特表2021-533911(P2021-533911A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファイアカデミー ドゥー ベオグラード‐ヴォツドヴァックの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-533911(P2021-533911A)
(43)【公表日】2021年12月9日
(54)【発明の名称】眉スタイリング用多機能ペンシル
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/20 20060101AFI20211112BHJP
【FI】
   A45D40/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2021-509198(P2021-509198)
(86)(22)【出願日】2019年7月4日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月15日
(86)【国際出願番号】IB2019055712
(87)【国際公開番号】WO2020039275
(87)【国際公開日】20200227
(31)【優先権主張番号】P-2018/0980
(32)【優先日】2018年8月21日
(33)【優先権主張国】RS
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521068552
【氏名又は名称】ファイアカデミー ドゥー ベオグラード‐ヴォツドヴァック
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】バビック, ブランコ
(57)【要約】
眉スタイリング用多機能ペンシルは、それ自体が、毛を描くためのU字型のブレード、及び、毛と毛の間の隙間をシェーディングするために使用される針の形状のブレードの、2種類のブレードを含むペンシルを用いて眉のスタイリングを可能にする。眉スタイリング用多機能ペンシル(1)は、ペンシル(1)の中間部品(3)に載置される円筒形の蓋(2)を有し、中間部品(3)は、その前部にブレード(4)を有し、その後部には、後部部品(6)の前側に設けられた針挿入体(5)のための開口部があり、後部部品(6)は、その端部に、3本のリブを有する長方形の衛生的なアプリケータ(7)を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペンシル(1)の中間部品(3)に載置される円筒形の蓋(2)を有し、前記中間部品(3)は、その前部にブレード(4)を有し、その後部には、後部部品(6)の前側に設けられた針挿入体(5)のための開口部があり、前記後部部品(6)は、その端部に、長方形の衛生的なアプリケータ(7)を有することを特徴とする、眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項2】
前記蓋(2)は、その中心部に、滅菌ガスを浸透させるための丸い開口部(8)を有することを特徴とする、請求項1に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項3】
前記ペンシル(1)の前記中間部品(3)は樽型であり、その表面に前記ペンシル(1)を保持しやすいようにボール形状のくぼみを有することを特徴とする、請求項1に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項4】
前記中間部品(3)の前部は楕円形であり、前記マイクロブレーディング・ブレード(4)を位置決めするために使用されることを特徴とする、請求項1又は3に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項5】
前記中間部品の後部は円形であり、前記針(6)を位置決めして前記後部部品(6)を連結するために使用されることを特徴とする、請求項1又は3に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項6】
前記後部部品(6)は、前側が円筒形であり、後側が先細になって一方向にわずかに湾曲した長方形になっていることを特徴とする、請求項1に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項7】
前記シェーディング針(5)を含む前記ペンシル(1)の前記後部部品(6)の前部が、前記中間部品(3)に連結して全体を構成していることを特徴とする、請求項1又は6に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【請求項8】
前記衛生的なアプリケータ(7)は、その長軸に沿って3本のリブを有する長方形であることを特徴とする、請求項1に記載の眉スタイリング用多機能ペンシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眉スタイリング用多機能ペンシルに関する。国際特許分類によれば、本発明は、コードA61M 37/00で指定された、皮膚の下に媒体、この場合は染料を導入するための用具に属する。
【背景技術】
【0002】
本発明により解決される技術的課題は、眉スタイリングの施術用のペンシルをどのように設計するかということであり、このペンシルは、それ自体に2種類のブレード、例えば、毛を描くために使用されるU字型のブレードや、毛と毛の間の隙間をシェーディングするために使用される針の形をしたブレードなどを含むので、取扱いが簡単で、作業時間を短縮できるユニークな用具となり、このペンシルにおいては、そのブレードがペンシル自体に収納され、ペンシル全体は無菌状態になるため、汚染が防止されるであろう。
