(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本開示は、ステープル化ペプチド組成物の開発、生産、特性解析、及び/または使用のための強力な技術を提供する。とりわけ、本開示は、ステープル化に特に適しているかまたは有用なアミノ酸配列を定義するための戦略、ならびにかかるアミノ酸配列を有するステープル化ペプチドを開発する、生産する、特性解析する、及び/または使用するための技術、試薬、及び系を提供する。本開示は、予め選択されたアミノ酸配列に必然的に制約されるかかる技術に伴う問題の源を特定する。
目的とする標的にペプチドの集団を接触させるステップであって、それにより、前記集団の1つまたは複数のステープル化ペプチドが前記標的に結合するようにする、前記ステップと、
前記標的に結合するステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定するステップと、を含む、方法。
少なくとも2つのアミノ酸残基を各々独立して、ステープル化に好適なアミノ酸残基で置き換えることを含み、前記ステープル化に好適な置き換えのアミノ酸残基がステープル化される、請求項27に記載の方法。
ステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定することが、前記ステープル化ペプチドの前記アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を決定することを含む、請求項25〜33のいずれか1項に記載の方法。
ステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定することが、ファージ粒子に含有されるヌクレオチド配列を決定することを含む、請求項25〜34のいずれか1項に記載の方法。
ステープル化ペプチドの第2の集団を合成することをさらに含み、前記ステープル化ペプチドの各々が、前記標的に結合する1つまたは複数のステープル化ペプチドと少なくともあるモチーフを共有するアミノ酸配列を有する、請求項24〜38のいずれか1項に記載の方法。
修飾されたペプチドを提供するように1つまたは複数のアミノ酸残基の各々を独立して異なるアミノ酸残基で置き換えることによって、親ペプチドを修飾することであって、前記修飾されたペプチドが、ステープル化に好適な少なくとも2つの残基を含む、前記修飾することと、
前記ステープル化に好適な2つの残基をステープル化することと、を含む、方法。
前記親ペプチドが、親配列のものであるか、またはそれを含み、前記親配列が、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、もしくはペプチドYY、またはその断片の配列である、請求項40〜46のいずれか1項に記載の方法。
前記修飾されたペプチドを目的とする標的と共にし、それにより、前記集団の1つまたは複数のステープル化ペプチドが前記標的に結合するようにすることと、前記標的に結合するステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定することと、をさらに含む、請求項40〜49のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0030】
定義
本明細書で使用されるとき、別途指定されない限り、以下の定義が適用されるものとする。この開示の目的において、化学元素は、元素周期表、CAS版(Handbook of Chemistry and Physics,75
th Ed)に従って特定される。追加として、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5
th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載されている。
【0031】
投与:本明細書で使用されるとき、「投与」という用語は典型的に、対象または系への組成物の投与を指す。当業者であれば、適切な状況下で、対象、例えばヒトへの投与に利用され得る、様々な経路について知っているであろう。例えば、一部の実施形態では、投与は、眼、経口、非経口、局所等であってもよい。一部の特定の実施形態では、投与は、気管支(例えば、気管支点滴によって)、頬側、皮膚(これは例えば、真皮、皮内、皮膚間(interdermal)、経皮等への局所のうちの1つまたは複数であり得るか、またはそれを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、脳室内、具体的な臓器内(例えば、肝臓内)、粘膜、鼻腔、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴によって)、膣、硝子体等であってもよい。一部の実施形態では、投与は、断続的(例えば、時間を置いた複数回用量)及び/または周期的(例えば、共通の一定期間を置いた個々の用量)投薬である投薬を伴ってもよい。一部の実施形態では、投与は、少なくとも選択される一定期間にわたる連続的投薬(例えば、灌流)を伴ってもよい。
【0032】
薬剤:一般に、本明細書で使用される「薬剤」という用語は、例えば、ポリペプチド、核酸、糖類、脂質、小分子、金属、またはその組み合わせもしくは複合体を含めた、任意の化学クラスの化合物または実体を指して使用されてもよい。当業者には前後関係から明らかとなろうが、適切な状況下で、この用語は、細胞もしくは生物、またはその画分、抽出物、もしくは構成成分であるか、またはそれを含む実体を指して利用されてもよい。代替または追加として、前後関係から明らかとなろうが、この用語は、それが自然界で見出される及び/または自然界から得られるという点で、天然産物を指して使用されてもよい。一部の事例では、同じく前後関係から明らかとなろうが、この用語は、それが人為的作用を通して設計される、操作される、及び/または生産される、及び/または自然界で見出されないという点で人造である、1つまたは複数の実体を指して使用されてもよい。一部の実施形態では、薬剤は、単離された形態または純粋な形態で利用されてもよく、一部の実施形態では、薬剤は、未精製の形態で利用されてもよい。一部の実施形態では、可能性のある薬剤は、例えば、集合体またはライブラリとして提供されてもよく、この集合体またはライブラリが、それらの内部の活性薬剤を特定するか、または特性解析するためにスクリーニングされてもよい。場合によっては、「薬剤」という用語は、ポリマーであるか、またはそれを含む化合物または実体を指してもよく、場合によっては、この用語は、1つまたは複数のポリマー部分を含む化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、「薬剤」という用語は、ポリマーではない、及び/またはあらゆるポリマー及び/または1つもしくは複数の特定のポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、この用語は、あらゆるポリマー部分を欠いているか、またはあらゆるポリマー部分を実質的に含まない、化合物または実体を指してもよい。一部の実施形態では、薬剤は化合物である。一部の実施形態では、薬剤はステープル化ペプチドである。
【0033】
脂肪族:本明細書で使用されるとき、「脂肪族」とは、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、非分岐状)または分岐状、置換または非置換の炭化水素鎖、あるいは完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有する置換または非置換の単環式、二環式、または多環式炭化水素環、あるいはそれらの組み合わせを意味する。別途明記されない限り、脂肪族基は、1〜100個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜9個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜7個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。依然として他の実施形態では、脂肪族基は、1〜5個の脂肪族炭素原子を含有し、なおも他の実施形態では、脂肪族基は、1、2、3、または4個の脂肪族炭素原子を含有する。好適な脂肪族基には、直鎖状または分岐状、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及びそれらのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
アルケニル:本明細書で使用されるとき、「アルケニル」という用語は、1つまたは複数の二重結合を有する、本明細書で定義されるような脂肪族基を指す。
【0035】
アルケニレン:「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。
【0036】
アルキル:本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含めた、飽和脂肪族基を含んでもよい。一部の実施形態では、アルキルは、1〜100個の炭素原子を有する。ある特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格(例えば、直鎖の場合C
1〜C
20、分岐鎖の場合C
2〜C
20)において約1〜20個、代替としては、約1〜10個の炭素原子を有する。一部の実施形態では、シクロアルキル環は、それらの環構造において約3〜10個の炭素原子を有し(かかる環は、単環式、二環式、または多環式である)、代替としては、環構造において約5、6、または7個の炭素を有する。一部の実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、低級アルキル基とは、1〜4個の炭素原子(例えば、直鎖低級アルキルの場合C
1〜C
4)を含むものである。
【0037】
アルキレン:「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。
【0038】
アミノ酸:本明細書で使用されるその最も広義において、例えば1つまたは複数のペプチド結合の形成を通して、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物及び/または物質を指す。一部の実施形態では、アミノ基とカルボン酸基とを含むアミノ酸。一部の実施形態では、アミノ酸は、NH(R
a1)−L
a1−C(R
a2)(R
a3)−L
a2−COOHの構造を有し、ここで、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造NH(R’)−C(R’)
2−COOHを有し、ここで、各R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造H
2N−C(R’)
2−COOHを有し、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造H
2N−C(H)(R’)−COOHを有し、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸は、D−アミノ酸であり、一部の実施形態では、アミノ酸は、L−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般的に見出される20個の標準L−アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」は、それが合成的に調製されるか、または天然の供給源から得られるかを問わず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドにおけるカルボキシ末端及び/またはアミノ末端アミノ酸を含めた、アミノ酸は、上記の一般構造と比較して構造修飾を含有し得る。例えば、一部の実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、及び/または置換(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つもしくは複数の陽子、1つもしくは複数の水素、及び/またはヒドロキシル基の)によって修飾されてもよい。一部の実施形態では、かかる修飾は、例えば、その他の点では同一の未修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期を改変し得る。一部の実施形態では、かかる修飾は、その他の点では同一の未修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの関連性のある活性を顕著に改変しない。前後関係から明らかとなろうが、一部の実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指して使用されてもよく、一部の実施形態では、それは、ポリペプチドのアミノ酸残基を指して使用されてもよい。
【0039】
類似体:本明細書で使用されるとき、「類似体」という用語は、参照物質と1つまたは複数の特定の構造的特徴、要素、構成成分、または部分を共有する物質を指す。典型的には、「類似体」は、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有して、参照物質との顕著な構造的類似性を示すが、同時にある特定の個別的な様式で異なる。一部の実施形態では、類似体は、例えば参照物質の化学的操作によって、参照物質から生成され得る物質である。一部の実施形態では、類似体は、参照物質を生成する合成プロセスに実質的に類似した(例えば、それと複数の工程を共有する)合成プロセスの実施を通して生成され得る物質である。一部の実施形態では、類似体は、参照物質を生成するために用いられる合成プロセスとは異なる合成プロセスの実施を通して生成されるか、生成され得る。
【0040】
動物:本明細書で使用されるとき、動物界の任意の成員を指す。一部の実施形態では、「動物」は、いずれの性別の、任意の発生段階にあるヒトを指す。一部の実施形態では、「動物」は、任意の発生段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/またはブタ)である。一部の実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥、爬虫類、両生類、魚、昆虫、及び/または蠕虫が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/またはクローンであってもよい。
【0041】
およそ:本明細書で使用されるとき、目的とする1つまたは複数の値に適用される「およそ」または「約」という用語は、定められる参照値に類似した値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別途定められるか、または別途文脈から明らかでない限り、定められる参照値からいずれかの方向で(それ超または未満)25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満以内に該当する幅広い値を指す(かかる数が可能な値の100%を超える場合を除く)。
【0042】
アリール:単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、「アリールオキシアルキル」等にあるように、より大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、総計5〜30個の環員を有する単環式、二環式、または多環式環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であるものを指す。一部の実施形態では、アリール基は、総計5〜14個の環員を有する単環式、二環式、または多環式環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であり、この系における各環が3〜7個の環員を含有するものである。一部の実施形態では、アリール基は、ビアリール基である。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用されてもよい。本開示のある特定の実施形態では、「アリール」は、1つまたは複数の置換基を担持し得る、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ビナフチル、アントラシル等を含むが、これらに限定されない芳香環系を指す。一部の実施形態では、本明細書で使用されるとき、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル(naphthimidyl)、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチル等といった、芳香環が1つまたは複数の非芳香環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がアリール環上にある基もまた、「アリール」という用語の範囲内に含まれる。
【0043】
に関連する:その用語が本明細書で使用されるとき、2つの事象または実体は、一方の存在、レベル、及び/または形態が他方の存在、レベル、及び/または形態と相関する場合、互いに「関連する」。例えば、特定の実体(例えば、核酸(例えば、ゲノムDNA、転写物、mRNA等)、ポリペプチド、遺伝子サイン、代謝産物、微生物等)は、その存在、レベル、及び/または形態が(例えば、関連性のある集団にわたる)特定の疾患、障害、または病態の発生率及び/または易罹患性と相関する場合、その疾患、障害、または病態に関連すると見なされる。
【0044】
担体:本明細書で使用されるとき、組成物が共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。一部の代表的な実施形態では、担体には、例えば、ピーナツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油等といった、石油、動物、植物、または合成由来の油を含む、例えば、水及び油等の、滅菌液体が含まれ得る。一部の実施形態では、担体は、1つまたは複数の固体構成成分であるか、またはそれを含む。
【0045】
同等の:本明細書で使用されるとき、「同等の」という用語は、互いに同一でない可能性があるが、それらの間の比較を許容するのに十分に類似しており、これにより、当業者であれば、観察される差異または類似性に基づいて結論が合理的に導かれ得るということを理解しよう、2つ以上の薬剤、実体、状態、条件の組等を指す。一部の実施形態では、同等の条件の組、状態、個体、または集団は、複数の実質的に同一の特徴及び1つまたは少数の変化のある特徴によって特徴付けられる。当業者であれば、前後関係において、任意の所与の状況で、2つ以上のかかる薬剤、実体、状況、条件の組等が同等と見なされるにはどの程度の同一性が必要とされるかを理解しよう。例えば、当業者であれば、異なる状況の組、個体、もしくは集団の下で、または異なる状況の組、個体、もしくは集団により得られた結果または観察される現象の差異が、変化のある特徴における変動によって引き起こされるか、またはその変動を示すものであるという合理的な結論を保証するのに十分な数及び種類の実質的に同一の特徴によって特徴付けられる場合、状況の組、個体、または集団が互いに同等であることを理解しよう。
【0046】
組成物:当業者であれば、「組成物」という用語が、1つまたは複数の明記される構成成分を含む個別的な物理的実体を指して使用されてもよいことを理解しよう。一般に、別途明記されない限り、組成物は、任意の形態、例えば、ガス、ゲル、液体、固体等のものであってもよい。
【0047】
を含む:1つまたは複数の指示される要素または工程「を含む」として本明細書に記載される組成物または方法は、オープンエンドであり、つまり、指定される要素または工程は必須であるが、他の要素または工程が本組成物または方法の範囲内で追加されてもよい。冗長さを回避するために、1つまたは複数の指定される要素または工程「を含む(comprising)」として記載される(またはそれ「を含む(comprises)」)任意の組成物または方法はまた、同じ指定される要素または工程「から本質的になる(consisting essentially of)」(またはそれ「から本質的になる(consists essentially of)」)、対応する、より限定された組成物または方法についても記載し、つまり、本組成物または方法は、指定される必須の要素または工程を含み、また、本組成物または方法の基本的で新規の特質(複数可)に著しく影響を及ぼさない追加の要素または工程を含んでもよいこともまた理解される。1つまたは複数の指定される要素または工程「を含む」またはそれ「から本質的になる」として本明細書に記載される任意の組成物または方法はまた、任意の他の指定されていない要素または工程を除外するように、指定される要素または工程「からなる(consisting of)」(またはそれ「からなる(consists of)」)、対応する、より限定されたクローズドエンドの組成物または方法についても記載することもまた理解される。本明細書に開示される任意の組成物または方法において、任意の指定される必須の要素または工程に対する既知のまたは開示される均等物が、その要素または工程を置換してもよい。
【0048】
環状脂肪族:本明細書で使用される「環状脂肪族」という用語は、例えば3〜30員を有する、飽和または部分的に不飽和の、脂肪族の単環式、二環式、または多環式環系を指し、この脂肪族環系は、任意選択で置換される。環状脂肪族基には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、及びシクロオクタジエニルが含まれる。一部の実施形態では、シクロアルキルは、3〜6個の炭素を有する。「環状脂肪族」という用語にはまた、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチル等の、1つまたは複数の芳香環または非芳香環に縮合しており、ラジカルまたは結合点が脂肪族環上にある脂肪族環も含まれる。一部の実施形態では、炭素環基は、二環式である。一部の実施形態では、炭素環基は、三環式である。一部の実施形態では、炭素環基は、多環式である。一部の実施形態では、「環状脂肪族」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式C
3〜C
6炭化水素、またはC
8〜C
10二環式炭化水素、あるいは完全に飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではないC
9〜C
16三環式炭化水素を指す。
【0049】
誘導体:本明細書で使用されるとき、「誘導体」という用語は、参照物質の構造的類似体を指す。つまり、「誘導体」は、例えば、コアまたはコンセンサス構造を共有して、参照物質との顕著な構造的類似性を示すが、同時にある特定の個別的な様式で異なる物質である。一部の実施形態では、誘導体は、化学的操作によって参照物質から生成され得る物質である。一部の実施形態では、誘導体は、参照物質を生成する合成プロセスに実質的に類似した(例えば、それと複数の工程を共有する)合成プロセスの実施を通して生成され得る物質である。
【0050】
剤形または単位剤形:当業者であれば、「剤形」という用語が、対象への投与のための、活性薬剤(例えば、治療剤または診断剤)の物理的に個別的な単位を指して使用されてもよいことを理解しよう。典型的には、かかる各単位は、既定分量の活性薬剤を含有する。一部の実施形態では、かかる分量は、関連性のある集団に投与されたときに所望の転帰または有益な転帰と相関すると決定された投薬レジメンに(すなわち、治療的投薬レジメンに)従った投与に適切な、単位投薬量(またはその完全な小部分(whole fraction))である。当業者は、特定の対象に投与される治療的組成物または治療剤の総量が1名または複数名の主治医によって決定され、複数の剤形の投与を伴なってもよいことを理解する。
【0051】
投薬レジメン:当業者であれば、「投薬レジメン」という用語が、典型的には一定期間を置いて、対象に個々に投与される一組の単位用量(典型的には1つよりも多く)を指して使用されてもよいことを理解しよう。一部の実施形態では、所与の治療剤は、推奨される投薬レジメンを有し、この投薬レジメンは、1回または複数回の用量を伴ってもよい。一部の実施形態では、投薬レジメンは、複数回用量を含み、これらの各々は、他の用量から時間を置かれる。一部の実施形態では、個々の用量は、同じ長さの一定期間を互いに置かれ、一部の実施形態では、投薬レジメンは、複数回用量を含み、個々の用量が少なくとも2つの異なる一定期間を置かれる。一部の実施形態では、投薬レジメン内の全ての用量が、同じ単位用量の量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメン内の異なる用量は、異なる量のものである。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の用量の量での第1の用量、続いて第1の用量の量とは異なる第2の用量の量での1つまたは複数の追加用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の用量の量での第1の用量、続いて第1の用量の量と同じ第2の用量の量での1つまたは複数の追加用量を含む。一部の実施形態では、投薬レジメンは、関連性のある集団にわたって投与するときに所望の転帰または有益な転帰と相関する(すなわち、治療的投薬レジメンである)。
【0052】
ハロゲン:「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
【0053】
ヘテロ脂肪族:「ヘテロ脂肪族」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、1個または複数の炭素原子が1個または複数のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置き換えられる、本明細書に記載されるような脂肪族基を指す。
【0054】
ヘテロアルキル:「ヘテロアルキル」という用語は、当該技術分野におけるその通常の意味を与えられ、1個または複数の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等)で置き換えられる、本明細書に記載されるようなアルキル基を指す。ヘテロアルキル基の例としては、アルコキシ、ポリ(エチレングリコール)−、アルキル置換アミノ、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、モルホリニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
ヘテロアリール:単独でまたはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル−(heteroar−)」という用語は、例えば、総計5〜30個、例えば、5、6、9、10、14個等の環員を有する単環式、二環式、または多環式環系であり、この系における少なくとも1個の環が芳香族であり、少なくとも1個の芳香環原子がヘテロ原子であるものを指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、5〜10個の環原子(すなわち、単環式、二環式、または多環式)、一部の実施形態では5、6、9、または10個の環原子を有する基である。一部の実施形態では、ヘテロアリール基は、環状のアレイにおいて共有される6、10、または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて1〜5個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが含まれる。一部の実施形態では、ヘテロアリールは、ビピリジル等といったヘテロビアリール基である。本明細書で使用される「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル−(heteroar−)」という用語にはまた、ヘテロ芳香環が1つまたは複数のアリール環、環状脂肪族環、またはヘテロシクリル環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香環上にある基も含まれる。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、または多環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に使用されてもよく、これらの用語のいずれにも、任意選択で置換される環が含まれる。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリール基によって置換されたアルキル基を指し、このアルキル部分及びヘテロアリール部分が独立して、任意選択で置換される。
【0056】
ヘテロ原子:「ヘテロ原子」という用語は、炭素ではなく、かつ水素ではない原子を意味する。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、またはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態または複素環式環の置換可能な窒素(例えば、3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるようなN)、NH(ピロリジニルにあるような)もしくはNR
+(N−置換ピロリジニルにあるような)等を含む)である。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。
【0057】
ヘテロシクリル:本明細書で使用されるとき、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」、及び「複素環式環」という用語は、互換的に使用され、飽和または部分的に不飽和であり、1個または複数のヘテロ原子の環原子を有する単環式、二環式、または多環式環部分(例えば、3〜30員)を指す。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、またはリンである。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、または硫黄である。一部の実施形態では、ヘテロシクリル基は、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1個または複数の、好ましくは1〜4個の、上記に定義されるようなヘテロ原子を有する、安定な5員〜7員の単環式または7員〜10員の二環式の複素環部分である。複素環の環原子を参照して使用されるとき、「窒素」という用語には、置換される窒素が含まれる。例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルにあるような)、NH(ピロリジニルにあるような)、または
+NR(N−置換ピロリジニルにあるような)であってもよい。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合して、これにより安定な構造をもたらすことが可能であり、環原子のうちのいずれかは、任意選択で置換され得る。かかる飽和または部分的に不飽和の複素環ラジカルの例としては、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」、及び「複素環ラジカル」という用語は、本明細書で互換的に使用され、これにはまた、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環、または環状脂肪族環に縮合しており、ラジカルまたは結合点がヘテロ脂肪族環上にある基も含まれる。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、または多環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、このアルキル部分及びヘテロシクリル部分が独立して、任意選択で置換される。
【0058】
相同性:本明細書で使用されるとき、「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子間(例えば、DNA分子及び/またはRNA分子)及び/またはポリペプチド分子間の全体的な関連性を指す。一部の実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「相同」であると見なされる。一部の実施形態では、ポリマー分子は、それらの配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%類似している(例えば、対応する位置に、関連する化学特性を有する残基を含有する)場合、互いに「相同」であると見なされる。例えば、当業者には周知であるが、ある特定のアミノ酸は、「疎水性」もしくは「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」もしくは「非極性」側鎖を有するものとして、互いに類似するとして典型的に分類される。1つのアミノ酸による、同じ種類の別のアミノ酸の置換は、多くの場合、「相同」置換と見なされ得る。典型的なアミノ酸のカテゴリー分類を下記に要約する。
【表4】
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【表5-1】
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【表5-2】
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【0059】
当業者には理解されようが、配列の相同性の程度を決定するために配列の比較を許容する様々なアルゴリズムが利用可能であり、これは、異なる配列においてどの残基が互いに「対応する」かを考慮する際に、1つの配列において別の配列と比べて指定の長さのギャップを許容することによるものを含む。例えば、2つの核酸配列間の相同性パーセントの算出は、最適な比較を得る目的で2つの配列をアライメントすることによって行われ得る(例えば、最適なアライメントを得るために第1の核酸配列及び第2の核酸配列の一方または両方においてギャップが導入され得、対応しない配列は比較目的において無視され得る)。ある特定の実施形態では、比較目的でアライメントした配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次いで、対応するヌクレオチド位置でのヌクレオチドが比較される。第1の配列におけるある位置が、第2の配列における対応する位置と同じヌクレオチドによって占有される場合、当該分子は、その位置で同一であり、第1の配列におけるある位置が、第2の配列における対応する位置と類似したヌクレオチドによって占有される場合、当該分子は、その位置で類似している。2つの配列間の相同性パーセントは、2つの配列の最適なアライメントを得るために導入される必要のあるギャップの数、及び各ギャップの長さを考慮した上で、当該配列によって共有される同一の位置及び類似した位置の数の関数である。2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントを決定する際に有用な、代表的なアルゴリズム及びコンピュータプログラムには、例えば、Meyers and Miller(CABIOS,1989,4:11−17)のアルゴリズムが含まれ、これは、PAM120重み残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いる、ALIGNプログラム(第2.0版)に組み込まれている。2つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、代替として、例えば、NWSgapdna.CMPマトリックスを用いる、GCGソフトウェアパッケージにおけるGAPプログラムを用いて決定され得る。
【0060】
「改善される」、「増加する」、または「低減される」:本明細書で使用されるとき、これらの用語、または文法的に同等の比較用語は、同等の参照測定値と比べたものである値を示す。例えば、一部の実施形態では、目的とする薬剤で達成される評価値は、同等の参照薬剤で得られる値と比べて「改善される」場合がある。代替または追加として、一部の実施形態では、目的とする対象または系において達成される評価値は、異なる条件下(例えば、目的とする薬剤の投与等の事象の前または後)での同じ対象もしくは系において、または異なる同等の対象において(例えば、目的とする特定の疾患、障害、もしくは病態の1つもしくは複数の指標の存在の点で、またはある条件もしくは薬剤への以前の曝露の点で、目的とする対象または系とは異なる、同等の対象または系において等)得られると比べて、「改善される」場合がある。一部の実施形態では、比較用語は、統計的に意義のある差異(例えば、統計的意義を達成するのに十分な普及度及び/または規模のもの)を指す。当業者であれば、所与の文脈において、かかる統計的有意性を達成するのに必要とされる、またはそれを達成するのに十分である、差異の程度及び/または普及度について知っているか、または容易に決定可能であろう。
【0061】
部分的に不飽和の:本明細書で使用されるとき、「部分的に不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む部分を指す。「部分的に不飽和の」という用語は、複数の不飽和の部位を有する基を包含することを意図するが、アリール部分またはヘテロアリール部分を含むことは意図しない。
【0062】
ペプチド:本明細書で使用される「ペプチド」という用語は、典型的には比較的短い、例えば、約100アミノ酸未満、約50アミノ酸未満、約40アミノ酸未満、約30アミノ酸未満、約25アミノ酸未満、約20アミノ酸未満、約15アミノ酸未満、または10アミノ酸未満の長さを有するポリペプチドを指す。
【0063】
薬学的組成物:本明細書で使用されるとき、「薬学的組成物」という用語は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された活性薬剤を指す。一部の実施形態では、活性薬剤は、関連性のある集団に投与したときに既定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンにおける投与に適切な、単位用量の量で存在する。一部の実施形態では、薬学的組成物は、以下のために適合されたものを含めて、固体または液体形態での投与用に特別に製剤化されてもよい:経口投与、例えば、飲薬(水性または非水性液剤または懸濁剤)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身性吸収を目的としたもの、巨丸剤、散剤、顆粒剤、舌に適用するためのパスタ剤;例えば、滅菌溶液もしくは懸濁剤、または徐放性製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注射による非経口投与;例えば、皮膚、肺、または口腔に適用されるクリーム、軟膏、または制御放出性の貼付剤もしくはスプレー剤としての局所適用;例えば、ペッサリー、クリーム、または泡沫として、腟内または直腸内に;舌下に;眼に;経皮的に;あるいは鼻腔に、肺に、及び他の粘膜表面に。
【0064】
薬学的に許容される:本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される」という語句は、賢明な医療判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
【0065】
薬学的に許容される担体:本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される担体」という用語は、対象となる化合物を1つの臓器または身体部分から別の臓器または身体部分に運搬または輸送することに関与する、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、または溶媒カプセル封入材料(solvent encapsulating material)等の、薬学的に許容される材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であると共に、患者にとって有害でないという意味で「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体としての役目を果たすことができる材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、及びスクロース等の糖;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバター及び坐剤ワックス等の賦形剤;ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油等の油;プロピレングリコール等のグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコール等のポリオール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;アルギン酸;発熱物質不含水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;pH緩衝溶液;ポリエステル、ポリカーボネート、及び/またはポリ無水物;ならびに薬学的製剤に採用される他の無毒の適合性物質が挙げられる。
【0066】
薬学的に許容される塩:本明細書で使用される「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学関連で使用するのに適切であるような化合物の塩、すなわち、賢明な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,66:1−19(1977)で薬学的に許容される塩について詳述している。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸等の無機酸と共に形成される、または酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸と共に形成される、あるいはイオン交換等の他の既知の方法を用いることによって形成されるアミノ基の塩である、無毒の酸付加塩が含まれるが、これに限定されない。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩(undecanoate)、吉草酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、塩基と共に、提供される化合物の酸性基(例えば、オリゴヌクレオチドのリン酸結合基、オリゴヌクレオチドのホスホロチオエート結合基等)によって形成されるもの等の、無毒の塩基付加塩が含まれるが、これに限定されない。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の塩が含まれる。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、アンモニウム塩(例えば、−N(R)
3+)である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ナイトレート、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネート、及びアリールスルホネート等の対イオンを用いて形成される、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが含まれる。
【0067】
