特表2021-534459(P2021-534459A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エティケ′ アイピー エス.アール.エル.の特許一覧

特表2021-534459好ましくはボトルなどのガラス容器用のガラス質系の新規ラベル
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-534459(P2021-534459A)
(43)【公表日】2021年12月9日
(54)【発明の名称】好ましくはボトルなどのガラス容器用のガラス質系の新規ラベル
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/02 20060101AFI20211112BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20211112BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20211112BHJP
   G09F 3/04 20060101ALI20211112BHJP
【FI】
   G09F3/02 Z
   B65D23/00 H
   B65D25/20 Q
   G09F3/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-508314(P2021-508314)
(86)(22)【出願日】2019年8月9日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月2日
(86)【国際出願番号】IB2019056786
(87)【国際公開番号】WO2020044148
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】102018000008225
(32)【優先日】2018年8月29日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521066444
【氏名又は名称】エティケ′ アイピー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】アコーネ,オノフリオ
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA02
3E062AB02
3E062AC06
3E062BB06
3E062BB10
3E062DA01
3E062DA02
3E062DA07
3E062JA04
3E062JA08
(57)【要約】
本発明は、一般に飲料用のガラス容器、好ましくはボトルのラベル付けに固有の技術分野に関する。特に、耐衝撃性及び耐圧縮性が向上し、完全に再生利用可能な、改良型のガラス系ラベルに関する。本発明はまた、ラベルを製作する相対的な方法及びその使用に関する。
【選択図】図なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量の
−ケイ素;
−アルミナ;
−酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つの混合物または乾燥生地を含むか、またはそれらからなる材料からなるガラス容器用のラベル。
【請求項2】
前記混合物内では、
−ケイ素が、シリカ、SiOの形態で存在し、前記シリカは、純粋な白色結晶性粉末形態であり、平均密度が約2.2g/cmであるという性質を有しており;
−アルミナが、Alの形態で存在し、前記Alは、好ましくは、白色固体粒状形態であり、約3.94g/cmであるという性質を有しており;
−酸化ナトリウムは、NaOとして存在し、前記NaOは、白色結晶性固体形態であり、約2.27g/cmの平均密度であるという性質を有している、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記混合物内では、
−シリカが、前記混合物の総重量に対して、有効量66重量%〜76重量%で存在し;
−アルミナが、前記混合物の総重量に対して、有効量14重量%〜24重量%で存在し;
−酸化ナトリウムが、前記混合物の総重量に対して、有効量4重量%〜11重量%で存在する、請求項1または2に記載のラベル。
【請求項4】
前記混合物内では、
−シリカが、前記混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在し;
−アルミナが、前記混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在し;