【先行技術】
【0003】
過去においても、見栄えをより良くするために、女性たちは眉をペンシルで描き始め、眉の形を整え、修正するようになった。これはもともと、眉用のスタイリングペンシルを使ったり、ピンセットで毛を抜いたり、ワックスで脱毛したりすることによって行われた。美容製品に関する業界の発展に伴い、完璧な眉へのニーズも高まってきた。そのため、今日では、タトゥー、染色、メイクアップ、脱毛による再整形など、眉を修正して形を整えるための様々な方法及び技法がある。しかし、眉毛を埋めて形を整える中で優位に立っている技法の1つは、マイクロブレーディングである。
【0004】
マイクロブレーディングは、眉毛を埋めて形を整えるための技法で、追加のスタイリングやペンシルシェーディングを行うことなく、眉毛にボリューム感と自然な形とを与える。この技法はまた、既存の眉毛を補完したり、不揃いを修正したり、まったく新しい形を描いたりすることができる。既存の毛を取り除く必要はないが、眉の自然なアーチのラインに沿って、空いた隙間を埋めることで、眉の美しい輪郭及びボリューム感を得ることを目指す。眉毛を埋めるために、液体、クリーム状、又はジェル状の鉱物顔料が使用され、眉の領域に塗布される。施術の間、顔料はブレードによって皮膚の下に浅く挿入され、そのようにして眉が描かれる。ここではマイクロブレーディング及びシェーディングの2つの技法が組み合わされている。これは眉全体を埋めるのではなく、むしろ、既存の自然な毛の色と変わらない染料を用いて、自然な毛と一緒に毛を描くことで、自然な眉毛に仕上がる。
【0005】
本発明の主題の適用によるマイクロブレーディング技法に関して、タトゥーなどの既存のスタイリング方法との違いは、描かれる毛の方向、密度、長さ、及び太さである。すなわち、タトゥーは、もっぱら眉の領域を埋めることに基づいているため、しばらくすると染料がこぼれたり、ムラが発生することがあり、場合によっては顔料がシアンの色合いになったりする。逆に、マイクロブレーディングは、まさにその描画する非常に細い毛の位置に特に注意を払うため、より自然な仕上がりになる。
【0006】
様々なアートメイク方法で眉を描画するために最も一般的に使用される用具は、小型のハンドヘルド単針機である。実際には、この装置にはいくつかの改良版があるが、問題は、それが一度顔料に浸して皮膚の真皮層に貫入する針を使用することであり、その結果、染めてはいけない領域にも染料が広がることになり、こぼれたり、不規則なぼやけた線ができたりすることになる。
【0007】
マイクロブレーディングでは、特別に設計された用具、すなわち、ホルダに設置される微細で特別なブレードが使用される。ブレード自体は、自然な眉毛の外観を最終的に与えることになる顔料を吸収できるように、多くの細い小さなピンで作られており、それらは非常に繊細で正確なカットを皮膚に行うために使用される。このようなブレードによって、これまでで可能な限り最高の精度の顔料の充填が保証され、タトゥーで生じる意図しない副作用を引き起こすことなく、なだらかで精密な輪郭が提供される。逆に、すべての線は、正確に筋状に描かれ、自然な毛の外観を模倣する。
【0008】
これまで、人々は、どの技法が使用されているか、すなわちマイクロブレーディング又はシェーディングを行いたいかどうかに応じて、ブレード又はピンを代替的に使用するために、ホルダを使用していた。それぞれの技法は特定のブレードを必要とし、これは交換の間に時間を消費し、したがって施術の期間が長くなる。本発明では、ブレードが1つのパッケージ内、すなわち1本のペンシル内にあるため、作業時間が短縮される。これは、一方のブレードから他方のブレードへの移行が簡略化されたことによる加速された作業形態である。
【発明の概要】
【0009】
上記の技術的課題は、マイクロブレーディング・ブレード、シャドウブレード、及び衛生的なアプリケータを搭載したペンシルによって解決される。ペンシル自体は、蓋と、前部に1つの開口部及び後部に1つの開口部を有する中間部品と、前部にシェーディング針及び後部に衛生的なアプリケータを有する後部部品とからなる。
【0010】
蓋は円筒形であり、透明なプラスチックでできていて、施術者がブレード自体を目視で概観できるようになっている。蓋の前部には、滅菌ガスをブレードに浸透させるための丸い円錐形の開口部があり、蓋の後部は、内側の縁全体をリングで囲んだ丸い形状をしていて、ペンシルの中間部品に向かって蓋の位置決めをする役割がある。
【0011】
ペンシルの中間部品は、2つの円筒状の表面を有する樽型であり、この円筒状の表面が部品に対称性を与え、ペンシルのこの部品とペンシルの後部部品とを美しく機能的に連結するのに役立つ。その表面全体には、用具自体の操作を容易にするためのボール形状のくぼみがあり、それによって施術者は操作の自由度が増し、より正確な作業と、より安全な保持ができるようになる。ペンシルの中間部品には、前部及び後部からの2つの開口部がある。中間部品の前部開口部はマイクロブレーディング・ブレードをセットするために使用され、後部開口部はペンシルの後部部品を位置決めして結合するために、すなわち針を挿入するために役立つ。中間部品の前部開口部は、金色のブレード又は黒いブレードのどちらのブレードを使用すべきかによって、開口部の深さが異なる場合がある。
【0012】
ペンシルの後部部品は、より複雑な形状をしており、その前部では中間部品に結合する可変円筒形であり、後側は長方形で、その上には、ペンシルの長軸に沿って一方向にわずかに湾曲した、3本のリブの形状の衛生的なアプリケータがあり、それはペンシルの約8分の1にわたっている。ペンシルの後部部品の前部には、ペンシルの中間部品を位置決めするための切断された平面部を有する円錐形の突起部があり、そこに針が設置される。
【0013】
