特表2021-535036(P2021-535036A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535036少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535036(P2021-535036A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/023 20060101AFI20211119BHJP
   H04L 9/08 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
   B60R16/023 Z
   H04L9/00 601C
   H04L9/00 601E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-510817(P2021-510817)
(86)(22)【出願日】2019年8月6日
(85)【翻訳文提出日】2021年3月24日
(86)【国際出願番号】EP2019071107
(87)【国際公開番号】WO2020043442
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】18192064.6
(32)【優先日】2018年8月31日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr−Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベンス セメス
(72)【発明者】
【氏名】フーバ ネーメト
(72)【発明者】
【氏名】タマス コーニャ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ヒリアー
(57)【要約】
本発明は、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステム(10,110,210)であって、当該システム(10,110,210)は、少なくとも1つの無線および/または有線および/または物理的な通信ライン(16,17,116,117,216,217)を含み、通信ライン(16,17,116,117,216,217)は、双方向であり、通信ライン(16,17,116,117,216,217)の1つの点に、第1の車両のための専用の第1の認証コード生成モジュール(18,118,218)が設けられており、通信ライン(16,17,116,117,216,217)の別の点に、第2の車両のための専用の第2のコード処理モジュール(20,120,220)が設けられており、第1の認証コード生成モジュール(18,118,218)は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を送信するように構成されており、第2のコード処理モジュール(20,120,220)は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を処理して、特に、処理および/または修正された識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を返送するように構成されている、システム(10,110,210)に関する。本発明はさらに、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を構築するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステム(10,110,210)であって、
当該システム(10,110,210)は、少なくとも1つの無線および/または有線および/または物理的な通信ライン(16,17,116,117,216,217)を含み、
前記通信ライン(16,17,116,117,216,217)は、双方向であり、
前記通信ライン(16,17,116,117,216,217)の1つの点に、第1の車両のための専用の第1の認証コード生成モジュール(18,118,218)が設けられており、
前記通信ライン(16,17,116,117,216,217)の別の点に、第2の車両のための専用の第2のコード処理モジュール(20,120,220)が設けられており、
前記第1の認証コード生成モジュール(18,118,218)は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を送信するように構成されており、
前記第2のコード処理モジュール(20,120,220)は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を処理して、特に、処理および/または修正された識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を返送するように構成されている、
システム(10,110,210)。
【請求項2】
前記第1の車両は、トラック(12,112,212)であり、
前記第2の車両は、トレーラ(14,114,214)である、
請求項1記載のシステム(10,110,210)。
【請求項3】
前記第1の車両は、トレーラ(14,114,214)であり、
前記第2の車両も、トレーラ(14,114,214)である、
請求項1または2記載のシステム(10,110,210)。
【請求項4】
前記通信ライン(16)は、空気圧ライン(16)である、請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム(10)。
