【実施例】
【0170】
実施例−1 全血球計算を測定する多高間隔デバイス
全血球計算(CBC)を測定するための多間隔QMAXデバイスを使用する一実施例のデバイス及び方法が
図5に示される。デバイスは、希釈なしで1つのデバイス内で全てのCBCパラメータを測定することが可能である。予備試験は、そのようなデバイスを使用する結果が市販機器と比較して正確であることを示す。
【0171】
図5は、全血球計算(CBC)を測定するために多間隔QMAXデバイスを使用する一実施例のデバイス及び方法を示す。
【0172】
デバイスは、PMMAの材料により製造されている。デバイスは、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックにより製造されてもよい。
【0173】
本実施例において使用されるプレート1は、950μm〜1050μmの厚さを有する。プレート1は、200μm〜1500μmの範囲の好ましい厚さを有する。
【0174】
実施例において使用されるプレート2は、170μm〜180μmの厚さを有する。プレート2は、50μm〜250μmの範囲の好ましい厚さを有する。
【0175】
本実験におけるプレート2上で柱1のアレイを有する領域1は、5μmの柱高、90μmの柱間距離、及び20μmの柱サイズを有する。柱は、50μm〜200μmの柱間距離及び5μm〜40μmの柱サイズで、2μm〜6μmの柱高を有してもよい。
【0176】
本実験におけるプレート2上で柱2のアレイを有する領域2は、30μmの柱高、80μmの柱間距離、及び30μmの柱サイズを有する。柱は、50μm〜200μmの柱間距離及び10μm〜50μmの柱サイズで、20μm〜50μmの柱高を有してもよい。
【0177】
領域1は、直径で0.77mmのサイズを有し、1.21mmの周期を有する六角形格子にある環状である。領域1及び領域2は、0.2mm
2〜2mm
2の範囲の領域サイズを有する。領域1及び領域2は、1mm〜3mmの範囲の周期性を有する。
【0178】
各々の領域のサイズ及び各々の領域の周期は、最新の光学系における各々の視野(約3mm×3mm)が両方の領域の情報を有することができることを確実にするように設計される。
【0179】
この実験では、観察された細胞が長方形の直角の隅において容易に凝集され、よって一様に分散されないので、領域1は、長方形でない環状に設計される。
【0180】
WBC及びPLTを染色するためのアクリジンオレンジ染料、並びにRBCを分散するためのZwittergentは、プレート1上にコーティングされる。
【0181】
アクリジンオレンジは、1ng/mm
2〜20ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされ、Zwittergentは、1ng/mm
2〜30ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされる。
【0182】
いくつかの他の実施例では、染色試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。細胞分離試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。細胞溶解試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。
【0183】
いくつかの他の実施例では、細胞染色剤は、ライト染色(エオシン、メチレンブルー)、ギムザ染色(エオシン、メチレンブルー、及びアズールB)、メイ・グリュンワルド染色、リーシュマン染色(「ポリクローム」メチレンブルー(すなわち、様々なアズールに脱メチル化された)及びエオシン)、エリスロシンB染色(エリスロシンB)、並びに限定されないが、アクリジンオレンジ染料、3、3−ジヘキシルオキサカルボシアニンヨージド(DiOC6)、ヨウ化プロピジウム(PI)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びベーシックオレンジ21(BO21)染料、臭化エチジウム、ブリリアントスルファフラビン及びスチルベンジスルホン酸派生物、エリスロシンBもしくはトリパンブルー、ヘキスト33342、三塩酸塩、三水和物、もしくはDAPI(4'、6−ジアミジノ−2−フェニルインドール、ジヒドロクロリド)、を含む他の蛍光染色、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、細胞分離剤は、界面活性剤、Zwittergent、CHAPS、llb、llc、lld、CTAC、Tween20、Tween40、Tween60、Tween80、SLS、CTAB、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、細胞溶解剤は、塩化アンモニウム、重炭酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、酢酸、クエン酸、もしくは他の酸及び塩基、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0184】
そのようなデバイスを使用して全血試料を測定及び分析するとき、以下のステップ、
(a)全血試料(指先で採取した新鮮な血液またはK
2EDTA静脈全血であることができる)及びデバイスを取得することと、
(b)プレートが開放構成において構成されるとき、プレートの一方または両方の上で試料を付着させることと、
(c)(b)の後、2つのプレートを閉鎖構成にさせることと、
(d)プレートが閉鎖構成にある間、デバイスに光を照射し、デバイス内の試料の画像を捕捉することと、
(e)デバイス内の全血球計算を分析するよう画像を分析することと、
を含む。
【0185】
図6は、iphoneに基づく光学系によって撮られた、内部に全血を有する一実施例の実施形態のデバイスの(a)明視野像及び(b)蛍光視野像を示す。
【0186】
5μmの柱高を有する領域1内の赤血球は、単分子層になり、拡大した画像では計数可能である。30μmの柱高を有する領域2内の赤血球は、多分子層になり、よって、HgB測定に対して良好である。
【0187】
白血球及び血小板は、AO染料により染色され、蛍光像内での輝点である。領域1及び領域2の両方の中の白血球は、単分子層になり、拡大した画像で計数可能である。領域1内の血小板は、単分子層であり、拡大した画像で計数可能である。
【0188】
領域2内でのHgBの測定中、そのような測定に対する局所的光学参照としてスペーサー領域における光透過率が使用される。
【0189】
領域1及び領域2内での全ての細胞計数の間、そのような測定に対する局所的寸法補正マーカとして全てのスペーサーの位置、周期、及びサイズが使用される。
【0190】
8人の患者からの全血試料(K2EDTA管内の静脈)が、多高間隔デバイスによって測定され、Horiba Pentra 60Cなどの市販血球計と比較される。6μLの全血は、プレート2上に滴下され、プレート1によって押し付けられている。カードは次いで、
図E2に示されるようにスマートフォンに基づく光学系によって読み取られる。細胞は、OpenCV及び機械学習アルゴリズムの両方を使用したローカルソフトウェアによって計数される。
【0191】
図7は、Horiba Pentra 60Cなどの市販血球計と比較した、多高カードデバイスを使用した全血試料の実施例のHgB及びWBC分析結果を示す。結果は、市販機器と比較して、98%を上回るR2でデバイス及び方法の良好な精度を示す。
【0192】
詳細には、Horiba Pentra 60Cと比較して、市販機器によるHgBの読み取り値は、9g/dL〜15g/dLの測定範囲にわたってR2=98%を有し、市販機器によるWBCの読み取り値は、3×10
3/μL〜40×10
3/μLの測定範囲にわたってR2=99.7%を有する。
【0193】
WBC及びHgB分析のための実施例のデバイスの領域では、
1)各々の領域は、約0.5mm
2〜4mm
2のサイズを有する。
2)領域は、1mm〜3mmの周期性で配列された長方形または六角形である。
3)スペーサー高、プレートの間の間隔、及び/または試料厚さは、約30μmである。
4)スペーサー高、プレートの間の間隔、及び/または試料厚さは、約20μm〜40μmである。
5)スペーサーは、丸角を有する長方形形状である。
6)スペーサーの横寸法は、約30μm×40μmである。
7)スペーサーの横寸法は、10μm〜40μmである。
8)スペーサーの丸角は、10μmの直径を有する。
9)スペーサーは、長方形格子アレイの形態である。
10)スペーサーのスペーサー間間隔は、約80μmある。
11)スペーサーのスペーサー間間隔は、70μm〜150μmである。
12)試薬は、液滴プリントによってアレイにコーティングされる。
13)試薬は、噴霧器によってコーティングされる。
14)アクリジンオレンジまたは他の染色試薬は、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上にコーティングされる。
15)Zwittergentまたは他の界面活性剤は、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上にコーティングされる。
16)アクリジンオレンジは、5ng/mm
2〜20ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされ、Zwittergentは、10ng/mm
2〜30ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされる。
17)第1のプレート及び第2のプレートの材料は、ポリ(メチル、メタクリル)である。
【0194】
RBC及びPLT分析に対する実施形態のデバイスの領域では、
1)以下を除き、上記と同一である。
2)スペーサー高、プレートの間の間隔、及び/または試料厚さは、約5μmである。
3)スペーサー高、プレートの間の間隔、及び/または試料厚さは、2μm〜7μmである。
4)スペーサーの横寸法は、約30μm×40μmである。
5)スペーサーの横寸法は、5μm〜40μmである。
6)アクリジンオレンジまたは他の染色試薬は、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上にコーティングされる。
7)Zwittergentまたは他の界面活性剤は、第1のプレート、第2のプレート、またはその両方の上にコーティングされる。
8)アクリジンオレンジは、10ng/mm
2〜80ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされ、Zwittergentは、20ng/mm
2〜120ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされる。
【0195】
A−2. 異なるスペーサー高を有するQMAX−カードを使用したフック効果の減少
本発明では、いくつかの実施形態では、アッセイにおけるフック効果が、異なるスペーサー高を有するQMAX−カードを使用することによって減少される。理由は、(a)QMAXデバイス(カードとも称される)の面積の試料厚さに対する大きな比率が、アッセイ反応時間と比較して検体の横方向の拡散を無視できるようにし、(b)試料内の単位面積ごとの総検体/干渉は、試料厚さに比例し、よって、試料厚さ(局所的スペーサー高によって決まる)を減少させることは、フック効果を減少させる、ことである。
【0196】
いくつかの実施形態では、アッセイにおけるフック効果を減少させるデバイスは、少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、各々の領域は、異なるスペーサー高を有する。
【0197】
いくつかの実施形態では、アッセイにおけるダイナミック・レンジを増大させるデバイスは、少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、各々の領域は、異なるスペーサー高を有する。
【0198】
いくつかの実施形態では、フック効果を減少させるデバイスは、少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、各々の領域は、異なるスペーサー高を有し、各々の領域内のプレートの内表面は、試薬のコーティングを有する。
【0199】
いくつかの実施形態では、ダイナミック・レンジを増大させるデバイスは、少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、各々の領域は、異なるスペーサー高を有し、各々の領域内のプレートの内表面は、試薬のコーティングを有する。
【0200】
いくつかの実施形態では、各々の異なるスペーサー高領域内でコーティングされた試薬は、同一の濃度を有する。いくつかの実施形態では、各々の異なるスペーサー高領域内でコーティングされた試薬は、異なる濃度を有する。
【0201】
いくつかの実施形態では、本開示は、アッセイにおけるフック効果を減少させる方法を提供し、方法は、
(a)標的検体を含み、または標的検体を含むと疑われる試料を取得することと、
(b)2つ以上の異なるスペーサー高領域を含むQMAXデバイスを有するいずれかの実施形態のデバイスを取得することと、
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートの一方または両方の上で試料を付着させることと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒に合わせ、プレートを閉鎖構成に押し付けることと、
(e)(d)の後、撮像を使用して試料を測定することと、を含み、
試料は、少なくとも2つの異なるスペーサー高領域内で測定される。
【0202】
いくつかの実施形態では、より低いスペーサー高領域内のアッセイは、より高い濃度の検体を測定し、より高いスペーサー高領域内のアッセイは、より低い濃度の検体を測定する。
【0203】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のスペーサー高は、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0204】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内の好ましいスペーサー高は、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0205】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のコーティングされた抗体の濃度は、1ng/mL以下、3ng/mL以下、5ng/mL以下、10ng/mL以下、30ng/mL以下、50ng/mL以下、100ng/mL以下、500ng/mL以下、1μg/mL以下、5μg/mL以下、10μg/mL以下、20μg/mL以下、50μg/mL以下、100μg/mL以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0206】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のコーティングされた抗体の好ましい濃度は、1ng/mL以下、3ng/mL以下、5ng/mL以下、10ng/mL以下、30ng/mL以下、50ng/mL以下、100ng/mL以下、500ng/mL以下、1μg/mL以下、5μg/mL以下、10μg/mL以下、20μg/mL以下、50μg/mL以下、100μg/mL以下、または値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0207】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のビーズのサイズは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0208】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のビーズのサイズは、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0209】
実施例−2 C反応性蛋白(CRP)を測定する多高間隔デバイス
