(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-534020(P2021-534020A)
(43)【公表日】2021年12月9日
(54)【発明の名称】印刷品質を改善する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/525 20060101AFI20211112BHJP
【FI】
B41J2/525
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2021-509875(P2021-509875)
(86)(22)【出願日】2019年8月21日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月9日
(86)【国際出願番号】IB2019057048
(87)【国際公開番号】WO2020039367
(87)【国際公開日】20200227
(31)【優先権主張番号】BE2018/5579
(32)【優先日】2018年8月22日
(33)【優先権主張国】BE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521069917
【氏名又は名称】イン(ク) コントロール ベーヴェー
【氏名又は名称原語表記】IN(K) CONTROL BV
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ヴォエ
【テーマコード(参考)】
2C262
【Fターム(参考)】
2C262AA02
2C262AA05
2C262AB11
2C262BA02
2C262BA10
2C262BA18
2C262BC17
2C262BC19
2C262EA12
(57)【要約】
【課題】第1態様では、本発明は、ユーザーによって電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善する方法に関する。
【手段】
当該方法は、(a)ユーザーから本来の電子画像ファイルを受け取る段階と、(b)少なくとも前記本来の電子画像ファイルに基づいて修正電子画像ファイルを生成する段階と、(c)前記ユーザーの印刷装置によって前記ユーザーによって前記修正電子画像ファイルを印刷するため、前記修正電子画像ファイルを前記ユーザーに供する段階を有する。特に他の印刷データも前記ユーザーから受け取られる。非限定的実施形態によると、前記印刷データは少なくとも、プリンタモデルと、任意でファームウエアのバージョンを含み、前記修正画像ファイルは前記プリンタデータを考慮して生成される。他の態様では、本発明はコンピュータ実装システムに関する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる電子画像ファイルの印刷の画像品質を改善する方法であって、
(a)ユーザーから本来の電子画像ファイルを受け取る段階と、
(b)少なくとも前記本来の電子画像ファイルに基づいて修正電子画像ファイルを生成する段階と、
(c)前記ユーザーの印刷装置によって前記ユーザーが前記修正電子画像ファイルを印刷するため、前記修正電子画像ファイルを前記ユーザーに供する段階、
を有し、さらに、
プリンタデータも前記ユーザーから受け取られ、
前記プリンタデータは前記印刷装置に関し、
前記修正画像ファイルは前記プリンタデータを考慮して生成される、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記プリンタデータは少なくとも、プリンタモデルと、任意でファームウエアのバージョンを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記ユーザーと電子画像ファイル及び/又はプリンタデータをやり取りするため、電子プラットフォームが前記ユーザーに供されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法であって、前記修正画像ファイルは、前記本来の画像ファイルに対する修正色密度を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法であって、前記修正画像ファイルはラスタライズされることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法であって、前記修正画像ファイルは、前記印刷装置の1つ以上の予想される印刷エラーについての補償を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法であって、