【請求項5】
前記第1の認証コード生成モジュール(18)および/または前記第2のコード処理モジュール(20)は、前記識別情報および/または前記認証情報および/または前記暗号化鍵が、当該識別情報および/または当該認証情報および/または当該暗号化鍵に対応するおよび/またはこれを表す少なくとも1つの圧力信号および/または一連の圧力信号によって伝送されるように構成および配置されている、請求項4記載のシステム(10)。
【請求項6】
前記通信ライン(17,116,216,217)は、無線ライン(17,116,216,217)である、請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム(10,110,210)。
【請求項7】
前記無線ライン(17,116,216,217)のうちの少なくとも1つを介した通信は、WiFi、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS−G5、IEEE802.15.4、C−V2X等の規格のうちの少なくとも1つに準拠している、請求項6記載のシステム(10,110,210)。
【請求項8】
前記通信ライン(117)は、有線ライン(117)である、請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム(10,110,210)。
【請求項9】
前記有線ライン(117)は、ISO11992 CANラインである、請求項8記載のシステム(10,110,210)。
【請求項10】
前記有線ライン(117)は、SAE J2497電力線である、請求項8または9記載のシステム(10,110,210)。
【請求項11】
前記通信ライン(17,116,216,217)は、光学的に確立されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のシステム(10,110,210)。
【請求項12】
少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するための方法であって、
当該方法は、少なくとも、
双方向である少なくとも1つの無線および/または有線の通信ライン(16,17,116,117,216,217)を設けるステップと、
第1の車両において第1の認証コード生成を生成するステップと、
識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を第2の車両に送信するステップと、
前記識別情報および/または前記認証情報および/または前記暗号化鍵を処理して、前記第1の車両に返送するステップと、
を含む、
方法。
【請求項13】
当該方法は、請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム(10,110,210)を使用することによって実施される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項1から11までのいずれか1項記載の車車間通信を確立するためのシステム(10,110,210)のための認証コード生成モジュール(18,118,218)であって、前記認証コード生成モジュール(18,118,218)の特徴を含む、認証コード生成モジュール(18,118,218)。
【請求項15】
請求項1から11までのいずれか1項記載の車車間通信を確立するためのシステム(10,110,210)のためのコード処理モジュール(20,120,220)であって、前記コード処理モジュール(20,120,220)の特徴を含む、コード処理モジュール(20,120,220)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用車両の分野における、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステムと、車車間通信を確立するための方法とに関する。
【0002】
トラック(truck)、トレーラ(trailer)、または複数のトレーラの間では、(例えば、ISO11992規格によって定義された)有線通信インターフェースが広く使用されている。トラック−トレーラ間またはトラック−トレーラ−トレーラ間(すなわち、ロードトレイン)のような複数の車両が組み合わせられた車両間におけるデータレートのますますの需要増加を支援するために、新しい通信ソリューションが登場しており、その中には、無線通信インターフェースを使用するものもある。
【0003】
複数の組み合わせられた車両間における無線通信を確立するための重要な部分は、相手方を識別および認証することと、暗号化変数について合意することである。例えば、多数のトレーラが存在する構内においてトラックがトレーラに取り付けられる場合には、システムは、任意の隣接するトレーラ、またはトレーラのように振る舞う悪意のある無線ステーションとの無線通信ではなく、物理的に取り付けられたトレーラとの無線通信が確立されていることを確認する必要がある。システムは、このプロセス中に機密データが第三者によって取得され得ないことも確認する必要がある。
【0004】
米国特許出願公開第2017/111798号明細書は、無線通信インターフェースに加えて、非無線の「物理的−機械的」インターフェースについて記載している。記載されているソリューションでは、1つの車両が任意の通信インターフェースを介してプロンプトされ、他のインターフェースを介して応答が送信される。
【0005】
