特表2021-535195(P2021-535195A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-535195性機能障害を治療し性的反応と快感を増強するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-535195(P2021-535195A)
(43)【公表日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】性機能障害を治療し性的反応と快感を増強するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/352 20060101AFI20211119BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20211119BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 31/198 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/16 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/258 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/896 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/8962 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/48 20060101ALI20211119BHJP
   A61K 36/74 20060101ALI20211119BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20211119BHJP
   A23G 1/48 20060101ALI20211119BHJP
   A23G 3/48 20060101ALI20211119BHJP
   A23G 4/06 20060101ALI20211119BHJP
   A21D 2/36 20060101ALI20211119BHJP
   A21D 13/80 20170101ALI20211119BHJP
   A23L 33/105 20160101ALN20211119BHJP
【FI】
   A61K31/352
   A61P15/00
   A61P43/00 121
   A61K31/519
   A61K31/4985
   A61K31/53
   A61K31/05
   A61P15/10
   A61K31/198
   A61K36/16
   A61K36/258
   A61K36/185
   A61K36/896
   A61K36/8962
   A61K36/48
   A61K36/74
   A23L33/10
   A23G1/48
   A23G3/48
   A23G4/06
   A21D2/36
   A21D13/80
   A23L33/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2021-531446(P2021-531446)
(86)(22)【出願日】2018年11月7日
(85)【翻訳文提出日】2021年4月2日
(86)【国際出願番号】US2018059712
(87)【国際公開番号】WO2020032988
(87)【国際公開日】20200213
(31)【優先権主張番号】16/056,726
(32)【優先日】2018年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/170,446
(32)【優先日】2018年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521056180
【氏名又は名称】アイエルワイエルティー・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】ILYLT, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,デニス
【テーマコード(参考)】
4B014
4B018
4B032
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B014GB01
4B014GB06
4B014GB07
4B014GB13
4B014GK06
4B014GK12
4B014GL09
4B018LB01
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE05
4B018LE06
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4B018MD25
4B018MD55
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4B018MD64
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4B018MF01
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4C088AC13
4C088MA02
4C088MA35
4C088MA37
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4C206AA01
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4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA81
4C206ZC75
(57)【要約】
医薬製剤は、性的反応を増強する少なくとも1つの成分と、性的感度および快感を増強する少なくとも1つの他の化合物とを含む。前記性的応答を増強する成分は、性器領域への血流を増強する。例えば、血液中の一酸化窒素(NO)の量を増加させる化合物などの、血管を拡張する化合物が挙げられる。性的感度および快感を増強する成分としては、植物属カンナビス由来の1つ以上のカンナビノイド化合物(抽出化合物、合成形態、およびその誘導体を含む)が挙げられる。例としては、カンナビスの主な精神活性成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)と、より低いまたは非精神活性であり、THC活性を調節するカンナビジオール(CBD)とが挙げられる。THC/CBDの比率は、年齢、性別、身体的健康状態、および/またはユーザーの心理状態に応じて選択され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける性機能障害を治療するための医薬組成物であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含むカンナビノイド成分、および、
治療有効量の、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィルからなる群から選択される性的反応増強成分を、送達するように構成される1つまたは複数の剤形を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記カンナビノイド成分が、カンナビノール(CBN)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビゲロール(CBG)、ドロナビノール、ナビロン、THCの誘導体、またはCBDの誘導体のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記カンナビノイド成分の少なくとも一部が、カンナビス・サティバ、カンナビス・インディカ、およびそれらのハイブリッドから選択される1つまたは複数の植物の植物部分から得られる、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記1つまたは複数の剤形が、7.5mg〜450mg、もしくは10mg〜400mg、もしくは15mg〜350mg、もしくは20mg〜300mg、もしくは25mg〜250mgのTHC、または35mg〜200mgのTHCを送達するように構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記1つまたは複数の剤形が、7.5mg〜450mg、もしくは10mg〜400mg、もしくは15mg〜350mg、もしくは20mg〜300mg、もしくは25mg〜250mgのTHC、または35mg〜200mgのCBDを送達するように構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記1つまたは複数の剤形が、錠剤またはカプセル剤を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記1つまたは複数の剤形が、坐剤を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記性的反応増強成分が、バルデナフィルである、請求項1から7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記性的反応増強成分が、シルデナフィルである、請求項1から7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記性的反応増強成分が、タダラフィルである、請求項1から7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための摂取可能な剤形であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、摂取可能なカンナビノイド成分、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L-アルギニン、L-シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン(Korean red ginsing))、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス(Chenopodium ambrosioides)、クロロフィツム・ボリビリアナム(Chlorophytum borivilianum)、デスモディウム・ガンゲチクム(Desmodium gangeticum)、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤またはカプセル剤を含む、摂取可能な剤形。
【請求項12】
前記摂取可能なカンナビノイド成分が、錠剤またはカプセル剤である、請求項11に記載の摂取可能な剤形。
【請求項13】