血液試料内のC反応性蛋白(CRP)を分析するデバイスは、
第1のプレート、第2のプレート、スペーサー、及びアダプターを含み、
i.プレートは、異なる構成へと相互に移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートは、可撓性であり、
iii.プレートの各々は、流体試料に接触するための試料接触領域を有する内表面を含み、
iv.プレートの一方または両方は、それぞれのプレートの試料接触領域上に恒久的に固定されたスペーサーを含み、
v.プレートの一方または両方は、各々が異なるスペーサー高を有する、少なくとも2つの領域を有し、
vi.試料接触領域は、少なくとも2つの異なるスペーサー高領域を含み、
vii.プレートの一方または両方は、それぞれのプレートの試料接触領域上にコーティングされた試薬を含み、
viii.試薬は、(a)CRPを捕捉する固体表面(粒子)の成分、(b)CRPを検出する成分、及び(c)全ての試薬を安定させる成分、のうちの少なくとも1つを有し、
ix.アダプターは、(a)筐体と、(b)アダプターがカメラを有する携帯電話に取り付けられることを可能にする筐体上の取り付け部材と、(c)(1)閉鎖構成にあるプレートがスロットに滑り込むこと、(2)プレートがスロット内にあるとき、試料領域の少なくとも一部がカメラの外面から離れて2cm未満であること、を可能にする筐体内のスロットと、(d)カメラによって試料接触領域の少なくとも一部を撮像させるように構成された筐体内の光学系と、を含み、
構成の1つは、開放構成であり、開放構成では、2つのプレートは、部分的にまたは完全に相互に離間し、プレートの間の間隔は、スペーサーによって調節されず、試料は、プレートの一方または両方の上に付着され、
構成の別の1つは、試料が開放構成に付着された後に構成された閉鎖構成であり、閉鎖構成では、試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって異なるスペーサー高を有する各々の領域内で高度に一様な厚さの層に圧縮され、プレートに対して実質的に沈滞し、層の一様な厚さは、2つのプレートの試料接触領域によって制限され、かつプレート及びスペーサーによって調節される。
【0210】
サンドイッチ免疫測定法を使用して抗原をC反応性蛋白(CRP)などの抗原を測定するために多間隔QMAXデバイスを使用する一実施例のデバイス及び方法が
図8に示される。実験者は、1分以内に洗浄しないで多高間隔内でのCRP測定を達成している。それは潜在的に、フック効果を解決することができ、ダイナミック・レンジを拡大することができ、そのような測定の精度を増大させることができる。
【0211】
デバイスは、PMMAの材料により製造された。デバイスは、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックの材料により製造してもよい。
【0212】
実施例において使用されるプレート1は、950μm〜1050μmの厚さを有する。プレート1は、200μm〜1500μmの厚さを有してもよい。
【0213】
実施例において使用されるプレート2は、170μm〜180μmの厚さを有する。プレート2は、50μm〜250μmの厚さを有してもよい。
【0214】
実験におけるプレート2上で柱1のアレイを有する領域1は、5μmの柱高、90μmの柱間距離、及び20μmの柱サイズを有する。柱は、2μm〜6μmの柱高と共に、50μm〜200μmの柱間距離及び5μm〜40μmの柱サイズを有してもよい。
【0215】
実験におけるプレート2上で柱2のアレイを有する領域2は、30μmの柱高、80μmの柱間距離、及び30μmの柱サイズを有する。柱は、50μm〜200μmの柱間距離及び10μm〜50μmの柱サイズと共に、20μm〜50μmの柱高を有してもよい。
【0216】
領域1は、直径で0.77mmのサイズを有し、1.21mmの周期を有する六角形格子にある環状である。領域1及び領域2は、0.2mm
2〜2mm
2の範囲の面積サイズを有する。領域1及び領域2は、1mm〜3mmの範囲の周期性を有する。
【0217】
標識を有する検出抗体などの検出試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。この実験では、検出試薬は、20μg/mLの濃度のCy5と標識された抗CRPマウスモノクローナル検出抗体である。好ましい濃度範囲は、1μg/mL〜50μg/mLである。
【0218】
捕捉抗体などの捕捉試薬は、両方のプレートの間のビーズ上にコーティングされる。この実験では、捕捉試薬は、抗CRPマウスモノクローナル捕捉抗体である。ビーズは、4.5μm〜5.5μmのサイズを有する。好ましいビーズサイズは、1μm、2μm、3μm、5μm、10μm、20μm、50μm、またはそれらの2つの値のいずれかの間のサイズである。
【0219】
そのようなデバイスを使用してC反応性蛋白(CRP)を測定及び分析する方法は、以下を含む。
(a)ビーズへの捕捉抗体のコンジュゲート。COOH活性化済みポリスチレンビーズ(ThermoFisher、直径において5μm)が、抗CRPマウスモノクローナル捕捉抗体(Fitzgerald)にコンジュゲートされた。
(b)ビーズのブロッキング。抗体がコンジュゲートされたビーズを、一晩4℃においてPBS内で4%のBSAによってブロッキングし、使用の前に6回PBSTによって洗浄した。
(c)第1のプレート及び第2のプレートをコーティング。ステップ2からのビーズを、十分にボルテックスし、Essenlix QMAXカードの多高柱によりX−プレート上にプリントし、室内温度において空気乾燥した。約1μg/mL〜50μg/mLの濃度のCy5と標識された抗CRPマウスモノクローナル検出抗体(Fitzgerald)を、基板カード上にプリントし、室内温度において空気乾燥した。
(d)の多高カードによるアッセイ。3μLの試料(様々な濃度のCRP検体(Fitzgerald))を、QMAXカード上のプリントされた領域上に滴下した。QMAXカードは、即時に閉鎖され、ビーズと試料を、1分間培養した。
(e)撮像。洗浄せずに、蛍光像は、レーザ照射を使用してiPhone 6sによって撮像した。
【0220】
図9は、iphoneによって撮像された内部に異なるレベルのCRP(1μg/mL、100ng/mL、0ng/mL)を有する一実施例の実施形態のデバイスの蛍光視野像を示す。デバイスは、領域1内で5μm間隔を有し、領域2内で30μm間隔を有する2つの間隔領域を有する。
【0221】
明確に、(1)抗原(CRP)の同一の濃度では、領域2内のビーズは、領域2内のより大きな間隔高に起因して、領域1よりも明るく、よって、より多くの捕捉体積である。(2)抗原の異なるレベルで、領域1及び領域2の両方の中のビーズは、より高い濃度によりさらに明るくなる。
【0222】
各々の領域の信号を比較することによって、以下の目的が達成される。(1)低い間隔高にあるCRPを測定することによって、CRPの非常に高い濃度におけるフック効果を減少させる。(2)例えば、CRPの高い濃度に対して領域1を使用し、CRPの低い濃度に対して領域2を使用して、CRP測定のダイナミック・レンジを拡大する。(2)同一のデバイス内の異なる高さにある同一の試料を測定することによって統計的誤りを減少させて、CRP測定誤りを減少させる。
【0223】
いくつかの実施例では、捕捉抗体は、プリントすること、噴霧すること、浸すこと、または試薬の同質層もしくは部分層を塗布する他のいずれかの方法によって表面またはビーズに塗布されてもよい。
【0224】
いくつかの実施例では、捕捉抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、改変抗体(例えば、一本鎖可変フラグメント(scFv))、またはそれらのフラグメントのいずれかである。いくつかの実施形態では、コーティングされた捕捉抗体の濃度は、1ng/mL〜1mg/mLの範囲にある。
【0225】
抗体が抗原を検出するために使用されてもよいが、抗原も抗体を検出するために使用されてもよい。
【0226】
いくつかの実施形態では、第1のプレートは、第1のプレートの内表面上にコーティングされた遮断剤を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、第1のプレートは、第1のプレートの内表面上にコーティングされた安定剤を含む。いくつかの実施形態では、安定剤は、限定されないが、スクロース及びグルコースなどの糖類である。いくつかの実施形態では、安定剤は、ポリマーである。あるある特定の実施形態では、安定剤は、グリセロールである。
【0228】
いくつかの実施形態では、第2のプレートは、第2のプレートの内表面上にコーティングされた検出抗体を含む。いくつかの実施形態では、検出抗体は、プリントすること、噴霧すること、浸すこと、または試薬の同質層を塗布する他のいずれかの方法によって表面に塗布されてもよい。ある特定の実施形態では、検出抗体は、第2のプレート上で乾燥される。いくつかの実施形態では、検出抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、改変抗体(例えば、一本鎖可変フラグメント(scFv))、またはそれらのフラグメントのいずれかである。いくつかの実施形態では、コーティングされる検出抗体の濃度は、100ng/mL〜1mg/mLの範囲である。
【0229】
いくつかの実施形態では、検出抗体は、検体に結合した後、検出可能信号を生成するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、信号は、比色定量信号、発光性信号、または蛍光性信号であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、検出抗体は、蛍光性標識によって標識され、検出抗体が検体または捕捉抗体−検体複合体に結合した後に信号を生成する。いくつかの実施形態では、蛍光性標識は、検出抗体を直接標識する。いくつかの実施形態では、蛍光性標識は、検出抗体に結合することができる試薬または検出抗体−検体複合体を標識する。いくつかの実施形態では、二次抗体は、光学検出可能標識、例えば、限定されないが、cy5、IR800、SAPE IRDye800CW、Alexa790、Dylight800などの蛍光体とコンジュゲートされてもよい。
【0230】
いくつかの実施形態では、検出抗体は、信号を増幅することができる化学物質に対して構成され、またはこの化学物質からの信号が増幅されてもよく、この増幅ステップにおける増幅方法は、限定されないが、以下を含む。
【0231】
色に基づく酵素反応、基質によって生成された吸収信号は、検出試薬に結び付けられた酵素によって増幅され、酵素は、西洋わさびペルオキシダーゼを含み、基質は、ABTSまたはTMBを含む。
【0232】
蛍光に基づく酵素反応、基質によって生成された蛍光信号は、検出試薬に結び付けられた酵素によって増幅され、酵素は、西洋わさびペルオキシダーゼまたはβ−ガラクトシダーゼを含み、基質は、Amplex redまたはResorufin β−D−ガラクトピラノシドを含む。
【0233】
実施例−3 全血球数を測定する別の多高間隔デバイス
全血球数(CBC)を測定するために多間隔QMAXデバイスを使用する別の実施例のデバイス及び方法が
図E6に示される。デバイスは、希釈なしで1つのデバイス内の全てのCBCパラメータを測定することが可能である。
【0234】
図10は、多間隔アッセイを使用する別のデバイスの実施例を示す。(a)は、間隔1及び間隔2を有する1D直線的配列による多高アレイの上面図を示し、(b)は、間隔1及び間隔2を有する1D直線的配列による多高アレイの断面概略図を示す。(c)は、内部に希釈されていない全血を有するそのようなデバイスの一実施例の写真を示す。2つの間隔高は、5μm及び30μmである。(d)は、1つの間隔高におけるRBC単層及び別の間隔高におけるRBC多層の明視野写真を示す。(e)は、核酸染色による両方の間隔高におけるPLT及びWBCの蛍光視野を示す。
【0235】
デバイスは、PMMAの材料により製造された。デバイスは、ポリスチレン、PMMA、PC、COC、COP、または別のプラスチックの材料により製造されてもよい。
【0236】
実施例において使用されるプレート1は、950μm〜1050μmの厚さを有する。プレート1は、200μm〜1500μmの範囲の好ましい厚さを有する。
【0237】
実施例において使用されるプレート2は、170μm〜180μmの厚さを有する。プレート2は、50μm〜250μmの範囲の好ましい厚さを有する。
【0238】
実験におけるプレート2上で柱1のアレイを有する領域1は、5μmの柱高、90μmの柱間距離、及び20μmの柱サイズを有する。柱は、50μm〜200μmの柱間距離及び5μm〜40μmの柱サイズと共に、2μm〜6μmの柱高を有してもよい。
【0239】
実験におけるプレート2上で柱2のアレイを有する領域2は、30μmの柱高、80μmの柱間距離、及び30μmの柱サイズを有する。柱は、50μm〜200μmの柱間距離及び10μm〜50μmの柱サイズと共に、20μm〜50μmの柱高を有してもよい。
【0240】
領域1及び領域2は、1.21mmの周期を有する1D格子内に配列される。領域1は、0.66mmの幅を有し、領域2は、0.55μmの幅を有する。
【0241】
領域1及び領域2の好ましい周期は、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2mm、3mm、5mm、10mm、またはそれらのいずれかの間の値である。
【0242】
各々の領域のサイズ及び各々の領域の周期は、現在の光学系における各々の視野(約3mm×3mm)が両方の領域の情報を有することができることを確実にするように設計される。
【0243】
WBC及びPLTを染色するためのアクリジンオレンジ染料、並びにRBCを分散するためのZwittergentは、プレート1上にコーティングされる。
【0244】
アクリジンオレンジは、1ng/mm
2〜20ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされ、Zwittergentは、1ng/mm
2〜30ng/mm
2の面積濃度でプレート上にコーティングされる。
【0245】
いくつかの他の実施例では、染色試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。細胞分離試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。細胞溶解試薬は、プレートの一方またはプレートの両方の上にコーティングされる。
【0246】
実施例1における実験的観察と同様に、5μmの柱高を有する領域1内の赤血球は、単分子層になり、拡大した画像では計数可能である。30μmの柱高を有する領域2内の赤血球は、多分子層になり、よって、HgB測定に対して良好である。
【0247】
白血球及び血小板は、AO染料により染色され、蛍光像内での輝点である。領域1及び領域2の両方の中の白血球は、単分子層になり、拡大した画像では計数可能である。領域1内の血小板は、単分子層であり、拡大した画像では計数可能である。
【0248】
実施例1に勝る実施例3における1D配列の利点は、塗布を走査する間のソフトウェア分析に対してより容易であることである。
【0249】
A−3. 異なるスペーサー高を有するQMAXデバイスを使用したアッセイ
いくつかの実施形態では、アッセイは、異なるスペーサー高領域を有するQMAXデバイスを使用することによって、並びに異なるスペーサー高領域を空間的及び/または時間的に撮像することによって実行される。そのような実施形態は、単一のスペーサー高のアッセイでは得ることができない追加の情報を提供することができる。
【0250】
追加情報は、限定されないが、検体の試薬に対する濃度比率の効果、試薬への検体の結合の効率性、アッセイのダイナミック・レンジ、アッセイの検出の下限、アッセイの検出の上限、検体を試験する定量値、アッセイの直線性、アッセイの動態性能、及びアッセイの定量化の制限を含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、試料内の検体をアッセイするデバイスは、各々が異なるスペーサー高を有する、少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、領域は、それらの表面上にコーティングされた試薬を有し、検体をアッセイすることは、各々の異なるスペーサー高領域からの画像によって提供される情報を比較するステップを含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、各々の異なるスペーサー高領域内でコーティングされる試薬は、同一の濃度を有する。いくつかの実施形態では、各々の異なるスペーサー高領域内でコーティングされる試薬は、異なる濃度を有する。