米国特許第7760077号明細書は、係留されている車両間のシステムを紹介しており、ここでは車両間に、無線通信システムおよび有線通信システムが存在している。記載されているシステムでは、無線通信のために使用され得る暗号化データが、有線リンクを介して送信される。非対称鍵共有について記載されている。
【0006】
米国特許第6501376号明細書は、無線通信インターフェースおよび有線通信インターフェースの両方が装備されたシステムについて記載している。識別および認証プロセスは、有線信号の変化に同期して無線信号によって実行される。
【0007】
米国特許出願公開第2017/088104号明細書は、無線通信インターフェースおよび有線通信インターフェースの両方が装備されたシステムについて記載している。識別および認証プロセスは、有線信号の変化に同期して無線信号によって実行される。
【0008】
米国特許第9315212号明細書は、受信した信号強度によってトレーラを認証し、一意の識別子を無線方式で送信する無線識別および認証システムについて記載している。
【0009】
したがって、本発明の課題は、特に、複数の組み合わせられた車両間において認証データ、識別データ、または他の機密データを共有するための手段が、最高のセキュリティ標準および最高の信頼性で交換可能であるという点で安全かつ信頼できる、車車間通信を確立するためのシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
上記の課題は、請求項1記載の車車間通信を確立するためのシステムによって解決される。したがって、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するためのシステムであって、当該システムは、少なくとも1つの無線の、および/または有線の、および/または物理的な通信ラインを含み、通信ラインは、双方向であり、通信ラインの1つの点に、第1の車両のための専用の第1の認証コード生成モジュールが設けられており、通信ラインの別の点に、第2の車両のための専用の第2のコード処理モジュールが設けられており、第1の認証コード生成モジュールは、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を送信するように構成されており、第2のコード処理モジュールは、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を処理して、特に、処理および/または修正された識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を返送するように構成されている、システムが提供される。
【0011】
本発明は、ロードトレインのシナリオにおいて、複数の組み合わせられた車両間、例えばトラック−トレーラ間またはトレーラ−トレーラ間における車車間通信システムを提供するという基本的な考え方に基づいている。本発明は、他の車両を認証および識別し、機密データを共有する新しい手法を提供する。一方の側および一方の車両からの双方向の通信ラインを設けることにより、正しい車両同士が相互に通信しているかどうかの情報に関連するデータを送信し、端部と、第2のコード処理モジュールとにおいて受信することができる。第2のコード処理モジュールにより、正しいデータが受信されて、それから返送されたかどうかをチェックすることができるので、これに基づいて、検証および認証された安全でかつ信頼できる通信ラインが提供および確立される。
【0012】
第1の車両は、トラックであり得、第2の車両は、トレーラであり得る。他の組み合わせも可能である。ロードトレインのシナリオまたは他の組み合わせも可能である。
【0013】
さらに、第1の車両もトレーラであり得、第2の車両もトレーラであり得る。これは、例えばロードトレインのシナリオである。トラックを取り付けることもできる。
【0014】
通信ラインは、空気圧ラインであり得る。提供された空気圧およびその変化によって、空気圧ラインを介して信号を送信することが可能であり得る。
【0015】
空気圧ラインは、物理的な通信ラインの1つの例である。
【0016】
物理的な通信ラインの別の例は、液圧ラインであり得る。提供された液圧およびその変化によって、液圧ラインを介して信号を送信することが可能であり得る。
【0017】
特に、空気圧ラインに代えてまたは(冗長性の理由から)空気圧ラインに加えて、液圧ラインを使用することもできる。本開示の以下の全ての実例は、空気圧ラインに関連したものであり得るが、液圧ラインによっても、または空気圧ラインと液圧ラインとの組み合わせによっても実現可能である。
【0018】
第1の認証コード生成モジュールおよび/または第2のコード処理モジュールは、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵が、当該識別情報および/または当該認証情報および/または当該暗号化鍵に対応するおよび/またはこれを表す少なくとも1つの圧力信号および/または一連の圧力信号によって伝送され得るように構成可能および配置可能である。例えば、圧力信号は、低圧から作動圧または高圧への所定の特定の勾配を有し得るか、またはモールス信号等のような特定の圧力パルスを使用して、認証情報または暗号化鍵または他の種類のデータを提供することができる。
【0019】
追加的および/または代替的に、第1の認証コード生成モジュールおよび/または第2のコード処理モジュールは、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵が、無線通信ラインおよび/または有線通信ラインまたはその他の適切な種類の通信ラインを介してデジタルデータとして送信されるように構成可能および配置可能である。