前記摂取可能なカンナビノイド成分が、経口ドロップ、トローチ、ロリポップ、例えばブラウニー、クッキーまたはチョコレートなどの食品調製物、チューズ、ガムドロップ、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、および液体ショットからなる群から選択される、請求項11に記載の摂取可能な剤形。
【請求項14】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための組成物であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜約500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、局所カンナビノイド剤形、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤またはカプセル剤を含む、組成物。
【請求項15】
前記局所カンナビノイド剤形が、マッサージオイル、ローション、ゲル、クリーム、潤滑剤、性器スプレー、膣パッチ、膣坐剤、および肛門坐剤からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための組成物であって、
1用量5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または1用量5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを提供するように構成される、気化可能なおよび吸入可能なカンナビノイド剤形、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤、カプセル剤、または、局所剤形、を含む、組成物。
【請求項17】
前記気化可能なおよび吸入可能なカンナビノイド剤形が、熱気化器を使用する気化および吸入用に製剤化される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記気化可能なおよび吸入可能なカンナビノイド剤形が、ネブライザーを使用する気化および吸入用に製剤化される、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
ヒトにおける、性機能障害を治療するならびに/または性的反応および感度を増強する方法であって、
テトラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含むカンナビノイドを、摂取により、吸入により、または局所的に、投与するステップ、および、
シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィル、ハーブサプリメント、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の性的反応成分を、摂取により投与するステップ、を含む、方法。
【請求項20】
前記カンナビノイドが、5〜500mg、または7.5〜450mg、または10〜400mg、または15〜350mg、または20〜300mg、または25〜250mgのTHCを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記カンナビノイドが、5〜500mg、または7.5〜450mg、または10〜400mg、または15〜350mg、または20〜300mg、または25〜250mgのCBDを含む、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記カンナビノイドが、THC、CBD、および、カンナビノール(CBN)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビゲロール(CBG)、ドロナビノール、ナビロン、THCの誘導体、または、CBDの誘導体のうちの少なくとも1つ、を含む、請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記カンナビノイドが、注入食用品として投与される、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記カンナビノイドが、経口ドロップまたは液体ショットとして投与される、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記カンナビノイドが、熱気化されたカンナビス抽出物の吸入により投与される、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記カンナビノイドが、カプセル剤または錠剤として投与される、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記カンナビノイドが、オイル、ローション、ゲル、クリーム、潤滑剤、性器スプレー、膣パッチ、膣坐剤、または肛門坐剤として局所的に投与される、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記性的反応成分が、カプセル剤または錠剤として投与される、請求項19から27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記性的反応成分が、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィルからなる群から選択される、請求項19から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記性的反応成分が、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、ダミアナ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハーブサプリメントである、請求項19から28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
ヒトにおける、性機能障害を治療するならびに/または性的反応および感度を増強する方法であって、
カンナビノイドを、錠剤またはカプセル剤を介して投与するステップであって、前記カンナビス抽出物が、テトラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、ステップ、および、
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、L−アルギニン、ハーブサプリメント、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の性的反応成分を、錠剤またはカプセル剤を介して投与するステップ、を含む、方法。
【請求項32】
前記性的反応成分が、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィルからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ヒトにおける、性機能障害を治療するならびに/または性的反応および感度を増強する方法であって、
カンナビノイドを、錠剤、カプセル剤、注入食用品、または液体ショットの摂取により投与するステップであって、前記カンナビス抽出物が、テトラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、ステップ、および、
シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィルからなる群から選択される有効量の薬剤を、摂取することにより投与するステップ、を含む、方法。
【請求項34】
前記薬剤が、シルデナフィルを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記薬剤が、タダラフィルを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記薬剤が、バルデナフィルを含む、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に男性、女性、障害者、および高齢者における性的増強のための医薬製剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
大人の関係の健康的な部分を形成する親密な性的関係を持つ能力または欲求に影響を与え得る、様々な健康上の問題が存在する。これらの問題には、男性および女性における性機能障害、ならびに、感度と快感の喪失が含まれる。性行為を実行する能力の欠如および/または性的関係を持つ欲求の欠如は、関係に悪影響を及ぼし得、離婚、別離、または、長期の倦怠につながる可能性がある。それにより自尊心の喪失や精神疾患にさえつながる可能性がある。
【0003】
男性は女性に比べて、身体的にも精神的にも性交をしたいというスレッショルド(threshold)欲求を持っている可能性が高いため、パートナーとの性交を先導しやすい傾向にある。しかし、男性が極度のストレス、心配、または不安を感じている場合、その男性の性行為能力は身体的にも阻害される可能性がある(一時的な勃起不全)。年配の男性や病気の男性は、慢性的な勃起不全(「ED」)に苦しむ可能性があり、これにより性行為実行能力に関して完全に不能になり得る。特に男性が年をとるにつれて、および/または慢性疾患に苦しんでいる場合、その男性はスレッショルド欲求の欠如、感度の喪失、快感の喪失(総称して「性的興奮(arousal)障害」)および/または絶頂を迎えることの困難(「オルガスム障害」)を経験する可能性がある。その対極にある早漏は、性行為をする双方の持続時間と満足度を著しく減少させる可能性がある。
【0004】
女性の場合、性機能障害はより複雑で定義付けが難しいが、スレッショルド欲求の欠如、感度の喪失、快感の喪失(総称して「性的興奮障害」)および/または絶頂を迎えることの不能(「オルガスム障害」)を伴うことがある。感情的および精神的な性機能障害は、女性の間でより一般的である可能性がある。多くの研究によると、女性は一般的にボディイメージに不安を抱えており、ストレスや生活の心配を寝室に持ち込んでいる。これらの不安やストレスは、気分要因(感情的および精神的状態)に大きく影響し、陰核や陰唇への血流の減少などの生理的興奮を阻害し、しばしばオルガスムを達成できなくなる。
【0005】
男性と比較して、女性はより複雑な感情を持っており、それがスレッショルド欲求の障壁となる可能性がある。女性は男性よりも不安、ストレス、心配に性的に敏感である。「性交は、男性よりも女性にとってはるかに感情的である」と記述する書籍やコメンテーターがいる。また、男性はしばしば、性交をストレスや緊張を解放し軽減する方法と見なす。対照的に、女性、特に家の外で働き、子供を育てる女性はしばしば、性交をストレスや心配の増大と同一視する。仮定のストレスの例には、「気分が乗らない」、「私は仕事、子供、遊ぶ約束、家庭の切り盛り、汚れた皿でストレスや疲れを感じている。」、「本当に?これ今やるの?」などがある。したがって、性交はすでにストレスの多いチェックリストのもう1つの項目になる可能性がある。仮定の不安の例には、「少し太った気がする」、「お尻の形が悪い」、「太ってホルモンに影響されている気がする」、「どうやって比べたらいいの?」、「パートナーのために役割を果たし、十分に興味を持って行為を行い、興味をもてるだろうか?」などがある。