【0253】
いくつかの実施形態では、試料内の検体をアッセイする方法は、以下を含む。
(a)標的検体を含む、または標的検体を含むと疑われる試料を取得する。
(b)2つ以上の異なるスペーサー高領域を含むQMAXデバイスのいずれかの実施形態のデバイスを取得する。
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートの一方または両方の上に試料を付着させる。
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒に合わせ、プレートを閉鎖構成に押し付ける。
(e)(d)の後、撮像を使用して試料を測定すること。
ここで試料は、少なくとも2つの異なるスペーサー高領域内で測定され、検体をアッセイすることは、各々の異なるスペーサー高領域からの画像によって提供される情報を比較するステップを含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、2つの異なるスペーサー高からの情報の比較は、比率を取得することを含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、2つの異なるスペーサー高からの情報の比較は、減算を取ることを含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、1つの検体は、少なくとも2つの異なるスペーサー高領域内でアッセイされる。
【0257】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの検体は、少なくとも2つの異なるスペーサー高領域内でアッセイされる。
【0258】
いくつかの実施形態では、異なるスペーサー高領域は、異なる測定を実行し、異なる測定は、異なるタイプの測定(例えば、親和性アッセイ、比色定量アッセイ、及び/もしくは核酸)、並びに/または異なるタイプのバイオマーカ(例えば、蛋白質、小分子、細胞、及び核酸)、あるいはそれらの組み合わせである。
【0259】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のスペーサー高は、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0260】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内の好ましいスペーサー高は、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0261】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のコーティングされた抗体の濃度は、1ng/mL以下、3ng/mL以下、5ng/mL以下、10ng/mL以下、30ng/mL以下、50ng/mL以下、100ng/mL以下、500ng/mL以下、1μg/mL以下、5μg/mL以下、10μg/mL以下、20μg/mL以下、50μg/mL以下、100μg/mL以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0262】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のコーティングされた抗体の好ましい濃度は、1ng/mL以下、3ng/mL以下、5ng/mL以下、10ng/mL以下、30ng/mL以下、50ng/mL以下、100ng/mL以下、500ng/mL以下、1μg/mL以下、5μg/mL以下、10μg/mL以下、20μg/mL以下、50μg/mL以下、100μg/mL以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0263】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のビーズのサイズは、3nm以下、10nm以下、50nm以下、100nm以下、200nm以下、500nm以下、800nm以下、1000nm以下、1μm以下、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、100μm以下、150μm以下、200μm以下、300μm以下、500μm以下、800μm以下、1mm以下、2mm以下、4mm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0264】
いくつかの実施形態では、1つのスペーサー高領域内のビーズのサイズは、2μm以下、3μm以下、5μm以下、10μm以下、20μm以下、30μm以下、50μm以下、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0265】
いくつかの実施形態では、異なる生物学的試験及び化学的試験を実行するデバイスは、各々が異なるスペーサー高を有する少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、1つの生物学的試験及び化学的試験は、スペーサー高領域の1つの中で実行され、別の生物学的試験及び化学的試験は、別のスペーサー高領域内で撮像される。
【0266】
いくつかの実施形態では、異なる機能的試験を実行するデバイスは、各々が異なるスペーサー高を有する少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、1つの機能的試験は、スペーサー高領域の1つの中で実行され、別の機能的試験は、別のスペーサー高領域で撮像される。
【0267】
いくつかの実施形態では、異なる生物学的試験及び化学的試験を実行するデバイスは、各々が異なるプレートタイプを有する少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、1つの生物学的試験及び化学的試験は、1つのタイプのプレート領域内で実行され、別の生物学的試験及び化学的試験は、別のタイプのプレート領域内で撮像される。
【0268】
いくつかの実施形態では、異なる生物学的試験及び化学的試験を実行するデバイスは、各々が異なるプレートタイプを有する少なくとも2つの領域を有するいずれかの実施形態のQMAXデバイスを含み、一方の生物学的試験及び化学的試験は、1つのタイプのプレート領域内で実行され、別の生物学的試験及び化学的試験は、別のタイプのプレート領域内で撮像される。
【0269】
いくつかの実施形態では、1つの領域内のプレートタイプは、10%、20%、30%、40%、50%、80%、90%を上回る範囲、または2つの値のいずれかの間の範囲にある測定波長における透過率を有する透明なプレートである。
【0270】
いくつかの実施形態では、1つの領域内のプレートタイプは、10%、20%、30%、40%、50%、80%、90%を上回る範囲、または2つの値のいずれかの間の範囲にある測定波長における反射率を有する非透明なプレートである。
【0271】
いくつかの実施形態では、1つの領域内のプレートタイプは、粗い表面を有する白い非透明なプレートである。
【0272】
いくつかの実施形態では、試料は、変形可能であるが、自己流動可能でない、その形状を有する。
【0273】
上記実施形態における生物学的試験、化学的試験、及び機能的試験は、限定されないが、以下を含んでもよい。
【0274】
限定されないが、白血球数(WBCもしくは白血球(leukocyte)数)、WBC百分率数、赤血球数または赤血球(erythrocyte)数、ヘマトクリット値(Hct)、ヘモグロビン(Hbg)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、赤血球分散幅(RDW)、血小板数、平均血小板容積(MPV)を含む、血球試験。
【0275】
限定されないが、血糖、カルシウム血液試験、心筋酵素試験、コレステロール及び脂質試験、C反応性蛋白試験、D二量体試験、赤血球沈降速度(ESR)試験、葉酸塩試験、HbA1C試験、HCG試験、国際標準化比(INR)試験、鉄試験、腎臓機能試験、肝臓機能試験、マグネシウム血液試験、エストロゲン血液試験、PSA試験、テストステロン血液試験、甲状腺機能試験、ビタミンB12試験、ビタミンD試験を含む、血液試験。
【0276】
被検者がアレルギーを引き起こす物質を決定するRast試験、赤血球が凝集する炎症を確認するESR試験、血液内のビタミンB12(コバラミン)の量を測定するビタミンB12試験、血液内の「善玉コレステロール」のレベルについてのHDL試験、血液内の「悪玉コレステロール」のレベルに対するLDL試験、人体の炎症のレベルについて試験するCRP、15個の血液試験読み取り値を提供するCBCを含む、血液試験。INRは、血液凝固試験、肝臓、尿素、及び電解質によって処理された廃棄物、酵素、及び蛋白質のレベルについてのLFT(肝臓機能試験)試験、腎臓の機能を測定する試験であり、包括的代謝パネル(CMP)は、人体の代謝及び化学物質のバランスの全体的な描写を提供する。
【0277】
限定されないが、T−BIL、D−BIL、TP、ALB、GLO、A/G比率、ALP、AST、ALT、GGT、LDHを含む、肝臓機能試験。
【0278】
限定されないが、尿素、CRE、EGFR、Na、K、Clを含む、腎機能試験。
【0279】
UAを含む、尿酸試験。
【0280】
限定されないが、HBsAg、抗HBsを含む、B型肝炎試験。
【0281】
限定されないが、CEA、CA15−3、CA125、PSA、CA19−9を含む、腫瘍マーカ試験。
【0282】
限定されないが、TSH、F−T4を含む、甲状腺機能試験。
【0283】
限定されないが、CRP、RA因子、ペプシノゲン、ESRを含む、組織炎症スクリーニング。
【0284】
限定されないが、梅毒TP−Ab、HIVを含む、性感染症スクリーニング。
【0285】
ABO、Rh(D)などの血液型試験。
【0286】
外観、PRO、GLU、BIL、URO、RBC、ET、NIT、LEU、SG、pH、尿沈渣を含む、検尿。
【0287】
FOBTを含む、便潜血試験。
【0288】
限定されないが、パップテストを含む、塗抹スクリーニング。
【0289】
限定されないが、IgE試験及びIgG試験を含む、アレルギー及び感度試験。
【0290】
限定されないが、任意の生物流体内の血液の存在について試験するカストル・マイヤ試験、薬物のカテゴリであるサリチラート試験、法医学の目的としての唾液の存在について試験するファデバス試験、澱粉についてのヨウ素試験、特定のアミノ酸についてのバンスライク決定試験、ケトステロイドについてのジマーマン試験、アルドース糖とケトース糖とを識別するためのセリワノフの試験、脂質についての試験、蛋白質内のアルギニンの存在についてのサカグチ試験、蛋白質内のトリプトファンの存在についてのホプキンス・コール反応、蛋白質内のシステインの遊離チオールグループの存在についてのニトロプルシド反応、蛋白質内のシステイン及びシスチンの存在についてのサリバン反応、蛋白質内のトリプトファンの存在についてのアクレー・ローゼンハイム反応、蛋白質内のチロシンまたはヒスチジンの存在についてのパウリ反応、尿内のアルブミンの存在についてのエレールの試験、尿内の胆色素の存在についてのグメリンの試験、尿内の胆色素の存在についてのヘイの試験、並びにその他を含む、生化学的試験。
【0291】
限定されないが、還元多糖または二糖のバーフォード試験、還元糖またはアルデヒドのベネジクト試薬試験、還元糖類またはアルデヒドのフェーリング溶液試験、炭水化物のモーリッシュ試験、還元糖のニーランデル試験、グルコースとフルクトースを識別するラピドフルフラール試験、蛋白質についてのビシンコニン酸アッセイ試験、蛋白質及びポリペプチドのビウレット試薬試験、蛋白質の量を測定するブラッドフォード蛋白質アッセイ、アルファアミラーゼ活性を決定するファデバス・アミラーゼ試験、ペントースについて試験するバイアルの試験、ヘリコバクターピロリによる感染を識別するために使用される尿素呼気試験、梅毒についての抗体試験であるワッセルマン試験を含む、生化学的試験。
【0292】
限定されないが、一級アミンについてのカルビラミン反応、有機亜硝酸塩化合物について試験するグリース試験、メチルケトンまたはメチルケトンに酸化され得る化合物の存在についてのヨードホルム反応試験アルデヒドを検出するシッフ試験、アルデヒドについてのトレンスの試薬(銀鏡)試験、エステルまたはエーテルの存在についてのザイゼル決定試験、一次アルコール、二次アルコール、及び三次アルコールの間を主に決定するために使用されるリュカの試薬、不飽和度及びフェノールの存在について試験するために使用される臭素試験、有機物質を含む物体の年代を決定する放射性炭素年代測定方法、アルカリ性KMnO
4について試験するバイヤーの試験、コレステロールの検出のためのリーバーマンの試験、フェノールについて試験するフタレイン染料試験を含む、有機試験。
【0293】
限定されないが、硫酸塩についての塩化バリウム試験、ハロゲン化物を定性的に試験するバイルシュタイン試験、ある特定の金属について試験する硼砂球試験、ハロゲン化物を定量的に測定するカリウスハロゲン化方法、シアン化物の存在についてのシアン化物試験についての化学的試験、水の存在についてのCN−銅硫酸塩試験、金属について試験する炎色試験、グリニャール試薬の存在についてのギルマン試験、窒素の存在を定量的に決定するケルダール方法、アンモニアの存在についてのネスラーの試薬試験、アンモニアまたは一級アミンについてのニンヒドリン試験、リン酸塩についてのリン酸塩試験、試料内の窒素、硫黄、及びハロゲン化物の存在について試験するナトリウム融解試験、任意の酸性水素についてのツェレビチノフ決定試験、酸、アルデヒド、及び硫化物についてのオディ試験、塩酸の存在について試験するギュンツブルクの試験、乳酸の存在について試験するケリングの試験、砒素の検出についてのマーシュ試験を含む、無機試験。
【0294】
いずれの前のデバイスの実施形態のデバイスも、以下の試験の機能を有する。
【0295】
繊維の識別、混合分析、及びその他などの組成分析。
【0296】
洗浄、浄化、漂白、及びその他における耐変色性試験。
【0297】
実験試料及びその他における研磨及び漂白についての湿潤加工分析。
【0298】
試料の欠陥分析。
【0299】
炭化、溶解、剥離及び染め直し、布地の吸収性、漂白損失、乾燥収縮、並びにその他を含む、一般的な化学的試験。
【0300】
密度、窒素含量、起泡傾向、エマルション安定性、及びその他を含む、パラメータ試験。
【0301】
pH、密度、伝導性、臭気、濁度、総溶解固形物、総硬度、酸性、総塩素、及びその他を含む、水、廃水及びスラッジ分析。
【0302】
遊離ホルムアルデヒド、銅、コバルト、鉛、水銀、ポリ塩化ビニル、APEO/NPEO試験、及びその他を含む、エコパラメータ試験。
【0303】
上記実施形態における生物学的試験、化学的試験、及び機能的試験は、例えば、免疫測定法試験、核酸アッセイ試験、比色定量アッセイ試験、細胞数試験、核酸増幅試験、生物学的画像試験、化学物質画像試験を含む。
【0304】
いずれかの前記デバイスの実施形態のデバイスは、以下の機能及び目的を有する。
1)他の既知の物質との試料の相互作用を決定する。
2)試料の組成を決定する。
3)他の科学的、医療的、及び品質的保証機能に対して標準データを提供する。
4)最終使用に対する適合性を検証する。
5)テクニカルコミュニケーションに対する基準を提供する。
6)いくつかの選択肢の比較の技術的手段を提供する。
7)法的手続における証拠を提供する。
8)仕様、規制、もしくは規約の要件が満たされているかどうかを決定する、または仕様、規制、もしくは規約の要件が満たされていることを検証する。
【0305】
A−4. 異なるレベル高さを有するQMAXデバイス(061)