さらに前記印刷装置の環境に関する1つ以上の環境パラメータも前記ユーザーから受け取られることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法であって、前記本来の画像ファイルに関する前記修正画像ファイルの修正は本質的にヒトの皮膚を表す色に関することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法であって、1つ以上の印刷画像ファイルの走査が前記ユーザーから受け取られることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、修正色密度は少なくとも、前記走査に基づいて決定される印刷色密度、及び、所望の色密度に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法であって、データベースは、前記プリンタデータ及び/又は前記走査内に含まれる情報によってさらに更新されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法であって、前記画像ファイルは梱包材料及び/又はラベル材料の印刷を表すことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であって、前記印刷装置による前記修正画像ファイルの印刷は、使用インク量を増やすことなく、たとえばMOSによって測定される、前記印刷装置による前記本来の画像ファイルの印刷よりも高い画像品質を有することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法であって、前記印刷装置による前記修正画像ファイルの印刷は、使用インク量を減らしながら、たとえばMOSによって測定される、前記印刷装置による前記本来の画像ファイルの印刷よりも高い画像品質を有することを特徴とする方法。
【請求項15】
ユーザーが電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善するコンピュータ実装システムであって、
(a)ユーザーから本来の電子画像ファイルを受け取り、
(b)少なくとも前記本来の画像ファイルに基づいて修正電子画像ファイルを生成し、
(c)前記ユーザーの印刷装置によって前記ユーザーが前記修正電子画像を印刷するために前記修正電子画像を前記ユーザーへ送る、ように構成されるサーバを備え、
前記サーバは、前記印刷装置に関するプリンタデータを前記ユーザーから受け取るようにさらに構成され、前記プリンタデータを考慮して前記修正画像ファイルを生成するように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、前記プリンタデータは、少なくともプリンタモデルを含み、任意でファームエアバージョンを含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項15又は16に記載のシステムであって、少なくとも1つのユーザー装置と、該ユーザー装置に結合する少なくとも1つのデジタル印刷装置をさらに備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にデジタル印刷における印刷品質を改善及び/又は対応する印刷エラーを補正する方法並びにシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷技術(オフセット印刷、活版印刷、フレキソ印刷)に対するデジタル印刷技術の重要な利点は、インク/トナーが直接基板に移されるので、オフセット板を用いる必要がないことである。従ってデジタル印刷技術は大抵非常に柔軟性があり、印刷ジョブ当たりのコストが一定で抑えられる。よってデジタル印刷は、限られた場面での印刷―特に職場用印刷と(私的な)家庭用印刷―にとっては完璧である。その結果、特にそのような用途向けに設計された多くのユーザーフレンドリーなデジタル印刷装置が市販されている。他方ハイエンド用途(たとえば(準)商用という意味において)では、重要な関心は大抵の場合、印刷品質が完璧でなければならないということである。たとえば営業上の観点では、化粧品、ケア製品、及び食品の包装の色と形状は厳密な場所に位置することが非常に重要である。これはとりわけ、ヒトの肌に関する色について当てはまる。同時に消費者に近いそのような製品の製造者とその梱包者は、専門の印刷業者に外注する代わりにパッケージを自分自身で印刷しようとする傾向にある。ここでも当然のこととして非常に高品質の基準に従うデジタル印刷装置が一般的に用いられる。
【0003】
最終的な印刷品質は、実際の印刷に先立つ処理によって大きく決定される。上記の処理は、「デジタル事前印刷」略して「事前印刷」の一般的なカテゴリーに属する。たとえば画像は、デジタル印刷機構へ送られる前に適切な方法でラスタライズされなければならない。この処理は、画像の「リッピング」とも呼ばれている。「ラスタイメージプロセッサ(RIP)」を参照のこと。
【0004】
通常プリンタのファームウエアは、そのファームウエア独自のRIP機能を処理する。しかしデジタル前処理―具体的にはラスタリング/リッピング―は非常に繊細である。従って(高品質基準の)専門的な設定では、デジタル印刷準備は常に、経験を積んだ専門家が高価で特別なソフトウエアを使用して行う仕事である。他方スタッフやソフトウエアに係る投資は、たとえば生産消費者―上述の化粧品の梱包者及び製造者―にとって印刷が単なる従属的な活動であるときには費用対効果がよくない。よって印刷品質は依然として深刻な段階である。しかもインクとトナーの価格が高いこと、及び、本質的に印刷装置の動作コストが高いことを考慮すると、事前印刷が失敗した場合のコストは顕著に上昇する恐れがある。