【0006】
EDの生理的状態を改善し、男性の性行為を可能にする薬(Viagra(登録商標)、Cialis(登録商標)、Levitra(登録商標)など)はあるが、一般的には、それらにより、失われた感度、快感の低下、または絶頂を迎える困難さが回復することはない。このような薬は、スレッショルド欲求の欠如、感度の喪失、快感の喪失、絶頂を迎えるられないなどの問題に十分に対応していないため(つまり、女性に影響を与える強力な精神的力には、それらは事実上何も対処していないため)、女性には一般的に効果がない。
【0007】
実際、現在市販されている女性用の生理的増強剤が効かない主な理由は、気分要因に対処できていないからである。精液の蓄積を感じ、それを性的緊張と同一視し、性的解放を見つける必要がある男性とは異なり、女性が性交を欲するきっかけは、通常、肉体的ではなく精神的であり、気分や自己イメージと強く相関している。女性の感情的、精神的な状態は、実際には男性よりもかなり多くの生理的反応、性的興奮およびパフォーマンスを決定づける可能性がある。そして、男性は性交中に悪名高いフィニッシャーであるが、女性はそれほどその傾向がない(50%は性交中にオルガスムを達成しないと報告されている)。これは一般的に物理的な刺激が不足しているのではなく、むしろ感情的な障壁や抑制が原因である。女性の生理的反応を増強するだけでは、絶頂に達し得ないことに十分に対処することはできない。
【0008】
前述の問題の多くは、性的機能不全および/または欲求と快楽の欠如を引き起こす身体的病気および/または加齢に伴う状態に苦しむ男性および女性において、特に深刻である。繰り返しになるが、パフォーマンスは必ずしも性的関係の正常な快楽と一致するとは限らないことを強調する必要がある。パフォーマンスの欠如にのみ対処し、欲求、感度、および快感の低下に対処できない薬物では、完全に解決できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の問題の一部またはすべてに対処することを目的としたハーブサプリメントがあるが、欲求、感度、および快楽を増強しながら、パフォーマンスの低下に効果的かつ確実に対処する組成物を見つける必要性は長く感じられているが、満たされないままである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、性行為の様々な側面を強化し、男性および女性における性的機能不全を治療するための医薬製剤、ならびに関連する製造方法および使用方法に関する。これらの結果を達成するために、前記医薬製剤は、(1)性的快感(例えば、スレッショルド欲求、感度および/または快楽)を増強するのに有効な量および/または比率で含まれる、植物属カンナビス(大麻:Cannabis)に由来する1つ以上のカンナビノイド化合物と、(2)性的反応(例えば、実行能力および/または性的興奮までの時間)を増強するために生殖器領域への血流を強化する1つ以上の化合物との組み合わせと、を含む。この組み合わせにより、男性と女性による親密な性行為を実行し楽しむ能力が向上し、これにより男性および女性の両方での性的興奮障害、オルガスム障害、および勃起不全のうちの1つまたは複数が治療される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの実施形態によれば、前記医薬製剤は、増強された性的反応および性的快楽の期間が互いに一致または補完するように(すなわち、両方が少なくともいくつかの期間で同時に存在するように)送達され得る。送達の方法には、経口送達、局所送達、注射、吸入、またはそれらの組み合わせが含まれる。有利には、前記医薬製剤の成分(複数)は、単純化および適切な投与量のために、単一の送達モードで一緒に送達され得る(例えば、組み合わせた経口製剤または局所製剤において)。あるいは、前記医薬製剤の成分(複数)は、キットに予め包装され、同時にまたは順次である否かにかかわらず、個別に送達され得る。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、植物属カンナビスに由来する前記1つまたは複数のカンナビノイド化合物には、治療対象の特定の状態に対処するための量および/または比率で含まれる少なくとも2つのカンナビノイド化合物が、含まれる。例として、スレッショルド欲求の、感度の、快感の、および/または絶頂を迎える能力の欠如に苦しんでいる人(男性または女性)が、カンナビジオール(CBD)と比較して比較的高い量または比率のテトラヒドロカンナビノール(THC)を有する(例えば、2:1超のTHC/CBDの)製剤から恩恵を受けることができることが明らかになっている。あるいは、早漏に苦しんでいる人(男性)または性行為を行うときに神経質または不安になりやすい人(男性または女性)は、比較的低い量、THC/CBD比率を有する(例えば、0.5:1未満の)製剤の恩恵を受けることができる。性的反応が正常な人は、中間のTHC/CBD比率(例えば、0.5:1〜2:1のTHC/CBD)から恩恵を受けることができる。
【0013】
上述したように、女性はボディイメージに対して非常に現実的な不安を抱き、寝室にストレスや不安を持ち込む可能性がある。同様に、男性が極度のストレス、心配、または不安を抱えている場合、性行為を行う能力も阻害される可能性がある。不安やストレスは、感情や精神状態に大きな影響を与え、生理的な性的興奮を抑制し、男性にとっては性交が不可能になり、女性にとってはオルガスムを達成できないことが、しばしばある。しかし、気分要因(感情的および精神的状態)と性器への血流との両方に対処することにより、身体的な性的興奮が容易にかつ自然に起こり、これが意識と集中を官能性、性的感度、性的刺激にシフトさせ、男性と女性の両方のための性的快感を増強し、オルガスムおよび時々複数のオルガスムを促進する。
【0014】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
性的快感を増強する少なくとも1つの化合物と、性的反応を増強する少なくとも1つの他の化合物とを含む医薬製剤が、本明細書に開示されている。また、そのような医薬製剤の製造方法および使用方法も開示されている。
【0015】
用語「性的快感」には、性行為の快楽の量に影響を与える様々な生理的および/または精神的側面または状態が含まれ得る。例としては、性行為を開始するスレッショルド欲求、性行為中の身体的感度、性行為中の精神的快感または意識、絶頂に達する能力、絶頂に至る快感の量、絶頂の質、絶頂の持続時間などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
用語「性的反応」には、性行為を行う能力に影響を与える様々な生理的および/または精神的側面が含まれ得る。男性では、最も一般的な状態は、勃起を達成または維持できないことである。女性では、性的反応を阻害する状態は、より多様で複雑であるが、例えば、性感帯においてキスされたり触られたりしている間に性的に興奮することができないか、または遅れることを含む。多くの場合、このような障害は、生理的というよりも精神的である可能性がある。
【0017】
用語「性的興奮障害」は、男性および女性に適用され得、性行為の際に性的に興奮することが困難であること、または性的に興奮することまたは性的興奮状態を維持することができない状態のことを指す。
【0018】
用語「オルガスム障害」は、男性および女性に適用され得、十分な性的興奮と継続的な刺激の後にオルガスムを達成するのに、持続的にまたは周期的に困難が発生する人の状態を指す。
【0019】
用語「低い性的欲求」は、男性および女性に適用され得、性的な興味や性への意欲が欠如している人の状態を指す。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、性的快感を増強する前記1つまたは複数の化合物(「快感増強成分」)には、植物属カンナビス由来の1つまたは複数のカンナビノイド化合物が含まれる。カンナビノイド化合物の例としては、テトラヒドロカンナビノール(「THC」)が挙げられ、これは、異なる不斉中心を有するいくつかの異なる異性体の亜属であり、カンナビスの主な精神活性成分である。カンナビジオール(「CBD」)は、精神活性が低いかまたはおそらく非精神活性であるが、神経系におけるTHC、カンナビノール(「CBN」)、テトラヒドロカンナビバリン(「THCV」)、およびカンナビゲロール(「CBG」)の特定の効果を調節する可能性がある。合成されたカンナビノイド化合物の例としては、ドロナビノール(マリノール)(THCの純粋な異性体であり、カンナビスで見出される主な異性体である(−)−トランス−Δ9−テトラヒドロカンナビノール)およびナビロン(THCの(S,S)異性体および(R,R)異性体からなる合成ラセミ混合物)が挙げられる。THCおよびCBDの合成形態はそれぞれ、植物由来のTHCおよびCBDと同様に機能することができるため、明示的に除外されない限り、「カンナビス抽出物」である。
【0021】
特定の理論に拘束されることなく、THCの量が多い製剤は中枢神経系に対してより興奮性の影響を及ぼし、THCの量が少ないおよび/またはCBDの量が多い製剤はより多くの鎮静効果をもたらすと仮定される。興奮性と鎮静効果との最適な組み合わせを選択することは、特定の性機能障害の治療に有利になり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記医薬製剤が、治療されている特定の状態に対処するための量および/または比率で含まれる少なくとも2つのカンナビノイド化合物を含む場合に、最適な結果が達成され得る。カンナビス植物は通常、数十個のカンナビノイドを有し、本明細書で示されるTHC/CBD比率は、カンナビス植物中に見出されるマイナーなカンナビノイド化合物がかなりの量(例えば、ほとんどまたはすべて)で含まれる場合に最もよく機能し得ることが、理解されるべきである。実際には、THC/CBD比率は、少なくともいくつかの場合には、特定のカンナビス種において見出されるその他のカンナビノイド化合物の比率の代理となり得る。したがって、用語「本質的に〜から構成される」は、THCHおよび/またはCBDの効果を失活させないか、またはTCHおよび/またはCBDの効果をもはや認識できないほど実質的に変化させない限り、マイナーなカンナビノイド化合物のいずれかを排除するものではなく、任意のまたはすべてが存在してもよい。
【0023】
実例として、スレッショルド欲求、感度、快感および/または絶頂を迎える能力(性的興奮障害および/またはオルガスム障害)の欠如に苦しむ人(男性または女性)は、カンナビジオール(CBD)と比較したテトラヒドロカンナビノール(THC)の量または比率が比較的高い製剤から恩恵を受けることができることが見出された。そのような製剤は、婉曲的に「高興奮製剤」または「増強製剤」と呼ばれ得る。増強製剤には、場合によっては、THCが含まれ、CBDが含まれないことがある。
【0024】