ポリペプチド:本明細書で使用されるとき、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在するアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在しないアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、それが人為的作用を通して設計される及び/または生産されるという点で操作されている、アミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、または両方を含み得るか、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは、天然アミノ酸のみまたは非天然アミノ酸のみを含み得るか、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D−アミノ酸、L−アミノ酸、または両方を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、D−アミノ酸のみを含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、L−アミノ酸のみを含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドのN末端で、ポリペプチドのC末端で、またはそれらの任意の組み合わせで、例えば、1つまたは複数のアミノ酸側鎖を修飾するか、またはそれに結合した、1つまたは複数のペンダント基または他の修飾を含んでもよい。一部の実施形態では、かかるペンダント基または修飾は、アセチル化、アミド化、脂質化、メチル化、ペグ化等(それらの組み合わせを含む)からなる群から選択され得る。一部の実施形態では、ポリペプチドは環状であってもよく、及び/または環状部分を含んでもよい。一部の実施形態では、ポリペプチドは環状ではなく、及び/またはいかなる環状部分も含まない。一部の実施形態では、ポリペプチドは直鎖状である。一部の実施形態では、ポリペプチドは、ステープル化ポリペプチドであってもよいか、またはそれを含んでもよい。一部の実施形態では、「ポリペプチド」という用語は、参照ポリペプチド、活性、または構造の名称に付加されてもよく、かかる事例において、それは、関連性のある活性または構造を共有し、故に、ポリペプチドの同じクラスまたはファミリーの成員であると見なされ得るポリペプチドを指して本明細書で使用される。各かかるクラスに関して、本明細書は、アミノ酸配列及び/または機能が知られている当該クラス内の代表的なポリペプチドを提供し、及び/または当業者であれば、それを知っているであろう。一部の実施形態では、かかる代表的なポリペプチドは、当該ポリペプチドクラスまたはファミリーに対する参照ポリペプチドである。一部の実施形態では、ポリペプチドクラスまたはファミリーの成員は、当該クラスの参照ポリペプチドとの(一部の実施形態では当該クラス内の全てのポリペプチドとの)顕著な配列相同性もしくは同一性を示し、それと共通の配列モチーフ(例えば、特有の配列要素)を共有し、及び/またはそれと共通の活性を共有する(一部の実施形態では、同等のレベルでまたは指定範囲内で)。例えば、一部の実施形態では、成員ポリペプチドは、少なくとも約30〜40%である、また多くの場合、約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超もしくはそれよりも高い、参照ポリペプチドとの全体的な配列相同性または同一性の程度を示し、及び/または、しばしば90%超またはさらには95%、96%、97%、98%、もしくは99%の非常に高い配列同一性を示す少なくとも1つの領域(例えば、一部の実施形態では特有の配列要素であり得るか、またはそれを含み得る保存された領域)を含む。かかる保存された領域は通常、少なくとも3〜4個、及び多くの場合、最大20個またはそれよりも多くのアミノ酸を包含し、一部の実施形態では、保存された領域は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15個またはそれよりも多くの連続したアミノ酸の少なくとも1つの連なりを包含する。一部の実施形態では、関連性のあるポリペプチドは、親ポリペプチドの断片を含み得るか、またはそれからなり得る。一部の実施形態では、有用なポリペプチドは、複数の断片を含み得るか、またはそれからなり得、これらの断片の各々は、目的とするポリペプチドに見出されるものとは異なる互いに対する空間的配置で同じ親ポリペプチドに見出され(例えば、親において直接連結されている断片が、目的とするポリペプチドにおいては空間的に隔てられ得るか、もしくはその逆であり、及び/または断片が、目的とするポリペプチドにおいて、親における順序とは異なる順序で存在し得る)、その結果、目的とするポリペプチドは、その親ポリペプチドの誘導体である。
【0068】
予防するまたは予防:本明細書で使用されるとき、疾患、障害、及び/または病態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害、及び/または病態の発症リスクを低減すること、及び/または疾患、障害、もしくは病態の1つもしくは複数の特徴もしくは症状の発現を遅延させることを指す。予防は、疾患、障害、または病態の発現が所定の一定期間遅延された場合、完全と見なされ得る。
【0069】
保護基:本明細書で使用される「保護基」という語句は、反応性の可能性がある官能基を望まれない化学的変換から保護する、一時的な置換基を指す。かかる保護基の例としては、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびに、それぞれアルデヒド及びケトンのアセタール及びケタールが挙げられる。「Si保護基」は、Si−トリアルキル(例えば、トリメチルシリル、トリブチルシリル、t−ブチルジメチルシリル)、Si−トリアリール、Si−アルキル−ジフェニル(例えば、t−ブチルジフェニルシリル)、またはSi−アリール−ジアルキル(例えば、Si−フェニルジアルキル)等の、Si原子を含む保護基である。全般的に、Si保護基は、酸素原子に結合している。保護基の化学的性質の分野については概説されている(Greene,T.W.;Wuts,P.G.M.Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991)。かかる保護基(及び関連する保護された部分)については、下記に詳述される。
【0070】
保護されたヒドロキシル基は当該技術分野で周知であり、これには、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳述されるものが含まれ、同文献の全体が参照により本明細書に援用される。好適に保護されたヒドロキシル基の例としては、エステル、カーボネート、スルホネート、アリルエーテル、エーテル、シリルエーテル、アルキルエーテル、アリールアルキルエーテル、及びアルコキシアルキルエーテルがさらに挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルの例としては、ギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、ペンタン酸エステル、クロトン酸エステル、及び安息香酸エステルが挙げられる。好適なエステルの具体的な例としては、ギ酸エステル、ベンゾイルギ酸エステル、クロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステル、メトキシ酢酸エステル、トリフェニルメトキシ酢酸エステル、p−クロロフェノキシ酢酸エステル、3−フェニルプロピオン酸エステル、4−オキソペンタン酸エステル、4,4−(エチレンジチオ)ペンタン酸エステル、ピバル酸エステル(pivaloate)(トリメチル酢酸エステル)、クロトン酸エステル、4−メトキシ−クロトン酸エステル、安息香酸エステル、p−ベンジル安息香酸エステル、2,4,6−トリメチル安息香酸エステルが挙げられる。好適なカーボネートの例としては、9−フルオレニルメチル、エチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−(トリメチルシリル)エチル、2−(フェニルスルホニル)エチル、ビニル、アリル、及びp−ニトロベンジルカーボネートが挙げられる。好適なシリルエーテルの例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルエーテル、及び他のトリアルキルシリルエーテルが挙げられる。好適なアルキルエーテルの例としては、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチル、及びアリルエーテル、またはそれらの誘導体が挙げられる。アルコキシアルキルエーテルには、メトキシメチル、メチルチオメチル、(2−メトキシエトキシ)メチル、ベンジルオキシメチル、ベータ−(トリメチルシリル)エトキシメチル、及びテトラヒドロピラン−2−イルエーテル等のアセタールが含まれる。好適なアリールアルキルエーテルの例としては、ベンジル、p−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、2−及び4−ピコリルエーテルが挙げられる。
【0071】
保護されたアミンは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適なモノ保護(mono−protected)アミンには、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミド等がさらに含まれるが、これらに限定されない。好適なモノ保護アミノ部分の例としては、t−ブチルオキシカルボニルアミノ(−NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ(−NHAlloc)、ベンジルオキソカルボニルアミノ(−NHCBZ)、アリルアミノ、ベンジルアミノ(−NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(−NHFmoc)、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、フェニルアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミド、t−ブチルジフェニルシリル等が挙げられる。好適なジ保護(di−protected)アミンには、モノ保護アミンとして上述されるものから独立して選択される2つの置換基で置換されているアミンが含まれ、フタルイミド、マレイミド、スクシンイミド等といった環状イミドがさらに含まれる。好適なジ保護アミンにはまた、ピロール等、2,2,5,5−テトラメチル−[1,2,5]アザジシロリジン等、及びアジドも含まれる。
【0072】
保護されたアルデヒドは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたアルデヒドには、非環状アセタール、環状アセタール、ヒドラゾン、イミン等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかる基の例としては、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、ジベンジルアセタール、ビス(2−ニトロベンジル)アセタール、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、セミカルバゾン、及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0073】
保護されたカルボン酸は当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたカルボン酸には、任意選択で置換されるC
1−6脂肪族エステル、任意選択で置換されるアリールエステル、シリルエステル、活性化エステル、アミド、ヒドラジド等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかるエステル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ベンジル、及びフェニルエステルが挙げられ、ここで、各基は、任意選択で置換される。追加の好適な保護されたカルボン酸には、オキサゾリン及びオルトエステルが含まれる。
【0074】
保護されたチオールは当該技術分野で周知であり、これには、Greene(1999)に詳述されるものが含まれる。好適な保護されたチオールには、ジスルフィド、チオエーテル、シリルチオエーテル、チオエステル、チオカーボネート、及びチオカルバメート等がさらに含まれるが、これらに限定されない。かかる基の例としては、ほんの少数を挙げると、アルキルチオエーテル、ベンジル及び置換ベンジルチオエーテル、トリフェニルメチルチオエーテル、ならびにトリクロロエトキシカルボニルチオエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】
参照:本明細書で使用されるとき、相対して比較が行われる標準または対照を説明する。例えば、一部の実施形態では、目的とする薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値が、参照または対照となる薬剤、動物、個体、集団、試料、配列、または値と比較される。一部の実施形態では、参照または対照は、目的とする試験または決定と実質的に同時に試験され及び/または決定される。一部の実施形態では、参照または対照は、任意選択で有形的媒体において具体化された、歴史的参照または対照である。典型的には、当業者には理解されようが、参照または対照は、評価を受けているものと同等の条件または状況下で決定されるか、または特性解析される。当業者であれば、特定の可能な参照または対照に対する信頼性及び/またはそれとの比較の正当性を示すのに十分な類似性が存在する場合について理解しよう。
【0076】
置換:本明細書に記載されるとき、本開示の化合物は、任意選択で置換される及び/または置換された部分を含有してもよい。一般に、「置換される」という用語は、「任意選択で」という用語が前に付くか否かにかかわらず、指定部分の1個または複数の水素が好適な置換基で置き換えられることを意味する。別途指定されない限り、「任意選択で置換される」基は、当該基の置換可能な各位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造において1つよりも多くの位置が、明記される群から選択される1つよりも多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、各々全ての位置で同じであっても、または異なってもよい。この開示によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される「安定な」という用語は、それらの生産、検出、ならびに、ある特定の実施形態では、それらの回収、精製、及び本明細書に開示される目的のうちの1つまたは複数に向けた使用を可能にする条件に供した際に、実質的に変化しない化合物を指す。一部の実施形態では、例となる置換基が下記に記載される。
【0077】
好適な一価置換基は、ハロゲン、−(CH
2)
0−4R°、−(CH
2)
0−4OR°、−O(CH
2)
0−4R°、−O−(CH
2)
0−4C(O)OR°、−(CH
2)
0−4CH(OR°)
2、−(CH
2)
0−4Ph(これはR°で置換されてもよい)、−(CH
2)
0−4O(CH
2)
0−1Ph(これはR°で置換されてもよい)、−CH=CHPh(これはR°で置換されてもよい)、−(CH
2)
0−4O(CH
2)
0−1−ピリジル(これはR°で置換されてもよい)、−NO
2、−CN、−N
3、−(CH
2)
0−4N(R°)
2、−(CH
2)
0−4N(R°)C(O)R°、−N(R°)C(S)R°、−(CH
2)
0−4N(R°)C(O)N(R°)
2、−N(R°)C(S)N(R°)
2、−(CH
2)
0−4N(R°)C(O)OR°、−N(R°)N(R°)C(O)R°、−N(R°)N(R°)C(O)N(R°)
2、−N(R°)N(R°)C(O)OR°、−(CH
2)
0−4C(O)R°、−C(S)R°、−(CH
2)
0−4C(O)OR°、−(CH
2)
0−4C(O)SR°、−(CH
2)
0−4C(O)OSi(R°)
3、−(CH
2)
0−4OC(O)R°、−OC(O)(CH
2)
0−4SR°、−SC(S)SR°、−(CH
2)
0−4SC(O)R°、−(CH
2)
0−4C(O)N(R°)
2、−C(S)N(R°)
2、−C(S)SR°、−SC(S)SR°、−(CH
2)
0−4OC(O)N(R°)
2、−C(O)N(OR°)R°、−C(O)C(O)R°、−C(O)CH
2C(O)R°、−C(NOR°)R°、−(CH
2)
0−4SSR°、−(CH
2)
0−4S(O)
2R°、−(CH
2)
0−4S(O)
2OR°、−(CH
2)
0−4OS(O)
2R°、−S(O)
2N(R°)
2、−(CH
2)
0−4S(O)R°、−N(R°)S(O)
2N(R°)
2、−N(R°)S(O)
2R°、−N(OR°)R°、−C(NH)N(R°)
2、−Si(R°)
3、−OSi(R°)
3、−P(R°)
2、−P(OR°)
2、−OP(R°)
2、−OP(OR°)
2、−N(R°)P(R°)
2、−B(R°)
2、−OB(R°)
2、−P(O)(R°)
2、−OP(O)(R°)
2、−N(R°)P(O)(R°)
2、−(C
1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)O−N(R°)
2、または−(C
1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)C(O)O−N(R°)
2であり、ここで、各R°は、下記に定義されるように置換されてもよく、独立して、水素、C
1−20脂肪族、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される1〜5個のヘテロ原子を有するC
1−20ヘテロ脂肪族、−CH
2−(C
6−14アリール)、−O(CH
2)
0−1(C
6−14アリール)、−CH
2−(5〜14員のヘテロアリール環)、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する5〜20員の単環式、二環式、または多環式の飽和環、部分的に不飽和の環、またはアリール環であるか、あるいは、上記の定義にかかわらず、R°の2つの独立した出現例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、及びリンから独立して選択される0〜5個のヘテロ原子を有する5〜20員の単環式、二環式、または多環式の飽和環、部分的に不飽和の環、またはアリール環を形成し、これは、下記に定義されるように置換されてもよい。
【0078】
R°(またはR°の2つの独立した出現例がそれらの介在原子と一緒になることによって形成される環)上の好適な一価置換基は独立して、ハロゲン、−(CH
2)
0−2R
・、−(ハロR
・)、−(CH
2)
0−2OH、−(CH
2)
0−2OR
・、−(CH
2)
0−2CH(OR
・)
2、−O(ハロR
・)、−CN、−N
3、−(CH
2)
0−2C(O)R
・、−(CH
2)
0−2C(O)OH、−(CH
2)
0−2C(O)OR
・、−(CH
2)
0−2SR
・、−(CH
2)
0−2SH、−(CH
2)
0−2NH
2、−(CH
2)
0−2NHR
・、−(CH
2)
0−2NR
・2、−NO
2、−SiR
・3、−OSiR
・3、−C(O)SR
・、−(C
1−4直鎖もしくは分岐状アルキレン)C(O)OR
・、または−SSR
・であり、ここで、各R
・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C
1〜4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、=O及び=Sが含まれる。
【0079】
好適な二価置換基は、以下のものである:=O、=S、=NNR
*2、=NNHC(O)R
*、=NNHC(O)OR
*、=NNHS(O)
2R
*、=NR
*、=NOR
*、−O(C(R
*2))
2−3O−、または−S(C(R
*2))
2−3S−(ここで、R
*の独立した各出現例は、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC
1−6脂肪族、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される)。「任意選択で置換される」基のビシナル位の置換可能な炭素に結合している好適な二価置換基には、−O(CR
*2)
2−3O−が含まれ、ここで、R
*の独立した各出現例は、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC
1−6脂肪族、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される。
【0080】
R
*の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、−R
・、−(ハロR
・)、−OH、−OR
・、−O(ハロR
・)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
・、−NH
2、−NHR
・、−NR
・2、または−NO
2であり、ここで、各R
・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C
1−4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環である。
【0081】
一部の実施形態では、置換可能な窒素上の好適な置換基は、−R
†、−NR
†2、−C(O)R
†、−C(O)OR
†、−C(O)C(O)R
†、−C(O)CH
2C(O)R
†、−S(O)
2R
†、−S(O)
2NR
†2、−C(S)NR
†2、−C(NH)NR
†2、または−N(R
†)S(O)
2R
†であり、ここで、各R
†は独立して、水素、下記に定義されるように置換されてもよいC
1-6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環であるか、あるいは、上記の定義にかかわらず、R
†の2つの独立した出現例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分的に不飽和、またはアリールの単環または二環を形成する。
【0082】
R
†の脂肪族基上の好適な置換基は独立して、ハロゲン、−R
・、−(ハロR
・)、−OH、−OR
・、−O(ハロR
・)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR
・、−NH
2、−NHR
・、−NR
・2、または−NO
2であり、ここで、各R
・は、置換されていないか、または「ハロ」が前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C
1−4脂肪族、−CH
2Ph、−O(CH
2)
0−1Ph、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環である。
【0083】
対象:本明細書で使用されるとき、「対象」または「試験対象」という用語は、例えば、実験、診断、予防、及び/または治療目的で、提供される化合物または組成物が本開示に従って投与される任意の生物を指す。典型的な対象には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長動物、及びヒトといった哺乳動物;昆虫;蠕虫等)及び植物が含まれる。一部の実施形態では、対象は、疾患、障害、及び/または病態を患う、及び/またはそれに罹患しやすい可能性がある。一部の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0084】
に罹患しやすい:疾患、障害、及び/または病態「に罹患しやすい」個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の発症リスクが一般大衆の成員のそれよりも高い個体である。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を診断されていない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の症状を呈する場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態の症状を呈しない場合がある。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を発症することになる。一部の実施形態では、疾患、障害、及び/または病態に罹患しやすい個体は、当該疾患、障害、及び/または病態を発症することはない。
【0085】
治療剤:本明細書で使用されるとき、「治療剤」という語句は、対象に投与されるとき、治療効果を有する、及び/または所望の生物学的効果及び/または薬理効果を引き出す薬剤を指す。一部の実施形態では、治療剤は、疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減するために使用することができる、任意の物質である。
【0086】
治療レジメン:「治療レジメン」は、その用語が本明細書で使用されるとき、関連性のある集団にわたるその投与が所望のまたは有益な治療転帰と相関し得る、投薬レジメンを指す。
【0087】
治療上有効量:本明細書で使用されるとき、「治療上有効量」という用語は、治療レジメンの一環として投与されるときに所望の生物学的応答を引き出す、物質(例えば、治療剤、組成物、及び/または製剤)の量を意味する。一部の実施形態では、物質の治療上有効量は、疾患、障害、及び/または病態を患うか、またはそれに罹患しやすい対象に投与されるときに、当該疾患、障害、及び/または病態を治療する、診断する、予防する、及び/またはその発現を遅延させるのに十分な量である。当業者には理解されようが、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達対象の物質、標的細胞または組織等といった要因に応じて異なり得る。例えば、疾患、障害、及び/または病態を治療するための製剤中の化合物の有効量は、当該疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減する量である。一部の実施形態では、治療上有効量は単回用量で投与され、一部の実施形態では、治療上有効量を送達するために複数回の単位用量が必要とされる。
【0088】
治療する:本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療」、または「治療すること」という用語は、疾患、障害、及び/または病態の1つまたは複数の症状または特徴を部分的にまたは完全に緩和する、回復させる、軽減する、阻害する、予防する、その発現を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発生率を低減するために用いられる任意の方法を指す。治療は、疾患、障害、及び/または病態の徴候を呈しない対象に施与されてもよい。一部の実施形態では、治療は、例えば、当該疾患、障害、及び/または病態に関連する病状の発症リスクを減少させる目的で、疾患、障害、及び/または病態の早期の徴候のみを呈する対象に施与されてもよい。
【0089】
単位用量:本明細書で使用される「単位用量」という表現は、薬学的組成物の単回用量として及び/または薬学的組成物の物理的に個別的な単位で投与される量を指す。多くの実施形態では、単位用量は、既定分量の活性薬剤を含有する。一部の実施形態では、単位用量は、当該薬剤の全単回用量を含有する。一部の実施形態では、総計単回用量を達成するために1回よりも多くの単位用量が投与される。一部の実施形態では、意図する効果を達成するために、複数回の単位用量の投与が必要とされるか、または必要とされることが予想される。単位用量は、例えば、既定分量の1つまたは複数の治療剤を含有するある体積の液体(例えば、許容される担体)、固体形態にある既定量の1つまたは複数の治療剤、既定量の1つまたは複数の治療剤を含有する徐放性製剤または薬物送達デバイス等であり得る。単位用量は、治療剤(複数可)に加えて様々な構成成分のうちのいずれかを含む製剤中に存在してもよいことが理解されよう。例えば、下記に記載されるように、許容される担体(例えば、薬学的に許容される担体)、希釈剤、安定剤、緩衝液、防腐剤等が含まれてもよい。多くの実施形態で、特定の治療剤の適切な総計1日投薬量が単位用量の一部分または複数回の単位用量を含んでもよく、例えば、賢明な医療判断の範囲内で主治医によって決定され得ることが当業者には理解されよう。一部の実施形態では、任意の特定の対象または生物にとって有効な具体的な用量レベルは、治療されている障害及び障害の重症度;採用される具体的な活性化合物の活性;採用される具体的な組成物;対象の年齢、体重、全身の健康状態、性別、及び食生活;採用される具体的な活性化合物の投与時間及び排泄速度;治療の継続期間;採用される具体的な化合物(複数可)と組み合わせてまたはそれと同時に使用される薬物及び/または追加の療法、ならびに医療分野で周知の同様の要因を含めた、様々な要因に左右され得る。
【0090】
不飽和の:本明細書で使用される「不飽和の」という用語は、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
【0091】
野生型:本明細書で使用されるとき、「野生型」という用語は、(変異体の、病的な、変化した等と対比して)「正常な」状態または背景にある自然界で見出されるような構造及び/または活性を有する実体を指す、その分野で理解される意味を有する。当業者であれば、野生型遺伝子及びポリペプチドが多くの場合、複数の異なる形態(例えば、対立遺伝子)で存在することを理解しよう。
【0092】
別途明記されない限り、提供される化合物の薬学的に許容される酸または塩基付加塩等の塩、立体異性体、及び互変異性体が含まれる。
【0093】
文脈から別途明らかでない限り、本開示において、(i)「a」という用語は、「少なくとも1つ」を意味することが理解され得、(ii)「または」という用語は、「及び/または」を意味することが理解され得、(iii)「含むこと(comprising)」及び「含むこと(including)」という用語は、細別される構成成分または工程を、それら自体で提示されるか、または1つもしくは複数の追加の構成成分もしくは工程と一緒に提示されるかにかかわらず包含することが理解され得、(iv)「約」及び「およそ」という用語は、当業者には理解されよう標準変動を許容することが理解され得、(v)範囲が提供される場合、端点が含まれる。
【0094】
ペプチド剤
本開示によって提供される及び/または本開示に記載される技術は、特に、ペプチド剤、例えば、ステープル化ペプチドであるか、またはそれを含む薬剤に関する。
【0095】
とりわけ、本開示は、目的とする標的の1つまたは複数の機能を調節することができるステープル化ペプチドを開発する、特定する、特性解析する、及び/または作製するための技術を提供する。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、目的とする標的に関連する種々の病態、障害、及び/または疾患を治療するのに有用である。提供されるステープル化ペプチドの代表的な構造的要素が本明細書に記載される。
【0096】
とりわけ、本明細書で考察されるように、本開示は、生物系を利用して、システインステープル化に適切な及び/またはそれに適しているシステイン残基を含むペプチド剤を生成することができるという洞察を包含する。本開示はさらに、かかる生物系の使用が、(例えば、目的とする1つまたは複数の標的とのそれらの結合相互作用(複数可)の1つまたは複数の(例えば、特異性、親和性、オン速度、オフ速度、競合に対する安定性、濃度、温度、pH、オスモル濃度等の幅広い条件にわたる結合曲線、競合剤の存在または量等)特性に関して)システインステープル化ペプチドのハイスループット生産及び/または評価を可能にし得ることを認識する。
【0097】
故に、一部の実施形態では、本開示は、システインステープル化を支持するように互いに適切に離間配置された2つ以上のシステイン残基を含む、ペプチド剤を提供する。一部の実施形態では、かかるペプチド剤の集団が提供される。一部の実施形態では、システインステープル化ペプチド及び/またはその集団が提供される。
【0098】
本開示はさらに、1つまたは複数のシステインステープル化ペプチドを生産する、スクリーニングする、及び/または別様に解析もしくは特性解析することにより収集した洞察が、目的とする特定の標的での1つまたは複数の結合特性をそれらの「親」システインステープル化ペプチドと共有する、類似または同等の(例えば、ステープルに関与するシステイン残基(複数可)が、類似または同等のステープルに関与し得るかまたは実際に関与する非システイン残基(複数可)で置換されていることを除いて、同じまたは実質的に同じ[例えば、1つもしくは複数の保存的置換及び/または1つもしくは少数の他の変化を除いて]アミノ酸配列を含有する)ペプチド剤の設計、生産、及び/または使用について情報提供し得るということを認識する。したがって、本開示は、システインステープル化ペプチドに対応する(但し、ステープルに関与するシステインではなく非システイン残基(複数可)を含む)、(例えば、ステープル化ペプチドであるか、またはそれを含む)ペプチド剤を提供する。
【0099】
アミノ酸配列
本開示によって提供される技術の1つの特定の利点は、それらが、ステープル化ペプチドに特に有用である(例えば、目的とする特定の標的に結合する)アミノ酸配列の発見を可能にする及び/またはそのようなアミノ酸配列を定義するということである。
【0100】
故に、一部の実施形態では、本開示は、ステープル化ペプチドのためのアミノ酸配列を提供する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列を含むステープル化ペプチドは、目的とする標的と相互作用し(例えば、それに直接結合し)、一部の実施形態では、かかる結合は、本明細書で考察されるような1つまたは複数の特性を示す。
【0101】
本開示を閲読する当業者には理解されようが、一部の実施形態では、本開示は、多様性に富む場合がある、例えば、ステープルに関与するアミノ酸(多くの実施形態では、それはシステインである)を除いて、アミノ酸鎖に沿った任意の1つの位置または位置の集団(その全てを含む)に2つ以上のアミノ酸の選択肢を含み得る集団から、有用なアミノ酸配列を定義する。
【0102】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド剤において利用されるアミノ酸配列は、自然界に見出されるかまたはそうでなくても適切な参照ポリペプチド(例えば、目的とする関連性のある標的に、例えば、本明細書に記載される1つまたは複数の特徴によって特徴付けられる相互作用を介して、結合することが知られ得るもの)に見出される配列であり得るか、もしくはそれを含み得るか、またはそれに由来し得る。
【0103】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド剤、またはペプチド剤の集団において利用されるアミノ酸配列は、(1)それがシステインステープルに適しているかもしくはそれに関与するシステイン残基の対を含み、これらのうちの少なくとも1つが、参照配列における対応する位置には見出されない、及び/または(2)それが参照配列の1つもしくは複数の位置にアミノ酸置換を含む、という点で、参照配列のバリアントである。一部の実施形態では、置換は、当該技術分野で理解されるような保存的置換であり得る。一部の実施形態では、置換は、ホモログの置換を伴い得る。一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、例えば、「非極性」、「極性」、「疎水性」、「親水性」、「塩基性」、「酸性」、「脂肪族」、「芳香族」、及び/または「類似したサイズ」のものとして互いに類似するとして典型的に分類される、当該アミノ酸及びまたは置き換えられようとしているアミノ酸側鎖に類似した1つまたは複数の特性を有する天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸である。
【0104】
例えば、一部の実施形態では、前後関係に応じて、ロイシンのホモログは、イソロイシン、アラニン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、アルファ−メチルロイシン、及び3−シクロヘキシルアラニンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸であり得、イソロイシンのホモログは、アラニン、ロイシン、ホモロイシン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、3−シクロプロピルアラニン、L−アロイソロイシン、及びアルファ−メチルロイシンから選択される、任意選択で置換されるアミノ酸であり得、フェニルアラニンのホモログは、トリプトファン、チロシン、3−(1−ナフチルアラニン)、3−(2−ナフチルアラニン)、2−クロロフェニルアラニン、3−クロロフェニルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、4−tert−ブチルフェニルアラニン、O−メチルチロシン、ホモフェニルアラニン、4−フルオロフェニルアラニン、4−メチルフェニルアラニン、4−ブロモフェニルアラニン、4−フェニル−L−フェニルアラニン、5−クロロトリプトファン、5−ヒドロキシトリプトファン、4−トリフルオロメチルフェニルアラニン、4−グアニジノ−L−フェニルアラニン、2−キノイル(quinoyl)−L−アラニン、3−シクロブチルアラニン、アルファ−ネオペンチルグリシン、及びL−2−アミノアジピン酸から選択される、任意選択で置換されるアミノ酸残基であり得る、等である。
【0105】
一部の実施形態では、非極性アミノ酸のホモログは、別の非極性アミノ酸である。一部の実施形態では、非極性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、非極性側鎖を含む別の非極性アミノ酸である。
【0106】
一部の実施形態では、極性アミノ酸のホモログは、別の極性アミノ酸である。一部の実施形態では、極性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、極性側鎖を含む別の極性アミノ酸である。
【0107】
一部の実施形態では、疎水性アミノ酸のホモログは、別の疎水性アミノ酸である。一部の実施形態では、疎水性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、疎水性側鎖を含む別の疎水性アミノ酸である。
【0108】
一部の実施形態では、親水性アミノ酸のホモログは、別の親水性アミノ酸である。一部の実施形態では、親水性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、親水性側鎖を含む別の親水性アミノ酸である。
【0109】
一部の実施形態では、塩基性アミノ酸のホモログは、別の塩基性アミノ酸である。一部の実施形態では、塩基性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、塩基性側鎖を含む別の塩基性アミノ酸である。
【0110】
一部の実施形態では、酸性アミノ酸のホモログは、別の酸性アミノ酸である。一部の実施形態では、酸性側鎖を含むアミノ酸のホモログは、酸性側鎖を含む別の酸性アミノ酸である。
【0111】
一部の実施形態では、脂肪族アミノ酸のホモログは、別の脂肪族アミノ酸である。一部の実施形態では、脂肪族側鎖を含むアミノ酸のホモログは、脂肪族側鎖を含む別の脂肪族アミノ酸である。
【0112】
一部の実施形態では、芳香族アミノ酸のホモログは、別の芳香族アミノ酸である。一部の実施形態では、芳香族側鎖を含むアミノ酸のホモログは、芳香族側鎖を含む別の芳香族アミノ酸である。
【0113】
一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、当該アミノ酸に立体的に類似する。一部の実施形態では、アミノ酸のホモログは、当該アミノ酸の側鎖に類似したサイズを有する側鎖を含む。
【0114】
提供されるアミノ酸配列及びステープル化ペプチドは、種々の長さ、例えば、2〜100、5〜50、5〜40、5〜35アミノ酸残基、2、3、4、5、6、または7アミノ酸残基から(端点値を含む)、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35アミノ酸残基まで(端点値を含む)の範囲であり得る。
【0115】
一部の実施形態では、長さは、少なくとも5アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも6アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも7アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも8アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも9アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも10アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも11アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも12アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも13アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも14アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも15アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも16アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも17アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも18アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも19アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも20アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも21アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも22アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも23アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも24アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも25アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも26アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも27アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも28アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも29アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも30アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも31アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも32アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも33アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも34アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、少なくとも35アミノ酸残基である。
【0116】