【0005】
家庭用印刷及び職場用印刷については、印刷品質の要求は通常それほど厳密ではない。単発的に印刷は高品質でなければならないのであれば、そのようなプリンタのファームウエア(とりわけRIP)は特に高品質に適合していない。しかも通常一般的なファームウエアは、プリンタ間での個々の差異とプリンタの摩耗をまったく考慮していない。よってここでも印刷品質は依然として深刻な段階である。
【0006】
印刷装置の供給者は、新たなファームウエアのバージョンをときどき提供する。印刷装置の供給者は、それまでに分かっている印刷エラーを解決しようとする。しかしファームウエアを不規則的に更新することで、印刷品質において深刻な揺らぎが起こる。ファームウエアの更新にもまたリスクもないとはいえない。ファームウエアの更新が失敗した場合、印刷装置はもはや有効なファームウエアを含まないので、もはや機能しない。しかも多くの場合では、ファームウエアの更新が実現された後、インク/トナーの消費の増加が見られた。他方一部のプリンタモデルでは、ファームウエアの更新は可能ではないか、少なくとも非常に時間を浪費する。
【0007】
本発明は、制御可能なコストで印刷品質を改善することを目的とする。特に本発明は、家庭用印刷及び職場用印刷並びに印刷が従属的な活動である任意の文脈においてに適用可能である。
【0008】
特許文献1は、オフセット印刷では典型的な問題でデジタル印刷ではそれほどではないドットの利得を補正する方法を述べている。特にデジタル画像ファイルの色調は、一組の所定の曲線に基づいて適合される。しかしこれは、経験を積んだ専門家による特別なソフトウエアの利用が必要となる。
【0009】
さらに特許文献2は、如何にして印刷デザインがクライアントコンピュータから生成可能であるのかを説明している。従ってこの印刷デザインはサーバにアップロードされる。サーバでは、この印刷デザインは前印刷形式に変換される。最終段階では、この印刷デザインはプリンタによって印刷される。
【0010】
最後に特許文献3も、プリンタの識別データを交換しながら、カラーカートリッジを走査させて印刷することによってネットワーク上でプリンタを校正することについて述べている。それによりネットワークから印刷装置を校正する色補正テーブルが生成される。換言すると、色補正テーブルは、校正によるプリンタのファームウエアの調節に焦点が置かれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明は、印刷品質を改善する目的で、上述の問題のうちの少なくとも1つの解決策を提供することを試みている。ユーザーは、あまりに大きな費用(たとえばソフトウエアの購入又は専門スタッフの採用)と労力(たとえばファームウエアの更新又はプリンタの校正)をかけないように注意することが好ましい。
【0012】
そこで本発明は、第1態様では、ユーザーが電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善する請求項1の方法を供する。特に修正された画像ファイルは、前記ユーザーによって供給される本来の画像ファイルに基づき、かつ、供給されるプリンタデータを考慮して生成される。この修正された画像ファイルは、印刷のために前記ユーザーへ供給される。
【0013】
任意で本来の電子画像ファイルは前記ユーザーによって(電子的に/デジタルで)送られる。任意で修正された電子画像ファイルは前記ユーザーへ(電子的に/デジタルで)送り戻される。原則として、本来の画像ファイルは既に(デジタル)印刷に適していることが好ましい。しかし本発明は、修正画像ファイル―これも(デジタル)印刷に適しているが修正がファイル内に統合された―をも供する。たとえば本発明は、印刷装置の印刷挙動からの予想されるずれの補償についてであってよい。
【0014】
たとえ修正された画像ファイルがデジタル印刷装置へ送られる前に前記修正された画像ファイル自身に修正が組み込まれることに特に有利である。これにより、画像ファイルに適合するような、非常に特別な印刷装置の印刷挙動の調節が可能となる。それにより直接的な介入―たとえばファームウエアの更新及びプリンタの校正―は回避される。しかもユーザーは、たとえば本発明が外部団体へのサービスとして提供される場合、自分の知識及び/又はソフトウエアを必ずしも用いる必要がない。そのため当該方法は、家庭用印刷及び職場での印刷並びに印刷が従属的な活動である任意の文脈においてに極端に適している。第2態様では、本発明は、画像品質を改善する請求項15の他のシステムを供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態による画像品質を改善するシステムの概略図である。
【