図2は、第1のプレート10、第2のプレート20、及び第1のプレート11の内表面(断面図には示されない)上に固定された複数のスペーサー(41、42、43)を含む、QMAXデバイスの例示的な実施形態の概略図を示す。パネル(A)は、デバイスの断面図を示し、パネル(B)は、第1のプレート並びにスペーサー(41、42、及び43)の上面図を示す。しかしながら、いくつかの実施形態では、スペーサーは、第2のプレート20、または第1のプレート及び第2のプレートの両方の上に固定されることに留意されるべきである。パネル(A)に示されるように、第1のプレート10は、異なる位置に異なる厚さを有する。各々のスペーサーは、上端、及び上端からスペーサーに隣接した内表面上の最も近い点まで測定された垂直距離である高さを有する。図に示されるように、スペーサー41、42、及び43の3つの異なる組が存在する。スペーサーの各々の組は、同一の高さを有し、すなわち、スペーサー41は、高さL1を有し、スペーサー42は、高さL2を有し、スペーサー42は、高さL3を有する。スペーサーの異なる組は、少なくともそれらの高さにおいて相互に異なり、すなわち、L1、L2、及びL3は、相互に異なる。一方、パネル(A)において破線によって示されるように、各々のスペーサーの上端(断面図に示されるような411、421、及び431)は、同一の平面上で実質的に位置合わせされる。構造的に、異なる組におけるスペーサーは、異なるレベルの第1のプレートの内表面から「発している」ように見える。したがって、スペーサーの高さは、このコンテキストにおいて「レベルの高さ」とも称される。したがって、
図2に示されるようなQMAXデバイスは、異なるレベルの高さを有すると言われる。しかしながら、いくつかの実施形態では、異なるレベルの高さを有するスペーサーの1つよりも多い組が存在することに留意されるべきである。いくつかの実施形態では、異なるレベルの高さを有するスペーサーの2組以上、3組以上、4組以上、5組以上、6組以上、7組以上、8組以上、9組以上、10組以上、15組以上、20組以上、30組以上、50組以上が存在する。
【0306】
本発明の実施例
A1.液体試料を分析するデバイスであって、
第1のプレート、第2のプレート、及びスペーサーを含み、
vi.プレートは、異なる構成へと相互に移動可能であり、
vii.一方または両方のプレートは、可撓性である、弾力性がある、またはその両方であり、
viii.第1のプレートは、その内表面上で、異なる位置において第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域を有し、第1のプレートは、第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域のそれぞれにおいて第1の厚さ及び第2の厚さを有し、試料接触領域は、標的検体を含む、または標的検体を含むと疑われる試料に接触するためのものであり、第1の厚さは、第2の厚さとは異なり、
ix.スペーサーは、第1のプレートの内表面に固定され、各々の試料接触領域内で予め定められた実質的に一様な高さを有し、
x.スペーサーの各々は、上端を有し、スペーサーの上端は、1つの平面または1つの表面内で実質的に位置合わせされ、
構成の1つは、2つのプレートが部分的にまたは完全に離間した開放構成であり、プレートの間の間隔は、スペーサーによって調節されず、試料は、プレートの一方または両方の上に付着され、
構成の別の1つは、閉鎖構成であり、これは開放構成における試料の付着の後に構成され、閉鎖構成では、付着された試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって、
2つのプレートによって制限されかつそれぞれの試料接触領域の各々にわたって実質的に一様な厚さを有する層
に圧縮され、
層の一様な厚さは、それぞれの試料接触領域によって制限され、かつそれぞれの試料接触領域内でプレート及びスペーサーによって調節される、
デバイス。
【0307】
A2.スペーサーの一様な高さは、0.5μm〜100μmである、段落A1に記載のデバイス。
【0308】
A3.スペーサーの一様な高さは、0.5ミクロン〜20ミクロンである、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0309】
A4.第1の試料接触領域内のスペーサーの一様な高さと第2の試料接触領域内のスペーサーの一様な高さとの間の差は、0.5ミクロン〜100ミクロンである、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0310】
A5.第1の試料接触領域内のスペーサーの一様な高さと第2の試料接触領域内のスペーサーの一様な高さとの間の差は、0.5ミクロン〜50ミクロンである、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0311】
A6.スペーサーは、各々の試料接触領域内で予め定められた実質的に一定のスペーサー間距離を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0312】
A7.スペーサーの一定のスペーサー間距離は、7ミクロン〜200ミクロンである、段落A6に記載のデバイス。
【0313】
A8.スペーサーの一定のスペーサー間距離は、50ミクロン〜150ミクロンである、段落A6に記載のデバイス。
【0314】
A9.隣接する試料接触領域の境界の間の分離は、20ミクロン〜1mmの範囲にある、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0315】
A10.隣接する試料接触領域の境界の間の分離は、100ミクロン〜500ミクロンである、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0316】
A11.各々の試料接触領域内の層の一様な厚さの平均値は、その中のスペーサーの一様な高さと実質的に同一であり、10%未満の変動を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0317】
A12.第1のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、標的検体と結合及びそれを固定することができる捕捉剤を含む結合部位を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0318】
A13.閉鎖構成では、試料接触領域のいずれか1つの中の層の一様な厚さは、その中の結合部位の予め定められた横方向面積よりも実質的に少ない、段落A12に記載のデバイス。
【0319】
A14.第2のプレートは、異なる位置において、第1のプレートの第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域にそれぞれ対応する、第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域を有し、それぞれの対応する試料接触領域は、閉鎖構成では、互いの上にある、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0320】
A15.第2のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、検出剤を含み、試料に接触すると、試料内で溶解及び拡散する、貯蔵部位を有する、段落A14に記載のデバイス。
【0321】
A16.隣接する試料接触領域の境界の間の最小の分離は、標的検体または検出剤が関連する時間内に拡散することができる距離よりも実質的に大きく、関連する時間は、
i.標的検体が閉鎖構成において一様な厚さの層の厚さにわたって拡散するのに要する時間にほぼ等しくまたはそれよりも長く、
ii.標的検体が結合部位の予め定められた領域の直線的寸法にわたって横方向に拡散するのに要する時間よりも短い、
前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0322】
A17.隣接する試料接触領域の間に流体の隔離が存在しない、前の段落のいずれか1つに記載のデバイス。
【0323】
C1.液体試料を分析する方法であって、
(a)標的検体を含む、または標的検体を含むと疑われる試料を取得するステップと、
(b)第1のプレート、第2のプレート、及びスペーサーを取得するステップであって、
i.プレートは、異なる構成へと相互に移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートは、可撓性である、弾力性がある、またはその両方であり、
iii.第1のプレートは、その内表面上で、異なる位置において第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域を有し、第1のプレートは、第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域のそれぞれにおいて第1の厚さ及び第2の厚さを有し、試料接触領域は、標的検体を含む、または標的検体を含むと疑われる試料に接触するためのものであり、第1の厚さは、第2の厚さとは異なり、
iv.スペーサーは、第1のプレートの内表面に固定され、各々の試料接触領域内で予め定められた実質的に一様な高さを有し、
v.スペーサーの各々は、上端を有し、スペーサーの上端は、1つの平面または1つの表面内で実質的に位置合わせされる、取得するステップと、
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートの一方または両方の上で試料を付着させるステップであって、
開放構成では、2つのプレートは、部分的または全体的に離間し、2つのプレートの間の間隔は、スペーサーによって調節されず、試料は、プレートの一方または両方の上に付着される、付着させるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にして、プレートを閉鎖構成に押し付けるステップであって、
押し付けることは、プレートを共に閉鎖構成に押し付けるよう、並列または直列のいずれかで、プレートの少なくとも1つの領域を整合して押し付けることを含み、整合して押し付けることは、試料の少なくとも一部にわたってプレート上で実質的に一様な圧力を生じさせ、押し付けることは、プレートの内表面の間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、
閉鎖構成は、開放構成における試料の付着の後に構成され、閉鎖構成では、付着された試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって、
2つのプレートによって制限されかつ試料接触領域の各々にわたってそれぞれの実質的に一様な厚さを有する層
に圧縮され、
層の一様な厚さは、プレートのそれぞれの試料接触領域によって制限され、かつそれぞれの試料接触領域内でプレート及びスペーサーによって調節される、押し付けるステップと、
(e)プレートが閉鎖構成にあるとき、一様な厚さの層内で標的検体を分析するステップと、
を含む、方法。
【0324】
C2.スペーサーの一様な高さは、0.5μm〜100μmである、段落C1またはCC1のいずれか1つに記載の方法。
【0325】
C3.スペーサーの一様な高さは、0.5μm〜20μmである、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0326】
C4.異なる試料接触領域内のスペーサーの一様な高さの間の差は、0.5ミクロン〜100ミクロンである、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0327】
C5.異なる試料接触領域内のスペーサーの一様な高さの間の差は、0.5ミクロン〜50ミクロンである、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0328】
C6.スペーサーは、各々の試料接触領域内で予め定められた実質的に一定のスペーサー間距離を有する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
C7.スペーサーの一定のスペーサー間距離は、7ミクロン〜200ミクロンである、段落C6に記載の方法。
【0330】
C8.スペーサーの一定のスペーサー間距離は、50ミクロン〜150ミクロンの範囲にある、段落C6に記載の方法。
【0331】
C9.隣接する試料接触領域の境界の間の分離は、20ミクロン〜1mmの範囲にある、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
C10.隣接する試料接触領域の境界の間の分離は、100ミクロン〜500ミクロンの範囲にある、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
C11.各々の試料接触領域内の層の一様な厚さの平均値は、その中のスペーサーの一様な高さと実質的に同一であり、10%未満の変動を有する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
C12.ステップ(d)の後、及びステップ(e)の前に、整合して押し付ける力を取り除くことを更に含み、整合して押し付ける力を取り除いた後の一様な厚さの層の厚さは、(i)整合して押し付ける力を取り除く前の一様な厚さの層と実質的に同一であり、(ii)10%未満でスペーサー高から逸脱する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0335】
C13.整合して押し付けることは、人間の手によって実行される、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0336】
C14.整合して押し付けることは、加圧された液体、加圧された気体、または整合した材料によってもたらされる、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0337】
C15.ステップ(c)の試料の付着は、いずれの移送デバイスをも使用しない、被検者からプレートへの直接の付着である、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
C16.ステップ(c)の付着の間、プレートの上に付着された試料の量は未知である、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0339】
C17.ステップ(e)における分析することは、一様な厚さの層内でアッセイを実行することを含む、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0340】
C18.アッセイは、結合アッセイまたは生化学的アッセイである、段落C17に記載の方法。
【0341】
C19.第1のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、標的検体と結合及びそれを固定することができる捕捉剤を含む結合部位を有する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0342】
C20.閉鎖構成では、試料接触領域のいずれか1つの中の層の一様な厚さは、その中の結合部位の予め定められた横方向面積よりも実質的に少ない、段落C19に記載の方法。
【0343】
C21.第2のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、ある濃度の検出剤を含み、試料に接触すると、試料内で溶解及び拡散する、貯蔵部位を有する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0344】
C22.隣接する試料接触領域の境界の間の最小の分離は、標的検体または検出剤が関連する時間内に拡散することができる距離よりも実質的に大きく、隣接する試料接触領域の間の流体の隔離が存在せず、関連する時間は、
i.標的検体が閉鎖構成において一様な厚さの層の厚さにわたって拡散するのに要する時間にほぼ等しくまたはそれよりも長く、
ii.標的検体が結合部位の予め定められた領域の直線的寸法にわたって横方向に拡散するのに要する時間よりも短い、
前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0345】
C23.ステップ(e)の分析することは、
(1)関連する時間長で試料を培養し、次いで、培養を停止すること、または