−酸化ナトリウムが、前記混合物の総重量に対して、10重量%の量で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項5】
前記混合物が、有効量の
−酸化カリウム、及び/または
−二酸化チタンをさらに含み;
酸化カリウムが、KOとして存在し、前記KOは、無色結晶性固体形態であり、約2.35g/cmの平均密度であるという性質を有しており;
二酸化チタンが、TiOとして存在し、前記TiOは、無色または白色の傾向があり、結晶性固体形態であり、約4.23g/cmの平均密度であるという性質を有している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項6】
前記混合物内では、
−酸化カリウムが、前記混合物の総重量に対して、有効量1重量%〜3重量%で存在し;
−二酸化チタンが、前記混合物の総重量に対して、有効量0.6重量%〜1.4重量%で存在する、請求項5に記載のラベル。
【請求項7】
前記混合物内では、
−シリカが、前記混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在し;
−アルミナが、前記混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在し;
−酸化ナトリウムが、前記混合物の総重量に対して、7重量%の量で存在し;
−酸化カリウムが、前記混合物の総重量に対して、2重量%の量で存在し;
−二酸化チタンが、前記混合物の総重量に対して、1重量%の量で存在する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項8】
500kg/cmを超える破壊係数を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項9】
前記ラベルが、貼付される容器の表面の構造に適応するような曲率半径を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項10】
高/薄浮彫の文字を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のラベル。
【請求項11】
ガラス容器用のラベルを製作するための方法であって、
プレスの金型内で、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有効量の前記材料を提供するステップと;
圧縮してラベルを形成する方法で前記材料を圧縮するステップと;
前記得られたラベルを抽出するステップと;
前記得られたラベルを最終焼成にさらすステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記最終焼成ステップが、約900℃〜約1150℃の範囲の温度で実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ラベルが所定の曲率半径に従って成形される、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に飲料用のガラス容器、好ましくはボトルのラベル付けに固有の技術分野に関する。特に、耐衝撃性及び耐圧縮性が向上し、完全に再生利用可能な、改良型のガラス系ラベルに関する。
【0002】
本発明はまた、ラベルを製作する相対的な方法及びその使用に関する。
先行技術の概要
【0003】
国際公開第2010/029402号の特許出願は、以前から公知である。
【0004】
この出願は、部分的にまたは完全にエナメルで覆われている鋳造セラミック材料からなるボトル用のラベルについて記載しており、高浮彫または薄浮彫での文章または図をもたらし、これにより三次元効果が得られる。
【0005】
このラベルは、優れた美的特性に加えて、従来の紙ラベルよりも優れた耐久性及び環境の影響(例えば、湿度)に対する耐性を有することが証明されている。
【0006】
しかし、このタイプのラベルに関連する欠点は、セラミック材料製であるため脆弱であり、衝撃及び圧縮に対する耐性があまり高くないことである。さらに、覆っているエナメルは、時間の経過と共に剥落するかまたは剥離する傾向がある。最後に、とりわけ、上記のラベルは再生利用不可能であるため、ほとんどの場合、ラベルが貼付されているのと同じボトルは再生利用することができない。
【0007】
これはすべて、強い負の環境的衝撃を有する。実際、廃棄物の個別収集を行う必要性はさらに拡大し、イタリア及び海外の一部の都市では義務付けさえ行われており、そのため、現在では、しばらくの間、特定のガラス収集に特別なゴミ容器が使用されている。
【0008】
国際公開第2016/016763号の特許出願も同様に周知されている。
【0009】