図2A】可能な実施形態による本来の電子画像ファイルを印刷するときの実効的に印刷色密度の2つの測定結果を、所望の色強度の関数として示している。
【
図2B】可能な実施形態による修正された電子画像ファイルを印刷するときの実効的に印刷色密度の2つの測定結果を、所望の色強度の関数として示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ユーザーによって電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善する方法及びシステムに関する。
【0017】
特に明記しない限り、技術用語および科学用語を含む、本発明の説明で使用されるすべての用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。 本発明の説明をよりよく理解するために、以下の用語を具体的に説明する。
【0018】
単数であるのか複数であるのかが明示されていない名詞は、文脈で明確に異なると理解されない限り、本願では単数形と複数形の両方を指す。 「セグメント」とは、例えば、1つ以上のセグメントを意味する。
【0019】
「おおよそ」または「約」が、測定可能な量、パラメータ、期間または時などとともに本願で使用される場合、本願で説明される本発明に適用される限り、引用された値の±20%以下、好ましくは±10%以下、好ましくは±5%以下、さらにより好ましくは±1%以下、さらにより好ましくは±0.1%以下を意味する。しかしながら、「およそ」または「約」という用語が使用される量の値自体が指定されていることが明確に理解されよう。
【0020】
「含む」(include, including)、「構成する」(consist, consisting)、「提供する」(provide with)、「有する」(contain, containing)、「備える」(comprise", comprising)という用語は同義語であり、以下に続くものの存在を示唆し、かつ、最新技術から知られている、または最新技術で説明されている他の構成要素、特性、要素、部材、ステップの存在を排除または防止しない包括的すなわち排他的ではない用語である。
【0021】
端点によって説明される数値間隔には、これらの端点を含む、端点間のすべての整数、分数、および/または実数が含まれる。
【0022】
第1態様では、本発明は、ユーザーによって電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善する方法に関する。当該方法は、(a)ユーザーから本来の電子画像ファイルを受け取る段階と、(b)少なくとも前記本来の電子画像ファイルに基づいて修正電子画像ファイルを生成する段階と、(c)前記ユーザーの印刷装置によって前記ユーザーによって前記修正電子画像ファイルを印刷するため、前記修正電子画像ファイルを前記ユーザーに供する段階を有する。特にさらにプリンタデータも前記ユーザーから受け取られる。前記プリンタデータは前記印刷装置に関する。非限定的実施形態によると、前記プリンタデータは少なくとも、プリンタモデルと、任意でファームウエアのバージョンを含む。前記修正画像ファイルは前記プリンタデータを考慮して生成される。好適には前記プリンタデータは、(a)プリンタモデル及び任意でファームウエアのバージョンと、(b)前記プリンタに関する測定データと、(c)印刷画像ファイルの1つ以上の走査のうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
任意で前記本来の電子画像ファイルは前記ユーザーによって電子的に/デジタルで送られる。任意で前記修正電子画像ファイルは前記ユーザーへ電子的に/デジタルで送り戻される。
【0024】
原則として、本来の画像ファイルは既に(デジタル)印刷に適していることが好ましい。しかし本発明は修正画像ファイルを供する。前記修正画像ファイルもまた(デジタルでの)印刷に適しており、しかも前記修正画像ファイルではいくつかの修正が統合されている。たとえば本発明は、印刷装置の印刷挙動からの予想されるずれの補償についてであってよい。非限定的な例によると、前記画像ファイルはeメールを介して送り戻される。非限定的代替実施形態によると、前記本来の画像ファイルは、ユーザーによって電子プラットフォームへアップロードされた後に自動的に送られる。任意で前記修正画像ファイルは前記ユーザーへ自動的に送り戻される。このことは、前記修正画像ファイルが前記ユーザーによって電子プラットフォームからダウンロード可能であることを意味する。任意で前記修正画像ファイルは前記電子プラットフォームの2倍である。
【0025】
他のすなわち代替実施形態では、プリンタデータは以下のうちの少なくとも1つを含む。
― プリンタモデル及び任意でファームウエアのバージョン、
― 前記プリンタに関する測定データ
― 印刷画像ファイルの1つ以上の走査
【0026】
「印刷するときの画像品質」とは本願では、「印刷品質」とも呼ばれ、前記ユーザーによって印刷される前記電子画像ファイルの画損品質に関連する。好適には本願で用いられている「電子画像ファイル」は2次元画素マップを含む。前記2次元画素マップは文字及び/又は画像の表示を含んでよい。
