【実施例】
【0087】
実施例1:化合物の合成
合成用のすべての化学物質は、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)またはAldrich(Milwaukee,WI)から購入した。化合物の同一性は、Varian(Palo Alto,CA)400−MR分光計での
1HNMRによって特徴付けられた。合成された化合物の純度は、254nmのUVでモニタリングして、ZorbaxC18(またはC8)カラム(4.6x250mm)を備えたShimadzu Prominence HPLCによって決定した。報告された化合物の純度は、>95%であることがわかった。
【0088】
1−シクロプロピルピペリジン−4−オンの合成:
【化34】
シクロプロピルアミン(6.9mL、100mmol)及びアクリル酸エチル(22.3mL、210mmol、2.1当量)を、無水エタノール(50mL)に溶解した。混合物を室温(rt)で4日間撹拌した。揮発物を真空中で除去して粗油を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10:1〜1:1のn−ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、ジエチル3,3’−(シクロプロピルアザンジイル)ジプロパノエートを無色の液体として得た(15.68g、61%)。
【0089】
水素化ナトリウム(油中60%分散液、3.0g、75mmol、1.5当量)及びテトラヒドロフラン(THF、30mL)をオーブン乾燥フラスコに入れ、それにTHF(20mL)中の3,3’−(シクロプロピルアザニイル)ジプロパノエート(12.8g、50mmol)ジエチルの溶液を滴下で添加した。次に、無水エタノール(2.9mL、50mmol、1.0当量)を添加し、得られた混合物を24時間還流で撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム(50mL)でクエンチした。混合物をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を真空中で除去して粗油を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10:1〜2:1のn−ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、1−シクロプロピルピペリジン−4−オンを無色の液体として得た(4.52g、収率65%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ2.92(t、J=6.2Hz、4H)、2.42(t、J=6.2Hz、4H)、1.80〜1.70(m、1H)、及び0.55〜0.47(m、4H)。
【0090】
1−イソペンチルピペリジン−4−オンの合成:
【化35】
ピペリジン−4−オン塩酸塩(13.56g、100mmol)、1−ブロモ−3−メチルブタン(14.4mL、120mmol、1.2当量)、及び炭酸カリウム(27.6g、200mmol、2.0当量)をアセトニトリル/水(50/50mL)混合溶媒に溶解した。混合物を還流で12時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を真空中で除去して粗油を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10:1〜2:1のn−ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、1−イソペンチルピペリジン−4−オンを無色の液体として得た(10.32g、収率61%)。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ2.71(t、J=5.9Hz、4H)、2.43(t、J=5.9Hz、6H)、1.61(セプテット、J=6.6Hz、1H)、1.40(td、J=7.6、6.6Hz、2H)、及び0.90(d、J=6.6Hz、6H)。
【0091】
α,β−不飽和ケトンの一般的な合成方法:
【化36】
N−保護ピペリジン−4−オン(5mmol)及びアルデヒド(11mmol、2.2当量)を酢酸(10mL)に溶解し、それに濃縮した塩酸(3mL)を添加した。混合物を室温で12時間撹拌した。反応物を飽和重炭酸ナトリウムによって注意深くクエンチした。混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。揮発物を真空中で除去して粗油を得、それをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、5:1〜1:1のn−ヘキサン:酢酸エチル)により精製して、α,β−不飽和ケトンを得た(収率60〜76%)。化合物9−2、9−8、10−1、及び10−2を含む、本明細書に記載される化合物を、一般的な方法に従って調製した。これらの化合物の各々の特性を以下に提供する。
【0092】
(3E,5E)−1−シクロプロピル−3,5−ビス(3−メトキシベンジリデン)ピペリジン−4−オン(9−2)。
【化37】
黄色の粉末。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ7.75(s、2H)、7.36(t、J=8.0Hz、2H)、7.03(d、J=8.0Hz、2H)、6.96(s、2H)、6.93(d、J=8.0Hz、2H)、3.99(s、4H)、3.85(s、6H)、1.96〜1.91(m、1H)、0.51〜0.47(m、2H)、及び0.41〜0.38(m、2H);
13C NMR(100MHz、CDCl
3):187.6、159.7、136.7、136.4、133.8、129.7、123.0、116.1、114.7、54.0、51.3、38.1、及び6.9;MS(ESI)[M+H]
+376.5。
【0093】
(3E,5E)−1−シクロプロピル−3,5−ビス(ピリジン−3−イルメチレン)ピペリジン−4−オン(9−8)。
【化38】
オレンジ色の粉末。
1H NMR(400MHz、CDCl
3):δ8.67(s、2H)、8.59(d、J=4.8Hz、2H)、7.73(s、2H)、7.70(d、J=8.0Hz、2H)、7.37(dd、J=8.0、4.8Hz、2H)、3.99(s、4H)、1.99〜1.94(m、1H)、0.58〜0.51(m、2H)、及び0.47〜0.42(m、2H);
13C NMR(100MHz、CDCl
3):187.2、151.2、149.9、137.3、135.8、132.4、131.1、123.6、55.8、40.1、及び6.9;MS(ESI)[M+H]
+318.5。
【0094】
(3E,5E)−1−イソペンチル−3,5−ビス(2−メトキシベンジリデン)ピペリジン−4−オン(10−1)。
【化39】
化合物10−1を塩酸塩(黄色の粉末)として調製した。
1H NMR(400 MHz、CDCl
3):δ13.19(br、1H)、8.36(s、2H)、7.45(t、J=7.3Hz、2H)、7.10(d、J=6.6Hz、2H)、7.03(t、J=7.3Hz、2H)、6.97(d、J=8.3Hz、2H)、4.49(d、J=15.6Hz、2H)、4.28(d、J=15.6Hz、2H)、3.88(s、6H)、2.87〜2.82(m、2H)、1.43(セプテット、J=6.6Hz、1H)、1.30(td、J=7.6、6.6Hz、2H)、及び0.70(d、J=6.6Hz、6H);