この特許公開は、ガラス系材料から本質的になるボトルラベルについて記載しており、ガラス系材料が、(a)あらゆる種類のガラスの粉砕による適切な量のガラス粉、及び(b)適切な量の霧化ガラス粉を含む、すなわち、非常に小さい膨張した球からなる。
【0010】
国際公開第2010/029402号と比較して、このラベルは、長持ちし、環境攻撃に耐性があり、優れた美的特性を備えていることに加えて、より生態学的に互換性があること、すなわち、そのラベルが貼付されているボトルと一緒に再生利用可能であることが証明されている。
【0011】
しかし、このラベルは脆弱であり、すなわち、衝撃及び圧縮に対する耐性があまり高くない。さらに、この場合も、覆っているエナメルは、時間の経過と共に剥落するかまたは剥離する傾向がある。
技術的問題
【0012】
したがって、このセクターには、ガラス容器(好ましくは、ボトル)用の新しいタイプのラベルを有する必要があり、これらのラベルには、上記のラベルの有利な特性が備わっている(長持ちし、環境条件に耐性があり、洗浄可能、再利用可能であり、かつ明確に視認できる審美的に優れた三次元の特性/図を有する)ことに加えて、生態学的に互換性もあり(すなわち、そのラベルが貼付されるボトルと一緒に完全に再生利用可能である)、かつ衝撃及び圧縮に耐性があり(すなわち、脆弱でない)、また、任意の可能なエナメル加工部分は、時間の経過と共に剥落または剥離を受けることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2010/029402号
【特許文献2】国際公開第2016/016763号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、前述のすべての技術的問題を解決する、好ましくはガラス、さらにより好ましくはガラスボトル内の、容器用の新規の型のラベルを提供することである。
【0015】
特に、本発明の目的は、上記のラベルの有利な特性を備えていることに加えて、完全に生態学的に適合性があり、衝撃及び圧縮に耐性があり、任意の可能なエナメル加工部分は、時間の経過と共に剥落または剥離を受けることはない新規の型のラベルを提供することである。
【0016】
したがって、これら及び他の目的は、例えば、ボトルなどのガラス容器、より具体的には、請求項1に記載のワインまたはスパークリングワインのボトル用のラベルにより得られる。
【0017】
本発明によれば、このラベルは、有効量の
−ケイ素;
−アルミナ;
−酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つの混合物または乾燥生地を含むか、またはそれらからなる材料によって構成される。
【0018】
このようにして、前述のすべての技術的な欠点が容易に解決される。
【0019】
特に、以下にも説明するとおり、このラベルは衝撃及び圧縮に対してはるかに耐性があり、焼成時間が大幅に短縮される。
有利にも、上記の混合物内では:
−ケイ素は、シリカ、SiOの形態で存在し得、
シリカは、白色結晶性粉末の純粋な形態であり、約2.2gr/cmの平均密度であるという性質を有しており;
−アルミナは、Alの形態で存在し得、Alは、好ましくは、白色固体粒状形態であり、約3.94g/cmの平均密度であるという性質を有しており;
−酸化ナトリウムは、NaOとして存在し得、NaOは、白色結晶性固体形態であり、約2.27gr/cmの平均密度であるという性質を有している。
【0020】
有利にも、上記の混合物内では:
−シリカは、混合物の総重量に対して、有効量66重量%〜76重量%で存在することができ;
−アルミナは、混合物の総重量に対して、有効量14重量%〜24重量%で存在することができ;
−酸化ナトリウムは、混合物の全重量に対して、有効量4重量%〜11重量%で存在することができる。
【0021】
有利にも、上記の混合物内では:
−シリカは、混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在することができ;
−アルミナは、混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在することができ;
−酸化ナトリウムは、混合物の総重量に対して、10重量%の量で存在することができる。
【0022】
有利には、本混合物は、有効量の
−酸化カリウム、及び/または
−二酸化チタンをさらに含む。
【0023】
有利には、酸化カリウムは、例えば、KOとして存在することができ、KOは、無色結晶性固体形態であり、約2.35g/cmの平均密度であるという性質を有している。
【0024】
有利には、二酸化チタンは、TiOとして存在し得、TiOは、無色または白色の傾向のある結晶性固体形態であり、約4.23gr/cmの平均密度であるという性質を有している。