(2)関連する時間長の最小値以上である時間の間に試料を培養し、次いで、関連する時間長の最大値以下である時間周期内に、結合部位への各々の標的検体の結合を評価すること、を含み、
それによって、(1)における培養の終わりに、または(2)における評価の間、各々の結合部位に結合された捕捉剤−標的検体−検出剤の挟み込み内の標的検体の大部分が、試料の対応する関連するからである反応を生じさせ、
培養は、各々の標的検体が結合部位及び検出剤に結合することを可能にし、対応する関連する体積は、閉鎖構成における対応する貯蔵部位の上にある試料の一部である、
前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0346】
C24.反応は、60秒未満で飽和される、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
C25.関連する時間長は、60秒〜30秒の範囲にある、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0348】
C26.ステップ(e)における分析することは、
i.光ミネセンス、電気ルミネセンス、または電気化学ルミネッセンスから選択される発光と、
ii.光吸収、反射、透過、回折、散乱、または拡散と、
iii.表面ラマン散乱と、
iv.レジスタンス、キャパシタンス、またはインダクタンスから選択される電気インピーダンスと、
v.磁気緩和率と、
vi.i〜vのいずれかの組み合わせと、
からなる群から選択される標的検体関連信号を測定することを含み、
標的検体関連信号は、試料内の標的検体の量に比例し、及び試料内の標的検体の量を反映する、
前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
C27.分析するステップ(e)は、
関連する試料接触領域から測定された標的検体関連信号からの最適信号を決定することを含み、関連する試料接触領域は、同一の標的検体を検出するための、結合部位、貯蔵部位、または両方の部位を含む試料接触領域である、段落C26に記載の方法。
【0350】
C28.最適標的検体関連信号は、最小検出閾値と最大検出閾値との間の範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、プレート及び検出器の最小検出閾値及び最大検出閾値は、信号測定に対して使用される、段落C26に記載の方法。
【0351】
C29.最適標的検体関連信号は、アッセイの線形検出範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、線形検出範囲は、中で信号強度がアッセイされる標的検体の量との線形相関性を有する、標的検体関連信号の強度の範囲である、段落C26に記載の方法。
【0352】
C30.分析するステップ(e)は、関連する試料体積の体積を、関連する試料体積の横方向領域を測定し、横方向領域及び予め定められたスペーサー高からの体積を算出することによって算出することを含み、関連する体積は、試料の一部または全体の体積である、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0353】
C31.分析するステップ(e)は、標的検体、標的検体の画像分析、標的検体の計数、またはそれらの組み合わせを読み取ることを含む、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0354】
C32.1つ以上の洗浄を更に含む、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。洗浄のステップの例は、(1)結合していない検体を取り除き、(2)結合していない検出検体を取り除き、PBSTなどの洗浄溶剤を使用して非特有検体を取り除くよう、プレート(第1のプレートまたは第2のプレート)を洗浄する。
【0355】
C33.付着された試料は、0.5マイクロリットル未満の総体積を有する、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0356】
C34.液体試料は、羊水、水様液、ガラス体液、血液(例えば、全血、分画された血液、血漿または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(耳あか)、乳糜、チャイム、内リンパ、外リンパ、糞便、息、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻水及び痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、つば、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、及びいずれかのそれらの組み合わせからなる群から選択される生物学的試料から作られる、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0357】
C35.試料は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲み水からなる群から選択される源からの環境液体試料、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木、煉瓦、下水からの固体試料、及びいずれかのそれらの組み合わせである、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0358】
C36.試料は、空気、水中排熱口、産業排気、車両排気、及びいずれかのそれらの組み合わせからなる群から選択される源からの環境気体試料である、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0359】
C37.試料は、生原料、調理された食物、食物の植物源及び動物源、前加工された食物、部分的または完全に加工された食べ物、ならびにいずれかのそれらの組み合わせからなる群から選択される食料試料である、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0360】
C38.試料は、人間の血液であり、付着させるステップは、(a)皮膚上に血液の液滴を投下するよう、人間の皮膚を刺すことと、(b)血液移送具の使用なしに、血液の液滴をデバイスのプレートの1つと接触させることと、を含む、前の方法の段落のいずれか1つに記載の方法。
【0361】
D1.液体試料の並列多重化されたアッセイのための方法であって、
(a)標的検体を含むと疑われる試料を取得するステップと、
(b)第1のプレート、第2のプレート、及びスペーサーを取得するステップであって、
i.プレートは、開放構成と閉鎖構成とを含む異なる構成へと、相互に移動可能であり、
ii.一方または両方のプレートは、可撓性であり、
iii.第1のプレートは、その内表面上で、異なる位置において第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域を有し、第1のプレートは、第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域のそれぞれにおいて第1の厚さ及び第2の厚さを有し、試料接触領域は、標的検体を含む、または標的検体を含むと疑われる試料に接触するためのものであり、第1の厚さは、第2の厚さとは異なり、
iv.第1のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、標的検体と結合及びそれを固定することができる捕捉剤を含む結合部位を有し、
v.第2のプレートは、試料接触領域の少なくとも1つの上で、予め定められた横方向面積を有し、検出剤を含み、試料に接触すると、試料内で溶解及び拡散する、貯蔵部位を有し、
vi.スペーサーは、プレートの一方または両方のそれぞれの内表面に固定され、各々の試料接触領域内で予め定められた実質的に一様な高さを有し、
vii.スペーサーの各々は、上端を有し、スペーサーの上端は、1つの表面内で実質的に位置合わせされ、
各々の捕捉剤、標的検体、及び対応する検出剤は、第1のプレートの結合部位内で捕捉剤−標的検体−検出剤の挟み込みを形成することが可能である、取得するステップと、
(c)プレートが開放構成にあるとき、プレートの一方または両方の上で試料を付着させるステップであって、
開放構成は、2つのプレートが部分的または全体的に離間した構成であり、プレートの間の間隔は、スペーサーによって調節されず、試料は、プレートの一方または両方の上に付着される、付着させるステップと、
(d)(c)の後、2つのプレートを一緒にして、プレートを閉鎖構成に押し付けるステップであって、
押し付けることは、プレートを共に閉鎖構成に押し付けるよう、並列または直列のいずれかで、プレートの少なくとも1つの領域を整合して押し付けることを含み、整合して押し付けることは、試料の少なくとも一部にわたってプレート上で実質的に一様な圧力を生じさせ、押し付けることは、プレートの内表面の間で試料の少なくとも一部を横方向に広げ、
閉鎖構成は、開放構成における試料の付着の後に構成され、閉鎖構成では、2つのプレート上の対応する試料接触領域は、それぞれ互いの上にあり、付着された試料の少なくとも一部は、2つのプレートによって、2つのプレートによって制限されかつ試料接触領域の各々にわたってそれぞれの実質的に一様な厚さを有する層に圧縮され、層の一様な厚さは、プレートのそれぞれの試料接触領域によって制限され、かつそれぞれの試料接触領域内でプレート及びスペーサーによって調節される、押し付けるステップと、
(e)(d)の後、及びプレートが閉鎖構成にある間、
(1)関連する時間長の間に試料を培養し、次いで、培養を停止するステップ、または
(2)関連する時間長の最小値以上である時間の間に試料を培養し、次いで、関連する時間長の最大値以下である時間周期内に、結合部位への各々の標的検体の結合を評価するステップ、であって、
それによって、(1)における培養の終わりに、または(2)における評価の間、各々の結合部位に結合された捕捉剤−標的検体−検出剤の挟み込み内の標的検体の大部分が、試料の対応する関連する体積からである反応を生じさせ、
培養は、各々の標的検体が結合部位及び検出剤に結合することを可能にし、対応する関連する体積は、閉鎖構成において対応する貯蔵部位の上にある試料の一部であり、
関連する時間は、
(i)標的検体が閉鎖構成において一様な厚さの層の厚さにわたって拡散するのに要する時間にほぼ等しくまたはそれよりも長く、
(ii)標的検体が結合部位の予め定められた領域の直線的寸法にわたって横方向に拡散するのに要する時間よりも短い、停止するステップ、または評価するステップと、
を含む、方法。
【0362】
D3.分析するステップ(e)は、
関連する試料接触領域から測定された標的検体関連信号からの最適信号を決定することを含み、関連する試料接触領域は、同一の標的検体を検出するための、結合部位、貯蔵部位、または両方のサイトを含む試料接触領域である、段落D2に記載の方法。
【0363】
D4.最適標的検体関連信号は、最小検出閾値と最大検出閾値との間の範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、プレート及び検出器の最小検出閾値及び最大検出閾値は、信号測定のために使用される、段落D3に記載の方法。
【0364】
D5.最適標的検体関連信号は、アッセイの線形検出範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、線形検出範囲は、その中で信号強度がアッセイされる標的検体の量との線形相関性を有する、標的検体関連信号の強度の範囲である、段落D3に記載の方法。
【0365】
E1.結合部位は、乾燥した試薬のパッチによって定義される、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0366】
E2.結合部位は、電極の対の間にある、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0367】
E3.一方または両方のプレートの内表面は、標的検体が増幅サイトから500nm内にあるとき、各々が標的検体関連信号を増幅することができる1つまたは複数の増幅サイトを含む、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0368】
E4.プレートは、200μm未満の厚さを有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0369】
E5.プレートは、100μm未満の厚さを有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0370】
E6.プレートの各々は、5cm
2未満の面積を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0371】
E7.プレートの各々は、2cm
2未満の面積を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0372】
E8.プレートの少なくとも1つは、部分的または全体的に透明である、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0373】
E9.プレートの少なくとも1つは、可撓性ポリマーから作成される、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0374】
E10.プレートの少なくとも1つは、可撓性のプレートであり、可撓性のプレートの厚さを可撓性のプレートのヤング率で乗じたものは、60GPa−μm〜75GPa−μmの範囲にある、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0375】
E11.スペーサーは、円形、多角形、環状、正方形、長方形、卵型、楕円形、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択される断面形状を有するスペーサーである、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0376】
E12.スペーサーは、柱形状及び実質的に平坦な上面を有し、各々のスペーサーについて、スペーサーの横寸法のその高さに対する比率は、少なくとも1である、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0377】
E13.各々のスペーサーは、少なくとも1である、スペーサーの横寸法のその高さに対する比率を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0378】
E14.スペーサーの最小横寸法は、試料内の標的検体の最小寸法未満であるか、実質的に等しい、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0379】
E15.スペーサーは、柱形状を有し、スペーサーの側壁の角は、少なくとも1μmで屈曲する半径を有する円形形状を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0380】
E16.スペーサーは、少なくとも100/mm
2の密度を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0381】
E17.スペーサーは、少なくとも1000/mm
2の密度を有する、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0382】
E18.スペーサーは、少なくとも1%の充填率を有し、充填率は、一様な厚さの層と接触するスペーサー面積の、一様な厚さの層と接触する総プレート面積に対する比率である、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0383】
E19.スペーサーのヤング率をスペーサーの充填率で乗じたものは、10MPa以上であり、充填率は、一様な厚さの層と接触するスペーサー面積の一様な厚さの層と接触する総プレート面積に対する比率である、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0384】
E20.