一部の実施形態では、長さは、5アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、6アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、7アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、8アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、9アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、10アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、11アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、12アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、13アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、14アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、15アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、16アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、17アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、18アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、19アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、20アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、21アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、22アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、23アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、24アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、25アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、26アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、27アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、28アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、29アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、30アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、31アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、32アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、33アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、34アミノ酸残基である。一部の実施形態では、長さは、35アミノ酸残基である。
【0117】
一部の実施形態では、長さは、17アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、18アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、19アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、20アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、21アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、22アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、23アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、24アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、25アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、26アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、27アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、28アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、29アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、30アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、35アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、40アミノ酸残基以下である。一部の実施形態では、長さは、50アミノ酸残基以下である。
【0118】
天然に存在するアミノ酸及び天然に存在しないアミノ酸の両方を本開示に従って利用することができる。一部の実施形態では、アミノ酸は、カルボキシル基とアミド基を形成することができるアミノ基と、カルボキシル基とを含む化合物である。
【0119】
一部の実施形態では、アミノ酸は、式A−Iの構造を有する化合物、
【化2】
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またはその塩であり、式中、
R
a1、R
a2、R
a3の各々が独立して、−L
a−R’であり、
L
a、L
a1及びL
a2の各々が独立して、Lであり、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC
1〜C
25脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C
3−20環状脂肪族環、C
6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−CO
2R、または−SO
2Rであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC
1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
1−30ヘテロ脂肪族、C
6−30アリール、C
6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、もしくは多環式環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、または多環式環を形成する。
【0120】
一部の実施形態では、L
a1は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(R
a1)−C(R
a2)(R
a3)−L
a2−COOHのものである。
【0121】
一部の実施形態では、L
a2は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(R
a1)−C(R
a2)(R
a3)−L
a2−COOHのものである。
【0122】
一部の実施形態では、L
a1は共有結合であり、L
a2は共有結合である。一部の実施形態では、式A−1の化合物は、構造NH(R
a1)−C(R
a2)(R
a3)−COOHのものである。
【0123】
一部の実施形態では、L
aは共有結合である。一部の実施形態では、R’はRである。一部の実施形態では、R
a1はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
a2はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
a3はRであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
a1、R
a2、及びR
a3の各々は独立して、Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。
【0124】
一部の実施形態では、R
a1は水素である。一部の実施形態では、R
a2は水素である。一部の実施形態では、R
a3は水素である。一部の実施形態では、R
a1は水素であり、かつR
a2及びR
a3のうちの少なくとも一方は水素である。一部の実施形態では、R
a1は水素であり、R
a2及びR
a3のうちの一方が水素であり、他方が水素ではない。
【0125】
一部の実施形態では、R
a2は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
a2は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、C
3−30環状脂肪族、C
5−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、R
a2は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、C
6−30アリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリールから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、R
a2は、アミノ酸の側鎖である。一部の実施形態では、R
a2は、標準アミノ酸の側鎖である。
【0126】
一部の実施形態では、R
a3は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
a3は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、C
3−30環状脂肪族、C
5−30アリール、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、R
a3は、−L
a−Rであり、ここで、Rは、C
6−30アリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリールから選択される、任意選択で置換される基である。一部の実施形態では、R
a3は、アミノ酸の側鎖である。一部の実施形態では、R
a3は、標準アミノ酸の側鎖である。
【0127】
アミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸配列に対して種々の程度の相同性を有し得る。当業者には理解されようが、本開示を利用して、高い相同性もしくは低い相同性のいずれかを有する、または相同性を有しない(例えば、あるゲノムにおいてコードされるいずれの配列にも完全に無関係な配列)配列を設計及び特定することができる。一部の実施形態では、本開示は、例えば、天然アミノ酸配列と比較して多くのランダムな位置を有するように設計されるライブラリから、または完全にランダムなライブラリから、天然に存在するアミノ酸配列に対して低い程度の相同性を共有する有用なアミノ酸配列を特定するための技術を提供する。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸配列に対して少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同である。一部の実施形態では、アミノ酸配列は、天然に存在するアミノ酸配列に対して5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%以下、相同である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも5%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも10%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも20%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも30%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも40%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも50%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、相同性は、5%以下である。一部の実施形態では、相同性は、10%以下である。一部の実施形態では、相同性は、20%以下である。一部の実施形態では、相同性は、30%以下である。一部の実施形態では、相同性は、40%以下である。一部の実施形態では、相同性は、50%以下である。一部の実施形態では、相同性は、60%以下である。一部の実施形態では、相同性は、70%以下である。一部の実施形態では、相同性は、80%以下である。一部の実施形態では、相同性は、90%以下である。一部の実施形態では、相同性は、95%以下である。
【0128】
アミノ酸配列は、種々の長さであり得る。一部の実施形態では、長さは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、40、45、または50アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも5アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも6アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも7アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも8アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも9アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも10アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも11アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも12アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも13アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも14アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも15アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも16アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも17アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも18アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも18アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも20アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも25アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、長さは、少なくとも30アミノ酸残基であるか、またはそれを含む。
【0129】
本明細書で実証されるように、出発アミノ酸配列(例えば、完全にランダムなライブラリまたはある特定の位置にある特定の既定のアミノ酸残基を含むライブラリのいずれか)と共にまたはそれなしに、提供される技術を利用して、所望の特性及び/または活性を有する有用なアミノ酸配列を特定することができる。一部の実施形態では、本開示は、標的、例えば、種々の病態、障害、または疾患に関連するタンパク質を調節するのに有用な、アミノ酸配列を提供する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、X
s1X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
s2を含み、ここで、X
s1及びX
s2は、ステープルを介して接続されたアミノ酸残基であり、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、及びX
6の各々は独立して、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
3及びX
4はAであり、X
5はHである。一部の実施形態では、X
2はLであり、X
3及びX
4はAであり、X
5はHである。一部の実施形態では、X
2はLである。一部の実施形態では、X
1はIである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、X
s1X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
s2X
7X
8を含み、ここで、X
s1及びX
s2は、ステープルを介して接続されたアミノ酸残基であり、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、及びX
8の各々は独立して、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
3及びX
4はAであり、X
6はHである。一部の実施形態では、X
2は芳香族アミノ酸残基であり、X
3及びX
4はAであり、X
6はHである。一部の実施形態では、X
2はWである。一部の実施形態では、X
1はEである。一部の実施形態では、X
7は酸性アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
7はEである。一部の実施形態では、X
8はLである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、X
−2X
−1X
s1X
1X
2X
3X
4X
5X
6X
s2X
7を含み、ここで、X
s1及びX
s2は、ステープルを介して接続されたアミノ酸残基であり、X
−2、X
−1、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、及びX
7の各々は独立して、アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
2はHであり、X
3はAであり、X
4はAである。一部の実施形態では、X
−2はWである。一部の実施形態では、X
−1は酸性アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
−1はEである。一部の実施形態では、X
−1はDである。一部の実施形態では、X
1は酸性アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
1はEである。一部の実施形態では、X
1はDである。一部の実施形態では、X
5はLまたはIである。一部の実施形態では、X
5はLである。一部の実施形態では、X
5はIである。一部の実施形態では、X
6はLまたはIである。一部の実施形態では、X
6はLである。一部の実施形態では、X
6はIである。一部の実施形態では、X
7は酸性アミノ酸残基である。一部の実施形態では、X
7はEである。一部の実施形態では、X
7はDである。
【0130】
ペプチドライブラリ
一部の実施形態では、本開示は、ペプチドの集団を提供する。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ステープル化ペプチドの集団である。一部の実施形態では、本明細書に記載されるような集団内のペプチドは、1つまたは複数の構造的特徴(例えば、特定の範囲内の長さ;例えば、標的もしくは対象に対する既知の相互作用パートナーに見出される配列要素等の特定の配列要素、または一緒にステープルの形成を支持するアミノ酸の組[例えば、本明細書に記載されるようなシステインステープルが当該システイン残基の対の間で生み出されるか、または生み出され得るように互いに対して位置付けられた、2つ以上のシステイン残基]の存在、1つもしくは複数のステープル(これらは一部の実施形態では同じ種類のものであり得る)の存在等、またはそれらの任意の組み合わせ)を共有し得、一部の実施形態では、特定の集団が、かかる共有される構造的特徴(複数可)によって特性解析及び/または定義され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチドの集団におけるペプチドの共通の構造的特徴は、当該システイン残基の対の間で本明細書に記載されるようなシステインステープルが形成されるか、または形成され得るように互いに対して位置付けられた、2つのまたは少なくとも2つのシステイン残基であり、一部の実施形態では、かかるペプチドを式R−Iの化合物と反応させて、ステープル化ペプチドの集団を生産することができる。
【0131】
一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ステープル化ペプチドの集団であり、該ステープル化ペプチドの各々が独立して、
a
*及びb
*の範囲内の長さを有し(ここで、a
*及びb
*は各々、2〜100から独立して選択される整数であり、b
*は、a
*よりも大きい)、かつ
リンカーを介して互いに共有結合性で連結された残基の少なくとも1つの対を含む、アミノ酸配列を有する。
【0132】
一部の実施形態では、a
*及びb
*は各々、2〜50から独立して選択される整数であり、b
*は、a
*よりも大きい。一部の実施形態では、a
*及びb
*は各々、6〜36から独立して選択される整数であり、b
*は、a
*よりも大きい。
【0133】
一部の実施形態では、a
*は1である。一部の実施形態では、a
*は2である。一部の実施形態では、a
*は3である。一部の実施形態では、a
*は4である。一部の実施形態では、a
*は5である。一部の実施形態では、a
*は6である。一部の実施形態では、a
*は7である。一部の実施形態では、a
*は8である。一部の実施形態では、a
*は9である。一部の実施形態では、a
*は10である。一部の実施形態では、a
*は11である。一部の実施形態では、a
*は12である。一部の実施形態では、a
*は13である。一部の実施形態では、a
*は14である。一部の実施形態では、a
*は15である。一部の実施形態では、a
*は16である。一部の実施形態では、a
*は17である。一部の実施形態では、a
*は18である。一部の実施形態では、a
*は19である。一部の実施形態では、a
*は20である。一部の実施形態では、a
*は21である。一部の実施形態では、a
*は22である。一部の実施形態では、a
*は23である。一部の実施形態では、a
*は24である。一部の実施形態では、a
*は25である。一部の実施形態では、a
*は26である。一部の実施形態では、a
*は27である。一部の実施形態では、a
*は28である。一部の実施形態では、a
*は29である。一部の実施形態では、a
*は30である。一部の実施形態では、a
*は31である。一部の実施形態では、a
*は32である。一部の実施形態では、a
*は33である。一部の実施形態では、a
*は34である。一部の実施形態では、a
*は35である。一部の実施形態では、a
*は36である。一部の実施形態では、a
*は37である。一部の実施形態では、a
*は38である。一部の実施形態では、a
*は39である。一部の実施形態では、a
*は40である。一部の実施形態では、a
*は41である。一部の実施形態では、a
*は42である。一部の実施形態では、a
*は43である。一部の実施形態では、a
*は44である。一部の実施形態では、a
*は45である。一部の実施形態では、a
*は46である。一部の実施形態では、a
*は47である。一部の実施形態では、a
*は48である。一部の実施形態では、a
*は49である。
【0134】
一部の実施形態では、b
*は2である。一部の実施形態では、b
*は3である。一部の実施形態では、b
*は4である。一部の実施形態では、b
*は5である。一部の実施形態では、b
*は6である。一部の実施形態では、b
*は7である。一部の実施形態では、b
*は8である。一部の実施形態では、b
*は9である。一部の実施形態では、b
*は10である。一部の実施形態では、b
*は11である。一部の実施形態では、b
*は12である。一部の実施形態では、b
*は13である。一部の実施形態では、b
*は14である。一部の実施形態では、b
*は15である。一部の実施形態では、b
*は16である。一部の実施形態では、b
*は17である。一部の実施形態では、b
*は18である。一部の実施形態では、b
*は19である。一部の実施形態では、b
*は20である。一部の実施形態では、b
*は21である。一部の実施形態では、b
*は22である。一部の実施形態では、b
*は23である。一部の実施形態では、b
*は24である。一部の実施形態では、b
*は25である。一部の実施形態では、b
*は26である。一部の実施形態では、b
*は27である。一部の実施形態では、b
*は28である。一部の実施形態では、b
*は29である。一部の実施形態では、b
*は30である。一部の実施形態では、b
*は31である。一部の実施形態では、b
*は32である。一部の実施形態では、b
*は33である。一部の実施形態では、b
*は34である。一部の実施形態では、b
*は35である。一部の実施形態では、b
*は36である。一部の実施形態では、b
*は37である。一部の実施形態では、b
*は38である。一部の実施形態では、b
*は39である。一部の実施形態では、b
*は40である。一部の実施形態では、b
*は41である。一部の実施形態では、b
*は42である。一部の実施形態では、b
*は43である。一部の実施形態では、b
*は44である。一部の実施形態では、b
*は45である。一部の実施形態では、b
*は46である。一部の実施形態では、b
*は47である。一部の実施形態では、b
*は48である。一部の実施形態では、b
*は49である。
【0135】
一部の実施形態では、リンカーを介して互いに共有結合性で連結された残基の対は、ステープルを介して共有結合性で連結されている。一部の実施形態では、リンカーを介して互いに共有結合性で連結された残基の対は、非炭化水素ステープルを介して共有結合性で連結されている。一部の実施形態では、リンカーを介して互いに共有結合性で連結された残基の対は、システインステープルを介して共有結合性で連結されている。一部の実施形態では、システインステープルは、本開示に記載されるような構造を有する。
【0136】
一部の実施形態では、本開示は、ステープル化ペプチドの集団を提供し、該ステープル化ペプチドの各々は独立して、
a
*及びb
*の範囲内の長さを有し(ここで、a
*及びb
*は、2〜100(端点値を含む)から独立して選択される整数であり、b
*は、a
*よりも大きい)、
部分−S−L
s2−S−を含むリンカーを介して互いに共有結合性で連結されたシステイン残基の少なくとも1つの対を含み、ここで、各Sが独立して、システイン残基の硫黄原子であり、
L
s2が本開示に記載され、かつ
対のシステイン残基が独立して、c
*残基(ここで、c
*は、0〜12から選択される整数である)によって隔てられている、アミノ酸配列を有する。
【0137】
一部の実施形態では、リンカーを介して互いに共有結合性で連結されたシステイン残基の対は、c
*残基によって隔てられており、ここで、c
*は、整数1〜12(端点値を含む)である。一部の実施形態では、c
*は1である。一部の実施形態では、c
*は2である。一部の実施形態では、c
*は3である。一部の実施形態では、c
*は4である。一部の実施形態では、c
*は5である。一部の実施形態では、c
*は6である。一部の実施形態では、c
*は7である。一部の実施形態では、c
*は8である。一部の実施形態では、c
*は9である。一部の実施形態では、c
*は10である。一部の実施形態では、c
*は11である。一部の実施形態では、c
*は12である。
【0138】
一部の実施形態では、本開示は、下記構造のステープル化ペプチドの集団を提供し、
[X
1]
p1[X
2]
p2[X
3]
p3[X
4]
p4[X
5]
p5[X
6]
p6[X
7]
p7[X
8]
p8[X
9]
p9[X
10]
p10[X
11]
p11[X
12]
p12[X
13]
p13−X
14X
15X
16X
17X
18X
19−[X
20]
p20[X
21]
p21[X
22]
p22[X
23]
p23[X
24]
p24[X
25]
p25[X
26]
p26[X
27]
p27[X
28]
p28[X
29]
p29[X
30]
p30[X
31]
p31[X
32]
p32、
ここで、
p1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12、p13、p20、p21、p22、p23、p24、p25、p26、p27、p28、p29、p30、p31、p32の各々が独立して、0または1であり、
X
1〜X
32の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X
1〜X
32のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結されてシステインステープルを形成する、システイン鎖を含む。
【0139】
一部の実施形態では、各X
jは独立して、標準アミノ酸の群から選択され、ここで、jは、1〜32(端点値を含む)の整数である。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸の部分集合から選択される。一部の実施形態では、X
jは、システインを除く全ての天然アミノ酸の群から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの20個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの19個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの18個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの17個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの16個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの15個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの14個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの13個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの12個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの11個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの10個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの9個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの8個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの7個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの6個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの5個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの4個未満から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの3個未満から選択される。一部の実施形態では。
【0140】
一部の実施形態では、各X
jは独立して、標準アミノ酸のうちの20個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの19個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの18個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの17個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの16個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの15個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの14個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの13個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの12個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの11個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの10個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの9個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの8個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの7個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの6個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの5個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの4個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの3個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの2個から選択される。一部の実施形態では、X
jは、標準アミノ酸のうちの1個から選択される。
【0141】
一部の実施形態では、jは1である。一部の実施形態では、jは2である。一部の実施形態では、jは3である。一部の実施形態では、jは4である。一部の実施形態では、jは5である。一部の実施形態では、jは6である。一部の実施形態では、jは7である。一部の実施形態では、jは8である。一部の実施形態では、jは9である。一部の実施形態では、jは10である。一部の実施形態では、jは11である。一部の実施形態では、jは12である。一部の実施形態では、jは13である。一部の実施形態では、jは14である。一部の実施形態では、jは15である。一部の実施形態では、jは16である。一部の実施形態では、jは17である。一部の実施形態では、jは18である。一部の実施形態では、jは19である。一部の実施形態では、jは20である。一部の実施形態では、jは21である。一部の実施形態では、jは22である。一部の実施形態では、jは23である。一部の実施形態では、jは24である。一部の実施形態では、jは25である。一部の実施形態では、jは26である。一部の実施形態では、jは27である。一部の実施形態では、jは28である。一部の実施形態では、jは29である。一部の実施形態では、jは30である。一部の実施形態では、jは31である。一部の実施形態では、jは32である。
【0142】
本開示を閲読して、当業者であれば、本明細書に記載されるようなペプチド集団が様々なフォーマットで調製され得、提供され得、及び/または利用され得ることを理解しよう。一部の実施形態では、ペプチド集団は、例えば、ファージディスプレイ、酵母ディスプレイ、細菌ディスプレイ、リボソームディスプレイ、mRNAディスプレイ、固体支持体上、固相上、樹脂上、液体溶液中、乾燥試料として、またはそれらの組等といったフォーマットで調製され、提供され、及びまたは利用される。
【0143】
一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ファージディスプレイにおいて提供され得、及びまたは利用され得る。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ファージタンパク質に融合される。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ファージコートタンパク質に融合される。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ファージコートタンパク質pIIIに融合される。
【0144】
ペプチド集団は、いくつかの技術を用いて提示され得る。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドは、M13ファージのp4上に提示される。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドは、M13ファージのp7上に提示される。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドは、M13ファージのp8上に提示される。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドは、M13ファージのp9上に提示される。
【0145】
一部の実施形態では、ライブラリ、例えば、ファージライブラリは、例えば、「サイレント」変異(例えば、全てが同じアミノ酸をコードする明確に異なるコドン)、アミノ酸変異等を含む、ライブラリ成員のDNA配列内に、1つまたは複数のバーコードを有するように調製され得る。一部の実施形態では、バーコードは、ライブラリ成員のある特定の特徴及び/または使用(例えば、ライブラリ成員が選抜される実験)のある特定の特徴を特定するために使用され、それにより、例えば、スクリーニングのDNAシーケンシング出力の解析中に、それらの特徴がライブラリ成員のスクリーニング結果に関連付けられ得る。例えば、一部の実施形態では、バーコードは、複数のライブラリに組み込まれ、それにより、それらのライブラリが一緒にスクリーニングされ得、それらの結果が、バーコードの使用によって特定される(及び区別される)。一部の実施形態では、バーコードは、プロセス、例えば、ライブラリ成員が選抜された実験の特徴を特定するために使用される。代表的な特徴には、標的(例えば、タンパク質、核酸、細胞等)、緩衝液条件、結合パートナー、スクリーニングに含められる競合剤、実験の温度、実験の継続期間、洗浄手順、及び/または実験手順の他の特徴が含まれる。一部の実施形態では、バーコードは、クロスリンカー、例えば、ステープル化ペプチドを含む化学修飾されたファージライブラリを調製するために使用されるクロスリンカーを特定するために利用される。
【0146】
本開示に従って、種々の技術を利用して、非天然アミノ酸をペプチド、集団(例えば、本明細書に記載の種々のライブラリ)等に導入することができる。一部の実施形態では、組み込みは、非天然アミノ酸の組み込みをもたらす、コドン抑制及び/またはアミノアシル−tRNAシンテターゼ/tRNA対の使用を含む。一部の実施形態では、有用な方法は、成長培地中でのグリホサート(または1つもしくは複数のアミノ酸の生合成を選択的に抑制する他の薬剤)及び非天然アミノ酸(複数可)の添加を含む。一部の実施形態では、有用な方法は、成長培地中での、ある特定のアミノ酸を合成する能力を欠いた細胞株の使用及び非天然アミノ酸(複数可)の添加を含む。一部の実施形態では、有用な方法は、成長培地中での非天然アミノ酸(複数可)の添加を含む。一部の実施形態では、バーコードは、非天然アミノ酸のライブラリ設計への組み込みを特定するために使用される。
【0147】
一部の実施形態では、既知の配列(複数可)(「スパイクイン」試料)を用いてDNAシーケンシングデータをスケーリングまたは正規化する目的で、ファージスクリーニングのステップ中に既知のファージまたはDNA配列(複数可)が添加される。
【0148】
一部の実施形態では、(例えば、提供されるライブラリの)ペプチドの集団(またはタンパク質等)の関連において、多様性は、a)該ペプチドの集団に存在する固有のアミノ酸配列の実際の数、またはb)例えば、該集団の設計及び/または調製に基づいて存在し得る、固有のアミノ酸配列の理論上の数、のいずれかを指してもよい。一部の実施形態では、多様性は、例えば、実施例で測定され、記載されるような、実際の多様性である。
【0149】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも1×10
4個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
5個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
6個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
7個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
8個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
9個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
10個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
11個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
12個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
13個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
14個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ペプチド集団は、少なくとも1×10
15個の固有のペプチド配列である実際の多様性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、(例えば、ライブラリの)ペプチド集団についての好ましい実際の多様性は、10
8〜10
9個の固有のペプチド配列である。一部の実施形態では、かかる集団は、実際の多様性よりもしばしば1,000〜10,000倍大きい理論上の多様性を有してもよく、例えば、各位置において16通りのアミノ酸の可能性を有する10個の位置は、10
12の理論上の多様性を有し得る。手順、目的等に応じて、(例えば、ライブラリの)ペプチドの集団は、例えば、10
8個の固有の配列である、理論上の多様性の部分集合を有するように調製され得る。
【0150】
一部の実施形態では、アミノ酸残基位置のうちの1つもしくは複数、またはその各々が、ランダム化される。一部の実施形態では、ペプチドの集団(例えば、実施例に記載のライブラリ)において、ランダム化された位置で様々なアミノ酸残基が独立して提示される。一部の実施形態では、各位置がランダム化される。一部の実施形態では、いずれの位置でもアミノ酸残基の選好のない集団が提供される(例えば、一部の実施形態では、「ナイーブ」または「偏りのない」集団/ライブラリ)。当業者には理解されようが、一部の実施形態におけるランダム化された位置の組み込みは、ライブラリを生成するために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーにおいて縮重コドン、例えば、NNNまたはNNK(ここで、N=A、T、C、Gであり、K=T、Gである)をコードさせることによって行うことができる。代替として、ランダム化された位置は、対応する規定のアミノ酸の混合物をコードする三量体コドンの規定の混合物が、ライブラリを生成するために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーに組み込まれている、三量体ホスホロアミダイト混合物、例えば、Glen Researchから入手可能なものの使用によって組み込むことができる。例えば、ライブラリは、20個全ての天然に存在するアミノ酸の混合物を用いて、または代替として、20個全ての天然に存在するアミノ酸の部分集合(例えば、A、D、E、F、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y等)を用いることによって、構築され得る。一部の実施形態では、種々の技術を用いて非天然アミノ酸がまた組み込まれてもよい。
【0151】