【0025】
有利にも、上記の混合物内では:
−酸化カリウムは、混合物の総重量に対して、有効量1重量%〜3重量%で存在することができ;
−二酸化チタンは、混合物の総重量に対して、有効量0.6重量%〜1.4重量%で存在することができる。
【0026】
有利にも、上記の混合物内では:
−シリカは、混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在することができ;
−アルミナは、混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在することができ;
−酸化ナトリウムは、混合物の総重量に対して、7重量%の量で存在することができ;
−酸化カリウムは、混合物の総重量に対して、2重量%の量で存在することができ;
−二酸化チタンは、混合物の総重量に対して、1重量%の量で存在することができる。
【0027】
有利には、材料は、有効量の1つ以上のシリカまたはポリマー系結合剤化合物、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、または炭酸ナトリウムをさらに含むことができ、その後のプレス及び焼成段階において安定した均一な方法で、記載された混合物の成分が互いに結合し、圧縮するのを助けることができる。
【0028】
有利には、材料は、有効量の1つ以上の添加剤化合物、着色顔料、珪質結晶、または天然酸化物をさらに含むことができる。
【0029】
有利なことに、このラベルは、500kg/cmを超える破壊係数を有する。
【0030】
同じ様に、有利には、ラベルを製作するためのプロセスが本明細書に記載され、
−機械プレスの金型内で、有効量の
−ケイ素;
−アルミナ;
−酸化ナトリウムからなる混合物または乾燥生地を提供するステップと;
−圧縮して所望のラベルを形成する方法で混合物または生地を圧縮するステップと;
−ラベルを抽出するステップと;
−ラベルを最終焼成にさらすステップと、を含む。
【0031】
従属請求項からさらなる利点が得られ得る。
【0032】
有利なことに、所望のラベルは、一般的に、高浮彫及び/または薄浮彫の要素、例えば、図、ロゴ、文章を再現することができる。
【0033】
有利なことに、得られたラベルは、エナメル及び/または適切な色でコーティングして、少なくともラベル上に再現された高浮彫要素及び/または薄浮彫要素を覆うことができる。
【0034】
有利には、最終焼成ステップは、約900℃〜約1150℃の範囲の温度で、例えば、約2時間実施することができる。また、ここでは、飲料用のガラス容器、好ましくはワイン及びスパークリングワイン用のボトルのラベル付けのために作製された、上記のラベルの使用についても記載する。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明によるガラス容器、好ましくはボトル用のラベルは、有効量の
−ケイ素;
−アルミナ;
−酸化ナトリウム
の混合物または乾燥生地を含むか、またはそれらからなる(ガラス質)材料によって構成される。
【0036】
混合物または乾燥生地内では、
ケイ素は、シリカ、SiO、または二酸化ケイ素の形態で存在し;シリカは、好ましくは、純粋な白色結晶性粉末形態であり、約2.2gr/cmの平均密度であるという性質を有しており(モース硬度では、硬質成分と見なされ、また特に耐火性材料である);
アルミナは、Al、または三酸化二アルミニウムの形態で存在し;Alは、好ましくは、白色固体粒状形態であり、約3.94g/cmの平均密度であるという性質を有しており(その最も重要な技術的特性は、その高い耐酸性及びその高い熱伝導率である);
−酸化ナトリウムは、NaO、または酸化二ナトリウムとして存在し、NaOは、白色結晶性固体形態であり、約2.27gr/cmの平均密度であるという性質を有している(酸化ナトリウムは、当技術分野において公知であり、とりわけ、ガラスの溶融温度を一般的に低下させるために使用されている)。
【0037】
好ましくは、混合物または乾燥生地内では、
ケイ素/シリカは、混合物の総重量に対して、有効量66重量%〜76重量%で存在し;好ましくは、68重量%〜74重量%;より好ましくは、69重量%〜73重量%;さらにより好ましくは、70重量%〜72重量%で存在し;
アルミナは、混合物の総重量に対して、有効量14重量%〜24重量%で存在し;好ましくは16重量%〜22重量%;より好ましくは、17重量%〜21重量%;さらにより好ましくは、18重量%〜20重量%で存在し;
酸化ナトリウムは、混合物の総重量に対して、有効量4重量%〜11重量%で存在し;好ましくは、5重量%〜10重量%;より好ましくは、6重量%〜9重量%;さらにより好ましくは、6重量%〜8重量%で存在する。