【0020】
さらに、通信ラインは、無線ラインであり得る。そのような無線ラインは、代替的または追加的に提供可能である。異なるデータ伝送原理を用いた第2の通信方式を確立することにより、システム全体の信頼性を高めることができる。
【0021】
無線ラインのうちの少なくとも1つを介した通信は、WiFi、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS−G5、IEEE802.15.4、C−V2X等の規格のうちの少なくとも1つに準拠可能である。これらの規格のうちの1つを使用することにより、信頼できる安定したシステムを確立することができる。特に、確立された規格を使用することにより、コストを削減することができ、かつデータ伝送の伝送品質を高めることができる。既知の仕様を有する規格化された要素を使用することもできる。
【0022】
さらに、通信ラインは、有線ラインであり得る。このような有線ラインは、通常の接続を介して車両間で確立可能である。このような有線ラインは、特定のデータ伝送ラインであり得る。トラックとトレーラとの間、またはトレーラとトレーラとの間に確立される電力線のうちの1つを使用することも可能である。
【0023】
有線ラインは、例えば、ISO11992 CANラインであり得る。このような規格化されたラインの使用は、既存のシステムに組み込むため、または新しいシステムを開発するためにも有用であり、かつより簡単であり得る。
【0024】
さらに、有線ラインは、SAE J2497電力線であり得る。
【0025】
通信ラインは、光学的にも確立可能である。これにより、光学ガラス繊維を使用することができる。データ伝送のために、レーザ、ミラー、光トランシーバ、レピータのような他のソリューションを使用することもできる。
【0026】
さらに、本発明は、車車間通信を確立するための方法に関する。したがって、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のための車車間通信を確立するための方法は、少なくとも、
・双方向である少なくとも1つの無線および/または有線の通信ラインを設けるステップと、
・第1の車両において第1の認証コード生成を生成するステップと、
・識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を第2の車両に送信するステップと、
・識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を処理して、第1の車両に返送するステップと
を含む。
【0027】
特に、本方法は、本開示において上記または本明細書に記載されるようなシステムを使用することによって実施可能である。
【0028】
さらに、本発明は、車車間通信を確立するためのシステムのための認証コード生成モジュールに関する。認証コード生成モジュールは、本開示に記載されているような認証コード生成モジュールの特徴を含む。
【0029】
さらに、本発明は、車車間通信を確立するためのシステムのためのコード処理モジュールに関する。コード処理モジュールは、本開示に記載されているようなコード処理モジュールの特徴を含む。
【0030】
以下、さらなる詳細および利点について図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明によるシステムおよび方法の第1の実施形態による、空気圧ラインを介して機密データがどのように共有されるかについての概略図である。
図2】本発明によるシステムおよび方法のさらなる実施形態による、有線インターフェースを介した対称暗号化鍵の共有についてのさらなる概略図である。
図3】本発明によるシステムおよび方法の第3の実施形態による、無線接続を使用した暗号化鍵の交換についてのさらなる概略図である。
【0032】
図1は、本発明によるシステム10および方法の第1の実施形態による、空気圧ラインを介して機密データがどのように共有されるかについての概略図を示す。
【0033】
車車間通信を確立するためのシステム10は、少なくとも第1の商用車両および第2の商用車両のためのシステムであり、ここでは、牽引車としてのトラック12と、トラック12によって牽引されるトレーラ14とのためのシステムである。
【0034】
これらの商用車両の間、すなわちトラック12とトレーラ14との間には、トラック12によって制御される空気圧ライン16が設けられており、この空気圧ライン16は、トラック12からトレーラ14にブレーキ情報を伝達する。
【0035】
ブレーキ情報は、通常の方法で、「圧力」、「圧力なし」、「圧力勾配」、「しきい値未満の圧力」、「しきい値を超える圧力」等のような空気圧信号を介して送信される。
【0036】
システム10は、少なくとも1つの無線通信ラインおよび/または有線通信ライン、この実施形態では1つの空気圧ライン16を含む。
【0037】
通信ライン、すなわち空気圧ライン16は、双方向である。
【0038】
無線通信ライン17であるさらなる通信ラインが設けられている。このさらなる通信ラインは、WiFi規格に基づいて確立可能である。
【0039】
無線通信ラインを確立するために、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS−G5、IEEE802.15.4、C−V2X等のような他の規格を使用することもできる。
【0040】
通信ライン16の一方の端部には、第1の車両、すなわちトラック12のための専用の第1の認証コード生成モジュール18が設けられている。
【0041】