一部の実施形態では、集団(例えば、ライブラリ)のペプチドは、1つまたは複数の所望の特性及び/または活性のために、例えば、一部の実施形態では、アルファ−ヘリックス状立体構造に有利となるように、1つまたは複数の位置内で固定の好ましいアミノ酸または好ましいアミノ酸の部分集合を含む。例えば、ペプチドの中央部の規定の位置でのアラニン残基(例えば、上記のライブラリ設計b)、e)、及びh))、N末端でのプロリン(例えば、上記のライブラリ設計g)、h)、i))、またはN末端でのアスパラギン酸とそれに続くプロリン(例えば、上記のリストにおけるライブラリ設計d)、e)、f))の組み込み。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、特定の標的(例えば、タンパク質、核酸等)への結合である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、細胞透過性である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、(例えば、プロテアーゼまたは他の種類の分解に対する)安定性である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、低い免疫原性である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、改善された物理化学的特性である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、改善された薬物動態特性である。一部の実施形態では、所望の特性または活性は、標的または組織に対する選択性である。当業者であれば理解しようが、固定の好ましいアミノ酸及び/または好ましいアミノ酸の部分集合は独立して、1つまたは複数の所望の特性及び/または活性を提供するために、1つまたは複数の位置の各々で提示されてもよい。
【0152】
一部の実施形態では、集団、例えば、ペプチドライブラリは、1つまたは複数の好ましい配列または親配列に基づいて設計され得る。一部の実施形態では、親配列は、多くの集団成員を生じさせるように体系的に多様化される。一部の実施形態では、親配列は、集団においていくつかのペプチドを提供するために、配列内の各残基が、個々に、または他の変化、変異、及び/または修飾と組み合わせてのいずれかで、アラニンに変化させられる、「アラニン走査」に供される。一部の実施形態では、アラニン走査は、ある特定の特性及び/または活性、例えば、結合、相互作用、安定性、物理化学的特性、細胞透過性、免疫原性、(例えば、標的(例えば、タンパク質、核酸等)、組織等に対する)選択性、薬物動態特性等に対する、1つまたは複数の残基の重要性を評価するのに有用である。親配列は同様に、例えば、構造的変化及び/または立体構造的変化の効果を評価するために、プロリンまたはグリシンへと体系的に変化させる/変異させることが可能である。親配列また、例えば、結合、安定性、物理化学的特性、細胞透過性、免疫原性、選択性、薬物動態特性等における電荷の役割を調べるために、荷電性残基へと変化させる/変異させることも可能である。親配列はまた、例えば、改善された特性及び/または活性、例えば、結合、安定性、物理化学的特性、細胞透過性、免疫原性、選択性、薬物動態特性等を伴う点変異を特定するために、各位置で、様々なアミノ酸へと変化させる/変異させることも可能である。当業者であれば理解しようが、集団は、本開示に従って、種々の確立されたライブラリ変異誘発法及び指向性進化法(directed evolution)を用いて設計され得る。
【0153】
一部の実施形態では、親配列は、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、もしくはペプチドYY、またはその断片である。一部の実施形態では、断片は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20アミノ酸残基、またはそれを超える長さを有する。例えば、一部の実施形態では、配列は、下記から選択される。
【表S-1】
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【0154】
一部の実施形態では、親配列は、別の配列、例えば、上記の膵臓ポリペプチド配列とある特定のレベルの相同性を共有する配列である。一部の実施形態では、レベルは、85%、90%、95%、またはそれを超える。一部の実施形態では、レベルは、90%である。一部の実施形態では、レベルは、95%である。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドのアミノ酸配列は、親配列の1つまたは複数の残基がステープル化用の残基(例えば、本明細書に記載されるようなシステインステープル化用のシステイン残基)で置き換えられていることを除いて、親配列と同じである。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドのアミノ酸配列は、親配列の2つ以上の残基がステープル化用の残基で置き換えられていることを除いて、親配列と同じである。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドのアミノ酸配列は、親配列の2つの残基がステープル化用の残基で置き換えられていることを除いて、親配列と同じである。
【0155】
一部の実施形態では、ペプチドの集団、例えば、種々のライブラリは、膵臓ポリペプチドに基づく。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチドのライブラリは、アルファ−ヘリックス状領域において1つまたは複数の残基のランダム化を含む。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYのライブラリは、PPII領域において1つまたは複数の残基のランダム化を含む。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYのライブラリは、ループ領域において1つまたは複数の残基のランダム化を含む。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYのライブラリは、該ペプチドの2個以上の領域において1つまたは複数の残基のランダム化を含む。一部の実施形態では、かかるライブラリは、1つまたは複数の領域において残基をランダム化することによって調製される。
【0156】
一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Homo sapiens由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Ictalurus punctatus由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Marmota marmota由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Myotis lucifugus由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Betta splendens由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Notechis scutatus由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Orcinus orca由来である。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYは、Calypte anna由来である。一部の実施形態では、より高い熱安定性を有するタンパク質の折り畳みが、ライブラリのランダム化/生成に好ましい足場である。一部の実施形態では、(例えば、膵臓ポリペプチドの)ライブラリは、高い熱安定性を有する天然に存在する膵臓ポリペプチドの折り畳みの残基をランダム化することによって調製される。一部の実施形態では、膵臓ポリペプチドのライブラリは、熱安定性を改善するように修飾された膵臓ポリペプチドの折り畳みの残基をランダム化することによって調製される。
【0157】
一部の実施形態では、本開示は、親配列のペプチドを最適化するための方法を提供する。一部の実施形態では、本開示は、
修飾されたペプチドを提供するように1つまたは複数のアミノ酸残基の各々を独立して異なるアミノ酸残基で置き換えることによって、ペプチドを修飾することであって、該修飾されたペプチドが、ステープル化に好適な少なくとも2つの残基を含む、該修飾することと、
ステープル化に好適な該2つの残基をステープル化することと、を含む、方法を提供する。
【0158】
一部の実施形態では、ペプチドは、本明細書に記載されるような親配列(例えば、ペプチドYY配列またはその断片)のものであるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、ステープル化に好適な該2つの残基は、システイン残基である。一部の実施形態では、2つのシステイン残基は、例えば、本明細書に記載の試薬を用いて、本明細書に記載されるようにステープル化される。一部の実施形態では、修飾されたペプチドは、改善された特性及び/または活性、例えば、標的結合に対する改善された親和性及び/または選択性、改善された安定性、改善されたヘリックス形成、改善された細胞透過性等を提供する。一部の実施形態では、修飾されたペプチドの集団は、例えば、本明細書に記載されるように1つまたは複数の残基をランダム化することによって、調製される。一部の実施形態では、修飾されたペプチドの集団は、ファージディスプレイライブラリとして提供される。一部の実施形態では、かかる集団/ライブラリの成員は、本明細書に記載されるようなステープル、例えば、システインステープルを含む。一部の実施形態では、本開示は、提供される集団、ライブラリ、または修飾されたペプチドを目的とする標的に接触させることであって、それにより、該集団の1つまたは複数のステープル化ペプチドが該標的に結合するようにする、該接触させることと、本明細書に記載されるように該標的に結合するステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定することと、を提供する。
【0159】
当業者には理解されようが、提供される技術は、種々の親配列及び/またはヘリックス状足場に適用可能である。一部の実施形態では、親配列は、エキセンディン−4、trp−ケージペプチド、レトロtrp−ケージペプチド、コノトキシン、シラトキシン(scyllatoxin)、サソリ毒素、カリブドトキシン、ビリンヘッドピース(villin headpiece)、ベータ−アルファ−ベータモチーフペプチド、ベータ−ベータ−アルファモチーフペプチド、マストパラン、亜鉛フィンガー、ヘリックス−リンカー−ヘリックス足場、ロイシンジッパー足場、膵臓ポリペプチド足場、神経ペプチドY足場、ペプチドYY足場、ヘリックス安定化を増加させる目的で修飾された前述の足場の変異体、及び当該技術分野における他のヘリックス状ディスプレイ足場であるか、またはその断片(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20アミノ酸残基、またはそれを超えるアミノ酸残基を含む)であるか、またはそのヘリックス状足場である。一部の実施形態では、提供される集団のペプチドは、ヘリックス開始またはヘリックス終結配列を含む。一部の実施形態では、提供される集団のペプチドは、AAA、DPA、NPA、APA、PA、P、もしくはAP等のN末端リーダー配列、及び/またはR、RR、RP、RG、GR、PR、G、GG、P、PP、GP、もしくはPG等のC末端リーダー配列を含む。
【0160】
一部の実施形態では、システインは、ペプチド、例えば、種々のディスプレイ技術を用いて提示されたペプチドの配列に組み込まれる。一部の実施形態では、標的タンパク質上の1つまたは複数のシステインから近距離内の部位で標的ペプチドまたはタンパク質に結合するペプチドが、直接またはリンカーを介して(例えば、システイン残基の架橋に好適な種々の試薬を用いることにより)のいずれかでの、ペプチド上のシステインと標的タンパク質(例えば、その表面上)のシステインとの間の共有結合の形成を介して特定され得、一部の実施形態では、これは、アッセイ(例えば、結合を評価するスクリーニングアッセイ)において、観察される高親和性及び/または緩徐なオフ速度相互作用をもたらし得る。とりわけ、かかるシステインの特定は、種々の目的、例えば、標的と相互作用し得る薬剤(例えば、共有結合性の標的阻害剤)の開発、ライブラリ合成のためのジスルフィド係留の使用、化合物の最適化等に有用である。当業者であれば、当該技術分野において、標的システイン、例えば、標的上の表面システインの種々の用途が利用可能であることを理解しよう。
【0161】
本開示のペプチドは、種々の配列を有し得る。有用な配列は、1つまたは複数のアミノ酸残基の種々のパーセンテージ及び/または数を有し得る。例えば、一部の実施形態では、配列は、2つかつ2つを超えないシステイン残基(ステープル化されているか、またはされていないかのいずれか)を含む。一部の実施形態では、配列は、2つを超えるシステイン残基(ステープル化されているかまたはされていない)を含む。一部の実施形態では、配列は、2つかつ2つを超えないステープル化システイン残基を含む。一部の実施形態では、配列は、2つを超えるステープル化システイン残基を含む。一部の実施形態では、配列におけるステープル化システイン残基のパーセンテージは、5%〜50%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約5%または約5%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約6%または約6%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約7%または約7%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約8%または約8%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約9%または約9%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約10%または約10%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約11%または約11%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約12%または約12%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約13%または約13%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約14%または約14%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約15%または約15%以下である。一部の実施形態では、パーセンテージは、約20%または約20%以下である。
【0162】
一部の実施形態では、ペプチドの集団、例えば、提供されるペプチドライブラリは、ある特定の特性及び/または活性を有するペプチドについてスクリーニングするために利用される。種々のスクリーニング技術が当該技術分野で記載されており、本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、ライブラリは、標的、例えば、タンパク質、核酸等に照らし合わせてスクリーニングされる。一部の実施形態では、標的における全てのアミノ酸残基が、D配置のアミノ酸である(例えば、鏡像ディスプレイ)。一部の実施形態では、ライブラリは、当該技術分野で記載される種々の技術を用いて、細胞、例えば、細胞試料、培養物中等でまたはインビボで成長させた細胞に照らし合わせてスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、ヒト細胞に照らし合わせてスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、生存している哺乳動物においてスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、生存している霊長動物においてスクリーニングされる。
【0163】
一部の実施形態では、ライブラリは、標的、例えば、タンパク質、核酸等への結合親和性に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、1つの標的(例えば、タンパク質)に対する、別の標的(例えば、タンパク質)を上回る選択性に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、安定性、物理化学的特性、細胞透過性、免疫原性(例えば、低い免疫原性)、薬物動態特性等といった1つまたは複数の所望の特性に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、物理化学的特性及び/または細胞透過性を最適化するために、脂質への親和性に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、物理化学的特性及び/または細胞透過性を最適化するために、固定化された脂質に照らし合わせてスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、インビボでまたは血液脳関門もしくは神経関門のインビトロモデルを用いてのいずれかで、血液脳関門または神経関門の通過に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、インビボでまたは腸もしくは他の関連性のある上皮細胞のインビトロモデルを用いてのいずれかで、腸または他の関連性のある上皮細胞の通過に関してスクリーニングされる。一部の実施形態では、ライブラリは、オルガノイドモデルを用いてスクリーニングされる。
【0164】
一部の実施形態では、スクリーニングは、例えば、スクリーニングの対象である標的(例えば、タンパク質、細胞等)に対して最適化された緩衝液中で行われる。一部の実施形態では、スクリーニングは、非特異的結合を低減する緩衝液、例えば、ウシ血清アルブミン、ウシガンマ−グロブリン、コラーゲン及びせん断されたコラーゲン、乳タンパク質、合成ペプチドのランダム化混合物、細菌または哺乳類細胞の溶解物、タンパク質限定加水分解に供される溶解物またはタンパク質調製物、ポリ(デオキシイノシン−デオキシシチジル)酸、サケ精子DNA、せん断されたDNA、ポリリジン、グリセロール、トレハロース、Triton X−100、NP−40、Tween−20、Tween−80、Pleuronic F−127、オクチルベータ−D−グルコピラノシド等の洗剤等を含む緩衝液中で行われる。追加の添加剤が当業者に既知であり、本開示に従って利用され得る。
【0165】
本明細書に記載の技術、例えば、ペプチド集団(ライブラリ)、スクリーニング等を用いて、多様なタンパク質標的(例えば、ベータ−カテニン(CTNNB1)、CBL、CBLB、TEAD4、ERG)に対するペプチド結合剤が特定された。
【0166】
一部の実施形態では、ステープル化ペプチドまたはその集団は、参照ペプチド及び/またはその集団と比べて評価されてもよい。一部の実施形態では、参照ペプチドは、非ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、参照ペプチドは、同じまたは同等の配列の非ステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチドは、システインステープル化を含むペプチドであり、参照ペプチドは、かかるシステインステープル化を有しない。一部の実施形態では、参照ペプチドは、システインステープル化に利用されるシステインを含有しない。一部の実施形態では、参照ペプチドは、ヘリックス状構造を安定化するために利用され得る、膵臓ポリペプチド、神経ペプチドY、またはペプチドYYのPPII領域を含有しない。
【0167】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、ある特定の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、(例えば、提供されるライブラリの)ペプチドの集団(またはタンパク質等)の関連における冗長性は、該ペプチドの集団内の固有のアミノ酸配列のコピーの数を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも10000の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも5000の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも1000の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも500の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも100の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも50の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも10の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団は、少なくとも1の冗長性によって特徴付けられる。一部の実施形態では、実際の多様性に関して好ましい冗長性は、所与のスクリーニング試料中の各固有の配列につき100〜1000個のファージであり、これにより各配列の良好なオーバーサンプリングが提供される。例えば、10
8個の配列及び1配列当たり1000個のファージのライブラリは、10
11個のファージ粒子を含有することになり、48個の試料の典型的なスクリーニングにおいては、したがって、総計4.8×10
12個のファージが存在することになろう。
【0168】
一部の実施形態では、ペプチドの集団は、「スパイクインされる(spiked−in)」標準物質を含む。一部の実施形態では、スパイクインされる標準物質は、該ペプチドの集団のスクリーニング後、かつその核酸配列(例えば、該ペプチドをコードする核酸配列)を特定するシーケンシング前に、ペプチドの集団に添加される。一部の実施形態では、スパイクインされる標準物質は、スパイクインされるファージである。一部の実施形態では、スパイクインされる標準物質は、スパイクインされるヌクレオチド配列である。一部の実施形態では、スパイクインされる標準物質は、内部標準物質としての役目を果たす。一部の実施形態では、スパイクインされる標準物質は、ある特定のアミノ酸配列の濃縮度の測定を可能にする。
【0169】
一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ファージディスプレイフォーマットで提供され得、及び/または利用され得る。一部の実施形態では、本開示は、
i)a
*〜b
*アミノ酸残基の範囲内の長さを有し、2〜15アミノ酸残基によって隔てられているシステイン残基の少なくとも1つの対を含む、アミノ酸配列、を有するペプチドをコードする核酸を細胞において発現させるステップであって、該核酸が、ファージ粒子に組み込まれる融合タンパク質をコードする、該ステップと、
ii)ファージ粒子を該細胞から単離するステップと、
iii)ファージ粒子を、例えば、R
x−L
s2−R
xの構造を有する架橋剤もしくはその塩、または式R−Iの構造を有する架橋剤、
【化3】
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もしくはその塩に接触させるステップと、を含む、方法を提供し、ここで、
a
*、b
*、及びR
x、Q、及びL’は、本開示に記載されている。
【0170】
一部の実施形態では、架橋剤は、本明細書に記載されるような試薬である。一部の実施形態では、架橋剤は、R
E−L
s2−R
Eの構造を有する化合物またはその塩である。一部の実施形態では、架橋剤は、R
E−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x2−R
Eの構造を有する化合物またはその塩である。一部の実施形態では、架橋剤は、R
E−C(O)Q−L’−QC(O)−R
Eの構造を有する化合物またはその塩である。一部の実施形態では、架橋剤は、R
x−L
s2−R
xの構造を有する化合物またはその塩である。一部の実施形態では、架橋剤は、R
x−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x2−R
xの構造を有する化合物またはその塩である。
【0171】
一部の実施形態では、本開示は、
iv)目的とする標的にペプチドの集団を接触させるステップであって、それにより、該集団の1つまたは複数のステープル化ペプチドが目的とする標的に結合するようにする、該ステップと、
v)目的とする標的に結合するステープル化ペプチドのアミノ酸配列を決定するステップと、
をさらに含む、方法を提供する。
【0172】
一部の実施形態では、各アミノ酸配列は、各アミノ酸配列が独立して特定され得るように、識別子に個別的に結びつけられる。一部の実施形態では、各アミノ酸配列は独立して、アミノ酸配列またはその一部分(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25個、もしくはそれよりも多くの任意選択で連続するアミノ酸残基、または該アミノ酸配列の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、もしくはそれよりも多く)をコードする核酸配列を含む、識別子に結びつけられる。一部の実施形態では、結びつきは、共有結合性である。一部の実施形態では、結びつきは、アミノ酸配列及びその識別子を含む個別的な系を介する。一部の実施形態では、系は、アミノ酸配列及びその識別子を含む及び/または発現する細胞、ファージ等である。一部の実施形態では、アミノ酸配列の決定は、ファージ粒子に組み込まれる融合タンパク質のペプチドをコードするヌクレオチド配列を決定することを含む。一部の実施形態では、アミノ酸配列を決定することは、該アミノ酸配列をコードする核酸のハイスループットシーケンシングの使用を含む。一部の実施形態では、ハイスループットシーケンシングは、単一分子リアルタイムシーケンシング、イオン半導体シーケンシング(例えば、Ion Torrentシーケンシング)、パイロシーケンシング、合成によるシーケンシング、ライゲーションによるシーケンシング(例えば、SOLiDシーケンシング)、ナノポアシーケンシング等を含む。当業者には理解されようが、種々のハイスループットシーケンシング技術が本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、本開示は、本開示の先行技術が著しくかつ本質的に限定される場合があり、多くの事例において、多数の多様なアミノ酸配列を含有するライブラリが利用される場合において、例えば、個々に評価され得る配列の数が限定される故に、例えば、所望の特性及び/または活性を有するアミノ酸配列をバックグラウンドノイズから容易に特定することができないため、成功裏に行うことができないことを認識する。とりわけ、本開示は、ペプチドライブラリと、対応するコード核酸配列のハイスループットシーケンシングとの組み合わせが、多数の多様な配列を含むペプチドライブラリをスクリーニングして、かかるライブラリから有用なアミノ酸配列、一部の事例においては、天然アミノ酸配列とは非常に異なるかまたは全く異なるアミノ酸配列を特定するために、特に強力であることを実証する。一部の実施形態では、提供される技術は、スループットを大幅に改善し、及び/またはかつてないレベルで多くの候補配列の解析/評価を可能にする。
【0173】
一部の実施形態では、本開示は、
vi)目的とする標的に結合するステープル化ペプチドのアミノ酸配列の決定中に観察されるパターンにより導かれる、新たなペプチドの集団を合成するステップをさらに含む、方法を提供する。
【0174】
一部の実施形態では、本開示は、目的とする標的に特異的な結合薬剤を特定するかまたは特性解析することを含む方法を提供し、該方法は、目的とする標的をステープル化ペプチドの集団の成員に接触させるステップと、成員のうちの1つまたは複数による標的への特異的結合を検出するステップと、を含む。
【0175】
一部の実施形態では、ペプチドの集団は、ポリペプチドの集団である。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、二次構造を有するポリペプチドの集団である。一部の実施形態では、ペプチドの集団は、三次構造を有するポリペプチドの集団である。一部の実施形態では、ポリペプチドの集団は、タンパク質の集団である。一部の実施形態では、タンパク質の集団は、ステープル化タンパク質の集団である。
【0176】
本開示に記載されるように、一部の実施形態では、ライブラリにおけるペプチドは、例えばスクリーニング用の、アミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、かかるアミノ酸配列は、ステープル化アミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、かかるアミノ酸配列は、同じ長さを有し、及び/または同じ位置でステープルを有する。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドの集団におけるアミノ酸配列は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35個のランダムな位置を含み、かかる位置の各々でのアミノ酸残基は独立して、任意のアミノ酸残基(例えば、天然アミノ酸残基)であることができる。一部の実施形態では、少なくとも5個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも6個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも7個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも8個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも9個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも10個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも11個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも12個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも13個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも14個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも15個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも16個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、少なくとも17個のランダムな位置が存在する。一部の実施形態では、ステープル化残基を除く各アミノ酸残基が独立して、ランダムである。一部の実施形態では、ライブラリのペプチドの集団内において、ランダムな位置で、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも2個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも3個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも4個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも5個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも6個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも7個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも8個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも9個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも10個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも15個の異なるアミノ酸残基が存在する。一部の実施形態では、少なくとも20個の異なるアミノ酸残基が存在する。
【0177】
ライブラリ足場
一部の実施形態では、本開示は、下記構造のペプチドの集団を提供し、
[X
0]
p0[X
1]
p1[X
2]
p2[X
3]
p3[X
4]
p4[X
5]
p5[X
6]
p6[X
7]
p7[X
8]
p8[X
9]
p9[X
10]
p10[X
11]
p11[X
12]
p12[X
13]
p13−X
14X
15X
16X
17X
18X
19−[X
20]
p20[X
21]
p21[X
22]
p22[X
23]
p23[X
24]
p24[X
25]
p25[X
26]
p26[X
27]
p27[X
28]
p28[X
29]
p29[X
30]
p30[X
31]
p31[X
32]
p32、
ここで、
X
0が、足場定常領域であり、
p0、p1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12、p13、p20、p21、p22、p23、p24、p25、p26、p27、p28、p29、p30、p31、p32の各々が独立して、0または1であり、
X
1〜X
32の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X
1〜X
32のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結されてステープルを形成する、側鎖を含む。
【0178】
一部の実施形態では、p0は0である。一部の実施形態では、p0は1である。
【0179】
一部の実施形態では、足場定常領域は、天然に存在するアミノ酸配列に対して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%相同であるペプチド配列を提供する。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも50%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、相同性は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、足場定常領域は、アミノ酸配列AGPAKPEAGEDASPを含む。
【0180】
目的とする標的
一部の実施形態では、本開示は、目的とする標的と相互作用する試薬、ペプチド剤、及びペプチドの組み合わせを提供する。一部の実施形態では、目的とする標的は、生体分子(例えば、タンパク質、RNA、DNA等)、組織、または細胞である。一部の実施形態では、目的とする標的は、疾患、障害、または病態に関連する活性または特性を有する。一部の実施形態では、目的とする標的は、タンパク質である。一部の実施形態では、目的とする標的は、病態、障害、または疾患に関連するタンパク質、例えば、がんに関連するタンパク質である。種々の病態、障害、または疾患に関連する多くの標的が当該技術分野で既知であり、本開示の技術を用いて標的とされ得る。
【0181】
一部の実施形態では、目的とする標的は、生物系または生物(例えば、ヒト)において生じる実体であり得る。一部の実施形態では、目的とする標的は、既知の相互作用パートナーを有し得る。一部の実施形態では、目的とする標的は、いずれの既知の相互作用パートナーも有しない場合があるか、または、該標的との結合相互作用が本明細書に記載されるような1つまたは複数の特徴によって特徴付けられる、いずれの既知の相互作用パートナーも有しない場合がある。
【0182】
一部の実施形態では、目的とする標的は、ベータ−カテニン及びCasitas B細胞系列リンパ腫がん原遺伝子−b(Cbl−b)のうちの1つまたは複数であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態では、目的とする標的は、ベータ−カテニンである。一部の実施形態では、目的とする標的は、Casitas B細胞系列リンパ腫がん原遺伝子−b(Cbl−b)である。
【0183】
試薬
一部の実施形態では、本開示は、ステープル化ペプチド(例えば、システインステープル化ペプチド)の生産、特定、特性解析、及び/または使用に有用な試薬を提供する。一部の実施形態では、提供される試薬は、生物系(例えば、アミノ酸配列を発現する系)の組み合わせで使用されるときに特に有用であり、例えば、それらは高い収率及び/または純度を提供する。
【0184】
一部の実施形態では、本開示は、R
E−L
s2−R
Eの構造を有する(例えば、試薬として有用であり得る)化合物またはその塩を提供し、ここで、各可変要素は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、R
Eは、求電子基であるか、またはそれを含む。当業者には理解されようが、種々の求電子基が当該技術分野で既知でありかつ利用され、これらが本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、求電子基は、好適な条件(例えば、当該技術分野で利用されるある特定のpH条件)下で、−SH、例えば、アミノ酸側鎖の−SHと反応し、それにより、−SH基と求電子基との間で反応が生じて、−S−と求電子基との間で共有結合を形成する。一部の実施形態では、求電子基は、炭素原子に結合した脱離基、例えば、−CH
2R
x(ここで、R
xは、脱離基である)を含む。一部の実施形態では、−SHは、−CH
2R
xと反応して、−CH
2−S−を形成する。一部の実施形態では、求電子基は、二重または三重結合であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、二重または三重結合は、1つまたは複数の電子求引性基(例えば、1つまたは複数の−C(O)−基)に結合している。一部の実施形態では、求電子基は、マイケルアクセプターである。一部の実施形態では、求電子基は、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、R
Eは、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、R
Eは、R
x−L
x1−である。一部の実施形態では、同じ分子における2つのR
Eは同じである。一部の実施形態では、それらは異なる。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−L
x1−EWG−Q−L’−Q−EWG−L
x2−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各EWGは独立して、電子求引性基部分(例えば、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)
2−等であるか、またはそれを含む)であり、他の各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x2−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−L
x1−SO
2−Q−L’−Q−SO
2−L
x2−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−EWG−Q−L’−Q−EWG−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各EWGは独立して、電子求引性基部分(例えば、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)
2−等であるか、またはそれを含む)であり、他の各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−C(O)Q−L’−QC(O)−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−SO
2−Q−L’−Q−SO
2−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、試薬として有用な化合物は、R
E−Q−L’−Q−R
Eの式またはその塩を有し、式中、各可変要素は独立して、本明細書に記載されるようなものである。一部の実施形態では、本開示は、R
x−L
s2−R
xの構造を有する(例えば、試薬として有用であり得る)化合物またはその塩を提供し、ここで、各可変要素は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、本開示は、式R−Iを有する(例えば、試薬として有用であり得る)化合物、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を提供し、式中、
各R
xが独立して、脱離基であり、
各Qが独立して、共有結合、−N(R’)−、−O−、及び−S−から選択され、
L
x1、L
x2、及びL’の各々が独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC
1〜C
20脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C
3−20環状脂肪族環、C
6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が、−R、−C(O)R、−CO
2R、または−SO
2Rであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC
1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
1−30ヘテロ脂肪族、C
6−30アリール、C
6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、もしくは多環式環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、または多環式環を形成し、かつ
【0185】
種々の脱離基が当該技術分野で既知であり、例えば、R
xの実施形態として、本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、脱離基、例えば、R
xは、ハロゲンである。一部の実施形態では、R
xは、−Clである。一部の実施形態では、R
xは、−Brである。一部の実施形態では、R
xは、−Iである。一部の実施形態では、脱離基は、−OSO
2Rである(例えば、ここで、Rは、任意選択で置換されるアルキル(例えば、−CF
3等のペルフルオロアルキル))、任意選択で置換されるフェニル等である)。一部の実施形態では、脱離基は、−OTsまたは−OMsである。
【0186】
一部の実施形態では、同じ化合物内のR
x基は同じである。一部の実施形態では、同じ化合物内のR
x基は異なる。
【0187】
一部の実施形態では、L
x1は、任意選択で置換されるメチレン基である。一部の実施形態では、L
x1は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L
x2は、任意選択で置換されるメチレン基である。一部の実施形態では、L
x2は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L
x1及びL
x2は同じであり、他の実施形態では、それらは異なる。一部の実施形態では、L
x1及びL
x2の両方が、−CH
2−である。
【0188】
一部の実施形態では、Qは共有結合である。一部の実施形態では、Qは、共有結合、−N(R’)−、−O−、及び−S−から選択される。一部の実施形態では、Qは、−N(R’)−であり、ここで、R’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、Qは、−O−である。一部の実施形態では、Qは、−S−である。一部の実施形態では、各Qは共有結合である。一部の実施形態では、各Qは独立して、−N(R’)−、−O−、及び−S−から選択される。一部の実施形態では、各Qは独立して、−N(R’)−であり、ここで、R’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、各Qは独立して、−NH−である。一部の実施形態では、各Qは独立して、−O−である。一部の実施形態では、各Qは独立して、−S−である。
【0189】
一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価のC
3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価のC