【0027】
「プリンタデータ」は、前記印刷装置に関する任意の情報を含んでよい。任意で前記プリンタデータは前記印刷装置のファームウエアのバージョンを含む。好適には前記プリンタデータは少なくともプリンタモデルを含む。「プリンタのモデル」はとりわけ、モデル番号、モデル名、及び/又はシリアル番号を指称する。しかもプリンタモデルは、印刷装置が同様の印刷挙動を示す2つ以上のプリンタモデルの傘下グループを指称してもよい。好適には前記プリンタデータは、前記印刷装置の印刷挙動を少なくとも部分的に推定することを可能にする。しかも前記プリンタデータ及び可能な他のデータは、前記ユーザー若しくは前記ユーザーのユーザー装置によって手動及び/又は自動で供給されてよい。
【0028】
考えられ得る実施形態では、前記印刷挙動は、前記プリンタデータが対応する印刷挙動に関連付けられるデータベースに対して前記プリンタデータをテストすることによって少なくとも部分的には推定され得る。これにより、たとえば前記印刷装置内であり得る問題点に対する補償を統合することによって、具体的には特定の印刷ジョブについての対応する本来の画像ファイルを修正することが可能となる。そのような補償はたとえば、後述するように色密度及び/又は色分布に関連してよい。
【0029】
そのような修正が、前記本来の画像ファイルから修正画像ファイルを生成することによって前記画像ファイル自体に統合されることは特に有利である。その後前記(修正)画像ファイルは、前記デジタル印刷装置に供給される。この方法によって、前記印刷装置への直接介入(たとえばファームウエアの更新又は校正)が回避される。しかも前記ユーザーは、自分の知識及び/又はソフトウエアを必ずしも用いる必要がない。たとえば本発明が外部団体へのサービスとして提供され得る。そのため当該方法は、家庭用印刷及び職場用印刷並びに印刷が従属的な活動である任意の文脈においてに極端に適している。
【0030】
しかも本発明の方法は、特に前記画像ファイル、目標の画像品質、及び印刷装置に適合する非常に特化した介入を可能にする。この介入は、前記ユーザーの負担を最小しながら非常に効率的に実現され得る。しかも好適には当該方法は、対応する印刷装置と共に複数のユーザーに適用され得る。
【0031】
他のすなわち代替実施形態では、当該方法はコンピュータにより実装される方法である。しかし代わりに、当該方法の一部のみがコンピュータによって実装され、かつ、たとえば前記本来の画像ファイルに基づいた前記画像ファイルを生成するときに1つ以上の人間による介入を含む。
【0032】
他のすなわち代替実施形態では、前記ユーザーと電子画像ファイル及び/又はプリンタデータをやり取りするため、電子プラットフォームが前記ユーザーに供される。そのようなプラットフォームはとりわけ、(a)ユーザーから本来の画像ファイルを受け取ること、(b)修正画像ファイルをユーザーに供給すること、及び/又は、(c)ユーザーから1つ以上のプリンタデータを受け取ることに適し得る。考えられ得る実施形態では、前記電子プラットフォームは、ユーザーがログインして、そのようなデータがアップロード及び/又はダウンロード可能なウェブアプリケーションである。他の考えられ得る実施形態では、前記画像ファイル及び/又はプリンタデータは、eメール又は他の任意の方法によってやり取りされる。任意で当該方法は、中心位置に供される1つ以上の中央サーバから、空間的に分布する複数のユーザーにサービスを提供し得る。好適にはそれにより情報の電子的やり取りが利用される。
【0033】
印刷技術から知られているように、デジタル画像ファイルは、印刷機構へ送られる前にラスタライズされなければならない。これにより、基本インク/基本トナーによって所望の色密度を再現することが可能となる。しかもカラー印刷では、前記画像ファイルの色分布が実現されなければならない。前記色分布では、前記画像ファイルが個々の基本色に従って適切で相互にバランスの取れた色密度で分解される。そのため前記色分布はたとえばCMYK色システムに従うが、これは常に当てはまるわけではない。
【0034】
他のすなわち代替実施形態では、前記修正画像ファイルは、前記本来の画像ファイルに対する修正色密度及び/又は色分布を含む。それにより、前記電子画像ファイルにおいて特定される色密度を適切に修正(たとえば補償)することによって、前記印刷装置の印刷挙動におけるばらつきを事前に補償することが可能となる。
【0035】
たとえばこれは、所定のプリンターデータ(及び場合によっては他の追加データ)の組について、前記の印刷色密度が前記所望の色密度に対応しないと予想できる場合に有利である。続いて前記本来の画像ファイルは、前記修正画像ファイルを生成するため、対応して修正/補償される。それにより、とりわけ個々の基本色の色密度におけるアンバランスの結果として起こり得る色シフトは補正され得る。
【0036】