13C NMR(100MHz、CDCl
3):182.2、158.2、141.4、132.5、130.5、124.1、122.2、120.9、111.3、55.7、50.8、49.6、32.8、26.0、及び22.1;MS(ESI)[M+H]
+406.5。
【0095】
(3E,5E)−1−イソペンチル−3,5−ビス(3−メトキシベンジリデン)ピペリジン−4−オン(10−2)。
【化40】
化合物10−2を塩酸塩(黄色の粉末)として調製した。
1H NMR(400 MHz、CDCl
3):δ13.46(br、1H)、8.17(s、2H)、7.40(t、J=8.0Hz、2H)、7.01(dd、J=8.0、2.3Hz、2H)、6.89(d、J=8.0Hz、2H)、6.86(d、J=2.3Hz、2H)、4.59(d、J=15.6Hz、2H)、4.48(d、J=15.6Hz、2H)、3.84(s、6H)、2.89〜2.84(m、2H)、1.46(セプテット、J=6.6Hz、1H)、1.37(td、J=7.6、6.6Hz、2H)、及び0.72(d、J=6.6 Hz、6H);
13C NMR(100MHz、CDCl
3):181.8、160.0、144.8、134.3、130.4、123.9、122.2、116.3、116.1、55.5、50.5、50.2、32.7、26.0、及び22.1;MS(ESI)[M+H]
+406.5。
【0096】
実施例2:心筋梗塞後の心臓保護の促進及び修復
本明細書のデータは、心筋梗塞後の本明細書に記載される化合物の投与が、心臓の保護及び修復を促進することを示す。他の機能の中で、代表的な化合物は、梗塞サイズの増加、心肥大、及びコラーゲン沈着を予防した。化合物は、心臓の梗塞後の機能を著しく改善した。化合物はまた、血管新生を増加させ、心臓のβ酸化を促進し、拡張型心筋症に関連する代謝産物であるメチルグルタリルカルニチンのレベルを著しく減少させた。
【0097】
方法
すべての動物研究及びプロトコルは、Baylor College of MedicineのInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認され、実験動物の管理及び使用に関する国立衛生研究所のガイドラインに厳密に準拠して実行した。成体(8〜10週齢)ICR(CD1)マウスをすべての研究に使用した。
【0098】
成体マウスの心不全のモデル.8〜10週齢のマウスにおいて心筋梗塞(MI)を誘発するために、左動脈前下行枝(LAD)を永久結紮した。簡潔には、マウスに2%イソフルランで麻酔し、次いで挿管した。4番目または5番目の肋間隙を通して開胸術を行うことによって心臓を露出させ、8−0ナイロン縫合糸をLAD動脈の周りに結んだ。力価9×10
9pfu/mlの10ulのアデノウイルスSRC−3(Ad−SRC−3)またはアデノウイルスGFP(Ad−GFP)を、左室下行冠動脈近くの前自由壁に注射した。細胞周期侵入を評価するために、類似体5−エチニル−2’−デオキシウリジン(EdU;0.2g/L、Santa Cruz、SC−284628A)を、9日間の実験期間飲料水に添加した。Click−iT EdUキット(Invitrogen、C10339)を使用して細胞増殖を測定した。MCB−613の初回用量は、手術の2時間後に20mg/kgで腹腔内投与した。その後、同じ用量の注射をさらに6日間行い、次いで、9週目及び16週目に3日間繰り返し用量を与えた。分析のために示された時点でマウスを採取した。
【0099】
心エコー図.心臓機能は、心エコー図(VisualSonics、Vevo 2100、40Mhz−550Sプローブ)によって決定した。乳頭筋と横方向のBモードでアラインメントした後、Mモード画像で心臓機能を測定した。
【0100】
組織学的分析.心臓全体を10%ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、7μm間隔で切片化した。各スライドには3または10の切片があり、頂点から始まり、縫合結紮部位で終了した(約30〜50のスライド)。乳頭レベルの切片(スライド20〜30)をピクロシリウスレッドで染色して、線維症の領域を特定した。梗塞サイズは、長さベースのアプローチを使用して決定された。
【0101】
免疫染色分析.免疫組織化学及び免疫蛍光染色実験を、FFPE(ホルマリン固定及びパラフィン包埋切片)で行った。アポトーシス細胞を検出するためのTUNEL染色は、DeadEnd(商標)Fluorometric TUNEL Systemの製造業者のプロトコル(Promega、GS3250)を使用して行った。
【0102】
単一細胞転写プロファイリングのための心臓細胞の単離.頸椎脱臼の前に、マウスを麻酔の手術面の下に置いた。心臓を取り出し、細胞を、1mg/mLで15分間、コラゲナーゼを含む、カルシウムを含まないpH7.4のタイロード溶液(130mMのNaCl、74.55mMのKCl、0.5mMのMgCl、0.33mMのNaH
2PO
4、0.25mmのHEPES、22mMグルコース)とのランゲンドルフ逆行性灌流によって単離した。次いで、心臓を装置から取り出し、ガラスピペットで粉砕する前に、15mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)を含む同じタイロード緩衝液で細かく刻んだ。次いで、心筋細胞を、300RPMで3分間の分画遠心分離によってペレット化した。次いで、細胞の非心筋細胞集団を含む上清を、70ミクロンフィルターにより濾過し、750Gでペレット化し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1.1mLの2%ウシ胎児血清(FBS)に再懸濁した。蛍光活性化細胞選別(FACS)の「染色なし対照」のために0.1mLを除去した。残りの1mLを、4ug/mLのカルセインブルー及び10microMのDyeCycleRubyとともにインキュベートし、37℃で10分間インキュベートした。次に、細胞を600Gでスピンダウンし、Sytox Green(30nM)を含む0.5mLの2%FBS/PBSに再懸濁した。次に、FACS Aria iiセルソーターを使用して、Sytox Green−、Calcein+、DyeCycle Ruby+をPBS中の0.4%FBSに細胞を分類した。次に、細胞をペレット化し、PBS中の100uLの0.4%FBSに再懸濁し、カウントして、次いで単一細胞トランスクリプトームプロファイリングのために10x GenomicsChromiumシステムに流した。
【0103】
代謝プロファイリング.4匹の対照マウス及び4匹のMCB−613処置マウスの心臓を、MI後24時間で単離し、10mM KClで灌流し、液体窒素で急速凍結し、−80℃で保存した。10mgの組織を脂肪酸及びカルニチンについて分析して、3つの正常な肝臓対照試料に正規化された。脂肪酸は、内部標準L−トリプトファンによって正規化され、カルニチンは内部標準L−ゼアチンによって正規化された。
【0104】
RER、VO
2、及びVCO
2の測定.呼吸交換率(RER)、酸素消費量(VO