あるいは、早漏に苦しんでいる人(男性)または性行為を行うときに神経質または不安になりやすい人(男性または女性)は、CBDと比較してTHCの量または比率が比較的低いい(またはTHCに対するCBD比率が高い)製剤から恩恵を受けることができる。このような製剤は、婉曲的に「鎮静製剤」または「安定化製剤」と呼ばれることがある。鎮静製剤には、場合によっては、CBDが含まれ、THCが含まれないことがある。
【0025】
さらに他のケースでは、特定の状態に苦しんでいないが、それでも性的経験を強化したいと思っている人々は、CBDと比較してTHCの量または比率のバランスが取れている製剤から恩恵を受けることができる。このような製剤は、婉曲的に「中間製剤」または「バランスの取れた製剤」と呼ばれることがある。このような製剤には通常、THCとCBDの両方が含まれる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、増強製剤中のTHCの量は、1用量あたり約50mg〜約500mg、または1用量あたり約75mg〜約400mg、または1用量あたり約100mg〜約300mgの範囲であってもよい。THCを補完するために、増強製剤中のCBDの量は、1用量あたり約10mg〜約250mg、または1用量あたり約15mg〜約200mg、または1用量あたり約25mg〜約150mgの範囲であってもよい。増強製剤中のCBDに対するTHCの比率は、少なくとも約2:1のTHC/CBD、または約2:1〜約25:1のTHC/CBD、または約3:1〜約20:1のTHC/CBD、または約4:1〜約15:1の範囲のTHC/CBDであってもよい。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、安定化製剤中のTHCの量は、1用量あたり約10mg〜約250mg、または1用量あたり約15mg〜200mg、または1用量あたり約25mg〜約150mgまでの範囲であってもよい。THCを補完するために、安定化製剤中のCBDの量は、1用量あたり約50mg〜約500mg、または1用量あたり約75mg〜約400mg、または1用量あたり約100mg〜約300mgの範囲であってもよい。安定化製剤中のCDBの対するTHCの比率は、約0.5:1以下のTHC/CDBであってもよい。別の言い方をすれば、THCに対するCBDの比率は、少なくとも約2:1のCBD/THC、または約0.5:1〜約25:1の範囲のCBD/THC、または約3:1〜約20:1のCBD/THC、または約4:1〜約15:1のCBD/THCであってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、バランスの取れた製剤中のTHCの量は、1用量あたり約25mg〜約400mg、または1用量あたり約50mg〜約300mg、または1用量あたり約75mg〜約250mgの範囲であってもよい。THCを補完するために、バランスの取れた製剤中のCBDの量は、1用量あたり約25mgから約400mg、または1用量あたり約50mg〜約300mg、または1用量あたり約75mg〜約250mgの範囲であってもよい。バランスの取れた製剤におけるCDBの対するTHCの比率は、約0.1:1〜約10:1の範囲のTHC/CBD、または約0.25:1〜約5:1のTHC/CBD、または約0.5:1〜約2:1のTHC/CBDであってもよい。
【0029】
医薬製剤は、増強製剤、安定化製剤、またはバランスの取れた製剤の意味に含まれ得るが、これらは、1つまたは複数の特定の状態を治療するように設計された製剤を製造する方法に関する一般的な原則を教示する目的で作成された、単なる婉曲的または恣意的なカテゴリーであることが理解されるであろう。それにもかかわらず、製剤は、興奮と安定化の間の所望のバランスを有するためのカンナビノイド化合物の量および/または比率を有してもよい。多くの場合、前記製剤は、興奮および安定化させるように製剤化されてもよい。興奮および安定化の相対的な程度は、具体的な状態または性別に応じて選択され得る。
【0030】
これを考慮すると、THCを含む組成物は、単独で、またはCBDと組み合わせて、1用量あたり約10mg〜約500mg、または1用量あたり約15mg〜約400mg、または1用量あたり約25mg〜約300mg、または1用量あたり約50mg〜約250mg、または1用量あたり約75mg〜約150mgの範囲のTHCを含んでもよい。THCの量は、1用量あたり、少なくとも5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、50mg、60mg、75mg、または100mg(下限値)、および750mg、500mg、450mg、400mg、350mg、300mg、250mg、200mg、175mg、150mg、120mg、または100mgまで(上限値)のTHC、および下限値と上限値で区切られた範囲であってもよい。
【0031】
同様に、CBDを含む組成物は、単独で、またはTHCと組み合わせて、1用量あたり約10mg〜約500mg、または1用量あたり約15mg〜約400mg、または1用量あたり約25mg〜約300mg、または1用量あたり約50mg〜約250mg、または1用量あたり約75mg〜約150mgの範囲でCBDを含んでもよい。CBDの量は、1用量あたり、少なくとも5mg、7.5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、50mg、60mg、75mg、または100mg(下限値)、および750mg、500mg、450mg、400mg、350mg、300mg、250mg、200mg、175mg、150mg、120mg、または100mgまで(上限値)のCBD、および下限値と上限値で区切られた範囲であってもよい。
【0032】
異なる量および/または比率の様々なカンナビノイド化合物を有する、異なる系統のカンナビスが存在することがわかっている。たとえば、カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)は通常、比較的高いTHC/CBD比率を有する。逆に、カンナビス・インディカ(Cannabis indica)は、カンナビス・サティバと比較して相対的に低いTHC/CBD比率を有する(ただし、THCの絶対量がカンナビス・サティバよりもカンナビス・インディカの方が高いことがあり得る)。また、カンナビス・サティバおよびカンナビス・インディカのハイブリッド品種または系統は、カンナビノイド化合物の量および/または比率が中間的なものもある。カンナビノイド化合物の量および/または比率は、植物の成熟度、植物の栽培方法、人工的または自然光の量、気候、栄養素、および使用されている植物の部位に応じて変わる可能性がある。一般的に、芽および葉はカンナビノイド化合物の量が最も多く、茎および種子は最も少ない。さらに、葉、茎、および種子は、同じ植物の芽よりも低いTHC/CBD比率を有する可能性がある。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、カンナビスの単一の系統または品種は、所与の医薬製剤中のカンナビノイド化合物の供給源として使用され得る。例として、増強製剤は、カンナビス・サティバ、または、カンナビス・サティバとカンナビス・インディカとのハイブリッド(カンナビス・サティバに対して優占である)からカンナビノイド化合物を抽出することにより、作製され得る。逆に、安定化製剤は、カンナビス・インディカ、またはカンナビス・サティバとカンナビス・インディカとのハイブリッド(カンナビス・インディカに対して優占である)からカンナビノイド化合物を抽出することにより、作製され得る。バランスの取れた製剤は、THCとCBDとの間でよりバランスの取れた(すなわち、増強製剤または安定化製剤を作製するために使用されるハイブリッドと比較して、一方が他方よりも優占でない)カンナビス・サティバとカンナビス・インディカとのハイブリッドからカンナビノイド化合物を抽出することにより作製され得る。
【0034】
他の実施形態によれば、カンナビスの複数の系統または品種は、所与の医薬製剤中のカンナビノイド化合物の供給源として使用され得る。例として、増強製剤は、カンナビス・サティバとカンナビス・インディカの両方からカンナビノイド化合物を抽出することによって作製され得、ここで、カンナビス・サティバの量は実質的により多い。あるいは、増強製剤は、カンナビス・サティバ、およびカンナビス・サティバとカンナビス・インディカとの1つまたは複数のハイブリッド(例えば、カンナビス・サティバに対して優占であるもの)からカンナビノイド化合物を抽出することによって作製され得る。増強製剤は、植物由来のおよび/または合成のTHCおよび/またはCBDを含んでもよい。
【0035】
同様に、安定化製剤は、カンナビス・サティバとカンナビス・インディカの両方からカンナビノイド化合物を抽出することにより作製され得、ここで、カンナビス・インディカの量はより多い。あるいは、増強製剤は、カンナビス・インディカ、およびカンナビス・サティバとカンナビス・インディカとの1つまたは複数のハイブリッド(例えば、カンナビス・インディカに対して優占であるもの)からカンナビノイド化合物を抽出することにより、作製され得る。さらに、カンナビス・サティバの葉、茎および種子は、同じ植物の芽よりも低いTHC/CBDを自然に有する可能性がある。増強製剤は、植物由来のおよび/または合成のCBDおよび/またはTHCを含んでもよい。
【0036】
バランスの取れた製剤は、カンナビス・サティバとカンナビス・インディカとの両方からカンナビノイド化合物を抽出することにより作製され得、ここでカンナビス・インディカおよびカンナビス・インディカの量は同様である。あるいは、バランスの取れた製剤は、カンナビス・サティバとカンナビス・インディカとのハイブリッド(例えば、カンナビス・サティバに対して優占である1つまたは複数のもの、およびカンナビス・インディカに対して優占である1つまたは複数のもの)からカンナビノイド化合物を抽出することにより、作製され得る。バランスの取れた製剤は、植物由来のおよび/または合成のCBDおよび/またはTHCを含んでもよい。
【0037】
カンナビス・サティバの主な系統の例としては、Santa Maria、AK−47、Malawi gold、Bazooka、Durban Poison、Maui Waui、Early Bud、Early Pearl、Early Skunk Plant、Great White Shark、Green Spirit、Haze、Haze Skunk、Hempstar、Jack Herer、Kali Mist、Ice、LamsBread x Skunk、Leda Uno、Malawi gold、Niagra x Shiva、Night Queen、Northern Lights x Haze、Power Plant、Purple Haze、Purple Skunk、Smokey Bear、Silver Haze、Shaman、Strawberry Cough、Sweet Island Skunk、Super Silver Haze、Swazi x Skunk、Thai、VoodooおよびWhite Cloudが挙げられる。
【0038】