a.プレートの少なくとも1つは、可撓性である、弾力性がある、またはその両方であり、
b.可撓性のプレートについて、スペーサー間距離(ISD)の4乗を可撓性のプレートの厚さ(h)及び可撓性のプレートのヤング率(E)で除したもの、すなわちISD
4/(hE)は、10
6μm
3/GPa以下である、
前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0385】
E21.スペーサーは、プレートを直接エンボス加工すること、またはプレートの射出成形によってプレート上で固定される、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0386】
E22.プレート及びスペーサーの材料は、ポリスチレン、PMMG、PC、COC、COP、または別のプラスチックから独立して選択される、前の段落のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0387】
M2
(a)第1のプレートのレーザ切断、
(b)第2のプレートのナノインプリントまたは押出成形プリント、
を含む、MA1〜MA4のいずれかの実施形態のQ−カードを製造する方法の実施形態。
【0388】
M3
(a)第1のプレートの射出成形及びレーザ切断、
(b)第2のプレートのナノインプリントまたは押出成形プリント、
を含む、MA1〜MA4のいずれかの実施形態のQ−カードを製造する方法の実施形態。
【0389】
M4 第1のプレート及び第2のプレートの両方の上で製造するためのナノインプリントまたは押出成形プリントを含む、MA1〜MA4のいずれかの実施形態のQ−カードを製造する方法の実施形態。
【0390】
M5 第1のプレートの射出成形、レーザ切断、ナノインプリント、押出成形プリント、またはそれらの組み合わせを使用して、第1のプレートまたは第2のプレートを製造することを含む、MA1〜MA4のいずれかの実施形態のQ−カードを製造する方法の実施形態。
【0391】
第1のプレート及び第2のプレートの製造の後、第1のプレート及び第2のプレート上にヒンジを取り付けるステップを更に含む、M1〜M5のいずれかの実施形態の方法。
【0392】
B.異なるスペーサー高を有するQMAXデバイス
B−1.異なるスペーサー高を有するQMAXデバイスの実施例
本発明の一態様は、異なる高さのスペーサーを含む、液体試料を分析するQMAXデバイスを提供する。
【0393】
図3は、第1のプレート10及び第2のプレート20を含む、QMAXデバイスの一実施形態を概略的に示す。特に、パネル(A)は、第1のプレート10及び第2のプレート20の斜視図及び断面図の両方を示す。プレートの各々はそれぞれ、内表面(11及び21)並びに外面(12及び22)を含む。第1のプレート10は、その内表面11上に、1つの位置に第1の試料接触領域1011を、及び別の位置に第2の試料接触領域1012を有する。第2のプレート20も、その内表面21上に、第1のプレートの第1の試料接触領域1011及び第2の試料接触領域1012のそれぞれに対応する、第1の試料接触領域及び第2の試料接触領域(図示せず)を有する。(「対応する」の意味は、以下で詳細に論じる)。試料接触領域は、デバイスを使用して分析される試料に接触するためのものである。更に、示されるように、第1のプレート10は、複数のスペーサー(41及び42)を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、第2のプレート20または第1のプレート10及び第2のプレート20の両方は、それぞれの内表面上でスペーサーを有することに留意されるべきである。いくつかの実施形態では、スペーサー(42及び42)は、プレート10及びプレート20の一方または両方に固定される。本明細書での「固定される」という用語は、スペーサーがプレートに取り付けられること、及び取り付けがプレートの1つ以上の使用の間に維持されることを意味する。
【0394】
いくつかの実施形態では、本発明におけるQMAXデバイスは、限定されないが、2015年8月10日に出願された米国仮特許出願第62/202,989号、2015年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/218,455号、2016年2月9日に出願された米国仮特許出願第62/293,188号、2016年3月8日に出願された米国仮特許出願第62/305,123号、2016年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/369,181号、2016年9月15日に出願された米国仮特許出願第62/394,753号、2016年8月10日に出願された国際特許出願(米国を指定)第PCT/US2016/045437号、2016年9月14日に出願された国際特許出願(米国を指定)第PCT/US2016/051775号、2016年9月15日に出願された国際特許出願(米国を指定)第PCT/US2016/051794号、及び2016年9月27日に出願された国際特許出願(米国を指定)第PCT/US2016/054025号に記載されたQMAXデバイスを含み、それらの完全な開示は、全ての目的のために参照により、本明細書に組み込まれる。
【0395】
いくつかの実施形態では、第1の試料接触領域1011及び第2の試料接触領域1012のそれぞれの内部にスペーサーの少なくとも1つが存在する。
図3に示されるように、スペーサー41及び42は、第1の試料接触領域1011及び第2の試料接触領域1012のそれぞれの内部にある。第1の試料接触領域の上のスペーサー41(以下、「スペーサーの第1の組」)は、第1の一様な高さ411及び一様なスペーサー間距離を有し、第2の試料接触領域42の上のスペーサー(以下、「スペーサーの第2の組」)もそうである。いくつかの実施形態では、第1の一様な高さ411は、スペーサー42の第2の組の第2の一様な高さ421とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の一様な高さまたは第2の一様な高さは、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、200μm以上、500μm以上、1mm以上、750μm以下、250μm以下、150μm以下、75μm以下、25μm以下、15μm以下、7.5μm以下、1.5μm以下、750nm以下、250nm以下、150nm以下、75nm以下、25nm以下、または15nm以下である。いくつかの実施形態では、第1の一様な高さと第2の一様な高さとの間の差は、5nm以上、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、200μm以上、500μm以上、1mm以上、750μm以下、250μm以下、150μm以下、75μm以下、25μm以下、15μm以下、7.5μm以下、1.5μm以下、750nm以下、250nm以下、150nm以下、75nm以下、25nm以下、15nm以下、または7.5nm以下である。
【0396】
いくつかの実施形態では、スペーサーは、一定のスペーサー間距離を有する。いくつかの実施形態では、第1の組のスペーサーは、第1の一定のスペーサー間距離を有し、第2の組のスペーサーは、異なる第2の一定のスペーサー間距離を有する。いくつかの実施形態では、一定のスペーサー間距離は、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、200μm以上、500μm以上、1mm以上、750μm以下、250μm以下、150μm以下、75μm以下、25μm以下、15μm以下、7.5μm以下、1.5μm以下、750nm以下、250nm以下、150nm以下、75nm以下、25nm以下、または15nm以下である。いくつかの実施形態では、一定のスペーサー間距離は、標的検体のサイズの少なくとも2倍大きい。いくつかの実施形態では、一定のスペーサー間距離は、最大で200μmである。
【0397】
図3は更に、第1のプレート10及び第2のプレート20が、開放構成と閉鎖構成とを含む異なる構成へと、相互に移動可能であることを示す。
図B1のパネル(A)及び(B)は、開放構成のいくつかの実施形態を表す。開放構成では、2つのプレートは、部分的または完全に離間し、プレートの間の間隔は、スペーサー(41及び42)によって調節されない。パネル(B)に示されるように、開放構成にあるプレートの間の間隔は、試料90が第1のプレート10上に付着されることを可能にする。しかしながら、いくつかの実施形態では、試料90は、第2のプレート20上で、またはプレート10及びプレート20の両方の上のいずれかで付着される。
【0398】
図3のパネル(C)は、
図3のパネル(B)に例示されたような試料付着の後に構成された、2つのプレートの閉鎖構成の例示的な実施形態を示す。閉鎖構成では、2つのプレートは、相互にそれらの内表面11及び内表面21に対向するように移動する。その結果、付着された試料90の少なくとも一部は、2つのプレートによって層904に圧縮される。図に示されるように、層904は、第1の試料接触領域1011において第1の一様な厚さ9041(示されず)を有し、第2の試料接触領域1012において第2の一様な厚さ9042(示されず)を有する。いくつかの実施形態では、第1の一様な厚さ9041及び第2の一様な厚さ9042は、スペーサー41の第1の組及びスペーサー42の第2の組のそれぞれによって調節される。いくつかの実施形態では、第1の一様な厚さ9041は、第2の一様な厚さ9042とは異なる。本明細書で使用される場合、「一様な厚さの層」という用語は、連続した実質的な横方向領域にわたって一様な厚さを有する試料の層を指し、一様な厚さは、1つの実質的な横方向領域において別の領域とは異なる。いくつかの実施形態では、実質的な横方向領域が占める層の横方向領域全体の率は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、100%、以上であり、またはそれらの値のいずれかの2つの間の範囲にある。
【0399】
いくつかの実施形態では、それぞれの対応する試料接触領域は、閉鎖構成において相互の上にあり、第1のプレート上の第1の試料接触領域と、第2のプレート上の、その対応する第1の試料接触領域とが、閉鎖構成において相互に対向するように構成され、第1のプレートと、第2のプレート上の、対応する第2の試料接触領域もそうであることを意味する。QMAXデバイスのある特定のコンテキストにおいて本明細書で使用される場合、「対応する」という用語は、それぞれが閉鎖構成において相互に対向する、QMAXデバイスの2つのプレートの各々に属する被検者(例えば、第1の試料接触領域または第2の試料接触領域、結合部位、貯蔵部位)の対の間の関係を指す。
【0400】
図4は、本発明によって提供されるデバイスのいくつかの例示的な実施形態を示す。図に示されるように、デバイスは、第1のプレート10上で2つよりも多い試料接触領域を含む。パネル(A)は、第1のプレート10が第1の試料接触領域1011、第2の接触領域1012、及び第3の試料接触領域1013を有することを示す。各々の試料接触領域では、少なくとも1つのスペーサーがそれぞれ存在する。ここで、スペーサー41、42、及び42は、試料接触領域1011、1012、及び1013のそれぞれの中にある。いくつかの実施形態では、スペーサーの全ての3つの組は、相互に異なるそれぞれの一様な高さを有する。パネル(B)は、4つの試料接触領域(1011、1012、1013、及び1014)並びに異なる一様な高さのスペーサー(41、42、43、及び44)の4つの組が存在する、別の例示的なデバイスを示す。他の実施形態では、デバイスが含む試料接触領域の数が5、6、7、8、9、10、20、30、50、75、100、200、500、1000以上であり、または値のいずれかの2つの間の範囲にあることも可能である。
【0401】
いくつかの実施形態では、異なる試料接触領域において異なる一様な厚さを有する一様な厚さ904の層の形成を可能にするために、第1のプレート10及び第2のプレート20の一方または両方は、可撓性である。
【0402】
いくつかの実施形態では、2つの隣接するスペーサーの組の間の距離は、10nm以上、20nm以上、50nm以上、100nm以上、200nm以上、500nm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、10μm以上、20μm以上、50μm以上、100μm以上、200μm以上、500μm以上、1mm以上、750μm以下、250μm以下、150μm以下、75μm以下、25μm以下、15μm以下、7.5μm以下、1.5μm以下、750nm以下、250nm以下、150nm以下、75nm以下、25nm以下、または15nm以下である。本明細書で使用される場合、「スペーサーの組」という用語は、一様な高さを有する連続したスペーサーの群を指し、一様な高さは、同一のQMAXデバイス上の他のスペーサーの高さとは異なり、例えば、上記説明されたように、第1のスペーサーの組またはスペーサー41の第1の組は、第2のスペーサーの組42の第2の一様な高さ421とは異なる第1の一様な高さ411を有する。「2つの隣接するスペーサーの組の間の距離」という用語は、2つの隣接するスペーサーの組の各々からの2つのスペーサーの間の最小距離として定義される。いくつかの実施形態では、2つの隣接するスペーサーの組の間の距離及び2つのプレートの可撓性は、閉鎖構成では、異なる試料接触領域において異なる厚さ及び一様な厚さを有する一様な厚さの層に試料の一部を圧縮することができるような様式において設計される。いくつかの実施形態では、2つの隣接するスペーサーの組の間の距離及び2つのプレートの可撓性は、2つのプレートのいずれかの所与の位置において、2つのプレートの間の間隔が、局所的スペーサーによってのみ調節され、遠隔のスペーサーによって影響されないような様式において設計される。その結果、プレートの横寸法にわたる層の一様な厚さは、スペーサーによって全て調節される。
【0403】
いくつかの実施形態では、並列または直列のいずれかで、QMAXデバイスを閉鎖構成に整合して押し付けることが可能である。整合して押し付けることは、プレートの外面の形状の変動に関わらず、領域にわたって加えられる圧力を実質的に一定にする方法であり、特に、並列に整合して押し付けることは、意図した領域に対して圧力を同時に加え、直列に整合して押し付けることは、意図した領域の一部に対して圧力を加え、他の領域に徐々に移動させる。整合して押し付けることは、人間の手、通気、液体の圧力、または他の力によって加えられてもよい。
【0404】
いくつかの実施形態では、QMAXデバイスは、デバイスを開放構成から閉鎖構成に移動させる外力を取り除いた後、閉鎖構成においてそれ自体で保持される。「自体で保持することは」は、限定されないが、毛管力など、外力よりも2つのプレートの内表面の間に存在する力に起因し得る。いくつかの実施形態では、外力を取り除いた後の一様な厚さの層の厚さは、整合して押し付ける力を取り除く前の一様な厚さの層の厚さと実質的に同一である。いくつかの実施形態では、外力を取り除いた後、一様な厚さの層の厚さは、50%、40%、30%、20%、10%、8%、5%、2.5%、1%、0.75%、0.5%、0.25%、0.1%、または0以下である数で、スペーサー高から逸脱する。いくつかの実施形態では、整合して押し付ける力を取り除いた後、一様な厚さの層の厚さは、10%未満でスペーサー高から逸脱する。