2)及び二酸化炭素呼気(VCO
2)は、マウスが疲労に達するまで、漸増最大運動試験を使用した間接熱量測定によって測定した。
【0105】
結果
SRC−3の活性化は低い毒性を有する。核内受容体コアクチベーター3(NCOA3)は、ヒトの成体の心臓で、低レベルで発現され、SRC−3の活性化による副作用がほとんどないことを示す。加えて、MCB−613は、インビトロ及びインビボで低い毒性プロファイルを有する。正常なヒトの心臓におけるNCOA3の発現を測定し、約1,000名の剖検ドナーのGTExデータベースから分析した筋肉組織と比較した。
図1は、正常なヒトの心臓(左パネル)及び筋肉組織(右パネル)におけるNCOA3の発現を示すグラフを含む。マッピングされた読み取り100万あたりのkb遺伝子長あたりの断片(FPKM)を、y軸に示し、データ点は試料を表す。データは、NCOA3の発現レベルごとに分類される。
【0106】
SRC−3の発現は、心臓における非心筋細胞の増殖を誘発する。アデノウイルス由来のSRC−3(アデノ−SRC3)を、野生型成体マウスの心臓の左室自由壁に注射した。細胞増殖マーカーとして、5−エチニル−2’−デオキシウリジン処理水(EdU水)をマウスに与えた。9日後に心臓を採取し、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(Dapi)で染色して、核、PCM1心筋細胞マーカー、細胞表面マーカー、小麦胚芽凝集素(WGA)、及び細胞増殖マーカーEdUを特定した。
図2は心臓の画像であり、SRC−3の発現が野生型成体マウスの心臓において非心筋細胞の増殖を誘発することを示す。
【0107】
本明細書に記載される化合物は、心筋梗塞後の心臓機能の早期かつ進行性の喪失から保護する。心筋梗塞後、マウスを本明細書に記載される代表的な化合物で処置した。
図3Aは、心筋梗塞後の薬物治療及び心エコー図測定の実験的タイムラインを示す。MCB−613または生理食塩水は、結紮の2時間後、及び24時間ごとにさらに6日間投与した。8週目及び16週目に週に3回繰り返し注射を行った。
図3Bに示されるように、心臓重量及び脛骨の長さを10週目に測定した。6匹のマウスに生理食塩水を投与し、7匹のマウスにMCB−613を投与した。P<0.03。左室駆出率を心エコー図によって決定した(n=14、最大12週間;n=3、19週間)(
図3C)。反復測定を使用してANOVAによってデータを分析し、平均+/−SEMとして表した。P<0.001。
図3Dは、心筋梗塞後に採取され、コラーゲン線維を視覚化するために染色されたマウスの心臓の画像を含む。具体的には、
図3Dは、心筋梗塞後10週間での、梗塞境界ゾーンの4倍及び対応する20倍の倍率の乳頭筋のレベルでの断面のピクロシリウスレッド染色を示す。梗塞サイズは長さ%として表される。データは、生理食塩水を投与された対照マウスと比較した、MCB−613処置マウスの梗塞サイズの減少を示す。左室駆出率は、心筋梗塞後に化合物10−1で処置されたマウスの心エコー図によって決定した(
図4を参照されたい)。
図8は、心筋梗塞後6週間の乳頭筋レベルでの断面のピクロシリウスレッド染色を示す。梗塞サイズは長さ%として表される。データは、生理食塩水を投与された対照マウスと比較した、化合物10−1処置マウスの梗塞サイズの減少を示す。
【0108】
MCB−613は、心筋梗塞後の心臓の主要及び副次的な非心筋細胞型の変化を誘発する。成体マウスの心臓の非筋細胞について、包括的な単一細胞転写プロファイリングを行った。単一細胞配列決定を、心筋梗塞後10週間で心臓の非心筋細胞で行った。細胞クラスターはtSNE分析によって生成され、遺伝子発現シグネチャーによって特定した。成体マウスの心臓における非筋細胞の包括的な単一細胞転写プロファイリングを示すプロットについては、
図5Aを参照されたい。
図5Bは、心筋梗塞後のMCB−613で処置した心臓に存在する異なる細胞型を示す。
図5Cは、内皮シグネチャーを有する3つの細胞クラスターのベン分析であり、MCB−613が、心筋梗塞後10週間で心臓における2つの異なる内皮細胞集団の内皮細胞成長を刺激することを示している。
【0109】
MCB−613は、心臓保護カルニチン代謝産物を増加させる。
図6Aは、心筋梗塞後24時間のマウスの心臓における長鎖脂肪酸のメタボロミクスを示すヒートマップである。
図6Bは、心筋梗塞後のマウスの心臓におけるメチルグルタリルカルニチンのメタボロミクスを示すヒートマップである(完全なセットFDR=1)。ヒートマップは、MCB−613が心臓保護カルニチン代謝産物を増加させ、長鎖脂肪酸のβ酸化を増加させ、メチルグルタリルカルニチンを減少させることを示している。
【0110】
本明細書に記載される化合物は、SRC固有の転写活性を刺激する。Gal4応答性ルシフェラーゼレポーター(pG5−luc)、及びGal4のDNA結合ドメインと融合したSRC−1、SRC−2、またはSRC−3をコードする構築物(pBIND−SRC−1、pBIND−SRC−2、またはpBIND−SRC−3)でトランスフェクトされたHeLa細胞を、MCB−613、化合物10−1、及び化合物10−2を含む本明細書に記載される化合物による処理に曝露した。
図7の上部パネルは、MCB−613がSRCの固有の転写活性を選択的に刺激することを示す。
図7の中心パネルは、化合物10−1がSRCの固有の転写活性を選択的に刺激することを示す。
図7の下部パネルは、化合物10−2がSRCの固有の転写活性を選択的に刺激することを示す。
【0111】
化合物10−1は、心筋梗塞後の心臓血管の持久力を改善する。
図9は、生理食塩水で処置したマウス(「生理食塩水」;n=3)、MCB−613で処置したマウス(「MCB−613」;n=3)、及び梗塞のない野生型マウス(「WT」;n=2)における漸増最大運動試験の結果を示すグラフを含む。上部パネルは、二酸化炭素の呼気(VCO
2)を示し、下部パネルは、酸素消費量(VO
2)を示す。
図9から代表的な化合物10−1に示されるように、本明細書に記載される化合物は、心筋梗塞後の心臓血管及び末梢血管の持久力を改善する。
【0112】
概要
本明細書に提示されるデータによって示されるように、本明細書に記載される化合物は、インビボで血管新生を刺激し、損傷した心筋の機能を改善する。したがって、本明細書に記載される化合物は、慢性創傷の修復及び予防、血管新生の促進、血管疾患における血流の回復、ならびに代謝リモデリングを予防することによる脆弱な心筋の有害な構造リモデリングの抑制に有用な例外的な治療薬である。これらの化合物は、冠動脈不全後の心臓の修復に有用である。
【0113】
実施例3:ステロイド受容体コアクチベーター刺激因子を使用した心筋梗塞後の心臓保護の促進及び修復
筋細胞の喪失、炎症、線維症、及び心臓駆出率の減少を伴う心臓組織の進行性リモデリングは、心筋梗塞(MI)誘発性心不全の特徴である。MI後の重要な治療目標は、心筋を保護し、梗塞サイズを最小化し、心不全への進行を予防し、機能回復を支持することである。本明細書のデータは、本明細書に記載されるステロイド受容体コアクチベーターの小分子刺激因子が、新しい血管の成長を促進し、MI後の心臓機能を改善することを示す。代表的な化合物を通して示されるように、小分子受容体コアクチベーター刺激因子の投与は、梗塞サイズ、アポトーシス、心肥大、コラーゲン沈着を減少させ、心筋細胞のエネルギー経路を活性化する。単一細胞転写プロファイリングにより、心臓機能の改善に関連する異なる間質細胞型及び転写応答が特定された。本明細書に記載される化合物は、MI後の心臓機能の早期かつ進行性の喪失を予防するための新規の治療選択肢を掲示する。