6−20アリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、任意選択で置換される二価のフェニル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5〜20員のヘテロアリール環である。一部の実施形態では、−Cy−は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜20員のヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、−Cy−は、単環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、二環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、多環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、1つまたは複数の任意選択で置換される複素環式環を含み、ここで、複素環式環の各々は独立して、1つまたは複数の窒素原子を含み、窒素原子の各々は独立して、Q、またはQが共有結合である場合には−C(O)−に結合している。一部の実施形態では、−Cy−は、単環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、二環式である。一部の実施形態では、−Cy−は、多環式である。
【0190】
一部の実施形態では、二環式環または多環式環に関して、単環式環の各々は独立して、0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、3〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)員の飽和もしくは部分的に不飽和の環、または0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、5〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)員の芳香族環である。
【0191】
一部の実施形態では、L’は、−Cy−であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、L’は、−Cy−である。
【0192】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
15脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
10脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
9脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
8脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
7脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
6脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
5脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
3脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
2脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
3−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
4−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
5−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
6−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
7−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
8−である。
【0193】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−20アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−14アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−10アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6アリール環である。一部の実施形態では、L’は、当業者に理解されるような少なくとも1つの電子求引性基で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L’は、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L’は、置換
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L’は、二置換
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L’は、2,5−二置換
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0194】
一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、二価の5〜20員ヘテロアリール環を含むか、またはそのような二価の5〜20員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、二価の5〜6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、二価の5〜6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、二価の6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、2つの窒素を有する二価の6員ヘテロアリール環である。
【0195】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−15環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−10環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−9環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−8環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−7環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−6環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−5環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−4環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
4環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5シクロアルキル環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5シクロアルケニル環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6シクロアルキル環である。
【0196】
一部の実施形態では、L
s2は、−N(R’)−L’−N(R’)−を含み、L’は共有結合である。一部の実施形態では、L
s2は、−N(R)−N(R)−を含み、ここで、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC
1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
1−30ヘテロ脂肪族、C
6−30アリール、C
6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、または多環式環を形成する。
【0197】
一部の実施形態では、L
s2は、−N(R)−N(R)−を含み、ここで、
各Rが独立して、任意選択で置換されるC
1−30脂肪族であるか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、任意選択で置換される3〜30員の単環式環を形成する。
【0198】
一部の実施形態では、L
s2は、−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x1−であり、ここで、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−であり、ここで、各−CH
2−は、独立してかつ任意選択で、置換される。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−である。一部の実施形態では、提供される化合物、例えば、R
x−L
s2−R
xの化合物は、下記からなる群から選択される。
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態では、提供される化合物、例えば、R
x−L
s2−R
xの化合物は、R
x−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x2−R
xまたはR
x−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−R
xの構造を有し、下記からなる群から選択される。
【表2-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-2】
[この文献は図面を表示できません]
一部の実施形態では、化合物は、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、化合物は、
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、化合物は、
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、化合物は、
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、化合物は、
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、L
s2または−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−は、かかる化合物において説明されるようなものであり、ここで、R
xは、−Brである。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
ではない。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、置換
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、置換
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sもしくはL
s2または−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x1−もしくは−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−は、
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは任意選択で置換される
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、二価のフェニル環が、任意選択で置換され、一部の実施形態では、それは
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは任意選択で置換される
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、二価のフェニル環が、任意選択で置換され、一部の実施形態では、それは
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
ではなく、一部の実施形態では、それは
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは任意選択で置換される
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、二価のフェニル環が、任意選択で置換され、一部の実施形態では、それは
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0199】
一部の実施形態では、有用な化合物は、下記から選択される。
【表3-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
一部の実施形態では、L
sもしくはL
s2または−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x1−もしくは−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−は、0〜10(0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、任意選択で置換される飽和または部分的に不飽和の3〜20(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)員の単環式、二環式、または多環式環を含み、一部の実施形態では、それは、任意選択で置換される3〜20(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)員の環状脂肪族環を含み、一部の実施形態では、それは
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは、任意選択で置換される6〜20(例えば、6、10、または14)員の単環式、二環式、または多環式アリール環を含み、一部の実施形態では、それは任意選択で置換される
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ここで、フェニル環が、任意選択で置換され、一部の実施形態では、それは
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは、0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、任意選択で置換される5〜20(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)員の単環式、二環式、または多環式ヘテロアリール環を含み、一部の実施形態では、それは
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは、2つ以上の任意選択で置換される環を含み、該環の各々が独立して、3〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)員の飽和もしくは部分的に不飽和の環または5〜10員の芳香族環であり、かつ該環の各々が独立して、0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有し、一部の実施形態では、それは
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは、0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、任意選択で置換される5〜20(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20)員の二環式または多環式環を含み、単環式環の各々が独立して、0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、3〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)員の飽和もしくは部分的に不飽和の環であるか、または0〜10(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)個のヘテロ原子(例えば、一部の実施形態では、窒素、酸素、及び硫黄から選択される)を有する、5〜10(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10)員の芳香族環であり、一部の実施形態では、それは
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
であり、一部の実施形態では、それは置換
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、置換
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
である。一部の実施形態では、L
sまたはL
s2は、置換
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0201】
本明細書に記載されるように、環は、種々のサイズのものであり得る。一部の実施形態では、非芳香族環は、3〜20員である。一部の実施形態では、芳香族環は、5〜20員である。一部の実施形態では、環は、3〜10員である。一部の実施形態では、環は、3員である。一部の実施形態では、環は、4員である。一部の実施形態では、環は、5員である。一部の実施形態では、環は、6員である。一部の実施形態では、環は、7員である。一部の実施形態では、環は、8員である。一部の実施形態では、環は、9員である。一部の実施形態では、環は、10員である。一部の実施形態では、環は、11員である。一部の実施形態では、環は、12員である。一部の実施形態では、環は、13員である。一部の実施形態では、環は、14員である。一部の実施形態では、環は、15員である。環はまた、種々の数及び種類のヘテロ原子を有してもよい。一部の実施形態では、環は、0〜10個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、0個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、1個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、2個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、3個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、4個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、5個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、6個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、7個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、8個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、9個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、環は、10個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態では、ヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される。一部の実施形態では、少なくとも1個のヘテロ原子は、窒素である。一部の実施形態では、少なくとも1個のヘテロ原子は、酸素である。一部の実施形態では、少なくとも1個のヘテロ原子は、硫黄である。一部の実施形態では、環は、飽和である。一部の実施形態では、環は、部分的に不飽和のである。一部の実施形態では、環は、芳香族である。一部の実施形態では、環は、環状脂肪族環である。一部の実施形態では、環は、シクロアルキル環である。一部の実施形態では、環は、ヘテロ脂肪族環である。一部の実施形態では、環は、ヘテロシクリル環である。一部の実施形態では、環は、ヘテロシクロアルキル環である。一部の実施形態では、環は、アリール環である。一部の実施形態では、環は、ヘテロアリール環である。当業者には理解されようが、環は、独立してかつ任意選択で、置換される、すなわち、置換されているか、または置換されていないかのいずれかである。
【0202】
多くの追加の技術が、本開示に従ってステープル化ペプチドを調製するのに有用である。例えば、一部の実施形態では、二重または三重結合及び任意選択で種々のヘテロ原子を含む側鎖を有するアミノ酸残基を利用して、種々の種類のステープル、例えば、炭化水素ステープル、アミノまたはカルバメート含有ステープル等を構築してもよい。
【0203】
当業者であれば理解しようが、本明細書に記載の試薬を用いてステープル化した後、試薬の一部分の構造が、生成物においてステープルに組み込まれる。故に、試薬に関して記載されるL
s、L
s2、−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x1−、−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−、L
x1、Q、L’等の種々の実施形態が、ステープルにおいて利用され得、逆もまた同様である。
【0204】
ステープル化ペプチド
本明細書に記載されるようなステープル化ペプチドは、ペプチド鎖の2つ以上のアミノ酸がアミノ酸残基の2つのペプチド骨格原子の結合を介して連結されているペプチドであり、当業者には理解されようが、結果として得られる結合は、連結されたアミノ酸残基間のペプチド骨格を介するものではない。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、ステープルを含む。本明細書に記載されるようなステープルは、1つのアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に、これらのアミノ酸残基の2つのペプチド骨格原子への結合を介して連結し得るリンカーであり、当業者には理解されようが、結果として得られる結合は、連結されたアミノ酸残基間のペプチド骨格を介するものではない。一部の実施形態では、ステープルは、ペプチド骨格原子(例えば、C、N等)上の1つまたは複数の水素及び/または置換基(例えば、側鎖、O、S等)を置き換えることによって、ペプチド骨格に結合する。
【0205】
当業者には理解されようが、炭化水素ステープル化技術及び非炭化水素ステープル化技術の両方を含めた、様々なペプチドステープル化技術が利用可能である。
【0206】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなステープルは、炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなステープルは、非炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、1つまたは複数の鎖ヘテロ原子を含み、ここで、ステープルの鎖は、ステープルの一端からステープルの他端までそのステープル内で最も短い共有結合性の接続である。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、ポリペプチドのアミノ酸残基に由来する少なくとも1個の硫黄原子を含む。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、ポリペプチドの2つの異なるアミノ酸残基に由来する2個の硫黄原子を含む。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、ポリペプチドの2つの異なるシステイン残基に由来する2個の硫黄原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、システインステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、非システインステープルである。
【0207】
一部の実施形態では、本開示は、下記構造を有するステープル化ペプチドを提供し、
[X
1]
p1[X
2]
p2[X
3]
p3[X
4]
p4[X
5]
p5[X
6]
p6[X
7]
p7[X
8]
p8[X
9]
p9[X
10]
p10[X
11]
p11[X
12]
p12[X
13]
p13−X
14X
15X
16X
17X
18X
19−[X
20]
p20[X
21]
p21[X
22]
p22[X
23]
p23[X
24]
p24[X
25]
p25[X
26]
p26[X
27]
p27[X
28]
p28[X
29]
p29[X
30]
p30[X
31]
p31[X
32]
p32、
ここで、
p1、p2、p3、p4、p5、p6、p7、p8、p9、p10、p11、p12、p13、p20、p21、p22、p23、p24、p25、p26、p27、p28、p29、p30、p31、p32の各々が独立して、0または1であり、
X
1〜X
32の各々が独立して、アミノ酸残基であり、
X
1〜X
32のうちの少なくとも2つが、任意選択で一緒に連結されてステープルを形成する、側鎖を含む。
【0208】
一部の実施形態では、提供されるペプチドは、ステープル化ペプチドであり、X
1〜X
32のうちの少なくとも2つが、一緒に連結されてステープルを形成する側鎖を含む。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、非ステープル化ペプチドであり、ここで、X
1〜X
32のうちの少なくとも2つが、一緒に連結されてステープルを形成し得る側鎖を含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチド、またはひとたびステープル化された非ステープル化ペプチドは、目的とする標的上の1つまたは複数の部位で目的とする標的と相互作用する。
【0209】
一部の実施形態では、X
1〜X
32の各々は独立して、式A−Iの構造を有するアミノ酸のアミノ酸残基である。
【0210】
一部の実施形態では、X
i及びX
i+mは、各々独立して、チオールを含む側鎖を含み、これら2つの側鎖は、一緒に連結されてステープルを形成し得る。一部の実施形態では、X
i及びX
i+mは、各々独立して、システイン側鎖を含み、これら2つの側鎖は、一緒に連結されてシステインステープルを形成し得る。
【0211】
一部の実施形態では、X
i及びX
i+mは、各々独立して、オレフィンを含む側鎖を含む。一部の実施形態では、これらのオレフィンの両方が、末端オレフィンである。一部の実施形態では、X
i及びX
i+mのうちの少なくとも一方は、オレフィン及び窒素原子を含む側鎖を含む。一部の実施形態では、X
i及びX
i+mのうちの少なくとも一方は、−C(−L
a−R’)(R
3a)である−C(R
2a)(R
3a)を含み、ここで、L
aの少なくとも1つのメチレン単位は、−N(R’)−で置き換えられ、R’は、オレフィンを含む。一部の実施形態では、X
i及びX
i+mのうちの少なくとも一方は、−C(−L
a−CH=CH
2)(R
3a)である−C(R
2a)(R
3a)を含み、ここで、L
aの少なくとも1つのメチレン単位は、−N(R’)−で置き換えられる。
【0212】
一部の実施形態では、iは、1〜31(端点値を含む)の整数であり、mは、1〜12(端点値を含む)の整数である。
【0213】
一部の実施形態では、iは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31である。一部の実施形態では、iは1である。一部の実施形態では、iは2である。一部の実施形態では、iは3である。一部の実施形態では、iは4である。一部の実施形態では、iは5である。一部の実施形態では、iは6である。一部の実施形態では、iは7である。一部の実施形態では、iは8である。一部の実施形態では、iは9である。一部の実施形態では、iは10である。一部の実施形態では、iは11である。一部の実施形態では、iは12である。一部の実施形態では、iは13である。一部の実施形態では、iは14である。一部の実施形態では、iは15である。一部の実施形態では、iは16である。一部の実施形態では、iは17である。一部の実施形態では、iは18である。一部の実施形態では、iは17である。一部の実施形態では、iは18である。一部の実施形態では、iは19である。一部の実施形態では、iは20である。一部の実施形態では、iは21である。一部の実施形態では、iは22である。一部の実施形態では、iは23である。一部の実施形態では、iは24である。一部の実施形態では、iは25である。一部の実施形態では、iは26である。一部の実施形態では、iは27である。一部の実施形態では、iは28である。一部の実施形態では、iは29である。一部の実施形態では、iは30である。一部の実施形態では、iは31である。一部の実施形態では、iは32である。
【0214】
一部の実施形態では、mは1である。一部の実施形態では、mは2である。一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。一部の実施形態では、mは5である。一部の実施形態では、mは6である。一部の実施形態では、mは7である。一部の実施形態では、mは8である。一部の実施形態では、mは9である。一部の実施形態では、mは10である。一部の実施形態では、mは11である。一部の実施形態では、mは12である。
【0215】
一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、1つまたは複数のステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、システインステープル化からの1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有する1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有する1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有する1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有する1つかつ1つを超えないステープルを含む。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有するステープルを何ら含まない。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有するステープルを何ら含まない。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有するステープルを何ら含まない。一部の実施形態では、ステープル化ペプチドは、
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
の構造を有するステープルを何ら含まない。
【0216】
一部の実施形態では、本開示のペプチド、例えば、ステープルペプチドは、ヘリックス構造であるか、またはそれを含む。当業者であれば理解しようが、ヘリックスは、種々の長さを有し得る。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、5〜30アミノ酸残基の範囲である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20アミノ酸残基であるか、またはそれを超える。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、6アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、8アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、10アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、12アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、14アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、16アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、17アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、18アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、19アミノ酸残基である。一部の実施形態では、ヘリックスの長さは、20アミノ酸残基である。
【0217】
システインステープル化
一部の実施形態では、本開示は、システインステープル化に関連する有用な技術を提供する。とりわけ、本開示は、システインステープル化に適している及び/または1つもしくは複数のシステインステープルを含むペプチドを、生物系において生産する及び/または評価することができることを認識している。本開示はさらに、ある特定のかかる系が、幅広い異なる構造(例えば、異なるアミノ酸配列)を有するシステインステープル化ペプチドの開発、生産、及び/または評価を可能にし、実際、ステープル化ペプチドに組み込まれるべきアミノ酸配列の選択及び実装に対する完全な制御をユーザーに提供し得ることを認識している。
【0218】
本明細書に記載されるように、システインステープル化は、1つのシステイン残基を別のシステイン残基に連結することを伴い、ここで、結果として得られる結合は、連結されたシステイン酸残基間のペプチド骨格を介するものではない。
【0219】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなステープル化ペプチドは、当該ステープルがL
sであるステープルを含み、ここで、
L
sが、−L
s1−S−L
s2−S−L
s3−であり、
L
s1及びL
s3が、各々独立して、Lであり、
L
s2が、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)−を含み、
各Lが独立して、共有結合、または任意選択で置換される二価のC
1〜C
25脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられ、
各−Cy−が独立して、C
3−20環状脂肪族環、C
6−20アリール環、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜20員のヘテロアリール環、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜20員のヘテロシクリル環から選択される、任意選択で置換される二価の基であり、
各R’が独立して、−R、−C(O)R、−CO
2R、または−SO
2Rであり、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC
1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
1−30ヘテロ脂肪族、C
6−30アリール、C
6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2つのR基が、任意選択でかつ独立して、一緒になって共有結合を形成するか、または
同じ原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、該原子と一緒になって、該原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、もしくは多環式環を形成するか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、または多環式環を形成する。
【0220】
一部の実施形態では、Lは独立して、二価のC
1〜C
25脂肪族基である。一部の実施形態では、Lは独立して、二価のC
1〜C
20脂肪族基である。一部の実施形態では、Lは独立して、二価のC
1〜C
10脂肪族基である。一部の実施形態では、Lは独立して、二価のC
1〜C
5脂肪族基である。一部の実施形態では、Lは独立して、二価のC
1脂肪族基である。一部の実施形態では、Lは、−CH
2である。
【0221】
一部の実施形態では、L
s1は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L
s3は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L
s1及びL
s3は両方とも、−CH
2−である。一部の実施形態では、L
sは、−CH
2−S−L
s2−S−CH
2−である。
【0222】
一部の実施形態では、L
s2は、−C(R’)
2−L’−C(R’)
2−を含み、ここで、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−L
x1−C(O)Q−L’−QC(O)−L
x1−であり、ここで、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−であり、ここで、各−CH
2−は、独立してかつ任意選択で、置換される。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2C(O)Q−L’−QC(O)CH
2−である。
【0223】
一部の実施形態では、L
s2、一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも2つの−C(O)−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)Q−を含み、ここで、Qは、共有結合、−N(R’)−、−O−、及び−S−からなる群から選択される。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)Q−を含み、ここで、Qは、−N(R’)−及び−O−の間から選択される。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも2つの−C(O)Q−を含み、ここで、Qは、−N(R’)−、−O−、及び−S−からなる群から選択される。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも2つの−C(O)Q−を含み、ここで、Qは、−N(R’)−及び−O−の間から選択される。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)N(R’)−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも2つの−C(O)N(R’)−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも1つの−C(O)O−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、かつ少なくとも2つの−C(O)O−を含む。
【0224】
一部の実施形態では、L
s2は、−Q−L’−Q−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−、−O−、及び−Sからなる群から選択され、L’は、本開示に記載されている。
【0225】
一部の実施形態では、L
s2は、−Q−L’−Q−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−及び−O−の間から選択され、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(O)Q−L’−QC(O)−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−、−O−、及び−Sからなる群から選択され、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(O)Q−L’−QC(O)−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−及び−Oの間から選択され、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(R’)
2C(O)Q−L’−QC(O)C(R’)
2−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−、−O−、及び−Sからなる群から選択され、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(R’)
2C(O)Q−L’−QC(O)C(R’)
2−を含み、ここで、Qは独立して、−N(R’)−及び−Oの間から選択され、L’は、本開示に記載されている。
【0226】
一部の実施形態では、L
s2は、−N(R’)−L’−N(R’)−を含み、ここで、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(O)N(R’)−L’−N(R’)C(O)−を含み、ここで、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(R’)
2C(O)N(R’)−L’−N(R’)C(O)C(R’)
2−であり、ここで、L’は、本開示に記載されている。
【0227】
一部の実施形態では、L
s2は、−O(R’)−L’−O(R’)−を含み、ここで、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(O)O−L’−OC(O)−を含み、ここで、L’は、本開示に記載されている。一部の実施形態では、L
s2は、−C(R’)
2C(O)O−L’−OC(O)C(R’)
2−であり、ここで、L’は、本開示に記載されている。
【0228】
一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC
1−30脂肪族である。一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC
1−15脂肪族である。一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC
1−10脂肪族である。一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC
1−5脂肪族である。一部の実施形態では、R’は水素である。
【0229】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
15脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
10脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
9脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
8脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
7脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
6脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
5脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
3脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
2脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
3−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
4−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
5−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
6−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
7−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
8−である。
