい。故に、前述の説明は、請求項の範囲を束縛するものではない。
【0121】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照を含む。したがって、例えば、「ユーザ」の言及は、複数のそのようなユーザを含み、「プロセッサ」の言及は、1つ以上のプロセッサおよび当業者に公知のその均等物等の言及を含む。
【0122】
また、単語「comprise(〜を備える)」、「comprising(〜を備える)」、「contains(〜を含有する)」、「containing(〜を含有する)」、「include(〜を含む)」、「including(〜を含む)」、および「includes(〜を含む)」は、本明細書および以下の請求項で使用されるとき、述べられた特徴、整数、コンポーネント、またはステップの存在を規定するために意図されるが、それらは、1つ以上の他の特徴、整数、コンポーネント、ステップ、行為、またはグループの存在または追加を除外するものではない。
【0123】
また、本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証目的のみのためのものであって、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限および添付の請求項の範囲内に含まれることを理解されたい。
【国際調査報告】