【0114】
方法
動物.すべての動物研究及びプロトコルは、Baylor College of MedicineのInstitutional Animal Care and Use Committeeにより承認され、実験動物の管理及び使用に関する国立衛生研究所のガイドラインに厳密に準拠して実行した。成体(8〜10週齢)ICR(CD1)マウスをすべての研究に使用した。
【0115】
小分子刺激因子治療のための血管新生アッセイ.5〜7日齢の特定病原体除去(SPF)認定受精鶏卵(白いレグホン)を使用して、絨毛尿膜(CAM)にアクセスした。CAMの総血管面積は、薬物の適用前に得られた画像を使用して測定した。0.6μMの濃度のMCB−613(100μL)をCAMの表面に局所的に適用した。CAMの血管面積を、薬物の毎日の適用後、毎日モニタリングした。実験中を通してビヒクル対照を維持した。治療を4日間継続し、その終了時に画像閾値法(ImageJ)を使用してCAMの総血管面積を定量化した。血管面積における成長パーセントを、対照卵及び処理卵について比較した。条件ごとにn=6個の卵。この実験を3回繰り返した。
【0116】
薬物処置されたマウス胚性線維芽細胞(MEF)を用いた血管新生アッセイ.5〜7日齢のSPF認定受精鶏卵(白いレグホン)を使用して、絨毛尿膜(CAM)にアクセスした。マウスの胚性線維芽細胞(MEF)を、0.6μMのMCB−613で24時間処理した。処理後、200万個のMEFを、マグネシウム及びカルシウムを含む60μLのPBSならびに40μLのマトリゲル(2M/卵)(Corning Inc.;Corning,NY)に懸濁した。次いで、MEFをピペッティングにより十分に混合し、CAMの表面に移した。CAMの血管面積を、毎日モニタリングした。実験中を通してビヒクル対照を維持した。MEFを、CAM表面で4日間成長させ、その終了時に画像閾値法(ImageJ)を使用してCAMの総血管面積を定量化した。次いで、血管面積における成長パーセントを、対照卵および処理卵(MEF処理対未処理)で比較した。条件ごとにn=6個の卵。
【0117】
レポーターアッセイ.心臓線維芽細胞を6ウェルプレートに播種し、GAL4応答性ルシフェラーゼレポーター(pG5−luc)及びGAL4 DNA結合ドメイン(GAL4−DBD)完全長SRC−1、−2、もしくは−3融合構築物(pBIND−SRC−1、pBIND−SRC−2、またはpBIND−SRC−3)またはLipofectamine 3000(Invitrogen;Carlsbad,CA)を使用したpBIND対照の発現ベクターでトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を6μMのMCB−613またはジメチルスルホキシド(DMSO)で処理し、一晩インキュベートした。処理後の細胞を溶解し、Promegaルシフェラーゼアッセイシステム(Promega Life Sciences;Madison,WI)を使用して総タンパク質を単離した。タンパク質濃度は、ブラッドフォードアッセイ(Bio−Rad Laboratories;Hercules,CA)を使用して測定した。相対光単位を測定し、総タンパク質濃度に対して正規化した。
【0118】
成体マウスの心不全のモデル.8〜10週齢のマウスにおいてMIを誘発するために、左動脈前下行枝(LAD)を永久結紮した。簡潔には、マウスに2%イソフルランで麻酔し、次いで挿管した。4番目または5番目の肋間隙を通して開胸術を行うことによって心臓を露出させ、8−0ナイロン縫合糸をLADの周りに結んだ。MCB−613の初回用量は、手術の2時間後に20mg/kgで腹腔内投与した。その後、その日の同じ時刻に同じ用量の注射をさらに6日間行い、次いで、9週目及び16週目に3日間繰り返し用量を与えた。分析のために示された時点でマウスを採取した。
【0119】
心エコー図.心臓機能は、心エコー図(VisualSonics、Vevo 2100、40Mhz−550Sプローブ)によって決定した。乳頭筋と横方向のBモードでアラインメントした後、Mモード画像で心臓機能を測定した。
図11Aの心臓機能についての動物数は、0日目の対照(17);MCB−613(15)、1日目の対照(10);MCB−613(12)、14日目のビヒクル(19);対照(19)、56日目の対照(12);MCB−613(15)、70日目の対照(8);MCB−613(10)、80日目の対照(8);MCB−613(11)、133日目の対照(3);及びMCB−613(3)である。
【0120】
組織学的分析.心臓全体を10%ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、7μm間隔で切片化した。各スライドには3〜10の切片があり、頂点から始まり、縫合結紮部位で終了した(約30〜50のスライド)。乳頭レベルの切片(スライド20〜30)をピクロシリウスレッドで染色して、線維症の領域を特定した。梗塞サイズは、長さベースのアプローチを使用して決定された。アポトーシス細胞を検出するためのTUNEL染色は、DeadEnd(商標)Fluorometric TUNEL System(Promega、GS3250)を使用して行った。
【0121】
電子顕微鏡法.動物を屠殺し、心臓を素早く取り出し、冷一次固定液(2%パラホルムアルデヒド+2.5%グルタルアルデヒド+0.1Mカコジル酸緩衝液中の2mM CaCl
2、pH 7.4)に直接入れ、それらを断面で切片化し、次いで、冷一次固定液中で4日間保持した。固定後、組織を0.1Mカコジル酸緩衝液中の0.1%タンニン酸で染色し、すすぎ、1時間浸透させた、その後、組織をdH
2O中ですすぎ、酢酸ウラニル水溶液で対比染色した。再度、組織をdH
2O中ですすぎ、次いで、エタノールの勾配系列(50、70、80、90、95、及び100%)で脱水した。プラスチック樹脂のエタノールへの希釈をそれぞれ増加させながら、100%のプラスチックに達するまで、組織を4日間の期間かけてゆっくりと浸潤させた。100%のプラスチックを3回交換して丸一日浸透させた後、組織を作りたてのSpurrの低粘度樹脂に包埋し、60℃で一晩重合した。ライカUC7ウルトラミクロトームを使用して、55〜65nmの超薄切片をDiatome Ultra 45ダイヤモンドナイフで切断した。切片を150個の六角メッシュ銅グリッド上に収集し、Hitachi H7500透過型電子顕微鏡で観察した。画像を、AMTXR−16デジタルカメラ及びAMTImage Capture、v602.600.51ソフトウェアを使用して取り込んだ。
【0122】
心臓細胞の単離.頸椎脱臼の前に、マウスを麻酔の手術面の下に置いた。心臓を取り出し、細胞を、1mg/mLで15分間、コラゲナーゼを含む、カルシウムを含まないpH7.4のタイロード溶液(130mMのNaCl、74.55mMのKCl、0.5mMのMgCl、0.33mMのNaH
2PO