通信ライン16の他方の端部には、第2の車両、すなわちトレーラ14のための専用の第2のコード処理モジュール20が設けられている。
【0042】
第1の認証コード生成モジュール18は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を送信するように構成されている。
【0043】
第2のコード処理モジュール20は、識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を処理して、特に、処理および/または修正された識別情報および/または認証情報および/または暗号化鍵を返送するように構成されている。
【0044】
機能は、以下の通りである:
【0045】
機密データが、空気圧値の形態で、通信ライン16を介して伝達される。
【0046】
連結後、車両、すなわちトラック12およびトレーラ14が静止している間に、第1の認証コード生成モジュール18は、(例えば有線または無線)通信のために使用される当該第1の認証コード生成モジュール18の生成された暗号化鍵を表す一連の圧力値を、トラック12から空気圧ライン16を介して空気圧ライン16の他方の端部に、ひいては第2のコード処理モジュール20に送信する。
【0047】
この一連の圧力値を読み取ることにより、トレーラ14上の第2のコード処理モジュール20、ひいては全てのトレーラシステムは、暗号化鍵を取得し、この暗号化鍵を通信のために使用することができる。「トレーラ14」が暗号化鍵を取得すると、このトレーラ14は、当該トレーラ14の記述子を、暗号化された形態で、利用可能な通信リンク、ここでは無線通信リンク17に基づいて有線方式または無線方式で返送する。
【0048】
メッセージが正しい鍵によって暗号化されているという事実から、トラックは、送信元が、当該トラック12の連結相手である正しいトレーラ14であることを確信する。なぜなら、空気圧ライン16へのアクセスを有する当事者は、他にいないからである。
【0049】
図2は、本発明によるシステム110および方法のさらなる実施形態による、有線インターフェースを介した対称暗号化鍵のさらなる概略図を示す。
【0050】
この実施形態では、図1に関連して説明したシステム10の全ての構造的特徴および機能的特徴が実現されており、かつ存在している。
【0051】
類似の、同一の、または対応する機能には、100の値が加算された参照符号が付されており、すなわち、トラック112、トレーラ114、第1の通信ライン116、第2の通信ライン117、第1の認証コード生成モジュール118、および第2のコード処理モジュール120が設けられている。
【0052】
この実施形態では、トラック112およびトレーラ114は、2つの通信ライン116,117、ここでは第1の通信ライン116および第2の通信ライン117を有する。第1の通信ライン116は、無線通信ライン(例えば、Wi−Fi)であり、第2の通信ライン117は、有線通信ライン(例えば、CAN)である。この実施形態では、点火後、無線暗号化のために使用される対称鍵が、まず始めに有線インターフェースを介して共有される。暗号化鍵が共有されると、無線通信リンクを設定することが可能となる。
【0053】
第1の通信ライン116を介した通信は、Bluetooth、WAVE、ETSI ITS−G5、IEEE802.15.4、C−V2X等のような規格のうちの1つに準拠していてもよい。
【0054】
第2の通信ライン117は、ISO11992 CANラインまたはSAE J2497電力線であり得る。第2の通信ライン117を、光学的に確立してもよい。
【0055】
無線メッセージが正しい鍵によって暗号化されているという事実により、トラック112および第1の認証コード生成モジュール118は、無線送信元が、当該トラック112の連結相手であるトレーラ114であることを確信する。なぜなら、無線通信ライン116へのアクセスを有する当事者は、他にいないからである。
【0056】
図3は、本発明によるシステム210および方法の第3の実施形態による、無線接続を使用した暗号化鍵の交換についてのさらなる概略図を示す。
【0057】
この実施形態では、図1に関連して説明したシステム10の全ての構造的特徴および機能的特徴が実現されており、かつ存在している。
【0058】
類似の、同一の、または対応する機能には、200の値が加算された参照符号が付されており、すなわち、トラック212、トレーラ214、第1の通信ライン216、第2の通信ライン217、第1の認証コード生成モジュール218、および第2のコード処理モジュール220が設けられている。
【0059】
1つの実施形態では、暗号化鍵は、通信の最初に、第1の通信ライン216および第2の通信ライン217を介して無線で共有される。本方法は、例えば、ディフィー・ヘルマンまたはRSA鍵交換アルゴリズムを使用する。暗号化鍵が共有されると、当事者達は、各自の送信されたデータをその鍵によって暗号化する。
【符号の説明】
【0060】
10 システム
12 トラック
14 トレーラ
16 通信ライン;空気圧ライン
17 通信ライン;無線通信ライン
18 認証コード生成モジュール
20 コード処理モジュール
110 システム
112 トラック
114 トレーラ
116 通信ライン;無線通信ライン
117 通信ライン;有線通信ライン
118 認証コード生成モジュール
120 コード処理モジュール
210 システム
212 トラック
214 トレーラ
216 通信ライン;無線通信ライン
217 通信ライン;無線通信ライン
218 認証コード生成モジュール
220 コード処理モジュール
図1
図2
図3
【国際調査報告】