【0405】
B−2.体積多重化
いくつかの実施形態では、異なる高さを有するスペーサーは、QMAXデバイスを使用することができる試料分析に、多重化する可能性がある層を追加することができる。これは、一様な厚さの層では、スペーサー高が、分析されることになる試料の関連する体積を調節し、したがって、関連する体積内に含まれる標的検体の量を調節するという事実に起因する。「関連する体積」という用語は、試料の体積の一部または全体を指す。いくつかの実施形態では、一様な厚さの層では、試料の関連する体積は、関連する試料体積の横方向領域を測定し、横方向領域及び予め定められたスペーサー高から体積を算出することによって決定されてもよい。したがって、関連する体積は、一様な厚さの層の所与の横方向領域内のスペーサー高に比例する。その結果、各々の試料接触領域内の標的検体の量は、スペーサー高に比例する。いくつかの実施形態では、異なるスペーサー高は、試料接触領域を異なる量の標的検体と接触させる(「体積多重化」)。
【0406】
いくつかの実施形態では、液体試料を分析するためにアッセイのためにQMAXデバイスが使用され、試料接触領域は、アッセイに対する結合部位及び/または貯蔵部位を含む。「結合部位」という用語は、試料内でエンティティを固定することができる固体表面上の位置を指し、「貯蔵部位」という用語は、プレート上の領域の部位を指し、その部位は、試料に追加されることになる試薬を含み、試薬は、試薬と接触している試料に溶解し、試料内で拡散することができる。
【0407】
多重化の目的のため、いくつかの実施形態では、第1のプレートは、1つまたは複数の試料接触領域上で、予め定められた面積を有し、標的検体と結合及びそれを固定することができる捕捉剤を含む結合部位を有する。いくつかの実施形態では、第2のプレートは、1つまたは複数の試料接触領域上で、予め定められた面積を有し、濃度の検出剤を含み、試料に接触すると、試料に分解し、試料内で拡散する貯蔵部位を有する。
【0408】
いくつかの実施形態では、複数の結合部位は、異なる種の捕捉剤または異なる濃度の同一の捕捉剤を含む。いくつかの実施形態では、複数の貯蔵部位は、異なる種の異なる検出剤または異なる濃度の同一の検出試薬を含む。いくつかの実施形態では、閉鎖構成では、対応する貯蔵部位はそれぞれ、結合部位にわたる。
【0409】
QMAXデバイスのいくつかの実施形態では、結合部位及び/または貯蔵部位の間で流体の隔離が存在しない。いくつかの実施形態では、隣接する結合部位及び/または隣接する貯蔵部位の境界の間の分離は、標的検体または検出剤が関連する時間内に拡散することができる距離よりも大きい。本明細書で使用される場合、「関連する時間」という用語は、(i)標的検体が閉鎖構成において一様な厚さの層の厚さにわたって拡散するのに要する時間にほぼ等しくまたはそれよりも長く、(ii)標的検体が結合部位の予め定められた領域の直線的寸法にわたって横方向に拡散するのに要する時間よりも短い、時間長を指す。
【0410】
いくつかの実施形態では、異なる高さを有するスペーサーは、上記説明されたように、QMAXデバイスを使用して、アッセイに多重化する可能性がある別の層を追加することができる。すなわち、複数の結合部位及び/または異なる濃度を有する異なるアッセイ試薬(例えば、捕捉剤、検出剤)もしくは同一のアッセイ試薬を含む貯蔵部位を有することに加えて、QMAXデバイスは、多重化の目的のために、異なる試料体積または異なる量の検体を供給することができる。
【0411】
体積多重化によるQMAXデバイスのいくつかの実施形態では、隣接する試料接触領域の間の流体の隔離が存在せず、隣接する試料接触領域の境界の間の分離は、標的検体または検出剤が関連する時間内に拡散することができる距離よりも大きい。したがって、それらの実施形態では、各々の試料接触領域は、スペーサー高、結合部位、及び貯蔵部位の一意な組み合わせを含む。3つの異なるパラメータの組み合わせは、同一のQMAXデバイスを使用して、アッセイに対して並列に試験されてもよい。
【0412】
並列に多重化されたアッセイを実現するために、QMAXデバイスを使用する方法のいくつかの実施形態では、分析するステップ(e)は、
(1)関連する時間長の間に試料を培養し、次いで、培養を停止すること、または
(2)関連する時間長の最小値以下である時間の間に試料を培養し、次いで、関連する時間長の最大値以下である時間周期内に、結合部位への各々の標的検体の結合を評価すること、を含み、
それによって、(1)における培養の終わりに、または(2)における評価の間、各々の結合部位に結合された捕捉剤−標的検体−検出剤の挟み込み内の標的検体の大部分が、試料の対応する関連する体積からである反応を生じさせ、
培養は、各々の標的検体が結合部位及び検出剤に結合することを可能にし、対応する関連する体積は、閉鎖構成における対応する貯蔵部位の上にある試料の一部である。
【0413】
B−3アッセイ最適化及び定量化
いくつかの実施形態では、異なるスペーサー高によって与えられた体積多重化は、アッセイ最適化のために、及び通常アッセイにおいて最適検体関連信号を取得するために有用である。多くの場合では、生物/化学アッセイは、試料への外部アッセイ試薬の追加により、検体との特定の反応、検体の結合、及び/または検体の標識によって検体を検出することに依存する。したがって、それらのアッセイを最適化する際の1つの主要な障害は、試料内の検体の真の量を正確に反映する最適検出可能信号を取得するために、試料に追加されるアッセイ剤の適切な量を決定することである。これは通常、とりわけ、いくつかの要因を考慮することを必要とする、
1)試料内の検体の可能性のある量に対するアッセイ試薬の全体的な量。一般的に言うと、相対的に少ない量のアッセイ試薬は、信号を検出することができないこと、検体による飽和などのリスクにつながり、一方で、相当に過度な量のアッセイ試薬は、コストを要し、不必要であることが多い。
2)限定されないが、結合剤、検出剤、捕捉剤、一次抗体、二次抗体、オリゴヌクレオチドプローブ、または染色染料などの各々のアッセイ試薬の相対量。例えば、競合免疫測定法の場合では、1つが検体に結合し、2つの相互結合剤の間で結合することを競合的に抑止する、2つの相互結合剤の相対比率が、アッセイに対して重要である。また、本分野において認識されるように、試料内の検体の相対量は、2つの相互結合剤の最適比率を決定することが多い。2つののうちのいずれか1つの適切でない量は、検体の量に関して誤りまたは不正確な結果につながる。
3)検体関連信号を受け取って分析するために使用される検出器の検出閾値。検出器は通常、検出器が検体関連信号を受け取って分析し、試料内の検体の量に関して有用な結果を与えることが可能な範囲内で、信号の強度の下限及び上限を定める、最小検出閾値及び最大検出閾値を有する。
【0414】
本分野において従来から、先述した要因及びその他の多くを考慮すると、多くの材料リソースを消費するアッセイ最適化に対する煩雑な実験が、有効且つ最適な生物/化学アッセイの発展に対して必要とされ、そのような最適化ステップは、制限されたリソース及び時間による使用時に実施することが困難であることが非常に多い。本発明のいくつかの実施形態では、QMAXデバイス内の異なるスペーサー高の使用による体積多重化の追加は、アッセイ試薬及び試料の異なる組み合わせを試験する可能性を広げる。異なる試料接触領域内で異なる量または異なる種のアッセイ試薬を有することに加えて、異なる試料接触領域を場合によっては試料の異なる予め定められた体積と接触させるために、異なる高さのスペーサーを使用することができ、その結果、その中で生成された標的検体関連信号は異なり、その中のスペーサー高に比例する。
【0415】
いくつかの実施形態では、体積多重化の追加は、試料内の標的検体の分析のために、異なる試料接触領域から取得された、いくつかの異なる標的検体関連信号から最適標的検体関連信号することを可能にする。いくつかの実施形態では、最適標的検体関連信号は、検出器の最小検出閾値及び最大検出閾値内の信号である。いくつかの実施形態では、当業者によって理解されるように、最適標的検体関連信号は、例えば、アッセイの線形検出範囲内の、試料内の標的検体の量を正確に反映する信号である。
【0416】
いくつかの実施形態では、体積多重化の追加は、使用時にアッセイを最適化することを可能にする。いくつかの実施形態では、体積多重化の追加は、QMAXデバイスの使用に対して必要な小さい体積の試料に起因して、最適化に必要なアッセイ試薬を節約する。
【0417】
いくつかの実施形態では、反応は、60秒未満で飽和される。いくつかの実施形態では、関連する時間長は、60秒〜30分の範囲にある。
【0418】
いくつかの実施形態では、最適標的検体関連信号は、最小検出閾値と最大検出閾値との間の範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、プレート及び検出器の最小検出閾値及び最大検出閾値は、信号測定のために使用される。
【0419】
いくつかの実施形態では、最適標的検体関連信号は、アッセイの線形検出範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、線形検出範囲は、標的検体関連信号の強度の範囲であり、その範囲内で、信号強度は、アッセイされる標的検体の量との線形相関性を有する。
【0420】
いくつかの実施形態では、分析するステップ(e)は、関連する試料体積の横方向面積を測定し、横方向面積及び予め定められたスペーサー高から体積を算出することによって、関連する試料体積の体積を算出することを含み、関連する体積は、試料の体積の一部または全体である。
【0421】
いくつかの実施形態では、分析するステップ(e)は、標的検体の読み取り、画像分析、計数、またはそれらの組み合わせを含む。
【0422】
いくつかの実施形態では、液体試料は、羊水、水様液、ガラス体液、血液(例えば、全血、分画された血液、血漿または血清)、母乳、脳脊髄液(CSF)、耳垢(耳あか)、乳糜、チャイム、内リンパ、外リンパ、糞便、息、胃酸、胃液、リンパ、粘液(鼻水及び痰を含む)、心膜液、腹水、胸水、膿、粘膜の分泌物、唾液、呼気凝縮液、皮脂、精液、つば、汗、滑液、涙、嘔吐物、尿、及びいずれかのそれらの組み合わせからなる群から選択される生物学的試料から作られる。
【0423】
いくつかの実施形態では、試料は、川、湖、池、海、氷河、氷山、雨、雪、下水、貯水池、水道水、または飲み水からなる群から選択される源からの環境液体試料、土壌、堆肥、砂、岩、コンクリート、木、煉瓦、下水からの固体試料、及びいずれかのそれらの組み合わせである。
【0424】
いくつかの実施形態では、試料は、空気、水中排熱口、産業排気、乗物排気、及びいずれかのそれらの組み合わせからからなる群から選択される源からの環境気体試料である。
【0425】
いくつかの実施形態では、試料は、生原料、調理された食物、食物の植物源及び動物源、前加工された食物、部分的または完全に加工された食物、並びにいずれかのそれらの組み合わせからなる群から選択される食料試料である。
【0426】
試料は、人間の血液であり、付着させるステップは、(a)皮膚上に血液の液滴を投下するよう、人間の皮膚を刺すことと、(b)血液移送ツールの使用なしに、血液の液滴をフィルタと接触させることと、を含む。
【0427】
他の実施例
1.分析される液体試料を受け取るデバイスであって、
前記液体試料を受け取るように構成された第1の領域であって、前記第1の領域は、上面、第1の領域及び第2の領域を定める受取面、前記受取面の前記第1の領域から横断して延びる第1の複数の突出部、並びに前記受取面の前記第2の領域から横断して延びる第2の複数の突出部を含み、前記第1の複数の突出部の各々は、第1の突出部上面を含み、第1の高さを定め、前記第2の複数の突出部の各々は、第2の突出部上面を含み、第2の高さを定め、前記第2の高さは、前記第1の高さとは異なり、前記第1の突出部上面及び前記第2の突出部上面は、共通平面に存在し、前記第1の領域の前記上面を共に定める、前記第1の領域と、
前記第1の領域に接触するように構成された第2の領域であって、前記第2の領域は、前記第1の領域の前記上面に接触するように構成された底面を含む、前記第2の領域と、
を備えた、前記デバイス。
【0428】
2.前記液体試料を分析するために、実施形態1のデバイスを使用する方法であって、前記液体試料を前記受取面の前記第1の領域上に、及び前記受取面の前記第2の領域上に付着させることと、前記第2の領域の前記底面を前記第1の領域の前記上面上に配置することと、分析のために、前記液体試料を有する前記第1の領域及び第2の領域をモバイルデバイスに結合することと、を備えた、前記方法。
【0429】
3.分析される液体試料を受け取るデバイスであって、
前記液体試料を受け取るように構成された第1の領域であって、前記第1の領域は、平らな底面、上面、及び受取面を含み、前記受取面は、前記受取面から突出し、第1の高さを定める第1の複数のスペーサーを有する第1の領域、及び前記受取面から突出し、第2の高さを定める第2の複数のスペーサーを有する第2の領域を定め、前記第2の高さは、前記第1の高さとは異なる、前記第1の領域と、
前記第1の領域に接触するように構成された第2の領域であって、前記第2の領域は、前記第2の領域の前記上面に接触するように構成された底面を含む、前記第2の領域と、を備え、
前記第2の領域が前記第1の領域と接触しているとき、前記デバイスは、第1の体積及び第2の体積を定め、前記第1の体積は、前記受取面の前記第1の領域、前記第1の領域と正反対であり、前記第1の領域と比較して同一の長さ及び同一の幅を定める前記第2の領域の前記底面の領域、及び前記第1の複数のスペーサーの前記第1の高さによって定められ、前記第2の体積は、前記受取面の前記第2の領域、前記第2の領域と正反対であり、前記第2の領域と比較して同一の長さ及び同一の幅を定める前記第2の領域の前記底面の別の領域、及び前記第2の高さによって定められ、前記第1の体積は、前記第2の体積とは異なる、
前記デバイス。
【0430】
4.前記液体試料を分析するために、いずれかの先の実施形態の前記デバイスを使用する方法であって、前記液体試料を前記受取面の前記第1の領域上に、及び前記試料受取面の前記第2の領域上に付着させることと、前記第2の領域の前記底面を前記第1の領域の前記上面上に配置することと、分析のために、前記液体試料を有する前記第1の領域及び第2の領域をモバイルデバイスに結合することと、を備えた、前記方法。
【0431】
5.モバイルデバイスによる分析のために液体試料を受け取り及び用意するシステムであって、
前記液体試料を受け取る、第1の領域及び第2の領域を含む、複数の、別個の領域を有する試料受取デバイスであって、前記デバイスは、