【0038】
本発明の一実施形態では、混合物内では:
−ケイ素/シリカは、混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在し;
−アルミナは、混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在し;
−酸化ナトリウムは、混合物の総重量に対して、10重量%の量で存在する。
【0039】
好ましくは、混合物または乾燥生地は、有効量の
−酸化カリウム、及び/または
−二酸化チタンをさらに含み;
酸化カリウムは、KOまたは酸化二カリウムとして存在し、KOは、無色結晶性固体形態であり、約2.35g/cmの平均密度であるという性質を有しており;
二酸化チタンは、TiO、または二酸化チタンとして存在し、TiOは、結晶性固体形態であり、無色または白色の傾向があり、約4.23gr/cmの平均密度(酸性剤に対する耐性を高めるために当技術分野でも一般的に使用される)であるという性質を有している。
【0040】
好ましい混合物または乾燥生地内では、
酸化カリウムは、混合物の総重量に対して、有効量1重量%〜3重量%で存在し;好ましくは、1.25重量%〜2.75重量%;より好ましくは、1.5重量%〜2.5重量%;さらにより好ましくは、1.75重量%〜2.25重量%で存在し;
二酸化チタンは、混合物の総重量に対して、有効量0.6重量%〜1.4重量%で存在し;好ましくは、0.7重量%〜1.3重量%;より好ましくは、0.8重量%〜1.2重量%;さらにより好ましくは、0.9重量%〜1.1重量%で存在する。
【0041】
本発明の特に好ましい実施形態では、混合物内では:
−ケイ素/シリカは、混合物の総重量に対して、71重量%の量で存在し;
−アルミナは、混合物の総重量に対して、19重量%の量で存在し;
−酸化ナトリウムは、混合物の総重量に対して、7重量%の量で存在し;
−酸化カリウムは、混合物の総重量に対して、2重量%の量で存在し;
−二酸化チタンは、混合物の総重量に対して、1重量%の量で存在する。
【0042】
上記の混合物または乾燥生地を含む材料は、有効量の1つ以上のシリカまたはポリマー系結合化合物をさらに含むことができ
(非限定的な例として、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、または炭酸ナトリウム)、上記の混合物の成分が互いに結合すること、ならびにその後のプレス段階及び焼成段階中に安定して均一な方法で圧縮するのを有利に補助し得る。
【0043】
上記の本発明の混合物または乾燥生地を含む材料に、最終的なガラス質生地を様々な商業的必需品に適合させるために、所望であれば、他の添加剤、例えば染料顔料をさらに添加することができる。添加剤は、ガラス加工産業で公知であり、かつ一般的に使用されているもの、例えば、珪質結晶または天然酸化物から自由に選択され、通常、当業者の知識の範囲内にある。
【0044】
上記の材料は、この分野において一般に公知であり、使用されている方法に従って、ラベルの調製のためのその後のステップで使用する準備ができている、本発明の最終組成物(特に混合物)を得るための方法で、(好ましくは、例えば、Eirich CompanyまたはCIMMA Companyによって販売されているものなどの既知の乾燥粉末ミキサーを使用して)混合される。
【0045】
使用する準備ができている前述の最終組成物または本発明の混合物は、視覚的には、組成物の全重量に対して4重量%〜15重量%、好ましくは、10重量%〜12重量%、より好ましくは、5.7重量%〜6重量%の全体湿度を有する、均一な無色または様々な色の粉末の形態である。
【0046】
本発明のラベルは、特定の適切な曲率半径または平坦形状のいずれかで作製できる。このようにして、ラベルは、貼付される表面の任意の構造に適応することができる。
【0047】
したがって、ラベルは凹面、凸面、または平坦であってもよく、いずれの場合も好適な形状、曲率、及び異なる寸法に従って成形され得る。
【0048】
次に、ラベルは、例えば、高浮彫及び薄浮彫で、文字及び/または文章及び/または線及び/または図及び/またはロゴを有する。
【0049】
エナメルまたは着色剤の層、いずれの場合も外部保護コーティングは、特に少なくとも高/薄浮彫の文字を覆うように、ラベル上に分布させ得る。
【0050】
エナメルは、本分野で周知であり、一般的に使用されているものから選択され、ガラス製造セクターで周知であり、かつ使用されている装置及び貼付方法により貼付される。
【0051】