【0230】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−20アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−14アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6−10アリール環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6アリール環である。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つのハロゲンで置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つのフッ素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つの塩素で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも1つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも2つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、少なくとも3つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。一部の実施形態では、L’は、4つの−O(CH2)
0−4CH
3で置換された二価のC
6アリールである。
【0231】
一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する、二価の5〜20員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、二価の5〜6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、二価の5〜6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、酸素、窒素、及び硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、二価の6員ヘテロアリール環である。一部の実施形態では、L’は、2つの窒素を有する二価の6員ヘテロアリール環である。
【0232】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−20環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−15環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−10環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−9環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−8環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−7環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−6環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−5環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3−4環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
3環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
4環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5シクロアルキル環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
5シクロアルケニル環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6環状脂肪族環である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
6シクロアルキル環である。
【0233】
一部の実施形態では、L
s2は、−N(R’)−L’−N(R’)−を含み、L’は共有結合である。一部の実施形態では、L
s2は、−N(R)−N(R)−を含み、ここで、
各Rが独立して、−Hであるか、もしくはC
1−30脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
1−30ヘテロ脂肪族、C
6−30アリール、C
6−30アリール脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有するC
6−30アリールヘテロ脂肪族、酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する5〜30員のヘテロアリール、ならびに酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される1〜10個のヘテロ原子を有する3〜30員のヘテロシクリルから選択される、任意選択で置換される基であるか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、該介在原子に加えて酸素、窒素、硫黄、リン、及びケイ素から独立して選択される0〜10個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3〜30員の単環式、二環式、または多環式環を形成する。
【0234】
一部の実施形態では、L
s2は、−N(R)−N(R)−を含み、ここで、
各Rが独立して、任意選択で置換されるC
1−30脂肪族であるか、または
2個以上の原子上の2つ以上のR基が、任意選択でかつ独立して、それらの介在原子と一緒になって、任意選択で置換される3〜30員の単環式環を形成する。
【0235】
一部の実施形態では、L
s2は、下記からなる群から選択されるステープルである。
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
当業者であれば理解しようが、提供される技術を利用して、非システイン残基及びそれに好適な化学反応を用いてペプチドの集団を調製することができる。例えば、一部の実施形態では、システインステープル化は、リジンステープル化で置き換えられ、ここで、システインステープル化用のシステイン残基は、リジンステープル化用のリジン残基で置き換えられている(例えば、2つのリジン残基を、例えば側鎖アミノ基との反応を介して、架橋することができる薬剤を用いて)。一部の実施形態では、リジンステープル化に関して、種々の式におけるR
Eは、活性化カルボン酸基(例えば、NHSエステル基)、イミドエステル基等であるか、またはそれを含む。好適な試薬は、多くの市販の試薬を含めて当該技術分野で周知である。一部の実施形態では、システインステープル化は、メチオニンステープル化で置き換えられる。一部の実施形態では、システインステープル化用のシステイン残基は、メチオニンステープル化用のメチオニン残基で置き換えられる。一部の実施形態では、システインステープル化は、トリプトファンステープル化で置き換えられる。一部の実施形態では、システインステープル化用のシステイン残基は、トリプトファンステープル化用のトリプトファン残基で置き換えられる。当業者であれば理解しようが、例えば、メチオニンステープル化、トリプトファンステープル化等に関して、種々の技術(例えば、試薬、反応等)が当該技術分野で記載されており、本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、かかるステープル化は、本明細書に記載の種々の式を有する試薬を用いて行うことができ、式中、R
Eは、メチオニン及び/またはトリプトファンステープル化に好適な基であるか、またはそれを含む。一部の実施形態では、ステープル化は、第1の位置で1つの残基、及び第2の位置で異なる残基を用いて行われてもよい。かかるステープル化に有用な試薬は、第1の位置でのステープル化用の第1の反応性基(例えば、第1のR
Eを介して)、及び第2の位置でのステープル化用の第2の反応性基(例えば、第2のR
Eを介して)を含んでもよい。
【0237】
一部の実施形態では、種々の種類のステープル化(例えば、システインステープル化、または非システインステープル化)に関して、ステープル化は、2残基によって隔てられている残基(例えば、システインステープル化用のシステイン残基)間にある(i+3ステープル化)。一部の実施形態では、ステープル化は、3残基によって隔てられている残基間にある(i+4ステープル化)。一部の実施形態では、ステープル化は、6残基によって隔てられている残基間にある(i+7ステープル化)。
【0238】
当業者には理解されようが、一部の実施形態では、2つよりも多くの残基が同時にステープル化され得る。例えば、一部の実施形態では、3つ以上のシステインが、3つ以上の反応性基(例えば、R
E基)を含有する架橋試薬を用いてステープル化される。
【0239】
非システインステープル化
一部の実施形態では、本開示は、非システインステープル化に関連する有用な技術を提供する。とりわけ、本開示は、システインステープル化に適している及び/または1つもしくは複数の非システインステープルを含むペプチドにおいて、そのシステイン残基及びシステインステープルが他のアミノ酸及びステープル(例えば、炭化水素及び他の非炭化水素アミノ酸及びステープル)で置き換えられていることが可能であることを認識している。一部の実施形態では、結果として得られる非システインステープル化ペプチドは、参照システインステープル化ペプチドと比較したときに同じまたは類似の、目的とする標的との相互作用を維持する。本明細書では、かかる非システインアミノ酸残基を伴う非システインアミノ酸及び非システインステープルが記載される。
【0240】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、式A−IIの構造を有する化合物、
【化128-1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩であり、式中、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0241】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、式A−IIIの構造を有する化合物、
【化128-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩であり、式中、各可変要素は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0242】
一部の実施形態では、L
aは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0243】
一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、標準アミノ酸である。一部の実施形態では、式A−Iのアミノ酸は、表A−I、A−II、及びA−IIIから選択される。
【0244】
【表A-I】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
【表A-II-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-II-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
【表A-III-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表A-III-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
一部の実施形態では、アミノ酸は、アルファ−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、L−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、D−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸のアルファ−炭素は、アキラルである。一部の実施形態では、アミノ酸は、ベータ−アミノ酸である。一部の実施形態では、アミノ酸は、ガンマ−アミノ酸である。
【0248】
一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、側鎖が一緒に連結されて1つまたは複数のステープルを形成する、2つ以上のアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、各々が独立してオレフィンを含む側鎖を有する、2つ以上のアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、各々が独立して末端オレフィンを含む側鎖を有する、2つ以上のアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、各々が独立してオレフィンを含む側鎖を有する、2つかつ2つを超えないアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、各々が独立して末端オレフィンを含む側鎖を有する、2つかつ2つを超えないアミノ酸残基を含有する。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、オレフィン及びそのアミノ基の窒素原子以外の窒素原子を含む、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、末端オレフィン及びそのアミノ基の窒素原子以外の窒素原子を含む、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、末端オレフィン及び窒素原子を含む側鎖を有する、アミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、式A−Iのアミノ酸の少なくとも1つの残基を含み、式中、R
a2は、オレフィン及び−N(R’)−部分を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである(一部の実施形態では、任意選択でR
a3及びそれらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成することを含む)。一部の実施形態では、R
a2は、末端オレフィン及び−N(R’)−部分を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−Iから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−IIから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、提供されるアミノ酸配列は、表A−IIIから選択されるアミノ酸の少なくとも1つの残基を含む。一部の実施形態では、2つの側鎖からの2つのオレフィンが、オレフィンメタセシスを介して一緒に連結されて、ステープルを形成する。一部の実施形態では、ステープルは、好ましくは、目的とする標的の対応する位置にないアミノ酸残基の側鎖によって形成される。一部の実施形態では、形成されたステープルは、当該ペプチドと目的とする標的との間の相互作用を妨害しない。
【0249】
一部の実施形態では、提供されるステープルは、炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、炭化水素ステープルは、鎖ヘテロ原子を何ら含まず、ここで、ステープルの鎖は、ステープルの一端からステープルの他端までそのステープル内で最も短い共有結合性の接続である。
【0250】
一部の実施形態では、提供されるステープルは、非炭化水素ステープルである。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、1つまたは複数の鎖ヘテロ原子を含み、ここで、ステープルの鎖は、ステープルの一端からステープルの他端までそのステープル内で最も短い共有結合性の接続である。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−C(O)−O−部分を含むという点で、カルバメートステープルである。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−部分を含むという点で、アミノステープルであり、この−N(R’)−部分は、−N(R’)−C(O)−O−の部分ではない。一部の実施形態では、非炭化水素ステープルは、それがその鎖内に−N(R’)−部分を含むという点で、アミノステープルであり、この−N(R’)−部分は、ヘテロ原子と二重結合(例えば、−C(=O)、−C(=S)、−C(=N−R’)等)をさらに形成する炭素原子には結合していない。
【0251】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、ステープルがL
sであるステープルを含み、ここで、L
sは、−L
s1−L
s2−L
s3−であり、L
s1、L
s2、及びL
s3の各々は独立して、Lであり、各Lは独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、提供されるステープルは、L
sである。
【0252】
一部の実施形態では、L
s1は、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、L
s1は、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、L
s1は、−L’−N(CH
3)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。
【0253】
一部の実施形態では、R’は、任意選択で置換されるC
1−6アルキルである。一部の実施形態では、R’は、C
1−6アルキルである。一部の実施形態では、R’は、メチルである。一部の実施形態では、L
s1が結合しているペプチド骨格原子はまた、R
1にも結合しており、R’及びR
1は両方ともRであり、それらの介在原子と一緒になって、本開示に記載されるような任意選択で置換される環を形成する。一部の実施形態では、形成された環は、R’が結合している窒素原子に加えて追加の環ヘテロ原子を何ら有しない。一部の実施形態では、形成された環は、3員である。一部の実施形態では、形成された環は、4員である。一部の実施形態では、形成された環は、5員である。一部の実施形態では、形成された環は、6員である。
【0254】
一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
20脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
15脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
10脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
9脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
8脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
7脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
6脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
5脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
4脂肪族である。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、非置換アルキレンである。一部の実施形態では、L’は、−CH
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
2−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
3−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
4−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
5−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
6−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
7−である。一部の実施形態では、L’は、−(CH
2)
8−である。一部の実施形態では、L’は、ペプチド骨格原子に結合している。一部の実施形態では、L’は、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、非置換アルケニレンである。一部の実施形態では、L’は、−CH
2−CH=CH−CH
2−である。
【0255】
一部の実施形態では、L
s1は、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s1は、−L’−N(R’)C(O)−であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s1は、−L’−N(CH
3)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0256】
一部の実施形態では、L
s1は共有結合である。
【0257】
一部の実施形態では、L
s1は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。
【0258】
一部の実施形態では、L
s2は、Lであり、ここで、Lは、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s2は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2−CH=CH−CH
2−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、−CH
2−CH=CH−CH
2−である。一部の実施形態では、L
s2は、−(CH
2)
4−を含む。一部の実施形態では、L
s2は、−(CH
2)
4−である。
【0259】
一部の実施形態では、L
s3は、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、L
s3は、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、L
s3は、−L’−N(CH
3)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。
【0260】
一部の実施形態では、L
s3は、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s3は、−L’−N(R’)C(O)−であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s3は、−L’−N(CH
3)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0261】
一部の実施形態では、L
s3は、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、L
s3は、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、L
s3は、非置換アルキレンである。
【0262】
一部の実施形態では、L
sは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、L
sは、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。
【0263】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、−N(R’)−は、2個の炭素原子に結合しており、これら2個の炭素原子のうちのいずれも、ヘテロ原子と二重結合を形成しない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(O)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(S)−に結合していない。一部の実施形態では、−N(R’)−は、−C(=NR’)−に結合していない。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(R’)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(CH
3)−であり、ここで、L’は、任意選択で置換される二価のC
1〜C
19脂肪族である。
【0264】
一部の実施形態では、Lは、少なくとも1つの−N(R’)C(O)−を含み、ここで、R’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、−L’N(R’)C(O)であり、ここで、L’及びR’の各々は独立して、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、−L’−N(CH
3)C(O)−であり、ここで、L’は独立して、本開示に記載されるようなものである。
【0265】
一部の実施形態では、Lは、L’であり、ここで、L’は、本開示に記載されるようなものである。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルキレンである。
【0266】
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
25脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
20脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
15脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
10脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
9脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
8脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
7脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
6脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
5脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価のC
1〜C
4脂肪族である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルキレンである。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルキレンである。一部の実施形態では、Lは、−CH
2−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
2−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
3−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
4−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
5−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
6−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
7−である。一部の実施形態では、Lは、−(CH
2)
8−である。一部の実施形態では、Lは、ペプチド骨格原子に結合している。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換されるアルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、非置換アルケニレンである。一部の実施形態では、Lは、−CH
2−CH=CH−CH
2−である。
【0267】
一部の実施形態では、ステープルの一端は、ペプチド骨格の原子A
n1に接続しており、ここで、A
n1は、R
1で任意選択で置換され、当該ペプチドのN末端からのアミノ酸位置n
1におけるアミノ酸残基の原子であり、他端は、ペプチド骨格の原子A
n2に接続しており、ここで、A
n2は、R
2(一部の実施形態では、R
1及び/またはR
2は、水素であり得るRである)で任意選択で置換され、当該ペプチドのN末端からのアミノ酸位置n
2におけるアミノ酸残基の原子であり、ここで、n
1及びn
2は独立して、整数であり、n
2=n
1+mであり、ここで、mは、3〜12である。
【0268】
一部の実施形態では、mは3である。一部の実施形態では、mは4である。一部の実施形態では、mは5である。一部の実施形態では、mは6である。一部の実施形態では、mは7である。一部の実施形態では、mは8である。一部の実施形態では、mは9である。一部の実施形態では、mは10である。一部の実施形態では、mは11である。一部の実施形態では、ステープルは、(i、i+m)ステープルと言及される。
【0269】
一部の実施形態では、A
n1は炭素原子である。一部の実施形態では、A
n1はアキラルである。一部の実施形態では、A
n1はキラルである。一部の実施形態では、A
n1はRである。一部の実施形態では、A
n1はSである。
【0270】
一部の実施形態では、A
n2は炭素原子である。一部の実施形態では、A
n2はアキラルである。一部の実施形態では、A
n2はキラルである。一部の実施形態では、A
n2はRである。一部の実施形態では、A
n2はSである。
【0271】
一部の実施形態では、A
n1はアキラルであり、A
n2はアキラルである。一部の実施形態では、A
n1はアキラルであり、A
n2はRである。一部の実施形態では、A
n1はアキラルであり、A
n2はSである。一部の実施形態では、A
n1はRであり、A
n2はアキラルである。一部の実施形態では、A
n1はRであり、A
n2はRである。一部の実施形態では、A
n1はRであり、A
n2はSである。一部の実施形態では、A
n1はSであり、A
n2はアキラルである。一部の実施形態では、A
n1はSであり、A
n2はRである。一部の実施形態では、A
n1はSであり、A
n2はSである。
【0272】
一部の実施形態では、ステープル−骨格接続点において提供される立体化学構造及び/またはそれらの組み合わせは、任意選択で、提供されるペプチドの1つまたは複数の構造的要素、例えば、ステープルの化学構造(炭化水素、非炭化水素)、ステープル長等と一緒に、調製物の改善された収率、純度、及び/または選択性、改善された特性(例えば、改善された溶解度、改善された安定性、低下した毒性、改善された選択性等)、改善された活性等といった種々の有益性を提供し得る。一部の実施形態では、提供される立体化学構造及び/または立体化学構造の組み合わせは、典型的に使用されるもの、例えば、US9617309、US2015−0225471、US2016−0024153、US2016−0215036、US2016−0244494、WO2017/062518のものとは異なり、本開示に記載される有益性のうちの1つまたは複数を提供した。
【0273】
一部の実施形態では、ステープルは、一部の実施形態でステープルの鎖原子の数によって表されるように、種々の長さであり得る。一部の実施形態では、ステープルの鎖は、ステープルの第1の端(ペプチド骨格との接続点)からステープルの第2の端までそのステープルにおいて最も短い共有結合性の接続であり、これら第1の端及び第2の端は、2つの異なるペプチド骨格原子に接続している。一部の実施形態では、ステープルは、5〜30個の鎖原子、例えば、5、6、7、8、9、または10個から、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、5個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、6個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、7個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、8個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、9個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、10個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、11個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、12個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、13個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、14個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、15個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、16個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、17個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、18個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、19個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、20個の鎖原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、5個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、6個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、7個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、9個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、10個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、11個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、12個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、13個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、14個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、15個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、16個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、17個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、18個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、19個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、20個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜15個の鎖原子の長さを有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜12個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、9〜12個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、9〜10個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルは、8〜10個の鎖原子を有する。一部の実施形態では、ステープルの長さは、それが接続するアミノ酸残基の距離に従って調整することができ、例えば、(i、i+7)ステープルの場合、(i、i+4)ステープルよりも長いステープルが必要とされ得る。ステープル長は、別様に説明され得る。例えば、一部の実施形態では、ステープル長は、鎖原子及び非鎖状環原子の総数として説明され得、この場合、非鎖状環原子は、1個または複数の鎖原子と環を形成するが、それがステープルの第1の端からステープルの第2の端まで最も短い共有結合性の接続内にないという点で鎖原子ではない、ステープルの原子である。一部の実施形態では、モノマーA(これはアゼチジン部分を含む)、モノマーB(これはピロリジン部分を含む)、及び/またはモノマーC(これはピロリジン部分を含む)を用いて形成されるステープルは、代表的なステープル化ペプチドにおいて例示されるように1個または2個の非鎖状環原子を含んでもよい。
【0274】
一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内にヘテロ原子を何ら有しない。一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内に少なくとも1個のヘテロ原子を含む。一部の実施形態では、ステープルは、その鎖内に少なくとも1個の窒素原子を含む。
【0275】
一部の実施形態では、ステープルは、L
sであり、ここで、L
sは、任意選択で置換される二価のC
8−14脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、L
sであり、ここで、L
sは、任意選択で置換される二価のC
9−13脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、L
sであり、ここで、L
sは、任意選択で置換される二価のC
10−15脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、L
sであり、ここで、L
sは、任意選択で置換される二価のC
11−14脂肪族基であり、該脂肪族基の1つまたは複数のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、−C(R’)
2−、−Cy−、−O−、−S−、−S−S−、−N(R’)−、−C(O)−、−C(S)−、−C(NR’)−、−C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)N(R’)−、−N(R’)C(O)O−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R’)−、−C(O)S−、または−C(O)O−で置き換えられる。一部の実施形態では、ステープルは、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基を含めずに、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基の間に3つのアミノ酸残基が存在するという点で、(i、i+4)ステープルである。一部の実施形態では、ステープルは、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基を含めずに、ステープルに直接接続した2つのアミノ酸残基の間に6つのアミノ酸残基が存在するという点で、(i、i+7)ステープルである。
【0276】
一部の実施形態では、L
s、L
s1、L
s2、及びL
s3の各々に関して、存在する場合、メチレン単位の任意の置き換え例は、−N(R’)−または−N(R’)−C(O)−で置き換えられる。
【0277】
一部の実施形態では、ステープルにおけるオレフィンは、Z−オレフィンである。一部の実施形態では、ステープルにおけるオレフィンは、E−オレフィンである。一部の実施形態では、提供される組成物は、Z−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドと、E−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドとを含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、Z−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドを含む。一部の実施形態では、提供される組成物は、E−オレフィンを含有するステープルを含むステープル化ペプチドを含む。一部の実施形態では、ステープルオレフィンのE/Z配置においてのみ異なる、その他の点では同一のステープル化ペプチドは、本明細書で実証されるように、異なる特性及び/または活性を実証する。一部の実施形態では、ステープルにおいてE−オレフィンを有するステープル化ペプチドが、前後関係を考慮してある特定の望ましい特性及び/または活性を提供し得る。一部の実施形態では、ステープルにおいてZ−オレフィンを有するステープル化ペプチドが、前後関係を考慮してある特定の望ましい特性及び/または活性を提供し得る。
【0278】
一部の実施形態では、2つのステープルがペプチド骨格の同じ原子に結合して、「ステッチ」構造を形成してもよい。
【0279】
一部の実施形態では、ステープルは、ステープルの一端がプロリン残基のアルファ−炭素に結合しているという点で、Pro−ロック(Pro−lock)である。
【0280】
一部の実施形態では、代表的なステープルは、下記で表S−1、S−2、S−3、及びS−4に例示されるようなステープルである(明確さのために代表的なペプチド骨格が例示され(他のペプチド骨格に適用され得る)、Xはアミノ酸残基である)。一部の実施形態では、オレフィンはZである。一部の実施形態では、オレフィンはEである。一部の実施形態では、(i、i+4)ステープルは、表S−1から選択される。一部の実施形態では、(i、i+4)ステープルは、表S−2から選択される。一部の実施形態では、(i、i+7)ステープルは、表S−3から選択される。一部の実施形態では、(i、i+7)ステープルは、表S−4から選択される。
【0281】
【表S-1-1】
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【表S-1-2】
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【表S-1-3】
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【0282】
【表S-2-1】
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【表S-2-2】
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【表S-2-3】
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【0283】
【表S-3-1】
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【表S-3-2】
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【表S-3-3】
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【表S-3-4】
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【表S-3-5】
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【表S-3-6】
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【表S-3-7】
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【0284】