カンナビス・インディカの主な系統の例としては、Afghani♯1、Amstel Gold、Bella Caio、Big Bud、Black Domina、Black African、Black Jack、Chitral、Celtic Cross、Celtic Stone、Chronic、DoubleGum、Early Girl、Early Skunk、Eclipse、Euforia、Green Spirit、G−13、Granddaddy Purple、Hawaiian Skunk、Hindu Kush、Holland’s Hope、Hypno、HashPlant、Jack Flash、K2、Lemon Stinky、Mango、Master Kush、Mazar、Mighty Might、Niagra、Northern Lights、Romulan、Pink Indica、Purple High、Purple ETrkel、Purple Star、Ruderalis Indica、Shiva、Sour Bubble、Southern Afghani、Super Chrystal、およびTwilightが挙げられる。
【0039】
よりバランスの取れたsativa−indicaハイブリッド系統の例としては、Blueberry kush、Rainbow Kashmiri、Blue Velvet、Blueberry、BubbleBerry、Bubblegum、Buddha Plant、Cali Orange Plant、Durban Poison x Mighty Might、Flo、First Mature、Fourway♯!、Fruity Pebbles、Full Moon、Jamaican Pearl、Juicy Fruit、GrapeFruit Haze、Himalayan Gold、Island Lady、KC−33、Kerala x Skunk、Kushage、Northern Berry、NYC Diesel、Purple♯1、Purple Kush、Romberry、Shiva Shanti、Skunk Red Hair、Skunk Passion、Skunk Haze、Swiss Miss、Turtle Power、およびWhite Widowが挙げられる。
【0040】
カンナビノイド化合物は、有機溶媒抽出、熱水または沸騰水を用いた水抽出、有機溶媒と水との両方を用いた混合溶媒抽出、熱気化、分別蒸留などの公知の方法を用いて、1つまたは複数のカンナビス植物から抽出され得る。抽出方法に応じて、カンナビノイド化合物の識別(identifies)および/または比率は、所望に応じて変更または選択され得る。一般に、抽出により、燃焼(すなわち、燻し(smoking))と比較して、特定のカンナビス植物において見出されるカンナビノイド化合物の実際の比率のより良い近似値を提供することができる。燃焼は、いくつかのカンナビノイド化合物の著しい破壊を引き起こし、THC/CBD比率を変化させる可能性がある。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、性的反応を増強する少なくとも1つの化合物(「反応増強成分」)には、性器領域への血流を増強する1つまたは複数の化合物が含まれる。反応増強成分の例としては、例えば、血液中の一酸化窒素(NO)の量を増加させる化合物などの、血管を拡張する化合物が挙げられる。これらには、性的反応を増強しパフォーマンスを向上させることが示されている、公知の医薬品およびハーブサプリメントが含まれる。前記反応増強成分は、身体的または精神的観点から、男性のEDに、および/または女性におけるパフォーマンスを阻害または遅延させる可能性のある身体的な問題に、対処することができる。
【0042】
反応増強成分の具体例としては、医薬品であるシルデナフィル(Viagra(登録商標))、タダラフィル(Cialis(登録商標))、およびバルデナフィル(Levitra(登録商標))、ならびにそれらの前駆体および代謝物が挙げられる。本発明の範囲内の組成物は、薬学的に許容される用量の、前述のうちの1つまたは複数を含んでもよい。薬学的に許容される用量は、レシピエントの性別、体重および/または年齢に依存してもよく、これらの公知の化合物に関する公知のガイドラインの範囲内にある。
【0043】
ハーブサプリメントはまた、血中のNOレベルを上昇させて、性的反応を増強し、パフォーマンスを向上させることができる。ハーブサプリメントには、少なくとも500mg、1g、1.5g、2g、2.5g、3g、4g、5g、または6g、および20g、15g、12g、10g、9g、または8gまでの、または下限値と上限値の間の任意の範囲の、L‐アルギニン、L‐シトルリン、ヤヒンベ(yahimbe)根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン(Korean red ginsing))、イチョウ、ホーニーゴートウィード(horny goat weed)、アカザ(goosefoot)、ケノポディウム・アンブロシオイデス(Chenopodium ambrosioides)、クロロフィツム・ボリビリアナム(Chlorophytum borivilianum)、デスモディウム・ガンゲチクム(Desmodium gangeticum)、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/またはダミアナが含まれる。本発明の範囲内の組成物は、性的反応を増強し、パフォーマンスを向上させるために、薬学的に許容可能な量(または血中NOレベルを上昇させるのに有効な量)の、前述のうちの1つまたは複数を含んでもよい。薬学的に許容される(または有効な)用量は、レシピエントの性別、体重および/または年齢に依存してもよく、これらの化合物および組成物に関する公知のガイドラインの範囲内にある。
【0044】
その他のハーブサプリメントはさまざまな商品名で販売されており、Zytenz、Vydexafil、Oxysurge、Testosyn、KOR Test Booster、Virility Ex、Natural Gain Plus、ExtenZe、Alpha T1、Happy Endings、Libido Boost Plus、Virectin、Male Extra、Climadex、Vendexafil ETltra、TestoRev、Magnum Pump XR、VigRX Plus、Ageless Male、Nugenix、Vigorplex(登録商標)、Libidus、Maxidus、Xzen XPress、Xzen Gold、Xzen Platinum、Xzen 1200、Vydexafil、AI Sports Perform、VitalKoR、Athletic Edge APE、Axcite Magnum、VirMax、Virilis Pro、Virility−X、XZone、Reload、Mojo Risen、Zoom−Zooma−Zoom、Love Rider、Ninja Mojo、Mojo Nights、EreXite、VMaxx Rx、Firminite、ZenMaxx、Black Ant、RigiRx Plus、France T253、ViaXtreme、Man Lip、Herbal Vigor Quick Fix、Miraculous Evil Root、Zhen Gong Fu、GoldReallas、Liu Bian Li、MV5 Days、S.W.A.G.、Weekend Warrior、Bali Mojo、Vimax、Tiger King、Alpha Male、Vitalikor Fast Acting、MVP Mega、MaxTreme Zen、Vicerex、Affirm XL、Kaboom Action Strips、およびX−Rockが挙げられる。本発明の範囲内の組成物は、性的反応を増強し、パフォーマンスを向上させるために、薬学的に許容可能な量(または血中NOレベルを上昇させるのに有効な量)の、前述のうちの1つまたは複数を含んでもよい。薬学的に許容される用量(または有効な用量)は、レシピエントの性別、体重および/または年齢に依存してもよく、これらの化合物および組成物に関する公知のガイドラインの範囲内にある。
【0045】
前述の化合物または組成物の量は、効力および作用機序に応じて変化し得る。一般に、そのような化合物または組成物は、身体に一酸化窒素を生成させることなどにより性器領域への血流を増加させることにより、男性が勃起を達成し、維持することを可能にする。十分理解されていない可能性のある理由のために、それらはまた、本明細書に開示されているような1つまたは複数のカンナビノイド化合物と組み合わせた場合に女性を助けるが、このことは、それらが単独で使用された場合には、通常、女性には効果がないので、驚くべきことであり、予想外である。
【0046】
性行為を可能にすること自体が性的快感を増強することができるが、反応増強成分は、それ自体が性的快感を増強しない(例えば、勃起不全に悩まされていない完全に健康な男性では、反応増強薬の使用は、絶頂を含む性行為の快感に有意に影響を及ぼさない可能性がある)。その成分は単に、より長く続くおよび/またはより迅速な、スレッショルド勃起の快楽および目新しさを提供する可能性がある。同様に、カンナビノイドは、人を「ハイ(high)」にし、したがってよりリラックスして抑制されないようにできるが、特に男性においては、カンナビノイドが性的反応およびパフォーマンスを低下させることも知られている。場合によっては、カンナビノイドは、勃起を達成または維持することを妨げる可能性がある。他の場合では、カンナビノイドは、絶頂を不必要に長引かせるか、絶頂を妨げる可能性がある。しかし、予期せぬことに、1つまたは複数の反応増強成分と1つまたは複数の快感増強成分とを組み合わせることにより、マイナスの影響を相殺または排除しながら、両方の有益な効果を最適化することが、現在見出されている。これにより、全体的な性的経験が大幅に向上する。
【0047】
さらに意外なことに、1つ以上の反応増強成分と1つ以上の快感増強成分とを組み合わせることで、神話や伝承の対象となっているが、実際には達成されていない、とらえどころのない催淫薬(または「スパニッシュフライ(Spanish fly)」)を提供することができる。性行為が主に(および論理的に)身体的で二次的に精神的である男性とは異なり、女性は、気があるかまたは性的に興奮しているかどうかに関わりなく、技術的に性行為を行うことができる。このように、性的快感は女性の方がより複雑であって、肉体的であるのと同じくらいまたはそれ以上に精神的である。このため、ヒトおよび動物の両方において、性行為は通常、女性よりもむしろ男性によって開始される。本明細書に開示される医薬製剤は、このバランスをシフトさせ、実際の性的快感だけでなく、より多くの初期スレッショルド欲求を女性に与えることができ、このことにより女性およびその性的パートナーの両方の利益がもたらされる。特定の理論に拘束されることなく、女性の性器領域への血流を増加させることは、それ自体が性的快感または性的反応を増加させることが証明されていないが、身体的におよび精神的にカンナビノイド化合物の効果を増加させ、その結果、一緒に使用されるときに、それらが相乗的に作用して、どちらかを単独で使用するときと比較して増加した性的快感および反応が提供されると推測される。
【0048】