本発明のラベルを作製するためのプロセスは、既知であり、かつ本分野で一般に適用される、本発明の実質的なガラス系混合物/生地を鋳造し、焼成するためのプロセスから実質的になる。この点に関して、ここでは、国際公開第2016/016763(A1)号に記載されているガラス系ラベルを作製する方法について明示的に言及しており、これはまた、本発明のラベルの作製に、以下に記載されるいくつかの特徴的な変形と共に有利に適用される。したがって、国際公開第2016/016763(A1)号は、特定の参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0052】
要約及び非限定的な例として、また、ここでも国際公開第2016/016763(A1)号の教示を特に参照して、本発明のラベルを製作するためのプロセスは、少なくとも:
−好適な機械的プレスの好適な型(例えば、受容胞状部(receiving
alveolus)など)内に、前述の本発明の混合物を含むか、または前述の本発明の混合物からなる有効量の(ガラス質)材料を提供するステップと;
−(ガラス質)材料を圧縮して、高浮彫及び/または薄浮彫で要素を再現する所望のラベルを形成するような方法で圧縮するステップと;
−得られたラベルを抽出し、エナメル及び/または適切な色でコーティングして、少なくともラベルに再現された高浮彫及び/または薄浮彫の文字を覆うステップと;
−最後に、前のステップから得たラベルを焼成するステップと、を含む。
【0053】
本発明のプロセスの基本的な特徴は、ラベルの最終焼成が、国際公開第2016/016763(Al)号に対して、少なくとも300℃高い温度、すなわち、一般に約900℃〜約1150℃の範囲の温度で;好ましくは、900℃〜1200℃;好ましくは、合計で約1200℃で、さらにより好ましくは、合計1200℃で行われることにある。
【0054】
さらに、好ましい焼成時間は、国際公開第2016/016763(Al)号の焼成時間よりもはるかに短く、実際に、本発明のプロセスによるラベルの最終焼成時間は、約2時間である。
【0055】
この文書に記載されているすべてのことにより、国際公開第2016/016763(Al)号のラベルの破壊係数と比較して、本発明のラベルの破壊係数を大幅に改善することが可能になった。実際に、破壊係数は、約280kg/cm〜500kg/cm超まで増加し、好ましくは550kg/cm超;より好ましくは600kg/cm超;特に好ましい実施形態では、約660kg/cm;より好ましくは、660kg/cmである。
【0056】
この事実は、本発明のラベルが衝撃及び圧縮に対してはるかに耐性があり、焼成時間が大幅に短いことを示している。
【0057】
さらに、予想外に、本発明のラベルは、約0.3%に等しい液体に関して吸収を有することが示されている(比較すると、国際公開第2016/016763(A1)号のラベルは7%吸収した)。また、このことにより、ラベルの表面に貼付された色及び/またはエナメルのより良好な接着性及びより良好なコンパクトさを得ることが可能になる。セラミックまたはガラスで作られた既知のラベルの場合のように、この詳細を過小評価してはならない。時間の経過と共に、エナメルはラベルの本体から剥落/剥離する傾向があるが、有利には、本発明のラベルでは、この問題はもはや発生しない。
【0058】
最後に、本発明のラベルの再生利用性もまた、既知のガラスラベルに関して著しく改善される結果となっている。この目的のために、融合生成物の融合試験及びその後の光学顕微鏡観察は、本発明の組成物により作製されたラベルを有する緑色のガラスボトル上で実施された。この試験の目的は、ボトルがラベルと融合した後、石(再生利用不可)の存在を確認することであった。
【0059】
試験の目的で、ボトル及びラベルを1〜2cmのサイズの破片に縮小した。次に、これらの破片を電気炉でシリカ−アルミナるつぼを使用して初期温度1200℃で溶融した。その後、1時間で温度を1550℃まで上昇させ、このレベルで2時間保持した。次に、温度を1450℃まで上昇させ、このレベルで1時間保持した。最後に、溶融ガラスを鋼板に注ぎ、電気オーブン内で540℃でアニールし、最後にゆっくりと室温まで冷却した。得られたガラスを光学顕微鏡で注意深く観察し、ガラスサンプルに石は発見されなかった。この結果に基づいて、ラベルが再生利用不可能な不純物を形成することなくボトルのガラスに完全に溶解したことを結論付けることができ、したがって、本発明のラベルの完全かつ全体の再生利用可能性が確認された。
産業上の利用可能性
【0060】
上記のすべてを考慮すると、本発明のラベルは、以前のガラスラベルの破損の技術的問題を解決し、衝撃及び圧縮、ならびに吸収に対してより耐性があると結論付けることができる。さらに、また、完全な再生利用可能性の点で、及び貼付されるエナメル及び/または色の永続性の点で、エナメル及び/または色の任意の望ましくない剥落及び剥離の形成なく、はるかに優れていることが見出された。
【国際調査報告】