他のすなわち代替実施形態では、修正画像はラスタライズされる。通常個々の画素について要求される色密度は、ラスタライズ/リッピング処理中にのみ決定される。考えられ得る実施形態では、本発明は、少なくとも前記本来の画像ファイルのラスタライズと、任意で前記印刷装置の印刷挙動についての1つ以上の補償を供する。しかし代替実施形態では、前記修正画像ファイルはまだラスタライズされない。任意で前記印刷装置に含まれる別個のRIPはこれを保証する。しかし前記修正画像は既に前記印刷装置の印刷挙動についての補償を含んでいることがあり得る。
【0037】
他のすなわち代替実施形態では、前記修正画像ファイルは、前記印刷装置の1つ以上の予想される印刷エラーについての補償を含む。これにより、たとえば前記印刷装置を校正することによって前記印刷装置のファームウエアを調節する必要がなくなる。前記補正の少なくとも一部は特に、前記修正画像ファイル自身に統合される。考えられ得る実施形態では、前記修正画像ファイルが改変され、前記修正画像ファイルのエラーが統合され、前記印刷装置の1つ以上の予想される印刷エラーを補償することが規定され得る。
【0038】
他のすなわち代替実施形態では、1つ以上の環境パラメータも前記ユーザーから受け取られる。たとえば前記の印刷色密度は、前記印刷装置の温度と湿度による影響を受ける。これらの環境パラメータにおける揺らぎが大きすぎる場合、定期的な構成を実行することが示唆されてよい。しかし本実施形態は、前記画像ファイル自体の内部での修正によってこれを補償することを可能にする。よってこれら及び他の環境パラメータの知識は概して、印刷装置の印刷挙動をはるかに良好に推定し、かつ、起こり得るずれをはるかに良好に補償することを可能にする。非限定的実施形態によると、データベースは再度、前記印刷挙動がこれらの環境パラメータに依存して予測可能な場所から問い合わせを受ける。たとえば実効的に印刷色密度の予測は、要求された色密度の関数としてこれらのパラメータに関連付けた形で表又は経験式で示され得る。
【0039】
当然のこととして、印刷装置の印刷挙動に影響を及ぼし得る他の多くのパラメータ/データも存在する。他のすなわち代替実施形態では、前記ユーザーは、印刷時に用いられる紙の種類及び/若しくはインクの種類に関するデータ、並びに/又は、印刷される速さに関するデータをも供してよい。場合によっては、前記印刷装置及び/又は前記トナーカートリッジ/インクカートリッジの摩耗も考慮される。この摩耗は、適用可能な場合には、合計印刷時間数として、印刷された合計距離として、又は、前記カートリッジの充填レベルとして表されてよい。
【0040】
他のすなわち代替実施形態では、前記本来の画像ファイルに関する前記修正画像ファイルの修正は本質的に、ヒトの皮膚を表す色に関する。特別な用途では、たとえば化粧品、ケア製品、及び食品の包装ではそのような色は非常に厳密であることが特に重要である。そのため好適には、前記修正画像ファイルは、最終印刷物において可能な限り実物に近づけるようにこれらの色を表示するため、前記印刷装置の仕様及び欠陥を考慮する。
【0041】
たとえば、色密度におけるアンバランス―システム上多量のマゼンタ色の量が塗られてしまう―が生じることで、ピンク/ベージュ範囲の皮膚の色は赤色にシフトしてしまう。単純に、たとえば前記修正画像ファイルにおける補償を統合することによって、印刷されたマゼンタ色密度の対応する調節は、これらの皮膚の色をより実物に近づけるには十分である。
【0042】
他のすなわち代替実施形態では、1つ以上の印刷画像ファイルの走査が前記ユーザーから受け取られる。非限定期実施形態では、前記本来の画像ファイルが印刷または走査される。前記本来画像ファイルと組み合わせられるこの走査に基づいて、前記印刷装置のずれ―特にその画像ファイルの―を推定することが可能である。その結果これらのずれを補償する修正画像ファイルが生成される。場合によってはこの走査は反復プロセスに関する。前記反復プロセスでは、前記印刷品質は反復するたびに改善される。走査によって、印刷のずれは、その根本原因を知らなくても非常に効率的に特定され得る。多くの家庭用プリンタも一般的には走査装置を備えることが有利である。
【0043】
他のすなわち代替実施形態では、修正色密度は少なくとも、前記走査に基づいて決定される印刷色密度、及び、所望の色密度に基づいて決定される。本願で用いられている「色密度」は「カバレッジ割合」とも呼ばれる。考えられ得る実施形態では、前記所望の色密度は前記本来の画像ファイルによって(直接的、又は、たとえばラスタライズを依然として実現されなければならないため場合によっては間接的に)定められる。しかし前記本来の画像ファイルを印刷するとき、前記印刷色密度は、前記基本色のうちの少なくとも1つについて前記所望の色密度とは完全に対応しない。ずれの大きさは、前記ユーザーから供給される前記走査から得ることができる。それらのずれが補償される修正画像ファイルが生成される。(前記修正色密度を有する)前記修正画像ファイルを印刷するとき、前記所望の色密度により良好に近づく。
【0044】