前記医薬製剤は、様々な異なる送達モードを有し得、その送達モードは、性別特有であり得るか、または患者の特定のニーズもしくは要望に合わせて調整され得る。1つの実施形態では、前記医薬製剤は、局所(体腔を含む外用または内用、ただし経口および鼻腔を除く)、例えば、マッサージオイル、ローション、ゲル、クリーム、潤滑剤、性器スプレー、膣パッチ、膣坐剤、または肛門坐剤として設計され得る。あるいは、または追加的に、それらは、例えば、カプセル剤、錠剤、経口ドロップ、トローチ(lozenges)、ロリポップ、および食品調製物、すなわち、ブラウニー、クッキー、チョコレート、チューズ(chews)、ガムドロップ、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、液体ショットなどのような「食用品」(舌下吸収または口腔吸収とは対照的に、摂取可能)のように摂取用に製剤化され得る。あるいは、それらは、肺への吸入(例えば、熱気化器(「ベイプ(vape)」)またはネブライザーによって)用に製剤化され得る。
【0049】
カプセル剤には、活性物質を取り囲む外側カバーを含む任意の送達形態が含まれる。前記外側カバーは、ゼラチン、デンプン、セルロースエーテル、ガム、タンパク質、または多糖類など、当技術分野で知られている任意の適切な材料であってもよい。錠剤は、固体形態に(場合により結合剤または不活性成分とともに)圧縮された活性物質を含む。多くのカプセル剤および錠剤は、丸ごと飲み込まれるように構成されているが、断片に分割して飲み込んでもよく、場合によっては咀嚼して飲み込み、時には歯で砕いて、飲み込まれる液体、ゲルまたは固体を放出してもよい。錠剤やカプセル剤には、坐薬として膣内や肛門内で使用できるものもある。またはそれらは、口腔または舌下で使用され得る。
【0050】
「固形摂取物」には、咀嚼なしまたは最小限の咀嚼で飲み込むことができる剤形(例えば、いくつかのタイプのカプセル剤および錠剤)、食品調製物および他の食用品(例えば、ブラウニー、クッキー、デザート、チョコレート、チューズ、ガムドロップ、ソフトキャンディー、ならびにいくつかのタイプのカプセル剤および錠剤)などの、咀嚼されて飲み込まれる剤形、口の中で溶かして飲み込まれる剤形(例:ハードキャンディー、ロリポップ、トローチ、いくつかのタイプのカプセル剤および錠剤)が含まれる。固形摂取物の特徴は、主に口腔または舌下で吸収されるのとは対照的に、前記活性物質が、胃、腸および/または小腸で吸収されることを意図していることである。
【0051】
「液体摂取物」には、咀嚼をほとんどせずに、または、まったくせずに飲み込むことができる液体またはゲルが含まれる。固形摂取物の特徴は、主に口腔または舌下に吸収されるのとは対照的に、前記活性物質が、胃、腸および/または小腸で吸収されることを意図していることである。液体摂取物は、ショット、ドリンク、ジェルパック、経口ドロップなどであってもよい。
【0052】
「二重送達」組成物は、複数の方法で塗布および吸収され得る。例としては、フレーバー付きボディオイル、クリーム、ローション、液体、ジェル、および潤滑剤が挙げられ、これらは、皮膚、特に男性または女性の、性器領域、肛門領域上もしくはその中、または脇の下など、容易に吸収され得る身体の領域に配置され得、塗布および性行為の間、他のパートナーによって任意に舐められまたは摂取され得る。場合によっては、組成物は、一方のパートナーの性器領域(または肛門領域)上またはその中に配置され得、性行為および性交中に他方のパートナーの性器領域(または肛門領域)に移され得る。そのような組成物は、性具、バイブレーター、ディルド、コンドーム、他の避妊器具、小道具などの上または中に配置され得る。
【0053】
一般的に、カンナビノイドを抽出してから燃焼させずに送達すると、カンナビスを吸ってED治療薬を摂取するよりも優れた効果が得られる。燃焼は、かなりの量のカンナビノイド化合物を破壊し、その比率を変化させる可能性があり、これにより適切な投与が困難になる。また、カンナビスを吸うとほぼ瞬間的にハイになるのに対し、ED治療薬を摂取すると体内の代謝に時間がかかるため、カンナビスを吸ってED治療薬を摂取することは、それぞれのタイミングをコントロールできないという問題もある。その結果、両方が最大化されることが望ましい場合に、血流増加効果の遅延がカンナビノイド効果の減少と相まって、早過ぎるカンナビノイド効果がもたらされ得る。単一の製剤でおよび/または同じやり方で、快感増強成分とパフォーマンス増強成分との両方を送達することにより、投薬(dosing)およびタイミングをよりよく制御することができる。
【0054】
液体、ゲルまたはペーストなどのカンナビノイドを注入した物質を吸入することが望まれる場合には、ニコチンを送達するための当技術分野で知られている気化装置が、使用され得る。ベイプジュースまたはオイル中のカンナビノイドの濃度は、ベイプスティック、水ギセル、またはモッドボックス(mod box)を使用してニコチンを送達するときに行われるやり方と同様に調整され得、これにより所定の回数のパフ(puffs)が、目的の1つまたは複数のカンナビノイドを所定量送達する。
【0055】
病院、ホスピス、または在宅ケアで使用される当技術分野で知られているネブライザーが、所定量のカンナビノイドを送達するために使用され得る。
【0056】
前記カンナビノイドに加えて、血流を増加させるための他の活性物質は、所定量の前記活性物質を提供するために、任意の適切な手段によって送達され得る。これらには、経口摂取、局所送達、および吸入が含まれるが、カプセルまたはテーブルによる経口摂取が、現在最も処方されている送達方法である。
【実施例】
【0057】
以下の実施例では、性的快感と性的反応を1〜10の尺度で評価し、1を最低、10を最高とした。男性では、3つの項目:1〜10の尺度で勃起の硬さ、1〜10の尺度で感度、1〜10の尺度でオルガスムの強さを測定した。女性では、3つの項目:1〜10の尺度でスレッショルド欲求、1〜10の尺度で感度、および1〜10の尺度でオルガスムの強さを測定した。
【0058】
(実施例1A)
被験者は41歳の男性であった。カンナビノイド化合物を提供するために使用したマリファナ株は、AK−47ハイブリッド株であった。マリファナからのカンナビノイド化合物を、食用品を利用して経口的に送達した。マリファナの植物部分(主に葉および芽)を粉砕し、植物油で3時間煮詰めてカンナビノイド化合物(主にTHCおよびCBD)を抽出し、次いで濾した。カンナビノイド抽出油は、植物部分において(植物部分に含まれる他のカンナビノイドと同様に)CBDに対してTHCをほぼ同じ比率で含有すると想定した。マイナーなカンナビノイド類は、THCおよびCBDの主な効果を打ち消したり、実質的に変化させたりしなかった。
【0059】
前記抽出油を、指示通りのブラウニーの通常の調製に必要とされる油の代わりに使用した。前記カンナビノイド抽出油を、18オンスのファッジブラウニーミックスあたり1/4オンスの量で配合した。前記抽出されたカンナビノイド化合物を含有するブラウニーを、混合された生地から、小さなケーキ焼き型(6インチ)に入れて、指示どおりにオーバー(over)で焼いて調製した。小さな焼き型のブラウニーを、3インチの正方形に切り分けた。
【0060】
前記被験者は、ブラウニー2個とXZEN1錠とを摂取した(注:本明細書の本実施例および他の実施例で使用されるXZENは、市場から回収され変更されたため、シルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィル等の医薬品、またはバイオシミラー化合物で汚染されている可能性があることが後に判明した。)。前記被験者は、約1時間後に両方の効果を自覚し始め、その後まもなく女性パートナーとの性行為を開始した。前記被験者は、硬い勃起を獲得し維持することができ、性交中の感度と快感が増加した。前記被験者は、通常よりも長く持続することができ、この場合、性交は約30分間続いた。絶頂時には、射精が非常に激しかった。統計値は、(1〜10の尺度で)勃起の硬さ:9、感度:8、オルガスムの強さ:10であった。
【0061】
(実施例1B)
実施例1Aにおける女性パートナーは、実施例1Aにおける男性被験者よりも体重が軽く、カンナビノイドを注入した正方形のブラウニーを1つ摂取し、また、性行為中に、高まった感度(8)および快感を経験し、このことは、不安のおよび抑制の減少およびスレッショルド欲求の増大に起因するものであった。この女性はいかなる血行促進剤(blood flow enhancement)も摂取しなかった。前記女性パートナーは、快感増強成分およびパフォーマンス増強成分の両方を摂取することによる精神的および生理的効果の組み合わせの結果として、より強烈なオルガスム(例えば、8)と同様に、スレッショルド欲求を増加(例えば、陰核および陰唇の腫脹および肥厚の結果としての8)させるための女性の性器領域への血流を増加させる成分とカンナビノイド食用品との組み合わせ摂取から、さらに恩恵を受けるであろうと推測されている。
【0062】
(実施例1C)
女性のパートナーは、女性の性器領域への血流を増加させる成分を有するカンナビノイド食用品を摂取する。この組み合わせは、快感増強成分およびパフォーマンス増強成分の両方を摂取することによる精神的および生理的効果の組み合わせの結果として、より強烈なオルガスム(例えば、8)と同様に、スレッショルド欲求を増加(例えば、陰核および陰唇の腫脹および肥厚の結果として、8)させる。
【0063】
(実施例2A)
被験者は70歳の男性であった。カンナビノイド化合物を提供するために使用したマリファナ株はAK−47であった。カンナビノイド化合物を、1/4オンスのマリファナを1カップのアボカド油で煮詰めて抽出し、バターを作った。前記被験者は、バターを大さじ1杯程度トーストに塗り、空腹時に前記トーストとXZEN1錠を摂取した。前記被験者は、45分後に若干の潮紅および前記カンナビノイド化合物の効果を感じた。
【0064】
1時間後、被験者は硬い勃起を得て、同年代の女性パートナーと性交を開始した。驚くべきことに性交は2時間続き、被験者はその時間内に5回射精することができ、このことは若い男性にとって並外れたことであるが、この場合、被験者は70歳の男性であった。統計値は、(1から10までの尺度で)勃起の硬さ:10、感度:9、オルガスムの強さ:10であった。この実施例は、THC:CBDの比率が高い(少なくとも2:1)カンナビノイドを使用することの高齢者への恩恵を例示している。被験者の意見では、性交では再び若い男に戻ったようなものであり(「21再び」)、一般的に彼の全体的な気分は劇的に改善され(態度および気質)、このことは別の予想外の恩恵であった。
【0065】
実施例2Aにおける女性パートナーは、いかなる促進剤も摂取しなかった。しかし、前記女性パートナーは、本明細書に開示された製剤を摂取することで恩恵を受けて、増加したスレッショルド欲求(8)、高まった感度および快感(8)、ならびにより強力なオルガスム(8)を経験するであろうと推定される。
【0066】
(実施例2B)
本実施例は繰り返しになるが、男性がXZENの代わりにViagra(登録商標)を摂取し、同様の結果を得た。本実施例は、Viagra(登録商標)またはXZENを、Cialis(登録商標)、Levitra(登録商標)、L−アルギニン、ホーニーゴートウィードなどの他の公知の男性増強剤に置き換えることにより変更される。