4、0.25mmのHEPES、22mMグルコース)とのランゲンドルフ逆行性灌流によって単離した。次いで、心臓を装置から取り出し、ガラスピペットで粉砕する前に、15mg/mLのBSAを含む同じタイロード緩衝液で細かく刻んだ。次いで、心筋細胞を、300RPMで3分間の分画遠心分離によってペレット化した。次いで、細胞の非心筋細胞集団を含む上清を、70ミクロンフィルターにより濾過し、750gでペレット化し、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1.1mLの2%ウシ胎児血清(FBS)に再懸濁した。次いで、蛍光活性化細胞選別(FACS)の「染色なし対照」のために0.1mLの混合物を除去した。残りの1mLの混合物を、4μg/mLのカルセインブルー及び10μMのDyeCycleRubyとともにインキュベートし、37℃で10分間インキュベートした。次に、細胞を600gでスピンダウンし、Sytox Green(30nM)を含む0.5mLの2%FBS/PBSに再懸濁した。次に、FACS Aria iiセルソーターを使用して、Sytox Green−、Calcein+、DyeCycle Ruby+をPBS中の0.4%FBSに細胞を分類した。次に、細胞をペレット化し、PBS中の100μLの0.4%FBSに再懸濁し、カウントし、10x GenomicsChromiumシステムに通した。
【0123】
単一細胞RNA配列決定.生のfastqファイルを、STARとのアラインメント、フィルタリング、バーコードカウント、及びUMIカウントのためにCell Ranger 2.1.1(10X Genomics)にインポートした。細胞クラスター及び差次的に発現される遺伝子を特定するために、R(バージョン3.4.3)で実装されたSeuratスイートバージョン3.0.0を使用してCell Rangerの結果を分析した。<200または>5,000の固有の遺伝子が発現している細胞、またはミトコンドリアにマッピングしている読み取りの>25%が、品質管理測定として除去された。フィルタリングされたデータを、各試料内で正規化及びスケーリングし、野生型試料と処理済み試料の両方を、統合分析のためにSeuratのアラインメント手順でアラインメントした。Seurat内に組み込まれたウィルコクソンの順位和検定を使用して、細胞型または治療にわたって差次的に発現する遺伝子を特定した。遺伝子オントロジー分析は、超幾何分布を利用して濃縮された経路を特定するpythonで開発されたカスタムコードを使用して行った(P値<0.05)。
【0124】
梗塞を起こした心臓の細胞間コミュニケーションに対する治療の効果を研究するために、ヒトの精選された推定上のリガンド−受容体対を得た。各細胞型について、P値<0.05及びlog2FC>0.25または<−0.25のフィルターを適用することにより薬物治療の特徴が得られた。細胞間コミュニケーションは、細胞型A及びBを連結することによって構築され、リガンドは細胞型Aで異なって発現されたが、一方で、受容体は細胞型Bで異なって発現される。ネットワークはigraph Rパッケージを使用してプロットされた。
【0125】
総RNA−Seq分析.配列決定読み取りは、trimGaloreソフトウェアを使用してトリミングした。次に、読み取りは、HISATを使用してヒトゲノムビルドUCSC mm10に対してマッピングしStringTieを使用してGencode遺伝子モデルに対して定量化した。遺伝子発現(FPKM)は、R統計システムを使用して分位数正規化された。腫瘍試料及び正常試料の間で差次的に発現する遺伝子は、p値<0.05及び倍数変化1.25のパラメトリックt検定を使用して決定した。経路濃縮分析は、GSEAソフトウェアパッケージを使用して実施し、調整されたq値で有意性が達成された(q<0.25)。ヒートマップは、pythonでMatplotlib、NumPy、及びSciPyライブラリを使用して生成した。
【0126】
RNA単離及びqPCR.Qiagen RNA単離キットを使用して、細胞から総RNAを単離した。cDNAを、VILOマスターミックス試薬で調製した。qPCR分析は、Tlr7、Lcn2、及び18sのプライマーを含むTaqmanキットを使用して実施した。
【0127】
顆粒球の単離.対照またはMCB−613で24時間処理したマウスの後肢から骨髄細胞を単離した。後肢を取り除き、氷冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)(Ca/Mgなし)及び2%FBSに入れた。骨の両端を切断し、26G針を使用して2%FBSを含む氷冷HBSSで骨髄を洗い流した。凝集塊を18G針で砕き、70μmフィルターで濾過し、400gで10分間4℃で遠心分離した。ペレットをRBC溶解緩衝液(BD Biosciences Pharmigen;San Diego,CA)に懸濁し、室温で2分間インキュベートした。HBSS緩衝液(8mL)を添加し、400gで10分間4℃でスピンさせた。トリパンブルー色素排除により生細胞をカウントし、Miltenyi Biotec(Bergisch Gladbach、Germany)のマウス好中球単離キットを使用して骨髄顆粒球を単離した。
【0128】
フローサイトメトリー及び心臓免疫表現型決定.MI後または偽手術の後24時間の対照及びMCB−613で処置したマウスから単離した心臓及び脾臓を、消化緩衝液:500μLのDNAse I(10mg/ml)、500μlのコラゲナーゼII(50mg/ml)中で、4ml(1倍で約12の脾臓に十分である)のRPMI 1640に消化した。細胞をGentleMacs解離装置に入れ、「IMPC_step2」で2回実行し、25℃で15分間インキュベートした。「IMPC_step2」プログラムを繰り返し、試料を25℃でさらに15分間インキュベートし、続いて「IMPC_step2」プログラムをもう一度実行した。次いで、400μLの4℃停止緩衝液(1倍PBS、0.1M EDTA)を各試料に添加し、約100gで1秒間遠心分離して、チューブの底に液体を集めた。試料をメッシュフィルターキャップを通して50mLコニカルチューブに濾過した。次いで、チューブを1mLのFAC緩衝液で洗浄し、これもフィルターに通した。心臓の調製物はより粘稠であり、20mLの冷濾過生理食塩水で洗浄した。試料を500gで6分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを1mLの4℃のFACS緩衝液に懸濁した。赤血球(RBC)の溶解及びブロッキングに続いて、単一細胞懸濁液を免疫細胞パネルで染色し、LSR IIフローサイトメーターを使用して定量化した。次いで、脾臓対照の500,000の生存イベントをカウントし、心臓細胞のチューブ全体を記録して分析した。
【0129】