インクジェット印刷の考えられ得る問題は、ノズルの少なくとも一部がしばらくして詰まることである。従って一般的には前記印刷色密度は、新しい印刷装置(又は前記ノズルが新しい印刷装置内に統合されている場合には新しいインクカートリッジ)を用いるときよりもわずかに高くなる。しかし前記印刷装置を用いるとき、この色密度はさらに減少する。特定の印刷ジョブについて前記色密度が厳密な場合、本願方法が適用され得る。そのため前記印刷装置を校正する必要はない。
【0045】
他のすなわち代替実施形態では、データベースは、前記プリンタデータ及び前記走査内に含まれる情報によってさらに補充並びに/又は更新される。非限定的実施形態では、前記走査は、特定のプリンタモデルについて予想される印刷挙動を予測することを可能にする。続いてそのような情報はデータベースに加えられる。同一プリンタモデルによる(場合によっては同一印刷装置による、任意で上述と類似の状況下での)次の印刷ジョブでは、この情報は、前記印刷挙動が良好に予測可能となるように再度問い合わせを受けてよい。前記走査は、前記印刷された本来の画像ファイル及び/又は前記印刷された修正画像ファイルの再現を含み得る。
【0046】
考えられ得る実施形態では、全種類のプリンタデータが集められ、任意で、印刷画像ファイルの1つ以上の走査−一般的なプリンタプロファイルが1つ以上のプリンタモデルについて構成される際に基づく−も集められる。これらのデータはデータベース内に設けられる。新しい印刷ジョブのため、前記データベースには新しい情報が補充されてよい。たとえば前記一般的なプリンタプロファイルは、特定の印刷装置の起こり得る印刷エラーを推定することを可能にし得る。よって前記修正画像ファイルはそれに対応して補償され得る。前記一派的なプリンタプロファイルは、環境パラメータ等では前記プリンタの年数を考慮してよい。
【0047】
他のすなわち代替実施形態では、前記画像ファイルは、梱包材料及び/又はラベル材料の印刷を表す。包装業界及び/又はラベル業界向けの印刷における当該方法の適用は、上述したように特に有利である。
【0048】
他のすなわち代替実施形態では、前記修正画像ファイルの印刷−前記本来の画像ファイルの印刷と比較して−は、好適にはより高い画像品質の相似画像を含む。
【0049】
他のすなわち代替実施形態では、前記印刷装置による前記修正画像ファイルの印刷は、使用インク量を増やすことなく、たとえばMOSによって測定される、前記印刷装置による前記本来の画像ファイルの印刷よりも高い画像品質を有する。通信技術で知られているMOS(平均オピニオン評点)は、画像品質を定量化する唯一の適切な方法である。他のすなわち代替実施形態では、前記印刷装置による前記修正画像ファイルの印刷は、使用インク量を減らしながら、たとえばMOSによって測定される、前記印刷装置による前記本来の画像ファイルの印刷よりも高い画像品質を有する。
【0050】
第2態様では、本発明は、ユーザーが電子画像ファイルを印刷するときの画像品質を改善するコンピュータ実装システムに関する。当該システムは、(a)ユーザーから本来の電子画像ファイルを受け取り、(b)少なくとも前記本来の画像ファイルに基づいて修正電子画像ファイルを生成し、(c)前記ユーザーの印刷装置によって前記ユーザーが前記修正電子画像を印刷するために前記修正電子画像を前記ユーザーへ送るように構成されたサーバを備える。特に当該システムは、前記ユーザーからプリンタデータを受け取るようにさらに構成される。非限定的実施形態によると、前記プリンタデータは前記印刷装置に関し、少なくともプリンタモデルを含み、任意でファームエアバージョンを含む。前記修正画像ファイルは前記プリンタデータを考慮して生成される。好適には当該システムは、本発明の第1態様による方法を実現するのに適している。それにより同一の特徴及び利点を繰り返すことができる。好適には前記プリンタデータは、(a)プリンタモデル及び任意でファームウエアのバージョンと、(b)前記プリンタに関する測定データと、(c)印刷画像ファイルの1つ以上の走査のうちの少なくとも1つを含む。
【0051】
他のすなわち代替実施形態では、当該システムは、少なくとも1つのユーザー装置と、該ユーザー装置に結合する少なくとも1つのデジタル印刷装置をさらに備える。それにより好適には前記ユーザー装置は、前記サーバから修正画像ファイルを受け取るように構成される。好適にはそれにより前記印刷装置は、前記ユーザー/前記ユーザー装置によって前記修正画像ファイルを印刷するように構成される。任意で当該システムは、複数のユーザー装置と該複数のユーザー装置に係るデジタル印刷装置を含む。任意でそれにより当該システムは、中心位置に供される1つ以上の中央サーバから、空間的に分布する複数のユーザーにサービスを提供し得る。好適にはそれにより情報の電子的やり取りが利用される。
【0052】
以降では、非限定的な例及び/又は本発明を表す図によって本発明を説明する。非限定的な例及び/又は本発明を表す図は、本発明の技術的範囲を限定するものと解されてはならない。
【0053】