【0067】
(実施例3A)
被験者は41歳の男性であった。カンナビノイド化合物を提供するために使用したマリファナ株は、Blueberry Kushであった。前記カンナビノイド化合物を、食用品を利用して経口的に送達した。マリファナの植物部分(主に葉および芽)を粉砕し、植物油で3時間煮詰めてカンナビノイド化合物を抽出し、次いで濾した。カンナビノイド抽出油は、植物部分において(植物部分に含まれる他のカンナビノイドと同様に)CBDに対してTHCをほぼ同じ比率で含有すると想定した。マイナーなカンナビノイド類は、THCおよびCBDの主な効果を打ち消したり、実質的に変化させたりしなかった。
【0068】
前記抽出油を、指示通りのブラウニーの通常の調製に必要とされる油の代わりに使用した。前記カンナビノイド抽出油を、18オンスのファッジブラウニーミックスあたり1/4オンスの量で配合した。前記抽出されたカンナビノイド化合物を含有するブラウニーを、混合された生地から、小さなケーキ焼き型(6インチ)に入れて、指示どおりにオーバーで焼いて調製した。小さな焼き型のブラウニーを、3インチの正方形に切り分けた。
【0069】
前記被験者は、ブラウニー2個とXZen1錠とを摂取した。前記被験者は、約1時間後に両方の効果を自覚し始め、その後まもなく女性パートナーとの性行為を開始した。前記被験者は、硬い勃起を獲得し維持させることができ、感度が増加した。前記被験者は、より長く持続することができ、女性パートナーとの性交は約45分間続いた。射精は、非常に激しかった。統計値は、(1〜10の尺度で)勃起の硬さ:9、感度:8、オルガスムの強さ:9であった。本実施例は、実施例1および2と比較して、長続きさせる能力に関して、CBDに対するTHCの、よりバランスの取れた比率(これは、実施例1よりも1:1に近く、おそらくは1:1よりも少ない)を有するカンナビノイドを使用した場合に、比較的若い健康な男性にとっての有益な効果が示される。
【0070】
(実施例3B)
実施例3Aの女性パートナーは、カンナビノイドを注入した正方形のブラウニーを1つ摂取し、また、性行為中に、高まった感度および快感(8)を経験し、このことは、不安のおよび抑制の減少およびスレッショルド欲求の増大に起因するものであった。この女性はいかなる血行促進剤も摂取しなかった。前記女性パートナーは、快感増強成分およびパフォーマンス増強成分の両方を摂取することによる精神的および生理的効果の組み合わせの結果として、より強烈なオルガスム(例えば、8)と同様に、スレッショルド欲求を増加(例えば、陰核および陰唇の腫脹および肥厚の結果としての8)させるための女性の性器領域への血流を増加させる成分とカンナビノイド食用品の摂取との組み合わせ摂取から、さらに恩恵を受けるであろうと推測されている。
【0071】
(実施例4A)
被験者は70歳の男性であった。カンナビノイド化合物を提供するために使用したマリファナ株は、Blueberry Kushであった。カンナビノイド化合物を、1/4オンスのマリファナを1カップのアボカド油で煮詰めて抽出し、バターを作製した。前記被験者は、バターを大さじ1杯程度トーストに塗り、空腹時に前記トーストとXZEN1錠を摂取した。前記被験者は、45分後に若干の潮紅および前記カンナビノイド化合物の効果を感じた。
【0072】
1時間後、被験者は硬い勃起を得て、同年代の女性パートナーと性交を開始した。性交は2時間続き、被験者はその時間内に3回射精することができた。統計値は、(1から10までの尺度で)勃起の硬さ:10、感度:9、オルガスムの強さ:9であった。この実施例では、被験者がTHC:CBDをバランスの取れた比率で摂取することで明らかな効果が得られたが、結果は、被験者がTHC:CBDの比率を高くして摂取し、3回ではなく5回のオルガスムを得ることができた実施例2ほど劇的ではなかったことが示された。
【0073】
前記女性パートナーは、いかなる促進剤も摂取しなかった。しかし、前記女性パートナーは、本明細書に開示された製剤を摂取することで恩恵を受けて、増加したスレッショルド欲求(8)、高まった感度および快感(8)、ならびにより強力なオルガスム(8)を経験するであろうと推定される。
【0074】
(実施例5)
50歳の男性が、実施例3にしたがって調製したブラウニー1個とXZen錠剤1錠とを摂取した。被験者は両成分の効果を感じ、より早く勃起を達成し、より長く勃起を維持させることができた。前記被験者は、摂取してから約1〜2時間以内に女性パートナーと性行為を行い、約30分持続した。被験者は、約8の勃起、約8の高まった感度、および約8のより強力なオルガスムを有した。男性被験者は、より高いTHC:CBD製剤を使用して、および/または食用品の量を増やして摂取することで、より多くの恩恵を受けたかもしれないと推定される。
【0075】
前記女性パートナーは、いかなる促進剤も摂取しなかった。しかし、前記女性パートナーは、本明細書に開示された製剤を摂取することで恩恵を受けて、増加したスレッショルド欲求(8)、高まった感度および快感(8)、ならびにより強力なオルガスム(8)を経験するであろうと推定される。
【0076】
(実施例6)
被験者は、22歳の男性であり、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品を与えた。前記被験者は強くて精力的であるが、早漏になりがちである。被験者は、前記注入食用品を、性器領域への血流を増加させる成分(例えば、XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに摂取する。前記被験者は、約20〜30分後に硬い勃起を得て、パートナーとの性行為を開始する。THC:CBDの比率が高い食用品を用いると、性交は短い(約1〜3分)が激しい。統計値は、(1〜10の尺度で)勃起の硬さ:10、感度:8、オルガスムの強さ:8である。
【0077】
あるいは、前記被験者は、CBD:THCの比率が高い、カンナビノイドを注入した食用品を摂取し、勃起の質、感度、およびオルガスムの強さは同じであるが、通常よりもはるかに長く(例えば、15〜45分)持続することができ、他の人と性行為を行う際の被験者の自信を大幅に高める。前記被験者の年齢により、射精間の回復が早いかまたは即時回復し、複数のオルガスムを達成することができる。
【0078】
この実施例は、被験者がTHC:CBDの比率が高いものを摂取することによって明確な恩恵を受ける一方で、被験者がTHC:CBDの比率がはるかに低い(またはCBD:THCの比率が高い)ものを摂取すると、結果が客観的にはるかに良好であることを示している。THC:CBDのよりバランスの取れた比率が、本明細書に記載された両極端の間の中間的な恩恵を提供するであろうと推定される。
【0079】
(実施例7)
被験者は21歳の女性であり、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品が与えられる。前記被験者は健康であるが経験が浅く、性行為を行う際に神経質であり、それによりスレッショルド欲求、快感、および充足感が低下し、被験者がオルガスムを達成することが困難または不可能になる。前記被験者は、性器領域への血流を増加させる成分(例:女性用XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに、前記注入食用品を摂取する。約1時間後、被験者は潮紅を感じ、前記カンナビノイド化合物および前記血流促進剤の効果(外陰部と乳首の腫脹の増加を含む)を感じ、これは主に生理的なものであるが、前記注入食用品によってもたらされる興奮および不安の減少という強化された精神的効果と結びつき、スレッショルド欲求を高める(例えば、9)。
【0080】
前記被験者が、THC:CBD比率が高い食用品を摂取する場合、前記被験者はより身体的に攻撃的である可能性があるが、定期的にオルガスムを達成することが困難である可能性がある。より高いCBD:THCの比率により、より深い精神的認識(appreciation)と性行為の快感を可能にする鎮静効果が提供され、より信頼性の高い充実したオルガスムにつながると推定される。女性によっては、中間のTCD:CBDの比率は十分に鎮静させる可能性があり、より速いおよび/または複数のオルガスムを促進するためにより興奮性がある。
【0081】
(実施例8)
25歳の女性被験者は、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品が与えられる。前記被験者は、性器領域への血流を増加させる成分(例:女性用XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに、前記注入食用品を摂取する。約1時間後、前記被験者は潮紅と前記カンナビノイド化合物の効果(外陰部と乳首の腫脹の増加を含む)を感じ、これは主に生理的なものであるが、前記注入食用品によってもたらされる興奮および不安の減少という強化された精神的効果と結びつき、スレッショルド欲求を高める。
【0082】
1時間後、前記被験者は、41歳の男性パートナーと性行為を開始する。前記被験者は、高まった感度(9)と快感を経験し、通常よりも早く、より強力に絶頂(9)を迎えることができる。男性パートナーの我慢にもよるが、女性被験者は、快感増強成分とパフォーマンス増強成分との併用により、生理的および精神的な意識および感度が高まる結果、複数のオルガスムを達成することができる。女性被験者の年齢(25歳)と性的自信のため、前記被験者は、実施例1および実施例3の41歳の被験者のように、THC:CBDのバランスの取れた比率を有する食用品から恩恵を受けるであろうと推定される。
【0083】
(実施例9)
年齢の割には正常な性的経験および活動性を有する68歳の女性被験者に、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品が与えられる。前記被験者は、性器領域への血流を増加させる成分(例えば、女性用XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに、前記注入食用品を摂取する。約1時間後、被験者は潮紅を感じ、前記カンナビノイド化合物および前記血流促進剤の効果(外陰部と乳首の腫脹の増加を含む)を感じ、これは主に生理的なものであるが、前記注入食用品によってもたらされる興奮および不安の減少という強化された精神的効果と結びつき、スレッショルド欲求を高める。
【0084】
1時間後に前記被験者は、同年代の男性パートナーとの性行為を開始する。前記被験者は、高いスレッショルド欲求(7)、高まった感度(9)を経験し、通常よりも早く、より強力に絶頂(9)を迎えることができる。男性のセックスパートナーの持久力にもよるが、女性被験者は、快感増強成分とパフォーマンス増強成分との併用により、生理的および精神的な意識および感度が高まる結果、複数のオルガスムを達成することができる。女性被験者の年齢(68歳)のため、被験者は、実施例2および実施例4の70歳の被験者のように、より高いTHC:CBDの比率を有する食用品からより多くの恩恵を受けるであろうと推定される。
【0085】
(実施例10)