【表S-4】
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【0285】
ペプチド特性解析
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド(例えば、ステープル化ペプチド、例えば、本明細書に記載されるような、システインステープル化ペプチド、システインステープル化ペプチドのバリアントである非システインステープル化ペプチド、及び/またはその集団)は、例えば、結合特性(例えば、目的とする特定の標的に関して)、安定特性(例えば、溶液中または乾燥形態での)、細胞透過特性等、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、1つまたは複数の特性に関して特性解析される。
【0286】
一部の実施形態では、結合特性は、任意選択で、例えば、濃度、温度、pH、細胞型、特定の競合剤の存在またはレベル等といった指定の条件下での(またはそれらの範囲にわたる)、特異性、親和性、オン速度、オフ速度等であり得るか、またはそれを含み得る。
【0287】
当業者には理解されようが、本明細書に記載されるような特性の評価は、適切な参照(例えば、陽性対照または陰性対照)との比較を伴ってもよく、そのような参照は、一部の実施形態では、同時期の参照あり得るか、または、一部の実施形態では、歴史的参照であり得る。
【0288】
一部の実施形態では、望ましいペプチド特性は、例えば、所望の標的への結合(例えば、少なくとも1μM未満、好ましくは50nM未満の結合親和性)、細胞透過性(例えば、細胞画分等の蛍光に基づくアッセイまたは質量分析法によって測定されるような)、活性(例えば、標的(これは細胞レポーターアッセイによって評価されてもよい(例えば、例えば、1μM、500nM等の濃度未満のIC50を有する))、動物モデル及び/または対象の1つまたは複数の機能を調節すること)、安定性(これはいくつかのアッセイを用いて評価されてもよい(例えば、ラット薬物動態研究において(例えば、経口、静脈内、腹腔内等を介して投与される)、好適な時間、例えば1時間を超える、終末相半減期を有する))、低い毒性(これはいくつかのアッセイ(例えば、標準的ADME/毒性アッセイ)によって評価され得る)、及び/または低レベルの細胞毒性(例えば、好適な濃度、例えば、約10μMのペプチドで処理されたときに細胞から放出される乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)が低レベルであること)であり得る。
【0289】
ペプチド生産
ステープル化ペプチドを生産するための種々の技術が当該技術分野で既知であり、本開示に従って利用され得る。本開示を閲読して、当業者であれば、かかる技術が本開示のあらゆる態様において適用可能であることを十分に理解しよう。
【0290】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるように、ある特定のステープル化ペプチド、特にシステインステープル化ペプチドが、提供される試薬、例えば、R
x−L
s2−R
x、式R−Iの構造を有する試薬、またはその塩との反応によって、生物系において提供され、及び/または生物系によって生産されてもよい。
【0291】
一部の実施形態では、ペプチドは、典型的にはFmoc化学作用を用いて、合成装置において固相上で調製される。
【0292】
一部の実施形態では、ステープルは、オレフィンメタセシスによって形成される。一部の実施形態では、メタセシスの生成物の二重結合は、還元される/水素化される。一部の実施形態では、CO
2は、ステープルのカルバメート部分から押し出される。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、さらに修飾され、及び/または他の実体にコンジュゲートされる。これらの反応の条件及び/または試薬は、当該技術分野で周知であり、ステープル化ペプチドを提供するために本開示に従って実施され得る。
【0293】
提供されるステープル化ペプチドの特性及び/または活性は、例えば、実施例に記載される1つまたは複数の方法の使用を通して、本開示に従って容易に評定され得る。
【0294】
一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドを調製する及び/または評定するための技術には、US9617309、US2015−0225471、US2016−0024153、US2016−0215036、US2016−0244494、WO2017/062518等に記載されるものが含まれる。
【0295】
一部の実施形態では、提供される薬剤、例えば、提供されるペプチドは、60%〜100%の純度を有する。一部の実施形態では、提供される薬剤は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の純度を有する。一部の実施形態では、純度は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも85%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも91%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも92%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも93%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも94%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも96%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも97%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも98%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも99%である。一部の実施形態では、純度は、少なくとも99.5%である。
【0296】
一部の実施形態では、提供される方法は、高収率を提供する。一部の実施形態では、収率は、50%〜100%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも60%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも65%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも70%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも75%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも80%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも85%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも90%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも91%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも92%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも93%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも94%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも95%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも96%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも97%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも98%である。一部の実施形態では、収率は、少なくとも99%である。
【0297】
一部の実施形態では、提供される方法は、オレフィンに関して高いE/Z選択性を送達する。一部の実施形態では、提供される選択性は、E異性体に有利である。一部の実施形態では、提供される選択性は、Z異性体に有利である。一部の実施形態では、E:Z比は、少なくとも1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、30:1、40:1、50:1、または100:1である。一部の実施形態では、Z:E比は、少なくとも1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、20:1、30:1、40:1、50:1、80:1、90:1、95:1、99:1、または100:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも1:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも1.5:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも2:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも3:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも4:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも5:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも6:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも7:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも8:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも9:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも10:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも20:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも30:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも40:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも50:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも80:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも90:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも95:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも99:1である。一部の実施形態では、比は、少なくとも100:1である。
【0298】
一部の実施形態では、提供の方法は、室温よりも高い温度での一定期間を含む。一部の実施形態では、温度は、約25〜200℃である。一部の実施形態では、温度は、約25℃である。一部の実施形態では、温度は、約30℃である。一部の実施形態では、温度は、約35℃である。一部の実施形態では、温度は、約40℃である。一部の実施形態では、温度は、約45℃である。一部の実施形態では、温度は、約50℃である。一部の実施形態では、温度は、約55℃である。一部の実施形態では、温度は、約60℃である。一部の実施形態では、温度は、約65℃である。一部の実施形態では、温度は、約70℃である。一部の実施形態では、温度は、約75℃である。一部の実施形態では、温度は、約80℃である。一部の実施形態では、温度は、約85℃である。一部の実施形態では、温度は、約90℃である。一部の実施形態では、温度は、約95℃である。一部の実施形態では、温度は、約100℃である。一部の実施形態では、温度は、約150℃である。一部の実施形態では、温度は、約150℃よりも高い。
【0299】
ペプチド組成物
とりわけ、本開示は、本明細書に記載されるようなペプチド、例えば、ステープル化ペプチドを含むか、またはそのようなペプチドに別様に関連する、組成物を提供する。
【0300】
例えば、一部の実施形態では、提供される組成物は、本明細書に記載されるようなステープル化ペプチド(例えば、システインステープル化ペプチド)、またはその集団をコードする及び/またはそれを発現する、ファージディスプレイ系の要素であるか、またはそれを含む。
【0301】
一部の実施形態では、提供される組成物は、本明細書に記載されるようなステープル化ペプチドを特性解析するための(及び任意選択でそれを含む)アッセイ系であるか、またはそれを含む。
【0302】
一部の実施形態では、提供される組成物は、例えば、1つまたは複数のステープル化ペプチド(例えば、一部の実施形態では、本明細書に記載されるような親システインステープル化ペプチドに対応し得る、及び/またはそのバリアントであり得る、特に1つまたは複数の非システインステープル化ペプチド)を含むか、またはそれを送達する、薬学的組成物である。
【0303】
一部の実施形態では、薬学的組成物は、ペプチド剤を、薬学的に許容される賦形剤(例えば、担体)と組み合わせて含む。
【0304】
一部の実施形態では、ペプチド組成物は、本明細書に記載されるようなペプチド剤の特定の形態(例えば、特定の光学異性体、ジアステレオマー、塩形態、共有結合性のコンジュゲート形態[例えば、担体部分に共有結合性で結合している]等、またはそれらの組み合わせ)を含み得るか、またはそれを送達し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される薬学的組成物に含まれる、またはそれによって送達されるペプチド剤は、担体部分に共有結合性で連結されていない。
【0305】
一部の実施形態では、提供される治療用組成物は、1つもしくは複数の追加の治療剤及び/または1つもしくは複数の安定剤及び/または送達速度もしくは送達範囲を経時的に変化させる(例えば、特定の組織、位置、または部位に拡張するかまたは限定する)1つもしくは複数の薬剤を含んでもよい。
【0306】
使用及び用途
一部の実施形態では、本開示は、(例えば、目的とする標的に結合する)ステープル化ペプチドの開発及び/または使用のための、ある特定のステープル化ペプチド及び/または他の技術(例えば、ステープル化ペプチドの集団、及び/またはかかるステープル化ペプチド(複数可)を発現もしくは提示するように適合された及び/またはそれを発現もしくは提示している生物系等)を提供する。
【0307】
一部の実施形態では、本開示は、ある特定のステープル化ペプチド、またはその集団(例えば、個々のペプチドがファージコートタンパク質と融合され得る集団を含む)、及び/またはかかるシステインステープル化ペプチド(複数可)を発現もしくは提示するように適合された及び/またはそれを発現もしくは提示している生物系を提供する。一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術を利用して、目的とする標的と相互作用する(例えば、それに結合する)ステープル化ペプチドの1つまたは複数の望ましい構造的特徴(例えば、アミノ酸配列、ステープルの位置及び/または構造[例えば、長さ、組成、拘束度等])を特定する及び/または特性解析することができる。一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、システイン(複数可)が他の非システインステープル形成残基(複数可)で置換されていることを除いて、参照システインステープル化ペプチドに対応する(例えば、参照システインステープル化ペプチドと顕著な構造的同一性、及び任意選択でそれと構造的同一性を共有する)、ステープル化ペプチド(例えば、非システインステープル化ペプチド)の開発に有用である。
【0308】
一部の実施形態では、当該アミノ酸配列が少なくとも2つの適切に離間されたシステイン残基を含む、提供されるペプチドまたはその集団を用いて、システインステープル化ペプチド、またはその集団が調製される(例えば、式R−Iの化合物との反応によって)。ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術
【0309】
一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチドは、本開示に記載の技術及び実施例によって特定し、合成することができる。一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチドは、システインステープル化ペプチドである。一部の実施形態では、目的とする標的に結合するシステインステープル化ペプチドは、システインステープル及び対応するシステイン残基が、非システインステープル及びかかる非システインステープルを容易にするために必要なアミノ酸により置き換えられていてもよい。
【0310】
一部の実施形態では、提供されるペプチド(またはそれらをコードする核酸)の集団は、該集団のペプチドが全て、本明細書に記載されるようなシステインステープル化を可能にするように互いに対して離間されたシステイン残基(例えば、システイン残基の対)を含むが、その他の点では、独立したアミノ酸配列を有すること、及び任意選択で、該集団のペプチドが全て同じ長さを有することを特徴とする。一部の実施形態では、生物系における選択された核酸配列の遺伝子操作及び/または発現により、縮重及び/または偏りが1つまたは複数の位置に導入される。一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド集団またはライブラリのペプチドにおける1つまたは複数の位置での縮重または偏りの程度は、(例えば、同等のシステイン残基を有する)関連するライブラリまたは集団の1つまたは複数の結合特性の事前評価によって情報提供及び/または選択される。一部の実施形態では、かかる事前評価は、目的とする標的に照らし合わせたステープル化ペプチドの集団(単数または複数)のハイスループット解析(例えば、スクリーニング)によるものであり、ハイスループットシーケンシングを用いて、ステープル化ペプチドの集団の部分集合の遺伝子型を解読することにより、偏ったライブラリの生産について情報提供することができる。
【0311】
一部の実施形態では、ステープル化ペプチドの集団は、生物系(例えば、ファージディスプレイ)または非生物系において使用するための別の分子に融合されたシステインステープル化ペプチドを含む。一部の実施形態では、生物系または非生物系の関連においてステープル化ペプチドの集団をスクリーニングした後、高スループットシーケンシングにより、目的とする標的と相互作用する特定のシステインステープル化ペプチドが特定されるであろう。一部の実施形態では、生物系において使用するための別の分子に融合されていない場合の特定のシステインステープル化ペプチドは、該分子に融合された場合の特定のシステインステープル化ペプチドと同じまたは類似の、目的とする標的との相互作用を示すであろう。一部の実施形態では、生物系において使用するための別の分子に融合されていない場合の特定のシステインステープル化ペプチドは、そのシステイン残基及びシステインステープルが他のアミノ酸及びステープルで置き換えられていることが可能である。一部の実施形態では、結果として得られるペプチドは、同じまたは類似の、目的とする標的との相互作用を維持する。
【0312】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、例えば、目的とする関連性のある標的との結合によって、1つまたは複数の生物学的事象または状態を調節するために有用であり得る。
【0313】
一部の実施形態では、本明細書に記載されるようなある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術の薬剤は、1つまたは複数の疾患、障害、または病態の治療に有用であり得る。一部の実施形態では、ステープル化ペプチド(例えば、本明細書に記載されるように特定され及び/または特性解析される親システインステープル化ペプチドに対応する、例えば、非システインステープル化ペプチド)を含む及び/または送達する、本明細書に記載されるような治療用組成物が、それを必要とする対象に投与される。一部の実施形態では、対象は、他の療法を受けたことがある、及び/または受けている場合があり、その結果、一部の実施形態では、提供されるペプチド剤による療法が、他の療法と組み合わせて投与され得、一部のかかる実施形態では、本明細書に記載されるようなペプチド剤が、別の治療剤を含有する及び/または送達する組成物を介して投与され得、一部の実施形態では、別個の組成物が採用される。
【0314】
ステープル化ペプチドを投与するための種々の戦略が当該技術分野で利用可能であり、本開示に従って利用され得る。一部の実施形態では、提供されるペプチドは、非ステープル化であるがさもなければ同一のペプチドと比較して、強化された細胞透過特性を有する。
【0315】
一部の特定の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、ベータ−カテニンに結合するため及び/またはベータ−カテニンの1つまたは複数の活性もしくは効果を調節するために有用である。
【0316】
一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、Wnt/ベータ−カテニンシグナル伝達に関与する1つまたは複数の構成要素に関連する及び/または1つもしくは複数のベータ−カテニン機能に具体的に関連する、病態、障害、または疾患の治療に有用である。
【0317】
一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、ベータ−カテニンと別のタンパク質、例えば、アキシン、APC、BCL9、TCF4/TCF7L2、TCF3/TCF7L1、及びTCF7との間の相互作用を調節する、例えば、それを低減するのに有用である。
【0318】
一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、ベータ−カテニンと、Wnt/ベータ−カテニンシグナル伝達において1つまたは複数のタンパク質と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニン部位との間の相互作用に関連する、病態、障害、または疾患の治療に有用である。一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチドは、ベータ−カテニンとBCL9との間の結合と競合し、及び/または別様にベータ−カテニンとBCL9との間の結合に干渉するかもしくはそれを低減する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンと、BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位との間の相互作用に関連する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンとの相互作用に関してBCL9と競合する1つまたは複数のタンパク質との相互作用に関連する。一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチドは、別のタンパク質とのベータ−カテニンの相互作用に拮抗し、この別のタンパク質の1つまたは複数の結合部位は、BCL9または提供されるステープル化ペプチドと相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位と同一であるかもしくは重複するか、またはそれに近接する。一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、ベータ−カテニンとBCL9との間の相互作用に関連する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、BCL9と相互作用する1つまたは複数のベータ−カテニンの部位でベータ−カテニンと相互作用する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のBCL9の活性を阻害する。一部の実施形態では、提供されるステープル化ペプチドは、1つまたは複数のWnt/ベータ−カテニン経路の活性を阻害する。
【0319】
一部の実施形態では、ある特定の提供されるステープル化ペプチド及び/または他の技術は、がん、心疾患、拡張型心筋症、胎児アルコール症候群、うつ病、及び糖尿病から選択される病態、障害、または疾患の治療に有用である。
【0320】
一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、心臓の病態、障害、または疾患である。
【0321】
一部の実施形態では、病態、障害、または疾患は、がんである。一部の実施形態では、がんは、結腸癌、結腸直腸癌、直腸癌、前立腺癌、家族性腺腫性ポリポーシス(FAP)、ウィルムス腫瘍、黒色腫、肝細胞癌、卵巣癌、子宮内膜癌、髄芽細胞腫、毛母腫、原発性肝細胞(hetpatocellular)癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、膠芽腫、石灰化上皮腫(pliomatrixoma)、髄芽細胞腫、甲状腺腫瘍、卵巣新生物から選択される。一部の実施形態では、がんは、結腸直腸癌である。一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌である。一部の実施形態では、がんは、前立腺癌である。一部の実施形態では、がんは、黒色腫である。一部の実施形態では、がんは、Wnt/ベータ−カテニンシグナル伝達に関連する。一部の実施形態では、がんは、ベータ−カテニンに関連する。当業者には理解されようが、提供される技術は、がんに関連する多くのタンパク質標的を含めた、種々の標的に適用可能である。
【実施例】
【0322】
実施例1−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
とりわけ、本開示は、ステープルの構築に有用である化合物、例えば、R
x−L
s−R
xもしくはその塩または式R−Iもしくはその塩を提供する。種々の技術を利用して、本開示の提供される化合物を調製することができる。一部の実施形態では、本開示は、表E−1に列挙される化合物を提供する。
【0323】
【表E-1】
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【0324】
表E−1にある化合物を調製するための手順において、50mmolのそれぞれ対応するジアミノアルカン(3に対してはエチレンジアミン、4に対してはプロピレンジアミン、5に対してはブチレンジアミン、6に対してはペンチレンジアミン、及び7に対してはベンゼン−1,4−ジアミン)を100mLのクロロホルムに溶解させ、次いで1.5MのK
2CO
3水溶液100mLを添加した。氷浴を用いて、溶液を20分間冷却した。絶えず撹拌しながら、1.5Mの臭化ブロモアセチル溶液100mLを混合物に30分間滴加した。次いで、混合物を室温で12時間撹拌した。その後、不溶性固体をガラス漏斗に通して濾過した。濾過した固体を水で繰り返し洗浄し、遠心蒸発器を用いて60℃で乾燥させた。濾過から残った有機層を、分離漏斗を用いて分離させた。水層をクロロホルムで2回洗浄した。次いで、全ての有機収集物を合わせ、H
2Oで3回洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。次いで、有機溶媒を回転蒸発器で蒸発させた。合わせた生成物を、質量分析法(MS)及び核磁気共鳴分光法(NMR)を用いて分析した。
【0325】
リンカー8及び9を類似のプロトコルに従って合成した。反応中に2つの相を用いる代わりに、水相のみを使用した。試薬は、1,2−ジメチルヒドラジン及びヘキサヒドロピリダジンの二塩酸塩であった。全ての他の反応条件は同じままであった。臭化ブロモアセチルを添加した後に室温で2時間撹拌した後、反応を終了させた。
【0326】
精製には種々の技術を利用することができる。例えば、リンカー3〜6及び8〜9は、順相フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製した。1つの調製物においては、40〜60μm孔径のシリカゲルを使用した。標準プロトコルに従った。全てのリンカーが、80%(v/v)酢酸エチル及び20%(v/v)ヘキサンの移動相を用いた薄層クロマトグラフィーにおいて良好な分離を示した。次いで、TLCプレートを、過マンガン酸カリウム染料(6gのKMnO
4、40gのK
2CO
3、10mLの5%(w/v)NaOH水溶液、600mLのH
2O)を用いて染色した。この移動相についてのリンカーの保持係数(R
f)値は、リンカーの極性に応じて0.2〜0.4の間にあった。試料をクロロホルムに溶解させ、その後、カラムに負荷した。次いで、収集した画分を、薄層クロマトグラフィーを用いて確認した。リンカーを含有していた画分を合わせ、回転蒸発器で蒸発させた。ペプチドの正確な質量を確認するために、精製し、乾燥させたリンカーをLC/MS、ならびにQ Exactive Plusで分析した。試料を
1H NMR分析に供した。溶媒としてCDCl
3を用いて
1H NMR試料を調製し、400MHzで128回の走査を実施した(
図1〜7)。
【0327】
実施例2−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
例えば、ステープルの構築に有用である、追加の代表的な化合物、例えば、R
x−L
s−R
xもしくはその塩または式R−Iもしくはその塩の調製について、実施例2〜11に記載した。
【0328】
スキームE−1
【化127】
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【0329】
EtOH(50mL)中の化合物2.1(2.50g、23.12mmol、1.00当量)の溶液に、Boc
2O(12.1g、55.48mmol、12.7mL、2.40当量)及び塩酸グアニジン(331mg、3.47mmol、278μL、0.15当量)を少量に分けて添加した。添加が完了した後、反応混合物を40℃で8時間撹拌した。LC−MSにより、化合物2.1が完全に消費されたことが示された。溶媒を減圧下で除去した。次いで、酢酸エチル(100mL)を添加し、混合物を20℃で30分間撹拌した。混合物を濾過し、湿潤ケークを酢酸エチル(50.0mL×5)で洗浄した。有機相を真空下で乾燥させて、化合物2.2(5.00g、粗)を灰白色の固体として得た。
【0330】
THF(30.0mL)中の化合物2.2(1.70g、5.51mmol、1.00当量)の溶液に、NaH(330mg、8.27mmol、純度60%、1.50当量)を0℃で少量に分けて添加した。添加が完了した後、混合物を10分間撹拌した。次いで、MeI(2.60g、18.32mmol、1.14mL、3.32当量)を0℃で少量に分けて添加した。次いで、混合物を20℃で2時間撹拌した。NH
4Cl(10.0mL、飽和)を混合物中に0℃で添加した。次いで、水層を酢酸エチル(10.0mL×3)で抽出した。有機抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、1.70gの黄色の油を得た。
1HNMRにより、化合物2.3(1.70g、粗)が黄色の油として得られたことが示された。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6)
: δ 7.23 (s, 4H), 3.17 (s, 6H), 1.40 (s, 18H)。
【0331】
HCl/酢酸エチル(4M、48.0mL、40.3)中の化合物2.3(1.60g、4.76mmol、1.00当量)の溶液を20℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、R
f=0.06)により、反応が完了したことが示された。反応混合物を真空下で濃縮して、灰白色の固体を得た(880mg、粗、2・HCl塩)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 9.67 (br s, 4H), 7.27 (br s, 4H), 2.78 (s, 6H)。
【0332】
化合物2.4(835mg、3.99mmol、1当量、2HCl)を水(10.0mL)に溶解させ、混合物のpHを8に調整するために、K
2CO
3(1.21g、8.78mmol、2.20当量)を混合物に少量に分けて添加した。次いで、ジクロロメタン(10.0mL×5)を添加して、生成物を抽出した。有機層を合わせ、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して、黄色の油を得た(0.50g、粗、遊離塩基)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 6.41 (br s, 4H), 4.74 (br s, 2H), 2.58 (br s, 6H)。
【0333】
ジクロロメタン(150mL)中の化合物2.4(500mg、3.67mmol、1.00当量)の溶液に、ピリジン(697mg、8.81mmol、711.17μL、2.40当量)及びDMAP(13.5mg、110.14μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、2−臭化ブロモアセチル(1.63g、8.08mmol、702.71μL、2.20当量)を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。LC−MSにより、化合物2.4が完全に消費されたことが示され、所望の質量を有する主要化合物が示された。反応混合物をHCl(0.5N、50.0mL×2)、次いでブライン(50.0mL×2)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、次いで、真空下で濃縮して、リンカー10(1.50g、粗)を薄黄色の固体として得た。
【0334】
粗リンカー10(500mg)をジクロロメタン/石油エーテル(1mL、1/1)の溶液中のスラリーによって30分間精製した。混合物を濾過し、残渣を真空下で乾燥させて、120mgの薄黄色の固体を得た(120mg、317.41μmol、収率24.0%)。HPLCにより、99.48%の純度が示された。
1H NMR: (400 MHz, クロロホルム−d
): δ 7.41 (s, 4H), 3.70 (s, 4H), 3.35 (br s, 6H)。
【0335】
実施例3−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−2
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
ジクロロメタン(35mL)中の化合物3.1(10.0g、77.46mmol、1当量)の溶液に、Ac
2O(9.47g、92.75mmol、8.69mL、1.20当量)を20℃で少量に分けて添加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で16時間撹拌した。LC−MSにより、化合物1が消費され、主生成物が化合物3.2であることが示された(保持時間=0.626分、[M+H]
+=171.8)。反応混合物を減圧下で濃縮した。次いで、水(80mL)を残渣に添加し、灰白色の固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、化合物3.2を得た(12.3g、71.87mmol、収率92.8%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)δ 8.23 − 8.12 (m, 1H), 7.46 (br s, 1H), 7.03 (dt, J = 4.8, 9.8 Hz, 1H), 6.72 (br t, J = 8.2 Hz, 1H), 2.24 (s, 3H)。
【0337】
HNO
3の撹拌溶液(21.9g、333.27mmol、15.63mL、純度96%、11.41当量)に、化合物3.2(5.00g、29.22mmol、1当量)を0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。LC−MS及びTLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、R
f=0.61)により、化合物3.2が消費され、主生成物が化合物3.3であることが示された(保持時間=0.746分、[M+H]
+=216.7)。反応混合物を氷水(50mL)に注ぎ、10分間撹拌し、次いで濾過した。結果として得られたケークを水(50mL×3)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物3.3(5.72g、26.46mmol、収率90.6%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz DMSO−d
6): δ 10.47 (br s, 1H), 8.36 (dd, J = 6.5, 14.1 Hz, 1H), 8.21 (dd, J = 7.0, 10.8 Hz, 1H), 2.20 (s, 3H)。
【0338】
EtOH(25mL)中の化合物3.3(5.60g、25.91mmol、1当量)の溶液に、HCl(12M、58.28mL、26.99当量)を添加した。添加が完了した後、反応混合物を撹拌し、80℃で2時間還流させた。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、R
f=0.08)及びLC−MSにより、化合物3.3が全て消費され、主生成物が化合物3.4であることが示された(保持時間=0.719分、[M+H]
+=174.8)。反応混合物を減圧下で濃縮した。水(60mL)を添加し、30分間撹拌し、次いで濾過した。結果として得られたケークを水(50mL×3)で洗浄した。結果として得られた茶色の固体を減圧下で乾燥させて、化合物3.4(3.10g、17.81mmol、収率68.8%)を茶色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz DMSO−d
6): δ 7.89 (dd, J = 7.2, 11.4 Hz, 1H), 7.08 (br s, 2H), 6.62 (dd, J = 7.3, 13.8 Hz, 1H)。
【0339】
MeOH(30mL)中の化合物3.4(2.50g、14.36mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(600mg、純度10%)をN
2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H
2で数回パージした。混合物をH
2(15psi)下で、20℃で5時間撹拌した。LC−MSにより、化合物3.4が消費され、主生成物が化合物3.5であることが示された(保持時間=0.114分、[M+H]
+=144.7)。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、化合物3.5(1.82g、12.63mmol、収率88.0%)を黒色がかった茶色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 6.48 (t, J = 10.4 Hz, 2H), 4.45 (br s, 4H)。
【0340】
ジクロロメタン(150mL)中の化合物3.5(1.00g、6.94mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(1.32g、16.65mmol、1.34mL、2.4当量)及びDMAP(25.4mg、208.16μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の化合物3.6(3.08g、15.26mmol、1.33mL、2.2当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)及びLC−MSにより、化合物3.5(R
f=0.23)が消費されたことが示された。新たなスポットが観察された(R
f=0.62)。混合物を濾過し、残渣をジクロロメタン(10mL×3)で洗浄した。残渣を真空下で乾燥させて、2.30gの茶色の固体を得た。粗物質(200mg)をDMSO/MeOH(6mL、1/5比)の溶液中で30分間粉砕して、リンカー11(120mg、299.82μmol、収率57.9%、純度96.44%)を灰色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz DMSO−d
6): δ 10.37 (s, 2H), 7.95 (t, J = 9.8 Hz, 2H), 4.16 (s, 4H)。
【0341】
実施例4−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−3
【化129】
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【0342】
ジクロロメタン(150mL)中の化合物4.1(1.00g、5.65mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(1.07g、13.56mmol、1.09mL、2.4当量)及びDMAP(20.7mg、169.46μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の化合物4.2(2.51g、12.43mmol、1.08mL、2.2当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)により、化合物4.1(R
f=0.23)が消費されたことが示された。新たなスポットが観察できた(R
f=0.62)。混合物を濾過し、残渣をジクロロメタン(10mL×3)で洗浄した。残渣を真空下で乾燥させて、白色の固体を得た(2.30g)。粗物質(500mg)をジクロロメタン/MeOH(6mL、1/1比)の溶液中で30分間粉砕して、リンカー12(120mg、285.06μmol、収率23.9%、純度99.51%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 10.10 (s, 2H), 7.94 (s, 2H), 5.77 (s, 1H), 4.19 (s, 4H)。
【0343】
実施例5−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−4
【化130】
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【0344】
EtOH(150mL)中の化合物5.1(1.00g、5.05mmol、1当量)の溶液に、Pd/C(0.30g、純度10.0%)を一度に添加し、次いで、反応混合物をH
2雰囲気(15psi)下で、20℃で16時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン/MeOH=15/1)により、化合物5.1(R
f=0.70)が消費されたことが示された。新たなスポットが観察できた(R
f=0.41)。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、濾液を濃縮して、化合物5.2(800mg、粗)を黒色がかった茶色の固体として得た。
【0345】
ジクロロメタン(100mL)中の化合物5.2(800mg、4.76mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(903mg、11.42mmol、921.39μL、2.4当量)及びDMAP(17.4mg、142.69μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の化合物5.3(2.11g、10.46mmol、910.43μL、2.2当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。LC−MSにより、化合物5.2が消費され、生成物がリンカー13であることが示された(保持時間=0.796分、[M+H]