ウエスタンブロット.乳鉢及び乳棒器具を使用して、冷凍した心臓全体を微粉砕した。約20mgの粉末組織を、300μLの放射性免疫沈降アッセイ(RIPA)緩衝液に添加し、組織ホモジナイザーを使用してホモジナイズした。次いで、試料をローテータープラットフォーム上で、4℃で1時間インキュベートし、続いて12,000gで10分間遠心分離して、破片を取り除いた。上清を収集し、今後の使用のために−80℃で保管した。タンパク質濃度は、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)試薬系を使用して決定した。細胞溶解物については、10%グリセロールを含むNETN緩衝液を使用して細胞を溶解し、総タンパク質を単離した。すべての溶解緩衝液には、プロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤が補充された。組織溶解物タンパク質(30〜50μg)または細胞溶解物タンパク質(50〜70 μg)を、4〜15%勾配ゲル(Bio−Rad)に充填し、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜に転写した。イムノブロッティングを、SRC−1、SRC−2、SRC−3、アクチン、及びHsp90に対する抗体を使用して実施した。HRP複合体化抗ウサギ及び抗マウス二次抗体を、1:2,500の希釈で使用した。化学発光検出にはPierce ECLを使用した。
【0130】
チューブ形成アッセイ.心臓線維芽細胞を、DMSOまたは6μMのMCB−613のいずれかで処理した。処理後の24時間、PBSで細胞を2回すすぐことにより薬物を洗い流した。次いで、細胞を内皮細胞増殖培地で24時間コンディショニングした。コンディショニング後、細胞を、成長因子を低減したマトリゲル(10mg/ml)に播種し、一晩チューブを形成させた。翌日、チューブをCalcein AMで染色し、Cytationイメージングシステムを使用して画像化した。
【0131】
免疫染色.心臓を心臓麻痺性の20mM KCL−PBSで灌流し、次いで、10%中性緩衝ホルマリンで灌流した後、滴下固定してパラフィンワックスに処理した。次いで、切片(7ミクロン)を切り取り、スライド上に配置した。免疫蛍光法は、最初にパラフィンを除去し、次に切片を再水和することによって行った。その後、抗原賦活化を行った(抗原アンマスキング溶液、トリスベース、Vector Labsカタログ番号H−3301;Vector Labs、Burlingame,CA)。切片を0.1%tween20−PBSで透過処理し、1%tween20−PBS中の10%ロバ血清でブロッキングし、次いで、ブロッキング溶液中の一次抗体(1:200ウサギ抗リゾチーム、abcamカタログ番号AB108508;Abcam、Cambridge,United Kingdom)、続いて二次抗体(1:200ロバ抗ウサギ、Alexa 647、Thermo Fisher Scientificカタログ番号A−31573;Thermo Fisher Scientific、Waltham,MA)、次いでローダミン複合体化WGA(1:250 Vector Labsカタログ番号RL−1022)、及びDAPI(1:500 Thermo Fisher Scientificカタログ番号62248)とともにインキュベートした。Zeiss LSM780共焦点顕微鏡で画像を撮影した。LYZ+細胞を、左冠動脈前下行枝閉塞手術の下の左室の心筋全体にまたがるランダム画像から手動でカウントした。n=3つの心臓/群、>10mm
2画像/心臓、MI手術後24時間。
【0132】
RER、VO
2、及びVCO
2測定.RER、VO
2、及びVCO
2は、マウスは疲労に達するまで、漸増最大運動試験を使用した間接熱量測定により測定した。
【0133】
結果
MCB−613は血管新生を刺激する。特に成体の心臓線維芽細胞における血管新生及び間質応答に対するMCB−613の効果が研究された。SRC−1、2、及び3タンパク質は、10週齢のマウスから単離された成体心臓線維芽細胞で発現された(
図10A)。心臓線維芽細胞に、GAL4 DNA結合ドメイン−SRC−1、2、及び3融合タンパク質の発現ベクター、ならびにGAL4応答性ルシフェラーゼレポーターをトランスフェクトして、MCB−613処理後のSRC活性化を測定した(
図10B)。SRC−3活性は、MCB−613に応答してSRC−1及びSRC−2よりも大きな程度で誘導され、MCB−613が心臓線維芽細胞のSRC−3活性を優先的に刺激することを示している。機能的には、MCB−613は、インビトロで成体の心臓線維芽細胞のチューブ形成を刺激した(
図10C)。インビボでのMCB−613の血管新生の刺激を調査するために、ニワトリ卵血管新生アッセイを行った(
図10D)。MCB−613をニワトリの卵に直接投与すると、インビボで血管新生が刺激された。さらに、MCB−613で事前に刺激されたマウス胚性線維芽細胞の導入は、おそらく細胞の非自律的な様式でロバストな血管新生を促進した。理論に拘束されないが、これらの発見は、MCB−613の血管新生の刺激が複数のメカニズムを介して発生し得ることを示す。
【0134】
MCB−613が虚血誘発性心筋損傷後の回復を改善するかどうかを決定するために、MCB−613またはビヒクル対照を、左冠動脈前下行枝の外科的な永久結紮によって誘発された心筋損傷の2時間後にマウスに投与した。MI後3日間で梗塞境界ゾーンにおいて血管新生の増加が観察され、MCB−613が損傷組織の血管新生を促進し、血管疾患の状況で血流を回復することを示している(
図10E)。
【0135】
MCB−613は、MI後の心臓機能の喪失を防ぐ。マウスの左前頸動脈の外科的結紮は、心臓血管治療介入を試験するために一般的に使用される前臨床MIモデルである。梗塞後の初期及び後期の心臓機能及びリモデリングに対するSRC刺激の役割を調査するために、MIを受けたマウスをMCB−613またはビヒクル対照で処置した。マウスには、MI手術の2時間後及び24時間ごとにさらに6日間、腹腔内注射により20mg/kgのMCB−613または対照ビヒクルを与えた(
図11A)。MI後の心臓機能の早期かつ進行性の喪失は、手術前、手術後24時間、2、8、12、及び19週間で心エコー図によって測定された。駆出率は、MI後24時間に対照処置動物で平均30%に減少した。対照的に、MI後2時間にMCB−613で処置されたマウスは、43%の平均駆出率を有し、MCB−613が駆出率の早期減少を防ぎ、脆弱な心筋に対する早期保護を提供したことを示している(
図11B)。対照処置マウスの駆出率は24時間後にさらに減少し、MI後19週間で最低であり、経時的な心臓機能の進行性喪失を示している。対照的に、駆出率は、MCB−613の投与後のMI後24時間からMI後19週間まで、40%超に維持され、MCB−613の初期の心筋保護効果が心臓機能の進行性喪失を予防することを示している。8週目及び16週目に3日間繰り返し注射しても駆出率は変化せず、MCB−613が後の時点で心臓機能にそれ以上の影響を与えなかったことを示している。MI後19週間までの心臓機能の維持は、MI後のうっ血性心不全の予防に短期間の早期介入が効果的であり得ることを示す。心臓重量の分析は、MCB−613がMI後12週間でMI誘発性心臓肥大代償性反応を弱めたことを明らかにし(
図11C)、心臓機能の維持が心不全の別の重要な特徴の予防と相関していることを示している。次いで、心臓の陽電子放出断層撮影(PET)イメージングを使用して、心筋の生存能力を空間的に評価した。梗塞ゾーンにおける改善された
18F−FDG取り込みは、MCB−613がMI後2週間健康な心筋を維持することを示す(
図11D)。心臓組織切片をピクロシリウスレッドで染色して、梗塞サイズ及び線維症の程度を評価した(