本発明で使用されるブレードは、ペンシルの中間部品の前部に設置され、U字型をしており、18本の小さな針、いわゆるピンを含んでいる。これらは眉に毛を描くのに役立ち、黒又は金色のブレードの形態をしている。どちらのブレードも非常に自然に見える毛を作り出すことができるが、主な違いは、金色のブレードではピンが非常に鋭利で、皮膚が厚くて問題がある場合でも、皮膚に貫入しやすい。また、それは非常に細い毛を生成する。そのピンがより細いために、柔軟性が増し、毛と毛の間の開きがより大きいことで、より迅速な顔料の充填が容易になる。
【0014】
本発明で使用される針は、ペンシルの後部部品の前部に設置され、円形状に配置された3本の細いピンからなる。この針は、毛と毛の間の隙間をシェーディングするために使用され、小さな面をシェーディングするには理想的である。ペンシルが作られる素材そのものは、高品質である。ペンシルの製造時には、ポリフェノールとの特殊な混合物(Addiflex(登録商標))が使用され、これは、環境に悪影響を与えることがなく分解しやすいものである。環境に放出されると、この素材は自然に分解し、環境に悪影響を与えることなく同化する。素材自体はテスト済みであり、ペンシルの製造に使用するのに適しており、人間の皮膚に直接接触して使用することを目的としている。
【0015】
ペンシルのデザインは、既存の一般的なホルダと比較して、マイクロブレーディング及びシェーディング用のすべてのブレードが1つのパッケージ内にあるという点と、一般的なホルダの予備滅菌が不要で、追加のブレードの開口部のいずれも不要であるという点で、他のものとは一線を画している。このように、1つのブレードと他のブレードとの間の切り替えが簡単なため、操作が加速化される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明によるペンシルの一実施形態は、以下に詳細に説明され、添付の図面に示されている。
図1】蓋付きのペンシルの外観を示す図である。
図2】分解されたペンシルの外観を不等角投影法で示す図である。
図3a】蓋の縦断面図である。
図3b】ペンシルの蓋の水平投影図である。
図4a】ペンシルの中間部品の外観を、その前部及びその後部の水平投影図とともに示す図である。
図4b】ブレード及び針のための開口部を有する中間部品の断面図である。
図5a】ペンシルの後部部品の外観を示す図である。
図5b】ペンシルの後部部品の断面図である。
図5c】衛生的なアプリケータの外観を示す図である。
図6a】ブレードの外観を示す図である。
図6b】針の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面から、特に図1及び図2から分かるように、ペンシル(1)は、円筒形の蓋(2)を備え、この蓋(2)はペンシル(1)の中間部品(3)に取り付けられ、中間部品(3)は、前部にブレード(4)を有し、後部には、後部部品(6)の前側に設けられた針(5)を挿入するための開口部があり、後部部品(6)は、その端部に、3本のリブを有する長方形の衛生的なアプリケータ(7)を有する。図3を参照すると、蓋(2)自体は、上から見ると円形であり、その中心部には滅菌ガスを浸透させるための丸い開口部(8)を有する。開口部(8)は、内側の縁全体に沿って設置されたリングを用いた位置決めによって、中間部品(3)の前部(9)に連結する。
【0018】
図面から分かるように、ペンシル(1)の中間部品(3)は、中間部品(3)に対称性を与える2つの円筒状の表面を有する樽型である。中間部品3には、使用時にペンシル(1)を握りやすくするために、その全面にわたってボール形状のくぼみ(11)がある。ペンシルの中間部品(3)の円筒形の前部は、前部の先端が中間部品(3)自体の幅の1/2だけ狭くなるように先細になっており、楕円形になっている。中間部品3の前部の開口部(9)は、上から見ると楕円形であり、マイクロブレーディング・ブレード(4)を装着するために使用される。開口部(9)では、ブレードの位置決めをするための開口自体は、長方形である。一方、中間部品3の後部の開口部(10)は、上から見ると、円の一部が平らに切断された円形状である。それは、針(5)の位置決め及び後部部品(6)の接合を行うのに役立つ。中間部品(3)の断面を見ると、一部が平らになった面を有する後部の奥行きは、中間部品3の高さの1/2を占め、一方、前部の奥行きはブレード(4)の長さに対応しており、その長さは、どのブレードを使用するかによって、15mm又は20mmのいずれかになることがある。
【0019】
ペンシル(1)の後部部品(6)は、前部では円筒形になっており、そこには針(5)が設置され、ペンシル(1)の中間部品(3)に結合しており、一方、後側では、ペンシルの後部部品は狭くなって、一方向にわずかに湾曲した長方形になる。ペンシル(1)の後部部品の最上部には、衛生的なアプリケータ7がある。これもまた長方形であり、その上には長軸に沿って3本のリブがある。針(5)が挿入される開口部を有するペンシルの後部部品6の開口部(11)は、中間部品3の直径よりも小さい直径を有するので、開口部は接合可能、すなわち、中間部品(3)にぴったり嵌めることができる。
【0020】
マイクロブレーディングに使用されるピン(4)の外観は、図6aから分かるように、異なる長さの複数の小さなピン(12)からなり、それらは互いに隣り合って配置され、U字型を作っている。それらは高品質のステンレス鋼でできており、ピンホルダ(13)はプラスチック製である。図6bによると、シェーディングに使用される針(5)は、円形に配置された3本の針(14)からなり、このようにして、より太い1本の針を形成する。針の素材も高品質のステンレス鋼である。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
【国際調査報告】