+=410.9)。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜約1/1)によって精製して、300mgの粗生成物を得た。次に、残渣を分取HPLCによって精製して、リンカー13(103mg、241.46μmol、収率5.08%、純度96.13%)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 9.65 (s, 2H), 7.83 (s, 2H), 4.19 (s, 4H), 3.77 (s, 7H)。
【0346】
実施例6−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−5
【化131】
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【0347】
ジクロロメタン(150mL)中の化合物6.1(1.00g、9.25mmol、1.00当量)の溶液に、ピリジン(1.76g、22.2mmol、1.79mL、2.40当量)及びDMAP(33.9mg、277μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、DCM(50.0mL)中の2−臭化ブロモアセチル(4.11g、20.3mmol、1.77mL、2.20当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。撹拌中に、白色の沈殿物が観察できた。LC−MSにより、化合物6.1が消費され、生成物が所望の質量を有することが示された。混合物を濾過し、残渣をDCM(10.0mL×3)で洗浄した。残渣を真空下で乾燥させて、リンカー14を灰白色の固体として得た(2.50g)。
【0348】
粗リンカー14(200mg)をジクロロメタン/酢酸エチル(2.00mL、1/1比)の溶液中で30分間粉砕した。混合物を濾過して、残渣を得た。残渣を真空下で乾燥させて、リンカー14を白色の固体として得た(110mg、314.28μmol、純度約100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6)
: δ 10.43 (br s, 2H), 7.94 (br s, 1H), 7.38 − 7.20 (m, 3H), 4.02 (s, 4H)。
【0349】
実施例7−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−6
【化132】
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【0350】
ジクロロメタン(150mL)中の化合物7.1(500mg、4.62mmol、1.00当量)の溶液に、ピリジン(878mg、11.10mmol、895μL、2.4当量)及びDMAP(17mg、138.71μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の2−臭化ブロモアセチル(2.05g、10.17mmol、885μL、2.20当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。撹拌中に、白色の沈殿物が観察できた。TLC(ジクロロメタン/メタノール=15/1)により、化合物7.1(R
f=0.43)が消費されたことが示された。新たなスポットが観察できた(R
f=0.73)。混合物を濾過し、残渣をジクロロメタン(10.0mL×3)で洗浄した。残渣を真空で乾燥させて、リンカー15a(1.07g)を灰白色の固体として得た。
【0351】
粗リンカー15a(500mg)をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100/1〜100/1、1.00L)によって精製して、灰白色の固体を得た(110mg、312.27μmol、収率21.8%、純度99.36%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):
δ 9.72 (s, 2H), 7.52 (dd, J = 3.8, 5.8 Hz, 2H), 7.21 (dd, J = 3.5, 6.0 Hz, 2H), 4.11 (s, 4H)。
【0352】
実施例8−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−7
【化133】
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【0353】
ジクロロメタン(50mL)中の化合物8.1(500mg、4.30mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(818mg、10.33mmol、833.84μL、2.4当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の化合物8.2(1.91g、9.47mmol、823.92μL、2.2当量)の溶液を混合物に0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1)により、化合物8.1が全て消費されたことが示された(R
f=0.35)。新たなスポットは何ら検出されなかった。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜約20/1)によって精製して、リンカー15b(120mg、326.00μmol、収率7.57%、GC純度97.2633%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz CDCl
3): δ 4.94 (br s, 2H), 3.84 (s, 4H), 1.96 − 1.83 (m, 4H), 1.82 − 1.70 (m, 4H)。
【0354】
実施例9−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−8
【化134】
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【0355】
ジクロロメタン(50mL)中の化合物9.1(500mg、4.30mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(818mg、10.33mmol、833.84μL、2.4当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(50mL)中の化合物9.2(1.91g、9.47mmol、823.92μL、2.2当量)の溶液を混合物に0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1)により、化合物9.1が消費されたことが示された(R
f=0.31)。新たなスポットは何ら検出されなかった。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=30/1〜約20/1)によって精製して、リンカー16(120mg、322.01μmol、収率7.48%、GC純度96.0736%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.91 − 4.77 (m, 2H), 3.81 (s, 4H), 2.32 − 2.25 (m, 1H), 2.02 − 1.86 (m, 3H), 1.67 − 1.57 (m, 1H), 1.46 − 1.33 (m, 3H)。
【0356】
実施例10−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−9
【化135】
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【0357】
ジクロロメタン(100mL)中の化合物10.1(500mg、4.90mmol、1当量)の溶液に、ピリジン(930mg、11.75mmol、948.36μL、2.4当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(20mL)中の化合物10.2(2.17g、10.77mmol、937.08μL、2.2当量)の溶液を混合物に0℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=0/1)及びLC−MSにより、化合物10.1が消費されたことが示され(R
f=0.35)、新たなスポットは何ら検出されなかった。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.5の残渣を得た。残渣(500mg)をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、石油エーテル/酢酸エチル=100/0〜約5/1)によって精製して、リンカー17(120mg、334.18μmol、収率22.9%、GC純度95.7976%)を薄黄色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 5.22 (br s, 2H), 3.82 (s, 4H), 2.36 − 2.24 (m, 1H), 2.09 − 1.93 (m, 5H)
【0358】
実施例11−ペプチドステープル化に有用な化合物の調製
スキームE−10
【化136】
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【0359】
MeOH(10.0mL)中の化合物11.1(1.00g、5.43mmol、1.00当量)の溶液に、K
2CO
3(2.00g、14.47mmol、2.67当量)を0℃で一度に添加した。添加が完了した後、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により、化合物11.1が消費されたことが示され(R
f=0.08)、新たなスポットが観察できた(R
f=0.63)。混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、化合物11.2(800mg、粗)を黄色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6): δ 5.65 (s, 2H), 4.25 (dd, J = 2.6, 6.9 Hz, 2H), 2.16 (td, J = 6.9, 13.5 Hz, 1H), 1.34 (br d, J = 13.6 Hz, 1H)。
【0360】
ジクロロメタン(80mL)中の化合物11.2(600mg、5.99mmol、1.00当量)の溶液に、ピリジン(1.14g、14.38mmol、1.16mL、2.40当量)及びDMAP(22.0mg、179.79μmol、0.03当量)を0℃で一度に添加した。その後、ジクロロメタン(12.0mL)中の2−臭化ブロモアセチル(2.66g、13.18mmol、1.15mL、2.20当量)の溶液を混合物におよそ0〜5℃で滴加した。添加が完了した後、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により、化合物11.2が消費されたことが示され(R
f=0.08)、新たなスポットが観察できた(R
f=0.63)。HCl(1N、40.0mL)を反応物中に0℃で少量に分けて添加した。混合物を分離させ、有機層をNaHCO
3(20.0mL×3、飽和)で洗浄した。混合物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、粗リンカー18(1.50g)を薄黄色の油として得た。
【0361】
粗リンカー18(200mg)をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100/0〜約10/1)によって精製して、リンカー18を薄黄色の油として得た(120mg、344.01μmol、収率23.4%、純度97.4727%)。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d): δ 6.23 − 6.15 (m, 2H), 5.67 − 5.58 (m, 2H), 3.85 (s, 4H), 2.93 (td, J = 7.5, 15.2 Hz, 1H), 1.85 (td, J = 3.6, 15.1 Hz, 1H)。
【0362】
実施例12−ある特定の化合物を用いたペプチドステープル化
本明細書に記載されるように、提供される薬剤、例えば、R
x−L
s2−R
xの化合物もしくはその塩または式R−Iの化合物もしくはその塩を利用して、特にシステインステープル化を介して、ステープル化ペプチドを調製することができる。一組の調製において、当業者に周知の固相ペプチド合成及び精製技法を用いて、ベータ−カテニンに対する(i、i+4)及び(i、i+7)ペプチド結合剤ならびに非結合剤を合成した。これらのペプチドは、Grossman et al.Proc Natl Acad Sci U.S.A.,2012,109(44),174942−17947に記載されるペプチドである、xStAx41の誘導体を含む。ルテニウムメタセシスによりステープル化されたこれらのペプチドの結合親和性を決定した。これらのペプチドの非天然アミノ酸をシステイン残基で置き換え、リンカー1〜9でステープル化した。
【0363】
ベータ−カテニンに対する(i、i+4)及び(i、i+7)ペプチド結合剤ならびに非結合剤をリンカー1〜9でステープル化した後、LC−MSを介してステープル化効率を評価した。ペプチドのステープル化効率を、ステープル化ペプチドと非ステープル化ペプチドとの間のA
280ピークの積分比を比較することによって決定した。この計算は、下記の等式により要約される。
【数1】
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【0364】
ステープル化効率の決定のために、10分間、30分間、1時間、及び2時間の4つの時点を選定する。1つの(i、i+4)及び1つの(i、i+7)の2種のペプチドを選定した。設定時点で反応を、1%(v/v)TFAの最終濃度を得るようにTFAを試料に添加することによって停止処理した。次いで、LC−MSを用いることによって読み取り値を取得した。Agilentソフトウェアはピーク積分を可能にする。次いで、特有のA
280ピークの面積をRスクリプトに挿入し、これにより、2種の別個のペプチドにおける全てのリンカーの、設定時点でのステープル化効率の比較を可能にするプロットを得た(
図8)。
【0365】
実証されるように、提供される化合物は、異なる位置、例えば、(i、i+4)、(i、i+7)等でのステープル化に利用することができる。一部の実施形態では、提供される化合物は、迅速なステープル化を提供する。一部の実施形態では、提供される化合物は、高パーセンテージのステープル化を提供する。一部の実施形態では、提供される化合物は、異なる位置、例えば、(i、i+4)、(i、i+7)等でのステープルについて類似のステープル化効率を提供する。一部の実施形態では、高いリンカー対ペプチド比を利用することができ、これは1つのペプチドに接続している2つのリンカーの副生成物を産出しなかった。一部の実施形態では、検出された唯一の実質的な副生成物は、ペプチドの他の側鎖での求核置換反応から生じた。一部の実施形態では、かかる副反応は、反応停止物質としてDTTを添加することによって回避され得る。一部の実施形態では、ステープル化反応はほぼ完了まで進行し、ステープル化後の精製は何ら行われなかった。
【0366】
実施例13−システインステープル化ペプチドは標的と相互作用する
本明細書で実証されるように、提供されるシステインステープル化ペプチドは、それらの標的と相互作用する。1つの手順において、リンカー1〜9でステープル化したベータ−カテニンに対する(i、i+4)及び(i、i+7)ペプチド結合剤ならびに非結合剤を、蛍光偏光(FP)アッセイを用いてベータ−カテニンへの結合に関して評価した。蛍光偏光法用の緩衝液は、50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%(v/v)グリセロール、0.5mMのTCEP、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)ナトリウムアジドからなっていた。凍結したペプチド溶液を500μL LoBind Eppendorfプレート上で段階希釈した。
【0367】
プレートの各ウェルに、既知の結合定数を有するペプチドを含むプローブ混合物を添加した。標的/プローブ混合物を、緩衝液、次いで標的、次いでプローブを添加することによって調製した。各ウェルの蛍光読み取り値をSpectramaxM5で取得した。Rスクリプトは、データを読み取り、関連性のあるFPデータを計算するように作成された。このRスクリプトは、各ウェルの生の蛍光読み取り値を使用し、全ての試料間の比較を可能にするためにそれらを正規化する。次いで、読み取り値をプロットし、以下の等式を用いて解釈する。
【数2】
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(
図9及び
図10)。この等式は、試験されたペプチドの結合親和性を解釈するために使用されたヒルの式を表現する。f
bは、標的に結合したペプチドの割合であり、cは、ペプチドの濃度であり、nは、ヒル係数であり、K
Dは、見かけの解離定数である。次いで、K
Dの値を用いて、別個のペプチドの結合親和性を比較する。結合親和性は、濃度単位で与えられ、結合した標的の割合0.5を得るために必要とされる基質濃度を表す。
【0368】
実施例14−ペプチド発現及びステープル化
とりわけ、本開示は、有用なアミノ酸配列及びステープル化ペプチドを特定し、設計するための技術を提供する。一例では、ファージディスプレイによるペプチドまたはペプチドライブラリを調製した(かかるライブラリを構築するのに有用な技術については、Sidhu et al.,Methods Enzymol.2000;328:333−363、またはChen and Heinis,Methods Mol Biol.,2015;1248:119−137を参照されたい)。単一クローンまたは縮重ライブラリのいずれかをコードするオリゴヌクレオチドを、標準的な分子生物学的技法を用いてfADL、pADL、またはM13KE等のファージまたはファージミドベクターの中に組み立て、エレクトロポレーションを用いてE.coli株ER2738またはTG1等の好適な宿主の中に導入して形質転換させた。E.coli培養物を37℃で振とうしながらLB培地中で5時間増殖させ、E.coli細胞を5000×gでペレット化し、ファージ粒子を、1/5体積の20%(w/v)ポリエチレングリコール8000、2.5MのNaClの添加によって上清から沈殿させ、続いて4℃で一晩インキュベートし、5000×gペレット化し、トリス緩衝食塩水(TBS)に再懸濁させることによって、ファージ粒子を増幅した。ファージ粒子は、沈殿ステップ、ペレット化ステップ、及び再懸濁ステップを繰り返すことによってさらに精製され得る。ファージ粒子溶液をOD600が1.0になるようにTBS中に希釈し、ジチオスレイトールを1mMの濃度まで添加し、続いて100体積の20mMのNH
4CO
3、2mMのEDTA(pH約8)に対して30〜60分間透析し、続いて透析したファージを、20mMのNH
4CO
3、2mMのEDTA(pH約8)(最終クロスリンカー濃度は200μMである)中で調製されたクロスリンカーの溶液に添加し、32℃で2時間インキュベートすることによって、ファージディスプレイによるペプチドまたはペプチドライブラリを共有結合性で架橋した(「ステープル化」)。過剰のクロスリンカーを、最初に5000×gでペレット化し、続いてジチオスレイトールを0.25mMの濃度まで添加すると共に10分間インキュベートし、次いで、ヨードアセトアミドを0.75mMの濃度まで添加すると共にさらに10分間インキュベートすることによって除去した。ファージ粒子を、E.coli培養物からの精製に関して上述した沈殿ステップ、ペレット化ステップ、及び再懸濁ステップを繰り返すことによってさらに精製した。
【0369】
図11は、ファージ上での2種の代表的なペプチドクローンの架橋についての質量分析法データを図示する。パネルAでは、リンカー9を用いて、ファージコートタンパク質pIIIに融合されたACILDCHIQRの配列を有するペプチドを架橋した。パネルBでは、リンカー7を用いて、コートタンパク質pIIIに融合されたACILDAHICRの配列を有するペプチドを架橋した。上記のファージ上架橋プロトコルに従って、ファージ粒子を2μgのトリプシン(ブタ膵臓由来)と混合し、37℃で1時間インキュベートし、次いで、0.1%のギ酸を含有する水中、4分間で5〜100%のアセトニトリルの勾配を用いて、UltiMate 3000 LCシステム及びPhenomenex Aeris C18カラムを装着したThermo Q−Exactive Plusで分析した。抽出されたイオン軌跡は、MW=1336.643(パネルA、観察質量は446.555の(M+3H)/3イオンである)及びMW=1301.601(パネルB、観察質量は434.874の(M+3H)/3イオンである)の予想された架橋及びトリプシン処理済み生成物を示す。
【0370】
実施例15−ステープル化ペプチドライブラリの調製ならびに有用な配列及びステープル化ペプチドの特定
本開示に従って、多くの技術を利用してペプチドライブラリを調製してもよい。1つの手順において、例えば、上述したような標準方法を用いて、ファージディスプレイによるペプチドまたはペプチドライブラリを調製した。一部の好ましい実施形態では、ライブラリは、2つのシステイン残基の間が3または6アミノ酸により離間された(i、i+4またはi、i+7間隔)、2つのシステイン残基を含有する。一部の実施形態では、ライブラリは、2つのシステイン残基の間が2、5、8、10、11、または12残基をおいて離間された、2つのシステイン残基を含有する。一部の実施形態では、ライブラリは、システインの複数の対を含有し、各対は、2つのシステイン残基の対の間が3または6アミノ酸をおいて離間されている。ある特定の代表的なライブラリ設計を下記に列挙する。
a)XXXXXCXXXXXXCXXXXX
b)XXXXXCXXAAXXCXXXXX
c)XXXXXCXXXCXXXXX
d)ADPAXXXCXXXXXXCXXX
e)ADPAXXXCXXAAXXCXXX
f)ADPAXXXCXXXCXXX
g)PXXXCXXXXXXCXXX
h)PXXXCXXAAXXCXXX
i)PXXXCXXXCXXX
【0371】
一部の実施形態では、「X」は、ライブラリ設計において複数のアミノ酸が可能な位置であり、例えば、それはランダム化された位置である。当業者には理解されようが、ランダム化された位置の組み込みは、ライブラリを生成するために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーにおいて縮重コドン、例えば、NNNまたはNNK(ここで、N=A、T、C、Gであり、K=T、Gである)をコードさせることによって行うことができる。代替として、ランダム化された位置は、三量体ホスホロアミダイト混合物、例えば、Glen Researchから入手可能なものの使用によって組み込むことができ、ここで、対応する規定のアミノ酸の混合物をコードする三量体コドンの規定の混合物が、ライブラリを生成するために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーに組み込まれる。例えば、ライブラリは、20個全ての天然に存在するアミノ酸の混合物を用いて、または代替として、20個全ての天然に存在するアミノ酸の部分集合(例えば、A、D、E、F、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y等)を用いることによって、構築され得る。一部の実施形態では、種々の利用可能な技術を用いて非天然アミノ酸がまた組み込まれてもよい。
【0372】
ライブラリは、所望の特性及び/または活性のために、例えば、一部の実施形態では、アルファ−ヘリックス状立体構造に有利となるように、配列内に固定の好ましいアミノ酸または好ましいアミノ酸の部分集合を含有してもよい。例えば、ペプチドの中央部の規定の位置でのアラニン残基(例えば、上記のライブラリ設計b)、e)、及びh))、N末端でのプロリン(例えば、上記のライブラリ設計g)、h)、i))、またはN末端でのアスパラギン酸とそれに続くプロリン(例えば、上記のリストにおけるライブラリ設計d)、e)、f))の組み込み。いくつかの技術を用いて、これらのライブラリをコードするオリゴヌクレオチドをファージまたはファージミドベクターの中に組み立て、増幅及び精製することができる。ファージライブラリのサイズは、10
5個の固有の成員〜10
10個またはさらにそれよりも多くの固有の成員の範囲であり得る。典型的には、サイズは、10
8個の固有の成員である。ライブラリの多様性は、例えば、標準方法を用いてファージでの形質転換を滴定することによって決定することができる。クロスリンカーを用いてライブラリを修飾して、ペプチドステープルを形成させることができる。
【0373】
以下の表は、上記に列挙したライブラリ設計のうちの2つから得られたある特定の代表的なクローンを示した。これらのクローンを、形質転換後にライブラリの部分集合をプレートし、上述したようにファージを増幅及び単離し、プライマー5’−CCCTCATAGTTAGCGTAACG−3’を用いてファージから直接配列決定することによって、配列決定した。ライブラリ設計f)の多様性は、6.2×10
8個の固有の形質転換体であり、ライブラリ設計e)の多様性は、6.5×10
8個の固有の形質転換体であった。
【表6】
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【0374】
実施例16−追加のペプチドライブラリ及びその使用
他の代表的なライブラリ設計には、「PYY」ベースの足場、
j)AGPAKPEAPGEDASPXELXXYYXXLXXYLXXVA、
に基づくライブラリが含まれるがこれらに限定されず、ここで、「X」は、上述したように、ライブラリ設計において複数のアミノ酸が可能な位置であり、例えば、それはランダム化された位置である。以下の表は、上記に列挙したライブラリから得られた代表的なクローンを示す。これらのクローンを実施例15に記載されるように配列決定した。ライブラリj)の多様性は、2.6×10
8個の固有の形質転換体であった。
【表7】
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【0375】
実施例17−ライブラリスクリーニングのための代表的な技術
種々の技術を利用して、提供されるライブラリをスクリーニングすることができる。一例では、本開示に従って、既知の方法(例えば、Sidhu et al.,Methods Enzymol.2000;328:333−363、Chen and Heinis,Methods Mol Biol.,2015;1248:119−137等)を用いて、生体分子標的に照らし合わせたファージライブラリのスクリーニングが行われる。代表的なプロトコルは以下の通りである。100倍の過剰出現(over−representation)を含むファージライブラリを、1倍TBS、1mMのMgCl
2、1%(w/v)BSA、0.1%(v/v)Tween−20、0.02%(w/v)ナトリウムアジド、5%(w/v)脱脂乳を含有する緩衝液に添加し、次いで、標的タンパク質を担持していない磁気ビーズ(例えば、Thermo Fisher Dynabeads His−Tag Isolation and PulldownまたはDynabeads MyOne Streptavidin T1)と混合する。1時間のインキュベーション後、ビーズをファージから分離して、ビーズに非特異的に結合するファージライブラリ成員を除去する。次いで、目的とする標的生体分子を、標準的な親和性捕捉法(例えば、ニッケルもしくはコバルト親和性(IMAC)ビーズとのヘキサヒスチジンタグ付きタンパク質、ストレプトアビジンビーズとのビオチンタグ付きタンパク質、または抗FLAG抗体ビーズとのFLAGタグ付きタンパク質)を用いて、同じ種類の磁気ビーズに結合させる。次いで、結果として得られたビーズをファージライブラリと混合し、室温で1時間インキュベートし、続いて繰り返し洗浄して、未結合のファージを除去する。標的生体分子及び結合したファージを含有する、結果として得られたビーズを、25mMのトリス(pH8)、50mMのNaCl、0.5%(v/v)Tween−20を含有する緩衝液中で95℃に加熱して、ファージDNAを解離させる。次いで、結果として得られたDNAを配列決定する(詳細については後続の実施例を参照されたい)。
【0376】
結合の特異性、効力、または機構の評価と並行して、例えば、他の生体分子標的をビーズ上に固定化してスクリーニングを行うことによって、標的を担持していないビーズをスクリーニングすることによって、または当該タンパク質に対する既知の結合剤の存在もしくは不在下で所与の標的を固定化したビーズをスクリーニングすることによって、複数のスクリーニングを行ってもよい。下記に記載される「スパイクイン」法を用いて評価されるような結合強度の差異を用いて、ペプチド/ペプチドクラスター結合の特異性が決定されるか、または標的タンパク質上のペプチド結合部位が予測される。
【0377】
実施例18−追加のスクリーニング技術
細胞または組織標的に照らし合わせた、提供されるライブラリ、例えば、ファージペプチドライブラリのスクリーニングは、種々の方法(例えば、Pasqualini and Ruoslahti,Nature(1996)、Ivanenkov et al,Biochimica et Biophysica Acta 1448(1999)、Rangel et al,nature protocols Vol.8 No.10(2013)等に記載される方法)を用いて行われてもよい。一部の実施形態では、結合の特異性または効力の評価と並行して、例えば、目的とする組織に加えて他の組織型を単離することによって、または代替の細胞株もしくは空の組織培養ウェルをスクリーニングすることによって、対照スクリーニングが行われてもよい。
【0378】
実施例19−スクリーニングにおけるハイスループットシーケンシング及びデータ処理
一部の実施形態では、本明細書に記載されるように、ペプチドは、スクリーニング中に該ペプチドを特定するために利用され得る識別子に結びつけられる。一部の実施形態では、識別子は、核酸、例えば、ペプチドまたは該ペプチドを特定するのに十分なその一部分をコードする配列を含む核酸である。例えば、一部の実施形態では、ライブラリは、ファージディスプレイによるペプチドライブラリであり、ペプチドは、該ペプチドをコードすることができる核酸配列により特定され得る。一部の実施形態では、スクリーニングからもたらされたファージDNAを、次世代シーケンシング法を用いて配列決定し、ペプチド配列に翻訳して、典型的に固定化された目的とする標的(例えば、生体分子、細胞、組織等)に結合したファージライブラリ成員の相対存在量を決定した。標的に対するスクリーニングにおける配列計数を、ブランクビーズ、他の標的を含有するビーズ、または代替の細胞もしくは組織型等の対照に対するスクリーニングにおける配列計数と比較することによって、目的とする標的に選択的であった配列を特定した。この方法を用いて特定された配列をさらに分析して、関連する配列の群(「ファミリー」または「クラスター」)を特定する。
【0379】
候補配列の特定前に、全ての配列計数を任意選択で、1つまたは複数の内部標準に基づいて正規化する(例えば、上述したようなファージDNAの解離後であるが、PCR及びシーケンシングの前に、既知の量の特異的「スパイクイン」配列を各スクリーニングまたはシーケンシング試料に添加することによって)。正規化は、内部標準配列についての計数が、試料にスパイクインされた内部標準ファージ粒子の数と一致するように、スクリーニング試料中の各配列につき計数を線形スケーリングすることを伴う。とりわけ、これにより、ある配列についての計数がその配列についての読み取り数ではなく、その配列での溶出ファージの絶対計数となるように調整することができる。
【0380】
配列は、複数の対照スクリーニング条件(例えば、緩衝液条件、異なる標的生体分子、細胞、及び組織、異なる試薬濃度等)にわたる濃縮倍率プロファイルまたは総計数と比較した、目的とする標的でのスクリーニングにおけるそれらの濃縮倍率に基づいて、順位序列化してもよい。幅広い標的濃度をスクリーニングした場合、有効IC50を各配列につき計算し、順位付けに使用することができる。上位の配列が候補薬物として考慮され得る。
【0381】
例として、
図12は、「スパイクイン」法と、クラスター結合シグナルに対する競合剤添加の効果を決定するためのベータ−カテニンの「アキシン/TCF結合部位」に対する既知の競合剤の添加との組み合わせを用いた、ベータ−カテニンに照らし合わせたスクリーニングで特定された配列のクラスターについての解析を示す。
【0382】
上位の配列をさらにクラスター化して、配列ファミリーを特定することができる。各候補配列間のペアワイズ距離は、下記を含めた様々な配列距離の測定基準のうちのいずれか1つを用いて計算することができ、
【数3】
[この文献は図面を表示できません]
ここで、スコア
ijは、配列i及びj間のアライメントスコアである。アライメントスコアは、標準的な配列類似度スコア行列(例えば、BLOSUM及びPAM行列等)を用いて計算することができる。ペアワイズ配列距離の行列が求められると、配列を、階層クラスタリング、k平均法によるクラスタリング、または任意の他のクラスタリング法を用いてクラスター化することができる。次いで、結果として得られるクラスターによって、基礎をなす配列モチーフを表す配列ファミリーを特定することができる。類似の配列のクラスターに該当しない配列は、スクリーニングからの偽陽性を表す場合があるが、一方で、多くの類似の配列を有するクラスターに該当する配列は、そのクラスターの基礎をなす共有の配列モチーフによって支持され、故に、さらなる試験における目的とする標的の結合剤として妥当である可能性が高い。
【0383】
クラスターまたはファミリーにおける個々の配列または配列の群もまた、目的とする標的に対するそれらの特異性に関して調査することができる。これらの配列は、同じシーケンシング実行内での、またはあるスクリーニング実行から得られ、別個に配列決定されたかのいずれかでの、同じライブラリを用いて、他の標的に照らし合わせたスクリーニングにおいて検査することができる。対照スクリーニングと他の標的に照らし合わせたスクリーニングとの間で計数の増加を示す配列または配列ファミリーは、非特異的結合を示す場合があり、可能性として、有意差を何ら示さない配列と比べて優先度が下げられ得る。所与の特異性条件を満たさない配列がさらなる解析から排除され得るように、配列及び配列ファミリーをそれらの特異性に関して、クラスタリング前を含めて、ヒット優先順位付けプロセスにおける任意の段階で検査することができる。さらに、一組の相同タンパク質にわたって所与の特異性プロファイルが所望とされる場合、この特異性プロファイルを用いて、クラスタリング前または後に配列及びファミリーを優先順位付けすることができる。
【0384】
一実施形態では、配列計数は、既知の量の「スパイクイン」ファージに基づいて正規化され、配列が、標的生体分子の存在下での対照試料と比較したそれらの計数の増加倍率により順位付けされる。一部の実施形態では、上位3000に順位付けされた配列間のペアワイズ距離が、上記の距離の測定基準及びPAM70配列アライメントスコア行列を用いて比較される。階層クラスタリングを用いて、配列がクラスター化され、系統樹における全ての内部ノード高さの組から50個の距離閾値が均一に選択される。クラスターは、各距離閾値を用いて定義される。同時に、3000個の配列がランダムに選択され、同じ階層クラスタリングに供される。これを1000回繰り返して、一組の帰無仮説系統樹を生成する。閾値(クラスターの数)及びその閾値での各クラスター(クラスターサイズ)の両方についての経験的p値を計算するために、上位の配列についての各閾値でのクラスターの数及びサイズが、1000個全ての帰無仮説系統樹における同じ閾値でのクラスターの数及びサイズの分布と比較される。0.05以下のp値を有するクラスターのみが考慮される。基礎をなす配列モチーフを可視化し、候補ペプチドの選択を容易にするために、各クラスターについて配列ロゴを構築することができる。追加として、対照スクリーニング試料と他の標的に対するスクリーニング試料との間の有意差に注目することによって、各クラスターの標的特異性が手動で検査され、特異性の欠如を示すファミリーがさらなる考慮から除かれる。次いで、このプロセスを次の3000に順位付けされた配列について繰り返し、その後も同様である(有意性基準を満たすクラスターがなくなるまで)。
【0385】
実施例20−追跡調査的(Follow−up)ライブラリ
一部の実施形態では、スクリーニング結果、例えば、前述のスクリーニングから得られたシーケンシング情報を用いて、「集中的ライブラリ(focused libraries)」または「最適化ライブラリ」を調製することができる。これは、上述した同じライブラリ構築手法を用いて行うことができるが、但し、「ランダム化」されている位置において、各位置で許容されるアミノ酸は、同じ配列ファミリーまたはクラスターにおける配列に基づいて制限される。
【0386】
例えば、実施例6で特定された配列の各ファミリーの場合、各位置で許容されるアミノ酸は、その頻度が閾値、例えば、10%を上回るものとして定義される。この基準を満たすアミノ酸がない場合、全てのアミノ酸(または全てのアミノ酸の既定の部分集合)が許容されると想定され得る。一部の実施形態では、各位置につき、全ての許容されるアミノ酸を網羅する最も制限的な縮重コドンが選択される。合わせて、各位置における縮重コドンの組が、最適化ライブラリを定義する。次いで、ライブラリサイズを、各位置で選択されたコドンによってコードされる配列空間(sequence space)のサイズに基づいて計算する。次いで、閾値を変化させて、サイズが何らかの既定の基準、例えば、10
6成員未満の最大のライブラリを満たす、ライブラリをもたらすことができる。これらのライブラリは、ライブラリの配列空間内にあるほぼ全ての配列がスクリーニングにおいてその検出を可能にするのに十分な数で存在するように、作製され、スクリーニングされ得る。
【0387】
集中的ライブラリは、上述したようにスクリーニングし、配列決定し、分析することができる。一部の実施形態では、本開示は、候補配列の各ファミリーの周りの配列空間のほぼ完全なサンプリングを提供し、集中的ライブラリは、許容されるアミノ酸及び許容されないアミノ酸を含めた、各位置でのアミノ酸の選好についての詳細な情報を提供することができ、対照試料を上回る選択性に対する異なるアミノ酸の定量的効果が提供され得る。
【0388】
実施例21−標的に結合する特定されたペプチド
一部の実施形態では、提供される技術は、当該アミノ酸配列が標的に結合する既知の天然アミノ配列とは非常に異なる、ペプチドを提供する。一部の実施形態では、提供される技術は、既知の結合剤が何ら存在しない標的に対するペプチドを提供することができる。一例では、システインステープル化ペプチドの集団をベータ−カテニンに照らし合わせてスクリーニングした。10個のランダムな部位(ADPAXXXCXXAAXXCXXX)を有するライブラリをリンカー7でステープル化し、ある特定の配列の濃縮度を達成した(
図12、13、及び14)。これらの配列から、化合物1及び2を各々、Biacoreシステムを用いて、ベータ−カテニンへのそれらの結合に関して評価した(
図15)。およそ6nmolの乾燥ペプチドを緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、300mMのNaCl、2%(v/v)グリセロール、0.5mMのTCEP、0.5mMのEDTA、0.005%(v/v)Tween−20、1mg/mLのCMデキストラン、0.02%(w/v)ナトリウムアジド)中に希釈し、280nmの吸光度により定量。各ペプチドを、Biacore Biotin CAPture Kit(GE Healthcare)及びビオチン化ベータ−カテニンを用いてBiacore X100においてアッセイし、結果を、Biacore X100評価ソフトウェアを用いて分析した(
図15)。
【0389】
実施例22−標的タンパク質に結合する種々のステープル化ペプチド
本明細書に記載の技術を用いて、いくつかのペプチドを調製し、評価した。ある特定の有用な技術が例として下記に記載される。
【0390】
ペプチド合成及び精製:ペプチドを、Fmoc戦略を用いてProTide樹脂(0.65mmol/g)上の固相アセンブリによって合成した。全てのカップリングは、4倍過剰のアミノ酸ならびにHATU及びDIPEA等のカップリング試薬により行った。ペプチドを、水(2.5%(v/v))、トリイソプロピルシラン(2.5%(v/v))、及びトリフルオロ酢酸(95%(v/v))からなる切断カクテルで1.5時間処理することによって樹脂から外した。ペプチドを氷冷エーテルの添加によって沈殿させた。
【0391】
架橋(ステープル化):凍結乾燥した粗ペプチド溶液(約3〜5mg/mL)を50%アセトニトリル/水に溶解させた。溶液をジイソプロピルエチルアミン(約3当量)で処理し、5分間振とうした。DMF(1.1当量)中のアルキル化剤(例えば、リンカー7)を溶液に添加し、37℃で30分間撹拌した。反応物を2当量の1MのDTTの添加によって反応停止処理して、残りのリンカーを反応停止処理した。粗混合物を、C18カラム、及び溶媒A:H
2O、HCO
2H(0.1%(v/v))、溶媒B:CH3CN、HCO
2H(0.1%(v/v))の勾配を用いて、逆相HPLCによって精製した。ペプチド特性解析のために種々の技術が利用可能である。一部の実施形態では、ペプチドを分析HPLC及び質量分析法によって特性解析した。
【0392】
ペプチド評価:ベータ−カテニンへの結合を評価するための1つのアッセイにおいて、ペプチド溶液を、5μMからの3倍段階希釈を用いて緩衝液(50mMのトリス(pH8.0)、250mMのNaCl、2%グリセロール、0.5mMのEDTA、0.02%(w/v)ナトリウムアジド)中で調製した。プローブ溶液(緩衝液中15nMの完全長β−カテニン、20nMのFITC標識アキシンペプチド(Proc Natl Acad Sci U S A.2012 Oct 30;109(44):17942−7に報告されるような、[FAM−PEG1−RRWPR(S5)ILD(S5)HVRRVWR](ここで、2つのS5残基はステープル化されている))を調製し、5分間インキュベートし、次いで、1ウェル当たり40μLで黒色のポリスチレン384ウェルプレート(Corning)にプレートした。等体積の用量設定したペプチドをプレートに加え、読み取りの前に光から保護しながら15分間インキュベートした。読み取りは、Spectramax M5(Molecular Devices)において二連で行った。
【0393】
LogDの測定:LogD値を、UV検出器(254、220nm)を備えたAgilent 1260 HPLCにおいて、Gemini NX C−18 50×3mmカラム(Phenomenex)を用いて、1mL/分の流量及び3〜5uLの注入体積により25℃で、6分間で0〜100%のA)50mMの酢酸アンモニウム(pH7.4)及びB)アセトニトリルの移動相の勾配で測定した。検量用混合物C−18をBio−mimetic Chromatography Ltdから購入し、これを用いて検量を実行し、CHI値を計算し、次いで、等式:CHI log D=0.0525×CHI−1.467を用いて、CHI logDを計算した。
【0394】
LogKの測定:LogK値を、UV検出器(254、280nm)を備えたAgilent 1260 HPLCにおいて、IAM.PC.DD2 100×4.6mmカラム(Regis Technologies 1−774011−300)を用いて、50mMの酢酸アンモニウム(pH7.4)の移動相A、及びアセトニトリルの移動相Bにより、6.5分間でBを0〜90%とする勾配で測定した。温度は30℃であり、流量1.5mL/分、注入体積3〜5uLであった。検量用混合物IAMをBio−mimetic Chromatography Ltdから購入し、これを用いて検量を実行し、CHI IAM値を計算し、次いで、等式:log k IAM=0.046×CHI IAM+0.42を用いて、logk IAMを計算した。
【0395】
ある特定の測定からのデータを下記及び
図17に提示する。本明細書で実証されるように、ある特定のペプチド、例えば、種々のリンカーからのシステインステープルを含むペプチドは、ベータ−カテニンに効果的に結合し得る(例えば、50、100、150、200、500、1000、2000、3000、5000、または10000nM以下のEC50で)。
【表8-1】
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【表8-2】
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【表8-3】
[この文献は図面を表示できません]
*15〜30(ステープル化されていない)の親配列はPYYである。
**リンカー薬剤は2つのシステイン残基を連結する(−S−が−Br等の脱離基を置き換えている)。