図11E)。MI後12週間で測定された梗塞サイズは、MCB−613処置マウスからの心臓(3%、14%、20%、及び22%)と比較して、対照処置心臓(31%及び44%)においてより大きかった。さらに、心筋細胞はより小さく、梗塞境界ゾーンでの線維症の減少と関連しており、MCB−613が進行性心不全の2つの追加の重要な分子的特徴を防ぐことを示している(
図11E)。心臓の代謝機能障害は心不全の一般的な特徴である。SRCは、骨格筋及び心筋を含む組織の多様な代謝要件を調整する。運動を伴う間接熱量測定を行い、対照としてMIを有さない年齢が一致したマウスと比較して、MI後3週間のエネルギー消費に対するMCB−613の影響を判定した(
図12)。VCO
2及びVO
2は、MCB−613がMI後のマウスにおける運動時のエネルギー利用を改善することができることを示す、MI後3週間のMCB−613処置動物において上昇する。したがって、改善された心臓機能は改善されたエネルギー消費と関連している。MI後72時間の心臓の電子顕微鏡写真は、MCB−613が筋原線維構造の崩壊及び異常なミトコンドリア結晶構造を防ぐことができることを示し、MCB−613が心筋及びミトコンドリアをMI誘発損傷から保護することを示している(
図11F)。早期の心筋保護を支持するために、MCB−613はMI後24時間アポトーシスを防ぐ(
図11G)。これらの発見は、MCB−613が機能的な心筋を直接維持し、心臓組織の有害なリモデリングを防ぐように作用することを示す。
【0136】
MCB−613は心筋細胞の損傷応答を防ぐ。心筋リモデリングの緩和及び心臓機能の改善に関連する心筋細胞及び非心筋細胞に特異的なMCB−613転写機能についての洞察を得るために、MI後12週間の対照処置及びMCB−613処置マウスから精製された心臓細胞でトランスクリプトームプロファイリングを行った(
図13A)。心筋細胞の差次的遺伝子発現分析は、122個の上方制御された遺伝子及び107個の下方制御された遺伝子が、MI後12週間の心臓機能の改善に関連していることを示す(
図13B)。差次的に発現する遺伝子の遺伝子セット濃縮分析は、酸化的リン酸化及び脂肪生成、ならびにアポトーシス及び炎症応答の抑制を表す遺伝子オントロジー分類の強力な濃縮を示し(
図13C)、MCB−613が心筋細胞の損傷に関連するシグナル伝達を予防することに加えて心臓のエネルギー利用を改善することさらなる支持を提供する。
【0137】
MCB−613は炎症性マクロファージを減少させる。単一細胞トランスクリプトームプロファイリングを行い、MI後12週間のMCB−613処置マウスにおける心臓機能の改善に関連する細胞型及び細胞型特異的シグナル伝達応答を特定した。非心筋細胞の代謝的に活性な生単一細胞懸濁液を、ランゲンドルフ灌流後の心臓全体から調製した(
図13A)。細胞型の喪失を防ぎ、転写活性への影響を最小化するために、最小限の手順操作を行った。RNA品質管理に合格した2匹の生理食塩水処置マウスからの21,894個の細胞及び2匹のMCB−613処置マウスからの21,474個の細胞の転写プロファイルを、Seurat分析による10x Chromiumプラットフォームを使用して分析した。細胞発現パターン、教師なしクラスタリング、及びSeuratソフトウェア分析を使用した次元削減分析に基づいて15の異なる細胞クラスターを特定した(
図13D)。クラスターサイズは101〜6,085個の細胞の範囲であった。細胞集団を、既知のマウスの心臓細胞型マーカーに基づいて特定した(
図13E)。分析された全細胞の42%で、マクロファージは、MI後12週間の主要な非心筋細胞集団であり、非心筋細胞が10%の造血由来細胞のみで構成されている正常な成体マウスの心臓とは異なる。細胞数の最大の変化の評価は、マクロファージクラスター1及びBリンパ球の数が減少した一方で、心外膜細胞、NK/Tリンパ球、線維芽細胞、及びリンパ管細胞を含む内皮細胞が、MCB−613処置マウスの心臓の細胞数において増加されたことを示す(
図13F)。心臓マクロファージ、線維芽細胞、及び内皮細胞集団は、転写の不均一性を示し、それぞれ4、3、及び2個のサブクラスターからなる。心臓線維芽細胞における固有の遺伝子シグネチャーの評価は、Postn(線維芽細胞クラスター2)を発現する損傷反応性線維芽細胞集団の存在を明らかにし、最近報告されたリモデリングされた心臓における「恒常性線維芽細胞」を支持して、クラスター3の線維芽細胞はCompを固有に発現する(
図14A)。線維芽細胞クラスター1が固有に濃縮された遺伝子は、血管新生(Bmp4、Ecm1、Ccl11、Pgf)及び細胞外マトリックス組織(Ecm2及びPdgfra)を促進する分泌機能に関与する線維芽細胞亜集団の存在を示す。内皮細胞の転写シグネチャーは、3つの亜集団の存在を示す。内皮クラスター2及びリンパ管内皮細胞は、内皮クラスター1と比較して、それぞれ218及び308個の固有遺伝子の転写活性化の増加を呈し、MI後12週間の心臓維持における異なる役割を示している(
図14B)。リンパ管内皮クラスターは、リンパ管内皮遺伝子Prox1及びLyve1の固有の発現により定義される。増加した細胞数に加えて、血管新生促進制御因子HIF1A及びLrg1ならびにリンパ管新生制御因子Ccl121aの同時発現は、MCB−613がMI後12週間でリンパ管新生を刺激することを示す。初期の心臓遺伝子Mkl2、Tek、及びHand2の固有の発現によって定義される内皮クラスター2の遺伝子発現シグネチャーは、おそらく損傷ストレス応答による、より原始的な細胞状態への転写復帰を示す。理論に拘束されるものではないが、最大の内皮クラスターである内皮クラスター1は、少数の固有の遺伝子、及び任意の関連するGOタームまたはシグナル伝達経路の不在によって特徴付けられる内因性恒常性内皮細胞を表す。4つのマクロファージサブクラスターの転写シグネチャーは明らかに分離可能であった(
図14C)。マクロファージの最大の亜集団であるマクロファージクラスター1は、心筋炎症の消散におけるこれらの遺伝子の役割と互換性のあるCcl8、Ccl24、及びLy96を含む炎症性遺伝子シグネチャーの発現によって定義される。クラスター2は、損傷に応答して骨髄に由来する短命の浸潤マクロファージであることが知られている炎症性遺伝子Cxcl1、Ccr2、Ccr5、及びTlr2を発現するCcr2+単球由来マクロファージの集団を表す。対照的に、クラスター3のマクロファージは、組織修復及び筋形成において役割を果たす局所増殖によって維持されることが知られているCcr2
−マクロファージを増殖する小さな集団の存在を示す110個の細胞周期増殖遺伝子を固有に発現する。クラスター4のマクロファージは、Cd209及びCoro1aを含む食作用の活性化に関与する遺伝子の発現によって特定され、MI後12週間に食作用マクロファージの小さな集団の存在を示している。驚くべきことに、心臓機能維持の改善に関連する細胞集団数のかなり小さな変化は、MCB−613心臓保護が代わりに細胞機能変化の結果である可能性が高いことを示す。
【0138】
MCB−613は、有益なパラクリンシグナル伝達を促進する。MI後12週間のMCB−613を媒介した心臓機能の改善に関連する間質細胞型の機能的応答を決定するために、トランスクリプトームプロファイルを対照処置マウス及びMCB−613処置マウスの非心筋細胞で比較した(