前記液体試料を受け取るように構成された第1のデバイス領域であって、前記第1のデバイス領域は、上面、底面、及び前記上面と前記底面との間の受取面を含み、前記受取面は、前記受取面から突出する第1の複数のスペーサーを有する前記第1の領域を定め、及び前記受取面から突出する第2の複数のスペーサーを有する前記第2の領域を定め、前記第1のスペーサーは、第1の高さを定め、前記第2のスペーサーは、第2の高さを定め、前記第2の高さは、前記第1の高さよりも高い、前記第1のデバイス領域と、
前記第1の領域に接触するように構成された第2の領域であって、前記第2の領域は、上面及び底面を含み、前記第2の領域の前記底面は、前記第1の領域の前記上面に接触するように構成される、前記第2の領域と、含む、前記試料受取デバイスと、
前記試料受取デバイスを受け取り、前記モバイルデバイスとインターフェース接続し、前記液体試料に関する情報を前記モバイルデバイスに通信するように構成されたインタフェースデバイスと、
を備えた、前記システム。
【0432】
6.前記第1の領域は、第1のプレート状領域を含み、前記第2の領域は、第2のプレート状領域を含む、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0433】
7.前記複数の第1の突出部及び前記複数の第2の突出部の各々は、前記試料受取面から垂直に延びる長方形の立方体を含む、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0434】
8.前記第1の複数の突出部の前記第1の高さは、前記第2の複数の突出部の前記第2の高さ未満である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0435】
9.前記第1の領域は、底面を含み、前記試料受取面の前記第1の領域及び前記第2の領域は、前記底面に実質的に平行であり、前記試料受取面の前記第1の領域と前記底領域との間で定められた前記第1の領域の厚さは、前記試料受取面の前記第2の領域と前記底領域との間で定められた前記第1の領域の厚さよりも大きい、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0436】
10.前記第1の領域の長さと、前記第1の領域の幅と、前記第1の複数の突出部の前記第1の高さを乗じたものとして定められた第1の体積は、前記第2の領域の長さと、前記第2の領域の幅と、前記第1の複数の突出部の前記第2の高さを乗じたものとして定められた第2の体積未満である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0437】
11.前記第1の領域及び前記第2の領域にわたってコーティングを形成する試薬を更に備え、前記コーティングは、前記試料受取面の前記第1の領域及び前記第2の領域の各々の中で実質的に一様な厚さを有する、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0438】
12.前記第1の領域及び前記第2の領域は、第1の結合部位及び第2の結合部位をそれぞれ定め、前記第1の結合部位及び前記第2の結合部位の各々は、前記液体試料の検体と結合及びそれを固定するための捕捉剤を含む、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0439】
13.前記第1の複数の突出部は、第1の端から第2の反対端に向かって、長さ方向に相互から等配分で分散される、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0440】
14.前記第1の複数の突出部は、前記長さ方向に垂直な方向に、第1の側面から第2の側面に、幅方向に相互から等配分で分散される、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0441】
15.前記幅方向における前記第1の複数の突出部の隣接する突出部の間の距離は、前記長さ方向における前記第1の複数の突出部の隣接する突出部の間の距離よりも大きい、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0442】
16.前記第1の体積は、第1の液体受取体積及び前記第1の複数のスペーサーによって占有された第1の体積から構成され、前記第2の体積は、第2の液体受取体積及び前記第2の複数のスペーサーによって占有された第2の体積から構成され、前記第1の液体受取体積は、前記第2の液体受取体積とは異なる、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0443】
17.前記第1の領域及び前記第2の領域にわたってコーティングを形成する試薬を更に含み、前記コーティングは、前記第1の領域及び第2の領域の各々の中で実質的に一様な厚さを有し、その結果、前記液体試料の検体の前記第1の液体受取体積内の試薬に対する比率は、前記液体試料の検体の前記第2の液体受取体積内の試薬に対する比率とは異なる、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0444】
18.前記受取面は、前記第1の領域と前記第2の領域との間で連続し、その結果、前記第1の領域と前記第2の領域との間で流体隔離障壁が存在しない、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0445】
19.前記第1の領域から前記第2の領域への最小距離は、前記受取面にわたって前記液体試料が前記第1の領域から前記第2の領域に横方向に拡散するために必要とされる予測時間、及び前記液体試料を分析する時間に基づいて決定される、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0446】
20.前記第1の領域は、ヒンジによって、前記第2の領域に接続される、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0447】
21.前記ヒンジは、前記第1の領域と前記第2の領域との間の接触を維持するように構成される、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0448】
22.前記第1の複数のスペーサーの前記第1の高さは、前記第2の複数のスペーサーの前記第2の高さ未満である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0449】
23.前記第1の複数のスペーサーの各々は、前記受取面の前記第1の領域に実質的に平行な第1の上面を含み、前記第2の複数のスペーサーの各々は、前記受取面の前記第2の領域に実質的に平行な第2の上面を含み、前記第1の上面の総領域は、前記第2の上面の総領域未満である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0450】
24.前記第1の領域及び前記第2の領域の各々は、長方形のプレートを含み、各々のプレートは、長さ及び幅を定め、前記プレートの前記長さは、実質的に同一の長さであり、前記プレートの前記幅は、実質的に同一の幅である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0451】
25.前記第1の領域の前記上面は、前記第1の複数のスペーサー及び前記第2の複数のスペーサーの各々の上面を含む、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0452】
26.前記第1の複数のスペーサーの各々は、前記受取面の前記第1の領域から垂直に突出し、前記第2の複数のスペーサーの各々は、前記受取面の前記第2の領域から垂直に突出する、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0453】
27.前記第1の複数のスペーサーの前記スペーサーは、全てが同一の第1のサイズのスペーサーであり、前記第2の複数のスペーサーの前記スペーサーは、全てが同一の第2のサイズのスペーサーであり、前記第1のサイズ及び前記第2のサイズは、前記スペーサーの前記高さを除いて同一である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0454】
28.前記第1の複数のスペーサーは、幅方向において等配分で相互から間隔を空けられ、長さ方向において等配分で相互から間隔を空けられ、前記長さ方向は、前記幅方向に直角である、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0455】
29.前記受取面は、前記受取面から突出する第3の複数のスペーサーを有する第3の領域を更に定め、前記複数の第3のスペーサーの各々は、第3の高さを定め、前記第3の高さは、前記第1の高さ及び前記第2の高さの各々とは異なる、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0456】
30.前記第1の領域、前記第2の領域、及び前記第3の領域にわたってコーティングを形成する試薬を更に備え、前記コーティングは、前記試料受取面の前記第1の領域、第2の領域、及び第3の領域の各々の中で実質的に一様な厚さを有する、いずれかの先の実施形態に記載のデバイス、システム、または方法。
【0457】
BD5.前記最適標的検体関連信号は、前記アッセイの線形検出範囲内の測定された標的検体関連信号を選択することによって決定され、前記線形検出範囲は、中で信号強度が前記アッセイされる標的検体の量との線形相関性を有する、標的検体関連信号の強度の範囲である、実施形態BD3に記載の方法。
【0458】
E23.前記結合部位は、乾燥した試薬のパッチによって定められる、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0459】
E24.前記結合部位は、電極の対の間にある、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0460】
いくつかの実施形態では、一方または両方のプレートの内表面は、前記標的検体が増幅サイトから500nm以内にあるとき、各々が前記標的検体関連信号を増幅することが可能な1つまたは複数の増幅サイトを含む。
【0461】
E25.前記プレートは、200μm未満の厚さを有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0462】
E26.前記プレートは、100μm未満の厚さを有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0463】
E27.前記プレートの各々は、5cm
2未満の領域を有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0464】
E28.前記プレートの各々は、2cm
2未満の領域を有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0465】
E29.前記プレートの少なくとも1つは、部分的または全体的に透明である、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0466】
E30.前記プレートの少なくとも1つは、可撓性ポリマーから作成される、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0467】
E31.前記プレートの少なくとも1つは、可撓性のプレートであり、前記可撓性のプレートの厚さを前記可撓性のプレートのヤング率で乗じたものは、60GPa−μm〜75GPa−μmの範囲にある、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0468】
E32.前記スペーサーは、円形、多角形、環状、長方形、卵型、楕円形、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択される断面形状を有するスペーサーである、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0469】
E33.前記スペーサーは、柱形状及び実質的に平坦な上面を有し、各々のスペーサーについて、前記スペーサーの横寸法のその高さに対する比率は、少なくとも1である、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0470】
E34.各々のスペーサーは、少なくとも1である、前記スペーサーの横寸法のその高さに対する比率を有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0471】
E35.スペーサーの最小の横寸法は、前記試料内の標的検体の最小寸法未満であり、または標的検体と実質的に等しい、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0472】
E36.前記スペーサーは、少なくとも100/mm
2の密度を有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0473】
E37.前記スペーサーは、少なくとも1000/mm
2の密度を有する、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0474】
E38.前記スペーサーは、少なくとも1%の充填率を有し、前記充填率は、一様な厚さの前記層と接触した前記スペーサー面積の一様な厚さの前記層と接触した前記総プレート面積に対する比率である、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0475】
E39.前記スペーサーのヤング率を前記スペーサーの前記充填率で乗じたものは、10MPa以上であり、前記充填率は、一様な厚さの前記層と接触した前記スペーサー面積の一様な厚さの前記層と接触した前記総プレート面積に対する比率である、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0476】
E40.前記プレートの少なくとも1つは、可撓性であり、b.前記可撓性のプレートについて、スペーサー間距離(ISD)の4乗を前記可撓性のプレートの厚さ(h)及び前記可撓性のプレートのヤング率(E)によって除したもの、すなわちISD
4/(hE)は、10
6μm
3/GPa以下である、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0477】
E41.前記スペーサーは、プレートを直接エンボス加工すること、または前記プレートの射出成形によって前記プレート上で固定される、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。
【0478】
E42.前記プレート及び前記スペーサーの材料は、ポリスチレン、PMMG、PC、COC、COP、または別のプラスチックから独立して選択される、先の実施形態のいずれか1つに記載のデバイスまたは方法。