図1は、本発明の実施形態による画像品質を改善するシステム1を概略的に表す図である。システム1は、本来の画像ファイル4に基づいて修正画像ファイル5を生成する中央演算処理装置8を備えるサーバ6を含む。当該システムはまた、それぞれのユーザーシステム12が画像ファイル及び/又はプリンタデータとのやり取りをするための電子プラットフォーム7をさらに含む。これらのユーザーシステム12は、現在のシステム1自体に含まれてもよいし、あるいは含まれていなくてもよい。任意でシステム1はたとえば、それぞれのユーザーの多数の外部ユーザーシステム12とのやり取りを保証する。各ユーザーシステム12は、ユーザー装置9と、該ユーザー装置9とやり取りする少なくとも1つのデジタル印刷装置10を含む。任意でユーザーシステム12は、1つ以上の印刷装置10‘、10’‘及び/又は走査装置11を含む。
【0054】
図2Aは、本来の電子画像ファイル3を印刷するときの実効的に印刷色密度1の2つの測定結果を、所望の色強度2の関数として示している。画像ファイル3は、不特定のインクジェットプリンタによって印刷された。それぞれの測定結果は、CMYK色分布に従った個々の基本色について与えられる。測定結果は、温度と湿度が本質的に同じ状況下である2つの時間である2016年9月27日(実線)と2016年11月6日(破線)で収集された。しかし特にノズルの一部が塞がれる結果として、本質的には所望の色密度の全範囲で、かつ、本質的には4つの基本色C,K,M,Yのすべてについて、得られた色密度2は、上記期間にわたってわずかに低い。重要な結論は、得られた印刷色密度2は所望の色密度1とは対応しないことである。C値とK値では飽和している一方で、得られたY値は平均として非常に低い。
【0055】
図2Bは、修正電子画像ファイル5を印刷するときの実効的に印刷色密度1の他の測定結果を、所望の色強度2の関数として示している。たとえば
図2Bの測定結果は、本発明を適用するとき、
図2Aの本来の画像ファイル4に基づいて生成された修正画像ファイル5に関する。それにより得られた印刷色密度2と所望の色密度3との間には既により良好な対応が存在する。
【0056】
[例1]家庭用印刷又は職場用印刷
考えられ得る実施形態では、印刷装置は、私的な印刷装置又は会社のプリンタ(たとえばレーザープリンタ又はインクジェットプリンタ)である。よってユーザーは、私的なユーザー又は会社であってよい。彼/彼女が高品質の印刷ジョブを仕上げたいとき、そのユーザーはウエブアプリケーションにログインする。従って、印刷装置のプリンタモデル及びファームウエアバージョンは、自動的に認識されるか、あるいはドロップダウンメニューによって選択される。あるいはその代わりにプリンタデータは、印刷装置の走査された送り状に基づく情報認識によって集められる。そのような走査は、ウエブアプリケーション上にアップロードされることになる。さらに任意で紙の種類のみならず、環境パラメータ―たとえば温度や湿度―及び他のとり得る情報が与えられる。いかなる場合でも、本来の画像ファイルも、印刷ジョブに従ってウエブアプリケーション上にアップロードされる。従って本発明は、ユーザーによってダウンロード可能な修正画像ファイルを生成する。この修正画像ファイルは、供給された上方に基づいて推定される印刷装置の予想される印刷エラーの補償を含む。たとえば印刷装置は、システムのデータベース内に格納される一般的なプリンタプロファイルによって特定される。最終的にユーザーは、印刷装置によって修正画像ファイルを印刷する。任意で結果として得られる印刷も走査されて再度ウエブアプリケーション上にアップロードされる。これにより、今後の印刷ジョブの品質が依然として改善可能となるように前記プリンタプロファイルを微調整することが可能となる。たとえば前記サービスは、補償用の外部パーティによって提供される。ユーザーが前記走査を供給する場合に限り、そのユーザーは割引を主張し得る。当然のこととして代替補償モデルが適用されてもよい。
【0057】
[例2]ラベル印刷
他の考えられ得る実施形態では、ユーザーは、化粧品、ケア製品、若しくは食品の製造者及び/又は梱包者である。それによりそのような製品の包装及びラベルにおける色及び形状が非常に厳密であることが特に重要となる。新しいラベル設計が印刷されなければならないときには毎度、対応する(本来の)画像ファイルは、対象であるデジタル印刷装置のプリンタデータと共に特別な外部団体へeメールによって送られる。この外部団体は、前記画像ファイルを修正し、かつ、次の段階でユーザーへ送り戻す。その結果ラベルが印刷される。
【0058】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、同封の特許請求の範囲を変更することなく、記載された実施例および図にいくつかの調整または変更を加えることができることが理解されよう。
【符号の説明】
【0059】
C シアン
M マゼンタ
Y イエロー
K キー
1 システム
2 データベース
3 印刷色密度
4 所望の色密度
5 修正電子画像ファイル
6 サーバ
7 電子プラットフォーム
8 中央演算処理装置
9 ユーザー装置
10 印刷装置
11 走査装置
12 ユーザーシステム
13 データベース
【国際調査報告】