図15A)。細胞集団の転写応答の大きな変動は、MCB−613選択的細胞応答が心臓機能の改善に寄与することを示す。リンパ及び免疫細胞集団からなる細胞のより小さな集団は、最大の薬物誘発性トランスクリプトーム変化を経験した。心臓機能の改善に寄与する潜在的な間質細胞シグナル伝達相互作用を特定するために、MCB−613処置マウスの心臓と比較した対照の心臓の各細胞のリガンド及び受容体間の相互作用の数を計算した(
図15B)。相互作用の最も高い頻度は、各線維芽細胞集団のリガンド、1つのマクロファージサブタイプ、及び顆粒球受容体に散布する内皮/SMC集団の間で起こった。顆粒球への間質細胞シグナル伝達のこのパターンは、MI後12週間のMCB−613心臓保護応答における顆粒球機能の広範なパラクリン調節を意味する。リガンド−受容体対合は、MMP9−LRP1、HSP90B1−TLR7、及びSERPINE1−TAURを含む組織構造及び抗炎症シグナル伝達経路の協調的調節を示唆している(
図15C)。これを支持して、顆粒球における上方制御及び下方制御された遺伝子シグネチャーの遺伝子セット濃縮分析は、MCB−613が炎症性顆粒球機能を抑制することを示す(
図14D)。対照と比較したMCB−613処置マウスの心臓顆粒球における上位の上方制御及び下方制御された遺伝子は、自然防御に関与する顆粒の発現の増加ならびに炎症性シグナル伝達に関与するサイトカイン、酵素、及びケモカインの減少を明らかにする(
図15D)。これらの発見は、MCB−613に対する心筋の応答が、改善された心臓機能の根底にある持続的なパラクリン抗炎症性シグナル伝達の状況によって特徴付けられることを示す。
【0139】
損傷時のMCB−613の投与は、24時間で即時応答をもたらしたため(
図11B及び
図11E)、MI後24時間の免疫細胞に対するMCB−613の効果を測定した。MI後24時間に心臓全体から単離された単一細胞のFACS分析による免疫表現型決定を使用して、免疫細胞の組成を定量化した。MI後12週間で見られたものと同様に、対照と比較して、B細胞の著しい減少、単球の減少の傾向があり、MCB−613処置マウスからの心臓の顆粒球の割合の変化はなかった(
図16A)。次いで、パラクリンシグナル伝達の存在によるMCB−613に対する急性顆粒球転写応答及びMI後12週間の顆粒球におけるロバストな転写応答を測定した。顆粒球は、急性虚血性損傷後に心筋に到達する最初の自然免疫細胞であり、急性心臓発作によって引き起こされる炎症応答の程度、及びその結果として生じる心筋への損傷の程度の重要なメディエーターである。マウスの心臓から十分な量の損傷していない顆粒球を単離することは困難であるため、顆粒球応答を調査するために、MI後24時間の心筋顆粒球応答を反映する骨髄顆粒球を単離した。顆粒球が枯渇した骨髄と比較した顆粒球における顆粒球マーカーS100A9のmRNA発現の上昇は、顆粒球の単離が成功したことを示す(
図16B)。MCB−613で処置したマウスからの顆粒球におけるTlr7及びLcn2の発現の増加は、単一細胞トランスクリプトーム分析を支持し、顆粒球機能の調節がMCB−613に対する急性心筋応答に寄与し得ることを明らかにしている。MIの不在下での外科的処置による組織外傷の結果として、MCB−613が骨髄顆粒球におけるTlr7またはLcn2を調節する可能性を制御するために、対照ビヒクルまたはMCB−613の投与による偽手術後24時間のマウスから顆粒球を単離した。細胞数または遺伝子発現の変化は観察されず、顆粒球遺伝子発現の変化が、MCB−613を媒介した心筋損傷応答の結果であることを示している。顆粒球における強力なトランスクリプトーム応答のMCB−613誘導は、好中球顆粒が化合物のMI後の炎症作用を調節することができることを示す。これを支持して、LYZ1顆粒発現は、MI後24時間の対照動物と比較して、MCB−613処置マウスの心筋において著しく増加した(
図16C)。
【0140】
実施例4:MCB−613、化合物10−1、及び化合物10−2の薬物動態(PK)研究
MCB−613、化合物10−1、及び化合物10−2の薬物動態をCD−1マウスで試験した。3つの化合物の各々をDMSO(20mg/mL)に溶解し、30%ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンと1:9の比率で混合し、CD−1マウスに強制飼養により腹腔内(ip)または経口(po)で投与した。化合物の投与後、血液試料(化合物あたり3匹のマウス)を9つの時点、すなわち5分、0.25時間、0.5時間、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、及び24時間で、尾静脈から採取した。これらの血液試料から血漿を単離し、化合物の血漿濃度をHPLC−MS/MSによって決定した。薬物動態パラメータは、Zhang et al.,Computer Methods and Programs in Biomedicine,99:306−314(2010)に記載されているように、薬物動態及び薬力学データ分析の分析に使用するアドインプログラムであるプログラムPKSolverを使用して計算した。結果は表1及び2に要約し、半減期(t
1/2)、終末相半減期(終末相t
1/2)、最大濃度が到達された化合物の投与後の時間(t
最大)、観察された化合物の最大濃度(C
最大)、最後の測定可能な濃度までの曲線下面積(AUC
0−t)、無限時間までの曲線下面積(AUC
0−inf)、及び化合物のクリアランス速度(Cl)を含む。
【0141】
表1は、MCB−613、化合物10−1、及び化合物10−2がCD−1マウスに腹腔内投与された上記の研究からの薬物動態データを含む。
【表1】
【0142】
表2は、MCB−613、化合物10−1、及び化合物10−2がCD−1マウスに経口投与された上記の研究からの薬物動態データを含む。
【表2】
【0143】
薬物動態データも
図17に示す。
図17のグラフは、経時的に測定された平均血漿濃度を示す。グラフの上部の列は、MCB−613(左上のグラフ)、化合物10−1(上部中心のグラフ)、及び化合物10−2(右上のグラフ)がCD−1マウスに腹腔内投与された上記の研究からの薬物動態データを示す。グラフの下部の列は、MCB−613(左下のグラフ)、化合物10−1(下部中心のグラフ)、及び化合物10−2(右下のグラフ)がCD−1マウスに経口投与された上記の研究からの薬物動態データを示す。
【0144】
添付の特許請求の範囲の化合物及び方法は、本明細書に記載される特定の化合物及び方法によって範囲が限定されるものではなく、それは、特許請求の範囲のいくつかの態様の例示として意図されており、機能的に同等である任意の化合物及び方法は、この開示の範囲内である。本明細書に示され、かつ記載される修正に加えて、化合物及び方法の様々な修正が、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、ある特定の代表的な化合物、方法、ならびにこれらの化合物及び方法の態様のみが具体的に記載されているが、一方で、他の化合物及び方法は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。したがって、ステップ、要素、構成要素、または構成物の組み合わせは、本明細書で明示的に言及することができるが、しかしながら、明示的に記載されていない場合でも、ステップ、要素、構成要素、及び構成物の他のすべての組み合わせが含まれる。