45歳の女性被験者に、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品が与えられる。前記被験者は、性器領域への血流を増加させる成分(例えば、女性用XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに、前記注入食用品を摂取する。約1時間後、被験者は潮紅を感じ、前記カンナビノイド化合物および前記血流促進剤の効果(外陰部と乳首の腫脹の増加を含む)を感じ、これは主に生理的なものであるが、前記注入食用品によってもたらされる興奮および不安の減少という強化された精神的効果と結びつき、スレッショルド欲求を高める(9)。
【0086】
1時間後に前記被験者は、同年代の男性パートナーとの性行為を開始する。前記被験者は、高まった感度(9)と快感を経験し、通常よりも早く、より強力な絶頂(9)を迎えることができる。男性のセックスパートナーの持久力にもよるが、女性被験者は、快感増強成分とパフォーマンス増強成分との併用により、生理的および精神的な意識および感度が高まる結果、複数のオルガスムを達成することができる。女性被験者の年齢(45歳)のため、被験者は、実施例5の50歳の被験者のように、より高いTHC:CBDの比率を有する食用品から、および/またはバランスの取れたTHC:CBD比率を有する食用品をより多くの量摂取することから、より多くの恩恵を受けるであろうと推定される。
【0087】
(実施例11)
欲求と快感を失ったために性行為をほとんど行わない70歳の女性被験者に、前述の実施例のいずれかにしたがって作製された注入食用品が与えられる。前記被験者は、性器領域への血流を増加させる成分(例えば、女性用XZen、またはViagra(登録商標)の一部)とともに、前記注入食用品を摂取する。約1時間後、被験者は潮紅を感じ、前記カンナビノイド化合物および前記血流促進剤の効果(外陰部と乳首の腫脹の増加を含む)を感じ、これは主に生理的なものであるが、前記注入食用品によってもたらされる興奮および不安の減少という強化された精神的効果と結びつき、スレッショルド欲求を高める(7または8)。
【0088】
1時間後に前記被験者は、同年代の男性パートナーとの性行為を開始する。前記被験者は、高まった感度(7または8)と快感を経験し、久しぶりに、あるいはこれまでにない絶頂(6または7)を迎えることができる。男性のセックスパートナーの持久力にもよるが、女性被験者は、快感増強成分とパフォーマンス増強成分との併用により、生理的および精神的な意識および感度が高まる結果、複数のオルガスムを達成することができる。女性被験者の年齢(70歳)のため、前記被験者は、実施例2および実施例4の70歳の被験者のように、より高いTHC:CBDの比率を有する食用品から、より多くの恩恵を受けるかもしれないと推定される。
【0089】
(実施例12)
前述の実施例のいずれも、吸入によって送達され得る製剤における成分(例えば、快感増強成分)のうちの少なくとも1つを提供することにより変更される。例としては、例えば、水または「ベイプジュース」(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)で医薬製剤の1つまたは複数の成分を加熱して、目的の成分を運び、吸入され得る蒸気を提供する気化器が挙げられる。気化液の温度および/または選択は、ユーザーに送達されるカンナビノイドの濃度および/または比率に影響を与える可能性がある。
【0090】
(実施例13)
前述の実施例のいずれも、活性成分を迅速に吸収することができる身体の任意の領域に塗布することができる局所製剤における成分(例えば、快感増強成分)の少なくとも1つを提供することによって変更される。例としては、例えば、男性および女性の性器領域および/または肛門領域が挙げられる。
【0091】
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。記載された実施形態は、すべての点において例示的なものとしてのみ考慮されるべきであり、限定的なものではない。したがって、本発明の範囲は、前述の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の意味および均等性の範囲内にあるすべての変更は、その範囲内に包含されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける性機能障害を治療するための医薬組成物であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含むカンナビノイド成分、および、
治療有効量の、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィルからなる群から選択される性的反応増強成分を、送達するように構成される1つまたは複数の剤形を含む、医薬組成物。
【請求項2】
前記1つまたは複数の剤形が、錠剤、カプセル剤、または、坐剤を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための摂取可能な剤形であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、摂取可能なカンナビノイド成分、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L-アルギニン、L-シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン(Korean red ginsing))、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス(Chenopodium ambrosioides)、クロロフィツム・ボリビリアナム(Chlorophytum borivilianum)、デスモディウム・ガンゲチクム(Desmodium gangeticum)、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤またはカプセル剤を含む、摂取可能な剤形。
【請求項4】
前記摂取可能なカンナビノイド成分が、錠剤、カプセル剤、経口ドロップ、トローチ、ロリポップ、例えばブラウニー、クッキーまたはチョコレートなどの食品調製物、チューズ、ガムドロップ、ソフトキャンディー、ハードキャンディー、および液体ショットからなる群から選択される、請求項3に記載の摂取可能な剤形。
【請求項5】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための組成物であって、
5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または5mg〜約500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む、局所カンナビノイド剤形、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤またはカプセル剤、を含む、組成物。
【請求項6】
前記局所カンナビノイド剤形が、マッサージオイル、ローション、ゲル、クリーム、潤滑剤、性器スプレー、膣パッチ、膣坐剤、および肛門坐剤からなる群から選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項7】
ヒトにおける性的反応および感度を増強するための組成物であって、
1用量5mg〜500mgのテトラヒドロカンナビノール(THC)または1用量5mg〜500mgのカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを提供するように構成される、気化可能なおよび吸入可能なカンナビノイド剤形、および、
治療有効量のシルデナフィル、タダラフィル、またはバルデナフィルから選択される性的反応増強成分、および/または、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、および/または、ダミアナのうちの1つまたは複数を含む少なくとも2gなどの少なくとも1gのハーブサプリメント、を含む錠剤、カプセル剤、または、局所剤形、を含む、組成物。
【請求項8】
前記気化可能なおよび吸入可能なカンナビノイド剤形が、熱気化器またはネブライザーを使用する気化および吸入用に製剤化される、請求項に記載の組成物。
【請求項9】
ヒトにおける、性機能障害を治療するならびに/または性的反応および感度を増強するための組成物であって、
テトラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含むカンナビノイドを、摂取により、吸入により、または局所的に、投与するために構成されるカンナビノイド、および、
摂取により投与されるように構成され、シルデナフィル、タダラフィル、およびバルデナフィル、ハーブサプリメント、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される有効量の性的反応成分を含む、性的反応成分、を含む、組成物
【請求項10】
前記カンナビノイドが、5〜500mg、または7.5〜450mg、または10〜400mg、または15〜350mg、または20〜300mg、または25〜250mgのTHC、および/または、5〜500mg、または7.5〜450mg、または10〜400mg、または15〜350mg、または20〜300mg、または25〜250mgのCBDを含む、請求項に記載の組成物
【請求項11】
前記カンナビノイドが、注入食用品、経口ドロップ、液体ショット、カプセル剤または錠剤として投与されるように構成された、請求項9または10に記載の組成物
【請求項12】
前記カンナビノイドが、熱気化されたカンナビス抽出物の吸入により投与されるように構成された、請求項9または10に記載の組成物
【請求項13】
前記カンナビノイドが、オイル、ローション、ゲル、クリーム、潤滑剤、性器スプレー、膣パッチ、膣坐剤、または肛門坐剤として局所的に投与される、請求項9または10に記載の組成物
【請求項14】
前記性的反応成分が、L−アルギニン、L−シトルリン、ヤヒンベ根、朝鮮人参(例えば、コリアン・レッド・ジンセン)、イチョウ、ホーニーゴートウィード、アカザ、ケノポディウム・アンブロシオイデス、クロロフィツム・ボリビリアナム、デスモディウム・ガンゲチクム、ビタミンCと組み合わせたニンニク、ダミアナ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるハーブサプリメントである、請求項9から13のいずれか1項に記載の組成物
【請求項15】
ヒトにおける、性機能障害を治療するならびに/または性的反応および感度を増強するための組成物であって、
トラヒドロカンナビノール(THC)またはカンナビジオール(CBD)のうちの少なくとも1つを含む錠剤またはカプセル剤、および、
シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、L−アルギニン、ハーブサプリメント、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量の性的反応成分を含む錠剤またはカプセル剤、を含む、組成物
【国際調査報告】